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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102023
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】残留物除去装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/00 20060101AFI20240723BHJP
   A01G 25/06 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A01G25/00
A01G25/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005646
(22)【出願日】2024-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2023005727
(32)【優先日】2023-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523019907
【氏名又は名称】都築 正孝
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】出口 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】川口 恭太
(72)【発明者】
【氏名】町野 文哉
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 晴都
(72)【発明者】
【氏名】近藤 貴嗣
(72)【発明者】
【氏名】都築 正孝
(57)【要約】
【課題】 流路の外壁の材質が軟質のものであったとしても、流路の内部の残留物を除去することができる残留物除去装置を提供する。
【解決手段】 残留物除去装置は、可撓性管体内の残留物を除去する残留物除去装置であって、可撓性管体の外側面部に跨がって可撓性管体を挟持する分岐部を有するアーム部が備えられ、アーム部は、分岐部のそれぞれの端部に、可撓性管体の外側面部と当接して回転しながら可撓性管体を押圧する回転押圧部材と、回転押圧部材と回転軸の一端側により軸着し回転押圧部材を回転させるモータと、回転押圧部材に備えられ、モータによる回転押圧部材の回転時に回転押圧部材の回転を偏心させる偏心錘と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性管体内の残留物を除去する残留物除去装置であって、
前記可撓性管体の外側面部に跨がって前記可撓性管体を挟持する分岐部を有するアーム部が備えられ、
前記アーム部は、
前記分岐部のそれぞれの端部に、前記可撓性管体の外側面部と当接して回転しながら前記可撓性管体を押圧する回転押圧部材と、
前記回転押圧部材と回転軸の一端側により軸着し前記回転押圧部材を回転させるモータと、
前記回転押圧部材に備えられ、前記モータによる前記回転押圧部材の回転時に前記回転押圧部材の回転を偏心させる偏心錘と、
を備えている残留物除去装置。
【請求項2】
前記アーム部は、2箇所の前記分岐部を有し、
前記モータは、2箇所の前記分岐部にそれぞれ収納され、
前記分岐部内の前記モータの前記回転軸の他端側に、2個の前記モータの回転を同期させる同期化部が備えられることを特徴とする請求項1に記載の残留物除去装置。
【請求項3】
前記同期化部は、前記回転軸の前記他端側に備えられるプーリとベルトとの組み合わせによって構成されるものであることを特徴とする請求項2に記載の残留物除去装置。
【請求項4】
前記同期化部は、前記回転軸の前記他端側に備えられる歯車の組み合わせによって構成されるものであることを特徴とする請求項2に記載の残留物除去装置。
【請求項5】
前記回転押圧部材は円盤であり、前記回転押圧部材の円盤の中心部に前記モータの前記回転軸の一端側が軸着され、前記円盤内であって前記中心部の近傍部に前記偏心錘が埋入されていることを特徴とする請求項1に記載の残留物除去装置。
【請求項6】
前記回転押圧部材の円周面に突起部が複数備えられることを特徴とする請求項1に記載の残留物除去装置。
【請求項7】
前記アーム部に接続される本体部を備え、
前記本体部の外部または内部に前記モータを駆動させる電源部が備えられることを特徴とする請求項1に記載の残留物除去装置。
【請求項8】
前記2箇所の前記分岐部の中央部に設けられ、前記分岐部同士を近接または離隔させる屈曲部が備えられることを特徴とする請求項2に記載の残留物除去装置。
【請求項9】
前記屈曲部は、前記2箇所の前記分岐部の重なり合う重合部に前記アーム部の延伸方向に平行となる中心軸を備え、
前記分岐部の一方が前記中心軸を中心に回動して前記分岐部同士が近接または離隔することを特徴とする請求項8に記載の残留物除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残留物除去装置に関し、特に管体の内部の残留物に振動を与えることによって除去する残留物除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農業用灌水は、地下水、川、湖、ため池などを水源とすることが多く、農作物、花卉などの栽培に用いるものである。農業用灌水は、水源から汲み上げられて、用水路、導水管などの流路を経て圃場などに供給される。流路断面は、水源の近くでは比較的十分に確保できるが、田畑などに近づくに従って小さくなる傾向にある。流路に、土、枯葉、ゴミ、生物の死骸などの異物が混入し、流路内で残留物として沈殿し固化した場合、流路断面を更に狭めて詰まりなどの原因になることがある。
【0003】
そのため、定期的に流路の内部の残留物を除去する作業が行われている。例えば、流路に定期的に水道水を供給し通過させることで流路の内部を洗浄しメンテンナンスを行っている。また、残留物が既に固化し流路の内壁に付着してしまい、上記のようなメンテナンスでも洗浄できない場合は、残留物が付着している部分を特定して、この部分の流路を交換することが行われている。
【0004】
しかし、上記したメンテナンスでは、大量の水道水が必要となりコストがかかるなどの問題があった。また、流路を交換する場合にしても、コストと時間がかかるなどの問題があった。
【0005】
そこで、流路の詰まりを解消する方法として、流路に振動を与えることで、流路の内壁に固着している残留物を剥がし落したり、流路の内壁に付着している残留物が固化する前に除去したりするなどが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1に開示の技術によれば、流路の残留物を洗浄する方法として、加振装置の振動子が発振した振動を、ホーンと呼ばれ、アルミニウム、ステンレスなどの材料で構成された振動が伝わり易い部材を、流路の外壁に接触させて流路に伝播することで残留物を除去できるとしている。
【0007】
一方で、特許文献1に開示の技術では、ホーンと流路の外壁との接触によって超音波を伝播しているため、流路の外壁の材質がゴムなどの軟質のものであった場合、超音波による振動は軟質の外壁によって低減されてしまい、流路内の残留物を除去できない虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-358366号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、流路の外壁の材質が軟質のものであったとしても、流路の内部の残留物を除去することができる残留物除去装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、第1の態様に係る残留物除去装置は、可撓性管体内の残留物を除去する残留物除去装置であって、可撓性管体の外側面部に跨がって可撓性管体を挟持する分岐部を有するアーム部が備えられ、アーム部は、分岐部のそれぞれの端部に、可撓性管体の外側面部と当接して回転しながら可撓性管体を押圧する回転押圧部材と、回転押圧部材と回転軸の一端側により軸着し回転押圧部材を回転させるモータと、回転押圧部材に備えられ、モータによる回転押圧部材の回転時に回転押圧部材の回転を偏心させる偏心錘と、を備えている。
【0011】
第2の態様は、第1の態様に係る残留物除去装置において、アーム部は、2箇所の分岐部を有し、モータは、2箇所の分岐部にそれぞれ収納され、分岐部内のモータの回転軸の他端側に、2個のモータの回転を同期させる同期化部が備えられることとしてもよい。
【0012】
第3の態様は、第2に態様に係る残留物除去装置において、同期化部は、回転軸の他端側に備えられるプーリとベルトとの組み合わせによって構成されるものであることとしてもよい。
【0013】
第4の態様は、第2の態様に係る残留物除去装置において、同期化部は、回転軸の他端側に備えられる歯車の組み合わせによって構成されるものであることとしてもよい。
【0014】
第5の態様は、第1の態様に係る残留物除去装置において、回転押圧部材は円盤であり、回転押圧部材の円盤の中心部にモータの回転軸の一端側が軸着され、円盤内であって中心部の近傍部に偏心錘が埋入されていることとしてもよい。
【0015】
第6の態様は、第1の態様に係る残留物除去装置において、回転押圧部材の円周面に突起部が複数備えられることとしてもよい。
【0016】
第7の態様は、第1の態様に係る残留物除去装置において、アーム部に接続される本体部を備え、本体部の外部または内部にモータを駆動させる電源部が備えられることとしてもよい。
第8の態様は、第2の態様に係る残留物除去装置において、2箇所の分岐部の中央部に設けられ、分岐部同士を近接または離隔させる屈曲部が備えられることとしてもよい。
第9の態様は、第8の態様に係る残留物除去装置において、屈曲部は、2箇所の分岐部の重なり合う重合部にアーム部の延伸方向に平行となる中心軸を備え、分岐部の一方が中心軸を中心に回動して分岐部同士が近接または離隔することとしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本開示に係る残留物除去装置は、可撓性管体内の残留物を除去する残留物除去装置であって、可撓性管体の外側面部に跨がって可撓性管体を挟持する分岐部を有するアーム部が備えられ、アーム部は、分岐部のそれぞれの端部に、可撓性管体の外側面部と当接して回転しながら可撓性管体を押圧する回転押圧部材と、回転押圧部材と回転軸の一端側により軸着し回転押圧部材を回転させるモータと、回転押圧部材に備えられ、モータによる回転押圧部材の回転時に回転押圧部材の回転を偏心させる偏心錘と、を備えているので、流路の外壁の材質が軟質のものであったとしても、流路の内部の残留物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は第1実施形態に係る残留物除去装置の概要を説明するための斜視図である。
図2図2は第1実施形態に係る残留物除去装置の概要を説明するための上方から見た図である。
図3図3は第1実施形態に係る残留物除去装置の概要を説明するための側面から見た図である。
図4図4は第1実施形態に係る残留物除去装置の構成を説明するための斜視図である。
図5図5は第1実施形態に係る残留物除去装置の構成を説明するための上面図である。
図6図6は第1実施形態に係る残留物除去装置の同期化部の第1実施形態の構成を説明するための部分断面図である。
図7図7は第1実施形態に係る残留物除去装置の同期化部の第1実施形態の構成を説明するための部分断面図である。
図8図8は第1実施形態に係る残留物除去装置の同期化部の第2実施形態の構成を説明するための部分断面図である。
図9図9は第1実施形態に係る回転押圧部材の静止状態における偏心錘の位置について説明するための図である。
図10図10は第1実施形態に係る残留物除去装置の動作原理について説明するための図である。
図11図11は第1実施形態に係る残留物除去装置の第1使用例について説明するための図である。
図12図12は第1実施形態に係る残留物除去装置の第2使用例について説明するための図である。
図13図13は第2実施形態に係る残留物除去装置の構成を説明するための斜視図である。
図14図14は第3実施形態に係る残留物除去装置の構成を説明するための斜視図である。
図15図15は第4実施形態に係る残留物除去装置の構成を説明するための斜視図である。
図16図16は第4実施形態に係る残留物除去装置の構成を説明するための部分断面図である。
図17図17は第4実施形態に係る残留物除去装置の動作について説明するための図である。
図18図18は第5実施形態に係る残留物除去装置の構成を説明するための部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示に係る残留物除去装置について、第1実施形態(残留物除去装置10:図1乃至図12参照)、第2実施形態(残留物除去装置40:図13参照)、第3実施形態(残留物除去装置50:図14参照)、第4実施形態(残留物除去装置200:図15乃至図17参照)、及び第5実施形態(残留物除去装置250:図18)を説明する。本開示は、以下に説明する第1乃至第5実施形態に係る残留物除去装置(10、40、50、200、250)に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本開示の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の変形例、若しくは応用例により実施可能である。
【0020】
(第1実施形態に係る残留物除去装置10について)
図1乃至図12を参照して第1実施形態に係る残留物除去装置10について説明する。
残留物除去装置10は、可撓性管体11内の残留物を除去する。
可撓性管体11は、水などの液体を輸送するための中空状の管である。図示する可撓性管体11の断面は円形であるが、円形に限らず矩形などでもよい。輸送される液体は、植物栽培用、灌漑用に用いられる水、工業用に用いられる燃料、薬品、洗剤など、及び、養殖用、畜産用に用いられる飼料などが例として挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0021】
管体は、内部を液体が通る流路を形成し得るものであり、例えば、パイプ、チューブ、及び、管などのことをいう。可撓性管体11は、柔軟性、弾力性などのやわらかい性質を有する管体であり、また、硬質であっても柔軟であり、折り曲げることが可能な管体であってもよい。可撓性管体11の例として、軟質塩化ビニールなどでできた軟質チューブ(管)などが挙げられる。
【0022】
残留物は、液体に含まれる不純物が可撓性管体11の内部に残留したものである。例えば、灌漑用水の輸送に用いる可撓性管体11の残留物は、地下水、川、湖、ため池などの水源に混入した、或いは輸送中の水に混入した、土、砂利、枯葉、ゴミ、生物の死骸などである。また、工業用に用いられる燃料の輸送に用いる可撓性管体11の残留物の例としては、燃料の貯留時若しくは輸送時に混入した金属片、石片、木片、凝固した油脂、固化した燃料成分などが挙げられる。また、畜産用に用いられる飼料の輸送に用いる可撓性管体11の残留物の例としては、沈殿し固化した飼料成分(例えば、米、トウモロコシ、牧草など)が挙げられる。
【0023】
これらの残留物は、時間の経過とともに可撓性管体11の内部に蓄積されて内壁に付着し固化する。可撓性管体11は、残留物の増加に伴い流路断面が縮小することによって詰まりなどの原因となり液体の輸送の妨げになる。残留物除去装置10は、可撓性管体11の外部から振動を与えることによって、可撓性管体11の内部の残留物を除去するものである。
【0024】
(第1実施形態に係る残留物除去装置10の構成について)
先ず、第1実施形態に係る残留物除去装置10の構成について図1乃至図5を参照して以下に説明する。
図1は第1実施形態に係る残留物除去装置10の概要を説明するための斜視図であり、図2は上方から見た図であり、図3は側面から見た図である。図4は第1実施形態に係る残留物除去装置10の構成を説明するための斜視図であり、図5は上面図である。
【0025】
残留物除去装置10は、アーム部12と本体部13とを備える。本体部13はアーム部12に接続される。アーム部12は、2箇所の分岐部14を有する。アーム部12は、可撓性管体11の外側面部11aに跨がって可撓性管体11を挟持する分岐部14を有する。アーム部12は、中空円筒形状であって、先端に向けて二股に分岐して2個の中空円筒状の分岐部14を備える。分岐部14は、アーム部12の二股に分岐した位置から先端に向けた部分のことである。アーム部12、本体部13、及び分岐部14の材質は、残留物除去装置10の用途目的に叶う使用に耐えうる剛性、及び耐久性などの性質を備えるものであって、例えば、金属、プラスチック樹脂、木製板材などである。アーム部12における分岐部14は図示の2箇所に限られず、4箇所など複数個所設けることとしてもよい。
【0026】
本体部13は、1本の中空の棒状となる取手部13aを備える。取手部13aは、残留物除去装置10の使用者が使用中に手で持つ部分である。本体部13は、外部に後述のモータ16を駆動させる2個の電源部18が備えられる(図1など参照)。なお、本体部13は、2個の電源部18を取手部13a内の中空部に収納してもよい。電源部18は、1個でもよいし3個以上であってもよい。電源部18は、繰り返し充電可能な二次電池であり、充電する際は、電源コード(不図示)を電源コード差込口18aに接続する。
【0027】
アーム部12は、2個の分岐部14の間に可撓性管体11を配置するための空間20を有している。空間20の大きさは、可撓性管体11の大きさに合わせて適宜変更可能である。アーム部12は、分岐部14のそれぞれの端部14aに、可撓性管体11の外側面部11aと当接して回転しながら可撓性管体11を押圧する回転押圧部材15を備える。
【0028】
回転押圧部材15は、自転の状態で外周面が可撓性管体11の外側面部11aと当接する。2個の回転押圧部材15が異なる角度から可撓性管体11の外側面部11aに当接するので、可撓性管体11は回転押圧部材15の2箇所の当接により移動が規制されて、2個の回転押圧部材15の揺動に対して同調して揺動する。
【0029】
アーム部12は、回転押圧部材15と回転軸16aの一端側により軸着し回転押圧部材15を回転させるモータ16を備える。モータ16は、2箇所の分岐部14にそれぞれ1個ずつ収納される。
【0030】
回転押圧部材15は、モータ16による回転押圧部材15の回転時に回転押圧部材15の回転を偏心させる偏心錘17を備える。
回転押圧部材15は円盤であり、回転押圧部材15の円盤の中心部にモータ16の回転軸16aの一端側が軸着され、円盤内であって中心部の近傍部に偏心錘17が埋入されている。
【0031】
円盤内であって中心部の近傍部は、円盤の回転中心に一致する位置ではなく、当該回転中心からずれた位置であって、円盤の回転中心から円盤の外周縁までの間の何れかの位置の域をいう。
回転押圧部材15は、円盤形状をなし、その材質は金属、セラミックス、プラスチック樹脂、木製板材、加工紙などの硬質なものである。
【0032】
偏心錘17は、回転押圧部材15を偏心回転させるためのおもりである。
偏心錘17の重心(不図示)の位置は、円盤形状の回転押圧部材15の回転軸16aの位置に一致せずに、回転軸16aの位置から外れた位置であって、回転軸16aから回転押圧部材15の外周縁までの間の何れかにある。
【0033】
偏心錘17は、回転押圧部材15に用いられる材質に対して密度の異なる材質が用いられる。偏心錘17の密度は、回転押圧部材15の密度より高いものである。回転押圧部材15がプラスチック樹脂で作られている場合に、偏心錘17はこのプラスチック樹脂よりも密度の高いプラスチック樹脂、金属などで作られていてもよい。また、回転押圧部材15と偏心錘17との材質が同じである場合、偏心錘17の厚さを回転押圧部材15の厚さより厚くしてもよい。
【0034】
なお、偏心錘17の密度は、回転押圧部材15の密度より小さいものであってもよい。例えば、回転押圧部材15が金属で作られている場合に、偏心錘17はこの金属よりも密度の小さいプラスチック樹脂若しくは金属などで作られていてもよい。また、回転押圧部材15と偏心錘17との材質が同じである場合、偏心錘17の厚さを回転押圧部材15の厚さより薄くしてもよい。
【0035】
従って、偏心錘17は、回転押圧部材15に備えられることによって回転押圧部材15の自転が偏心回転となるものであればよい。また、回転押圧部材15は、偏心錘17を備える代わりに、回転押圧部材15の円盤内に穴部、凹み部、凸部を設けてもよい。回転押圧部材15は、穴部、凹み部、凸部を設けることによって回転押圧部材15の重心位置が回転軸16aの位置から外れることとなり、自転時に偏心回転することとなる。
【0036】
また、偏心錘17は、1個に限定されるものではなく、複数個の偏心錘17を回転押圧部材15に備えてもよい。偏心錘17を備える代わりに、回転押圧部材15に穴部、凹み部、凸部を備える場合にあっては、回転押圧部材15は複数個の穴部、凹み部、凸部を備えてもよい。
【0037】
回転押圧部材15の円周面に突起部15aが複数備えられる。
複数個の突起部15aが、回転押圧部材15の円周面の全周に亘って設けられる。突起部15aは、回転押圧部材15の円周面の全周に亘って等間隔に設けられてもよいし、不等間隔に設けられてもよい。突起部15aは、回転押圧部材15の回転に伴い、可撓性管体11の外側面部11aに連続して衝突する。この突起部15aの衝突の連続により、可撓性管体11の外部から振動が伝播される。
【0038】
回転押圧部材15は、偏心錘17を備える代わりに、回転押圧部材15の円周面に複数個備えられる突起部15aによって回転押圧部材15の自転時の回転を偏心回転としてもよい。複数個の突起部15aは、回転押圧部材15の円周面に等間隔に均等配置されるのではなく、回転押圧部材15の重心が回転軸16aの位置から外れるように複数個の突起部15aを回転押圧部材15の円周面に不均一に配置することとしてもよい。
【0039】
なお、回転押圧部材15は、残留物除去装置10に対して着脱可能であり、可撓性管体11の形状、大きさ、材質に合わせて適宜、他の形状若しくは他の材質の回転押圧部材に変更可能である。後述の第2実施形態に係る残留物除去装置40、及び第3実施形態に係る残留物除去装置50は、第1実施形態に係る残留物除去装置10の回転押圧部材15から他の形状の回転押圧部材45、55に変えたものである。
【0040】
分岐部14内のモータ16の回転軸16aの他端側に、2個のモータ16の回転を同期させる同期化部(21、22)が備えられる(図7図8参照)。
同期化部(21、22)は、2個のモータ16の回転軸16aの回転を同期させることで、2個のモータ16の回転によって生じる2つの振動の間の振動数及び振幅の差を減らす。
回転軸16aの他端側は、回転軸16aの両端のうち回転押圧部材15が備えられた端部側とは異なる端部側のことである。
なお、2個のモータ16のうち、片方のモータ16のみに通電し動力発生状態とし、同期化部(21、22)によって他方のモータ16の回転軸16aを回転させてもよい。
【0041】
同期化部(21、22)は、プーリ21aとベルト21bとの組み合わせにより構成されてもよいし(図7参照)、歯車の組合せ22aにより構成されてもよい(図8参照)。同期化部(21、22)の実施形態として、プーリ21aとベルト21bとの組み合わせにより構成される同期化部21を第1実施形態(図6図7参照)とし、歯車の組合せ22aにより構成される同期化部22を第2実施形態(図8参照)として以下に説明する。
【0042】
(同期化部21の第1実施形態)
同期化部21の第1実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。図6及び図7は第1実施形態に係る残留物除去装置10の同期化部21の第1実施形態の構成を説明するための部分断面図である。
【0043】
2本の回転軸16aの他端側の各々は、プーリ21aが固定されている。ベルト21bは、この2個のプーリ21aに掛け渡される。2本の回転軸16aの回転速度は、プーリ21aとベルト21bとによって同じになり、2本の回転軸16aの回転が同期される。プーリ21aは、動力源となる回転軸16aからベルト21bを使用して動力を他に伝達するときに回転軸16aに取り付けられる滑車のことである。
【0044】
(同期化部22の第2実施形態)
同期化部22の第2実施形態について、図8を参照して説明する。図8は第1実施形態に係る残留物除去装置10の同期化部22の第2実施形態の構成を説明するための部分断面図である。
【0045】
2本の回転軸16aの他端側の各々は、第1歯車22b及び第2歯車22cの何れかが固定されている。第1歯車22bと第2歯車22cとは、回転軸22eに軸支される中間歯車22dにかみ合うことにより相互に連結する。回転軸22eは、アーム部12内に2本の回転軸16aと平行となるように設けられる。2本の回転軸16aの回転は、歯車の組合せ22a(第1歯車22b、第2歯車22c、及び中間歯車22dの組合せ)により同期される。図示の歯車同士のかみ合わせには、傘歯車同士の噛み合わせの形態も含められる(図示省略)。
【0046】
(第1実施形態に係る残留物除去装置10の動作原理について)
図9図10を参照して、残留物除去装置10の機能について説明する。図9は第1実施形態に係る回転押圧部材15の静止状態における偏心錘17の位置について説明するための図であり、図10は第1実施形態に係る残留物除去装置10の動作原理について説明するための図である。
【0047】
図9に示す様に、2個の静止状態における回転押圧部材15のうち、左側の第1回転押圧部材151における第1偏心錘171の第1重心171aの位置と、右側の第2回転押圧部材152における第2偏心錘172の第2重心172aの位置とは同じである。
【0048】
すなわち、第1偏心錘171の第1重心171aの第1回転軸161aからの距離は、第2偏心錘172の第2重心172aの第2回転軸162aからの距離と同じである。
【0049】
さらに、第1偏心錘171の第1重心171aと第1回転軸161aとを通る線を第1線171cとし、第2偏心錘172の第2重心172aと第2回転軸162aとを通る線を第2線172cとし、第1回転軸161aを通るx軸を第1x軸171bとし、第2回転軸162aを通るx軸を第2x軸172bとした場合に、第1線171cと第1x軸171bとのなす角である第1角度171dと、第2線172cと第2x軸172bとのなす角である第2角度172dとは等しい。
【0050】
従って、第1回転押圧部材151が偏心回転によって発生する振動と、第2回転押圧部材152が偏心回転によって発生する振動と、は相互に打ち消し合い相殺することがなく、2個の回転押圧部材15(151、152)が偏心回転によって発生する振動を効率よく可撓性管体11に伝達することができる。
【0051】
さらに、第1回転押圧部材151と第2回転押圧部材152とは相互に同期して回転するので、第1回転押圧部材151が偏心回転によって発生する振動の周期と、第2回転押圧部材152が偏心回転によって発生する振動の周期との関係の変容が抑制される。従って、時間の経過とともに2つの振動の周期のずれが生じて、第1回転押圧部材151が偏心回転によって発生する振動と、第2回転押圧部材152が偏心回転によって発生する振動と、が相互に打ち消し合い相殺を開始することもない。
【0052】
図10に示す様に、第1回転押圧部材151と第2回転押圧部材152とは異なる角度から可撓性管体11の外側面部11aに押圧し可撓性管体11を保持するので、第1回転押圧部材151と第2回転押圧部材152とは可撓性管体11の動きを誘導する。従って、第1回転押圧部材151と第2回転押圧部材152との偏心回転によって生じる振動により、可撓性管体11には矢印11cの方向の揺動が付与される。
【0053】
さらに、第1回転押圧部材151の回転による第1突起部151aの可撓性管体11の外側面部11aへの連続的な衝突により、可撓性管体11の内部に振動の第1伝播111bが生じる。第2回転押圧部材152の回転による第2突起部152aの可撓性管体11の外側面部11aへの連続的な衝突により、可撓性管体11の内部に振動の第2伝播112bが生じる。
【0054】
残留物除去装置10は、可撓性管体11に対して、振動の第1伝播111b、第2伝播112b、及び矢印11cの方向の揺動を生じさせて異質となる複数種類の振動を可撓性管体11の外部から付与できるので、可撓性管体11の内部の残留物を効果的に除去することができる。
【0055】
次に図11図12を参照して、残留物除去装置10の使用例について説明する。
(第1実施形態に係る残留物除去装置10の第1使用例)
先ず、図11を参照して、残留物除去装置10の第1使用例について説明する。図11は、第1実施形態に係る残留物除去装置10の第1使用例ついて説明するための図である。
【0056】
第1使用例として、草、花、野菜などを栽培する植物工場において残留物除去装置10が使用される例を説明する。
プランタ30は、内部に土及び肥料を入れて植物を育てる場所となる。可撓性管体11は各プランタ30に供給する養液を輸送する。3個のプランタ30を1区画の植物工場とする。1区画の植物工場の両端の各々に支柱31を立設し、可撓性管体11を2本の支柱31の間に架けて設置する。
【0057】
2本の支柱31の間において、可撓性管体11の上部に第1バー32と第2バー33とを並行に架けて設置する。第1バー32は取手部13aの上部を貫通することで残留物除去装置10を吊り下げる。第2バー33は取手部13aの下部を挟持することで残留物除去装置10を保持する。
【0058】
1区画の植物工場において、可撓性管体11に1台又は2台以上の残留物除去装置10を設置する。残留物除去装置10は、可撓性管体11における残留物が生じ易い場所を特定して適宜設置するものとする。
【0059】
可撓性管体11の内部を流れる養液は、その成分が残留物となり内壁に付着し固化する虞があるが、残留物除去装置10により可撓性管体11に対して振動及び揺動を与えることで残留物を除去することができる。
【0060】
(第1実施形態に係る第2使用例)
次に、図12を参照して、残留物除去装置10の第2使用例について説明する。図12は、第1実施形態に係る残留物除去装置10の第2使用例ついて説明するための図である。
【0061】
第2使用例として、草、花、野菜などを栽培する大規模植物工場において残留物除去装置10が使用される例を説明する。
第2使用例では、第1使用例で示した1区画の植物工場を2行3列の合計6個組み合わせて1つの大規模植物工場とした。この大規模植物工場において、1区画につき1台又は2台以上の残留物除去装置10を設置する。
【0062】
なお、大規模植物工場における1区画の植物工場の2行3例の組合せは、1つの例を示したにすぎずこれに限定されるものではなく、3行以上であって、2列若しくは4列以上の組合せであってもよい。
【0063】
大規模植物工場において、可撓性管体11の距離は長くなるが、1区画ごとに1台又は2台以上の残留物除去装置10を設置することで、可撓性管体11内の残留物を除去することができる。
【0064】
(第2実施形態)
次に図13を参照して、第2実施形態に係る残留物除去装置40について説明する。図13は第2実施形態に係る残留物除去装置40の構成を説明するための斜視図である。
【0065】
第2実施形態に係る残留物除去装置40について、図13において第1実施形態に係る残留物除去装置10と同一部分については同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態に係る残留物除去装置10と異なる部分について異なる符号を付して以下に説明する。
第2実施形態に係る残留物除去装置40は、第1実施形態に係る残留物除去装置10と比較して、回転押圧部材45の形状が第1実施形態に係る回転押圧部材15の形状と異なり、その他の部分については第1実施形態に係る部分と同じである。
【0066】
第2実施形態に係る回転押圧部材45は円周面に突起部45aを備える。突起部45aは、第1実施形態に係る突起部15aと比較して、回転押圧部材45の径方向における長さが長く、円周面に亘って形成された数が5個と少ないのが特徴である。
【0067】
(第3実施形態)
次に図14を参照して、第3実施形態に係る残留物除去装置50について説明する。図14は第3実施形態に係る残留物除去装置50の構成を説明するための斜視図である。
【0068】
第3実施形態に係る残留物除去装置50について、図14において第1実施形態に係る残留物除去装置10と同一部分については同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態に係る残留物除去装置10と異なる部分について異なる符号を付して以下に説明する。
第3実施形態に係る残留物除去装置50は、第1実施形態に係る残留物除去装置10と比較して、回転押圧部材55の形状が第1実施形態に係る回転押圧部材15の形状と異なり、その他の部分については第1実施形態に係る部分と同じである。
【0069】
第3実施形態に係る回転押圧部材55は円周面に突起部55aを備える。突起部55aは、第1実施形態に係る突起部15a及び第2実施形態に係る突起部45aと比較して、回転押圧部材55の径方向における長さが突起部15aより長く突起部45aより短い。また、突起部55aの円周面に亘って形成された数が8個と少ないのが特徴である。
【0070】
上記した実施形態によれば、残留物除去装置10は、可撓性管体11に対して、振動の第1伝播111b、第2伝播112b、及び矢印11cの方向の揺動を生じさせて異質となる複数種類の振動を可撓性管体11の外部から付与できるので、可撓性管体11の内部の残留物を効果的に除去することができる。
【0071】
さらに、上記した実施形態によれば、回転押圧部材15は、残留物除去装置10に対して着脱可能であり、可撓性管体11の形状、大きさ、材質に合わせて適宜、他の形状の回転押圧部材に変更可能である。
【0072】
(第4実施形態に係る残留物除去装置200について)
図15乃至図17を参照して、第4実施形態に係る残留物除去装置200について説明する。図15は残留物除去装置200の構成を説明するための斜視図であり、図16は残留物除去装置200の構成を説明するための部分断面図であり、図17は残留物除去装置200の動作について説明するための図である。
【0073】
第4実施形態に係る残留物除去装置200について、図15乃至図17において第1実施形態に係る残留物除去装置10と同一部分については同一符号を付してその説明を省略し、第1実施形態に係る残留物除去装置10と異なる部分について異なる符号を付して以下に説明する。
第4実施形態に係る残留物除去装置200は、第1実施形態に係る残留物除去装置10と比較して、2箇所の分岐部(第1分岐部213、第2分岐部214)の中央部に設けられ、分岐部(第1分岐部213、第2分岐部214)同士を近接または離隔させる屈曲部206を備える点で異なる。
【0074】
残留物除去装置200は、本体部13及びアーム部212を備える。
本体部13は、残留物除去装置10と同様に、取手部13a及び電源部18を備える。
アーム部212は、第1カバー部201及び第2カバー部202を取手部13aの先端部に備える。
アーム部212は、第1分岐部213を第1カバー部201の先端側に備え、第2分岐部214を第2カバー部202の先端側に備える。
第1分岐部213は第1モータ161を収納し、第2分岐部214は第2モータ162を収納する。
屈曲部206は、2個の分岐部(第1分岐部213、第2分岐部214)の重なり合う重合部204にアーム部212の延伸方向に平行となる中心軸203を備え、分岐部(第1分岐部213、第2分岐部214)の一方が中心軸203を中心に回動して分岐部(第1分岐部213、第2分岐部214)同士が近接または離隔する。図示から理解されるように、2個の分岐部(第1分岐部213、第2分岐部214)の一方が中心軸203を中心に折れ曲がる。
【0075】
第1カバー部201及び第2カバー部202は、図16に示す様に、重合部204を備える。重合部204において、第1カバー部201の一部が外側から第2カバー部202の一部を挟み込むように覆い重なり合う。中心軸203は、重合部204において、第1カバー部201の一部と第2カバー部202の一部とを貫通するように設置される。屈曲部206は、中心軸203を回動中心にして屈曲する。中心軸203は、図16に示す様に、重合部204の第2カバー部202の内側に固定された第1軸受205a及び第2軸受205bにより回転可能に支持される。屈曲部206の屈曲の動作の際、第1カバー部201と第2カバー部202の接合面は摺動を伴いながら中心軸203を中心に回動する。
【0076】
第1カバー部201及び第2カバー部202は、同期化部220が収納される。
同期化部220は、第1プーリ221、第2プーリ222、第3プーリ224、第4プーリ225、第1ベルト227、及び第2ベルト228を備える。
第1プーリ221は、第1モータ161の第1回転軸161aの他端側に固定される。他端側とは、第1偏心錘171が取り付けられた第1回転軸161aの先端に対して反対側の端部のことをいう。
第2プーリ222及び第3プーリ224は、中心軸203に固定され、中心軸203とともに回転する。
第4プーリ225は、第2モータ162の第2回転軸161bの他端側に固定される。他端側とは、第2偏心錘172が取り付けられた第1回転軸161aの先端に対して反対側の端部のことをいう。
第1ベルト227は第1プーリ221と第2プーリ222に掛け渡される。
第2ベルト228は第3プーリ224と第4プーリ225に掛け渡される。
第2プーリ222と第3プーリ224は、中心軸203に固定されているため、同じ回転速度で回転する。
第2プーリ222の第1プーリ221に対する直径の大きさの比は、第3プーリ224の第4プーリ225に対する直径の大きさの比と同じである。
【0077】
第1モータ161と第2モータ162は、同期化部220によって同期される。このため、残留物除去装置200において、残留物除去装置10と同様に、2個のモータ(第1モータ161、第2モータ162)の回転によって生じる振動は、相互に打ち消し合うことがない。
【0078】
次に図17を参照して、残留物除去装置200の動作について説明する。図17は残留物除去装置200の動作について説明するための図である。
残留物除去装置200は、図17に示す様に、可撓性管体(311、411、511)の直径の大きさに応じて屈曲部206の屈曲する角度206aを調整する。
図17に示す可撓性管体(311、411、511)は、可撓性管体311(図17(a))、可撓性管体411(図17(b))、可撓性管体511(図17(c))の順に直径が徐々に大きくなる。従って、角度206aは、図17(a)、図17(b)、図17(c)の順に徐々に大きくなる。
【0079】
図17に示す様に、残留物除去装置200は、可撓性管体(311、411、511)の直径の大きさに応じて角度206aを調整し、第1回転押圧部材151の第1突起部151a及び第2回転押圧部材152の第2突起部152aが、外側面部(311a、411a、511a)に当接するように角度206aを調整することで、第1回転押圧部材151と第2回転押圧部材152との偏心回転によって生じる振動により、可撓性管体(311、411、511)には矢印11cの方向の揺動が付与される。さらに、第1回転押圧部材151の回転による第1突起部151aの可撓性管体(311、411、511)の外側面部(311a、411a、511a)への連続的な衝突により、可撓性管体(311、411、511)の内部に振動の第1伝播(312a、412a、512a)が生じる。第2回転押圧部材152の回転による第2突起部152aの可撓性管体(311、411、511)の外側面部(311a、411a、511a)への連続的な衝突により、可撓性管体(311、411、511)の内部に振動の第2伝播(312b、412b、512b)が生じる。
【0080】
残留物除去装置300は、可撓性管体(311、411、511)の直径の大きさに適した角度206aを設定することで、振動の第1伝播(312a、412a、512a)、第2伝播(312b、412b、512b)、及び矢印11cの方向の揺動を生じさせて異質となる複数種類の振動を可撓性管体11の外部から付与できるので、直径の異なる複数の可撓性管体に対しても内部の残留物を効果的に除去することができる。
【0081】
(第5実施形態に係る残留物除去装置250について)
図18を参照して、第5実施形態に係る残留物除去装置250について説明する。図18は残留物除去装置250の構成を説明するための部分断面図である。
第5実施形態に係る残留物除去装置250は、第4実施形態に係る残留物除去装置200の変形例であり、残留物除去装置200と比較して、備えるモータは1個であり、モータ261を取手部13aに備え、モータ261が同期化部270を介して第1回転軸161a及び第2回転軸162aを回転駆動する点で異なる。
第5実施形態に係る残留物除去装置250について、図18において第4実施形態に係る残留物除去装置200と同一部分については同一符号を付してその説明を省略し、残留物除去装置200と異なる部分について異なる符号を付して以下に説明する。
【0082】
残留物除去装置250は、本体部13及びアーム部260を備える。
本体部13は、残留物除去装置10と同様に、取手部13a及び電源部18を備える。
アーム部260は、第1カバー部201及び第2カバー部202を取手部13aの先端部に備える。
アーム部260は、第1分岐部213を第1カバー部201の先端側に備え、第2分岐部214を第2カバー部202の先端側に備える。
第1分岐部213は第1回転軸161aを収納し、第2分岐部214は第2回転軸161bを収納する。
【0083】
第1カバー部201及び第2カバー部202は、同期化部270が収納される。
同期化部270は、第1プーリ221、第2プーリ222、第3プーリ224、第4プーリ225、第1ベルト227、及び第2ベルト228を備える。
第1プーリ221は、第1回転軸161aの他端側に固定される。他端側とは、第1偏心錘171が取り付けられた第1回転軸161aの先端に対して反対側の端部のことをいう。
第2プーリ222及び第3プーリ224は、中心軸203に固定され、中心軸203とともに回転する。
第4プーリ225は、第2回転軸161bの他端側に固定される。他端側とは、第2偏心錘172が取り付けられた第1回転軸161aの先端に対して反対側の端部のことをいう。
第1ベルト227は第1プーリ221と第2プーリ222に掛け渡される。
第2ベルト228は第3プーリ224と第4プーリ225に掛け渡される。
第2プーリ222と第3プーリ224は、中心軸203に固定されているため、同じ回転速度で回転する。
第2プーリ222の第1プーリ221に対する直径の大きさの比は、第3プーリ224の第4プーリ225に対する直径の大きさの比と同じである。
【0084】
取手部13aの先端部に収納されたモータ261の回転軸は中心軸203に連結され、モータ261の回転軸と中心軸203は一体となって回転する。
モータ261の回転軸の回転は、同期化部270によって第1回転軸161a及び第2回転軸162aに伝達され、第1回転軸161a及び第2回転軸162aの夫々の先端部に接続された第1回転押圧部材151及び第2回転押圧部材152を回転させる。第1回転押圧部材151及び第2回転押圧部材152の回転は、同期化部270によって同期される。
【0085】
第5実施形態に係る残留物除去装置250は、1個のモータ261によって第1回転押圧部材151及び第2回転押圧部材152を回転駆動することができるため、モータを2個使う場合と比較して部品点数を少なくできるとともに、軽量にすることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 残留物除去装置
11 可撓性管体
11a 外側面部
11b 振動の伝播
111b 振動の第1伝播
112b 振動の第2伝播
11c 矢印
12 アーム部
13 本体部
13a 取手部
14 分岐部
14a 端部
15 回転押圧部材
151 第1回転押圧部材
152 第2回転押圧部材
15a 突起部
151a 第1突起部
152a 第2突起部
15b 回転方向
151b 第1回転方向
152b 第2回転方向
16 モータ
161 第1モータ
162 第2モータ
16a 回転軸
161a 第1回転軸
162a 第2回転軸
17 偏心錘
171 第1偏心錘
172 第2偏心錘
171a 第1重心
172a 第2重心
17b x軸
171b 第1x軸
172b 第2x軸
171c 第1線
172c 第2戦
17d 角度
171d 第1角度
172d 第2角度
18 電源部
18a 電源コード差込口
20 空間
21 同期化部
21a プーリ
21b ベルト
22 同期化部
22a 歯車の組み合わせ
22b 第1歯車
22c 第2歯車
22d 中間歯車
22e 回転軸
30 プランタ
31 支柱
32 第1バー
33 第2バー
40 残留物除去装置
45 回転押圧部材
45a 突起部
50 残留物除去装置
55 回転押圧部材
55a 突起部
200 残留物除去装置(第4実施形態)
201 第1カバー部
202 第2カバー部
203 中心軸
204 重合部
205a 第1軸受
205b 第2軸受
206 屈曲部
206a 角度
212 アーム部
213 第1分岐部
213a 端部
214 第2分岐部
214a 端部
220 同期化部
221 第1プーリ
222 第2プーリ
224 第3プーリ
225 第4プーリ
227 第1ベルト
228 第2ベルト
250 残留物除去装置(第5実施形態)
260 アーム部
261 モータ
270 同期化部
311 可撓性管体
311a 外側面部
312a 振動の第1伝播
312b 振動の第2伝播
411 可撓性管体
411a 外側面部
412a 振動の第1伝播
412b 振動の第2伝播
511 可撓性管体
511a 外側面部
512a 振動の第1伝播
512b 振動の第2伝播
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18