(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102040
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20240723BHJP
A63F 13/5372 20140101ALI20240723BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20240723BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/5372
A63F13/822
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024007519
(22)【出願日】2024-01-22
(62)【分割の表示】P 2023006041の分割
【原出願日】2023-01-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼開催日:令和 4年12月17日 イベント名、開催場所:ジャンプフェスタ2023 幕張メッセ 国際展示場 展示ホール1~8(千葉県千葉市美浜区中瀬2丁目5) 公開者:株式会社バンダイ ▲2▼ウェブサイトの掲載日:令和 4年12月17日 ウェブサイトのアドレス:https://www.youtube.com/watch?v=ehxrFU9Hd7I https://www.youtube.com/watch?v=JVQgoW1tSAQ 公開者:株式会社バンダイ ▲3▼ウェブサイトの掲載日:令和 5年 1月10日 ウェブサイトのアドレス:https://www.carddass.com/dbh/sdbh_ugm/news/086.php 公開者:株式会社バンダイ ▲4▼公開日:令和 5年 1月13日 公開した場所:製品名「データカードダス スーパードラゴンボールヒーローズ」の筐体を設置した日本国内の店舗 公開者:株式会社バンダイ
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 麗南
(72)【発明者】
【氏名】小川 大地
(72)【発明者】
【氏名】赤井 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】三田 健介
(72)【発明者】
【氏名】中川 太志
(72)【発明者】
【氏名】衣川 航平
(57)【要約】
【課題】プレイヤに対戦ゲームの進行を容易に把握させる。
【解決手段】プログラムは、コンピュータに、プレイヤを第1チームと第2チームのいずれかに分類する分類処理と、複数のプレイヤを参加させた対戦ゲームであって、各プレイヤについてキャラクター群が登場して進行する対戦ゲームを実行する実行処理と、実行された対戦ゲームに係る画面を表示する表示処理と、を実行させ、対戦ゲームに係る画面は、第1チームのプレイヤに係る第1キャラクター群と第2チームのプレイヤに係る第2キャラクター群とが移動可能に配置された第1仮想空間を表示し、第1キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体が一体化した状態で第1仮想空間に配置され、第2キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体とは異なる第2装飾体が一体化した状態で第1仮想空間に配置される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
プレイヤを第1チームと第2チームのいずれかに分類する分類処理と、
複数のプレイヤを参加させた対戦ゲームであって、各プレイヤについてキャラクター群が登場して進行する対戦ゲームを実行する実行処理と、
実行された前記対戦ゲームに係る画面を表示する表示処理と、
を実行させ、
前記対戦ゲームに係る画面は、前記第1チームのプレイヤに係る第1キャラクター群と前記第2チームのプレイヤに係る第2キャラクター群とが移動可能に配置された第1仮想空間を表示し、
前記第1キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体が一体化した状態で前記第1仮想空間に配置され、
前記第2キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、前記第1装飾体とは異なる第2装飾体が一体化した状態で前記第1仮想空間に配置され、
前記第1装飾体及び前記第2装飾体は、キャラクターと一体化された状態において、当該キャラクターの動作と独立した挙動を示す個別動作が定義されており、
前記表示処理において、前記第1キャラクター群のキャラクターと前記第2キャラクター群のキャラクターの前記第1仮想空間における距離が第1距離である場合の前記個別動作の規模が、前記第1距離よりも長い第2距離である場合の前記個別動作の規模よりも大きく制御されるプログラム。
【請求項2】
前記対戦ゲームは、一方のチームに係るキャラクター群の少なくとも一部のキャラクターを行動キャラクターとし、他方のチームに係るキャラクター群の少なくとも一部のキャラクターを被行動キャラクターとした行動演出を伴って進行し、
前記表示処理において、前記行動演出における前記行動キャラクターと前記被行動キャラクターの表示時に、少なくとも前記第1装飾体または前記第2装飾体が表示される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記表示処理において、
前記第1キャラクター群のキャラクターが第1サイズで表示される場合には、前記第1装飾体が視認不可能な状態に制御され、
前記第1キャラクター群のキャラクターが前記第1サイズよりも大きい第2サイズで表示される場合には、前記第1装飾体が視認可能な状態に制御され、
前記第2キャラクター群のキャラクターが前記第1サイズで表示される場合には、前記第2装飾体が視認不可能な状態に制御され、
前記第2キャラクター群のキャラクターが前記第2サイズで表示される場合には、前記第2装飾体が視認可能な状態に制御される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記表示処理において、前記第1装飾体及び前記第2装飾体は、キャラクターの頭部に一体化して表示される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1装飾体及び前記第2装飾体は、動物の一部の部位を模した外観を有する請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記表示処理において、前記第1キャラクター群のキャラクターと前記第2キャラクター群のキャラクターの前記第1仮想空間における距離が閾値より小さい場合に、一方のキャラクターに関する追加情報がさらに表示される請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記表示処理において、前記一方のキャラクターの近傍であって、当該キャラクターを遮蔽しない位置に前記追加情報が表示される請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1チーム及び前記第2チームのプレイヤに係るキャラクターを配置した第2仮想空間を表示する事前表示処理と、
前記第2仮想空間においてキャラクターを移動させ、前記対戦ゲームを申し込む他のキャラクターの選択を受け付ける選択処理と、
を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第2仮想空間において、
前記第1チームのプレイヤに係るキャラクターは、前記第1装飾体が一体化した状態で配置され、
前記第2チームのプレイヤに係るキャラクターは、前記第2装飾体が一体化した状態で配置され、
前記選択処理において、同一の装飾体が一体化されたキャラクターへの前記対戦ゲームの申し込みが不可能に制御される
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
プレイヤを第1チームと第2チームのいずれかに分類する分類手段と、
複数のプレイヤを参加させた対戦ゲームであって、各プレイヤについてキャラクター群が登場して進行する対戦ゲームを実行する実行手段と、
実行された前記対戦ゲームに係る画面を表示する表示手段と、
を備え、
前記対戦ゲームに係る画面は、前記第1チームのプレイヤに係る第1キャラクター群と前記第2チームのプレイヤに係る第2キャラクター群とが移動可能に配置された仮想空間を表示し、
前記第1キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体が一体化した状態で前記仮想空間に配置され、
前記第2キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、前記第1装飾体とは異なる第2装飾体が一体化した状態で前記仮想空間に配置され、
前記第1装飾体及び前記第2装飾体は、キャラクターと一体化された状態において、当該キャラクターの動作と独立した挙動を示す個別動作が定義されており、
前記表示手段は、前記第1キャラクター群のキャラクターと前記第2キャラクター群のキャラクターの前記仮想空間における距離が第1距離である場合の前記個別動作の規模を、前記第1距離よりも長い第2距離である場合の前記個別動作の規模よりも大きく制御するゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関し、特にマルチプレイの電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤを参加させたマルチプレイのゲームを提供するゲームシステムがある(特許文献1)。このようなマルチプレイの電子ゲームの中には、対戦ゲームに登場可能に設けられたキャラクター群のうちから、例えばプレイヤが所有する実物品からの情報取得を条件として一部のキャラクターを各プレイヤの操作キャラクターとして登録して進行するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようにプレイヤが操作キャラクターを登録する対戦ゲームでは、利便性の高い一部のキャラクターが操作キャラクターとして選択されがちである。例えば、対戦ゲームの進行を有利にせしめるパラメータが設定されたキャラクターは、その登録有無によって対戦結果が確定し得るため、上位ランカー等のプレイヤのゲームプレイにおいて採用率が高くなる。
【0005】
一方で、対戦ゲームに参加する複数のプレイヤが、いずれも同一のキャラクターを操作キャラクターとして採用した場合、その対戦ゲームの進行中に発生した行動が、いずれのプレイヤに対応付けられたキャラクターが行った行動であるか、あるいはいずれのプレイヤに対応付けられたキャラクターを対象とした行動であるかの判別が難しくなる。結果、プレイヤが対戦ゲームの進行を誤って把握し、不適当な操作入力を行ってしまう等の虞があった。
【0006】
本発明は、プレイヤに対戦ゲームの進行を容易に把握させるプログラム及びゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様のプログラムは、コンピュータに、プレイヤを第1チームと第2チームのいずれかに分類する分類処理と、複数のプレイヤを参加させた対戦ゲームであって、各プレイヤについてキャラクター群が登場して進行する対戦ゲームを実行する実行処理と、実行された対戦ゲームに係る画面を表示する表示処理と、を実行させ、対戦ゲームに係る画面は、第1チームのプレイヤに係る第1キャラクター群と第2チームのプレイヤに係る第2キャラクター群とが移動可能に配置された第1仮想空間を表示し、第1キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体が一体化した状態で第1仮想空間に配置され、第2キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体とは異なる第2装飾体が一体化した状態で第1仮想空間に配置される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プレイヤに対戦ゲームの進行を容易に把握させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100のハードウェア構成を例示したブロック図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムの構成を例示した図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200のハードウェア構成を例示したブロック図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係る提示装置110の構成を例示した図
【
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る仮想空間を表示する画面を例示した図
【
図6】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチング用の各種インタフェースを例示した図
【
図7】本発明の実施形態及び変形例に係るマッチング成立時の表示を例示した図
【
図8】本発明の実施形態及び変形例に係る対戦ゲームの設定画面を例示した図
【
図9】本発明の実施形態及び変形例に係るチーム対抗戦にて各プレイヤのキャラクターに装着させるヘッドピースを例示した図
【
図10】本発明の実施形態及び変形例に係る実行段階処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、マッチングされた他のプレイヤとの間で対戦ゲームを実行するゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、対戦ゲームを実行する任意の機器に適用可能である。
【0012】
《ゲームシステムの構成》
図2は、本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成を例示した図である。図示されるように、本実施形態のゲームシステムは、それぞれ対戦ゲームのプレイ体験を提供可能な複数のゲーム装置100と、同時期にゲーム装置100を利用中のプレイヤを対戦ゲームの参加者としてマッチングするサーバ200とを含む。より詳しくは、サーバ200は、同時期にゲーム装置100においてロビー接続要求を行ったプレイヤをマッチングする機能を提供する。
【0013】
ゲーム装置100とサーバ200とは、ネットワーク300を介して情報の送受信が可能に構成される。本実施形態では、ネットワーク300はインターネット等の広域の情報通信網であるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、例えばLAN等の狭域の通信網であってもよいことは言うまでもない。
【0014】
以下、各装置のハードウェア構成について、別図を参照して説明する。
【0015】
《ゲーム装置のハードウェア構成》
図1は、本実施形態に係るゲーム装置100のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0016】
制御部101は、CPU等のプロセッサであり、ゲーム装置100が備える各ハードウェアの動作制御、及びゲームのプレイ体験の提供機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的には制御部101は、例えば記憶装置102に記憶されている必要なプログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0017】
記憶装置102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。記憶装置102は、ゲーム装置100を動作させるためのオペレーティングシステムやプレイ体験を提供するゲームに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、プレイ体験を提供するゲームに係る各種データを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0018】
GPU104は、ゲームのプレイ体験の提供中に提示されるゲーム画面やその他の画面・画像の生成に係る、各種の描画処理を実行する描画装置である。GPU104は、不図示のGPUメモリを含み、記憶装置102から読み出された各種グラフィックスデータを展開し、所定の演算を行って画面をはじめとする各種の画像を生成する。GPU104により生成された画面や画像は、例えばゲーム装置100が具備する提示装置110が含む表示装置に表示されることで、プレイヤに提示される。
【0019】
提示装置110は、ゲーム装置100が備える情報提示機能を備えた装置である。1つの態様では、提示装置110は、GPU104により生成された画面を表示する、液晶ディスプレイ等の表示装置を含む。またゲーム装置100における情報提示の手段は、表示装置や照明装置のような視覚的な情報提示を実現するものに限られるものではなく、聴覚的な情報提示を実現するスピーカ等の音声出力装置、触覚的な情報提示を実現する力覚提示装置等、他の種類の情報提示手段を含むものであってよい。その場合、提示する情報は、例えば記憶装置102から読み出されたデータや、制御部101が随時構成したデータであってよい。
【0020】
操作I/F105は、ゲーム装置100が備える操作入力を受け付けるユーザインタフェースである。操作I/F105は、操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。1つの態様において、操作I/F105は、例えば決定入力用のボタンや選択入力用のボタン等の操作部材や各種センサ等を含む。また提示装置110がタッチ入力を検出可能な表示装置を含む態様では、操作I/F105は、当該表示装置に設けられた、タッチ入力検出センサを含む。
【0021】
通信I/F106は、ゲーム装置100が備える外部装置との通信インタフェースである。通信I/F106と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。通信I/F106が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよく、後者の場合、例えば近距離無線通信や近接無線通信も含み得る。
【0022】
支払装置120は、ゲーム装置100の利用に係る代価の支払いを受け付ける装置である。代価は、例えば不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決済処理が完了したこと等により支払われたものとして扱うことができる。支払装置120は、代価の支払いがなされたことを検出すると、その旨を示す制御信号を制御部101に出力する。以下の説明では特に断りのない限り、ゲーム装置100は、いずれのプレイヤにも利用されていない状態(スタンバイ状態)において代価の支払いが検出された場合に、その状態を、ゲームのプレイ体験を提供可能な状態に切り替え、プレイヤへのサービス提供を開始するものとする。
【0023】
リーダ130は、ゲーム装置100が備える実物品からの情報取得を行う装置である。リーダ130の情報取得方式は、例えば撮像装置により実物品の外観に付されたコードを読み取る方式を用いることができる。別の態様では、リーダ130の情報取得方式は、例えば実物品に内蔵された所定のチップから情報を読み出す方式や、ゲーム装置100に実物品を装着した際の装着部における所定のスイッチの入力態様や接続端子の導通態様等を監視する方式等、任意の情報取得方式を採用することもできる。リーダ130により取得された情報は、制御部101に伝送され、例えばゲームの進行やサービス提供内容を制御するために用いられる。
【0024】
提供装置140は、予め収容した実物品を提供する機能を具備した装置である。本実施形態のゲーム装置100は、例えばサービス提供の開始時等の所定の条件が満たされた場合に、制御部101による制御を受けて提供装置140が規定数の実物品を提供するよう構成される。1つの態様において、提供装置140は、内蔵するストッカに収容された実物品を、その収容順に提供することができる。また別の態様では、提供装置140は、収容された実物品に対して、所定の加工を施した上で提供することもできる。提供装置140により提供される実物品は、1つの態様では、リーダ130によって取得可能な情報が付された物品とすることもできる。
【0025】
本実施形態では、ゲーム装置100の筐体にこれらのハードウェア構成が内蔵されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、提示装置110、支払装置120、リーダ130及び提供装置140の少なくともいずれかは、ゲーム装置100の筐体外部に設けられ、ゲーム装置100と接続されることにより利用可能に構成されるものであってもよい。
【0026】
〈提示装置の詳細〉
本実施形態の提示装置110は、
図4に示されるように、第1表示部111と第2表示部112とを含んで構成される。
【0027】
第1表示部111は、リーダ130を兼ねて構成された表示装置であり、ゲーム用の実物品(以下、ゲーム用実物品として言及する場合がある)を載置可能に構成される。第1表示部111は、例えば背面投影方式で表示画面が提示される表示装置であり、載置面(表示面)に載置されたゲーム用実物品を背面から間欠的に撮像することにより、当該実物品の識別、当該実物品の載置位置の検出、及び当該実物品に付された情報の取得が行われる。第1表示部111が有する載置面は、実物品からの情報取得に利用されるだけでなく、当該載置面上における実物品の移動操作によって、ゲームの操作入力を行うことが可能に構成される。
【0028】
対して、第1表示部111の上方に設けられた第2表示部112は、LCD等の表示装置である。第2表示部112は、ゲーム用実物品を載置不可能な傾斜態様となっており、情報提示にのみ用いられる。
【0029】
《サーバ200のハードウェア構成》
図3は、本実施形態に係るサーバ200のハードウェア構成を示したブロック図である。なお、以下の説明において、ゲーム装置100と同様の機能を実現するハードウェア構成については、ゲーム装置100の構成と峻別すべく「サーバ」の接頭文字を付すものとする。
【0030】
サーバ制御部201は、CPU等のプロセッサであり、サーバ200が備える各ハードウェアの動作制御、及びプレイヤのマッチング機能を含む各種機能の実現に係る制御を行う。具体的にはサーバ制御部201は、例えばサーバ記憶装置202に記憶されている必要なプログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより該当の制御を行う。
【0031】
サーバ記憶装置202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的な情報記憶が可能な装置である。サーバ記憶装置202は、サーバ200を動作させるためのオペレーティングシステムやマッチングに係るプログラムに加え、各種制御の実現に必要となるパラメータの情報や、マッチング機能の提供に必要な各種データを記憶する。またサーバ記憶装置202は、ゲームシステムの利用者として登録された各プレイヤの情報を管理するデータベース機能も具備するものとする。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各プログラムの展開領域としてだけでなく、各種ハードウェアの動作や各種制御の過程で出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるものであってよい。
【0032】
サーバ通信I/F204は、サーバ200が備える外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信I/F204と外部装置との間の情報通信は、インターネット等の広域通信網(WAN)を介して行われるものであってもよいし、LAN等を介して行われるものであってもよい。サーバ通信I/F204が行う情報通信は、有線及び無線のいずれで行われるものであってもよい。
【0033】
《ゲームの概要》
以下、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームについて説明する。
【0034】
ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは、上述したように同時期に他のゲーム装置100を利用する他のプレイヤとの間、あるいはNPC(Non-Player Character)との間で、各プレイヤの使用するキャラクター同士を対戦させる対戦ゲームである。各プレイヤの使用するキャラクターは、当該プレイヤが第1表示部111の載置面に載置したゲーム用実物品に基づいて登録される。
【0035】
本実施形態ではゲーム用実物品は、カードの態様で構成されたゲームカードであるものとして説明するが、本発明の実施がこれに限られるものではないことは容易に理解されよう。ゲームカードには、対戦ゲームに登場可能に設けられた複数のキャラクターのいずれかが対応付けられている。ゲームカードへのキャラクターの対応付けは、当該キャラクターを一意に特定する情報(キャラクターID等)がゲームカードに付されることにより行われる。従って、各プレイヤは、対戦ゲームにおいて使用を所望するキャラクターに係るゲームカードを第1表示部111の載置面に載置することにより、リーダ130に当該情報を取得させ、該当のキャラクターを使用キャラクターとするゲームプレイを行うことが可能となる。
【0036】
対戦ゲームは、代価の支払いがなされたことを支払装置120が検出したことを契機として開始される。対戦ゲームは、プレイヤに対して対戦相手がマッチングされる「マッチング段階」と、当該対戦ゲームに係るプレイ体験が提供される(対戦ゲームについて設けられた遊戯の体験を可能ならしめる)「実行段階」とを含む。マッチング段階では、プレイヤは、同時期にゲーム装置100を利用する他のプレイヤと対戦するか、NPCと対戦するかを選択することができる。前者は、代価の支払い後に、プレイヤがロビー接続要求に係る操作(メニュー選択等)を行ったことに応じて選択され、後者は、ロビー接続要求を行わなかった、あるいはロビー接続要求を行ったが対戦相手となるプレイヤとマッチングしなかった場合に選択される。
【0037】
ロビー接続要求に係る操作がなされると、ゲーム装置100からサーバ200に対して当該ロビー接続要求が転送される。サーバ制御部201は、ロビー接続要求を受信すると、当該ロビー接続要求を行ったプレイヤを割り当てるマッチングロビーを決定する。サーバ制御部201は、複数のマッチングロビーを管理しており、同時期にロビー接続要求を行ったプレイヤをこれらのマッチングロビーのいずれかに分類する。ここで、マッチングロビーとは複数のプレイヤが任意に対戦相手のプレイヤを選択して対戦ゲームを開始可能なネットワーク上の場である。各プレイヤは、割り当てられたマッチングロビーにて、当該マッチングロビーに同じく割り当てられたプレイヤとの間で対戦ゲームをプレイする機会を得る。
【0038】
詳細は後述するが、マッチングロビーに割り当てられたプレイヤは、同ロビーに割り当てられた他のプレイヤに対して対戦を申し込むか、同ロビーに割り当てられた他のプレイヤからの対戦申し込みを待機するか(マッチング待機状態となるか)を選択することができる。従って、サーバ制御部201は、ゲーム装置100からロビー接続要求を受信した場合に、当該ゲーム装置100を利用するプレイヤに対して1つのマッチングロビーを割り当て、当該マッチングロビーに同じく割り当てられている他のプレイヤの情報を当該ゲーム装置100に共有する。またマッチングロビーへのプレイヤの割り当てや、対戦申込の成立により各プレイヤのマッチング状況に変更が生じた場合には、サーバ制御部201は、その旨を示す情報を当該ロビーに分類されているプレイヤが利用するゲーム装置100のそれぞれに共有する。
【0039】
このように、マッチングロビーの利用時にはプレイヤ間の情報共有が必要になるため、当該機能(マッチングロビーを介したマッチング機能)の利用には、プレイヤの識別情報の取得が要件付けられるものとする。本実施形態のゲーム装置100において使用可能なゲームカードには、予め定められたキャラクターが対応付けられたカード(キャラクターカード)に加え、プレイヤ固有に設定されたキャラクターが対応付けられたカード(ライセンスカード)を含む。ライセンスカードは、プレイヤを一意に特定する識別情報(プレイヤID)が少なくとも付されており、他のプレイヤとマッチングする機能の利用にあたっては、当該ライセンスカードからの情報取得がなされていることが必要である。
【0040】
なお、ライセンスカードを所有するプレイヤは、プレイヤ固有のアバタを登録することができる。プレイヤ固有のアバタの情報は、プレイヤIDに対応付けてサーバ200にて管理され、ライセンスカードを使用時のゲーム装置100の利用において、当該アバタを含んだ表示が可能に構成される。また、ライセンスカードは、ゲームカードとして利用することも可能であり、使用キャラクターの登録時に情報取得させることで、プレイヤ固有のアバタを1体のキャラクター(以下、プレイヤキャラクターとして言及)として対戦ゲームに登場させることができる。即ち、ライセンスカードは、プレイヤを識別するためだけでなく、プレイヤキャラクターを登録し、操作するためにも用いることができる。
【0041】
〈マッチングロビーの機能概要〉
以下、マッチングロビーを介して提供される各種機能について、図を参照して概要を説明する。
【0042】
サーバ制御部201によるマッチングロビーへのプレイヤの割り当てが行われると、当該プレイヤの利用するゲーム装置100では、マッチングロビーに対応する仮想空間が表示される。仮想空間には、プレイヤに係るプレイヤキャラクターに加えて、同仮想空間が割り当てられた他のプレイヤに係るプレイヤキャラクターが配置され得る。より詳しくは、1つのゲーム装置100において表示される仮想空間には、当該ゲーム装置100を利用するプレイヤのプレイヤキャラクターと、当該仮想空間においてマッチング待機状態にあるプレイヤのプレイヤキャラクターとが配置される。以下、ゲーム装置100を利用するプレイヤであって、マッチング待機状態にあるプレイヤに対して対戦申込を行うプレイヤを「申込プレイヤ」、当該申込プレイヤのプレイヤキャラクターを「操作キャラクター」として説明する。また、マッチング待機状態にあるプレイヤを「候補プレイヤ」、当該候補プレイヤのプレイヤキャラクターを「待機キャラクター」として説明する。
【0043】
仮想空間は、第2表示部112では
図5に示されるように、3次元空間を俯瞰する態様で表示される。
図5に示される表示では、操作キャラクター501と待機キャラクター502は、人型のキャラクター画像の態様で表示される。図示されるように、第2表示部112になされる表示は、操作キャラクター501を中央に捉えるよう仮想空間内に視点が設定されている。操作キャラクター501は、仮想空間内を移動可能に制御されており、申込プレイヤによる操作に基づいて操作キャラクター501の移動が生じた際には、描画する視点もこれに追従して(操作キャラクター501を中央に捉えるように)移動する。
【0044】
他方、マッチング待機状態にある待機キャラクター502は、仮想空間内において操作キャラクター501の周囲に配置され、移動不可能に制御される。詳細は後述するが、待機キャラクター502は申込プレイヤによる対戦申込の操作を受け付けやすいよう、仮想空間における配置位置は固定される。申込プレイヤによる対戦申込の選択肢を増大させるべく、サーバ制御部201は各仮想空間に複数の待機キャラクター502が存在するよう候補プレイヤのマッチングロビー割り当てを制御することが好ましい。仮想空間に複数の待機キャラクター502が存在する場合、当該仮想空間内において各待機キャラクター502は互いに離間して配置される。
【0045】
また仮想空間は、第1表示部111では
図6(a)の領域601に示される態様で表示される。
図6(a)に示される表示では、操作キャラクターと待機キャラクターはアイコンの態様で表示されている。アイコンの配置は、仮想空間における各キャラクターの配置位置と対応しており、領域601の中央に操作キャラクターのアイコン602が配置され、待機キャラクターのアイコン603がその周囲に配置されるよう表示制御がなされている。
【0046】
〈対戦申込(マッチング要求)機能〉
待機キャラクターのアイコン603は、当該待機キャラクターへの対戦申込の操作入力を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。申込プレイヤは、第1表示部111において所望の待機キャラクターに係るアイコン603に対して操作入力を行うことで、
図6(b)に示されるように、操作キャラクター(のアイコン602)を当該待機キャラクター(のアイコン603)の近傍まで移動させることができる。即ち、第2表示部112の表示と同様、待機キャラクターのアイコン603は仮想空間において移動不可能に制御され、操作キャラクターのアイコン602は移動可能に制御される。
【0047】
操作キャラクターが待機キャラクターの近傍まで移動すると、
図6(c)に示されるような申込画面611が第1表示部111に表示される。申込画面611は、待機キャラクターに係る候補プレイヤがマッチングを希望している対戦ゲームについての詳細を示した対戦情報の表示621と、対戦を申し込むか否かのGUI622とを含む。対戦情報は、当該候補プレイヤにより設定された、対戦ゲームに関するメッセージと、対戦ゲームの仕様を規定する情報の少なくともいずれかを含んで構成されるものであってもよい。
図6(c)の態様では、表示621は、候補プレイヤのメッセージ631として「負けないぞ」が、対戦ゲームの対戦ルール(勝敗条件や使用デッキのコスト等)632として「ノーマル」が、対戦システム(対戦形式)633として「タイムブレイクバトル」が設定されていることを対戦情報として示している。
【0048】
申込プレイヤは、当該申込画面611においてGUI622に対する操作入力を行うことで、候補プレイヤに対戦申込を行うか否かを決定することができる。対戦申込を行う旨の選択肢に対して操作入力がなされた場合には、ゲーム装置100から該当の候補プレイヤに対するマッチング要求がサーバ200に送信される。サーバ制御部201は、当該マッチング要求を受信すると、申込プレイヤと候補プレイヤ間で対戦ゲームを成立させるためのマッチング処理を実行する。このとき、サーバ制御部201は、申込プレイヤの利用するゲーム装置100と当該候補プレイヤの利用するゲーム装置100との通信接続が維持されていることを条件として、マッチングを成立させる。
【0049】
ここで、マッチング要求がサーバ200に到達したタイミングにおいて、他の申込プレイヤの操作に起因するマッチング要求と競合する、あるいは、既に対戦中に移行している場合には、サーバ制御部201は、後発のマッチング要求を送信したゲーム装置100に対してマッチング失敗を返すものとする。即ち、マッチングは、対戦申込の操作により必ず成立するものではなく、競合時には先着順で成立するよう制御される。
【0050】
なお、対戦申込を行ったにも関わらずマッチングが成立しない状況を回避するため、既に候補プレイヤが対戦中となった待機キャラクターについては、仮想空間における表示態様を異ならせ、対戦申込を受け付け不可能にする制御がなされてもよい。あるいは、対戦申込のためにアイコン603に対する操作入力がなされた際に、当該アイコン603に係る待機キャラクター(候補プレイヤ)が対戦中でないことを条件として、操作キャラクターに係るアイコン602の移動が行われるよう制御してもよい。
【0051】
マッチングが成立すると、提示装置110においてその旨の情報提示がなされる。本実施形態のゲーム装置100では、第1表示部111及び第2表示部112を用いて成立したマッチングに関する情報が表示される。第1表示部111では、マッチング成立したことを明示するべく、操作キャラクター及び対戦相手となった待機キャラクターが、アイコンの態様から
図7に示されるような人型のキャラクター画像の態様に変更されて表示される。
【0052】
〈申込待機機能〉
またプレイヤは、マッチングロビーが割り当てられた後、所定の操作入力を行うことでマッチング待機状態に遷移させることができる。即ち、申込待機機能により、プレイヤ自身が候補プレイヤとなり(申込プレイヤではなくなり)、マッチングロビーに割り当てられた他の申込プレイヤから対戦申込を受け付けることが可能となる。
【0053】
本実施形態のゲーム装置100では、
図6(a)に示した第1表示部111に表示される仮想空間の画面において、待機メニュー605に対する操作入力が行われたことに応じて、プレイヤの状態がマッチング待機状態に移行される。より詳しくは、制御部101は、待機メニュー605に対する操作入力が受け付けられた際に、プレイヤがマッチングを希望する対戦ゲームについての詳細を示す対戦情報の入力をさらに受け付ける。対戦情報の入力は、
図8に示されるような設定画面800を介して行われる。
【0054】
設定画面800は例えば第1表示部111に表示され、プレイヤは当該画面において各種項目に対する操作入力を行うことで詳細を設定できる。図示されるように、設定画面800には、プレイヤの対戦ゲームに対する意気込み等を設定するメッセージ設定部801と、マッチングを希望する対戦ゲームの対戦ルール及び対戦システムを設定する対戦ルール設定部802及び対戦システム設定部803が含まれる。制御部101は、このうち少なくとも1つの設定が行われた後に、設定完了ボタン804に対する操作入力が行われたことに応じて、サーバ200にマッチング待機要求を対戦情報とともに送信する。
【0055】
サーバ制御部201は、マッチング待機要求を受信すると、該当のマッチングロビーに係るプレイヤの情報に当該対戦情報を関連付け、マッチング待機状態にある(候補プレイヤである)ものとして管理する。当該プレイヤの情報は、同一のマッチングロビーに分類されている他のプレイヤが利用するゲーム装置100に共有される。
【0056】
〈実行段階〉
上述したようにマッチングロビーにおいて対戦申込を行うことにより、あるいは、マッチング待機状態において対戦申込されたことによりマッチングが成立すると、ゲーム装置100において実行される対戦ゲームは、マッチング段階から実行段階に遷移する。即ち、成立したマッチングに関与するゲーム装置100では、プレイヤ(申込プレイヤ)と対戦相手のプレイヤ(候補プレイヤ)とを参加させた対戦ゲームのプレイ体験を提供する処理が実行される。
【0057】
実行段階にてプレイ体験が提供される遊戯(以下、単に対戦ゲームとして言及する場合がある)は、上述したように、各プレイヤがリーダ130に情報取得させたゲームカードに対応付けられたキャラクターが、使用キャラクターとして登場しながら進行する。本実施形態の対戦ゲームでは、各プレイヤは最大7体のキャラクターを使用キャラクターとして登録可能であり、ゲーム画面には両プレイヤに係る使用キャラクター群が表示される。各プレイヤは、ゲームプレイにあたり、1枚以上のゲームカードを第1表示部111の載置面に載置してリーダ130に情報取得をさせて使用キャラクターを登録し、また当該ゲームカードを操作することで対戦ゲーム中の各種操作入力を行うことができる。
【0058】
ここで、ゲームカードは、ゲーム装置100において代価の支払いが検出されたことを条件に提供装置140から1枚提供されるものとする。つまり、プレイヤは、ゲーム装置100の利用時に1枚のゲームカードを入手しているため、第1表示部111の載置面には少なくとも1枚のゲームカードを載置することができる。また本実施形態の対戦ゲームは、プレイヤキャラクターを使用キャラクターとして登録することも可能に構成される。従って、プレイヤは第1表示部111の載置面にライセンスカードを載置することで、当該プレイヤのプレイヤキャラクターを使用キャラクターとして登録することもできる。
【0059】
一方で、例えばプレイヤのゲーム装置100の利用回数が少ない場合やプレイヤがゲームカードを携行していない場合等、プレイヤ間で使用キャラクター数の差が顕著である場合には、対戦ゲームの進行が一方のプレイヤに有利な状態となり得る。このため、本実施形態の対戦ゲームでは、各プレイヤに係る使用キャラクター数には2以上の最小数が設けられ、各プレイヤについてゲームカードに基づいて登録された使用キャラクター数が当該最小数に満たない場合には、不足数分のキャラクターがゲームカードに基づかずにプレイヤの使用キャラクターとして登録されるものとする。
【0060】
当該不足数分のキャラクターは、どのような条件で選択されるものであってもよいが、対戦ゲーム上では、プレイヤに仮想的に貸与したゲームカードに基づいて登録されたものとして管理される。このとき、仮想的に貸与したゲームカード(仮想カード)の画像が、第1表示部111には表示され、プレイヤは対戦ゲーム中、当該仮想カードの画像に対する操作入力を行うことにより、対応するキャラクターを操作することができる。従って、本実施形態の対戦ゲームは、各プレイヤについて使用キャラクター群が登場して進行するよう構成される。
【0061】
対戦ゲーム中、第1表示部111には主として操作入力用の画面が表示され、第2表示部112にはゲームに参加する各プレイヤに係る使用キャラクター群を描画したゲーム画面が表示される。対戦ゲームは、当該対戦ゲームに参加する各プレイヤの使用キャラクター群を、ゲームフィールドに係る仮想空間に移動可能に配置して行われるものであり、第2表示部112に表示されるゲーム画面は、当該キャラクター群が配置された仮想空間を描画した内容を含む。
【0062】
本実施形態の対戦ゲームは、複数段階(フェーズ)を経て進行するよう構成されており、フェーズごとに各プレイヤに係る使用キャラクターが行動するターンが設けられているものとする。より詳しくは、一方のプレイヤに係るターンでは、当該プレイヤに係る使用キャラクター群のうちの少なくとも一部のキャラクターが行動キャラクターとして選択される。行動キャラクターによる行動は、主として対戦相手の使用キャラクターに対する攻撃行動であり、当該ターンにおいて、他方のプレイヤに係る使用キャラクター群の少なくとも一部のキャラクターが被行動キャラクターとして選択される。即ち、各プレイヤに係るターンでは、当該プレイヤに係る行動キャラクターが、対戦相手のプレイヤに係る被行動キャラクターを攻撃対象として攻撃行動を行う。
【0063】
攻撃行動は、例えば行動キャラクターの攻撃力、被行動キャラクターの防御力、ターンに係り行われた各プレイヤの操作入力に基づいて導出されたダメージ量を、被行動キャラクターの体力(パラメータ)から減算する効果を発生させる。攻撃行動が発動すると、第2表示部112には、あるいは、第2表示部112及び第1表示部111には当該攻撃行動に係る演出(行動演出)が表示される。行動演出は、攻撃行動に係る動作を行動キャラクター及び被行動キャラクターのそれぞれが示すよう構成されており、当該行動演出の表示により、いずれの行動キャラクターによって、いずれの被行動キャラクターに対する攻撃がなされたかをプレイヤに知らしめることができる。一態様では、行動演出は、行動キャラクター及び攻撃行動として行われるスキルの通知、当該スキルに対応した行動キャラクター及び被行動キャラクターのモーションの表示、及びダメージ量の表示を含む。
【0064】
対戦ゲームは、各フェーズについてプレイヤごとのターンに係る行動を生じさせ、いずれかのプレイヤに係る使用キャラクター群が行動不能になったこと、あるいは、所定回数のフェーズが終了したことを条件として終了する。ここで、使用キャラクター群が行動不能な状態は、例えば、当該キャラクター群に属する全ての使用キャラクターの体力が0となったことを指すものであってよい。対戦ゲームは、先に対戦相手の使用キャラクター群の全てのキャラクターの体力を0にしたプレイヤ、あるいは、所定回数のフェーズが終了時点において使用キャラクター群に含まれるキャラクターの体力の総和が多いプレイヤが勝者として判定されるよう構成される。なお、対戦ゲームの終了条件が満たされると、当該対戦ゲームに参加した各プレイヤが利用するゲーム装置100では結果表示がなされ、利用終了に係る各種処理が実行され、ゲーム装置100は次のプレイヤの利用を受け付けるスタンバイ状態に遷移する。
【0065】
〈チーム対抗戦〉
上述したマッチングロビーを介したマッチング機能では、プレイヤは個々に候補プレイヤに対して対戦申込を行う、あるいは自身が候補プレイヤとなって他のプレイヤからの対戦申込を待機することで、他のプレイヤとの間で一対一の対戦ゲームを行うことができる。また当該対戦ゲームの結果、プレイヤは自身の戦績を更新することができ、例えば当該戦績を評価したスコアに基づくプレイヤランキング等で、他のプレイヤと順位を競うことができる。
【0066】
一方で、このようなプレイヤ個人のランキング等の興趣要素は、ゲーム装置100の利用を長期継続しているプレイヤの方が有利である実情があり、後からサービス利用を開始したプレイヤは当該要素による興趣体験を十分に享受できない可能性がある。換言すれば、マッチングロビーを介したマッチングにより実現される対戦ゲームのプレイ体験自体は全てのプレイヤに提供されるが、対戦結果に基づく評価の興趣要素についてはプレイヤごとに享受する興趣性の程度が異なり得るものであった。このため、本実施形態のゲームシステムでは、対戦結果に基づく評価の興趣要素を、個人ではなく複数人のプレイヤに提供せしめるべく、「チーム対抗戦」のゲームモードを有する。
【0067】
チーム対抗戦では、プレイヤは予め設けられたチーム(陣営)のいずれかに属し(参加し)、他のチームに属するプレイヤとマッチングロビーを介してマッチングし、対戦ゲームを行う。そして、所定の期間の終了までに行われたチーム全体の対戦ゲームの勝率が高いチームが、チーム対抗戦の勝者となる。チーム対抗戦は、例えば期間を限定して行われるイベントで利用可能となるゲームモードであり、当該期間中、ゲーム装置100においては、プレイヤが個人で対戦結果に係る評価を競う通常のゲームモードに代えてチーム対抗戦のゲームモードのプレイ体験が提供される。即ち、イベント期間中、ゲーム装置100を利用するプレイヤは、最初の利用時に自身が属するチームを決定し、当該チームのメンバーとしてチーム対抗戦に係る対戦ゲームをプレイすることになる。以下、便宜的に、上述したマッチングロビーを利用して通常の対戦ゲームのマッチングを行う通常のゲームモードを「通常モード」、イベント期間に限定して、マッチングロビーを利用してチーム対抗戦に係る対戦ゲームのマッチングを行うゲームモードを「特別モード」として言及する。
【0068】
チーム対抗戦に係るイベントは、例えば題目に対する趣向に応じてプレイヤを2つのチームに分類するものであってよい。例えば、動物の「うさき(兎)」と「トラ(虎)」のいずれが好みかの題目において、プレイヤはイベント期間中の初回のゲーム装置100の利用時に「うさぎ」と「トラ」のいずれかを選択し、選択項目に応じたチーム(「うさぎ」チームまたは「トラ」チーム)に属することになる。以下、本実施形態では、プレイヤを「うさぎ」及び「トラ」のいずれかのチームに分類するチーム対抗戦が行われる態様について説明する。
【0069】
本実施形態のゲームシステムでは、プレイヤがチームを選択した情報はサーバ200に送信され、当該プレイヤのプレイヤIDに関連付けてサーバ200に管理される。またプレイヤによるチームの選択後、同イベントの期間中、当該プレイヤの所属チームを他のチームに変更することは不可能に制御される。より詳しくは、サーバ制御部201はイベント期間中にロビー接続要求を受信すると、当該ロビー接続要求に含まれるプレイヤIDに基づいて該当のプレイヤの所属チームの情報を参照する。このとき、サーバ制御部201は、プレイヤの所属チームの情報が既に格納されている(初期値(未選択の状態)から更新されている)のであれば、当該情報に基づいてプレイヤのチームを設定し、ロビー接続要求を送信したゲーム装置100においてチーム選択を受け付けないよう制御する。即ち、プレイヤがイベントの期間中に2回目以降にゲーム装置100を利用する際には所属チームの情報が既に管理されているため、当該プレイヤは初回に選択したチームに属した状態からチーム対抗戦をプレイすることになる。また所属チームの情報がまだ格納されていないのであれば、サーバ制御部201は、ロビー接続要求を送信したゲーム装置100においてチーム選択を受け付けるよう制御する。
【0070】
特別モードでは、上記チーム間で勝率を競うため、マッチングロビーにおけるマッチングは、対戦するプレイヤが異なるチームのメンバーであることを条件として成立する。即ち、特別モードでは、同チームのプレイヤ間での対戦ゲームは行われないよう制御される。より詳しくは、特別モードにおけるマッチングロビーでは、申込プレイヤは同チームに属する候補プレイヤに係る待機キャラクターに対して対戦申込に係る操作入力を受け付けないよう制御される。当該制御は、例えば同チームの待機キャラクターに係るアイコンに対して操作入力がなされたとしても、操作キャラクターを移動させない、あるいは、当該待機キャラクターの近傍まで操作キャラクターを移動させるものの申込画面を表示させないことにより行われてもよい。
【0071】
ところで、このようなマッチング制御は、そもそもマッチングロビーに申込プレイヤと同チームの待機キャラクターを配置しないことによっても実現できる。しかしながら、チームで競うというチーム対抗戦のコンセプトを考慮すると、マッチングロビーに他のチームのプレイヤに係る待機キャラクターしか存在していない状況は不自然で、興趣性にも欠ける。故に、本実施形態のゲームシステムでは、特別モードのマッチングロビーには、申込プレイヤと同チームの待機キャラクターも賑やかし要素として配置される。
【0072】
一方で、このように複数のチームの待機キャラクターがマッチングロビーに配置される場合、申込プレイヤが、対戦申込可能な待機キャラクターを簡易に特定することができない。従って、特別モードのマッチングロビーに配置される操作キャラクターや待機キャラクターは、対応付けられたプレイヤが属するチームを容易に識別可能なよう、通常モードとは異なる外観を示すよう制御される。
【0073】
より詳しくは、サーバ制御部201によるマッチングロビーへのプレイヤの割り当てが行われると、当該プレイヤの利用するゲーム装置100に対して、当該プレイヤを含む同一のマッチングロビーに割り当てられた各プレイヤの情報、及び当該プレイヤに係るプレイヤキャラクターの情報がサーバ200から提供される。サーバ200からの当該情報の提供は、例えばマッチングロビーの待機キャラクターに変化が生じるごとに繰り返し行われるものであってよい。GPU104は、当該受信した情報に基づいて、マッチングロビーに対応する仮想空間に該当のプレイヤキャラクターを配置して当該仮想区間を描画することで、第1表示部111及び第2表示部112に表示させる画面を生成する。
【0074】
ここで、各プレイヤの情報(以下、プレイヤ情報として言及)は、例えば各プレイヤのニックネームや戦績の情報、及びプレイヤが候補プレイヤである場合には対戦情報を含む。プレイヤ情報は、通常モードではこのように構成されるものであってよいが、特別モードでは、さらに各プレイヤが属しているチームの情報(以下、所属チーム情報として言及)を含む。また各プレイヤに係るプレイヤキャラクターの情報(以下、アバタ情報として言及)は、各プレイヤ固有のプレイヤキャラクター(アバタ)の外観を一意に特定する情報を含む。
【0075】
このように、特別モードではプレイヤ情報には所属チーム情報が含まれるため、本実施形態のゲーム装置100では、GPU104は、仮想空間に配置する各プレイヤキャラクター(操作キャラクター及び待機キャラクター)を単にアバタ情報に基づいて構成するのではなく、さらに所属チーム情報に基づいて構成する。換言すればGPU104は、通常モードではアバタ情報のみに基づいて構成された外観のプレイヤキャラクターを仮想空間に配置して描画するが、特別モードではアバタ情報と所属チーム情報とに基づいて構成された外観のプレイヤキャラクターを仮想空間に配置して描画する。
【0076】
本実施形態のチーム対抗戦では、プレイヤは「うさぎ」チームと「トラ」チームとに分類されるため、各プレイヤキャラクターは
図9(a)及び(b)に示されるように、その頭部に、対応するプレイヤの所属しているチームについて固有に定められた装飾体が一体化された状態で構成される。
図9(a)は「うさぎ」チームに属するプレイヤに係るプレイヤキャラクターの頭部を示しており、兎の耳を模した外観を有するヘッドピース901が装着されている。また
図9(b)は「トラ」チームに属するプレイヤに係るプレイヤキャラクターの頭部を示しており、虎の耳を模した外観を有するヘッドピース902が装着されている。このように、特別モードのマッチングロビーでは、操作キャラクター及び待機キャラクターはメータ901またはヘッドピース902が装着されるため、その外観からいずれのチームに属しているかを容易に判別することができる。
【0077】
なお、このような所属チームに応じたプレイヤキャラクターの外観上の変化は、第2表示部112に表示される仮想空間を3次元的に提示する画面に限らず、第1表示部111に表示される仮想空間を2次元的に提示する画面にも表れるものとする。即ち、第1表示部111に表示される各キャラクターのアイコンに、ヘッドピース901またはヘッドピース902が付された状態のキャラクターの画像が組み込まれることで、当該キャラクターがいずれのチームに属しているかを容易に判別することができる。
【0078】
また特別モードにおいてマッチングが成立して行われる、実行段階の対戦ゲームでも、ゲーム画面に表示されるキャラクターがいずれのチーム、即ち、いずれのプレイヤに対応付けられたキャラクターであるかを容易に判別させるべく、各キャラクターの3次元モデルの頭部には、兎の耳を模したヘッドピース901または虎の耳を模したヘッドピース902が一体化されて表示される。つまり、各プレイヤは、対戦ゲームに係る行動演出において行動キャラクターや被行動キャラクターが表示される場合に、当該キャラクターの頭部に装着されたヘッドピースの種類に応じて、これらのキャラクターがいずれのプレイヤの使用キャラクターであるかを判別することができる。
【0079】
当該表示制御は、マッチング段階と同様に、各ゲーム装置100のGPU104が各使用キャラクターをゲームフィールドに係る仮想空間に配置する際に、当該キャラクターを使用するプレイヤの所属チーム情報に基づいて、対応するヘッドピースを当該キャラクターの3次元モデルの頭部位置に結合することにより行われる。またGPU104は、行動演出に係る描画時には、当該ヘッドピースが結合された3次元モデルに対して、当該行動演出の各フレームに係るキャラクター(行動キャラクター及び被行動キャラクター)の挙動制御を適用して仮想空間を描画する。
【0080】
《実行段階処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、対戦ゲームの実行段階に係り実行される実行段階処理について、
図10のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記憶装置102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。
【0081】
なお、本実行段階処理は、例えばマッチング段階においてマッチングが成立したことを示す情報をサーバ200から受信した際に開始されるものとして説明する。また本実行段階処理の説明において、特に言及しない限り、GPU104は所定の間隔で第1表示部111及び第2表示部112に表示させる画面を生成する処理を実行し、制御部101は当該生成された画面を第1表示部111または第2表示部112に表示させる制御を行うものとする。
【0082】
S1001で、制御部101は、実行する対戦ゲームについて参加するプレイヤの情報をサーバ200から取得する。参加するプレイヤの情報は、主として対戦相手のプレイヤに係る、所属チーム情報を含んだプレイヤ情報を含む。また参加するプレイヤの情報は、ゲーム装置100を利用するプレイヤ(以下、自機プレイヤとして言及)に係る、所属チーム情報を含んだプレイヤ情報を含んでもよい。即ち、制御部101は、参加するプレイヤの情報により、当該参加するプレイヤの各々がいずれのチームに分類されているかを把握することができる。
【0083】
S1002で、制御部101は、対戦相手の情報を提示装置110に提示させる。
【0084】
S1003で、制御部101は、自機プレイヤに係る使用キャラクターの情報を登録する。具体的には制御部101は、リーダ130を情報取得可能な状態に制御し、第1表示部111の載置面にゲームカード(またはライセンスカード)が載置されたことに応じて当該ゲームカードに付された情報(例えば、キャラクターID)を取得させ、当該情報に基づいて使用キャラクターの情報を登録する。使用キャラクターの情報は、例えばメモリ103に格納される。また制御部101は、登録完了に係る操作入力がなされたこと、あるいは、所定の制限時間が経過したことに応じて、処理をS1004に移す。
【0085】
S1004で、制御部101は、自機プレイヤに係る使用キャラクターの情報を通信I/F106を介してサーバ200に送信する。
【0086】
S1005で、制御部101は、対戦相手のプレイヤに係る使用キャラクターの情報をサーバ200から取得する。制御部101は、対戦相手のプレイヤに係る使用キャラクターの情報を取得すると、当該情報をメモリ103に格納する。
【0087】
S1006で、制御部101は、対戦ゲームが開始する旨を提示装置110に提示させる。本ステップの処理は、各プレイヤに係る使用キャラクター群の通知を含む。このとき、GPU104は制御部101の制御の下、ゲームフィールドに係る仮想空間に自機プレイヤに係る使用キャラクター群と対戦相手のプレイヤに係る使用キャラクター群とを配置し、提示装置110に表示させる画面を生成する。各プレイヤに係る使用キャラクター群の配置にあたり、GPU104は使用キャラクターに対応する3次元モデルの頭部に、当該プレイヤが属するチームに応じたヘッドパーツを結合する。例えば自機プレイヤが「うさぎ」チームに属する場合、自機プレイヤに係る使用キャラクター群のそれぞれの3次元モデルには兎の耳を模したヘッドピースが結合され、対戦相手プレイヤに係る使用キャラクター群のそれぞれの3次元モデルには虎の耳を模したヘッドピースが結合される。
【0088】
S1007で、制御部101は、対戦ゲームのプレイ体験の提供に係る処理を開始する。本処理は、上述したようにフェーズの進行を管理し、各フェーズにおいてプレイヤのターン順を決定し、プレイヤによりなされた操作入力に基づいてターンにおける行動演出を決定及び提示する処理を含む。また制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされると処理をS1008に移す。
【0089】
S1008で、制御部101は、対戦ゲームの結果表示等を行う終了処理を実行して、本実行段階処理を完了する。
【0090】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、プレイヤに対戦ゲームの進行を容易に把握させることができる。特に、対戦ゲームを有利に進行せしめるパラメータが設定されたキャラクターや、特定のイベントにおいて特殊な効果を生じさせるキャラクター等が存在する場合には、双方のプレイヤが同一のキャラクターを対戦ゲームに使用し得るが、本発明によれば当該キャラクターを容易に判別可能とすることができる。
【0091】
なお、本実施形態では対戦ゲームが、フェーズを追って進行するターン制のゲームであるものとして説明したが、本発明の実施がこのようなジャンルのゲームに限られるものでないことは言うまでもない。本発明は、複数のプレイヤのそれぞれに対応付けられたキャラクターの表示を伴う、他のジャンルのゲームでも適用可能である。
【0092】
また、本実施形態ではチーム対抗戦が、期間を限定して行われるイベントであるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。またチーム対抗戦の勝敗は、チームの勝率に応じて決定されるものである必要はなく、例えばチームの勝利数の多寡や、対戦結果に応じてプレイヤに提供されるアイテムのチーム全体の獲得数の多寡等によって決定されるものであってもよい。あるいは、チームの投票数(メンバー数)等を含む、複数の項目について勝敗を決定し、その勝利数の多寡に応じてチーム対抗戦の勝敗を決定するものとしてもよい。
【0093】
[変形例1]
上述した実施形態ではプレイヤキャラクターや使用キャラクターに形状が固定されたヘッドピースのアイテムを結合することで、当該キャラクターがいずれのチームに属するかを判別可能にする態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。キャラクターに装着されるヘッドピースは、その存在がより目立つように、ヘッドピース自体に固有の動作が割り当てられ、対戦ゲーム中に当該固有の動作に基づいてキャラクターとは独立に挙動制御がなされるよう構成されていてもよい。ヘッドピース固有の動作は、例えば、左耳に係るパーツと右耳に係るパーツそれぞれを所定の周期で屈伸させるものであってよい。
【0094】
キャラクターがいずれのチームであるか(いずれのプレイヤの使用キャラクターであるか)は、個々のチームのキャラクターが表示される場合よりも、異なるチームのキャラクターが近接して表示される場合に特に判別しにくくなる。このような状況においてプレイヤが容易に行動キャラクター及び被行動キャラクターのチームを判別可能にせしめるべく、ヘッドピース固有の動作に係る挙動制御は、行動演出において、自機プレイヤに係るチームの使用キャラクターと対戦相手のプレイヤに係るチームの使用キャラクターとが近づくほど、その動作の規模が大きくなるよう行われるものとしてもよい。例えば、ヘッドピース固有の動作が耳のパーツを屈伸させるものである場合、行動演出に係る行動キャラクターと被行動キャラクターの距離が近いほどその屈伸動作の振れ(曲がる角度等)の幅が大きくなるよう制御されてもよい。換言すれば、GPU104は、行動キャラクターと被行動キャラクターのゲームフィールドに係る仮想空間における距離が第1距離である場合のヘッドピース固有の動作の適用率を、第1距離よりも長い第2距離である場合の適用率よりも大きくして、ゲーム画面に係る描画処理を行う。
【0095】
[変形例2]
上述した実施形態では、対戦ゲームの実行段階において、自機プレイヤに係る使用キャラクターと対戦相手のプレイヤに係る使用キャラクターのそれぞれの3次元モデルに、所属するチームに応じたヘッドピースを結合させてゲームフィールドに配置するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ヘッドピースによる使用キャラクターのチームの判別は、ヘッドピースの種類をプレイヤが認識できる程度の表示サイズで提示装置110に表示されなければ困難である。故に、対戦ゲーム中の全てのフレームにおいて、ヘッドピースに係る描画処理や挙動制御を行う必要性は低い。
【0096】
このため、ヘッドピースの描画は、使用キャラクターが所定の表示サイズよりも大きく表示される場合、即ち、使用キャラクターと描画に係る視点との距離が所定の距離より近い場合にのみ行われるよう制御されてもよい。より詳しくは、GPU104は、使用キャラクターが第1サイズで表示される場合には、当該使用キャラクターの属するチームに係るヘッドピースの描画処理をスキップすることで、当該ヘッドピースを視認不可能な状態に制御する。また、GPU104は、使用キャラクターが第1サイズよりも大きい第2サイズで表示される場合には、当該使用キャラクターの属するチームに係るヘッドピースを描画し、当該ヘッドピースを視認可能な状態に制御する。このようにすることで、演算負荷を低減しつつ、プレイヤに対戦ゲームの進行を容易に把握させることができる。
【0097】
[変形例3]
上述した実施形態及び変形例では、使用キャラクターのチームの判別に用いられる装飾体が動物の耳を模した外観を有するヘッドピースである態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば装飾体は、動物の耳に限らず、手、足、尻尾等の他の部位を模した外観を有するものであってもよい。この場合、装飾体が装着される位置は、キャラクターの頭部でなく、装飾体が模す部位に対応する位置に装着されてもよい。
【0098】
また装飾体は、動物の部位を模したものに限られるものではなく、例えばチームについて設けられたテーマに則した外観を示すものや、単純にチームを識別可能とするもの等、どのようなものであってもよい。例えば、対戦するチームのそれぞれのキャラクターに装着される装飾体は、外観や観念において対応関係を有するもの(火と水、太陽と月、暑いと寒い、辛いと甘い等)をモチーフとしたものであってもよい。また装飾体が装着される箇所も、キャラクターがいずれのチームであるかの識別を容易ならしめるものであれば、いずれの箇所に付されるものであってもよい。
【0099】
[変形例4]
上述した実施形態では、特別モードの対戦ゲームに参加するプレイヤの使用キャラクター群の全てに、プレイヤが属するチームに係る装飾体が装着される態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。装飾体が装着されるキャラクターは、プレイヤによる操作がなされている操作対象のキャラクターや、各プレイヤの使用キャラクター群のうちの代表(リーダー)キャラクター等、使用キャラクター群の一部であってもよい。
【0100】
[変形例5]
上述した実施形態では、ヘッドピースによってのみ使用キャラクターのチームの判別を可能ならしめる態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、ゲームフィールドに係る仮想空間において、行動キャラクターが被行動キャラクターに近接した場合に、少なくともいずれか一方のキャラクターについてチームや使用するプレイヤ等の追加情報をさらに表示させるよう制御してもよい。より詳しくは、GPU104は、追加情報を、当該追加情報に対応するキャラクターの近傍であって、当該キャラクターを遮蔽しない位置に表示するよう、追加情報の配置制御を行う。
【0101】
なお、追加情報の表示は、対戦ゲームの実行段階に限らず、マッチング段階のマッチングロビーにおいて行われてもよい。
【0102】
[実施形態のまとめ]
上記実施形態は以下のプログラム及びゲーム装置を少なくとも開示する。
【0103】
(1) コンピュータに、
プレイヤを第1チームと第2チームのいずれかに分類する分類処理と、
複数のプレイヤを参加させた対戦ゲームであって、各プレイヤについてキャラクター群が登場して進行する対戦ゲームを実行する実行処理と、
実行された前記対戦ゲームに係る画面を表示する表示処理と、
を実行させ、
前記対戦ゲームに係る画面は、前記第1チームのプレイヤに係る第1キャラクター群と前記第2チームのプレイヤに係る第2キャラクター群とが移動可能に配置された第1仮想空間を表示し、
前記第1キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体が一体化した状態で前記第1仮想空間に配置され、
前記第2キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、前記第1装飾体とは異なる第2装飾体が一体化した状態で前記第1仮想空間に配置されるプログラム。
【0104】
(2) 前記対戦ゲームは、一方のチームに係るキャラクター群の少なくとも一部のキャラクターを行動キャラクターとし、他方のチームに係るキャラクター群の少なくとも一部のキャラクターを被行動キャラクターとした行動演出を伴って進行し、
前記表示処理において、前記行動演出における前記行動キャラクターと前記被行動キャラクターの表示時に、少なくとも前記第1装飾体または()前記第2装飾体が表示される、(1)に記載のプログラム。
【0105】
(3) 前記表示処理において、
前記第1キャラクター群のキャラクターが第1サイズで表示される場合には、前記第1装飾体が視認不可能な状態に制御され、
前記第1キャラクター群のキャラクターが前記第1サイズよりも大きい第2サイズで表示される場合には、前記第1装飾体が視認可能な状態に制御され、
前記第2キャラクター群のキャラクターが前記第1サイズで表示される場合には、前記第2装飾体が視認不可能な状態に制御され、
前記第2キャラクター群のキャラクターが前記第2サイズで表示される場合には、前記第2装飾体が視認可能な状態に制御される、(1)に記載のプログラム。
【0106】
(4) 前記表示処理において、前記第1装飾体及び前記第2装飾体は、キャラクターの頭部に一体化して表示される(1)乃至(3)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0107】
(5) 前記第1装飾体及び前記第2装飾体は、動物の一部の部位を模した外観を有する(4)に記載のプログラム。
【0108】
(6) 前記第1装飾体及び前記第2装飾体は、キャラクターと一体化された状態において、当該キャラクターの動作と独立した挙動を示す個別動作が定義されており、
前記表示処理において、前記第1キャラクター群のキャラクターと前記第2キャラクター群のキャラクターの前記第1仮想空間における距離が第1距離である場合の前記個別動作の規模が、前記第1距離よりも長い第2距離である場合の前記個別動作の規模よりも大きく制御される、(1)乃至(5)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0109】
(7) 前記表示処理において、前記第1キャラクター群のキャラクターと前記第2キャラクター群のキャラクターの前記第1仮想空間における距離が閾値より小さい場合に、一方のキャラクターに関する追加情報がさらに表示される(1)乃至(6)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0110】
(8) 前記表示処理において、前記一方のキャラクターの近傍であって、当該キャラクターを遮蔽しない位置に前記追加情報が表示される(7)に記載のプログラム。
【0111】
(9) 前記第1チーム及び前記第2チームのプレイヤに係るキャラクターを配置した第2仮想空間を表示する事前表示処理と、
前記第2仮想空間においてキャラクターを移動させ、前記対戦ゲームを申し込む他のキャラクターの選択を受け付ける選択処理と、
を前記コンピュータにさらに実行させ、
前記第2仮想空間において、
前記第1チームのプレイヤに係るキャラクターは、前記第1装飾体が一体化した状態で配置され、
前記第2チームのプレイヤに係るキャラクターは、前記第2装飾体が一体化した状態で配置され、
前記選択処理において、同一の装飾体が一体化されたキャラクターへの前記対戦ゲームの申し込みが不可能に制御される、(1)乃至(8)のいずれか1つに記載のプログラム。
【0112】
(10) プレイヤを第1チームと第2チームのいずれかに分類する分類手段と、
複数のプレイヤを参加させた対戦ゲームであって、各プレイヤについてキャラクター群が登場して進行する対戦ゲームを実行する実行手段と、
実行された前記対戦ゲームに係る画面を表示する表示手段と、
を備え、
前記対戦ゲームに係る画面は、前記第1チームのプレイヤに係る第1キャラクター群と前記第2チームのプレイヤに係る第2キャラクター群とが移動可能に配置された仮想空間を表示し、
前記第1キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、第1装飾体が一体化した状態で前記仮想空間に配置され、
前記第2キャラクター群のキャラクターのそれぞれは、前記第1装飾体とは異なる第2装飾体が一体化した状態で前記仮想空間に配置されるゲーム装置。
【0113】
[その他の実施形態]
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0114】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記憶装置、103:メモリ、104:GPU、105:操作I/F、106:通信I/F、110:提示装置、111:第1表示部、112:第2表示部、120:支払装置、130:リーダ、140:提供装置、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記憶装置、203:サーバメモリ、204:サーバ通信I/F、300:ネットワーク