IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カール ツァイス ヴィジョン インターナショナル ゲーエムベーハーの特許一覧

特開2024-102042インクジェット印刷装置の印刷パラメータを特定するためのコンピュータ実装方法、データ処理システム、インクジェット印刷方法、及びインクジェット印刷装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102042
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】インクジェット印刷装置の印刷パラメータを特定するためのコンピュータ実装方法、データ処理システム、インクジェット印刷方法、及びインクジェット印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
B41J2/01 201
B41J2/01 109
B41J2/01 451
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024038784
(22)【出願日】2024-03-13
(62)【分割の表示】P 2024515365の分割
【原出願日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】21195947.3
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】507062222
【氏名又は名称】カール ツァイス ヴィジョン インターナショナル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100230514
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 卓也
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン ロネ
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ヴォルフ
(72)【発明者】
【氏名】ハルシュヴァルダン ヤドワド
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB07
2C056EB13
2C056EB30
2C056EB31
2C056EB37
2C056EC07
2C056EC28
2C056EC29
2C056EC36
2C056EC38
2C056FA13
2C056FB01
2C056FB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】眼鏡レンズ基材の湾曲表面に印刷パターンを、高い印刷パターン特性でインクジェット印刷する。
【解決手段】眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法において、インクジェット印刷装置は、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)を含み、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けするステップと、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定するステップと、を含むことにより、眼鏡レンズ基材の湾曲表面に印刷パターンを、高い印刷パターン特性でインクジェット印刷することが可能となる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装
置(2)の印刷パラメータ値(1)を特定するためのコンピュータ実装方法(100)に
おいて、前記インクジェット印刷装置(2)は、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6
c)を備える印刷ヘッド(5)を含み、
- 前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグ
ループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けするステップ(S2
)と、
- 各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも
1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パ
ラメータ値(1)を個別に特定するステップ(S3)と、
を含むことを特徴とする方法(100)。
【請求項2】
前記少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
ることを特徴とする、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e
、7f)は、吐出温度、吐出持続時間、吐出周波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調
整可能なインク特性からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1又は請求項2
に記載の方法(100)。
【請求項4】
各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)は単独の印刷ノズ
ル(6、6a、6b、6c)を含むことを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載
の方法(100)。
【請求項5】
- 前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)の幾何学的特
徴に関する入力データ(8、8a、8b)を取得するステップ(S1)
を含み、
前記印刷パラメータ値(1)は、前記入力データ(8、8a、8b)に応じて個別に特定
されることを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記入力データは、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5
)との幾何学的関係を特定するために使用され、前記幾何学的関係は、変位ベクトル、速
度ベクトル、入射角α、距離Δ、及びアーク長さsからなる群より選択される少なくとも
1つのパラメータ(11a、11b。11c)により説明されることを特徴とする、請求
項5に記載の方法(100)。
【請求項7】
前記入力データ(8、8a、8b)は、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は
前記眼鏡レンズ基材(4)の材料特性に関するデータを含むことを特徴とする、請求項5
又は請求項6に記載の方法(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e
、7f)の前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定する前記方法ステップ(S3)は、
前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)上の特定の点群への印刷パラメータ値(1)
の割り当てを含むパラメータマップ(12)を推測するステップ(S6)を含むことを特
徴とする、請求項1~7の何れか1項に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記パラメータマップ(12)は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記
印刷ヘッド(5)との前記幾何学的関係を説明するパラメータ(11a、11b、11c
)と前記調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷
パラメータ値(1)との相関に適用される費用関数を最適化すること(S5)により推測
されることを特徴とする、少なくとも請求項6と組み合わせられる請求項8に記載の方法
(100)。
【請求項10】
各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の前記少なくとも
1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記印
刷パラメータ値(1)は個別に特定され、それによって前記眼鏡レンズ基材(4)の前記
表面(3)に関する前記印刷ヘッド(5)の傾斜角度は印刷前及び/又は印刷中に調整さ
れなくてよいことを特徴とする、請求項1~9の何れか1項に記載の方法(100)。
【請求項11】
プロセッサ(20)と、前記プロセッサ(20)に連結された記憶媒体(21)とを含
むデータ処理システム(200)であって、前記プロセッサ(20)は眼鏡レンズ基材(
4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラ
メータ値(1)を、前記記憶媒体(21)上に記憶されたコンピュータプログラムに基づ
いて特定するようになされ、前記インクジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(6
、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)を含む、データ処理システム(200)
において、前記プロセッサ(20)は、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)
を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)に
グループ分けし、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の
少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f
)の印刷パラメータ値(1)を個別に特定するようになされることを特徴とするデータ処
理システム(200)。
【請求項12】
前記プロセッサ(20)は、前記眼鏡レンズ基材(4)と前記印刷ヘッド(5)との幾
何学的特徴に応じて前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定するようになされることを
特徴とする、請求項11に記載のデータ処理システム(200)。
【請求項13】
コンピュータにより実行されると、前記コンピュータに、眼鏡レンズ基材(4)の表面
(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラメータ値(
1)を特定させる命令を含み、前記インクジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(
6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)を含む、コンピュータプログラムであ
って、前記命令は、前記コンピュータに、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c
)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)
にグループ分けさせ、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e
)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、
7f)の印刷パラメータ値(1)を個別に特定させることを特徴とするコンピュータプロ
グラム。
【請求項14】
コンピュータにより実行されると、前記コンピュータに、眼鏡レンズ基材(4)の表面
(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラメータ値(
1)を特定させる命令を含み、前記インクジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(
6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)を含む、非一時的コンピュータ可読記
憶媒体であって、前記命令は、前記コンピュータに、前記複数の印刷ノズル(6、6a、
6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d
、10e)にグループ分けさせ、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10
d、10e)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7
d、7e、7f)の印刷パラメータ値を個別に特定させることを特徴とする非一時的コン
ピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)に、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を
備える印刷ヘッド(5)を含むインクジェット印刷装置(2)で、少なくとも1つの調整
可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値
(1)を使ってパターンが印刷される、インクジェット印刷方法であって、前記少なくと
も1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記
印刷パラメータ値(1)は請求項1~10の何れか1項に記載のコンピュータ実装方法に
したがって特定されることを特徴とするインクジェット印刷方法。
【請求項16】
前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)に関する前記印刷ヘッド(5)の傾斜角度
は、印刷前及び/又は印刷中に調整されないことを特徴とする、請求項15に記載の方法
【請求項17】
眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装
置(2)であって、
- 複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)と、
- プロセッサ(20)と、前記プロセッサ(20)に連結された記憶媒体(21)を
含むデータ処理システム(200)であって、前記プロセッサ(20)は、印刷パラメー
タ値(1)を前記記憶媒体(21)に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて特定
するようになされたデータ処理システム(200)と、
を含む、装置において、
前記プロセッサ(20)は、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なく
とも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ
分けし、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくと
も1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷
パラメータ値(1)を個別に特定するようになされることを特徴とするインクジェット印
刷装置(2)。
【請求項18】
以下の種類のデータ、すなわち(i)請求項17に記載の装置を製造するための1つ又
は複数の製造機械に供給されるように構成された、前記装置の仮想表現、又は(ii)請
求項17に記載の前記装置を製造するための1つ又は複数の製造機械を制御するためのコ
ンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくとも1つの種類を含むコンピュータ可読
データ信号の形態のデータセットデータセット。
【請求項19】
以下の種類のデータ、すなわち(i)複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備
える印刷ヘッド(5)を含むインクジェット印刷装置(2)の少なくとも2つの印刷ノズ
ルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)に個別の、眼鏡レンズ基材(4
)の表面(3)にパターンを印刷するために前記インクジェット印刷装置(2)に供給さ
れるように構成される、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、
7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)、又は(ii)インクジェット印刷
装置(2)を制御して、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド
(5)を含む前記インクジェット印刷装置(2)の少なくとも2つの印刷ノズルグループ
(10a、10b、10c、10d、10e)に、少なくとも1つの調整可能な印刷パラ
メータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の個々の印刷パラメータ値(1)を
適用することによって、眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷させるため
のコンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくとも1つの種類を含む、コンピュー
タ可読データキャリア信号の形態のデータセット。
【請求項20】
眼鏡レンズ基材(4)の湾曲表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印
刷装置(2)の印刷パラメータ値(1)を特定するためのコンピュータ実装方法(100
)であって、前記インクジェット印刷装置(2)は、複数の印刷ノズル(6、6a、6b
、6c)を備える印刷ヘッド(5)を含む、方法において、以下の方法ステップ、すなわ

- 前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)の幾何学的特
徴に関する入力データ(8、8a、8b)を取得するステップ(S1)であって、前記入
力データは前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)との幾何
学的関係を特定するために使用されるステップと、
- 前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグ
ループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けするステップ(S2
)と、
- 各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも
1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パ
ラメータ値(1)を前記幾何学的関係に応じて個別に特定するステップ(S3)と、
を含むことを特徴とする方法(100)。
【請求項21】
前記幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α、距離Δ、及びアーク長
さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータ(11a、11b、11c)
により説明されることを特徴とする、請求項20に記載の方法(100)。
【請求項22】
前記入力データ(8、8c、8d)は環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は前
記眼鏡レンズ基材(4)の材料特性に関するデータを含み、各印刷ノズルグループ(10
a、10b、10c、10d、10e)の前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメー
タ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記印刷パラメータ値(1)は、眼鏡
条件、調整不能なインク特性、及び/又は前記眼鏡レンズ基材(4)の材料特性に関する
前記データに応じて個別に特定されることを特徴とする、請求項20又は請求項21に記
載の方法(100)。
【請求項23】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e
、7f)は、吐出温度、吐出持続時間、吐出周波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調
整可能なインク特性からなる群より選択されることを特徴とする、請求項20~22の何
れか1項に記載の方法(100)。
【請求項24】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e
、7f)の前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定する前記方法ステップ(S3)は、
印刷パラメータ値(1)の前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)上のデータポイン
ト群への割り当てを含むパラメータマップ(12)を推測することを含むことを特徴とす
る、請求項20~23の何れか1項に記載の方法(100)。
【請求項25】
前記パラメータマップ(12)を推測することは、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表
面(3)をデータポイントのグリッドに変換することを含むことを特徴とする、請求項2
4に記載の方法(100)。
【請求項26】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e
、7f)の前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定する前記方法ステップ(S3)は、
前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッドとの前記幾何学的関係を説
明するパラメータ(11a、11b、11c)と前記調整可能な印刷パラメータ(7、7
a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)との相関を含むルックア
ップテーブルを提供することを含むことを特徴とする、請求項20~25の何れか1項に
記載の方法(100)。
【請求項27】
前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定することは、前記データポイントの前記ルッ
クアップテーブルから印刷パラメータ値のセットを導き出すことを含むことを特徴とする
、請求項25と組み合わせられる請求項26に記載の方法(100)。
【請求項28】
前記パラメータマップ(12)は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記
印刷ヘッド(5)との前記幾何学的関係を説明するパラメータ(11a、11b、11c
)と前記調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷
パラメータ値(1)との前記相関に適用される費用関数を最適化すること(S5)によっ
て推測されることを特徴とする、請求項26又は請求項27に記載の方法(100)。
【請求項29】
各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の前記少なくとも
1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記印
刷パラメータ値(1)は個別に特定され、それによって前記眼鏡レンズ基材(4)の前記
表面(3)に関する前記印刷ヘッド(5)の傾斜角度は印刷前及び/又は印刷中に調整さ
れなくてよいことを特徴とする、請求項20~28の何れか1項に記載の方法(100)
【請求項30】
前記少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
ることを特徴とする、請求項20~29の何れか1項に記載の方法(100)。
【請求項31】
各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)は単独の印刷ノズ
ル(6、6a、6b、6c)を含むことを特徴とする、請求項20~30の何れか1項に
記載の方法(100)。
【請求項32】
プロセッサ(20)と、前記プロセッサ(20)に連結された記憶媒体(21)とを含
むデータ処理システム(200)であって、前記プロセッサ(20)は眼鏡レンズ基材(
4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラ
メータ値(1)を、前記記憶媒体(21)上に記憶されたコンピュータプログラムに基づ
いて特定するようになされ、前記インクジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(6
、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)を含む、データ処理システム(200)
において、前記プロセッサ(20)は、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)
を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)に
グループ分けし、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の
少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f
)の印刷パラメータ値(1)を、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷
ヘッド(5)との幾何学的特徴に応じて個別に特定するようになされ、前記幾何学的関係
は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)の幾何学的特徴
に関する入力データ(8、8a、8b)を使って特定されることを特徴とするデータ処理
システム(200)。
【請求項33】
プログラムがコンピュータにより実行されると、前記コンピュータに、眼鏡レンズ基材
(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パ
ラメータ値(1)を特定させる命令を含むコンピュータプログラムであって、前記インク
ジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッ
ド(5)を含む、コンピュータプログラムにおいて、前記命令は、前記コンピュータに、
前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ
(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けさせ、各印刷ノズルグルー
プ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラ
メータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)を、前記
眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)との幾何学的特徴に応じ
て個別に特定させ、前記幾何学的関係は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と
前記印刷ヘッド(5)の幾何学的特徴に関する入力データ(8、8a、8b)を使って特
定されることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項34】
コンピュータにより実行されると、前記コンピュータに、眼鏡レンズ基材(4)の表面
(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラメータ値(
1)を特定させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記インクジ
ェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド
(5)を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体において、前記命令は、前記コンピュ
ータに、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズル
グループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けさせ、各印刷ノズ
ルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも1つの調整可能な
印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値を、前
記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)との幾何学的特徴に応
じて個別に特定させ、前記幾何学的関係は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)
と前記印刷ヘッド(5)の幾何学的特徴に関する入力データ(8、8a、8b)を使って
特定されることを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項35】
眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)に、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を
備える印刷ヘッド(5)を含むインクジェット印刷装置(2)により、少なくとも1つの
調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメー
タ値(1)を使ってパターンが印刷されるインクジェット印刷方法であって、前記少なく
とも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前
記印刷パラメータ値(1)は請求項19~30の何れか1項に記載のコンピュータ実装方
法にしたがって特定されることを特徴とするインクジェット印刷方法。
【請求項36】
前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)に関する前記印刷ヘッド(5)の傾斜角度
は、印刷前及び/又は印刷中に調整されないことを特徴とする、請求項35に記載の方法
【請求項37】
眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装
置(2)であって、
- 複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)と、
- プロセッサ(20)と、前記プロセッサ(20)に連結された記憶媒体(21)と
を含むデータ処理システム(200)であって、前記プロセッサ(20)は、印刷パラメ
ータ値(1)を前記記憶媒体(21)に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて特
定するようになされたデータ処理システム(200)と、
を含む、インクジェット印刷装置(2)において、
前記プロセッサ(20)は、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なく
とも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ
分けし、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくと
も1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷
パラメータ値(1)を、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(
5)との幾何学的特徴に応じて個別に特定するようになされ、前記幾何学的関係は、前記
眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)との幾何学的特徴に関す
る入力データ(8、8a、8b)を使って特定されることを特徴とするインクジェット印
刷装置(2)。
【請求項38】
以下の種類のデータ、すなわち(i)請求項37に記載の装置を製造するための1つ又
は複数の製造機械に供給されるように構成された、前記装置の仮想表現、又は(ii)請
求項37に記載の装置を製造するための1つ又は複数の製造機械を制御するためのコンピ
ュータ可読命令を含むデータのうちの少なくとも1つの種類を含むコンピュータ可読デー
タ信号の形態のデータセットデータセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡レンズ基材の表面上にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装
置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法、複数の印刷ノズルを備え
る印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置、データ処理システム、コンピュータプログ
ラム、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、インクジェット印刷方法、インクジェット印
刷装置、及び眼鏡レンズ基材の表面上にパターンが印刷された眼鏡レンズ基材に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット技術は、眼鏡レンズの分野において、国際公開第2010/08427
2A1号パンフレット及び国際公開第2014/053716A1号パンフレットにおい
て開示されているような永久的又は一時的レンズマーキング等、様々な目的のために使用
される。
【0003】
独国特許出願公開第102007037730A1号明細書は眼鏡レンズの製造方法を
開示しており、その中では第一及び第二のマーキングが、それぞれ第一及び第二の光学活
性エリアの表面の上、中、又は下に提供される。第二のマーキングは、第一のマーキング
に関して所定の3次元位置関係を有する。どちらのマーキングも、インクジェット印刷に
よって付着させられる。
【0004】
さらに、インクジェット印刷は、米国特許出願公開第2019/0310492A1号
明細書において開示されているように、コーティングあり、又はコーティングなしの眼鏡
レンズの表面の部分的エリアにマスキングを堆積させるために使用できる。その中で開示
されているインクジェット印刷プロセスは、本発明に最も近い先行技術とみなされる。
【0005】
眼鏡レンズ業界で使用されている先行技術のプリンタは、平坦な表面への標的材料の堆
積のために最適化された「フラットベッド」型印刷ヘッドを用いる。それゆえ、これらの
プリンタでは、特に平坦で曲率の小さい眼鏡レンズの場合に良好な結果が得られる。噴射
プロセス中、ノズルには、圧電駆動から生じる衝撃波を利用することによってインクが充
填され、そこから吐出される(=小滴を噴射する)。ノズルは、それらに特定の電圧プロ
ファイルを適用することによって精細に制御できる。典型的な固体インクプリンタは、3
00~1000dpi及び10~50kHzの吐出周波数で動作する。中でも、調整可能
なパラメータは発射周波数、波形、ノルム、及び吐出温度である。
【0006】
しかしながら、本発明の発明者らは、より曲率の大きい眼鏡レンズにインクジェット技
術を使用した場合の印刷品質の問題に気付いた。発明者らは、レンズのエリアごとに、そ
こに行われる印刷の品質が変化することを見出した。高い曲率の眼鏡レンズの場合、印刷
品質は眼鏡レンズの縁部に向かって大きく劣化する。これは、バーのような形状の先行技
術の産業用印刷ヘッドと、非平坦の、例えば球形又はフリーフォームの、光学パワーを有
する眼鏡レンズの表面とのミスマッチの直接的な結果と考えられた。例えば、本特許出願
の出願人の現在のポートフォリオでは、実際のフロントカーブが40mm~1000mm
のブランクを利用する。
【0007】
国際公開第03/023684A1号パンフレットは、平坦な基材からの3次元の装飾
オブジェクトの製作を扱っている。基材が製作プロセスの前に装飾されている場合、この
装飾は、製作プロセス中に鋳型又は金型の形状に合うように基材を流し、引き伸ばすこと
によってミスアライン状態となり、変形する可能性がある。基材が製作プロセスの後に装
飾されると、装飾の歪みは排除できる。しかしながら、装飾前の3次元形状により、装飾
プロセスは複雑でコストがかかる。適応型の事前装飾方式では、目的をもって歪められた
装飾が利用され、これは平坦な基材に適用される。基材の形状と表面が製作中に変化する
ため、歪んだ装飾はその所望の外観に変形することが意図される。成形同時装飾及びイン
サート成形装飾の分野のほか、湾曲面への画像投射の分野においても同様の問題が指摘さ
れている。
【0008】
これらの問題に対処するために、国際公開第03/023684A1号パンフレットで
は、画像の外観をコンピュータで変形させ、画像を、その画像が適用されることになる基
材のトポグラフィに合わせるシステムと方法が提案されている。提案された方法は、基材
のトポグラフィを測定することと、基材のトポグラフィの測定値にしたがって未変形のグ
ラフィカル画像を変形後のグラフィカル画像に変形することを含む。しかしながら、この
方法には基材のトポグラフィの複雑な特定が必要となる。さらに、国際公開第03/02
3684A1号パンフレットには、インクジェット印刷が変形後のグラフィカル画像を基
材に適用するための適当な方法として述べられているが、その適用方法が画像の歪みに与
える影響は考慮されていない。
【0009】
国際公開第01/73492A2号パンフレットは、レンチキュラ技術を湾曲表面に適
用して、見ている人がほとんど画像の歪みを経験しないようにする方法を開示している。
この方法は、2つ以上のフレームを含む湾曲表面に適用するためのインタレース画像を準
備して、インタレース画像を所定の観察距離からレンチキュラレンズを通して見たときに
、インタレース画像が実質的に歪みがないように見えるようにすることを含む。インタレ
ース画像は、インクジェット印刷によって印刷できる。しかしながら、インクジェット印
刷方式が画像の歪みに与える影響については述べられていない。
【0010】
国際公開第2018/197003A1号パンフレットは、直線状に配置された複数の
インクジェット印刷ヘッドを使ってレンズにコーティングするシステムと方法を開示して
いる。レンズ上に印刷される画像に基づいて、レンズの形状、標的製品、及び印刷ヘッド
の数に基づく複数の画像層が生成される。複数のインクジェット印刷ヘッドのうちの少な
くとも2つがレンズ上に画像を印刷するために使用され、それによって少なくとも2つの
印刷ヘッドの各々が複数の画像層のうちの少なくとも1つの画像層を印刷する。画像を印
刷するために、印刷ヘッド及び/又はレンズの何れかの移動に関連付けられる複数の印刷
パスが必要となる。それゆえ、移動のための適当なハードウェア構成が必要であり、全体
的なプロセスは時間のかかるものとなり得る。
【0011】
欧州特許出願公開第2555043A1号明細書は、眼鏡レンズにマーキングをインク
ジェット印刷する方法を開示している。特にレンズの表面特性、例えばそこに付着される
コーティング特性に応じて異なる印刷パラメータ値が選択される。したがって、各レンズ
について個別化がなされるが、各レンズには、各印刷ノズルのための同じパラメータ値で
コーティングされる。それゆえ、印刷結果は、レンズの曲率のために、満足できるもので
はないことがある。
【0012】
国際公開第2020/079624A1号パンフレットは、移動中にガラス支持体を配
置する方法及び、ガラス支持体に画像を印刷するための、配置方法を含む方法を開示して
いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述の先行技術に関して、本発明の目的は、眼鏡レンズ基材の表面、例えば湾曲表面に
印刷パターンを、より高い印刷パターン特性でインクジェット印刷することを可能にする
方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、眼鏡レンズ基材の表面、特に湾曲表面上でよりよい印刷結果を実
現するデータ処理システム、インクジェット印刷方法、及びインクジェット印刷装置を提
供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
1つ目の目的は、特許請求項1及び請求項20において特許請求されている、印刷パラ
メータ値を特定するためのコンピュータ実装方法により達成される。他の目的は、請求項
11及び請求項32において特許請求されているデータ処理システム、請求項15及び請
求項35において特許請求されているインクジェット印刷方法及び請求項17及び請求項
37において特許請求されているインクジェット印刷装置によって達成される。従属項に
は、本発明のさらなる発展型が含まれる。
【0016】
本明細書全体を通じて、以下の定義が適用される。
【0017】
「調整可能なインク特性」という用語は、基本的にユーザにより調整可能なインクの特
性、例えばインクの温度、インクの固形分等を指す。
【0018】
「解析データ」という用語は、印刷パターンを、例えば光学顕微鏡又は白色色干渉法に
よって解析することにより得られたデータを指す。
【0019】
「アーク長さ」という用語は、眼鏡レンズ基材表面上の2点間の、表面に沿って測定さ
れた距離(図4参照)を指す。
【0020】
表面は、それがその面積の全体又は一部において曲率が連続的に変化する回転表面の一
部であるときに、「球面」と呼ばれる(ISO 13666:2019(E),3.4.
3項)。
【0021】
「コンピュータ」という用語は、多くの数値演算及び論理演算を含む実質的な計算を人
間の介入なく実行できる機能ユニットを指す。コンピュータは、スタンドアロンユニット
も、複数の相互に接続されたユニットも含み得る(ISO/IEC 2382:2015
)。
【0022】
「コンピュータ実装」という用語は、少なくとも1つの特徴がコンピュータプログラム
によって実現されるコンピュータ、コンピュータネットワーク、又はその他のプログラム
可能な装置にかかわる特許請求項をカバーするための表現である。例えば、コンピュータ
実装方法は実際にコンピュータ上で実行される方法である。
【0023】
「コンピュータプログラム」という用語は、ある方法を明示するコンピュータ実行可能
命令のシーケンスを指す。これは、特定のプログラミング言語のルールに適合し、特定の
機能、タスク、又は問題を解決するために必要な宣言及び文又は命令からなるシンタック
スユニットである(ISO/IEC 2382:2015)。
【0024】
「費用関数」という用語は、眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点群に対応する特定の印
刷パラメータセットの費用を規定する、より多次元の(more-dimensiona
l)数学関数を指す。低費用さらには最小費用を規定する費用関数内の特定の経路は、パ
ラメータマップを推測するために使用される。費用は、1つ又は複数の品質パラメータと
して定義され得て、例えば品質パラメータが高いほど費用は低い。具体的な用途に応じて
、費用関数内の異なる品質パラメータの重みは変化させてよく、すなわち、1つ又は複数
の特定の品質パラメータは、それらに他の品質パラメータより高い重みを割り当てること
によって強調できる。
【0025】
「湾曲表面」という用語は、平坦でなく、凹若しくは凸部分又はその両方を示す表面を
指す。
【0026】
「データ」という用語は、通信、解釈、又は処理に適した公式化された方法による情報
の再解釈可能な表現を指す(ISO/IEC 2382:2015)。
【0027】
「データ処理」という用語は、データに対する動作の体系的な実行、例えばデータに対
する数値若しくは論理演算、データのマージ若しくはソート、プログラムのアセンブル若
しくはコンパイル、又はテキストに対する、編集、ソート、マージ、保存、読み出し、表
示、又は印刷等の動作を指す(ISO/IEC 2382:2015)。
【0028】
「データ処理システム」という用語は、データ処理を行う1つ又は複数のコンピュータ
、周辺機器、及びソフトウェアを指す(ISO/IEC2382:2015)。
【0029】
「変位ベクトル」という用語は、それぞれ大きさ又は長さと方向を有し、眼鏡レンズ基
材と印刷ヘッドの相互に関する位置を説明する、おそらく特定の参照点を参照する幾何オ
ブジェクトを指す。
【0030】
「距離」という用語は、2点間の空間の長さを指す。特に別段のことわりがないかぎり
、これは2点の最短直線長さを指す。
【0031】
「吐出温度」という用語は、印刷ノズル先端における温度を説明する印刷パラメータを
指す。
【0032】
「環境条件」という用語は、眼鏡レンズ基材及び眼鏡レンズ基材の表面上にパターンを
印刷するために使用されるインクジェット印刷装置の環境内の条件、例えば気温、湿度等
を指す。
【0033】
「フリーフォーム表面」とは、特にエリア的に定義される関数、特に2回連続微分可能
なエリア的定義関数により表すことのできる複雑な表面と理解するものとする。適当なエ
リア的定義関数の例は、(特にピースワイズ)多項式関数(特に、双3次スプライン、4
次以上のより高度のスプライン、又は多項式非一様有利Bスプライン(NURBS)等の
多項式スプライン)である。少なくとも1つの主経線に沿って円形として説明される球面
、非球面、円筒面、トロイダル表面等の単純な表面は、これとは区別されるものとする。
特に、フリーフォーム表面は、軸対称又は点対称を示す必要はなく、表面のエリアごとに
平均表面屈折率の異なる値を有することができる。フリーフォーム表面を呈する眼鏡レン
ズはISO 13666:2019(E),3.7.7項による屈折力変化レンズ、すな
わち複数の焦点屈折力を提供するように設計された、そのエリアの一部又は全部において
焦点屈折力が平滑に変化する眼鏡レンズとみなすことができる。
【0034】
「幾何学的特徴」という用語は、眼鏡レンズ基材の、例えばその寸法、その表面曲率等
及び印刷ヘッドの、例えばその寸法、向き、個々のノズルの間隔、ノズルの配置等の幾何
学特性を指す。表面曲率は、例えば表面サグ関数により説明できる。
【0035】
「幾何学的関係」という用語は、印刷ヘッドと眼鏡レンズ基材の相互に関するアライン
メントを指す。これは、例えば変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α、距離、又はアー
ク長さによって説明できる。
【0036】
「グレイレベル」という用語は、液滴が噴射されないときの「ヌル液滴」を含む、ノズ
ルが生成できる液滴サイズの数を指す。
【0037】
「入射角」という用語は、眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点の法線ベクトルnと、吐
出されたインクがノズルからレンズ表面へと輸送される吐出ベクトルjとの間の角度αを
指す(図4参照)。
【0038】
「インク」という用語は、インクジェット印刷プロセス内の液滴によって堆積可能な、
その色を問わないあらゆる組成物(「被噴射材料」)を指す。液滴の形成と堆積を可能に
する、又は容易にするために、インクを特定の温度まで加熱する必要があることがある。
【0039】
「インクジェット印刷」という用語は、インク液滴の離散的堆積によって表面上のパタ
ーンを生成する非接触方式であるドロップ・オン・デマンド方式のインクジェット印刷を
指す。インクジェット印刷は、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含むインクジェッ
ト印刷装置により実行される。
【0040】
「入力データ」という用語は、データ処理システム又はその何れかの部分に、保存又は
処理のために入力されるデータを指す。これはまた、コンピュータの何れかの構成部品に
より受信されている、又は受信されることになるデータも指し得る(ISO/IEC 2
382:2015)。
【0041】
「命令」という用語は、何れかの関連するオペランドの動作及び識別の指定を指す(I
SO/IEC 2382:2015)。
【0042】
「噴射持続時間」という用語は、インクがその間に特定の印刷ノズルから吐出される時
間を説明する印刷パラメータを指す。
【0043】
「吐出周波数」という用語は、特定の印刷ノズルの単位時間、例えば毎秒又は毎分の吐
出イベントの量を説明する印刷パラメータを指す。通常の吐出周波数はキロヘルツの範囲
、例えば10~50kHzである。
【0044】
「ルックアップテーブル」という用語は、異なるパラメータ、例えば眼鏡レンズ基材表
面と印刷ヘッドとの間の幾何学的関係を説明するパラメータと調整可能な印刷パラメータ
を相関させるデータアレイを指す。ルックアップテーブルは、保存して、必要に応じてパ
ラメータマッピングに使用できる。
【0045】
「材料特性」という用語は、それぞれインクの特性及び/又は眼鏡レンズ基材とその表
面の特性を指す。インクの材料特性の例は、静及び動粘性、静及び動表面張力、電荷等で
ある。眼鏡レンズ基材及びその表面の材料特性の例は、表面疎水性、表面電荷、表面処理
、表面機能性等である。
【0046】
「調整不能インク特性」という用語は、ユーザが調整できないインクの特性、例えばイ
ンクの化学組成を指す。
【0047】
「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、永久的なデータ保存のための記
憶媒体を指し、すなわちデータは電気がなくても保存される。その例には、フラッシュメ
モリ、リードオンリメモリ、強磁性ランダムアクセスメモリ、ほとんどの種類の磁気コン
ピュータ記憶装置、例えばハードディスクドライブ、フロッピディスク、及び磁気テープ
、並びに光ディスクが含まれる。
【0048】
「ノルム値」という用語は、それによって特定の印刷ノズルに印加される電圧が調整さ
れる増倍可変係数を説明する印刷パラメータを指す。ノルム値の調整は、印刷ヘッドの発
射信号を較正するために使用される。ノルム値は、各ノズルに関する発射電圧の変化を定
量化する可変係数とみなすことができる。
【0049】
「最適化」という用語は、1つ又は複数の特性の最適値に到達することを目的とするプ
ロセスを指す。例えば、パラメータマップの最適化とは、パラメータマップが特定の特性
又は標的値に関して改善されることを意味する。
【0050】
「パターン」という用語は、1つ又は複数のマクロ的要素、例えば数字、何れかの種類
のグラフィクスの文字、ドット等のグラフィック表現、記号等を指す。
【0051】
「パラメータ」という用語は、あるオブジェクト又は方法の特定の特性を説明する可変
値、例えば温度、距離、吐出周波数等を指す。パラメータは特定の「パラメータ値」を示
し、これは一定であり得、又は変化し得て、例えば25℃、10mm、20kHz等であ
る。
【0052】
「パラメータマップ」という用語は、個別の印刷パラメータ値(例えばP(x,y,z
))を眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点群(x,y,z)に割り当てることを指す。こ
れらの点群は、費用関数と表面幾何学を入力として特定された同様の「費用値」を有する
ことによって定義できる。パラメータマップは、各表面について固有であり得る。このよ
うなパラメータマップを取得するプロセスは、パラメータマッピングと呼ばれる。例えば
、これらの特定の点群を使って画像を、例えば印刷パラメータ値Pの8つの異なるセット
で印刷される8つのサブピクチャに分割することは、パラメータマッピングと理解できる
【0053】
「ポーズ」という用語は、3次元空間における名前が挙げられたオブジェクト又はコン
ポーネント、例えば眼鏡レンズ基材若しくは印刷ヘッド、又は参照軸の位置及び向きの組
合せを意味すると理解されたく、ISO 8373:2021-11,5.5項も参照さ
れたい。これによれば、デカルト座標系に関する質点位置は、座標方向x,y,zに沿っ
た距離により定義される。この質点において第二のデカルト座標系を広げた場合、この座
標の交差の向きは基本座標系の対応する軸に関するその座標軸の角度オフセットにより定
義される。基本座標系に関する新しい座標系の位置を説明するには、さらに3つの角度が
必要である。
【0054】
「印刷ヘッド」という用語は、インクジェット印刷装置のうち、印刷ノズルを担持する
部品を指し、好ましくは単独のコンポーネントである。印刷ヘッドにより、印刷される表
面を完全にカバーすることができ得、すなわち印刷される表面全体に、1つの印刷ヘッド
を使ったシングル印刷パス内で印刷できる。
【0055】
「印刷ノズル」という用語は、インクジェット印刷装置のノズルを指す。複数の印刷ノ
ズルがインクジェット印刷装置の印刷ヘッドに配置される。インクの吐出プロセス中、印
刷ノズルにはインクが充填され、圧電駆動から生じる衝撃波を利用してインクが吐出され
る。それゆえ、印刷ノズルには特定の電圧プロファイルが印加される。
【0056】
「印刷ノズルグループ」という用語は、同じ印刷パラメータ値を使って共通に制御され
1つ又は複数の印刷ノズルを指す。1つの印刷ノズルグループは、シングル印刷パス内に
印刷すべき表面の一部のみをカバーし得て、すなわち、印刷すべき表面全体に印刷するた
めには少なくとも2つの印刷ノズルグループの印刷ノズルが必要となり得る。
【0057】
「印刷パラメータ」という用語は、印刷プロセスのパラメータを指す。印刷パラメータ
は、調整可能な印刷パラメータ、すなわち基本的にユーザが調整できる、吐出周波数、吐
出温度、吐出持続時間等と、調整不能な印刷パラメータ、すなわちユーザが調整できない
印刷パラメータ、例えば印刷ヘッドの形状、印刷ノズルの数の何れかである。幾つかの印
刷パラメータは、いわゆるグレイレベルとしてまとめられてよく、すなわち、本開示にお
いては、幾つかの印刷パラメータの代わりに、グレイレベルを共通の印刷パラメータとみ
なすことができる。
【0058】
「印刷パラメータ値」という用語は、印刷パラメータのパラメータ値を指す。
【0059】
「印刷プロセス」という用語は、ドロップ・オン・デマンド技術を用いるインクジェッ
ト印刷プロセス、すなわち基材表面にインク液滴を堆積させるプロセスを指す。印刷プロ
セスは、印刷パラメータ及びそれぞれの印刷パラメータ値により説明できる。
【0060】
「プロセッサ」という用語は、コンピュータ内の命令を解釈し、実行する機能ユニット
を指す。プロセッサは、1つ又は複数のプロセッサ及びそれらの内部ストレージからなる
機能ユニットである処理ユニットの一部であり得る(ISO/IEC 2382:201
5)。
【0061】
「品質パラメータ」という用語は、インクジェット印刷プロセスの品質を説明するパラ
メータ、例えばサテライト滴の数、印刷点の真円度等を指す。
【0062】
「シングル印刷パス」という用語は、少なくとも2つの印刷ノズルグループの印刷ノズ
ルが眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するために同時に使用される印刷プロセスを
指す。換言すれば、少なくとも2つの印刷ノズルグループが同じ印刷パス内で使用される
。シングル印刷パスは1つの印刷又は画像層に対応し得て、すなわち1つの印刷又は画像
層を印刷するために、少なくとも2つの印刷ノズルグループを使用できる。
【0063】
「眼鏡レンズ」という用語は、眼球の正面に、ただしそれと接触せずに装用される眼科
レンズ(ISO 13666:2019(E),3.5.2項)を指し、この場合、眼科
レンズは、眼の測定、矯正、及び/若しくは保護を目的として、又はその外観を変化させ
るために使用されるものである(ISO 13666:2019(E),3.5.1項)
【0064】
「眼鏡レンズ基材」という用語は、眼鏡レンズの製造プロセス中に使用される1個の光
学材料、例えば完成眼鏡レンズの前駆体のほか、完成レンズ(ISO 13666:20
19(E),3.8.9項)自体を指す。完成レンズの前駆体は、例えばレンズブランク
であり、「レンズブランク」という用語は、レンズの製作のための1つの光学的に仕上げ
られた表面を有する1個の光学材料(ISO 13666:2019(E),3.8.1
項)又は、カット前の完成レンズを指し、「カット前の完成レンズ」という用語は、玉形
加工の前の完成レンズを説明する(ISO 13666:2019(E),3.8.8項
)。
【0065】
表面は、それが球の内面又は外面の一部である場合に「球面」と呼ばれ(ISO 13
666:2019(E),3.4.1項)、それによってその断面は各経線について円形
である。
【0066】
「記憶媒体」という用語は、その中にデータを格納でき、その中にそれら保持でき、そ
こからそれらを読み出すことのできる機能ユニットを指す(ISO/IEC 2382:
2015)。
【0067】
「表面」という用語は、3次元眼鏡レンズ基材又は3次元被覆レンズの、環境と直接接
触するあらゆる層を指す。表面は、その境界とみなすことができる。眼鏡レンズ基材の表
面には、その前面(ISO 13666:2019(E),3.2.13項)、縁辺、後
面(ISO 13666:2019(E),3.2.14項)が含まれる。異なる形状の
表面(表面タイプ)の例は、フリーフォーム累進表面、フリーフォーム単焦点表面、屈折
力可変表面、(非)球面、円筒面、及び(ア)トロイダル表面等である。しかしながら、
本発明は特定の表面タイプに限定されない。
【0068】
眼鏡レンズに関して、「前面」という表現は、眼鏡レンズのうち、眼の反対側に適合さ
れることになる表面について使用される(ISO 13666:2019(E),3.8
.13項)。レンズブランクに関して、「前面」という表現は、最終的にこのレンズブラ
ンクから製造される眼鏡レンズの前面となる表面について使用される。レンズブランクの
前面の、眼鏡レンズの製造の開始オブジェクトとして使用されるある部分の曲率はすでに
、製造される眼鏡レンズに曲率に近いものであり得る。
【0069】
眼鏡レンズに関して、「後面」という表現は、眼鏡レンズのうち、眼のより近くに適合
されることになる表面について使用される(ISO 13666:2019(E),3.
8.14項)。レンズブランクに関して、「後面」という表現は、最終的にこのレンズブ
ランクから製造される眼鏡レンズの後面となる表面について使用される。セミフィニッシ
ュトレンズブランクの後面は、眼鏡レンズの製造プロセス中に機械加工され得る。
【0070】
「速度ベクトル」という用語は、それぞれある大きさ又は長さと、方向を有し、眼鏡レ
ンズ基材と印刷ヘッドの相互に関する移動の速度を説明する、おそらく特定の参照点を参
照する幾何学的オブジェクトを指す。
【0071】
「装置の仮想表現」という用語は、それぞれの構造的設計特徴及び/又は設計特徴を説
明する数値及び/又は解析データセット(数値及び/又は解析表現)を有する装置の実装
等、装置のデジタル表現(いわゆるデジタルツイン)を指す。例えば、このようなデータ
セットは、コンピュータメのメモリ内又はコンピュータ可読(特に非一時的)記憶媒体に
保存され得る。それに加えて、データセットは、例えばインタネットやローカルエリアネ
ットワーク(LAN)等のデータネットワークから呼び出され得る。装置の表現に似たデ
ータセットは、装置のあらゆる種類の特徴、特に構造的特徴の説明、ユニットの材料等を
含み得る。このような説明には、例えば装置の構造的特徴の数学的説明を含み得る。仮想
表現は、符号化又は暗号化された形態とすることができる。装置の仮想表現は、それに加
えて、又は代替的に、それぞれの特徴を有する物理的装置を製造するために装置の1つ又
は複数の製造機械を制御するためのコンピュータ可読命令を含み得る。
【0072】
「波形パラメータ」という用語は、印刷ノズルに印加される電圧プロファイルを説明す
る印刷パラメータ、例えば最小電圧、最大電圧、勾配、電圧印加持続時間等を指す。通常
、電圧プロファイルは複数の波形パラメータにより説明される。発明に関して、1つ又は
複数の波形パラメータは調整できる。
【0073】
冠詞(a、an、及びthe)は、本明細書及び付属の特許請求の範囲で使用されるか
ぎり、明確に、疑いなく単数に限定される場合を除き、複数形も含む。
【0074】
「及び/又は」という用語は、本明細書で使用されるかぎり、2つ以上の要素の連続に
おいて使用される場合、列挙された要素の何れも単独で使用され得る、又は列挙された要
素のうちの2つ以上のあらゆる組合せが使用され得ることを意味する。例えば、方法A、
B、及び/又はCの使用が記載されているとき、方法Aのみ、方法Bのみ、方法Cのみ、
AとBの組合せ、AとCの組合せ、BとCの組合せ、A、B、Cの組合せが使用され得る
【0075】
第一の態様において、本発明は、眼鏡レンズ基材の表面、特に湾曲表面上にパターンを
印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュー
タ実装方法を提供する。インクジェット印刷装置は、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッ
ドを含む。
【0076】
本発明によれば、方法は、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループに
グループ分けするステップと、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷
パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定する、例えば計算するステップと、を含む。
好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パスで使用されること
になる。
【0077】
眼鏡レンズ基材の表面は、前面でも後面でもよい。さらに、これは球面、非球面、フリ
ーフォーム表面、又はその他の種類の表面、例えば前述のもののうちの1つでよい。前面
及び後面の表面の種類は同じでも相互に異なっていてもよい。
【0078】
1つの印刷ノズルグループは、単独の、すなわち1つのみの印刷ノズル、幾つかの印刷
ノズル、又は複数の印刷ノズル、を含み得る。印刷ノズルグループの数は、少なくとも2
つの印刷ノズルグループから、印刷ノズルの数と等しい多数の印刷ノズルグループ、すな
わち各印刷ノズルグループが単独の印刷ノズルを含み得る場合まで、様々であってよい。
印刷ノズルグループの数が少ないほど、対応する印刷パラメータ値の特定と、おそらくは
その最適化が容易となる。印刷ノズルグループの数が増えると、印刷パラメータ値を眼鏡
レンズ基材の表面によりよく適応させることができ、よりよい印刷結果が得られ得る。
【0079】
本発明の1つの基本的なアイディアは、印刷ノズルのグループについて、さらには個々
の印刷ノズルについて印刷パラメータ値を個別に最適化することによって、ドット形状及
び衝突面積等のパラメータにより測定可能な全体的な印刷品質を大幅に改善できるとの発
見に基づいている。特に、印刷パラメータ値は、印刷ヘッドと眼鏡レンズ基材との様々な
相対位置について個別に特定し、最適化できる。印刷結果に影響を与え得る他の、又は追
加の影響要因としては、例えば異方的な表面構造又は表面疎水性等も考慮できる。
【0080】
さらに、提案の方法によって、シングル印刷パスで改善された印刷パターンを得ること
ができる。換言すれば、異なる層を印刷する必要がなく、これによって時間と生産コスト
が削減される。さらに、1つの印刷ヘッドだけがあればよく、これによって時間と生産コ
ストはさらに削減される。眼鏡レンズ基材及び/又は印刷ヘッドを移動させるためのハー
ドウェア配置を省くことができる。
【0081】
提案の方法は、眼鏡レンズ基材の表面が、インクジェット印刷技術を用いて構築、コー
ティング、及び/又は表面/材料内改質される、例えばコーティング又は拡散手順を用い
た色付け、永久的又は一時的レンズマーキング、マスキング層、接着剤層スポット、アデ
ィティブマニュファクチャリング等、何れのプロセスにも利用できる。この手順は特に、
その印刷結果を「ソフトウェア」により、すなわち印刷パラメータの平均的設定を補償す
るために複雑な位置決めシステム又はロボットを導入する代わりに、本発明のコンピュー
タ実装方法によって最適化できる眼鏡レンズ基材の処理について特に興味深い。眼鏡レン
ズ基材の表面は通常、例えばカスタム化された要求によって、固有の形状を有するため、
提案の方法によれば、高い印刷品質及び低い設備費用での高速印刷が可能となる。前述の
方法は、高品質で印刷できる幅広い眼鏡レンズ基材に広く適用され、したがって、インク
ジェット印刷技術を眼鏡レンズの生産中のその他の用途にも使用できることになる。
【0082】
少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周波数
、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性からなる群より選択できる。好
ましくは、複数の印刷パラメータのための印刷パラメータ値は、個別に、すなわち各印刷
ノズルグループについて特定できる。考慮される印刷パラメータ及び特定すべきそれぞれ
の印刷パラメータ値の量が少ないほど、その特定及び、おそらくは最適化はより容易とな
る。特定すべき印刷パラメータ値が多ければ、印刷プロセスは眼鏡レンズ基材の表面によ
りよく適応させることができ、より良い印刷結果が得られ得る。
【0083】
例えば、吐出周波数を制御することにより、着弾間隔、すなわち隣接する液滴間の時間
が設定される。吐出周波数が高いと、隣接する液滴間の着弾間隔は液滴の固化時間より短
くなる。それに対して、低い吐出周波数での隣接する液滴間の着弾間隔は、液滴の固化時
間より長い。その結果、隣接する液滴間の合一がなくなる。眼鏡レンズ基材と印刷ヘッド
の幾何学的特徴に基づいて適応された印刷パラメータ値により、インク滴周囲にサテライ
トが少なく、インク滴形状の歪みが小さい、より高い印刷品質が得られる。
【0084】
本発明の方法の特定の発展型において、方法は、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドの
幾何学的特徴に関する入力データを取得することを含み得る。すると、印刷パラメータ値
は、入力データ、すなわち眼鏡レンズ基材の表面及び印刷ヘッドの幾何学的特徴に応じて
個別に特定できる。印刷されるべき眼鏡レンズ基材の表面の幾何学的特徴、特に表面曲率
、及び印刷ヘッドの幾何学的特徴を解析することによって、印刷プロセス中に眼鏡レンズ
基材と印刷ヘッドとの幾何学的関係を推測できる。換言すれば、入力データは、眼鏡レン
ズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を特定するために使用でき、幾何学的関係は
、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α、距離、又はアーク長さsからなる群より選択
される少なくとも1つのパラメータにより説明される。幾何学的関係を説明するパラメー
タの少なくとも1つ、好ましくは複数、さらには全部は、印刷パラメータ値の個別の特定
のために選択し、使用できる。
【0085】
この幾何学的関係を考慮して、印刷ヘッドのノズル又はノズルグループの各々について
、少なくとも1つの印刷パラメータに関して詳細にされ、最適化された印刷パラメータ値
を、特定、例えば計算することができる。換言すれば、印刷パラメータ値は、幾何学的特
徴に関して特定でき、それによって各印刷ノズルグループを個別に制御することにより、
湾曲表面への印刷品質を向上させることができる。眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドを相互に
関して位置付けることによって印刷パラメータの平均的設定を補償するための複雑な位置
決めシステム又はロボットは不要である。さらに、平坦ではない面、すなわち印刷ノズル
が配置される平面を有する印刷ヘッドの使用が容易となり得る。
【0086】
入力データは、例えばそれを異なる眼鏡レンズ基材及び/又は印刷ヘッドの幾何学的特
徴を記憶するための記憶ユニットから有線又は無線転送によって受け取ることにより取得
できる。他の可能性は、本発明の方法を実行するデータ処理システムに連結された入力ユ
ニットを使って、幾何学的特徴を手作業で、又は自動的に入力することである。幾何学的
特徴は、例えば作表された値の形態で提供でき、又は幾何学的特徴は、適当な測定システ
ムを使って直接測定し、処理できる。それらの組合せもまた利用可能である。
【0087】
眼鏡レンズ基材及び印刷ヘッドの幾何学的特徴とは別に、入力データは環境条件、調整
不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材料特性に関するデータを含み得る。
【0088】
印刷パラメータ値を特定する際にこれらの追加の影響要因を考慮することによって、印
刷プロセスを全体的な条件にさらによりよく適合させ、印刷結果をさらに改善することが
できる。例えば、これらの追加的な影響要因は、後述のような少なくとも1つのパラメー
タマップを推測する際に考慮でき、すなわち、パラメータマップは印刷プロセス中の眼鏡
レンズ基材と印刷ヘッドとの幾何学的関係を説明するだけでなく、印刷プロセスに影響を
与えることがあるその他の影響要因も含む。
【0089】
本発明の方法の別の特定の発展型において、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメー
タの印刷パラメータ値を個別に特定する方法ステップは、眼鏡レンズ基材の表面上の特定
の点群への印刷パラメータ値の割り当てを含むパラメータマップを推測するステップを含
み得る。
【0090】
パラメータマップを推測するために、眼鏡レンズ基材の表面を説明する、例えば入力デ
ータの一部としての既知の幾何学的特徴、例えば実際のフロントカーブ径は、表面をデー
タポイントのグリッド又はメッシュに変換するために使用できる。すると、これらのデー
タポイントを通じてループ状にし、実際の設定、すなわち印刷パラメータ値セットを事前
に作成されたユニバーサルルックアップテーブルの中で探すことができる。ルックアップ
テーブルは、特定のデータポイント及び特定の印刷ヘッドのための最適化された印刷パラ
メータ値、すなわち眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドとの特定の幾何学的関係を含み得る。こ
のルックアップテーブル内に保存された1つの同じデータポイントが多くの異なる表面上
に存在する可能性がある。
【0091】
推測されたパラメータマップは、完全な印刷パラメータ空間を最適化する、例えばイン
ク液滴のドット形状又は重みを入射角、ノズル基材距離、印刷ヘッドの速度ベクトル、吐
出周波数、及び吐出持続時間に応じて最適化するための基本的な参照システムを形成し得
る。
【0092】
例えば、パラメータマップは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を
説明するパラメータと、調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値との相関関係、例
えばルックアップテーブルに記憶された相関関係に適用される費用関数を最適化すること
によって推測され得る。
【0093】
費用関数の最適化は、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習からなる群より
選択される少なくとも1つの方法を使って行うことができる。例えば、いわゆるBroy
den-Fletcher-Goldfarb-Shannoアルゴリズムを最適化に使
用できる。
【0094】
さらに、機械学習プロセスを最適化に使用できる。これによって、現在はその影響が考
慮されていない別の影響要因を検出し、考慮することが可能となり得る。
【0095】
本発明の方法の別の特定の発展型において、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの
調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定でき、それによって、眼鏡レ
ンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾斜角度を印刷前及び/又は印刷中に調整する必要
がなくなる。
【0096】
例えば、印刷すべき表面と印刷ヘッドの、複数のノズルを含む表面は、基本的に印刷プ
ロセス全体を通じて平行な向きであり得る。
【0097】
これによって、本来は印刷結果を最適化するために必要な、印刷前及び/又は印刷中に
眼鏡レンズ基材及び/又は印刷ヘッドを回転させる、例えば機械的に傾けるための複雑な
ハードウェア配置が不要となる。先行技術の傾斜機器等の複雑なハードウェア配置により
実現される効果は、完全に個別化された印刷パラメータ値、すなわち印刷ノズルグループ
について個別化された吐出プロファイルのみによって模倣できる。
【0098】
印刷ヘッド及び印刷表面の大きさに応じて、すなわち印刷ヘッドの大きさが印刷表面全
体をカバーできるものである場合、眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズ、すなわ
ち位置と向きは眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷している間にも相互に関して一定
のままであり得る。換言すれば、眼鏡レンズ基材及び印刷ヘッドを相互に関して移動させ
ることなく、1つ又は複数の調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を調整するだ
けで、改善されたパターンを得ることができる。これによって、さらにより簡素化された
ハードウェア配置が可能となり得る。
【0099】
本発明の別の態様によれば、プロセッサ及びプロセッサに連結された記憶媒体を含むデ
ータ処理システムが提供される。プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面に記憶媒体に記憶
されたコンピュータプログラムに基づいてパターンを印刷するための複数の印刷ノズルを
備える印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するようにな
される。
【0100】
プロセッサは、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分
けし、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値を個別に特定するようになされる。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグル
ープがシングル印刷パスで使用されることになる。
【0101】
換言すれば、データ処理システムは、前述のような眼鏡レンズ基材の表面にパターンを
印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュー
タ実装可能方法のうちの1つを実行するように構成される。したがって、眼鏡レンズ基材
の表面上にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定
するためのコンピュータ実装方法及びその利点を述べた前述の説明を参照されたい。
【0102】
特定の発展型において、プロセッサは、印刷パラメータ値を眼鏡レンズ基材と印刷ヘッ
ドの幾何学的特徴に応じて個別に特定するようになされる。
【0103】
本発明の別の態様によれば、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピ
ュータに眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印
刷パラメータ値を特定させる命令を含むコンピュータプログラムが提供され、インクジェ
ット印刷装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含む。命令は、コンピュータに複
数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けさせて、各印刷ノ
ズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に
特定させる。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で
使用されることになる。
【0104】
換言すれば、コンピュータプログラムは、前述のように眼鏡レンズ基材の表面にパター
ンを印刷するインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ
実装方法のうちの1つを実行するための命令を含む。したがって、眼鏡レンズ基材の表面
にパターンを印刷するインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコン
ピュータ実装方法及びその利点を述べた前述の説明を参照されたい。
【0105】
本発明の別の態様によれば、コンピュータにより実行されると、コンピュータに、眼鏡
レンズ基材の表面にパターンを印刷するインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特
定させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供され、インクジェット印刷
装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含む。命令は、コンピュータに、複数の印
刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けさせ、各印刷ノズルグル
ープの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定させ
る。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用され
ることになる。
【0106】
換言すれば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、前述のように眼鏡レンズ基材の表
面にパターンを印刷するインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコ
ンピュータ実装方法のうちの1つを実行するための命令を含む。したがって、眼鏡レンズ
基材の表面にパターンを印刷するインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定する
ためのコンピュータ実装方法及びその利点を述べた前述の説明を参照されたい。
【0107】
本発明の別の態様によれば、インクジェット印刷方法が提供され、パターンが眼鏡レン
ズ基材の表面に、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置に
より、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を使って印刷され
る。少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値は、前述のコンピュ
ータ実装方法にしたがって特定される。
【0108】
換言すれば、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装
置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法であって、インクジェット
印刷装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含み、複数の印刷ノズルを印刷ノズル
グループにグループ分けするステップと、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整
可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定するステップを含む方法により、
少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を特定した後に、特定さ
れた印刷パラメータを使った実際の印刷を実行できる。したがって、眼鏡レンズ基材の表
面にパターンを印刷するインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコ
ンピュータ実装方法及びその利点を述べた前述の説明を参照されたい。インクジェット印
刷方法は例えば、コーティング又は拡散手順を使用した色付け、永久的又は一時的レンズ
マーキング、マスキング層、例えばコーティングの適用のために表面粗さを増大させる接
着剤層スポット、アディティブマニュファクチャリング等に使用できる。
【0109】
インクジェット印刷方法の特定の発展型において、眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷
ヘッドの傾斜角度は、印刷前及び/又は印刷中に調整されない。
【0110】
例えば、印刷表面と印刷ヘッドの、印刷ノズルを含む表面は、印刷プロセス全体を通じ
て基本的に平行な向きであり得る。
【0111】
これによって、本来は印刷結果を最適化するのに必要な、印刷前及び/又は印刷中に眼
鏡レンズ表面及び/又は印刷ヘッドを回転させる、例えば機械的に傾けるための複雑なハ
ードウェア配置は不要となる。先行技術の傾斜機器等の複雑なハードウェア配置により実
現される効果は、完全に個別化された印刷パラメータ値、すなわち印刷ノズルグループに
ついて個別化された吐出プロファイルのみによって模倣できる。
【0112】
印刷ヘッド及び印刷表面の大きさに応じて、すなわち印刷ヘッドの大きさが印刷表面全
体をカバーできるものである場合、眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズ、すなわ
ち位置と向きは眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷している間にも相互に関して一定
のままであり得る。換言すれば、眼鏡レンズ基材及び印刷ヘッドを相互に関して移動させ
ることなく、1つ又は複数の調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を調整するだ
けで、改善されたパターンを得ることができる。これによって、さらに格段に簡素化され
たハードウェア配置が可能となり得る。本発明の別の態様によれば、眼鏡レンズ基材の表
面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置が提供される。インクジェット印
刷装置は、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドと、プロセッサ及びプロセッサに連結さ
れる記憶媒体を含むデータ処理システムと、を含み、プロセッサは記憶媒体に記憶された
コンピュータプログラムに基づいて印刷パラメータを特定するようになされる。プロセッ
サは、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けし、各印
刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個
別に特定するようになされる。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシン
グル印刷パス内で使用されることになる。
【0113】
インクジェット印刷装置は、前述のインクジェット印刷方法を実行するように構成され
る。したがって、パターンが眼鏡レンズ基材の表面に印刷されるインクジェット印刷方法
及びその利点について述べた前述の説明を参照されたい。
【0114】
本発明の別の態様によれば、少なくとも以下の種類のデータ、すなわち(i)装置を製
造するために1つ又は複数の製造機械に供給されるように構成された前述のインクジェッ
ト印刷装置の仮想表現、又は(ii)前述のようなインクジェット装置を製造するための
1つ又は複数の製造機械を制御するコンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくと
も1つの種類を含むコンピュータ可読データ信号の形態のデータセットデータセットが提
供される。
【0115】
本発明の別の態様によれば、コンピュータ可読データキャリア信号の形態のデータセッ
トが提供される。データセットは、以下の種類のデータ、すなわち(i)眼鏡レンズ基材
の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置に供給されるように構成され
る、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置の少なくとも2
つの印刷ノズルグループに個別の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラ
メータ値、又は(ii)複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含むインクジェット印刷
装置の少なくとも2つの印刷ノズルグループに、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメ
ータの個々の印刷パラメータ値を適用することによって、眼鏡レンズ基材の表面にパター
ンを印刷するようにインクジェット印刷装置を制御するためのコンピュータ可読命令を含
むデータのうちの少なくとも1つの種類を含む。
【0116】
データセットは、前述のインクジェット印刷方法、すなわち複数の印刷ノズルを備える
印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置で、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメー
タの印刷パラメータ値を使って眼鏡レンズ基材の表面にパターンが印刷される方法を実行
するために使用できる。
【0117】
データは、前述の眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印
刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法を実行することによっ
て得られる。したがって、この方法及びその利点について述べた前述の説明を参照された
い。
【0118】
本発明の別の態様によれば、眼鏡レンズ表面の湾曲表面にパターンを印刷するためのイ
ンクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法が提供
され、インクジェット印刷装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含む。方法は、
眼鏡レンズ基材の表面及び印刷ヘッドの幾何学的特徴に関する入力データを取得するステ
ップであって、入力データは眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を特定
するために使用されるステップと、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグル
ープにグループ分けするステップと、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能
な印刷パラメータの印刷パラメータ値を幾何学的関係に応じて個別に特定するステップと
、を含む。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使
用されることになる。
【0119】
眼鏡レンズ基材の表面は、前面でも又は後面でもよい。さらに、これは球面、非球面、
フリーフォーム表面、又は、例えば前述のものの1つのような他の何れの表面タイプでも
よい。前面及び後面の表面のタイプは、同じでも相互に異なっていてもよい。
【0120】
1つの印刷ノズルグループは、単独の、すなわち1つのみの印刷ノズル、幾つかの印刷
ノズル、又は複数の印刷ノズル、を含み得る。印刷ノズルグループの数は、少なくとも2
つの印刷ノズルグループから、印刷ノズルの数と等しい多数の印刷ノズルグループ、すな
わち各印刷ノズルグループが単独の印刷ノズルを含み得る場合まで、様々であってよい。
印刷ノズルグループの数が少ないほど、対応する印刷パラメータ値の特定と、おそらくは
その最適化が容易となる。印刷ノズルグループの数が増えると、印刷パラメータ値を眼鏡
レンズ基材の表面によりよく適応させることができ、よりよい印刷結果が得られ得る。
【0121】
本発明の1つの基本的なアイディアは、印刷ノズルのグループについて、さらには個々
の印刷ノズルについて印刷パラメータ値を個別に最適化することによって、ドット形状及
び衝突面積等のパラメータにより測定可能な全体的な印刷品質を大幅に改善できるとの発
見に基づいている。特に、印刷パラメータ値は、印刷ヘッドと眼鏡レンズ基材との様々な
相対位置について個別に特定し、最適化できる。印刷結果に影響を与え得る他の、又は追
加の影響要因、例えば異方的な表面構造又は表面疎水性等も考慮できる。さらに、平坦で
ない表面、すなわち印刷ノズルが配置される平面を有する印刷ヘッドの使用が容易にされ
得る。
【0122】
さらに、提案の方法によって、シングル印刷パスで改善された印刷パターンを得ること
ができる。換言すれば、異なる層を印刷する必要がなく、これによって時間と生産コスト
が削減される。さらに、1つの印刷ヘッドだけがあればよく、これによって時間と生産コ
ストはさらに削減される。眼鏡レンズ基材及び/又は印刷ヘッドを移動させるためのハー
ドウェア配置を省くことができる。
【0123】
提案の方法は、眼鏡レンズ基材の表面が、インクジェット印刷技術を用いて構築、コー
ティング、及び/又は表面/材料内改質される、例えばコーティング又は拡散手順を用い
た色付け、永久的又は一時的レンズマーキング、マスキング層、接着剤層スポット、アデ
ィティブマニュファクチャリング等、何れのプロセスにも利用できる。この手順は特に、
その印刷結果を「ソフトウェア」により、すなわち印刷パラメータの平均的設定を補償す
るために複雑な位置決めシステム又はロボットを導入する代わりに、本発明のコンピュー
タ実装方法によって最適化できる眼鏡レンズ基材の処理について特に興味深い。眼鏡レン
ズ基材の表面は通常、例えばカスタム化された要求によって、固有の形状を有するため、
提案の方法によれば、高い印刷品質及び低い設備費用での高速印刷が可能となる。前述の
方法は、高品質で印刷できる幅広い眼鏡レンズ基材に広く適用され、したがって、インク
ジェット印刷技術を眼鏡レンズの生産中のその他の用途にも使用できることになる。
【0124】
少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周波数
、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性からなる群より選択できる。好
ましくは、複数の印刷パラメータのための印刷パラメータ値は、個別に、すなわち各印刷
ノズルグループについて特定できる。考慮される印刷パラメータ及び特定すべきそれぞれ
の印刷パラメータ値の量が少ないほど、その特定及び、おそらくは最適化はより容易とな
る。特定すべき印刷パラメータ値が多ければ、印刷プロセスは眼鏡レンズ基材の表面によ
りよく適応させることができ、より良い印刷結果が得られ得る。
【0125】
例えば、吐出周波数を制御することにより、着弾間隔、すなわち隣接する液滴間の時間
が設定される。吐出周波数が高いと、隣接する液滴間の着弾間隔は液滴の固化時間より短
くなる。それに対して、低い吐出周波数での隣接する液滴間の着弾間隔は、液滴の固化時
間より長い。その結果、隣接する液滴間の合一がなくなる。眼鏡レンズ基材と印刷ヘッド
の幾何学的特徴に基づいて適応された印刷パラメータ値により、インク滴周囲にサテライ
トが少なく、インク滴形状の歪みが小さい、より高い印刷品質が得られる。
【0126】
幾何学的特徴、特に印刷される眼鏡レンズ基材の表面の表面曲率、及び印刷ヘッドの幾
何学的特徴を解析することにより、印刷プロセス中の眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの幾何
学的関係を導き出すことができる。換言すれば、入力データは、眼鏡レンズ基材の表面と
印刷ヘッドとの幾何学的関係を特定するために使用される。
【0127】
幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α、距離Δ、及びアーク長さs
からなる群より選択される少なくとも1つのパラメータによって説明され得る。それゆえ
、幾何学的関係を説明するパラメータの少なくとも1つは、各印刷ノズルグループの少な
くとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定するために使用
され得る。幾何学的関係を説明するパラメータのうちの少なくとも1つ、好ましくは複数
、さらには全部を印刷パラメータ値の個別の特定のために選択し、使用できる。
【0128】
この幾何学的関係を考慮して、印印刷ヘッドのノズル、又はノズルグループの各々につ
いて、少なくとも1つの印刷パラメータに関して個別に詳細にされ、最適化された印刷パ
ラメータ値を、特定、例えば計算することができる。換言すれば、印刷パラメータ値は幾
何学的特徴に関して特定され、それによって各印刷ノズルグループを個別に制御すること
によって湾曲表面上の印刷品質を向上させることができる。眼鏡レンズ基材と印刷ヘッド
を相互に関して位置決めすることによって、印刷パラメータの平均的設定を補償するため
の複雑な位置決めシステム又はロボットは不要である。
【0129】
入力データは、例えばそれを異なる眼鏡レンズ基材及び/又は印刷ヘッドの幾何学的特
徴を記憶するための記憶ユニットから有線又は無線転送によって受け取ることにより取得
できる。他の可能性は、本発明の方法を実行するデータ処理システムに連結された入力ユ
ニットを使って、幾何学的特徴を手作業で、又は自動的に入力することである。幾何学的
特徴は、例えば表にされた値の形態で提供でき、又は幾何学的特徴は、適当な測定システ
ムを使って直接測定し、処理できる。それらの組合せもまた利用可能である。
【0130】
任意選択により、入力データは環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レン
ズ基材の材料特性に関するデータを含み得る。したがって、各印刷ノズルグループの少な
くとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値は、入力データは環境条件、
調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材料特性に関するデータに応じて個
別に特定され得る。
【0131】
印刷パラメータ値を特定する際にこれらの追加の影響要因を考慮することによって、印
刷プロセスを全体的な条件にさらによりよく適合させ、印刷結果をさらに改善することが
できる。例えば、これらの追加的な影響要因は、後述のような少なくとも1つのパラメー
タマップを推測する際に考慮でき、すなわち、パラメータマップは印刷プロセス中の眼鏡
レンズ基材と印刷ヘッドとの幾何学的関係を説明するだけでなく、印刷プロセスに影響を
与えることがあるその他の影響要因も含む。
【0132】
特定の発展型において、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ
値を個別に特定する方法ステップは、眼鏡レンズ基材の表面上のデータポイント群への印
刷パラメータ値の割り当てを含むパラメータマップを推測するステップを含み得る。パラ
メータマップを推測するステップは、眼鏡レンズ基材の表面をデータポイントのグリッド
に変換することを含み得る。
【0133】
少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定する方法
ステップは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を説明するパラメータ
と、調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値との相関を含むルックアップテーブル
を提供することも含み得る。印刷パラメータ値を個別に特定することはすると、データポ
イントについてルックアップテーブルから印刷パラメータ値のセットを読み出すことを含
み得る。
【0134】
任意選択により、パラメータマップは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学
的関係を説明するパラメータと調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値との相関に
適用される費用関数を最適化することによって推測され得る。
【0135】
換言すれば、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を説明する各パラメ
ータ又はその組合せについて、印刷パラメータ値の特定のセットを割り当てることができ
る。環境条件及び材料特性に関する入力データは、ルックアップテーブルの作成時に考慮
され得る。ルックアップテーブルは、特定のデータポイント及び特定の印刷ヘッドについ
て最適化された印刷パラメータ値、すなわち眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの特定の幾何学
的関係を含み得る。このルックアップテーブルに記憶された1つの同じデータポイントは
、多くの異なる表面上にあり得る。
【0136】
パラメータマップを推測するために、眼鏡レンズ基材の表面を説明する、例えば入力デ
ータの一部としての既知の幾何学的特徴、例えば実際のフロントカーブ径は、表面をデー
タポイントのグリッド又はメッシュに変換するために使用できる。すると、これらのデー
タポイントを通じてループ状にし、実際の設定、すなわち印刷パラメータ値セットを事前
に作成されたユニバーサルルックアップテーブルの中で探すことができる。
【0137】
推測されたパラメータマップは、完全な印刷パラメータ空間を最適化する、例えばイン
ク液滴のドット形状又は重さを入射斜角、ノズル基板距離、印刷ヘッドの速度ベクトル、
吐出周波数、及び吐出持続時間に応じて最適化するための基本的参照システムを形成し得
る。
【0138】
例えば、パラメータマップは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を
説明するパラメータと調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値との相関、例えばル
ックアップテーブルに記憶された相関に適用される費用関数を最適化することによって推
測され得る。
【0139】
費用関数の最適化は、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習からなる群より
選択される少なくとも1つの方法を使って行うことができる。例えば、いわゆるBroy
den-Fletcher-Goldfarb-Shannoアルゴリズムを最適化に使
用できる。
【0140】
さらに、機械学習プロセスを最適化に使用できる。これによって、現在はその影響が考
慮されていない別の影響要因を検出し、考慮することが可能となり得る。
【0141】
別の特定の発展型において、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷
パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定でき、それによって、眼鏡レンズ基材の表面
に関する印刷ヘッドの傾斜角度を印刷前及び/又は印刷中に調整する必要がなくなる。
【0142】
例えば、印刷すべき表面と印刷ヘッドの、複数のノズルを含む表面は、基本的に印刷プ
ロセス全体を通じて平行な向きであり得る。
【0143】
これによって、本来は印刷結果を最適化するために必要な、印刷前及び/又は印刷中に
眼鏡レンズ基材及び/又は印刷ヘッドを回転させる、例えば機械的に傾けるための複雑な
ハードウェア配置が不要となる。先行技術の傾斜機器等の複雑なハードウェア配置により
実現される効果は、完全に個別化された印刷パラメータ値、すなわち印刷ノズルグループ
について個別化された吐出プロファイルのみによって模倣できる。
【0144】
印刷ヘッド及び印刷表面の大きさに応じて、すなわち印刷ヘッドの大きさが印刷表面全
体をカバーできるものである場合、眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズ、すなわ
ち位置と向きは眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷している間にも相互に関して一定
のままであり得る。換言すれば、眼鏡レンズ基材及び印刷ヘッドを相互に関して移動させ
ることなく、1つ又は複数の調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を調整するだ
けで、改善されたパターンを得ることができる。これによって、さらにより簡素化された
ハードウェア配置が可能となり得る。
【0145】
本発明の別の態様によれば、プロセッサ及びプロセッサに連結された記憶媒体を含むデ
ータ処理システムが提供され、プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷す
るためのインクジェット印刷装置であって、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含む
インクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を、記憶媒体に記憶されたコンピュータプロ
グラムに基づいて特定するようになされる。
【0146】
プロセッサは、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分
けし、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値を、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係に応じて個別に特定する
ようになされ、幾何学的関係は、眼鏡レンズ基材の表面及び印刷ヘッドの幾何学的特徴に
関する入力データを使って特定される。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグルー
プがシングル印刷パスで使用されることになる。
【0147】
換言すれば、データ処理システムは、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するため
のインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装可能方
法のうちの1つを実行するように構成され、印刷パラメータ値は、前述の眼鏡レンズ基材
の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係に応じて個別に特定される。したがって、眼鏡レン
ズ基材の表面上にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値
を特定するためのこのコンピュータ実装方法及びその利点を述べた前述の説明を参照され
たい。
【0148】
本発明の別の態様によれば、プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピ
ュータに眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印
刷パラメータ値を特定させる命令を含むコンピュータプログラムが提供され、インクジェ
ット印刷装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含む。命令は、コンピュータに複
数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けさせて、各印刷ノ
ズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を、眼鏡
レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係に応じて個別に特定させ、幾何学的関係
は、眼鏡レンズ基材の表面及び印刷ヘッドの幾何学的特徴に関する入力を、データを使っ
て特定される。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内
で使用されることになる。
【0149】
換言すれば、コンピュータプログラムは、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷する
インクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法のう
ちの1つを実行するための命令を含み、印刷パラメータ値は、前述のように眼鏡レンズ基
材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係に応じて個別に特定される。したがって、眼鏡レ
ンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値
を特定するためのこのコンピュータ実装方法及びその利点を述べた前述の説明を参照され
たい。
【0150】
本発明の別の態様によれば、コンピュータにより実行されると、コンピュータに、眼鏡
レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ
値を特定させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供され、インクジェッ
ト印刷装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含む。命令は、コンピュータに、複
数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けさせ、各印刷ノズ
ルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を、眼鏡レ
ンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係に応じて個別に特定させ、幾何学的関係は
、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドの幾何学的特徴に関する入力データを使って特定さ
れる。好ましくは、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用さ
れることになる。
【0151】
換言すれば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は眼鏡レンズ基材の表面にパターンを
印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュー
タ実装方法のうちの1つを実行するための命令を含み、印刷パラメータ値は、前述のよう
に眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係に応じて個別に特定される。した
がって、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印
刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法及びその利点を述べた前述の説明
を参照されたい。
【0152】
本発明の別の態様によれば、インクジェット印刷方法が提供され、パターンが眼鏡レン
ズ基材の表面に、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置に
より、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を使って印刷され
る。少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値は、コンピュータ実
装方法にしたがって特定され、印刷パラメータ値は、前述のように眼鏡レンズ基材の表面
と印刷ヘッドとの幾何学的関係に応じて個別に特定される。
【0153】
換言すれば、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装
置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法であって、インクジェット
印刷装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含み、複数の印刷ノズルを印刷ノズル
グループにグループ分けするステップと、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整
可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何
学的関係に応じて個別に特定するステップを含む方法により、少なくとも1つの調整可能
な印刷パラメータの印刷パラメータ値を特定した後に、特定された印刷パラメータ値を使
った実際の印刷を実行できる。したがって、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷する
ためのインクジェット印刷装置の印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方
法であって、印刷パラメータ値は眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係に
応じて個別に特定される方法及びその利点を述べた前述の説明を参照されたい。インクジ
ェット印刷方法は例えば、コーティング又は拡散手順を使用した色付け、永久的又は一時
的レンズマーキング、マスキング層、例えばコーティングの適用のために表面粗さを増大
させる接着剤層スポット、アディティブマニュファクチャリング等に使用できる。
【0154】
インクジェット印刷方法の特定の発展型において、眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷
ヘッドの傾斜角度は、印刷前及び/又は印刷中に調整されない。
【0155】
例えば、印刷表面と印刷ヘッドの、印刷ノズルを含む表面は、印刷プロセス全体を通じ
て基本的に平行な向きであり得る。
【0156】
これによって、本来は印刷結果を最適化するのに必要な、印刷前及び/又は印刷中に眼
鏡レンズ表面及び/又は印刷ヘッドを回転させる、例えば機械的に傾けるための複雑なハ
ードウェア配置は不要となる。先行技術の傾斜機器等の複雑なハードウェア配置により実
現される効果は、完全に個別化された印刷パラメータ値、すなわち印刷ノズルグループに
ついて個別化された吐出プロファイルのみによって模倣できる。
【0157】
印刷ヘッド及び印刷表面の大きさに応じて、すなわち印刷ヘッドの大きさが印刷表面全
体をカバーできるものである場合、眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズ、すなわ
ち位置と向きは眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷している間も相互に関して一定の
ままであり得る。換言すれば、眼鏡レンズ基材及び印刷ヘッドを相互に関して移動させる
ことなく、1つ又は複数の調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を調整するだけ
で、改善されたパターンを得ることができる。これによって、はるかに簡素化されたハー
ドウェア配置が実現され得る。
【0158】
本発明の別の態様によれば、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインク
ジェット印刷装置が提供される。インクジェット印刷装置は、複数の印刷ノズルを備える
印刷ヘッドと、プロセッサ及びプロセッサに連結される記憶媒体を含むデータ処理システ
ムと、を含み、プロセッサは記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて印
刷パラメータ値を特定するようになされる。プロセッサは、複数の印刷ノズルを少なくと
も2つの印刷ノズルグループにグループ分けし、各印刷ノズルグループの少なくとも1つ
の調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッド
との幾何学的関係に応じて個別に特定するようになされ、幾何学的関係は、眼鏡レンズ基
材の表面と印刷ヘッドの幾何学的特徴に関する入力データを使って特定される。好ましく
は、少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることになる
【0159】
インクジェット印刷装置は、前述のインクジェット印刷方法を実行するように構成され
る。したがって、パターンが眼鏡レンズ基材の表面に印刷されるインクジェット印刷方法
及びその利点について述べた前述の説明を参照されたい。
【0160】
本発明の別の態様によれば、少なくとも以下の種類のデータ、すなわち(i)装置を製
造するために1つ又は複数の製造機械に供給されるように構成された前述のインクジェッ
ト印刷装置の仮想表現、又は(ii)前述のようなインクジェット装置を製造するための
1つ又は複数の製造機械を制御するコンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくと
も1つの種類を含むコンピュータ可読データ信号の形態のデータセットデータセットが提
供される。
【0161】
本発明のその他の特徴、特性、及び利点は、添付の図面と併せた以下の実施形態の説明
から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0162】
図1】印刷プロセス中に眼鏡レンズ基材の湾曲表面上で移動する先行技術によるインクジェット印刷ヘッドを概略的に示す。
図2】先行技術による複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを下からの平面図で示す。
図3】先行技術によるインクジェット印刷ヘッドのノズルに印加される典型的な電圧プロファイルを示す。
図4】眼鏡レンズ基材の表面を概略的に示す(半分に切断した断面図)。
図5】眼鏡レンズ基材の表面を通過する印刷ヘッドを概略的に示す(上面図)。
図6】パラメータD=50.0mm、r=425.0mmの眼鏡レンズ基材の前面を形成する点の離散化されたx,y,z位置を示す。3つの矢印は、図5に示される3つの単独印刷ヘッドノズルの印刷プロセス中のx,y経路を示す。
図7】印刷プロセス中の図5に示される3つの印刷ノズルと眼鏡レンズ基材の表面との間の計算による高さの差を示す。
図8】パラメータD=50.0mm、r=425.0mmの眼鏡レンズ基材の前面の法線ベクトルn(x,y,z)と図5に示される3つの印刷ノズルの入射インクジェット(0,0,-1)との間の入射角度α(x,y,z)を示す。
図9図5に示される3つの印刷ノズルのそれぞれの経路に沿った入射角を示す。
図10】印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法のある実施形態を示すフローチャートである。
図11】印刷ノズルグループを備える印刷ヘッドを概略的に示す。
図12】印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法の別の実施形態を示すフローチャートである。
図13】印刷パラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法のさらに別の実施形態のブロック図を示す。
図14】インクジェット印刷装置のある実施形態を概略的に示す。
図15】認識された輪郭の直径が65mmの眼鏡レンズ基材の印刷済み湾曲表面のRecon画像を示す。
図16】印刷済みの湾曲表面の他のRecon画像を示す。ワックスパターンに読み込まれたノズルアレイデータが重ねられている。
図17】ノルム値が50で印刷された表面のタイル5番の当初の顕微鏡画像を示す。
図18図17に示される画像から得られた白黒二値化顕微鏡画像を示す。
図19図17の、主要特徴とサテライトがマークされた顕微鏡画像を示す。
図20】相当半径と適用されるノルム値に応じた主要特徴の平均真円度を示す。
図21】相当半径と適用されるノルム値に応じたタイル1枚当たりのサテライトの数を示す。
図22】相当半径と適用されるノルム値に応じた費用関数のグラフィック表現を示す。
図23】相当半径と適用されるノルム値に応じた他の費用関数のグラフィック表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0163】
図1は、本発明の基本となる技術的問題を示している。あるパターンが眼鏡レンズ基材
4の湾曲表面3上に、複数の印刷ノズル6を備える印刷ヘッド2を含むインクジェット印
刷装置を使って印刷されるところである。印刷ノズル6はインクの液滴9を吐出し、それ
が眼鏡レンズ基材4の表面3上に堆積される。
【0164】
図2に示される典型的な印刷ヘッド2は、例えば880の印刷ノズル6を含み得て、こ
れらは複数の列及び行に特定の間隔で配置される。例えば、300の印刷ノズル6がx方
向に1インチごとに配置され得て、それによって得られる印刷分解能又はピクセル密度は
それぞれ300ドット/インチ(dpi)となる。
【0165】
先行技術によれば、全ての印刷ノズルが均一に制御され、すなわち、調整可能な印刷パ
ラメータ8のための同じ印刷パラメータ値1が全ての印刷ノズル6について使用される。
これによって、眼鏡レンズ基材4の表面6が均一、例えば平坦であるかぎり、均一な印刷
画像が得られる。しかしながら、眼鏡レンズ基材4の表面6が均一でない、例えば図1
示される湾曲表面6を呈する場合、印刷結果は不利な影響を受ける。これは、印刷ノズル
6と眼鏡レンズ基材4の表面3との異なる距離Δ、Δに起因する。典型的に、印刷ノ
ズル6と眼鏡レンズ基材4の表面3との最小距離Δは5mm未満である。その相対的位
置依存値Δは変化し、典型的には、眼鏡レンズ基材4の外側部分に向かって増大する。
【0166】
図3は、印刷プロセス中の印刷ノズル6に印加される典型的な電圧プロファイルを示す
。幾つかの相、すなわち静止相、プレフィル相、吐出相、レフィル/取消相を区別できる
。先行技術によれば、全ての印刷ノズルに同じ電圧プロファイルが印加される。印刷プロ
セスを調整し、全体的な印刷品質に影響を与えるために、電圧プロファイルを変更できる
。例えば、各相について、最小及び最大電圧、勾配及び/又は持続時間を変更できる。電
圧プロファイルを変更することによって調整可能な印刷パラメータ8は、吐出周波数、波
形、及びノルムである。
【0167】
図4は、眼鏡レンズ基材4の湾曲表面3を半分に切断した断面図において概略的に示し
ており、nは表面3の何れかの点における法線ベクトル、jは吐出されたインクが印刷ノ
ズル6から表面3へと移送される吐出ベクトル、αは法線ベクトルnと吐出ベクトルjと
の間の入射角、rは球から得られた表面3の真のフロントカーブ(真の曲率半径)、dx
、dy(図4では図示せず)及びdzは使用される座標系内で離散化された差、sは表面
3上の2点間の概算のアーク長さである。
【0168】
図5は、直径Dの眼鏡レンズ基材4の表面3を、上面図において、印刷プロセス中の印
刷ヘッド5の3つの異なる印刷ノズル6a、6b、6cの、すなわち印刷ヘッド5と表面
3が移動方向mに沿って相互に関して線形に移動する場合のx,y-方向の移動経路と共
に示す。
【0169】
図6~9を参照して、図4及び5に示される例示的表面3への印刷に関連する影響をさ
らに説明する。例示的な吐出ベクトルjは0,0,-1となるように選択されている。図
6は、パラメータD=50.0mm、r=425.0mmでの、眼鏡レンズ基材4の前表
面3を形成する点の離散化されたx,y,z位置を示す。3つの矢印は、印刷プロセス中
図5に示される3つの単独の印刷ノズル6a、6b、6cのx,y経路を示す。z位置
図6において、424.150~424.900の範囲の数字により表されている。し
かしながら、留意すべき点として、z位置は徐々に変化するが、これは図6においては、
図面の形式上の要求によって示すことができない。したがって、z位置の注釈付きの数値
はz位置の一般的コースを代表するための例にすぎない。
【0170】
図7は、印刷プロセス中の印刷ノズル6a、6b、6cと表面3との間の対応する計算
された高さプロファイル、すなわち図6の矢印に沿ったz位置を示す。印刷ノズル6と眼
鏡レンズ基材4の表面3との間の最小距離Δは1mmである。
【0171】
図6及び7からわかるように、印刷ノズル6aの経路に沿った高さの差は、印刷ノズル
6b、6cの場合よりはるかに大きい。これは、一貫しない印刷結果につながり、すなわ
ち全体的な印刷品質は、表面3の中心について最適化されている場合、眼鏡レンズ基材4
の縁部に向かって大きく劣化する。
【0172】
図8は、パラメータD=50.0mm、r=425.0mmの眼鏡レンズ基材4の前表
面3を形成する点の離散化されたx,y位置を示す。3つの矢印は、印刷プロセス中の図
5に示される3つの単独の印刷ノズル6a、6b、6cのx,y経路を示す。異なるx,
y位置での入射角αは図8では0.400~3.600の範囲の数値により表される。し
かしながら、留意すべき点として、入射角αは徐々に変化するが、これは図8においては
、図面の形式上の要求によって示すことができない。したがって、入射角αの注釈付きの
数値は入射角αの一般的コースを代表するための例にすぎない。図9は、印刷ノズル6a
、6b、6cのx位置に依存する入射角α、すなわち図8の矢印に沿った入射角αを示す
。入射角αは0°~3.5°超の間で変化し、偏差は印刷ノズル6b、6cと比較して印
刷ノズル6aについてはるかに大きい。一般に、入射角αは眼鏡レンズ基材4の縁部に向
かって増大する。これによって、図6及び7に関して説明した高さの差によりすでに生じ
ている一貫しない印刷結果が増幅され、すなわち全体的な印刷品質は、表面3の中心につ
いて最適化されている場合、レンズ基材4の縁部に向かってさらにより大きく劣化する。
【0173】
印刷ノズル6と眼鏡レンズ基材4の表面3との間の距離Δが増大し、入射角αが増大す
ると、本発明の発明者には、散乱した印刷結果、すなわち多数の小さいドットが生じる明
瞭な傾向が見られた。
【0174】
前述のような印刷品質に悪影響を与える効果を低減させるために、眼鏡レンズ基材4の
表面3にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置2の印刷パラメータ値1を特
定するためのコンピュータ実装方法100が提案される。インクジェット印刷装置2は、
複数の印刷ノズル6を備える印刷ヘッド5を含む。図10に示されるフローチャートは、
このような方法100の第一の実施形態に関する。
【0175】
第一のステップS1で、眼鏡レンズ基材4の表面3及びインクジェット印刷装置2の印
刷ヘッド5の幾何学的特徴に関する入力データ8が取得される。このデータは、眼鏡レン
ズ基材4の表面3の位相幾何学的形状に関するデータ、例えばその直径D、その真のフロ
ントカーブr、及び印刷ヘッド5に関する幾何学データ、例えばその向き、印刷ノズル6
の数、印刷ノズル6の間隔等を含み得る。例えば、直径Dは50mmであり、真の曲率半
径rは425.0mmである。印刷ヘッド5は880の印刷ノズル6を含み得て、そのノ
ズル間隔はx方向に1インチ当たり300である。
【0176】
ステップS2で、複数の印刷ノズル6は5つの印刷ノズルグループ10a、10b、1
0c、10d、10eにグループ分けされる。印刷ノズルグループ10a、10b、10
c、10d、10eの正確な数は、眼鏡レンズ基材4の幾何学的特徴及び/又は必要な印
刷品質に依存して変化し得る。5つの印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10
d、10のうちの少なくとも2つがシングル印刷パス内で使用されることになる。任意選
択により、印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d、10の全てがシングル
印刷パス内で使用されることになる。
【0177】
図11は印刷ヘッド5を示し、これは、印刷ヘッド5の移動方向mに関して対称に配置
される5つの印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d、10eにグループ分
けされている。縁に向かって、最も少ない数の印刷ノズル6を含む2つの印刷ノズルグル
ープ10a、10eが配置される。より中央の近くに、より多くの印刷ノズル6を含む2
つの印刷ノズルグループ10b、10dが配置される。中央の印刷ノズルグループ10c
は、最も多い数の印刷ノズル6を含む。印刷ノズルグループ10a、10b、10c、1
0d、10eのこの数及びそれらの配置は、図7及び9に示される高さの差及び入射角α
の過程から得られ、これらは淵に向かって急峻であり、中央において平坦である。
【0178】
再び図10を参照すると、ステップS3で、調整可能な印刷パラメータ7のための印刷
パラメータ値1は、各印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d、10eに関
して個別に特定される。例えば、1つ又は複数の印刷パラメータ7の、吐出温度、吐出持
続時間、吐出周波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性の群から選
択される印刷パラメータ値1は、各印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d
、10eについて特定できる。
【0179】
その後、各印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d、10eについて特定
された印刷パラメータ値1を使って、眼鏡レンズ基材4の表面3上にパターンを印刷する
ことができる。任意選択により、眼鏡レンズ基材4の表面3に関する印刷ヘッド5の傾斜
角度は、印刷前及び/又は印刷中に調整されない。
【0180】
図12は、眼鏡レンズ基材4の表面3にパターンを印刷するためのインクジェット印刷
装置2の印刷パラメータ値1を特定するためのコンピュータ実装方法100の別の実施形
態のフローチャートを示す。ステップS1及びS2に関しては、図10の説明を参照され
たい。
【0181】
ステップS3、すなわち各印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d、10
eについての調整可能な印刷パラメータ7、7a、7b、7c、7d、7e、7fの印刷
パラメータ値1を個別に特定するステップは、サブステップS4~S6を含む。
【0182】
ステップS4で、ルックアップテーブル13と費用関数が提供される。例えば、ルック
アップテーブル13は、記憶媒体から読み出され得る。ルックアップテーブル13には、
眼鏡レンズ基材4の表面3と印刷ヘッド5との間の幾何学的関係を説明するパラメータ1
1、11a、11b、11cと調整可能な印刷パラメータ7、7a、7b、7c、7d、
7e、7fとの相関が含まれる。費用関数は、万能評価費用関数でも、特定の使用のケー
スに専用の、すなわち特定の使用のケースに関係する品質パラメータを考慮した費用関数
でもあり得る。
【0183】
ステップS5で、費用関数はルックアップテーブル13に適用され、入力データ8、8
a、8b、8c、8dに対応する適当な印刷パラメータ値1を検索するために最適化され
る。換言すれば、最小の費用総額につながる印刷パラメータ値1、例えばそこに印刷され
ることになる眼鏡レンズ基材4の表面3の全体を考慮した、品質パラメータとしての生じ
得る最小数のサテライトがルックアップテーブル13から検索される。費用関数の最適化
は、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習からなる群より選択される少なくと
も1つの方法を使って行うことができる。
【0184】
ステップS6で、パラメータマップ12が最適化結果を考慮して推測され、これは印刷
パラメータ値1の眼鏡レンズ基材4の表面3上の特定の点群への割り当てを含む。換言す
れば、印刷パラメータ値1は、各印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d、
10eについて個別に特定され、パラメータマップ12として保存される。
【0185】
その後、各印刷ノズルグループ10a、10b、10c、10d、10eについて特定
された印刷パラメータ値1、すなわちパラメータマップ12を使ってパターンを眼鏡レン
ズ基材4の表面3に印刷することができる。1回の印刷プロセス中に印刷パラメータ値1
を修正することができない、例えばグレイレベルを変更できない場合、実際の印刷パラメ
ータ値1とその分布を、例えば0から半径Rの4つの部分に離散化することができ、1つ
の画像の代わりに幾つかのサブイメージ、異なる印刷パラメータ値で例えば4つのサブイ
メージ、例えば相互にフィットする4つの「リング」が印刷される。
【0186】
図13に示されるブロック図は、眼鏡レンズ基材4の表面3にパターンを印刷するため
のインクジェット印刷装置2の印刷パラメータ値1を特定するためのコンピュータ実装方
法100のまた別の実施形態を示す。
【0187】
方法100は、印刷される眼鏡レンズ基材4の表面3の各表面点が、最適化された印刷
パラメータ7a、7b、7c、7d、7e、7fを計算し、適用することによって個別に
考慮されるべきであるとの発見に基づく。ステップS1において得られる必要な入力デー
タ8a、8b、8c、8dは、眼鏡レンズ基材4の表面3の幾何学的特徴、すなわちレン
ズ形状並びに、インクジェット印刷装置2の一部としての印刷ヘッド5の幾何学的特徴、
及び任意選択により、環境条件並びにインク9及び/又は眼鏡レンズ基材4の材料特性に
関する。
【0188】
この入力データ8a、8b、8c、8dから、眼鏡レンズ基材4の表面3と印刷ヘッド
5との幾何学的関係を説明するパラメータ11a、11b、11cのためのパラメータ値
が推測される。これらは、印刷プロセス中の「インクジェット印刷装置-眼鏡レンズ基材
」のシステムを説明する。好ましいパラメータ11a、11b、11cは、例えば入射角
α、変位ベクトル、速度ベクトル、距離Δ、及びアーク長さsを含む。
【0189】
ステップS3で、印刷パラメータ7a、7b、7c、7d、7e、7fの印刷パラメー
タ値1は、それ以前にステップS2で作成された各印刷ノズルグループ10a、10b、
10c、10d、10eについて計算される。この実施形態において考慮される印刷パラ
メータ7a、7b、7c、7d、7e、7fは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周期数、
ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性である。その他の設定及び/又は
特性も考慮され得る。
【0190】
印刷パラメータ値1を検索するために、ステップS4でルックアップテーブル13が提
供され、これは事前に作成され、眼鏡レンズ基材4の表面3と印刷ヘッドとの幾何学的関
係を説明するパラメータ11a、11b、11cと調整可能な印刷パラメータ7a、7b
、7c、7d、7e、7fの印刷パラメータ値1の相関を含む。印刷パラメータ7a、7
b、7c、7d、7e、7fは、関数パラメータと理解することができる。眼鏡レンズ基
材4の表面3と印刷ヘッド5との幾何学的関係を説明する各パラメータ11a、11b、
11c又はそれらの組合せについて、印刷パラメータ7a、7b、7c、7d、7e、7
fの特定のセットが割り当てられる。環境条件及び材料特性に関する入力データ8c、8
dは、ルックアップテーブル13を作成する際に考慮に入れられ得る。
【0191】
さらに、ステップS5で費用関数が提供され、これはルックアップテーブル13に適用
され、最適化される。最後に、ステップS6で、パラメータマップ12は最適化された費
用関数から検索される。眼鏡レンズ基材4の表面3上の特定の点群に割り当てられた印刷
パラメータ7a、7b、7c、7d、7e、7fは、パラメータマップ12に保存される
【0192】
図14は、ドロップ・オン・デマンド技術を用いたインクジェット印刷装置2のある実
施形態を示す。インクジェット印刷装置2は、複数の印刷ノズル6を備える印刷ヘッド5
を含む。さらに、インクジェット印刷装置2は、プロセッサ20と、プロセッサ20に連
結される記憶媒体21を含むデータ処理システム200を含み、これは図14の両方向矢
印により表される。プロセッサ20は、複数の印刷ノズル6を少なくとも2つの印刷ノズ
ルグループ10a、10b、10c、10d、10eにグループ分けし、各印刷ノズルグ
ループ10a、10b、10c、10d、10eの少なくとも1つの調整可能な印刷パラ
メータ7、7a、7b、7c、7d、7e、7fの印刷パラメータ値1を記憶媒体21に
記憶されたコンピュータプログラムに基づいて個別に特定するようになされる。記憶媒体
21はまた、ルックアップテーブル13及び/又は検索されたパラメータマップ12を保
存するためにも使用され得る。換言すれば、データ処理システム200は、本明細書に記
載の印刷パラメータ値1を特定するためのコンピュータ実装方法のうちの1つを実行し得
る。特定された印刷パラメータ値1は、印刷プロセスを実行するために印刷ヘッド5及び
印刷ノズル6に伝送される。
【0193】
図15~23を参照して、以下に、ルックアップテーブル13の作成とパラメータマッ
プ12の検索をより詳しく説明する。
【0194】
この実施形態の中では、ホットメルト印刷技術がワックス液滴を眼鏡レンズ基材4の凸
状湾曲表面3上に異なるパターンで印刷するために使用される。表面3及び適用されるワ
ックスパターンは、工業用顕微鏡を使ってその写真が撮影される。印刷されたワックスパ
ターンの中の特定のタイルについて得られた画像は、塗布された液滴の真円度及び形成さ
れたサテライト(小さい、広がった、望ましくない液滴)の数の点で解析される。これら
の特性は、定量化でき、印刷品質パラメータの例として使用される。
【0195】
Zeiss Reconシステムを用いて、眼鏡レンズ基材4の表面3全体の概観画像
が得られ、適用されるワックスパターンの相対的なタイル位置がこれらの画像から再構成
される。顕微鏡及びReconシステムから収集したテータを組み合わせて、計算された
品質パラメータ値は表面3上の基本のタイルの位置に関係付けられる。この情報は、眼鏡
レンズ基材4の表面3に印刷される印刷パラメータ7、7a、7b、7c、7d、7e、
7fのための適当な値に関するルックアップテーブル13を導き出すために使用される。
【0196】
実験ステップは、インクジェット印刷装置2のノルム値の異なる設定を使って眼鏡レン
ズ基材4の表面3にホットメルト印刷を行うこと(予備吐出中、移動せず)と、印刷され
た表面3のRecon画像を撮影することと、Recon画像を解析して、タイルの位置
特定を行うことと、適用されたパターンの異なるタイルの顕微鏡画像を撮影することと、
品質パラメータを定義して顕微鏡画像を解析することと、品質パラメータを表面3にマッ
ピングすることと、オプティマイザを作動させて、レンズごとのパラメータマップ12を
作成することと、を含む。
【0197】
眼鏡レンズ基材の表面への印刷
印刷は、Xerox M1印刷ヘッドを備えるTecoプリンタを使って行われる。X
erox M1印刷ヘッドシリーズの技術データシートから、個々の印刷ノズル6、6a
、6b、6cの絶対及び相対位置がわかる。この情報に基づいて、個々のノズルの(x,
y)アレイが導き出され、それを使って画像解析中に1つのタイルが識別される。標準的
な印刷プロセスにおいて、どの印刷ノズル6、6a、6b、6cが表面3のどの部分を通
過するかがわかり、それにしたがってノズル発射シーケンスが計算される。
【0198】
まず、位置決めシステムを使って、印刷されるべき眼鏡レンズ基材4を印刷ヘッド5の
下に位置付ける。印刷ヘッド5の「予備吐出」機能を使用し、ワックスを眼鏡レンズ基材
4の表面3に堆積させる。「予備吐出」中、眼鏡レンズ基材4は動かない。表面3上に形
成されたパターンは、Xerox M1印刷ヘッドのノズルプレートにより画定されるグ
リッドに対応する。実験中、5回のショット(波形の繰り返し-10Hz、500ms)
が、同じ幾何学形状及び印刷ヘッド5までの最小距離を有する複数の6つの眼鏡レンズ基
材4の各々に対し発射される。これらの眼鏡レンズ基材4同士で、印刷パラメータ7、7
a、7b、7c、7d、7e、7fのノルム値は、20から60へと10刻みで増やされ
る。
【0199】
Recon画像の取得と解析
眼鏡レンズ基材4の表面3上のグリッドタイルの相対及び絶対位置は、Recon画像
から再構成できる。Zeiss Reconシステムは、例えばレーザ彫刻及び同様の構
造の検出のために眼鏡レンズの高品質な画像を取得するために使用されるシステムである
。この場合、Reconシステムは、1つのワックス液滴の(x,y)位置を検出するた
めに使用される。ソフトウェアについては、Recon画像の解析にOpenCVとPy
thonが使用された。
【0200】
図15において、眼鏡レンズ基材4の外輪郭とその中心(画像のピクセル座標)が示さ
れている。中心は、レンズ輪郭を形成する点までの二乗距離の合計を最小化することによ
って特定された。レンズ中心位置がわかると、そこから眼鏡レンズ基材4の全ての輪郭点
までの平均距離が計算される。これらの数と眼鏡レンズ基材4の既知の物理的直径(65
mm)から、適正な計数逓倍率(ピクセル-マイクロメートル)を計算できる。
【0201】
次のステップで、堆積されたワックス液滴はOpenCVにより認識され、それらの位
置はマーカ(図15の黒いドット)と一部が重複する。これらのマーカの周囲に凸閉包が
構成され、この点のうちの3つ(大きい黒いドットとしてマークされる)を使って単位ベ
クトルが得られる。これらのベクトルは、画像と印刷ヘッド5の読み込まれたノズル位置
の座標系を整列させるための回転マトリクスの構成に必要である。Recon画像からの
表面3の中心位置は、読み込まれたノズルアレイの(x,y)並進にも使用される。
【0202】
図16において、印刷されたワックスドットは印刷ノズル6、6a、6b、6c(黒い
ドット)の「理論的」位置と重ねられ、これらは観察されたドットとよく整合する。顕微
鏡解析のために使用されるタイルの中心点(「実際の」液滴の座標)は×印として示され
ている。
【0203】
顕微鏡画像の取得と解析
顕微鏡画像をZeiss Smart Zoom 5の顕微鏡を使って得た。この顕微
鏡は、眼鏡レンズ基材4の表面3上のタイル位置に応じて傾けられて、焦点ずれ領域が最
小にされ、コントラストが最大にされた。顕微鏡画像取得に使用される設定は以下のとお
り:顕微鏡のタイプ - 画像、対物レンズ - 5、倍率 - 101×、解像度 -
2.2040μm px-1、露出時間0.2819ms、照明 - 右上照明。
【0204】
Recon画像について、OpenCVとPythonが顕微鏡画像の解析に使用され
た。ノルム値50で印刷された表面3のタイル番号5が図17に示されている。このタイ
ルの中心点が図16のRecon画像にマークされている。左側の画像の中心から上に向
かって、これは8つの黒い×印のうちの5番目である。
【0205】
画像解析の第一のステップは、生画像のグレイスケールへの変換である。第二に、画像
にガウスぼかしが適用されて、輪郭認識に影響を与えるピクセルノイズが排除される(図
18)。画像の必要な「前処理」は、使用される解析技術と使用される実験設定に依存す
る。例えば、大きいドット(「主要特徴」)の認識は、カーネルサイズ15のガウスぼか
しを使って最も良好に行われた。サイズの小さいサテライトの検出には、カーネルサイズ
5のガウスぼかしが使用された。
【0206】
ガウスぼかしが適用されたグレイスケール画像から、白黒画像が適応的二値化関数を使
って取得できる。ここで使用されるパラメータは、それぞれ主要特徴の検出の(111-
6)、サテライト検出の(141-6)である。主要特徴の検出のための二値化白黒画像
図19に示されている。輪郭認識が白黒画像について行われ、主要特徴(A<300p
)又はサテライト(20px<A<300px)として分類されるブロブを検出
した。第一の導出された品質パラメータは1タイル当たりのサテライト数である(多いほ
ど悪い)。第二の品質パラメータは、検出された主要特徴の真円度である(真円は1と等
しく、式(I)参照)。
C=4πA/P 式(I)
式中、Cは真円度、A=ピクセル二乗としてのブロブ面積、P=ピクセルを単位とするブ
ロブである。
【0207】
図19では見つかった主要特徴が破線の長方形でマークされ、見つかったサテライトは
黒いドットでマークされる。
【0208】
パラメータのマッピングと最適化
解析された顕微鏡画像の各々について、得られた品質パラメータ(平均的(mean)
特徴の真円度とサテライトの数)がRecon画像から得られた対応するタイルの中心点
に帰属させられる。便宜上、計算された(x,y)点は直径65mmの眼鏡レンズ基材4
の相当半径(図20~22のy軸参照)として表現されている。データベース又はルック
アップテーブル13の体系的構築のために、レンズ特定ではない特性として表面-ノズル
距離が使用されることが好ましい。
【0209】
図20及び21の黒い×印は1つの例示的な試験設定を表す。これらの支持点間の線形
補間のために、より細かいメッシュが使用される。視覚的に、ノルム値40は適用される
条件にとって好適な選択のように見える。形成されるサテライトの数についても、ノルム
値40は良好に機能するように見える。最後に、目的は、印刷プロセスを、それをもとに
最適化するため適正な品質パラメータに基づく費用関数を定義することである。
【0210】
一例として、式(II)に示される関数が図22の作成に、すなわち異なる相当半径及
びノルム値に応じた費用を計算するために使用され、形成されたサテライト数と真円度が
品質パラメータとして考慮される。
費用=gridz1/(gridz0) 式(II)
【0211】
可変値gridz1は1タイル当たりのサテライト数であり、可変値gridz0は検
出された液滴の平均真円度である。この費用関数を通じて0から1(眼鏡レンズ基材4の
相当半径)を通過しなければならないため、「最安」ルートは、選択されたオプティマイ
ザを使って見つけ、必要に応じて別の付帯条件を含めることができる。例えば、費用関数
は、具体的な用途に応じてサテライト又は真円度に焦点を合わせることができる。この特
定の例の「最安ルート」は黒い矢印でマークされ、ノルム値20に対応する。異なる費用
関数を定義することにより、異なる最安ルートが得られ、これらは必ずしも線形でなくて
もよい。
【0212】
図22の黒い矢印は、パラメータマップ12のグラフィック表現であり、これは特定さ
れた印刷パラメータ値1、すなわちノルム値20を含む。他のケースでは、特定された最
適ノルム値は相当半径と共に変化し得て、異なる印刷ノズルグループ10a、10b、1
0c、10d、10eについて異なノルム値が特定される。
【0213】
図23図22と同様のグラフィック表現を示し、定義の異なる費用関数が使用される
(式(III))
費用=費用=gridz1/(gridz0) 式(III)
【0214】
式(III)では式(II)と比較してサテライトの数はそれほど明確にされない、す
なわち(grindz1)の代わりに(gridz1)であるため、両方の品質パラ
メータの影響はよりバランスがとれたものとなる。
【0215】
本発明の好ましい特徴は以下のとおりである:
1.眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置の印刷パ
ラメータ値を特定するためのコンピュータ実装方法において、インクジェット印刷装置は
、複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含み、
- 複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けするステ
ップと、
- 各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値を個別に特定するステップと、
を含む。
2.少なくとも1つの調整パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周波数、ノルム
値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性からなる群より選択される、1項の方法

3.各印刷ノズルグループは単独の印刷ノズルを含む、1項又は2項の方法。
4.
- 眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドの幾何学的特徴に関する入力データを取得する
ステップ
を含み、
印刷パラメータ値は、入力データに応じて個別に特定される、
1~3項の何れか1項の方法。
5.入力データは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を特定するため
に使用され、幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α、距離Δ、及びア
ーク長さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータにより説明される、4
項の方法。
6.入力データは、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材料
特性に関するデータを含む、4項又は5項の方法。
7.少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定する方
法ステップは、眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点群への印刷パラメータ値の割り当てを
含むパラメータマップを推測するステップを含む、1~6項の何れか1項の方法。
8.パラメータマップは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を説明す
るパラメータと調整可能な印刷パラメータとの相関に適用される費用関数を最適化するこ
とにより推測される、少なくとも5項と組み合わせられる7項の方法。
9.最適化では、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習の群より選択される少
なくとも1つの方法を使用する、8項の方法。
10.費用関数は品質パラメータに応じた費用を定義する、8項又は9項の方法。
11.品質パラメータは、形成されたサテライトの数及び/又は印刷された平均的特徴の
真円度を含む、10項の方法。
12.パラメータマップはルックアップテーブルを使って推測される、7~11項の何れ
か1項の方法。
13.眼鏡レンズ基材の表面は湾曲表面である、1~12項の何れか1項の方法。
14.少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
る、1~13項の何れか1項の方法。
15.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾斜
角度は印刷前及び/又は印刷中に調整されなくてよい、1~14項の何れか1項の方法。
16.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズは、
眼鏡レンズ基材の表面上へのパターンの印刷中に相互に関して一定のままである、1~1
5項の何れか1項の方法。
17.プロセッサとプロセッサに連結された記憶媒体とを含むデータ処理システムにおい
て、プロセッサは眼鏡レンズ基材の湾曲表面にパターンを印刷するためのインクジェット
印刷装置の印刷パラメータ値を、記憶媒体上に記憶されたコンピュータプログラムに基づ
いて特定するようになされ、インクジェット印刷装置は複数の印刷ノズルを備える印刷ヘ
ッドを含み、プロセッサは、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループに
グループ分けし、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの
印刷パラメータ値を個別に特定するようになされるデータ処理システム。
18.少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周
波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性の群より選択される、17
項のデータ処理システム。
19.各印刷ノズルグループは単独の印刷ノズルを含む、17項又は18項のデータ処理
システム。
20.プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドの幾何学的特徴に関する入力デ
ータを取得するようになされ、プロセッサは、印刷パラメータ値を入力データに応じて個
別に特定するようになされる、17~19項の何れか1項のデータ処理システム。
21.プロセッサは、入力データを使って、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何
学的関係を特定するようになされ、幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射
角α、距離Δ、及びアーク長さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータ
により説明される、20項のデータ処理システム。
22.入力データは、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材
料特性に関するデータを含む、20項又は21項のデータ処理システム。
23.プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点群への印刷パラメータ値の割り
当てを含むパラメータマップを推測するようになされる、17~22項の何れか1項のデ
ータ処理システム。
24.プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を説明するパ
ラメータと調整可能な印刷パラメータとの相関に適用される費用関数を最適化することに
よりパラメータマップを推測するようになされる、少なくとも21項と組み合わせられる
23項のデータ処理システム。
25.最適化では、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習の群より選択される
少なくとも1つの方法を使用する、24項のデータ処理システム。
26.費用関数は品質パラメータに応じた費用を定義する、24項又は25項のデータ処
理システム。
27.品質パラメータは、形成されたサテライトの数及び/又は印刷された平均的特徴の
真円度を含む、26項のデータ処理システム。
28.パラメータマップはルックアップテーブルを使って推測される、23~27項の何
れか1項のデータ処理システム。
29.眼鏡レンズ基材の表面は湾曲表面である、17~28項の何れか1項のデータ処理
システム。
30.少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
る、17~29項の何れか1項のデータ処理システム。
31.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾斜
角度は印刷前及び/又は印刷中に調整されなくてよい、17~30項の何れか1項のデー
タ処理システム。
32.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズは、
眼鏡レンズ基材の表面上へのパターンの印刷中に相互に関して一定のままである、17~
31項の何れか1項のデータ処理システム。
33.コンピュータプログラムにおいて、プログラムがコンピュータにより実行されると
、コンピュータに、眼鏡レンズ基材の湾曲表面にパターンを印刷するためのインクジェッ
ト印刷装置の印刷パラメータ値を特定させる命令を含み、インクジェット印刷装置は複数
の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含み、命令は、コンピュータに、複数の印刷ノズルを
少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けさせ、各印刷ノズルグループの少な
くとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定させるコンピュ
ータプログラム。
34.少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周
波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性の群より選択される、33
項のコンピュータプログラム。
35.各印刷ノズルグループは単独の印刷ノズルを含む、33項又は34項のコンピュー
タプログラム。
36.命令は、コンピュータに、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドの幾何学的特徴に関
する入力データを取得させ、コンピュータは、印刷パラメータ値を入力データに応じて個
別に特定させられる、33~35項の何れか1項のコンピュータプログラム。
37.命令は、コンピュータに、入力データを使って眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッド
との幾何学的関係を特定させ、幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α
、距離Δ、及びアーク長さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータによ
り説明される、36項のコンピュータプログラム。
38.入力データは、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材
料特性に関するデータを含む、36項又は37項のコンピュータプログラム。
39.命令は、コンピュータに、印刷パラメータ値の眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点
群への割り当てを含むパラメータマップを推測させる、33~38項の何れか1項のコン
ピュータプログラム。
40.命令は、コンピュータに、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を
説明するパラメータの調整可能な印刷パラメータとの相関に適用される費用関数を最適化
することによってパラメータマップを推測させる、少なくとも37項と組み合わせられる
39項のコンピュータプログラム。
41.最適化では、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習の群より選択される
少なくとも1つの方法を使用する、40項のコンピュータプログラム。
42.費用関数は品質パラメータに応じた費用を定義する、40項又は41項のコンピュ
ータプログラム。
43.品質パラメータは、形成されたサテライトの数及び/又は印刷された平均的特徴の
真円度を含む、42項のコンピュータプログラム。
44.パラメータマップはルックアップテーブルを使って推測される、39~43項の何
れか1項のコンピュータプログラム。
45.眼鏡レンズ基材の表面は湾曲表面である、33~44項の何れか1項のコンピュー
タプログラム。
46.少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
る、33~44項の何れか1項のデータ処理システム。
47.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾斜
角度は印刷前及び/又は印刷中に調整されなくてよい、33~46項の何れか1項のコン
ピュータプログラム。
48.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズは、
眼鏡レンズ基材の表面上へのパターンの印刷中に相互に関して一定のままである、33~
47項の何れか1項のコンピュータプログラム。
49.非一時的コンピュータ可読記憶媒体において、コンピュータにより実行されると、
コンピュータに、眼鏡レンズ基材の湾曲表面にパターンを印刷するためのインクジェット
印刷装置の印刷パラメータ値を特定させる命令を含み、インクジェット印刷装置は複数の
印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含み、命令は、コンピュータに、複数の印刷ノズルを少
なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けさせ、各印刷ノズルグループの少なく
とも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を個別に特定させる非一時的コ
ンピュータ可読記憶媒体。
50.少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周
波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性の群より選択される、49
項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
51.各印刷ノズルグループは単独の印刷ノズルを含む、49項又は50項の非一時的コ
ンピュータ可読記憶媒体。
52.命令は、コンピュータに、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドの幾何学的特徴に関
する入力データを取得させ、コンピュータは、印刷パラメータ値を入力データに応じて個
別に特定させられる、49~51項の何れか1項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
53.命令は、コンピュータに、入力データを使って眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッド
との幾何学的関係を特定させ、幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α
、距離Δ、及びアーク長さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータによ
り説明される、52項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
54.入力データは、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材
料特性に関するデータを含む、52項又は53項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
55.命令は、コンピュータに、印刷パラメータ値の眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点
群への割り当てを含むパラメータマップを推測させる、49~54項の何れか1項の非一
時的コンピュータ可読記憶媒体。
56.命令は、コンピュータに、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を
説明するパラメータの調整可能な印刷パラメータとの相関に適用される費用関数を最適化
することによってパラメータマップを推測させる、少なくとも53項と組み合わされる5
5項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
57.最適化では、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習の群より選択される
少なくとも1つの方法を使用する、56項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
58.費用関数は品質パラメータに応じた費用を定義する、56項又は57項の非一時的
コンピュータ可読記憶媒体。
59.品質パラメータは、形成されたサテライトの数及び/又は印刷された平均的特徴の
真円度を含む、58項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
60.パラメータマップはルックアップテーブルを使って推測される、55~59項の何
れか1項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
61.眼鏡レンズ基材の表面は湾曲表面である、49~60項の何れか1項の非一時的コ
ンピュータ可読記憶媒体。
62.少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
る、49~61項の何れか1項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
63.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾斜
角度は印刷前及び/又は印刷中に調整されなくてよい、49~62項の何れか1項の非一
時的コンピュータ可読記憶媒体。
64.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズは、
眼鏡レンズ基材の表面上へのパターンの印刷中に相互に関して一定のままである、49~
63項の何れか1項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
65.インクジェット印刷方法において、パターンは眼鏡レンズ基材の湾曲表面に、複数
の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置で、少なくとも1つの調
整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を使って印刷され、少なくとも1つの調整可
能な印刷パラメータの印刷パラメータ値は1~16項の何れか1項のコンピュータ実装方
法にしたがって特定される方法。
66.パターンは、永久的レンズマーキング、一時的レンズマーキング、マスキング層の
適用、接着剤層スポットの適用、アディティブマニュファクチャリング、及び色付けから
なる群より選択される少なくとも1つのプロセスのために印刷される65項の方法。
67.眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾斜角度は、印刷前及び/又は印刷中
に調整されない、65項又は66項の方法。
68.眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズは、眼鏡レンズ基材の表面上へのパタ
ーンの印刷中に相互に関して一定のままである、65~67項の何れか1項の方法。
69.眼鏡レンズ基材の湾曲表面にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置に
おいて、
- 複数の印刷ノズルを備える印刷ヘッドと、
- プロセッサと、プロセッサに連結された記憶媒体を含むデータ処理システムであっ
て、プロセッサは、印刷パラメータ値を記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムに
基づいて特定するようになされたデータ処理システムと、
を含み、
プロセッサは、複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分
けし、各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値を個別に特定するようになされる、インクジェット印刷装置。
70.少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周
波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性の群より選択される、69
項のインクジェット印刷装置。
71.各印刷ノズルグループは単独の印刷ノズルを含む、69項又は70項のインクジェ
ット印刷装置。
72.プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面及び印刷ヘッドの幾何学的特徴に関する入力
データを取得するようになされ、プロセッサは、印刷パラメータ値を入力データに応じて
個別に特定するようになされる、69~71項の何れか1項のインクジェット印刷装置。
73.プロセッサは、入力データを使って、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何
学的関係を特定するようになされ、幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射
角α、距離Δ、及びアーク長さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータ
により説明される、72項のインクジェット印刷装置。
74.入力データは、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材
料特性に関するデータを含む、72項又は73項のインクジェット印刷装置。
75.プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点群への印刷パラメータ値の割り
当てを含むパラメータマップを推測するようになされる、69~74項の何れか1項のイ
ンクジェット印刷装置。
76.プロセッサは、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を説明するパ
ラメータの調整可能な印刷パラメータとの相関に適用される費用関数を最適化することよ
ってパラメータマップを推測するようになされる、少なくとも59項と組み合わせられる
75項のインクジェット印刷装置。
77.最適化では、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習の群より選択される
少なくとも1つの方法を使用する、76項のインクジェット印刷装置。
78.費用関数は品質パラメータに応じた費用を定義する、76項又は77項のインクジ
ェット印刷装置。
79.品質パラメータは、形成されたサテライトの数及び/又は印刷された平均的特徴の
真円度を含む、78項のインクジェット印刷装置。
80.パラメータマップはルックアップテーブルを使って推測される、75~79項の何
れか1項のインクジェット印刷装置。
81.眼鏡レンズ基材の表面は湾曲表面である、69~80項の何れか1項のインクジェ
ット印刷装置。
82.少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
る、69~81項の何れか1項のインクジェット印刷装置。
83.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾斜
角度は印刷前及び/又は印刷中に調整されなくてよい、69~82項の何れか1項のイン
クジェット印刷装置。
84.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメ
ータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズは、
眼鏡レンズ基材の表面上へのパターンの印刷中に相互に関して一定のままである、69~
83項の何れか1項のインクジェット印刷装置。
85.眼鏡レンズ基材の湾曲表面に印刷されるパターンは、65~68項の何れか1項の
方法により取得可能である眼鏡レンズ基材。
86.コンピュータ可読データキャリア信号の形態のデータセットにおいて、データセッ
トは、以下の種類のデータ、すなわち(i)眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷する
ためにインクジェット印刷装置に供給されるように構成される、複数の印刷ノズルを備え
る印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置の少なくとも2つの印刷ノズルグループに個
別の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値、又は(ii)複数
の印刷ノズルを備える印刷ヘッドを含むインクジェット印刷装置の少なくとも2つの印刷
ノズルグループに、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの個々の印刷パラメータ
値を適用することによって、眼鏡レンズ基材の表面にパターンを印刷するようにインクジ
ェット印刷装置を制御するためのコンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくとも
1つの種類を含むデータセット。
87.少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータは、吐出温度、吐出持続時間、吐出周
波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性の群から選択される、86
項のデータセット。
88.各印刷ノズルグループは単独の印刷ノズルを含む、86項又は87項のデータ。
89.命令は、コンピュータに、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドの幾何学的特徴に関
する入力データを取得させ、コンピュータは、印刷パラメータ値を入力データに応じて個
別に特定させられる、86~88項の何れか1項のデータセット。
90.命令は、コンピュータに、入力データを使って眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッド
との幾何学的関係を特定させ、幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α
、距離Δ、及びアーク長さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータによ
り説明される、89項のデータセット。
91.入力データは、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は眼鏡レンズ基材の材
料特性に関するデータを含む、89項又は90項のデータセット。
92.命令は、コンピュータに、印刷パラメータ値の眼鏡レンズ基材の表面上の特定の点
群への割り当てを含むパラメータマップを推測させる、86~91項の何れか1項のデー
タセット。
93.命令は、コンピュータに、眼鏡レンズ基材の表面と印刷ヘッドとの幾何学的関係を
説明するパラメータの調整可能な印刷パラメータとの相関に適用される費用関数を最適化
することによってパラメータマップを推測させる、少なくとも84項と組み合わせられる
92項のデータセット。
94.最適化では、最急降下法、遺伝的アルゴリズム、及び機械学習の群より選択される
少なくとも1つの方法を使用する、93項のデータセット。
95.費用関数は品質パラメータに応じた費用を定義する、93項又は94項のデータセ
ット。
96.品質パラメータは、形成されたサテライトの数及び/又は印刷された平均的特徴の
真円度を含む、95項のデータセット。
97.パラメータマップはルックアップテーブルを使って推測される、92~96項の何
れか1項のデータセット。
98.眼鏡レンズ基材の表面は湾曲表面である、86~97項の何れか1項の非一時的コ
ンピュータ可読記憶媒体。
99.少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることにな
る、86~98項の何れか1項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
100.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラ
メータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材の表面に関する印刷ヘッドの傾
斜角度は印刷前及び/又は印刷中に調整されなくてよい、86~99項の何れか1項の非
一時的コンピュータ可読記憶媒体。
101.各印刷ノズルグループの少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータの印刷パラ
メータ値は個別に特定され、それによって眼鏡レンズ基材と印刷ヘッドの両方のポーズは
、眼鏡レンズ基材の表面上へのパターンの印刷中に相互に関して一定のままである、86
~100項の何れか1項の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
102.以下の種類のデータ、すなわち(i)その装置を製造するための1つ又は複数の
製造機械に供給されるように構成された、69~84項の何れか1項による装置の仮想表
現、又は(ii)69~84項の何れか1項による装置を製造するための1つ又は複数の
製造機械を制御するためのコンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくとも1つの
種類を含むコンピュータ可読データ信号の形態のデータセットデータセット。
【符号の説明】
【0216】
1 印刷パラメータ値
2 インクジェット印刷装置
3 表面
4 眼鏡レンズ基材
5 印刷ヘッド
6、6a、6b、6c 印刷ノズル
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f 印刷パラメータ
8、8a、8b、8c、8d 入力データ
9 インク
10a、10b、10c、10d、10e 印刷ノズルグループ
11、11a、11b、11c 幾何学的関係を説明するパラメータ
12 パラメータマップ
13 ルックアップテーブル
20 プロセッサ
21 記憶媒体
100 方法
200 データ処理システム
D 直径
dx、dy、dz 使用される座標系内の離散化された差
j 吐出ベクトル
m 印刷ヘッド移動方向
n 法線ベクトル
r 真のフロントカーブ
s アーク長さ
α 入射角
Δ、Δ 印刷ノズルと基材表面との間の距離
S1 眼鏡レンズ基材の表面とインクジェット印刷装置の印刷ヘッドの幾何学的特徴に
関する入力データを取得する
S2 複数の印刷ノズルを少なくとも2つの印刷ノズルグループにグループ分けする
S3 各印刷ノズルグループのための調整可能な印刷パラメータの印刷パラメータ値を
個別に特定する
S4 ルックアップテーブルと費用関数を提供する。
S5 必要関数を適用し、最適化する
S6 パラメータマップを推測する
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラメータ値(1)を特定するコンピュータ実装方法(100)であって、前記インクジェット印刷装置(2)は、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える1つの単独コンポーネントとしての印刷ヘッド(5)を含む、コンピュータ実装方法(100)において、以下の方法ステップ、すなわち
- 前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けするステップ(S2)と、
- 各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)を個別に特定するステップ(S3)と、
を含み、
前記印刷ヘッド(5)及び前記眼鏡レンズ基材(4)は、傾斜されないように構成されることを特徴とする方法(100)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)は、吐出温度、吐出持続時間、吐出周波数、ノルム値、波形パラメータ、及び調整可能なインク特性からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法(100)。
【請求項3】
少なくとも2つの印刷ノズルグループがシングル印刷パス内で使用されることになることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法(100)。
【請求項4】
各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)は単独の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を含むことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法(100)。
【請求項5】
- 前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)の幾何学的特徴及び前記印刷ヘッド(5)の幾何学的特徴に関する入力データ(8、8a、8b)を取得するステップ(S1)
を含み、
前記印刷パラメータ値(1)は、前記入力データ(8、8a、8b)に応じて個別に特定されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法(100)。
【請求項6】
前記入力データは、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)との幾何学的関係を特定するために使用され、前記印刷パラメータ値(1)は前記幾何学的関係に応じて個別に特定されることを特徴とする、請求項5に記載の方法(100)。
【請求項7】
幾何学的関係という用語は、前記印刷ヘッドと前記眼鏡レンズ基材との相互に関するアラインメントを指すことを特徴とする、請求項6に記載の方法(100)
【請求項8】
前記幾何学的関係は、変位ベクトル、速度ベクトル、入射角α、距離Δ、及びアーク長さsからなる群より選択される少なくとも1つのパラメータ(11a、11b。11c)により説明されることを特徴とする、請求項に記載の方法(100)。
【請求項9】
前記入力データ(8、8a、8b)は、環境条件、調整不能なインク特性、及び/又は前記眼鏡レンズ基材(4)の材料特性に関するデータを含むことを特徴とする、請求項に記載の方法(100)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定する前記方法ステップ(S3)は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)上の特定のデータポイント群への印刷パラメータ値(1)の割当てを含むパラメータマップ(12)を推測するステップ(S6)を含むことを特徴とする、請求項に記載の方法(100)。
【請求項11】
前記パラメータマップ(12)を推測することは、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)をデータポイントのグリッドに変換することを含むことを特徴とする、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定する前記方法ステップ(S3)は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッドとの前記幾何学的関係を説明するパラメータ(11a、11b、11c)と前記調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)との相関を含むルックアップテーブルを提供することを含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法(100)。
【請求項13】
前記印刷パラメータ値(1)を特定することは、前記データポイントの前記ルックアップテーブルから印刷パラメータ値のセットを導き出すことを含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法(100)。
【請求項14】
前記パラメータマップ(12)は、前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)と前記印刷ヘッド(5)との前記幾何学的関係を説明するパラメータ(11a、11b、11c)と前記調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)との相関に適用される費用関数を最適化すること(S5)により推測されることを特徴とする、請求項10に記載の方法(100)。
【請求項15】
各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記印刷パラメータ値(1)は個別に特定され、それによって前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)に関する前記印刷ヘッド(5)の傾斜角度は印刷前及び/又は印刷中に調整されなくてよいことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法(100)。
【請求項16】
プロセッサ(20)と、前記プロセッサ(20)に連結された記憶媒体(21)とを含むデータ処理システム(200)であって、前記プロセッサ(20)は湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラメータ値(1)を、前記記憶媒体(21)上に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて特定するようになされ、前記インクジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える1つの単独コンポーネントとしての印刷ヘッド(5)を含む、データ処理システム(200)において、前記プロセッサ(20)は、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けし、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)を個別に特定するようになされ、前記印刷ヘッド(5)及び前記眼鏡レンズ基材(4)は、傾斜されないように構成されることを特徴とする、データ処理システム(200)。
【請求項17】
前記プロセッサ(20)は、前記眼鏡レンズ基材(4)の幾何学的特徴と前記印刷ヘッド(5)の幾何学的特徴とに応じて前記印刷パラメータ値(1)を個別に特定するようになされることを特徴とする、請求項16に記載のデータ処理システム(200)。
【請求項18】
コンピュータにより実行されると、前記コンピュータに、湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラメータ値(1)を特定させる命令を含み、前記インクジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える1つの単独コンポーネントとしての印刷ヘッド(5)を含む、コンピュータプログラムであって、前記命令は、前記コンピュータに、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けさせ、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)を個別に特定させ、前記印刷ヘッド(5)及び前記眼鏡レンズ基材(4)は、傾斜されないように構成されることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項19】
コンピュータにより実行されると、前記コンピュータに、湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)の印刷パラメータ値(1)を特定させる命令を含み、前記インクジェット印刷装置(2)は複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える1つの単独コンポーネントとしての印刷ヘッド(5)を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令は、前記コンピュータに、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けさせ、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値を個別に特定させ、前記印刷ヘッド(5)及び前記眼鏡レンズ基材(4)は、傾斜されないように構成されることを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)に、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える1つの単独コンポーネントとしての印刷ヘッド(5)を含むインクジェット印刷装置(2)により、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)を使ってパターンが印刷される、インクジェット印刷方法であって、前記少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の前記印刷パラメータ値(1)は請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法にしたがって特定されることを特徴とするインクジェット印刷方法。
【請求項21】
前記眼鏡レンズ基材(4)の前記表面(3)に関する前記印刷ヘッド(5)の傾斜角度は、印刷前及び/又は印刷中に調整されないことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するためのインクジェット印刷装置(2)であって、
- 複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える1つの単独コンポーネントとしての印刷ヘッド(5)と、
- プロセッサ(20)と、前記プロセッサ(20)に連結された記憶媒体(21)を含むデータ処理システム(200)であって、前記プロセッサ(20)は、印刷パラメータ値(1)を前記記憶媒体(21)に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて特定するようになされたデータ処理システム(200)と、
を含む、装置において、
前記プロセッサ(20)は、前記複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)にグループ分けし、各印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)の少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)を個別に特定するようになされ、前記印刷ヘッド(5)及び前記眼鏡レンズ基材(4)は、傾斜されないように構成されることを特徴とするインクジェット印刷装置(2)。
【請求項23】
以下の種類のデータ、すなわち(i)請求項22に記載の装置を製造するための1つ又は複数の製造機械に供給されるように構成された、前記装置の仮想表現、又は(ii)請求項22に記載の装置を製造するための1つ又は複数の製造機械を制御するためのコンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくとも1つの種類を含むコンピュータ可読データ信号の形態のデータセット。
【請求項24】
以下の種類のデータ、すなわち(i)複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える印刷ヘッド(5)を含むインクジェット印刷装置(2)の印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)に個別の、湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷するために前記インクジェット印刷装置(2)に供給されるように構成される、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の印刷パラメータ値(1)であって、前記印刷ヘッド(5)及び前記眼鏡レンズ基材(4)は、傾斜されないように構成される、印刷パラメータ値(1)、又は(ii)インクジェット印刷装置(2)を制御して、複数の印刷ノズル(6、6a、6b、6c)を備える1つの単独コンポーネントとしての印刷ヘッド(5)を含む前記インクジェット印刷装置(2)の少なくとも2つの印刷ノズルグループ(10a、10b、10c、10d、10e)に、少なくとも1つの調整可能な印刷パラメータ(7、7a、7b、7c、7d、7e、7f)の個々の印刷パラメータ値(1)を適用することによって、湾曲表面を含む眼鏡レンズ基材(4)の表面(3)にパターンを印刷させるためのコンピュータ可読命令を含むデータのうちの少なくとも1つの種類を含み、前記印刷ヘッド(5)及び前記眼鏡レンズ基材(4)は、傾斜されないように構成される、コンピュータ可読データキャリア信号の形態のデータセット。
【外国語明細書】