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特開2024-102066光無線通信を有する電子蒸気供給システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102066
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】光無線通信を有する電子蒸気供給システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/65 20200101AFI20240723BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20240723BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20240723BHJP
【FI】
A24F40/65
A24F40/50
A24F40/53
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024061371
(22)【出願日】2024-04-05
(62)【分割の表示】P 2021564554の分割
【原出願日】2020-05-01
(31)【優先権主張番号】1906243.9
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニ-, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ベーカー, ダリル
(72)【発明者】
【氏名】コーラス, アントン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光信号などの光通信を使用して、電子蒸気供給システムから通信を行うための装置、システム、及び方法が提供される。
【解決手段】光を発するように構成された光源と、送信データを作成するように構成されたデータプロセッサを備えるコントローラであって、送信データを送信するための光信号を発するよう光源を制御するように構成されたコントローラとを備え、光信号が可視光を含む、電子蒸気供給システム。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子蒸気供給システムであって、
光を発するように構成された光源と、
送信データを作成するように構成されたデータプロセッサを備えるコントローラであって、前記送信データを送信するための光信号を発するよう前記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備え、
前記光信号が可視光を含む、電子蒸気供給システム。
【請求項2】
前記送信データが、前記電子蒸気供給システムのデータストレージから読み出した、前記電子蒸気供給システムに関するデータに基づいている、請求項1に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項3】
前記送信データが、
電子蒸気供給システムの使用、
一意の電子蒸気供給システム識別子、及び
エラーコード
のうちの少なくとも1つに関するデータを含んでいる、請求項1又は2に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項4】
前記エラーコードが、前記電子蒸気供給システムにおいて識別されたエラーを解消するために、前記電子蒸気供給システムの動作を修正するための命令を含んでいる、請求項3に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項5】
前記光源が赤外発光ダイオードを備えている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項6】
前記光源が、所定の周波数でのバイナリ形式でオン及びオフに点滅して、光信号を発する、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項7】
前記光信号が、開始部分及び主部分を含んでいる、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項8】
前記開始部分が、認証プロセスを開始させる、請求項7に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項9】
前記電子蒸気供給システムにより条件が満たされたときに、前記光信号の発信が開始される、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項10】
前記条件が、前記電子蒸気供給システムにおいてエラーが識別されること、及び使用データの閾値に到達した後、のうちの少なくとも1つを含み、ここで前記使用データが、吹かし計数、総吹かし持続時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項11】
前記光信号の発信が、前記ユーザによって手動で開始される、請求項1~8のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
【請求項12】
システムであって、
請求項1に記載の電子蒸気供給システムと、
読取りデバイスであって、
前記電子蒸気供給システムから発せられた光信号を受信するように構成された光信号受信装置、及び
前記受信した光信号を解釈するように構成されたデータプロセッサ
を備えている読取りデバイスと、
を備えるシステム。
【請求項13】
前記データプロセッサが、遠隔ネットワークサービスにアクセスするように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記受信した光信号を、前記遠隔ネットワークサービスのデータベース内の対応するメッセージと対応付けることにより、前記受信した光信号を解釈するように、前記データプロセッサが構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記データプロセッサが、前記遠隔ネットワークサービスにおいてデータ収集するために、前記遠隔データベースを更新するように構成されている、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記読取りデバイスが、前記光信号の前記解釈済みの情報をユーザに表示するように構成された表示手段を備えている、請求項12~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記遠隔ネットワークサービスが、前記受信した光信号データに基づき、前記ユーザに関するデータベースを更新するように構成されている、請求項13~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
方法であって、
電子蒸気供給システムにおいて送信データを作成するステップと、
前記電子蒸気供給システムから前記送信データを送信するための光信号を発信するステップであり、前記光信号が可視光を含む、発信するステップと、
読取りデバイスにおいて前記発信された光信号を受信するステップと、
前記受信した送信データを解釈するために受信した光信号を処理するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本開示は、光無線通信を使用する電子ニコチン送達システム(たとえば、eシガレット)などの電子蒸気供給システムのためのデータ通信のシステム及び方法に関する。
【背景】
【0002】
eシガレット及び他のエアロゾル送達システムなどの電子蒸気供給システムは、気化させるべき液体、通常はニコチン(「eリキッド」と呼ばれることもある)のリザーバを全般的に収容している。ユーザがデバイスで吸入を行うと、電気(たとえば抵抗)ヒータが起動されて少量の液体が気化され、したがってユーザによって吸入されるエアロゾルが実際に発生する。この液体は、エタノール又は水などの溶媒中に、エアロゾル形成を補助するためのグリセリン又はプロピレングリコールとともにニコチンを含んでいてもよく、1つ又は複数の付加的な香料も含んでいてよい。当業者であれば、eシガレット及び他のそのようなデバイスで使用可能な多数の異なる液体調合物を認識しているであろう。気化した液体をこのように吸入する行為は、一般に「ベイピング」として知られている。
【0003】
電子蒸気供給システムの使用中に、このシステムの状況に関してデバイスによって収集される情報が存在してもよい。この情報は、バッテリー充電レベルなどの情報、又は吹かし計数及び/若しくは吹かしの総持続時間値などのニコチン供給源の残量に関する情報に関して、電子ニコチン送達(「エンド」)デバイスなどの電子蒸気供給システムのユーザにとって有用であり得る。一部の情報は、デバイスによって作成されるエラーコードに関するものであってもよいし、又は自分のニコチンへの依存を制御しようとしているユーザにとって有用な情報が存在してもよい。このような情報は、何らかの形態の管理者エンティティにとっても有用な場合があり、たとえばエラー発生の回数及び種類を記録できるようになる。発明者らは、安全でエネルギー効率よくそのような情報にアクセスするための取組みを考案してきた。
【概要】
【0004】
特定の態様及び実施形態が、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。
【0005】
一観点から見ると、光信号などの光通信を使用して、電子蒸気供給システムから通信を行うための装置、システム、及び方法が提供される。
【0006】
特定の取組みにおいて、光を発するように構成された光源と、送信データを作成するように構成されたデータプロセッサを備えるコントローラであって、送信データを送信するための光信号を発するよう光源を制御するように構成されたコントローラとを備える電子蒸気供給システムが提供される。
【0007】
言い換えれば、光源と、電子蒸気供給システムによって収集されたデータを、可視帯域、赤外帯域、及び紫外帯域などの光搬送波を使用することにより送信するよう光源を制御することにより、光無線通信を可能にするように構成されたコントローラとを備える電子蒸気供給システムが提供される。
【0008】
別の特定の取組みにおいて、
光を発するように構成された光源、及び送信データを作成するように構成されたデータプロセッサを備えるコントローラであって、送信データを送信するための光信号を発するよう光源を制御するように構成されたコントローラを備える電子蒸気供給システムと、
電子蒸気供給システムから発せられた光信号を受信するように構成された光信号受信装置、及び受信した光信号を解釈するように構成されたデータプロセッサを備える読取りデバイスと、を備えるシステムが提供される。
【0009】
光信号受信装置は、光センサを備えてもよい。光信号は、関連データを符号化した機械読取り可能な信号である。したがって、受信した光信号を解釈することは、光信号を復号することとも考えることができる。
【0010】
別の特定の取組みにおいて、電子蒸気供給システムにおいて送信データを作成するステップと、電子蒸気供給システムから送信データを送信するための光信号を発信するステップと、発信された光信号を読取りデバイスにおいて受信するステップと、受信した光信号を処理して、受信した送信データを解釈するステップとを含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
ここで本発明の実施形態を、添付図面を参照しながら例として説明する。
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態によるeシガレットの概略(分解)図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による、図1のeシガレットの主要な電気/電子構成要素の概略図である。
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態による読取り装置の概略図である。
図4図4は、電子蒸気供給システム、読取り装置、及び遠隔ネットワークサービスを備えたシステムの概略図である。
図5図5は、電子蒸気供給システムと読取り装置との間の光通信、及び読取り装置と遠隔ネットワークサービスとの通信の方法を示すフロー図である。
【詳細な説明】
【0012】
電子ニコチン送達システム(たとえば、eシガレット)などの電子蒸気供給システムのためのデータ通信システム及び方法が開示される。以下の説明では、本発明の実施形態が完全に理解されるようにするために、多数の具体的な詳細事項が提示される。しかし、本発明を実施するためにこれらの具体的な詳細事項が使用されてなくてもよいことが、当業者には明らかであろう。反対に、当業者に知られている具体的な詳細事項は、明確にするために適宜省略される。
【0013】
上述したように、本開示は、eシガレットなどの電子蒸気供給システムのためのデータ通信システム及び方法に関する。以下の説明全体を通して、「eシガレット」という用語が使用されるが、この用語は、電子蒸気供給システム、エアロゾル供給デバイス、及び同様の他の用語と交換可能に使用されてもよい。
【0014】
本開示は、具体的な例として、熱を加えることにより液体を気化させてエアロゾルを発生させるように構成されたeシガレットについて記載する。しかし、本明細書において開示される技法は、この技術に限定されないことが理解されるべきである。たとえば、いくつかの実装形態において、eシガレットは、基材材料を加熱するが燃焼させないことにより1つ又は複数の化合物を放出する加熱製品である。基材材料は、たとえばタバコ製品又は他の非タバコ製品とすることができるエアロゾル化可能材料であり、この材料はニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。一実施形態において、加熱製品は、タバコ加熱製品である。より全体的には、本開示のeシガレットは、液体及び/又は固体の構成要素を含んでいてもよい1つ又は複数のエアロゾル化可能材料を、(加熱又は任意の他の適切な手段により)エアロゾル化するように構成されている。
【0015】
図1は、本開示のいくつかの実施形態によるeシガレット10の概略図である(原寸に比例しない)。eシガレットは、本体又はコントロールユニット20と、カートマイザ30とを備えている。カートマイザ30は、通常はニコチンを含む液体のリザーバ38と、ヒータ36と、マウスピース35とを含んでいる。eシガレット10は、カートマイザ30の一方の端部にあるマウスピース35から、コントロールユニット20の反対側の端部(通常は先端部と呼ばれる)まで、eシガレットの中央線に沿って延在している長手方向軸線又は円柱軸線を有している。この長手方向軸線は、LAと表記された破線により図1に示してある。
【0016】
カートマイザの液体リザーバ38は、液体(eリキッド)を液状で直接保持してもよいし、若しくは発泡母材又は綿材料など、何らかの吸収構造体を、液体の保持装置として利用してもよい。次いで液体は、リザーバ38から供給されて、ヒータ36を備える気化装置に送達される。たとえば、液体は、毛管作用により、リザーバ38からウィック(図1には示さず)を介してヒータ36に流れてもよい。
【0017】
コントロールユニット20は、eシガレット10に電力を供給するための再充電可能電池又はバッテリー54(以後バッテリーと呼ぶ)、プリント回路板(PCB)28、及び/又はeシガレットを全体的に制御するための他の電子機器を含んでいる。
【0018】
コントロールユニット20とカートマイザ30は、図1に示すように互いに分離可能であるが、デバイス10の使用時には、たとえばねじ又は差込み嵌合によって互いに接合される。カートマイザ30及びコントロールユニット20のコネクタは、それぞれ31B及び21Aとして図1に概略的に示してある。コントロールユニットとカートマイザとの間のこの接続により、これら2つの間に機械的接続及び電気的接続が提供される。
【0019】
コントロールユニットがカートマイザから分離されると、カートマイザに接続するために使用されるコントロールユニットの電気接続部21Aは、充電デバイス(図示せず)に接続するためのソケットとしても機能することができる。この充電デバイスの他方の端部は、USBソケットに差し込まれて、eシガレットのコントロールユニットのバッテリー54を再充電することができる。他の実装形態では、(たとえば)電気接続部21AとUSBソケットとを直接接続するためのケーブルが、eシガレットに提供されてもよい。
【0020】
コントロールユニットには、空気入口用の1つ又は複数の穴が、PCB28に隣接して設けられている。これらの穴は、コネクタ21Aの中に設けられた空気経路に向かってコントロールユニットの中を通る空気経路につながっている。次いで、この空気経路は、マウスピース35に向かってカートマイザ30の中を通る空気経路につながる。ヒータ36及び液体リザーバ38は、コネクタ31Bとマウスピース35との間に空気流路を提供するように構成されていることに留意すべきである。この空気流路は、カートマイザ30の中心を通って流れてもよく、液体リザーバ38は、この中央経路の周りの環状領域に限定されてもよい。代替的(又は付加的)に、空気流路は、液体リザーバ38とカートマイザ30の外側ハウジングとの間にあってもよい。
【0021】
ユーザがマウスピース35から吸入するとき、空気はこの1つ又は複数の空気入口穴を通ってコントロールユニット20に吸い込まれる。この空気流(又は、関連する圧力変動)がセンサ、たとえば圧力センサによって検出され、これにより、ヒータ36が起動されて、リザーバ38から供給されるニコチン液体が気化される。空気流は、ひいてはコントロールユニットから気化装置に入り、ここで空気流はニコチン蒸気と混合される。空気流とニコチン蒸気とのこの混合物(実際にはエアロゾル)は、次いでカートマイザ30を通ってマウスピース35から出て、ユーザによって吸入される。ニコチン液体の供給源がなくなると、カートマイザ30はコントロールユニットから分離され廃棄されてもよいし、又は使用者が気化させる液体をユーザが変更したいときには、別のカートマイザと交換されてもよい。
【0022】
図1に示してあるeシガレット10は、例として提示されているに過ぎず、多数の他の実装形態が採用されてもよいことが理解される。たとえば、いくつかの実装形態では、カートマイザ30は、液体リザーバ38を収容しているカートリッジと、ヒータ36を収容している別個の気化装置部分とに分割される。この構成において、リザーバ38内の液体を使い切った後、カートリッジは廃棄されてもよいが、ヒータ36を収容している別個の気化装置部分はそのまま保持される。代替的に、eシガレットには、図1に示してあるようなカートマイザ30、又は1つの(一体型)デバイスとして構築された他のカートマイザが提供されてもよいが、液体リザーバ38は、(ユーザ)交換可能なカートリッジの形態である。さらに考えられる変形形態は、ヒータ36が、図1に示してある端部とは反対のカートマイザ30の端部に、すなわち液体リザーバ38とマウスピース35との間に配置されていてもよく、又はヒータ36が、カートマイザの中心軸線LAに沿って配置されており、液体リザーバは、ヒータ35の径方向外側にある環状構造の形態のものである。
【0023】
当業者であれば、コントロールユニット20の考えられる多数の変形形態も認識するであろう。たとえば、空気流は、PCB28のすぐ近くの空気流に加えて又はその代わりに、先端部、すなわちコネクタ21Aに対向する端部においてコントロールユニットに入ってもよい。この場合、空気流は通常、バッテリー54とコントロールユニットの外側壁との間の通路に沿って、カートマイザに向かって吸い込まれる。同様に、コントロールユニットは、先端部付近、たとえばバッテリーと先端部との間に配置されたPCBを備えていてもよい。このようなPCBは、PCB28に加えて、又はその代わりに設けられてもよい。
【0024】
さらに、eシガレットは、カートマイザとコントロールユニットとの間の接続点における充電に加えて、又はその代わりに、先端での充電、又はデバイスのその他の場所にあるソケットを介した充電をサポートしてもよい。(eシガレットによっては、本質的に一体型のユニットとして提供されるものもあり、この場合、ユーザはコントロールユニットからカートマイザを分離できないことが理解される。)有線での充電に加えて(又はその代わりに)、無線(誘導)での充電をサポートするeシガレットもあってよい。
【0025】
図1に示してあるeシガレットの潜在的な変形形態についての上の議論は、例である。当業者であれば、eシガレット10のさらなる潜在的な変形形態(及び変形形態の組合せ)を認識するであろう。
【0026】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、図1のeシガレット10の主要な機能的構成要素の概略図である。図2は、主に電気的な接続及び機能に関するものであり、様々な構成要素の物理的な大きさを示すことや、コントロールユニット20内又はカートマイザ30内でのそれらの物理的配置の詳細事項を示すことは意図していない。さらに、コントロールユニット20内に配置された図2に示してある構成要素の少なくとも一部は、回路板28に取り付けられていてもよいことが理解される。代替的に、そのような構成要素の1つ又は複数は、むしろコントロールユニットに収容されて、回路板28と連動して動作するが、回路板自体に物理的に取り付けられていなくてもよい。たとえば、これらの構成要素は、1つ又は複数の追加の回路板に配置されてもよいし、又は別々に配置されてもよい(バッテリー54など)。
【0027】
図2に示してあるように、カートマイザは、コネクタ31Bを介して電力を受け取るヒータ310を収容している。コントロールユニット20は、カートマイザ30の対応するコネクタ31B(又は、場合によりUSB充電装置)に接続するための電気ソケット又は電気コネクタ21Aを含んでいる。次いでこの電気ソケット又は電気コネクタ21Aは、コントロールユニット20とカートマイザ30との間で電気接続を提供する。
【0028】
コントロールユニット20は、センサユニット61をさらに含んでおり、このセンサユニット61は、空気入口から空気出口まで(コネクタ21Aを通ってカートマイザ30に向かって)コントロールユニット20を通る空気経路内に、又はこの空気経路に隣接して配置されている。センサユニットは、圧力センサ62及び温度センサ63を(同じく、この空気経路内に又はこの空気経路に隣接して)含んでいる。コントロールユニットは、バッテリー54、入力デバイス59、及び出力デバイス58をさらに含んでいる。
【0029】
プロセッサ50、及び圧力センサ62などの他の電子構成要素の動作は、全体的に、プロセッサ(又は他の構成要素)上で実行されているソフトウェアプログラムによって少なくとも部分的に制御される。そのようなソフトウェアプログラムは、ROMなどの不揮発性メモリに記憶されてもよく、この不揮発性メモリは、プロセッサ50自体に一体化されてもよいし、又は別個の構成要素として提供されてもよい。プロセッサ50は、必要に応じて必要なときにROMにアクセスして、個々のソフトウェアプログラムをロード及び実行してもよい。プロセッサ50は、圧力センサ62など、コントロールユニット20内の他のデバイスと適宜通信するための適切な通信設備、たとえばピン又はパッド(及び対応する制御ソフトウェア)も含んでいる。
【0030】
入力デバイス59は、様々な形態で提供されてもよい。たとえば、入力デバイス(又は複数の入力デバイス)は、たとえば機械的、電気的、又は静電容量的な(タッチ)センサとして、eシガレットの外側にボタンとして実装されてもよい。いくつかのデバイスは、eシガレットに対する吹込み、又は代替的にeシガレットでの吸入を、入力機構としてサポートしてもよく(そのような吹込みが圧力センサ62によって検出されてもよく、次いでこの圧力センサ62が、ある種の入力デバイス59としても作用する)、及び/又はカートマイザ30とコントロールユニット20とを接続/分離することを、別の形態の入力機構としてサポートしてもよい。この場合も、所与のeシガレットは、複数の異なる入力モードをサポートするための入力デバイス59を含んでもよいことが理解される。
【0031】
上述したように、eシガレット10は、eシガレットを通る空気入口から、圧力センサ62、及びカートマイザ30のヒータ310を通ってマウスピース35に至る空気経路を提供する。したがって、ユーザがeシガレットのマウスピースで吸入を行うとき、プロセッサ50は、圧力センサ62からの情報に基づきそのような吸入を検出する。そのような検出に応答して、CPUは、バッテリー54からヒータに電力を供給し、それによりヒータは、液体リザーバ38からのニコチンを加熱し気化させて、ユーザにより吸入できるようにする。
【0032】
バッテリー54からヒータ310に流れる電力の量をよりきめ細かく制御するために、FETを使用してパルス幅変調(PWM)方式が採用されてもよい。PWMを使用すると、(バッテリーの出力電圧及びヒータの抵抗値に基づく)名目上の利用可能な電力にデューティサイクルを乗算することにより算出される有効電力が、ヒータに提供される。たとえば、プロセッサ50は、吸入の開始時にデューティサイクル1(すなわち全出力)を利用して、最初にヒータ310を可能な限り素早くその所望の動作温度に上昇させてもよい。この所望の動作温度に到達すると、次いでプロセッサ50は、デューティサイクルを何らかの適切な値に低減させて、ヒータ310を所望の動作温度に維持してもよい。
【0033】
出力デバイス58は、光を発するように構成された光源を備えている。一実施形態では、出力デバイス58は、発光ダイオード(LED)である。LEDは、コントローラとも呼ばれるプロセッサ50によって制御される。プロセッサ50は、送信データを送信するための機械判別可能な光信号を発するようLEDを制御する。そのような送信データは、エンドデバイスによって収集され、プロセッサ50においてデータストレージに記憶された、デバイスの状態についての情報を伝達してもよい。そのようなデータは、センサユニット61によって収集されてもよい。
【0034】
デバイスの状態に関するデータの例を示す非網羅的なリストは、以下を含む。
・吹かし計数(デバイスによって実施されたエアロゾル送達動作の回数であり、デバイスの総動作数として、又は新しいエアロゾル含有カートリッジが挿入されるといった変更事象以降の動作数として定義可能である)
・吹かし持続時間(エアロゾル送達動作の平均持続時間、又は総合計持続時間であり、通常は、吹かし計数と同じ持続時間にわたる)
・バッテリー充電回数(デバイスで実施されたバッテリー充電/放電サイクルの回数)
・充電前の平均バッテリー率(充電が開始された時点での平均充電率の値の指標)
・オーバヒート保護(デバイスにおいてオーバヒート保護機能が作動した回数)
・エラーコード(デバイスによって現在示されている任意のエラーコード及び/又はデバイスにおけるエラーコードの発生履歴)
・短すぎる吹かし(エアロゾル含有物が実際に送達されることを保証する閾値持続時間を下回るエアロゾル送達動作の指標)
・使用されているカートマイザ(デバイスに現在取り付けられているエアロゾル含有カートリッジの指標)
・電力プロファイル当たりの吹かし(複数の異なる電力プロファイル、たとえば高、中、及び低のそれぞれにおけるエアロゾル送達動作の計数)
・現行出力設定(次回のエアロゾル送達動作に使用するための、現在設定されている現行出力設定の指標)
・充電持続時間(デバイスがエアロゾル送達動作に十分な充電を維持する期間の指標)
・充電前のバッテリー閾値(現在の電力設定における率、スタンバイ時間、及び/又はエアロゾル送達動作の回数として表される残りのバッテリー充電の指標)
・ブート/アップタイムの時間(電力オンサイクルの回数及び/又は電力オン状態の持続時間の指標)
・製品種類(デバイスの製品種類の識別子)
・バッチナンバー(デバイスのバッチナンバーの識別子)
・シリアルナンバー(デバイスのシリアルナンバーの識別子)
・デバイスオン時間の持続時間(電力オン状態の持続時間の指標)
・デバイスオフ時間の持続時間(電力オフ状態の持続時間の指標)
・デバイス/コイル温度(デバイス及び/又はエアロゾル生成に使用されるヒータコイルの現在の温度、並びに/又はそれらの温度の履歴の指標)
【0035】
理解されるように、デバイスの現在の使用/状態及びその履歴に関するそのような様々なデータは、エアロゾル送達デバイス及び/又は遠隔ネットワークサービスの要件に応じて作成及び使用されてもよい。たとえば、遠隔ネットワークサービスに提供されたアプリケーションがデバイスの正常動作に関与しており、ユーザ又は管理者にエラーフィードバックを提供する構成では、エラーコード、物理的状態(温度、バッテリー、アップタイムなど)、及びデバイス識別情報(製品、バッチ、シリアルなど)に関するデータが強調されるか、又は最初に信号伝達されてもよい。
【0036】
出力デバイスは、2つ以上のLEDを含んでもよく、これらのLEDは、同じ色又は違う色である(又は多色である)。多色LEDの場合、赤色、緑色、又は青色のLEDを、場合により異なる相対的な輝度でオンに切り換えて、対応する相対的な色のバリエーションを付与することにより、異なる色が得られる。赤色、緑色、及び青色のLEDがまとめて提供される場合、全範囲の色が可能であり、赤色、緑色、及び青色の3色LEDのうちの2色のみが提供される場合には、色のそれぞれの部分的な範囲のみを得ることができる。
【0037】
光源が可視光しか発しないことは必須ではない。送信データを送信する光信号を発するために、光スペクトルの任意の部分、たとえば紫外(UV)光又は赤外(IR)光が使用されてもよい。したがって、出力デバイス58は、UV光若しくはIR光、又は光スペクトル範囲内の任意の他の光を発するLEDとすることができる。したがって、送信された光を受信することを目的とするデバイス又はユニットには、少なくとも送信された光の波長を検出するように構成された、対応する検出器(すなわち、センサユニット61)が設けられる。
【0038】
IR光を使用した信号伝達は、可視光を使用したときよりも向上した信号対雑音比をもたらす。さらにIR光は、周りの光源などの周囲条件による影響を受けにくく、これによりデータ転送中にエンドデバイスの環境に左右されないことが可能になる。
【0039】
(1つ又は複数の)出力デバイス58は、触覚的又は聴覚的な出力をさらに提供してもよく、たとえばバイブレータ及び/又はスピーカを含んでもよい。出力デバイスからの出力を使用して、低バッテリーの警告など、eシガレット内の様々な条件又は状態をユーザに示すことができる。様々な状態又は条件を示すために、異なる出力指標が使用されてもよい。たとえば、出力デバイス58が1つ又は複数の可視光を含んでいる場合には、異なる色、光のパルス又は連続点灯、異なるパルス持続時間などを使用することにより、様々な状態又は条件が表示されてもよい。たとえば、1つのインジケータ光を使用して、低バッテリーの警告が示され、別のインジケータ光を使用して、液体リザーバ58がほぼ空であることが示されてもよい。
【0040】
なお、この指標は、プロセッサ50によって作成された送信データを送信するための光信号の発信とは異なる。たとえば、送信データを送信するための光信号は、機械読取り可能である。光源は、所定の周波数での二値(binary、バイナリ)形式でオン及びオフに点滅して、光信号を形成するように構成されている。通信すべきデータ量、データ転送を達成するための所望の時間制限、データ通信に使用されるチャンネル(たとえば色の)数、光のパルス化を達成するための物理的機構、及びセンサユニットの時間分解能を含むがこれらに限定されない複数の要因に基づき、所定の周波数が設定されてもよい。したがって、所定の周波数は、少なくともこれらの要因を念頭に置いて設定される。たとえば、ほんの数ビットのデータが送信される場合には、相対的に低い周波数のパルス化信号を使用することができる。当業者は、目下の用途に適した周波数と、適した出力ユニット58及びセンサユニット61とを選択することができる。
【0041】
光信号のためにプロセッサによって作成される送信データは、eシガレットの状態をユーザに迅速に知らせるためにLEDを制御するデータとも異なっている。場合により、光信号用のLEDは、可視指標をユーザに提供するLEDとは異なっていてもよい(特に、光信号伝達のためにIRのLEDが使用される場合)。たとえば、吹かし計数の閾値に到達すると(たとえば、カートリッジが挿入されてから2000回の吹かしが計数されると)、可視光を発するLEDは、光信号を送信する必要があること、又はカートリッジを交換する必要があることをユーザに示してもよい。次いで、LEDは、(周波数が高いために)ユーザには解釈できないが、適切な読取り装置によって読み取ることが可能な光信号を発してもよい。ユーザによって検出/区別することができない典型的な周波数は、おおよそ60Hz又はそれ以上とすることができる。
【0042】
光信号は、読取り装置によって受信されて、受信された光信号が解釈されてもよい。読取り装置は、光信号を検出するためのカメラを備えるモバイル通信デバイス400であってもよい。典型的なモバイル通信デバイス400を図3に示す。光信号伝達を使用することにより、eシガレットは、モバイル通信デバイス400と通信することができる。
【0043】
光源、特に可視光源は、どの電子蒸気供給システムにも設けられている。したがって、無線データ通信専用の付加的な構成要素を電子蒸気供給システムに含める必要はない。電子蒸気供給システムのデバイス内の空間は限られており、このシステムは軽量で小型であることが望ましいので、これは特に有利である。言い換えれば、電子蒸気供給システムは、可視光を利用して可視光通信を実装することができる。
【0044】
さらに、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)又はWiFiなど、他のより複雑な種類の無線通信デバイスを起動及び制御するよりも、光源を起動及び制御するのに必要な電力の方が少ない。
【0045】
他の種類の無線通信とは異なり、本発明における光信号を使用した通信は、双方向通信を必要としない。電子蒸気供給デバイスは、光を発して光信号を表し、この光信号が読取り装置によって受信される。電子蒸気供給デバイス自体は、光信号を送信するために読取り装置から何も受信する必要がない。したがって、無線通信を介した任意のウイルス又は外部構成に対する、より安全な通信を、この一方向通信方法により達成することができる。悪意ある任意のウイルス又は非認証の外部構成が電子蒸気供給デバイス上で実行されることは、電子蒸気供給システムのオーバヒートやさらには爆発につながるおそれがあることから、危険な場合がある。
【0046】
読取り装置は、カメラ若しくは受信フォトダイオードを有するスマートフォン、又は光信号を受信するための光センサを備えた任意の他のデバイスとすることができる。したがって、本発明では、既存のシステムを利用して光通信を可能にし、それによりほとんどの種類の電子蒸気供給システムに実装可能な、場合により普遍的な通信ルートが提供されることが判る。
【0047】
図3から判るように、典型的なスマートフォン400は、中央処理装置(CPU)(410)を備えている。このCPUは、直接接続により、又は該当する場合にはI/Oブリッジ414及び/若しくはバス430を介して、スマートフォンの構成要素と通信することができる。
【0048】
図3に示してある例では、CPUは、メモリ412と直接通信し、このメモリ412は、動作システム及びアプリケーション(apps)を記憶するための、たとえばフラッシュ(Flash)(登録商標)メモリなどの永続メモリと、CPUによって現在使用されているデータを保持するための、RAMなどの揮発性メモリとを備えていてもよい。典型的な永続メモリ及び揮発性メモリは、物理的に別個のユニットによって形成される(図示せず)。さらに、メモリは、マイクロSDカードなどのプラグインメモリ、及び加入者情報モジュール(SIM)(図示せず)上の加入者情報データも別に備えていてよい。
【0049】
スマートフォンは、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)416も備えることができる。GPUは、CPUと直接通信してもよいし、又はI/Oブリッジを介して通信してもよいし、又はCPUの一部分であってもよい。GPUは、CPUとRAMを共有してもよいし、又はそれ自体の専用RAM(図示せず)を有していてもよく、モバイル電話のディスプレイ418に接続されている。ディスプレイは、通常、液晶ディスプレイ(LCD)、又は有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)であるが、電子インクなどの任意の適切なディスプレイ技術であってもよい。任意選択で、GPUを使用して、スマートフォンの1つ又は複数のスピーカ420が駆動されてもよい。
【0050】
代替的に、スピーカは、I/Oブリッジ及びバスを介して、CPUに接続されていてもよい。デバイスにタッチ入力を提供することを目的として画面に重ねられた静電容量式タッチ面などのタッチ面432、ユーザからの発声を受け取るためのマイクロフォン434、画像を捕捉するための1つ又は複数のカメラ436、スマートフォンの地理的位置の推定値を取得するための全地球測位システム(GPS)ユニット438、及び無線通信手段440を含む、スマートフォンの他の構成要素は、バスを介して同様に接続されてもよい。
【0051】
無線通信手段440は、その結果、ブルートゥース(登録商標)(標準型又は低エネルギー型)、近距離無線通信、及びWi-Fi(登録商標)など、異なる規格及び/又はプロトコルに準拠した複数の別個の無線通信システム、並びに2G、3G、及び/又は4Gなど、電話に基づく通信を含んでもよい。
【0052】
このシステムは、通常、電力入力部(図示せず)を介して充電可能であってもよいバッテリー(図示せず)によって電力供給され、この電力入力部は、USB(図示せず)などのデータリンクの一部であってもよい。
【0053】
異なるスマートフォンは、異なる特徴(たとえば、コンパス又はブザー)を含んでいることがあり、上に列挙した特徴のうちの一部(たとえば、タッチ面)が省かれている場合があることが理解される。
【0054】
したがって、より全体的には、本発明の実施形態において、スマートフォン400などの適切な読取りデバイスは、appを記憶し実行するためのCPU及びメモリと、エアロゾル送達デバイスによって発せられた光信号を受信するためのカメラなどの光センサと、光信号の解釈をユーザに表示するための出力手段と、遠隔ネットワークサービスにアクセスするように動作可能な無線通信手段とを備えている。しかし、遠隔デバイスは、タブレット、ラップトップ、スマートTVなど、これらの機能を有するデバイスであってもよいことが理解される。
【0055】
図4は、eシガレット10と、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、スマートウォッチなどのモバイル通信デバイス400と、遠隔ネットワークサービスとを備えたシステムを示している。
【0056】
図4から判るように、上で論じたような光源を備えるeシガレット10の出力デバイス58は、光信号を形成するような方法で光を発し、この光信号が、スマートフォン400のカメラ436によって受信される。そのような通信は、様々な目的のために、たとえばeシガレット10から使用及び/又は診断のデータを読み出すために使用されてもよい。
【0057】
モバイル通信デバイス400は、インターネット1200に接続してインターネット1200上で遠隔ネットワークサービス1300に接続するための、モバイルデータを使用する基地局1100を介して、遠隔ネットワークサービス1300と通信してもよいし、又は直接インターネット1200に接続してインターネット1200上で遠隔ネットワークサービス1300に接続するWi-Fi(登録商標)アクセスポイント(図示せず)を介して、遠隔ネットワークサービス1300と通信してもよい。
【0058】
遠隔ネットワークサービス1300にデータをより簡単にアップロードすること/遠隔ネットワークサービス1300からのデータにより簡単にアクセスすることを支援するために、スマートフォン400(タブレット、ラップトップ、スマートウォッチなどの他の適切なモバイル通信デバイスとすることもできる)で実行されるアプリケーション(app)が存在してもよい。
【0059】
遠隔ネットワークサービス1300は、たとえば様々な光信号に対応するメッセージや、各ユーザについて及び電子蒸気供給デバイスについての情報を含む様々なデータベースを備えている。
【0060】
したがって、スマートフォン400は、遠隔ネットワークサービス1300の復号データベースにアクセスすることにより、受信した光信号データを解釈することができる。たとえば、光信号の対応データは、光信号データが表すメッセージ又は情報と対応付け(マッチ、match)されてもよい。次いでスマートフォン400は、受信した光信号の解釈済みの情報を、ユーザ判読可能な形態でそのディスプレイに表示することができる。
【0061】
図5は、電子蒸気供給システムと読取り装置との間の光通信、及び読取り装置と遠隔ネットワークサービスとの通信の方法のフロー図を示している。
【0062】
ステップ111において、スマートフォン400などの読取り装置は、電子蒸気供給システムからの開始光信号を、スマートフォン400のカメラ436などの光センサで受信する。ヘッダとして機能する開始光信号は、主光信号の開始をマークする。開始光信号を使用して、読取り装置は、電子蒸気供給デバイスの状態に関する情報を実際に含む光信号の主部分を区別することができる。開始光信号及び主光信号は、連続して送信されてもよい。光信号は、電子供給システムによってエラーが識別された場合には電子供給システムによって自動的に発せられてもよい。他の事例では、光信号の発信は、電子供給システムを構成することによりユーザによって開始されてもよい。たとえば、機械的ボタンなど、電子供給システムの入力部がトグル切り替えされて、電子供給システムの様々な情報に関する光信号の発信が開始されてもよい。
【0063】
ステップ112において、読取り装置は、電子供給システムからの主光信号を読取り装置によってさらに受信する。
【0064】
ステップ112の前に、読取り装置に入力を行って、光信号を受信するための許可をユーザが得ていることを認証するようユーザを促すように、読取り装置は構成されていてもよい。たとえば、開始光信号は、電子蒸気供給システム識別データを含んでいてもよい。ユーザは、遠隔ネットワークサービス1300に電子蒸気供給システムを登録することができ、それによりユーザに認証メッセージが提供される。次いで、受信した光信号の解釈にアクセスする前に、ユーザは認証メッセージを提供するよう要求されてもよい。こうして、光信号を受信したいずれの読取り装置400にも、光信号データの解釈情報が提供されるのではなく、電子蒸気供給システムの有効なユーザだけが、そのような解釈を与えられ、遠隔ネットワークサービス1300の電子蒸気供給システムに関するサービスにアクセスすることができる。
【0065】
ステップ113において、読取り装置は、遠隔ネットワークサービスと通信して光信号を解釈してもよい。たとえば、読取り装置は、遠隔ネットワークサービスのデータベースにアクセスし、光信号データとそれに対応するメッセージとを対応付けて、受信した光信号を解釈してもよい。
【0066】
ステップ114において、読取り装置400は、受信した光信号の解釈済みの情報を、読取り装置の出力部に表示するように構成されている。たとえば、光信号は、電子蒸気供給システムのエラーコードを伝達してもよい。エラーコードは、電子蒸気供給システムにおいて識別されたエラーを解消するために、電子蒸気供給システムの動作を修正するための命令をさらに含んでいてもよい。そのような命令は、グラフィカル出力/音声出力として読取り装置400によって出力されてもよい。
【0067】
受信した光信号の何らかのノイズを検出及びフィルタリングし、それにより光信号データをより良好に受信することを支援するために、読取り装置400でappが実行されてもよい。appは、ユーザがさらなるデータにアクセスするための、使いやすいインターフェースも提供することができる。たとえば、電子蒸気供給システムの空間は限られているので、関連光信号を介してどのデータが送信されるかに関して、ユーザにはそれほど管理権が与えられていないことがある。この場合、すべてのデータが光信号により読取り装置400に通信され、遠隔ネットワークサービスのデータベースにアップロードされてもよく、次いでユーザは、appのインターフェースを使用して、データベースをナビゲートし関連データにアクセスしてもよい。
【0068】
総吹かし持続時間又は吹かし計数の回数が閾値に到達するいくつかの実施形態では、遠隔ネットワークサービスは、自動的に新規のカートリッジを注文するように構成されてもよい。
【0069】
他の様々な動作が、受信データの情報に応じて読取り装置デバイスによって開始されてもよい。たとえば受信データが、電子蒸気供給システムでどのエラーが生じたかを示すエラーコードである場合には、関連エラーメッセージが、エラーに対処するためにユーザが実施すべき、考えられる構成とともに、読取り装置デバイスに表示されてもよい。さらに、エラーコードによっては、遠隔ネットワークサービス1300の管理者に連絡する選択肢が表示されてもよい。そのような管理者は、電子蒸気供給システムの供給業者及び/又は製造業者のサポートチームであってもよい。
【0070】
電子蒸気供給システムのエラーコードに関するデータは、遠隔ネットワークサービス1300の管理者にとって特に有用であり得る。たとえば、管理者は、様々な種類の電子蒸気供給システムにありがちな何らかの故障について、リアルタイムの概要及び履歴を得ることができる。さらに、電子蒸気供給システムでエラーが生じるとすぐに、ユーザに迅速な応答又は支援が提供され、こうして既存の電子蒸気供給システムに大きな修正を加える必要なしに、より信頼性の高い電子蒸気供給システムが提供される。
【0071】
電子蒸気供給システムの状態に関する情報を表す受信データは、電子蒸気供給システムのユーザに割り当てられたデータベースにさらにアップロードされてもよい。
【0072】
光信号によってデータを転送することにより、一方向通信が可能になる。なお、有線接続を使用することにより、たとえばeシガレットへのマイクロUSB、ミニUSB、又は通常のUSBの接続を使用するUSBリンクを介した接続により、(たとえば、eシガレットをリセット又はロック解除するため、又はeシガレットの設定を制御するための)双方向通信が提供されてもよい。
【0073】
USBリンクは、例えば制御パラメータをロードするため、及び/又は外部ソースからeシガレット上のソフトウェアを更新するために使用されてもよい。代替的に又は付加的に、インターフェースは、eシガレットから、遠隔ネットワークサービスなどの外部システムにデータをダウンロードするために利用されてもよい。ダウンロードされたデータは、たとえば、eシガレットの使用のパラメータ、故障条件などを表してもよい。当業者であれば認識するように、多くの他の形態のデータを、eシガレットと1つ又は複数の外部システム(別のeシガレットでもよい)との間で交換することができる。
【0074】
eシガレットの再充電を可能にするために、多数のeシガレットが、すでにUSBインターフェースのサポートを提供していることに留意すべきである。したがって、そのような有線インターフェースを、さらにデータ通信を行うためにも使用することは簡単である。さらに、一部のデバイスには既に存在している場合があるeシガレットの出力部を利用することにより、光信号を使用する通信が実現されてもよい。eシガレットの既存の構成要素、特に、大体どのeシガレットにもある構成要素を使用することは、非常に効率的である。IRのLEDが使用される場合でも、光信号は、ブルートゥース又はWiFiなどの他の形態の無線通信ほどエネルギーを使用しない。したがって、よりエネルギー効率のよい通信方法が実現される。さらに、LEDの制御は、ブルートゥース又はWiFiほど複雑ではない。したがって、より簡単な製品が提供される。
【0075】
有線通信は無線通信よりも安全であり、無線通信は一方向の通信により実現されるので、より安全な通信が可能になる。言い換えれば、任意の外部の妨害又はウイルスが、無線通信を介して入り込む可能性が除去される。eシガレットの構成に干渉され、それにより熱の制御が実現されなくなったり、ユーザがeシガレットを使用していないときにヒータがオンにされたりするおそれがあるので、そのような外部の妨害又はウイルスは危険であり得る。
【0076】
なお、無線接続は、そのような接続を形成するためのいかなる追加の配線もユーザが必要としないので有用な場合がある。さらに、動き、接続の設定、及びペアリングデバイスの範囲という観点から、ユーザにとっての融通性が高い。したがって、ユーザに、有線通信と無線通信の両方の選択肢が与えられてもよい。
【0077】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示は、特許請求される本発明を実施可能な様々な実施形態を、例として示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態の単なる代表的な実例であり、網羅的及び/又は排他的なものではない。本開示の利点及び特徴は、特許請求される本発明の理解を促し、それを教示するためだけに提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本開示に対する限定、又は特許請求の範囲の等価物に対する限定と考えられるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、修正が加えられてもよいことが理解されるべきである。様々な実施形態は、本明細書に明示的に記載されたもの以外の、開示される要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの様々な組合せを、適切に備えてもよいし、それらから構成されてもよいし、又は本質的にそれらから構成されてもよい。本開示は、現在のところ特許請求されないが、将来特許請求される可能性がある他の発明を含んでもよい。
[発明の項目]
[項目1]
電子蒸気供給システムであって、
光を発するように構成された光源と、
送信データを作成するように構成されたデータプロセッサを備えるコントローラであって、前記送信データを送信するための光信号を発するよう前記光源を制御するように構成されたコントローラと、
を備える電子蒸気供給システム。
[項目2]
前記送信データが、前記電子蒸気供給システムのデータストレージから読み出した、前記電子蒸気供給システムに関するデータに基づいている、項目1に記載の電子蒸気供給システム。
[項目3]
前記送信データが、
電子蒸気供給システムの使用、
一意の電子蒸気供給システム識別子、及び
エラーコード
のうちの少なくとも1つに関するデータを含んでいる、項目1又は2に記載の電子蒸気供給システム。
[項目4]
前記エラーコードが、前記電子蒸気供給システムにおいて識別されたエラーを解消するために、前記電子蒸気供給システムの動作を修正するための命令を含んでいる、項目3に記載の電子蒸気供給システム。
[項目5]
前記光源が赤外発光ダイオードを備えている、項目1~4のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
[項目6]
前記光源が、所定の周波数でのバイナリ形式でオン及びオフに点滅して、光信号を発する、項目1~5のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
[項目7]
前記光信号が、開始部分及び主部分を含んでいる、項目1~6のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
[項目8]
前記開始部分が、認証プロセスを開始させる、項目7に記載の電子蒸気供給システム。
[項目9]
前記電子蒸気供給システムにより条件が満たされたときに、前記光信号の発信が開始される、項目1~8のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
[項目10]
前記条件が、前記電子蒸気供給システムにおいてエラーが識別されること、及び使用データの閾値に到達した後、のうちの少なくとも1つを含み、ここで前記使用データが、吹かし計数、総吹かし持続時間のうちの少なくとも1つを含む、項目9に記載の電子蒸気供給システム。
[項目11]
前記光信号の発信が、前記ユーザによって手動で開始される、項目1~8のいずれか一項に記載の電子蒸気供給システム。
[項目12]
システムであって、
項目1に記載の電子蒸気供給システムと、
読取りデバイスであって、
前記電子蒸気供給システムから発せられた光信号を受信するように構成された光信号受信装置、及び
前記受信した光信号を解釈するように構成されたデータプロセッサ
を備えている読取りデバイスと、
を備えるシステム。
[項目13]
前記データプロセッサが、遠隔ネットワークサービスにアクセスするように構成されている、項目12に記載のシステム。
[項目14]
前記受信した光信号を、前記遠隔ネットワークサービスのデータベース内の対応するメッセージと対応付けることにより、前記受信した光信号を解釈するように、前記データプロセッサが構成されている、項目13に記載のシステム。
[項目15]
前記データプロセッサが、前記遠隔ネットワークサービスにおいてデータ収集するために、前記遠隔データベースを更新するように構成されている、項目13又は14に記載のシステム。
[項目16]
前記読取りデバイスが、前記光信号の前記解釈済みの情報をユーザに表示するように構成された表示手段を備えている、項目12~15のいずれか一項に記載のシステム。
[項目17]
前記遠隔ネットワークサービスが、前記受信した光信号データに基づき、前記ユーザに関するデータベースを更新するように構成されている、項目13~16のいずれか一項に記載のシステム。
[項目18]
方法であって、
電子蒸気供給システムにおいて送信データを作成するステップと、
前記電子蒸気供給システムから前記送信データを送信するための光信号を発信するステップと、
読取りデバイスにおいて前記発信された光信号を受信するステップと、
前記受信した送信データを解釈するために受信した光信号を処理するステップと、
を含む方法。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】