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特開2024-102086ロボット操作システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102086
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ロボット操作システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240723BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B25J13/08 A
B25J13/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063818
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2022570057の分割
【原出願日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】P 2020210012
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蓮沼 仁志
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 武司
(57)【要約】      (修正有)
【課題】操作者の判断が必要であるロボットの動作の操作を自動化し、操作可能な操作者の多様化を可能にする制御装置、ロボットシステム及び学習装置を提供する
【解決手段】ロボット(110)に自動運転で所定作業を実行させる制御を行う制御装置(140)は、第1プロセッサを備え、前記第1プロセッサは、前記所定作業の実行中、作業対象であるワーク(W)の状態を含む状態情報を取得することと、前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末(210)に送信することと、前記操作端末から、選択された前記作業位置である選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに自動運転で所定作業を実行させる制御を行う制御装置であって、
第1プロセッサを備え、
前記第1プロセッサは、
前記所定作業の実行中、作業対象であるワークの状態を含む状態情報を取得することと、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末に送信することと、
前記操作端末から、選択された前記作業位置である選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを実行する
制御装置。
【請求項2】
前記状態情報を取得する処理において、前記第1プロセッサは、前記ワークが撮像された画像のデータである第1画像データを取得し、前記第1画像データを画像処理することによって前記状態情報を検出する
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記選択要求を前記操作端末に送信する処理において、前記第1プロセッサは、
前記ワークが撮像された画像のデータである第1画像データを取得し、前記第1画像データを画像処理することによって、前記第1画像データの画像上で前記作業位置の候補を表す画像のデータである第2画像データを生成し、
前記第2画像データを用いた前記選択要求を前記操作端末に送信する
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1プロセッサは、
前記操作端末から前記選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従った前記ロボットの予定動作を検出することと、
前記予定動作の情報を前記操作端末に送信し提示させることとをさらに実行する
請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記第1プロセッサは、前記操作端末による前記予定動作の変更を受け付け、変更された前記予定動作に従って前記ロボットに自動運転で動作させる
請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
第1記憶装置をさらに備え、
前記第1記憶装置は、前記ワークの特徴及び前記ワークに設定されている前記所定作業に関する情報を含む第1属性情報を記憶し、
前記第1プロセッサは、前記第1属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させる
請求項1から5のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1プロセッサは、前記選択位置に対応する前記第1属性情報を前記操作端末に送信し提示させることをさらに実行し、
前記第1プロセッサは、
前記操作端末による前記第1属性情報の変更を受け付け、受け付けた変更内容に従って前記第1属性情報を変更し、
変更された前記第1属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させる
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記第1属性情報は、前記ロボットが前記ワークに作用を加えることができる位置の情報を含み、
前記作業位置の候補を決定する処理において、前記第1プロセッサは、前記第1属性情報を用いて、前記作業位置の候補として、前記ロボットが前記ワークに作用を加える位置の候補を決定する
請求項6又は7に記載の制御装置。
【請求項9】
第1記憶装置をさらに備え、
前記第1記憶装置は、前記ワークの周辺環境の特徴及び前記周辺環境に設定されている前記所定作業に関する情報を含む第2属性情報を記憶し、
前記第1プロセッサは、前記第2属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させる
請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記第1プロセッサは、前記選択位置に対応する前記第2属性情報を前記操作端末に送信し提示させることをさらに実行し、
前記第1プロセッサは、前記操作端末による前記第2属性情報の変更を受け付け、受け付けた変更内容に従って前記第2属性情報を変更し、
変更された前記第2属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させる
請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第2属性情報は、前記周辺環境に対する前記ワークの位置の情報を含み、
前記作業位置の候補を決定する処理において、前記第1プロセッサは、前記第2属性情報を用いて、前記作業位置の候補として、前記周辺環境に対する前記ワークの位置の候補を決定する
請求項9又は10に記載の制御装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記制御装置によって制御される前記ロボットとを備えるロボットシステム。
【請求項13】
前記制御装置と前記制御装置によって制御される前記ロボットとの複数の組み合わせを含む複数のロボットグループと、
前記通信ネットワークにデータ通信可能に接続される仲介装置であって、複数の前記操作端末のうちの選択された前記操作端末と前記複数のロボットグループのうちの選択された前記ロボットグループの前記制御装置との接続を仲介する仲介装置とをさらに備える
請求項12に記載のロボットシステム。
【請求項14】
第2プロセッサと第2記憶装置とを備え、
前記第2記憶装置は、請求項1から13のいずれか一項に記載の1つ以上の制御装置において取得された、前記状態情報と前記状態情報に対応する前記選択位置とを学習用データとして記憶し、
前記状態情報に対応する前記選択位置は、前記状態情報に基づく前記作業位置の候補の中から選択された前記選択位置であり、
前記第2プロセッサは、
前記学習用データの前記状態情報を学習用入力データとし、前記状態情報に対応する前記学習用データの前記選択位置の情報を教師データとして、学習することと、
ワークの状態を含む状態情報である入力状態情報を入力データとして受け付け、前記入力状態情報に対応する前記ワークに関する作業位置の候補の中の最適な前記作業位置の情報を出力データとして出力することとを実行する
学習装置。
【請求項15】
第2プロセッサと第2記憶装置とを備え、
前記第2記憶装置は、請求項1から13のいずれか一項に記載の1つ以上の制御装置において取得された、前記状態情報と前記状態情報に対応する前記選択位置とを学習用データとして記憶し、
前記状態情報に対応する前記選択位置は、前記状態情報に基づく前記作業位置の候補の中から選択された前記選択位置であり、
前記第2プロセッサは、
前記学習用データの前記状態情報を学習用入力データとし、前記状態情報に対応する前記学習用データの前記選択位置の情報を教師データとして、学習することと、
ワークの状態を含む状態情報である入力状態情報を入力データとして受け付け、前記入力状態情報に対応する前記ワークに関する作業位置の候補の信頼度を出力データとして出力することと、
前記信頼度に基づき、前記ワークに関する任意の位置から最適な前記作業位置を決定し、前記最適な作業位置の情報を出力することとを実行する
学習装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本件出願は、2020年12月18日に日本特許庁に出願された特願2020-210012号の優先権及びその利益を主張するものであり、その全体を参照することにより本件出願の一部をなすものとして引用する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、制御装置、ロボットシステム及び学習装置に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、手動操縦と自動操縦とを組み合わせた制御により、ロボットに所定の作業を実行させる技術がある。例えば、特開昭62-199376号公報は、マスタ及びスレーブを用いた遠隔マニピュレーション装置を開示する。この装置は、操作者の技能の程度を示すデータ及び作業目標から、手動操作部分と自動操作部分とを混ぜた手順プランを作成し、手順プランに沿ってスレーブの動作を制御する。
【発明の概要】
【0004】
例えば、一連の作業の中で、操作者の判断が必要であるスレーブの動作は、特開昭62-199376号公報に開示される手動操作部分に該当し得る。手動操作部分の操作者には、操作技能が要求される。近年、ロボット操作の熟練者の高齢化及び後継者不足により、熟練者の減少が懸念される。
【0005】
本開示は、操作者の判断が必要であるロボットの動作の操作を自動化し、操作可能な操作者の多様化を可能にする制御装置、ロボットシステム及び学習装置を提供することを目的とする。
【0006】
本開示の一態様に係る制御装置は、ロボットに自動運転で所定作業を実行させる制御を行う制御装置であって、第1プロセッサを備え、前記第1プロセッサは、前記所定作業の実行中、作業対象であるワークの状態を含む状態情報を取得することと、前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末に送信することと、前記操作端末から、選択された前記作業位置である選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態に係るロボットシステムの構成の一例を示す概略図である。
図2図2は、実施の形態に係るロボットエリアの構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態に係る制御装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態に係る第1属性情報に含まれるワーク作業情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態に係る第1属性情報に含まれるワーク作業情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態に係る第2属性情報に含まれる周辺環境作業情報の一例を示す図である。
図8図8は、把持対象のワークに決定される提示対象の把持位置の候補の一例を示す図である。
図9図9は、ワークの移送先の搬送車に決定される提示対象の配置位置の候補の一例を示す図である。
図10図10は、実施の形態に係るロボットの予定動作の表示例を示す図である。
図11A図11Aは、実施の形態に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
図11B図11Bは、実施の形態に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
図11C図11Cは、実施の形態に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、変形例に係る制御装置及び学習装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、本開示の例示的な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。本明細書及び請求項では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
【0009】
[ロボットシステムの構成]
例示的な実施の形態に係るロボットシステム1の構成を説明する。図1は、実施の形態に係るロボットシステム1の構成の一例を示す概略図である。図1に示すように、ロボットシステム1は、ロボット110から離れた位置にいる操作者であるユーザPがリモートアクセス環境でロボット110を操作することを可能にするシステムである。ロボットシステム1は、1つ以上のロボットエリアARに配置される構成要素と、1つ以上のユーザエリアAUに配置される構成要素とを含む。限定されないが、本実施の形態では、1つのロボットエリアARと、複数のユーザエリアAUとが、ロボットシステム1の対象として存在する。
【0010】
ロボットエリアARは、1つ以上のロボット110が配置されるエリアである。限定されないが、本実施の形態では、ロボット110は産業用ロボットであり、作業を実施する。ロボット110は、産業用ロボットに代えて、サービスロボット、建設機械、トンネル掘削機、クレーン、荷役搬送車、及びヒューマノイド等であってもよい。サービスロボットは、介護、医療、清掃、警備、案内、救助、調理、商品提供等の様々なサービス業で使用されるロボットである。ロボットエリアARには、ロボット110が作業を行うための周辺環境を形成する構成要素も配置される。
【0011】
ユーザエリアAUは、ロボット110を操作するユーザPが滞在するエリアである。限定されないが、本実施の形態では、ユーザエリアAUはロボットエリアARから離れた位置に配置され、ロボットシステム1では、多数のユーザエリアAUの多数のユーザPがロボットエリアARのロボット110を操作することができる。例えば、多数のユーザエリアAUは、ロボットエリアARを含む工場の敷地内の様々な位置、工場を運営する企業の様々な施設内の位置、日本中の様々な位置、又は世界中の様々な位置等に存在してもよい。
【0012】
図2は、実施の形態に係るロボットエリアARの構成の一例を示す図である。図1及び図2に示すように、ロボットエリアARにおいて、ロボットシステム1は、1つ以上のロボット110と、ロボット110の周辺機器120と、撮像装置131から134と、制御装置140と、ロボット通信装置150とを含む。制御装置140は、ロボット110、周辺機器120、撮像装置131から134並びにロボット通信装置150と、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して接続される。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。ロボット通信装置150は、通信ネットワークNとデータ通信可能に接続される。
【0013】
図1に示すように、各ユーザエリアAUにおいて、ロボットシステム1は、操作端末210と、ユーザ通信装置220と、提示装置230とを含む。ユーザ通信装置220は、操作端末210及び提示装置230と、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して接続される。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。ユーザ通信装置220は、通信ネットワークNとデータ通信可能に接続される。例えば、1つのユーザエリアAUに複数のユーザPが存在する場合、当該ユーザエリアAUに、1つ以上の操作端末210と1つ以上の提示装置230と1つ以上のユーザ通信装置220とが配置されてもよい。
【0014】
さらに、ロボットシステム1は、通信ネットワークNとデータ通信可能に接続されるサーバ310を含む。サーバ310は、通信ネットワークNを介した通信を管理する。サーバ310は、コンピュータ装置を含む。サーバ310は、ロボット通信装置150とユーザ通信装置220との間の通信の認証、接続及び接続解除等を管理する。例えば、サーバ310は、ロボットシステム1に登録されているロボット通信装置150及びユーザ通信装置220の識別情報及びセキュリティ情報等を記憶し、当該情報を用いて、各装置のロボットシステム1への接続の資格を認証する。サーバ310は、ロボット通信装置150とユーザ通信装置220との間のデータの送受信を管理し、当該データはサーバ310を経由してもよい。サーバ310は、送信元から送信されるデータを、送信先が利用可能なデータ型式に変換するように構成されてもよい。サーバ310は、ロボット110の操作の過程で操作端末210と制御装置140との間で送受信された情報、指令及びデータ等を記憶し蓄積するように構成されてもよい。サーバ310は仲介装置の一例である。
【0015】
通信ネットワークNは特に限定されず、例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、インターネット、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。通信ネットワークNは、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)及びZigBee(登録商標)などの近距離無線通信、ネットワーク専用回線、通信事業者の専用回線、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、モバイル通信網、インターネット網、衛星通信、又は、これらの2つ以上の組み合わせを用いるように構成され得る。モバイル通信網は、第4世代移動通信システム及び第5世代移動通信システム等を用いるものであってもよい。通信ネットワークNは、1つ又は複数のネットワークを含むことができる。本実施の形態では、通信ネットワークNはインターネットである。
【0016】
[ロボットエリアの構成要素]
ロボットエリアARの構成要素の一例を説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態では、ロボット110は、ロボットアーム111と、ロボットアーム111の先端に取り付けられるエンドエフェクタ112とを備える。ロボットアーム111は複数の関節を有し、多自由度に動作することができる。ロボットアーム111は、エンドエフェクタ112を様々な位置及び姿勢に移動させることができる。エンドエフェクタ112は、処理の対象物であるワークWに作用を加えることができる。エンドエフェクタ112の作用は特に限定されないが、本実施の形態ではワークWを把持する作用である。
【0017】
限定されないが、本実施の形態では、ロボットアーム111は、6つの関節JT1からJT6と、関節JT1からJT6のそれぞれを駆動する駆動装置としてのサーボモータRM1からRM6とを含む。ロボットアーム111の関節の数量は、6つに限定されず、5つ以下又は7つ以上のいかなる数量であってもよい。エンドエフェクタ112は、把持動作を可能である把持部分112aと、把持部分112aを駆動する駆動装置としてのサーボモータEM1とを含む。例えば、把持部分112aは、サーボモータEM1の駆動によって把持動作及び把持解除動作をする2つ以上の指状部材を含んでもよい。エンドエフェクタ112の駆動装置は、サーボモータEM1を必須とせず、エンドエフェクタ112の構成に応じた構成を有すればよい。例えば、エンドエフェクタ112が負圧によりワークWを吸着する構成を有する場合、エンドエフェクタ112は、その駆動装置としての負圧発生装置と接続される。
【0018】
周辺機器120は、ロボット110の周辺に配置される。例えば、周辺機器120は、ロボット110の動作と連携して動作させられてもよい。周辺機器120の動作は、ワークWに作用を与える動作であってもよく、当該作用を与えない動作であってもよい。限定されないが、本実施の形態では、周辺機器120は、ワークWを搬送可能なベルトコンベヤ121と、ワークWを自律的に搬送可能である無人搬送車(以下、単に「搬送車」と表記する)122A及び122Bとを含む。例えば、無人搬送車は、AGV(Automatic Guided Vehicle)であってもよい。周辺機器120は必須ではない。以下において、「ベルトコンベヤ121」及び「搬送車122A及び122B」について、個別に表現される場合にそれぞれの呼称が用いられ、まとめて表現される場合に「周辺機器120」という呼称が用いられ得る。
【0019】
撮像装置131から134は、デジタル画像を撮像するカメラを備え、カメラによって撮像された画像のデータを制御装置140に送るように構成される。制御装置140は、撮像装置131から134によって撮像された画像データをネットワーク送信可能なデータに処理し、通信ネットワークNを介して、ユーザエリアAUの操作端末210、提示装置230又はこれらの両方に送るように構成されてもよい。カメラは、被写体までの距離等のカメラに対する被写体の3次元位置を検出するための画像を撮像できるカメラであってもよい。3次元位置は、3次元空間内での位置である。例えば、カメラは、ステレオカメラ、単眼カメラ、TOFカメラ(トフカメラ:Time-of-Flight-Camera)、縞投影等のパターン光投影カメラ、又は光切断法を用いたカメラ等の構成を有してもよい。本実施の形態では、ステレオカメラが用いられる。
【0020】
撮像装置131は、ロボットアーム111の先端付近に配置され、エンドエフェクタ112に向けて方向付けられている。撮像装置131は、エンドエフェクタ112の作用対象のワークWを撮像することができる。撮像装置131は、上記ワークWを撮像できれば、ロボット110のいかなる位置に配置されてもよい。撮像装置132は、ロボットエリアAR内で固定して配置され、ロボット110及びベルトコンベヤ121を、例えば上方から撮像する。撮像装置133及び134はそれぞれ、ロボットエリアAR内で固定して配置され、ロボット110の近傍の待機場所に待機する搬送車122A及び122Bを、例えば上方から撮像する。撮像装置131から134は、それぞれのカメラを支持し、当該カメラの向きを自在に変えるように動作することができる雲台を備えてもよい。撮像装置131から134の動作、つまりカメラ及び雲台の動作は、制御装置140によって制御される。
【0021】
制御装置140は、情報処理装置141とロボットコントローラ142とを含む。ロボットコントローラ142は、ロボット110及び周辺機器120の動作を制御するように構成される。情報処理装置141は、ロボット通信装置150とユーザ通信装置220との間で送受信される様々な情報、指令及びデータ等を処理するように構成される。例えば、情報処理装置141は、ロボットコントローラ142及び撮像装置131から134から受け取る指令、情報及びデータ等を処理し、操作端末210、提示装置230又はこれらの両方に送るように構成される。例えば、情報処理装置141は、操作端末210から受け取る指令、情報及びデータ等を処理し、ロボットコントローラ142に送るように構成される。
【0022】
情報処理装置141及びロボットコントローラ142はコンピュータ装置を含む。情報処理装置141の構成は特に限定されないが、例えば、情報処理装置141は、電子回路基板、電子制御ユニット、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、並びにその他の電子機器等であってもよい。ロボットコントローラ142は、ロボット110及び周辺機器120に供給する電力を制御するための電気回路を含んでもよい。
【0023】
ロボット通信装置150は、通信ネットワークNと接続可能である通信インタフェースを備える。ロボット通信装置150は、制御装置140と、具体的には情報処理装置141と接続され、情報処理装置141と通信ネットワークNとをデータ通信可能に接続する。ロボット通信装置150は、例えば、モデム、ONU(Optical Network Unit:光回線の終端装置)、ルータ及びモバイルデータ通信機器等の通信機器を含んでもよい。ロボット通信装置150は、演算機能等を有するコンピュータ装置を含んでもよい。ロボット通信装置150は、制御装置140に含まれてもよい。
【0024】
[ユーザエリアの構成要素]
ユーザエリアAUの構成要素の一例を説明する。図1に示すように、操作端末210は、ユーザPによる指令、情報及びデータ等の入力を受け付け、受け付けた指令、情報及びデータ等を他の装置に出力するように構成される。操作端末210は、ユーザPによる入力を受け付ける操作入力装置211と、端末コンピュータ212とを含む。端末コンピュータ212は、操作入力装置211を介して受け付けた指令、情報及びデータ等を処理し他の装置に出力すること、及び、他の装置からの指令、情報及びデータ等の入力を受け付け、当該指令、情報及びデータ等を処理することを実行するように構成される。限定されないが、本実施の形態では、操作端末210は、制御装置140から送られる撮像装置131から134の画像データを提示装置230に表示可能なデータに変換し、提示装置230に出力し表示させる。操作端末210は、操作入力装置211及び端末コンピュータ212を、一体の装置として含んでもよく、別々の装置として含んでもよい。
【0025】
操作端末210の構成は特に限定されず、例えば、操作端末210は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、個人情報端末、ゲーム端末、ロボットへの教示作業に使用されるティーチペンダントなどの既知の教示装置、ロボットの既知の操作装置、その他の操作装置、その他の端末装置、これらを利用する装置、並びに、これらを改良した装置等であってもよい。操作端末210は、ロボットシステム1のために考案される専用の装置であってもよいが、一般市場において入手可能な汎用的な装置であってもよい。本実施の形態では、操作端末210には既知の汎用的な装置が用いられる。当該装置は、専用のソフトウェアがインストールされることによって、本開示の操作端末210の機能を実現するように構成されてもよい。
【0026】
操作入力装置211の構成は特に限定されず、例えば、操作入力装置211は、ボタン、レバー、ダイヤル、ジョイスティック、マウス、キー、タッチパネル及びモーションキャプチャ等のユーザPの操作を介して入力される装置を含んでもよい。本実施の形態では、操作入力装置211は、上記装置として、既知の汎用的な装置を含む。
【0027】
本実施の形態では、操作端末210は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレットである。操作端末210は、パーソナルコンピュータである場合、ユーザ通信装置220及び提示装置230を含まないが、これらのうちの1つ以上を含んでもよい。操作端末210は、スマートフォン又はタブレットである場合、ユーザ通信装置220及び提示装置230を含む。
【0028】
提示装置230は、画像をユーザPに表示するディスプレイを含む。提示装置230は、操作端末210を介して制御装置140から受け取る画像データの画像を表示する。上記画像データの例は、撮像装置131から134によって撮像された画像データ、及び、ロボット110の操作に関連する画面のデータである。提示装置230は、音声をユーザPに発するスピーカを含んでもよい。提示装置230は、操作端末210を介して制御装置140から受け取る音声データの音声を出力する。提示装置230は、操作端末210に含まれてもよい。
【0029】
ユーザ通信装置220は、通信ネットワークNと接続可能である通信インタフェースを備える。ユーザ通信装置220は、操作端末210と接続され、操作端末210と通信ネットワークNとをデータ通信可能に接続する。ユーザ通信装置220は、例えば、モデム、ONU、ルータ及びモバイルデータ通信機器等の通信機器を含んでもよい。ユーザ通信装置220は、演算機能等を有するコンピュータ装置を含んでもよい。ユーザ通信装置220は、操作端末210に含まれてもよい。
【0030】
[制御装置のハードウェア構成]
実施の形態に係る制御装置140のハードウェア構成の一例を説明する。図3は、実施の形態に係る制御装置140のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置141は、プロセッサ1411と、メモリ1412と、ストレージ1413と、入出力I/F(インタフェース:Interface)1414から1416とを構成要素として含む。情報処理装置141の各構成要素は、バス1417によって相互に接続されるが、いかなる有線通信又は無線通信で接続されてもよい。ロボットコントローラ142は、プロセッサ1421と、メモリ1422と、入出力I/F1423と、通信I/F1424及び1425と、駆動I/F1426とを構成要素として含む。ロボットコントローラ142は、ストレージを含んでもよい。ロボットコントローラ142の各構成要素は、バス1427によって相互に接続されるが、いかなる有線通信又は無線通信で接続されてもよい。情報処理装置141及びロボットコントローラ142それぞれに含まれる構成要素の全てが必須ではない。
【0031】
例えば、情報処理装置141は回路を含み、当該回路はプロセッサ1411及びメモリ1412を含む。ロボットコントローラ142は回路を含み、当該回路はプロセッサ1421及びメモリ1422を含む。これらの回路は、処理回路を含み得る。情報処理装置141の回路、プロセッサ1411及びメモリ1412はそれぞれ、ロボットコントローラ142の回路、プロセッサ1421及びメモリ1422に対して、別々であってもよく、一体化されてもよい。回路は、他の装置との指令、情報及びデータ等の送受信を行う。回路は、各種機器からの信号の入力及び各制御対象への制御信号の出力を行う。プロセッサ1411及び1421は、第1プロセッサの一例である。
【0032】
メモリ1412及び1422はそれぞれ、プロセッサ1411及び1421が実行するプログラム、及び各種データ等を記憶する。メモリ1412及び1422は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリである半導体メモリ等の記憶装置を含んでもよい。限定されないが、本実施の形態では、メモリ1412及び1422は、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)と不揮発性メモリであるROM(Read-Only Memory)とを含む。メモリ1412及び1422は、第1記憶装置の一例である。
【0033】
ストレージ1413は、各種データを記憶する。ストレージ1413は、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)及び固体ドライブ(SSD:Solid State Drive)等の記憶装置を含んでもよい。ストレージ1413は、第1記憶装置の一例である。
【0034】
プロセッサ1411及び1421はいずれも、RAM及びROMと一緒にコンピュータシステムを形成する。情報処理装置141のコンピュータシステムは、プロセッサ1411がRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって、情報処理装置141の機能を実現してもよい。ロボットコントローラ142のコンピュータシステムは、プロセッサ1421がRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって、ロボットコントローラ142の機能を実現してもよい。
【0035】
情報処理装置141及びロボットコントローラ142の機能の一部又は全部は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。情報処理装置141及びロボットコントローラ142はそれぞれ、単一の装置による集中制御により各処理を実行するように構成されてもよく、複数の装置の協働による分散制御により各処理を実行するように構成されてもよい。
【0036】
限定されないが、例えば、プロセッサ1411及び1421は、CPU(中央処理装置:Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、IC(集積回路)チップ、LSI(Large Scale Integration)等に形成された論理回路又は専用回路によって各処理を実現してもよい。複数の処理は、1つ又は複数の集積回路により実現されてもよく、1つの集積回路により実現されてもよい。
【0037】
情報処理装置141及びロボットコントローラ142は、互いの機能の少なくとも一部を含むように構成されてもよく、一体化されてもよい。
【0038】
情報処理装置141の第1入出力I/F1414は、情報処理装置141とロボットコントローラ142とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。第2入出力I/F1415は、情報処理装置141とロボット通信装置150とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。第3入出力I/F1416は、情報処理装置141と撮像装置131から134とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。
【0039】
ロボットコントローラ142の入出力I/F1423は、ロボットコントローラ142と情報処理装置141の第1入出力I/F1414とを接続し、これらの間での情報、指令及びデータ等の入出力を可能にする。
【0040】
第1通信I/F1424は、ロボットコントローラ142とベルトコンベヤ121とを有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して接続し、これらの間での信号等の送受信を可能にする。第1通信I/F1424は通信回路を含んでもよい。例えば、ロボットコントローラ142は、稼働実行、稼働停止及び動作速度等のベルトコンベヤ121の動作状態を示す信号を受信し、当該動作状態に応じてロボット110の動作を制御するように構成されてもよい。ロボットコントローラ142は、移送状況等のワークWの処理状況に応じて動作状態を指令する信号をベルトコンベヤ121に送信し、ベルトコンベヤ121の動作を制御するように構成されてもよい。
【0041】
第2通信I/F1425は、ロボットコントローラ142と搬送車122A及び122Bとを有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して接続し、これらの間での信号等の送受信を可能にする。第2通信I/F1425は通信回路を含んでもよい。例えば、ロボットコントローラ142は、ロボット110に対する位置、待機位置への到着及び待機位置からの離脱等の搬送車122A及び122Bの動作状態を示す信号を受信し、当該動作状態に応じてロボット110の動作を制御するように構成されてもよい。ロボットコントローラ142は、積み込み状況等のワークWの処理状況に応じて動作状態を指令する信号を搬送車122A及び122Bに送信し、搬送車122A及び122Bの動作を制御するように構成されてもよい。
【0042】
駆動I/F1426は、ロボットコントローラ142とロボット110の駆動回路113とを接続し、これらの間での信号等の送受信を可能にする。駆動回路113は、ロボットコントローラ142から受信する信号に含まれる指令値に従って、ロボットアーム111のサーボモータRM1からRM6及びエンドエフェクタ112のサーボモータEM1に供給する電力を制御するように構成される。例えば、駆動回路113は、サーボモータRM1からRM6及びEM1に互いに連携させて駆動させることができる。
【0043】
ロボットコントローラ142は、サーボモータRM1からRM6及びEM1をサーボ制御するように構成されてもよい。ロボットコントローラ142は、サーボモータRM1からRM6及びEM1それぞれが備える回転センサの検出値と、駆動回路113からサーボモータRM1からRM6及びEM1への電流の指令値とを、フィードバック情報として駆動回路113から受信する。ロボットコントローラ142は、フィードバック情報を用いてサーボモータRM1からRM6及びEM1の駆動の指令値を決定し、駆動回路113に送信する。
【0044】
ロボットコントローラ142は、複数のサーボモータの軸制御を互いに連携するように構成されてもよい。ロボットコントローラ142は、複数の軸制御のうちの一部であるロボット軸制御としてサーボモータRM1からRM6を制御し、複数の軸制御のうちの一部である外部軸制御としてサーボモータEM1を制御するように構成されてもよい。
【0045】
操作端末210のハードウェア構成について、操作端末210には汎用的な装置が利用可能であるため、当該ハードウェア構成の詳細な説明を省略する。操作端末210の端末コンピュータ212は、情報処理装置141等と同様にプロセッサ及びメモリを含む。端末コンピュータ212は、端末コンピュータ212と操作入力装置211との接続、端末コンピュータ212とユーザ通信装置220との接続、及び、端末コンピュータ212と提示装置230との接続のそれぞれを確立するための入出力I/Fも含み得る。
【0046】
[制御装置の機能的構成]
図4を参照しつつ、実施の形態に係る制御装置140の機能的構成の一例を説明する。図4は、実施の形態に係る制御装置140の機能的構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置141は、受信情報処理部141aと、送信情報処理部141bと、撮像制御部141cと、画像処理部141d1から141d3と、モデル生成部141eと、候補決定部141fと、予定動作検出部141gと、動作指令部141hと、属性情報処理部141i1及び141i2と、記憶部141s1から141s5とを機能的構成要素として含む。記憶部141s1から141s5を除く機能的構成要素の機能は、プロセッサ1411等によって実現され、記憶部140s1から140s5の機能は、メモリ1412、ストレージ1413又はこれらの組み合わせ等によって実現される。上記の機能的構成要素の全てが必須ではない。
【0047】
ロボットコントローラ142は、駆動指令部142aと、動作情報処理部142bと、記憶部142cとを機能的構成要素として含む。駆動指令部142a及び動作情報処理部142bの機能は、プロセッサ1421等によって実現され、記憶部142cの機能は、メモリ1422等によって実現される。上記の機能的構成要素の全てが必須ではない。
【0048】
記憶部141s1から141s5及び142cは、様々な情報及びデータ等を記憶し、記憶している情報及びデータ等の読み出しを可能にする。
【0049】
第1記憶部141s1は、ロボット110に自動で所定作業を実行させるための制御プログラムを記憶する。例えば、制御プロラムは、ロボット110に目的の動作をさせる過程における、ロボット110の各部の動作量、動作方向、動作速度及び加速度等を演算するための演算プログラム、演算式又はこれらの組み合わせ等を含み得る。例えば、図2に示すように、本実施の形態では、制御プログラムは、ベルトコンベヤ121によって搬送される飲料瓶であるワークWを搬送車122A又は122Bに移載する所定作業を、ロボット110に自動で実行させるためのプログラムである。当該所定作業では、ワークWは、2種類のワークWA及びWBを含み、ワークWAは搬送車122Aに移載され、ワークWBは搬送車122Bに移載される。
【0050】
第1記憶部141s1は、ロボット110の情報を記憶してもよい。ロボット110の情報は、例えば、ロボットアーム111及びエンドエフェクタ112の種類、識別情報及び特性等を含み得る。ロボットアーム111の特性は、ロボットアーム111の位置、型式、形状、寸法、動作方向及び動作範囲等、並びに、関節の位置、種類、動作方向及び動作範囲等を含み得る。エンドエフェクタ112の特性は、エンドエフェクタ112の形状及び寸法、並びに、エンドエフェクタ112の動作部分の位置、動作方向及び動作範囲等を含み得る。ロボットアーム111及びエンドエフェクタ112の特性は、これらの弾性、塑性、靭性、脆性及び展延性等を含んでもよい。ロボット110の情報は、ロボットアーム111及びエンドエフェクタ112の2次元モデル及び3次元モデル等の仮想的なモデルを含んでもよい。
【0051】
第2記憶部141s2は、ワークWに関する情報を記憶する。例えば、第2記憶部141s2は、ワークWの第1属性情報を記憶する。第1属性情報は、ワークWの特徴と、ワークWに設定されている所定作業に関する情報であるワーク作業情報とを含む。ワークWの特徴は、例えば、ワークWの種類、呼称、識別情報及び特性等を含み得る。ワークWの特性は、ワークWの形状、寸法、重量、弾性、塑性、靭性、脆性、展延性、中空、中実、重心位置及び開口位置等を含み得る。飲料瓶としてのワークWA及びWBの場合、ワークWの特徴は、内容物の有無、種類及び量、並びに、開口の閉鎖の有無等も含み得る。第1属性情報は、ワークWの特徴として、ワークWの2次元モデル及び3次元モデル等のワークWの仮想的なモデルを含んでもよい。
【0052】
ワーク作業情報は、ワークWが処理を受ける順番、ワークWに与えることができる速度及び加速度、エンドエフェクタ112による作用を与えることができるワークW上の位置、エンドエフェクタ112による作用を与えているときのワークWの状態等を含み得る。本実施の形態では、ワーク作業情報は、ワークWにおけるエンドエフェクタ112による把持が可能な位置を含み得、例えば、把持位置の候補を含み得る。ワーク作業情報は、ロボット110による移送中におけるワークWの姿勢の候補を含み得る。ワーク作業情報は、エンドエフェクタ112による把持の際にワークWに加えることができる把持力を含み得、例えば、把持力の候補を含み得る。ワークWの特徴及びワーク作業情報は、ワークW及び所定作業に応じて設定され得る。
【0053】
図5は、実施の形態に係る第1属性情報に含まれるワーク作業情報の一例を示す図である。図5に示すように、例えば、ワークWAにおいて、開口端である上端の把持位置GP1と、底端の把持位置GP2と、上端及び底端の間の側部の複数の把持位置GP3からGP8とが、把持位置の候補として予め設定される。ワークWAのワーク作業情報は、把持位置GP1からGP8の情報を含む。ワークWBのワーク作業情報も、ワークWAのワーク作業情報と同様の把持位置の情報を含み得る。
【0054】
図6は、実施の形態に係る第1属性情報に含まれるワーク作業情報の別の一例を示す図である。図6に示すように、例えば、ワークWAの姿勢Pa、Pb、Pc及びPdが、ベルトコンベヤ121から搬送車122A及び122Bへの移送中のワークWAの姿勢の候補として予め設定される。ワークWAのワーク作業情報は、姿勢Pa、Pb、Pc及びPdの情報を含む。ワークWBのワーク作業情報も、ワークWAのワーク作業情報と同様の姿勢の情報を含み得る。
【0055】
第3記憶部141s3は、ロボットエリアAR内のロボット110以外の構成要素に関する情報を含む。例えば、第3記憶部141s3は、第2属性情報及び第3属性情報を記憶する。第2属性情報は、ワークWの周辺環境の特徴と、当該周辺環境に設定されている所定作業に関する情報である周辺環境作業情報とを含む。ワークWの周辺環境の特徴は、例えば、ロボット110以外のワークWを取り扱う装置、設備及び機器等のワーク取扱要素の特徴を含む。本実施の形態では、ワークWの周辺環境の特徴は、周辺機器120の特徴、具体的には、ベルトコンベヤ121並びに搬送車122A及び122Bの特徴を含む。
【0056】
例えば、第3属性情報は、第2属性情報に含まれる周辺環境以外のロボットエリアAR内の構成要素の特徴を含む。本実施の形態では、第3属性情報は、撮像装置131から134の特徴を含む。当該特徴は、例えば、撮像装置131から134の識別情報及び特性等を含み得る。撮像装置131から134の特性は、撮像装置131から134の位置、姿勢、形状、寸法、設置方法、及び、他の構成要素との必要な離隔距離等を含み得る。
【0057】
ベルトコンベヤ121の特徴は、例えば、ベルトコンベヤ121の種類、呼称、識別情報及び特性等を含み得る。ベルトコンベヤ121の特性は、ベルトコンベヤ121の位置、姿勢、形状及び寸法、ベルトコンベヤ121におけるロボット110の作業領域の位置、姿勢、形状及び寸法、上記作業領域の周囲の空間を遮る物体の有無、並びに、当該物体の位置、姿勢、形状及び寸法等を含み得る。
【0058】
搬送車122A及び122Bの特徴は、例えば、搬送車122A及び122Bの種類、呼称、識別情報及び特性等を含み得る。搬送車122A及び122Bの特性は、搬送車122A及び122Bの待機位置、待機姿勢、形状及び寸法、並びに、搬送車122A及び122BにおけるワークWA及びWBの載置部分122Aa及び122Baの特性等を含み得る。待機位置及び待機姿勢は、ロボット110によるワークWA及びWBの処理を受けるときの搬送車122A及び122Bの位置及び向きである。載置部分122Aa及び122Baの特性は、載置部分122Aa及び122Baの表面の位置、形状、寸法、傾斜量、弾性、塑性、靭性、脆性及び展延性等を含み得る。表面の形状は、平面視での平面形状及び鉛直方向への凹凸形状等を含み得る。さらに、搬送車122A及び122Bの特性は、載置部分122Aa及び122Baの周囲の空間を遮る物体の有無、並びに、当該物体の位置、形状及び寸法等を含み得る。
【0059】
第2属性情報は、ベルトコンベヤ121並びに搬送車122A及び122Bの特徴として、ベルトコンベヤ121並びに搬送車122A及び122Bの2次元モデル及び3次元モデル等の仮想的なモデルを含んでもよい。第3記憶部141s3は、ロボットエリアAR内のベルトコンベヤ121並びに搬送車122A及び122B以外の構成要素の情報として、当該構成要素の仮想的なモデルを含んでもよい。
【0060】
周辺環境作業情報は、例えば、ロボット110以外のワークWを取り扱うワーク取扱要素に対する所定作業に関する情報を含む。周辺環境作業情報は、ワーク取扱要素においてワークWが処理されるときのワークWの位置、状態及び処理方法等を含み得る。本実施の形態では、搬送車122A及び122Bの周辺環境作業情報は、載置部分122Aa及び122Baの表面上におけるワークWA及びWBの配置位置の候補、配置姿勢の候補、配置順序の候補、配置方向の候補及び配置方法の候補等を含み得る。例えば、配置方向は、載置部分122Aa及び122BaへのワークWA及びWBの移送方向を示してもよい。配置方法は、載置の際にワークWA及びWBが載置部分122Aa及び122Baに与える衝撃の程度、及びワークWA及びWBの加速度等を示してもよい。
【0061】
図7は、実施の形態に係る第2属性情報に含まれる周辺環境作業情報の一例を示す図である。図7は、搬送車122Aの載置部分122Aaの平面図を示す。搬送車122Aは、載置部分122Aaの周囲を囲み且つ載置部分122Aaから上方に延びる壁122Abを含む。壁122Abは、上方からの平面視でU字状の形状を形成し、その開放端122Aba及び122Abbの間で載置部分122Aaの一部を側方へ開放する。壁122Abは、載置部分122Aaを上方へ開放する。載置部分122Aaの表面上において、ワークWAの底部の複数の配置位置P1からP20が、配置位置の候補として予め設定される。配置位置P1からP20は、4行×5列に配列される。
【0062】
搬送車122Aの周辺環境作業情報は、配置位置P1からP20と、配置位置P1からP20でのワークWAの姿勢と、配置位置P1からP20へのワークWAの配置方向と、ワークWAを配置位置P1からP20に低衝撃、つまり低加速度で載置する配置方法とを含む。搬送車122Bの周辺環境作業情報も、搬送車122Aの周辺環境作業情報と同様の情報を含み得る。
【0063】
第4記憶部141s4は、経路関連データを記憶する。経路関連データは、所定作業を行うときのエンドエフェクタ112の移動経路を決定するための情報を含む。経路関連データは、所定作業に含まれる動作の少なくとも一部が特定された場合に、当該動作を行うときのエンドエフェクタ112の移動経路を決定するための情報を含む。例えば、経路関連データは、エンドエフェクタ112の移動経路の演算式、演算プログラム又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0064】
第5記憶部141s5は、ロボット110のログ情報を記憶し蓄積する。第5記憶部141s5は、所定作業を実行するロボット110のロボットアーム111及びエンドエフェクタ112の動作結果、当該動作結果のための指令、又はこれらの両方等を含む動作結果に関する情報を、ログ情報として記憶する。記憶されるログ情報は、ロボットアーム111及びエンドエフェクタ112の全ての動作結果に関する情報を含んでもよい。記憶されるログ情報は、ベルトコンベヤ121上のエンドエフェクタ112の作業領域及びその近傍での動作結果に関する情報と、搬送車122A及び122B及びその近傍での動作結果に関する情報とを、少なくとも含んでもよい。
【0065】
記憶部142cは、駆動指令部142aが動作指令部141hから受け取る動作指令を用いて駆動指令を生成するための情報を記憶する。
【0066】
受信情報処理部141aは、通信ネットワークN及びロボット通信装置150を介して操作端末210から指令、情報及びデータ等を受信し、情報処理装置141内の対応する機能的構成要素に送る。受信情報処理部141aは、受信した指令、情報及びデータ等を、情報処理装置141内で処理可能なデータ型式に変換する機能を有してもよい。
【0067】
送信情報処理部141bは、情報処理装置141の各機能的構成要素によって出力される指令、情報及びデータ等を、ロボット通信装置150及び通信ネットワークNを介して操作端末210に送信する。送信情報処理部141bは、送信対象への指令、情報及びデータ等を、ネットワーク通信可能なデータ型式に変換する機能を有してもよい。
【0068】
撮像制御部141cは、撮像装置131から134の動作の制御、及び、撮像装置131から134によって撮像された画像データの出力を行う。例えば、撮像制御部141cは、操作端末210から受信する指令に従って、撮像装置131から134のカメラ及び雲台の動作を制御する。撮像制御部141cは、撮像装置131から134から画像データを受け取り、第1画像処理部141d1及び送信情報処理部141b等に出力する。例えば、撮像制御部141cは、操作端末210からの指令において指定される撮像装置131から134の画像データを操作端末210に送信する。操作端末210は、当該画像データを提示装置230に出力し表示させる。
【0069】
第1画像処理部141d1は、撮像装置131、撮像装置132又はこれらの両方によって撮像された画像データを処理する。第1画像処理部141d1は、当該画像データが示す画像の中からワークW及び周囲の構成要素を抽出する画像処理を行う。さらに、第1画像処理部141d1は、ワークW及び周囲の構成要素を写し出す画素について、当該画素に写し出される被写体の3次元位置を検出してもよい。
【0070】
例えば、第1画像処理部141d1は、撮像装置131又は132のステレオカメラによって同時刻に撮像された2つの画像データそれぞれにおいてエッジを抽出してもよい。さらに、第1画像処理部141d1は、抽出されたエッジと、第2記憶部141s2に記憶される第1属性情報に含まれるワークWの形状とをパターンマッチング手法等で比較し、ワークWのエッジを特定してもよい。第1画像処理部141d1は、抽出されたエッジと、第3記憶部141s3に記憶される第2属性情報に含まれるベルトコンベヤ121の形状及びその作業領域の周囲の空間を遮る物体の形状とをパターンマッチング手法等で比較し、ベルトコンベヤ121及び上記物体のエッジを、周囲の構成要素のエッジとして特定してもよい。
【0071】
さらに、第1画像処理部141d1は、2つの画像データの間でワークW及び周囲の構成要素を写し出す画素をステレオマッチング手法等で処理し、各画素に写し出される被写体とカメラとの距離を検出してもよい。さらに、第1画像処理部141d1は、各画素に写し出される被写体について、ロボットシステム1が存在する3次元空間内での3次元位置を検出してもよい。
【0072】
モデル生成部141eは、第1画像処理部141d1によって画像データから抽出されたワークW及び周囲の構成要素の仮想的なモデルを生成する。例えば、モデル生成部141eは、第2記憶部141s2に記憶されるワークWに関する情報と、第3記憶部141s3に記憶される周囲の構成要素に関する情報とを用いて、上記画像データによって写し出されるワークW及び周囲の構成要素を表す仮想的なモデルを生成する。例えば、モデル生成部141eは、ワークW及び周囲の構成要素の3次元CAD(Computer-Aided Design)モデルを生成してもよい。モデル生成部141e及び第1画像処理部141d1は、上記の仮想的なモデルを生成することによって、ワークWの状態を含む状態情報を検出することができる。ワークW及び周囲の構成要素を表す仮想的なモデルは、ワークWに関する状態情報の一例である。
【0073】
状態情報は、例えば、ワークW及び周囲の構成要素の状態を示す様々な情報を含んでもよい。例えば、状態情報は、ワークW及び周囲の構成要素の仮想的なモデルに加えて又は仮想的なモデルの代わりに、ワークW及び周囲の構成要素の位置、姿勢、位置及び姿勢の移動方向、位置及び姿勢の移動速度等を含んでもよい。状態情報は、ワークWの周辺環境の状態を示す様々な情報を含んでもよい。例えば、状態情報は、ワークWの移送先の搬送車122A又は122BにおけるワークWの配置状態等を含んでもよい。
【0074】
候補決定部141fは、状態情報に基づき、ワークWに関する作業位置の候補を決定し、第2画像処理部141d2に出力する。ワークWに関する作業位置の候補は、ロボット110の把持対象のワークWにおける提示対象の把持位置の候補と、ワークWの移送先の搬送車122A又は122Bにおける提示対象の配置位置の候補とを含む。さらに、候補決定部141fは、第5記憶部141s5を探索し、上記ワークWと同様の状態のワークに対して過去に決定された把持位置及び配置位置の情報を第2画像処理部141d2に出力してもよい。
【0075】
例えば、候補決定部141fは、状態情報として、モデル生成部141eによって生成されたワークW及び周囲の構成要素のモデルを用いて、第1属性情報に含まれるワークWの把持位置の候補の中から、ユーザPへの提示対象の把持位置の候補を決定する。例えば、ワークWAのモデルが、図6の姿勢Paのような直立状態である場合、候補決定部141fは、図8に示すように、把持可能な把持位置GP1及びGP3からGP8を提示対象に決定する。図8は、把持対象のワークWAに決定される提示対象の把持位置の候補の一例を示す図である。例えば、候補決定部141fは、ワークWAが横たわっている場合に把持位置GP3からGP8を提示対象に決定し得る。例えば、横たわっているワークWAに他のワークが積み重なっている場合、候補決定部141fは、把持位置GP1からGP8のうちの把持可能な把持位置を提示対象に決定し得る。
【0076】
さらに、候補決定部141fは、第2属性情報に含まれる移送先の搬送車122A又は122Bの配置位置の中から、ユーザPへの提示対象の配置位置の候補を決定する。例えば、候補決定部141fは、状態情報として、ワークWが既に配置されている配置位置の情報を用いて、ワークWを載置することが可能である配置位置を提示対象に決定してもよい。上記配置位置の情報は、第3記憶部141s3又は第5記憶部141s5等に記憶されてもよい。例えば、候補決定部141fは、図9に示すように、既にワークWAが配置されている配置位置が除外された残りの配置位置P8からP20を提示対象に決定する。図9は、ワークWAの移送先の搬送車122Aに決定される提示対象の配置位置の候補の一例を示す図である。
【0077】
第2画像処理部141d2は、候補決定部141fによって決定された候補を画像化し操作端末210に送信する。当該候補は、ワークWにおける提示対象の把持位置の候補と、搬送車122A又は122Bにおける提示対象の配置位置の候補とを含み得る。第2画像処理部141d2は、上記ワークWと同様の状態のワークに対して過去に決定された把持位置及び配置位置の情報を、提示対象の把持位置の候補及び提示対象の配置位置の候補と共に、画像に明示してもよい。これにより、操作端末210のユーザは、類似状態を示す過去の情報を参考にして、把持位置及び配置位置を決定することができる。
【0078】
例えば、第2画像処理部141d2は、ワークWAの提示対象の把持位置の候補の情報と、モデル生成部141eによって生成されたワークWAのモデルとを用いて、図8に示すような画像IAのデータを生成してもよい。画像IAは、ワークWAのモデルの像に、提示対象の候補である把持位置GP1及びGP3からGP8を明示する。第2画像処理部141d2は、画像IAのデータと把持位置の選択の要求とを操作端末210に送信する。第2画像処理部141d2は、画像IAのデータの代わりに、把持位置GP1及びGP3からGP8の情報を操作端末210に送信してもよい。
【0079】
第2画像処理部141d2は、撮像装置131、撮像装置132又はこれらの両方によって撮像された画像データに画像IAのデータを合成してもよい。これにより、撮像装置131、撮像装置132又はこれらの両方によって撮像された画像に写し出されるワークWAの像に把持位置GP1及びGP3からGP8が明示される。
【0080】
操作端末210のユーザPは、操作端末210が提示装置230に提示する把持位置GP1及びGP3からGP8の中から1つを選択し、選択結果を選択作業位置として操作端末210に入力し情報処理装置141へ送信させる。選択作業位置は、選択位置の一例である。
【0081】
例えば、第2画像処理部141d2は、搬送車122A又は122Bの提示対象の配置位置の候補の情報と、第2属性情報に含まれる搬送車122A又は122Bの情報とを用いて、図9に示すような画像IBのデータを生成してもよい。画像IBは、載置部分122Aa又は122Baの像に、提示対象の候補である配置位置P8からP20を明示する。第2画像処理部141d2は、画像IBのデータと配置位置の選択の要求とを操作端末210に送信する。第2画像処理部141d2は、画像IBのデータの代わりに、配置位置P8からP20の情報を操作端末210に送信してもよい。
【0082】
第2画像処理部141d2は、撮像装置133又は134によって撮像された画像データに画像IBのデータを合成してもよい。これにより、撮像装置133又は134によって撮像された画像に写し出される載置部分122Aa又は122Baの像に配置位置P8からP20が明示される。
【0083】
操作端末210のユーザPは、操作端末210が提示装置230に提示する配置位置P8からP20の中から1つを選択し、選択結果を選択作業位置として操作端末210に入力し情報処理装置141へ送信させる。
【0084】
予定動作検出部141gは、ワークWに関する作業位置の候補の中から選択された選択作業位置の情報を、操作端末210から受信する。予定動作検出部141gは、選択作業位置の情報と、第4記憶部141s4に記憶される経路関連データとを用いて、選択作業位置に従ったロボット110の予定動作を検出する。
【0085】
例えば、予定動作検出部141gは、選択作業位置に含まれるワークWの把持位置を始点に決定し、選択作業位置に含まれるワークWの配置位置を終点に決定し、当該始点から当該終点に至るエンドエフェクタ112の移動経路を、経路関連データの演算式、演算プログラム又はこれの両方を用いて演算する。さらに、予定動作検出部141gは、エンドエフェクタ112の移動経路上の各位置でのエンドエフェクタ112の姿勢を演算する。予定動作検出部141gは、エンドエフェクタ112の移動経路及び当該移動経路での姿勢を、選択作業位置に従ったロボット110の予定動作として検出する。
【0086】
予定動作検出部141gは、検出した予定動作を、第3画像処理部141d3を介して操作端末210に送信する。操作端末210は、受信した予定動作を、提示装置230を介してユーザPに提示する。操作端末210は、予定動作を承認するための入力、予定動作を修正するための入力、選択された把持位置及び配置位置を変更するための入力、並びに、第1属性情報及び第2属性情報を変更するための入力を受け付けることができる。
【0087】
操作端末210は、予定動作の承認を受け付けると、承認結果を情報処理装置141に送信する。予定動作検出部141gは承認された予定動作を動作指令部141hに送る。
【0088】
操作端末210は、予定動作の修正を受け付けると、受け付けた修正内容を情報処理装置141に送信する。予定動作検出部141gは、予定動作の修正内容を反映するように予定動作を修正し、修正後の予定動作を新たな予定動作として生成する。予定動作検出部141gは、新たな予定動作を操作端末210に送信する。
【0089】
操作端末210は、把持位置、配置位置又はこれらの両方の変更を受け付けると、受け付けた変更内容を情報処理装置141に送信する。予定動作検出部141gは、把持位置、配置位置又はこれらの両方の変更内容に従って新たな予定動作を生成する。予定動作検出部141gは、新たな予定動作を操作端末210に送信する。
【0090】
操作端末210は、第1属性情報、第2属性情報又はこれらの両方の変更を受け付けると、受け付けた変更内容を情報処理装置141に送信する。第1属性情報処理部141i1及び第2属性情報処理部141i2は、受信した変更内容に従って、第2記憶部141s2に記憶される第1属性情報、第3記憶部141s3に記憶される第2属性情報、又はこれらの両方を変更する。第1属性情報処理部141i1及び第2属性情報処理部141i2は、変更後の第1属性情報及び第2属性情報を、新たな第1属性情報及び第2属性情報として第2記憶部141s2、第3記憶部141s3又はこれらの両方に記憶する。予定動作検出部141gは、新たな第1属性情報及び第2属性情報を用いて新たな予定動作を生成し操作端末210に送信する。
【0091】
予定動作検出部141gは、第3記憶部141s3に記憶されるロボットエリアAR内のロボット110以外の構成要素に関する情報を用いて、予定動作の過程におけるロボット110と上記構成要素との干渉の有無を検出し、検出結果を操作端末210に送信する。例えば、予定動作検出部141gは、第3属性情報に基づき、エンドエフェクタ112の移動経路が撮像装置131から134からの離隔距離以内の領域を通る場合、干渉の発生を検出してもよい。予定動作検出部141gは、干渉の発生を検出した場合、干渉対象の離隔距離等に基づき、当該干渉を回避するようにエンドエフェクタ112の移動経路を再演算してもよい。
【0092】
第3画像処理部141d3は、予定動作検出部141gによって生成された予定動作を画像化し、操作端末210に送信する。例えば、第3画像処理部141d3は、第3記憶部141s3に記憶されるロボットエリアAR内のロボット110以外の構成要素に関する情報と、第1記憶部141s1に記憶されるロボット110の情報と、予定動作検出部141gによって検出された予定動作とを用いて、エンドエフェクタ112の移動経路を明示する画像データを生成してもよい。
【0093】
例えば、第3画像処理部141d3は、図10に示すような画像ICのデータを生成してもよい。画像ICは、破線表示されるエンドエフェクタ112の移動経路TPと、ロボットアーム111のモデルと、エンドエフェクタ112のモデルと、ベルトコンベヤ121のモデルと、ワークWの移送先の搬送車122Aのモデルと、ロボットエリアAR内の他の構成要素である撮像装置132及び133のモデルとを示す。画像ICでは、移動経路TPが撮像装置133と干渉するため、干渉を示す像IDが表示される。干渉を回避するために操作端末210によって予定動作が変更されると、予定動作検出部141gは、変更内容に従って新たな予定動作を生成し、第3画像処理部141d3は、一点鎖線表示される新たな予定動作の移動経路TP1を画像ICに明示する。これにより、操作端末210のユーザPは、移動経路を視覚的に確認し予定動作の承認を判断することができる。
【0094】
第1属性情報処理部141i1は、操作端末210から受信する指令に従って、第2記憶部141s2に記憶される第1属性情報を変更し、変更後の第1属性情報を新たな第1属性情報として第2記憶部141s2に記憶する。つまり、第1属性情報処理部141i1は、第1属性情報を更新する。第1属性情報処理部141i1は、第1属性情報を操作端末210に送信してもよい。例えば、第1属性情報処理部141i1は、選択作業位置に対応する第1属性情報を操作端末210に送信してもよい。第1属性情報処理部141i1は、第2画像処理部141d2及び第3画像処理部141d3に第1属性情報を出力し、第1属性情報を生成画像上で明示させてもよい。
【0095】
第2属性情報処理部141i2は、操作端末210から受信する指令に従って、第3記憶部141s3に記憶される第2属性情報を変更し、変更後の第2属性情報を新たな第2属性情報として第3記憶部141s3に記憶する。つまり、第2属性情報処理部141i2は、第2属性情報を更新する。第2属性情報処理部141i2は、第2属性情報を操作端末210に送信してもよい。例えば、第2属性情報処理部141i2は、選択作業位置に対応する第2属性情報を操作端末210に送信してもよい。第2属性情報処理部141i2は、第2画像処理部141d2及び第3画像処理部141d3に第2属性情報を出力し、第2属性情報を生成画像上で明示させてもよい。
【0096】
動作指令部141hは、第1記憶部141s1に記憶される制御プログラムに従ってエンドエフェクタ112に移動及び動作させるための動作指令を生成する。動作指令部141hは、予定動作検出部141gによって生成される承認済みの予定動作に従ってエンドエフェクタ112に移動及び動作させるための動作指令を生成する。つまり、動作指令部141hは、選択作業位置、第1属性情報及び第2属性情報に従った動作指令を生成する。動作指令部141hは、動作指令をロボットコントローラ142に送信する。動作指令は、エンドエフェクタ112の位置指令及び力指令の少なくとも位置指令を含み、本実施の形態では、両方を含む。さらに、動作指令は、ワークWに対するエンドエフェクタ112の把持力の指令を含む。動作指令部141hは、動作指令、承認済みの予定動作、当該予定動作に含まれる把持位置及び配置位置、駆動指令部142aから取得する駆動指令、又はこれらの2つ以上の組み合わせを、ログ情報として第5記憶部141s5に記憶させてもよい。
【0097】
位置指令は、3次元空間内でのエンドエフェクタ112の目標の位置、目標の位置の移動速度、目標の姿勢、及び、目標の姿勢の移動速度等の指令を含み得る。力指令は、エンドエフェクタ112がワークWに加える力の、3次元空間内での大きさ及び方向等の指令を含み得る。力指令は、エンドエフェクタ112がワークWに加える加速度を含んでもよい。
【0098】
駆動指令部142aは、動作指令に従ってエンドエフェクタ112が移動し把持動作をするように、ロボットアーム111及びエンドエフェクタ112を動作させるための駆動指令を、記憶部142cに記憶される情報を用いて生成する。駆動指令は、ロボットアーム111のサーボモータRM1からRM6及びエンドエフェクタ112のサーボモータEM1の電流の指令値を含む。駆動指令部142aは、動作情報処理部142bから受け取るフィードバック情報を用いて駆動指令を生成する。
【0099】
動作情報処理部142bは、サーボモータRM1からRM6及びEM1から回転量及び電流値の情報を取得し、当該情報をフィードバック情報として駆動指令部142aに出力する。動作情報処理部142bは、各サーボモータの回転量を、当該サーボモータが備える回転センサから取得する。動作情報処理部142bは、各サーボモータの電流値を、当該サーボモータの駆動回路の電流の指令値から取得する。各サーボモータに電流センサが設けられる場合、動作情報処理部142bは当該電流センサから電流値を取得してもよい。
【0100】
[ロボットシステムの動作]
図11Aから図11Cを参照しつつ、実施の形態に係るロボットシステム1の動作の一例を説明する。図11Aから図11Cは、実施の形態に係るロボットシステム1の動作の一例を示すフローチャートである。まず、ユーザPは、ワークの移送作業をするロボットの操作を担当する要求を操作端末210に入力し、操作端末210は、当該要求をサーバ310に送信する(ステップS101)。サーバ310は、当該作業を行うことができるロボット110を探索し、探索されたロボット110の情報処理装置141と上記操作端末210とを通信ネットワークNを介して接続する(ステップS102)。
【0101】
ユーザPは、接続完了の通知をサーバ310から受け取ると、移送作業の実行指令を操作端末210に入力する。操作端末210は、当該指令を情報処理装置141に送信する(ステップS103)。
【0102】
情報処理装置141は、移送作業の制御を開始し、第1記憶部141s1に記憶される制御プログラムに従ってロボット110に自動で動作させる(ステップS104)。
【0103】
情報処理装置141は、ロボット110のエンドエフェクタ112がベルトコンベヤ121に近づくと、撮像装置131によって撮像される画像データを処理し、当該画像データに写し出される、移送対象のワークW及びその周囲の構成要素を抽出する(ステップS105)。情報処理装置141は、撮像装置132によって撮像される画像データを処理して、移送対象のワークW等を抽出してもよい。
【0104】
情報処理装置141は、画像データをさらに処理し、抽出されたワークW及びその周囲の構成要素の3次元位置を検出する(ステップS106)。
【0105】
情報処理装置141は、ステップS105で抽出されたワークW及びその周囲の構成要素の仮想的なモデルを生成し(ステップS107)、上記仮想的なモデル及び第1属性情報に基づき、ワークWの把持位置の候補を決定する(ステップS108)。
【0106】
情報処理装置141は、ワークWの把持位置の候補を示す画像データを生成し、操作端末210に送信する(ステップS109)。情報処理装置141は、第1属性情報も操作端末210に送信する。
【0107】
操作端末210は、受信した画像データと第1属性情報とを提示装置230に表示する。ユーザPは、提示装置230に表示されるワークWの把持位置の候補を視認し、把持位置を選択することができる。操作端末210は、ユーザPから、ワークWの把持位置の候補のうちの1つである選択把持位置を指定する指令を受け付けると、選択把持位置の情報を情報処理装置141に送信する(ステップS110)。
【0108】
情報処理装置141は、第2属性情報に基づき、搬送車122A又は122BにおけるワークWの配置位置の候補を決定する(ステップS111)。
【0109】
情報処理装置141は、搬送車122A又は122BにおけるワークWの配置位置の候補を示す画像データを生成し、操作端末210に送信する(ステップS112)。情報処理装置141は、第2属性情報も操作端末210に送信する。
【0110】
操作端末210は、受信した画像データと第2属性情報とを提示装置230に表示する。ユーザPは、提示装置230に表示されるワークWの配置位置の候補を視認し、配置位置を選択することができる。操作端末210は、ユーザPから、ワークWの配置位置の候補のうちの1つである選択配置位置の指定する指令を受け付けると、選択配置位置の情報を情報処理装置141に送信する(ステップS113)。
【0111】
情報処理装置141は、選択されたワークWの把持位置及び配置位置の情報と、経路関連データとを用いて、ロボット110の予定動作を検出する(ステップS114)。
【0112】
情報処理装置141は、ロボット110の予定動作、つまり、エンドエフェクタ112の移動経路を示す画像データを生成し、操作端末210に送信する(ステップS115)。情報処理装置141は、第1属性情報及び第2属性情報も操作端末210に送信する。
【0113】
情報処理装置141は、移動経路に沿ってエンドエフェクタ112を移動させる場合に、ロボット110と周囲の構成要素との干渉があるか否かを判定する(ステップS116)。情報処理装置141は、干渉がある場合(ステップS116でYes)に干渉の情報を操作端末210に送信し(ステップS117)、干渉がない場合(ステップS116でNo)にステップS118へ進む。
【0114】
ステップS118において、操作端末210は、エンドエフェクタ112の移動経路を示す画像データを提示装置230に提示させる。上記干渉がある場合、提示装置230によって表示される画像上に、干渉箇所が表示される。
【0115】
次いで、操作端末210は、ロボット110の予定動作を承認する入力がある場合(ステップS119でYes)に、当該承認の情報を情報処理装置141に送信し(ステップS122)、ステップS123に進む。操作端末210は、非承認の入力がある場合(ステップS119でNo)にステップS120に進む。
【0116】
ステップS120において、ユーザPは、操作端末210に、ロボット110の予定動作を変更するための指令を入力し、操作端末210は、当該指令を情報処理装置141に送信する。上記指令は、予定動作自体を変更する指令、ワークWの把持位置、配置若しくはこれらの両方を変更する指令、第1属性情報、第2属性情報又は若しくはこれらの両方を変更する指令、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む。
【0117】
ステップS121において、情報処理装置141は、ロボット110の予定動作を変更するための指令に従って、新たな予定動作を検出する。情報処理装置141は、新たな予定動作を用いてステップS115以降の処理を繰り返す。
【0118】
ステップS123において、情報処理装置141は、承認された予定動作と、ステップS106で検出されたワークWの3次元位置とを用いて、ロボット110の動作指令を生成しロボットコントローラ142に送信する。
【0119】
ロボットコントローラ142は、動作指令に従った駆動指令を生成し、当該駆動指令に従ってロボットアーム111及びエンドエフェクタ112に動作させる(ステップS124)。つまり、ロボットコントローラ142は、動作指令に従って、ロボットアーム111及びエンドエフェクタ112に、ベルトコンベヤ121上のワークWを把持させ、搬送車122A又は122Bに移送させる。
【0120】
情報処理装置141は、移送作業の完了の指令を操作端末210から受け取ると(ステップS125でYes)、一連の処理を終了し、上記指令を受け取らない場合(ステップS125でNo)にステップS126に進む。
【0121】
ステップS126において、情報処理装置141は、搬送車122A又は122BへのワークWの移送後のロボットアーム111に、エンドエフェクタ112をベルトコンベヤ121の近傍へ自動で移動させ、ステップS105以降の処理を繰り返す。
【0122】
ステップS101からS126の処理において、情報処理装置141は、エンドエフェクタ112により新たなワークWを把持するタイミング毎に、当該ワークWの把持位置及び移送先の配置位置の選択を操作端末210のユーザPに要求し、ユーザPの選択結果に従ってロボット110に動作させる。ユーザPは、上記のようなユーザPの判断が要求されるロボット110の動作について、ロボット110を直接的に手動操作する必要がなく、当該動作を決定するための要素の候補の中から適切な要素を選択するだけでよい。よって、ユーザが有するロボット操作の技能に関係なく、様々なユーザが、様々な場所からロボット110の操作に参加することができる。
【0123】
(変形例)
本変形例は、ロボットシステムが学習装置400を備える点で、実施の形態と異なる。以下、本変形例について、実施の形態と異なる点を中心に説明し、実施の形態と同様の点の説明を適宜省略する。
【0124】
図12は、変形例に係る制御装置140及び学習装置400の機能的構成の一例を示すブロック図である。図12に示すように、制御装置140の情報処理装置141Aは、ログ情報出力部141jを機能的構成要素としてさらに含む。ログ情報出力部141jは、情報処理装置141Aの外部からの要求に対応して、第5記憶部141s5に記憶されるログ情報を要求元に出力する。ログ情報出力部141jは、予め設定されたプログラムに従って、所定のタイミングで所定の出力先にログ情報を出力してもよい。ログ情報出力部141jの機能は、プロセッサ1411等によって実現される。
【0125】
学習装置400は、情報処理装置141Aと同様に、コンピュータ装置を含む。例えば、学習装置400は回路を含み、当該回路は、上述で説明したようなプロセッサ及びメモリを含む。学習装置は、メモリに加えて、上述で説明したようなストレージを含んでもよい。学習装置400のプロセッサは、第2プロセッサの一例であり、学習装置400のメモリ及びストレージは、第2記憶装置の一例である。
【0126】
限定されないが、本変形例では、学習装置400は、情報処理装置141A及びロボットコントローラ142とは別の装置であり、有線通信、無線通信又はこれらの組み合わせを介して情報処理装置141Aとデータ通信可能に接続される。いかなる有線通信及び無線通信が用いられてもよい。学習装置400は、情報処理装置141A又はロボットコントローラ142に組み込まれてもよい。学習装置400は、通信ネットワークNを介して情報処理装置141Aと接続されてもよい。学習装置400は、複数の情報処理装置141Aと接続されてもよい。
【0127】
学習装置400は、記憶媒体を介して、情報処理装置141Aとデータを入出力するように構成されてもよい。記憶媒体は、半導体ベースの若しくは他の集積回路(IC:Integrated Circuit)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD:Hybrid Hard Disk Drive)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD:Optical Disk Drive)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィディスクドライブ(FDD:Floppy Disk Drive)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード若しくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の組合せを含むことができる。
【0128】
本変形例では、学習装置400は、ロボットエリアARに配置されるが、これに限定されない。例えば、学習装置400は、ユーザエリアAUに配置されてもよく、ロボットエリアAR及びユーザエリアAUとは別の場所に配置されてもよい。例えば、学習装置400は、サーバ310の配置場所に配置され、サーバ310経由で情報処理装置141Aとデータ通信するように構成されてもよい。学習装置400は、サーバ310に組み込まれてもよい。
【0129】
学習装置400は、学習データ処理部401と、学習データ記憶部402と、学習部403と、入力データ処理部404と、出力データ処理部405とを機能的構成要素として含む。学習データ記憶部402の機能は、学習装置400が含み得るメモリ、ストレージ又はこれらの組み合わせ等によって実現され、学習データ記憶部402以外の機能的構成要素の機能は、学習装置400が含むプロセッサ等によって実現される。
【0130】
学習データ記憶部402は、様々な情報及びデータ等を記憶し、記憶している情報及びデータ等の読み出しを可能にする。例えば、学習データ記憶部402は、学習用データを記憶する。
【0131】
学習データ処理部401は、情報処理装置141Aのログ情報出力部141jからログ情報を受け取り、当該ログ情報を学習用データとして、学習データ記憶部402に記憶させる。学習データ処理部401は、ログ情報出力部141jにログ情報を要求してログ情報出力部141jからログ情報を取得してもよく、ログ情報出力部141jから所定のタイミングで送られるログ情報を取得してもよい。例えば、学習データ処理部401は、ログ情報のうち、ワークに関する状態情報と、当該状態情報が示す状態に対応する第1属性情報及び第2属性情報と、当該ワークに対して実際に実行された選択把持位置及び選択配置位置等の選択作業位置の情報とを取得してもよい。上記選択作業位置は、状態情報に基づく作業位置の候補の中から選択された作業位置であり、実際に用いられた作業位置である。
【0132】
学習部403は、学習モデルを含み、本変形例では、機械学習を行う学習モデルを含む。学習部403は、学習用データを用いて学習モデルに学習させ、学習モデルに入力データに対する出力データの精度を向上させる。学習モデルは、ニューラルネットワーク(Neural Network)、Random Forest、Genetic Programming、回帰モデル、木モデル、ベイズモデル、時系列モデル、クラスタリングモデル、アンサンブル学習モデル等を含んでもよいが、本変形例では、ニューラルネットワークを含む。ニューラルネットワークは、入力層及び出力層を含む複数のノード層を含む。ノード層には、1つ以上のノードが含まれる。ニューラルネットワークが、入力層、中間層及び出力層を含む場合、ニューラルネットワークは、入力層のノードに入力された情報について、入力層から中間層への出力処理、中間層から出力層への出力処理を順次行い、入力情報に適合する出力結果を出力する。1つの層の各ノードは、次の層の各ノードと接続されており、ノード間の接続には、重み付けがされている。1つの層のノードの情報は、ノード間の接続の重み付けが付与されて、次の層のノードに出力される。
【0133】
学習モデルは、ワークに関する状態情報を入力データとし、当該状態情報が示す状態に対応する当該ワークに関する作業位置の候補それぞれの信頼度を出力データとする。例えば、学習モデルは、ワークに関する状態情報と、当該状態情報が示す状態に対応する第1属性情報及び第2属性情報とを入力データとしてもよい。信頼度は、正解である確率であってもよく、例えば、点数等で表されてもよい。
【0134】
さらに、学習モデルは、学習用データに含まれるワークに関する状態情報を学習用の入力データとし、当該ワークに対して実際に実行された選択作業位置の情報を教師データとする。例えば、学習モデルは、学習用データに含まれる、ワークに関する状態情報、並びに、当該状態情報が示す状態に対応する第1属性情報及び第2属性情報を入力データとしてもよい。例えば、機械学習では、学習部403は、入力データが入力された場合に学習モデルが出力する作業位置の候補それぞれの信頼度と教師データの選択作業位置との間でこれらを一致又は誤差を最小化等するように、ニューラルネットワーク内のノード間の接続の重み付けを調整する。このような重み付け調整後の学習モデルは、ワークに関する状態情報が入力されると、当該状態情報が示す状態に対応する作業位置の候補それぞれの信頼度を高い精度で出力することができる。
【0135】
入力データ処理部404は、外部から、学習部403の学習モデルに入力するための情報を受け付け、当該情報を、学習モデルに入力可能な状態情報に変換して学習部403に出力する。例えば、入力データ処理部404は、ワークに関する情報と、第1属性情報と、第2属性情報とを受け付けてもよい。例えば、ワークに関する情報は、情報処理装置141Aのモデル生成部141eによって生成される仮想的なモデルのような情報、第1画像処理部141d1による画像処理後のデータのような情報、撮像装置131及び132の撮像画像データのような画像データ、ワークの状態を外部又は内部から検出するセンサの検出結果、又は、これらの2つ以上の組み合わせ等を含んでもよい。入力データ処理部404は、このようなワークに関する情報を、ワーク及び周辺環境の構成要素の位置及び姿勢等のワーク及び周辺環境の構成要素の状態を示す情報に変換してもよい。入力データ処理部404は、ワークに関する情報を出力可能であるいかなる装置から、当該情報を受け付けてもよい。
【0136】
出力データ処理部405は、学習部403によって出力される、ワークに関する作業位置の候補それぞれの信頼度を用いて、最適な作業位置を決定し、最適な作業位置の情報を出力する。例えば、出力データ処理部405は、当該情報を、ロボットの制御に関連する装置に出力してもよい。例えば、出力データ処理部405は、当該情報を、情報処理装置141Aの予定動作検出部141g、動作指令部141h又はこれらの組み合わせのような機能を有する装置に出力してもよく、ロボットコントローラ142のような装置に出力してもよい。
【0137】
出力データ処理部405は、ワークに関する作業位置の候補の中で最も信頼度が高い作業位置を、最適な作業位置に決定するように構成されてもよい。この場合、最も信頼度が高い作業位置は、作業位置の候補のうちのいずれかである。例えば、ワークWAの場合、最も信頼度が高い作業位置は、図5に示す把持位置GP1からGP8のいずれかである。
【0138】
又は、出力データ処理部405は、ワークに関する任意の位置から最適な作業位置を決定するように構成されてもよい。例えば、出力データ処理部405は、作業位置の候補及びそれぞれの信頼度の情報を用いて、作業位置とその信頼度との関係を関数化し、当該関数を用いて最も信頼度が高い作業位置を演算してもよい。この場合、最も信頼度が高い作業位置は、作業位置の候補に限定されない。例えば、ワークWAの場合、最も信頼度が高い作業位置は、ワークWA上の任意の位置に決定され、図5に示す把持位置GP1からGP8以外のワークWA上の位置、例えば、把持位置GP1からGP8の間の位置等になる場合がある。
【0139】
上記のような学習装置400は、ユーザPの判断が要求されるロボット110の動作について、ユーザPの判断結果を学習し、ユーザPの代わりに、ロボット110の動作に対する最適な判断結果を出力することができる。学習装置400は、1つのロボットエリアARの1つの情報処理装置141Aのログ情報からでも、様々なユーザPの判断結果を学習することができる。学習装置400は、様々なロボットエリアARの様々な情報処理装置141Aのログ情報から、様々な判断結果を学習することができる。ログ情報がサーバ310に蓄積される場合、学習装置400は、サーバ310のログ情報から様々な判断結果を学習することができる。このような学習装置400は、出力データを高い精度に向上させることができる。
【0140】
本変形例において、学習部403の学習モデルは、出力データ処理部405の機能を含み、出力データ処理部405と同様の出力データを出力するように構成されてもよい。
【0141】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態の例について説明したが、本開示は、上記実施の形態及び変形例に限定されない。すなわち、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態及び変形例に施したもの、及び、異なる実施の形態及び変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0142】
例えば、実施の形態及び変形例において、ロボットシステム1が対象とするロボット110の作業は、ワークWを把持し移送する作業であるが、これに限定されない。ロボットシステム1は、いかなる作業を対象としてもよい。例えば、ロボットシステム1は、組み付け対象へのワークの組み付け、ワークの組み立て、溶接、研削、塗装、シーリング等の作業を対象としてもよい。上記のような作業の場合、例えば、第1属性情報は、ワーク、溶接対象部分、研削対象部分、塗装対象部分及びシーリング対象部分等の第1属性情報であってもよい。ワークに関する作業位置は、例えば、ワーク、溶接対象部分、研削対象部分、塗装対象部分及びシーリング対象部分上の位置等であってもよい。例えば、第2属性情報は、ワークの組み付け対象、ワークと共に組み立てられる他の部品、溶接対象物、研削対象物、塗装対象物及びシーリング対象物等の第2属性情報であってもよい。ワークに関する作業位置は、例えば、組み付け対象に対するワークの位置、他の部品に対するワークの位置、溶接対象物上での溶接対象部分の位置、研削対象物上での研削対象部分の位置、塗装対象物上での塗装対象部分の位置、及びシーリング対象物上でのシーリング対象部分の位置等であってもよい。
【0143】
実施の形態において、制御装置140は、ワークWの把持位置の候補、及び、搬送車122A又は122BにおけるワークWの配置位置の候補を操作端末210に送信し、ユーザPの選択を要求するように構成される。制御装置140が選択を要求する要素は、これらに限定されず、ユーザPの判断により選択可能な要素であればよい。例えば、制御装置140は、ロボット110の各動作でのワークWの姿勢及びワークWへの把持力等の候補を操作端末210に送信し、ユーザPの選択を要求するように構成されてもよい。
【0144】
実施の形態及び変形例において、制御装置140は、ベルトコンベヤ121のモータの駆動を直接的に制御しないように構成されるが、外部軸制御として直接的に制御するように構成されてもよい。これにより、制御装置140は、ロボット110の動作とベルトコンベヤ121の動作とを高精度に連携させて制御することができる。
【0145】
実施の形態及び変形例において、制御装置140は、ワークWに関する状態情報を検出するために、撮像装置131によって撮像される画像データを用いて、ワークW等の抽出及びワークW等の3次元位置の検出等のための画像処理を行うように構成されるが、これに限定されない。上記画像処理に用いられる画像データは、ワークWを撮像可能な撮像装置の画像データであればよい。例えば、ワークWを上方から撮像する撮像装置132によって撮像される画像データが用いられてもよい。この場合、ロボットアーム111がワークWの移送後にエンドエフェクタ112をベルトコンベヤ121の近傍に戻す前に、制御装置140は、撮像装置132の画像データを画像処理することができる。よって、迅速な作業が可能になる。
【0146】
実施の形態及び変形例において、制御装置140は、ワークWに関する状態情報の取得のために、ワークWが撮像された画像データを用いるように構成されるが、これに限定されない。例えば、制御装置140は、ワークWとは別に配置されるセンサである外部センサの検出結果、ワークWに配置されるセンサである搭載センサの検出結果、又はこれらの組み合わせを用いて、ワークWに関する状態情報の取得するように構成されてもよい。外部センサは、ワークWの外部からワークWの位置及び姿勢等を検出するように構成されてもよい。例えば、外部センサは、光波、レーザ、磁気、電波、電磁波、超音波又はこれらの2つ以上の組み合わせ等を用いてワークWを検出し、光電センサ、レーザセンサ、電波式センサ、電磁波式センサ、超音波センサ、各種ライダ(LiDAR)又はこれらの2つ以上の組み合わせ等であってもよい。搭載センサは、ワークWと共に移動し、ワークWの位置及び姿勢等を検出するように構成されてもよい。例えば、搭載センサは、加速度センサ、角速度センサ、磁気センサ、GPS(全地球測位システム:Global Positioning System)受信機又はこれらの2つ以上の組み合わせ等であってもよい。
【0147】
実施の形態に係る情報処理装置141は、処理にAI(人工知能:Artificial Intelligence)を用いるように構成されてもよい。例えば、AIは、撮像装置131及び132によって撮像される画像データの画像処理、画像データから抽出されるワークW等の情報を用いて仮想的なモデルを生成する処理、及び、属性情報及び仮想的なモデル等を用いてワークWに関する作業位置の候補を決定する処理等に用いることができる。
【0148】
例えば、AIは、機械学習を行う学習モデルを含んでもよい。例えば、学習モデルは、ニューラルネットワークを含んでもよい。例えば、画像処理を行う学習モデルは、画像データを入力データとし、画像データに写し出される被写体のエッジ、3次元位置又はこれらの組み合わせ等の情報を出力データとしてもよい。仮想的なモデルを生成する学習モデルは、画像データから抽出される被写体のエッジ、3次元位置又はこれらの組み合わせの情報を入力データとし、当該被写体の仮想的なモデルの情報を出力データとしてもよい。ワークWに関する作業位置の候補を決定する学習モデルは、ワークW及びその周囲の要素の仮想的なモデルの情報を入力データとし、ワークWの把持位置等の作業位置の候補を出力データとしてもよい。学習モデルは、入力データに対応する学習データと、出力データに対応する教師データとを用いて機械学習するモデルであってもよい。
【0149】
実施の形態及び変形例において、サーバ310は、複数の操作端末210のうちの選択された1つと、ロボット110及びその制御装置140の組み合わせである1つのロボットグループとを接続するように構成されるが、これに限定されない。サーバ310は、複数の操作端末210のうちの選択された1つと、複数のロボットグループのうちの選択された1つとを接続するように構成されてもよい。
【0150】
本開示の技術の各態様例は、以下のように挙げられる。本開示の一態様に係る制御装置は、ロボットに自動運転で所定作業を実行させる制御を行う制御装置であって、第1プロセッサを備え、前記第1プロセッサは、前記所定作業の実行中、作業対象であるワークの状態を含む状態情報を取得することと、前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末に送信することと、前記操作端末から、選択された前記作業位置である選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを実行する。
【0151】
上記態様によると、操作端末のユーザは、操作端末を用いてロボットに対して、手動運転のための直接操作をするのではなく、選択位置の指令に従った自動運転のための間接操作をする。ユーザは、直接操作のための操作技能を要求されず、簡易な操作によりロボットに意図する動作をさせることができる。例えば、人による判断が有用なロボットの動作がある場合、制御装置は、ユーザによって決定される選択位置に従うことによって、ユーザの熟練度の影響を受けずに適切な動作をロボットにさせることができる。ユーザに直接操作の技能が要求されないため、様々なユーザがロボットの操作に参加することができる。操作端末は、ユーザによる選択位置の選択と、制御装置への選択位置の情報の送信とを可能であればよい。このため、操作端末は、ロボット専用の操作端末に限定されず、様々な端末の適用が可能である。さらに、操作端末と制御装置との間の通信データ量が低く抑えられるため、様々な通信ネットワークを用いた迅速且つ確実な通信が可能である。よって、制御装置は、通信ネットワークを介した通信を用いて、多様な場所の多様なユーザの多様な操作端末と接続し、当該ユーザの操作に従ってロボットに動作させることができる。従って、操作者の判断が必要であるロボットの動作の操作が自動化され、それにより、操作可能な操作者の多様化が可能になる。
【0152】
本開示の一態様に係る制御装置では、前記状態情報を取得する処理において、前記第1プロセッサは、前記ワークが撮像された画像のデータである第1画像データを取得し、前記第1画像データを画像処理することによって前記状態情報を検出してもよい。上記態様によると、制御装置は、ワークに関する状態情報の検出から作業位置の候補の決定までの処理を自身で行うことができる。
【0153】
本開示の一態様に係る制御装置では、前記選択要求を前記操作端末に送信する処理において、前記第1プロセッサは、前記ワークが撮像された画像のデータである第1画像データを取得し、前記第1画像データを画像処理することによって、前記第1画像データの画像上で前記作業位置の候補を表す画像のデータである第2画像データを生成し、前記第2画像データを用いた前記選択要求を前記操作端末に送信してもよい。上記態様によると、制御装置は、ワークが撮像された画像上で作業位置の候補を示す画像を用いて選択位置の選択を要求することができる。
【0154】
本開示の一態様に係る制御装置において、前記第1プロセッサは、前記操作端末から前記選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従った前記ロボットの予定動作を検出することと、前記予定動作の情報を前記操作端末に送信し提示させることとをさらに実行してもよい。上記態様によると、制御装置は、選択位置に従ったロボットの予定動作をユーザに提示することができる。例えば、制御装置は、ユーザによる予定動作の許可後に当該予定動作をロボットに実行させてもよい。
【0155】
本開示の一態様に係る制御装置において、前記第1プロセッサは、前記操作端末による前記予定動作の変更を受け付け、変更された前記予定動作に従って前記ロボットに自動運転で動作させてもよい。上記態様によると、ユーザは、操作端末に提示される予定動作に変更を加え、変更後の予定動作をロボットに実行させることができる。例えば、ユーザは、予定動作においてロボットが周囲の物体と干渉することを確認すると、操作端末を用いて干渉を回避するように予定動作を変更することができる。この場合、ユーザは、例えば、選択位置を変更してもよく、予定動作でのロボットの動作経路を変更してもよい。確実で安全なロボットの動作が可能になる。
【0156】
本開示の一態様に係る制御装置は、第1記憶装置をさらに備え、前記第1記憶装置は、前記ワークの特徴及び前記ワークに設定されている前記所定作業に関する情報を含む第1属性情報を記憶し、前記第1プロセッサは、前記第1属性情報及び前記選択作業位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させてもよい。
【0157】
上記態様によると、制御装置は、ワークに適した動作をロボットに実行させることができる。例えば、第1属性情報がワークの弾性、塑性、靭性、脆性及び展延性等のワークの特徴を含む場合、制御装置は、第1属性情報に基づき、ロボットがワークを把持する動作での把持力を決定することができる。第1属性情報がワークの移動姿勢及び移動速度等の所定作業に関する情報を含む場合、制御装置は、第1属性情報に基づき、ロボットがワークを移動する動作でのワークの姿勢及び移動速度を決定することができる。
【0158】
本開示の一態様に係る制御装置において、前記第1プロセッサは、前記選択位置に対応する前記第1属性情報を前記操作端末に送信し提示させることをさらに実行し、前記第1プロセッサは、前記操作端末による前記第1属性情報の変更を受け付け、受け付けた変更内容に従って前記第1属性情報を変更し、変更された前記第1属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させてもよい。上記態様によると、制御装置は、操作端末のユーザの判断に従った第1属性情報に従ってロボットの動作を決定することができる。制御装置は、ロボットの動作制御に、選択位置以外のユーザの判断結果を反映することができる。
【0159】
本開示の一態様に係る制御装置において、前記第1属性情報は、前記ロボットが前記ワークに作用を加えることができる位置の情報を含み、前記作業位置の候補を決定する処理において、前記第1回路は、前記第1属性情報を用いて、前記作業位置の候補として、前記ロボットが前記ワークに作用を加える位置の候補を決定してもよい。上記態様によると、制御装置は、ワークに設定されている作用位置の候補の情報を第1属性情報として記憶する。よって、制御装置は、作業位置の候補を決定するための処理量を低く抑えることができる。
【0160】
本開示の一態様に係る制御装置は、第1記憶装置をさらに備え、前記第1記憶装置は、前記ワークの周辺環境の特徴及び前記周辺環境に設定されている前記所定作業に関する情報を含む第2属性情報を記憶し、前記第1プロセッサは、前記第2属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させてもよい。
【0161】
上記態様によると、制御装置は、周辺環境に適した動作をロボットに実行させることができる。例えば、第2属性情報が、周辺環境であるワークの移動先での配置面の弾性、塑性、靭性、脆性及び展延性等の周辺環境の特徴を含む場合、制御装置は、第2属性情報に基づき、ロボットがワークを配置面に配置する動作でのワークの速度及び加速度を決定することができる。第2属性情報が、ワークの移動先における複数の配置場所に対する配置順序及び配置方向等の所定作業に関する情報を含む場合、制御装置は、第2属性情報に基づき、ロボットがワークを配置する動作でのワークの配置順序及び配置方向を決定することができる。
【0162】
本開示の一態様に係る制御装置において、前記第1プロセッサは、前記選択位置に対応する前記第2属性情報を前記操作端末に送信し提示させることをさらに実行し、前記第1プロセッサは、前記操作端末による前記第2属性情報の変更を受け付け、受け付けた変更内容に従って前記第2属性情報を変更し、変更された前記第2属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させてもよい。上記態様によると、制御装置は、操作端末のユーザの判断に従った第2属性情報に従ってロボットの動作を決定することができる。制御装置は、ロボットの動作制御に、選択位置以外のユーザの判断結果を反映することができる。
【0163】
本開示の一態様に係る制御装置において、前記第2属性情報は、前記周辺環境に対する前記ワークの位置の情報を含み、前記作業位置の候補を決定する処理において、前記第1プロセッサは、前記第2属性情報を用いて、前記作業位置の候補として、前記周辺環境に対する前記ワークの位置の候補を決定してもよい。上記態様によると、制御装置は、周辺環境に設定されている周辺環境に対するワークの位置の候補の情報を第2属性情報として記憶する。よって、制御装置は、作業位置の候補を決定するための処理量を低く抑えることができる。
【0164】
本開示の一態様に係るロボットシステムは、本開示の一態様に係る制御装置と、前記制御装置によって制御される前記ロボットとを備える。上記態様によると、本開示の一態様に係る制御装置と同様の効果が得られる。
【0165】
本開示の一態様に係るロボットシステムは、前記制御装置と前記制御装置によって制御される前記ロボットとの複数の組み合わせを含む複数のロボットグループと、前記通信ネットワークにデータ通信可能に接続される仲介装置であって、複数の前記操作端末のうちの選択された前記操作端末と前記複数のロボットグループのうちの選択された前記ロボットグループの前記制御装置との接続を仲介する仲介装置とをさらに備えてもよい。
【0166】
上記態様によると、複数の操作端末のユーザのうちの任意のユーザが、複数のロボットグループのうちの任意のロボットグループのロボットに選択位置に従った動作をさせることができる。例えば、複数のユーザが交代しつつ1つのロボットグループのロボットを間接操作することが可能である。これにより、各ユーザの操作の負荷を軽減しつつ、ロボットの継続的な作業が可能である。例えば、複数のユーザのうちのロボット及び所定作業に適したユーザによるロボットの間接操作が可能である。
【0167】
本開示の一態様に係る学習装置は、第2プロセッサと第2記憶装置とを備え、前記第2記憶装置は、本開示の一態様に係る1つ以上の制御装置において取得された、前記状態情報と前記状態情報に対応する前記選択位置とを学習用データとして記憶し、前記状態情報に対応する前記選択位置は、前記状態情報に基づく前記作業位置の候補の中から選択された前記選択位置であり、前記第2プロセッサは、前記学習用データの前記状態情報を学習用入力データとし、前記状態情報に対応する前記学習用データの前記選択位置の情報を教師データとして、学習することと、ワークの状態を含む状態情報である入力状態情報を入力データとして受け付け、前記入力状態情報に対応する前記ワークに関する作業位置の候補の中の最適な前記作業位置の情報を出力データとして出力することとを実行する。
【0168】
上記態様によると、学習装置は、操作端末のユーザによる作業位置の選択結果、つまり、ユーザの判断結果を学習することができる。学習後の学習装置は、操作端末のユーザの代わりに、作業位置の候補の中で最適な作業位置を決定し出力することができる。よって、学習装置は、ユーザの判断が必要であるロボットの動作の操作をさらに自動化することができる。第2プロセッサ及び第2記憶装置はそれぞれ、第1プロセッサ及び第1記憶装置と別々であってもよく、一体化されていてもよい。
【0169】
本開示の一態様に係る学習装置は、第2プロセッサと第2記憶装置とを備え、前記第2記憶装置は、本開示の一態様に係る1つ以上の制御装置において取得された、前記状態情報と前記状態情報に対応する前記選択位置とを学習用データとして記憶し、前記状態情報に対応する前記選択位置は、前記状態情報に基づく前記作業位置の候補の中から選択された前記選択位置であり、前記第2プロセッサは、前記学習用データの前記状態情報を学習用入力データとし、前記状態情報に対応する前記学習用データの前記選択位置の情報を教師データとして、学習することと、ワークの状態を含む状態情報である入力状態情報を入力データとして受け付け、前記入力状態情報に対応する前記ワークに関する作業位置の候補の信頼度を出力データとして出力することと、前記信頼度に基づき、前記ワークに関する任意の位置から最適な前記作業位置を決定し、前記最適な作業位置の情報を出力することとを実行する。
【0170】
上記態様によると、学習装置は、操作端末のユーザによる作業位置の選択結果、つまり、ユーザの判断結果を学習することができる。学習後の学習装置は、操作端末のユーザの代わりに、任意の位置の中で作業位置に最適な位置を決定し出力することができる。よって、学習装置は、ユーザの判断が必要であるロボットの動作の操作をさらに自動化することができる。第2プロセッサ及び第2記憶装置はそれぞれ、第1プロセッサ及び第1記憶装置と別々であってもよく、一体化されていてもよい。
【0171】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成又はプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、又は手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラム又は構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、又はユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【0172】
上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0173】
機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、一部の機能を他のブロックに移す、又はこれらの2つ以上を組み合わせてもよい。類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0174】
本開示は、その本質的な特徴の精神から逸脱することなく、様々なかたちで実施され得るように、本開示の範囲は、明細書の記載よりも添付の請求項によって定義されるため、例示的な実施の形態及び変形例は、例示的なものであって限定的なものではない。請求項及びその範囲内にあるすべての変更、又は、請求項及びその範囲の均等物は、請求項によって包含されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと
前記ロボットと通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末とを含み、
前記ロボットは、
前記所定作業の実行中、作業対象であるワークの状態を含む状態情報を取得し、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定し、
前記ワークが撮像された画像のデータである第1画像データを取得し、
前記第1画像データを画像処理することによって、前記第1画像データの画像上で前記作業位置の候補を表す画像のデータである第2画像データを生成し、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する、前記第2画像データを用いた選択要求を、前記操作端末に送信するようにさらに構成され
前記操作端末は、
前記ロボットから前記選択要求を受信すると、前記選択要求を前記操作端末のユーザに表示し、
前記操作端末のユーザから、選択された前記作業位置である選択位置を指定する指令を受け付けると、前記選択位置の情報を前記ロボットに送信するように構成され、
前記ロボットは、前記操作端末から前記選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従って自動運転で動作するようにさらに構成される
ロボット操作システム
【請求項2】
自動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと、
前記ロボットと通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末とを含み、
前記ロボットは、
前記所定作業の実行中、作業対象であるワークの状態を含む状態情報を取得し、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定し、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、前記操作端末に送信するように構成され、
前記操作端末は、
前記ロボットから前記選択要求を受信すると、前記選択要求を前記操作端末のユーザに提示し、
前記操作端末のユーザから、選択された前記作業位置である選択位置を指定する指令を受け付けると、前記選択位置の情報を前記ロボットに送信するように構成され、
前記ロボットは、
前記操作端末から前記選択位置の情報を受信すると、前記選択位置に従った前記ロボットの予定動作を検出
前記予定動作の情報を前記操作端末に送信するようにさらに構成され、
前記操作端末は、前記ロボットから前記予定動作の情報を受信すると、前記予定動作の情報を前記操作端末のユーザに提示するようにさらに構成される
ロボット操作システム
【請求項3】
自動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと、
前記ロボットと通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末とを含み、
前記ロボットは、
作業対象であるワークの特徴及び前記ワークに設定されている前記所定作業に関する情報を含む第1属性情報を保持しており
前記所定作業の実行中、前記ワークの状態を含む状態情報を取得し、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定し、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、前記操作端末に送信するように構成され、
前記操作端末は、
前記ロボットから前記選択要求を受信すると、前記選択要求を前記操作端末のユーザに提示し、
前記操作端末のユーザから、選択された前記作業位置である選択位置を指定する指令を受け付けると、前記選択位置の情報を前記ロボットに送信するように構成され、
前記ロボットは、前記操作端末から前記選択位置の情報を受信すると、前記第1属性情報及び前記選択位置に従って自動運転で動作するようにさらに構成される
ロボット操作システム
【請求項4】
自動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと、
前記ロボットと通信ネットワークを介してデータ通信可能に接続される操作端末とを含み、
前記ロボットは、
作業対象であるワークの周辺環境の特徴及び前記周辺環境に設定されている前記所定作業に関する情報を含む第2属性情報を保持しており
前記所定作業の実行中、前記ワークの状態を含む状態情報を取得し、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定し、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、前記操作端末に送信するように構成され、
前記操作端末は、
前記ロボットから前記選択要求を受信すると、前記選択要求を前記操作端末のユーザに提示し、
前記操作端末のユーザから、選択された前記作業位置である選択位置を指定する指令を受け付けると、前記選択位置の情報を前記ロボットに送信するように構成され、
前記ロボットは、前記操作端末から前記選択位置の情報を受信すると、前記第2属性情報及び前記選択位置に従って自動運転で動作するようにさらに構成される
ロボット操作システム
【請求項5】
自動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと、操作端末とを含むシステムにおける情報処理方法であって、
前記ロボットによる前記所定作業の実行中、作業対象であるワークの状態を含む状態情報を取得することと、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、
前記ワークが撮像された画像のデータである第1画像データを取得することと、
前記第1画像データを画像処理することによって、前記第1画像データの画像上で前記作業位置の候補を表す画像のデータである第2画像データを生成することと、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する、前記第2画像データを用いた選択要求を、前記操作端末に与えることと、
前記操作端末において、前記選択要求を前記操作端末のユーザに表示することと、
前記操作端末のユーザから前記操作端末が受け付けた、選択された前記作業位置である選択位置の情報を、前記操作端末から取得することと、
前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを含む
情報処理方法
【請求項6】
自動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと、操作端末とを含むシステムにおける情報処理方法であって、
前記ロボットによる前記所定作業の実行中、作業対象であるワークの状態を含む状態情報を取得することと、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、前記操作端末に与えることと、
前記操作端末において、前記選択要求を前記操作端末のユーザに提示することと、
前記操作端末のユーザから前記操作端末が受け付けた、選択された前記作業位置である選択位置の情報を、前記操作端末から取得することと、
前記選択位置に従った前記ロボットの予定動作を検出することと、
前記予定動作の情報を前記操作端末に与え提示させることと、
前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを含む
情報処理方法
【請求項7】
自動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと、操作端末とを含むシステムにおける情報処理方法であって、
作業対象であるワークの特徴及び前記ワークに設定されている前記所定作業に関する情報を含む第1属性情報を取得することと、
前記ロボットによる前記所定作業の実行中、前記ワークの状態を含む状態情報を取得することと、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、前記操作端末に与えることと、
前記操作端末において、前記選択要求を前記操作端末のユーザに提示することと、
前記操作端末のユーザから前記操作端末が受け付けた、選択された前記作業位置である選択位置の情報を、前記操作端末から取得することと、
前記第1属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを含む
情報処理方法
【請求項8】
自動運転で所定作業を実行するように構成されるロボットと、操作端末とを含むシステムにおける情報処理方法であって、
作業対象であるワークの周辺環境の特徴及び前記周辺環境に設定されている前記所定作業に関する情報を含む第2属性情報を取得することと、
前記ロボットによる前記所定作業の実行中、前記ワークの状態を含む状態情報を取得することと、
前記状態情報に基づき、前記ワークに関する作業位置の候補を決定することと、
前記作業位置の候補の中から前記作業位置を選択することを要求する選択要求を、前記操作端末に与えることと、
前記操作端末において、前記選択要求を前記操作端末のユーザに提示することと、
前記操作端末のユーザから前記操作端末が受け付けた、選択された前記作業位置である選択位置の情報を、前記操作端末から取得することと、
前記第2属性情報及び前記選択位置に従って前記ロボットに自動運転で動作させることとを含む
情報処理方法。