IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジャイラス エーシーエムアイ インクの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102092
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】可変ピッチ可撓性ニードル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A61M25/00 632
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064228
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2019041420の分割
【原出願日】2019-03-07
(31)【優先権主張番号】15/916,226
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・アール・ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-マーティン・ベラールジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・ティー・パンゼンベック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善された可撓性管アセンブリ、可撓性ニードルアセンブリ、システム、可撓性管を製造する方法、及び可撓性ニードルを製造する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】開示される実施形態は、可撓性管アセンブリ100、可撓性ニードルアセンブリ、システム、可撓性管102を製造する方法、及び可撓性ニードルを製造する方法を含む。非限定的な例示的実施形態では、可撓性管アセンブリは、近位歪み緩和部を有する近位端部104及び遠位歪み緩和部を有する遠位端部108を有する可撓性管であって、近位歪み緩和部106は、近位端部と遠位歪み緩和部110との間に位置しており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と近位歪み緩和部との間に位置している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端部と遠位端部との間に延在する可撓性管を備え、
前記可撓性管は、
前記可撓性管の前記近位端部に向かう第1の近位点と前記遠位端部に向かう第1の遠位点との間に延在する近位歪み緩和部であって、前記近位歪み緩和部は連続可変ピッチを有する連続した近位スパイラルカットを有する、近位歪み緩和部と、
前記第1の遠位点と前記遠位端部に向かう第2の遠位点との間に延在する遠位歪み緩和部であって、前記遠位歪み緩和部は一定のピッチを有する連続した遠位スパイラルカットを有する、遠位歪み緩和部と、
を備える、
装置。
【請求項2】
前記近位歪み緩和部の連続可変ピッチは、前記第1の近位点における第1のピッチから前記第1の遠位点における第2のピッチへと減少する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遠位歪み緩和部の一定のピッチは、前記第1の遠位点における前記第2のピッチと同じである、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記遠位端部に向かう前記第2の遠位点から延在する第3の歪み緩和部を更に備え、
前記第3の歪み緩和部は、前記第2の遠位点から第3の遠位点に延在する第3のスパイラルカットを備える
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第3のスパイラルカットは、第2の連続可変ピッチを有する第2の遠位スパイラルカットを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第3の歪み緩和部の前記第2の連続可変ピッチは、前記第2の遠位点における第2のピッチから、前記第3の遠位点における第3のピッチへと増加する、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記遠位端部が、組織を貫通するよう構成されている先端を画定する、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記近位スパイラルカットと前記遠位スパイラルカットとを備える前記可撓性管の少なくとも前記一部の外側表面の上に気密的に配設されている管類を更に備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記管類が熱収縮管を含む、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
近位端部と遠位端部との間に延在する可撓性管を備え、
前記可撓性管は、
前記可撓性管の前記近位端部に向かう第1の近位点と前記遠位端部に向かう第1の中間点との間に延在する近位歪み緩和部であって、前記近位歪み緩和部は第1の連続可変ピッチを有する連続した近位スパイラルカットを有する、近位歪み緩和部と、
前記第1の中間点と前記遠位端部に向かう第2の中間点との間に延在する中間歪み緩和部であって、前記中間歪み緩和部は一定のピッチを有する中間スパイラルカットを有する、中間歪み緩和部と、
前記第2の中間点と前記遠位端部に向かう間に延在する遠位歪み緩和部であって、前記遠位歪み緩和部は、前記第2の中間点から遠位点まで延在する遠位スパイラルカットであって、前記遠位スパイラルカットは第2の連続可変ピッチを有する、遠位歪み緩和部と、
を備える、
装置。
【請求項11】
前記近位歪み緩和部の前記第1の連続可変ピッチは、前記第1の近位点における第1のピッチから前記第1の中間点における第2のピッチへと減少する、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記遠位歪み緩和部の一定のピッチは、前記第1の中間点における前記第2のピッチと同じである、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の連続可変ピッチは、前記第2の中間点における前記第2のピッチから、前記第3の遠位点における第3のピッチへと増加する、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記遠位端部が、組織を貫通するよう構成されている先端を画定する、
請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記近位スパイラルカットと、前記中間スパイラルカットと、前記遠位スパイラルカットとを備える前記可撓性管の少なくとも前記一部の外側表面の上に気密的に配設されている管類を更に備える、
請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記管類が熱収縮管を含む、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
近位端部と遠位端部との間に延在する可撓性管を備え、
前記可撓性管は、
前記可撓性管の前記近位端部に向かう第1の近位点と前記遠位端部に向かう第1の遠位点との間に延在する近位歪み緩和部であって、前記近位歪み緩和部は連続可変ピッチを有する連続した近位スパイラルカットを有する、近位歪み緩和部と、
前記第1の遠位点と前記遠位端部に向かう第2の遠位点との間に延在する遠位歪み緩和部であって、前記遠位歪み緩和部は一定のピッチを有する連続した遠位スパイラルカットを有する、遠位歪み緩和部と、
組織を貫通するよう構成されている先端と、
前記近位スパイラルカットと前記遠位スパイラルカットとを備える前記可撓性管の少なくとも前記一部の外側表面の上に気密的に配設されている管類と、
を備える
装置。
【請求項18】
前記近位歪み緩和部の連続可変ピッチは、前記第1の近位点における第1のピッチから前記第1の遠位点における第2のピッチへと減少する、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記遠位歪み緩和部の一定のピッチは、前記第1の遠位点における前記第2のピッチと同じである、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記管類が熱収縮管を含む、
請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願] 本出願において開示されている主題は、それらの全内容がこの参照により本明細書に組み込まれている、「Lung Biopsy Needle」と題する、2013年2月26日に出願され、米国特許出願公開第2013/0225997号として2013年8月29日公開された、米国特許出願第13/778,049号に開示されている主題に関する。
【0002】
開示される実施形態は、組織を生検するため、及び/又は目的領域に、流体、医薬若しくは他の物質を送達するための可撓性ニードルに関する。
【背景技術】
【0003】
この項目における記述は、単に本開示に関する背景情報を提供するだけのものであり、先行技術を構成しない場合もある。
【0004】
潜在的ながん性組織の早期診断は、がん組織が早く処置され得るほど、患者の生存機会が高まるので、がんの処置における重要な段階である。典型的な診断的手技は、目的部位における組織の生検を含む。肺の場合、肺がんは、目的領域近辺の気道に接近するのが困難であるため、診断が難しいものとなり得る。目的領域は、5~25mm間のサイズの範囲となり得る、肺中の小組織塊である肺結節として存在することがある。この組織塊には、通常、その中の組織ががん性であるか、又はそうでない場合、罹患しているかどうかを確定するために生検が行われる。
【0005】
既存のシステムは、通常、肺結節に接近することが難しく、とりわけより大きいカテーテル及び生検用装置を受け入れるには狭すぎることがあり得る、より小さな末梢気道で制約を受ける。更に、生検用のニードルは、通常まっすぐであり、比較的非可撓性である。したがって、生検用のニードルは、気管支鏡の関節接合を制限するおそれがあるか、又は気管支鏡が狭い角の周辺に関節接合されていると、気管支鏡の作業チャネルを通過するのが困難になり得る。一部の例では、ニードルの材料は、非弾性的に折れることがあり、これにより、制御するのが困難なニードルの曲がりが生じるおそれがある。更に、まっすぐな生検用のニードルは、ニードルの往復サイクルを通じて、ニードルの軸に沿って試料を得る。したがって、例えば単一の結節のさまざまな領域から複数の試料を得ることは困難となり得、例えば気管支鏡又はガイドシースの再位置決めが繰り返し必要となるおそれがある。
【0006】
従来の可撓性ニードル技術は、より大きな内視鏡角度を可能とすることを手助けすることによって、リンパ節などの目的領域に良好に接近する一助となり得る。ニードルの可撓性は、通常、その遠位端部におけるニードルの長さに沿って、ニードルの壁をレーザーカットした、スパイラル穴を介してもたらされる。可撓性ニードルのレーザーカット部は、通常、熱収縮材料の薄膜によって覆われており、ニードル壁全体のニードルの内側とニードルの外側間の開口経路の生成(これ以降、「シャント」と称する)を防止し、ニードルの先端からその全体の長さにわたり、真空により組織の吸引を可能にする。
【0007】
熱収縮材料は、柔軟性の向上により高いニードル角形成を実現しながら、圧縮又は引張応力下にあることができる。このような応力は、シャントの生成の回避及び適切な被覆を確実とするために、熱収縮がレーザーカット部を通過する必要がやはりあるので、レーザーカット部が終了してニードル管が可撓性ではない(すなわち、中実である)、両方の端部において最大となる。レーザーカットが終了する場所の高い応力は、熱収縮の裂け又は割れをもたらす可能性があり、これによりシャントを生成する一助となり、真空の喪失を至らしめる一助となり、その結果ニードルが組織を吸引する能力に悪影響を及ぼすおそれ
がある。
【発明の概要】
【0008】
開示される実施形態は、可撓性管アセンブリ、可撓性ニードルアセンブリ、システム、可撓性管を製造する方法、及び可撓性ニードルを製造する方法を含む。
【0009】
非限定的な例示的実施形態では、可撓性管アセンブリは、近位歪み緩和部を有する近位端部及び遠位歪み緩和部を有する遠位端部を有する可撓性管であって、近位歪み緩和部は、近位端部と遠位歪み緩和部との間に位置しており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と近位歪み緩和部との間に位置しており、遠位端部は、中に開口部を画定し、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、中に連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する可撓性管と、可撓性管の外側表面の上に気密的に配設されている管類であって、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、連続可変ピッチを有するスパイラルカットを中に画定する管類とを含む。
【0010】
別の非限定的な例示的実施形態では、可撓性ニードルアセンブリは、近位歪み緩和部を有する近位端部、遠位歪み緩和部を有する遠位端部、及び近位端部と遠位端部の中間に配設されている中間部分を有する可撓性ニードルであって、近位歪み緩和部は、近位端部と中間部分との間に位置しており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と中間部分との間に位置しており、遠位端部は、組織を貫通するよう構成されている先端を画定し、近位歪み緩和部は、中に、第1のピッチ値から、第1のピッチ値よりも大きな第2のピッチ値まで変わる連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定し、中間部分は、第2のピッチ値と実質的に一定なピッチを有するスパイラルカットを中に画定し、遠位歪み緩和部は、中に、第2のピッチ値から、第2のピッチ値よりも大きな第3のピッチ値まで変わる連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する、可撓性ニードルと、近位端部から遠位端部まで可撓性ニードルの外側表面の上に気密的に配設されている管類とを含む。
【0011】
非限定的な別の例示的実施形態では、システムは、シースと、近位歪み緩和部を有する近位端部及び遠位歪み緩和部を有する遠位端部を有する可撓性管を含む、シースに配設されている可撓性管アセンブリであって、近位歪み緩和部は、近位端部と遠位歪み緩和部との間に位置しており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と近位歪み緩和部との間に位置しており、遠位端部は、中に開口部を画定し、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、中に連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する可撓性管アセンブリと、可撓性管の外側表面の上に気密的に配設されている管類であって、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、中に連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する管類と、可撓性管に操作可能に連結されている医療装置とを含む。
【0012】
非限定的な別の例示的実施形態では、可撓性管アセンブリを製造する方法は、近位歪み緩和部を有する近位端部及び遠位歪み緩和部を有する遠位端部を有する可撓性管を設ける工程であって、近位歪み緩和部は、近位端部と遠位歪み緩和部との間に位置しており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と近位歪み緩和部との間に位置しており、遠位端部が中に開口部を画定する、工程と、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部において、連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する工程と、可撓性管の外側表面の上に管類を気密的に配設する工程であって、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部の少なくとも1つのうち少なくとも一部が、中に、連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する工程とを含む。
【0013】
別の非限定的な例示的実施形態では、可撓性ニードルアセンブリを製造する方法は、近位歪み緩和部を有する近位端部及び遠位歪み緩和部を有する遠位端部、及び近位端部と遠位端部の中間に配設されている中間部分を有する可撓性ニードルを設ける工程であって、近位歪み緩和部は、近位端部と中間部分との間に位置しており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と中間部分との間に位置しており、遠位端部が、組織を貫通するよう構成されている先端を画定する工程と近位歪み緩和部に、第1のピッチ値から、第1のピッチ値よりも大きな第2のピッチ値まで変わる連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する工程と、中間部分に、第2のピッチ値を有する実質的に一定のピッチを有するスパイラルカットを画定する工程と、遠位歪み緩和部に、第2のピッチ値から、第2のピッチ値よりも大きな第3のピッチ値まで変わる連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する工程と、近位端部から遠位端部まで可撓性ニードルの外側表面の上に気密的に管類を配設する工程とを含む。
【0014】
更なる特徴、利点及び適用領域は、本明細書において提供される説明から明らかになるであろう。説明及び具体例は、単なる例示目的のために意図されており、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。
【0015】
本明細書に説明される図面は、単に例示目的のためであり、決して本開示の範囲を制限することは意図されない。図面における構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、開示された実施形態の原理を例示することに重点を置いている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】例示的な可撓性管アセンブリの部分概略形態における斜視図である。
図2A】可撓性管アセンブリの実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図2B】可撓性管アセンブリの別の実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図2C】可撓性管アセンブリの別の実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図2D】可撓性管アセンブリの別の実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図3A】可撓性管アセンブリの別の実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図3B】可撓性管アセンブリの別の実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図4】可撓性ニードルアセンブリとして構成された、可撓性管アセンブリの別の実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図5】可撓性ニードルアセンブリの実施形態の部分概略形態及び一部を切り取った、側平面図である。
図6A】可撓性管アセンブリを製造する例示的方法のフロー図である。
図6B図6Aのフロー図の詳細を例示している。
図7A】可撓性ニードルアセンブリを製造する例示的方法のフロー図である。
図7B図7Aのフロー図の詳細を例示している。
図8】本明細書に記載されている可撓性ニードルアセンブリの実施形態を操作及び制御するために使用することができる、ハンドルの例示である。
図9図1の可撓性管アセンブリを含むシステムの部分概略形態における斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の説明は、本質的に単に例示的なものであり、本開示、適用、又は使用を限定することは意図されない。
【0018】
これより、可撓性管アセンブリ、可撓性ニードルアセンブリ、並びに経気管支ニードル吸引システム、並びにその関連構成要素及び部分のさまざまな実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。本明細書において提示されている説明において使用されている専門用語は、決して限定的又は制限的に解釈されることを意図するものではない。むしろ、専門用語は、アセンブリ、システム、方法及び関連構成要素の実施形態の詳細な説明に連携して、単に使用されているに過ぎない。更に、実施形態は、いくつかの新規な特徴を含むことができ、これらの特徴の単一のものが、その所望の特性を単に担っている訳ではなく、又は本明細書において記載されている開示された実施形態の実施に必須であると考えられる訳ではない。例えば、「肺」、「気道」、「結節」などの用語により本明細書に記載されている実施形態の使用に対する言及が、本明細書においてなされていることがあるが、これらの用語は幅広く、かつ記載されている実施形態は、非限定的に使用されてもよく、特に示さないかぎり、ヒト及び動物において存在している他の血管、経路、管腔、体腔、組織及び器官に接近するために使用することができる。例えば、胃腸管系(すなわち腸)のようなものなどの管腔には、本明細書に記載されている実施形態により接近することができる。
【0019】
概略によって鑑み、図1を参照すると、可撓性管アセンブリ100の例示的な非限定的実施形態が示されている。本明細書において議論されているとおり、この可撓性管アセンブリ100の実施形態及び本明細書に記載されている他の実施形態は、目的領域(例えば、肺結節、リンパ節)を探し、ここにナビゲートし及びこれを生検するために、並びに/又は流体、医薬若しくは他の物質を目的領域に送達するための既存のシステム及び方法に連携して使用することができる。可撓性管アセンブリ100が可撓性ニードルとして具体化される実施形態の使用により、既存のシステムに比べて、かなり広い領域及びより範囲の広い角度にわたり、組織及び細胞を生検することが可能になり、ある種の実施形態により、解剖学的構造の入り組んだ領域に接近するよう、気管支鏡又は内視鏡のより大きな関節接合を可能にする。したがって、このような実施形態の使用は、試料品質の向上、診断的成果(yield)の向上、及び誤診結果(すなわち、偽陽性又は偽陰性)の低減を実現することができる。気管支鏡が本明細書において言及されているが、他の内視鏡が使用可能となり得る(胃の内視鏡及び大腸内視鏡など)ことに留意される。したがって、本明細書に記載されている実施形態を使用して、他の管腔が探索され得、これにナビゲートされ得、及び生検され得る。
【0020】
更に概略によって、及び更に図1を参照すると、可撓性管アセンブリ100の非限定的な例示的実施形態では、可撓性管102は、近位歪み緩和部106を有する近位端部104、及び遠位歪み緩和部110を有する遠位端部108を有する。近位歪み緩和部106は、近位端部104と遠位歪み緩和部110との間に位置しており、遠位歪み緩和部110は、遠位端部108と近位歪み緩和部106との間に位置している。遠位端部108は、中に開口部112を画定する。少なくとも、近位歪み緩和部106及び/又は遠位歪み緩和部110の一部は、中に、連続可変ピッチを有するスパイラルカット(図1には図示されていない)を画定する。管類114は、中に連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部から、可撓性管102の外側表面の上に気密的に配設されている。
【0021】
ここでは、概略が提示されており、詳細は、非限定例によって、制限なく、以下に示されている。
【0022】
更に図1を参照すると、管102は、任意の好適な材料から作製され得、所望の場合、特定の用途に対して任意のサイズを有することができる。非限定例によって鑑みると、管102は、金属、又はAmerican Iron and Steel Institute(「AISI」)のタイプ304ステンレス鋼のようなステンレス鋼、他のステンレス鋼などの金属合金、プラスチック、ニチノールから作製され得る。同様に、非限定例によって、管102は、ハイポチューブから作製されてもよい。このような実施形態では、管102は、特定の用途のサイズ及び可撓性の制約に応じて、19ゲージハイポチューブ、20ゲージハイポチューブ、21ゲージハイポチューブ、22ゲージハイポチューブ、25ゲージハイポチューブ、27ゲージハイポチューブなどとすることができる。このような実施形態では、ハイポチューブは、少なくとも近位部分に沿って、比較的に円滑となるよう構成されているのが好適であり、こうして、例えば非限定的であるが、管腔カテーテルなどの装置に導入すると、ハイポチューブは比較的自由に、スライド、回転、又はそうでない場合、管腔に沿って移動することができる。
【0023】
更に、図1を参照すると、さまざまな実施形態では、管類114は、熱収縮管を含む。このような実施形態では、熱収縮管類114は、中に連続可変ピッチを有するスパイラルカットを画定する、近位歪み緩和部106及び/又は遠位歪み緩和部110のうちの少なくとも一部から、可撓性管102の外側表面の上に気密的に配設されている。すなわち、このような実施形態では、熱収縮管類114は、画定されているところはどこでもスパイラルカット全体を覆っており、熱収縮管類114は、スパイラルカットの端部を過ぎて延在している。したがって、熱収縮管類114は、シャントの生成を防止する一助となり得、可撓性管アセンブリ100の全体の長さを通して、ニードル先端から真空により組織の吸引を可能にする一助となり得(可撓性管アセンブリ100が可撓性ニードルアセンブリである実施形態の場合)、並びに一部の他の実施形態では、可撓性管アセンブリ100の全体の長さを通して、目的領域に対して、流体、医薬又は他の物質の輸送、及び開口部112からのそれらの送達の一助にもなり得る。熱収縮管類114はまた、可撓性管102が電極として機能する実施形態では、電気絶縁体として作用することもできる。
【0024】
可撓性管102の可撓性は、所望の場合、特定の用途向けに調節されてもよいことが理解されよう。可撓性は、例えば可撓性管102の壁の厚さ、中に使用されている材料、並びにスパイラルカットにおけるライン間の間隔、ピッチ及び角度を修正することにより変更することができる。一部の実施形態では、スパイラルカットにおけるラインは、約0.0010~約0.0025インチの間、及び好適には約0.0015~約0.0020インチの間の範囲の厚さでカットされる。スパイラルカットは、所与の用途にとって望ましい可撓性をもたらすために好適な、任意のピッチ値を有することができることが理解されよう。ピッチ値が高い方が、ピッチ値が低い方より管102は可撓性に乏しくなり、ピッチ値が低い方が、ピッチ値が高い方より管102は可撓性が高くなる。一部の実施形態では、スパイラルカットの部分は、0.120又は0.150もの高いピッチ値を有してもよく、一部の実施形態では、スパイラルカットの部分は、所望の場合、特定の用途に対して、0.040、0.060又は0.080もの低いピッチ値を有してよい。
【0025】
可撓性管アセンブリ100のいくつかの実施形態は、所望の場合、さまざまな用途に好適となり得ることが理解されよう。非限定例によって鑑みて、図2A~2Dを参照すると、一部の実施形態では、可撓性は、可撓性管アセンブリ100の一部分でしか望ましいものとなり得ない。これらの実施形態のいくつかでは、スパイラルカット116は、可撓性が望ましい場合に応じて、近位歪み緩和部106(図2A及び2B)又は遠位歪み緩和部110(図2C及び2D)でしか画定され得ない。これらの実施形態の一部では、スパイラルカット116のピッチ値は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、連続的に低下し得る(図2A及び2C)。このような実施形態では、スパイラルカット116におけるラインは、連続的に接近し、管102は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、一層、可撓性になる。これらの実施形態の他の一部では、スパイラルカット116のピッチ値は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、連続的に増大し得る(図2B及び2D)。このような実施形態では、スパイラルカット116におけるラインは、連続的に遠く離れていき、管102は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、一層、可撓性に乏しくなる。
【0026】
一部の他の実施形態では、可撓性は、可撓性管アセンブリ100の1つ超の部分において望ましいものとなり得る。このような実施形態では、スパイラルカット116は、近位歪み緩和部106と遠位歪み緩和部110の両方において画定され得る。これらの実施形態の一部において、図3A及び図3Bをここから参照すると、近位歪み緩和部106及び遠位歪み緩和部110は隣接している。これらの実施形態では、近位歪み緩和部106は、近位端部104に隣接するピッチ値PV1から、近位端部104及び遠位端部108の中間位置における、ピッチ値PV1とは異なるピッチ値PV2まで連続的に変わる連続可変ピッチを有するスパイラルカット116を中に画定する。同様に、遠位歪み緩和部110は、近位端部104と遠位端部108との中間位置におけるピッチ値PV2から、ピッチ値PV2とは異なるピッチ値まで連続的に変わる、連続可変ピッチを有するスパイラルカット116を中に画定する。
【0027】
図3Aに示されているとおり、このような1つの実施形態では、ピッチ値PV1は、ピッチ値PV2より大きく、ピッチ値PV3は、ピッチ値PV2よりも小さい。すなわち、スパイラルカット116のピッチ値は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、連続的に低下する。スパイラルカット116におけるラインは、互いに連続的に接近し、管102は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、一層可撓性となり、管102は、遠位端部108の近傍のスパイラルカット116の端部において、最も可撓性となる。
【0028】
図3Bに示されているとおり、このような別の実施形態では、ピッチ値PV1は、ピッチ値PV2より大きく、ピッチ値PV3は、ピッチ値PV2よりも大きい。すなわち、スパイラルカット116のピッチ値は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に、近位端部104と遠位端部108の中間位置に向かって移動するにつれて、連続的に低下する。スパイラルカット116のピッチ値は、スパイラルカット116が、近位端部104から遠位端部108の方向に、近位端部104と遠位端部108の中間位置から移動するにつれて、連続的に増加する。スパイラルカット116のラインは、近位端部104と遠位端部108との中間位置において互いに最も接近し、管102は、近位端部104と遠位端部108との中間位置において、最も可撓性がある。
【0029】
更に図4を参照すると、一部の実施形態では、可撓性管102は、近位端部104と遠位端部108との中間に配設されている中間部分118を有する。一部のこのような実施形態では、中間部分118は、ピッチ値PV2を有する実質的に一定のピッチを有するスパイラルカットを中に画定する。一部の実施形態では、ピッチ値PV1は、ピッチ値PV2より大きく、ピッチ値PV3は、ピッチ値PV2よりも大きい。すなわち、スパイラルカット116のピッチ値は、スパイラルカット116が、中間部分118に向かって、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、連続的に低下する。スパイラルカット116のピッチ値は、スパイラルカット116が、中間部分118から、近位端部104から遠位端部108の方向に移動するにつれて、連続的に増加する。スパイラルカット116のラインは、中間部分118では互いに最も接近しており、管102は、中間部分118では最も可撓性である。
【0030】
一部の実施形態では、遠位端部108は、組織を貫通するよう構成されている鋭い先端120を画定する。このような実施形態では、可撓性管アセンブリ100は、可撓性ニードルとして、好適に構成されている。一部の実施形態では、可撓性管アセンブリ100(この場合、可撓性ニードルとして構成されている)は、気管支鏡又は内視鏡に連結され得る。公知のとおり、気管支鏡又は内視鏡の駆動部分は、それらの用途において、最も可撓性であることを伴う。気管支鏡又は内視鏡の駆動部分内に中間部分118を配置することによって、可撓性管アセンブリ100(可撓性ニードルとして構成されている)は、気管支鏡又は内視鏡の可撓性に寄与する一助となり得る。したがって、可撓性管アセンブリ100(可撓性ニードルとして構成されている)は、気管支鏡又は内視鏡が、リンパ節などの、到達するのが困難となり得る目的領域に到達する能力、及びこの領域から組織を吸引する能力に寄与する一助となり得る。
【0031】
したがって、近位歪み緩和部106の長さ、遠位歪み緩和部110の長さ、近位歪み緩和部106におけるスパイラルカット116のピッチ値、及び遠位歪み緩和部110におけるスパイラルカット116のピッチ値は、所望に応じて、特定の用途の可撓性が選択され得ることが理解されよう。
【0032】
更に図5を参照すると、例示的な可撓性ニードルアセンブリ500は、図4において示されている、及び上記の可撓性管アセンブリ100(可撓性ニードルとして構成されている)の可撓性ニードルの用途の代表例である。同様の参照番号によって表示されているとおり、上で説明された構成要素の詳細は、開示されている主題を理解するために繰り返される必要はない。
【0033】
可撓性ニードルアセンブリ500の非限定的な例示的実施例では、可撓性ニードル102(すなわち、上記の可撓性管102のニードル用途)は、近位歪み緩和部106を有する近位端部104、遠位歪み緩和部110を有する遠位端部108、及び近位端部104と遠位端部108との間の中間に配設されている中間部分118を有する。近位歪み緩和部106は、近位端部104と中間部分118との間に位置しており、遠位歪み緩和部110は、遠位端部108と中間部分118の間に位置している。遠位端部108は、組織を貫通するよう構成されている鋭い先端120を画定する。近位歪み緩和部106は、中に、ピッチ値PV1から、ピッチ値PV1より大きなピッチ値PV2まで変わる、連続可変ピッチを有するスパイラルカット116を画定する。中間部分118は、ピッチ値PV2を有する実質的に一定のピッチを有するスパイラルカット116を中に画定する。遠位歪み緩和部110は、ピッチ値PV2から、ピッチ値PV2より大きなピッチ値PV3まで変わる、連続可変ピッチを有するスパイラルカット116を中に画定する。管類114は、近位端部104から遠位端部108まで、可撓性ニードル102の外側表面の上に気密的に配設されている。さまざまな実施形態では、管類114は熱収縮管を含む。
【0034】
一部の実施形態では、可撓性ニードルアセンブリ500は、末梢気道に進めることができ、肺実質内へと容易に侵入することができる。一部の実施形態では、可撓性ニードルアセンブリ500は、少なくとも15mmの深さで、組織を貫通することができる。さまざまな実施形態では、可撓性ニードルアセンブリ500は、最大で約40mmの深さまで組織を貫通することができることが理解されよう。一部の実施形態では、可撓性ニードルアセンブリ500の遠位端部108は、関節接合することができ、こうして一層近位の部分に対して、90度を超えて屈曲することができる。一部の実施形態では、及び気管支鏡の作業チャネルに挿入するとき(Olympus製のBF-Pl80(商標)気管支鏡など)、可撓性ニードルアセンブリ500は、鋭い先端120が、気管支鏡の端部とぴったり重なると、少なくとも130度関節接合することができる。その比較的低いプロファイル構築のため、可撓性ニードルアセンブリ500の実施形態は、2.0mmもの小さな、又はこれよりも小さな作業用チャネル(気管支鏡のものなど)に取り付けるよう、カテーテル又はガイドシースと連携して小型化することができる。例えば、可撓性ニードルアセンブリ500のある種の実施形態は、1.7mmという最小内径を有する小型ガイドシースと共に使用することができる。
【0035】
可撓性ニードル102は、望ましくは可撓性であり、こうして、可撓性ニードル102が連結しているスコープ(気管支鏡又は内視鏡など)は、目的領域から組織を吸引するのに十分に大きな角度を実現することができることが理解されよう。非限定例によって鑑みると、リンパ節からの組織のサンプリングは、気管支鏡において、約90度屈曲することを伴う。可撓性ニードル102は、上で議論した可撓性を伴うが、可撓性ニードル102はまた、軸方向に押し出し、十分な力を伝送するのに十分なカラム強度を伴い、その結果、可撓性ニードル102は、組織を押し出すことができる。
【0036】
本明細書に記載されている実施形態は、超音波システム、ナビゲーションシステムなどの、任意の好適な可視化装置と共に使用されてもよい。可撓性ニードルアセンブリ500が、まっすぐな非可撓性ニードルよりも大きな程度に、かつ気管支鏡又は内視鏡が同時に有することができる角度又は関節接合から独立して、関節接合、屈曲、及び/又は曲がることができるので、可撓性ニードルアセンブリ500の使用によって、肺又は他の組織における目的領域への接近は、より容易かつ一層単純になり得る。これにより、例えば、気管支鏡から垂直に近い角度で組織を生検することが可能となる。更に、可撓性ニードルアセンブリ500は、鋭い先端120と、任意の保護ガイドシース又はカテーテルの遠位端部との間の領域で屈曲することができる。言い換えると、可撓性ニードルアセンブリ500が可撓性であると、気管支鏡の作業用チャネルに穴を開ける可能性を低減する。可撓性の増大はまた、例えば、非限定的であるが、気管支鏡の作業用チャネルからのナビゲーション中に、可撓性ニードルアセンブリ500の遠位端部108によって実行される半径方向の力を低減する。
【0037】
超音波は、超音波が比較的深い貫通深さ(少なくとも40mm)となるため、可視化に好適なシステムであることが見いだされているが、他のシステムも使用することができる。一部の構成では、所望の場合、らせん型超音波プローブを使用して、単一平面だけではなくすべての方向の可視化を実現する超音波プローブよりも、可視化の改善をもたらすことができる。肺結節及びリンパ節などの目的組織を探す及びナビゲートするための他のシステムは、光学チャネル、X線診断、光干渉断層法及び核磁気共鳴画像法による気管支鏡の使用を含むことができる。X線コンピュータ断層撮影を使用し可視化支援を行う市販のシステム(例えば、非限定的であるが、Olympusにより販売されているBfNavi(商標)システム及びSuperDimensionにより販売されているi-Logic(商標)システムなど)を含めた、他の任意の適切なナビゲーションシステムも使用することができる。プラスチック製材料が可撓性ニードル102に使用される実施形態では、X線などの先に列挙したナビゲーションシステムの一部は、適用可能とならないことがあることが理解されよう。
【0038】
可撓性及びカラムの強度の上記の文脈は、スパイラルカット116のピッチ値及びゲージと可撓性ニードル102の材料との間の相互作用を伴う。可撓性及びピッチ値に関して、ピッチ値が低いほど(すなわち、スパイラルカット116のラインの間隔が狭い)、可撓性ニードル102の部分は一層、可撓性となることが理解されよう。さまざまな実施形態では、中間部分118は、可撓性の最も高い程度を伴う、可撓性ニードル102に連結しているスコープ(気管支鏡又は内視鏡など)の部分に対応する。同様に、さまざまな実施形態では、遠位端部108は、鋭い先端120が組織を貫通する一助となる中間部分118よりも、低い程度の可撓性(言い換えると、遠位端部108はより剛性である)を伴う。
【0039】
したがって、一部の実施形態では、近位歪み緩和部106のピッチ値は、約0.120又は0.150などの程度のピッチ値PV1を有する近位端部104に向かって始めることができ、中間部分118におけるピッチ値PV2の方向に向かって連続的に低下する。反対に、遠位歪み緩和部110におけるピッチ値は、中間部分118におけるピッチ値PV2で始めることができ、0.120又は0.150などの程度のピッチ値PV3を有する遠位端部108に向かって終わりとなる。ピッチは、慣例的に、一回転分の長さを示すために使用されることが理解される。近位歪み緩和部106及び遠位歪み緩和部110に関連するピッチ値は、ピッチ値の従来的な定義にしたがって、又は本出願において使用されているとおり、徐々に増加又は低下する一連のピッチになると仮定することができ、このピッチ値は、事実上時々刻々の(intaneous)ピッチとなり得ることも理解されよう。
【0040】
このような実施形態では、中間部分118におけるピッチ値PV2は、実質的に一定であり、ピッチ値PV1及びPV3よりも小さい。上記のとおり、一部の実施形態では、ピッチ値PV1及びPV3は、約0.120又は0.150などの値と等しくすることができる。中間部分118は、最も高い程度の可撓性を伴う可撓性ニードル102に連結したスコープ(気管支鏡又は内視鏡など)の部分を通るので、さまざまな実施形態では、実質的に一定のピッチ値PV2は、ピッチ値PV1及びPV3よりも小さいのが好適である。一部の実施形態では、ピッチ値PV2は、所望に応じて、特定の用途に対して、約0.040、0.060、0.080などの程度とすることができる。
【0041】
スパイラルカット116、並びに材料及びゲージの選択により付与される、可撓性の向上により実現される可撓性ニードル102の大きな角度形成により、管類114は、圧縮下又は引張応力下にあることが理解されよう。管類114は、スパイラルカット116を通り過ぎて、シャントの生成を回避し、適切な到達範囲(coverage)を確実とすることを必要とするので、応力は、スパイラルカット116が終わり、可撓性ニードル102がやはり非可撓性(中実)となる、両端部(すなわち、近位端部104及び遠位端部108)において最も大きいことが更に理解されよう。スパイラルカット116が終了する過度に高い応力(例えば、可撓性ニードル102が、スパイラルカット116の両端部において可撓性が高すぎる場合)により、管類114の裂け又は割れが生じるおそれがあり、これにより、シャントの生成及び結果として生じる真空の喪失に至る一助となる可能性があり、その結果、可撓性ニードルアセンブリ500が組織を吸引する能力に悪影響を及ぼすおそれがあることが理解されよう。
【0042】
そのため、近位歪み緩和部106におけるスパイラルカット116の端部及び遠位歪み緩和部110におけるスパイラルカット116の端部におけるピッチ値は、管類114上の歪みを軽減するために、好適に低い量の可撓性(又は、逆に言えば、好適な量の剛性)を提供するほど十分に高い値を有するよう選択され、これにより、管類114を保護する一助となる。近位端部104及び遠位端部108における管類114により受ける局所応力は、可撓性部分(すなわち、中間部分118)とスパイラルカット116の端部を超えるニードル102の未カット(中実)部分との間の応力緩和遷移区域(すなわち、近位歪み緩和部106と遠位歪み緩和部110)の生成により軽減される。しだいに大きくなるスパイラルカット116の連続可変ピッチが、中間部分118(これは、ニードル可撓性が向上するよう設けられている)から近位端部104及び遠位端部108へと離れるように移動すると、上記の連続可変ピッチは、より長い領域にわたり応力の差異を分散する効果と同時に、徐々にこの応力をより低いレベルに低下させる効果を有する。その結果、近位歪み緩和部106及び遠位歪み緩和部110におけるスパイラルカット116の連続可変ピッチは、高い歪みによる、応力集中を低減する一助となり得、したがって、管類114上の歪みを軽減する一助となることができ、これにより、管類114を保護する一助となる。
【0043】
応力緩和遷移区域の長さ(すなわち、近位歪み緩和部106及び遠位歪み緩和部110)は、可撓性ニードル102に対して所望の量の可撓性に応じて、長さ及びピッチ値の漸次的変化がさまざまになり得ることが理解されよう。すなわち、より剛性のニードルは、高い可撓性ニードルと比べて、それほど高い歪み緩和を必要としない。したがって、歪み緩和の適量は、ニードルに依存し、したがって、調節可能となり得る。
【0044】
カラムの強度に関して、一部の実施形態では、中間部分118における約0.050のピッチ値PV2は、高い可撓性のニードルの選択に相関し得る。一部の他の実施形態では、中間部分118における約0.080のピッチ値PV2は、中程度の可撓性のニードルの選択に相関し得る。一部の他の実施形態では、中間部分118における約0.110のピッチ値PV2は、低い可撓性のニードルの選択に相関し得る。しかし、可撓性ニードルの可撓性、ゲージ及びタイプは、特定の用途に対して、所望に応じて選択することができることが理解されよう。したがって、中間部分118における実質的に一定のピッチ値PV2の選択は、可撓性ニードルアセンブリ500に連結しているスコープ(気管支鏡又は内視鏡など)の可撓性要件に適合するよう、可撓性ニードルアセンブリ500の可撓性を調節する一助となることが更に理解できよう。
【0045】
一部の実施形態では、画像化システムにより、鋭い先端120の可視性を高めるため、とりわけ、鋭い先端120の近傍において、可撓性ニードルアセンブリ500のエコー輝度を高めるのが望ましいことがある。このような場合で所望の場合、可撓性ニードル102は、遠位端部108の近傍における、エコーの増強特徴を含むことができる。非限定例により鑑みると、一部の実施形態では、可撓性ニードル102は、中間部分118及び近位歪み緩和部110の部分を含むことができる領域において、スクライブライン122を画定することができる。
【0046】
以下は、実施を図示する一連のフロー図である。理解を容易にするため、このフロー図は、最初のフロー図が、実施例の実施による実施を表しており、これ以降、その後のフロー図は、1つ以上の既に提示したフロー図に対する、部分構成要素の操作又は追加的な構成要素の操作の構築のどちらか一方として、最初のフロー図の代替的な実施及び/又は拡張を表す。当業者は、本明細書において利用される表示のスタイル(すなわち、実施例の実施を表すフロー図の表示から始まり、それ以降、その後のフロー図に対する追加及び/又はこのフロー図における更なる詳細を提供する)は、一般に、さまざまな方法の実施の迅速かつ容易な理解を可能にすることを理解するであろう。
【0047】
ここから図6Aを参照すると、可撓性管アセンブリを製造する例示的方法600が提示されている。方法600の実施形態は、可撓性管アセンブリ100のさまざまな実施形態を非限定的に作製するのに好適となり得ることが理解されよう(図1、2A~2D、3A、3B及び4)。方法600は、ブロック602で開始する。ブロック604において、近位歪み緩和部を有する近位端部及び遠位歪み緩和部を有する遠位端部を有する可撓性管が設けられ、近位歪み緩和部は、近位端部と遠位歪み緩和部との間に配置されており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と近位歪み緩和部との間に配置されおり、遠位端部は、中に開口部を画定する。ブロック606において、連続可変ピッチを有するスパイラルカットは、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部に画定されている。ブロック608において、管類は、可撓性管の外側表面の上に気密的に配設されており、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、連続可変ピッチを有するスパイラルカットを中に画定する。方法600は、ブロック610で終了する。
【0048】
さまざまな実施形態では、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部においてブロック606における連続可変ピッチを有するスパイラルカットの画定は、レーザー切断プロセスにより行うことができる。
【0049】
さまざまな実施形態において、及び図6Bを更に参照すると、ブロック608における、近位端部から遠位端部まで、可撓性管の外側表面の上の気密的な管類の配設は、ブロック612において、近位端部から遠位端部まで、可撓性管の外側表面の上への気密的な熱収縮管の配設を含むことができる。
【0050】
ここから図7Aを参照すると、可撓性ニードルアセンブリを製造する例示的方法700が提示されている。方法700の実施形態は、可撓性ニードルアセンブリ(図4)及び可撓性ニードルアセンブリ500(図5)として構成されている、可撓性管アセンブリ100のさまざまな実施形態を非限定的に製造するための好適となり得ることが理解されよう。方法700は、ブロック702で開始する。ブロック704において、近位歪み緩和部を有する近位端部及び遠位歪み緩和部を有する遠位端部を有する可撓性ニードル、及び近位端部と遠位端部の中間に配設されている中間部分が設けられ、近位歪み緩和部は、近位端部と中間部分との間に配置されており、遠位歪み緩和部は、遠位端部と中間部分との間に配置されており、遠位端部は、組織を貫通するよう構成されている先端を画定している。ブロック706において、第1のピッチ値から第1のピッチ値より大きな第2のピッチ値まで変わる連続可変ピッチを有するスパイラルカットは、近位歪み緩和部に画定される。ブロック708において、スパイラルカットは、第2のピッチ値を有する実質的に一定のピッチを有する中間部分に画定される。ブロック710において、スパイラルカットは、第2のピッチ値から第2のピッチ値より大きな第3のピッチ値まで変わる連続可変ピッチを有する遠位歪み緩和部に画定される。ブロック712において、管類は、近位端部から遠位端部まで、可撓性ニードルの外側表面の上に気密的に配設される。方法700は、ブロック714で終了する。
【0051】
さまざまな実施形態では、ブロック706、708及び710におけるスパイラルカットの画定は、レーザー切断プロセスにより実施することができる。
【0052】
さまざまな実施形態において、及び図7Bを更に参照すると、ブロック712における、近位端部から遠位端部まで、可撓性ニードルの外側表面の上への気密的な管類の配設は、ブロック716において、近位端部から遠位端部まで、可撓性ニードルの外側表面の上への気密的な熱収縮管の配設を含むことができる。
【0053】
これより図8を参照すると、例示的なハンドル1701を使用して、本明細書に記載されている可撓性ニードルアセンブリ500の実施形態を操作及び制御することができる。ハンドル1701は、中に可撓性ニードルハイポチューブを有するカテーテル1700に好適に接続されており、ハンドル1701は、カテーテル1700からの可撓性ニードルアセンブリ500の伸張を制御することができる。
【0054】
一部の他の実施形態では、及びこれより図9を参照すると、例示的なシステム1000が提示される。さまざまな実施形態では、及び概略により鑑みると、システム1000は、可撓性管アセンブリ100、及び可撓性管102に操作可能に連結されている医療装置1002を含む。
【0055】
制限ではなく、単なる例示として鑑みると、さまざまな実施形態では、システム1000は、シース1004を含む。可撓性管アセンブリ100は、シース1004に配設されている。さまざまな実施形態では、シース1004は、プラスチック、PTFEなどの身体における医療的使用に好適な材料から作製されている。
【0056】
上で議論したとおり、及び可撓性管アセンブリ100のさまざまな実施形態では、可撓性管102は、近位歪み緩和部106を有する近位端部104、及び遠位歪み緩和部110を有する遠位端部108を有する。近位歪み緩和部106は、近位端部104と遠位歪み緩和部110との間に位置しており、遠位歪み緩和部110は、遠位端部108と近位歪み緩和部106との間に位置している。遠位端部108は、中に開口部112を画定する。近位歪み緩和部106及び/又は遠位歪み緩和部110の少なくとも一部は、中に、連続可変ピッチを有するスパイラルカット(図9には図示されていない)を画定する。管類114は、連続可変ピッチを有するスパイラルカットを中に画定する、近位歪み緩和部及び遠位歪み緩和部のうちの少なくとも1つの少なくとも一部から、可撓性管102の外側表面の上に気密的に配設されている。
【0057】
医療装置1002は、可撓性管102に操作可能に連結されている。さまざまな実施形態では、医療装置1002は、診断モードを有する診断用医療装置、又は治療モードを有する治療的医療装置を含むことができる。
【0058】
医療装置1002が診断モードを有する診断用医療装置を含む、一部の実施形態では、システム1000は、目的部位から試料を吸引するよう構成され得る。このような実施形態では、可撓性管102は、可撓性ニードルとして(図4及び5を参照しながら、上で議論した方法などで)構成される。同様に、このような実施形態では、診断用医療装置1002は、適切には、シリンジ又は真空ポンプなどの真空源を含む。
【0059】
上に議論されるように、一部の他の実施形態では、医療装置1002は、治療モードを有する治療的医療装置を含むことができる。一部のこのような実施形態では、治療的医療装置は、シリンジ又はポンプなどの、流体源を含むことがある。このような実施形態では、流体は、医薬、生理食塩水溶液などを含むことができる。
【0060】
一部の他のこのような実施形態では、システム1000は、組織のアブレーションに使用するよう構成することができる。このような実施形態では、可撓性管102は電極として構成されており、治療的医療装置は、電力源を含む。システム1000は、モノポールシステムとして構成され得、この場合、可撓性管102はモノポール電極となり、患者の下に置かれた導電性プレート(図示せず)が、別の電極として機能する。代替的に、システム1000は、バイポーラシステムとして構成され得、この場合、可撓性管102は、一次電極となり、二次電極(図示せず)は、アブレーションされる組織の近傍に配置される。
【0061】
肺において、及び肺結節に対して使用されるものとしての、本明細書に記載されている生検システム、装置及び方法の本説明は、限定されず、これらの実施形態は、胃の場所、内視鏡の場所又は他の好適な場所を含む患者の他の場所における目的領域の生検、ナビゲート及び探索を行うために使用することができると理解されよう。同様に、気管支鏡は必要ではなく、非限定的にさまざまな内視鏡又は腹腔鏡カニューレを含む、本明細書に記載されている実施形態に適合することが可能な他の好適な装置も使用することができる。
【0062】
上に示した発明を実施するための形態は、本質的に単に例示的なものであり、請求項に係る主題の主旨及び/又は趣旨から逸脱しない変形が、請求項の範囲内にあることが意図されることが更に理解されよう。このような変形は、請求項に係る主題の趣旨及び範囲から逸脱するものとしてみなされない。
【符号の説明】
【0063】
100 可撓性管アセンブリ
102 可撓性管、可撓性ニードル
104 近位端部
106 近位歪み緩和部
108 遠位端部
110 遠位歪み緩和部
112 開口部
114 管類、熱収縮管類
116 スパイラルカット
118 中間部分
120 先端
122 スクライブライン
500 可撓性ニードルアセンブリ
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
【外国語明細書】