(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102111
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】シースルーピクセルアレイ内のアーチファクトを軽減するための幾何学形状
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20240723BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240723BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240723BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240723BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240723BHJP
G02F 1/15 20190101ALI20240723BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240723BHJP
G02B 27/02 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G09F9/302 Z
G02F1/1343
G02F1/1368
G02F1/133 580
G02F1/15 503
H04N5/74 Z
G02B27/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066670
(22)【出願日】2024-04-17
(62)【分割の表示】P 2021576941の分割
【原出願日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】62/870,896
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【弁理士】
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー イアン ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ジャジャ アイ. トリスナディ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイブハブ マトゥール
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド マンリー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ロバート ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】クリントン カーライル
(57)【要約】
【課題】シースルーピクセルアレイ内のアーチファクトを軽減するための幾何学形状の提供。
【解決手段】開示されるものは、光学的に透過性のディスプレイによって生産されたアーチファクトを低減させるための調光アセンブリおよびディスプレイシステムである。本システムは、その上に複数の電子コンポーネントが配置される、基板を含んでもよい。電子コンポーネントは、複数のピクセルと、複数の導体と、複数の回路モジュールとを含んでもよい。複数のピクセルは、2次元アレイに配列されてもよく、各ピクセルは、少なくとも1つの湾曲側を伴う形状に対応する、2次元幾何学形状を有する。複数の導体は、複数のピクセルに隣接して配列されてもよい。本システムはまた、複数の導体に電気的に結合される、制御回路網を含んでもよい。制御回路網は、複数の導体を用いて、電気信号を複数の回路モジュールに印加するように構成されてもよい。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調光アセンブリであって、
基板と、
前記基板の上方に配置されている複数のピクセル電極であって、前記複数のピクセル電極のそれぞれは、複数の湾曲した辺を有する形状に対応する2次元幾何学形状を有する、複数のピクセル電極と、
複数の導体であって、前記複数の導体のそれぞれは、前記複数のピクセル電極のうちの隣接する2つのピクセル電極の間に配置されている、複数の導体と、
前記複数の導体の複数の交差部に位置付けられている複数の回路モジュールであって、前記複数の回路モジュールのそれぞれは、(i)前記複数のピクセル電極のうちの1つのピクセル電極と、(ii)前記複数の導体のうちの2つの導体とに電気的に結合されている、複数の回路モジュールと、
前記複数の導体と前記複数の回路モジュールとに整合するように位置付けられている光遮断マスクであって、前記光遮断マスクは、前記複数の導体の前記複数の交差部のそれぞれに湾曲した占有面積を有し、前記複数の回路モジュールのそれぞれは、前記複数の導体の前記複数の交差部のうちの1つにおいて、前記光遮断マスクの前記湾曲した占有面積内に全体として位置付けられている、光遮断マスクと
を備える調光アセンブリ。
【請求項2】
前記調光アセンブリは、前記複数の導体に電気的に結合されている制御回路網をさらに備え、前記制御回路網は、前記複数の導体を用いて、複数の電気信号を前記複数の回路モジュールに印加するように構成されている、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項3】
前記隣接する2つのピクセル電極の間の前記光遮断マスクの幅は、前記隣接する2つのピクセル電極の間の間隔の幅よりも大きい、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項4】
前記複数の導体のそれぞれは、前記複数のピクセル電極のうちの2つのピクセル電極の2次元幾何学形状に沿って湾曲した経路に追従する、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項5】
前記基板は、光学的に透過性の基板である、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項6】
前記調光アセンブリは、前記基板の上方に配置されている平面電極層をさらに備える、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項7】
前記調光アセンブリは、前記平面電極層と前記複数のピクセル電極との間に位置付けられている層をさらに備え、前記層は、電場に応答する、請求項6に記載の調光アセンブリ。
【請求項8】
電場に応答する前記層は、液晶層である、請求項7に記載の調光アセンブリ。
【請求項9】
前記複数のピクセル電極は、特定の平面充填を形成する、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項10】
前記複数の湾曲した辺のそれぞれは、半円、蛇行、シヌソイド、または、これらの組み合わせである、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項11】
前記複数の湾曲した辺のそれぞれは、1.02の値以下であるシヌオシティ値に対応する、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項12】
前記光遮断マスクは、前記基板にわたって堆積されているある量の1つ以上の材料を含む、請求項1に記載の調光アセンブリ。
【請求項13】
前記1つ以上の材料は、樹脂またはクロムを含む、請求項12に記載の調光アセンブリ。
【請求項14】
ディスプレイシステムであって、前記ディスプレイシステムは、
光を放出するように構成されているプロジェクタと、
前記光を受け取り、前記光を出力するように構成されている接眼レンズと、
前記接眼レンズとの並置構成で配列されている調光アセンブリと
を備え、
前記調光アセンブリは、
基板と、
前記基板の上方に配置されている複数のピクセル電極であって、前記複数のピクセル電極のそれぞれは、複数の湾曲した辺を有する形状に対応する2次元幾何学形状を有する、複数のピクセル電極と、
複数の導体であって、前記複数の導体のそれぞれは、前記複数のピクセル電極のうちの隣接する2つのピクセル電極の間に配置されている、複数の導体と、
前記複数の導体の複数の交差部に位置付けられている複数の回路モジュールであって、前記複数の回路モジュールのそれぞれは、(i)前記複数のピクセル電極のうちの1つのピクセル電極と、(ii)前記複数の導体のうちの2つの導体とに電気的に結合されている、複数の回路モジュールと、
前記複数の導体と前記複数の回路モジュールとに整合するように位置付けられている光遮断マスクであって、前記光遮断マスクは、前記複数の導体の前記複数の交差部のそれぞれに湾曲した占有面積を有し、前記複数の回路モジュールのそれぞれは、前記複数の導体の前記複数の交差部のうちの1つにおいて、前記光遮断マスクの前記湾曲した占有面積内に全体として位置付けられている、光遮断マスクと
を備える、ディスプレイシステム。
【請求項15】
前記調光アセンブリは、前記複数の導体に電気的に結合されている制御回路網をさらに備え、前記制御回路網は、前記複数の導体を用いて、複数の電気信号を前記複数の回路モジュールに印加するように構成されている、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【請求項16】
前記隣接する2つのピクセル電極の間の前記光遮断マスクの幅は、前記隣接する2つのピクセル電極の間の間隔の幅よりも大きい、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【請求項17】
前記複数の導体のそれぞれは、前記複数のピクセル電極のうちの2つのピクセル電極の2次元幾何学形状に沿って湾曲した経路に追従する、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【請求項18】
前記基板は、光学的に透過性の基板である、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【請求項19】
前記調光アセンブリは、前記基板の上方に配置されている平面電極層をさらに備える、請求項14に記載のディスプレイシステム。
【請求項20】
前記調光アセンブリは、前記平面電極層と前記複数のピクセル電極との間に位置付けられている層をさらに備え、前記層は、電場に応答する、請求項19に記載のディスプレイシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が、あらゆる目的のために、参照することによって本明細書に組み込まれる、2019年7月5日に出願され、「GEOMETRIES FOR MITIGATING ARTIFACTS IN SEE-THROUGH PIXEL ARRAYS」と題された、米国仮特許出願第62/870,896号の優先権の利益を主張する。
(参照による組み込み)
【0002】
本願は、参照することによって、以下の特許出願、すなわち、2017年4月5日に出願され、2017年10月12日に米国特許公開第2017/0293141号として公開された、米国特許出願第15/479,700号、「SPATIALLY-RESOLVED DYNAMIC DIMMING FOR AUGMENTED REALITY DEVICE」と題され、2018年8月31日に出願された、米国仮特許出願第62/725,993号、「SYSTEMS AND METHODS FOR EXTERNAL LIGHT MANAGEMENT」と題され、2018年9月14日号に出願された、米国仮特許出願第62/731,755号、および「SPATIALLY-RESOLVED DYNAMIC DIMMING FOR AUGMENTED REALITY DEVICE」と題され、2019年6月6日に出願された、米国仮特許出願第62/858,252号のそれぞれの全体を組み込む。
【背景技術】
【0003】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。
【0004】
これらのディスプレイ技術において成された進歩にもかかわらず、当技術分野において、拡張現実システム、特に、ディスプレイシステムに関連する、改良された方法、システム、およびデバイスの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、概して、広範囲の周囲光条件下での光学システムを改良するための技法に関する。より具体的には、本開示の実施形態は、実世界光源に起因するアーチファクトを低減させる、調光要素を備える、拡張現実(AR)デバイスを動作させるためのシステムおよび方法を提供する。本開示は、ARデバイスを参照して説明されるが、本開示は、コンピュータビジョンおよび画像ディスプレイシステムにおける種々の用途に適用可能である。
【0006】
本発明の概要が、実施例の一覧を参照して下記に提供される。下記で使用されるように、一連の実施例の任意の参照は、それらの実施例のそれぞれの分離参照として理解されるべきである(例えば、「実施例1-4」は、「実施例1、2、3、または4」として理解されるべきである)。
【0007】
実施例1は、調光アセンブリであって、その上に複数の電子コンポーネントが配置される、光学的に透過性の基板であって、電子コンポーネントは、2次元アレイ内で相互から離間して配列される、複数の電極であって、それぞれ、複数の湾曲側を伴う形状に対応する、2次元幾何学形状を有する、複数の電極と、2次元格子模様内で複数の電極に隣接して配列される、複数の導体であって、それぞれ、複数の電極からの隣接する電極の2次元幾何学形状に共形化する、湾曲経路に追従する、複数の導体と、2次元アレイ内で複数の電極に隣接して配列される、複数の回路モジュールであって、それぞれ、(i)複数の電極からの個別の電極、および(ii)複数の導体からの個別の対の導体に電気的に結合される、複数の回路モジュールとを備える、基板と、複数の電極と整合するように位置付けられる、平面電極層と、光学的に透過性の基板と平面電極層との間に位置付けられる、1つ以上の層であって、電場に応答する、材料の1つ以上の層を備える、1つ以上の層と、複数の導体および平面電極層に電気的に結合される、制御回路網であって、複数の導体を用いて、電気信号を複数の回路モジュールに印加し、平面電極層と、それぞれ、2次元アレイ内の複数の電極のうちの1つ以上のものとの間に、1つ以上の電場を選択的に生成するように構成される、制御回路網とを備える、調光アセンブリである。
【0008】
実施例2は、ディスプレイシステムであって、その上に複数の電子コンポーネントが配置される、基板であって、電子コンポーネントは、2次元アレイに配列される、複数のピクセルであって、それぞれ、少なくとも1つの湾曲側を伴う形状に対応する、2次元幾何学形状を有する、複数のピクセルと、複数のピクセルに隣接して配列される、複数の導体と、複数のピクセルに隣接して配列される、複数の回路モジュールであって、それぞれ、複数のピクセルからの個別のピクセル、および複数の導体からの少なくとも1つの導体に電気的に結合される、複数の回路モジュールとを備える、基板と、複数の導体に電気的に結合される、制御回路網であって、複数の導体を用いて、電気信号を複数の回路モジュールに印加するように構成される、制御回路網とを備える、ディスプレイシステムである。
【0009】
実施例3は、複数の導体がそれぞれ、複数のピクセルからの隣接するピクセルの2次元幾何学形状に共形化する、湾曲経路に追従する、実施例2に記載のディスプレイシステムである。
【0010】
実施例4は、基板が、光学的に透過性の基板である、実施例2-3に記載のディスプレイシステムである。
【0011】
実施例5は、複数のピクセルが、複数の電極である、実施例2-4に記載のディスプレイシステムである。
【0012】
実施例6は、複数のピクセルと整合するように位置付けられる、平面電極層をさらに備える、実施例2-5に記載のディスプレイシステムである。
【0013】
実施例7は、基板と平面電極層との間に位置付けられる、1つ以上の層であって、電場に応答する、材料の1つ以上の層を備える、1つ以上の層をさらに備える、実施例2-6に記載のディスプレイシステムである。
【0014】
実施例8は、制御回路網がさらに、平面電極層に電気的に結合される、実施例2-7に記載のディスプレイシステムである。
【0015】
実施例9は、制御回路網が、複数の導体を用いて、電気信号を複数の回路モジュールに印加し、平面電極層と、それぞれ、2次元アレイ内の複数のピクセルのうちの1つ以上のものとの間に、1つ以上の電場を選択的に生成するように構成される、実施例2-8に記載のディスプレイシステムである。
【0016】
実施例10は、複数の回路モジュールがそれぞれ、複数の導体からの一対の導体に電気的に結合される、実施例2-9に記載のディスプレイシステムである。
【0017】
実施例11は、形状がそれぞれ、複数の湾曲側を含む、実施例2-10に記載のディスプレイシステムである。
【0018】
実施例12は、複数のピクセルが、特定の平面充填を形成する、実施例2-11に記載のディスプレイシステムである。
【0019】
実施例13は、ディスプレイシステムであって、その上に第1のセットの1つ以上の電極が配置される、第1の光学的に透過性の基板と、その上に第2のセットの1つ以上の電極が配置される、第2の光学的に透過性の基板と、第1のセットの1つ以上の電極と第2のセットの1つ以上の電極との間に位置付けられる、1つ以上の層であって、電場に応答する、材料の1つ以上の層を備える、1つ以上の層と、第2の光学的に透過性の基板にわたって特定の幾何学的パターン内に配置される、ある量の材料であって、特定の幾何学的パターンは、複数の湾曲セグメントを含む、ある量の材料と、第1のセットの1つ以上の電極および第2のセットの1つ以上の電極に電気的に結合される、制御回路網であって、電気信号を第1および第2のセットの1つ以上の電極の一方または両方に印加し、1つ以上の層を横断して、1つ以上の電場を選択的に生成するように構成される、制御回路網とを備える、ディスプレイシステムである。
【0020】
実施例14は、複数の湾曲セグメントがそれぞれ、第1のセットの1つ以上の電極または第2のセットの1つ以上の電極からの個別の電極の縁と整合するように配置される、実施例13に記載のディスプレイシステムである。
【0021】
実施例15は、それと複数の湾曲セグメントのそれぞれとが整合される、個別の電極の縁が、湾曲幾何学形状を有する、実施例13-14に記載のディスプレイシステムである。
【0022】
実施例16は、湾曲幾何学形状が、半円、蛇行、シヌソイド、またはそれらの組み合わせである、実施例13-15に記載のディスプレイシステムである。
【0023】
実施例17は、それと複数の湾曲セグメントのそれぞれとが整合される、個別の電極の縁が、1.02の値以下であるシヌオシティ値に対応する、実施例13-16に記載のディスプレイシステムである。
【0024】
実施例18は、第2の光学的に透過性の基板にわたって配置される、材料の量が、ある量の樹脂またはクロムを備える、実施例13-17に記載のディスプレイシステムである。
【0025】
実施例19は、特定の幾何学的パターンの点拡がり関数(PSF)が、エアリーパターンに対応する、実施例13-18に記載のディスプレイシステムである。
【0026】
実施例20は、特定の幾何学的パターンが、特定の平面充填に対応する、実施例13-19に記載のディスプレイシステムである。
【0027】
実施例21は、ディスプレイシステムであって、第1のドライバ回路と、第2のドライバ回路と、光学的に透過性の基板と、光学的に透過性の基板上に配置される、電子コンポーネントであって、それぞれ、複数の湾曲側を伴う形状に対応する、2次元幾何学形状を有する、2次元アレイに配列される、複数の電極であって、複数の湾曲チャネルをその間に画定するように、2次元アレイ内で相互から離間されて配列される、複数の電極と、それぞれ、複数の湾曲チャネル全体を通して分散される、複数の導体であって、各導体は、複数の湾曲チャネルの個別のもの内に配列され、個別の湾曲チャネルの長さに及び、複数の導体は、第1のドライバ回路に電気的に結合される、第1のセットの導体と、第2のドライバ回路に電気的に結合される、第2のセットの導体とを備える、複数の導体と、複数の湾曲チャネル内に配列される、複数の回路モジュールであって、各回路モジュールは、(i)複数の電極の個別のもの、および(ii)複数の導体のうちの2つを用いて、第1および第2のドライバ回路に電気的に結合される、複数の回路モジュールと、光学的に透過性の基板に隣接して配列される、複数の層であって、複数の電極と整合するように位置付けられる、平面電極層を備える、複数の層とを備える、電子コンポーネントとを備える、ディスプレイシステムである。
【0028】
実施例22は、それに対して各電極の2次元幾何学形状が対応する、形状が、平面充填する、形状を備える、ディスプレイシステムである。
【0029】
実施例23は、それに対して各電極の2次元幾何学形状が対応する、形状の複数の湾曲側が、少なくとも1つの凸面湾曲側と、少なくとも1つの凹面湾曲側とを備える、実施例21-22に記載のディスプレイシステムである。
【0030】
実施例24は、複数の湾曲チャネルのうちの少なくとも1つが、蛇行形状である、実施例21-23に記載のディスプレイシステムである。
【0031】
実施例25は、複数の湾曲チャネルのうちの少なくとも1つが、1.02の値以上である、シヌオシティ値を有する、実施例21-24に記載のディスプレイシステムである。
【0032】
実施例26は、シヌオシティ値が、1.04の値以上である、実施例21-25に記載のディスプレイシステムである。
【0033】
実施例27は、シヌオシティ値が、1.1の値以上である、実施例21-26に記載のディスプレイシステムである。
【0034】
実施例28は、シヌオシティ値が、1.2の値以上である、実施例21-27に記載のディスプレイシステムである。
【0035】
実施例29は、シヌオシティ値が、1.35の値以上である、実施例21-28に記載のディスプレイシステムである。
【0036】
実施例30は、シヌオシティ値が、1.5の値以上である、実施例21-29に記載のディスプレイシステムである。
【0037】
実施例31は、複数の湾曲チャネルのうちの少なくとも1つが、シヌソイド形状である、実施例21-30に記載のディスプレイシステムである。
【0038】
実施例32は、各回路モジュールが、少なくとも1つのトランジスタを含む、実施例21-31に記載のディスプレイシステムである。
【0039】
実施例33は、少なくとも1つのトランジスタが、薄膜トランジスタ(TFT)を備える、実施例21-32に記載のディスプレイシステムである。
【0040】
実施例34は、少なくとも1つのトランジスタが、第1のドライバ回路に電気的に結合される、ゲート端子と、第2のドライバ回路に電気的に結合される、ソース端子と、複数の電極の個別のものに電気的に結合される、ドレイン端子とを含む、実施例21-33に記載のディスプレイシステムである。
【0041】
実施例35は、少なくとも1つのトランジスタが、複数の湾曲チャネルのうちの2つ以上のものの交差部に位置付けられる、実施例21-34に記載のディスプレイシステムである。
【0042】
実施例36は、複数の層がさらに、光学的に透過性の基板と平面電極層との間に位置付けられる、液晶の1つ以上の層を備える、実施例21-35に記載のディスプレイシステムである。
【0043】
実施例37は、一対の偏光器をさらに備え、光学的に透過性の基板および複数の層が、対の偏光器間に位置付けられる、実施例21-36に記載のディスプレイシステムである。
【0044】
実施例38は、複数の層がさらに、光学的に透過性の基板と平面電極層との間に位置付けられる、1つ以上の有機発光層を備える、実施例21-37に記載のディスプレイシステムである。
【0045】
実施例39は、複数の電極および平面電極層が、酸化インジウムスズ(ITO)から作製される、実施例21-38に記載のディスプレイシステムである。
【0046】
実施例40は、光学的に透過性の基板が、ガラス基板を備える、実施例21-39に記載のディスプレイシステムである。
【0047】
実施例41は、複数の湾曲チャネルが、相互に交差しない、第1のセットの湾曲チャネルと、相互に交差しない、第2のセットの湾曲チャネルとを備え、第2のセットの湾曲チャネルの少なくとも一部が、第1のセットの湾曲チャネルの少なくとも一部と交差する、実施例21-40に記載のディスプレイシステムである。
【0048】
実施例42は、第1のセットの導体が、第1のセットの湾曲チャネル内に配列され、第2のセットの導体が、第2のセットの湾曲チャネル内に配列される、実施例21-41に記載のディスプレイシステムである。
【0049】
実施例43は、第1および第2のセットの導体が、相互から絶縁される、実施例21-42に記載のディスプレイシステムである。
【0050】
実施例44は、第1および第2のドライバ回路の一方または両方が、光学的に透過性の基板上に形成される、実施例21-43に記載のディスプレイシステムである。
【0051】
多数の利点が、従来の技法に優る本開示の方法によって達成される。例えば、本明細書に説明される実施形態は、シースルーディスプレイシステム内のピクセル化された調光要素によって生産された回折スパイクの視認性を低減させる。さらに、本明細書に説明される調光技法は、ユーザの眼に到達する周囲光を大域的に調光し、および/または選択的に調光することによって、ARデバイスが暗い屋内から明るい屋外までの広範囲の光レベル内で使用されることを可能にする。本開示の実施形態はさらに、ピクセル化された調光器を使用して、世界光を99%を上回って減衰させることによって、単一デバイス内でARおよび仮想現実(VR)能力を可能にする。本開示の他の利点も、当業者に容易に明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
調光アセンブリであって、
光学的に透過性の基板であって、前記基板は、その上に複数の電子コンポーネントが配置され、前記電子コンポーネントは、
2次元アレイ内で相互から離間して配列される複数の電極であって、前記複数の電極のそれぞれは、複数の湾曲側を伴う形状に対応する2次元幾何学形状を有する、複数の電極と、
2次元格子模様内で前記複数の電極に隣接して配列される複数の導体であって、前記複数の導体のそれぞれは、前記複数の電極からの隣接する電極の2次元幾何学形状に共形化する湾曲経路に追従する、複数の導体と、
2次元アレイ内で前記複数の電極に隣接して配列される複数の回路モジュールであって、前記複数の回路モジュールのそれぞれは、(i)前記複数の電極からの個別の電極、および(ii)前記複数の導体からの個別の対の導体に電気的に結合される、複数の回路モジュールと
を備える、光学的に透過性の基板と、
前記複数の電極と整合するように位置付けられる平面電極層と、
前記光学的に透過性の基板と前記平面電極層との間に位置付けられる1つ以上の層であって、前記1つ以上の層は、電場に応答する材料の1つ以上の層を備える、1つ以上の層と、
前記複数の導体および前記平面電極層に電気的に結合される制御回路網であって、前記制御回路網は、前記複数の導体を用いて、電気信号を前記複数の回路モジュールに印加し、それぞれ、前記平面電極層と、前記2次元アレイ内の前記複数の電極のうちの1つ以上のものとの間に、1つ以上の電場を選択的に生成するように構成される、制御回路網と
を備える、調光アセンブリ。
(項目2)
ディスプレイシステムであって、
基板であって、前記基板は、その上に複数の電子コンポーネントが配置され、前記電子コンポーネントは、
2次元アレイに配列される複数のピクセルであって、前記複数のピクセルのそれぞれは、少なくとも1つの湾曲側を伴う形状に対応する2次元幾何学形状を有する、複数のピクセルと、
前記複数のピクセルに隣接して配列される複数の導体と、
前記複数のピクセルに隣接して配列される複数の回路モジュールであって、前記複数の回路モジュールのそれぞれは、前記複数のピクセルからの個別のピクセル、および前記複数の導体からの少なくとも1つの導体に電気的に結合される、複数の回路モジュールと
を備える、基板と、
前記複数の導体に電気的に結合される制御回路網であって、前記制御回路網は、前記複数の導体を用いて、電気信号を前記複数の回路モジュールに印加するように構成される、制御回路網と
を備える、ディスプレイシステム。
(項目3)
前記複数の導体のそれぞれは、前記複数のピクセルからの隣接するピクセルの2次元幾何学形状に共形化する湾曲経路に追従する、項目2に記載のディスプレイシステム。
(項目4)
前記基板は、光学的に透過性の基板である、項目2に記載のディスプレイシステム。
(項目5)
前記複数のピクセルは、複数の電極である、項目2に記載のディスプレイシステム。
(項目6)
前記複数のピクセルと整合するように位置付けられる平面電極層をさらに備える、請求項2に記載のディスプレイシステム。
(項目7)
前記基板と前記平面電極層との間に位置付けられる1つ以上の層であって、前記1つ以上の層は、電場に応答する材料の1つ以上の層を備える、1つ以上の層
をさらに備える、項目6に記載のディスプレイシステム。
(項目8)
前記制御回路網はさらに、前記平面電極層に電気的に結合される、項目6に記載のディスプレイシステム。
(項目9)
前記制御回路網は、前記複数の導体を用いて、電気信号を前記複数の回路モジュールに印加し、それぞれ、前記平面電極層と、前記2次元アレイ内の前記複数のピクセルのうちの1つ以上のものとの間に、1つ以上の電場を選択的に生成するように構成される、項目8に記載のディスプレイシステム。
(項目10)
前記複数の回路モジュールのそれぞれは、前記複数の導体からの一対の導体に電気的に結合される、項目2に記載のディスプレイシステム。
(項目11)
前記形状のそれぞれは、複数の湾曲側を含む、項目2に記載のディスプレイシステム。
(項目12)
前記複数のピクセルは、特定の平面充填を形成する、項目2に記載のディスプレイシステム。
(項目13)
ディスプレイシステムであって、
第1の光学的に透過性の基板であって、前記第1の光学的に透過性の基板は、その上に第1のセットの1つ以上の電極が配置される、第1の光学的に透過性の基板と、
第2の光学的に透過性の基板であって、前記第2の光学的に透過性の基板は、その上に第2のセットの1つ以上の電極が配置される、第2の光学的に透過性の基板と、
前記第1のセットの1つ以上の電極と前記第2のセットの1つ以上の電極との間に位置付けられる1つ以上の層であって、前記1つ以上の層は、電場に応答する材料の1つ以上の層を備える、1つ以上の層と、
前記第2の光学的に透過性の基板にわたって特定の幾何学的パターン内に配置されるある量の材料であって、前記特定の幾何学的パターンは、複数の湾曲セグメントを含む、ある量の材料と、
前記第1のセットの1つ以上の電極および前記第2のセットの1つ以上の電極に電気的に結合される制御回路網であって、前記制御回路網は、電気信号を前記第1および第2のセットの1つ以上の電極の一方または両方に印加し、前記1つ以上の層を横断して、1つ以上の電場を選択的に生成するように構成される、制御回路網と
を備える、ディスプレイシステム。
(項目14)
前記複数の湾曲セグメントのそれぞれは、前記第1のセットの1つ以上の電極または前記第2のセットの1つ以上の電極からの個別の電極の縁と整合するように配置される、項目13に記載のディスプレイシステム。
(項目15)
それと前記複数の湾曲セグメントのそれぞれとが整合される前記個別の電極の縁は、湾曲幾何学形状を有する、項目14に記載のディスプレイシステム。
(項目16)
前記湾曲幾何学形状は、半円、蛇行、シヌソイド、またはそれらの組み合わせである、項目15に記載のディスプレイシステム。
(項目17)
それと前記複数の湾曲セグメントのそれぞれとが整合される前記個別の電極の縁は、1.02の値以下であるシヌオシティ値に対応する、項目14に記載のディスプレイシステム。
(項目18)
前記第2の光学的に透過性の基板にわたって配置される材料の量は、ある量の樹脂またはクロムを備える、項目13に記載のディスプレイシステム。
(項目19)
前記特定の幾何学的パターンの点拡がり関数(PSF)は、エアリーパターンに対応する、項目13に記載のディスプレイシステム。
(項目20)
前記特定の幾何学的パターンは、特定の平面充填に対応する、項目13に記載のディスプレイシステム。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】
図1は、ウェアラブルARデバイスを通して視認されるような拡張現実(AR)場面を図示する。
【0053】
【0054】
【
図2B】
図2Bは、調光される面積が検出された光情報に基づいて決定される、ARデバイスの実施例を図示する。
【0055】
【
図2C】
図2Cは、調光される面積が仮想画像に基づいて決定される、ARデバイスの実施例を図示する。
【0056】
【
図2D】
図2Dは、調光される面積が視線情報に基づいて決定される、ARデバイスの実施例を図示する。
【0057】
【
図3】
図3は、例示的ウェアラブルシステムの概略図を図示する。
【0058】
【
図4】
図4は、光学システムを動作させるための方法を図示する。
【0059】
【
図5】
図5は、接眼レンズおよびピクセル化された調光要素を伴う、ARデバイスを図示する。
【0060】
【
図6】
図6は、制御可能調光アセンブリの側面図を図示する。
【0061】
【
図7】
図7A-7Cは、種々の技法を使用して捕捉されるような場面の例示的画像を図示する。
【0062】
【
図8】
図8Aおよび8Bは、それぞれ、ピクセルの例示的アレイおよび対応する点拡がり関数を図示する。
【0063】
【
図9】
図9Aおよび9Bは、それぞれ、ピクセルの例示的アレイおよび対応するPSFを図示する。
【0064】
【
図10】
図10は、シースルーディスプレイシステムのための例示的光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイを描写する。
【0065】
【0066】
【
図12A】
図12Aは、ピクセル電極と、回路モジュールと、導体とを含む、例示的ピクセルレイアウトを描写する。
【0067】
【
図12B】
図12Bは、ピクセル電極と、回路モジュールと、導体とを含む、例示的ピクセルレイアウトを描写する。
【0068】
【
図13A】
図13Aは、シースルーディスプレイシステムのための光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイアセンブリの一部の断面図を描写する。
【0069】
【
図13B】
図13Bは、シースルーディスプレイシステムのための光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイアセンブリの一部の断面図を描写する。
【0070】
【
図14A】
図14A、14B、14C、および14Dは、例示的湾曲幾何学形状を示す。
【
図14B】
図14A、14B、14C、および14Dは、例示的湾曲幾何学形状を示す。
【
図14C】
図14A、14B、14C、および14Dは、例示的湾曲幾何学形状を示す。
【
図14D】
図14A、14B、14C、および14Dは、例示的湾曲幾何学形状を示す。
【0071】
【
図15】
図15は、例示的ピクセルレイアウトおよび対応するPSFを示す。
【0072】
【
図16】
図16は、例示的ピクセルレイアウトおよび対応するPSFを示す。
【0073】
【0074】
【
図18】
図18Aおよび18Bは、「網戸」アーチファクトを低減させるために採用され得る、ピクセルレイアウトのための種々の実施例傾斜構成を示す。
【0075】
【
図19】
図19は、「網戸」アーチファクトの可視性に及ぼされる異なる傾斜構成の効果を示す、例示的プロットを示す。
【0076】
【
図20】
図20は、異なる傾斜構成のための「網戸」アーチファクトの可視性を示す、例示的画像を示す。
【0077】
【発明を実施するための形態】
【0078】
光学シースルー拡張現実(AR)デバイスに関する1つの課題は、変動する周囲光条件下での仮想コンテンツの不透明度および/または可視度の変動である。問題は、完全に暗い部屋または完全に明るい太陽光下の屋外等、極限照明条件において悪化する。1つのソリューションは、ARデバイスの視野内の異なる空間場所において世界光を調光することである。それに対して調光が適用される視野の部分および適用される調光の量はそれぞれ、ARデバイスによって検出された種々の情報に基づいて決定され得る。本情報は、検出された周囲光、検出された視線情報、および/または投影されている仮想コンテンツの検出された明度または場所を含んでもよい。
【0079】
光学的に透過性の制御可能調光アセンブリ、光学的に透過性の液晶ディスプレイ(LCD)、および/または光学的に透過性の有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ等、ピクセルのアレイを伴う光学的に透過性のディスプレイを採用する、調光システムに関して、ユーザは、実世界内の種々の光源から発出する、スパイクまたは画線を観察し得る。より具体的には、光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ内のピクセルのアレイは、明確に異なる数の回折スパイクが実世界内の光源の周囲に生産されるように、その幾何学形状によって、「クロススクリーン」または「スター」写真フィルタのものに類似する様式において、光と相互作用し得る。
【0080】
本明細書に説明される実施形態は、シースルーディスプレイシステム内の光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイによって生産された回折スパイクの視認性を低減させる、技法を提供する。いくつかの実施形態では、湾曲幾何学形状を有するピクセルを伴う、調光アセンブリが、提供される。各ピクセルは、少なくとも1つの湾曲側を有する形状を伴う、電極から成ってもよい。ピクセルは、光学的に透過性の基板上に配置される、2次元アレイを形成してもよい。調光アセンブリはさらに、ピクセルアレイを横断して延設され、特定の湾曲幾何学形状に接着する、導体を含んでもよい。ピクセルアレイに電気的に結合される、制御回路網は、電気信号を印加し、調光アセンブリの種々の層を横断して、電場を生成してもよい。
【0081】
図1は、いくつかの実施形態による、ウェアラブルARデバイスを通して視認されるようなAR場面100を図示する。AR技術のユーザに、人々、木々、背景における建物、および実世界コンクリートプラットフォーム120等の種々の実世界オブジェクト130を特徴とする、実世界公園状設定106が見えている、AR場面100が、描写される。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界コンクリートプラットフォーム120上に立っているロボット像102-2と、それによってマルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ102-1と等、種々の仮想オブジェクト102が「見える」と知覚するが、これらの要素(キャラクタ102-1および像102-2)は、実世界には存在しない。ヒト視知覚および神経系の著しい複雑性に起因して、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、仮想現実(VR)またはAR技術を生産することは、困難である。
【0082】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ARデバイス200の種々の特徴を図示する。いくつかの実施形態では、ARデバイス200は、接眼レンズ202および動的調光器203を通して見ているとき、ユーザが1つ以上の世界オブジェクト230を視認し得るように、ARデバイス200が非アクティブモードまたはオフモードにあるとき、透明または半透明であるように構成される、接眼レンズ202および動的調光器203を含んでもよい。図示されるように、接眼レンズ202および動的調光器203は、並置構成に配列され得、接眼レンズ202および動的調光器203を通して見ているときにユーザに見える、システム視野を形成し得る。いくつかの実施形態では、システム視野は、接眼レンズ202および動的調光器203の一方または両方によって占有される、2次元領域全体として定義される。
図2Aは、簡略化目的のために、単一接眼レンズ202および単一動的調光器203を図示するが、ARデバイス200は、ユーザの片眼毎に、2つの接眼レンズおよび2つの動的調光器を含んでもよいことを理解されたい。
【0083】
動作の間、動的調光器203は、動的調光器203上に衝突する、世界オブジェクト230と関連付けられる世界光232の強度を低減させるように調節され、それによって、調光される面積236をシステム視野内に生産し得る。調光される面積236は、システム視野の一部またはサブセットであってもよく、部分的または完全に、調光されてもよい。動的調光器203は、調光される面積236のための複数の空間的に分解された調光値に従って調節されてもよい。さらに、ARデバイス200の動作の間、プロジェクタ214は、仮想画像光222(すなわち、仮想コンテンツと関連付けられる光)を接眼レンズ202上に投影してもよく、これは、ユーザによって、世界光232とともに観察され得る。
【0084】
仮想画像光222を接眼レンズ202上に投影することは、ユーザが対応する仮想コンテンツをユーザの環境内のある場所に位置付けられるように知覚するように、ライトフィールド(すなわち、仮想コンテンツの角度表現)をユーザの網膜上に投影させ得る。例えば、接眼レンズ202によって外部結合された仮想画像光222は、ユーザに、キャラクタ202-1が第1の仮想深度面210-1に位置付けられるように、像202-2が第2の仮想深度面210-2に位置付けられるように知覚させ得る。ユーザは、プラットフォーム120等の1つ以上の世界オブジェクト230に対応する世界光232とともに、仮想コンテンツを知覚する。
【0085】
いくつかの実施形態では、ARデバイス200は、世界光232を検出するように構成される、周囲光センサ234を含んでもよい。周囲光センサ234は、周囲光センサ234によって検出された世界光232が、動的調光器203および/または接眼レンズ202上に衝突する世界光232に類似する、および/またはそれを表すように、位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、周囲光センサ234は、動的調光器203の異なるピクセルに対応する、複数の空間的に分解された光値を検出するように構成されてもよい。これらの実施形態では、周囲光センサ234は、例えば、結像センサ(例えば、CMOS、CCD等)または複数の光ダイオード(例えば、アレイまたは別の空間的に分散された配列において)に対応してもよい。いくつかの実施形態では、または同一実施形態では、周囲光センサ234は、世界光232の平均光強度または単一光強度に対応する、大域的光値を検出するように構成されてもよい。これらの実施形態では、周囲光センサ234は、例えば、1つ以上の光ダイオードのセットに対応してもよい。他の可能性も、検討される。
【0086】
図2Bは、調光される面積236が、世界光232に対応する、検出された光情報に基づいて決定される、ARデバイス200の実施例を図示する。具体的には、周囲光センサ234は、太陽と関連付けられる世界光232を検出し得、太陽と関連付けられる世界光232がARデバイス200を通して通過する、システム視野の方向および/または部分をさらに検出し得る。それに応答して、動的調光器203は、調光される面積236を設定し、検出された世界光に対応するシステム視野の部分を網羅するように調節されてもよい。図示されるように、動的調光器203は、調光される面積236の端部を上回る量において、調光される面積236の中心における世界光232の強度を低減させるように調節されてもよい。
【0087】
図2Cは、調光される面積236が仮想画像光222に基づいて決定される、ARデバイス200の実施例を図示する。具体的には、調光される面積236は、ユーザが仮想画像光222を観察することから生じる、ユーザによって知覚される仮想コンテンツに基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、ARデバイス200は、可能性の中でもとりわけ、仮想画像光222の場所(例えば、それを通してユーザが仮想コンテンツを知覚する、動的調光器203内の場所)および/または仮想画像光222の明度(例えば、知覚される仮想コンテンツおよび/またはプロジェクタ214において生成される光の明度)を含む、画像情報を検出してもよい。図示されるように、動的調光器203は、調光される面積236を設定し、仮想画像光222に対応するシステム視野の部分を網羅するように調節されてもよい、または代替として、いくつかの実施形態では、調光される面積236は、仮想画像光222と整合されない、システム視野の部分を網羅してもよい。いくつかの実施形態では、調光される面積236の調光値は、周囲光センサ234によって検出された世界光232および/または仮想画像光222の明度に基づいて決定されてもよい。
【0088】
図2Dは、調光される面積236がユーザの眼に対応する視線情報に基づいて決定される、ARデバイス200の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、視線情報は、ユーザの視線ベクトル238および/または視線ベクトル238が動的調光器203と交差する動的調光器203のピクセル場所を含む。図示されるように、動的調光器203は、調光される面積236を設定し、視線ベクトル238と動的調光器203との間の交点(または交差領域)に対応するシステム視野の部分を網羅するように調節されてもよい、または代替として、いくつかの実施形態では、調光される面積236は、視線ベクトル238と動的調光器203との間の交点(または交差領域)に対応しない、システム視野の部分を網羅してもよい。いくつかの実施形態では、調光される面積236の調光値は、周囲光センサ234によって検出された世界光232および/または仮想画像光222の明度に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、視線情報は、ARデバイス200に搭載される、眼追跡器240によって検出されてもよい。
【0089】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的ウェアラブルシステム300の概略図を図示する。ウェアラブルシステム300は、ウェアラブルデバイス301と、ウェアラブルデバイス301から遠隔の少なくとも1つの遠隔デバイス303(例えば、別個のハードウェアであるが、通信可能に結合される)とを含んでもよい。
図3を参照して説明されるようなウェアラブルデバイス301は、
図2A-2Dを参照して上記に説明されるようなARデバイス200に対応し得る。ウェアラブルデバイス301は、ユーザによって装着されるが(概して、ヘッドセットとして)、遠隔デバイス303は、ユーザによって保持される(例えば、ハンドヘルドコントローラとして)、またはフレームに固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様に、ユーザに除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において等)等、種々の構成において搭載されてもよい。
【0090】
ウェアラブルデバイス301は、並置構成において配列され、左光学スタックを構成する、左接眼レンズ302Aと、左動的調光器303Aとを含んでもよい。同様に、ウェアラブルデバイス301は、並置構成において配列され、右光学スタックを構成する、右接眼レンズ302Bと、右動的調光器303Bとを含んでもよい。左および右光学スタックはそれぞれさらに、光学スタックのユーザ側上の遠近調節レンズおよび光学スタックの世界側上の補償レンズ等の種々のレンズを含んでもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス301は、限定ではないが、直接、左接眼レンズ302Aまたはその近くに取り付けられる、左正面に面した世界カメラ306A、直接、右接眼レンズ302Bまたはその近くに取り付けられる、右正面に面した世界カメラ306B、直接、左接眼レンズ302Aまたはその近くに取り付けられる、左側に面した世界カメラ306C、直接、右接眼レンズ302Bまたはその近くに取り付けられる、右側に面した世界カメラ306D、左眼に向かって指向される、左眼追跡カメラ326A、右眼に向かって指向される、右眼追跡カメラ326B、および接眼レンズ302間に取り付けられる、深度センサ328を含む、1つ以上のセンサを含む。ウェアラブルデバイス301は、左接眼レンズ302Aに光学的にリンクされる、左プロジェクタ314A、および右接眼レンズ302Bに光学的にリンクされる、右プロジェクタ314B等の1つ以上の画像投影デバイスを含んでもよい。
【0092】
ウェアラブルシステム300は、システム内でデータを収集、処理、および/または制御するための処理モジュール350を含んでもよい。処理モジュール350のコンポーネントは、ウェアラブルデバイス301と遠隔デバイス303との間に分散されてもよい。例えば、処理モジュール350は、ウェアラブルシステム300のウェアラブル部分上のローカル処理モジュール352と、ローカル処理モジュール352と物理的に別個であって、それに通信可能にリンクされる、遠隔処理モジュール356とを含んでもよい。ローカル処理モジュール352および遠隔処理モジュール356はそれぞれ、1つ以上の処理ユニット(例えば、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)等)と、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ)等の1つ以上の記憶デバイスとを含んでもよい。
【0093】
処理モジュール350は、カメラ306、眼追跡カメラ326、深度センサ328、遠隔センサ330、周囲光センサ、マイクロホン、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、コンパス、グローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)ユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープ等のウェアラブルシステム300の種々のセンサによって捕捉されたデータを収集してもよい。例えば、処理モジュール350は、画像320をカメラ306から受信してもよい。具体的には、処理モジュール350は、左正面画像320Aを左正面に面した世界カメラ306Aから、右正面画像320Bを右正面に面した世界カメラ306Bから、左側画像320Cを左側に面した世界カメラ306Cから、および右側画像320Dを右側に面した世界カメラ306Dから受信してもよい。いくつかの実施形態では、画像320は、単一画像、一対の画像、画像のストリームを備えるビデオ、ペアリングされた画像のストリームを備えるビデオ、および同等物を含んでもよい。画像320は、ウェアラブルシステム300が電源投入されている間、周期的に、生成され、処理モジュール350に送信されてもよい、または処理モジュール350によってカメラのうちの1つ以上のものに送信される命令に応答して、生成されてもよい。
【0094】
カメラ306は、ユーザの周囲の画像を捕捉するように、ウェアラブルデバイス301の外面に沿って、種々の位置および配向において構成されてもよい。いくつかのインスタンスでは、カメラ306A、306Bは、それぞれ、ユーザの左および右眼の視野(FOV)と実質的に重複する、画像を捕捉するように位置付けられてもよい。故に、カメラ306の設置は、ユーザの眼の近くであるが、ユーザのFOVを不明瞭にするほど近くではなくあり得る。代替として、または加えて、カメラ306A、306Bは、それぞれ、仮想画像光322A、322Bの内部結合場所と整合するように位置付けられてもよい。カメラ306C、306Dは、例えば、ユーザの周辺視覚内またはユーザの周辺視覚外のユーザの側面の画像を捕捉するように位置付けられてもよい。カメラ306C、306Dを使用して捕捉された画像320C、320Dは、必ずしも、カメラ306A、306Bを使用して捕捉された画像320A、320Bと重複する必要はない。
【0095】
いくつかの実施形態では、処理モジュール350は、周囲光情報を周囲光センサから受信してもよい。周囲光情報は、明度値または空間的に分解される明度値の範囲を示してもよい。深度センサ328は、ウェアラブルデバイス301の正面に面した方向における深度画像332を捕捉してもよい。深度画像332の各値は、深度センサ328と特定の方向における最も近くの検出されたオブジェクトとの間の距離に対応し得る。別の実施例として、処理モジュール350は、眼追跡データ334を眼追跡カメラ326から受信してもよく、これは、左および右眼の画像を含んでもよい。別の実施例として、処理モジュール350は、投影された画像明度値をプロジェクタ314の一方または両方から受信してもよい。遠隔デバイス303内に位置する遠隔センサ330は、類似機能性を伴う、上記に説明されるセンサのいずれかを含んでもよい。
【0096】
仮想コンテンツは、光学スタック内の他のコンポーネントとともに、プロジェクタ314および接眼レンズ302を使用して、ウェアラブルシステム300のユーザに送達される。例えば、接眼レンズ302A、302Bは、それぞれ、プロジェクタ314A、314Bによって生成された光を指向および外部結合するように構成される、透明または半透明導波管を備えてもよい。具体的には、処理モジュール350は、左プロジェクタ314Aに、左仮想画像光322Aを左接眼レンズ302A上に出力させ得、右プロジェクタ314Bに、右仮想画像光322Bを右接眼レンズ302B上に出力させ得る。いくつかの実施形態では、プロジェクタ314は、微小電気機械的システム(MEMS)空間光変調器(SLM)走査デバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、接眼レンズ302A、302Bはそれぞれ、異なる色に対応する、複数の導波管を備えてもよい。いくつかの実施形態では、レンズアセンブリ305A、305Bは、接眼レンズ302A、302Bに結合され、および/またはそれと統合されてもよい。例えば、レンズアセンブリ305A、305Bは、多層接眼レンズの中に組み込まれてもよく、接眼レンズ302A、302Bのうちの1つを構成する、1つ以上の層を形成してもよい。
【0097】
図4は、光学システム(例えば、ARデバイス200またはウェアラブルデバイス300)を動作させるための例示的方法400を図示する。方法400のステップは、
図4に示されるものと異なる順序で実施されてもよく、ステップの全てが、実施される必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、ステップ406、408、および410のうちの1つ以上のものは、方法400の実施の間、省略されてもよい。方法400の1つ以上のステップは、処理モジュール350のプロセッサまたはウェアラブルシステム300内のある他のコンポーネントによって実施されてもよい。
【0098】
ステップ402では、世界オブジェクト(例えば、世界オブジェクト230)と関連付けられる光(例えば、世界光232)が、光学システムにおいて受光される。世界オブジェクトは、光学システムのユーザによって視認される、木、人物、家、建物、太陽等、任意の数の実世界オブジェクトであってもよい。いくつかの実施形態では、世界オブジェクトと関連付けられる光は、最初に、動的調光器(例えば、動的調光器203または303)または光学システムの外部の審美的レンズによって受光される。いくつかの実施形態では、世界オブジェクトと関連付けられる光は、光が光学システムの1つ以上のコンポーネントに到達すると(例えば、光が動的調光器に到達すると)、光学システムにおいて受光されたと見なされる。
【0099】
ステップ404では、仮想画像光(例えば、仮想画像光222または322)が、接眼レンズ(例えば、接眼レンズ202または302)上に投影される。仮想画像光は、光学システムのプロジェクタ(例えば、プロジェクタ214または314)によって接眼レンズ上に投影されてもよい。仮想画像光は、単一画像、一対の画像、画像のストリームを備えるビデオ、ペアリングされた画像のストリームを備えるビデオ、および同等物に対応してもよい。いくつかの実施形態では、仮想画像光は、仮想画像光と関連付けられる任意の光が接眼レンズに到達すると、接眼レンズ上に投影されたと見なされる。いくつかの実施形態では、仮想画像光を接眼レンズ上に投影することは、ユーザが対応する仮想コンテンツがユーザの環境内のある場所に位置付けられるように知覚するように、ライトフィールド(すなわち、仮想コンテンツの角度表現)をユーザの網膜上に投影させる。
【0100】
ステップ406、408、および410の間、情報が、例えば、光学システムの1つ以上のセンサを使用して、光学システムによって検出されてもよい。ステップ406では、世界オブジェクトと関連付けられる光に対応する光情報が、検出される。光情報は、光学システムに搭載される光センサ(例えば、周囲光センサ234)を使用して検出されてもよい。いくつかの実施形態では、光情報は、複数の空間的に分解された光値を含む。複数の空間的に分解された光値はそれぞれ、システム視野内の2次元位置に対応してもよい。例えば、光値はそれぞれ、動的調光器のピクセルと関連付けられてもよい。他の実施形態では、または同一実施形態では、光情報は、大域的光値を含んでもよい。大域的光値は、システム視野全体と関連付けられてもよい(例えば、動的調光器の全てのピクセル上に衝突する光の平均光値)。
【0101】
ステップ408では、光学システムのユーザの眼に対応する視線情報が、検出される。視線情報は、光学システムに搭載される眼追跡器(例えば、眼追跡器240または326)を使用して検出されてもよい。いくつかの実施形態では、視線情報は、ユーザの眼の視線ベクトル(例えば、視線ベクトル238)を含む。いくつかの実施形態では、視線情報は、ユーザの眼の瞳孔位置、ユーザの眼の回転中心、ユーザの眼の瞳孔サイズ、ユーザの眼の瞳孔直径、およびユーザの眼の錐体および桿体場所のうちの1つ以上のものを含む。視線ベクトルは、瞳孔位置、眼の回転中心、瞳孔サイズ、瞳孔直径、および/または錐体および桿体場所等、視線情報の1つ以上の成分に基づいて決定されてもよい。視線ベクトルが、錐体および桿体場所に基づいて決定されるとき、さらに、錐体および桿体場所を含有する、眼の網膜層内の視線ベクトルの原点を決定するように、光情報(例えば、大域的光値)に基づいて決定されてもよい。いくつかの実施形態では、視線情報は、視線ベクトルが動的調光器と交差する、動的調光器のピクセルまたはピクセルのグループを含む。
【0102】
ステップ410では、プロジェクタによって接眼レンズ上に投影された仮想画像光(例えば、仮想画像光222または322)に対応する、画像情報が、検出される。画像情報は、プロジェクタによって、プロセッサ(例えば、処理モジュール350)によって、または別個の光センサによって検出されてもよい。いくつかの実施形態では、画像情報は、ユーザが仮想画像光を観察するとき、それを通してユーザが仮想コンテンツを知覚する、動的調光器内の1つ以上の場所を含む。いくつかの実施形態では、画像情報は、複数の空間的に分解された画像明度値(例えば、知覚される仮想コンテンツの明度)を含む。例えば、画像明度値はそれぞれ、接眼レンズまたは動的調光器のピクセルと関連付けられてもよい。1つの特定の実装では、プロセッサが、命令をプロジェクタに送信し、仮想画像光を接眼レンズ上に投影するとき、プロセッサは、命令に基づいて、空間的に分解された画像明度値を決定してもよい。別の特定の実装では、プロジェクタが、命令をプロセッサから受信し、仮想画像光を接眼レンズ上に投影するとき、プロジェクタは、空間的に分解された画像明度値をプロセッサに送信する。別の特定の実装では、接眼レンズ上またはその近くに位置付けられる、光センサが、空間的に分解された画像明度値を検出し、プロセッサに送信する。他の実施形態では、または同一実施形態では、画像情報は、大域的画像明度値を含む。大域的画像明度値は、システム視野全体と関連付けられてもよい(例えば、仮想画像光の全ての平均画像明度値)。
【0103】
ステップ412では、少なくとも部分的に調光されることになるシステム視野の一部は、検出された情報に基づいて決定される。検出された情報は、ステップ406の間に検出された光情報、ステップ408の間に検出された視線情報、および/またはステップ410の間に検出された画像情報を含んでもよい。いくつかの実施形態では、システム視野の一部は、システム視野全体に等しい。種々の実施形態では、システム視野の一部は、システム視野の1%、5%、10%、25%、50%、または75%等に等しくてもよい。いくつかの実施形態では、異なるタイプの情報は、少なくとも部分的に調光されることになる部分を決定する際、異なるように加重されてもよい。例えば、視線情報は、利用可能であるとき、少なくとも部分的に調光されることになる部分を決定する際、光情報および画像情報より重く加重されてもよい。1つの特定の実装では、情報の各タイプは、独立して、少なくとも部分的に調光されることになるシステム視野の異なる部分を決定するために使用されてもよく、続いて、異なる部分は、ANDまたはOR演算を使用して、単一部分に組み合わせられてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に調光されることになるシステム視野の一部を決定するために使用される情報は、仮想コンテンツ内に提示される、1つ以上のオブジェクトと関連付けられる、情報を含む。例えば、仮想コンテンツは、テキスト、ナビゲーションインジケータ(例えば、矢印)、および/または他のコンテンツを含んでもよい。そのようなコンテンツが提示されることになる視野の部分および/またはコンテンツの近位の視野は、ユーザが、コンテンツをより容易に読み取り、知覚し、理解し、コンテンツを世界オブジェクトから区別し得るように、調光されることができる。調光器は、1つ以上のピクセルおよび/またはピクセルのゾーンを選択的に調光する、またはコンテンツの視認を向上させることができる。一実施例では、視野の下側部分の区分は、選択的および動的に調光され、ユーザに、指向性(例えば、ナビゲーション)矢印、テキストメッセージ等がより容易に見えるようにすることができる。そのような調光は、コンテンツが、そのようなコンテンツが表示されることになることの決定に応答して表示されている間に実施されてもよく、調光は、コンテンツがもはや表示されなくなると、除去されてもよい。いくつかのインスタンスでは、調光は、視野全体にわたる調光を有効にするピクセル構造によって生じる、アーチファクトを軽減させるために実施されてもよい。
【0105】
ステップ414では、システム視野の一部に関する複数の空間的に分解された調光値が、検出された情報に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、調光値は、仮想コンテンツの所望の不透明度または可視度に基づく公式アプローチを使用して決定される。1つの特定の実装では、仮想コンテンツの可視度は、以下の方程式を使用して計算されてもよい。
【化1】
式中、Vは、可視度であり、I
maxは、画像情報によって示されるような仮想画像光の明度であり、I
backは、光情報(決定された調光値によって修正されてもよい)によって示されるような世界オブジェクトと関連付けられる光値に関連され、Cは、所望のコントラスト(例えば、100:1)である。例えば、可視度方程式は、調光器の各ピクセル場所において、特定のピクセル場所における仮想画像光の明度と、特定のピクセル場所における世界オブジェクトと関連付けられる光値とを使用して、特定のピクセル場所のための調光値を計算するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、I
backは、以下の方程式を使用して定義されてもよい。
【化2】
式中、T
vは、調光器の1つ以上のピクセルを通して通過することを可能にされる、光のパーセンテージであり、I
worldは、光情報によって示されるような世界からの周囲光の明度である。いくつかの実施例では、T
vは、調光値を表す、またはそれに関連され得る。
【0106】
ステップ416では、調光器は、システム視野の一部内のオブジェクトと関連付けられる光の強度を低減させるように調節される。例えば、調光器は、調光器の各ピクセル場所上に衝突する、オブジェクトと関連付けられる光の強度が、その特定のピクセル場所のために決定された調光値に従って低減されるように調節されてもよい。本開示で使用されるように、調光器を調節するステップは、調光器を初期化するステップ、調光器をアクティブ化するステップ、調光器の電源を投入するステップ、以前に初期化され、アクティブ化され、および/または電源を投入された調光器を修正または変更するステップ、および同等物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、システム視野の一部および複数の空間的に分解された調光値の両方を示す、データを調光器に送信してもよい。
【0107】
ステップ418では、プロジェクタは、仮想画像光と関連付けられる明度を調節するように調節される。例えば、いくつかの実施形態では、仮想オブジェクトの明度を増加または減少させずに、仮想コンテンツの所望の不透明度または可視度を達成することは、困難であり得る。そのような実施形態では、仮想画像光の明度は、調光器を調節する前、その後、それと同時に、またはそれと並行して、調節されてもよい。
【0108】
図5は、接眼レンズ502と、種々のレベルの調光を有し得る、調光面積(すなわち、ピクセル)の空間グリッドから成る、ピクセル化された調光要素503とを伴う、ARデバイス500を図示する。調光面積はそれぞれ、関連付けられるサイズ(すなわち、幅)と、関連付けられる間隔(すなわち、ピッチ)とを有してもよい。図示されるように、調光面積の空間グリッドは、入射光の完全調光を提供する、1つ以上の暗いピクセル506と、入射光の完全透過を提供する、1つ以上のクリアなピクセル508とを含んでもよい。ピクセル化された調光要素503内の隣接するピクセルは、境を接してもよい(例えば、ピッチがサイズに等しいとき)、または間隙によって分離されてもよい(例えば、ピッチがサイズを上回るとき)。種々の実施形態では、ピクセル化された調光要素503は、染料ドープまたはゲストホスト液晶、ねじれネマチック(TN)または垂直整合(VA)液晶、または強誘電性液晶等の液晶技術を採用してもよい。いくつかの実施形態では、ピクセル化された調光要素503は、可能性の中でもとりわけ、エレクトロクロミックデバイスを備えてもよい。いくつかの実装では、ピクセル化された調光要素503は、ECBセル等の電気的に制御された複屈折(「ECB」)技術を採用してもよい。
【0109】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、制御可能調光アセンブリ603の側面図を図示する。制御可能調光アセンブリ603は、ARシステムの外部カバーの全部または一部を形成してもよく、および/またはARシステムの光学スタック内に統合されてもよい。いくつかの実装では、
図6の制御可能調光アセンブリ603は、
図2A-2C、3、および5を参照して上記に説明されるようなコンポーネント203、303A、303B、および503のうちの1つ以上のものに対応し得る。
図6の実施例では、制御可能調光アセンブリ603は、外側電極層616Aと内側電極層616Bとの間に挟入される、液晶層618を含み、これは、ひいては、外側偏光器612Aと内側偏光器612Bとの間に挟入される。いくつかの実施例では、制御可能調光アセンブリ603はさらに、外側偏光器612Aと外側電極層616Aとの間に位置付けられる、外側補償フィルム層614A(または波長板)、内側偏光器612Bと内側電極層616Bとの間に位置付けられる、内側補償フィルム層614B(または波長板)、または両方を含んでもよい。制御可能調光アセンブリアーキテクチャおよび制御スキームの付加的実施例は、米国仮特許出願第62/725,993号、米国仮特許出願第62/731,755号、および米国仮特許出願第62/858,252号(その全ては、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)にさらに詳細に説明される。
【0110】
動作時、外側偏光器612Aは、第1の偏光状態(例えば、垂直偏光)をそれを通してユーザの眼に向かって伝搬する周囲光に付与し得る。次に、液晶層618内に含有される液晶分子はさらに、外側および内側電極層616A、616Bを横断して印加される1つ以上の電場に従って、偏光された周囲光を回転/偏光させ得る。対の電極層616A、616Bおよび液晶層618によって付与される、偏光回転は、それを通して通過する周囲光の偏光状態を事実上改変する役割を果たし得るということになる。いくつかの実施例では、遅延および/または付加的偏光回転が、外側および/または内側補償フィルム層614A、614Bを用いて付与されてもよい。最後に、内側偏光器612Bは、第2の異なる偏光状態(例えば、水平偏光)をそれを通してユーザの眼に向かって伝搬する周囲光に付与してもよい。第2の偏光状態は、外側偏光器612A、液晶層618、および随意に、外側および/または内側補償フィルム層614A、614Bの組み合わせられた効果によって周囲光上に付与される、累積偏光状態に略直交するように構成されてもよい。故に、内側偏光器612Bは、第2の偏光状態における周囲光の部分が、影響されずにそれを通して通過することを可能にし得、第2の偏光状態以外の偏光状態における周囲光の部分を減衰させ得る。
【0111】
いくつかの実装では、
図6の制御可能調光アセンブリ603は、セグメント化またはピクセル化された着色/調光パターンを生成し、その上に入射する周囲光を減衰させるように構成されてもよい。そのような実装では、外側電極層616Aおよび内側電極層616Bのうちの1つは、2次元アレイに配列される、個々にアドレス指定可能な電極の層に対応し得る。例えば、いくつかの実施例では、外側電極層616Aは、それぞれ、制御可能調光アセンブリ603によって選択的に制御され、外側電極層616Bと連動して、個別の電場/電圧を生成し得る、電極のアレイに対応し得、これは、単一平面電極に対応し得る。
図6の制御可能調光アセンブリ603は、外側および内側電極層616A、616Bを横断した1つ以上の電場/電圧の印加に応じて、調光パターンを生成するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、外側および内側電極層616A、616Bの一方または両方の電極は、酸化インジウムスズ(ITO)等の光学的に透過性の伝導性材料から作製されてもよい。
【0112】
いくつかの実施例では、制御可能調光アセンブリ603は、周囲光がそのようなコンポーネントに入射する場所および/または角度に基づいて変動する、偏光状態を付与するように構成される、その少なくとも1つのコンポーネント(例えば、外側偏光器612A、内側偏光器612B、外側補償フィルム層614A、内側補償フィルム層614B、外側電極層616A、内側電極層616B、外側電極層616Aおよび/または内側電極層616Bに電気的に結合される、回路網、液晶層618に隣接して配置される、基板材料、外側電極層616A、および/または内側電極層616B等)を用いて、勾配着色/調光パターンに従って、それを通して通過する周囲光を減衰させるように構成されてもよい。その中に制御可能調光アセンブリ603が少なくとも1つの補償フィルム層(例えば、外側および内側補償フィルム層614A、614Bの一方または両方)を含む、いくつかの実装では、そのような補償フィルム層614A、614Bは、周囲光が補償フィルム層614A、614Bに入射する場所および/または角度に基づいて変動するように、それを通して通過する周囲光を偏光/回転/遅延させるように構成されてもよい。角度減衰コンポーネントは、ディスプレイシステムの接眼レンズの表面の少なくとも一部上に配列されてもよい。例えば、いくつかの実装では、角度減衰コンポーネントは、
図2A-2C、3、5、および6を参照して本明細書に説明されるようなコンポーネント203、303a、303B、503、および603のうちの1つ以上のもの等のディスプレイシステムの制御可能調光アセンブリに隣接して配列されてもよい。
【0113】
光学的に透過性の制御可能調光アセンブリ、光学的に透過性のLCD、および/または光学的に透過性のOLEDディスプレイ等、ピクセルのアレイを伴う光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイを通して、実世界を視認するとき、実世界内の種々の光源から発出する、スパイクまたは画線が見え得る。より具体的には、光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ内のピクセルのアレイは、明確に異なる数の回折スパイクが実世界内の光源の周囲に生産されるように、その幾何学形状によって、「クロススクリーン」または「スター」写真フィルタのものに類似する様式において、光と相互作用し得る。
【0114】
図7A-7Cは、本開示のいくつかの実施形態による、種々の技法を使用して捕捉されるような場面の例示的画像700を図示する。
図7Aは、カメラによって捕捉されるような場面の例示的画像700Aを図示する。
図7Bは、ピクセルのアレイを伴う光学的に透過性の空間光変調器を通して同一カメラによって捕捉されるような同一場面の例示的画像700Bを図示する。それを通して例示的画像700Bが捕捉された、光学的に透過性の空間光変調器は、
図8Aおよび8Bを参照して下記にさらに詳細に説明される。例示的画像700Aおよび700Bの両方において捕捉された場面は、照明された光源(例えば、携帯電話上の光)を特徴とする。しかしながら、明確に異なる数の回折スパイク(例えば、4つの回折スパイク)が、例示的画像700A内に存在しない、例示的画像700B内の光源の周囲に存在することが分かる。実施例700Bで呈された光学効果は、ある用途(例えば、芸術的写真撮影等)では望ましくあり得るが、本明細書に説明されるシステムおよび技法の開発を通して、そのような効果は、時として、シースルーディスプレイシステムのユーザにとって、不快または注意散漫となるものとして見られ得ることが見出されている。したがって、いくつかの実施例では、シースルーディスプレイシステム内の光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイによって生産された回折スパイクの視認性を低減させることが望ましくあり得る。
【0115】
いくつかの実装では、シースルーディスプレイシステム内で生産された回折スパイクの視認性は、光源あたり比較的に多数の回折スパイクを生産するように構成される、光学的に透過性の制御可能調光アセンブリ等の光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイを採用することによって、低減され得る。これは、反直感的であるように思われ得るが、光源あたり生産される、回折スパイクまたは画線の数は、各画線の強度および/または長さに反比例し得る。例えば、
図7Cは、
図7Aおよび7Bに示されるものと同一場面の、光源あたり比較的に多数の回折スパイクを生産するように構成される、光学的に透過性の空間光変調器を通して、同一カメラによって捕捉されるような例示的画像700Cを示す。それを通して例示的画像700Cが捕捉された、光学的に透過性の空間光変調器は、
図9A-9Bを参照して下記にさらに詳細に説明される。
【0116】
例示的画像700B内の光源の周囲に存在するものより多数の回折スパイクが、例示的画像700C内の光源の周囲に存在することが分かる。しかしながら、光源あたり生産された回折スパイクまたは画線の数と各画線の強度および/または長さとの間の逆数関係を前提として、例示的画像700C内の回折スパイクは、例示的画像700B内の回折スパイクほど画定されず、かつそれより短い。さらに、例示的画像700C内の光源の周囲に呈される、回折スパイクまたは画線は、比較的に広範囲に及ぶ、例示的画像700B内の光源の周囲に呈されるものよりはるかに集中または局所化されるように現れる。本明細書に説明されるシステムおよび技法の開発を通して、シースルーディスプレイシステムの多くのユーザが、例示的画像700C内に呈された光学効果が例示的画像700B内で呈された光学効果ほど不快および/または注意散漫とならないと見なすことが見出されている。したがって、いくつかの実装では、シースルーディスプレイシステムの光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイは、向上されたユーザ体験を提供するように、光源あたり比較的に多数の回折スパイクを生産するように構成されてもよい。
【0117】
実世界内の所与の光源の周囲に生産される、回折スパイクまたは画線の数は、それを通して該所与の光源からの光が通過する、開口の側または縁の数に比例し、これはまた、それを通して該所与の光源からの光が通過する、開口を囲繞および/または画定する、隔壁の側または縁の数に対応し得る。実世界内の所与の光源の周囲に生産される回折スパイクまたは画線のパターンは、それと該所与の光源からの光が相互作用する、開口-隔壁の幾何学形状のフーリエ変換に対応する。したがって、n個の縁を伴う開口-隔壁幾何学形状は、nが偶数である場合、n個の回折スパイクまたは画線をもたらし得、nが奇数である場合、2n個の回折スパイクまたは画線をもたらし得る。これはまた、開口-隔壁幾何学形状の所与の縁の角配向が、少なくとも部分的に、それがもたらす回折スパイクまたは画線の角配向を決定付け得ることを意味する。本明細書に説明されるシステムおよび技法の開発を通して、光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ内のピクセルのアレイ内の各ピクセルは、それを通して実世界からの光が通過する、ある種の開口として作用し得、アレイ内の各ピクセルを囲繞する、コンポーネント(例えば、導体、回路網、光遮断マスクまたは行列等)は、ある種の対応する隔壁として作用し得ることが見出されている。
【0118】
図8Aおよび8Bは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、ピクセルの例示的アレイ810Aおよび対応する点拡がり関数(PSF)820Bを図示する。ピクセルが、殆どの場合、四辺形(すなわち、4つの辺形状)である、正方形または矩形の形状であることを前提として、多くの光学的に透過性の空間光変調器およびディスプレイは、
図7Bの実施例における場合のように、各実世界光源の周囲に4つの回折スパイクを生産し得るということになる。例えば、
図8Aは、そのような幾何学形状を伴う、ピクセルのアレイ810Aを描写し、
図8Bは、それと関連付けられるPSF820Bを描写する。PSF820Bは、例えば、例示的ピクセルアレイ810Aのフーリエ変換に対応し得る。
図8Bに示されるように、PSF820Bは、
図7Bの例示的画像700B内に呈されるものと異なる、4つの明確に異なるスパイクまたは画線を特徴とする。
【0119】
図9Aおよび9Bは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、ピクセルの例示的アレイ910Aおよび対応するPSF920Bを図示する。いくつかの実装では、開口-隔壁幾何学形状と回折スパイクパターン化との間の関係が、光源あたり回折スパイクの増加された数を生産し、したがって、ユーザ体験を向上させるように、本明細書に説明されるシステムおよび技法のうちの1つ以上のものにおいて活用されてもよい。例えば、
図9Aは、そのような実装のうちのいくつかによる、ピクセルのアレイ910Aを描写し、
図9Bは、それと関連付けられるPSF920Bを描写する。PSF920Bは、例えば、ピクセルアレイ910Aのフーリエ変換に対応し得る。
【0120】
図9Aに示されるように、ピクセルのアレイ910A内の各ピクセルは、湾曲幾何学形状を有する。より具体的には、ピクセルのアレイ910A内の各ピクセルは、一連の弧、半円、または蛇行セグメントによって境界される。いくつかの実装では、ピクセルのアレイ910A内の各ピクセルの湾曲幾何学形状は、多くの直線線分によって近似される。各ピクセルは、ピクセルを形成する際に利用され得る、より直線の線分より湾曲幾何学形状に良好に近似する。いくつかの実装では、ピクセルの各湾曲側は、可能性の中でもとりわけ、50、100、500、または1,000個の直線線分を使用して形成されてもよい。したがって、本明細書で使用されるように、側がその全体として視認されるとき、全体として湾曲側の外観を有する、複数の直線から成る、ピクセルまたは電極の側は、「湾曲」であると見なされる。そのような側は、部分的に湾曲される(例えば、側がその全体として視認されるとき、側の一部のみが湾曲された外観を有する)、または完全に湾曲されてもよい(例えば、側がその全体として視認されるとき、側のあらゆる部分が湾曲された外観を有する)。
【0121】
ピクセルのアレイ910A内の各ピクセルと関連付けられる、開口-隔壁幾何学形状は、無限またはほぼ無限数の縁を有すると言え得る。さらに、
図9Bに示されるように、
図7Cの画像700C内で呈された回折パターンと異ならない、PSF920B内で呈されたパターンは、区別不能(おそらく、ほぼ無限)数のスパイクまたは画線を特徴とし、エアリーパターンと比較的に強固な類似性を持つ。加えて、比較的に広範囲の異なる角度成分が、ピクセルのアレイ910Aと関連付けられる幾何学形状内に表されるため、かつさらに、ピクセルのアレイ910Aと関連付けられる幾何学形状内に表されるそのような異なる角度成分の分布が、比較的に均一であるため、PSF920B内に呈されたパターンは、広範囲の異なる角度における原点から、個々のスパイクまたは画線があまり目立たないような様式において、照射または発出する、回折スパイクまたは画線を特徴とする。
【0122】
着目すべきこととして、中心または原点からの距離の関数としての強度の変化は、PSF820BよりPSF920Bにおいてはるかに高速であることが分かる。実際、ピクセルのアレイ内で湾曲幾何学形状を採用することによって、有利な回折パターンが、達成され得る。下記にさらに詳細に説明されるように、有利な回折パターンは、ピクセルコンポーネント(例えば、電極)および/または光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイのピクセルコンポーネントを囲繞するコンポーネント(例えば、導体、回路網、光遮断マスクまたは行列等)のうちの1つ以上のもの内で湾曲幾何学形状を採用することによって、光学的に透過性の空間光変調器およびディスプレイを伴うシースルーディスプレイシステム内で達成され得る。
【0123】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、シースルーディスプレイシステムのための例示的光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ1000を描写する。光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ1000は、例えば、本明細書に説明される調光アセンブリ、光学的に透過性のLCD、光学的に透過性のOLEDディスプレイ、および同等物のうちの1つ以上のものに類似または匹敵する、光学的に透過性の制御可能調光アセンブリに対応し得る。
図10に示されるように、光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ1000は、それぞれ、湾曲幾何学形状を有し(差込
図1004によって示されるように)、1つ以上の近傍のピクセルから離間される(差込
図1006によって示されるように)、ピクセルのアレイ1002を含む。
【0124】
光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ1000のピクセルのアレイ1002内の各ピクセルはまた、対応する薄膜トランジスタ(TFT)1008に電気的に結合され、これは、ひいては、対応する対の金属ライントレースまたは導体1010に電気的に結合される。そのような金属ライントレースまたは導体1010は、ピクセル間の透過性間隙領域1012内に位置付けられ、さらに、例示的光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ1000の各ピクセルの状態を制御するための1つ以上の回路に電気的に結合される。
図10の実施例では、そのような1つ以上の回路は、ピクセルのアレイ1002から側方にオフセットされる、ガラス上チップ(COG)1014を含んでもよい。このように、光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ1000のCOG1014は、ユーザのFOVの外側に位置付けられる、シースルーディスプレイシステムの筐体または他のコンポーネントによって隠される、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0125】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的湾曲幾何学形状1100を描写する。湾曲幾何学形状1100は、その中で曲率の半径R1が使用される、「四分円」曲率設計を含み、これは、
【化3】
として定義され得る。一実施例では、p=500μmであって、R1=176.7μmである。いくつかの実装では、
図11の例示的湾曲幾何学形状1100は、
図10の光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイ1000または他の類似システム内で採用されてもよい。
【0126】
図12Aは、本開示のいくつかの実施形態による、ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)と、回路モジュールT
(1,1)-T
(M, N)と、導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nとを含む、例示的ピクセルレイアウト1200Aを描写する。より具体的には、
図12Aの実施例では、ピクセルレイアウト1200Aは、N個の行およびM個の列を伴うアレイ内に配列される、ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)を含む。いくつかの実施例では、ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)は、ITO等の光学的に透過性の伝導性材料から作製されてもよい。ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)のそれぞれのものは、回路モジュールT
(1,1)-T
(M, N)の対応するものに電気的に結合される。いくつかの実装では、ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)は、
図10を参照して上記に説明されるピクセルのアレイ1002に類似または匹敵する、ピクセルアレイに対応し得る。いくつかの実装では、回路モジュールT
(1,1)-T
(M,
N)のそれぞれのものは、
図10を参照して上記に説明されるTFT1008に類似または匹敵する、TFT回路に対応し得る。いくつかの実施例では、各TFT回路は、薄膜トランジスタに加え、1つ以上の電子コンポーネントを含んでもよい。
【0127】
回路モジュールT
(1,1)-T
(M, N)のそれぞれのものは、ひいては、導体R
1-R
Mの対応するものおよび導体C
1-C
Nの対応するものに電気的に結合される。いくつかの実施例では、導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nは、
図10を参照して上記に説明される金属トレースラインまたは導体1010に対応し得る。導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nは、それに対して例示的ピクセルレイアウト1200Aが対応する、空間光変調器またはディスプレイの動作を駆動または別様に制御するように構成される、回路網に電気的に結合されてもよい。いくつかの実施例では、そのような回路網は、
図10を参照して上記に説明されるCOG1014に対応し得る。
図12Aに示されるように、ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)および導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nは、
図9A、10、および11に描写されるものに類似する、特定の湾曲幾何学形状に接着する。
【0128】
図12Bは、本開示のいくつかの実施形態による、ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)と、回路モジュールT
(1,1)-T
(M, N)と、導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nとを含む、例示的ピクセルレイアウト1200Bを描写する。いくつかの実施例では、ピクセルレイアウト1200Bのピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)、回路モジュールT
(1,1)-T
(M, N)、および導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nは、
図12Aを参照して上記に説明されるように、例示的ピクセルレイアウト1200Aのピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)、回路モジュールT
(1,1)-T
(M, N)、および導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nに機能的に類似または匹敵し得る。しかしながら、ピクセルレイアウト1200Bでは、ピクセル電極E
(1,1)-E
(M, N)および導体R
1-R
MおよびC
1-C
Nは、例示的ピクセルレイアウト1200Aのものと異なる、湾曲幾何学形状に接着する。
【0129】
図13Aは、本開示のいくつかの実施形態による、シースルーディスプレイシステムのための光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイアセンブリ1300Aの一部の断面図を描写する。アセンブリ1300Aは、例えば、光学的に透過性の制御可能調光アセンブリ、光学的に透過性のLCDアセンブリ、光学的に透過性のOLEDディスプレイアセンブリ、および同等物に対応し得る。より具体的には、
図13Aに描写されるアセンブリ1300Aの部分は、第1の光学的に透過性の基板1302と、第1のピクセル電極1305Aと、第2のピクセル電極1307Aと、導体1309と、液晶層1318と、共通平面電極1316と、光遮断マスク1320Aと、第2の光学的に透過性の基板1322とを含む。
【0130】
いくつかの実装では、第1および第2の光学的に透過性の基板1302、1322の一方または両方は、ガラスから作製されてもよい。ピクセル電極1305Aおよび1305Bは、例えば、電極のアレイ内の近傍のピクセル電極であってもよい。例えば、
図12Aおよび12Bのコンテキスト内では、第1および第2のピクセル電極1305A、1305Bは、それぞれ、ピクセル電極E
(1,1)およびE
(1,2)に対応し得る。同様に、本実施例では、導体1309は、導体C
2に対応し得、これは、
図12Aおよび12Bにおけるピクセル電極E
(1,1)とE
(1,2)との間に配置される。別の実施例では、アセンブリ1300Aの要素1305A、1307A、および1309は、それぞれ、
図12Aおよび12Bを参照して上記に説明されるようなピクセル電極E
(1,1)、E
(2,1)、および導体R
2に対応し得る。
図13Aに示されるように、要素1305A、1307A、および1309のそれぞれ間に間隙またはチャネルが存在してもよい。
【0131】
光遮断マスク1320Aは、導体1309と整合するように位置付けられてもよく、いくつかの実装では、ピクセル電極1305Aと1307Aとの間の間隔より広くてもよい。このように、光遮断マスク1320Aは、ピクセル電極1305Aと1307Aとの間の間隙またはチャネルを通して通過し得る、任意の光と事実上相互作用し得る。一般に、光遮断マスク1320Aは、その上に入射する透過光をある程度吸収する、反射させる、または別様に妨害するように構成されてもよい。したがって、光遮断マスク1320Aは、近傍のピクセル電極1305Aと1307Aとの間のクロストークを防止する役割を果たし得、ピクセル電極1305Aと1307Aとの間を通過し得る、光を遮断または減衰させる役割を果たし得る。そのような機能性は、同様に、シースルーディスプレイシステムの空間光変調器およびディスプレイの両方に有用であり得る。
【0132】
光遮断マスク1320Aの機能性を前提として、光遮断マスク1320Aの幾何学形状はまた、湾曲され、および/または要素1305A、1307A、および1309のうちの1つ以上のものの輪郭に追従してもよい。いくつかの実施例では、
図13Aに描写されるような光遮断マスク1320Aは、ピクセルのアレイ全体を通して跨架する、より大きい光遮断マスクまたは行列の一部を表し得る。いくつかの実装では、光遮断マスク1320Aは、光学的に透過性の基板1322にわたって堆積される、ある量の1つ以上の材料の形態をとってもよい。そのような1つ以上の材料は、光を吸収および/または反射させるように構成される、例えば、樹脂、クロム、および他の材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、光遮断マスク1320Aは、アセンブリ1300Aの別の層に実装されてもよい。例えば、いくつかの実装では、光遮断マスク1320Aは、導体1309、導体1309の両側の間隙またはチャネル、および/またはピクセル電極1305Aおよび1307Aの一部にわたって堆積されてもよい。そのような実装では、光遮断マスク1320Aは、光学的に透過性の基板1302および/または液晶層1318と直接接触してもよい。
【0133】
いくつかの実装では、アセンブリ(例えば、アセンブリ1300A)を含む、ディスプレイシステムが、提供される。アセンブリは、その上に第1のセットの1つ以上の電極(例えば、ピクセル電極1305Aおよび1307A)が配置される、第1の光学的に透過性の基板(例えば、第1の光学的に透過性の基板1302)を含んでもよい。アセンブリはまた、その上に第2のセットの1つ以上の電極(例えば、共通平面電極1316)が配置される、第2の光学的に透過性の基板(例えば、第2の光学的に透過性の基板1322)を含んでもよい。アセンブリはさらに、電場に応答する、第1のセットの1つ以上の電極と第2のセットの1つ以上の電極との間に位置付けられる、1つ以上の層(例えば、液晶層1318)を含んでもよい。アセンブリはさらに、第2の光学的に透過性の基板にわたって特定の幾何学的パターンに配置される、ある量の材料(例えば、光遮断マスク1320A)を含んでもよく、特定の幾何学的パターンは、複数の湾曲セグメントを含む。アセンブリはさらに、第1のセットの1つ以上の電極および第2のセットの1つ以上の電極に電気的に結合される、制御回路網(例えば、
図10のCOG1014)を含んでもよい。制御回路網は、電気信号を第1および第2のセットの1つ以上の電極の一方または両方に印加し、1つ以上の層を横断して、1つ以上の電場を選択的に生成するように構成されてもよい
【0134】
図13Bは、本開示のいくつかの実施形態による、シースルーディスプレイシステムのための光学的に透過性の空間光変調器またはディスプレイアセンブリ1300Bの一部の断面図を描写する。より具体的には、
図13Bに描写されるアセンブリ1300Bの部分は、第1の光学的に透過性の基板1302と、第1のピクセル電極1305Bと、第2のピクセル電極1307Bと、第1の導体1308と、第2の導体1310と、液晶層1318と、共通平面電極1316と、光遮断マスク1320Bと、第2の光学的に透過性の基板1322とを含む。
【0135】
いくつかの実施例では、アセンブリ1300Bの要素1302、1318、1316、および1322は、
図13Aを参照して上記に説明されるようなアセンブリ1300Aの要素1302、1318、1316、および1322に対応し得る。アセンブリ1300Aとアセンブリ1300Bとの間の主要な差異は、アセンブリ1300Bでは、2つの導体(例えば、導体1308および1310)が、近傍のピクセル電極(例えば、ピクセル電極1305Bと1307B)間に配置される一方、アセンブリ1300Aでは、単一導体(例えば、導体1309)が、近傍の電極(例えば、ピクセル電極1305Aと1307A)間に配置されることである。したがって、ピクセル電極1305Bと1307Bとの間の間隔は、ピクセル電極1305Aと1307Aとの間の間隔を上回る。
図13Bの構成は、例えば、「二重ゲート」配線および制御スキーム等のあるピクセルアレイ配線および制御スキームが実装される、実施例において採用されてもよい。ピクセル電極1305Bと1307Bとの間の比較的に大間隔を前提として、光遮断マスク1320Bは、比較的に広くあり得るということになる。
【0136】
上記に述べられた差異を除き、アセンブリ1300Bの要素1305B、1307B、および1320Bは、
図13Aを参照して上記に説明されるようなアセンブリ1300Aの要素1305A、1307A、および1320Aに類似または匹敵するように機能し得る。したがって、いくつかの実施例では、アセンブリ1300Bの要素1305Bおよび1307Bは、それぞれ、
図12Aおよび12Bを参照して上記に説明されるようなピクセル電極E
(1,1)およびE
(1,2)に対応し得る。他の実施例では、アセンブリ1300Bの要素1305Bおよび1307Bは、それぞれ、
図12Aおよび12Bを参照して上記に説明されるようなピクセル電極E
(1,1)およびE
(2,1)に対応し得る。いくつかの実装では、アセンブリ1300Aおよび1300Bは、同一アセンブリの異なる部分を表し得る。例えば、そのような実装では、アセンブリ1300Aの要素1305Aおよび1307Aは、それぞれ、
図12Aおよび12Bを参照して上記に説明されるようなピクセル電極E
(1,1)およびE
(1,2)に対応し得、アセンブリ1300Bの要素1305Bおよび1307Bは、それぞれ、
図12Aおよび12Bを参照して上記に説明されるようなピクセル電極E
(1,1)およびE
(2,1)に対応し得る、またはその逆であり得る。これらの実装では、各ピクセル電極の幅は、水平および垂直に近傍のピクセル電極間の間隙またはチャネルのサイズにおける差異に起因して、同一ピクセルの高さと異なり得る。しかしながら、そのような幅および高さの差異は、ピクセルピッチがピクセルのアレイ全体を通して一定値に維持されることを可能にし得る。
【0137】
図14A、14B、14C、および14Dは、それぞれ、本開示のいくつかの実施形態による、例示的湾曲幾何学形状1400A、1400B、1400C、および1400Dを示す。いくつかの実装では、例示的湾曲幾何学形状1400A、1400B、1400C、および1400Dのうちの1つ以上のものは、
図12Aの湾曲幾何学形状または
図12Bの湾曲幾何学形状の代わりに、本明細書に説明されるシステムのうちの1つ以上のものにおいて採用されてもよい。いくつかの実装では、例示的湾曲幾何学形状1400A、1400B、1400C、および1400Dのうちの1つ以上のもののそれぞれを画定する、線は、ピクセル電極の外周界、近傍のピクセル電極間の導体によって辿られる経路、および/または光遮断マスクまたは行列のパターンを表し得る。
【0138】
図12Aおよび12Bの湾曲幾何学形状と同様に、湾曲幾何学形状1400A、1400B、1400C、および1400Dは、半円および/または四分円等の連結された半円のパターンに対応し得る。加えて、例示的湾曲幾何学形状1400A、1400B、1400C、および1400Dの線は、
図12Aおよび12Bの湾曲幾何学形状の線と同様に平面充填する、形状のアレイを画定することが分かる。また、
図12Aおよび12Bの湾曲幾何学形状と同様に、比較的に広範囲の異なる角度成分が、そのような幾何学形状と関連付けられる回折スパイクまたは画線が、広範囲の異なる角度において各光源から照射または発出するように現れるように、湾曲幾何学形状1400A、1400B、1400C、および1400D内に表され得る。さらに、湾曲幾何学形状1400A、1400B、1400C、および1400D内に表される異なる角度成分の分布は、個々のスパイクまたは画線がそのような幾何学形状と関連付けられる回折パターンにおいてほぼ区別不能であるように、比較的に均一であり得る。
【0139】
図15は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的ピクセルレイアウト1500および対応するPSF1502を示す。図示される実施例では、ピクセルレイアウト1500は、
図12Aの湾曲幾何学形状を含み、さらに、ピクセル電極1502と、回路モジュール1508と、導体1510とを含む。いくつかの実施形態では、ピクセルレイアウト1500は、少なくとも部分的に湾曲され、要素1502、1508、および1510のうちの1つ以上のものの占有面積を被覆する、光遮断マスクを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光遮断マスクの部分は、要素1502、1508、および1510のうちの1つ以上のものの占有面積より若干大きい占有面積を有してもよい。代替として、または加えて、光遮断マスクの部分は、要素1502、1508、および1510のうちの1つ以上のものの占有面積より若干小さい占有面積を有してもよい。
【0140】
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的ピクセルレイアウト1600および対応するPSF1602を示す。図示される実施例では、ピクセルレイアウト1600は、
図12Aに示されるものに類似する湾曲幾何学形状を含み、さらに、ピクセル電極1602と、回路モジュール1608と、導体1610とを含む。いくつかの実施形態では、ピクセルレイアウト1600は、湾曲され、要素1602、1608、および1610のうちの1つ以上のものの占有面積を被覆する、光遮断マスクを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光遮断マスクの一部は、要素1602、1608、および1610のうちの1つ以上のものの占有面積より若干大きい占有面積を有してもよい。代替として、または加えて、光遮断マスクの一部は、要素1602、1608、および1610のうちの1つ以上のものの占有面積より若干小さい占有面積を有してもよい。
【0141】
ピクセルレイアウト1600は、回路モジュール1608が位置する領域が、湾曲幾何学形状を有する一方、回路モジュール1508が位置する領域は、直線縁および鋭的角を有するという点で、ピクセルレイアウト1500と異なる。いくつかの実装では、回路モジュール1608自体が、湾曲縁を含んでもよい。いくつかの実装では、回路モジュール1608および導体1610の組み合わせが、回路モジュール1608が位置する領域に湾曲縁を形成してもよい。いくつかの実装では、光遮断マスク、回路モジュール1608、および導体1610の組み合わせが、回路モジュール1608が位置する領域に湾曲縁を形成してもよい。いくつかの実装では、光遮断マスクは、回路モジュール1608および導体1610の両方より大きい占有面積を有してもよく、回路モジュール1608が位置する領域に湾曲占有面積を有してもよい。
【0142】
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的ピクセルレイアウト1700の一部を示す。図示される実施例では、ピクセルレイアウト1700は、ピクセルレイアウト1600に対応し得る。ピクセルレイアウト1700は、ピクセル電極1702と、回路モジュール1708と、導体1710と、光遮断マスク1720とを含む。光遮断マスク1720の占有面積は、湾曲され、回路モジュール1708が位置する領域における回路モジュール1708および導体1710の集合的占有面積より大きい。示されるように、回路モジュール1708は、それらの要素のそれぞれが光遮断マスク1720の湾曲占有面積内に嵌合し得るように、導体1710が回路モジュール1708の周囲に配索され得るように位置付けられることができる。導体1710は、例証的目的のためだけに、回路モジュール1708から離れるように移動するように不明瞭にされている(例えば、光遮断マスク1720がピクセルレイアウト1700のある領域における導体1710に類似する占有面積を有し得ることを図示するために)ことに留意されたい。導体1710は、ピクセルレイアウト1700の近傍の回路モジュールに向かって延在し続け得ることを理解されたい。
【0143】
図18Aおよび18Bは、本開示のいくつかの実施形態による、「網戸」アーチファクトを低減させるために採用され得る、ピクセルレイアウトのための種々の例示的傾斜構成を示す。
図18Aは、0°、15°、30°、および45°の傾斜角度における矩形幾何学形状を伴う、ピクセルレイアウト1802の傾斜を示す。
図18Bは、0°、15°、30°、および45°の傾斜角度における湾曲幾何学形状(例えば、四分円)を伴う、ピクセルレイアウト1804の傾斜を示す。
【0144】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、「網戸」アーチファクトの可視性に及ぼされる
図18Aおよび18Bの異なる傾斜構成の効果を示す、例示的プロットを示す。具体的には、パーセンテージとしての「網戸」アーチファクトの可視性が、矩形幾何学形状を伴うピクセルレイアウト1802および湾曲幾何学形状を伴うピクセルレイアウト1804に関する、15°ずつの0°~90°の配向に関してプロットされる。可視性における有意な減少が、15°~75°の傾斜角度に関する両幾何学形状に関して示される。最小可視性が、45°におけるピクセルレイアウト1802に関して観察され、最小可視性が、15°~75°におけるピクセルレイアウト1804に関して観察される。
【0145】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による、
図18Aの異なる傾斜構成に関する「網戸」アーチファクトの可視性を示す、例示的画像2000を示す。例示的画像2000内で観察され得るように、「網戸」アーチファクトの可視性は、傾斜角度が0°~45°で増加するにつれて、有意に減少する。
【0146】
図21は、本開示のいくつかの実施形態による、第1の電極2105と、第2の電極2107と、導体2109と、光遮断マスク2120とを含む、例示的ピクセルレイアウト2100を示す。再び
図13Aを参照すると、ピクセルレイアウト2100の要素2105、2107、2109、および2120は、例えば、それぞれ、要素1305A、1307A、1309、および1320Aに対応し得る。したがって、いくつかの実装では、1つ以上のガラス基板および/または液晶層が、例示的ピクセルレイアウト2100の2105、2107、2109、および2120のうちの1つ以上のものに隣接して位置付けられてもよい。着目すべきこととして、近傍のピクセル電極2105および2107は、湾曲幾何学形状を有しておらず、正方形または矩形の形状を有することが分かる。同様に、近傍のピクセル電極2105と2107との間の空間内に位置付けられる、導体2109は、比較的に直線である。
【0147】
これらの理由から、要素2105、2107、および2109は、
図7B、8A、および8Bを参照して上記に説明されるものに類似する回折パターンをもたらすことが予期され得る。しかしながら、
図21から分かるように、いくつかの実装では、光遮断マスク2120は、湾曲幾何学形状を有し、近傍のピクセル電極2105および2107および/または導体1309の対向縁の一方または両方と相互作用し得る、任意の光を傍受するために十分に広くあってもよい。したがって、ピクセルレイアウト2100は、依然として、光遮断マスク2120のサイズ、位置付け、および湾曲幾何学形状によって、有利な回折パターンをもたらし得る。いくつかの実施例では、光遮断マスク2120は、ピクセルのアレイ全体を通して及ぶより大きい光遮断マスクまたは行列の一部を表し得る。
【0148】
主に、制御可能調光アセンブリ、LCDシステム、およびOLEDディスプレイ等の光学的に透過性の空間光変調器およびディスプレイのコンテキスト内で説明されるが、本明細書に説明される構成および技法のうちの1つ以上のものは、他のシステムにおいて、シースルーピクセルアレイとともに活用されてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実装では、本明細書に説明される湾曲幾何学形状および関連付けられる動作原理のうちの1つ以上のものは、シースルーディスプレイシステム、カメラ、または他のデバイスの一部として含まれ得る、シースルーCMOSセンサ等の光学的に透過性の結像デバイス内で活用されてもよい。
【0149】
上記に議論される方法、システム、およびデバイスは、実施例である。種々の構成は、必要に応じて、種々のプロシージャまたはコンポーネントを省略、代用、または追加してもよい。例えば、代替構成では、本方法は、説明されるものと異なる順序で実施されてもよく、および/または種々の段階は、追加される、省略される、および/または組み合わせられてもよい。また、ある構成に関して説明される特徴は、種々の他の構成において組み合わせられてもよい。構成の異なる側面および要素は、類似様式で組み合わせられてもよい。また、技術は、進歩するものであって、したがって、要素の多くは、実施例であって、本開示の範囲または請求項を限定するものではない。
【0150】
具体的詳細が、実装を含む、例示的構成の完全な理解を提供するために説明に与えられる。しかしながら、構成は、これらの具体的詳細を伴わずに実践されてもよい。例えば、周知の回路、プロセス、あるゴリズム、構造、および技法は、構成を曖昧にすることを回避するために、不必要な詳細を伴わずに示されている。本説明は、例示的構成のみを提供し、請求項の範囲、可用性、または構成を限定するものではない。むしろ、構成の前述の説明は、当業者に説明される技法を実装するための有効な説明を提供するであろう。種々の変更が、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、要素の機能および配列に行われてもよい。
【0151】
また、構成は、概略フローチャートまたはブロック図として描写される、プロセスとして説明され得る。それぞれ、シーケンシャルプロセスとして動作を説明し得るが、動作の多くは、並行して、または同時に実施されることができる。加えて、動作の順序は、再配列されてもよい。プロセスは、図内に含まれない付加的ステップを有してもよい。さらに、本方法の実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または任意のそれらの組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコード内に実装されるとき、必要タスクを実施するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、記憶媒体等の非一過性コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよい。プロセッサは、説明されるタスクを実施してもよい。
【0152】
いくつかの例示的構成が説明されたが、種々の修正、代替構造、および均等物が、本開示の精神から逸脱することなく、使用されてもよい。例えば、前述の要素は、より大きいシステムのコンポーネントであってもよく、他のルールが、本技術の用途に優先する、または別様にそれを修正してもよい。また、いくつかのステップは、前述の要素が検討される前、間、または後に行われてもよい。故に、前述の説明は、請求項の範囲を束縛するものではない。
【0153】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈によって明確に別様に示されない限り、複数参照を含む。したがって、例えば、「ユーザ」の言及は、複数のそのようなユーザを含み、「プロセッサ」の言及は、1つ以上のプロセッサおよび当業者に公知のその均等物等の言及を含む。
【0154】
また、単語「comprise(~を備える)」、「comprising(~を備える)」、「contains(~を含有する)」、「containing(~を含有する)」、「include(~を含む)」、「including(~を含む)」、および「includes(~を含む)」は、本明細書および以下の請求項で使用されるとき、述べられた特徴、整数、コンポーネント、またはステップの存在を規定するために意図されるが、それらは、1つ以上の他の特徴、整数、コンポーネント、ステップ、行為、またはグループの存在または追加を除外するものではない。
【0155】
また、本明細書に説明される実施例および実施形態は、例証目的のみのためのものであって、それに照らして、種々の修正または変更が、当業者に示唆され、本願の精神および権限および添付の請求項の範囲内に含まれることを理解されたい。