(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102114
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】極低温量子コンピューティング用途において実装されるモノリシック信号キャリア・デバイス
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20240723BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20240723BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20240723BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240723BHJP
H10N 60/00 20230101ALI20240723BHJP
【FI】
H05K1/02 F
H05K3/46 U
H05K1/18 J
H05K7/20 B
H05K7/20 C
H10N60/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067312
(22)【出願日】2024-04-18
(62)【分割の表示】P 2021545752の分割
【原出願日】2020-02-24
(31)【優先権主張番号】16/287,489
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ハート、シーン
(72)【発明者】
【氏名】ブロン、ニコラス、トーレイフ
(72)【発明者】
【氏名】グマン、パトリク
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァデーセ、サルヴァトーレ、ベルナルド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にする、デバイス、システム、方法、およびコンピュータ実装方法を提供する。
【解決手段】デバイス100は、接地層102内と信号層104内とに配置された熱バリア108を含むモノリシック信号キャリア・デバイスを含み、熱バリア108において接地層102と信号層104とに結合された熱デカップリング・デバイス110をさらに含み、接地層102と極低温冷却器の極低温プレート120とに結合されたヒート・シンク118をさらに含むことができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温冷却器において量子コンピューティング・デバイスへのマイクロ波信号の伝送を容易にするためのデバイスであって、
極低温冷却器の極低温プレート(120)と、
フレキシブル・ヒート・シンク(118)と、
第1の接地層(102)内と信号層(104)内とに配置された熱バリア(108)を含むモノリシック信号キャリア・デバイスと、
第2の接地層(106)であって、前記信号層は前記第1の接地層と前記第2の接地層の間に配置され、
前記第1の接地層は、第1の設置層区分(102aと102b)を含み、熱バリアで分離され、
前記第2の接地層は、第2の設置層区分(106aと106b)を含み、熱バリアで分離され、
前記信号層は、信号層区分(104aと104b)を含み、熱バリアで分離され、
分離区分(116)は、第1の接地層区分(102aと102b)内に形成され、第1接地層からの信号ビアの分離をもたらし、
材料(122)は、第1の接地層と信号層との間と、信号層と第2の接地層との間に含まれ、前記材料は、熱バリアと分離区分を含み、
熱デカップリング・デバイス(110)は、熱バリアにおいて接地層に結合し、前記熱デカップリング・デバイスは、ワイヤ・ボンド(114a)と信号ビア(112a)とによって信号層区分(104a)に結合し、または、ワイヤ・ボンド(114b)と信号ビア(112b)とによって信号層区分(104b)に結合され、
前記熱デカップリング・デバイスは、前記ワイヤ・ボンドまたは前記信号ビアにより、前記第1の接地層に熱的に結合し、または、前記信号層に電気的に結合し、
前記フレキシブル・ヒート・シンク(118)は前記第1の接地層と前記極低温プレートに結合され、前記ヒート・シンクは、前記第1の接地層と前記極低温プレートを熱化し、前記極低温プレートと信号層区分の温度とを等しくする
デバイス。
【請求項2】
前記信号層は、1つまたは複数のストリップライン・マイクロ波伝送線を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ヒート・シンクは、熱伝導性ヒート・シンクまたは導電性ヒート・シンクのうちの少なくとも一方を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記モノリシック信号キャリア・デバイスは、モノリシック誘電体回路基板またはモノリシック有機積層回路基板を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記接地層に遮蔽体を結合することをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記遮蔽体は、前記熱デカップリング・デバイスを電気的に分離し、それによって、前記熱デカップリング・デバイス、または前記熱デカップリング・デバイスを前記信号層に結合する1つもしくは複数のワイヤ・ボンド、または前記信号層の複数のストリップライン・マイクロ波伝送線のうちの、少なくとも1つの間のクロストークの低減を容易にする、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記遮蔽体は、銅ニッケル遮蔽体と、ステンレス鋼遮蔽体と、ニオブ遮蔽体と、アルミニウム遮蔽体と、超伝導遮蔽体とからなるグループから選択される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項8】
前記接地層と、極低温冷却器の極低温プレートとに結合されたヒート・シンクをさらに含み、前記ヒート・シンクは、前記接地層を前記極低温プレートに熱的に結合し、前記熱バリアは、異なる極低温プレートに熱的に結合された前記接地層の区分を分離する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項9】
極低温冷却器において量子コンピューティング・デバイスへのマイクロ波信号の伝送を容易にするための方法であって、
極低温冷却器の極低温プレート(120)を形成し、
フレキシブル・ヒート・シンク(118)を形成し、
第1の接地層(102)内と信号層(104)内とに配置された熱バリア(108)を含むモノリシック信号キャリア・デバイスを形成し、
第2の接地層(106)を形成し、前記信号層は前記第1の接地層と前記第2の接地層の間に配置され、
前記第1の接地層は、第1の設置層区分(102aと102b)を含み、熱バリアで分離され、
前記第2の接地層は、第2の設置層区分(106aと106b)を含み、熱バリアで分離され、
前記信号層は、信号層区分(104aと104b)を含み、熱バリアで分離され、
分離区分(116)は、第1の接地層区分(102aと102b)内に形成され、第1接地層からの信号ビアの分離をもたらし、
材料(122)は、第1の接地層と信号層との間と、信号層と第2の接地層との間に含まれ、前記材料は、熱バリアと分離区分を含み、
熱デカップリング・デバイス(110)は、熱バリアにおいて接地層に結合し、前記熱デカップリング・デバイスは、ワイヤ・ボンド(114a)と信号ビア(112a)とによって信号層区分(104a)に結合し、また、ワイヤ・ボンド(114b)と信号ビア(112b)とによって信号層区分(104b)に結合され、
前記熱デカップリング・デバイスは、前記ワイヤ・ボンドまたは前記信号ビアにより、前記第1の接地層に熱的に結合し、または、前記信号層に電気的に結合し、
前記フレキシブル・ヒート・シンク(118)は前記第1の接地層と前記極低温プレートに結合され、前記ヒート・シンクは、前記第1の接地層と前記極低温プレートを熱化し、前記極低温プレートと信号層区分の温度とを等しくする
方法。
【請求項10】
前記接地層に遮蔽体を結合することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号キャリア・デバイスに関し、より詳細には、極低温冷却器における量子コンピューティング・デバイスへのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるモノリシック信号キャリア・デバイスに関する。量子コンピューティングは、一般に、演算機能および情報処理機能の実行のために量子力学現象を使用するものである。量子コンピューティングは、一般にトランジスタを使用して2進値で動作する古典的コンピューティングと対比して見ることができる。すなわち、古典的コンピュータは、0か1のいずれかのビット値で動作することができるが、量子コンピュータは、0と1の両方の重ね合わせを含む量子ビットで動作し、複数の量子ビット(キュービット)をもつれ合わせることができ、干渉を使用することができる。
【背景技術】
【0002】
汎用量子コンピュータ(例えば、量子コンピューティング・ハードウェア)は多くの物理キュービット(例えば数百万個)を必要とし、誤り訂正方式は、そのようなキュービットすべてへのアクセス(例えば、そのようなキュービットすべてへのマイクロ波信号伝送)を必要とする。現在の最先端システムの問題は、極低温冷却器(例えば希釈冷却器)の1つまたは複数の段(例えば混合室段)へのアクセスが、極低温冷却器の段を画定する極低温プレートを通って物理的に嵌合し得るコネクタの数に限定されることである。既存のシステムは、入力および出力用の約200ポートに限定されており、したがってこのようなシステムは、量子コンピューティング・ハードウェアとの間で(例えば100個のキュービットへの)約100の独立したマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるに過ぎない。現在の最先端システムのもう一つの問題は、極低温冷却器の各段におけるこのようなコンポーネントの熱的分離を確実にするために、各極低温プレートにおいて、または各極低温プレート間で、あるいはその両方においていくつかの接続コンポーネントを必要とすることである。例えば、そのような既存のシステムは、極低温冷却器の混合室段における量子コンピューティング・デバイスにアクセスする各ポートのために、いくつかの隔壁(例えばサブミニチュア・バージョンA(SMA)隔壁)、減衰器、および同軸ケーブルを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
以下に、本発明の1つまたは複数の実施形態について基本的な理解が得られるようにするための概要を示す。本概要は、主要または重要な要素を特定すること、または、特定の実施形態の範囲または特許請求のいかなる範囲も規定することを意図していない。その唯一の目的は、後述のより詳細な説明の前置きとして概念を簡略的な形で示すことである。本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態では、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができる、デバイス、システム、方法、またはコンピュータ実装方法あるいはこれらの組合せについて説明する。
【0004】
本発明の一実施形態によると、デバイスが、接地層内と信号層内とに配置された熱バリアを含むモノリシック信号キャリア・デバイスを含み得る。デバイスは、熱バリアにおいて接地層と信号層とに結合された熱デカップリング・デバイスをさらに含み得る。これの利点は、極低温冷却器の混合室段におけるそれぞれの量子コンピューティング・デバイスまたはキュービットあるいはその両方に独立したマイクロ波信号を伝送するために使用可能な多数(例えば約1000以上)の独立したマイクロ波信号伝送路(例えば、ストリップライン・マイクロ波伝送線)を設けることができることである。
【0005】
装置は、接地層と極低温冷却器の極低温プレートとに結合されたヒート・シンクをさらに含むことができ、ヒート・シンクは、接地層と極低温プレートとを熱化する。ヒート・シンクは、フレキシブル・ヒート・シンクを含み得る。これの利点は、デバイスと極低温プレートとが、極低温冷却器の各極低温段の変動する温度により独立して膨張および収縮可能とすることができることである。
【0006】
本発明の一実施形態によると、方法が、モノリシック信号キャリア・デバイスにおける接地層と信号層とを形成することを含み得る。この方法は、接地層内と信号層内とに熱バリアを形成することをさらに含み得る。この方法は、熱バリアにおいて接地層と信号層とに熱デカップリング・デバイスを結合することも含み得る。
【0007】
この方法は、接地層と、極低温冷却器の極低温プレートとにヒート・シンクを結合することをさらに含み得る。
【0008】
本発明の別の実施形態によると、デバイスが、接地層内と信号層内とに配置された熱バリアを含むモノリシック信号キャリア・デバイスを含み得る。デバイスは、熱バリアにおいて接地層と信号層とに結合された熱デカップリング・デバイスをさらに含み得る。デバイスは、接地層に結合された遮蔽体も含み得る。これの利点は、遮蔽体が独立したマイクロ波信号伝送路間のクロストークを低減することができることである。
【0009】
このデバイスは、接地層と極低温冷却器の極低温プレートとに結合されたヒート・シンクをさらに含むことができ、ヒート・シンクは、接地層を極低温プレートに熱的に結合し、熱バリアは、異なる極低温プレートに熱的に結合された接地層の区分を分離する。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、システムが、極低温段を分離する極低温プレートを含む極低温冷却器を含み得る。システムは、極低温プレートに結合され、極低温冷却器の混合室段に極低温段を横切ってマイクロ波信号を伝送するモノリシック信号キャリア・デバイスをさらに含み得る。
【0011】
接地層は、接地層を極低温プレートに熱的に結合するヒート・シンクによって極低温プレートに結合され得、熱バリアは、極低温プレートに熱的に結合された、接地層の区分を分離する。
【0012】
本発明の別の実施形態によると、方法が、モノリシック信号キャリア・デバイスを極低温冷却器の1つまたは複数の極低温プレートに結合することを含み得る。この方法は、モノリシック信号キャリア・デバイスを介して極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段にマイクロ波信号を伝送することをさらに含み得る。
【0013】
方法は、モノリシック信号キャリア・デバイスの接地層と1つまたは複数の極低温プレートとを熱化することをさらに含み得る。方法は、モノリシック信号キャリア・デバイスの接地層と信号層とを熱化することも含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイスを示す側面図である。
【
図1B】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイスを示す側面図である。
【
図2A】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイスにおける層を示す上面図である。
【
図2B】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイスにおける層を示す上面図である。
【
図2C】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイスにおける層を示す上面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイスを示す直交図である。
【
図4A】本発明の一実施形態により伝送されるマイクロ波信号のデータを示すグラフである。
【
図4B】本発明の一実施形態により伝送されるマイクロ波信号のデータを示すグラフである。
【
図5】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ配信号の伝送を容易にすることができるデバイスを示す直交図である。
【
図6】本発明の一実施形態により伝送されるマイクロ波信号のデータを示すグラフ600である。
【
図7】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるシステムを示す直交図である。
【
図8】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるシステムを示す上面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるシステムを示す側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるコンピュータ実装方法を示す流れ図である。
【
図11】本発明の一実施形態による、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるコンピュータ実装方法を示す流れ図である。
【
図12】本発明の1つまたは複数の実施形態を容易にすることができる動作環境を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の詳細な説明は例示に過ぎず、本発明または本発明の適用もしくは用途、あるいはその両方を限定することを意図していない。また、上記の「背景技術」または「発明の概要」の項あるいは「発明を実施するための形態」の項に示されているいかなる明示的または暗黙的情報によっても限定されることを意図していない。
【0016】
次に、本発明の1つまたは複数の実施形態について、図面を参照しながら説明するが、全体を通じて同様の要素を参照するために同様の参照される番号が使用される。以下の説明では、説明を目的として、1つまたは複数の実施形態をよりよく理解することができるようにするために多くの特定の詳細が記載されている。しかし、様々な場合において、1つまたは複数の実施形態はこれらの特定の詳細がなくても実施可能であることは明らかである。本発明の図面は、例示のためにのみ提供され、したがって図面は一律の縮尺では描かれていないことに留意されたい。
【0017】
極低温冷却器の段を画定する極低温プレートを通って物理的に嵌合し得るコネクタの数によって限定されている、極低温冷却器の1つまたは複数の段(例えば混合室段)へのアクセスに関する上記の問題を考慮し、本発明は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができる、デバイス、システム、方法、またはコンピュータ実装方法あるいはこれらの組合せの形態で、この問題の解決策を実現するために実装することができる。このようなデバイス、システム、方法またはコンピュータ実装方法あるいはこれらの組合せの利点は、極低温冷却器の混合室段におけるそれぞれの量子コンピューティング・デバイスまたはキュービットあるいはその両方に、独立したマイクロ波信号を伝送するために使用可能な多数(例えば約1000以上)の独立したマイクロ波信号伝送路(例えばストリップライン・マイクロ波伝送線)を設けるために採用可能であることである。
【0018】
また、現在の最先端システムの上記の問題が、極低温冷却器の各段におけるいくつかの接続コンポーネントの熱的分離を確実にするように、各極低温プレートにおいて、または各極低温プレート間で、あるいはその両方においてそのようなコンポーネントを必要とすることであることを考慮して、本発明は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのモノリシック信号キャリア・デバイスを介したマイクロ波信号の伝送を容易にする、デバイス、システム、方法またはコンピュータ実装方法あるいはこれらの組合せの形態でこの問題の解決策を実現するように実装可能である。このようなデバイス、システム、方法またはコンピュータ実装方法あるいはこれらの組合せの利点は、最先端システムにおいて採用されるいくつかのコンポーネント(例えばサブミニチュア・バージョンA(SMA)隔壁、同軸ケーブルなど)を使用せずに、極低温冷却器の複数段を通して延び得るモノリシック信号キャリア・デバイスを介したそのようなマイクロ波信号の伝送を容易にすることができ、それによってそのようなコンポーネントを不要にすることができることである。
【0019】
図1Aに、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイス100aを示す。デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、半導体デバイスにおいて製作される集積回路を含み得る。例えば、デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にするように、極低温冷却器において実装することができる、モノリシック信号キャリア・デバイスを含み得る。例えば、デバイス100aは、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段(例えば混合室段)へのマイクロ波信号の伝送を容易にするように極低温冷却器(例えば希釈冷却器)において実装可能な、モノリシック誘電体回路基板、モノリシック有機積層回路基板、モノリシック・プリント回路基板、または他のモノリシック信号キャリア・デバイス、あるいはこれらの組合せを含むがこれらには限定されない、モノリシック信号キャリア・デバイスを含み得る。
【0020】
本明細書で開示されている様々な図に図示されている本発明の実施形態は、例示のみを目的としており、したがって、本発明のそのような実施形態のアーキテクチャは、図に図示されているシステム、デバイスまたはコンポーネントあるいはこれらの組合せには限定されないことを理解されたい。例えば、デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、デバイス100aが外部システム、デバイスまたは電気回路あるいはこれらの組合せ間のマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるように、1つまたは複数のそのような外部システム、デバイスまたは電気回路あるいはこれらの組合せに(例えば通信可能に、電気的に、機械的に、動作的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。例えば、デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、1つまたは複数の周波数(例えばシングルトーン、マルチトーン)でのマイクロ波信号の送信、またはそのような1つまたは複数の周波数でのマイクロ波信号の受信、あるいはその両方を行うことができる任意の外部電子デバイスに結合され得る。この実施例では、そのような外部電子デバイスは、デバイス100aを介して単一の周波数または複数の周波数でマイクロ波信号を、極低温冷却器の混合室段における量子コンピューティング・デバイス(例えば、量子コンピュータ、量子プロセッサ、量子ハードウェア、量子回路など)に伝送することができるベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)を含み得る。
【0021】
デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方の様々な実施形態の製作は、例えば、半導体デバイスにおける電子ベースのシステム、デバイス、コンポーネントまたは回路あるいはこれらの組合せ(例えばモノリシック信号キャリア・デバイスにおいて製作される集積回路)の段階的作製を容易にするフォトリソグラフィ処理工程または化学処理工程あるいはその両方の、1つまたは複数の多工程シーケンスを含み得る。例えば、デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、モノリシック信号キャリア・デバイス(例えばモノリシック誘電体回路基板、モノリシック有機積層回路基板など)における集積回路を製作するための、フォトリソグラフィ、マイクロリソグラフィ、ナノリソグラフィ、ナノインプリント・リソグラフィ、フォトマスキング技術、パターン形成技術、フォトレジスト技術(例えば、ポジ型フォトレジスト、ネガ型フォトレジスト、ハイブリット型フォトレジストなど)、エッチング技術(例えば反応性イオン・エッチング(RIE)、ドライ・エッチング、ウェット・エッチング、イオン・ビーム・エッチング、プラズマ・エッチング、レーザ・アブレーションなど)、蒸着技術、スパッタリング技術、プラズマ・アッシング技術、熱処理(例えば、高速熱アニール、炉アニール、熱酸化など)、物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、化学溶液堆積、電気めっき、分子ビーム・エピタキシ(MBE)、電気化学堆積(ECD)、リフトオフ技術、化学機械平坦化(CMP)、裏面研削技術、または他の技術、あるいはこれらの組合せを含むがこれらには限定されない技術を採用して製作することができる。
【0022】
製作デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、様々な材料を使用して製作することができる。例えば、デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、モノリシック信号キャリア・デバイスにおける集積回路を製作するために上述の技術のうちの1つまたは複数の技術とともに使用可能な、導電材料、半導体材料、超伝導材料、誘電材料、ポリマー材料、有機材料、無機材料、非導電材料、または他の材料あるいはこれらの組合せを含むがこれらには限定されない、1つまたは複数の異なる材料区分の材料を使用して製作することができる。
【0023】
デバイス100aは、複数の第1の接地層区分102a、102bを有する第1の接地層、複数の信号層区分104a、104bを有する信号層、または複数の第2の接地層区分106a、106bを有する第2の接地層、あるいはこれらの組合せを含み得る。第1の接地層区分102a、102b、信号層区分104a、104b、または第2の接地層区分106a、106b、あるいはこれらの組合せは、集積回路を製作するための上述の1つまたは複数の技術(例えば、フォトマスキング、パターン形成、フォトレジスト、エッチング、電気めっき、材料堆積、平坦化、裏面研削など)を使用してデバイス100a内またはデバイス100a上あるいはその両方に組み込まれたパターン形成された金属層を含み得る。第1の接地層区分102a、102b、信号層区分104a、104b、または第2の接地層区分106a、106b、あるいはこれらの組合せは、銅、銅合金(例えば銅ニッケル)、金、プラチナ、パラジウム、金合金(例えば金パラジウム)、真ちゅう、または任意の導電性金属もしくは合金を含むがこれらには限定されない材料を含み得る。
【0024】
デバイス100aは、第1の接地層、信号層、または第2の接地層、あるいはこれらの組合せ内に配置された1つまたは複数の熱バリアを含み得る。例えば、デバイス100aは、第1の接地層区分102a、102b、信号層区分104a、104b、または第2の接地層区分106a、106bあるいはこれらの組合せの間に熱バリア108を含むことができ、熱バリア108は各層のこのような区分を互いに熱的に分離することができる。例えば、熱バリア108は、第1の接地層区分102aを第1の接地層区分102bから、信号層区分104aを信号層区分104bから、および/または第2の接地層区分106aを第2の接地層区分106bから、熱的に分離することができる。デバイス100aが極低温冷却器において実装される一部の実施形態では、熱バリア108は、そのような極低温冷却器における極低温段の熱的分離をもたらすことができる。例えば、デバイス100aは(例えば後述のようにヒート・シンク118を介して)極低温冷却器の1つまたは複数の極低温プレートに結合することができ、その場合、そのような極低温プレートは極低温冷却器の極低温段を画定する。この実施例では、熱バリア108は、第1の接地層区分102aを第1の接地層区分102bから、信号層区分104aを信号層区分104bから、または第2の接地層区分106aを第2の接地層区分106bから、あるいはこれらの組合せについて熱的に分離することによって、そのような極低温段を熱的に分離することができる。
【0025】
デバイス100aは、熱バリア108において第1の接地層の1つの区分と、信号層の第1の区分と、信号層の第2の区分とに結合された熱デカップリング・デバイス110を含み得る。例えば、
図1Aに示すように、デバイス100aは、熱バリア108において(例えば熱バリア108に隣接して)、第1の接地層区分102aと、信号層区分104aと、信号層区分104bとの表面に(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合された熱デカップリング・デバイス110を含み得る。例えば、熱デカップリング・デバイス110は、例えば銀エポキシを使用して第1の接地層区分102aの表面(例えば上面)にエポキシ樹脂接着することができる。
【0026】
熱デカップリング・デバイス110は、1つまたは複数の信号ビア112a、112bまたは1つまたは複数のワイヤ・ボンド114a、114bあるいはその両方によって、信号層区分104a、104bに結合され得る。例えば、熱デカップリング・デバイス110は、ワイヤ・ボンド114aと信号ビア112aとによって信号層区分104aに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。この実施例では、ワイヤ・ボンド114aは、熱デカップリング・デバイス110を信号ビア112aに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合することができ、その場合、信号ビア112aは(例えば
図1Aに図示するように)信号層区分104aに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。別の実施例では、熱デカップリング・デバイス110は、ワイヤ・ボンド114bと信号ビア112bとによって信号層区分104bに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。この実施例では、ワイヤ・ボンド114bは、熱デカップリング・デバイス110を信号ビア112bに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合することができ、その場合、信号ビア112は(例えば
図1Aに示すように)信号層区分104bに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。
【0027】
熱デカップリング・デバイス110は、遷移を可能にするように信号ビア112aと信号ビア112bとの間に配置可能な任意の熱デカップリング・デバイスを含み得る。例えば、熱デカップリング・デバイス110は、減衰器、低雑音増幅器、フィルタ、伝送線、または他の熱デカップリング・デバイスあるいはこれらの組合せを含むがこれらには限定されない、熱デカップリング・デバイスを含み得る。
【0028】
信号ビア112a、112bまたはワイヤ・ボンド114a、114bあるいはその両方は、集積回路を製作するための上述の1つまたは複数の技術(例えば、フォトマスキング、パターン形成、フォトレジスト、エッチング、電気めっき、材料堆積、平坦化、裏面研削、ワイヤ・ボンディングなど)を使用して形成することができる。信号ビア112a、112bまたはワイヤ・ボンド114a、114bあるいはその両方は、銅、銅合金(例えば銅ニッケル)、金、プラチナ、パラジウム、金合金(例えば金パラジウム)、真ちゅう、アルミニウム、または任意の導電性金属もしくは合金を含むがこれらには限定されない材料を使用して製作することができる。
【0029】
デバイス100aは、第1の接地層区分102a、102bに形成された分離区分116を含み得る。このような分離区分116は、第1の接地層区分102a、102bからの信号ビア112a、112bの分離(例えば電気的、熱的など)をもたらすことができる。例えば、
図1Aおよび
図2Cに示すように、デバイス100aは、分離区分116が、信号ビア112a、112bが第1の接地層区分102a、102bと(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合するのを防ぐように、第1の接地層区分102a、102bに形成された分離区分116を含み得る。この実施例では、分離区分116はこれによって第1の接地層区分102a、102bと信号層区分104a、104bとの間の短絡(例えば、電気的短絡、熱的短絡など)を防ぐことができる。
図1Aおよび
図2Cに示すように、分離区分116は、分離区分116が熱バリア108に重なるように第1の接地層区分102、102bに形成することができる。
図2Cに示すように、分離区分116は、熱デカップリング・デバイス110が接地層区分102aに直接結合されたままとなるように第1の接地層区分102aに形成することができる。
【0030】
デバイス100aは、第1の接地層区分102aに結合されたヒート・シンク118を含み得る。例えば、デバイス100aは、
図1Aに図示するように第1の接地層区分102aに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合されたヒート・シンク118を含み得る。ヒート・シンク118は、熱収縮または熱膨張あるいはその両方によって生じるデバイス100aの動きを可能にするフレキシブル・ヒート・シンクを含み得る。ヒート・シンク118は、熱伝導性ヒート・シンクまたは導電性ヒート・シンクあるいはその両方を含み得る。ヒート・シンク118は、銅、金、金めっきされた銅、または他の材料、あるいはこれらの組合せを含むがこれらには限定されない材料を使用して製作することができる。
【0031】
ヒート・シンク118は、第1の接地層区分102aと極低温冷却器(
図1Aには図示せず)の極低温プレート120とに結合され得る。例えば、ヒート・シンク118は、
図1Aに示すように第1の接地層区分102aと極低温プレート120とに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。この実施例では、ヒート・シンク118は、第1の接地層区分102aと極低温プレート120とを熱化することができる。例えば、上述のようにヒート・シンク118が第1の接地層区分102aと極低温プレート120とに結合されていることに基づいて、ヒート・シンク118は第1の接地層区分102aの温度と極低温プレート120の温度とを等しくさせることができる(例えば、このようなコンポーネントは熱平衡状態であることができる)。極低温プレート120は、国際標準化機構(ISO)100プレートを含み得る。極低温プレート120は、希釈冷却器のプレートのうちの1つ、例えば混合室プレートを含み得る。
【0032】
熱デカップリング・デバイス110は、第1の接地層区分102aと、信号層区分104aおよび104bとを熱化することができる。例えば、上述のように熱デカップリング・デバイス110が第1の接地層区分102aと、信号層区分104aおよび104bとに結合されていることに基づいて、熱デカップリング・デバイス110は、第1の接地層区分102aの温度と、信号層区分104aおよび104bの温度とを等しくすることができる(例えばこのようなコンポーネントは熱平衡状態であることができる)。(例えば上述のように)ヒート・シンク118が極低温プレート120と第1の接地層区分102aとに結合され、(例えば上述のように)熱デカップリング・デバイス110が第1の接地層区分102aと信号層区分104a、104bとに結合されていることに基づいて、極低温プレート120と信号層区分104bの温度が等しくなることができる(例えば、このようなコンポーネントは熱平衡状態であることができる)。
【0033】
デバイス100aは、第1の接地層と信号層との間と、信号層と第2の接地層との間とに材料122を含み得る。例えば、
図1Aに示すように、デバイス100aは、第1の接地層区分102a、102bと信号層区分104a、104bとの間と、信号層区分104a、104bと第2の接地層区分106a、106bとの間に材料122を含み得る。材料122は、誘電物質、有機積層材料、シリコン、ガラス繊維強化エポキシ積層材料、セラミックス、難燃性材料(例えば難燃剤4(FR-4))、ポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレン)、または他の材料、あるいはこれらの組合せを含むがこれらには限定されない材料を含み得る。材料122は、熱バリア108または分離区分116あるいはその両方を含み得る。例えば、熱バリア108または分離区分116あるいはその両方は、上述のように機能する(例えば熱的分離、電気的分離など)材料122の区分とすることができ、その場合、熱バリア108と、分離区分116と、材料122とは同じ材料を使用して製作される。
【0034】
第1の接地層区分102a、102bは、第2の接地層区分106a、106bに結合され得る。例えば、第1の接地層区分102a、102bは、信号層区分104a、104bを通って延び得るビア(例えば、
図2A、
図2B、
図2C、
図3、および
図5に図示する接地ビア202)によって第2の接地層区分106a、106bに(例えば電気的に、熱的になど)結合され得る。この実施例では、このようなビア(例えば接地ビア202)は第1の接地層区分102a、102bと第2の接地層区分106a、106bとに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合することができ、それによって第1の接地層区分102a、102bが第2の接地層区分106a、106bに(例えば電気的に、熱的になど)結合され得る。
【0035】
デバイス100aまたはそのコンポーネントあるいはその両方は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができる任意の寸法を備え得る。一実施例(例えばデバイス100aが誘電材料を使用して製作されたプリント回路基板を含む)では、デバイス100aは約1インチ(2.54cm)から約24インチ(60.96cm)までの範囲の幅、約36インチ(91.44cm)の長さ、または約5ミル(0.127mm)から約400ミル(1.02cm)までの厚さ(例えば、1ミル(0.0254mm)は1/1000インチ(0.0254mm)に相当)、あるいはこれらの組合せの寸法を備え得る。この実施例では、第1の接地層区分102a、102b、信号層区分104a、104b、または第2の接地層区分106a、106b、あるいはこれらの組合せは、1.2ミル(0.0305mm)の厚さを備え得る。この実施例では、熱バリア108は、熱デカップリング・デバイス110の長さによって決まる長さであって、ワイヤ・ボンド114aおよび114bの長さを最小限にする長さを備え得る。この実施例では、材料122は、第1の接地層区分102a、102b、信号層区分104a、104b、または第2の接地層区分106a、106bあるいはこれらの組合せの間に約5ミル(0.127mm)から約30ミル(0.762mm)の範囲の厚さを備え得る。この実施例では、このような寸法は、入力および出力同軸線のインピーダンス(例えばこの場合は50オーム)と整合するようにマイクロ波伝送線のインピーダンスを規定することを容易にし得る。
【0036】
別の実施例(例えばデバイス100aが誘電材料を使用して製作された有機積層を含む)では、第1の接地層区分102a、102b、信号層区分104a、104b、または第2の接地層区分106a、106bあるいはこれらの組合せは、15マイクロメートル(μm)の厚さを備え得る。この実施例では、熱バリア108は、熱デカップリング・デバイス110の長さによって決まる長さであって、ワイヤ・ボンド114aおよび114bの長さを最小限にする長さを備え得る。この実施例では、材料122は、第1の接地層区分102a、102b、信号層区分104a、104b、または第2の接地層区分106a、106bあるいはこれらの組合せの間に33μmの厚さを備え得る。この実施例では、このような寸法は、入力および出力同軸線のインピーダンス(例えばこの場合は50オーム)と整合するようにマイクロ波伝送線のインピーダンスを規定することを容易にし得る。
【0037】
図1Bに、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイス100bの側面図を示す。
【0038】
デバイス100bは、デバイス100aの例示の非限定的な別の実施形態を含み得、この場合、デバイス100bは、複数の第2の信号層区分124a、124bを有する第2の信号層または複数の第3の接地層区分126a、126bを有する第3の接地層、あるいはその両方を含み得る。第2の信号層区分124a、124bは、信号層区分104a、104bを含み得る。第3の接地層区分126a、126bは、第1の接地層区分102a、102bまたは第2の接地層区分106a、106bあるいはその両方を含み得る。デバイス100bは、1つまたは複数の熱デカップリング・デバイス110を含むことができ、そのような熱デカップリング・デバイス110のうちの少なくとも1つは、
図1に関して上述したようにデバイス100aの熱デカップリング・デバイス110が第1の接地層区分102aまたは信号層区分104a、104bあるいはその両方に結合可能であるのと同様にして、(例えば1つまたは複数の信号ビア112a、112b、1つまたは複数のワイヤ・ボンド114a、114bなどによって)第2の信号層区分124a、124bまたは第3の接地層区分126aあるいはその両方に結合され得る。
【0039】
図2A、
図2Bおよび
図2Cに、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイスにおける層200a、200b、200cの上面図を示す。
【0040】
層200a(
図2A)は、デバイス100aの第2の接地層区分106a、106bの上面視を含み得、この場合、層200aは、第2の接地層区分106a、106bを第1の接地層区分102a、102bに結合することができる接地ビア202を含み得る。例えば、デバイス100aおよび
図1Aを参照して上述したように、第1の接地層区分102a、102bは、(例えば
図2A、
図2B、
図2C、
図3および
図5に図示するように)信号層区分104a、104bを通って延び得る接地ビア202によって、第2の接地層区分106a、106bに(例えば電気的に、熱的になど)結合され得る。この実施例では、接地ビア202は、第2の接地層区分106a、106bと第1の接地層区分102a、102bとに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合することができ、それによって第1の接地層区分102a、102bを第2の接地層区分106a、106bに(例えば電気的に、熱的になど)結合して接地連続性をもたらすことができる。この実施例では、接地ビア202による第2の接地層区分106a、106bへの第1の接地層区分102a、102bのこのような結合は、1つまたは複数の望ましくないスプリアス・マイクロ波モードまたはクロストークあるいはその両方を防止することもできる。接地ビア202は、銅、銅合金(例えば銅ニッケル)、金、プラチナ、パラジウム、金合金(例えば金パラジウム)、真ちゅう、アルミニウムまたは任意の導電性金属もしくは合金を含むがこれらには限定されない材料を使用して製作することができる。
【0041】
層200b(
図2B)は、デバイス100aの信号層区分104a、104bの例示の非限定的な別の実施形態の上面視を含み得、この場合、デバイス200bの信号層区分104a、104bは1つまたは複数の信号線204を含み得る。デバイス100aは、信号線204または接地面102A、102b、205a、205b、106a、106bあるいはその両方を含む1つまたは複数のストリップライン・マイクロ波伝送線を含み得る。信号線204は、電流または電気信号あるいはその両方が流れることができる導電性コンポーネントを含み得る。例えば、信号線204は、電流(例えば交流電流または直流電流あるいはその両方)または電気信号(例えばマイクロ波周波数信号)あるいはその両方が流れることができる、ワイヤ、トレース、伝送線、共振バス、導波路、またはその他のコンポーネントあるいはこれらの組合せを含むがこれらには限定されない導電性コンポーネントを含み得る。信号線204は、銅、銅合金(例えば銅ニッケル)、金、プラチナ、パラジウム、金合金(例えば金パラジウム)、真ちゅう、または任意の導電性金属もしくは合金を含むがこれらには限定されない材料を使用して製作することができる。
【0042】
信号線204は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができる任意の寸法を備え得る。そのような寸法は、ストリップライン・マイクロ波伝送線のインピーダンスが、入力および出力同軸線のインピーダンス(すなわち50オーム)と整合されるように規定することができる。一実施例(例えばデバイス100aが誘電材料を使用して製作されたプリント回路基板を含む)では、信号線204は約5ミル(0.127mm)から20ミル(0.508mm)(例えば1ミル(0.0254mm)は1/1000インチ(0.0254mm)に相当)の範囲の幅を備え得る。別の実施例(例えばデバイス100aが誘電材料を使用して製作された有機積層を含む)では、信号線204は約10μmから約50μmの範囲の幅を備え得る。実施形態によっては、このような寸法は、入力および出力同軸線のインピーダンス(例えばこの場合は50オーム)と整合するようにマイクロ波伝送線のインピーダンスを規定することを容易にすることができる。
【0043】
図1Aの実施例で、信号層区分104a、104bが信号線204の断面視を含み得る。
図2Bの実施例では、信号層区分104a、104bは、信号線204に接続されていない接地面区分205a、205bを含み得る。接地面区分205a、205bは、接地ビア202によって、第1の接地層区分102a、102bに、または第2の接地層区分106a、106bに、あるいはその両方に(例えば、電気的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。接地ビア202による第1の接地層区分102a、102の接地層区分205a、205bと第2の接地層区分106a、106bへのこのような結合は、1つまたは複数の望ましくないスプリアス・マイクロ波モードまたはクロストークあるいはその両方を防止することができる。接地ビア202は、銅、銅合金(例えば銅ニッケル)、金、プラチナ、パラジウム、金合金(例えば金パラジウム)、真ちゅう、アルミニウムまたは任意の導電性金属もしくは合金を含むがこれらには限定されない材料を使用して製作することができる。
【0044】
層200c(
図2C)は、デバイス100aの第1の接地層区分102a、102bの一実施例の上面視を含み得る。デバイス200cの第1の接地層区分102a、102bは、
図1Aを参照しながら上述したように、第1の接地層区分102aと、信号層区分104aと、信号層区分104bとに結合可能な1つまたは複数の熱デカップリング・デバイス110を含み得る。
図2Cに図示する実施例では、熱デカップリング・デバイス110を、熱デカップリング・デバイス110の下および熱バリア108領域内に延び得る第1の接地層区分102aの拡張部にエポキシ樹脂接着することができる。
【0045】
図3は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイス300の直交図である。
【0046】
デバイス300は、デバイス100aの一実施例を含み得る。デバイス300は、熱デカップリング・デバイス110および
図1Aを参照しながら上述したように、第1の接地層区分102aと、信号層区分104aと、信号層区分104bとに結合可能な1つまたは複数の熱デカップリング・デバイス110a、110bを含み得る。例えば、デバイス300は、(例えば
図3に図示するように)第1の接地層区分102aと、信号層区分104aの信号線204aと、信号層区分104bの信号線204aとに結合された熱デカップリング・デバイス110aを含み得る。この実施例では、デバイス300は、(例えば
図3に図示するように)第1の接地層区分102aと、信号層区分104aの信号線204bと、信号層区分104bの信号線204bとに結合された熱デカップリング・デバイス110bをさらに含み得る。
【0047】
見やすいように、
図3に図示する実施例は、デバイス100aを参照しながら上述し、
図1Aに示したいくつかのコンポーネントを含まない。具体的には、
図3に図示する実施例は、ヒート・シンク118と、極低温プレート120と、材料122とを示していない。なお、
図3に図示する実施例は1.5ミリメートル(mm)離隔された少なくとも2つのビア112aを例示しているが、本発明はこれには限定されないことを理解されたい。例えば、実施例によっては、ビア112aまたはビア112bあるいはその両方が、1.5mm未満または1.5mmを超える距離だけ互いに離隔され得る。
【0048】
図4Aおよび
図4Bは、送信されるマイクロ波信号のデータを表し得るグラフ400a、400bである。グラフ400aおよび400bは、熱バリア108がマイクロ波性能に及ぼす作用を示し得る。したがって、グラフ400aおよび400bにおいて、デバイス110aによる減衰は0デシベル(dB)とすることができ、デバイス110bによる減衰も同様に0dBとすることができる。
【0049】
グラフ400a、400bは、本発明の1つまたは複数の実施形態を実装することによって求められるデータの表現を含み得る。例えば、グラフ400a、400bは、(例えば
図1Aを参照しながら上述したように)デバイス300を製作し、そのような製作されたデバイス300を介したマイクロ波信号の伝送をシミュレーションすることによって求められるデータの表現を含み得る。グラフ400a、400bは、そのような製作されたデバイス300を介して伝送されるマイクロ波信号の高周波電磁界シミュレーションを行うことにより求められたデータの表現を含み得る。
【0050】
グラフ400a(
図4A)は、製作されたデバイス300を介して伝送されるマイクロ波信号の高周波電磁界シミュレーションを行うことにより求められる時間領域反射率測定(TDR)データの表現を含み得、ここで、y軸はオーム(Ω)を表し得、x軸はナノ秒(ns)単位の時間を表し得る。グラフ400aは、シミュレーションされたデバイス300の1つまたは複数の伝送線に対応する時間領域反射率測定(TDR)データ(例えばインピーダンス・データ)を表し得るプロット線402またはプロット線404あるいはその両方を含み得る。例えば、プロット線402またはプロット線404あるいはその両方は、デバイス300の信号線204a、204bに対応するインピーダンス・データを表し得る。この実施例では、グラフ400a、プロット線402またはプロット線404あるいはこれらの組合せは、デバイス300の信号線204a、204bに対応する約47Ωのインピーダンス値を表し得、このインピーダンス値は期間全体にわたって数パーセントしか変化し得ず、信号線204を含む伝送線と接地面102a、102b、205a、205b、106a、106b、信号ビア112a、112b、およびワイヤ・ボンド114a、114bとの間の遷移が50オームのインピーダンスで同軸入力および出力線とよく整合していることを示している。
【0051】
グラフ400b(
図4B)は、製作されたデバイス300を介して伝送されるマイクロ波信号の高周波電磁界シミュレーションを行うことにより求められるクロストーク・データの表現を含み得、ここで、y軸はデシベル(dB)を表し得、x軸はギガヘルツ(GHz)単位の周波数を表し得る。グラフ400bは、シミュレーションされたデバイス300の1つまたは複数のコンポーネントに対応するデータを表し得るプロット線406、プロット線408、プロット線410、またはプロット線412あるいはこれらの組合せを含み得る。例えば、プロット線406は、伝送を表し得、プロット線408は反射を表し得る。別の実施例では、プロット線410またはプロット線412あるいはその両方は、デバイス300の熱デカップリング・デバイス110aと熱デカップリング・デバイス110bとの間に発生し得るクロストーク、または熱デカップリング・デバイス110a、110bに結合された導電性コンポーネント(例えば信号ビア112a、112b、ワイヤ・ボンド114a、114b、信号線204a、204bなど)間に発生し得るクロストーク、あるいはその両方を表し得る。この実施例では、グラフ400b、プロット線410、またはプロット線412あるいはこれらの組合せは、デバイス300に対応する約-40dBのクロストーク値を表し得る。この実施例では、このような約-40dBのクロストーク値は、超伝導キュービットを制御するために一般的に使用される周波数である約5GHzの周波数で発生し得る。
【0052】
図5は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるデバイス500の直交図である。
【0053】
デバイス500はデバイス300の一実施例を含み得、この場合、デバイス500は第1の接地層区分102a、102bに結合された遮蔽体502を含み得る。例えば、遮蔽体502は、第1の接地層区分102aまたは第1の接地層区分102bあるいはその両方の表面(例えば上面)に(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。
【0054】
遮蔽体502は、1つまたは複数の熱デカップリング・デバイス110a、110bの上に配置され得る1つまたは複数のチャネル504a、504bを含み得る。例えば、
図5に示すように、遮蔽体502は、チャネル504aが熱デカップリング・デバイス110aの上に配置され、チャネル504bが熱デカップリング・デバイス110bの上に配置されるように、第1の接地層区分102a、102bに結合され得る。この実施例では、第1の接地層区分102a、102bへの遮蔽体502のこのような結合に基づいて、チャネル504aがチャネル504aに配置された導電性コンポーネントをチャネル504bに配置された導電性コンポーネントから電気的に分離することができる。例えば、チャネル504aは、熱デカップリング・デバイス110aまたは熱デカップリング・デバイス110aに結合された導電性コンポーネント(例えば、信号ビア112a、112b、ワイヤ・ボンド114a、114b、信号線204など)あるいはその両方を、チャネル504bに配置された、熱デカップリング・デバイス110bまたは熱デカップリング・デバイス110bに結合された導電性コンポーネント(例えば、信号ビア112a、112b、ワイヤ・ボンド114a、114b、信号線204など)あるいはその両方から電気的に分離することができる。この実施例では、チャネル504a、504bに配置されたこのような導電性コンポーネントのこのような電気的分離が、このようなコンポーネント間のクロストーク低減を促進することができる。
【0055】
遮蔽体502は、銅ニッケル遮蔽体、ステンレス鋼遮蔽体、ニオブ遮蔽体、アルミニウム遮蔽体、超伝導遮蔽体、または他の遮蔽体あるいはこれらの組合せを含み得る。遮蔽体502は、半導体デバイスにおける集積回路を製作するための上述の技術のうちの1つまたは複数の技術を使用して、デバイス500の一部として製作可能な機械加工コンポーネントを含み得る。遮蔽体502は、デバイス500とは別個に製作され、デバイス500に(例えば上述のように第1の接地層区分102a、102bに)、(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得るクランプ・コンポーネントを含み得る。上述のような第1の接地層区分102a、102bへの遮蔽体502のこの結合に基づいて、遮蔽体502は、熱短絡なしに(例えば第1の接地層区分102a、102bの)接地連続性を再確立することができることを理解されたい。
【0056】
図6は、伝送されるマイクロ波信号のデータを表し得るグラフ600である。グラフ600は、マイクロ波性能に及ぼす熱バリア108および遮蔽体502の作用を例示し得る。したがって、グラフ600において、デバイス110aによる減衰は0dBとすることができ、デバイス110bによる減衰も同様に0dBとすることができる。
【0057】
グラフ600は、本発明の1つまたは複数の実施形態を実装することによって求められるデータの表現を含み得る。例えば、グラフ600は、(例えば
図1Aを参照しながら上述したように)デバイス500を製作し、そのような製作されたデバイス500を介したマイクロ波信号の伝送をシミュレーションすることによって求められるデータの表現を含み得る。例えば、グラフ600は、そのような製作されたデバイス500を介して伝送されるマイクロ波信号の高周波電磁界シミュレーションを行うことにより求められるデータの表現を含み得る。
【0058】
グラフ600は、製作されたデバイス500を介して伝送されるマイクロ波信号の高周波電磁界シミュレーションを行うことにより求められるクロストーク・データの表現を含み得、ここで、y軸は、デシベル(dB)を表し得、x軸はギガヘルツ(GHz)単位の周波数を表し得る。グラフ600は、シミュレーションされたデバイス500の1つまたは複数のコンポーネントに対応するデータを表し得るプロット線602、プロット線604、プロット線606、またはプロット線608あるいはこれらの組合せを含み得る。例えば、プロット線602は伝送を表し得、プロット線604は反射を表し得る。別の例では、プロット線606またはプロット線608あるいはその両方は、デバイス500の熱デカップリング・デバイス110aと熱デカップリング・デバイス110bとの間に発生し得るクロストーク、または熱デカップリング・デバイス110a、110bに結合された導電性コンポーネント(例えば、信号ビア112a、112b、ワイヤ・ボンド114a、114b、信号線204a、204bなど)間に発生し得るクロストーク、あるいはその両方を表し得る。この例では、グラフ600、プロット線606、またはプロット線608あるいはこれらの組合せは、デバイス500に対応する約-90dBのクロストーク値を表し得る。この例では、このような約-90dBのクロストーク値は、超伝導キュービットを制御するために一般的に使用される周波数である約5GHzの周波数で発生し得る。
【0059】
図7は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるシステム700の直交図である。
【0060】
システム700は、1つまたは複数のヒート・シンク118a、118bを介して極低温冷却器の1つまたは複数の極低温プレート120に結合された1つまたは複数のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702bを含み得る。モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702bは、デバイス100a、100b、200a、200b、200cまたは300あるいはこれらの組合せの実施例を含み得る。例えば、モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702bは、デバイス300の実施例を含み得、その場合、各モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702bは、熱デカップリング・デバイス110および
図1Aを参照しながら上述したように、第1の接地層区分102aと、信号層区分104aと、信号層区分104bとに結合された1つまたは複数の熱デカップリング・デバイス110a、110n(nは熱デカップリング・デバイス110の総数を表す)を含み得る。
【0061】
図8は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるシステム800の上面図である。
【0062】
システム800はシステム700の一実施例を含み得、この場合、システム800は複数のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702b、702c、702d、702n(nはモノリシック信号キャリア・デバイス702の総数を表す)を含み得る。システム800は、複数のヒート・シンク118a、118b、118c、118d、118n(nはヒート・シンク118の総数を表す)を介して極低温冷却器の1つまたは複数の極低温プレート120に結合されたそのような複数のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702b、702c、702d、702nを含み得る。
【0063】
図9は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるシステム900の側面図である。
【0064】
システム900は、システム700またはシステム800あるいはその両方の一実施例を含み得る。システム900は、極低温冷却器902を含み得る。極低温冷却器902は、希釈冷却器を含み得る。システム900は、極低温冷却器902の1つまたは複数の極低温段を通って延び得る1つまたは複数のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702n(nはモノリシック信号キャリア・デバイス702の総数を表す)を含み得る。例えば、
図9に示すように、システム900のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、極低温冷却器902の1つまたは複数の極低温プレート120a、120b、120c、120d、120e、120n(nは極低温プレート120の総数を表す)を通って延び得る。
【0065】
システム900のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、1つまたは複数の接地層区分または1つまたは複数の信号層区分あるいはその両方を含み得、そのような接地層区分または信号層区分あるいはその両方は1つまたは複数の熱バリアによって分離され得る。例えば、システム900のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、1つまたは複数の第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102n(nは第1の接地層区分102の総数を表す)または1つまたは複数の信号層区分104a、104b、104c、104d、104n(nは信号層区分104の総数を表す)あるいはその両方を含み得、そのような第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102nまたは信号層区分104a、104b、104c、104d、104nあるいはその両方は、1つまたは複数の熱バリア108(
図9には図示せず)によって分離され得る。
【0066】
システム900のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、熱バリアにおいて接地層の区分または信号層の区分あるいはその両方に結合された1つまたは複数の熱デカップリング・デバイスを含み得、熱デカップリング・デバイスは接地層の区分と信号層の区分とを熱化することができる。例えば、システム900のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、熱バリア108において第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102nまたは信号層区分104a、104b、104c、104d、104nあるいはその両方に結合された1つまたは複数の熱デカップリング・デバイス110(
図9には図示せず)を含み得、そのような熱デカップリング・デバイス110は、(例えば
図1Aを参照しながら上述したように)第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102nと信号層区分104a、104b、104c、104d、104nとを熱化することができる。
【0067】
システム900の1つまたは複数のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、極低温冷却器902の1つまたは複数の極低温プレート120a、120b、120c、120d、120e、120nに結合され得る。例えば、システム900のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、例えばヒート・シンク118(
図9には図示せず)などの1つまたは複数のヒート・シンクを介して極低温プレート120a、120b、120c、120d、120e、120nに(例えば、電気的に、機械的に、物理的に、熱的になど)結合され得る。第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102nは、そのような第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102nを極低温プレート120a、120b、120c、120d、120e、120nに熱的に結合可能なヒート・シンク118によって、極低温プレート120a、120b、120c、120d、120e、120nに結合され得る。モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nの熱バリア108は、上述のようなヒート・シンクを介して極低温プレート120a、120b、120c、120d、120e、120nに熱的に結合され得る第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102nを分離することができる。熱バリア108は、極低温プレート120a、120b、120c、120d、120e、120nを通って延び得るそのような第1の接地層区分102a、102b、102c、102d、102nのそれぞれを熱的に分離することができる。
【0068】
極低温冷却器902の極低温プレート120nは、1つまたは複数の量子コンピューティング・デバイス(例えば、量子コンピュータ、量子プロセッサ、量子ハードウェア、量子回路など)を有する混合室段を含み得る。システム900のモノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nは、モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nがそのような量子コンピューティング・デバイスへの(例えばベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)を介した)マイクロ波信号の伝送を容易にすることができるように、そのような量子コンピューティング・デバイスに(例えば、電気的に、機械的に、動作的に、物理的になど)結合され得る。例えば、モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nの1つまたは複数の信号線204(
図9には図示せず)は、モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702nまたは信号線204あるいはその両方がそのような量子コンピューティング・デバイスへのマイクロ波信号の(例えばベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)を介した)伝送を容易にすることができるように、そのような量子コンピューティング・デバイスに(例えば、電気的に、機械的に、動作的に、物理的になど)結合され得る。
【0069】
本開示のモノリシック信号キャリア・デバイス(例えば、デバイス100a、デバイス100b、デバイス300、デバイス500、モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702b、702c、702d、702nなど)は、様々な技術に関連するモノリシック信号キャリア・デバイスとすることができる。例えば、本開示のモノリシック信号キャリア・デバイス(例えば、デバイス100a、デバイス100b、デバイス300、デバイス500、モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702b、702c、702d、702nなど)は、極低温技術、極低温冷却器技術、マイクロ波信号キャリア技術、モノリシック信号キャリア・デバイス技術、半導体製作技術、プリント回路基板技術、量子コンピューティング・デバイス技術、量子回路技術、量子ビット(キュービット)技術、回路量子電気力学(回路QED)技術、量子コンピューティング技術、スケーラブル量子コンピューティング・アーキテクチャ技術、表面符号アーキテクチャ技術、表面符号誤り訂正アーキテクチャ技術、量子ハードウェア技術、またはその他の技術あるいはこれらの組合せに関連し得る。
【0070】
本発明のモノリシック信号キャリア・デバイス(例えば、デバイス100a、デバイス100b、デバイス300、デバイス500、モノリシック信号キャリア・デバイス702a、702b、702c、702d、702nなど)は、上記の様々な技術に関連する、システム、デバイス、コンポーネント、動作工程、または処理工程あるいはこれらの組合せに技術的改良をもたらすことができる。例えば、本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、極低温冷却器の混合室段におけるそれぞれの量子コンピューティング・デバイスまたはキュービットあるいはその両方に独立したマイクロ波信号を伝送するために使用可能な、多数(例えば約1000以上)の独立したマイクロ波信号伝送路(例えば、信号層区分104a、104b、104c、104d、104n、信号線204a、204bなど)を提供することができる。別の実施例では、本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、最先端システムにおいて採用されているいくつかのコンポーネント(例えば、サブミニチュア・バージョンA(SMA)隔壁、同軸ケーブルなど)を使用せずに極低温冷却器の複数段を通って延びることができ、それによってそのようなコンポーネントを不要にすることができる。別の実施例では、本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、本開示のモノリシック信号キャリア・デバイスと、極低温プレートとを、極低温冷却器の各極低温段の変動する温度により独立して膨張および収縮可能とすることができるフレキシブル・ヒート・シンクによって、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温プレートに結合され得る。
【0071】
本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、量子コンピューティング・デバイス(例えば、量子プロセッサ、量子ハードウェアなど)、回路QEDシステム、または超伝導量子回路あるいはこれらの組合せに関連する処理ユニットに技術的改良をもたらすことができる。例えば、上述のように、本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、極低温冷却器の混合室段におけるそれぞれの量子コンピューティング・デバイスにマイクロ波信号を伝送するために使用可能な、独立したマイクロ波信号伝送路の数を増加させることができる。この実施例では、そのような量子コンピューティング・デバイスは、量子プロセッサを含むことができ、そのような量子プロセッサに伝送可能な独立したマイクロ波信号の数を増加させることによって、本開示のモノリシック信号キャリア・デバイスはそのような量子プロセッサの性能向上(例えば、誤り訂正の向上、処理時間の向上など)を容易にすることができる。
【0072】
本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、高度に技術的性質であって、抽象的ではなく、人間による1組の頭脳活動としては実行不可能な問題を解くために、ハードウェアまたはソフトウェアあるいはその両方を採用することができる。例えば、本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、極低温冷却器の混合室段における量子コンピューティング・デバイスへのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができる。
【0073】
本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、人間の頭脳において再現すること、または人間によって行われることができない、電気コンポーネントと、機械的コンポーネントと、回路との様々な組合せを使用することができることを理解されたい。例えば、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送は、人間の頭脳の能力を超える動作である。例えば、一定期間にわたって本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスによって伝送されるデータの量、そのようなデータを伝送する速度、または伝送されるデータの種類あるいはこれらの組合せは、同じ期間にわたって人間の頭脳によって伝送可能な量、速度またはデータの種類あるいはこれらの組合せよりも多量であり、高速であり、または異なり、あるいはこれらの組合せであり得る。
【0074】
本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、上記で言及したマイクロ波信号伝送プロセスも実行しながら、1つまたは複数の他の機能の実行のために完全に動作可能(例えば完全に電力投入、完全に実行されるなど)とすることもできる。そのような同時複数動作実行は、人間の頭脳の能力を超えることを理解されたい。また、本発明のモノリシック信号キャリア・デバイスは、人間のユーザなどの実体によって手作業で取得することが不可能な情報を含み得ることも理解されたい。例えば、本明細書に記載のモノリシック信号キャリア・デバイス実施形態の1つまたは複数を介して伝送可能な情報の種類、量または多様性あるいはこれらの組合せは、人間のユーザによって手作業で取得される情報よりも複雑であり得る。
【0075】
図10は、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるコンピュータ実装方法1000の流れ図である。
【0076】
方法1000は、コンピューティング・システム(例えば、
図12に示し、後述する、動作環境1200)またはコンピューティング・デバイス(例えば、
図12に示し、後述する、コンピュータ1212)あるいはその両方によって実装可能である。そのようなコンピューティング・システム(例えば動作環境1200)またはそのようなコンピューティング・デバイス(例えばコンピュータ1212)あるいはその両方は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると
図10に示す方法1000の動作を含む本明細書に記載の動作の実行を容易にすることができる実行可能命令を記憶可能な1つまたは複数のメモリ・デバイスとを含み得る。非限定的な実施例として、1つまたは複数のプロセッサは、半導体製作(例えば半導体デバイスにおける集積回路の製作)を実行するように動作可能な1つまたは複数のシステムまたは機器あるいはその両方に、指示すること、または制御すること、あるいはその両方を行うことによって、本明細書に記載の動作、例えば方法1000の実行を容易にすることができる。
【0077】
1002で、(例えばコンピュータ1212により)モノリシック信号キャリア・デバイス(例えば、デバイス100a、デバイス100b、デバイス300、デバイス500など)における接地層(例えば、デバイス100aの第1の接地層または第1の接地層区分102a、102bあるいはその両方)と信号層(例えば、デバイス100aの信号層または信号層区分104a、104bあるいはその両方)とを形成する。1004で、(例えばコンピュータ1212により)接地層および信号層内に熱バリア(例えば熱バリア108)を形成する。1006で、(例えばコンピュータ1212により)熱バリアにおいて接地層(例えば第1の接地層区分102a)と信号層(例えば信号層区分104a、104b)とに熱デカップリング・デバイス(例えば熱デカップリング・デバイス110)を結合する。実施形態によっては、動作1002、1004または1006あるいはこれらの組合せのこのような形成工程または結合工程あるいはその両方は、(例えばコンピュータ1212により)半導体デバイスにおいて集積回路を製作するための(例えば
図1Aを参照しながら上述したような)1つまたは複数の技術を使用して実行可能である。
【0078】
図11に、極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段へのマイクロ波信号の伝送を容易にすることができるコンピュータ実装方法1100の流れ図を示す。
【0079】
方法1100は、コンピューティング・システム(例えば、
図12に示し、後述する、動作環境1200)またはコンピューティング・デバイス(例えば、
図12に示し、後述する、コンピュータ1212)あるいはその両方によって実装可能である。そのようなコンピューティング・システム(例えば動作環境1200)またはそのようなコンピューティング・デバイス(例えばコンピュータ1212)あるいはその両方は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると
図11に示す方法1100の動作を含む本明細書に記載の動作の実行を容易にすることができる実行可能命令を記憶可能な1つまたは複数のメモリ・デバイスとを含み得る。1つまたは複数のプロセッサは、本明細書に記載の動作、例えば方法1100の実行を、そのような動作を実行するように動作可能な1つまたは複数のシステムまたは機器(例えばベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA))あるいはその両方に指示することまたは制御することにより、あるいはその両方により、容易にすることができる。
【0080】
1102で、モノリシック信号キャリア・デバイス(例えば、デバイス100a、100b、300、500、702a、702b、702c、702d、702nなど)を極低温冷却器(例えば極低温冷却器902)の1つまたは複数の極低温プレート(例えば、極低温プレート120、120a、120b、120c、120d、120e、120nなど)に(例えば、ヒート・シンク118、ヒート・シンク118a、118b、118c、118d、118nなどを介して)結合する。1104で、モノリシック信号キャリア・デバイスを介してマイクロ波信号を極低温冷却器の1つまたは複数の極低温段(例えば混合室)に(例えば、
図1Aを参照しながら上述したようにコンピュータ1212またはベクトル・ネットワーク・アナライザ(VNA)あるいはその両方を介して)伝送する。
【0081】
説明を簡単にするために、コンピュータ実装方法について、一連の動作として図示し、説明する。本革新は、例示されている動作または動作の順序あるいはその両方によって限定されず、例えば動作は様々な順序で、または並行して、あるいはその両方で行われてもよく、本明細書で提示も記載もされていない他の動作とともに行われてもよいことを理解および了解されたい。また、開示されている主題による方法を実装するために、例示されているすべての動作が必要ではない場合もある。さらに、当業者は、方法は、代わりに状態図またはイベントにより、一連の相互に関連する状態として表わすこともできることを理解し、了解するであろう。さらに、以下および本明細書全体を通して開示されている方法は、そのような方法をコンピュータに移送し、伝送するのを容易にするために製造品に記憶され得ることも理解されたい。本明細書で使用する製造品という用語は、任意のコンピュータ可読デバイスまたは記憶媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含することが意図されている。
【0082】
本開示の主題の様々な態様のための状況を提供するため、
図12および以下の説明は、本発明の様々な態様を実装可能な適切な環境の概要を提供することを意図している。
図12は、動作環境のブロック図を示す。
【0083】
図12を参照すると、本開示の様々な態様を実装するのに適切な動作環境1200は、コンピュータ1212も含むことができる。コンピュータ1212は、処理ユニット1214と、システム・メモリ1216と、システム・バス1218も含むことができる。システム・バス1218は、システム・メモリ1216を含むがこれには限定されないシステム・コンポーネントを処理ユニット1214に結合する。処理ユニット1214は、様々な入手可能なプロセッサのいずれであってもよい。処理ユニット1214として、デュアル・マイクロプロセッサおよびその他のマルチプロセッサ・アーキテクチャも採用することができる。システム・バス1218は、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MCA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェント・ドライブ・エレクトロニクス(IDE)、VESAローカル・バス(VLB)、ペリフェラル・コンポーネント・インターコネクト(PCI)、カード・バス、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、アドバンスト・グラフィックス・ポート(AGP)、Firewire(IEEE1394)、およびスモール・コンピュータ・システム・インターフェース(SCSI)を含むがこれらには限定されない任意の様々な利用可能なバス・アーキテクチャを使用する、メモリ・バスもしくはメモリ・コントローラ、周辺機器用バスもしくは外部バス、またはローカル・バスあるいはこれらの組合せを含む、数種類のバス構造のうちのいずれかとすることができる。
【0084】
システム・メモリ1216は、揮発性メモリ1220と不揮発性メモリ1222も含むことができる。起動時などにコンピュータ1212内の要素間で情報を伝送するための基本ルーチンを含むベーシック・インプット/アウトプット・システム(BIOS)が、不揮発性メモリ1222に記憶される。コンピュータ1212は、取り外し可能/取り外し不能な揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体も含むことができる。
図12は、例えば、ディスク・ストレージ1224を示している。ディスク・ストレージ1224は、磁気ディスク・ドライブ、フロッピー(R)・ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-100ドライブ、フラッシュ・メモリ・カード、またはメモリ・スティックなどのデバイスも含み得るが、これらには限定されない。ディスク・ストレージ1224は、他の記憶媒体と別個に、または組み合わせた記憶媒体も含み得る。ディスク・ストレージ1224のシステム・バス1218への接続を容易にするために、典型的には、インターフェース1226などの取り外し可能または取り外し不能インターフェースが使用される。
図12は、適切な動作環境1200において、ユーザと記載されている基本コンピュータ資源との間に介在するものとしての役割を果たすソフトウェアも図示している。このようなソフトウェアは、例えば、オペレーティング・システム1228も含み得る。オペレーティング・システム1228は、ディスク・ストレージ1224に記憶することができ、コンピュータ1212の資源を制御し、割り当てる役割を果たす。
【0085】
システム・アプリケーション1230は、例えばシステム・メモリ1216またはディスク・ストレージ1224に記憶されているプログラム・モジュール1232およびプログラム・データ1234を介してオペレーティング・システム1228による資源の管理を利用する。本開示は、様々なオペレーティング・システムまたはオペレーティング・システムの組合せとともに実装可能であることを理解されたい。ユーザは入力デバイス1236を介してコンピュータ1212にコマンドまたは情報を入力する。入力デバイス1236は、マウスなどのポインティング・デバイス、トラック・ボール、スタイラス、タッチ・パッド、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナ・カード、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、ウェブ・カメラなどを含むがこれらには限定されない。これらのおよびその他の入力デバイスは、インターフェース・ポート1238を介してシステム・バス1208により処理ユニット1214に接続する。インターフェース・ポート1238は、例えば、シリアル・ポート、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、およびユニバーサル・シリアル・バス(USB)を含む。出力デバイス1240は、入力デバイス1236と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、コンピュータ1212に入力を提供し、コンピュータ1212から出力デバイス1240に情報を出力するために、USBポートを使用することができる。その他の出力デバイス1240のうち、モニタ、スピーカ、およびプリンタなど、専用アダプタを必要とするいくつかの出力デバイス1240があることを例示するために、出力アダプタ1242が示されている。出力アダプタ1242は、例示として、限定的ではなく、出力デバイス1240とシステム・バス1218との間の接続の手段を提供する、ビデオ・カードおよびサウンド・カードを含む。リモート・コンピュータ1244などの他のデバイスまたはデバイスのシステムあるいはその両方が、入力機能と出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0086】
コンピュータ1212は、リモート・コンピュータ1244などの1つまたは複数のリモート・コンピュータへの論理接続を使用して、ネットワーク化環境で動作することができる。リモート・コンピュータ1244は、コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサ・ベースの機器、ピア・デバイス、またはその他の一般的なネットワーク・ノードなどとすることができ、典型的には、コンピュータ1212に関連して説明した要素の多くまたは全部を含み得る。簡潔にするために、リモート・コンピュータ1244とともにメモリ・ストレージ・デバイス1246のみが図示されている。リモート・コンピュータ1244は、ネットワーク・インターフェース1248を介してコンピュータ1212に論理的に接続され、次に、通信接続部1250を介して物理的に接続される。ネットワーク・インターフェース1248は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、セルラ・ネットワークなどの、有線または無線あるいはその両方の通信ネットワークを包含する。LAN技術は、ファイバ分散データ・インターフェース(FDDI)、銅線分散データ・インターフェース(CDDI)、Ethernet(R)、トークン・リングなどを含む。WAN技術は、ポイント・ツー・ポイント・リンク、統合サービス・デジタル通信網(ISDN)およびその変形、パケット交換網、およびデジタル加入者回線(DSL)などの回線交換ネットワークを含むが、これらには限定されない。通信接続部1250は、ネットワーク・インターフェース1248をシステム・バス1218に接続するために採用されるハードウェア/ソフトウェアを指す。通信接続部1250は、図がわかりやすいようにコンピュータ1212内部に示されているが、コンピュータ1212の外部にあってもよい。ネットワーク・インターフェース1248への接続のためのハードウェア/ソフトウェアは、例示に過ぎないが通常の電話級モデム、ケーブル・モデム、およびDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、およびEthernet(R)カードなどの、内蔵および外付け技術も含み得る。
【0087】
本発明は、任意の可能な統合の技術的詳細レベルのシステム、方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品あるいはこれらの組合せであってよい。コンピュータ・プログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実施させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含み得る。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持し、記憶することができる有形デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子ストレージ・デバイス、磁気ストレージ・デバイス、光学式ストレージ・デバイス、電磁ストレージ・デバイス、半導体ストレージ・デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せであってよいが、これらには限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストには以下のものも含まれ得る。すなわち、可搬コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、可搬コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック、フロッピー(R)・ディスク、パンチカードまたは命令が記録された溝内の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、およびこれらの任意の適切な組合せが含まれ得る。本明細書で使用されるコンピュータ可読記憶媒体とは、電波またはその他の自由に伝播する電磁波、導波路またはその他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば光ファイバ・ケーブルを通る光パルス)、あるいはワイヤを介して伝送される電気信号などの、一過性の信号自体であると解釈すべきではない。
【0088】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスに、あるいは、ネットワーク、例えばインターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、もしくは無線ネットワークまたはこれらの組合せを介して外部コンピュータまたは外部ストレージ・デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバあるいはこれらの組合せを含み得る。各コンピューティング/処理デバイスにおけるネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースが、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それらのコンピュータ可読プログラム命令を、それぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体への記憶のために転送する。本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、インストラクション・セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、あるいは、Smalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語、または同様のプログラム言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソース・コードまたはオブジェクト・コードのいずれかとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、全体がユーザのコンピュータ上で、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして一部がユーザのコンピュータ上で、一部がユーザのコンピュータ上で一部がリモート・コンピュータ上で、または全体がリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、または接続は(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行うことができる。実施形態によっては、本発明の態様を実行するために、例えばプログラマブル・ロジック回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)を含む電子回路が、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路をパーソナライズすることにより、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0089】
本明細書では本発明の態様について、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照しながら説明している。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図の各ブロック、および、フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装可能であることはわかるであろう。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサにより実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで規定されている機能/動作を実装する手段を形成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラマブル・データ処理装置のプロセッサに提供されて、マシンを実現することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで規定されている機能/動作の態様を実装する命令を含む製造品を含むように、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されて、コンピュータ、プログラマブル・データ処理装置、またはその他の装置あるいはこれらの組合せに対して特定の方式で機能するように指示することができる。コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、その他のプログラマブル装置またはその他のデバイス上で実行される命令がフローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックで規定されている機能/動作を実装するように、コンピュータ実装プロセスを実現するようにするために、コンピュータ、その他のプログラマブル・データ処理装置、またはその他のデバイスにロードされ、コンピュータ、その他のプログラマブル装置、またはその他のデバイス上で一連の演算動作を実行させることもできる。
【0090】
図面中のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点において、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、規定されている論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、または部分を表し得る。別の一部の実装形態では、ブロックに記載されている機能は、図に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に並行して実行されてよく、またはそれらのブロックは場合によっては逆の順序で実行されてもよい。また、ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の図のブロックの組合せは、規定されている機能または動作を実行するか、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実施する、専用ハードウェア・ベースのシステムによって実装することができることにも留意されたい。
【0091】
本主題について、1つのコンピュータまたは複数のコンピュータあるいはその両方上で稼働するコンピュータ・プログラム製品のコンピュータ実行可能命令の一般的文脈で上述したが、本開示は他のプログラム・モジュールと組み合わせて実装することもでき、また実装することができることを当業者は理解されよう。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ・タイプを実装するかあるいはその両方である、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。また、本発明のコンピュータ実装方法が、シングル・プロセッサまたはマルチプロセッサ・コンピュータ・システム、ミニコンピューティング・デバイス、メインフレーム・コンピュータを含む他のコンピュータ・システム構成、およびコンピュータ、ハンドヘルド・コンピューティング・デバイス(例えばPDA、電話)、マイクロプロセッサ・ベースまたはプログラマブルの消費者向け電子機器または産業用電子機器などで実装可能であることを当業者なら理解するであろう。例示の態様は、通信ネットワークによって連結されたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境でも実装可能である。ただし、本開示の全部の態様ではないとしても一部の態様は、スタンドアロン・コンピュータ上で実装可能である。分散コンピューティング環境では、プログラム・モジュールは、ローカル・メモリ・ストレージ・デバイスとリモート・メモリ・ストレージ・デバイスの両方に配置可能である。
【0092】
本出願で使用する「コンポーネント」、「システム」、「プラットフォーム」、「インターフェース」などの用語は、コンピュータ関連実体、または1つまたは複数の特定の機能を備えた実働マシンに関連する実体を指すか、または含むか、あるいはその両方であり得る。本明細書で開示されている実体は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行時のソフトウェアとすることができる。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で実行されるプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行のスレッド、プログラム、またはコンピュータ、あるいはこれらの組合せであり得るが、これらには限定されない。例として、サーバ上で実行されるアプリケーションとそのサーバの両方がコンポーネントであり得る。1つまたは複数のコンポーネントがプロセスまたは実行のスレッドあるいはその両方内に存在可能であり、コンポーネントは1つのコンピュータ上にローカルに存在するか、または2つ以上のコンピュータに分散されるか、あるいはその両方であってよい。別の実施例では、それぞれのコンポーネントが、様々なデータ構造が記憶された様々なコンピュータ可読媒体から実行され得る。コンポーネントは、1つまたは複数のデータ・パケット(例えば、ローカル・システム内、分散システム内の別のコンポーネントと、またはインターネットなどのネットワークを介して他のシステムと、あるいはこれらの組合せと、信号を介してやり取りする1つのコンポーネントからのデータ)を有する信号に従うなどして、ローカル・プロセスまたはリモート・プロセスあるいはその両方を介して通信することができる。別の例として、コンポーネントは、プロセッサによって実行されるソフトウェア・アプリケーションまたはファームウェア・アプリケーションによって動作させられる、電気回路または電子回路によって動作させられる機械的部品によって提供される特定の機能を備えた装置とすることができる。そのような場合、プロセッサは、装置の内部または外部のプロセッサとすることができ、ソフトウェア・アプリケーションまたはファームウェア・アプリケーションの少なくとも一部を実行することができる。さらに別の例として、コンポーネントは、機械的部品なしに電子コンポーネントによって特定の機能を提供する装置とすることができ、その場合、電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能を少なくとも部分的に与えるソフトウェアまたはファームウェアを実行するプロセッサまたはその他の手段を含み得る。一態様では、コンポーネントは、例えばクラウド・コンピューティング・システム内の仮想マシンを介して電子コンポーネントをエミュレートすることができる。
【0093】
また、「または(or)」という用語は、排他的「または(or)」ではなく包含的「または(or)」を意味することが意図されている。すなわち、別に明記されているか文脈から明らかでない限り、「XがAまたはBを採用する」は、自然な包含的置換のいずれかを意味することが意図されている。すなわち、XがAを採用するか、XがBを採用するか、またはXがAとBの両方を採用する場合、上記事例のいずれかの下で「XがAまたはBを採用する」が満たされる。また、別に明記されているか文脈から単数形であることが指示されていることが明らかでない限り、本明細書および添付図面で使用されている冠詞「a」および「an」は広く「1つまたは複数」を意味するものと解釈されるべきである。本明細書で使用されている「例」または「例示の」あるいはその両方の用語は、例、事例または例示となることを意味するために使用されている。疑義を避けるために、本明細書で開示されている主題はそのような例によって限定されない。さらに、本明細書で「例」または「例示の」あるいはその両方として記載されているいずれの態様または設計も、必ずしも他の態様または設計より好ましいかまたは有利であるものと解釈されるべきではなく、当業者に知られている同等の例示の構造および技術を排除することを意味していない。
【0094】
本明細書で採用されている「プロセッサ」という用語は、シングルコア・プロセッサ、ソフトウェア・マルチスレッド実行機能を備えたシングル・プロセッサ、マルチコア・プロセッサ、ソフトウェア・マルチスレッド実行機能を備えたマルチコア・プロセッサ、ハードウェア・マルチスレッド技術を備えたマルチコア・プロセッサ、パラレル・プラットフォーム、および分散共用メモリを備えたパラレル・プラットフォームを含むがこれらには限定されない、実質的にあらゆるコンピューティング処理ユニットまたはデバイスを指し得る。また、プロセッサは、本明細書で開示されている機能を実行するように設計された、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、コンプレックス・プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、ディスクリート・ゲートもしくはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネント、またはこれらの任意の組合せを指し得る。また、プロセッサは、ユーザ装置の空間利用を最適化するため、または性能を向上させるために、分子および量子ドット・ベースのトランジスタ、スイッチ、およびゲートなどであるがこれらには限定されないナノスケール・アーキテクチャを利用することができる。プロセッサは、コンピューティング処理ユニットの組合せとして実装することもできる。本開示では、「ストア」、「ストレージ」、「データ・ストア」、「データ・ストレージ」、「データベース」、およびコンポーネントの動作および機能に関連する実質的にあらゆるその他の情報記憶コンポーネントなどの用語を使用して、「メモリ・コンポーネント」、「メモリ」において実現される実体、またはメモリを含むコンポーネントを指す。本明細書に記載のメモリまたはメモリ・コンポーネントあるいはその両方は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリとすることができ、または揮発性と不揮発性の両方のメモリを含み得ることを理解されたい。例示として、限定的ではなく、不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM)(例えば強誘電RAM(FeRAM))を含み得る。揮発性メモリは、例えば外部キャッシュ・メモリとして機能することができるRAMを含み得る。例示として、限定的ではなく、RAMは、同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、ダイレクトRambus RAM(DRRAM)、ダイレクトRambusダイナミックRAM(DRDRAM)、およびRambusダイナミックRAM(RDRAM)などの多くの形態で入手可能である。また、本明細書のシステムまたはコンピュータ実装方法の開示のメモリ・コンポーネントは、これらのおよび任意のその他の適切な種類のメモリを含むことを意図しているが、これらを含むことには限定されない。
【0095】
上記で説明した内容は、システムおよびコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然ながら、本開示を説明するために、コンポーネントまたはコンピュータ実装方法の考えられるあらゆる組合せを記載することは不可能であるが、当業者には、多くの他の組合せおよび置換が可能であることが理解できる。また、詳細な説明、特許請求の範囲、付録および添付図面において「含んでいる(include)」、「有している(has)」、「保有している(possesses)」などの用語が使用されている限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprising)」が請求項における移行語として採用されている場合に解釈されるように、「含む(comprising)という用語と同様に包含的であることが意図されている。
【0096】
本発明の様々な実施形態の説明は例示のために示したものであり、網羅的であることは意図されていない。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には多くの修正および変形が明らかであろう。本明細書で使用されている用語は、本発明の原理、実際の適用、または市場に見られる技術に優る技術的改良を最もよく説明するため、または当業者が本発明を理解することができるようにするために選択されている。