(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102155
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】フォトニック信号変換器
(51)【国際特許分類】
G02F 1/01 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
G02F1/01 D
【審査請求】有
【請求項の数】43
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071423
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2022055360の分割
【原出願日】2017-03-15
(31)【優先権主張番号】62/308,361
(32)【優先日】2016-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/457,967
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519455586
【氏名又は名称】フォトニカ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルウッド,サザーランド クック
(57)【要約】 (修正有)
【課題】統合フォトニック信号「変換器」を提供する。
【解決手段】基本論理「状態」は、色変調段から分離され、色変調段は、強度変調段から分離される。これは、可視画像フォトニック信号変調の問題に適用される電気通信信号処理アーキテクチャとして考えられ得る。例えば、3つの信号処理段と、3つの分離したデバイス構成要素及び動作とが提案される。追加の信号影響動作が追加され得、且つ意図されるが、従来の信号からポラリトン、表面プラズモン及び信号の重畳等の他の形態への変換が提案される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
N数の独立した所定の信号属性の集合を有する信号を生成する信号装置であって、N≧2であり、前記装置は、
M数の離散信号処理段の直列結合集合であって、前記M数は、前記N数に等しく、前記離散信号処理段のそれぞれは、前記N数の所定の信号属性の前記集合のP数の独立した所定の信号属性の第1の部分集合を有する任意の入力信号に応答して、段出力信号を生成する信号プロセッサを含み、P<Nである、直列結合集合
を含み、
前記段出力信号のそれぞれは、前記N数の所定の信号属性の前記集合のR数の独立した所定の信号属性の第2の部分集合を含み、R=P+1であり、
前記N数の所定の信号属性の前記集合の前記R数の独立した所定の信号属性の前記第2の部分集合は、前記N数の所定の信号属性の前記集合のP数の独立した所定の信号属性の前記第1の部分集合を含み、
前記i番目の離散信号処理段(ここで、i=Mである)は、前記N数の独立した所定の信号属性の前記集合を有する前記段出力信号を生成する、信号装置。
【請求項2】
N=3であり、前記離散信号処理段のそれぞれは、信号変調器段、信号周波数確立段及び信号強度段からなる群から一意に選択される段を含む、請求項1に記載の信号装置。
【請求項3】
前記信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号は、表示画像プリミティブを含む、請求項1に記載の信号装置。
【請求項4】
前記信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号は、表示画像プリミティブを含む、請求項2に記載の信号装置。
【請求項5】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合される、請求項1に記載の信号装置。
【請求項6】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合される、請求項2に記載の信号装置。
【請求項7】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合される、請求項3に記載の信号装置。
【請求項8】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合される、請求項4に記載の信号装置。
【請求項9】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項1に記載の信号装置。
【請求項10】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項2に記載の信号装置。
【請求項11】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項3に記載の信号装置。
【請求項12】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項4に記載の信号装置。
【請求項13】
N≧3であり、前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項7に記載の信号装置。
【請求項14】
N≧3であり、前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項8に記載の信号装置。
【請求項15】
前記離散信号処理段の1つは、前記出力段信号の独立変数の対を生成するハイブリッド段を含む、請求項1に記載の信号装置。
【請求項16】
前記ハイブリッド段は、デジタルオン/オフ論理状態属性及びアナログ強度属性の両方を設定する強度変調段を含む、請求項15に記載の信号装置。
【請求項17】
複数の信号を処理する信号装置であって、各信号は、N数の独立した所定の信号属性の集合を有し、N≧2であり、前記信号装置は、
M数の離散信号処理段の複数の直列結合集合であって、前記複数の信号の各信号について1直列であり、前記M数は、前記N数に等しく、前記離散信号処理段のそれぞれは、前記N数の所定の信号属性の前記集合のP数の独立した所定の信号属性の第1の部分集合を有する任意の入力信号の集合に応答して、段出力信号の集合を生成する信号プロセッサを含み、P<Nである、複数の直列結合集合
を含み、
前記段出力信号のそれぞれは、前記N数の所定の信号属性の前記集合のR数の独立した所定の信号属性の第2の部分集合を含み、R=P+1であり、
前記N数の所定の信号属性の前記集合の前記R数の独立した所定の信号属性の前記第2の部分集合は、前記N数の所定の信号属性の前記集合のP数の独立した所定の信号属性の前記第1の部分集合を含み、
前記i番目の離散信号処理段(ここで、i=Mである)は、前記段出力信号のそれぞれについて、前記N数の独立した所定の信号属性の前記集合を有する段出力信号の前記集合を生成する、信号装置。
【請求項18】
前記複数の信号の各信号は、前記N数の独立した所定の信号属性の独立した集合を含む、請求項17に記載の信号装置。
【請求項19】
N=3であり、前記離散信号処理段のそれぞれは、信号変調器段、信号周波数確立段及び信号強度段からなる群から一意に選択される段を含む、請求項17に記載の信号装置。
【請求項20】
N=3であり、前記離散信号処理段のそれぞれは、信号変調器段、信号周波数確立段及び信号強度段からなる群から一意に選択される段を含む、請求項18に記載の信号装置。
【請求項21】
各信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号のそれぞれは、表示画像プリミティブを含む、請求項17に記載の信号装置。
【請求項22】
各信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号のそれぞれは、表示画像プリミティブを含む、請求項18に記載の信号装置。
【請求項23】
各信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号のそれぞれは、表示画像プリミティブを含む、請求項19に記載の信号装置。
【請求項24】
各信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号のそれぞれは、表示画像プリミティブを含む、請求項20に記載の信号装置。
【請求項25】
ピクセル信号生成器であって、
論理状態を有する第1の段ピクセル信号を生成する離散ピクセル変調器段と、
前記離散ピクセル変調器段に結合され、且つ前記第1の段ピクセル信号に応答して、前記論理状態を有する特定の所定の周波数において第2の段ピクセル信号を生成する離散ピクセルカラー段と、
前記離散ピクセルカラー段に結合され、且つ前記第2の段ピクセル信号に応答して、前記論理状態を有する前記特定の所定の周波数を有する特定の所定の強度において第3の段ピクセル信号を生成する離散ピクセル強度段と
を含むピクセル信号生成器。
【請求項26】
N数の独立した所定の信号属性の集合を有する信号を生成する方法であって、N≧2であり、前記方法は、
M数の離散信号処理段の直列結合集合の各段から段出力信号を生成することであって、前記M数は、前記N数に等しく、前記離散信号処理段のそれぞれは、前記N数の所定の信号属性の前記集合のP数の独立した所定の信号属性の第1の部分集合を有する任意の入力信号に応答する信号プロセッサを含み、P<Nである、生成すること
を含み、
前記段出力信号のそれぞれは、前記N数の所定の信号属性の前記集合のR数の独立した所定の信号属性の第2の部分集合を含み、R=P+1であり、
前記N数の所定の信号属性の前記集合の前記R数の独立した所定の信号属性の前記第2の部分集合は、前記N数の所定の信号属性の前記集合のP数の独立した所定の信号属性の前記第1の部分集合を含み、
前記i番目の離散信号処理段(ここで、i=Mである)は、前記N数の独立した所定の信号属性の前記集合を有する前記段出力信号を生成する、方法。
【請求項27】
N=3であり、前記離散信号処理段のそれぞれは、信号変調器段、信号周波数確立段及び信号強度段からなる群から一意に選択される段を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号は、表示画像プリミティブを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記信号は、画像構成信号を含み、前記i番目の離散信号処理段からの前記段出力信号は、表示画像プリミティブを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合される、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合される、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合される、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、共通基盤に統合さ
れる、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項28に記載の方法。
【請求項37】
前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
N≧3であり、前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
N≧3であり、前記M数の離散信号処理段の前記直列結合集合の少なくとも2つは、互いから遠隔であり、それぞれ離散基盤に統合され、且つ信号属性保存チャネルによって一緒に結合される、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記離散信号処理段の1つは、前記出力段信号の独立変数の対を生成するハイブリッド段を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記ハイブリッド段は、デジタルオン/オフ論理状態属性及びアナログ強度属性の両方を設定する強度変調段を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
本質的に本明細書に開示される装置。
【請求項43】
本質的に本明細書に開示される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2017年3月13日に出願された米国特許出願公開第15/457,967号明細書の利益を主張し、且つ2016年3月15日に出願された米国特許出願第62/308,361号明細書の利益を主張するものであり、この出願は、米国特許出願公開第12/371,461号明細書に関連し、これらの特許出願のそれぞれの内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に明示的に援用される。
【0002】
本発明は、概して、離散フォトニック信号の変換に関し、より詳細には、ビデオ及びデジタル画像並びにアレイ検知及び空間光変調器等、アレイでそのようなデータ及び非ビデオ並びに非ピクセルデータ処理の生成、送信、受信、切り替え、割り振り、記憶及び表示を行うデータ処理デバイス及びネットワーク、並びにデータ処理デバイス及びネットワークの適用及びそれへのデータの使用に関し、排他的ではなく更により詳細には、フラットスクリーン、フレキシブルスクリーン、2D若しくは3D、又は投影画像に関係なく、デジタルビデオ画像ディスプレイ、デバイスアレイによる非ディスプレイデータ処理並びにフラットスクリーンテレビジョン及び消費者モバイルデバイス等のコンパクトデバイス及びピクセル信号、データ信号又はこれらの集合又は集まりの画像捕捉、伝送、割り振り、分割、編成、記憶、送出、表示及び投影を提供するデータネットワークを含む空間形態の編成及びこれらのプロセスの配置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景セクションで考察する趣旨は、単に背景セクションにおける言及の結果として先行技術であると仮定されるべきではない。同様に、背景セクションで言及されるか又は背景セクションの趣旨に関連する課題は、先行技術において以前に認識されていたものと仮定されるべきではない。背景セクションにおける趣旨は、単にそれら自体も発明であり得る様々な手法を表している。
【0004】
先進的で最も成功した技術の中でも特に液晶ディスプレイ(LCD)、ガスプラズマディスプレイパネル(PDP)、有機発光ダイオード(OLED)、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)及び陰極線管(CRT)を含む画像表示及び投影デバイスの分野では、今日、多くの性能及び値基準の更なる発展及びこれら(又は任意)のコア変調技術に基づくデバイスに望ましい新しいディスプレイ特徴を阻む人工的な制限が存在する。
【0005】
任意のディスプレイ又は投影変調技術の更なる発展への主な人工的制限は、任意のディスプレイ技術を、ピクセル又はサブピクセルの基本状態「オン」(明るい)又は「オフ」(暗い)の変更に利用される変調技術と同一のものとして考える傾向である。ディスプレイ技術は、一般に、ピクセル状態変調技術自体と同一のものとして考えられる。したがって、一般に、ディスプレイ技術の改善は、集積変調器デバイスの特性「ライトバルブ」を改善するものとして考えられる。
【0006】
したがって、ディスプレイにおいて色を実現するために利用される表色系がどのようなものであれ(通常、赤緑青又はRGB)、表色系の各色の変調器材料の色伝達効率、変調器を透過する色の変調器デバイスの関連する熱効率、変調器を透過する色の変調器デバイスの切り替え速度、集積色変調器の消費電力、白色光を変調し且つカラーフィルタリングされなければならない変調器のフィルタリング効率、及び特にビュー平面において薄さが望まれる直視型ディスプレイの場合にはまたデバイスの奥行きにおけるデバイスの空間コンパクト性(サブピクセル間又はピクセル間の最小フィルファクタ)として、そのような
変調器デバイス特徴を改善することに焦点が当てられてきた。ディスプレイ構造の柔軟性も多くの用途で望ましく、サブピクセルごとに1つの集積変調器デバイスという仮定がある場合、これを達成する選択肢は限られる。
【0007】
本開示は、それらの原理を基本構成レベルでピクセル変調自体の問題に適用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
必要とされるのは、捕捉、配信、編成、伝送、受信、記憶及び人間視覚系又は非ディスプレイデータアレイ出力機能への提示を行うプロセスの非最適化動作段の損なわれた機能からデバイス及びシステム設計を解放し、代わりに、ピクセル信号処理及びアレイ信号処理段を、各段に最適なデバイスの最適化機能を可能にする動作段に分割するように、捕捉、配信、編成、伝送、記憶及び人間視覚系又は非ディスプレイデータアレイ出力機能への提示を行うプロセスを新しく考えるシステム及び方法であり、分割は、実際には、デバイス及びプロセスが最も効率的に機能する周波数でデバイスを設計し且つ動作させることを意味し、効率的な周波数/波長変調/シフト段をそれらの「好都合な周波数」間で前後に動かし、その正味結果として、ローカル及び長距離の両方でより効率的な全光学信号処理を更に可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示されるのは、捕捉、配信、編成、伝送、記憶及び人間視覚系又は非ディスプレイデータアレイ出力機能への提示を行うプロセスの非最適化動作段の損なわれた機能からデバイス及びシステム設計を解放し、代わりに、フォトニック信号処理及びアレイ信号処理段を、各段に最適なデバイスの最適化機能を可能にする動作段に分割するように、捕捉、配信、編成、伝送、記憶及び人間視覚系又は非ディスプレイデータアレイ出力機能への提示を行うプロセスを新しく考えるシステム及び方法であり、分割は、実際には、デバイス及びプロセスが最も効率的に機能する周波数でデバイスを設計し且つ動作させることを意味し、効率的な周波数/波長変調/シフト段をそれらの「好都合な周波数」間で前後に動かし、その正味結果として、ローカル及び長距離の両方でより効率的な全光学信号処理を更に可能にする。
【0010】
本発明の以下の概要は、信号処理に関連する技術的特徴の幾つかの理解を容易にするために提供され、本発明の完全な説明であることを意図されない。本発明の様々な態様の完全な理解は、本明細書全体、特許請求の範囲、図面及び要約書を全体的に解釈することにより得ることができる。
【0011】
特に、提案は、通常、統合されたピクセル信号「変調器」の構成要素を離散信号処理段に分解することである。したがって、典型的に統合ピクセル変調器において達成されたものの基本論理「状態」は、強度変調段から分離された色変調段から分離される。これは、可視画像ピクセル変調の問題に適用される電気通信信号処理アーキテクチャとして考えられ得る。通常、3つの信号処理段並びに3つの別個のデバイスコンポーネント及び動作が提案されるが、偏光特性、従来の信号からポラリトン及び表面プラズモン等の他の形態への変換、信号(他の信号データに重畳された基本ピクセルオン/オフ状態等)の重畳等を含む追加の信号影響動作が追加され得、且つ意図される。実質的にパッシブ材料の後の段で構成される比較的「能力の低い」ディスプレイ設備にサービングする広帯域ネットワークにわたり高度に分散したビデオ信号処理アーキテクチャは、主な結果及び同じデバイス、別個のデバイス間で密接するデバイス、及び大きいアレイで離散信号処理ステップを順次実施するコンパクトなフォトニック集積回路デバイスである。
【0012】
提案される革新の結果は、1)実質的にパッシブ材料結果の後の段で構成される比較的
「処理能力の低い」ディスプレイ設備にサービングする広帯域ネットワークにわたり高度に分散したビデオ信号処理アーキテクチャ、2)同じデバイス又は別個のデバイスが密接なデバイス、及び大きいアレイにおいて、離散信号処理ステップを順次実施するコンパクトなフォトニック集積回路デバイスである。
【0013】
本明細書に記載される任意の実施形態は、単独で又は任意の組み合わせで別の実施形態と一緒に使用し得る。本明細書に含まれる革新は、この短い概要若しくは要約書に部分的にのみ言及若しくは示唆されるか、又は全く言及若しくは示唆されていない実施形態を含むこともできる。本発明の様々な実施形態は、本明細書において1つ又は複数の箇所で考察又は示唆し得る従来技術の様々な欠陥により動機付けられ得るが、本発明の実施形態は、必ずしもこれらの欠陥のいずれかに対処するわけではない。換言すれば、本発明の異なる実施形態は、本明細書において考察し得る異なる様々な欠陥に対処し得る。幾つかの実施形態は、幾つかの欠陥に部分的にのみ対処し得、又は本明細書において考察し得る1つのみの欠陥に対処し得、幾つかの実施形態は、これらの欠陥のいずれにも対処しないことがある。
【0014】
本発明の他の特徴、恩恵及び利点は、本明細書、図面及び特許請求の範囲を含め、本開示の検討から明らかになる。
【0015】
同様の参照番号が別個の図を通して同一又は機能的に同様の要素を指し、本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなす添付図は、本発明を更に示し、本発明の詳細な説明と共に本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態の実施に使用し得るイメージングアーキテクチャを示す。
【
図2】信号プロセッサとしてフォトニック変換器を使用したバージョンの
図1のイメージングアーキテクチャを実施するフォトニック変換器の実施形態を示す。
【
図3】
図2のフォトニック変換器の一般構造を示す。
【
図4】フォトニック変換器の特定の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態は、捕捉、配信、編成、伝送、記憶及び人間視覚系又は非ディスプレイデータアレイ出力機能への提示を行うプロセスの非最適化動作段の損なわれた機能からデバイス及びシステム設計を解放し、代わりに、ピクセル信号処理及びアレイ信号処理段を、各段に最適なデバイスの最適化機能を可能にする動作段に分割するように、捕捉、配信、編成、伝送、記憶及び人間視覚系又は非ディスプレイデータアレイ出力機能への提示を行うプロセスを新しく考えるシステム及び方法を提供し、分割は、実際には、デバイス及びプロセスが最も効率的に機能する周波数でデバイスを設計し且つ動作させることを意味し、効率的な周波数/波長変調/シフト段をそれらの「好都合な周波数」間で前後に動かし、その正味結果として、ローカル及び長距離の両方でより効率的な全光学信号処理を更に可能にする。以下の説明は、当業者が本発明を製造し使用できるようにするために提示され、特許出願及びその要件との関連で提供される。
【0018】
本明細書に記載される好ましい実施形態並びに一般原理及び特徴への様々な変更形態が当業者に容易に明らかになる。したがって、本発明は、示される実施形態に限定されることが意図されず、本明細書に記載される原理及び特徴と一致する最も広い範囲に従うべきである。
【0019】
定義
別段のことが定義される場合を除き、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び
科学用語を含む)は、本発明の一般原理が属する技術分野の当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般に使用される辞書で定義される用語等の用語は、関連技術及び本開示と関連する意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において理想化又は過度に形式的な意味で明示的に定義される場合を除き、そのように解釈されないことが更に理解される。
【0020】
以下の定義は、本発明の幾つかの実施形態に関して説明される態様の幾つかに該当する。これらの定義は、同様に本明細書において拡張し得る。
【0021】
本明細書で使用される場合、「又は」という用語は「及び/又は」を含み、「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ又は複数のあらゆる組み合わせを含む。「少なくとも1つ」等の表現は、要素のリストに前置される場合、要素のリスト全体を修飾し、リストの個々の要素を修飾するものではない。
【0022】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈により明らかに別段のことが示される場合を除き、複数形を含む。したがって、例えば、物体への言及は、文脈により明らかに別段のことが示される場合を除き、複数の物体を含むことができる。
【0023】
また、本明細書の説明及び以下の特許請求の範囲全体を通して使用される場合、「内」の意味は、文脈により明らかに別段のことが示される場合を除き、「内」及び「上」を含む。要素が別の要素「上」にあると言及される場合、要素は、別の要素の直接上にあり得るか、又は介在要素がその間に存在し得ることが理解される。逆に、要素が別の要素の「直接上」にあると言及される場合、介在要素は存在しない。
【0024】
本明細書で使用される場合、「組」という用語は、1つ又は複数の物体の集合を指す。したがって、例えば、物体の組は、1つの物体又は複数の物体を含むことができる。物体の組は、組のメンバーを指すこともできる。物体の組は、同じであるか又は異なり得る。幾つかの場合、物体の組は、1つ又は複数の共通の属性を共有することができる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「近隣」という用語は、近傍又は隣接を指す。近隣物体は、互いから離間され得るか又は互いと実際若しくは直接接触し得る。幾つかの場合、近隣物体は、互いに結合され得るか又は互いと一体形成され得る。
【0026】
本明細書で使用される場合、「接続」、「接続された」及び「接続する」という用語は、直接的な取り付け又はリンクを指す。接続された物体は、文脈により示されるように、介在物体又は介在物体の組を有さないか又は実質的に有さない。
【0027】
本明細書で使用される場合、「結合」、「結合された」及び「結合する」という用語は、動作的な接続又はリンクを指す。結合された物体は、互いと直接接続され得るか、又は介在する物体の組を介して等、互いに間接的に接続され得る。
【0028】
本明細書で使用される場合、「実質的に」及び「実質的」という用語は、相当な程度又は範囲を指す。事象又は状況と併せて使用される場合、これらの用語は、事象又は状況が厳密に発生する場合及び典型的な許容差レベル又は本明細書に記載される実施形態の変動を説明する等の事象又は状況が近似して発生する場合を指すことができる。
【0029】
本明細書で使用される場合、「任意選択的」及び「任意選択的に」という用語は、続けて説明される事象又は状況が生じることも生じないこともあり、説明が、事象又は状況が発生する場合及び発生しない場合を含むことを意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「機能デバイス」という用語は、エネルギー提供構造からエネルギーを受け取るエネルギー消費構造を広く意味する。機能デバイスという用語は、一方向構造及び双方向構造を包含する。幾つかの実装形態では、機能デバイスは、ディスプレイのコンポーネント又は要素であり得る。
【0031】
本明細書で使用される場合、「表示」という用語は、表示構成物を生成する構造又は方法を広く意味する。表示構成物は、表示画像プリミティブ前駆体から生成される処理済み画像構成信号から生成される表示画像構成物の集合である。画像プリミティブ前駆体は、他の状況ではピクセル又はサブピクセルと呼ばれることもあった。残念ながら、「ピクセル」という用語は、ピクセル/サブピクセルからの出力及び表示画像の構成物を含め、多くの異なる意味を派生した。本発明の幾つかの実施形態は、幾つかについて独立した処理のために、これらの要素及び形態を追加の中間構造及び要素から分離する実装形態を含み、それは、これらの要素要素/構造の全てをピクセルと呼ぶことで更に混乱し得、したがって、特定のコンポーネント/要素を明確に指すために本明細書では様々な用語が使用されている。表示画像プリミティブ前駆体は、合成構成信号を発し、この信号は、中間処理システムにより受信されて、画像構成信号から表示画像プリミティブの組を生成し得る。ディスプレイを通した直視により又は投影システムにより反射されて、意図される閲覧状況下で人間の視覚系に提示されたとき、画像を生成する表示画像プリミティブの集合である。これに関連する信号は、表示画像プリミティブ前駆体であるか、又は前駆体と同等のものである、信号生成器からの出力を意味する。重要なことに、処理が望まれる限り、これらの信号は、自由空間を伝搬する他のソースからの他の拡張波面と組み合わされる拡張波面を信号が生成する自由空間に伝送されずに、様々な信号保持伝搬チャネル内で信号として保持される。信号は、掌性を有さず、鏡像を有さない(すなわち逆、上下逆又は反転した信号はなく、一方、画像及び画像部分は、様々な鏡像を有する)。更に、画像部分は、そのまま付加的ではなく(ある画像部分を別の画像部分に重ねることは、結果の予測が可能であったとしても難しい)、画像部分を処理することは非常に難しいことがある。信号生成器として使用し得る多くの異なる技術があり、異なる技術は、異なる特性又は利点及び欠点の信号を提供する。本発明の幾つかの実施形態は、いかなる特定の技術の欠点も最小に抑えながら、複数の技術の組み合わせから利点を借用し得るハイブリッド組立体/システムを可能にする。援用した米国特許出願公開第12/371,461号明細書には、そのような複数の技術を有利に組み合わせることができるシステム及び方法が記載されており、したがって、表示画像プリミティブ前駆体という用語は、ピクセル技術のピクセル構造及びサブピクセル技術のサブピクセル構造を包含する。
【0032】
本明細書で使用される場合、「信号」という用語は、信号が生成された時間における信号生成器のステータスについての情報を伝達する、表示画像プリミティブ前駆体等の信号生成器からの出力を指す。イメージングシステムでは、各信号は、意図される状況下で人間の視覚系により知覚された場合、画像又は画像部分を生成する表示画像プリミティブの部分である。この意味では、信号は体系化されたメッセージであり、すなわち、メッセージを符号化する通信チャネル内の表示画像プリミティブ前駆体の一連の状態である。表示画像プリミティブ前駆体の組からの同期信号の集合は、画像のフレーム(又はフレームの一部)を定義し得る。各信号は、1つ又は複数の他の信号からの1つ又は複数の特性と組み合わせ得る特性(色、周波数、振幅、タイミングであるが、掌性ではない)を有し得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、「人間の視覚系」(HVS)という用語は、直視であれ投影であれ、複数の離散した表示画像プリミティブからの画像の知覚及び視覚化に伴う生物学的及び心理学的プロセスを指す。したがって、HVSは、伝搬する表示画像プリミティブの複合体を受け取り、受け取られ処理されるそれらのプリミティブに基づいて画像の概
念を組み立てることにおける人間の目、視神経及び人間の脳を含意する。HVSは、誰でも厳密に同じではなく、集団の有意な割合で一般的な類似性がある。
【0034】
図1は、本発明の実施形態の実施に使用し得るイメージングアーキテクチャ100を示す。本発明の幾つかの実施形態は、人間の視覚系(HVS)を使用した - 大きい組の信号生成構造からの - 人間知覚可能な画像の形成がアーキテクチャ100を含むことを意図する。アーキテクチャ100は、複数の表示画像プリミティブ前駆体(DIPP)110
iを含む画像エンジン105を含み、i=1~Nである(Nは、DIPPの1~数十、数百又は数千個の任意の全数であり得る)。各DIPP110
iは、適宜操作され変調されて、複数の画像構成信号115
iを生成し、i=1~Nである(各DIPP110
iからの個々の画像構成信号115
i)。これらの画像構成信号115
iは、処理されて、複数の表示画像プリミティブ(DIP)120
jを形成し、j=1~Mであり、Mは、N未満であるか、Nに等しいか、又はNよりも大きい全数である。HVSにより知覚されると、表示画像125(又は例えば、アニメーション/モーション効果のために一連の表示画像)を形成するDIP120
jの集合/集まり(同じ空間及び断面エリアを占有する1つ以上の画像構成信号115
i等)である。HVSは、ディスプレイ上のアレイ又はスクリーン、壁若しくは他の表面上の投影画像等の適した形式で提示されたとき、DIP120
jから表示画像125を再構築する。これは、HVSが閲覧者(及びHVS)への距離に関連して十分に小さい小形状(「ドット」等)の異なる色又はグレースケール陰影のアレイから画像を知覚するという一般的な現象である。したがって、表示画像プリミティブ前駆体110
iは、非コンポジット表色系から画像構成信号を生成するデバイスを参照する場合、ピクセルと一般に呼ばれる構造に対応し、したがってコンポジット表色系から画像構成信号を生成するデバイスを参照する場合、サブピクセルと一般に呼ばれる構造に対応する。多くの一般的なシステムは、各RGB要素から1つの画像構成信号のRGB画像構成信号等のコンポジット表色系を利用している(例えば、LCDセル等)。残念ながら、ピクセル及びサブピクセルという用語は、イメージングシステムでは、多くの異なる概念を指すのに使用されている - ハードウェアLCDセル(サブピクセル)、セルから発せられる光(サブピクセル)及びHVSにより知覚される際の信号(通常、そのようなサブピクセルは、一緒に混ぜられており、閲覧が意図される一連の状況下でユーザに知覚されないように構成される)等である。アーキテクチャ100は、これらの様々な「ピクセル又はサブピクセル」を区別しており、したがってこれらの異なるコンポーネントの参照に異なる用語が採用される。
【0035】
アーキテクチャ100は、画像エンジン105がDIPP110の1つ又は複数のサブセットに異なる技術を含むハイブリッド構造を含み得る。すなわち、DIPPの第1のサブセットは、第1のカラー技術、例えばコンポジットカラー技術を使用して、画像構成信号の第1のサブセットを生成し得、DIPPの第2のサブセットは、第1のカラー技術と異なる第2のカラー技術、例えば異なるコンポジットカラー技術又は非コンポジットカラー技術)を使用して、画像構成信号の第2のサブセットを生成し得る。これにより、様々な技術の組み合わせを使用して、表示画像プリミティブの組及びしたがって任意の1つの技術から生成される場合に優れていることができる表示画像125を生成することができる。
【0036】
アーキテクチャ100は、入力として画像構成信号115iを受け入れ、出力において表示画像プリミティブ120jを生成する信号処理マトリックス130を更に含む。本発明の実施形態の任意の特定の実装形態の適合及び目的に応じて、マトリックス130の多くの可能な構成がある(幾つかの実施形態は、一次元アレイを含み得る)。一般に、マトリックス130は、複数の信号チャネル、例えばチャネル135~160を含む。マトリックス130の各チャネルに多くの異なる可能な構成がある。各チャネルは、離散光ファイバチャネルから生じる光学分離等の他のチャネルから十分に分離され、したがって、実
装形態/実施形態では、あるチャネル内の信号は、クロストーク閾値を超えて他の信号と干渉しない。各チャネルは、1つ又は複数の入力及び1つ又は複数の出力を含む。各入力は、画像構成信号115をDIPP110から受信する。各出力は、表示画像プリミティブ120を生成する。入力から出力に、各チャネルは、純粋な信号情報を向け、その純粋な信号情報は、チャネル内で随時、元の画像構成信号115、1つ若しくは複数の処理済みの元の画像構成信号の組の離散化、及び/又は1つ若しくは複数の処理済みの元の画像構成信号の組の統合を含み得、各「処理」は、1つ又は複数の信号の1つ又は複数の統合又は離散化を含み得る。
【0037】
これに関連して、統合は、SA>1である数SAのチャネル(これらの集合信号は、それら自体、元の構成信号、処理済み信号又は組合せであり得る)からTA数(1≦TA<SA)のチャネルへの信号の結合を指し、離散化は、SD≧1である数SDのチャネル(それら自体、元の構成信号、処理済み信号又は組合せであり得る)からTD数(SD<TD)のチャネルへの信号の分割を指す。いかなる統合もない状態での早期の離散化等に起因して、SAは、Nを超え得、続く統合に起因して、SDは、Mを超え得る。幾つかの実施形態は、SA=2、SD=1及びTD=2を有する。しかしながら、アーキテクチャ100では、多くの信号を統合することができ、それにより、実装での使用にそれぞれが十分に強い多くのチャネルに離散化し得るのに十分に強い信号を生成することができる。信号の統合は、チャネル統合(例えば、結合、併合、組み合わせ等)又は近隣チャネルの他の構成の後に生じ、それらの近隣チャネルにより伝搬する信号の結合、併合、組み合わせ等を可能にし、信号の離散化は、チャネルの離散化(例えば、スプリット、分離、分割等)又は他のチャネル構成後に生じ、そのチャネルにより伝搬する信号のスプリット、分離、分割等を可能にする。幾つかの実施形態では、マトリックス130を通って伝搬するコンテンツの信号ステータスを保持しながら、複数のチャネル内の2つ以上の信号を統合(又は1つのチャネル内の信号を複数のチャネル内の複数の信号に離散化)する特定の構造又はチャネルの要素があり得る。
【0038】
図1に示される幾つかの代表的なチャネルがある。チャネル135は、1つの入力及び1つの出力を有するチャネルを示す。チャネル135は、1つの元の画像構成信号115
kを受信し、1つの表示画像プリミティブ120
kを生成する。これは、チャネル135がいかなる処理も実行し得ないというわけではない。例えば、処理は、物理的特性の変換を含み得る。チャネル135の入力の物理的なサイズ寸法は、画像構成信号115
kを生成する対応/関連するDIPP110のアクティブエリアに一致/補完するように設計される。出力の物理的サイズは、入力の物理的サイズ寸法と一致する必要はない - すなわち、出力は、比較的先細りであり得るか若しくは拡大し得、又は円形外周入力が直線外周出力であり得る。他の変形形態としては、信号の再配置が挙げられる - 画像構成信号115
1は、画像構成信号115
2の近傍で開始し得るが、チャネル135により生成される表示画像プリミティブ1201は、前の「遠隔」画像構成信号115
xから生成される表示画像プリミティブ120
xの隣に位置し得る。これにより、生成に使用された技術とは別個の信号/プリミティブをインターリーブする際に大きい柔軟性が可能になる。個々の又は集合的な物理的変換のこの可能性は、マトリックス130の各チャネルの選択肢である。
【0039】
チャネル140は、入力の対及び1つの出力(入力の対を統合する)を有するチャネルを示す。チャネル140は、2つの元の画像構成信号、例えば信号1153及び信号1154を受信し、例えば1つの表示画像プリミティブ1202を生成する。チャネル140は、2つの振幅を追加できるようにし、したがって、プリミティブ1202は、いずれの構成信号よりも大きい振幅を有する。チャネル140は、構成信号をインターリーブ/多重化することにより、タイミングを改善することもでき、例えば、各構成信号は、30Hzで動作し得るが、その結果生成されるプリミティブは、60Hzで動作し得る。
【0040】
チャネル145は、1つの入力及び出力の対(入力の離散化)を有するチャネルを示す。チャネル140は、1つの元の画像構成信号、例えば信号115
5を受信し、表示画像プリミティブの対 - プリミティブ120
3及びプリミティブ120
4 - を生成する。チャネル145は、1つの信号を再生成できるようにし、例えば恐らく振幅を除き、離散化信号の特性の多くを有する2つの平行チャネルに分割できるようにする。振幅が望ましいものではない場合、上述したように、統合により振幅を増大することができ、次に離散化により、
図1に示される代表的なチャネルのうちの他のチャネルで実証されるように十分に強い信号を生成することができる。
【0041】
チャネル150は、3つの入力及び1つの出力を有するチャネルを示す。チャネル150は、例えば、1つのプリミティブ1205を生成するために、略あらゆる数の独立した入力を1つのチャネル内の処理済み信号に統合し得ることを強調するために含まれている。
【0042】
チャネル155は、1つの入力及び3つの出力を有するチャネルを示す。チャネル150は、1つのチャネル(及びチャネル内の信号)を、略あらゆる数の独立しているが関連する出力及びプリミティブにそれぞれ離散化し得ることを強調するために含まれている。チャネル155は、別の点 - すなわち、出力から生成されるプリミティブ120の振幅 - でチャネル145と異なる。チャネル145では、各振幅は、等しい振幅に分割し得る(しかし、幾つかの離散化構造では、可変振幅分割を可能にすることもできる)。チャネル155では、プリミティブ1206は、プリミティブ1207及び1208の振幅と同じではないことがある(例えば、全ての信号が同じノードで離散化される必要はないため、プリミティブ1206は、プリミティブ1207及びプリミティブ1208のそれぞれの約2倍の振幅を有し得る)。第1の分割により、信号の半分がプリミティブ1206を生成し得、その結果生成された1/2信号は、プリミティブ1207及びプリミティブ1208のそれぞれで更に半分に分割される。
【0043】
チャネル160は、3つの入力の統合及び出力の対への離散化の両方を含むチャネルを示す。チャネル160は、1つのチャネルが信号の統合及び信号の離散化の両方を含み得ることを強調するために含まれている。したがって、チャネルは、複数の統合領域及び複数の離散化領域を必要又は所望に応じて有し得る。
【0044】
したがって、マトリックス130は、統合及び離散化を含む処理段170の物理的及び信号特性操作のために1つのプロセッサである。
【0045】
幾つかの実施形態では、マトリックス130は、数千~数百万のチャネルをまとめて定義する光ファイバの組のジャガード織りプロセス等のチャネルを定義する物理的構造の精密な織りプロセスにより生成し得る。
【0046】
概括的に、本発明の実施形態は、プリミティブ生成システム(例えば、マトリックス130)に結合された画像生成段(例えば、画像エンジン105)を含み得る。画像生成段は、N数の表示画像プリミティブ前駆体110を含む。各表示画像プリミティブ前駆体110
iは、対応する画像構成信号115
iを生成する。これらの画像構成信号115
iは、プリミティブ生成システムに入力される。プリミティブ生成システムは、M数の入力チャネルを有する入力段165を含む(Mは、Nと同じであることができるが、一致する必要はない -
図1では、例えば、幾つかの信号は、マトリックス130に入力されない)。入力チャネルの入力は、画像構成信号115
xを1つの表示画像プリミティブ前駆体110
xから受信する。
図1では、各入力チャネルは、入力及び出力を有し、各入力チャネルは、1つの元の画像構成信号を入力から出力に向け、入力段165のM数の入力及び
M数の出力がある。プリミティブ生成システムは、P数の配信チャネルを有する配信段170も含み、各配信チャネルは、入力及び出力を含む。一般に、M=Nであり、Pは、実装に応じて様々であることができる。幾つかの実施形態では、Pは、N未満であり、例えばP=N/2である。それらの実施形態では、配信チャネルの各入力は、入力チャネルから一意の対の出力に結合される。幾つかの実施形態では、Pは、Nよりも大きく、例えばP=N
*2である。それらの実施形態では、入力チャネルの各出力は、配信チャネルの一意の対の入力に結合される。したがって、プリミティブ生成システムは、画像構成信号を表示画像プリミティブ前駆体からスケーリングする - 幾つかの場合、複数の画像構成信号は、配信チャネル内で信号として結合され、他の場合、1つの画像構成信号は、分割され、複数の配信チャネルに提示される。マトリックス130、入力段165及び配信段170の多くの可能な変形形態がある。
【0047】
図2は、
図1のイメージングアーキテクチャの1バージョンを実施するイメージングシステム200の実施形態を示す。システム200は、好ましくは、可視周波数、より詳細には現実世界の可視イメージング周波数においてデジタル画像プリミティブ225の組220を生成するフォトニック信号変換器215に提供される複数の画像構成信号(IR/近IR周波数)等の符号化信号の組205を含む。
【0048】
図3は、
図2のフォトニック信号変換器215の一般構造を示す。変換器215は、1つ又は複数の入力フォトニック信号を受信し、1つ又は複数の出力フォトニック信号を生成する。変換器215は、信号論理状態(例えば、オン/オフ)、信号色状態(IR~可視)及び/又は信号強度状態等の入力フォトニック信号の様々な特性を調整する。
【0049】
図4は、フォトニック変換器400の特定の実施形態を示す。変換器405は、効率的な光源405を含む。光源405は、例えば、連続段での最適な変調器性能のために、IR及び/又は近IR光源(例えば、IR及び/又は近IRを発するLEDアレイ)を含み得る。変換器400は、任意選択的なバルク光学エネルギー源ホモジナイザ410を含む。ホモジナイザ410は、必要又は所望に応じて、光源405からの光の偏光を均質化する構造を提供する。ホモジナイザ410は、アクティブ及び/又はパッシブ均質化に向けて構成し得る。
【0050】
変換器400は、次に、光源405からの光伝搬の順にエンコーダ415を含む。エンコーダ415は、均質化された可能性がある光源405からの光を符号化して、符号化信号を生成する論理を提供する。エンコーダ405は、ハイブリッド磁性フォトニック結晶(MPC)、マッハツェンダー、透過弁等を含み得る。エンコーダ415は、画像構成信号の組の状態を設定する変調器のアレイ又はマトリックスを含み得る。これに関連して、個々のエンコーダ構造は、表示画像プリミティブ前駆体と同等に動作し得る(例えば、ピクセル及び/若しくはサブピクセル並びに/又は他の表示光学エネルギー信号生成器。
【0051】
変換器400は、平坦偏向機構(例えば、プリズムアレイ/格子構造)と組み合わされた偏光フィルタ/分析器(例えば、フォトニック結晶誘電体ミラー)等の任意選択的なフィルタ420を含む。
【0052】
変換器400は、フィルタ420の要素により偏向された光源405からのエネルギー(例えば、IR~近IR偏向エネルギー)を再捕捉する任意選択的なエネルギー再捕捉器425を含む。
【0053】
変換器400は、エンコーダ415から生成された符号化信号(フィルタ420によりフィルタリングされ得る)の波長又は周波数を変調/シフトする調整器430を含む。調整器430は、蛍光体、周期分極材料、衝撃結晶等)を含み得る。調整器430は、生成
/切り替えられたIR/近IR周波数をとり、それらを1つ又は複数の所望の周波数(例えば、可視周波数)に変換する。調整器430は、全ての入力周波数を同じ周波数にシフト/変調する必要はなく、IR/近IR内の異なる入力周波数を同じ出力周波数にシフト/変調し得る。他の調整も可能である。
【0054】
変換器400は、任意選択的に、例えばIR/近IRエネルギーの第2のフィルタ435を含み、第2のフィルタ435を含む場合、任意選択的に、第2のエネルギー再捕捉器440を含み得る。フィルタ435は、平坦偏向構造(例えば、プリズムアレイ/格子構造)と組み合わせたフォトニック結晶誘電体ミラー)を含み得る。
【0055】
変換器400は、1つ又は複数のパラメータを調整する(例えば、符号化され、任意選択的にフィルタリングされ、周波数シフトされた信号の信号振幅を増大させる)任意選択的な増幅器/利得調整445を含むこともできる。調整445により、他の信号パラメータ及び追加の信号パラメータも調整し得る。
【0056】
動作及びデバイスタイプの分離は、段及びデバイスの大きい空間的な分離を提案し、基本ピクセル状態信号が遠隔から発せられ、広帯域電気通信ネットワークを介して続く段に配信されるディスプレイ及びプロジェクタの多くの新規の物理的アーキテクチャを可能にすると仮定し得る。これは、本開示の重要な新規の好ましい実施形態及び特徴であり、基本的に、比較的「処理能力の低い」周波数/波長変調及び強度変調段(結局のところ、パッシブ材料を使用する)への「直接表示データ」配信である。生の光パルスパケットデータが、ローカルデバイスSSIDのサブセットとしてサブピクセルアドレス情報を含んでいるファイバ-ディスプレイアーキテクチャにより、画像表示目的での大きい中間信号処理をなくし得る。テレプレゼンス等のビデオオンデマンド及び他のデータ集約的ビデオストリーミング用途の場合、「オン」であるサブピクセルのみにルーティングされ、ネットワークの総合速度及びローカルデバイスの速度は、不要な中間データ及び信号処理動作を削減することにより実質的に増大することになる。
【0057】
この全体方式の変形及び調整として、ローカル(ビルレベル又は部屋レベル)専用ビデオ信号ルータ/サーバを利用して、ビデオ信号を配信し得、DWDM(高密度波長分割多重化)を含め、当技術分野で既知の電気通信、フォトニック、光ファイバ信号処理方法及びデバイスを所与のビル又は部屋内の比較的「処理能力が低い」ディスプレイ及び投影設備に利用する。そのようなプロトコル及び専用化は、主要都市圏から長距離まで全規模の直接ビデオ信号配信に適用することができる。
【0058】
動作とデバイスタイプとのそのような分離により、この重要な特徴及びディスプレイブロードバンドネットワーク信号処理アーキテクチャが可能になるが、これは、動作、処理段及びデバイスが物理的に別個でなければならないこと、又は上記で提案された高分散ビデオ信号処理ネットワーク及びアーキテクチャの一部を確立するか若しくはその一部でなければならないことを意味しない。
【0059】
実際には、結局のところ、最終的な閲覧可能なサブピクセル又はピクセルを実現する専用の分解された信号処理段を実行する最適化されたデバイスは、フォトニック集積回路デバイスの極めて小型のデバイス特徴として、又はアレイに組み立てられた多くの処理要素を有する物理的に近隣又は接合されたデバイスとして物理的に密接に並置し得る。ウェーハ及びフォトニック織物バージョンが意図され、フォトニック織物又は「光学ファブリック」は、本開示と特に適合する構造形態である。そのようなシステムは、本明細書に援用された係属中の特許出願の1つ又は複数において本開示の発明者により提案されている。
【0060】
ピクセル変調の要素が離散した別個の段、デバイス及び動作により実行される、提案さ
れる「分解」ピクセル変調プロセスの高レベルの好ましい実施形態である。
【0061】
最終的な閲覧可能ピクセル又はサブピクセル信号を生成する、分解した離散信号処理アーキテクチャの3つの主要又は典型的な処理段は、状態(ピクセル論理)、周波数又は波長変調、及び強度変調である。本提案の幾つかの実施形態の重要な目的は、この「労力の分割」又はピクセル変調の要素の分解が、統合デバイス手法下で通常見られる妥協とは対照的に、各段が最適化され、各段で材料及び方法が最適に使用されるように向けられることである。
【0062】
切り替え速度及び吸収を含め、多くの変調器で最も効率的な状態変化切り替えを実現する材料は、通常、電気通信波長で動作し、したがって、それらの波長での変調は、ピクセル変調の総合タスクのそのコンポーネントの性能に対して最も効率的になる。続く段を用いたこの段からの出力の周波数シフトは、最適な材料及び方法を用いて状態変調を最適化する方法を提供し、周波数変調(色帯域幅強化用を含む)を色出力に最適化された他の方法及び材料に委ねる。
【0063】
加えて、この2つの段で利用される同じ材料及び方法は、最適な動作範囲内の効率及び低吸収ではあるものの、光学エネルギースループットの総量において制限され得る。したがって、通常、信号の増幅に利用される強度変調段は、そのタスクに最適化された材料及び方法を使用して利用されることになる。
【0064】
強度変調は、他の用途も同様に有する。サブピクセル自体が強度を変え得るピクセルカラーシステムでは、オン又はオフ状態のみを有する代わりに、ピクセル論理ゲート又は変調器のオン/オフ状態データに加えて、第2の変数である強度変数が二進オンオフ状態データと対になる。これは、強度変調段までベースオンオフ信号を有する光学信号として搬送し得、これは、ベースオンオフ信号が「オン」である場合にのみトリガーされるが、信号を適宜可変増幅することにより強度レベル及び応答を「読み取る」。又は、光電子工学デバイス変形形態では、オンオフピクセル論理「ゲート」状態は、シリーズ内のその最初のデバイスに電子的にアドレス指定され、強度状態は、最初の段が「オン」にアドレス指定された場合にのみ、強度変調デバイス及び段に電子的にアドレス指定される。
【0065】
提案されるシステムの好ましい実施形態における好ましいピクセル論理変調デバイス及び方法の中には、フォトニック集積回路、フォトニック及び電気通信信号処理で一般に見られる最良の種類の変調方法の2つがある。本開示の1つの原理によれば、ピクセル状態変調方法は、動作周波数に関係なく、全ての切り替え特性に最適化されるように選択される。したがって、本開示で使用され、且つ本開示の新規の画像表示及び投影システムの一環として使用される最も好ましい方法の2つは、マッハツェンダー変調器並びに磁気光学及び磁性フォトニック変調器である。
【0066】
好ましいマッハツェンダー変調器の例は、2007年12月10日にOptics Express/Vol.15,No.25において最初に報告されたように、IBM Watson研究センターにおいてGreenらにより開発された新規のバージョンにおいて見られる。マッハツェンダー変調器は、光学信号の信号分割段を利用する光電子変調器又はフォトニック変調器として定義し得、2つの「アーム」を同一の信号(分割され、アームごとに強度が少なくとも半分に低減される)が通り、デバイス機能は、2つのアームの少なくとも一方における電荷及び正孔の移動を通して屈折率を選択的に変更し、それにより、屈折率が変更された場合、2つの信号は、互いに関して互い違いになり(2つの分岐の一方での信号の1つの正味遅延)、2つの「アーム」が再結合するポイントで分割信号が干渉し、再結合信号の強度は、それにより低減/変更される(最大でゼロに)。M-Zオンシリコンの利点は、CMOS製作及び材料技術、広帯域動作並びに環境及び熱堅牢
性への適合性である。
【0067】
GreenのシリコンM-Z変調器は、高速(10Gb/s)低電力(5pJ/ビット)且つ低抵抗(49Ω)であり、その小型寸法は、高搬送波密度及びしたがって2倍を超える効率の増大を達成する。リブ導波路は、幅550nm高さ220nmであり、デバイス面積は、M-Zアーム及びアクティブ化P-I-N接合部を含め約~0.12μm2であり、デバイスを前のM-Z変調器(全長100μm×10μm)よりも100倍~1000倍小型にする。
【0068】
リング共振器ベースの変調器は、同様の寸法(GreenのM-Zデバイスは5倍だけ大きい)で実証されたが、これまで、温度、他の環境、動作状況及び製作欠陥の影響をより受けやすいことが分かっていた。しかしながら、そのような変調器も、好ましさは劣るが、本開示の目的である変調方法である最適化ピクセル論理として包含される。
【0069】
P-I-N型M-Z変調器の変形形態は、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第20040047531号明細書においてFujita、Levy及びOsgoodにより示されている。MO材料のリブ導波路で構成され、その2つのアームは、位相を遅延させるように動作するトランスバースMO効果を受けるM-Z分岐構造である。提案された特定の構成は、光学アイソレータとしてであるが、本方法は、本開示のピクセル論理変調への新規適合を有し、Greenらの方法は、MO材料方式に移され、違いは、特にMO MZアームにおけるフォトニックバンドギャップ周期構造(フォトニックバンドギャップ(PBG)格子等、参照により援用されるLevyの米国特許出願公開第20040080805号明細書を参照されたい)の形態のMO効果の非相反性(アームにおいて反射効果が可能であり、したがってアーム長を低減する)及び場生成手段の潜在的により小型の寸法(P-I-N構造と比較して)である。GreenのEO/P-I-N MZとのこれらの違いは、GreenのMZ変調器と比較して全体デバイスのより大きい小型化の可能性を示す。
【0070】
次に、これは、別の好ましいクラスの変調器である磁気光学(MO)又は磁性フォトニック結晶(MPC)変調器をもたらし、その動作周波数は、一般に、赤外線又は近赤外線周波数で高度に効率的であるが、その効率は、一般に、波長が可視赤色から緑色に移る際、とりわけ可視青色帯域で最も劇的に下がることが示されてきた。
【0071】
本発明の発明者の指示下で実現された最初の実用的なMO青色材料を含め、MO材料及びMPC構造において改善が実証されてきたが、これらの改善された効率は、それでもなお従来の電気通信波長で実現し得るもののごく一部である。これは、鉄ガーネット厚膜及び薄膜等の最も大きいベルデ定数及びしたがって最も大きいファラデー回転を示してきた強磁性材料の典型的な利用に起因する。最良性能のバルク材料は、特にBi置換YIG(イットリウム鉄ガーネット)膜である。これらの材料中の鉄による青色帯域の吸収は、可視周波数が青色帯域に近づくにつれて不良な送信を説明し、最大の吸収は可視青色で起こる。これらのBIG膜の最良性能のものは、特に米国ニュージャージー州に所在のIntegrated Photonics製の厚膜であり、これは、スペクトルの可視赤色部分まで非常に高い透過性及びファラデー回転も示す。
【0072】
本開示の目的に最も好ましいものの中でも特に、赤外線、近赤外線又は可視赤色)での最適な論理及び信号処理動作に選択された材料を用いた優れたタイプのMO又はMPC変調器は、特に係属中の米国特許出願公開第20040080805号明細書においてLevyにより開発された平坦変調器である。LevyのMOデバイスは、平坦なフォトニックバンドギャップ型格子構造であり、印加される磁場で飽和されると、安定した磁化状態(残留磁気)を維持する格子ジオメトリを含む。低損失、高速、低電力、双安定(ラッチ
/残留磁気を介する)及び小さいフットプリント(約10μm×10μm)を含む電気通信波長での高効率により、LevyのPGB MOデバイスは、潜在的にGreenのMZデバイスと高度に競合するものになる。
【0073】
更に好ましいタイプは、本発明者により提案された周期薄膜MPC「ライトバッフル」(Light Buffle PCT)であり、これは、一連の磁気光学及び他の誘電体膜の形態をとり、厚さは、通常、λ/4であり、好ましくはピクセルエリア自体において場生成要素と層化され、ピクセルを通って伝達される光の周波数を透過する。ピクセル内の場生成構造の層化は、薄膜積層の厚さ全体を通して及びピクセル間での磁化管理を提供し、場パルス生成手段のピクセルエリア自体内の配置により、有効ピクセル形成に向けて積層を通る各ピクセルビームを導波する屈折率コントラスト材料又は周期構造で各ピクセルを囲むことができる。
【0074】
本開示の発明者によって導かれた研究は、15ns未満の切り替え速度を有する実用的なMOSLMを実証し、外部パルス磁場の印加後に固有の残留磁気を有する材料が開発された。
【0075】
留意される他のMOデバイスとしては、Inoueらにより提案され、FDKと併せて商業化された磁気光学空間光変調器(MOSLM)が挙げられる。Inoueの提案の最新の例は、係属中の米国特許出願公開第20040036948号明細書に見られ、SLMの構造化におけるこの改善、特にMO膜を通して完全に延在する必要がない2枚の導電層及び分離溝の使用であり、これは、Inoueらによる初期の提案と比較して、必要とされる場のサイズを低減するとともに、製作を簡易化し、この出願は本明細書に援用される。
【0076】
本開示の幾つかの実施形態により包含されるMO及びMPC変調器の分野の更なる変形形態としては、The IEEE Journal of Quantum Electronics,May 2004において提案されたUniversity of AlbertaのChau、Irvine及びElazzabitの磁気プラズモン変調器が挙げられる。このサブタイプは、特徴サイズの低減、多ギガヘルツ速度及び周波数調整可能性の改善潜在性を有する。
【0077】
これらの例は、一般に、フォトニクス及び光電子工学からの好ましい変調方法を表すが、本発明は、これらのタイプに限定されず、可視画像表示及び投影の要件により直接指定されない周波数、強度及び帯域幅に最適化された任意の変調方法の使用を包含し、なぜなら、可視画像表示の他の特性を効率的に実現するために、他の方法、デバイス及び動作が利用されるためである。
【0078】
最終的なピクセルの形成を分解して別個の動作可能なコンポーネント及び最適化手段に入れて、それらの動作可能なコンポーネントを「別個に」実行する本提案の下で、ピクセル論理に続く動作段は、波長最適化である。
【0079】
周波数又は波長変調の商業的に利用可能な方法は、準位相整合に周期分極ニオブ酸リチウムの利用を含む。ピクセル変調プロセスを離散した最適化ピクセル論理、色変調及び強度変調に分解する全体的な開示の好ましい実施形態では、これは、分解されたピクセル変調方式でのピクセル論理段、デバイス及び動作の好ましい実施形態である。
【0080】
そのように設計された材料を通した電磁波の高効率な波長シフトは、Arasor等の企業によりコンパクトなレーザ光デバイスにおいて実証され実装されてきている。効率的なRGB光照明は、周期分極媒体の入力電磁エネルギーの波長シフトにより達成される。
方法は、参照により本明細書に援用されるArasorの米国特許第7,436,579号明細書「Mobile charge induced periodic poling and device」に開示されている。製作方法は、特定の焦点を酸化マグネシウムドープのコングルーエントニオブ酸リチウムに合わせて、改善された格子構造及びそれからのデバイス製作を実現する。開示から、「このデバイス構造を利用して、高効率ドメイン格子を達成することができ、例えば、16pm/Vを超える有効非線形係数が、格子周期を4.45μmに倍にして青色周波数において達成された」。提案は、RGBソース照明が、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)又はGLV(格子ライトバルブ)等の走査線生成手段と併せてQPMデバイス方法により提供される投影システムについてArasor特許においてなされた。これらの方式では、周波数変換又は波長シフトは、アレイ又はスキャンデバイスにおけるピクセル切り替え前にバルク照明において行われる。
【0081】
反射型ピクセル変調方式では、これは、適度に有効な手法であるが、本開示の信号処理システムへの適用を阻むという大きい制限を有し、したがって正味において最適効率ピクセル変調技術を実現する潜在性を阻む。
【0082】
光学システムレベルにおいて、自由空間反射解決策の実施は非最適である。そのようなデバイスから強度変調手段への光の反射は、強度変調(通常、信号増幅)を実行するために、全画像又は走査線を自由空間で続くデバイスアレイに正確にペイントしなければならないため、非現実的である。DMD(レーザ照明源を用いるDMDを含む)を利用するRPTV(リアプロジェクションTV)システムで見られる問題である埃及び整列の問題は、ピクセル増幅への第2の自由空間アレイの使用を非現実的にする。
【0083】
加えて、周波数シフト動作をピクセル論理動作前にして動作順を逆にすると、提案されるアーキテクチャの高分散バージョンの機会はなくなり、高分散バージョンでは、基本ピクセル論理状態は、光学信号としてネットワークを介して分散し、ディスプレイ設備にルーティングされ、そこで、信号は、必要に応じて、ディスプレイ「設備」内の好ましくは比較的安価で「能力の低い」コンポーネントにより周波数シフトされて増幅される。
【0084】
最後に且つ更に重要なことに、DMDは、切り替え速度及びピクセル論理動作の他の最適化基準の点で「最良の種類」ではなく、したがって、変調(光電子であれ全光学であれ関係なく)を構成する離散した各動作の最適化を実現する本開示の目的を満たさない。実際には、DMD又は同様の変調方法を選択することは、比較的広帯域の切り替え能力で速度、他の切り替え性能基準を犠牲する(R帯域、G帯域及びB帯域で反射性のミラー材料/表面を仮定して)。反射性ピクセル論理技術が使用される場合、最適な周波数/帯域において略完全な反射性を有する材料から製作し、その後、その目的で最適化された材料及び方法で色シフトを行う方がよい。しかし、当然ながら、これは、本開示の例であり、Arasor等により提案され商業化されたシステムの例ではない。
【0085】
ピクセル状態がピクセル論理動作及びデバイスにより設定されると、次の段として利用し得る2つのタイプの周波数変調/変換デバイスがあり、一方のタイプは、比較的パッシブであり、他方は、比較的アクティブである。
【0086】
システムの幾つかの実施形態及び色変調段、デバイス及び動作の幾つかの実施形態では、比較的パッシブな周波数変調デバイス自体は、2つの基本タイプのものである:1)通常、特定の色帯域に向けて選択及び調整された、設定された周波数シフトを実行する非ポンピング材料、又は2)Arasor QPM技術と同様に、サブピクセル又はピクセルごとに、例えば電極が構造化材料にわたり堆積するパッシブエネルギー付与材料構造。
【0087】
比較的アクティブな周波数変調デバイスも2つの基本タイプのものである:1)信号が「オン」としてデバイスにアドレス指定される(パッシブマトリックス又はアクティブマトリックス)場合のみ、給電される論理アドレス指定シフトデバイス。デバイスにエネルギー付与する電力要件に応じて、この追加の複雑性は、正味では、電力が常に「オン」であるパッシブ型の第2のバージョンよりもコストを低減し得る。2)波長シフトの大きさが、最終的に求められる色帯域に基づいて設定されるピクセルカラー調整可能シフトデバイス(RGBサブピクセル型表色系及び他の同様のコンポーネント表色系とは対照的に)。
【0088】
パッシブエネルギー付与又はアクティブアドレス指定エネルギー付与周波数変調デバイスのいずれかへの電力は、パッシブ又はアクティブマトリックス等の電気回路により又はピクセル信号若しくはサブピクセル信号自体の光学電力により供給し得る。
【0089】
[分解方式全体の別の好ましい実施形態](別個の開示であり得る)は、不可視一定照明の色変調から生じ、これは(デフォルトにより、人間視覚系の性質に起因して)、ピクセル論理を実施して、削除されたピクセル論理段/デバイス/動作を分離し、1つの下位の変形形態では、エネルギー回収段/デバイス/動作が追加される。
【0090】
不可視入力周波数と組み合わせられたこの第2のタイプの調整可能なカラーシフトは、本開示の提案された「コンポーネント化」ディスプレイ及び投影技術の別の変形形態のベースも提供する。この重要で新規な変形形態では、入力照明は、不可視(可視範囲よりも高いか、低いか、又は両方の周波数)であるが、一定(又は比較的一定)である。電力結合回路は、カラーシフト段後にコンポーネントとして導入される反射材料又は光起電力材料の使用により実施され、これは、シフトされない場合、不可視周波数を反射し、カラーシフト材料を透過する。
【0091】
Omniguide Inc.から市販されている「完全誘電体ミラー」等の最適化されたフォトニックバンドギャップ材料及び構造等の反射材料が利用される場合、そのような材料の、不可視帯域のみを反射するように調整されたものが使用される(フォトニック結晶設計、モデリング及び製作の技術に周知の方法を利用して)。向きでは、反射ミラーは、伝搬軸を下って不可視光を跳ね返し、したがって照明手段(キャビティ、光学系、デバイス等)に戻り得る。
【0092】
光起電力材料が利用される場合、可視波長を透過するが、ソース照明手段の不可視波長に対してアクティブである材料及び/又は構造で構成される。エネルギーは、このようにして再捕捉される。
【0093】
光起電力又は反射再捕捉方式のいずれかの代わりに、他のエネルギー再捕捉手段を使用し得る。
【0094】
ディスプレイ及びプロジェクタのための分解ピクセル変調システムのこの変形形態では、不可視ソース照明の使用により、従来の「オン-オフ」ピクセル論理動作をなくし、カラーシフト及び強度変調のみを残す。人間視覚系(HVS)は、非シフト不可視照明を見ることができないため、エネルギー付与コンポーネントを物理的及び構造的に「オン-オフ」することは削除されたが、事実上、HVSの状況では、カラーシフト段自体がデフォルトによりピクセル論理動作を実現している。調整可能及び「静的」アドレス指定周波数シフトは、この変形形態に利用し得、調整可能なバージョンは、1つの調整可能な最終カラーピクセルを優先して複数のサブピクセル/チャネルを破棄することにより、よりコンパクトなタイプを実現する。
【0095】
したがって、エネルギー再捕捉方法は、提案されるシステムに追加される任意選択的な追加の分解段であり、実際には、より典型的なピクセル論理/周波数変換/強度変調シーケンスを含め、多くの他の変形形態で任意選択的な段として利用し得る。
【0096】
非エネルギー付与カラーシフト材料及びデバイスがそれらの周波数に対して部分的に吸収性を有する場合、熱エネルギーは、当技術分野で既知の熱回収方法により、その段(又は光学エネルギーが信号から失われ、材料/デバイスにより吸収又は散乱する任意の他の段)における被加熱要素から再捕捉し得る。
【0097】
色変換の帯域幅を改善するために、任意選択的な変形形態は、ピクセル論理段の後に信号スプリッタを含み、信号スプリッタは、変調信号を2つ以上の分岐に移し、そこで、ターゲットの色範囲でより広い帯域を生成するように最適化された材料及びデバイスを用いて周波数変換が行われる。色変換後、別個のチャネルが再結合される。これは、チップ、バルクコンポーネント又はファイバデバイス/フォトニック織物バージョンで実施し得る。
【0098】
「分解」ピクセル変調システム全体の調整可能及び非調整可能色変調段、デバイス及び動作の第2の好ましい実施形態は、特に参照により本明細書に援用される係属中の米国特許出願公開第20050030613号明細書「Shockwave modulation and control of electro-magnetic radiation」においてMITにおけるReed、Soljacic、Joannopoulosらにより提案された当技術分野で既知の波長/周波数シフト方法を適用する。
【0099】
本発明の一態様によれば、非線形媒体に入力される電磁放射線の周波数を変更又は変換する方法が提供される。方法は、非線形媒体の両端部に可変周波数を有する電磁放射線の第1の組を導入することにより、非線形媒体に移動格子を形成することを含む。電磁放射線は、第1の周波数で非線形媒体に入力される。また、方法は、非線形媒体から第2の周波数において電磁放射線を抽出することを含む。非線形媒体中の移動格子により、電磁放射線を第2の周波数に変更することができる。
【0100】
提案される方法の長所は、特に高い効率でもって広い周波数範囲にわたり(通常、20%以上)電磁放射線の周波数を変更する能力である。
【0101】
「解析理論は、狭いフォトニック結晶バンドギャップの限界に1つのみの反射周波数があると予測する。このことにより、変換プロセスにおける100%効率が可能になる。実際には、非線形材料における小さいバンドギャップは、1つの反射周波数領域に良好に入る」。
【0102】
衝撃波がフォトニック結晶に導入され - 爆薬装填、高強度レーザ、圧力、電場、温度 -、屈折率の誘電体変調を行う。利用される好ましい手段は、特に結合インダクタ-キャパシタ共振器である。衝撃波を生成する方法は、光の力により制御される「MEMSデバイス、回転、螺旋フォトニック結晶パターン等を介するものを含む。光により供給される力が10ミリワット範囲の強度の場合、波長1.55μmの光の約10%、典型的なMEMSデバイスを変位させるのに十分な大きさであると推定される」。機械的(MEMS)ばね共振器に本実施形態の新規提案での非晶質金属ばねの使用は、特に有利であり得る。
【0103】
波長変換は「アップ」又は「ダウン」であり得る:光波の方向での衝撃波、周波数のアップコンバート、逆の衝撃波、ダウンコンバート。
【0104】
アップコンバートでは、衝撃波面によって光が捕獲されると、周波数が増大する。局所化された状態で捕獲された光の非線形効果から、衝撃前状態よりも数桁高い振幅が可能である。開示から、機械的手段を通して電磁放射線の周波数を大きく変更するには、通常、光速の大きい割合で移動する物体との相互作用が必要であるが、断熱手法は、この要件を有さない。合計システムバンドギャップを通した周波数上昇という放射線の進化の断熱性質は、同じ大きい周波数シフトで任意にゆっくりと完了することができるという属性を有する。この重要な物理的メカニズムは、光速に近い伝搬とインターフェースするという不可能なタスクから衝撃フォトニック結晶を解放する。最後に、時間反転された周波数低下効果は、この断熱の状況でも生じることに留意されたい。
【0105】
フォトニック結晶には、反射光の位相が反射表面の速度の強い関数である、バンドエッジ近くの特殊な場所がある。これらの特殊な場所は、dH/dx=0である場所の近傍に存在し、式中、Hは、磁場である。ミラー又は別のフォトニック結晶等の反射表面がこれらの場所の近傍に動く場合、反射光の普通ではない大きい周波数シフトを観測し得る。反射信号における過度の周波数の存在は、変調の一形態である。
【0106】
バンドギャップ領域の重複を通した光の断熱進化:光は、基本的に、衝撃が格子を圧縮する際、「引き締め」られるキャビティ内に捕獲され、それにより周波数を上げる。これは、衝撃が格子ユニットを伝搬する都度1回、発生する。
【0107】
移動フォトニック結晶を利用して、電磁放射線の高効率周波数変換を達成することにおける別の手法である。これは、非線形領域内に移動周期変調、誘電体の移動格子又は移動フォトニック結晶4を生成する。位相整合システムでのこの変換の効率は、実際には約10sub-3オメガsub0であり得る移動フォトニック結晶のバンドギャップサイズ未満の帯域幅の光の場合、100%である。この周波数変換方法は、任意の弱入力信号に対して実行することができる。
【0108】
変換は、パルス又は連続であり得る:格子定数及び衝撃波面厚の寸法が、パルス又は連続変換を決める-格子定数と比較して衝撃波面がはるかに大きければ、変換は連続になる。
【0109】
結晶のバンドギャップは、周波数変換量を決めることができ、移動表面(衝撃)及び反射固定表面(フォトニック結晶ミラー、周波数依存)も帯域幅を調整する。変換効率のために結晶の欠陥が有用である。
【0110】
考察は、他の手法よりも優れた本発明の手法の全体的な推奨で終わり、最後の重要な結論は、以下の通りである。
【0111】
したがって、本発明のデバイスの幾つかの実施形態は、任意の周波数の生成を可能にし、周波数は、バンドギャップのサイズを変更することにより調整可能である。既存の手段を通した任意の周波数の生成は、難しくコストがかかる。本明細書に概説した高圧力モードを通した光と物質との強力な相互作用は、高強度及び光学信号を機械的効果に変換する電子回路を必要とする非線形材料効果への代替を提供する。周波数変換は、いかなる供給電力もなく、本発明のデバイスの幾つかの実施形態を通して達成することができる。
【0112】
提案された周波数変換方法を利用する新規の全光学デバイスも提案される:「反射薄膜を中間手段として使用して、信号をある波長から別の波長にどのように移すことができるかの特定の例である。左側の信号は、右側の異なる周波数の光を変調する薄膜の変位を変調する」。
【0113】
本開示の新規の手法では、調整可能な周波数シフトは、電子信号ではなく変位ビームによって実施される。本開示の新規のシステムでは、色状態が変位ビームにより選択される1つのピクセルが利用されるため、複数のサブピクセルの必要がなくなる。MIT方法では、同じシステムでの帯域幅制御が可能である。これは、波長最適化/色変換動作、段及び手段の最適化されたものを実現し、加えて、ピクセル論理がデフォルトにより、色選択段の分解及び同時にデフォルトにより色選択され可視範囲に持ち込まれる不可視(回復可能)入力照明の使用において実施される本開示の好ましい実施形態の好ましい方法である。
【0114】
衝撃速度を制御することにより実施されるMIT方法の最適光学パルス遅延特徴を利用して、フレームずらし又はフレームレートの操作を実現し得る。これは、電子光学又は新規の全光学方法により実施し得る。
【0115】
カラーシステムにおける少なくとも幾つかのピクセルが強度増幅を必要とする - 前の動作段が他の色と比較して不十分な強度のピクセル論理を生成したか、又は一般に強度平衡のためであるか、又はコントラストを高めるため(高ダイナミックレンジ撮像HDRI等)であるかに関係なく - 任意選択的であるが基本事例の実施形態では、カラー及び波長最適化段、動作及び手段に続いて信号増幅動作、段及び手段がある。
【0116】
代替の実施形態では、波長最適化が強度増幅に続き得る。
【0117】
周波数変換の本開示の最後の好ましい実施形態は、蛍光体吸収及びLED材料系からの一般的な方法を含め、より従来的な吸収放出材料及び方法を利用する。
【0118】
全てのサブピクセルを同じ程度まで増幅する必要があるか否か、幾つかのピクセルを他よりも増幅するか、幾つかのピクセルはいくらかの増幅を必要とし、一方、他は増幅を全く必要としないか、又は画像の特定の領域が一般的な増幅を必要とするか、又はダイナミックレンジ増大のために勾配のついた増幅を必要とするかは、様々なピクセル論理方法及び手段(カラーサブピクセルチャネル間で変更し得る)、波長最適化(シフト、帯域幅広域化)手段(これもチャネル間で変更し得る)、カラーシステム自体(RGM対白色光サブピクセルを含み得る他のシステム等)、並びに画像空間にわたるダイナミックレンジを増大するダイナミックレンジ管理方法及びシステム等の問題により決まる。
【0119】
強度増幅に利用可能な方法としては、特に電気通信からの一般的なものが挙げられる。光学増幅器は、シリコン内ファイバを含むエルビウムドープ増幅器(レージングに利用される典型的な利得媒体を使用する)を含む。エルビウムイオンは、ポンピングされ、電子のエネルギー状態を上げ、それにより、信号が媒体を通過するとき、電子は、励起状態から落ち、信号周波数から出て、信号の強度を上げる。ツリウム及びイッテルビウム(これらは、波長最適化前に強度増幅が行われる場合のみ、本開示に対して実用的である)等の他の希土類ドーパントが他の周波数に利用され、可視波長に適切なドーパントが利用される。
【0120】
半導体光学増幅(SOA)は、信号増幅を実施する別の材料/デバイスプラットフォームを提供する。垂直キャビティSOAは、分解ステップ最適化システムの様々な実施形態による集積アレイの製作に当たり本開示に有利なLSIアレイアーキテクチャを提供する。
【0121】
半導体レジームでは、Intelにより実証されたように、連続波シリコンレーザにおいてラマン増幅器を利用することもできる。Nature,Volume 433,February 17,2005。シリコンでのラマン効果は、ガラスシリカでの効果より
も10000倍強力である。これは、垂直キャビティSOA型アーキテクチャにおいて利用し得る全ての増幅方法の中でも特に恐らく最も好ましい。
【0122】
一般に、ポンプ手段は、最も一般的には光学であり、光学である場合、ポンプ手段は、不可視波長において最適である(強度増幅段後、任意の非吸収ポンプ光の効率的なフォトニック結晶フィルタを順次利用して、閲覧可能なピクセルエリアを出得るポンプ波長の放射線を除去し得る)。これは、直列に設定される本開示の要素と同軸であり得、又はポンピングビームは、90度又は別の角度であるが、同軸ではない角度で挿入し得、好ましくは、出射チャネルに鋭角で入り、それにより、ポンプビームは、常時「オン」である場合、最終閲覧可能ピクセル又はサブピクセルとは逆方向に偏向される。
【0123】
したがって、好ましい手法としてのIntelのP-I-Nベースのラマン連続波レーザは、シリコンの非光学ポンピングを含むこともできる。
【0124】
加えて、極端な事例をとると、最終照明レベル(1サブピクセル当たり、1ピクセル当たり)がピクセル論理及び/又は波長最適化段、動作及び手段後に調整されるこのシステムによれば、画像表示及び投影システムの初期入力照明手段は、極めて低レベルの照明段であり得る。
【0125】
したがって、ピクセル又はサブピクセルレベルでの選択的増幅は、システム全体の消費電力を大幅に低減する潜在性を有する。最大レベルで光学エネルギーをシステムにポンピングする「常時オン」バルク照明源では、システムは、いずれの時点でもそのソースの一部のみを使用しており、より大きい熱の吸収及び損失に繋がり、幾つかの熱の影響を受けやすいコンポーネントの動作効率に影響する。ピクセル論理ライトバルブにより「拒絶」された低レベルソース照明は、分解ピクセル変調システム内の分解動作/段/コンポーネントによる熱の損失及び吸収がより低いことを意味する。電力は、その後にのみ、1サブピクセル当たり又は1ピクセル当たりで選択的に追加され、その後にのみ、ピクセルの「オン」又は「オフ」状態が設定される。
【0126】
同時にピクセル論理をデフォルト実装するカラーシフトを利用するバージョン等の提案されるシステムのバージョンは、低レベル入力照明を使用してもしなくてもよい。しかし、最適化されたバージョンは、潜在的に、低レベルソース照明をこの状態にも同様に利用することにより実現し得、それにより、システム(本明細書の他の箇所に開示されるように)により回復される不可視ソース照明は、シフトされない場合、依然として低レベル初期照明であり、これは、次にカラーシフト/デフォルトピクセル論理段後に強度増幅される。
【0127】
好ましい衝撃波及びフォトニック結晶周波数変換及びニオブ酸リチウムQPM周波数変換材料及び方法、並びに「静的」吸収放出(例えば、蛍光体)材料を含め、周波数変換材料及びデバイスのアレイを有する、統合されるか又は空間的に別個の(本開示の分散システムに提案されるように大きい距離によるものを含む)MZ又はMPC変調器のアレイを有するバージョンを含め、本願に包含される分解ピクセル変調システムのアレイを利用して、任意のサイズのデバイスが実現され得、且つ強度増幅材料及びデバイスのアレイと更に統合されるか又は空間的に別個にされ得る。特に、ピクセル論理及び周波数変換のソース及び場所は、物理的にかなり離れ得、又は他の場合、フロント又はリアプロジェクションシステムに利用されるTexas Instruments所有のDMD、DLP又はLCoS SLM等のフラットパネル、マイクロディスプレイ又はSLMのようにフラット又はコンパクトではない「画像サーバ」アーキテクチャに含まれ得る。
【0128】
それらは、チップ上、PCB型構造上に実装され、ファイバに統合され、及び1つの閲
覧可能な統合画像ディスプレイ表面上に光学構造を介して統合された閲覧可能な「ディスプレイ設備」段のみに実装し得る。強度増幅は、同じサーバ構造内にピクセル論理及び波長最適化段あり又はなしで建物、画像ディスプレイサーバ内でローカル又はディスプレイ設備にローカルであり得る。
【0129】
最終的なディスプレイ構造は、パッシブ又はアクティブファイバ(援用される特許出願を参照されたい)を用いた3D固体構造で形成された準射影伸張膜(援用される出願を参照されたい)離散織物構造化ディスプレイ、薄膜フラットパネルディスプレイ、投影光学系と組み合わせられたコンパクトSLM、又は従来の剛性固体基板ディスプレイ構造において光ファイバを利用したパッシブテンション膜インテリジェント構造システムであり得る。
【0130】
一般に、離散処理動作へのピクセル信号変調の「分解」は、電気通信の方法及び基盤並びにその一部であるサーバパラダイムを利用し統合する多くの可能性を開く。
【0131】
特定の実施形態について本明細書に開示したが、ピクセル変調に必要な動作及び段を分解し別個に最適化することに基づく、提案される新規の画像表示及び投影の用途及び範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0132】
上記のシステム及び方法は、本発明の好ましい実施形態の詳細を理解するための補助として一般的な用語で説明された。本明細書の説明では、本発明の実施形態の詳細な理解を提供するために、コンポーネント及び/又は方法の例等の多くの特定の詳細が提供されている。本発明の幾つかの特徴及び利点は、そのような態様で実現され、あらゆる場合で必要とされるわけではない。しかしながら、本発明の実施形態が、特定の詳細の1つ又は複数なしで又は他の装置、システム、組立体、方法、コンポーネント、材料及び/又は部品等を用いて実施可能であることを当業者は認識する。他の場合、周知の構造、材料又は動作については、本発明の実施形態の態様を曖昧にしないように特に詳細に示さず又は説明していない。
【0133】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「実施形態」又は「特定の実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ずしも全ての実施形態に含まれるわけではないことを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な箇所での語句「一実施形態では」、「実施形態では」又は「特定の実施形態では」の各出現は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。更に、本発明の任意の特定の実施形態の特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の他の実施形態と任意の適する様式で組み合わせ得る。本明細書における教示に鑑みて、本明細書において説明され示された本発明の実施形態の他の変形形態及び変更形態が可能であり、それらが本発明の趣旨及び範囲の一部として見なされるべきであることを理解されたい。
【0134】
図面/図に示された要素の1つ又は複数は、より分離されて若しくはより統合されて実施することもでき、又は特定の用途に従って有用であるように特定の場合には更に除去又は動作不能とされ得ることも理解される。
【0135】
更に、図面/図中の任意の信号矢印は、別段のことが特記される場合を除き、限定ではなく例示のみとして見なされるべきである。更に、本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、一般に、別段のことが示される場合を除き、「及び/又は」を意味することが意図される。コンポーネント又はステップの組み合わせも記されているものとして見なされ、用語は、分離する能力又は結合する能力を不明瞭にするものとして予見される。
【0136】
本明細書での説明において及び以下の特許請求の範囲全体を通して使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、文脈により明らかに別段のことが示される場合を除き、複数形を含む。また、本明細書での説明において及び以下の特許請求の範囲全体を通して使用される場合、「内」の意味は、文脈により明らかに別段のことが示される場合を除き、「内」及び「上」を含む。
【0137】
要約書に記載されるものを含め、本発明の示された実施形態の上記の説明は、網羅的である、すなわち本明細書に開示される厳密な形態に本発明を限定することを意図されない。本発明の特定の実施形態及び例が本明細書において例示のみを目的として記載されるが、関連する技術分野の当業者に認識され理解されるように、本発明の趣旨及び範囲内で様々な均等な変更形態が可能である。示されるように、これらの変更形態は、本発明の示された実施形態の上記の説明に鑑みて本発明に対してなされ得、本発明の趣旨及び範囲内に含まれるべきである。
【0138】
したがって、本明細書において、本発明についてその特定の実施形態を参照して説明したが、上記の本開示において、自由な修正形態、様々な変更形態及び置換形態が上記の本開示内にあることが意図され、幾つかの場合、本発明の実施形態の幾つかの特徴は、記載される本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、他の特徴の対応する使用なしで利用されることが理解される。したがって、本発明の基本的な範囲及び趣旨に特定の状況及び材料に合わせるために、多くの変更形態がなされ得る。本発明が、以下の特許請求の範囲において使用される特定の用語及び/又は本発明を実行するのに最良の形態であると考えられる、開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入るあらゆる実施形態及び均等物を包含することを意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求によってのみ決定されるべきである。
【外国語明細書】