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特開2024-10216カニューレの配置のためのガイドワイヤ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010216
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】カニューレの配置のためのガイドワイヤ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/09 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
A61M25/09 516
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191360
(22)【出願日】2023-11-09
(62)【分割の表示】P 2021187995の分割
【原出願日】2016-09-21
(31)【優先権主張番号】14/862,090
(32)【優先日】2015-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タオ ジェンホン
(72)【発明者】
【氏名】フィネガン マイケル トーマス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】心臓ポンプを損傷することなく、心臓ポンプへのガイドワイヤ挿入を容易にする改良型ガイドワイヤのためのシステム、方法および装置を提供する。
【解決手段】カニューレに固着された経皮ポンプをバックロードしかつ挿入するためのガイドワイヤ500は、第一の材料でできている近位区分540を含み、近位区分は、第一の直径、丸みのある近位端、および遠位端を有する。ガイドワイヤはまた、第二の材料でできている遠位区分510を含み、遠位区分は、第一の直径よりも大きい第二の直径、遠位端、近位区分の遠位端に当接する近位端を有する。近位区分の第一の材料は、バックロード中における経皮ポンプへの損傷を減らすために、経皮ポンプの材料よりも軟らかいものとなるように選択される。ガイドワイヤを損傷することなく経皮ポンプを所望の位置に挿入するために、ガイドワイヤの遠位区分は近位区分よりも剛性であるように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと第一の剛性を有するブレードとを含む、ポンプと;
カニューレ直径、近位入口、および遠位出口を有する、カニューレと;
第二の剛性および第一の直径を有する近位区分と、該近位区分に接続され、第三の剛性および該第一の直径よりも大きい第二の直径を有する遠位区分とを有する、ガイドワイヤと
を含む、血管系への経皮的挿入のために構成されたポンプを挿入するためのシステムであって、
前記ガイドワイヤをずらすことなく前記カニューレを所望の位置に挿入するために、前記遠位区分が前記近位区分よりも剛性であり、かつ、前記ハウジングと前記ブレードとの間に前記ガイドワイヤの前記近位区分を挿入するときに前記ポンプの前記ブレードへの損傷を減らすために、前記ポンプの前記ブレードの前記第一の剛性が、前記第二の剛性よりも高い、
前記システム。
【請求項2】
前記ポンプの前記ブレードが、前記第一の剛性を有する第一の材料でできており、
前記ガイドワイヤの前記近位区分が、前記第二の剛性を有する第二の材料でできており、かつ
前記ガイドワイヤの前記遠位区分が、前記第三の剛性を有する第三の材料でできている、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第二の材料が、ステンレスコアワイヤ、コイルジャケットを有するステンレスコアワイヤ、プラスチックチューブジャケットを有するステンレスコアワイヤ、ニチノールワイヤ、およびプラスチックストリングのうちの少なくとも1つを含む、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記第三の材料が、ステンレスコアワイヤ、コイルジャケットを有するステンレスコアワイヤ、プラスチックチューブジャケットを有するステンレスコアワイヤ、およびニチノールワイヤのうちの少なくとも1つを含む、請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記近位区分が、潤滑材料でできた丸みのある近位端を有する、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記ガイドワイヤが、中間ポンプ送出し区分をさらに含み、前記近位区分は、バックロード近位区分であり、前記中間ポンプ送出し区分は、前記バックロード近位区分と前記遠位区分との間に位置し、前記遠位区分は、該中間ポンプ送出し区分を介して前記バックロード近位区分に接続されている、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記中間ポンプ送出し区分が、前記バックロード近位区分の前記第一の直径および前記遠位区分の前記第二の直径よりも大きい第三の直径を有する、請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記中間ポンプ送出し区分が、前記第二の剛性よりも高い第四の剛性を有する第四の材料でできている、請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記近位区分が潤滑コーティングでコーティングされており、かつ前記遠位区分が潤滑コーティングでコーティングされていない、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記カニューレが、直線状から少なくとも部分的にカーブした状態にまで可動的である延長部を含む、請求項1記載のシステム。
【請求項11】
第一の剛性を有し、かつ第一の直径、近位端、および遠位端を有する、近位区分と;
前記第一の剛性よりも高い第二の剛性を有し、かつ前記第一の直径よりも大きい第二の直径、遠位端、および前記近位区分の前記遠位端に接続された近位端を有する、遠位区分と
を含む、第三の剛性を有するブレードを備え、血管系への経皮的挿入のために適合されたポンプを挿入するためのガイドワイヤであって、
前記ガイドワイヤの前記近位区分が該ポンプに挿入されるときに該ポンプの該ブレードへの損傷を減らすために、前記近位区分の前記第一の剛性が、前記ガイドワイヤを使用して血管系に挿入される該ポンプの該ブレードの該第三の剛性よりも低い、
前記ガイドワイヤ。
【請求項12】
前記近位区分が、前記第一の剛性を有する第一の材料でできており、
前記遠位区分が、前記第二の剛性を有する第二の材料でできている、
請求項11記載のガイドワイヤ。
【請求項13】
前記第一の材料が、ステンレスコアワイヤ、コイルジャケットを有するステンレスコアワイヤ、プラスチックチューブジャケットを有するステンレスコアワイヤ、ニチノールワイヤ、およびプラスチックストリングのうちの少なくとも1つを含む、請求項12記載のガイドワイヤ。
【請求項14】
前記第二の材料が、ステンレスコアワイヤ、コイルジャケットを有するステンレスコアワイヤ、プラスチックチューブジャケットを有するステンレスコアワイヤ、およびニチノールワイヤのうちの少なくとも1つを含む、請求項12記載のガイドワイヤ。
【請求項15】
前記近位区分が、潤滑材料でできた丸みのある近位端を有する、請求項11記載のガイドワイヤ。
【請求項16】
中間ポンプ送出し区分をさらに含み、前記近位区分は、バックロード近位区分であり、前記中間ポンプ送出し区分は、前記バックロード近位区分と前記遠位区分との間に位置し、前記遠位区分は、該中間ポンプ送出し区分を介して前記バックロード近位区分に接続されている、請求項11記載のガイドワイヤ。
【請求項17】
前記中間ポンプ送出し区分が、前記バックロード近位区分の前記第一の直径および前記遠位区分の前記第二の直径よりも大きい第三の直径を有する、請求項16記載のガイドワイヤ。
【請求項18】
前記中間ポンプ送出し区分が、前記第二の剛性よりも高い第四の剛性を有する第四の材料でできている、請求項16記載のガイドワイヤ。
【請求項19】
前記近位区分が潤滑コーティングでコーティングされており、かつ前記遠位区分が潤滑コーティングでコーティングされていない、請求項11記載のガイドワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2015年9月22日に出願された米国特許出願第14/862,090号の優先権を主張する。本出願はまた、内容全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,007,478号に関連する。
【背景技術】
【0002】
背景
経皮心臓内血液ポンプアセンブリのような血液ポンプは、心臓に導入されると、心臓からの血液を肺動脈のような動脈に送り出す。血液ポンプアセンブリは、心臓内で作動すると、カニューレを通して、血液を左心室から引き出し、大動脈に押し込む、または血液を右心室から引き出し、肺動脈に押し込む。血液ポンプアセンブリは、心臓処置中に外科的または経皮的に血管系に導入される。1つの一般的な手法において、ポンプアセンブリは、ガイドワイヤを使用するカテーテル挿入処置によって大腿動脈に挿入される。
【0003】
挿入経路を形成するためには、イントロデューサを動脈切開部に通して大腿動脈に挿入する。次いで、配置ガイドワイヤを、遠位端から先に、シースに通して動脈中に進める。ひとたびガイドワイヤを動脈に挿入したならば、ポンプおよびカニューレを含むポンプアセンブリをガイドワイヤの近位端にバックロードし、ガイドワイヤに沿って患者に押し込む。そして、ポンプアセンブリをカテーテルとともに使用し得る。本明細書の中で定義されるバックロード(backload)は、ガイドワイヤの近位端(患者の外にとどまる)をカテーテルの遠位端に挿入し、次いでカテーテルをワイヤ上で遠位方向に進めることを含む。ポンプアセンブリのバックロードは、処置の過程で異なるサイズのカテーテルまたはシースが挿入され、取り出される間、ガイドワイヤが患者内で所定の位置にとどまることを許す。しかし、ポンプアセンブリのカニューレは、曲がりくねった形であることもできるし、硬いものであることもできる。これらの場合、ガイドワイヤは、肺動脈弁に至るまでポンプのバックロードを許すのに十分な剛性を有し得ず、その結果、ポンプのカニューレによってガイドワイヤが肺動脈弁の外にずらされるおそれがある。たとえば、下大静脈からの血液を肺動脈中の開口に送り出すシステムの場合、ポンプのカニューレは、異なる平面上に2つの「S」字ターンを有する3D形状であり得る。これは、ポンプアセンブリのバックロードおよび患者への挿入を特に困難にすることがある。
【発明の概要】
【0004】
概要
カニューレ配置のための改良型ガイドワイヤのためのシステム、方法および装置が提示される。改良型ガイドワイヤは、心臓ポンプを損傷することなく、心臓ポンプへのガイドワイヤ挿入を容易にする。この改良型ガイドワイヤは、インペラ(IMPELLA)RPポンプまたは右心室(たとえば下大静脈と肺動脈との間)における使用に適合された他のポンプのような、複雑または曲がりくねった形状を有するポンプに特に有用である。
【0005】
本明細書に開示される改良型ガイドワイヤは、動脈切開部に通して患者の動脈系に挿入することができる。ガイドワイヤは、第一の遠位区分、中間ポンプ送出し区分およびバックロード近位区分を含む。まず、第一の遠位区分が患者の動脈系に挿入される。第一の遠位区分は可撓性であり、患者への外傷を最小限にしながら医師がガイドワイヤを挿入することを許す丸みのある端部を有する。たとえば、挿入中、ガイドワイヤの第一の遠位区分が患者の動脈の壁または患者の動脈内に配置されたルーメンと接触することがある。したがって、第一の遠位区分のための低摩擦および高可撓性の材料、たとえばプラスチックまたはポリマーの使用が、患者への外傷および不快感を減らすことができる。
【0006】
中間ポンプ送出し区分は第一の遠位区分に接続されている。ガイドワイヤの第一の遠位区分は患者への挿入を容易にするが、中間ポンプ送出し区分はガイドワイヤへのポンプアセンブリのバックロードを容易にする。ポンプアセンブルは、カニューレに固着されたポンプを含む。バックロード中、ポンプおよびカニューレをガイドワイヤに沿って押して所望の部位に到達させる前に、患者の外にとどまるガイドワイヤの近位端がポンプに挿入され、カニューレに通されなければならない。用途に依存して、カニューレは様々な形状をとり得る。たとえば、右心室のための一部のポンプ(たとえばインペラRPポンプ)の場合、ポンプは、異なる平面における2つの「S」字ベンドを含む複雑な三次元形状を有するカニューレの一端に配置される。第一の遠位区分よりも剛性であるガイドワイヤの中間ポンプ送出し区分を有することは、硬いカニューレのバックロードを容易にし、硬いカニューレによってガイドワイヤがずらされるリスクを最小限にする。ポンプ送出し区分は、第一の遠位区分よりも大きな直径を有することができ、より剛性の材料でできていることができる。
【0007】
ガイドワイヤの中間区分はバックロード近位区分に接続されている。中間ポンプ送出し区分とも呼ばれる中間区分は、ガイドワイヤをずらすことなくポンプアセンブリを所定の位置に誘導することを容易にするが、バックロード近位区分は、バックロード過程中のポンプへの損傷を最小限にする。バックロード近位区分は、中間ポンプ送出し区分と比べて軟らかかつ可撓性であることにより、ポンプを損傷することなく、ポンプに挿入することができる。ポンプの小さなサイズおよびガイドワイヤがバックロード過程の開始をいつも決まって複雑にするため、これは特に有用である。ガイドワイヤをインペラブレードとハウジングとの間の小さな間隙に通してポンプに挿入することは何回かの試行を要し得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、ガイドワイヤの第一の遠位区分、中間ポンプ送出し区分およびバックロード近位区分は、材料、構造、形状またはそれらの組み合わせの違いのせいで異なる剛性を有する。
【0009】
本明細書に開示されるガイドワイヤはいくつかの考え得る利点を提供する。ガイドワイヤは、その近位端が、不必要な損傷なしにポンプを通過するのに十分なほど可撓性である。同時に、ガイドワイヤは、その遠位端が、バックロード中、ずらされることなく、カニューレを所定の位置に誘導するのに十分なほど剛性である。これは、患者へのガイドワイヤの複数回の挿入を回避するのに役立つことができ、患者の動脈系への損傷のリスクを最小限にする。
【0010】
1つの局面において、経皮ポンプを挿入するためのシステムは、経皮ポンプ、カニューレおよびガイドワイヤを含む。カニューレは、カニューレ直径、近位入口および遠位出口を有する。経皮ポンプは、ポンプの遠位出口に配置され、それに固着されている。ガイドワイヤは、第一の剛性および第一の直径を有する近位区分と、近位区分に接続され、第二の剛性および第一の直径よりも大きい第二の直径を有する遠位区分とを含む。ガイドワイヤをずらすことなくカニューレを挿入し、所望の位置に配置するために、遠位区分は近位区分よりも剛性である。
【0011】
特定の実施形態において、ガイドワイヤの近位区分は、ガイドワイヤへのカニューレのバックロード中における経皮ポンプへの損傷を減らすために、経皮ポンプの材料よりも軟らかい第一の材料を使用する。
【0012】
特定の実施形態において、近位区分は、第一の剛性を有する第一の材料でできており、遠位区分は、第二の剛性を有する第二の材料でできている。
【0013】
特定の実施形態において、近位区分は、第一の剛性を有する第一の構造でできており、遠位区分は、第二の剛性を有する第二の構造でできている。
【0014】
特定の実施形態において、ガイドワイヤは、遠位区分の遠位端に接続されている遠位チップを含む。
【0015】
特定の実施形態において、カニューレは、第一の平面における第一の「S」字ベンドと、第一の平面とは異なる第二の平面における第二の「S」字ベンドとを有する三次元形状を有する。
【0016】
特定の実施形態において、近位区分は、第三の材料でできた丸みのある近位端を有する。
【0017】
特定の実施形態において、遠位区分の直径に対する近位区分の直径の比率は0.72である。特定の実施形態において、遠位区分の直径に対する近位区分の直径の比率は少なくとも0.7である。特定の実施形態において、遠位区分の直径に対する近位区分の直径の比率は0.6~0.9である。
【0018】
特定の実施形態において、近位区分の剛性は遠位区分の剛性よりも低い。
【0019】
特定の実施形態において、近位区分はガイドワイヤの全長の40~75%にわたって延在する。
【0020】
別の局面において、経皮ポンプをバックロードしかつ挿入するためのガイドワイヤは近位区分および遠位区分を含む。近位区分は、第一の材料でできており、第一の直径を有する。近位区分は、丸みのある近位端、および遠位端を含む。遠位区分は、第二の材料でできており、第二の直径を有する。遠位区分の第二の直径は近位区分の第一の直径よりも大きい。遠位区分の近位端が近位区分の遠位端に当接する。近位区分の第一の材料は、ガイドワイヤへの経皮ポンプのバックロード中におけるポンプハウジングまたはブレードへの損傷を減らすために、経皮ポンプの材料よりも軟らかいものとなるように選択される。遠位区分は、ガイドワイヤをずらすことなく経皮ポンプを挿入しかつ所望の位置へと動かすことができるように、近位区分よりも剛性であるように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態において、第二の材料の剛性は第一の材料の剛性よりも高い。
【0022】
いくつかの実施形態において、近位区分は、第一の構造でできており、第一の剛性を有し、遠位区分は、第二の構造でできており、第二の剛性を有する。
【0023】
いくつかの実施形態において、近位区分は、第一の構造でできており、第一の剛性を有し、遠位区分は、第二の構造でできており、第二の剛性を有する。
【0024】
特定の実施形態において、近位区分の剛性は遠位区分の剛性よりも低い。
【0025】
特定の実施形態において、近位区分はコーティングされており、遠位区分はコーティングされていない。
【0026】
特定の実施形態において、遠位区分の直径に対する近位区分の直径の比率は0.72である。特定の実施形態において、遠位区分の直径に対する近位区分の直径の比率は少なくとも0.7である。特定の実施形態において、遠位区分の直径に対する近位区分の直径の比率は0.6~0.9である。
【0027】
特定の実施形態において、近位端はガイドワイヤの全長の40~75%にわたって延在する。
【0028】
特定の実施形態において、近位区分は、遠位区分の遠位端に接続されている遠位チップを含む。
【0029】
特定の実施形態において、近位区分の丸みのある近位端は第三の材料でできている。
【0030】
別の局面において、経皮ポンプを挿入するための方法は、ガイドワイヤを、経皮ポンプを支持するカニューレの遠位端に通してカニューレに挿入する工程、およびガイドワイヤを経皮ポンプおよびカニューレに押し通す工程を含む。ガイドワイヤは、第一の剛性および第一の直径を有する近位区分と、近位区分に接続され、第二の剛性および第一の直径よりも大きい第二の直径を有する遠位区分とを含む。ガイドワイヤをずらすことなくカニューレを所望の位置に挿入するために、遠位区分は近位区分よりも剛性である。
【0031】
[本発明1001]
経皮ポンプと;
カニューレ直径、近位入口、および前記経皮ポンプに接する遠位出口を有する、カニューレと;
第一の剛性および第一の直径を有する近位区分と、該近位区分に接続され、第二の剛性および該第一の直径よりも大きい第二の直径を有する遠位区分とを有する、ガイドワイヤと
を含む、経皮ポンプを挿入するためのシステムであって、
前記ガイドワイヤをずらすことなく前記カニューレを所望の位置に挿入するために、前記遠位区分が前記近位区分よりも剛性である、
前記システム。
[本発明1002]
前記ガイドワイヤへの前記カニューレのバックロード中における前記経皮ポンプへの損傷を減らすために、前記近位区分が、前記経皮ポンプの材料よりも軟らかい第一の材料を使用している、本発明1001のシステム。
[本発明1003]
前記近位区分が、第一の剛性を有する第一の材料でできており、かつ前記遠位区分が、第二の剛性を有する第二の材料でできている、本発明1001のシステム。
[本発明1004]
前記近位区分が、第一の剛性を有する第一の構造でできており、かつ前記遠位区分が、第二の剛性を有する第二の構造でできている、本発明1001のシステム。
[本発明1005]
前記ガイドワイヤが、前記遠位区分の遠位端に接続された遠位チップをさらに含む、本発明1001のシステム。
[本発明1006]
前記カニューレが、第一の平面における第一のS字ベンドと、該第一の平面とは異なる第二の平面における第二のS字ベンドとを有する三次元形状を有する、本発明1001のシステム。
[本発明1007]
前記近位区分が、第三の材料でできた丸みのある近位端を有する、本発明1001のシステム。
[本発明1008]
前記遠位区分の直径に対する前記近位区分の直径の比率が0.72である、本発明1001のシステム。
[本発明1009]
前記近位区分がガイドワイヤの全長の40~75%にわたって延在する、本発明1001のシステム。
[本発明1010]
第一の材料でできており、第一の直径、丸みのある近位端、および遠位端を有する、近位区分と;
第二の材料でできており、前記第一の直径よりも大きい第二の直径、遠位端、および前記近位区分の前記遠位端に当接する近位端を有する、遠位区分と
を含む、経皮ポンプをバックロードしかつ挿入するためのガイドワイヤであって、
バックロード中における前記経皮ポンプへの損傷を減らすために、前記第一の材料が、前記経皮ポンプの材料よりも軟らかいものとなるように選択され、
前記ガイドワイヤを損傷することなく前記経皮ポンプを所望の位置に挿入するために、前記遠位区分が前記近位区分よりも剛性であるように構成されている、
前記ガイドワイヤ。
[本発明1011]
第二の材料の剛性が第一の材料の剛性よりも高い、本発明1011のガイドワイヤ。
[本発明1012]
前記近位区分が、第一の構造でできており、かつ第一の剛性を有し、前記遠位区分が、第二の構造でできており、かつ第二の剛性を有する、本発明1011のガイドワイヤ。
[本発明1013]
前記近位区分がコーティングされているが、前記遠位区分がコーティングされていない、本発明1011のガイドワイヤ。
[本発明1014]
前記遠位区分の直径に対する前記近位区分の直径の比率が0.72である、本発明1011のガイドワイヤ。
[本発明1015]
前記近位区分がガイドワイヤの全長の40~75%にわたって延在する、本発明1011のガイドワイヤ。
[本発明1016]
前記遠位区分の遠位端に接続された遠位チップをさらに含む、本発明1011のガイドワイヤ。
[本発明1017]
前記近位区分の丸みのある近位端が第三の材料でできている、本発明1011のガイドワイヤ。
[本発明1018]
ガイドワイヤを、経皮ポンプを支持するカニューレの遠位端に通して該カニューレに挿入する工程;および
前記ガイドワイヤを前記経皮ポンプに押し通す工程
を含む、経皮ポンプを挿入するための方法であって、
前記ガイドワイヤが、第一の剛性および第一の直径を有する近位区分と、該近位区分に接続され、第二の剛性および該第一の直径よりも大きい第二の直径を有する遠位区分とを含み、かつ
前記ガイドワイヤをずらすことなく前記カニューレを所望の位置に挿入するために、前記遠位区分が前記近位区分よりも剛性である、
前記方法。
本開示を考察したのち、当業者には変形および改変が思い浮かぶであろう。開示された特徴は、本明細書に記載される1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせおよび部分的組み合わせ(複数の従属的組み合わせおよび部分的組み合わせを含む)で実現されてもよい。上記様々な特徴は、それらの任意の構成部品を含め、他のシステムとして組み合わされてもよいし、一体化されてもよい。そのうえ、特定の特徴が省略されてもよいし、実現されなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
前記および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて考察することによって明らかになる。図中、全体を通して類似の参照番号が類似の部品を指す。
【0033】
図1】カニューレアセンブリの例示的態様を示す。
図2】従来のガイドワイヤの側方断面図を示す。
図3】従来のガイドワイヤへの経皮ポンプのバックロードから生じる、経皮ポンプのブレードへの例示的損傷を示す。
図4】従来のガイドワイヤへの経皮ポンプのバックロードから生じる、経皮ポンプのブレードへの例示的損傷を示す。
図5】ガイドワイヤの第一の例示的態様の側方断面図を示す。
図6】ガイドワイヤの第二の例示的態様の側方断面図を示す。
図7】ガイドワイヤの第三の例示的態様の側方断面図を示す。
図8】ガイドワイヤの第四の例示的態様の側方断面図を示す。
図9図2のガイドワイヤおよび図2~8のいずれかのガイドワイヤの性質に関するデータの表を示す。
図10図2のガイドワイヤおよび図2~8のいずれかのガイドワイヤの性質に関するデータの表を示す。
図11図5~8の例示的態様の1つのガイドワイヤにバックロードされている経皮ポンプを示す。
図12】ガイドワイヤを挿入する例示的過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
詳細な説明
本明細書に記載されるシステム、方法および装置の全体的理解を提供するために、特定の例示的態様を記載する。本明細書に記載される態様および特徴は、右心室のための経皮血液ポンプシステムとの関連における使用に関して具体的に記載されるが、以下に概説されるすべての構成部品および他の特徴が、任意の適当なやり方で互いに組み合わされ、左心室のための血液ポンプシステムまたはバルーンポンプ、外科的切開を使用して埋め込まれる心臓補助装置などを含む他のタイプの心臓治療および心臓補助装置に適合され、適用されてもよいことが理解されよう。
【0035】
本明細書に記載されるシステム、方法および装置は、第一の近位区分および第二の遠位区分を有するガイドワイヤであって、ガイドワイヤをずらすことなく、また、カニューレに結合されたポンプを損傷することなく、カニューレをガイドワイヤ上に挿入することができるようなガイドワイヤを提供する。ガイドワイヤの近位区分は、近位区分の形状または材料のせいで、ガイドワイヤの遠位区分よりも剛性が低い。たとえば、ガイドワイヤの近位区分は、遠位区分の直径よりも小さい直径を有し得る。別の例において、ガイドワイヤの近位区分は、ガイドワイヤの遠位区分の材料よりも剛性が低い材料でできていてもよい。さらに別の例において、ガイドワイヤの近位区分は、ガイドワイヤの遠位区分の構造よりも剛性が低い構造を有してもよい。遠位区分の剛性と比べて低い近位区分の剛性は、医師がガイドワイヤをカニューレの遠位端に配置された経皮ポンプにより容易に挿入することを許す。特に、医師は、ブレードを損傷することなく、また、ハウジングを損傷または破裂させることなく、経皮ポンプのハウジングとブレードとの間に位置する間隙にガイドワイヤの近位区分を挿入し得る。
【0036】
図1は、血液ポンプアセンブリ100の例示的態様を示す。血液ポンプアセンブリ100は、ポンプ101、ポンプハウジング103、近位端105、遠位端107、カニューレ108、インペラ109、延長部102、カテーテル112、入口区域110、出口区域106、血液排出口117を含む。カテーテル112はカニューレ108の入口区域110に接続されている。入口区域110はカニューレの近位端105の近くに位置し、出口区域106はカニューレ108の遠位端107の近くに位置する。入口区域110は、インペラ109(図示せず)の回転軸113(図示せず)に対して内面の半径方向外側に配置されたインペラブレード115の回転軸113を中心に延在する周壁111を有するポンプハウジング103を含む。インペラ109は、ポンプハウジング103の壁111に形成された血液排出口117に隣接する入口区域110においてポンプ101に回転可能に結合されている。実施形態にしたがって、ポンプハウジング103は金属で構成され得る。延長部102は、「ピグテール」とも呼ばれ、カニューレ108の遠位端107に接続され、血液ポンプアセンブリ100を安定させ、心臓内の正しい位置に配置することを支援する。ピグテール102は、直線状から部分的にカーブした形状にまで構成可能である。ピグテール102は、少なくとも部分的に可撓性材料で構成されてもよく、二重剛性を有してもよい。
【0037】
カニューレ108は、患者の右心室の解剖学的構造と一致する形状を有する。この例示的態様において、カニューレは、患者の下大静脈の近くに位置するように構成された近位端105と、肺動脈の近くに位置するように構成された遠位端107とを有する。カニューレ108は、流入区域から入口区域110と出口区域106との間の点Bまで延在する第一のセグメントS1を含む。カニューレ108はまた、入口区域110と出口区域106との間にある点Cから出口区域106まで延在する第二のセグメントS2を含む。いくつかの実施形態において、BおよびCは、カニューレ108沿いの同じ位置であってもよい。カニューレの第一のセグメントS1は、第一の平面において「S」字形を形成する。いくつかの実施形態において、セグメントS1は、30°~180°の曲率を有することができる。カニューレの第二のセグメントS2は、第二の平面において「S」字形を形成する。いくつかの実施形態において、セグメントS2は、30°~180°(たとえば40°、50°、60°、70°、80°、90°、100°、110°、120°、130°、140°、150°、160°または170°)の曲率を有することができる。第二の平面は第一の平面とは異なることができる。いくつかの実施形態において、第二の平面は第一の平面と平行または同一である。
【0038】
いくつかの実施形態において、血液ポンプアセンブリ100は、経皮的に、大腿動脈に通して右心室に挿入される。または、いくつかの実施形態において、血液ポンプアセンブリ100は、経皮的に、大腿動脈に通して左心室に挿入されてもよい。正しく配置されると、血液ポンプアセンブリ100は、血液を、患者の左心室内に位置する入口区域110から、カニューレ108に通して、上行大動脈中に配置されたポンプハウジング103の血液排出口117へと送り出す。
【0039】
図2は、従来のガイドワイヤ200の側方断面図を示す。従来のガイドワイヤは、遠位区分210、遠位チップ212、コイルワイヤ214、コアワイヤ216、移行領域218、近位区分220、近位端222および移行区分218を含む。コイルワイヤ214はコアワイヤ216を包囲する。コアワイヤ216は、移行領域218から遠位区分212のチップまで減少する直径を有する。遠位区分210は、コアワイヤ216の全長の25~50%である長さL2を有する。コアワイヤ216はまた、近位端4222と移行区分218との間に延在する近位区分220を含む。近位区分220は一定の直径を有する。近位区分220は、コアワイヤ216の全長の75~50%の長さを有する。コアワイヤの遠位区分210はガイドワイヤ200の近位区分よりも可撓性である。これは、患者の動脈系への損傷を最小限にするために、医師がはじめにガイドワイヤを患者に挿入することを許す。
【0040】
図3および図4は、経皮ポンプのブレードへの例示的損傷を示す。例示的なブレード310および430は、ポンプハウジング(たとえば図1のポンプハウジング103)とブレード(たとえば図1のインペラブレード115)との間に従来のガイドワイヤを挿入しようとすることによって引っ掻かれた、または凹まされた部分320および440を含む。この例において、ガイドワイヤとポンプ要素との間の接触は、ガイドワイヤが引っ掻かれる、または凹まされるのではなく、ポンプ要素が引っ掻かれる、または凹まされる結果を招く(図2および図3に示すように)。掻き傷および凹みのみが示されているが、いくつかの場合、従来のガイドワイヤを挿入するときには、ポンプハウジングが穿刺されることもある。これは、特に、ポンプ要素に使用される材料よりも高い引掻き硬度、押込み硬度または反発硬度を有する材料でできたガイドワイヤを使用する場合、懸念される。
【0041】
上述したように、ガイドワイヤ(たとえば図2のガイドワイヤ200)が十分な剛性を有しないとき、患者へのポンプアセンブリ(たとえば図1のポンプアセンブリ100)のバックロードおよび挿入は特に困難になり得る。したがって、一部の医師は、ガイドワイヤ200を肺動脈弁の外にずらすことなくポンプ(たとえば図1のポンプ101)をバックロードするために、より剛性のガイドワイヤを使用することがある。しかし、特定のポンプ、たとえば、「S」字ターンカニューレ(たとえば図1のカニューレ108)と併せて使用されるインペラRPポンプの場合、より剛性のガイドワイヤは実現性のある解決手段とはなり得ない。インペラRPポンプ(たとえば図1のポンプ101)の例示的態様において、ポンプは非常に小さく、ポンプハウジング(たとえば図1のポンプハウジング103)とポンプのブレード(たとえば図1のインペラブレード115)との間の通路はミリメートルのオーダである。さらに、ハウジング(たとえば図1のハウジング103)およびブレード(たとえば図1のインペラブレード115)のようなインペラRPポンプの部品は、それらのサイズおよび複雑さのせいで、製造または交換に特に費用を要する。ガイドワイヤを前述の間隙にまっすぐ通す代わりに、ガイドワイヤとポンプ要素との間の任意の望まない接触は損傷を生じさせることができる。これは、ポンプ要素に使用される材料よりも高い引掻き硬度、押込み硬度または反発硬度を有する材料でできたガイドワイヤのような剛性のガイドワイヤの場合に特に当てはまる。直径増大または材料特性によって全体的に剛性を増したガイドワイヤは、従来のガイドワイヤよりもさらにひどくポンプのハウジングまたはブレードを損傷させるおそれがある。
【0042】
図5は、ガイドワイヤ500の第一の例示的態様の側方断面図を示す。ガイドワイヤ500は、軟らかい遠位区分510、遠位チップ512、コイルワイヤ514、コアワイヤ516、移行区域518、中間ポンプ送出し区分530、移行区域532、バックロード近位区分540および近位チップ542を含む。軟らかい遠位区分510は移行区域518と遠位チップ512との間に延在する。使用中、まず、軟らかい遠位区分510が患者に挿入される。軟らかい遠位区分510は、コアワイヤ516と、コアワイヤ516に巻き付けられたコイルワイヤ518とを含む。コアワイヤ516は、移行区域518から遠位チップ512まで減少する直径を有する。ガイドワイヤ200におけるような1つの近位区分の代わりに、ガイドワイヤ500は、2つの区分、すなわち中間ポンプ送出し区分530およびバックロード近位区分540を含む。中間ポンプ送出し区分530およびバックロード近位区分540は移行区域532によって中間ポンプ送出し区分530に結合されている。中間ポンプ送出し区分530は移行区域532と移行区域518との間に延在する。中間ポンプ送出し区分530は、最大直径を有するガイドワイヤ500の部分である。中間ポンプ送出し区分530は一定の直径を有してもよい。いくつかの実施形態において、中間ポンプ送出し区分530はガイドワイヤのもっとも幅広い区分ではない。
【0043】
バックロード近位区分540は近位チップ542と移行区分532との間に延在する。バックロード近位区分540は一定の直径を有する。いくつかの実施形態において、近位区分540の直径は変化する。バックロード近位区分540および中間ポンプ送出し区分530の材料および構造は類似または同一であり得る。バックロード近位区分540は、中間ポンプ送出し区分530の直径よりも小さい直径を有するため、中間ポンプ送出し区分530よりも可撓性である。バックロード近位区分のより小さい直径は、低い力でポンプへのガイドワイヤの導入を容易にする。いくつかの実施形態において、バックロード近位区分540は、中間ポンプ送出し区分530の材料または構造よりも剛性が低い材料または構造で形成されているため、中間ポンプ送出し区分530よりも可撓性である。
【0044】
特定の実施形態において、バックロード近位区分540は、中間ポンプ送出し区分530の材料よりも可撓性である材料100%である材料組成を有することにより、中間ポンプ送出し区分530よりも可撓性である。中間ポンプ送出し区分530は、バックロード近位区分540の材料よりも剛性の材料100%である材料組成を有することができる。中間ポンプ送出し区分530のより剛性の材料は、ポリウレタンまたは樹脂含浸繊維をはじめとする任意の数の材料からなり得る。より可撓性の材料は、シリコーン化合物をはじめとする任意の数の材料からなり得る。いくつかの実施形態において、2つの異なる材料は、同じ化学組成を有し得るが、異なる重合度、結晶化度または他の任意の性質を有し得る。
【0045】
バックロード近位区分540の材料は、ガイドワイヤと任意のポンプ要素との間に望ましくない接触がある場合、ポンプ要素への損傷を減らすように選択され得る。特に、バックロード近位区分の材料は、ポンプ要素に使用される材料よりも低い引掻き硬度、押込み硬度または反発硬度を有するように選択されることができる。
【0046】
バックロード近位区分540の近位チップ542は丸みを有し、バックロード近位区分540の残り部分とは異なる材料でできている、またはそれでコーティングされている。たとえば、潤滑コーティングまたは潤滑材料を近位チップ542のために使用することができる。これは、医師が、ガイドワイヤの近位チップ542およびバックロード近位区分540をより容易にポンプおよびカニューレに挿入することを許す。他方、これらの特徴は、ガイドワイヤが挿入される経皮ポンプのブレードおよびハウジングへの損傷を減らすのに役立つことができる。近位チップ542は、接着剤または溶剤接着、機械的締結、インサート成形または任意の他の適当な接合機構もしくはそれらの組み合わせによってバックロード近位区分540に取り付けることができる。または、近位チップ542はバックロード近位区分と一体化されることもできる。
【0047】
図6は、特定の態様の第二の例示的なガイドワイヤ600の側方断面図を示す。ガイドワイヤ600は、軟らかい遠位区分610、遠位チップ612、コイルワイヤ614、コアワイヤ616、移行区域618、中間ポンプ送出し区分630、移行区域632、バックロード近位区分640および近位チップ642を含む。ガイドワイヤ600は、はじめに患者に挿入される、移行区域618と遠位チップ612との間に延在する遠位区分610を含む。軟らかい遠位区分610は、移行領域638から遠位チップ612まで減少する直径を有するコアワイヤ616を含む。軟らかい遠位区分610はまた、コアワイヤ616に巻き付けられているコイルワイヤ614を含む。軟らかい遠位区分610は、ガイドワイヤ600の全長の25~50%(たとえば30%、35%、40%、45%)であり得る長さL2にわたって延在する。好ましくは、長さL2はガイドワイヤ600の全長の25~35%である。さらに好ましくは、長さL2はガイドワイヤ600の全長の30%である。ガイドワイヤ600はさらに、たとえば近位区分220の代わりに、2つの区分、すなわち、中間ポンプ送出し区分630と、移行区域632によって中間ポンプ送出し区分630に結合されたバックロード近位区分640とを含む。中間ポンプ送出し区分630は移行区域632と移行区域618との間に延在する。中間ポンプ送出し区分630は、0.02~0.03”であり得る一定の直径D3を有することができ、好ましい値は0.025”である。中間ポンプ送出し区分630は、ガイドワイヤの長さの30%~60%(たとえば35%、40%、45%、50%、55%)である長さL3を有する。特に、D3は、バックロード近位区分640の任意の直径よりも大きい直径であり得る。バックロード近位区分640は、0.017”~0.019”の間であり得る一定の直径D4を有し、好ましい値は0.018”である。バックロード近位区分640は、ガイドワイヤの長さの40~75%(たとえば45%、50%、55%、60%、65%、75%)である長さL4を有することができる。たとえば、全長260mmのガイドワイヤの場合、バックロード近位区分640は少なくとも100mmの長さを有する。
【0048】
バックロード近位区分640の直径D4が中間ポンプ送出し区分630の直径D3よりも小さいことの少なくとも1つの利点は、バックロード近位区分640の可撓性の増大である。別の利点は、ガイドワイヤの全重量の減少である。この重量減は、バックロード近位区分640がより軽く作られ、バックロード近位区分がガイドワイヤ600の全長の実質的部分(たとえば10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれよりも多く)を占めるため、達成される。より軽いガイドワイヤは、医師にとって患者に挿入することがより容易であり、また、血液ポンプアセンブリ100のポンプ101のようなポンプに挿入されるとき、損傷をより少なくし得る。
【0049】
バックロード近位区分640は近位チップ652で終端し得る。近位チップ642は、丸みを有してもよいし、バックロード近位区分640の材料とは異なる材料でできていてもよいし、それでコーティングされていてもよい。たとえば、潤滑コーティングまたは潤滑材料を近位チップ652のために使用することができる。これは、医師が、ガイドワイヤの近位チップおよびバックロード近位区分をより容易にポンプおよびカニューレに挿入することを許す。他方、これらの特徴は、ガイドワイヤが挿入される経皮ポンプのブレードおよびハウジングへの損傷を減らすのに役立つことができる。
【0050】
図7は、特定の態様の第三の例示的ガイドワイヤ700の側方断面図を示す。ガイドワイヤ700は、軟らかい遠位区分710、遠位チップ712、コイルワイヤ714、コアワイヤ716、移行区域718、中間ポンプ送出し区分730、移行区域732、バックロード近位区分740および近位チップ742を含む。ガイドワイヤ遠位区分710は、移行区域718と遠位チップ712との間に延在し、はじめに患者に挿入される。軟らかい遠位区分710は、移行領域から遠位チップ712まで減少する直径を有するコアワイヤ716を含む。軟らかい遠位区分710は、コアワイヤ716に巻き付けられているコイルワイヤ714を含む。ガイドワイヤ700はさらに、たとえば近位区分220の代わりに、2つの区分、すなわち中間ポンプ送出し区分730およびバックロード近位区分740を含む。バックロード近位区分740は移行区域732によって中間ポンプ送出し区分730に結合されている。バックロード近位区分740の材料は中間ポンプ送出し区分730の材料とは異なる。移行区域732は、バックロード近位区分740の直径に等しい第一の直径および中間ポンプ送出し区分の直径に等しい第二の直径を有する円錐形区分であることができる。または、移行部732は溶接部であってもよい。移行部732は、異なる可撓性の2つの区分を突合せ接合または段付き接合において接合することから得られる唐突な移行部であってもよい。または、移行部732は、より可撓性の材料(たとえば、バックロード近位区分740の主要材料)の含有量がより剛性の材料(たとえば、中間ポンプ送出し区分730の材料)を徐々に置き換えるような複合構造を用いることにより、徐々に移行させることもできる。バックロード近位区分740および中間ポンプ送出し区分730のための異なる材料の使用は、一方の区分(たとえばバックロード近位区分740)を挿入のために最適化し、もう一方の区分(たとえば中間ポンプ送出し区分730)をポンプ送出しのために最適化することを許す。これはまた、ガイドワイヤの重量、コストまたは両方を減らし得る。
【0051】
図8は、特定の態様の第四の例示的なガイドワイヤ800の側方断面図を示す。ガイドワイヤ800は、軟らかい遠位区分810、遠位チップ812、コイルワイヤ814、コアワイヤ816、移行区域818、中間ポンプ送出し区分830、移行区域832、バックロード近位区分840および近位チップ842を含む。はじめに患者に挿入されるガイドワイヤ遠位区分810は移行区域818と遠位チップ812との間に延在する。軟らかい遠位区分810は、移行領域838から遠位チップ812まで減少する直径を有するコアワイヤ816を含む。軟らかい遠位区分810はまた、コアワイヤ816に巻き付けられているコイルワイヤ814を含むことができる。ガイドワイヤ800はさらに、たとえば近位区分220の代わりに、2つの区分、すなわち、中間ポンプ送出し区分830と、移行区域832によって中間ポンプ送出し区分830に結合されたバックロード近位区分840とを含む。中間ポンプ送出し区分830は、一定の直径を有するコアワイヤである第一の構造を有することができる。バックロード近位区分840は、コアワイヤ843およびコイルワイヤ844を含む第二の構造を有することができる。コアワイヤ816は一定の直径を有することができる。または、コアワイヤ843は、移行区域832に隣接する第一の大きいほうの直径と、近位チップ842に隣接する第二の小さいほうの直径とを有するようにテーパ状であることができる。コイルワイヤ844はコアワイヤ843に巻き付けられ得る。コアワイヤ843と同様に、コイルワイヤ844は、一定の直径を有してもよいし、移行区域832から近位チップ842まで減少する直径を有してもよい。
【0052】
コイルワイヤ844は、半径方向変形に対して抵抗を付与することができ、ガイドワイヤ800が、心臓内への配置または操作中にこうむり得る変形の後でさえ、その元の形状を取り戻すことを許すことができる。コイルワイヤ844は、円形または長方形の断面をはじめとする任意の数の断面形状を有し得る。コイルワイヤ844はまた、バックロード近位区分840の弾性または可撓性を変化させる、変化する軸方向密度を有してもよい。
【0053】
図9および図10は、図2および5~8に示すガイドワイヤの例示的態様の寸法および材料特性をまとめた表である。
【0054】
図9は、関連技術のガイドワイヤ(たとえば図2のガイドワイヤ200)ならびに近位区分および遠位区分を有する改良型ガイドワイヤ(たとえば図5~8のいずれかのガイドワイヤ)の直径、長さ、機能、材料およびコーティングを示す表である。図9は、関連技術のガイドワイヤの外径D1が改良型ガイドワイヤ遠位区分の外径D1と同じ0.025”であることを示す。いくつかの態様において、改良型ガイドワイヤ遠位区分の外径D1は0.018”である。図9は、改良型ガイドワイヤ近位区分の直径D2が0.018”であることを示す。いくつかの態様において、改良型ガイドワイヤ近位区分の直径は0.014”である。関連技術のガイドワイヤの機能は操舵および誘導の両方であるが、改良型ガイドワイヤ近位区分は操舵に使用され、改良型ガイドワイヤ遠位区分は誘導に使用される。図9は、関連技術のガイドワイヤおよび改良型ガイドワイヤ(近位区分および遠位区分)の両方のための材料の例示的リストを含む。たとえば、関連技術のガイドワイヤは概してステンレス鋼でできている。改良型ガイドワイヤ近位区分は、コーティング、コイルジャケットまたはプラスチックチューブジャケットを有するステンレスコアワイヤでできていてもよい。または、近位区分はニチノールワイヤまたはプラスチックストリングでできていてもよい。改良型ガイドワイヤの近位区分はコーティングされてもよい。同様に、改良型ガイドワイヤの遠位区分は、コーティング、コイルジャケットまたはプラスチックチューブジャケットを有するステンレスコアワイヤでできていてもよい。または、改良型ガイドワイヤ遠位区分はニチノールワイヤでできていてもよい。
【0055】
図10は、0.025”の外径を有する関連技術のガイドワイヤ近位区分(たとえば図2の220)および0.018”の外径を有する改良型ガイドワイヤ近位区分の力メトリクスを示す。関連技術のガイドワイヤを使用するとき、ポンプを通過する最大バックロード力は1.5ニュートンである。この最大バックロード力は、改良型近位ガイドワイヤによって0.3Nまで有意に減らされる。さらに、改良型ガイドワイヤを用いると、ガイドワイヤの最大摺動力が初抵抗の1.9Nから0.7Nの安定な摺動力に減少する。
【0056】
図11は、図5~8の例示的態様の1つのガイドワイヤ上に経皮ポンプが既にバックロードされているシステム1100を示す。システム1100は、ガイドワイヤ1102、ピグテール1104およびカニューレ1108を含む。図11の例において、システム1100は、肺動脈弁(図示せず)の形状をたどるようにカーブしている。医師がポンプおよびカニューレ1108をガイドワイヤ1102にバックロードするとき、ガイドワイヤ1102は、ピグテール1104を通過し、カニューレ1108を通過し、ポンプのブレードとハウジングとの間に位置する間隙に入る。
【0057】
図12は、特定の実施形態にしたがって経皮ポンプを挿入するための方法1200を示す。方法1200は、皮下ポンプ、たとえばポンプ101を、前述の実施形態のいずれかに記載されたガイドワイヤをはじめとするガイドワイヤに挿入するために実施され得る。方法1200は、事前に患者の動脈内に配置されたガイドワイヤを、経皮ポンプを支持するカニューレの遠位端に通してカニューレに挿入する工程(工程1210)によって実施され得る。方法1200はさらに、ガイドワイヤを経皮ポンプに押し通す工程(工程1220)を含む。経皮ポンプに通し押されるガイドワイヤは、第一の剛性および第一の直径を有する近位区分と、近位区分に接続され、第二の剛性および第一の直径よりも大きい第二の直径を有する遠位区分とを含む。ガイドワイヤをずらすことなくカニューレを所望の位置に挿入するために、ガイドワイヤの遠位区分は近位区分よりも剛性である。
【0058】
方法1200の少なくとも1つの利点は、患者へのガイドワイヤの挿入回数を減らし、患者の動脈系への損傷のリスクを最小限にすることである。方法1200は、ガイドワイヤのバックロードを使用して、患者への挿入回数を減らす。方法1200の別の利点は、ポンプ、たとえば血液ポンプアセンブリ100のポンプ101へのガイドワイヤの挿入を容易にすることである。これは、挿入中の損傷のリスクを減らす。
【0059】
代替態様においては、ガイドワイヤを患者の動脈内に配置する前に経皮ポンプをガイドワイヤにバックロードしてもよい。代替態様においては、経皮ポンプをカニューレに結合する前に経皮ポンプをガイドワイヤにバックロードしてもよい。
【0060】
本開示を考察したのち、当業者には変形および改変が思い浮かぶであろう。たとえば、いくつかの実施形態においては、図5~8に記載された代替態様のいずれかが組み合わされてもよい。たとえば、図7のガイドワイヤの近位端のコイル構造が、図5~6に関して記載された様々なガイドワイヤ材料と組み合わされてもよい。別の例においては、図7のガイドワイヤの近位端のコイル構造が、図6に関連して記載された溶接移行部と組み合わされてもよい。開示された特徴は、本明細書に記載される1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせおよび部分的組み合わせ(複数の従属的組み合わせおよび部分的組み合わせを含む)で実現されてもよい。上記様々な特徴は、それらの任意の構成部品を含め、他のシステムとして組み合わされてもよいし、一体化されてもよい。そのうえ、特定の特徴が省略されてもよいし、実現されなくてもよい。
【0061】
様々な例示的実施形態に示されるような装置またはその構成部品の構造および配置が例示的でしかないことに留意することが重要である。いくつかの実施形態だけが本開示において詳細に説明されているが、本開示を考察する当業者は、開示される主題の新規な教示および利点を実質的に逸脱することなく多くの改変(たとえば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状および割合、パラメータの値、取り付け構造、材料使用、色、向きなどの変更)が可能であることを容易に理解するであろう。たとえば、一体に形成されているように示された要素が複数のパーツまたは要素で構成されてもよく、要素の配置が逆転または他のやり方で変更されてもよく、別々の要素または位置の性質または数が変更されてもよい。代替実施形態にしたがって任意の過程または方法工程の順序が変更または再順序付けされてもよい。また、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な例示的実施形態の設計、作動条件および構成において他の置換、改変、変更および省略が加えられてもよい。
【0062】
様々な発明的実施形態が本明細書に記載され、例示されたが、当業者は、機能を実行するための、および/または結果および/または本明細書に記載される利点の1つまたは複数を得るための多様な他の機構および/または構造を容易に構想し、そのような変更および/または改変それぞれが、本明細書に記載される発明的実施形態の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、別段記されない限り、本明細書に記載された任意のパラメータ、寸法、材料および構成は例示的であることを意図したものであり、実際のパラメータ、寸法、材料および/または構成は、発明的教示が使用される具体的な用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、慣例的でしかない実験を使用するだけで、本明細書に記載される特定の発明的実施形態の多くの等価物を認識する、または確認することができるであろう。したがって、前記実施形態は例として提示されただけであり、特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、発明的実施形態を、具体的に記載され、特許請求される以外のやり方で実施し得ることが理解されよう。本開示の発明的実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法それぞれに関する。加えて、そのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法が相反するものではないならば、二つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キットおよび/または方法の任意の組み合わせが本開示の発明的範囲に含まれる。
【0063】
本開示に関して、語「結合」とは、二つの部材の互いに対する直接的または間接的な接合を意味する。そのような接合は、静止的または可動的な性質であり得る。そのような接合は、2つの部材または2つの部材および任意のさらなる中間部材が互いとで1つの一体ボディとして一体に形成されることで、または2つの部材または2つの部材および任意のさらなる部材が互いに取り付けられることで達成され得る。そのような接合は、永久的な性質であってもよいし、取り外し可能または解放可能な性質であってもよい。
【0064】
本明細書および特許請求の範囲の中で使用される単数形不定冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、そうではないことが明らかに指示されない限り、「少なくとも1つの」を意味するものと理解されるべきである。本明細書および特許請求の範囲の中で使用される「または」は、先に定義した「および/または」と同じ意味を有するものと理解されるべきである。たとえば、リスト中の項目を分けるとき、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち、要素の数またはリスト中の少なくとも1つを含むが、2つ以上をも含み、任意で、リストにないさらなる項目をも含むものと解釈されなければならない。そうではないことが明らかに示されている語、たとえば「~の1つのみ」または「~のきっかり1つ」だけが、要素の数またはリスト中のきっかり1つの要素の包含を意味する。概して、本明細書の中で使用される語「または」は、排他性を示す語、たとえば「~のいずれか」、「~の1つ」、「~の1つのみ」または「~のきっかり1つ」が続く場合のみ、排他的選択(すなわち、両方ではなく一方または他方のみ)を示すものと解釈されなければならない。
【0065】
特許請求の範囲および上記明細書において、すべての移行句(つなぎ言葉)、たとえば「~を含む(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(carrying)」、「~を有する(having)」、「~を含有する」、「~を伴う」、「~を保持する」、「~で構成された」などは、非限定的である、すなわち、「~を含むが、それに限定されない」と理解されなければならない。
【0066】
特許の請求の範囲は、その旨が述べられない限り、記載される順序または要素に限定されるものと読まれるべきではない。特許請求の範囲の精神および範囲を逸脱することなく、形態および詳細における様々な変更が当業者によって加えられ得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲およびその等価物の精神および範囲に入るすべての実施形態が特許請求される。
【0067】
変更、置換および変形の例は当業者によって確認可能であり、本明細書に開示された情報の範囲を逸脱することなく実施することができる。本明細書の中で引用されるすべての参考文献は、参照により全体として組み入れられ、本出願の一部を構成する。
図1
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図12
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと第一の剛性を有するブレードとを含む、ポンプと;
カニューレ直径、近位入口、および遠位出口を有する、カニューレと;
第二の剛性および第一の直径を有する近位区分と、該近位区分に接続され、第三の剛性および該第一の直径よりも大きい第二の直径を有する遠位区分とを有する、ガイドワイヤと
を含む、血管系への経皮的挿入のために構成されたポンプを挿入するためのシステムであって、
前記ガイドワイヤをずらすことなく前記カニューレを所望の位置に挿入するために、前記遠位区分が前記近位区分よりも剛性であり、かつ、前記ハウジングと前記ブレードとの間に前記ガイドワイヤの前記近位区分を挿入するときに前記ポンプの前記ブレードへの損傷を減らすために、前記ポンプの前記ブレードの前記第一の剛性が、前記第二の剛性よりも高い、
前記システム。