(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102244
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】収容体及び物体
(51)【国際特許分類】
A63F 13/95 20140101AFI20240723BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240723BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A63F13/95 Z
A63F13/80 B
G06K19/07 230
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075399
(22)【出願日】2024-05-07
(62)【分割の表示】P 2020118828の分割
【原出願日】2019-02-26
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】藤本 豊
(72)【発明者】
【氏名】木原 直也
(72)【発明者】
【氏名】堀切 道生
(72)【発明者】
【氏名】奥田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】吉田 貴裕
(57)【要約】
【課題】既存の遊戯物体をゲームで使用する使用することができるように図りつつ、実世界の対象面上に置かれる遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにすることが可能な収容体及び物体を提供する。
【解決手段】収容体(70)は、対象面上に置かれる遊戯媒体(60)を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体(60)を収容するためのものであり、収容体(70)に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体(60)の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するためのICタグ(73)を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象面上に置かれる遊戯媒体を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体を収容するための収容体であって、
前記収容体に収容された状態で前記対象面上に置かれた前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するためのICタグを含む、
収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象面上に置かれる遊戯媒体を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体を収容するための収容体、及び、当該収容体に遊戯媒体とともに収容される物体に関する。
【背景技術】
【0002】
実世界に設定される対象面上に置かれる実物の遊戯媒体を使用して行われるゲームが知られている。このようなゲームの一例としては、例えば、2人のプレイヤーがお互いに実物のカードをゲームフィールド上に置くことによって対戦するカードゲームが知られている。例えば、特許文献1に記載されるカードゲームと同様のカードゲームが、実物のカードを使用して実世界のゲームフィールドで行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなカードゲームに関しては、プレイヤー以外の人も対戦を観戦したいという要望がある。この点、ゲームフィールドに置かれたカードの種類や状態をシステムによって特定し、当該特定結果に基づいて、現在のゲームフィールドの状況を示す画像を観客用の表示部に表示させることによって、より多くの人や離れた場所にいる人がカードゲームの対戦を観戦できるようになる。
【0005】
ゲームフィールドに置かれたカードの種類や状態をシステムによって特定するための方法としては、ゲームフィールドを撮影するための撮影部を設置し、ゲームフィールドに置かれたカードの種類又は状態を撮影部の撮影画像から特定する方法を採用することが考えられる。しかしながら、ゲームフィールドに置かれたカードの種類や状態を撮影画像から特定できない(又は特定しにくい)場合がある。
【0006】
例えば、一般的に、カードゲームに使用されるカードでは、表面がカードの種類に応じた外観を有し、裏面がカードの種類によらない共通な外観を有するため、ゲームフィールドに置かれたカードの種類を撮影画像から特定する場合には、撮影画像に写っているカードの表面からカードの種類を特定することになる。しかしながら、カードゲームのルール上、カードが裏返しの状態でゲームフィールド上に置かれる場合があり、このような場合、カードの表面が撮影画像に写らないため、カードの種類を撮影画像から特定できない。
【0007】
また例えば、環境光等の影響によって、ゲームフィールド上に置かれたカードの種類や状態を撮影画像から特定しにくい場合もある。カードゲームで使用されるカードのうちには、特殊な加工(例えばホログラム等)が施されたカードが複数種類存在しており、このようなカードに関しては、カードの種類や状態を撮影画像から特定するのは困難である。
【0008】
なお、ゲームフィールドに置かれたカードの種類や状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにすべく、そのための特別の仕組みをカード自体に設けることも考えられるが、この場合、既存のカード(上記仕組みが設けられていないカード)をゲームで使用することができなくなる等の問題が生じる。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、既存の遊戯物体をゲームで使用する使用することができるように図りつつ、実世界の対象面上に置かれる遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにすることが可能な収容体及び物体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る収容体は、対象面上に置かれる遊戯媒体を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体を収容するための収容体であって、前記収容体に収容された状態で前記対象面上に置かれた前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するためのICタグを含む。
【0011】
また、本発明の一態様に係る物体は、対象面上に置かれる遊戯媒体を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体とともに収容体に収容される物体であって、前記収容体に収容された状態で前記対象面上に置かれた前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するためのICタグを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2A】カードの表面の外観の一例を示す図である。
【
図2B】カードの裏面の外観の一例を示す図である。
【
図4】キャラクタカードの配置形式の一例について説明するための図である。
【
図5】スリーブの一例について説明するための図である。
【
図6】ゲームボードの一例について説明するための図である。
【
図7】ゲームフィールドの状況の一例を示す図である。
【
図8】ゲームフィールド画像の一例を示す図である。
【
図9】いずれかのカードが指定された場合のゲームフィールド画像の一例を示す図 である。
【
図14】撮影画像に設定される領域の一例を示す図である。
【
図15】第1特定結果データの一例を示す図である。
【
図16】第2特定結果データの一例を示す図である。
【
図17】ゲームフィールド状況データの一例を示す図である。
【
図19】表示端末処理で実行される処理の一例を示す図である。
【
図20】カードとともにスリーブに収容される物体の一例を説明するための図であ る。
【
図21】読取装置のアンテナの他の一例について説明するための図である。
【
図22】システムの機能要素を示す機能ブロック図である。
【
図23】第2実施形態のスリーブの一例について説明するための図である。
【
図24】カードの向きの特定について説明するための図である。
【
図25】カードの向きの特定について説明するための図である。
【
図26】第2実施形態の第1特定結果データの一例を示す図である。
【
図27】第2実施形態の第2特定結果データの一例を示す図である。
【
図28】第2実施形態に係るシステムの機能要素を示す機能ブロック図である。
【
図29】第3実施形態のスリーブの一例について説明するための図である。
【
図30】第3実施形態の関連付け処理の一例を示す図である。
【
図31】第3実施形態の関連付けデータの一例を示す図である。
【
図32】第3実施形態の関連付け処理の他の一例を示す図である。
【
図33】第3実施形態の第1特定結果データの一例を示す図である。
【
図34】第3実施形態の第2特定結果データの一例を示す図である。
【
図35】第3実施形態に係るシステムの機能要素を示す機能ブロック図である。
【
図36】第4実施形態に係るシステムの構成の一例を示す図である。
【
図37】第4実施形態のスリーブの一例について説明するための図である。
【
図38】第4実施形態の関連付け処理の一例を示す図である。
【
図39】第4実施形態の関連付けデータの一例を示す図である。
【
図40】第4実施形態の特定処理の一例を示す図である。
【
図41】第4実施形態の第2特定結果データの一例を示す図である。
【
図42】第4実施形態に係るシステムの機能要素を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の例を図面に基づいて説明する。
【0014】
[1.第1実施形態]本発明の第1実施形態に係るシステムについて説明する。
【0015】
図1は、第1実施形態に係るシステム1の構成の一例を示す。システム1は、実世界に設定される対象面上に置かれる実物の対象物を使用して行われるゲームに関連するシステムである。後述のように、システム1は、上記ゲームで対象面上に置かれた対象物の種類及び状態を特定するための特定システムとしての機能を含む。また、システム1は、上記ゲームで対象面上に置かれた対象物に関する表示を表示手段に表示させる表示制御システムとしての機能も含む。
【0016】
例えば、カードを使用して行われるカードゲームが「対象面上に置かれる対象物を使用して行われるゲーム」の一例に相当する。以下では、プレイヤが自らの所有するカードのうちから所定のルールに則って任意のカードを組み合わせてデッキを設定し、当該デッキを使用して他のプレイヤと対戦する対戦型のカードゲーム(トレーディングカードゲーム)を例として、第1実施形態に係るシステム1について説明する。
【0017】
[1-1.カードゲームの概要]システム1の構成について説明する前に、カードゲームの概要について説明しておく。
【0018】
図2A及び
図2Bはカードゲームで使用されるカードの一例を示す。カード60は矩形状の物体であり、例えば紙等の材料によって形成される。
【0019】
図2Aはカード60の表面61の外観の一例を示す。
図2Aでは、カード60の一例として、キャラクタを示すカードであるキャラクタカードを示している。
【0020】
図2Aに示すように、カード60の表面61にはカード60に関する情報が記される。
図2Aではキャラクタカードについて示しているため、キャラクタに関する情報が表面61に記されている。例えば、表面61はパーツP1,P2,P3,P4,P5を含む。パーツP1はカード60(キャラクタ)の名称を示す。パーツP2はキャラクタの画像である。パーツP3はキャラクタに関する説明を示す。パーツP4はキャラクタの攻撃力(ATK)及び守備力(DEF)を示す。パーツP5はカードIDを示す。カードIDは、個々のカード種類を識別する情報である。例えば、カード種類ごとにカード60の表面61の外観(図柄やテキスト等)が異なっており、表面61の外観が同じカード60のカードIDは同じであり、表面61の外観が異なるカード60のカードIDは異なる。例えば、異なるキャラクタを示すカード60のカードIDは異なる。同じ名称のキャラクタを示すカード60が1種類のみ存在するような場合、同じキャラクタを示すカード60のカードIDは同じである。一方、同じ名称のキャラクタを示すカード60として、表面61の外観の異なる複数種類のカード60が存在するような場合、それら複数種類のカード60のカードIDは異なる。例えば、同じ名称のキャラクタを示すカード60として、レアリティ又はランク等の異なる複数種類のカード60が存在するような場合、それら複数種類のカード60のカードIDは異なる。
【0021】
図2Aでは、カードゲームで使用されるカード60の一例として、キャラクタカードの一例を示したが、カードゲームでは、キャラクタ以外を示すカード60も使用される。例えば、魔法を示す魔法カードや、罠を示す罠カードが使用される。キャラクタカードと同様、魔法カードや罠カードの表面61には魔法又は罠に関する情報が記される。
【0022】
図2Bはカード60の裏面62の外観の一例を示す。カード60の裏面62は、カードゲームで使用される全カードに共通な外観を有している。すなわち、カード60の裏面62は、カード60の種類によらない共通な外観を有している。このため、裏面62の外観からカード60の種類を特定できないようになっている。
【0023】
カードゲームは、対戦を行う第1プレイヤ及び第2プレイヤがゲームフィールドにカード60を置くことによって進行する。
図3はゲームフィールドFの一例を示す。
図3に示すように、ゲームフィールドFは、第1プレイヤフィールドF1、第2プレイヤフィールドF2、及び共用フィールドF3を含む。
【0024】
第1プレイヤフィールドF1は、第1プレイヤのカード60を置くための領域である。第1プレイヤフィールドF1は複数のゾーンZ1~Z14を含む。
【0025】
例えば、ゾーンZ7は、第1プレイヤのデッキを山札として置くための領域である。ここでは、「デッキ」とは、カードゲームをプレイするにあたってプレイヤが自らの所有するカード60を所定のルールに則って任意に組み合わせたカード60の束のことを意味し、「山札」とは、シャッフルされて裏向きにして置かれたデッキのことを意味する。第1プレイヤは、ゾーンZ7に置かれた山札のうちからカードを引いて自らの手札に加えることができる。
【0026】
また、ゾーンZ2~Z6,Z8~Z13は、第1プレイヤが自らの手札のうちから選択した任意のカード60を置くための領域である。
【0027】
例えば、ゾーンZ9~Z13は、第1プレイヤが自らの手札のうちからキャラクタカードを置くための領域である。第1プレイヤは、自らの手札のうちからキャラクタカードをゾーンZ9~Z13に置くことによって、キャラクタを戦闘(攻撃等)に使用することが可能な状態になる。
【0028】
また例えば、ゾーンZ2~Z6,Z8は、第1プレイヤが自らの手札のうちから魔法カード又は罠カードを置くための領域である。第1プレイヤは、自らの手札のうちから魔法カード又は罠カードをゾーンZ2~Z6,Z8に置くことによって魔法又は罠の効果をカードゲームにおいて発生させることができる。
【0029】
また例えば、ゾーンZ14は、倒されたキャラクタのキャラクタカードや、使用済みの魔法カード又は罠カードを置くための領域である。ゾーンZ1は、共用フィールドF3のゾーンZ29,Z30に置くことが可能な特別なカード60の束を置いておくための領域である。第1プレイヤは、所定条件の下で、ゾーンZ1に置かれた特別なカード60の束のうちからカード60をゾーンZ29又はZ30に置くことができる。
【0030】
第2プレイヤフィールドF2は、第2プレイヤのカード60を置くための領域である。第2プレイヤフィールドF2は複数のゾーンZ15~Z28を含む。ゾーンZ15~Z28の意味や役割は、第1プレイヤフィールドF1のゾーンZ1~Z14と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
共用フィールドF3は、第1プレイヤと第2プレイヤとの共用領域である。共用フィールドF3は複数のゾーンZ29,Z30を含み、所定条件の下で第1プレイヤも第2プレイヤもカード60をゾーンZ29,Z30に置くことができる。
【0032】
なお、以下では、ゾーンZ1~Z30の各々を区別する必要がない場合にはこれらを総称して「ゾーンZ」と記載する。
【0033】
カードゲームはターン制で実行される。すなわち、カードゲームでは、第1プレイヤのターンと第2プレイヤのターンとが交互に繰り返し実行される。
【0034】
第1プレイヤのターンでは、第1プレイヤがゾーンZ7に置かれたカード60の束(第1プレイヤの山札)からカード60を引き、引いたカード60を自らの手札に加える。所定条件の下で、第1プレイヤは自らの手札から任意のカード60をゾーンZ2~Z6,Z8~Z13に置いたり、ゾーンZ1に置かれた特別のカード60の束から任意のカード60をゾーンZ29,Z30に置いたりし、ゲームフィールドFに置かれた自らのカード60を使用して、第2プレイヤへの攻撃等を行う。
【0035】
同様に、第2プレイヤのターンでは、第2プレイヤがゾーンZ21に置かれたカード60の束(第2プレイヤの山札)からカードを引き、引いたカード60を自らの手札に加える。所定条件の下で、第2プレイヤは自らの手札から任意のカード60をゾーンZ16~Z20,Z22~Z27に置いたり、ゾーンZ15に置かれた特別のカード60の束から任意のカード60をゾーンZ29,Z30に置いたりし、ゲームフィールドFに置かれた自らのカード60を使用して、第1プレイヤへの攻撃等を行う。
【0036】
カードゲームでは、カードの配置形式として複数種類の配置形式が定められており、配置形式によって、カードがカードゲームの進行又は結果に及ぼす影響の有無又は内容が変わる。
【0037】
図4は、キャラクタカードの配置形式について説明するための図である。
図4に示すように、カードゲームでは、キャラクタカードの配置形式として、表側攻撃表示、裏側守備表示、及び表側守備表示の3種類の配置形式が定められている。
【0038】
「表側攻撃表示」は、キャラクタカードが表向きかつ縦向きで置かれた状態である。「表向き」とは、プレイヤからカード60の表面61が見えるようにしてカード60が置かれた状態である。言い換えれば、「表向き」とは、カード60の裏面62とゲームフィールドFとが対向するようにしてカード60が置かれた状態である。また、「縦向き」とは、プレイヤから見てカード60が縦長に見えるようにしてカード60が置かれた状態である。言い換えれば、「縦向き」とは、カード60の長辺方向がゲームフィールドFの縦方向と平行(又は略平行)になるようにしてカード60が置かれた状態である。プレイヤはキャラクタカードを表側攻撃表示で置くことによって、キャラクタカードの攻撃力(ATK)に基づく戦闘を行うことができる。
【0039】
「裏側守備表示」は、キャラクタカードが裏向きかつ横向きで置かれた状態である。「裏向き」とは、プレイヤからカード60の裏面62が見え、カード60の表面61が見えないようにしてカード60が置かれた状態である。言い換えれば、「裏向き」とは、カード60の表面61とゲームフィールドFとが対向するようにしてカード60が置かれた状態である。また、「横向き」とは、プレイヤから見てカード60が横長に見えるようにしてカード60が置かれた状態である。言い換えれば、「横向き」とは、カード60の長辺方向がゲームフィールドFの横方向と平行(又は略平行)になるようにしてカード60が置かれた状態である。プレイヤはキャラクタカードを裏側守備表示で置くことによって、キャラクタカードの守備力(DEF)に基づく戦闘を行うことができる。
【0040】
「表側守備表示」は、キャラクタカードが表向きかつ横向きで置かれた状態である。プレイヤはキャラクタカードを表側守備表示で置くことによって、キャラクタカードの守備力(DEF)に基づく戦闘を行うことができる。
【0041】
キャラクタカードをゲームフィールドFに置く際、原則として、プレイヤは配置形式として表側攻撃表示又は裏側守備表示のいずれかを選択できる。裏側守備表示で置かれたキャラクタカードは、対戦相手からの攻撃を受けた場合等に表側守備表示に変わる(1)。プレイヤがキャラクタカードを裏側守備表示で置いた場合、対戦相手は当該キャラクタカードの名称や性能(攻撃力や守備力等)を知ることができない状態のままで、当該キャラクタカードへの攻撃をしかけることになり、攻撃をしかけた時点で当該キャラクタカードの名称や性能を知ることになる。なお、裏側守備表示で置かれたキャラクタカードは、特定の魔法カードの効果が発動した場合に表側守備表示に変わる場合もある。また、プレイヤは裏側守備表示で置いた自らのキャラクタカードを表側攻撃表示に変えることができる(2)。さらに、プレイヤはゲームフィールドFに置いた自らのキャラクタカードの配置形式を表側攻撃表示と表側守備表示との間で変えることもできる(3)。
【0042】
同様に、カードゲームでは、魔法カード又は罠カードの配置形式として複数種類の配置形式が定められている。例えば、魔法カード又は罠カードの配置形式としては、表側表示と裏側表示との2種類がある。「表側表示」は、魔法カード又は罠カードが表向きかつ縦向きで置かれた状態であり、魔法カードの示す魔法又は罠カードの示す罠の効果が発動する状態である。一方、「裏側表示」は、魔法カード又は罠カードが裏向きかつ縦向きの状態で置かれた状態であり、魔法カードの示す魔法又は罠カードの示す罠の効果の発動が待機された状態である。裏側表示で置かれた魔法カード又は罠カードは、プレイヤの任意のタイミング又は所定の発動条件が満足されたタイミングで表側表示に変わり、当該魔法カードの示す魔法又は罠カードの示す罠の効果が発動する。プレイヤが魔法カード又は罠カードを裏側表示で置いた場合、対戦相手は当該魔法カード又は罠カードの名称や効果を知ることができない状態のままで対戦を進め、表側表示に変わった時点で魔法カード又は罠カードの名称や効果を知ることになる。
【0043】
プレイヤは上記のような配置形式の特徴を考慮して、対戦相手とかけ引きを行うべく、カードの配置形式を選択したり、変えたりする。
【0044】
カードゲームでは、第1プレイヤから第2プレイヤへの攻撃によって減少する第2プレイヤのポイント(ライフポイント)が零になると、第1プレイヤの勝利となり、第2プレイヤの敗北となる。一方、第2プレイヤから第1プレイヤへの攻撃によって減少する第1プレイヤのポイント(ライフポイント)が零になると、第2プレイヤの勝利となり、第1プレイヤの敗北となる。
【0045】
本実施形態では、カード60がスリーブに収容された状態で使用される。
図5はスリーブについて説明するための図である。
図5に示すように、スリーブ70は1枚のカード60を収容するための収容体である。スリーブ70は、三辺が接着され、残りの一辺が開口部として形成された矩形状かつ袋状の物体であり、当該開口部からカード60がスリーブ70内に収容される。スリーブ70は例えばポリプロピレン等の合成樹脂によって形成される。例えば、このスリーブ70はカード60とは別個に提供(販売等)される。
【0046】
スリーブ70は表面部71と裏面部72とを有する。表面部71は、カード60がスリーブ70に収容された場合にカード60の表面61と対向することになる面部(対向面部)である。裏面部72は、表面部71とは反対側にある面部(反対面部)であり、カード60がスリーブ70に収容された場合にカード60の裏面62と対向することになる面部である。
図5に示すように、カード60は、カード60の表面61とスリーブ70の表面部71とが対向するようにして(言い換えれば、カード60の裏面62とスリーブ70の裏面部72とが対向するようにして)スリーブ70内に収容される。
【0047】
スリーブ70の表面部71は透明であり、スリーブ70内に収容されたカード60の表面61をスリーブ70の外から表面部71を介して視認可能に構成されている。なお、表面部71全体が透明である必要はなく、スリーブ70内に収容されたカード60の表面61をスリーブ70の外から視認可能になっていれば、表面部71の一部(例えば端部分)は透明でなくてもよい。一方、スリーブ70の裏面部72は不透明であり、他のスリーブ70の裏面部72と共通な外観を有する。つまり、裏面部72は全てのスリーブ70に共通な外観を有する。このため、裏面部72の外観から個々のスリーブ70を区別できないようになっている。例えば、裏面部72はカード60の裏面62と同一の外観を有する。
【0048】
スリーブ70はICタグ73(RFIDタグ)を備える。ICタグ73は、電波等の無線を介して通信する機能を有する装置である。例えば、ICタグ73はICチップとアンテナとを備え、ICタグリーダから無線を介して送信された信号をアンテナを介して受信し、当該信号の受信に応じて、ICチップに記憶された情報を無線を介してICタグリーダに返信するパッシブ型のICタグである。なお、ICタグ73は、ICタグライタからアンテナを介して受信した情報をICチップに書き込んで記憶する機能を有してもよい。また、ICタグ73はパッシブ型のICタグに限られず、アクティブ型のICタグであってもよい。
【0049】
例えば、ICタグ73によってカード60の表面61が隠れて見難くなってしまうことがないように、ICタグ73はスリーブ70の表面部71以外の位置に備えられる。本実施形態では、ICタグ73がスリーブ70の裏面部72の内側面に備えられている。例えば、ICタグ73はシール等によって裏面部72の内側面に取り付けられる。なお、ICタグ73のアンテナは裏面部72の内側面に印刷されていてもよい。また、ICタグ73のICチップには、個々のICタグ73を一意に識別する情報であるタグIDが記憶される。
【0050】
スリーブ70の裏面部72は不透明であるため、スリーブ70の外からICタグ73を視認できないようになっている。このため、仮に、スリーブ70間でICタグ73の設置位置に差があったり、ICタグ73自体に個体差があったりしたとしても、その差を手がかりとして、スリーブ70の裏面部72から個々のスリーブ70を区別することができないように担保されている。
【0051】
なお、ICタグ73の設置位置又はICタグ73自体に差がなく、又は、このような差を無視でき、スリーブ70の外からICタグ73を視認できたとしても特に問題がないのであれば、スリーブ70の裏面部72を透明にしてもよい。また、スリーブ70の表面部71及び裏面部72の両方を透明にする場合、表面部71の内側面がICタグ73を備えるようにしてもよい。
【0052】
ICタグ73をスリーブ70の裏面部72の一部分に取り付けた場合、ICタグ73の設置部分の厚さがそれ以外の部分よりも大きくなり、複数のスリーブ70を重ねて置いた場合の安定性が損なわれるおそれがある。このため、スリーブ70の厚さが一様(又は略一様)になるようにすべく、例えば、裏面部72のうちの、ICタグ73の設置部分以外の部分の厚さをICタグ73の厚さと同等の厚さとしたり、ICタグ73(アンテナ)を裏面部72の内側面の全体(又は広範囲)にわたって配設したりしてもよい。
【0053】
本実施形態では、カード60がスリーブ70内に収容された状態で使用される。スリーブ70は、カード60を損傷等から保護するための役割を果たすとともに、後述するように、ゲームフィールドFに置かれたカード60の種類や状態を特定するための役割も果たす。以下では、スリーブ70に収容された状態のカード60のことを、カード60単体と区別すべく、便宜上「カード60S」と記載する。言い換えれば、カード60をスリーブ70に収容した場合のカード60及びスリーブ70を一つの物体とみなして「カード60S」と記載する。
【0054】
[1-2.システムの構成]
図1に戻り、第1実施形態に係るシステム1の構成について説明する。
図1に示すように、システム1は、ゲームボード10と、撮影装置30と、情報処理装置40と、表示端末装置50とを含む。
【0055】
ゲームボード10は、カードゲームをプレイする第1プレイヤ及び第2プレイヤによってカードが置かれるボードである。例えば、ゲームボード10は、第1プレイヤ及び第2プレイヤが向かい合って座るテーブル2上に配置される。
【0056】
ゲームボード10は、筐体11と、筐体11の上面に載置されるマット12とを含む。マット12にはゲームフィールドF(ゾーンZ1~Z30)が描かれている。なお、筐体11とマット12とは一体的に形成されてもよい。すなわち、ゲームフィールドFが筐体11の上面に描かれていてもよい。以下では、カード60Sをゲームボード10(マット12)上に置くことを「カード60SをゲームフィールドFに置く」と記載する。
【0057】
図6はゲームボード10について説明するための図であり、上方から見たゲームボード10を示している。
図6に示すように、複数の読取装置20-1~20-30がゲームボード10の筐体11の内部に設置される。読取装置20-1~20-30の各々はICタグリーダである。ICタグリーダは、ICタグとの間で信号を送受信するためのアンテナを備えており、無線を介して信号を送信し、当該信号を受信したICタグから返信される信号を受信することによって、ICタグ(ICチップ)に記憶された情報を読み取るものである。
【0058】
読取装置20-1~20-30は、ゲームフィールドFのゾーンZ1~Z30にそれぞれ対応するようにして設置されている。例えば、読取装置20-1はゾーンZ1に対応しており、ゾーンZ1に対応する位置に設置されている。具体的には、読取装置20-1はゾーンZ1の下方に設置されており、ゾーンZ1に置かれたカード60SのICタグ73に記憶された情報を読み取るために使用される。読取装置20-2~20-30に関しても同様である。以下では、読取装置20-1~20-30の各々を区別する必要がない場合にはこれらを総称して「読取装置20」と記載する。
【0059】
なお、カード60とスリーブ70の表面部71及び裏面部72とは、ICタグ73と読取装置20との間の信号の送受信を妨げない材料によって形成されている。このため、カード60Sが表向き又は裏向きのいずれでゾーンZに置かれたとしても、当該ゾーンZの下に設置されている読取装置20は当該カード60SのICタグ73に記憶された情報を読み取ることができる。
【0060】
また、1つのゾーンZに複数のカード60Sが積み重ねて置かれている場合であっても、当該ゾーンZの下に設置された読取装置20はそれら複数のカード60Sの各々のICタグ73に記憶された情報を読み取ることができる。
【0061】
また、ゾーンZの下に設置された読取装置20は、他のゾーンZと離れて設置されており、他のゾーンZに置かれたカード60SのICタグ73に記憶された情報を読み取ることがないようになっている。
【0062】
ゲームボード10と情報処理装置40とは所定のインタフェース規格に則ったケーブルを介して接続されている。または、ゲームボード10と情報処理装置40とは通信ネットワークを介して通信可能である。読取装置20の読取結果に関する読取結果データが上記ケーブル又は通信ネットワークを介して情報処理装置40に供給される。
【0063】
撮影装置30は可視光カメラであり、レンズを介して得られる光学像をイメージセンサによって電子的な画像信号に変換して出力する装置である。撮影装置30はゲームボード10(ゲームフィールドF)の上方に固定され、ゲームフィールドFを撮影するために使用される。撮影装置30の撮影画像にはゲームフィールドFのゾーンZ1~Z30が少なくとも含まれる。
【0064】
撮影装置30と情報処理装置40とは所定のインタフェース規格に則ったケーブルを介して接続されている。または、撮影装置30と情報処理装置40とは通信ネットワークを介して通信可能である。撮影装置30は所定時間ごとにゲームフィールドFを撮影し、撮影画像が上記ケーブル又は通信ネットワークを介して情報処理装置40に供給される。
【0065】
情報処理装置40はコンピュータであり、制御部41と記憶部42と通信部43と操作部44と表示部45と音声出力部46とを含む。制御部41は少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み、記憶部42に記憶されたプログラムに従って情報処理を実行する。記憶部42は主記憶部(例えばRAM等)及び補助記憶部(例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ等)を含み、プログラムやデータを記憶する。通信部43は、通信ネットワークを介して他の装置と通信するためのものである。操作部44は、操作者が各種操作を行うためのものである。表示部45は、画像を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等である。音声出力部46は、音声を出力するためのものであり、例えばスピーカ又はヘッドホン等である。操作部44、表示部45、及び音声出力部46は情報処理装置40自体に設けられてもよいし、情報処理装置40に接続された外部装置として設けられてもよい。例えば、表示部45は、情報処理装置40に外部装置として接続されたヘッドマウントディスプレイ(HMD)、モニタ、テレビジョン受像機、又はプロジェクター等であってもよい。
【0066】
情報処理装置40は、読取装置20の読取結果データと、撮影装置30の撮影画像とに基づいて、ゲームフィールドF上に置かれたカード60Sの種類及び状態(すなわち、スリーブ70に収容された状態でゲームフィールドF上に置かれたカード60の種類及び状態)を特定する。また、情報処理装置40は、当該特定結果に基づいて、ゲームフィールドFの現在の状況を示すゲームフィールド画像を表示端末装置50に表示させる。情報処理装置40によって実行される処理については後述する(
図10,12,13,18等参照)。
【0067】
表示端末装置50は画像を表示可能な装置である。例えば、表示端末装置50は、カードゲームの対戦を観戦する観客のための装置である。具体的には、表示端末装置50は、個々の観客によって使用される端末装置(例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、又はデスクトップ型コンピュータ等)であり、
図1に示すように、制御部51と記憶部52と通信部53と操作部54と表示部55と音声出力部56とを備えたコンピュータである。制御部51、記憶部52、通信部53、操作部54、表示部55、及び音声出力部56は制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、表示部45、及び音声出力部46と同様である。
図1では操作部54と表示部55とが別個に示されているが、操作部54と表示部55とはタッチパネルとして一体的に形成されてもよい。操作部54は、マウス等のポインティングデバイス、ボタン(キー)、又はレバー(スティック)等であってもよい。操作部54は、観客が音声又はジェスチャによって操作を行うためのものであってもよい。
【0068】
以下では、表示端末装置50が個々の観客によって使用される端末装置(例えばスマートフォン等)である場合を想定として説明するが、表示端末装置50はこれに限られない。例えば、表示端末装置50は表示機能のみを備えた表示専用装置であってもよい。例えば、表示端末装置50は、複数の観客がいる会場に設置されて複数の観客によって見られるような大型モニタであってもよい。
【0069】
表示端末装置50の表示部55には、例えば、ゲームフィールドF(ゲームボード10)の現在の状況を示すゲームフィールド画像が表示される。観客はゲームフィールド画像を見ることによって、ゲームフィールドFの現在の状況を把握できる。
【0070】
図7は、ゲームフィールドF(ゲームボード10)の状況の一例を示し、
図8は、
図7に示す状況である場合のゲームフィールド画像の一例を示す。
【0071】
図7に示す状況では、カード60S-1が裏側守備表示でゾーンZ10に置かれている。また、カード60S-2が表側攻撃表示でゾーンZ12に置かれている。さらに、裏向きで積み重ねられた複数のカード60Sであるカード束600-1(第1プレイヤの山札),600-2,600-3(第2プレイヤの山札),600-4がゾーンZ7,Z1,Z21,Z15にそれぞれに置かれている。なお、カード束600-1には50枚のカード60Sが含まれており、カード束600-2には12枚のカード60Sが含まれていることとする。また、カード束600-3には45枚のカード60Sが含まれており、カード束600-4には15枚のカード60Sが含まれていることとする。
【0072】
図8に示すように、ゲームフィールド画像Gは、ゲームフィールドFの現在の状況を示す。ゲームフィールド画像GにはゾーンZ1~Z30が描かれている。
図8に示すゲームフィールド画像GはパーツPA-1,PA-2,PA-3,PA-4,PB-1,PB-2を含む。
【0073】
パーツPA-1はゾーンZ7に置かれたカード束600-1に対応するオブジェクトであり、ゾーンZ7に関連付けて表示されている。パーツPA-2はゾーンZ1に置かれたカード束600-2に対応するオブジェクトであり、ゾーンZ1に関連付けて表示されている。パーツPA-3はゾーンZ21に置かれたカード束600-3に対応するオブジェクトであり、ゾーンZ21に関連付けて表示されている。パーツPA-4はゾーンZ15に置かれたカード束600-4に対応するオブジェクトであり、ゾーンZ15に関連付けて表示されている。パーツPA-1に記載された数値は、カード束600-1に含まれるカード60Sの枚数を示す。パーツPA-2~PA-4に関しても同様である。
【0074】
パーツPB-1はゾーンZ10に置かれたカード60S-1に対応するオブジェクトであり、ゾーンZ10に関連付けて表示されている。
図7に示す状況では、カード60S-1が裏側守備表示でゾーンZ10に置かれているため、パーツPB-1として、横向きかつ裏向きで置かれたカード60を示す画像(すなわち、横向きに置かれたカード60の裏面62を示す画像)がゾーンZ10に対応する位置に表示されている。言い換えれば、パーツPB-1として、カード60の種類に応じた画像は表示されず、カード60の種類によらない画像がゾーンZ10に対応する位置に表示されている。
【0075】
パーツPB-2はゾーンZ12に置かれたカード60S-2に対応するオブジェクトであり、ゾーンZ12に関連付けて表示されている。
図7に示す状況では、カード60S-2が表側攻撃表示でゾーンZ12に置かれているため、パーツPB-2として、縦向きかつ表向きで置かれたカード60を示す画像(すなわち、縦向きに置かれたカード60の表面61を示す画像)がゾーンZ12に対応する位置に表示されている。言い換えれば、パーツPB-2として、パーツPB-1とは異なり、カード60の種類に応じた画像がゾーンZ12に対応する位置に表示されている。
【0076】
パーツPB-1には、ゾーンZ10に置かれたカード60S-1の情報を表示させるための処理が関連付けられている。このため、パーツPB-1を指定する指定操作(例えばパーツPB-1に対するタップ操作等)が受け付けられた場合には、カード60S-1の情報が表示される。
図9は、パーツPB-1の指定操作が受け付けられた場合のゲームフィールド画像Gの一例を示す。パーツPB-1の指定操作が受け付けられた場合には、
図9に示すように、ゾーンZ10に置かれたカード60S-1の表面61を示す画像がパーツPCとして表示される。
【0077】
通常、観客は、裏向きで置かれたカード60S-1の名称や性能を把握できないが、本実施形態では、パーツPB-1の指定操作に応じて、
図9に示すようなパーツPCが表示されるため、観客は、裏向きで置かれたカード60S-1の名称や性能を把握できる。なお、カード60S-1の表面61を示す画像をパーツPCとして表示させる代わりに、カード60S-1の名称や性能を示すテキストメッセージをパーツPCとして表示させてもよい。
【0078】
パーツPB-1と同様、パーツPB-2には、ゾーンZ12に置かれたカード60S-2の情報を表示させるための処理が関連付けられている。このため、パーツPB-2の指定操作が受け付けられた場合には、カード60S-2の表面61を示す画像がパーツPCとして表示される。パーツPCはパーツPB-2に比べて大きいため、観客はパーツPCを参照することによって、ゾーンZ12に置かれたカード60S-2の名称や性能を把握し易くなる。
【0079】
なお、パーツPA-1には、ゾーンZ7に置かれたカード束600-1に含まれるカード60Sのリストを表示させるための処理を関連付けてもよい。そして、パーツPA-1の指定操作に応じて、カード束600-1に含まれるカード60Sのリストを表示させるようにしてもよい。このようにして、観客がゾーンZ7に置かれたカード束600-1に含まれるカード60Sのリストを把握できるようにしてもよい。パーツPA-2~PA-4に関しても同様である。
【0080】
また、以上では、表示端末装置50で行われる観客の操作に応じて、表示端末装置50の表示部55に表示されるゲームフィールド画像Gが変化する(例えば
図8に示した状態から
図9に示した状態へと変化する)こととして説明したが、情報処理装置40で行われる操作に応じて、表示端末装置50の表示部55に表示されるゲームフィールド画像Gが変化するようにしてもよい。例えば、カードゲームの実況又は解説等を行う代表者によって情報処理装置40の操作部44を用いて行われる指定操作に応じて、
図9に示したパーツPCがゲームフィールド画像G内に表示されるようにしてもよい。
【0081】
また、ゲームフィールド画像Gだけでなく、撮影装置30の撮影画像も表示端末装置50の表示部55に表示させてもよい。例えば、ゲームフィールド画像Gと撮影装置30の撮影画像との両方を表示部55に表示させるようにしてもよい。また例えば、所定の切替指示に応じて、表示部55に表示される画像を、ゲームフィールド画像Gと撮影装置30の撮影画像との間で切り替えるようにしてもよい。
【0082】
[1-3.処理]システム1で実行される処理について説明する。
【0083】
[1-3-1]後述のように、情報処理装置40は、ゲームフィールドFに置かれたカード60Sの種類や状態を読取装置20の読取結果に基づいて特定する特定処理を実行する。この特定処理のためには、カード60のカードIDと、当該カード60を収容しているスリーブ70とが関連付けられている必要がある。このため、カードゲームを開始するのに先立って、カード60のカードIDと、当該カード60を収容しているスリーブ70とを関連付けるための関連付け処理が実行される。
【0084】
[1-3-1-1]
図10は関連付け処理の一例を示すフロー図である。例えば、プレイヤは自らのデッキのうちから1枚のカード60Sを縦向き及び表向きでゲームフィールドFのうちの所定のゾーンZ(例えばゾーンZ11等)に置く。この状態で
図10に示す関連付け処理が実行される。
【0085】
図10に示すように、まず、情報処理装置40の制御部41は撮影装置30の撮影画像を取得する(S400)。そして、制御部41は撮影画像に写っているカード60SのカードID(すなわち、スリーブ70に収容された状態で上記ゾーンZに置かれたカード60のカードID)を撮影画像から特定する(S402)。
【0086】
例えば、記憶部42には、カード60Sが置かれたゲームフィールドFの撮影画像と、当該カード60SのカードID(正解データ)とを含む学習データに基づいて機械学習を実行することによって生成された学習済みモデル(撮影画像に写ったカード60SのカードIDを特定するためのモデル)が予め記憶されている。そして、ステップS402において、制御部41は上記学習済みモデルを使用して、撮影画像に写っているカード60SのカードIDを特定する。
【0087】
なお、記憶部42には、カード60SのカードIDと、カード60Sの外観的特徴を示す外観特徴情報とを関連付けた特徴データを予め記憶しておくようにしてもよい。そして、ステップS402において、制御部41は撮影画像を解析することによって、撮影画像に写っているカード60Sの外観特徴情報を抽出し、抽出した外観特徴情報(又は抽出した外観特徴情報と最も類似する外観特徴情報)と関連付けられたカードIDを、撮影画像に写っているカード60SのカードIDとして特定するようにしてもよい。
【0088】
ステップS402の実行後、制御部41は、読取装置20に読み取られたタグIDを取得する(S404)。カード60Sが上記ゾーンZに置かれた場合には、上記ゾーンZの下に設置された読取装置20によって当該カード60SのICタグ73に記憶されたタグIDが読み取られ、読み取られたタグIDが情報処理装置40に供給される。制御部41はこのようにして供給されるタグIDを取得する。
【0089】
ステップS404の実行後、制御部41は、ステップS402で特定されたカードIDと、ステップS404で取得されたタグIDとの関連付けを関連付けデータD1に登録する(S406)。
【0090】
図11は、記憶部42に記憶される関連付けデータD1の一例を示す。関連付けデータD1は「カードID」及び「タグID」フィールドを含む。「カードID」フィールドは、カードIDを登録するためのフィールドであり、「タグID」フィールドは、タグIDを登録するためのフィールドである。
【0091】
ステップS406において、制御部41は新たなレコードを関連付けデータD1に追加し、ステップS402で特定されたカードIDとステップS404で取得されたタグIDとを、追加したレコードの「カードID」及び「タグID」フィールドに登録する。
【0092】
ステップS406の実行後、関連付け処理が完了したことを示す完了通知が出力される。例えば、完了通知を示す画像が表示部45に表示されたり、完了通知を示す音声が音声出力部46から出力されたりする。完了通知に応じて、プレイヤは上記ゾーンZに置かれたカード60Sを取り除き、自らのデッキのうちから次のカード60Sを縦向き及び表向きで上記ゾーンZに置く。この状態で
図10に示す関連付け処理が再び実行される。
【0093】
第1プレイヤのデッキに含まれる各カード60Sに関して、
図10に示した関連付け処理が実行されることによって、第1プレイヤのデッキに含まれる全カード60Sの情報が関連付けデータD1に登録される。また、第2プレイヤのデッキに含まれる各カード60Sに関しても、
図10に示した関連付け処理が実行されることによって、第2プレイヤのデッキに含まれる全カード60Sの情報が関連付けデータD1に登録される。
【0094】
[1-3-1-2]関連付け処理は
図10に示した処理に限られない。
図12は関連付け処理の他の一例を示すフロー図である。
図10に示した関連付け処理の代わりに、
図12に示す関連付け処理を実行してもよい。
【0095】
なお、
図12に示す関連付け処理は、ICタグ73に情報を書き込むためのICタグライタが上記ゾーンZの下に設置されていることが前提となる。以下では、上記ゾーンZの下に設置された読取装置20がICタグリーダとICタグライタとの両方の機能を備えたICタグリーダ/ライタであることとして説明する。
【0096】
図12に示すように、まず、情報処理装置40の制御部41は撮影装置30の撮影画像を取得する(S420)。そして、制御部41は撮影画像に写っているカード60SのカードIDを撮影画像から特定する(S422)。ステップS420,S422の処理は
図10のステップS400,S402と同様である。
【0097】
ステップS422の実行後、制御部41は、ステップS422で特定されたカードIDを、上記ゾーンZに置かれたカード60SのICタグ73に書き込む(S424)。すなわち、制御部41は、ステップS422で特定されたカードIDの書込指示を、上記ゾーンZの下に置かれた読取装置20に送る。そして、当該書込指示に応じて、読取装置20は、ステップS422で特定されたカードIDを、上記ゾーンZに置かれたカード60SのICタグ73に書き込む。
【0098】
第1プレイヤのデッキに含まれる各カード60Sに関して、
図12に示した関連付け処理が実行されることによって、第1プレイヤのデッキに含まれる各カード60SのICタグ73には当該カード60SのカードIDが記憶される。また、第2プレイヤのデッキに含まれる各カード60Sに関しても、
図12に示した関連付け処理が実行されることによって、第2プレイヤのデッキに含まれる各カード60SのICタグ73には当該カード60SのカードIDが記憶される。この場合、カード60のカードIDと当該カード60を収容しているスリーブ70とを関連付けが、
図11に示したような関連付けデータD1として記憶されるのではなく、各スリーブ70のICタグ73に記憶されることになる。
【0099】
[1-3-1-3]ここでは、システム1を使用して関連付け処理を実行することとして説明したが、システム1を使用して関連付け処理を実行することは必須でない。例えば、撮影装置とICタグリーダ(ICタグリーダ/ライタ)とを備えた関連付け用システムをシステム1とは別個に用意し、当該システムを使用して関連付け処理を実行してもよい。また、カードゲームが開始される時点で関連付けが完了していればよく、関連付けを実行するタイミングはカードゲームの開始直前でなくてもよい。
【0100】
[1-3-2]カードゲームのプレイ中において、情報処理装置40は、ゲームフィールドFに置かれているカード60Sの種類や状態を特定する特定処理を実行する。
図13は特定処理の一例を示すフロー図である。なお、
図13に示す特定処理は、
図11に示した関連付けデータD1が記憶部42に記憶されていることを前提としている。
【0101】
図13に示すように、まず、情報処理装置40の制御部41は撮影装置30の撮影画像を取得する(S430)。そして、制御部41は、ゲームフィールドFに置かれているカード60Sの位置や向きを撮影画像から特定する(S432)。
【0102】
本実施形態では、例えば
図14に示すように、撮影画像Iを縦5×横7に分割してなる35個の領域A1~A35が設定される。このうち、領域A1~A30は、ゲームフィールドFのゾーンZ1~Z30に対応するようにして設定されている。なお、以下では、領域A1~A35の各々を特定する必要がない場合にそれらを総称して単に「領域A」と記載する。
【0103】
ステップS432において、制御部41は、撮影画像の各領域Aにカード60Sが写っているか否かや、写っているカード60Sの向き(縦横の向きや表裏の向き)を特定する。ここで、「カード60Sの縦横の向きを特定する」とは、カード60Sが縦向き及び横向きのいずれで置かれているのかを特定することであり、「カード60Sの表裏の向きを特定する」とは、カード60Sが表向き及び裏向きのいずれで置かれているのかを特定することである。
【0104】
例えば、記憶部42には、カード60Sが置かれたゲームフィールドFの撮影画像と、当該カード60Sが置かれた領域Aや当該カード60Sの向きを示す正解データとを含む学習データに基づいて機械学習を実行することによって生成された学習済みモデル(撮影画像の各領域Aにカード60Sが写っているか否かや、写っているカード60Sの向きを特定するためのモデル)が予め記憶されている。そして、ステップS432において、制御部41は上記学習済みモデルを使用して、撮影画像の各領域Aにカード60Sが写っているか否かや、写っているカード60Sの向きを特定する。
【0105】
なお、記憶部42には、個々のカード60Sごとに、カード60Sの向きと、当該向きで置かれた場合のカード60Sの外観的特徴を示す外観特徴情報とを関連付けたデータを予め記憶しておくようにしてもよい。そして、ステップS422において、制御部41は撮影画像を解析することによって、カード60Sの外観特徴情報が撮影画像の領域Aから抽出されたか否かを判定することによって、当該領域Aにカード60Sが写っているか否かを特定したり、抽出した外観特徴情報から、当該領域Aに写っているカード60Sの向きを特定したりするようにしてもよい。
【0106】
ステップS432における特定結果は第1特定結果データD2に登録される。
図15は第1特定結果データD2の一例を示す。
図15に示すように、第1特定結果データD2は「領域ID」、「縦横フラグ」、及び「表裏フラグ」フィールドを含む。
【0107】
「領域ID」フィールドは、撮影画像に設定される個々の領域Aを一意に識別する情報である領域IDを示す。「縦横フラグ」フィールドは、領域Aに写っているカード60Sの縦横の向きの特定結果を示す縦横フラグを登録するためのフィールドである。例えば、カード60Sが縦向きであると特定された場合には、値「0」が「縦横フラグ」フィールドに登録され、カード60Sが横向きであると特定された場合には、値「1」が「縦横フラグ」フィールドに登録される。また、「表裏フラグ」フィールドは、領域Aに写っているカード60Sの表裏の向きの特定結果を示す表裏フラグを登録するためのフィールドである。例えば、カード60Sが表向きであると特定された場合には、値「0」が「表裏フラグ」フィールドに登録され、カード60Sが裏向きであると特定された場合には、値「1」が「表裏フラグ」フィールドに登録される。領域Aにカード60Sが写っていない場合には「縦横フラグ」及び「表裏フラグ」フィールドは空欄(Null)に設定される。なお、以下では、第1特定結果データD2のレコードのうち、「An」(n:自然数)が「領域ID」フィールドに登録されているレコードのことを「領域ID「An」のレコード」と記載する。
【0108】
例えば
図7に示した状況の場合には、ステップS432において、(a)領域A1,A7,A10,A12,A15,A21の各々にカード60Sが写っていること、(b)領域A10に写っているカード60Sの向きが横向きかつ裏向きであること、(c)領域A12に写っているカード60Sの向きが縦向きかつ表向きであること、及び、(d)領域A1,A7,A15,A21に写っているカード60Sが縦向きかつ裏向きであることが撮影画像から特定され、当該特定結果が第1特定結果データD2に登録される。
【0109】
ステップS432の実行後、制御部41はゲームボード10から供給される各読取装置20の読取結果データを取得し(S434)、ゲームフィールドFに置かれているカード60Sの位置及びカードIDを読取結果データから特定する(S436)。
【0110】
例えば
図7で示す状況の場合には、ゾーンZ10の下に設置されている読取装置20-10は、ゾーンZ10に置かれているカード60S-1のICタグ73に記憶されたタグIDを読み取り、当該タグIDを読取結果データとして情報処理装置40に供給する。そして、制御部41は関連付けデータD1を参照し、読取装置20-10によって読み取られたタグIDと関連付けられたカードIDを特定する。このようにして、ゾーンZ10に置かれたカード60S-1のカードIDが特定される。
【0111】
同様に、ゾーンZ12の下に設置されている読取装置20-12は、ゾーンZ12に置かれているカード60S-2のICタグ73に記憶されているタグIDを読み取り、当該タグIDを読取結果データとして情報処理装置40に供給する。そして、制御部41は関連付けデータD1を参照し、読取装置20-12によって読み取られたタグIDと関連付けられたカードIDを特定する。このようにして、ゾーンZ12に置かれたカード60S-2のカードIDが特定される。
【0112】
また、ゾーンZ7の下に設置されている読取装置20-7は、ゾーンZ7に置かれているカード束600-1に含まれる各カード60SのICタグ73に記憶されているタグIDを読み取り、それらのタグIDを読取結果データとして情報処理装置40に供給する。そして、制御部41は関連付けデータD1を参照し、読取装置20-7によって読み取られた各タグIDと関連付けられたカードIDを特定する。このようにして、ゾーンZ7に置かれたカード束600-1に含まれる各カード60SのカードIDが特定される。ゾーンZ7と同様にして、ゾーンZ1,Z15,Z21に関してもカードIDの特定が行われる。
【0113】
ステップS436における特定結果は第2特定結果データD3に登録される。
図16は第2特定結果データD3の一例を示す。
図16に示すように、第2特定結果データD3は「読取装置ID」及び「カードID」フィールドを含む。
【0114】
「読取装置ID」フィールドは、個々の読取装置20を一意に識別する情報である読取装置IDを示す。
図16では、読取装置20-n(n:自然数)の読取装置IDを「Rn」と記載している。「カードID」フィールドは、読取装置20の読取結果データから特定されたカードIDを登録するためのフィールドである。ICタグ73に記憶されているタグIDを読み取らなかった読取装置20に関しては、「カードID」フィールドが空欄(Null)に設定される。なお、以下では、第2特定結果データD3のレコードのうち、「Rn」(n:自然数)が「読取装置ID」フィールドに登録されているレコードのことを「読取装置ID「Rn」のレコード」と記載する。
【0115】
例えば
図7に示した状況の場合には、読取装置ID「R10」のレコードの「カードID」フィールドに対して、読取装置20-10によって読み取られたタグIDから特定されたカードID(すなわち、ゾーンZ10に置かれたカード60S-1のカードID)が登録される。また、読取装置ID「R12」のレコードの「カードID」フィールドに対して、読取装置20-12によって読み取られたタグIDから特定されたカードID(すなわち、ゾーンZ12に置かれたカード60S-2のカードID)が登録される。
【0116】
さらに、読取装置ID「R7」のレコードの「カードID」フィールドに対して、読取装置20-7によって読み取られた複数のタグIDから特定されたカードIDのリスト(すなわち、ゾーンZ7に置かれたカード束600-1に含まれるカード60SのカードIDのリスト)が登録される。読取装置ID「R1」,「R15」,「R21」のレコードの「カードID」フィールドに関しても同様である。なお、読取装置ID「R1」,「R7」,「R10」,「R12」,「R15」,「R21」のレコード以外のレコードの「カードID」フィールドは空欄(Null)に設定される。
【0117】
なお、ここでは、
図10に示した関連付け処理によって
図11に示した関連付けデータD1が記憶部42に登録されている場合を前提として説明したが、
図12に示した関連付け処理によってカード60SのカードIDが当該カード60SのICタグ73に登録されている場合には、下記に説明するような処理がステップS436において実行される。
【0118】
例えば
図7に示した状況の場合、ゾーンZ10の下に設置されている読取装置20-10は、ゾーンZ10に置かれているカード60SのICタグ73に記憶されているカードIDを読み取り、当該カードIDを読取結果データとして情報処理装置40に供給する。そして、制御部41は、読取装置20-10によって読み取られたカードIDを、読取装置ID「R10」のレコードの「カードID」フィールドに登録する。ゾーンZ12に関しても同様である。
【0119】
また、ゾーンZ7の下に設置されている読取装置20-7は、ゾーンZ7に置かれているカード束600-1に含まれる各カード60SのICタグ73に記憶されているカードIDを読み取り、それらのカードIDを読取結果データとして情報処理装置40に供給する。そして、制御部41は、読取装置20-7によって読み取られた複数のカードIDを、読取装置ID「R7」のレコードの「カードID」フィールドに登録する。ゾーンZ1,Z15,Z21に関しても同様である。
【0120】
ステップS436の実行後、制御部41は、第1特定結果データD2と第2特定結果データD3とに基づいて、ゲームフィールド状況データD4を生成する(S438)。
【0121】
図17はゲームフィールド状況データD4の一例を示す。ゲームフィールド状況データD4は、ゲームフィールドFの現在の状況を示すデータである。より具体的には、ゲームフィールド状況データD4は、ゲームフィールドF内の各ゾーンZの現在の状況(ゾーンZにカード60Sが置かれているか否かや、ゾーンZに置かれているカード60Sの種類及び配置形式)を示すデータである。
【0122】
図17に示すように、ゲームフィールド状況データD4は「ゾーンID」、「カードID」、「縦横フラグ」、及び「表裏フラグ」フィールドを含む。「ゾーンID」フィールドは、ゲームフィールドF内の個々のゾーンZを一意に識別する情報であるゾーンIDを示す。「カードID」フィールドは、第2特定結果データD3の「カードID」フィールドと同様である。「縦横フラグ」及び「表裏フラグ」フィールドは、第1特定結果データD2の「縦横フラグ」及び「表裏フラグ」フィールドと同様である。なお、以下では、ゲームフィールド状況データD4のレコードのうち、「Zn」(n:自然数)が「ゾーンID」フィールドに登録されているレコードのことを「ゾーンID「Zn」のレコード」と記載する。
【0123】
ステップS438において、制御部41は、第1特定結果データD2の「領域ID」フィールドと第2特定結果データD3の「読取装置ID」フィールドとを照合して、第1特定結果データD2と第2特定結果データD3とを合成することによって、ゲームフィールド状況データD4を生成する。
【0124】
例えば、第2特定結果データD3のレコードのうちの、読取装置ID「R1」のレコードと、第1特定結果データD2のレコードのうちの、領域ID「A1」のレコードとはともにゾーンZ1に対応する読取装置20-1又は領域A1に関するレコードであり、これらのレコードは互いに対応している。このため、制御部41は、第2特定結果データD3のレコードのうちの、読取装置ID「R1」のレコードの「カードID」フィールドに登録されたカードIDと、第1特定結果データD2のレコードのうちの、読取装置ID「R1」に対応するレコードである領域ID「A1」のレコードの「縦横フラグ」及び「表裏フラグ」フィールドに登録された縦横フラグ及び表裏フラグとの組み合わせを、ゾーンZ1の現在の状況を示す情報として、ゲームフィールド状況データD4に登録する。すなわち、制御部41は、当該組み合わせを、ゲームフィールド状況データD4のレコードうちの、ゾーンID「Z1」のレコードの「カードID」、「縦横フラグ」、及び「表裏フラグ」フィールドに登録する。ゾーンZ2~Z30に関しても同様である。
【0125】
[1-3-3]カードゲームのプレイ中には、ゲームフィールド画像Gを表示端末装置50の表示部55に表示させるための表示制御処理が実行される。例えば、記憶部42には、カードIDとカード60の情報及び画像(表面61)とを関連付けてなるカードデータが記憶されており、ゲームフィールド画像Gは、このカードデータとゲームフィールド状況データD4とに基づいて表示される。
図18は表示制御処理の一例を示す。
【0126】
図18に示すように、情報処理装置40の制御部41は通信部43を介して、ゲームフィールド画像Gに関するデータを表示端末装置50に送信し(S440)、表示端末装置50は通信部53を介して、当該データを受信する(S500)。そして、表示端末装置50の制御部51は当該データに基づいて、ゲームフィールド画像Gを表示部55に表示させる(S502)。
【0127】
ここで、「ゲームフィールド画像Gに関するデータ」とは、ゲームフィールド画像Gを表示端末装置50(表示部55)に表示するために必要なデータである。例えば、カードデータやゲームフィールド状況データD4が「ゲームフィールド画像Gに関するデータ」の一例に相当する。カードデータは表示端末装置50の記憶部52に予め記憶されていてもよく、その場合、カードデータを表示端末装置50に送信する必要はない。なお、ゲームフィールド画像G自体を「ゲームフィールド画像Gに関するデータ」として表示端末装置50に送信するようにしてもよい。
【0128】
また、ゲームフィールド画像Gを生成する際には、ゲームフィールド状況データD4に登録されたカード60Sの表裏フラグが「1」であるか否か(言い換えれば、ステップS432で特定されたカード60Sの向きが裏向きであるか否か)が判定される。そして、その判定結果に応じて、当該カード60Sを示すパーツがゲームフィールド画像G内に表示される。
【0129】
例えば、カード60Sの表裏フラグが「1」でない場合(言い換えれば、ステップS432で特定されたカード60Sの向きが裏向きでなく表向きである場合)には、当該カード60Sを示すパーツとして、例えば
図7に示したパーツPB-2のような、当該カード60Sの表面61を示す画像がゲームフィールド画像G内に表示される。すなわち、カード60Sを示すパーツとして、ゲームフィールド状況データD4に登録された当該カード60SのカードIDに応じた画像(言い換えれば、ステップS432で特定された当該カード60Sの種類に応じた画像)が表示される。
【0130】
一方、カード60Sの表裏フラグが「1」である場合(すなわち、ステップS432で特定されたカード60Sの向きが裏向きである場合)には、当該カード60Sを示すパーツとして、例えば
図7に示したパーツPB-1のような、当該カード60Sの裏面62を示す画像がゲームフィールド画像G内に表示される。すなわち、カード60Sを示すパーツとして、ゲームフィールド状況データD4に登録された当該カード60SのカードIDによらない画像(言い換えれば、ステップS432で特定された当該カード60Sの種類によらない画像)が表示される。
【0131】
なお、ゲームフィールド画像Gを情報処理装置40の表示部45に表示させるようにしてもよい。すなわち、情報処理装置40の制御部41は、ゲームフィールド状況データD4に基づいて、ゲームフィールド画像Gを表示部45に表示させるようにしてもよい。
【0132】
[1-3-4]
図19は、ゲームフィールド画像Gが表示されている間に表示端末装置50で繰り返し実行される処理の一例を示す。
【0133】
図19に示すように、表示端末装置50の制御部51は、カード指定操作を受け付けた否かを判定する(S510)。「カード指定操作」とは、ゲームフィールド画像Gに表示されているカード60Sを指定する操作である。例えば、
図8に示したゲームフィールド画像Gの場合、パーツPB-1又はPB-2の指定操作(例えばパーツPB-1又はPB-2に対するタップ操作等)が「カード指定操作」に相当する。
【0134】
カード指定操作を受け付けたと判定された場合(S510:Yes)、制御部51は、指定されたカード60Sのカード画像を表示させる(S512)。例えば、
図9に示したパーツPCが「カード画像」に相当する。例えば、
図8に示したゲームフィールド画像Gが表示部55に表示されている状態で、ゾーンZ10に置かれたカード60S-1に対応するパーツPB-1の指定操作が行われた場合、制御部51は、ゾーンZ10に置かれたカード60S-1の表面61を示すパーツPCを表示させる。
【0135】
図19では省略しているが、パーツPCが表示されている状態で所定の消去指示操作(例えばパーツPCを指定する指定操作等)が行われた場合、制御部51はパーツPCを消去する。
【0136】
なお、表示端末装置50がカード指定操作を受け付けた場合に、カード指定操作を受け付けた旨の通知を表示端末装置50から情報処理装置40に送信し、情報処理装置40の制御部41が
図9に示したようなゲームフィールド画像Gを生成して表示端末装置50に返信することによって、当該ゲームフィールド画像Gを表示端末装置50に表示させるようにしてもよい。
【0137】
また、ゲームフィールド画像Gが情報処理装置40の表示部45に表示されている場合には、
図19に示した処理が情報処理装置40の制御部41によって実行される。
【0138】
[1-4.効果]以上に説明した第1実施形態によれば、ゲームフィールドFを撮影する撮影装置30の撮影画像だけでなく、カード60SのICタグ73に記憶される情報を読み取る読取装置20の読取結果も使用して、ゲームフィールドFに置かれたカード60Sの種類及び状態(位置や向き等)を特定できる。第1実施形態によれば、撮影装置30の撮影画像から特定できない(又は特定しにくい)事項を読取装置20の読取結果に基づいて特定できる。
【0139】
例えば、カード60Sが裏向きでゲームフィールドFに置かれている場合(すなわち、表面61が撮影装置30の撮影画像に写らない状態でカード60Sが置かれている場合)であっても、読取装置20の読取結果に基づいて、カード60Sの種類を特定したり、カード60Sの表面61に記された情報(名称や性能等)を特定したりすることができる。また例えば、ホログラム加工等がカード60Sに施されていたとしても、読取装置20の読取結果に基づいて、カード60Sの種類を特定したり、カード60Sの表面61に記された情報(名称や性能等)を特定したりすることができる。また例えば、複数のカード60Sが積み重ねて置かれている場合であっても、読取装置20の読取結果に基づいて、これら複数のカード60Sの種類を特定できる。
【0140】
また第1実施形態では、撮影装置30の撮影画像からの特定結果(第1特定結果)には、カード60Sの位置及び向きに関する特定結果が含まれ、読取装置20の読取結果からの特定結果(第2特定結果)には、カード60Sの位置及び種類に関する特定結果が含まれるため、カード60Sの位置に関する特定結果(位置特定結果)が第1特定結果と第2特定結果との両方に含まれる。このため、複数のカード60SがゲームフィールドFに置かれている場合であっても、第1特定結果と第2特定結果との両方に含まれる位置特定結果を照合することによって、同一のカード60Sに関する第1特定結果と第2特定結果との組合せを特定できる。すなわち、複数のカード60SがゲームフィールドFに置かれている場合であっても、個々のカード60Sごとに、種類、位置、及び向きの組合せを特定できる。
【0141】
また第1実施形態では、ICタグ73がスリーブ70に備えられるため、カード60自体がICタグを備えていない場合であっても、カード60をスリーブ70に収容して使用することにより、カード60の種類や状態を読取装置20の読取結果から特定することが可能になる。
【0142】
すなわち、カード60自体がICタグを備えている必要がないため、例えば、ICタグを備えていない既存のカード60を使用することが可能になる。
【0143】
また、カード60自体がICタグを備えるようにした場合には、カード60のICタグが故障した場合にそのカード60を使用できなくなってしまい、プレイヤが不満を感じてしまうおそれがある。カード60の中には希少性の高いものもあり、このような希少性の高いカード60がICタグの故障により使用できなくなってしまうと、プレイヤが大きな不満を感じてしまうおそれがある。この点、スリーブ70がICタグ73を備える場合には、ICタグ73が故障したとしても、スリーブ70を交換することによってカード60を使用し続けることができる。
【0144】
また第1実施形態では、ICタグ73がスリーブ70の裏面部72に備えられるため、スリーブ70に収容されたカード60の表面61がICタグ73によって隠されて見難くなってしまうことを抑制できる。
【0145】
また第1実施形態では、スリーブ70の裏面部72の外観が全スリーブ70と共通になっているため、裏面部72の外観から個々のスリーブ70を区別できないように担保できる。
【0146】
また第1実施形態では、ゲームフィールド画像Gが表示端末装置50に表示されるため、観客(表示端末装置50を見る人)がゲームフィールドFの現在の状況を把握しやすくなる。
【0147】
また第1実施形態では、カード60Sが裏向きでゲームフィールドFに置かれている場合(すなわち、表面61が見えない状態でカード60Sが置かれている場合)であっても、カード60Sの表面61を示すパーツPCがゲームフィールド画像Gに表示されるため、観客に対して、本来であれば知ることができない、裏向きで置かれたカード60Sの表面61に記された情報(名称や性能等)を知ることができるという新たな興趣を提供できる。その結果、カードゲームを観客として見る場合の興趣を向上できる。
【0148】
なお第1実施形態では、裏向きで置かれたカード60Sを指定する指定操作(例えば
図8のパーツPB-1を指定する指定操作)を受け付けた場合に、当該カード60Sの表面61を示すパーツPCが表示されるため、例えば、裏向きで置かれたカード60Sの情報(名称や性能等)を原則として知ることができないようにしておき、観客が望む場合に限って、上記指定操作を行うことにより、知ることができるようにすることができる。
【0149】
[1-5.変形例]第1実施形態における変形例について説明する。
【0150】
[1-5-1]以上に説明した実施形態では、スリーブ70がICタグ73を備えていたが、スリーブ70がICタグ73を備えるのではなく、ICタグ73を備えた物体とカード60とをスリーブ70に収容するようにしてもよい。
【0151】
例えば、
図20に示すような、カード60とともにスリーブ70に収容される物体80がICタグ73を備えるようにしてもよい。物体80は、ICタグ73と読取装置20との間の信号の送受信を妨げない材料によって形成される。例えば、物体80は、カード60と相似形状を有するシート状の物体である。
図20に示す例では、物体80の形状及び大きさがカード60と同一(又は略同一)になっているが、物体80の形状及び大きさはカード60と異なっていてもよい。なお、ICタグ73は物体80のどちらの面に取り付けられてもよい。
【0152】
カード60は表面61とスリーブ70の表面部71とが対向するようにしてカード60はスリーブ70に収容され、物体80はカード60の裏面62とスリーブ70の裏面部72との間に収容される。カードゲームで用いられる際には、カード60と物体80との両方がスリーブ70に収容された状態で用いられる。なお、カードゲームで用いられる際にカード60と物体80との両方がスリーブ70に収容された状態になっていればよく、カード60をスリーブ70に収容する際に、カード60と物体80とをまとめて同時にスリーブ70に収容する必要はない。カード60をスリーブ70に収容した後で物体80をスリーブ70に収容してもよいし、物体80をスリーブ70に収容した後でカード60をスリーブ70に収容してもよい。カード60と物体80とをまとめて同時にスリーブ70に収容してもよい。
【0153】
以上のような物体80をカード60とともにスリーブ70に収容するようにしても、ICタグ73をスリーブ70に取り付けた場合と同様、撮影装置30の撮影画像から特定できない(又は特定しにくい)事項を読取装置20の読取結果から特定できるようになる。また、カード60自体がICタグを備えていない場合であっても、カード60を物体80とともにスリーブ70に収容することにより、カード60の種類や状態を読取装置20の読取結果から特定することが可能になる。
【0154】
[1-5-2]カード60自体(例えば裏面62)がICタグ73を備えてもよい。このようにしても、撮影装置30の撮影画像から特定できない(又は特定しにくい)事項を読取装置20の読取結果に基づいて特定できるようになる。
【0155】
[1-5-3]カードゲームを開始する前、プレイヤのデッキが山札としてゾーンZ7又はZ21に置かれた時点で
図13に示した特定処理を実行し、ゲームフィールド状況データD4に基づき、ゾーンZ7又はZ21に置かれたプレイヤのデッキがルールに則ったものであるか否かを判定するようにしてもよい。そして、デッキがルールに則っていない場合には警告通知を出力するようにしてもよい。
【0156】
[1-5-4]以上では、ゾーンZに置かれたカード60SのICタグ73に記憶されている情報が他のゾーンZの下に設置された読取装置20によって読み取られることがないこととして説明したが、カード60SのICタグ73に記憶されている情報が複数の読取装置20によって読み取られた場合には、それらの複数の読取装置20のうちで、ICタグ73から受信した信号の強度の最も強い読取装置20を、ICタグ73に記憶されている情報を読み取った読取装置20とみなすようにしてもよい。例えば、カード60SのICタグ73に記憶されている情報が読取装置20-9,20-10によって読み取られた場合、読取装置20-10の方が読取装置20-9よりも受信信号強度が強ければ、カード60SがゾーンZ10に置かれていると特定するようにしてもよい。
【0157】
[1-5-5]以上に説明した実施形態では、ゾーンZ1~Z30にそれぞれ対応する複数の位置に読取装置20-1~20-30を設置していたが、このようにする代わりに、格子状に配設されたアンテナを備えた読取装置20をゲームボード10の筐体11の内部に設置してもよい。
【0158】
例えば
図21に示すように、読取装置20のアンテナとして、第1方向(例えば縦方向)に伸びる複数の第1アンテナ21を所定間隔で配設し、第2方向(例えば横方向)に伸びる複数の第2アンテナ22を所定間隔で配設してもよい。この場合、ICタグ73からの信号を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ(言い換えれば、ICタグ73から受信した信号の強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ)を特定することによって、カード60Sが置かれた位置を特定できる。例えば、ICタグ73からの信号を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22(言い換えれば、受信信号強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22)の交点を、カード60Sが置かれた位置として特定できる。
【0159】
[1-5-6]以上では、スリーブ70がカード60とは別個に提供(販売等)されることとして説明したが、スリーブ70はカード60とともに提供されてもよい。この場合、カードIDがICタグ73(ICチップ)に記憶された状態でスリーブ70が提供されてもよい。
【0160】
[1-5-7]プレイヤによってプレイされるカードゲームは、以上に説明したカードゲームに限られない。例えば、ゲームフィールドF内に設定されるゾーンZの位置及び数は
図3に示した例に限られない。また、カードゲームによっては、ゾーンZ1~Z30のような、カード60を置く領域が限定されておらず、プレイヤがゲームフィールドF内の任意の位置にカード60を置くことが可能な場合もある。なお、
図21に示した変形例によれば、プレイヤがゲームフィールドF内の任意の位置にカード60を置く場合であっても、カード60が置かれた位置を特定できる。
【0161】
[1-5-8]プレイヤによってプレイされるゲームは、カード60以外の遊戯媒体を使用して行われるゲームであってもよい。例えば、プレイヤによってプレイされるゲームは、フィギュア、駒、又は牌等の遊戯媒体や、碁石のような形状を有する遊戯媒体を使用して行われるゲームであってもよい。
【0162】
[1-6.機能要素]システム1に含まれる機能要素について説明する。
図22は、システム1に含まれる機能要素について説明するための機能ブロック図である。
【0163】
[1-6-1]システム1は、対象面上に置かれる対象物100を使用して行われるゲームに関連するシステムであり、当該ゲームに関連する機能要素を含む。
【0164】
「対象面上に置かれる対象物100を使用して行われるゲーム」とは、例えば、対象物100を対象面上に置くことによって進行するゲームであり、具体的には、対象面上に置かれた対象物100の種類又は状態(位置又は向き等)がゲームの進行又は結果(勝敗、成否、又は得点等)に影響を及ぼすようなゲームである。例えば、2人のプレイヤが互いに遊戯媒体をゲームフィールド上に置くことによって対戦するゲームが上記「ゲーム」の一例に相当する。例えば、先述のような、2人のプレイヤが互いにカード60をゲームフィールドF上に置くことによって対戦するカードゲームが「対象面上に置かれる対象物100を使用して行われるゲーム」の一例に相当する。
【0165】
なお、上記「ゲーム」は、2人のプレイヤが対戦するゲームに限られず、3人以上のプレイヤが対戦するゲームであってもよいし、プレイヤが1人でプレイするゲームであってもよい。また、上記「ゲーム」は、2人以上のプレイヤが協力して目的の達成を目指すゲームであってもよい。
【0166】
「対象面」とは、実世界に設けられた面であり、対象物100が置かれる対象の面である。例えば、「対象面」は「ゲームフィールド」又は「プレイフィールド」等と呼ばれる。「対象面」は平面であってもよいし、対象物100を置くことが可能であれば、凹凸が有した面であってもよいし、曲面であってもよい。
【0167】
対象物100は、対象面に置かれる対象となる実在の物体であり、ゲームで使用される対象となる物体である。例えば、対象物100は、遊戯媒体を収容体に収容してなる物体である。すなわち、対象物100は、収容体に収容された遊戯媒体である。言い換えれば、対象物100は、遊戯媒体が収容された収容体である。また例えば、対象物100は、遊戯媒体自体(遊戯媒体単体)であってもよい。
【0168】
「遊戯媒体」は、例えばカード、フィギュア、駒、牌等である。「遊戯媒体」は、碁石のような形状を有する物体であってもよい。
【0169】
「収容体」とは、個々の遊戯媒体を収容することが可能な物体である。言い換えれば、「収容体」とは、遊戯媒体を挿入可能な被挿入体である。「収容体」は遊戯媒体を保護するために使用される。「収容体」は少なくとも一部が透明に構成されており、収容された遊戯媒体の少なくとも外観的特徴部分(他の遊戯媒体と区別可能な外観的な特徴を有する部分)を収容体外から視認可能に構成されている。例えば、「収容体」は袋状の物体であり、「スリーブ」等と呼ばれる。
【0170】
例えば、対象物100は、情報が記された面である記載面を含む。「記載面」とは、対象物100に関する情報が記された面である。例えば、対象物100の種類に応じた情報が記載面に記される。言い換えれば、対象物100の種類に固有の情報が記載面に記される。例えば、対象物100の種類に固有のテキスト又は図柄等が記載面に記される。記載面に記される情報は、対象物100の種類から特定することが可能な情報ということもできる。
【0171】
例えば、対象物100が、遊戯媒体が収容体に収容されたもの(又は遊戯媒体単体)である場合、収容体に収容された遊戯媒体に関する情報が記載面に記される。例えば、対象物100が、カードがスリーブに収容されたもの(又はカード単体)である場合、カードの名称、属性、ゲームの進行又は結果に与える影響の内容、又は、図柄等が記載面に記される。
【0172】
また、「記載面」とは、この面が撮影画像に写っていれば撮影画像から対象物100の種類を特定できるような面である。すなわち、「記載面」とは、対象物100の種類を特定可能な内容が記された面である。
【0173】
なお、「記載面」に記される情報は、対象物100に関する情報に限られず、ゲームに関する情報であってもよい。
【0174】
また例えば、対象物100は、第1面部と、第1面部とは別の第2面部とを含む。例えば、第2面部は第1面部とは反対側にある面部である。第1面部の外側面の法線方向と第2面部の外側面の法線方向との間の角度は180度又は略180度である。第1面部の外側面と対象面とが接するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合には第2面部の外側面が上を向いた状態となり、第2面部の外側面と対象面とが接するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合には第1面部の外側面が上を向いた状態となるような関係を第1面部及び第2面部は有する。
【0175】
対象物100が、遊戯媒体が収容体に収容されてなる物体である場合、収容体が第1面部と第2面部とを含み、遊戯媒体が記載面を含む。遊戯媒体が収容体に収容されていない状態では第1面部の内側面と第2面部の内側面とが対向し、遊戯媒体が収容体に収容された状態では第1面部(第1面部の内側面)と遊戯物体の記載面とが対向する。例えば、第1面部の全部又は一部は透明な素材(透明フィルム等)を使用して形成されており、第1面部は、収容体に収容された遊戯物体の記載面を収容体外から第1面部を介して視認可能に構成されている。遊戯媒体がカードである場合、カードを収容体に収容した状態では、第1面部の内側面とカードの第1面(例えば表面・記載面)とが対向し、第2面部の内側面とカードの第2面(例えば裏面)とが対向する。
【0176】
図22に示すように、対象物100は保持部101を含む。保持部101は、下記に説明するような特定情報を保持するためのものである。例えば、保持部101は、上述の記載面とは異なる面に備えられる。つまり、対象物100は、上述の記載面と、保持部101を備えた面である保持面とを含む。
【0177】
例えば、特定情報は、対象面上に置かれた対象物100の種類又は状態を特定するための情報である。すなわち、特定情報は、対象面上に置かれた対象物100の種類及び状態の少なくとも一方を特定するための基礎となる情報である。言い換えれば、特定情報は、対象物100の種類を特定するための基礎となる情報と、対象物100の状態を特定するための基礎となる情報との少なくとも一方を含む。なお、「対象物100の種類を特定するための基礎となる情報」は、対象物100の種類自体を示す情報(言い換えれば、対象物100の種類を識別する情報)であってもよい。また、「対象物100の状態を特定するための基礎となる情報」は、対象物100の状態自体を示す情報であってもよい。
【0178】
対象物100が、遊戯媒体が収容体に収容されたもの(又は遊戯媒体単体)である場合、特定情報は、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体(又は対象面上に置かれた遊戯媒体単体)の種類又は状態を特定するための情報である。すなわち、特定情報は、収容体に収容された遊戯媒体(又は遊戯媒体単体)の種類を特定するための基礎となる情報と、収容体に収容された遊戯媒体(又は遊戯媒体単体)の状態を特定するための基礎となる情報との少なくとも一方を含む。
【0179】
収容体を一意に識別する識別情報である収容体IDと、当該収容体に収容された遊戯媒体の種類を一意に識別する識別情報である遊戯媒体IDとを関連付けたデータが存在し、収容体IDに基づいて、収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定可能な場合には、収容体IDが「収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報」の一例に相当する。なお、保持部101を一意に識別する識別情報を収容体IDとして用いることができる。例えば、保持部101がICタグである場合には、個々のICタグを一意に識別する識別情報であるタグIDを収容体IDとして用いることができる。
【0180】
また、収容体に収容された遊戯媒体の種類自体を示す情報(言い換えれば、遊戯媒体の種類を識別する情報)も「収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報」の一例に相当し得る。具体的には、遊戯媒体の種類を一意に識別する識別情報である遊戯媒体IDも「収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報」の一例に相当し得る。
【0181】
また例えば、特定情報は、対象面上に置かれた対象物100の記載面に記された情報を特定するための情報である。すなわち、特定情報は、対象面上に置かれた対象物100の記載面に記された情報を特定するための基礎となる情報である。例えば、記載面に記された情報が対象物100の種類に関連した情報であり、対象物100の種類が特定されれば、記載面に記された情報を特定できる場合、対象物の種類を特定するための基礎となる情報が「対象物100の記載面に記された情報を特定するための基礎となる情報」に相当する。
【0182】
先述のカードゲームでは、ゲームフィールドF(言い換えればマット12)が「対象面」の一例に相当する。また、カード60が「遊戯媒体」の一例に相当し、スリーブ70が「収容体」の一例に相当する。そして、ICタグ73を備えたスリーブにカード60が収容されたものであるカード60Sが対象物100の一例に相当する。また、スリーブ70の表面部71及び裏面部72がそれぞれ「第1面部」及び「第2面部」の一例に相当する。さらに、カード60Sの表面61が「記載面」の一例に相当し、スリーブ70の裏面部72の内側面が「保持面」の一例に相当する。
【0183】
また、カード60SのICタグ73が保持部101の一例に相当する。そして、タグIDが「保持部101に保持される特定情報」(収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報)の一例に相当する。なお、
図12に示した関連付け処理が実行された場合には、ICタグ73に書き込まれたカードIDが「保持部101に保持される特定情報」(収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報)の一例に相当する。
【0184】
なお、
図20に示した変形例の場合、ICタグ73を備えた物体80とカード60とがスリーブ70に収容されたものであるカード60Sが対象物100の一例に相当し、物体80に備えられたICタグ73が保持部101の一例に相当する。また、カード60自体がICタグ73を備える変形例の場合、カード60単体が対象物100の一例に相当し、カード60に備えられたICタグ73が保持部101の一例に相当する。
【0185】
[1-6-2]システム1は、対象面上に置かれた対象物100の種類及び状態を特定するための機能要素や、対象面上に置かれた対象物100に関する表示を表示部170に表示させるための機能要素として、撮影部110と、撮影画像取得部120と、読取部130と、読取結果取得部140と、特定部150と、表示制御部160とを含む。
【0186】
[1-6-3]撮影部110は対象物100が置かれる対象面を撮影する。例えば、撮影部110は対象面の上方から対象面を撮影する。撮影部110は、対象面全体を撮影可能なものであってもよいし、対象面のうち、対象物100が置かれる可能性のある領域のみを撮影可能なものであってもよい。本実施形態では撮影装置30が撮影部110に相当する。
【0187】
[1-6-4]読取部130は、対象面上に置かれる対象物100の保持部101に保持される情報を読み取る。
【0188】
対象物100は、情報が記された記載面と、保持部101を備えた面である保持面とを含んでおり、読取部130は、記載面と対象面とが対向するようにして対象面上に置かれる対象物の保持面の保持部101に保持される情報を読み取ることが可能である。
【0189】
例えば、保持部101はICタグであり、読取部130は、ICタグに記憶される情報を読み取る。すなわち、読取部130は1又は複数のICタグリーダを含む。例えば、読取部130は、対象面の複数の位置にそれぞれ対応する複数の位置に設置された複数のICタグリーダを含む。また例えば、読取部130は、対象面の複数の位置を通るように配設されたアンテナを備えたICタグリーダを含む。言い換えれば、読取部130は、ICタグから送信される信号を受信するアンテナであって、対象面上の複数の位置とそれぞれ対応するようにして設置された複数のアンテナを含み、対象物100に備えられるICタグに記憶される情報を読み取る。本実施形態では、ゲームフィールドFの複数のゾーンZ1~Z30とそれぞれ対応するようにして設置された読取装置20-1~20-30が読取部130に相当する。なお、
図21に示した変形例の場合には、ゲームフィールドFの複数の位置とそれぞれ対応する対応する複数の位置を通るように配設されたアンテナ(第1アンテナ21及び第2アンテナ22)を備えた読取装置20が読取部130に相当する。
【0190】
先述のカードゲームの例の場合、スリーブ70のICタグ73が保持部101の一例に相当し、スリーブ70に収容されたカード60の表面61が「記載面」の一例に相当し、スリーブ70の裏面部72の内側面が「保持面」の一例に相当する。
【0191】
先述のカードゲームの例の場合、読取部130は、ゲームフィールドFに置かれたカード60SのICタグ73に記憶されたタグID(保持部101を識別をする情報の一例)を読み取る。
【0192】
なお、
図12に示した関連付け処理が実行された場合には、カード60SのカードID(対象物100の種類を識別する情報の一例)がカード60SのICタグ73に記憶されているため、読取部130は、ゲームフィールドFに置かれたカード60SのICタグ73に記憶されたカードIDを読み取る。
【0193】
[1-6-5]撮影画像取得部120は撮影部110の撮影画像を取得する。読取結果取得部140は読取部130の読取結果を取得する。特定部150は、撮影部110の撮影画像と、読取部130の読取結果とに基づいて、対象面上に置かれた対象物100の種類及び状態を特定する。例えば、撮影画像取得部120、読取結果取得部140、及び特定部150は情報処理装置40の制御部41によって実現される。
【0194】
「対象物100の種類を特定する」とは、対象面上に置かれた対象物100が複数種類の対象物100のいずれであるのかを特定することである。すなわち、複数種類の対象物100のうちの1又は複数の対象物100が対象面に置かれ得るようになっており、対象面上に置かれた対象物100の少なくともいずれかが複数種類の対象物100のいずれであるのかを特定することが「対象物100の種類を特定する」に相当する。例えば、各対象物100には、対象物100の種類を識別する識別情報が割り当てられており、対象面上に置かれた対象物100の識別情報を特定することが「対象物100の種類を特定する」に相当する。なお、対象物100が収容体に収容された遊戯媒体である場合、収容体に収容された遊戯媒体の種類(識別情報)を特定することが「対象物100の種類を特定する」に相当する。
【0195】
「対象物100の状態を特定する」とは、例えば、対象面上に置かれた対象物100の位置を特定することを含む。
【0196】
また、「対象物100の状態を特定する」とは、例えば、対象面上に置かれた対象物100の置かれ方(配置形式)を特定することを含む。具体的には、対象面上に置かれた対象物100の向きを特定することが「対象物100の状態を特定する」ことの一例に相当する。なお、対象物100の「向き」とは、対象物100の基準方向が向いている方向である。
【0197】
例えば、対象物100が矩形状の物体である場合、対象物100の長辺方向が「基準方向」の一例に相当する。この場合、対象物100の長辺方向がいずれの方向を向いた状態であるのかを特定することが「対象物100の向きを特定する」ことの一例に相当する。例えば、対象物100の長辺方向が第1方向を向いた状態で対象物100が置かれているか、対象物100の長辺方向が第2方向を向いた状態で対象物100が置かれているかを特定することが「対象物100の向きを特定する」ことの一例に相当する。より具体的には、対象物100が縦向きの状態(特定の視点(プレイヤ又は撮影部110等)から見て縦長に見える状態)で置かれているか、対象物100が横向きの状態(特定の視点から見て横長に見える状態)で置かれているかを特定することが「対象物100の向きを特定する」ことの一例に相当する。
【0198】
また例えば、対象物100の特定面(表面等)の法線方向が「基準方向」の一例に相当する。この場合、カードの特定面(表面等)の法線方向がいずれの方向を向いた状態であるのかを特定することが「対象物100の向きを特定する」ことの一例に相当する。例えば、上記法線方向が第1方向を向いた状態で対象物100が置かれているか、上記法線方向が第2方向を向いた状態で対象物100が置かれているかを特定することが「対象物100の向きを特定する」ことの一例に相当する。より具体的には、対象物100が表面を上に向けた状態(特定の視点から表面が見える状態)で置かれているか、裏面を上に向けた状態(特定の視点から裏面が見える状態:裏返しの状態)で置かれているのかを特定することが「対象物100の向きを特定する」ことの一例に相当する。
【0199】
また例えば、対象物100が収容体に収容されたフィギュア又はフィギュア単体である場合、フィギュアの正面方向が「基準方向」の一例に相当する。この場合、フィギュアの正面方向がいずれの方向を向いているかを特定することが「対象物100の向きを特定する」ことの一例に相当する。
【0200】
なお、対象物100が収容体に収容された遊戯媒体である場合、収容体に収容された遊戯媒体の状態を特定することが「対象物100の状態を特定する」ことに相当する。
【0201】
また、特定部150によって特定される「対象物100の状態」とは、「対象物100の状態」という文言に含まれ得る事項のうち、ゲームの進行や結果に影響を及ぼす事項である。言い換えれば、特定部150によって特定される「対象物100の状態」とは、「対象物100の状態」という文言に含まれ得る事項のうち、ゲーム進行上意味がある事項や、表示部170を見る者にとって重要な事項である。
【0202】
例えば、特定部150は、対象面上に置かれた対象物100の種類及び状態に関する事項のうち、一部の事項を撮影部110の撮影画像に基づいて特定し、他の事項を読取部130の読取結果に基づいて特定する。
【0203】
[1-6-6]
図22に示すように、特定部150は第1特定部151と第2特定部152とを含む。
【0204】
[1-6-6-1]第1特定部151は、撮影部110の撮影画像に基づいて、対象面上に置かれた対象物100の位置を特定する。また、第1特定部151は、撮影部110の撮影画像に基づいて、対象面上に置かれた対象物100の向きを特定する。
【0205】
例えば、第1特定部151は、対象物100が置かれた対象面の撮影画像データと、当該対象物100の位置及び向きを示す正解データとを含む学習データに基づいて機械学習を実行することによって生成された学習済みモデル(撮影画像に写っている対象物100の位置及び向きを特定するためのモデル)を使用して、撮影画像に写っている対象物100の位置及び向きを特定することによって、対象面上に置かれた対象物100の位置及び向きを特定する。
【0206】
また例えば、第1特定部151は、画像解析処理を使用して撮影部110の撮影画像から対象物100を検出することによって、対象面上に置かれた対象物100の位置及び向きを特定してもよい。すなわち、第1特定部151は、対象物100の外観の特徴情報に基づいて、撮影画像から対象物100を検出することにより、撮影画像に写っている対象物100の位置及び向きを特定することによって、対象面上に置かれた対象物100の位置及び向きを特定してもよい。
【0207】
先述のカードゲームの例の場合、第1特定部151は、撮影装置30の撮影画像に基づいて、カード60Sの位置を特定する。また、第1特定部151は、撮影装置30の撮影画像に基づいて、カード60Sの縦横の向きを特定する。また、第1特定部151は、撮影装置30の撮影画像に基づいて、カード60Sの表裏の向きを特定する。
【0208】
[1-6-6-2]第2特定部152は、読取部130の読取結果に基づいて、対象面上に置かれた対象物100の位置を特定する。また、第2特定部152は、読取部130の読取結果に基づいて、対象面上に置かれた対象物100の種類を特定する。また、第2特定部152は、読取部130の読取結果に基づいて、対象面上に置かれた対象物100の記載面に記された情報を特定する。例えば、第2特定部152は、対象面上に置かれた対象物100の種類の特定結果に基づいて、対象面上に置かれた対象物100の記載面に記された情報を特定する。
【0209】
「読取部130の読取結果」とは、読取部130によって読み取られた情報である。また、「読取部130の読取結果」とは、保持部101に保持された情報を読み取ることができたか否かの情報であってもよい。
【0210】
保持部101がICタグであり、読取部130が、ICタグから送信される信号を受信するアンテナであって、対象面上の複数の位置とそれぞれ対応するようにして設置された複数のアンテナを含む場合、「読取部130の読取結果」とは、対象面上に置かれた対象物のICタグから送信された信号が複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかの情報であってもよい。例えば、読取部130が、対象面の複数の位置にそれぞれ対応する複数の位置に設置された複数のICタグリーダを含む場合、「読取手段の読取結果」とは、ICタグに記憶された情報が複数のICリーダのうちのどのICリーダによって読み取られたのかの情報であってもよい。また例えば、読取部130が、対象面の複数の位置を通るように配設されたアンテナを備えたICタグリーダを含む場合、「読取手段の読取結果」とは、ICタグからの信号がアンテナのどの部分で受信されたのかの情報であってもよい。
【0211】
先述のカードゲームの例の場合、読取装置20によって読み取られた情報(ICタグ73に記憶された情報)が「読取部130の読取結果」の一例に相当する。また、読取装置20がICタグ73に記憶された情報を読み取ったか否かの情報も「読取部130の読取結果」の一例に相当する。また、ICタグ73に記憶された情報が複数の読取装置20-1~20-30のうちのいずれによって読み取られたのか(言い換えれば、ICタグ73からの信号が複数の読取装置20-1~20-30のうちのいずれによって受信されたか)の情報も「読取部130の読取結果」の一例に相当する。なお、
図21に示した変形例の場合、ICタグ73からの信号がどの第1アンテナ21及び第2アンテナ22によって受信されたかの情報が「読取部130の読取結果」の一例に相当する。
【0212】
先述のカードゲームの例の場合、第2特定部152は、読取装置20の読取結果に基づいて、ゲームフィールドF上に置かれたカード60Sの位置及び種類を特定する。
【0213】
例えば、第2特定部152は、カード60SのICタグ73に記憶された情報がいずれの読取装置20によって読み取られたかに基づいて、当該カード60Sの位置を特定する。すなわち、第2特定部152は、カード60SのICタグ73に記憶された情報を読み取った読取装置20(カード60SのICタグ73から送信された信号が受信された読取装置20)の位置に対応するゲームフィールドF上の位置を当該カード60Sの位置として特定する。例えば、カード60SのICタグ73に記憶された情報が読取装置20-10によって読み取られた場合、第2特定部152は、読取装置20-10と関連付けられたゾーンZ10を、当該カード60Sが置かれたゾーンZとして特定する。
【0214】
なお、
図21に示した変形例の場合には、第2特定部152は、カード60SのICタグ73からの信号がアンテナのどの部分で受信されたのかに基づいて、当該カード60Sの位置を特定してもよい。すなわち、第2特定部152は、カード60SのICタグ73からの信号が受信されたアンテナの部分に対応するゲームフィールドF上の位置を当該カード60Sの位置として特定してもよい。例えば、第2特定部152は、カード60SのICタグ73からの信号を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22(言い換えれば、受信信号強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22)の交点を含むゾーンZを、当該カード60Sが置かれたゾーンZとして特定してもよい。
【0215】
また、第2特定部152は、読取装置20によって読み取られた情報に基づいて、ゲームフィールドFに置かれたカード60Sの種類を特定する。
【0216】
例えば、
図10に示した関連付け処理が実行された場合には、タグIDとカードIDとを関連付けてなる関連付けデータD1(
図11)が記憶部42に記憶されている。この場合、第2特定部152は、関連付けデータD1に基づいて、読取装置20によって読み取られたタグIDに関連付けられたカードIDを特定する。
【0217】
また例えば、
図12に示した関連付け処理が実行された場合には、カード60SのカードIDが当該カード60SのICタグ73に記憶されており、当該カードIDが読取部130によって読み取られる。この場合、第2特定部152は、読取装置20によって読み取られたカードIDを取得する。
【0218】
[1-6-6-3]対象面上には複数の対象物100が置かれる場合がある。この場合、複数の対象物100の各々について、撮影部110の撮影画像に基づく第1特定部151の特定結果が得られることになる。同様に、複数の対象物100の各々について、読取部130の読取結果に基づく第2特定部152の特定結果も得られることになる。このような場合、対象面上に置かれた同一の対象物100に関する第1特定部151の特定結果と第2特定部152の特定結果との組合せを特定する必要がある。
【0219】
この点、第1特定部151の特定結果と第2特定部152の特定結果とには、対象物100の所定事項に関する特定結果が共通に含まれており、特定部150は、第1特定部151の特定結果と第2特定部152の特定結果とに共通に含まれる上記所定事項に関する特定結果を照合することによって、対象面上に置かれた同一の対象物100に関する第1特定部151の特定結果と第2特定部152の特定結果との組合せを特定する。
【0220】
本実施形態では、対象物100の位置(上記所定事項の一例)に関する特定結果が第1特定部151の特定結果と第2特定部152の特定結果とに共通に含まれているため、特定部150は、第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置とに基づいて、対象面上に置かれた同一の対象物100に関する第1特定部151の特定結果と第2特定部152の特定結果との組合せを特定する。
【0221】
すなわち、特定部150は、第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置との比較に基づいて、第1特定部151の特定結果と第2特定部152の特定結果とを、対象面上に置かれた同一の対象物100に関する特定結果として特定する。
【0222】
言い換えれば、特定部150は、第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置とが対応する場合に、第1特定部151によって特定された種類と第2特定部152によって特定された向きとの組合せが、対象面上に置かれた同一の対象物100に関する特定結果であると判断する。
【0223】
「第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置とが対応する場合」とは、第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置とが同一であるとみなすことができるような場合であり、例えば、第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置とがともに同一の領域に対応する場合等と言い換えることができる。
【0224】
例えば、先述のカードゲームの例では、カード60Sを置くための領域として複数のゾーンZ1~Z30(部分領域)がゲームフィールドF内に定められており、複数の読取装置20-1~20-30が複数のゾーンZ1~Z30と対応するようにして設置されている。そして、いずれかのゾーンZにカード60Sが置かれた場合には、カード60がどのゾーンZに置かれたのかが撮影装置30の撮影画像から特定されるようになっている。また、それとは別に、カード60がどのゾーンZに置かれたのかが読取装置20の読取結果からも特定されるようになっている。すなわち、カード60SのICタグ73に記憶された情報を読み取った読取装置20に対応するゾーンZが、カード60Sが置かれたゾーンZとして特定されるようになっている。このような場合における「第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置とが対応する場合」とは、撮影装置30の撮影画像から特定されるゾーンZと、読取装置20の読取結果から特定されるゾーンZとが同じである場合である。
【0225】
なお、「第1特定部151によって特定された位置と第2特定部152によって特定された位置とが対応する場合」とは、撮影部110の撮影画像から特定された位置と、読取部130の読取結果から特定される位置との間の距離が閾値未満となるような場合であってもよい。
【0226】
[1-6-6-4]なお、第2特定部152は、他のカード60S(第2カード)が積み重ねられた状態でゲームフィールドF上に置かれたカード60S(第1カード)の種類を、当該カード60S(第1カード)のICタグ73から読取部130によって読み取られた情報に基づいて特定することが可能である。例えば
図7に示した状況のように、カード束600-1がゾーンZ7に置かれている場合であっても、第2特定部152は、カード束600-1に含まれる複数のカード60Sの各々の種類を、当該複数のカード60Sの各々のICタグ73から読取部130によって読み取られた情報に基づいて特定することが可能である。
【0227】
[1-6-7]表示制御部160は、対象面上に置かれた対象物100に対応するオブジェクトを表示部170に表示させる。例えば、表示制御部160は情報処理装置40の制御部41又は表示端末装置50の制御部51の少なくとも一方によって実現される。表示部170は情報処理装置40の表示部45又は表示端末装置50の表示部55の少なくとも一方によって実現される。
【0228】
「オブジェクト」とは、表示部170に表示されるものである。例えば、「オブジェクト」とは、対象物100を模したオブジェクトである。すなわち、「オブジェクト」とは、対象物100を画像化したものである。「オブジェクト」は、対象物100の種類、名称、又は、ゲームの進行や結果に与える影響の内容等を示すオブジェクト(テキスト又はアイコン等)であってもよい。
【0229】
例えば、表示制御部160は、特定部150によって特定された対象物100の種類に対応するオブジェクトを、特定部150によって特定された対象物100の状態に対応する状態で表示部170に表示させる。具体的には、表示制御部160は、特定部150によって特定された対象物100の種類に対応するオブジェクトを、特定部150によって特定された対象物100の位置(対象面における位置)に対応する表示位置に表示させる。また、表示制御部160は、特定部150によって特定された対象物100の種類に対応するオブジェクトを、特定部150によって特定された対象物100の向きに対応する向きで表示させる。
【0230】
また例えば、表示制御部160は、特定部150によって特定された対象物100の状態に応じて、特定部150によって特定された対象物100の種類に対応するオブジェクトを表示部170に表示させる。
【0231】
具体的には、表示制御部160は、特定部150によって特定された対象物100の状態に応じて、対象物100に対応するオブジェクトとして、特定部150によって特定された対象物100の種類に対応するオブジェクトを表示部170に表示させるか否かを決定する。
【0232】
すなわち、表示制御部160は、特定部150によって特定された対象物100の状態が所定の状態であるか否かを判定する。そして、特定部150によって特定された対象物100の状態が所定の状態でないと判定された場合に、表示制御部160は、対象物100に対応するオブジェクトとして、特定部150によって特定された対象物100の種類に対応するオブジェクトを表示部170に表示させる。一方、特定部150によって特定された対象物100の状態が所定の状態であると判定された場合に、表示制御部160は、対象物100に対応するオブジェクトとして、特定部150によって特定された対象物100の種類に対応するオブジェクトを表示部170に表示させない。この場合、表示制御部160は、対象物100に対応するオブジェクトとして、特定部150によって特定された対象物100の種類によらないオブジェクトを表示部170に表示させる。
【0233】
また、表示制御部160は、対象物100の上述の記載面(情報が記載された面)と対象面とが対向するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合に、特定部150(第2特定部152)によって特定された当該対象物100の記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる。
【0234】
「記載面と対象面とが対向するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合」とは、記載面が撮影部110から見えないようにして対象物100が対象面上に置かれている場合である。
【0235】
例えば、対象物100が収容体に収容された遊戯媒体である場合には、「記載面と対象面とが対向するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合」とは、収容体を介して遊戯媒体の記載面と対象面とが向かい合うようにして対象物100が対象面上に置かれている場合である。言い換えれば、遊戯媒体の記載面と対象面とが収容体を介して接するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合である。
【0236】
なお、対象物100が遊戯媒体単体である場合には、「記載面と対象面とが対向するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合」とは、遊戯媒体の記載面と対象面とが接するようにして対象物100(遊戯媒体)が対象面上に置かれている場合である。
【0237】
「記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる」とは、例えば、対象物100の記載面に記された情報を表示部170に表示させることである。この場合、記載面に記された情報のすべてを表示部170に表示させてもよいし、記載面に記された情報の一部を表示部170に表示させてもよい。
【0238】
具体的には、「記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる」とは、対象物100の記載面を模したオブジェクトを表示部170に表示させることである。言い換えれば、対象物100の記載面を画像化してなるオブジェクトを表示部170に表示させることである。
【0239】
例えば、対象物100の種類、又は、ゲームの進行又は結果に与える影響の内容等が記載面に記されている場合、「記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる」とは、対象物100の種類、又は、ゲームの進行又は結果に与える影響の内容等を示すテキスト又は図柄等を表示部170に表示させることであってもよい。この場合、表示部170における対象物の種類、又は、ゲームの進行又は結果に与える影響の内容等の表示の仕方は、記載面における表示の仕方と異なっていてもよい。
【0240】
また例えば、対象物100の種類が記載面に記されている場合、「記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる」とは、記載面に記載されていない事項であって、対象物100の種類から特定される事項(例えば対象物100がゲームの進行又は結果に与える影響の内容)を示すテキスト又は図柄等を表示部170に表示させることであってもよい。
【0241】
なお、「記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる」とは、記載面に記された情報に応じた表示に関するデータを他の装置に送信することによって、記載面に記された情報に応じた表示を当該他の装置の表示部170に表示させることであってもよい。
【0242】
表示制御部160は、少なくとも、記載面と対象面とが対向するようにして対象物100が対象面上に置かれている場合に、特定部150(第2特定部152)によって特定された対象物100の記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる。
【0243】
表示制御部160は、記載面と対象面とが対向しないようにして対象物100が対象面上に置かれている場合(すなわち、記載面が見える状態で対象物100が対象面上に置かれている場合)にも、特定部150(第2特定部152)によって特定された当該対象物100の記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させるようにしてもよいし、当該場合には、別の特定方法によって特定された、当該対象物100の記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させるようにしてもよい。例えば、記載面と対象面とが対向しないようにして対象物100が対象面上に置かれている場合(すなわち、記載面が見える状態で対象物100が対象面上に置かれている場合)には、対象物100の記載面に記された情報を読み取り、読み取った情報に応じた表示を表示部170に表示させるようにしてもよい。例えば、撮影部110の撮影画像に記載面が写る状態で対象物100が対象面上に置かれている場合には、撮影部110の撮影画像から対象物100の記載面に記された情報を特定し、このようにして特定された情報に応じた表示を表示部170に表示させるようにしてもよい。
【0244】
また、表示制御部160は、記載面と対象面とが対向するようにして対象物100が対象面上に置かれている状態で、当該対象物100に対応するオブジェクトに関する所定操作が受け付けられた場合に、当該対象物100の記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させるようにしてもよい。
【0245】
「所定操作」とは、例えば、オブジェクトを指定(又は選択)する操作である。「所定操作」は、オブジェクトのいずれかを特定するための操作であればよく、オブジェクトの種類、位置、又は向きを指定する操作であってもよい。このような操作に基づいて、指定された種類、位置、又は向きに対応するオブジェクトが特定される。例えば、このような操作に基づいてオブジェクトに対応する対象物100の記載面に記された情報に応じた表示を表示部170に表示させる処理が実行される。
【0246】
先述のカードゲームの例の場合、
図8に示したパーツPB-1,PB-2の各々が「オブジェクト」の一例に相当し、
図9に示したパーツPCが「記載面に記された情報に応じた表示」の一例に相当する。先述のカードゲームの例の場合、表示制御部160はゲームフィールド画像Gを表示部170に表示させる。
【0247】
例えば、表示制御部160は、第1特定部151によって特定されたカード60Sの向きが表向き又は裏向きのいずれであるのかを判定する。
【0248】
そして、第1特定部151によって特定されたカード60Sの向きが表向きである場合、表示制御部160は、当該カード60Sと関連付けるパーツとして、
図8に示したパーツPB-2のような、当該カード60Sの表面61の画像(すなわち、第2特定部152によって特定された当該カード60Sの種類に応じた画像)を、第1特定部151又は第2特定部152によって特定された当該カード60Sの位置に対応するゲームフィールド画像G内の位置に表示させる。
【0249】
一方、第1特定部151によって特定されたカード60Sの向きが裏向きである場合、表示制御部160は、当該カード60Sと関連付けるパーツとして、
図8に示したパーツPB-2のような、当該カード60Sの表面61の画像(すなわち、第2特定部152によって特定された当該カード60Sの種類に応じた画像)を表示させず、その代わりに、
図8に示したパーツPB-1のような、当該カード60Sの裏面62の画像(すなわち、第2特定部152によって特定された当該カード60Sの種類によらない画像)を、第1特定部151又は第2特定部152によって特定された当該カード60Sの位置に対応するゲームフィールド画像G内の位置に表示させる。
【0250】
また、表示制御部160は、
図8に示したパーツPB-1のような、裏向きで置かれたカード60Sと関連付けられたパーツの指定操作に応じて、当該カード60Sの表面61を示すパーツPCを表示させる。
【0251】
[2.第2実施形態]本発明の第2実施形態について説明する。
【0252】
第2実施形態は、ICタグに記憶された情報に基づいて、カードの向き(縦横の向き)を特定する点で第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態との相違点について説明する。以下では、第1実施形態の要素と同一の要素に関しては同一の符号を使用してその説明を省略する。
【0253】
[2-1.概要]
図23は第2実施形態のスリーブ70Aの一例を示す。第1実施形態のスリーブ70と同様、スリーブ70Aの表面部71Aは透明であり、スリーブ70A内に収容されたカード60の表面61をスリーブ70Aの外から視認できるようになっている。また、第1実施形態のスリーブ70と同様、スリーブ70Aの裏面部72Aは不透明であり、全てのスリーブ70Aに共通な外観を有している。
【0254】
図23に示すように、スリーブ70Aは第1ICタグ73A-1と第2ICタグ73A-2とを含む。第1ICタグ73A-1と第2ICタグ73A-2とは裏面部72Aの内側面に備えられている。例えば、裏面部72Aの内側面上における第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の設置位置は異なっている。例えば、第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の設置位置は、それらの位置の間の第1方向(例えば縦方向)の差と、それらの位置の間の第2方向(例えば横方向)の差とが異なるようにして設定される。
【0255】
第1ICタグ73A-1には第1ICタグ73A-1のタグIDが記憶されており、第2ICタグ73A-2には第2ICタグ73A-2のタグIDが記憶されている。第1ICタグ73A-1と第2ICタグ73A-2とは別個のICタグであるため、これらのタグIDは互いに異なる。
【0256】
第2実施形態では、上記のようなスリーブ70A内にカード60が収容される。以下では、スリーブ70Aに収容された状態のカード60のことを、カード60単体と区別すべく、便宜上「カード60SA」と記載する。言い換えれば、カード60をスリーブ70Aに収容した場合のカード60及びスリーブ70Aを一つの物体とみなして「カード60SA」と記載する。
【0257】
また、第2実施形態では、ゲームフィールドF上に置かれたカード60SAの第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の位置を特定できるようにすべく、第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の各々から送信される信号を受信するアンテナであって、ゲームフィールドF上の複数の位置とそれぞれ対応するようにして設置された複数のアンテナを備えた読取装置20が設置される。例えば、第2実施形態では、
図21に示したような複数の第1アンテナ21と複数の第2アンテナ22とを備えた読取装置20が設置される。
【0258】
すなわち、カード60SAがゲームフィールドF上に置かれた場合には、第1ICタグ73A-1からの信号(第1ICタグ73A-1のIDタグ)を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ(言い換えれば、第1ICタグ73A-1から受信した信号の強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ)を特定することによって、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1の位置を特定できるようになっている。例えば、第1ICタグ73A-1からの信号を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22(言い換えれば、受信信号強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22)の交点を、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1の位置として特定できるようになっている。
【0259】
同様に、第2ICタグ73A-2からの信号(第2ICタグ73A-2のIDタグ)を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ(第2ICタグ73A-2から受信した信号の強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ)を特定することによって、ゲームフィールドF上における第2ICタグ73A-2の位置を特定できるようになっている。
【0260】
図24は、カード60SAが縦向きでゲームフィールドFに置かれた場合を示し、
図25は、カード60SAが横向きでゲームフィールドFに置かれた場合を示す。ここでは、
図24,25に示すような、ゲームフィールドFの所定点(例えば左下点)を原点Oとして、ゲームフィールドFの横方向をX軸方向とし、ゲームフィールドFの縦方向をY軸方向とする座標系を想定する。また、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1の位置を(X1,Y1)とし、ゲームフィールドF上における第2ICタグ73A-2の位置を(X2,Y2)とする。
【0261】
図24に示すように、カード60SAが縦向きで置かれた場合には、カード60SAの長辺方向がY軸方向と平行(又は略平行)な状態になり、カード60SAが縦長の状態になる。この場合、Y1とY2との差の絶対値(|Y1-Y2|)がX1とX2との差の絶対値(|X1-X2|)よりも大きくなる。このため、特定された第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の位置が|Y1-Y2|>|X1-X2|の関係を有する場合には、カード60SAが縦向きで置かれていると特定できる。
【0262】
一方、
図25に示すように、カード60SAが横向きで置かれた場合には、カード60SAの長辺方向がX軸方向と平行(又は略平行)な状態になり、カード60SAが横長の状態になる。この場合、X1とX2との差の絶対値(|X1-X2|)がY1とY2との差の絶対値(|Y1-Y2|)よりも大きくなる。このため、特定された第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の位置が|X1-X2|>|Y1-Y2|の関係を有する場合には、カード60SAが横向きで置かれていると特定できる。
【0263】
以上のように、第2実施形態では、読取装置20の読取結果に基づいて、第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の位置を特定し、それらの位置関係に基づいて、カード60SAの縦横の向きを特定できる。
【0264】
[2-2.処理]第2実施形態に係るシステム1Aで実行される処理について説明する。
【0265】
[2-2-1]第2実施形態においても、
図10に示した関連付け処理と類似の関連付け処理が実行される。ただし、ステップS404では、制御部41は、第1ICタグ73A-1と第2ICタグ73A-2との各々のタグIDを取得し、ステップS406において、制御部41は、第1ICタグ73A-1と第2ICタグ73A-2との両方のタグIDを関連付けデータD1の「タグID」フィールドに登録する。
【0266】
[2-2-2]第2実施形態においても、
図12に示した関連付け処理と類似の関連付け処理が実行されてもよい。ただし、ステップS424では、制御部41は、ステップS422で特定されたカードIDを第1ICタグ73A-1と第2ICタグ73A-2との両方に書き込む。
【0267】
[2-2-3]第2実施形態においても、
図13に示した特定処理と類似の特定処理が実行される。
【0268】
第2実施形態では、ステップS432において、制御部41は、カード60SAの位置や表裏の向きを特定し、カード60SAの縦横の向きを特定しない。この場合、ステップS432における特定結果が第1特定結果データD2Aに登録される。
図26は第2実施形態における第1特定結果データD2Aの一例を示す。
図26に示すように、第1特定結果データD2Aは「領域ID」及び「表裏フラグ」フィールドを含む。「領域ID」及び「表裏フラグ」フィールドは第1実施形態の第1特定結果データD2の「領域ID」及び「表裏フラグ」フィールドと同様である。
【0269】
また、第2実施形態では、ステップS436において、制御部41は、ゲームフィールドFに置かれたカード60SAのカードID、位置や、縦横の向きを特定する。
【0270】
例えば、制御部41は関連付けデータD1を参照し、第1ICタグ73A-1から読み取られたタグIDと第2ICタグ73A-2から読み取られたタグIDとに関連付けられたカードIDを特定する。
【0271】
また、第1ICタグ73A-1から読み取られたタグIDと第2ICタグ73A-2から読み取られたIDタグとが同一のカードIDと関連付けられている場合に、制御部41は、これらの第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2が同一のカード60SAに備えられたものとみなす。そして、制御部41は、同一のカード60SAに備えられた第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2に関して、下記に説明するような処理を実行する。
【0272】
すなわち、制御部41は、第1ICタグ73A-1からの信号(タグID)を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ(言い換えれば、第1ICタグ73A-1から受信した信号の強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ)を特定することによって、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1の位置を特定する。
【0273】
同様に、制御部41は、第2ICタグ73A-2からの信号(タグID)を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ(言い換えれば、第2ICタグ73A-2から受信した信号の強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ)を特定することによって、ゲームフィールドF上における第2ICタグ73A-2の位置を特定する。
【0274】
そして、制御部41は、第1ICタグ73A-1の位置と第2ICタグ73A-2の位置との中点をカード60SAの位置として特定し、特定された位置がいずれのゾーンZに含まれるかを判定することによって、カード60SAが置かれたゾーンZを特定する。
【0275】
さらに、制御部41は、第1ICタグ73A-1の位置と第2ICタグ73A-2の位置との位置関係に基づいて、カード60SAの縦横の向きを特定する。
【0276】
例えば、第1ICタグ73A-1の位置と第2ICタグ73A-2の位置との間の縦方向の差(|Y2-Y1|)が横方向の差(|X2-X1|)よりも大きい場合に、制御部41はカード60SAが縦向きで置かれていると特定する。一方、第1ICタグ73A-1の位置と第2ICタグ73A-2の位置との間の縦方向の差(|Y2-Y1|)が横方向の差(|X2-X1|)よりも小さい場合に、制御部41はカード60SAが横向きで置かれていると特定する。
【0277】
第2実施形態では、ステップS436における特定結果が第2特定結果データD3Aに登録される。
図27は第2特定結果データD3Aの一例を示す。
図27に示すように、第2特定結果データD3Aは「ゾーンID」、「カードID」、及び「縦横フラグ」フィールドを含む。「ゾーンID」フィールドは第1実施形態のゲームフィールド状況データD4の「ゾーンID」フィールドと同様である。「カードID」フィールドは第1実施形態の第2特定結果データD3の「カードID」フィールドと同様である。「縦横フラグ」フィールドは第1実施形態の第1特定結果データD2の「縦横フラグ」フィールドと同様である。
【0278】
また、第2実施形態では、ステップS438において、制御部41は、第1特定結果データD2Aと第2特定結果データD3Aとに基づいて、ゲームフィールド状況データD4を生成する。ゲームフィールド状況データD4は第1実施形態と同様である。また、ステップS438の処理は、第2特定結果データD3Aの「縦横フラグ」フィールドに登録された縦横フラグがゲームフィールド状況データD4の「縦横フラグ」フィールドに登録される点を除き、第1実施形態のステップS438と同様である。
【0279】
[2-2-4]第2実施形態においても、
図18に示した表示制御処理や
図19に示した処理が実行される。
【0280】
[2-3.効果]第2実施形態によれば、読取装置20の読取結果に基づいて、ゲームフィールドFに置かれたカード60SAの縦横の向きを特定できる。
【0281】
[2-4.変形例]第2実施形態の変形例について説明する。
【0282】
[2-4-1]以上に説明した実施形態では、第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の設置位置は
図23に示した例に限られない。第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の設置位置は、ゲームフィールドF上に置かれたカード60SAの第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の位置を特定できれば、それらの位置関係からカード60SAの縦横の向きを特定できるような位置関係を有するようにして設定すればよい。
【0283】
例えば、第1ICタグ73A-1を裏面部72A上の左上位置に設置し、第1ICタグ73A-2を裏面部72A上の右上位置に設置してもよい。また例えば、第1ICタグ73A-1を裏面部72A上の左上位置に設置し、第1ICタグ73A-2を裏面部72A上の左下位置に設置してもよい。
【0284】
[2-4-2]第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の他に1又は複数のICタグを裏面部72Aに設置してもよい。すなわち、3つ以上のICタグを裏面部72Aに設置し、それら3つ以上のICタグの位置関係に基づいて、カード60SAの縦横の向きを特定してもよい。
【0285】
[2-4-3]第2実施形態においても、ステップS432において、制御部41はカード60SAの縦横の向きを特定してもよい。すなわち、制御部41は、撮影装置30の撮影画像からカード60SAの縦横の向きを特定し、かつ、読取装置20の読取結果からもカード60SAの縦横の向きを特定してもよい。この場合、撮影装置30の撮影画像から得られた縦横の向きの特定結果と、読取装置20の読取結果から得られた縦横の向きの特定結果とを照合することによって、縦横の向きの特定結果の精度を高めるようにしてもよい。
【0286】
[2-4-4]以上に説明した実施形態では、スリーブ70A(裏面部72A)が第1ICタグ70A-1及び第2ICタグ70A-2を備えていたが、例えば
図20に示した物体80のような、カード60とともにスリーブ70A内に収容されるシート状の物体が第1ICタグ70A-1及び第2ICタグ70A-2を備えてもよい。この場合、当該シート状の物体とカード60とがスリーブ70A内に収容されたものがカード60SAに相当する。
【0287】
[2-4-5]カード60自体(例えば裏面62)が第1ICタグ70A-1及び第2ICタグ70A-2を備えてもよい。
【0288】
[2-5.機能要素]
図28は、第2実施形態に係るシステム1Aに含まれる機能要素について説明するための機能ブロック図である。なお、
図28では、第1実施形態の機能要素と同一である機能要素(撮影部110、撮影画像取得部120、読取部130、読取結果取得部140、表示制御部160、及び表示部170)に
図22と同一の符号を付しており、ここではこれらの機能要素の説明を省略し、対象物100A及び特定部150Aについて説明する。また、文言の説明に関しても、第1実施形態と重複する点に関しては説明を省略する。
【0289】
[2-5-1]まず、対象物100Aについて説明する。ここでは、対象物100Aと第1実施形態における対象物100との相違点について説明する。
【0290】
対象物100Aは、第1保持部101Aと、第1保持部101Aと所定の位置関係を有するようにして備えられた第2保持部102Aとを備える。第1保持部101Aと第2保持部102Aとは、対象面上に置かれた対象物100Aの第1保持部101A及び第2保持部102Aの位置を特定できれば、それらの位置から対象物100Aの向きを特定できるような位置関係を有する。例えば、対象物100Aが第1の向きで対象面上に置かれた場合に対象面上における第1保持部101Aと第2保持部102Aとの位置関係が第1位置関係となり、対象物100Aが第1の向きとは異なる第2の向きで対象面上に置かれた場合に対象面上における第1保持部101Aと第2保持部102Aとの位置関係が第1位置関係とは異なる第2位置関係となるように、対象物100Aにおける第1保持部101A及び第2保持部102Aの位置は設定される。
【0291】
対象面上に置かれた対象物100Aの種類又は状態を特定するための特定情報が第1保持部101A及び第2保持部102Aに保持される。第1保持部101A及び第2保持部102Aに保持される情報は読取部130によって読み取られる。本実施形態では、第1ICタグ73A-1が第1保持部101Aに相当し、第2ICタグ73A-2が第2保持部102Aに相当する。
【0292】
[2-5-2]特定部150Aについて説明する。特定部150Aは第1特定部151Aと第2特定部152Aとを含む。
【0293】
第1特定部151Aは、撮影部110の撮影画像に基づいて、対象物100Aの位置と向きとを特定する。例えば、第1特定部151Aは、第1実施形態の第1特定部151と同様にして、対象物100Aの位置と表裏の向きとを特定する。
【0294】
第2特定部152Aは、読取部130の読取結果に基づいて、対象物100Aの位置と種類と向きとを特定する。
【0295】
第2特定部152Aは、第1実施形態の第2特定部152と同様にして、対象物100Aの種類を特定する。
【0296】
先述したように、第2実施形態では、読取部130が、第1保持部101A(第1ICタグ73A-1)及び第2保持部102A(第2ICタグ73A-2)の各々から送信される信号を受信するアンテナであって、ゲームフィールドF上の複数の位置とそれぞれ対応するようにして設置された複数のアンテナ(複数の第1アンテナ21及び複数の第2アンテナ22)を備えている。
【0297】
第2特定部152Aは、対象面上に置かれた対象物100Aの第1保持部101A(第1ICタグ73A-1)及び第2保持部102A(第2ICタグ73A-2)の各々から送信された信号が複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかに基づいて、対象面上に置かれた対象物100Aの位置及び向きを特定する。
【0298】
なお、アンテナによって受信された信号が第1保持部101A及び第2保持部102Aのいずれから送信された信号であるかを区別できるようにすべく、第1保持部101A及び第2保持部102Aの各々に保持される情報には異なる情報が含まれており、第1保持部101A及び第2保持部102Aの各々から送信される信号には異なる情報が含まれる。例えば、第1保持部101Aの識別情報(第1ICタグ73A-1のタグID)が第1保持部101A(第1ICタグ73A-1)に保持され、第2保持部102Aの識別情報(第2ICタグ73A-2のタグID)が第2保持部102A(第2ICタグ73A-2)に保持される。
【0299】
[2-5-3]先述のカードゲームの例の場合、カード60SAが対象物100Aに相当する。なお、カード60自体が第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2を備えるようにした変形例の場合、カード60単体が対象物100Aに相当する。
【0300】
第2特定部152Aは、ゲームフィールドFに置かれたカード60SAの第1ICタグ73A-1からの信号(第1ICタグ73A-1のタグID)を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ(第1ICタグ73A-1から受信した信号の強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ)を特定することによって、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1の位置を特定する。同様にして、第2特定部152Aは、ゲームフィールドFに置かれたカード60SAの第2ICタグ73A-2からの信号(第2ICタグ73A-2のタグID)を受信した第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ(第2ICタグ73A-2から受信した信号の強度が最も強い第1アンテナ21及び第2アンテナ22の組み合わせ)を特定することによって、ゲームフィールドF上における第2ICタグ73A-2の位置も特定する。そして、第2特定部152Aは、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の位置関係に基づいて、カード60SAの縦横の向きを特定する。
【0301】
このように、第2実施形態では、第1ICタグ73A-1に記憶される第1ICタグ73A-1のタグIDや、第2ICタグ73A-2に記憶される第2ICタグ73A-2のタグIDに基づいて、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の各々の位置が特定され、ゲームフィールドF上における第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2の位置関係に基づいて、カード60SAの縦横の向きが特定されるため、第1ICタグ73A-1のタグIDや第2ICタグ73A-2のタグIDは「対象物100Aの状態を特定するための基礎となる情報」に相当している。
【0302】
[3.第3実施形態]本発明の第3実施形態について説明する。
【0303】
第3実施形態は、ICタグに記憶された情報に基づいて、カードの向き(表裏の向き)を特定する点で第1実施形態と異なる。以下、第1実施形態との相違点について説明する。なお、以下では、第1実施形態の要素と同一の要素に関しては同一の符号を使用してその説明を省略する。
【0304】
[3-1.概要]
図29は第3実施形態のスリーブ70Bの一例を示す。
図29は、スリーブ70Bを側方から見た場合のスリーブ70Bの断面図を示す。第1実施形態のスリーブ70と同様、スリーブ70Bの表面部71Bは透明であり、スリーブ70B内に収容されたカード60の表面61をスリーブ70Bの外から視認できるようになっている。また、第1実施形態のスリーブ70と同様、スリーブ70Bの裏面部72Bは不透明であり、全てのスリーブ70Bに共通な外観を有している。
【0305】
図29に示すように、スリーブ70Bは、第1ICタグ73B-1と第2ICタグ73B-2と遮断面部74Bとを含む。例えば、遮断面部74Bは、スリーブ70Bの裏面部72Bと同一(又は略同一)の形状及び大きさを有している。遮断面部74Bの上端及び下端は裏面部72Bの上端及び下端とつながっており、遮断面部74Bはスリーブ70Bに固定されている。
【0306】
遮断面部74Bの第1面75Bはスリーブ70Bの表面部71Bと対向している。第1面75Bには第1ICタグ73B-1が備えられている。このため、第1ICタグ73B-1はスリーブ70Bの表面部71Bと対向している。遮断面部74Bの第2面76Bはスリーブ70Bの裏面部72Bと対向している。第2面76Bには第2ICタグ73B-2が備えられている。このため、第2ICタグ73B-2はスリーブ70Bの裏面部72Bと対向している。
【0307】
第1ICタグ73B-1には第1ICタグ73B-1のタグIDが記憶されており、第2ICタグ73B-2には第2ICタグ73B-2のタグIDが記憶されている。第1ICタグ73B-1と第2ICタグ73B-2とは別個のICタグであるため、これらのタグIDは互いに異なる。
【0308】
遮断面部74Bは、第1ICタグ73B-1及び第2ICタグ73B-2と読取装置20との間の信号の送受信を妨げる材料(例えば磁性体等)によって形成されている。このため、第2面76B(裏面部72B)側から送信された信号が第1ICタグ73B-1によって受信されることや、第1ICタグ73B-1からの信号が第2面76B(裏面部72B)側に送信されることが遮断面部74Bによって妨げられる。同様に、第1面75B(表面部71B)側から送信された信号が第2ICタグ73B-2によって受信されることや、第2ICタグ73B-2からの信号が第1面75B(表面部71B)側に送信されることが遮断面部74Bによって妨げられる。
【0309】
カード60はスリーブ70Bの表面部71Bと遮断面部74Bとの間のスペースに収容される。以下では、スリーブ70Bに収容された状態のカード60のことを、カード60単体と区別すべく、便宜上「カード60SB」と記載する。言い換えれば、カード60をスリーブ70Bに収容した場合のカード60及びスリーブ70Bを一つの物体とみなして「カード60SB」と記載する。
【0310】
カード60SBが表向きでゾーンZに置かれる場合、カード60SBの裏面部72BとゲームフィールドFとが接するようにしてカード60SBが置かれることになる。この場合、ゾーンZの下に設置された読取装置20と第1ICタグ73B-1との間の信号の送受信は遮断面部74B(磁性体等)によって妨げられるため、第1ICタグ73B-1に記憶された情報(タグID等)は読取装置20によって読み取られない。その結果、第2ICタグ73B-2のみから情報が読取装置20によって読み取られる。
【0311】
一方、カード60SBが裏向きでゾーンZに置かれる場合、カード60SBの表面部71BとゲームフィールドFとが接するようにしてカード60SBが置かれることになる。この場合、ゾーンZの下に設置された読取装置20と、第2ICタグ73B-2との間の信号の送受信は遮断面部74B(磁性体等)によって妨げられるため、第2ICタグ73B-2に記憶されたタグIDは読取装置20によって読み取られない。その結果、第1ICタグ73B-1のみから情報(タグID等)が読取装置20によって読み取られる。
【0312】
このように、カード60SBが表向きで置かれた場合には、第2ICタグ73B-2のみから情報が読取装置20によって読み取られる。同様に、カード60SBが裏向きで置かれた場合には、第1ICタグ73B-1のみから情報が読取装置20によって読み取られる。このため、第1ICタグ73B-1及び第2ICタグ73B-2のいずれに記憶された情報が読み取られたかに基づいて、カード60SBの表裏の向きを特定できる。
【0313】
[3-2.処理]第3実施形態に係るシステム1Bで実行される処理について説明する。
【0314】
[3-2-1]
図30は第3実施形態の関連付け処理の一例を示す。第3実施形態では、
図10に示した関連付け処理の代わりに、
図30に示す関連付け処理が実行される。
【0315】
例えば、プレイヤは自らのデッキのうちから1枚のカード60SBを縦向き及び表向きでゲームフィールドFのうちの所定のゾーンZ(例えばゾーンZ11等)に置く。この状態で
図30に示す関連付け処理が実行される。
【0316】
図30に示すように、まず、情報処理装置40の制御部41は撮影装置30の撮影画像を取得する(S400B)。そして、制御部41は撮影画像に写っているカード60SBのカードIDを撮影画像から特定する(S402B)。ステップS400B,S402Bは
図10のステップS400,S402と同様である。
【0317】
また、制御部41は読取装置20によって読み取られたタグIDを取得する(S404B)。カード60SBが表向きで置かれた場合には、第2ICタグ73B-2に記憶されたタグIDが読取装置20によって読み取られ、読み取られたタグIDが情報処理装置40に供給される。制御部41はこのようにして供給されるタグIDを取得する。
【0318】
ステップS404Bの実行後、制御部41は、カード60SBを裏返すことをプレイヤに要求することを示す裏返し要求通知を出力する(S406B)。例えば、制御部41は、裏返し要求通知を示す画像を表示部45に表示する。または、制御部41は、裏返し要求通知を示す音声を音声出力部46から出力させる。
【0319】
裏返し要求通知に応じて、プレイヤは上記ゾーンZに置かれたカード60SBを裏返すことによって、当該カード60SBを裏向きにする。この状態でステップS408B以降の処理が実行される。
【0320】
すなわち、制御部41は読取装置20によって読み取られたタグIDを取得する(S408B)。カード60SBが裏向きで置かれた場合には、第1ICタグ73B-1に記憶されたタグIDが読取装置20によって読み取られ、読み取られたタグIDが情報処理装置40に供給される。制御部41はこのようにして供給されるタグIDを取得する。
【0321】
そして、制御部41は、ステップS402Bで特定されたカードIDと、ステップS404B,S408Bで取得されたタグIDとの関連付けを関連付けデータD1Bに登録する(S410B)。
【0322】
図31は関連付けデータD1Bの一例を示す。
図31に示すように、関連付けデータD1Bは「カードID」及び「タグID」フィールドを含む。「カードID」フィールドは、第1実施形態における関連付けデータD1の「カードID」フィールドと同様である。「タグID」フィールドは、サブフィールドとして、「表向き」及び「裏向き」フィールドを含む。「表向き」フィールドは、カード60SBが表向きで置かれた場合に取得されるタグID(すなわち、第2ICタグ73B-2のタグID)を登録するためのフィールドである。「裏向き」フィールドは、カード60SBが裏向きで置かれた場合に取得されるタグID(すなわち、第1ICタグ73B-1のタグID)を登録するためのフィールドである。
【0323】
ステップS410Bにおいて、制御部41は新たなレコードを関連付けデータD1Bに追加し、ステップS402Bで特定されたカードIDを「カードID」フィールドに登録し、ステップS404Bで取得されたタグIDを「表向き」フィールドに登録し、ステップS408Bで取得されたタグIDを「裏向き」フィールドに登録する。
【0324】
ステップS410Bの実行後、関連付け処理が完了したことを示す完了通知が出力され、プレイヤは上記ゾーンZに置かれたカード60SBを取り除き、自らのデッキのうちから次のカード60SBを縦向き及び表向きで上記ゾーンZに置く。この状態で
図30に示す関連付け処理が再び実行される。
【0325】
第1プレイヤのデッキに含まれる各カード60SBに関して、
図30に示した関連付け処理が実行されることによって、第1プレイヤのデッキに含まれる全カード60SBの情報が関連付けデータD1Bに登録される。第2プレイヤのデッキに含まれる各カード60SBに関しても、
図30に示した関連付け処理が実行されることによって、第2プレイヤのデッキに含まれる全カード60SBの情報が関連付けデータD1Bに登録される。
【0326】
[3-2-2]
図32は第3実施形態の関連付け処理の他の一例を示す。
図30に示した関連付け処理の代わりに、
図32に示す関連付け処理が実行されてもよい。
【0327】
なお、
図32に示す関連付け処理は、第1ICタグ73B-1や第2ICタグ73B-2に情報を書き込むためのICタグライタが上記ゾーンZの下に設置されていることが前提となる。以下では、読取装置20がICタグリーダとICタグライタとの両方の機能を備えたICタグリーダ/ライタであることとして説明する。
【0328】
図32に示すように、まず、制御部41は撮影装置30の撮影画像を取得する(S420B)。そして、制御部41は撮影画像に写っているカード60SBのカードIDを撮影画像から特定する(S422B)。ステップS420B,S422Bの処理は
図10のステップS400,S402と同様である。
【0329】
ステップS422Bの実行後、制御部41は、ステップS422Bで特定されたカードIDと、表裏フラグとを、上記ゾーンZに置かれたカード60SBの第2ICタグ73B-2に書き込む(S424B)。
【0330】
表裏フラグは、カード60SBが表向き又は裏向きのいずれで置かれているのかを示す情報である。例えば、値「0」又は「1」が表裏フラグとして設定される。値「0」は、カード60SBが表向きで置かれていることを示し、値「1」は、カード60SBが裏向きで置かれていることを示す。ステップS424Bでは、表向きであることを示す値「0」が表裏フラグとして書き込まれる。
【0331】
制御部41は、ステップS422Bで特定されたカードIDと表裏フラグ(0)との書込指示を、上記ゾーンZの下に置かれた読取装置20(ICタグリーダ/ライタ)に送る。そして、上記書込指示に応じて、読取装置20は、カードIDと表裏フラグ(0)とを、上記ゾーンZに置かれたカード60SBの第2ICタグ73B-2に書き込む。なお、この場合、第1ICタグ73B-1と読取装置20との間の信号の送受信は遮断面部74B(磁性体等)によって妨げられるため、この時点で第1ICタグ73B-1への書き込みは行われない。
【0332】
ステップS424Bの実行後、制御部41は、カード60SBを裏返すことをプレイヤに要求することを示す裏返し要求通知を出力する(S426B)。ステップS426Bの処理は
図30のステップS406Bと同様である。
【0333】
裏返し要求通知に応じて、プレイヤは上記ゾーンZに置かれたカード60SBを裏返すことによって、当該カード60SBを裏向きにする。この状態でステップS428Bの処理が実行される。
【0334】
すなわち、制御部41は、ステップS422Bで特定されたカードIDと、表裏フラグとを、上記ゾーンZに置かれたカード60SBの第1ICタグ73B-1に書き込む(S428B)。この場合、裏向きであることを示す値「1」が表裏フラグとして書き込まれる。
【0335】
具体的には、制御部41は、ステップS422Bで特定されたカードIDと表裏フラグ(1)との書込指示を、上記ゾーンZの下に置かれた読取装置20(ICタグリーダ/ライタ)に送る。そして、上記書込指示に応じて、読取装置20は、カードIDと表裏フラグ(1)とを、上記ゾーンZに置かれたカード60SBの第1ICタグ73B-1に書き込む。この場合、第2ICタグ73B-2と読取装置20との間の信号の送受信は遮断面部74B(磁性体等)によって妨げられるため、この時点で第2ICタグ73B-2への書き込みは行われない。
【0336】
ステップS428Bの実行後、関連付け処理が完了したことを示す完了通知が出力され、第1プレイヤは上記ゾーンZに置かれたカード60SBを取り除き、自らのデッキのうちから次のカード60SBを縦向き及び表向きで上記ゾーンZに置く。この状態で
図32に示す関連付け処理が再び実行される。
【0337】
第1プレイヤのデッキに含まれる各カード60SBに関して、
図32に示した関連付け処理が実行されることによって、第1プレイヤのデッキに含まれる各カード60SBの第1ICタグ73B-1及び第2ICタグ73B-2には、カードIDと表裏フラグとが記憶される。また、第2プレイヤのデッキに含まれる各カード60SBに関しても、
図32に示した関連付け処理が実行されることによって、第2プレイヤのデッキに含まれる各カード60SBの第1ICタグ73B-1及び第2ICタグ73B-2にも、カードIDと表裏フラグとが記憶される。
【0338】
[3-2-3]第3実施形態においても、
図13に示した特定処理と類似の特定処理が実行される。ここでは、
図13を参照しながら、第3実施形態の特定処理について説明する。また、ここでは、
図31に示した関連付けデータD1Bが記憶部42に記憶されていることを前提として説明する。
【0339】
第3実施形態では、ステップS432において、制御部41は、ゲームフィールドFに置かれたカード60SBの位置や縦横の向きを特定し、カード60SBの表裏の向きを特定しない。この場合、ステップS432における特定結果が第1特定結果データD2Bに登録される。
【0340】
図33は第1特定結果データD2Bの一例を示す。
図33に示すように、第1特定結果データD2Bは「領域ID」及び「縦横フラグ」フィールドを含む。「領域ID」及び「縦横フラグ」フィールドは第1実施形態の第1特定結果データD2の「領域ID」及び「縦横フラグ」フィールドと同様である。
【0341】
また、第3実施形態では、ステップS436において、制御部41は、ゲームフィールドFに置かれたカード60SBのカードID、位置や、表裏の向きを特定する。
【0342】
例えば、カード60SBが表向きでゾーンZ10に置かれた場合には、第2ICタグ73B-2に記憶されたタグIDが読取装置20-10によって読み取られ、読取装置20-10の読取結果データとして情報処理装置40に供給される。なお、この場合、第1ICタグ73B-1と読取装置20-10との間の信号の送受信は遮断面部74Bによって妨げられるため、第1ICタグ73B-1に記憶されたタグIDは読取装置20-10によって読み取られない。
【0343】
制御部41は、読取装置20-10によって読み取られたタグIDに基づいて、カード60SBのカードIDと表裏の向きとを特定する。カードIDの特定の仕方は、関連付けデータD1の代わりに関連付けデータD1Bが参照される点を除いて、基本的に第1実施形態のステップS436と同様である。
【0344】
制御部41は関連付けデータD1Bを参照し、読取装置20-10によって読み取られたタグIDが「表向き」及び「裏向き」フィールドのいずれに登録されているのかを判定する。そして、読取装置20-10によって読み取られたタグIDが「表向き」フィールドに登録されている場合、制御部41はカード60SBが表向きであると特定する。一方、読取装置20-10によって読み取られたタグIDが「裏向き」フィールドに登録されている場合、制御部41はカード60SBが裏向きであると特定する。
【0345】
この場合、ステップS426における特定結果が第2特定結果データD3Bに登録される。
図34は第2特定結果データD3Bの一例を示す。
図34に示すように、第2特定結果データD3Bは「読取装置ID」、「カードID」、及び「表裏フラグ」フィールドを含む。「読取装置ID」及び「カードID」フィールドは第1実施形態の第2特定結果データD3の「読取装置ID」及び「カードID」フィールドと同様であり、「表裏フラグ」フィールド第1実施形態の第1特定結果データD2の「表裏フラグ」フィールドと同様である。
【0346】
例えば、読取装置20-10によってタグIDが読み取られた場合、制御部41は、当該タグIDから特定されたカードID及び表裏の向きを、読取装置ID「R10」のレコードの「カードID」及び「表裏フラグ」フィールドに登録する。
【0347】
なお、以上では、
図30に示した関連付け処理によって
図31に示した関連付けデータD1Bが記憶部42に記憶されている場合を前提として説明したが、
図32に示した関連付け処理によってカードID及び表裏フラグがカード60SBの第1ICタグ73B-1及び第2ICタグ73B-2に記憶されている場合には、読取装置20-10によってカードID及び表裏フラグが読み取られるため、ステップS436において、制御部41は読取装置20-10によって読み取られたカードID及び表裏フラグを、読取装置ID「R10」のレコードの「カードID」及び「表裏フラグ」フィールドに登録する。
【0348】
また、第3実施形態では、ステップS438において、制御部41は、第1特定結果データD2Bと第2特定結果データD3Bとに基づいて、ゲームフィールド状況データD4を生成する。ゲームフィールド状況データD4は第1実施形態と同様である。また、この場合のステップS438の処理は、第2特定結果データD3Bの「表裏フラグ」フィールドに登録された表裏フラグがゲームフィールド状況データD4の「表裏フラグ」フィールドに登録される点を除き、第1実施形態のステップS438と同様である。
【0349】
なお、
図7に示した状況の場合、ゾーンZ7にはカード束600-1(すなわち、裏向きで積み重ねられた複数のカード60SB)が置かれているが、第3実施形態では、遮断面部74Bが存在することによって、カード束600-1のうちの一番下のカード60SBの第1ICタグ73B-1に記憶されたIDタグのみが読み取られる。その結果、第2特定結果データD3Bの読取装置ID「R7」のレコードや、ゲームフィールド状況データD4のゾーンID「Z7」のレコードの「カードID」フィールドには、ゾーンZ7に置かれたカード束600-1のうちの一番下のカード60SBのカードIDのみが登録される。ゾーンZ1,Z15,Z21に関しても同様である。
【0350】
[3-2-4]第3実施形態においても、
図18に示した表示制御処理や
図19に示した処理が実行される。ただし、第3実施形態のゲームフィールド画像GのパーツPA-1~PA-4では、カード束600-1~600-4に含まれるカード60SBの枚数を示す数値が表示されない。
【0351】
[3-3.効果]第3実施形態によれば、読取装置20の読取結果に基づいて、ゲームフィールドFに置かれたカード60SBの表裏の向きを特定できる。
【0352】
なお、第3実施形態では、カード60SBが表向きで置かれている場合に、第1ICタグ73B-1に記憶された情報が読取装置20によって読み取られないように担保し、かつ、カード60SBが裏向きで置かれている場合に、第2ICタグ73B-2に記憶された情報が読取装置20によって読み取られないように担保する必要がある。
【0353】
例えば、カード60SBが表向きで置かれている場合の第1ICタグ73B-1と読取装置20との間の距離が大きくなり(すなわち、第1ICタグ73B-1に記憶された情報が読取装置20によって読み取られない程度に大きくなり)、カード60SBが裏向きで置かれている場合の第2ICタグ73B-2と読取装置20との間の距離も大きくなる(すなわち、第2ICタグ73B-2に記憶された情報が読取装置20によって読み取られない程度に大きくなる)のであれば、上記担保のための工夫を特に講じる必要はない。しかしながら、カード60やスリーブ70は薄く、上記距離が大きくならないため、上記担保のための工夫を講じる必要がある。この点、第3実施形態では、遮断面部74Bをスリーブ70B内に設けることによって上記担保を実現している。
【0354】
[3-4.変形例]第3実施形態の変形例について説明する。
【0355】
[3-4-1]以上に説明した実施形態では、第2ICタグ73B-2を遮断面部74Bの第2面76Bに設置していたが、第2ICタグ73B-2をスリーブ70Bの裏面部72Bの内側面に設置してもよい。
【0356】
[3-4-2]以上に説明した実施形態では、遮断面部74Bをスリーブ70Bに固定していたが、遮断面部74Bを、例えば
図20に示した物体80のような、カード60とともにスリーブ70B内に収容されるシート状の物体としてもよい。
【0357】
[3-4-3]以上に説明した実施形態では、遮断面部74Bを磁性体によって形成していたが、遮断面部74Bは磁性体以外の材料によって形成してもよい。第1ICタグ73B-1と読取装置20との間の信号の送受信がスリーブ70Bの裏面部72Bを介して行われることを妨げたり、第2ICタグ73B-2と読取装置20との間の信号の送受信がスリーブ70Bの表面部71Aを介して送信されることを妨げたりできるものであれば、遮断面部74Bの材料として採用できる。
【0358】
[3-4-4]第3実施形態においても、ステップS422において、制御部41はカード60SBの表裏の向きを特定してもよい。すなわち、制御部41は、撮影装置30の撮影画像からカード60SBの表裏の向きを特定し、かつ、読取装置20の読取結果からもカード60SBの表裏の向きを特定してもよい。この場合、撮影装置30の撮影画像から得られた表裏の向きの特定結果と、読取装置20の読取結果から得られた表裏の向きの特定結果とを照合することによって、表裏の向きの特定結果の精度を高めるようにしてもよい。
【0359】
[3-5.機能要素]
図35は、第3実施形態に係るシステム1Bに含まれる機能要素について説明するための機能ブロック図である。なお、
図35では、第1実施形態の機能要素と同一である機能要素(撮影部110、撮影画像取得部120、読取部130、読取結果取得部140、表示制御部160、及び表示部170)に
図22と同一の符号を付しており、ここではこれらの機能要素の説明を省略し、対象物100B及び特定部150Bについて説明する。また、文言の説明に関しても、第1実施形態と重複する点に関しては説明を省略する。
【0360】
[3-5-1]まず、対象物100Bについて説明する。ここでは、対象物100Bと第1実施形態における対象物100との相違点について説明する。
【0361】
対象物100Bは第1面部と第2面部とを含む。これらの第1面部及び第2面部は第1実施形態の対象物100に含まれることとして説明した第1面部及び第2面部と同様である。
【0362】
また、対象物100Bは第1保持部101Bと第2保持部102Bとを含む。第1保持部101B及び第2保持部102Bは、対象面上に置かれた対象物100Bの種類及び状態を特定するための特定情報を保持する。この場合の特定情報は、対象物100Bの種類を特定するための基礎となる情報と、対象物100Bの状態を特定するための基礎となる情報とを含む。対象物100Bが、遊戯媒体が収容体に収容されてなる物体である場合、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の種類又は状態を特定するための基礎となる情報が「対象物100Bの種類又は状態を特定するための基礎となる情報」に相当する。
【0363】
第1保持部101B及び第2保持部102Bに保持される情報は読取部130によって読み取られる。読取部130によって読み取られた情報が第1保持部101B又は第2保持部102Bのいずれに保持されていた情報であるかを区別できるようにすべく、第1保持部101B及び第2保持部102Bの各々に保持される情報には異なる情報が含まれる。例えば、第1保持部101Bの識別情報が第1保持部101Bに保持され、第2保持部102Bの識別情報が第2保持部102Bに保持される。第3実施形態では、第1保持部101B及び第2保持部102Bの各々に保持される当該異なる情報に基づいて、対象物100Bの表裏の向きが特定されるため、当該異なる情報が「対象物100Bの状態を特定するための基礎となる情報」に相当する。
【0364】
さらに、対象物100Bは制限部103Bを含む。制限部103Bは、読取部130による、第1保持部101Bに保持される情報の読み取りが対象物100Bの第2面部を介して行われることを制限し、読取部130による、第2保持部102Bに保持される情報の読み取りが対象物100Bの第1面部を介して行われることを制限する。
【0365】
例えば、第1保持部101Bは、対象物100Bの第1面部を介して読取部130(ICタグリーダ)と通信するように設置された第1ICタグである。言い換えれば、第1保持部101Bは、対象物100Bの第2面部を介して読取部130(ICタグリーダ)と通信することが制限された第1ICタグである。
【0366】
また、第2保持部102Bは、対象物100Bの第2面部を介して読取部130(ICタグリーダ)と通信するように設置された第2ICタグである。言い換えれば、第2保持部102Bは、対象物100Bの第1面部を介して読取部130(ICタグリーダ)と通信することが制限された第2ICタグである。
【0367】
第1ICタグは対象物100Bの第1面部と対向するようにして設置される。あるいは、第1ICタグは対象物100Bの第1面部の内側面に設置される。また、第2ICタグよりも第1ICタグの方が対象物100Bの第1面部に近い側に設置される。また、第2ICタグは対象物100Bの第2面部と対向するようにして設置される。あるいは、第2ICタグは対象物100Bの第2面部の内側面に設置される。また、第1ICタグよりも第2ICタグの方が対象物100Bの第2面部に近い側に設置される。
【0368】
第1ICタグは対象物100Bの第1面部と制限部103Bとの間に配置され、第2ICタグは対象物100Bの第2面部と制限部103Bとの間に配置される。制限部103Bは、第1ICタグ又は第2ICタグに保持された情報を読み取るための読取装置20と第1ICタグとの間の通信が対象物100Bの第2面部を介して行われることを制限し、読取装置20と第2ICタグとの間の通信が対象物100Bの第1面部を介して行われることを制限する。
【0369】
例えば、制限部103Bは、第1ICタグと対象物100Bの第2面部との間に備えられる磁性体を含む。また、制限部103Bは、第2ICタグと対象物100Bの第1面部との間に備えられる磁性体を含む。言い換えれば、制限部103Bは、第1ICタグと第2ICタグとの間に備えられる磁性体を含む。第1ICタグからの信号(電波)が対象物100Bの第2面部を介して送信されることを遮断したり、第2ICタグからの信号(電波)が対象物100Bの第1面部を介して送信されることを遮断したりできるものであれば、制限部103Bとして採用できる。
【0370】
[3-5-2]特定部150Bについて説明する。特定部150Bは第1特定部151Bと第2特定部152Bとを含む。
【0371】
第1特定部151Bは、撮影装置30の撮影画像に基づいて、対象物100Bの位置と向きとを特定する。例えば、第1特定部151Bは、第1実施形態の第1特定部151と同様にして、対象物100Bの位置と縦横の向きとを特定する。
【0372】
第2特定部152Bは、読取装置20の読取結果に基づいて、対象物100Bの位置と種類と向きとを特定する。第2特定部152Bは、第1実施形態の第2特定部152と同様にして、対象物100Bの位置と種類とを特定する。
【0373】
第2特定部152Bは対象物100Bの表裏の向きも特定する。すなわち、第2特定部152Bは、読取装置20による第1保持部101B(第1ICタグ)又は第2保持部102B(第2ICタグ)に記憶された情報の読取結果に基づいて、対象物100Bの第1面部及び第2面部のいずれが対象面と対向するようにして対象物100Bが対象面上に置かれているのかを特定する。
【0374】
例えば、第1保持部101B(第1ICタグ)に記憶された情報が読取部130によって読み取られた場合には、第2特定部152Bは、対象物100Bの第1面部が読取部130の方を向いていると判定する。例えば、読取部130が対象面の下方に設置されている場合であれば、第2特定部152Bは、対象物100Bの第1面部が対象面と対向している状態であると判定する。なお、読取部130が対象面の上方に設置されている場合であれば、第2特定部152Bは、対象物100Bの第2面部が対象面と対向している状態であると判定する。
【0375】
一方、第2保持部102B(第2ICタグ)に記憶された情報が読取部130によって読み取られた場合には、第2特定部152Bは、対象物100Bの第2面部が読取部130の方を向いていると判定する。例えば、読取部130が対象面の下方に設置されている場合であれば、第2特定部152Bは、対象物100Bの第2面部が対象面と対向している状態であると判定する。なお、読取部130が対象面の上方に設置されている場合であれば、第2特定部152Bは、対象物100Bの第1面部が対象面と対向している状態であると判定する。
【0376】
[3-5-3]先述のカードゲームの例の場合、カード60SBが対象物100Bの一例に相当する。また、スリーブ70Bの表面部71B及び裏面部72Bがそれぞれ「第1面部」及び「第2面部」の一例に相当する。また、スリーブ70Bの第1ICタグ73B-1及び第2ICタグ73A-2がそれぞれ第1保持部101B(第1ICタグ)及び第2保持部102B(第2ICタグ)の一例に相当する。さらに、スリーブ70Bの遮断面部74Bが制限部103Bの一例に相当する。
【0377】
例えば、カード60SBの第1ICタグ73B-1に記憶された情報が読取装置20によって読み取られた場合に、第2特定部152Bはカード60SBが裏向きで置かれていると特定する。一方、カード60SBの第2ICタグ73B-2に記憶された情報が読取装置20によって読み取られた場合に、第2特定部152Bはカード60SBが表向きで置かれていると特定する。
【0378】
[4.第4実施形態]本発明の第4実施形態について説明する。
【0379】
第4実施形態では、不可視インクでスリーブに印刷されたコードを読み取ることによって、カードの種類又は状態を特定する点で第1実施形態と相違する。以下、第1実施形態との相違点について説明する。なお、以下では、第1実施形態の要素と同一の要素に関しては同一の符号を使用してその説明を省略する。
【0380】
[4-1.概要]
図36は第4実施形態に係るシステム1Cの構成を示す。
図36に示すように、システム1Cは、ゲームボード10Cと、第1撮影装置30C-1と、第2撮影装置30C-2と、情報処理装置40と、表示端末装置50とを含む。情報処理装置40及び表示端末装置50は第1実施形態と同様である。
【0381】
ゲームボード10Cは、読取装置20(ICタグリーダ)を含まない点を除いて、基本的に第1実施形態のゲームボード10と同様である。
【0382】
第1撮影装置30C-1は第1実施形態の撮影装置30に相当するものであり、可視光カメラである。一方、第2撮影装置30C-2は不可視光カメラ(例えば赤外線カメラ等)である。第2撮影装置30C-2は、不可視インクで印刷されたコードを読み取るために使用される。「不可視インク」とは、不可視光(例えば赤外線等)を照射することによってイメージセンサで認識可能なインク(例えば赤外線インク等)である。
【0383】
図37は、第4実施形態のスリーブ70Cの一例について説明するための図である。第1実施形態のスリーブ70と同様、スリーブ70Cの表面部71Cは透明であり、スリーブ70C内に収容されたカード60の表面61をスリーブ70Cの外から視認できるようになっている。また、第1実施形態のスリーブ70と同様、スリーブ70Cの裏面部72Cは不透明であり、人間の目に見える裏面部72Cの外観は全てのスリーブ70Cで同一になっている。
【0384】
スリーブ70Cの表面部71Cは第1コード77C-1を含む。第1コード77C-1は表面部71Cの外側面に不可視インクで印刷される。なお、
図37では、第1コード77C-1が表面部71Cの中央に印刷されているが、第1コード77C-1は中央以外の位置に印刷されてもよい。第1コード77C-1はスリーブ70CのスリーブIDが埋め込まれたコードである。すなわち、第1コード77C-1は、スリーブ70CのスリーブIDを所定の規格(ルール)に則ってコード化したものである。言い換えれば、第1コード77C-1は、スリーブ70CのスリーブIDに基づいて生成されるパターン(当該スリーブIDに固有のパターン)を含むコードである。第1コード77C-1は例えば二次元コード(QRコード(登録商標)等)である。なお、スリーブIDは個々のスリーブ70Cを一意に識別する情報である。
【0385】
また、スリーブ70Cの裏面部72Cは第2コード77C-2を含む。第2コード77C-2は裏面部72Cの外側面に不可視インクで印刷されている。第1コード77C-1と同様、第2コード77C-2もスリーブ70CのスリーブIDが埋め込まれたコードである。すなわち、スリーブ70CのスリーブIDは第1コード77C-1及び第2コード77C-2の両方に埋め込まれている。
【0386】
なお、以下では、第1コード77C-1及び第2コード77C-2を総称して「コード77C」と記載する場合がある。また、以下では、スリーブ70Cに収容された状態のカード60のことを、カード60単体と区別すべく、便宜上「カード60SC」と記載する。言い換えれば、カード60をスリーブ70Cに収容した場合のカード60及びスリーブ70Cを一つの物体とみなして「カード60SC」と記載する。
【0387】
第1撮影装置30C-1と同様、第2撮影装置30C-2もゲームフィールドFの上方に固定される。第2撮影装置30C-2の撮影画像にもゲームフィールドFのゾーンZ1~Z30が少なくとも含まれる。
【0388】
例えば、第2撮影装置30C-2は、ゲームフィールドFに不可視光を照射する光源と、ゲームフィールドF又はゲームフィールドFに置かれたカード60SCによって反射された反射光を撮像して電子的な画像信号に変換して出力するイメージセンサとを含む。なお、イメージセンサには可視光(外乱光)が除去された反射光が入力されるようになっている。第2撮影装置30C-2は、ゲームフィールドFに置かれたカード60SCの第1コード77C-1又は第2コード77C-2を読み取るために使用される。
【0389】
第2撮影装置30C-2と情報処理装置40とは所定のインタフェース規格に則ったケーブルと介して接続されている。または、第2撮影装置30C-2と情報処理装置40とは通信ネットワークを介して通信可能である。第2撮影装置30C-2は所定時間ごとにゲームフィールドFを撮影し、その撮影画像は上記ケーブル又は通信ネットワークを介して情報処理装置40に供給される。
【0390】
カード60SCが表向きでゲームフィールドFが置かれた場合、第2撮影装置30C-2の撮影画像にはカード60SCの表面部71Cの第1コード77C-1が含まれており、当該撮影画像に基づいて、第1コード77C-1に埋め込まれた情報(スリーブID)が取得される。一方、カード60SCが裏向きでゲームフィールドFが置かれた場合、第2撮影装置30C-2の撮影画像にはカード60SCの裏面部72Cの第2コード77C-2が含まれており、当該撮影画像に基づいて、第2コード77C-2に埋め込まれた情報(スリーブID)が取得される。
【0391】
[4-2.処理]第4実施形態に係るシステム1Cで実行される処理について説明する。
【0392】
[4-2-1]
図38は第4実施形態の関連付け処理の一例を示す。例えば、プレイヤは自らのデッキのうちから1枚のカード60SCを縦向き及び表向きでゲームフィールドFのうちの所定のゾーンZ(例えばゾーンZ11等)に置く。この状態で
図38に示す関連付け処理が実行される。
【0393】
図38に示すように、まず、情報処理装置40の制御部41は第1撮影装置30C-1の撮影画像を取得する(S400C)。そして、制御部41は撮影画像に写っているカード60SCのカードIDを撮影画像から特定する(S402C)。ステップS400C,S402Cは
図10のステップS400,S402と同様である。
【0394】
また、制御部41は第2撮影装置30C-2の撮影画像を取得する(S404C)。そして、制御部41は撮影画像に写っている第1コード72C-1からスリーブIDを取得する(S406C)。そして、制御部41は、ステップS402Cで特定されたカードIDと、ステップS406Cで取得されたスリーブIDとの関連付けを関連付けデータD1Cに登録する(S408C)。
【0395】
図39は第4実施形態における関連付けデータD1Cの一例を示す。
図39に示すように、関連付けデータD1Cは「カードID」及び「スリーブID」フィールドを含む。「カードID」フィールドは第1実施形態の関連付けデータD1の「カードID」フィールドと同様である。「スリーブID」フィールドは、スリーブIDを登録するためのフィールドである。
【0396】
ステップS408Cにおいて、制御部41は新たなレコードを関連付けデータD1Cに追加し、当該レコードの「カードID」及び「スリーブID」フィールドに対して、ステップS402Cで特定されたカードIDと、ステップS406Cで取得されたスリーブIDとを登録する。
【0397】
ステップS408Cの実行後、関連付け処理が完了したことを示す完了通知が出力され、プレイヤは上記ゾーンZに置かれたカード60SCを取り除き、自らのデッキのうちから次のカード60SCを縦向き及び表向きで上記ゾーンZに置く。この状態で
図38に示す関連付け処理が再び実行される。
【0398】
第1プレイヤのデッキに含まれる各カード60SCに関して、
図38に示す関連付け処理が実行されることによって、第1プレイヤのデッキに含まれる全カード60SCの情報が関連付けデータD1Cに登録される。また、第2プレイヤのデッキに含まれる各カード60SCに関しても、
図38に示す関連付け処理が実行されることによって、第2プレイヤのデッキに含まれる全カード60SCの情報が関連付けデータD1Cに登録される。
【0399】
[4-2-2]
図40は第4実施形態の特定処理の一例を示す。
図40に示すように、まず、情報処理装置40の制御部41は第1撮影装置30C-1の撮影画像を取得する(S430C)。そして、制御部41は撮影画像からカード60SCの位置及び向きを特定する(S432C)。ステップS430C,S432Cの処理は
図13のステップS430,S432と同様である。ステップS432Cにおける特定結果は第1特定結果データD2に登録される。第1特定結果データD2は第1実施形態と同様である。
【0400】
ステップS432Cの実行後、制御部41は第2撮影装置30C-2の撮影画像を取得し(S434C)、制御部41は撮影画像からカード60SCの位置及びカードIDを特定する(S436C)。
【0401】
例えば、制御部41は、撮影画像の領域A1~A30の各々にコード77C(第1コード77C-1又は第2コード77C-2)が写っているか否かを判定する。また、制御部41は、写っているコード77CからスリーブIDを取得する。
【0402】
ステップS436Cにおける特定結果は第2特定結果データD3Cに登録される。
図41は第2特定結果データD3Cの一例を示す。
図41に示すように、第2特定結果データD3Cは「領域ID」及び「カードID」フィールドを含む。「領域ID」フィールドは第1実施形態の第1特定結果データD2の「領域ID」フィールドと同様であり、「カードID」フィールドは第1実施形態の第2特定結果データD3の「カードID」フィールドと同様である。
【0403】
例えば、コード77Cが領域A10に写っていた場合、制御部41は、当該コード77Cから取得されたスリーブIDを領域ID「A10」のレコードの「カードID」フィールドに登録する。
【0404】
ステップS436Cの実行後、制御部41は、第1特定結果データD2と第2特定結果データD3Cとに基づいて、ゲームフィールド状況データD4を生成する(S438C)。ゲームフィールド状況データD4は第1実施形態と同様である。
【0405】
なお、
図7に示した状況の場合、カード束600-1(すなわち、裏向きで積み重ねられた複数のカード60SC)がゾーンZ7に置かれているが、第4実施形態では、ゾーンZ7に置かれたカード束600-1のうちの一番上のカード60SCの第2コード77C-2のみが第2撮影装置30C-2の撮影画像に写る。このため、第2特定結果データD3Cの領域ID「A7」のレコードや、ゲームフィールド状況データD4のゾーンID「Z7」のレコードの「カードID」フィールドには、ゾーンZ7に置かれたカード束600-1のうちの一番上のカード60SCのカードIDのみが登録される。ゾーンZ1,Z15,Z21に関しても同様である。
【0406】
[4-2-3]第4実施形態においても、
図18に示した表示制御処理や
図19に示した処理が実行される。ただし、第4実施形態のゲームフィールド画像GのパーツPA-1~PA-4では、カード束600-1~600-4に含まれるカード60SCの枚数を示す数値が表示されない。
【0407】
[4-3.効果]第4実施形態によれば、カード60SCが表向きでゲームフィールドFに置かれた場合には、カード60SCの表面部71Cの第1コード77C-1が第2撮影装置30C-2に撮影されることによって、第1コード77C-1に埋め込まれた情報を読み取ることができ、その結果として、カード60SCのカードIDを取得できる。一方、カード60SCが裏向きでゲームフィールドFに置かれた場合には、カード60SCの裏面部72Cの第2コード77C-2が第2撮影装置30C-2に撮影されることによって、第2コード77C-2に埋め込まれた情報を読み取ることができ、その結果として、カード60SCのカードIDを取得できる。このように、第4実施形態によれば、カード60SCが表向き及び裏向きのいずれで置かれた場合であっても、カード60SCのカードIDを取得できる。
【0408】
第4実施形態によれば、カード60SCが裏向きでゲームフィールドFに置かれた場合(すなわち、表面61が見えない状態でカード60SCがゲームフィールドF上に置かれた場合)であっても、カード60SCの裏面部72Cの第2コード77C-2に保持される情報に基づいて、カード60の表面61に記された情報(カード60の名称や性能等)を特定できる。
【0409】
また第4実施形態によれば、コード77Cがスリーブ70Cに印刷されるため、カード60自体にコード77Cが印刷されていない場合であっても、カード60をスリーブ70Cに収容して使用することにより、カード60の種類や状態を第2撮影装置30C-2の撮影画像に基づいて特定することが可能になる。すなわち、コード77Cがカード60自体に印刷されている必要がないため、例えば、コード77Cが印刷されていない既存のカード60を使用することが可能になる。
【0410】
また第4実施形態によれば、コード77Cが人により視認できない不可視の状態で印刷されるため、人から見たカード60SC(カード60)の外観が損なわれないように図ることが可能になる。また、カード60SCが裏向きでゲームフィールドFに置かれた場合に、対戦相手が裏面部72Cに印刷された第2コード77C-2を頼りとして、本来は把握できないはずのカード60の名称や性能等を把握できてしまうことがないように図ることもできる。
【0411】
[4-4.変形例]第4実施形態の変形例について説明する。
【0412】
[4-4-1]例えば、第1コード77C-1には、スリーブIDとともに、表面部71Cに印刷されたコードであることを示す情報を埋め込むようにしてもよい。また、第2コード77C-2には、スリーブIDとともに、裏面部72Cに印刷されたコードであることを示す情報を埋め込むようにしてもよい。
【0413】
具体的には、第1コード77C-1には、スリーブIDとともに、表裏フラグとして、表であることを示す「0」を埋め込み、第2コード77C-2には、スリーブIDとともに、表裏フラグとして、裏であることを示す「1」を埋め込むようにしてもよい。そして、第2撮影装置30C-2の撮影画像に写っているコード77CからスリーブIDとともに表裏フラグを取得するようにしてもよい。
【0414】
このようにすれば、カード60SCが表向きで置かれた場合には、第1コード77C-1から表裏フラグとして「0」が取得されることによって、カード60SCが表向きで置かれていることを特定でき、カード60SCが裏向きで置かれた場合には、第2コード77C-2から表裏フラグとして「1」が取得されることによって、カード60SCが裏向きで置かれていることを特定できる。すなわち、カード60SCの表裏の向きを第2撮影装置30C-2の撮影画像に基づいて特定できる。つまり、カード60SCの状態を第2撮影装置30C-2の撮影画像に基づいて特定できる。
【0415】
[4-4-2]例えば、第2実施形態の第1ICタグ73-1及び第2ICタグ73C-2と同様に、所定の位置関係を有する複数のコード77Cを裏面部72Cに印刷してもよい。そして、カード60SCが裏向きで置かれた場合には、第2撮影装置30C-2の撮影画像に写るこれら複数のコード77Cの位置関係に基づいて、カード60SCの縦横の向きを特定するようにしてもよい。
【0416】
また、所定の位置関係を有する複数のコード77Cを表面部71Cにも印刷してもよい。そして、カード60SCが表向きで置かれた場合には、第2撮影装置30C-2の撮影画像に写るこれら複数のコード77Cの位置関係に基づいて、カード60SCの縦横の向きを特定するようにしてもよい。
【0417】
このようにすれば、カード60SCの縦横の向きを第2撮影装置30C-2の撮影画像に基づいて特定できる。
【0418】
[4-4-3]また、例えば、カード60のカードIDを第1コード77C-1及び第2コード77C-2を埋め込んでもよい。
【0419】
[4-5.機能要素]
図42は、第4実施形態に係るシステム1Cに含まれる機能要素について説明するための機能ブロック図である。なお、
図42では、第1実施形態における機能要素と同一の機能要素(表示制御部160及び表示部170)に
図22と同一の符号を付しており、ここではこれらの機能要素の説明を省略する。また、文言の説明に関しても、第1実施形態と重複する点に関しては説明を省略する。
【0420】
[4-5-1]まず、対象物100Cについて説明する。対象物100Cは遊戯媒体を収容体に収容してなる物体である。
【0421】
遊戯媒体は、遊戯媒体の種類に応じた外観を有する面(以下、便宜上「特徴面」と呼ぶ)を有する。例えば、特徴面は、遊戯媒体の種類に固有の外観を有する面である。また例えば、特徴面は、遊戯媒体の種類に応じたテキスト又は図柄が記された面である。
【0422】
収容体は第1面部と第2面部とを含む。これらの第1面部及び第2面部は第1実施形態における収容体(対象物100)に含まれることとして説明した第1面部及び第2面部と同様である。遊戯媒体が収容体に収容された状態では第1面部(第1面部の内側面)と遊戯物体の特徴面とが対向する。例えば、第1面部の全部又は一部は透明な素材(透明フィルム等)を使用して形成されており、第1面部は、収容体に収容された遊戯物体の特徴面を収容体外から第1面部を介して視認可能に構成されている。
【0423】
対象物100Cは第1保持部101Cと第2保持部102Cとを含む。第1保持部101Cは収容体の第1面部に備えられる。第1保持部101Cは、収容体に収容された遊戯媒体の種類又は状態を特定するための第1特定情報を保持するためのものである。
【0424】
例えば、対象物100C(収容体)の第1面部には、人により視認されない不可視の状態で第1特定情報が記される。この場合、不可視の状態で第1特定情報が記された部分が第1保持部101Cに相当する。例えば、第1特定情報は不可視インクを使用して第1面部に記される。なお、例えば、第1特定情報は第1面部の外側面に記される。
【0425】
「第1特定情報」とは、収容体に収容された遊戯媒体の種類及び状態の少なくとも一方を特定するための基礎となる情報である。言い換えれば、「第1特定情報」は、収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報と、収容体に収容された遊戯媒体の状態を特定するための基礎となる情報との少なくとも一方を含む。
【0426】
例えば、収容体を一意に識別する収容体IDと、当該収容体に収容された遊戯媒体の遊戯媒体IDとを関連付けたデータが存在し、収容体IDに基づいて、収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定できる場合、「第1特定情報」は、収容体IDを「収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報」として含む。また例えば、「第1特定情報」は、遊戯媒体の種類を一意に識別する遊戯媒体IDを含んでもよい。
【0427】
また例えば、「第1特定情報」は、第1保持部101Cを識別する第1識別情報を「収容体に収容された遊戯媒体の状態を特定するための基礎となる情報」として含んでもよい。例えば、第1面部の第1保持部101Cに記憶された第1識別情報が読み取られた場合には、第2面部と対象面とが接するようにして、対象物100Cが対象面上に置かれていることが特定される。このため、「第1特定情報」は、第1保持部101Cを識別する第1識別情報を「対象物100Cの配置形式(第2面部と対象面とが接するようにして、対象物100Cが対象面上に置かれているのか否か)を特定するための基礎となる情報」として含んでもよい。
【0428】
一方、第2保持部102Cは収容体の第2面部に備えられる。第2保持部102Cは、収容体に収容された遊戯媒体の種類又は状態を特定するための第2特定情報を保持するためのものである。
【0429】
例えば、対象物100C(収容体)の第2面部には、人により視認されない不可視の状態で第2特定情報が記される。この場合、不可視の状態で第2特定情報が記された部分が第2保持部102Cに相当する。例えば、第2特定情報は不可視インクを使用して第2面部に記される。なお、例えば、第2特定情報は第2面部の外側面に記される。
【0430】
第1特定情報と同様、「第2特定情報」とは、収容体に収容された遊戯媒体の種類及び状態の少なくとも一方を特定するための基礎となる情報である。
【0431】
例えば、「第2特定情報」は、収容体の収容体ID、又は、収容体に収容された遊戯媒体の遊戯媒体IDを「収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報」として含む。
【0432】
また例えば、「第2特定情報」は、第2保持部102Cを識別する第2識別情報を「対象物100Cの状態を特定するための基礎となる情報」として含んでもよい。例えば、第2面部の第2保持部102Cに記憶された第2識別情報が読み取られた場合には、第1面部と対象面とが接するようにして、対象物100Cが対象面上に置かれていることが特定される。このため、「第2特定情報」は、第2保持部102Cを識別する第2識別情報を「対象物100Cの配置形式(第1面部と対象面とが接するようにして、対象物100Cが対象面上に置かれているのか否か)を特定するための基礎となる情報」として含んでもよい。
【0433】
なお、第1特定情報及び第2特定情報の各々が「収容体に収容された遊戯媒体の種類を特定するための基礎となる情報」のみを含む場合、第1特定情報及び第2特定情報は同一の情報になる。
【0434】
収容体の第1面部及び第2面部は、第1面部の外側面と対象面とが接するようにして対象物100Cが対象面上に置かれている場合に第2面部の第2保持部102Cに保持された第2特定情報を読取部130Cによって読み取ることが可能になり、第2面部の外側面と対象面とが接するようにして対象物100Cが対象面上に置かれている場合には第1面部の第1保持部101Cに保持された第1特定情報を読取部130Cによって読み取ることが可能になるような位置関係を有する。
【0435】
例えば、収容体の第1面部及び第2面部は、第1面部の外側面と対象面とが接するようにして対象物100Cが対象面上に置かれている場合には第2面部の外側面が上を向いた状態となり、対象面の上方に設置された装置を介して第2面部の第2保持部102Cに保持された第2特定情報を読み取ることが可能になり、第2面部の外側面と対象面とが接するようにして対象物100Cが対象面上に置かれている場合には第1面部の外側面が上を向いた状態となり、対象面の上方に設置された装置を介して第1面部の第1保持部101Cに保持された第1特定情報を読み取ることが可能になるような位置関係を有する。
【0436】
先述のカードゲームの例の場合、カード60SCが対象物100Cの一例に相当し、カード60が「遊戯媒体」の一例に相当し、スリーブ70Cが「収容体」の一例に相当する。また、スリーブ70Cの表面部71C及び裏面部72Cが「第1面部」及び「第2面部」の一例に相当する。
【0437】
さらに、第1コード77C-1及び第2コード77C-2が第1保持部101C及び第2保持部102Cの一例に相当する。また、スリーブIDが「第1特定情報」及び「第2特定情報」の一例に相当する。また、表裏フラグを第1コード77C-1及び第2コード77C-2の各々に埋め込む変形例の場合には、表裏フラグも「第1特定情報」及び「第2特定情報」の一例に相当する。
【0438】
[4-5-2]第1撮影部110Cは第1撮影装置30C-1によって実現される。第1撮影部110Cは対象物100Cが置かれる対象面を撮影する。例えば、第1撮影部110Cは対象面の上方から対象面を撮影する。第1撮影部110Cは、対象面全体を撮影可能なものであってもよいし、対象面のうち、対象物100Cが置かれる可能性のある領域のみを撮影可能なものであってもよい。第1撮影画像取得部120Cは第1撮影部110Cの撮影画像を取得する。
【0439】
[4-5-3]第2撮影部180Cは第2撮影装置30C-2によって実現される。第2撮影部180Cは対象物100Cが置かれる対象面を撮影する。第2撮影部180Cは、対象面に不可視光を照射する光源と、対象面又は対象面に置かれた対象物100Cによって反射された反射光(不可視光)を撮像して電子的な画像信号に変換して出力するイメージセンサとを含む。例えば、第2撮影部180Cは対象面の上方から対象面を撮影する。第2撮影部180Cは、対象面全体を撮影可能なものであってもよいし、対象面のうち、対象物100Cが置かれる可能性のある領域のみを撮影可能なものであってもよい。第2撮影画像取得部190Cは第2撮影部180Cの撮影画像を取得する。
【0440】
[4-5-4]読取部130Cは第1保持部101Cに保持された第1特定情報を読み取る。読取部130Cは第2撮影部180Cの撮影画像に基づいて第1特定情報を読み取る。また、読取部130Cは第2保持部102Cに保持された第2特定情報を読み取る。読取部130Cは第2撮影部180Cの撮影画像に基づいて第2特定情報を読み取る。
【0441】
対象物100C(収容体)の第1面部と対象面とが接するようにして、対象物100Cが対象面上に置かれる場合には対象物100Cの第2面部の第2保持部102Cに保持された第2特定情報が読取部130Cによって読み取り可能になる。一方、対象物100C(収容体)の第2面部と対象面とが接するようにして、対象物100Cが対象面上に置かれる場合には、対象物100C第1面部の第1保持部101Cに保持された第1特定情報が読取部130Cによって読み取り可能になる。
【0442】
先述のカードゲームの例では、カード60SCが表向きで置かれた場合に、第1コード77C-1が第2撮影装置30C-2の撮影画像に写るため、読取部130Cは第1コード77C-1に埋め込まれたスリーブID(又は表裏フラグ)を読み取る。一方、カード60SCが裏向きで置かれた場合に、第2コード77C-2が第2撮影装置30C-2の撮影画像に写るため、読取部130Cは第2コード77C-2に埋め込まれたスリーブID(又は表裏フラグ)を読み取る。
【0443】
[4-5-5]特定部150Cは、第1撮影部110Cの撮影画像と、読取部130Cの読取結果とに基づいて、対象物100Cの位置及び状態を特定する。特定部150Cは第1特定部151Cと第2特定部152Cとを含む。
【0444】
例えば、第1特定部151Cは、第1撮影部110Cの撮影画像に基づいて、対象物100Cの位置及び向きを特定する。また、第2特定部152Cは、読取部130Cの読取結果に基づいて、対象物100Cの位置及び種類を特定する。なお、第2特定部152Cは、読取部130Cの読取結果に基づいて、対象物100Cの位置、種類、及び向きを特定するようにしてもよい。
【0445】
先述のカードゲームの例の場合、第1特定部151Cは、第1撮影部110Cの撮影画像に基づいて、カード60SCの位置、縦横の向き、及び、表裏の向きを特定する。また、第2特定部152Cは、読取部130Cの読取結果に基づいて、カード60SCの位置及びカードIDを特定する。
【0446】
[4-5-6]なお、対象物100C(収容体)の第2面部は、第2保持部102Cと所定の位置関係を有するようにして設けられた第3保持部を含むようにしてもよい。
【0447】
すなわち、先述した変形例のように、第2実施形態の第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2と同様に、複数のコード77Cを裏面部72Cにも印刷してもよい。つまり、裏面部72Cは、第2コード77C-2とは別に、第2コード77C-2と所定の位置関係を有する第3コード(第3保持部の一例)とを含むようにしてもよい。
【0448】
この場合、第2実施形態の第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2と同様に、第2コード77C-2と第3コードとは、裏面部72Cの外側面上における位置が異なるようにして配置される。第2コード77C-2と第3コードとは、カード60SCが表向きでゲームフィールド上に置かれた場合の第2コード77C-2と第3コードの位置関係からカード60SCの向きを特定できるような位置に配置される。
【0449】
このようにすれば、カード60SCが裏向きで置かれた場合に、第2コード77C-2と第3コードとの位置関係に基づいて、カード60SCの縦横の向きを特定できる。表面部71Cに関しても同様である。
【0450】
[5.変形例]本発明は以上に説明した第1実施形態~第4実施形態に限定されるものではない。
【0451】
[5-1]例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、1つのスリーブに、表裏の向きを特定するためのICタグに加えて、縦横の向きを特定するためのICタグを備えさせてもよい。例えば、3つ又は4つ以上のICタグを1つのスリーブに備えさせてもよい。この場合、カード60の位置や状態(位置、縦横の向きや、表裏の向き)を特定するために撮影装置30は必ずしも必要なくなる。
【0452】
例えば、
図23に示したスリーブ70Aのように、第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2に相当する第1ICタグ及び第2ICタグをスリーブの裏面部の内側面に設け、さらに、
図29に示した遮断面部74Bのうちの下側半分のみに相当する遮断面部も当該スリーブ内に設け、当該遮断面部のうちの、
図29に示した第1面75Bに相当する面に、
図29に示した第1ICタグ73B-1に相当する第3ICタグを設けるようにしてもよい。
【0453】
この場合、スリーブのうちの下側半分の部分に存在している第2ICタグと第3ICタグとの間には遮断面部が存在するため、当該スリーブに収容されたカード60が表向きでゲームフィールドFに置かれた場合には、第2ICタグからの信号が読取装置20によって受信され、第3ICタグからの信号が読取装置20によって受信されないようになり、当該スリーブに収容されたカード60が裏向きでゲームフィールドFに置かれた場合には、第3ICタグからの信号が読取装置20によって受信され、第2ICタグからの信号が読取装置20によって受信されないようになる。その結果、第2ICタグ又は第3ICタグのいずれからの信号が読取装置20によって受信されたかによって、スリーブに収容されたカード60が表向き又は裏向きのいずれで置かれているのかを特定できる。
【0454】
また、この場合、スリーブのうちの上側半分の部分に存在している第1ICタグは遮断面部の影響を受けないため、当該スリーブに収容されたカード60が表向き又は裏向きのいずれでゲームフィールドFに置かれた場合であっても、第1ICタグからの信号は読取装置20によって受信される。その結果、スリーブに収容されたカード60が表向きで置かれた場合には、第1ICタグ及び第2ICタグからの信号が読取装置20によって受信され、これら第1ICタグ及び第2ICタグの各々の位置を特定できるため、これら第1ICタグ及び第2ICタグの位置関係から当該カード60の縦横の向きを特定できる。一方、スリーブに収容されたカード60が裏向きで置かれた場合には、第1ICタグ及び第3ICタグからの信号が読取装置20によって受信され、これら第1ICタグ及び第3ICタグの各々の位置を特定できるため、これら第1ICタグ及び第3ICタグの位置関係から当該カード60の縦横の向きを特定できる。
【0455】
このように、上記のような3つのICタグ(第1~第3ICタグ)を備えたスリーブによれば、ゲームフィールドFに置かれたカード60の表裏の向きを読取装置20の読取結果に基づいて特定でき、かつ、当該カード60が表向き又は裏向きのいずれで置かれた場合であっても、読取装置20の読取結果に基づいて、当該カード60の縦横の向きを特定できる。
【0456】
なお、例えば、
図29に示したスリーブ70B内の遮断面部74Bの第1面75Bと、遮断面部74Bの第2面75B(又はスリーブ70Bの裏面部72Bの内側面)とのそれぞれに、
図23に示した第1ICタグ73A-1及び第2ICタグ73A-2に相当する2つのICタグを備えさせることによって、4つのICタグを1つのスリーブに備えさせてもよい。このようにしても、ゲームフィールドFに置かれたカード60の表裏の向きを読取装置20の読取結果に基づいて特定でき、かつ、カード60が表向き又は裏向きのいずれで置かれた場合であっても、読取装置20の読取結果に基づいて、当該カード60の縦横の向きを特定できる。
【0457】
[5-2]また例えば、第1実施形態~第3実施形態のいずれかと第4実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち、ICタグと不可視のコードとの両方をスリーブ(又はカード60)に備えさせてもよい。
【0458】
[5-3]以上では、カードゲームについて主に説明したが、本発明は、カードゲーム以外のゲームにも適用することができる。本発明は、対象面上に置かれる対象物を使用して行われるゲームに適用することができる。
【0459】
[6.付記]以上のような記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために、適宜図面に記載された符号を括弧書きで記載するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0460】
A1)本発明の一態様に係る特定システム(1,1A,1B)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる対象物(100,100A,100B)を使用して行われるゲームにおいて前記対象面上に置かれた前記対象物の種類及び状態を特定するための特定システムであって、前記対象物が置かれる前記対象面を撮影する撮影手段(110)と、前記対象物に備えられるICタグ(73,73A-1,73A-1,73B-1,73B-2)に記憶される情報を読み取る読取手段(130)と、前記撮影手段の撮影画像と、前記読取手段の読取結果とに基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の種類及び状態を特定する特定手段(150,150A,150B)と、を含む。
【0461】
A12)本発明の一態様に係る特定装置(40)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる対象物(100,100A,100B)を使用して行われるゲームにおいて前記対象面上に置かれた前記対象物の種類及び状態を特定するための特定装置(40)であって、前記対象物が置かれる前記対象面を撮影する撮影手段(110)の撮影画像を取得する撮影画像取得手段(120)と、前記対象物に備えられるICタグ(73,73A-1,73A-1,73B-1,73B-2)に記憶される情報を読み取る読取手段(130)の読取結果を取得する読取結果取得手段(140)と、前記撮影手段の撮影画像と、前記読取手段の読取結果とに基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の種類及び状態を特定する特定手段(150)と、を含む。
【0462】
A13)本発明の一態様に係るプログラムは、A1)~A11)のいずれかに記載の特定システム(1)、又は、A12)に記載の特定装置(40)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0463】
A14)本発明の一態様に係る特定方法は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる対象物(100,100A,100B)を使用して行われるゲームにおいて前記対象面上に置かれた前記対象物の種類及び状態を特定するための特定方法であって、撮影画像取得手段(120)が、前記対象物が置かれる前記対象面を撮影する撮影手段(110)の撮影画像を取得するステップ(S430)と、読取結果取得手段(140)が、前記対象物に備えられるICタグ(73,73A-1,73A-1,73B-1,73B-2)に記憶される情報を読み取る読取手段(130)の読取結果を取得するステップ(S434)と、特定手段(150)が、前記撮影手段の撮影画像と、前記読取手段の読取結果とに基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の種類及び状態を特定する特定ステップ(S432,S436)と、を含む。
【0464】
A15)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、A13)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0465】
A1)、A12)~A15)に記載の発明によれば、対象物が置かれる対象面を撮影する撮影手段の撮影画像だけでなく、対象物に備えられるICタグに記憶される情報を読み取る読取手段の読取結果も使用して、対象面上に置かれた対象物の種類及び状態を特定できる。A1)、A12)~A15)に記載の発明によれば、撮影手段の撮影画像から特定できない(又は特定しにくい)事項を読取手段の読取結果に基づいて特定できる。
【0466】
A2)本発明の一態様では、前記特定手段(150,150A,150B)によって特定された前記対象物の種類に対応するオブジェクト(例えばPB-1,PB-2)を、前記特定手段(150,150A,150B)によって特定された前記対象物の状態に対応する状態で表示手段(170)に表示させる手段(160)をさらに含むようにしてもよい。
【0467】
A2)に記載の発明によれば、対象面上に置かれた対象物の種類に対応するオブジェクトが、対象面上に置かれた対象物の状態に対応する状態で表示手段に表示されるため、表示手段を見る人(観客等)がゲームの現在の状況を把握しやすくなる。
【0468】
A3)本発明の一態様では、前記特定手段(150,150A,150B)によって特定された前記対象物の状態に応じて、前記特定手段(150,150A,150B)によって特定された前記対象物の種類に対応するオブジェクトを表示手段(170)に表示させる手段(160)をさらに含むようにしてもよい。
【0469】
A3)に記載の発明によれば、例えば、特定手段によって特定された対象物の状態に応じて、特定手段によって特定された対象物の種類に対応するオブジェクトを表示するか否かを決定できる。例えば、特定手段によって特定された対象物の状態に合わせて、対象物に対応するオブジェクトとして、特定手段によって特定された対象物の種類に対応するオブジェクトを表示したり、特定手段によって特定された対象物の種類に対応するオブジェクトを表示しないようにしたりすることができる。
【0470】
A4)本発明の一態様では、前記対象物は、情報が記された面である記載面(例えば61)を有し、前記特定手段(150,150A,150B)は、前記読取手段(130)によって読み取られた前記情報に基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の種類を特定し、当該特定結果に基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の前記記載面に記された前記情報を特定し、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして前記対象物が前記対象面上に置かれている場合に、前記特定手段によって特定された当該対象物の前記記載面に記された前記情報に応じた表示を表示手段(170)に表示させる表示制御手段(160)と、をさらに含むようにしてもよい。
【0471】
A4)に記載の発明によれば、記載面と対象面とが対向するようにして対象物が対象面上に置かれている場合(つまり、記載面に記された情報が見えないような状態で対象物が対象面上に置かれている場合)であっても、当該対象物の記載面に記された情報に応じた表示が表示手段に表示されるため、表示手段を見る人(観客等)に対して、本来であれば知ることができない事項を知ることができるようになるという新たな興趣を提供できる。
【0472】
A5)本発明の一態様では、前記表示制御手段(160)は、前記対象面上に置かれた前記対象物に対応するオブジェクト(例えばPB-1,PB-2)を前記表示手段(170)に表示させる手段を含み、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして前記対象物が前記対象面上に置かれている状態で、当該対象物に対応する前記オブジェクトに関する所定操作が受け付けられた場合に、当該対象物の前記記載面に記された前記情報に応じた表示(例えばPC)を前記表示手段(170)に表示させるようにしてもよい。
【0473】
A5)に記載の発明によれば、記載面と対象面とが対向するようにして対象物が対象面上に置かれている場合(すなわち、記載面に記された情報が見えないような状態で対象物が対象面上に置かれている場合)において、当該対象物に対応するオブジェクトに関する所定操作を受け付けた場合に、当該対象物の記載面に記された情報に応じた表示が表示手段に表示されるため、例えば、本来であれば知ることができない事項を原則として知ることができないようにしておき、表示手段を見る人(観客等)が望む場合に限って、所定操作を行うことにより、知ることができるようにすることができる。
【0474】
A6)本発明の一態様では、前記特定手段(150,150A,150B)は、第2対象物が積み重ねられた状態で前記対象面上に置かれた第1対象物の種類を、前記第1対象物の前記ICタグから前記読取手段(130)によって読み取られた前記情報に基づいて特定するようにしてもよい。
【0475】
A6)に記載の発明によれば、第1対象物の上に第2対象物が積み重ねられている場合であっても、第1対象物の種類を特定できる。第1対象物の上に第2の対象物が積み重ねられている場合、第1対象物の種類を撮影画像から特定することは困難であるが、本発明によれば、第1対象物の種類を特定できる。
【0476】
A7)本発明の一態様では、前記読取手段(130)は、前記ICタグから送信される信号を受信するアンテナであって、前記対象面上の複数の位置とそれぞれ対応するようにして設置された複数のアンテナ(例えば20-10~20-30又は21及び22)を含み、前記特定手段(150)は、前記対象面上に置かれた前記対象物の前記ICタグから送信された信号が前記複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかに基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の位置を特定するようにしてもよい。
【0477】
A7)に記載の発明によれば、対象面上に置かれた対象物のICタグから送信された信号が複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかに基づいて、対象面上に置かれた対象物の位置を特定できる。例えば、対象面上に置かれた対象物の位置を撮影画像から特定することも可能であるが、A7)に記載の発明によれば、対象面上に置かれた対象物の位置を、撮影画像だけでなく、対象面上に置かれた対象物のICタグから送信された信号が複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかからも特定できるため、それらを照合することによって、対象面上に置かれた対象物の位置の特定結果の精度を向上できる。また、それらを照合することによって、複数の対象物が対象面上に置かれる場合であっても、撮影手段の撮影画像に基づく特定結果と読取手段の読取結果に基づく特定結果とが対象面上に置かれた同一の対象物に関するものであることを特定できる。
【0478】
A8)本発明の一態様では、前記対象物(100B)は、第1面部(例えば71B)と第2面部(例えば72B)とを有し、前記対象物は、第1ICタグ(例えば73B-1)と、第2ICタグ(例えば73B-2)と、前記第1ICタグと前記読取手段(130)との間の通信が前記第2面部を介して行われることを制限し、前記第2ICタグと前記読取手段との間の通信が前記第1面部を介して行われることを制限する制限部(103B)と、を備え、前記第1ICタグは、前記第1面部と前記制限部との間に配置され、前記第2ICタグは、前記第2面部と前記制限部との間に配置され、前記特定手段(150B)は、前記読取手段による前記第1ICタグ又は前記第2ICタグに記憶された情報の読取結果に基づいて、前記第1面部及び前記第2面部のいずれが前記対象面と対向するようにして前記対象物が前記対象面上に置かれているのかを特定するようにしてもよい。
【0479】
A8)に記載の発明によれば、対象物の第1面部(例えば表面部)が対象面と対向するようにして対象物が対象面上に置かれているのか、又は、対象物の第2面部(例えば裏面部)が対象面と対向するようにして対象物が対象面上に置かれているのかを、対象物に備えられた第1ICタグ及び第2ICタグに記憶された情報の読取結果に基づいて特定できる。例えば、第1面部及び第2面部のいずれが対象面と対向するようにして対象物が対象面上に置かれているのかを撮影画像から特定することも可能であるが、A8)に記載の発明によれば、第1面部及び第2面部のいずれが対象面と対向するようにして対象物が対象面上に置かれているのかを、撮影画像だけでなく、対象物に備えられた第1ICタグ及び第2ICタグに記憶された情報の読取結果からも特定できるため、それらを照合することによって、第1面及び第2面のいずれが対象面と対向するようにして対象物が対象面上に置かれているのかの特定結果の精度を向上できる。
【0480】
A9)本発明の一態様では、前記対象物(100A)は、第1ICタグ(例えば73A-1)と、前記第1ICタグと所定の位置関係を有するようにして備えられた第2ICタグ(例えば73A-2)と、を備え、前記読取手段(130)は、前記第1ICタグ及び前記第2ICタグの各々から送信される信号を受信するアンテナであって、前記対象面上の複数の位置とそれぞれ対応するようにして設置された複数のアンテナ(例えば21及び22)を含み、前記特定手段(150A)は、前記対象面上に置かれた前記対象物の前記第1ICタグ及び前記第2ICタグの各々から送信された信号が前記複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかに基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の向きを特定するようにしてもよい。
【0481】
A9)に記載の発明によれば、対象面上に置かれた対象物の第1ICタグ及び第2ICタグの各々から送信された信号が複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかに基づいて、対象面上に置かれた対象物の向きを特定できる。例えば、対象面上に置かれた対象物の向きを撮影画像から特定することも可能であるが、A9)に記載の発明によれば、対象面上に置かれた対象物の向きを、撮影画像だけでなく、対象物の第1ICタグ及び第2ICタグの各々から送信された信号が複数のアンテナのうちのいずれによって受信されたのかによっても特定できるため、それらを照合することによって、対象面上に置かれた対象物の位置の特定結果の精度を向上できる。
【0482】
A10)本発明の一態様では、前記特定手段(150,150A,150B)は、前記撮影手段(110)の撮影画像に基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の位置及び向きを特定する第1特定手段(151,151A,151B)と、前記読取手段(130)の読取結果に基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の位置及び種類を特定する第2特定手段(152,152A,152B)と、を含み、前記第1特定手段によって特定された位置と前記第2特定手段によって特定された位置とに基づいて、前記対象面上に置かれた同一の対象物に関する前記第1特定手段の特定結果と前記第2特定手段の特定結果との組合せを特定するようにしてもよい。
【0483】
A10)に記載の発明によれば、複数の対象物が対象面上に置かれる場合であっても、同一の対象物に関する第1特定手段の特定結果(位置及び向き)と第2特定手段の特定結果(位置及び種類)との組合せを特定できる。すなわち、複数の対象物が対象面上に置かれる場合であっても、個々の対象物ごとに、種類、位置、及び向きの組合せを特定できる。
【0484】
A11)本発明の一態様では、前記対象物は、前記ICタグを備えた収容体(例えば70,70A,70B)に遊戯媒体(例えば60)が収容されたもの、又は、前記ICタグを備えた物(例えば80)と遊戯媒体(例えば60)とが収容体に収容されたものであってもよい。
【0485】
A11)に記載の発明によれば、ICタグを備えていない遊戯媒体に関しても、特定手段によって種類や状態を特定することが可能になる。すなわち、ICタグを備えていない遊戯媒体を使用することが可能になる。
【0486】
B1)本発明の他の一態様に係る表示制御システム(1,1A,1B,1C)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる対象物(100,100A,100B,100C)を使用して行われるゲームで前記対象面上に置かれた前記対象物に関する表示(例えばPC)を表示手段(170)に表示させる表示制御システムであって、前記対象物は、情報が記された面である記載面(例えば61)を含み、前記対象物は、当該対象物の前記記載面に記された前記情報を特定するための特定情報(例えばタグID、カードID、又はスリーブID)を保持する保持部(101,101A,102A,101B,102B)をさらに含み、前記表示制御システムは、前記対象面上に置かれる前記対象物の前記保持部に保持される前記特定情報を読み取る読取手段(130)と、前記読取手段によって読み取られた前記特定情報に基づいて、前記対象面上に置かれる前記対象物の前記記載面に記された前記情報を特定する特定手段(150,150A,150B,150C)と、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして前記対象物が前記対象面上に置かれている場合に、前記特定手段によって特定された、当該対象物の前記記載面に記された前記情報に応じた表示(例えばPC)を前記表示手段(170)に表示させる表示制御手段(160)と、を含む。
【0487】
B7)本発明の他の一態様に係る表示制御装置(40又は50)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる対象物(100,100A,100B,100C)を使用して行われるゲームで前記対象面上に置かれた前記対象物に関する表示(例えばPC)を表示手段(170)に表示させる表示制御装置であって、前記対象物は、情報が記された面である記載面(例えば61)を含み、前記対象物は、当該対象物の前記記載面に記された前記情報を特定するための特定情報(例えばタグID、カードID、又はスリーブID)を保持する保持部(101,101A,102A,101B,102B)をさらに含み、前記表示制御装置は、前記対象面上に置かれる前記対象物の前記保持部に保持される前記特定情報を読み取る読取手段(130,130C)の読取結果を取得する取得手段(140,150C)と、前記読取手段によって読み取られた前記特定情報に基づいて、前記対象面上に置かれる前記対象物の前記記載面に記された前記情報を特定する特定手段(150,150A,150B,150C)と、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして前記対象物が前記対象面上に置かれている場合に、前記特定手段によって特定された、当該対象物の前記記載面に記された前記情報に応じた表示(例えばPC等)を前記表示手段(170)に表示させる表示制御手段(160)と、を含む。
【0488】
B8)本発明の他の一態様に係るプログラムは、B1)~B6)のいずれかに記載の表示制御システム(1)、又は、B7)に記載の表示制御装置(40又は50)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0489】
B9)本発明の他の一態様に係る表示制御方法は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる対象物(100,100A,100B,100C)を使用して行われるゲームで前記対象面上に置かれた前記対象物に関する表示(例えばPC)を表示手段(170)に表示させる表示制御方法であって、前記対象物は、情報が記された面である記載面(例えば61)を含み、前記対象物は、当該対象物の前記記載面に記された前記情報を特定するための特定情報(例えばタグID、カードID、又はスリーブID)を保持する保持部(101,101A,102A,101B,102B,101C,102C)をさらに含み、前記表示制御方法は、取得手段(140,150C)が、前記対象面上に置かれる前記対象物の前記保持部に保持される前記特定情報を読み取る読取手段(130,130C)の読取結果を取得する取得ステップ(S430,S434又はS430C,S436C)と、特定手段(150,150A,150B,150C)が、前記読取手段によって読み取られた前記特定情報に基づいて、前記対象面上に置かれる前記対象物の前記記載面に記された前記情報を特定する特定ステップ(S432,S436又はS432C,S436C)と、表示制御手段(160)が、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして前記対象物が前記対象面上に置かれている場合に、前記特定ステップによって特定された、当該対象物の前記記載面に記された前記情報に応じた表示(例えばPC)を前記表示手段(170)に表示させる表示制御ステップ(S512)と、を含む。
【0490】
B10)本発明の他の一態様に係る情報記憶媒体は、B8)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0491】
B1)、B7)~B10)に記載の発明によれば、情報が記された対象物の記載面と対象面とが対向するようにして対象物が対象面上に置かれている場合(すなわち、記載面に記された情報が見えない状態で対象物が対象面上に置かれている場合)であっても、当該対象物の記載面に記された情報に応じた表示が表示手段に表示されるため、表示手段を見る観客に対して、本来であれば知ることができない事項を知ることができるという興趣を提供でき、ゲームを観客として見る場合の興趣を向上できる。
【0492】
B2)本発明の一態様では、前記表示制御手段(160)は、前記対象面上に置かれた前記対象物に対応するオブジェクト(例えばPB-1,PB-2)を前記表示手段(170)に表示させる手段を含み、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして前記対象物が前記対象面上に置かれた状態で、当該対象物に対応する前記オブジェクトに関する所定操作が受け付けられた場合に、当該対象物の前記記載面に記された前記情報に応じた表示(例えばPC)を前記表示手段に表示させるようにしてもよい。
【0493】
B2)に記載の発明によれば、情報が記された対象物の記載面と対象面とが対向するようにして対象物が対象面上に置かれている場合(すなわち、記載面に記された情報が見えない状態で対象物が対象面上に置かれている場合)において、当該対象物に対応するオブジェクトに関する所定操作が受け付けられた場合に、当該対象物の記載面に記された情報に応じた表示が表示手段に表示されるため、例えば、本来であれば知ることができない事項を原則として知ることができない状態としておき、表示手段を見る観客が望む場合に限って、所定操作を行うことにより、当該情報に応じた表示を表示手段に表示させることができる。すなわち、当該事項を知ることを望まない観客には知らせないように図ることができる。
【0494】
B3)本発明の一態様では、前記保持部(101,101A-1,101A-2,101B-1,101B-2)は、前記特定情報を記憶するICタグ(73,73A-1,73A-2,73B-1,73B-2)を含み、前記読取手段(130)は、前記ICタグに記憶される前記特定情報を読み取るようにしてもよい。
【0495】
B3)に記載の発明によれば、記載面と対象面とが対向するようにして対象物が対象面上に置かれている場合(すなわち、記載面に記された情報が見えない状態で対象物が対象面上に置かれている場合)であっても、ICタグに記憶される特定情報に基づいて、記載面に記された情報を特定できる。
【0496】
B4)本発明の一態様では、前記対象物(100B,100C)は、前記記載面(例えば61)と、前記保持部(101B-2,101C-2)を備えた保持面(例えば76B,72C)とを含み、前記読取手段(130,130C)は、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして前記対象面上に置かれる前記対象物の前記保持面の前記保持部に保持される前記特定情報を読み取るようにしてもよい。
【0497】
B4)に記載の発明によれば、記載面と対象面とが対向するようにして対象物が対象面上に置かれている場合(すなわち、記載面に記された情報が見えない状態で対象物が対象面上に置かれている場合)であっても、記載面とは別の面(保持面)の保持部に保持される情報に基づいて、記載面に記された情報を特定できる。
【0498】
B5)本発明の一態様では、前記対象物が置かれる前記対象面を撮影する撮影手段(110,110C)を含み、前記特定手段(150B,150C)は、前記撮影手段の撮影画像に基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の位置と、前記記載面と前記対象面とが対向するようにして当該対象物が前記対象面上に置かれているか否かとを特定する第1特定手段(151B,151C)と、前記読取手段(130,130C)の読取結果に基づいて、前記対象面上に置かれた前記対象物の位置と、当該対象物の前記記載面に記された前記情報とを特定する第2特定手段(152B,152C)と、を含み、前記第1特定手段によって特定された位置と前記第2特定手段によって特定された位置とに基づいて、前記対象面上に置かれた同一の対象物に関する前記第1特定手段の特定結果と前記第2特定手段の特定結果との組合せを特定するようにしてもよい。
【0499】
B5)に記載の発明によれば、複数の対象物が対象面上に置かれる場合であっても、同一の対象物に関する第1特定手段の特定結果(位置や、記載面と対象面とが対向するようにして置かれているか否か)と第2特定手段の特定結果(位置や、記載面に記された情報)との組合せを特定できる。すなわち、複数の対象物が対象面上に置かれる場合であっても、個々の対象物ごとに、位置、記載面と対象面とが対向するようにして置かれているか否かや、記載面に記された情報を特定できる。
【0500】
B6)本発明の一態様では、前記対象物は、前記保持部(101,101A,102A,101B,102B,101C,102C)を備えた収容体(例えば70,70A,70B,70C)に遊戯媒体(例えば60)が収容されたもの、又は、前記保持部を備えた物(例えば80)と遊戯媒体(例えば60)とが収容体に収容されたものであってもよい。
【0501】
B6)に記載の発明によれば、保持部を備えていない遊戯媒体に関しても、特定手段による特定が可能になる。すなわち、保持部を備えていない遊戯媒体を使用することが可能になる。
【0502】
C1)本発明の他の一態様に係る収容体(例えば70,70A,70B)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる遊戯媒体(例えば60)を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体を収容するための収容体であって、前記収容体に収容された状態で前記対象面上に置かれた前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報(例えばタグID又はカードID)を保持するためのICタグ(例えば73,73A-1,73A-2,73B-1,73B-2)を含む。
【0503】
C1)に記載の発明によれば、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するためのICタグが収容体又は遊戯媒体とともに収容体に収容される物体に備えられるため、遊戯媒体を収容体に収容した状態で使用し、ICタグに保持された特定情報をICタグリーダによって読み取ることにより、読み取った特定情報に基づき、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の種類又は状態を特定できる。
【0504】
また、C1)に記載の発明によれば、対象面上に置かれた遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにするための特別の仕組みを遊戯媒体自体に備えさせる必要がなく、既存の遊戯媒体(上記特別の仕組みを備えていない遊戯媒体)もゲームに使用することができる。
【0505】
このように、C1)に記載の発明によれば、既存の遊戯物体をゲームで使用することができるように図りつつ、実世界の対象面上に置かれる遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにすることが可能になる。
【0506】
C2)本発明の一態様では、前記遊戯媒体(例えば61)は、情報が記された面である記載面(例えば61)を含み、前記収容体(例えば70,70A,70B)は、前記遊戯媒体が前記収容体に収容された場合に前記記載面と対向することになる対向面部であって、前記収容体外から、当該対向面部を介して、前記収容体に収容された前記遊戯媒体の前記記載面を視認可能に構成された対向面部(例えば71,71A,71B)を含み、前記ICタグ(例えば73,73A-1,73A-2,73B-1,73B-2)は、前記対向面部以外の位置に備えられる。
【0507】
C2)に記載の発明によれば、ICタグが対向面部以外の位置に備えられるため、収容体に収容された遊戯媒体の記載面に記された情報がICタグによって隠されて見難くなってしまうことを抑制できる。
【0508】
C3)本発明の一態様では、前記収容体(例えば70,70A,70B)は、前記対向面部とは反対側にある反対面部(例えば72,72A,72B)を含み、前記ICタグ(例えば73,73A-1,73A-2,73B-1,73B-2)は、前記反対面部に備えられるようにしてもよい。
【0509】
C3)に記載の発明によれば、ICタグが対向面部とは反対側にある反対面部に備えられるため、収容体に収容された遊戯媒体の記載面に記された情報がICタグによって隠されて見難くなってしまうことを抑制できる。
【0510】
C4)本発明の一態様では、前記反対面部(例えば72,72A,72B)は、他の収容体の前記反対面部と共通な外観を有してもよい。
【0511】
C4)に記載の発明によれば、ICタグが備えられた反対側面部から個々の収容体が区別されないように担保することができる。
【0512】
C5)本発明の一態様では、第1ICタグ(例えば73A-1)と、前記第1ICタグと所定の位置関係を有するようにして備えられた第2ICタグ(例えば73A-2)と、を含むようにしてもよい。
【0513】
C5)に記載の発明によれば、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の向きを特定できる。すなわち、対象面上の複数の位置とそれぞれ対応するようにして設けられた1又は複数のアンテナを、第1ICタグ及び第2ICタグの各々から送信される信号を受信するためのアンテナとして設けておくことによって、対象面上に置かれた収容体の第1ICタグ及び第2ICタグの各々から送信された信号がどの位置のアンテナで受信されたのかに基づいて、第1ICタグ及び第2ICタグの位置を特定でき、第1ICタグ及び第2ICタグの位置関係に基づいて、対象面上に置かれた収容体(収容体に収容された遊戯媒体)の向きを特定できる。
【0514】
C6)本発明の一態様では、第1面部(例えば71B)と、第2面部(例えば72B)と、第1ICタグ(例えば73B-1)と、第2ICタグ(例えば73B-2)と、前記第1ICタグ又は前記第2ICタグに保持された前記特定情報を読み取るための読取手段(130:例えば20-1~20-30)と前記第1ICタグとの間の通信が前記第2面部を介して行われることを制限し、前記読取手段(130)と前記第2ICタグとの間の通信が前記第1面部を介して行われることを制限する制限部(103B:例えば74B)と、を含み、前記第1ICタグは、前記第1面部と前記制限部との間に配置され、前記第2ICタグは、前記第2面部と前記制限部との間に配置されるようにしてもよい。
【0515】
C6)に記載の発明によれば、収容体の第1面部又は第2面部のいずれが対象面と接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれているのかを、第1ICタグ及び第2ICタグに保持された特定情報の読取結果に基づいて特定できる。例えば、読取手段が対象面上の下方に配置されている場合、収容体の第1面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれている場合には、第1ICタグ及び第2ICタグのうち、第1ICタグに保持された特定情報が読取手段によって読み取られる。一方、収容体の第2面部が対象面に接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれている場合には、第1ICタグ及び第2ICタグのうち、第2ICタグに保持された特定情報が読取手段によって読み取られる。このため、C6)に記載の発明によれば、第1ICタグ及び第2ICタグのいずれに保持された特定情報が読取手段によって読み取られたかによって、収容体の第1面部又は第2面部のいずれが対象面に接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれているのかを特定できる。
【0516】
C7)本発明の他の一態様に係る物体(例えば80)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる遊戯媒体(例えば60)を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体とともに収容体(例えば70,70A,70B)に収容される物体(例えば80)であって、前記収容体に収容された状態で前記対象面上に置かれた前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するためのICタグ(例えば73,73A-1,73A-2,73B-1,73B-2)を含む。
【0517】
C7)に記載の発明によれば、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するためのICタグが、遊戯媒体とともに収容体に収容される物体に備えられるため、遊戯媒体を収容体に収容した状態で使用し、ICタグに保持された特定情報をICタグリーダによって読み取ることにより、読み取った特定情報に基づき、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の種類又は状態を特定できる。
【0518】
また、C7)に記載の発明によれば、対象面上に置かれた遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにするための特別の仕組みを遊戯媒体自体に備えさせる必要がなく、既存の遊戯媒体(上記特別の仕組みを備えていない遊戯媒体)もゲームに使用することができる。
【0519】
このように、C7)に記載の発明によれば、既存の遊戯物体をゲームで使用することができるように図りつつ、実世界の対象面上に置かれる遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにすることが可能になる。
【0520】
D1)本発明の他の一態様に係る収容体(例えば70C)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる遊戯媒体(例えば60)を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体を収容するための収容体(例えば70C)であって、第1面部(例えば71C)と、前記第1面部とは別の第2面部(例えば72C)と、前記第1面部に備えられ、前記収容体に収容された前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための第1特定情報(例えばスリーブID又は表裏フラグ)を保持するための第1保持部(例えば77C-1)と、前記第2面部に備えられ、前記収容体に収容された前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための第2特定情報(例えばスリーブID又は表裏フラグ)を保持するための第2保持部(例えば77C-2)と、を含み、前記第1面部と前記対象面とが接するようにして、前記収容体に収容された前記遊戯媒体が前記対象面上に置かれる場合には、前記第2面部の前記第2保持部に保持された前記第2特定情報が読取手段(130C)によって読み取り可能であり、前記第2面部と前記対象面とが接するようにして、前記収容体に収容された前記遊戯媒体が前記対象面上に置かれる場合には、前記第1面部の前記第1保持部に保持された前記第1特定情報が前記読取手段によって読み取り可能である。
【0521】
D1)に記載の発明によれば、第1面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれる場合には、第2面部の第2保持部に保持された第2特定情報が読取手段によって読み取られ、第2面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれる場合には、第1面部の第1保持部に保持された第1特定情報が読取手段によって読み取られるため、いずれの場合であっても、読取手段によって読み取られた情報(第1特定情報又は第2特定情報)に基づき、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の種類を特定できる。
【0522】
また、D1)に記載の発明によれば、第2面部の第2保持部に保持された第2特定情報が読取手段によって読み取られた場合には、第1面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれていると特定でき、第1面部の第1保持部に保持された第1特定情報が読取手段によって読み取られた場合には、第2面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれていると特定できるため、第1面部又は第2面部のいずれが対象面と接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれているのかを特定できる。すなわち、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の状態を特定できる。
【0523】
このように、D1)に記載の発明によれば、既存の遊戯物体をゲームで使用することができるように図りつつ、実世界の対象面上に置かれる遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにすることが可能になる。
【0524】
D2)本発明の一態様では、前記第1面部(例えば71C)は、人により視認されない不可視の状態で前記第1特定情報が記された部分を前記第1保持部(例えば73C-1)として含み、前記第2面部(例えば72C)は、前記不可視の状態で前記第2特定情報が記された部分を前記第2保持部(例えば73C-2)として含むようにしてもよい。
【0525】
D2)に記載の発明によれば、第1特定情報及び第2特定情報が人により視認できない不可視の状態で記されるため、人から見た遊戯媒体の外観が損なわれないように図ることが可能になる。また、人が第1特定情報又は第2特定情報を頼りとして、本来は把握できないはずの遊戯媒体の種類(例えば収容体に収容された状態で裏返しに置かれたカードの種類)を把握できてしまわないように図ることもできる。
【0526】
D3)本発明の一態様では、前記第2面部(例えば72C)は、前記第2保持部(例えば73C-2と所定の位置関係を有するようにして設けられた第3保持部をさらに備えるようにしてもよい。
【0527】
D3)に記載の発明によれば、第2保持部と所定の位置関係を有するようにして設けられた第3保持部が第2面部にさらに備えられることによって、第1面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれた場合に、第2保持部及び第3保持部の位置関係に基づいて、当該遊戯媒体の向きを特定できる。
【0528】
D4)本発明の他の一態様に係る収容体(例えば70C)は、対象面(例えばゲームフィールドF)上に置かれる遊戯媒体(例えば60)を使用して行われるゲームで使用される個々の遊戯媒体を収容するための収容体であって、前記遊戯媒体は、前記遊戯媒体の種類に応じた外観を有する面(例えば61)を含み、前記収容体は、前記遊戯媒体が前記収容体に収容された場合に前記面と対向することになる第1面部であって、前記収容体外から、当該第1面部を介して、前記収容体に収容された前記遊戯媒体の前記面を視認可能に構成された第1面部(例えば71C)と、前記第1面部とは別の第2面部(例えば72C)と、前記第2面部に備えられ、前記収容体に収容された前記遊戯媒体の種類又は状態を特定するための特定情報を保持するための保持部(例えば77C-2)と、を含み、前記第1面部と前記対象面とが接するようにして、前記収容体に収容された前記遊戯媒体が前記対象面上に置かれる場合には、前記第2面部の前記保持部に保持された前記特定情報が読取手段(130)によって読み取り可能である。
【0529】
D4)に記載の発明によれば、収容体の第1面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれる場合(すなわち、遊戯媒体の種類に応じた外観を有する面が見えない状態で、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれる場合)であっても、第2面部の保持部に保持された特定情報が読取手段によって読み取られ、当該特定情報に基づき、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の種類を特定できる。
【0530】
また、D4)に記載の発明によれば、第2面部の保持部に保持された特定情報が読取手段によって読み取られた場合には、第1面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれていると特定できるため、第1面部と対象面とが接するようにして、収容体に収容された遊戯媒体が対象面上に置かれているか否かを特定できる。すなわち、収容体に収容された状態で対象面上に置かれた遊戯媒体の状態を特定できる。
【0531】
このように、D4)に記載の発明によれば、既存の遊戯物体をゲームで使用することができるように図りつつ、実世界の対象面上に置かれる遊戯媒体の種類又は状態を特定できる(又は特定しやすくなる)ようにすることが可能になる。
【符号の説明】
【0532】
1 システム、10,10C ゲームボード、11 筐体、12 マット、20-1~20-30 読取装置、21 第1アンテナ、22 第2アンテナ、30 撮影装置、30C-1 第1撮影装置、30C-2 第2撮影装置、40 情報処理装置、50 表示端末装置、41,51 制御部、42,52 記憶部、43,53 通信部、44,54
操作部、45,55 表示部、46,56 音声出力部、60,60S,60S-1,60S-2,60SA,60SB,60SC カード、61 表面、62 裏面、600-1~600-4 カード束、70,70A,70B,70C スリーブ、71,71A,71B,71C 表面部、72,72A,72B,72C 裏面部、73 ICタグ、73A-1,73B-1 第1ICタグ、73A-2,73B-2 第2ICタグ、74B 遮断面部、75B 第1面、76B 第2面、77C-1 第1コード、77C-2
第2コード、80 物体、100,100A,100B,100C 対象物、101 保持部、101A,101B,101C 第1保持部、102A,102B,102C 第2保持部、103B 制限部、110 撮影部、110C 第1撮影部、120 撮影画像取得部、120C 第1撮影画像取得部、130,130C 読取部、140 読取結果取得部、150,150A,150B,150C 特定部、151,151A,151B,151C 第1特定部、152,152A,152B,152C 第2特定部、160 表示制御部、170 表示部、180C 第2撮影部、190C 第2撮影画像取得部、A1~A35 領域、D1,D1B,D1C 関連付けデータ、D2,D2A,D2B 第1特定結果データ、D3,D3A,D3B,D3C 第2特定結果データ、D4
ゲームフィールド状況データ、G ゲームフィールド画像、I 撮影画像、P1~P4,PA-1~PA-4,PB-1,PB-2,PC パーツ、Z1~Z30 ゾーン。