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特開2024-102252スプレーアームの速度を調整する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102252
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】スプレーアームの速度を調整する方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/22 20060101AFI20240723BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20240723BHJP
   B05B 3/06 20060101ALN20240723BHJP
【FI】
A47L15/22
B08B3/02 A
B08B3/02 G
B05B3/06 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075690
(22)【出願日】2024-05-08
(62)【分割の表示】P 2022533056の分割
【原出願日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】16/701,525
(32)【優先日】2019-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505214191
【氏名又は名称】ステリス インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト、マキシム
(72)【発明者】
【氏名】シュイナード、アラン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スプレーアームの回転速度を正確に調整することを可能にする方法を発明する。
【解決手段】調整装置は、ピボット上の錘と流体噴射口とを備える。錘は、錘の角度に応じてスプレーする角度が変わるコーナースプレーノズルとするための湾曲面を有する。錘は、スプレーアームが回転するときに発生する遠心力で外側に押され、遠心力は、スプレーアームの回転速度が増加すると大きくなる。液体噴射はピボットポイントから外れた位置にあり、錘を内側に押圧させる。液体噴射による押圧力は、錘が最も内側にあるときに最大になり、錘が最も外側にあるときに最小になる。調速装置は、スプレーアームのセンターピボットでの摩擦やスプレーアームノズルの姿勢公差によらず、アーム速度を一定の速度に安定させる。錘にかかる遠心力が、流体噴射口での押圧力と釣り合うと、アーム速度が安定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸周りのスプレーアームの速度を調整する方法であって、
前記スプレーアームは、前記スプレーアームに旋回可能に取り付けられる、湾曲面を有する少なくとも1つデフレクタと、前記湾曲面と関連して配置された少なくとも1つのノズルとを備え、
前記少なくとも1つのノズルから流体を吹き出して前記湾曲面に当てることで、
i)前記少なくとも1つのデフレクタを前記スプレーアームに向けて旋回させる第1の力と、
ii)前記スプレーアームを前記軸周りに回転させる第2の力と、
を生じさせ、
前記軸周りの前記スプレーアームの回転は、前記スプレーアームから離れるように前記少なくとも1つのデフレクタを旋回させる第3の力を生じさせ、
あらかじめ定められた回転速度で、前記第1の力と前記第3の力とが釣り合う、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのデフレクタの重量、または、前記少なくとも1つのデフレクタのピボットの位置、のうちの少なくとも1つを、前記あらかじめ定められた速度とするために選択する工程をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記あらかじめ定められた速度とするために前記湾曲面の形状を定める工程をさらに含む、請求項または請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の力が遠心力である、請求項から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記湾曲面に当たる流体が扇状のスプレーパターンを形成する、請求項から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記扇状のスプレーパターンは、10°から90°の間である、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の力は、前記デフレクタが前記スプレーアームに向かって旋回するにつれて増加する、請求項から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の力は、前記デフレクタが前記スプレーアームから離れるように旋回するにつれて減少する、請求項から請求項のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療、製薬および/または実験用の器具を洗浄するための洗浄機用のスプレーアームの速度を調整する方法に関し、より詳細には、スプレーアームの回転速度の調整に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食器洗い機、または、医療、製薬、ならびに/もしくは実験用の器具を洗浄および消毒するための機械などの洗浄機は、洗浄対象物を保持するためのトロリーが導入されるスプレー区画を備える。1つ以上のスプレーアームが、水または他の洗浄液のような液体を、噴霧口を通して上方向および/または下方向に高圧でスプレーし、スプレー区画内の器具を洗浄し、清掃する。
【0003】
典型的には、スプレー区画は、非円形の形状的要素を有する。例えば、スプレー区画は、アームが円形のパターンでスプレーするのに対して、矩形の形状的要素を有する。アームが円形のパターンでスプレーする結果として、スプレー区画の角部分が十分な(または全く)洗浄液を受けないことがある。したがって、スプレー区画の十分(または全く)洗浄液を受けない部分に置かれた器具が十分に洗浄されないことがある。この問題に対処するため、スプレーアームの端部に追加のスプレーノズルを配置し、追加のスプレーノズルには、スプレー区画の角部分を狙うように角度をつけている。例えば、ある端部のノズルにわずかに上向きの角度をつけ、他の端部にあるノズルにわずかに下向きの角度をつけてもよい。低圧・大流量のシステムの場合、スプレーアームの先端付近の側面に単純な噴射口を配置してもよい。高圧システムの場合、流量を最小にするために、角度のついたスプレーノズルを使用することが好ましい。
【0004】
これらのように、角にスプレーするノズル(コーナースプレーノズル)は、それが液体洗浄剤をスプレーする方向に起因して、スプレーアームを回転させる力を生じさせる。効果的に洗浄を行うためには、高い圧力と所定の速度で洗浄液をスプレーすることが好ましい。一方で、このような高い圧力で洗浄液をスプレーすると、スプレーアームの回転速度を調整する手段が必要となるほどに、スプレーアームの回転速度が過大となる傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、スプレーアームの回転速度は、コーナースプレーノズルが液体洗浄剤を吹き出す特定の角度および圧力を選択することによって設定されている。例えば、コーナースプレーノズルの傾斜角度を調整する試行錯誤の工程が、スプレーアームの回転速度が所望の範囲内に入るまで実行され得る。一方で、この工程は、時間がかかるとともに正確な結果を得ることが難しくなる場合がある。特に、低い回転速度での回転を要求される長いスプレーアームでは、時間がかかるとともに正確な結果を得ることが難しい。さらに、固定/調整可能なコーナースプレーノズルを使用して低速で回転させることが、製造公差のせいで難くなる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法は、スプレーアームの回転速度を正確に調整することを可能にする。本発明の方法用のスプレーアーム速度調整装置は、遠心力および液体噴射によってスプレーする角度が変わるコーナースプレーノズルでスプレーアームの回転速度を調整する。調整装置は、ピボット上に、水噴射口を有する錘を備える。錘は、ノズルに対する錘の角度に応じてスプレーする角度が変わるコーナースプレーノズルとするための湾曲面を有する。スプレーアームが回転するときに発生する遠心力が錘をスプレーアームの外側に向かって押圧する。遠心力は、スプレーアームの回転速度が速くなると大きくなる。水噴射口はピボットとは異なる位置にあり、水噴射は、錘をスプレーアームの内側に押圧する傾向がある。水噴射による押圧力は、錘が最も内側にあるときに最大となり、錘が最も外側にあるときに最小となる。錘にかかる遠心力と水噴射による押圧力が釣り合うとスプレーアームの回転速度が安定する。本発明に係る調整装置は、センターピボットでの摩擦と、スプレーアームノズルの姿勢公差とに依らない特定の速度でスプレーアーム速度を安定化させる。
【0007】
本発明の一側面によれば、洗浄機用装置は、軸を中心に回転可能で、第1のアーム部分および前記第1のアーム部分に対して径方向の反対側にある第2のアーム部分を有するアームと、前記第1のアーム部分に配置された第1のノズルと、前記第1のアーム部分に旋回可能に接続し、前記第1のノズルから吹き出る流体の流れを受けるように配置された第1のデフレクタとを備え、前記第1のノズルから吹き出された流体は、前記第1のデフレクタに当たって、前記第1のデフレクタを前記第1のアーム部分に向けて旋回する力を生じさせて、前記アームを回転させ、前記軸周りの前記アームの回転によって、前記第1のデフレクタを前記第1のアーム部分から離れる方向に旋回させる力が生じる。
【0008】
一実施形態において、洗浄機用装置は、ベースを備え、前記アームは、前記軸を中心として前記ベースに回転可能に接続されている。
【0009】
一実施形態において、前記第1のデフレクタのピボットポイントは、前記第1のノズルよりも径方向内側に位置している。
【0010】
一実施形態において、前記第1のデフレクタは、湾曲部のある基部面を有し、前記基部面は、前記第1のノズルに隣接して配置されている。
【0011】
一実施形態において、前記湾曲部は、10°から90°の間の扇状のスプレーパターンを生じさせる。
【0012】
一実施形態において、前記第1のノズルから吹き出される流体の押圧力が、前記第1のデフレクタが前記第1のアーム部分に向かって旋回するにつれて増加する。
【0013】
一実施形態において、前記第1のノズルから吹き出される流体の押圧力が、前記第1のデフレクタが前記第1のアーム部分から離れるように旋回するにつれて減少する。
【0014】
一実施形態において、前記第1のデフレクタは、面取りされた末端部面を有する。
【0015】
一実施形態において、前記第1のノズルから吹き出される流体は、前記アームを前記軸の周りに回転させる力を生じさせ、前記アームを前記軸の周りに回転させる力は、前記第1のアーム部分に対する前記第1のデフレクタの距離に基づいて変化する。
【0016】
一実施形態において、前記第1のノズルは、前記第1のアーム部分の外側の端部に配置されている。
【0017】
一実施形態において、洗浄機用装置は、第2のアーム部分に配置された第2のノズルと、前記第2のアーム部分に旋回可能に接続され、前記第2のノズルから吹き出る流体の流れを受けるように配置された第2のデフレクタとを備える。
【0018】
本発明の他の側面によれば、スプレーアームの軸周りの速度を調整する方法が提供され、前記スプレーアームは、前記スプレーアームに旋回可能に取り付けられる、湾曲面を有する少なくとも1つのデフレクタと、前記湾曲面と関連して配置された少なくとも1つのノズルとを備える。前記方法は、前記少なくとも1つのノズルから流体を吹き出して前記湾曲面に当てることで、i)前記少なくとも1つのデフレクタを前記スプレーアームに向けて旋回させる第1の力と、ii)前記スプレーアームを前記軸周りに回転させる第2の力と、を生じさせ、前記軸周りの前記スプレーアームの回転は、前記スプレーアームから離れるように前記少なくとも1つのデフレクタを旋回させる第3の力を生じさせ、あらかじめ定められた回転速度で、前記第1の力と前記第3の力とが釣り合う。
【0019】
一実施形態において、前記方法は、前記少なくとも1つのデフレクタの重量、または、前記少なくとも1つのデフレクタのピボットの位置、のうちの少なくとも1つを、前記あらかじめ定められた速度とするために選択する工程を含む。
【0020】
一実施形態において、前記方法は、前記あらかじめ定められた速度とするために前記湾曲面の形状を定める工程を含む。
【0021】
一実施形態において、前記第3の力は、遠心力である。
【0022】
一実施形態において、前記湾曲面に当たる流体が扇状のスプレーパターンを形成する。
【0023】
一実施形態において、扇状のスプレーパターンは、10°から90°の間である。
【0024】
一実施形態において、前記第2の力は、前記デフレクタが前記スプレーアームに向かって旋回するにつれて増加する。
【0025】
一実施形態において、前記第2の力は、前記デフレクタが前記スプレーアームから離れるように旋回するにつれて減少する。
【発明の効果】
【0026】
上記および関連する目的を達成するために、本発明は、以降において完全に説明され、特に特許請求の範囲に示される特徴を備えるものである。以降の説明および添付の図面は、本発明の特定の例示的な実施形態を詳細に示すものである。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の原理を採用することができる様々な方法のうちのほんの一部を示すものである。本発明の他の目的、利点、および新規な特徴は、図面と併せて考慮される場合、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、特定の部品および部品の配置においていくつかのパターンの物理的形態をとることができ、その好ましい実施形態は、明細書に詳細に記載され、本明細書の一部をなす添付図面に図示される。
図1】本発明による原理が適用され得る例示的な洗浄機の側面図である。
図2】本発明に係る、例示的なスプレーアームの立体図である。
図3】本発明に係る、スプレーアームの速度を調整するための例示的なデフレクタの立体図であり、デフレクタがスプレーアームから離れるように旋回する図である。
図4】本発明に係る、スプレーアームの速度を調整するための例示的なデフレクタの立体図であり、デフレクタがスプレーアームに向かって旋回する図である。
図5】本発明に係る、スプレーアームの速度を調整するための例示的なデフレクタの平面図であり、デフレクタがスプレーアームから離れるように旋回する図である。
図6】本発明に係る、スプレーアームの速度を調整するための例示的なデフレクタの平面図であり、デフレクタがスプレーアームに向かうように旋回する図である。
図7】本発明に係る、スプレーアームの速度を調整するための例示的なステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、同様の要素を参照するために同様の参照数字が全体を通して使用されている。図は、必ずしも縮尺通りではない。さらに、本発明は、洗浄操作を行うために液体を使用する洗浄機において有用性を見出す。したがって、本発明は、主にこの文脈で説明される。しかしながら、本発明の原理は、他のタイプの装置に適用されてもよく、かつ/または、主要媒体として液体の代わりの流体(例えば、圧縮空気等)を使用してもよい。
【0029】
図1に示すように、食器洗い機、または、医療、製薬、ならびに/もしくは実験室の器具を洗浄および消毒するための機械などの洗浄機10は、例によって器具を洗浄するためのスプレー区画12を備える。スプレー区画12には、少なくとも一つの回転式のスプレーアーム14が備えられる。スプレーアーム14は、垂直軸14aの周りを回転して、スプレー区画12内に置かれた器具に液体媒体を供給する。液体媒体は、ポンプ16、および、それに付随する流路18を通って加圧状態で供給される。洗浄される器具を保持するための取り外し可能な箱20は、スプレー区画12内に配置され、スプレーアーム14から吹き出す洗浄液がスプレーされる。
【0030】
スプレーアーム14は、スプレー区画12の床に取り付けられた台座26に支持されている。スプレーアーム14は、器具に向かって洗浄液を上向きにスプレーする。加えて、別のスプレーアーム14が、オーバーヘッドサポート26aから吊り下げられ、器具に向かって洗浄液を下向きにスプレーするようにしてもよい。
【0031】
各スプレーアーム14は、あらかじめ定められたスプレーする液体の噴射方向に噴射するための放射口ノズル28を有する。あらかじめ定められたスプレー液体の噴射方向は、スプレーアームの回転方向に対して典型的には0°より大きく90°より小さい角度である。スプレーアーム14は、スプレーアーム14から適切な方向に向かって出てくる液体媒体の噴射の力によって、その回転軸14aの周りに駆動される。洗浄機10に関する追加の詳細は、参照としてその全体が組み込まれた米国特許第7841104号から得ることができる。
【0032】
理解されるように、洗浄機10およびスプレーアーム14の配置は多くの形態をとることができ、上記で言及した実施形態は、洗浄機が構成され得るいくつかの方法の単なる例示に過ぎない。例えば、洗浄機は、可動トロリーに取り付けられたスプレーアームを含んでもよい。さらに他の実施形態では、スプレー区画12の代わりに、開放型構成が実施されてもよい(例えば、壁のない形態)。そのような「開放型」実施形態は、大きな洗浄対象が洗浄される産業環境において実用的であり得る。
【0033】
従来、スプレーアーム14の回転速度は、コーナースプレーノズルが液体を吹き出す特定の角度および圧力を選択することによって設定される。この方法は、製造公差のせいもあって安定した結果を生み出さない。さらに、この方法は時間がかかり、スプレーアームの長さが長くなるにつれて、正確な結果を得ることが困難になることがある。
【0034】
スプレーアームの回転速度は、本発明に従って半径の固定された湾曲面を有する旋回可能に取り付けられた液体流デフレクタを用いて調整される。以下に詳述するように、ノズルから吹き出る液体流は、スプレーアームの回転方向に対して、液体ノズルに対するデフレクタの旋回姿勢に応じた異なる角度で偏向される。アームの回転方向に対する、液体流の角度は、アームの回転方向に対して変化させることができるので、液体流によって生じる(アームを回転させる)「押圧」力は変化させることができる。この点により、湾曲面は、ノズルから吹き出た液体が湾曲面に当たることによって生じる押圧力が、デフレクタがアームに向かって旋回するにつれて増加するように構成されている。逆に、ノズルから吹き出て湾曲面に当たる液体による押圧力は、デフレクタがアームから離れるように旋回するにつれて減少する。後述するように、デフレクタに当たった液体流は、デフレクタをアームに向かって旋回させる傾向にあり(最大の「押圧」を生み出す)、アームが回転すると、遠心力がデフレクタをアームから離すように旋回させる傾向にある(「押圧」を減少させる)。この2つの力は、あらかじめ定められた回転速度で釣り合う。
【0035】
例えば、最初に停止位置にある状態のスプレーアームにおいて、スプレーアームの端部にあるノズルから所定の圧力で液体が吹き出す。この液体がデフレクタの湾曲面に第1の力で当たり、デフレクタをスプレーアーム側に旋回させる。同時に、吹き出された液体がアームの回転方向に対して斜めに偏向され、第2の「押圧」力が発生する。デフレクタがアームに向かって旋回している間、押圧力は最大となり、アームが加速する。アームの回転速度が大きくなるにつれて、遠心力がデフレクタをスプレーアームから離れるように旋回させる。遠心力は、デフレクタの重量とアームの回転速度によって決まる。デフレクタがアームから離れるように旋回するにつれて、回転方向に対する液体流の角度が変わり、第2の「押圧」力が減少する。アームの回転速度は、第1の力と第3の力とが釣り合ったときに落ち着く。
【0036】
ここで図2を参照すると、図示されているのは、「開放型」構成(すなわち、図1のようにスプレー区画内ではない)の本発明に従った例示的なスプレーアーム30である。軸14aを中心に回転可能なスプレーアーム30は、サポート31に取り付けられ、サポート31に対して回転可能なベース32と、ベース32に取り付けられた第1のアーム部分34aと、ベースに取り付けられた第2のアーム部分34bとを有する。第2のアーム部分34bは、第1のアーム部分34aと径方向の反対側にある。図3から6をさらに参照すると、第1のノズル28は、第1のアーム部分32aの末端36に配置される。デフレクタ38は、第1のアーム部分32aのピボットポイント40で旋回可能に接続されている。図示された実施形態では、ピボットポイント40は、ノズル28に対して半径方向内側に位置している。すなわち、ピボットポイント40からベースまでの距離は、ノズル28からベース32までの距離より小さい。したがって、デフレクタ38は、ノズル28から吹き出される液体流を受けるために、ノズル28に隣接して配置される。
【0037】
本明細書で述べるように、デフレクタ38は、図5および図6で見られる最良の湾曲面38aを有する。加えて、ノズル28から離れた位置のデフレクタ38の湾曲面は、面取り部38bを有する。面取り部は、湾曲面38a高さが、デフレクタ38の前部分で最低とし、デフレクタの後部に向かって高くなるようにする。図示の実施形態では、面取り部38bは、デフレクタ38の後方に向かって約半分の位置までにある。しかしながら、面取り部は、デフレクタ38に沿った異なる位置までにあってもよい。また、デフレクタ38の後方へ完全に延在してもよい。
【0038】
湾曲面38aおよび面取り部分38bの半径は、回転方向に対して分散される液体流の角度を規定する。この点から、面取り部分38bが最も厚くなると、湾曲面の高さが最高点となり(デフレクタ38の中央後部)、液体流が回転方向に対してより大きな角度で偏向される(例えば、90°に近づく扇状のスプレーパターンを生じる)ようになる。面取り部38bの厚さが小さくなり、かつ湾曲面の高さが低くなると(デフレクタの前方に向かう)、液体流は、回転方向に対してより小さな角度で偏向される(例えば、10°に近づく扇状のスプレーパターンを生じる)。デフレクタ38の前部と後部との間では、扇状のスプレーパターンは、液体流がデフレクタ38に当たる特定の領域に応じて10°から90°の間とすることができる。
【0039】
上記のように、最大押圧力(したがって最大回転速度)は、液体流がデフレクタ38の前部に当たるときに生じる。最小押圧力(したがって最小回転速度)は、液体流がデフレクタ38の後部に当たるときに生じる。これら2つの極値の間で、押圧力は、アーム部分32aに対するデフレクタ38の角度によって変化する。
【0040】
作動中、ノズル28から吹き出た液体は、デフレクタ38に当たり、デフレクタ38を第1のアーム部分32aの方へ旋回させる傾向にある力を生じさせる。この位置では、最大押圧力が発生し、アーム32が軸14aを中心に加速し始める。回転速度が増加すると、次に、遠心力が液体流によって生じる力に対抗して生じ、デフレクタ38を第1のアーム部分34aから離れるように旋回させる。アーム32は、これら2つの力が釣り合う速度で落ち着くことになる。
【0041】
アーム32の実際の回転速度は、ノズル28から吹き出される液体流の圧力、アーム部分34a、34bの長さ、湾曲部38aおよび面取り部38bの形状、デフレクタ38の重量、ならびにデフレクタ38のピボットポイント40によって規定される。したがって、これらのパラメータのいずれかを調整することで所望の速度にすることができる。しかしながら、実際には、アームの長さは、洗浄される領域によって規定され、圧力は、例によって、最良の洗浄効果をもたらすあらかじめ定められたレベルに設定される。よって、これらのパラメータを変化させるのは、アーム32を所望の回転速度とする上で理に適わない場合がある。その代わりに、湾曲部38aおよび面取り部38bの形状を変更すること、デフレクタ38のピボットポイント40を変更すること、および/またはデフレクタ38の重量を変更することは、スプレーアーム32を所望の回転速度とする上でより実用的である。
【0042】
実際には、アーム32の一端に配置された単一のデフレクタ38は、スプレーアーム32の回転速度を調整するのに十分である。しかしながら、スプレーアームの各端部にデフレクタを設けることも可能である。例えば、第2のノズルを第2のアーム部分に配置することができる。そして、第2のデフレクタは、第2のノズルから吹き出される液体流を受けるために、第2のアーム部分に旋回可能に接続される。
【0043】
ここで図7を参照すると、本発明によるスプレーアーム30の軸周りの回転速度を調整するための例示的な方法のステップを描いたフローチャート50が図示されている。図示された方法の変更は可能である。したがって、図示された実施形態は、本明細書に開示される発明を実施する唯一の態様とみなされるべきではない。また、図7は、機能論理ブロックを実行する特定の順序を示しているが、ブロックを実行する順序は、示された順序から変更することができる。加えて、連続して示された2つ以上のブロックは、同時に実行されてもよいし、部分的に同時実行されてもよい。また、いくつかのブロックは省略されてもよい。
【0044】
ブロック52から始まり、加圧された液体がスプレーアーム30の末端36に位置するノズル28から吹き出る。加圧された液体は、デフレクタ38の湾曲面38aに第1の力で当たる。第1の力は、デフレクタ38をアーム30に向かって旋回させる傾向にある。第1の力が十分に強い場合、デフレクタ38は、デフレクタが第1のアーム部分32aにすぐ隣接するように旋回する。
【0045】
液体がノズル28から吹き出てデフレクタ38によって偏向されると、ブロック54で示されるように、第2の力が発生する。この第2の力は、スプレーアーム30の末端36を軸14aの周りに押圧させる(回転させる)。液体が固定された圧力でノズル28から吹き出されるとみなすと、第2の力の大きさは、次に、湾曲面38上で衝突位置によって決まる。上述したように、衝突位置は、そのピボットポイント40に対するデフレクタ38の位置によって変化し得る。この点で、第2の「押圧力」は、デフレクタがスプレーアームに向かって旋回したときに最大となり、デフレクタ38がスプレーアーム30から離れるように旋回したときに最小となる。この第2の力の変化は、吹き出た液体が湾曲面38aで偏向される角度によって決まる。その角度は、デフレクタ38がスプレーアーム30に向かって旋回するときに最小となり、デフレクタ38がスプレーアーム38から離れるように旋回するときに最大となる。
【0046】
スプレーアーム30が最初に静止しているとき、第1の力と反対方向に作用する力はなく、したがって、デフレクタ38はスプレーアーム30に向かって旋回する。そして、第2の「押圧」力が最大となる。この第2の押圧力は、ブロック56で示されるように、軸14aを中心とするスプレーアーム30の角加速を生じさせる。
【0047】
スプレーアームが軸14aを中心に加速すると、ブロック58で示すように、第3の(遠心)力が、第1の力と反対の方向に向かってデフレクタ38に作用し始める。回転速度が増加すると、第3の力も増加し、デフレクタがスプレーアーム30から離れ始める。したがって、ブロック60で示されるように、第2の「押圧」力が減少する。スプレーアーム30の回転速度は、第1の力および第3の力が釣り合うと(それらが均衡する)、落ち着く。力の釣り合う点は、ブロック60で示されるように、あらかじめ定められた安定した速度で回転するスプレーアーム30に一定の第2の(押圧)力がかかる点である。
【0048】
よって、本発明に係る装置および方法は、スプレーアーム上のスプレーノズルの姿勢のように、センターピボットでの摩擦および製造公差とは無関係に、スプレーアームの回転速度を正確に調整することができる。
【0049】
本発明をいくつかの実施形態または実施形態について示しながら説明したが、本明細書および添付図面を読み、理解すれば、当業者には同等の変更および修正が起こり得る。特に、上述した要素(コンポーネント、アセンブリ、デバイス、組成物など)によって実行される様々な機能に関して、そのような要素を説明するために使用される用語(「手段」への言及を含む)は、他に示されていない限り、本発明のここに例示された実施形態または実施形態においてその機能を実行する開示済みの構造と構造的に同等ではないとしても、説明した要素の特定の機能を実行する任意の要素(すなわち、機能的に同等である)に対応することを意図するものである。加えて、本発明の特定の特徴は、複数の実施形態のうちの1つまたは複数に関してのみ上述されたかもしれないが、かかる特徴は、任意または特定の用途に対して、所望、または有利であるように、他の実施形態の1つまたは複数の他の特徴と組み合わされるかもしれない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸周りに回転可能なスプレーアームの速度を調整する方法であって、
前記スプレーアームは、I)少なくとも1つのノズルと、II)前記スプレーアームに旋回可能に取り付けられる少なくとも1つのデフレクタと、を備え、前記少なくとも1つのデフレクタは、湾曲部のある、前記少なくとも1つのノズルから近位の第1の面と、面取り部分を有する、前記少なくとも1つのノズルから離れた位置の第2の面とを含み、前記面取り部分および前記湾曲部の半径が、流体の流れが前記アームの回転方向に対して分散される角度を規定し、前記少なくとも1つのノズルは、前記湾曲と関連して配置され、
前記少なくとも1つのノズルから流体を吹き出して前記湾曲に当てることで、
i)前記少なくとも1つのデフレクタを前記スプレーアームに向けて旋回させる第1の力と、
ii)前記スプレーアームを前記軸周りに回転させる第2の力と、
を生じさせ、
前記軸周りの前記スプレーアームの回転は、前記スプレーアームから離れるように前記少なくとも1つのデフレクタを旋回させる第3の力を生じさせ、
あらかじめ定められた回転速度で、前記第1の力と前記第3の力とが釣り合う、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのデフレクタの重量、または、前記少なくとも1つのデフレクタのピボットの位置、のうちの少なくとも1つを、前記あらかじめ定められた回転速度とするために選択する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記あらかじめ定められた回転速度とするために前記湾曲の形状を定める工程をさらに含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第3の力が遠心力である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の面の前記湾曲部に当たる流体が扇状のスプレーパターンを形成する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記扇状のスプレーパターンは、10°から90°の間である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の力は、前記デフレクタが前記スプレーアームに向かって旋回するにつれて増加する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の力は、前記デフレクタが前記スプレーアームから離れるように旋回するにつれて減少する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明の方法は、スプレーアームの回転速度を正確に調整することを可能にする。本発明によれば、軸周りに回転可能なスプレーアームの速度を調整する方法が提供され、前記スプレーアームは、I)少なくとも1つのノズルと、II)前記スプレーアームに旋回可能に取り付けられる少なくとも1つのデフレクタと、を備え、前記少なくとも1つのデフレクタは、湾曲部のある、前記少なくとも1つのノズルから近位の第1の面と、面取り部分を有する、前記少なくとも1つのノズルから離れた位置の第2の面とを含み、前記面取り部分および前記湾曲部の半径が、流体の流れが前記アームの回転方向に対して分散される角度を規定し、前記少なくとも1つのノズルは、前記湾曲部と関連して配置される。前記方法は、前記少なくとも1つのノズルから流体を吹き出して前記湾曲面に当てることで、i)前記少なくとも1つのデフレクタを前記スプレーアームに向けて旋回させる第1の力と、ii)前記スプレーアームを前記軸周りに回転させる第2の力と、を生じさせ、前記軸周りの前記スプレーアームの回転は、前記スプレーアームから離れるように前記少なくとも1つのデフレクタを旋回させる第3の力を生じさせ、あらかじめ定められた回転速度で、前記第1の力と前記第3の力とが釣り合う。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
一実施形態において、前記方法は、前記少なくとも1つのデフレクタの重量、または、前記少なくとも1つのデフレクタのピボットの位置、のうちの少なくとも1つを、前記あらかじめ定められた回転速度とするために選択する工程を含む。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
一実施形態において、前記方法は、前記あらかじめ定められた回転速度とするために前記湾曲部の形状を定める工程を含む。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
一実施形態において、前記第1の面の前記湾曲部に当たる流体が扇状のスプレーパターンを形成する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
スプレーアームの回転速度は、本発明に従って半径の固定された湾曲部を有する旋回可能に取り付けられた液体流デフレクタを用いて調整される。以下に詳述するように、ノズルから吹き出る液体流は、スプレーアームの回転方向に対して、液体ノズルに対するデフレクタの旋回姿勢に応じた異なる角度で偏向される。アームの回転方向に対する、液体流の角度は、アームの回転方向に対して変化させることができるので、液体流によって生じる(アームを回転させる)「押圧」力は変化させることができる。この点により、湾曲部は、ノズルから吹き出た液体が湾曲部に当たることによって生じる押圧力が、デフレクタがアームに向かって旋回するにつれて増加するように構成されている。逆に、ノズルから吹き出て湾曲部に当たる液体による押圧力は、デフレクタがアームから離れるように旋回するにつれて減少する。後述するように、デフレクタに当たった液体流は、デフレクタをアームに向かって旋回させる傾向にあり(最大の「押圧」を生み出す)、アームが回転すると、遠心力がデフレクタをアームから離すように旋回させる傾向にある(「押圧」を減少させる)。この2つの力は、あらかじめ定められた回転速度で釣り合う。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
例えば、最初に停止位置にある状態のスプレーアームにおいて、スプレーアームの端部にあるノズルから所定の圧力で液体が吹き出す。この液体がデフレクタの湾曲部に第1の力で当たり、デフレクタをスプレーアーム側に旋回させる。同時に、吹き出された液体がアームの回転方向に対して斜めに偏向され、第2の「押圧」力が発生する。デフレクタがアームに向かって旋回している間、押圧力は最大となり、アームが加速する。アームの回転速度が大きくなるにつれて、遠心力がデフレクタをスプレーアームから離れるように旋回させる。遠心力は、デフレクタの重量とアームの回転速度によって決まる。デフレクタがアームから離れるように旋回するにつれて、回転方向に対する液体流の角度が変わり、第2の「押圧」力が減少する。アームの回転速度は、第1の力と第3の力とが釣り合ったときに落ち着く。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本明細書で述べるように、デフレクタ38は、図5および図6で見られる最良の湾曲部38aを有する。加えて、ノズル28から離れた位置のデフレクタ38のは、面取り部38bを有する。面取り部は、湾曲部38a高さが、デフレクタ38の前部分で最低とし、デフレクタの後部に向かって高くなるようにする。図示の実施形態では、面取り部38bは、デフレクタ38の後方に向かって約半分の位置までにある。しかしながら、面取り部は、デフレクタ38に沿った異なる位置までにあってもよい。また、デフレクタ38の後方へ完全に延在してもよい。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
湾曲部38aおよび面取り部分38bの半径は、回転方向に対して分散される液体流の角度を規定する。この点から、面取り部分38bが最も厚くなると、湾曲部の高さが最高点となり(デフレクタ38の中央後部)、液体流が回転方向に対してより大きな角度で偏向される(例えば、90°に近づく扇状のスプレーパターンを生じる)ようになる。面取り部38bの厚さが小さくなり、かつ湾曲部の高さが低くなると(デフレクタの前方に向かう)、液体流は、回転方向に対してより小さな角度で偏向される(例えば、10°に近づく扇状のスプレーパターンを生じる)。デフレクタ38の前部と後部との間では、扇状のスプレーパターンは、液体流がデフレクタ38に当たる特定の領域に応じて10°から90°の間とすることができる。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
ブロック52から始まり、加圧された液体がスプレーアーム30の末端36に位置するノズル28から吹き出る。加圧された液体は、デフレクタ38の湾曲部38aに第1の力で当たる。第1の力は、デフレクタ38をアーム30に向かって旋回させる傾向にある。第1の力が十分に強い場合、デフレクタ38は、デフレクタが第1のアーム部分32aにすぐ隣接するように旋回する。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
液体がノズル28から吹き出てデフレクタ38によって偏向されると、ブロック54で示されるように、第2の力が発生する。この第2の力は、スプレーアーム30の末端36を軸14aの周りに押圧させる(回転させる)。液体が固定された圧力でノズル28から吹き出されるとみなすと、第2の力の大きさは、次に、デフレクタ38上で衝突位置によって決まる。上述したように、衝突位置は、そのピボットポイント40に対するデフレクタ38の位置によって変化し得る。この点で、第2の「押圧力」は、デフレクタがスプレーアームに向かって旋回したときに最大となり、デフレクタ38がスプレーアーム30から離れるように旋回したときに最小となる。この第2の力の変化は、吹き出た液体が湾曲面38aで偏向される角度によって決まる。その角度は、デフレクタ38がスプレーアーム30に向かって旋回するときに最小となり、デフレクタ38がスプレーアーム38から離れるように旋回するときに最大となる。