(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102255
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】センサを用いた末梢静脈カテーテルアセンブリ及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A61M25/06 500
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075777
(22)【出願日】2024-05-08
(62)【分割の表示】P 2020566775の分割
【原出願日】2019-05-27
(31)【優先権主張番号】62/677,539
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】591002131
【氏名又は名称】ベー・ブラウン・メルズンゲン・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100129791
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 真由美
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン・フリートヘルム・ペーター・シュレッサー
(72)【発明者】
【氏名】ハン・キアン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】アイク・アウン・タン
(72)【発明者】
【氏名】チー・ムン・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ジャリード・ケン・ジーン・ング
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外部(外側)及び内部(内側)を有するハブ本体を含むカテーテルハブ、カテーテルハブの状況を感知するため、又は患者の状態を監視するためにハブ本体に装着されたセンサを含む、静脈内カテーテルシステムを提供する。
【解決手段】感知又は取得したデータをスマートデバイス120及び/又はクラウドサーバ130にアップロードできる監視機能を備えたカテーテル104。データを収集するために、1つ以上のセンサ106をカテーテルアセンブリと共に配置することができる。収集されたデータは、検出されたさまざまな状態の傾向、パターン、因果関係を見当付けるなど、使用可能な情報に関するデータを分析するためにデータ分析によって処理することができる。情報は、アプリ、ウェブブラウザダッシュボード、又はローカルモニタを使用して閲覧できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステム(100)であって、
外部及び内部を有するハブ本体(156)を含むカテーテルハブ(110)と、
カテーテルハブ(110)に取り付けられた管腔を有するカテーテルチューブ(152)と、
カテーテルハブ(110)の状況を感知するため、又は患者の状態を監視するためにハブ本体(156)及びカテーテルチューブ(152)の少なくとも1つに装着されたセンサ(106)と、
センサ(106)によって感知されたデータを収集するためのスマートデバイス(120)及びクラウドサーバ(130)の少なくとも1つと、
を備えたカテーテルシステム。
【請求項2】
センサは、第1のセンサであり、ハブ本体の内部に取り付けられている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
第2のセンサ(106)をさらに備え、第2のセンサ(106)は、ハブ本体(156)の外部に取り付けられている、請求項1又は2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
第2のセンサ(106)は、ハブ本体(156)から延びる翼(150a、150b)に取り付けられている、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
第2のセンサ(106)をさらに備え、第2のセンサ(106)は、カテーテルチューブ(152)に取り付けられている、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
センサ(106)に電気的に結合され、感知したデータを、BLE接続を使用してスマートデバイス(120)に中継するBLEモジュール(114)をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
センサ(106)に電気的に結合されたBLEモジュール(114)と、BLEモジュール(142)及びWi-Fiモジュール(144)を含むゲートウェイ(140)とをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
感知されたデータは、ゲートウェイ(140)のWi-Fiモジュール(144)を介してクラウドサーバ(130)によって収集される、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
ハブ本体(156)は、第2のハブ本体部分(166b)に取り付けられた第1のハブ本体部分(166a)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項10】
センサ(106)を、カテーテルハブ(110)に取り外し可能に接続された電子コネクタアセンブリ(280)に接続する光ファイバセンサをさらに備えた、請求項1から9のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
カテーテルチューブ(152)に装着されたセンサ(106)は、カテーテルハブ(110)に取り外し可能に接続された電子コネクタアセンブリ(280)まで延びる光ファイバセンサである、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
カテーテルアセンブリ(104)に収集された信号を監視する方法であって、
外部及び内部を有するハブ本体(156)を有するカテーテルハブ(110)にセンサ(106)を設けること、
センサ(106)によって収集されたデータを、スマートデバイス(120)及びクラウドサーバ(130)の少なくとも1つに無線で中継すること、
レポートに収集されたデータに関連する情報を表示すること、
を備えた方法。
【請求項13】
センサ(106)は、ハウジングの外部に配置された計算コア(420)におけるリード線(412)と電気的に通信する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
カテーテルシステム(100)であって、
外部及び内部を有するハブ本体(156)を含むカテーテルハブ(110)と、
カテーテルハブ(110)に取り付けられた管腔を有するカテーテルチューブ(152)と、
カテーテルハブ(110)の状況を感知するため、又は患者の状態を監視するためにハブ本体(156)及びカテーテルチューブ(152)の少なくとも1つに装着されたセンサ(106)と、
を備えたカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、カテーテルアセンブリ、より具体的には、ヒトの状態及び/又はカテーテルの状況の状態監視のためのセンサを備えた、オーバーザニードルカテーテル装置などのカテーテルアセンブリ、並びに関連する方法を対象とする。ニードルガードあるいはニードルシールドなどの安全機能、及び隔壁、バルブ、バルブを作動させるためのバルブアクチュエータなどの流量制御機能は、末梢IVC、中心静脈カテーテル、末梢挿入中心カテーテル、及び正中カテーテルなどのカテーテルアセンブリに組み込むことができる。
【背景技術】
【0002】
静脈カテーテル、中心静脈カテーテル、末梢挿入中心カテーテル、正中カテーテルなどのカテーテルを使用するには、医療従事者が患者とカテーテル自体の環境状態を注意深く監視する必要があることがよくある。ただし、医療処置では、医療従事者がマルチタスクを実行する必要があることが多く、ミスの可能性が高くなる。カテーテルアセンブリが患者及び/又は流体源(静脈内輸液供給源など)に接続されると、注入流体の状況、カテーテル装置の状態、カテーテルハブの位置などの医師の唯一の視覚的表示は、通常、患者を訪問し、穿刺部位とその周辺を観察することから生じる。
【発明の概要】
【0003】
本カテーテルシステムのさまざまな実施形態は、いくつかの特徴を有し、それらのうちの1つとしてそれらの望ましい属性に単独で責任を負うものではない。以下の特許請求の範囲に記載されるように本実施形態の範囲を制限することなく、それらのより顕著な特徴がここで簡単に論じられる。
【0004】
本開示の態様は、好ましくは、外部(外側)及び内部(内側)を有するハブ本体を含むカテーテルハブ、カテーテルハブに取り付けられたカテーテルチューブ、カテーテルハブの状況を感知するため、又は患者の状態を監視するためにハブ本体に装着されたセンサ、並びにセンサから感知されたデータを収集するためのスマートデバイス及びクラウドサーバのうちの少なくとも1つを含む静脈内カテーテルシステムを含む。
【0005】
スマートデバイスは、好ましくは静脈内カテーテルシステムのセンサとの好ましくは無線通信に適している。スマートデバイスは、Bluetooth、NFC、Wi-Fi、3Gなどのさまざまな無線プロトコルを介して他のデバイス又はネットワークに一般的に接続され、ある程度、双方向性にかつ自律的に動作できる電子デバイスであり得る。スマートデバイスは、スマートフォン、ファブレット及びタブレット、スマートウォッチ、スマートバンド、スマートキーチェーンのいずれかであり得る。
【0006】
センサは、カテーテルの任意の部分に結合して、状況を監視することができる。センサは、例えば、ハブ本体の内部に結合された第1のセンサであり得る。
【0007】
第2のセンサは、カテーテルシステムに含まれ得、第2のセンサは、外部又はハブ本体に結合され得る。
【0008】
第2のセンサは、ハブ本体から延びる翼に結合できる。OD、ID、又はカテーテルチューブの内部の一部を形成するなど、追加又は代替のセンサをカテーテルチューブに含めることができる。
【0009】
1つ以上のセンサを使用して、任意の適切なメトリック(計量)、例えば、血流、脈拍、血圧、血中酸素レベル、体温、局所皮膚温度、pH値、カテーテルの閉塞、流量などを測定及び監視することができる。
【0010】
BLE(Bluetooth低エネルギー)モジュールなどの適切な無線トランシーバは、センサに電気的に結合して、感知されたデータを無線接続を使用してスマートデバイスに中継できる。
【0011】
無線トランシーバは、例えば、BLEトランシーバ、Wi-Fiトランシーバ、赤外線トランシーバ、及びRF(無線周波数)トランシーバを含むことができる。このようなトランシーバは、データを送受信することも、データを送信するだけの送信機とすることもできる。BLEモジュールはセンサに電気的に結合でき、ゲートウェイは、BLEモジュールとWi-Fiモジュールを含むことができる。代替の実施形態では、トランシーバの代わりに専用の送信機及び受信機を使用することができる。
【0012】
感知されたデータは、ゲートウェイのWi-Fiモジュールを介してクラウドサーバによって収集され得る。
【0013】
システムは、患者からの熱などの周囲熱を使用して1つ以上のセンサに電力を供給するための熱から電気へのコンバータを含むことができる。
【0014】
システムは、熱を電気に変換して1つ以上のセンサに電力を供給するための可撓性スーパーキャパシタを含むことができる。
【0015】
カテーテルハブのハブ本体は、第2のハブ本体部分に取り付けられた第1のハブ本体部分を含むことができる。2つの部分は、それらを結合する前に、ハブ本体の内部にアクセスして、センサなどの任意の数の部品を取り付けたり設置したりするのに役立つ。
【0016】
センサは、カテーテルチューブの長さに沿って分散された複数の個別のセンサを含むことができる。
【0017】
好ましくは、静脈内カテーテルシステムは、センサを接続し、カテーテルハブに取り外し可能に接続された電子コネクタアセンブリに接続する光ファイバセンサをさらに含むことができる。
【0018】
カテーテルチューブに取り付けられたセンサは、カテーテルハブに取り外し可能に接続された電子コネクタアセンブリまで延びる光ファイバセンサであり得る。
【0019】
カテーテルアセンブリに収集された信号を監視するための方法が開示される。この方法は、外部(外側)及び内部(内側)を備えたハブ本体を有するカテーテルハブを備えたセンサを提供するステップ、センサによって収集されたデータをスマートデバイス及びクラウドサーバのうちの少なくとも1つに無線で中継するステップ、レポートに収集されたデータに関連する情報を表示するステップを含み得る。
【0020】
本発明の態様は、1つ以上のセンサを備えたカテーテルアセンブリを製造するための方法を含む。
【0021】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の末梢静脈内カテーテルシステムを製造するための方法である。同様の製造コンセプトは、中心静脈カテーテル、末梢挿入中心カテーテル、及び正中カテーテルの製造に使用できる。
【0022】
本発明の態様は、好ましくは、外部及び内部を有するハブ本体を含むカテーテルハブ、カテーテルハブに取り付けられた管腔を有するカテーテルチューブ、カテーテルハブの状況を感知するため、又は患者の状態を監視するためにハブ本体及びカテーテルチューブの少なくとも1つに装着されたセンサ、並びにセンサによって感知されたデータを収集するためのスマートデバイス及びクラウドサーバのうちの少なくとも1つを含む静脈内カテーテルシステムをさらに含む。
【0023】
センサは第1のセンサとすることができ、ハブ本体の内部に取り付けることができる。
【0024】
好ましくは、静脈内カテーテルシステムは、第2のセンサを含むことができ、第2のセンサは、ハブ本体の外部に取り付けることができる。
【0025】
第2のセンサは、ハブ本体から延びる翼に取り付けることができる。
【0026】
第2のセンサは、カテーテルチューブに取り付けることができる。
【0027】
好ましくは、静脈内カテーテルシステムは、感知されたデータを、BLE接続を使用してスマートデバイスに中継するためにセンサに電気的に結合されたBLEモジュールをさらに含むことができる。
【0028】
好ましくは、静脈内カテーテルシステムは、センサに電気的に結合されたBLEモジュールと、BLEモジュール及びWi-Fiモジュールを含むゲートウェイとを含むことができる。
【0029】
感知されたデータは、ゲートウェイのWi-Fiモジュールを介してクラウドサーバによって収集され得る。
【0030】
カテーテルハブのハブ本体は、第2のハブ本体部分に取り付けられた第1のハブ本体部分を含むことができる。
【0031】
ニードルの先端を覆うためのニードルガードをハブ本体の内部に含めることができる。ニードルガードは、開口部を備えた近位壁と、スプリングアームなどの少なくとも1つの弾性スプリングとを含むことができる。
【0032】
ハブ本体は、サイドポート及び開いた近位端を含むことができる。チューブはサイドポートに接続でき、無針バルブなどの流体アダプタは、サイドポートから離れたチューブの端に接続できる。代わりに、ハブ本体は、ポート付きカテーテルとしても知られる、単一に形成されたポートを含むことができる。
【0033】
スリーブは、サイドポート付きのハブ本体に配置できる。
【0034】
バルブ及びバルブオープナをハブ本体の内部に配置できる。
【0035】
カテーテルチューブに取り付けられたセンサは、カテーテルチューブの内部に裏打ちされるか、カテーテルチューブの壁面に埋め込むことができる。
【0036】
本開示のさらに別の態様は、好ましくは、外部及び内部を有するハブ本体を含むカテーテルハブ、カテーテルハブに取り付けられた管腔を有するカテーテルチューブ、カテーテルハブの状況を感知するため、又は患者の状態を監視するためにハブ本体及びカテーテルチューブの少なくとも1つに装着されたセンサ、並びにセンサによって感知されたデータを処理するための電子機器を含む電気コネクタアセンブリを含み、前記電気コネクタアセンブリは、ハブ本体に取り付けられたコネクタハウジングを含む。
【0037】
電気コネクタアセンブリは、アナログ-デジタルコンバータを含むことができ、コネクタハウジングは、ハブ本体の近位端に取り付けることができる。
【0038】
電気コネクタアセンブリは、アナログ-デジタルコンバータを含むことができ、コネクタハウジングは、ハブ本体のサイドポートに取り付けることができる。
【0039】
電気コネクタアセンブリは、プロセッサ及び電源を含むことができる。
【0040】
電気コネクタアセンブリのコネクタハウジングは、ハブ本体に取り付けたり取り外したりできる。
【0041】
本開示の別の態様は、好ましくは、外部及び内部を有するハブ本体を含むカテーテルハブ、カテーテルハブに取り付けられた管腔を有するカテーテルチューブ、並びにカテーテルハブの状況を感知するため、又は患者の状態を監視するためにハブ本体及びカテーテルチューブのうちの少なくとも1つに装着されたセンサを含む。
【0042】
好ましくは、静脈内カテーテルシステムは、感知されたデータを収集するためのスマートデバイス及びクラウドサーバのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0043】
本開示のさらに別の態様は、カテーテルアセンブリに収集された信号を監視するための方法であり、外部及び内部を備えたハブ本体を有するカテーテルハブを備えたセンサを提供するステップ、センサによって収集されたデータをスマートデバイス及びクラウドサーバのうちの少なくとも1つに無線で中継するステップ、並びにレポートに収集されたデータに関連する情報を表示するステップを含む。
【0044】
カテーテルアセンブリのセンサは、ハウジングの外部に配置できる、計算コアにおけるリード線と電気的に通信することができる。計算コアは、カテーテルハブの近位端にねじ込むことができる電気コネクタアセンブリの一部とすることができる。カテーテルアセンブリは、電気コネクタアセンブリのハウジング内に配置されたピストンを有することができる。カテーテルアセンブリの流路は、ピストンの外面とハウジングの内面との間に少なくとも部分的に形成することができる。
【0045】
一部の例では、光ファイバセンサは、内在センサとしても知られる感知要素として、又は外在センサとしても知られる、遠隔センサから信号を処理する電子機器に信号を中継するための手段として使用することができる。光ファイバセンサは、ひずみ、温度、圧力、その他の量を測定するために使用することができる。したがって、本開示の態様は、内在センサの目的、外在センサの目的、又は両方の目的のための光ファイバセンサの使用を含むと理解される。
【0046】
本開示の態様による監視機能を備えた治療的注入療法を行うためのシステムが開示される。一例では、システムは、治療的注入療法を受けるときの患者の状態、及び/又は治療を行うために使用されているカテーテルアセンブリの状況を監視及び記録することができる。
【0047】
患者及び/又はカテーテルのさまざまな状態及び状況を記録及び監視することにより、重要な臨床情報を臨床医に提供して、最適な患者ケアのために治療過程を変更又は継続することができる。一部の例では、患者の治療の進行状況の最新のフィードバックを可能にするために、さまざまな状態をリアルタイムで追跡及び記録することができる。例示的な実施形態では、カテーテル装置は、中心静脈カテーテル、静脈内カテーテル、末梢挿入中心カテーテル(「PICC」)、又は正中カテーテルなどの末梢静脈カテーテル以外のものであり得る。本システムの態様によれば、センサを備えたカテーテルアセンブリは、患者の状態及び/又はカテーテルの状況を監視するための1つ以上のセンサを備えている。
【0048】
本明細書で使用される場合、「センサ」は、感知されたデータを測定可能な電子信号に変換するデバイス、例えば、感知された圧力データを圧力を測定するためのメトリック(計量)に変換するピエゾメータ、又は測定された電流を温度を測定するためのメトリックに変換する温度計プローブを含む。カテーテルハブ又はニードルハブの内部又は外部などの要素に「取り付けられた」センサは、環境と素子とを共有する露出した入力面を有する。ニードルあるいはカテーテルチューブの壁内などの要素内に「埋め込まれている」センサには、露出されない可能性のある入力面(例えば、壁面を通して周囲温度を感知する温度センサ)又は露出される可能性のある入力面(例えば、カテーテルチューブの内面又は外面と流体連通している入力面を有するpHセンサ)がある。
【0049】
一例では、アセンブリは、体温などの患者の状態を感知及び/もしくは監視するため、又は流れもしくは圧力などのカテーテルハブの内部もしくは外部環境の状況を感知及び/もしくは監視するための少なくとも1つのセンサを有することができる。1つ以上のセンサは、いくつかの非限定的な例を挙げれば、動きを検出するための加速度計、圧力センサ、温度センサ、位置及び湿度センサを含むことができ、血流、脈拍、血圧、血液酸素レベル、体温、局所的な皮膚温度、pH値、カテーテルの閉塞、流量などを測定及び監視するために使用することができる。
【0050】
典型的なカテーテルアセンブリのサイズにより、センサは、それに応じて適切なサイズ及び形状になり、体温を使用して電力を供給され得る。例えば、熱から電気へのコンバータを使用してキャパシタを充電し、次に本開示のデバイスで使用するためのセンサに電力を供給することができる。代替的又は追加的に、可撓性スーパーキャパシタを使用してセンサに電力を供給することができる。周囲からの熱を使用して電荷を蓄積することができる可撓性スーパーキャパシタが発見され、米国特許出願公開第2014/0338715号明細書及び米国特許出願公開第2010/0051079号明細書に記載されている。
【0051】
可撓性スーパーキャパシタから放出される電力は、検出された信号をサーバ、コントローラ、又は他のモジュールに転送してさらに処理するための通信モジュールなど、1つ以上のセンサ及び関連するモジュールに電力を供給するように構成できる。一部の実施形態では、可撓性スーパーキャパシタを使用して、電池又はキャパシタを充電することができ、これは、次に、センサ又はプロセッサなどの1つ以上の電子デバイスに電力を供給するために使用される。
【0052】
可撓性スーパーキャパシタは、研究者及び科学者に知られており、ウェアラブル電子機器に関連して実験されている。これらの熱充電可能な固体スーパーキャパシタは、体から発する温度などの熱源から大きな熱誘導電圧を生成する固体ポリマー電解質から作ることができる。次に、電圧は、充電のために電解質中で電気化学反応を開始することができる。キャパシタは、キャパシタの従来の充電方法を使用することもできる。センサを無線データ送信システムに統合して、アプリで使用するローカル電子デバイスに、又はWi-Fiゲートウェイを介してクラウドサーバにデータを送信し、ウェブブラウザダッシュボードを使用して閲覧、記録、傾向分析、分析などを行うことができる。好ましい実施形態では、可撓性スーパーキャパシタは、カテーテルハブの翼などの患者に直接結合されているカテーテルの要素、又はカテーテルチューブの一部に結合されている。
【0053】
本発明のセンサを備えたカテーテルアセンブリは、米国特許第8,382,721号明細書、同第8,540,728号明細書、及び同第8,597,249号明細書に示されているようなカテーテル装置を具体化することができ、これらの内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。カテーテルアセンブリは、カテーテルハブ、ニードルハブ、又はその両方と共に配置された1つ以上のセンサを含むことができる。センサは、感知される状態及び取得されるデータのタイプに応じて、カテーテルハブ及びニードルハブの内部、並びに/又は、カテーテルハブ及びニードルハブの外部に配置することができる。
【0054】
一部の例では、ニードルガードをカテーテルアセンブリと共に設けることができ、カテーテルハブとニードルハブとの間に位置する第3のハウジング内など、カテーテルハブの外側に配置することができる。他の例では、ニードルハブ及びニードルを保護バレル又はシースに押し込む押し下げ可能なタブを有するばね付勢ニードルハブを使用して、静脈穿刺が成功した後にニードルを覆うことができる。
【0055】
1つ以上のセンサは、Bluetooth接続を有するローカルスマートデバイスと通信するBluetooth低エネルギー(BLE)モジュールと統合することができ、1つ以上のセンサによって感知又は取得したデータをローカルスマートデバイスに通信できる。ローカルスマートデバイスは、サーバ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォンもしくはタブレットなどのハンドヘルドデバイス、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0056】
カスタムプログラムソフトウェアをローカルスマートデバイスに提供して、感知したデータを処理及び表示し、傾向の特定、高設定値又は低設定値の追跡などのために、任意の回数の閲覧及びレポート用にデータを操作することを可能にすることができる。Bluetooth通信の範囲は限られているため、カテーテルアセンブリとスマートデバイスとの間の強力な無線接続を確保するために、ローカルスマートデバイスは、通常、カテーテルアセンブリから15~20メートル以内に配置される。
【0057】
代替的又は追加的に、カテーテルアセンブリは、カテーテルシステム専用とすることができるゲートウェイを介してクラウドサーバと通信することができる。一例では、ゲートウェイは、BLEモジュール及びWi-Fiモジュールの両方を組み込むことができる。カテーテルアセンブリとゲートウェイとの間の通信は、BLE接続を介して、及びゲートウェイとクラウドサーバとの間の通信は、Wi-Fiを使用してルータと通信し、次にクラウドと通信するなど、Wi-Fiを介して行うことができる。
【0058】
したがって、カテーテルアセンブリ上の1つ以上のセンサによって感知、収集、又は取得されたデータは、ゲートウェイを介してクラウドサーバに送信でき、記録、監視、分析、及び/又は閲覧される。一部の例では、カテーテルアセンブリとゲートウェイとの間の範囲を拡張するために、BLEメッシュネットワークを提供することができる。一例では、クラウドサーバにデータ分析及びウェブブラウザダッシュボードが提供され、クラウドサーバは、検出されたさまざまな状態の傾向、パターン、因果関係の見当を付けるなど、使用可能な情報用のアップロードされたデータの分析を行う。棒グラフ形式、折れ線グラフ形式、又はテキストもしくは書面によるレポート形式、あるいはそれらの組み合わせで提供されるような、アップロードされ収集された情報のレポートが生成できる。
【0059】
臨床医又は患者によって承認された個人は、健康及び病院のポリシーで規定されるところにおいて、インターネット接続が利用可能な場所であればどこからでも、ウェブブラウザダッシュボード及びスマートデバイスを使用して、クラウドサーバに保存されたデータを閲覧できる。臨床医及び承認されたユーザが保存されたデータを閲覧する前に、適切なセキュリティと認証が必要になる場合がある。
【0060】
一例では、カテーテルハブは、ニードルを有する一対の翼とカテーテルハブに結合されたニードルハブとを有する。カテーテルハブは、ハブ本体の遠位端に取り付けられたカテーテルチューブを有し、反対側の端部に、オス型注入ライン、注射器、又はオス型ルアーアダプタなどのオス型ルアー先端を受け入れるためのルアーテーパを有する近位入口又は開口部を有する。1つ以上のセンサは、カテーテルチューブ、カテーテルハブのハブ本体、翼、又はそれらの組み合わせなどに、本実施形態のカテーテルアセンブリと共に組み込むことができる。1つ以上のセンサは、ハブ本体の内部、カテーテルチューブの内部、ハブ本体の外部、翼の外部に配置される、ハブ本体の壁に埋め込まれる、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0061】
カテーテルハブは、穿刺部位で患者の手の末梢静脈と流体連通するように配置することができる。一部の例では、穿刺部位は、手の末梢静脈に接続するのではなく、前腕又は他の場所、例えば中心静脈カテーテルの場合は胸部近く、PICCもしくは正中カテーテルの場合は上腕領域とすることができる。
【0062】
カテーテルハブは、接着剤で手に固定できる医療用包帯を使用して手に固定できる。代替的又は追加的に、医療用包帯は、カテーテルハブを手に固定するために接着剤、テープ、又は包帯を別々に使用することなく、翼に組み込むことができる。本開示の1つ以上のセンサは、カテーテルハブ又は手の動きを検出するために加速度計を翼に取り付けるときなど、カテーテルハブの外部に取り付けることができる。他の例では、センサをカテーテルハブの内部、カテーテルハブの壁、又はカテーテルチューブの管腔に取り付けて、pH値、酸素値、又は局所温度などの患者の状態を検出することができる。
【0063】
一部の例では、本システムの電子部品は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブの内部及び外部の両方に配置することができる。例えば、無線モジュール及び電源モジュールの両方をカテーテルハブの外側に配置して、さまざまなセンサ及びモジュールに電力を供給したり、収集した信号をローカルスマートデバイスあるいはクラウドサーバに送信したりできる。したがって、ハブ本体の内部に取り付けられたセンサは、静脈内輸液及び血液を含む、カテーテルハブを通過する流体と流体連通しているが、他のモジュール、例えば非センサモジュールは、外部に配置することができ、いかなる湿潤又は液体環境にもさらされない。
【0064】
1つ以上のセンサをカテーテルハブと結合して、体温又は局所温度、血液温度、血液pHレベルなどの患者に関するさまざまな状態、及び/又はカテーテルハブの状況、例えばハブ本体が動いたかどうか(例えば、加速度計が方向の動きを検出したときにアラートをトリガすることによって)、カテーテルハブを介して流量が検出されたかどうか(例えば、流量又は圧力を測定することによって)などを感知、検出、及び/又は監視することができる。したがって、本カテーテルアセンブリのカテーテルハブなどの本カテーテルアセンブリは、流体注入療法のための媒体として機能するように構成することができるだけでなく、臨床医が注入療法の有効性及びその他のさまざまな側面を評価するために使用できる、いくつかの異なる状態に関するデータを提供するための1つ以上のセンサを含むことができる。
【0065】
例示的な実施形態では、カテーテルハブは、第2のハブ部分に取り付けられた第1のハブ部分を有するハブ本体を有する。2つのハブ本体部分は、ハブ本体の内部への便利なアクセスを提供して、1つ以上のセンサ、及び任意選択で、バルブ及びバルブオープナなどの他の部品をハブ本体内に取り付けることを容易にすることができる。1つ以上のセンサ、及び該当する場合はバルブ、バルブオープナ、ニードルガードを取り付けた後、2つのハブ本体部分を接着、結合、溶着、又はそれらの組み合わせによって互いに接合及び固定できる。
【0066】
カテーテルチューブは、金属ブッシングなどの従来の手段を使用して、第1のハブ部分の遠位端に取り付けることができる。一部の例では、カテーテルハブは、ハブ本体から延びる側面流体ポートを有し、かつ流体ポートに取り付けられたチューブと、チューブの反対側の端に取り付けられた無針コネクタなどの流体アダプタとを有する統合注入カテーテルであり得る。統合注入カテーテルのハブ本体の内側、流体ポートの近位、及び近位カテーテルハブ開口部の遠位に隔壁を配置することができる。代替の実施形態では、カテーテルハブは、可撓性チューブなしでオス型ルアー先端を直接受け入れるための、ポート付きカテーテルとも呼ばれる、単一に形成されたポートを含むことができる。
【0067】
ニードル先端と、クリンプ、バルジ、スリーブ、又は材料強化部(material buildup)であることができる外形変化部(change in profile)とを有するニードルを備えたニードルハブは、静脈穿刺が成功した後などに、カテーテルハブから取り外すことができる。ニードルハブは、血液フラッシュバックが近位開口部から漏れるのを防ぐために、通常、ベントプラグ(図示せず)が取り付けられた近位開口部を備えた内部フラッシュバックチャンバを形成するニードルハブ本体を有することができる。酸素又はpHレベルなどの血液の状態を感知するために、ニードルハブ本体の内部などに、ニードルハブと共に1つ以上のセンサを配置することができる。
【0068】
ニードルガード又は先端プロテクタをニードルの遠位端に移動して、ニードルの先端を囲む、又はブロックできる。ニードルガードの態様は、米国特許第8,382,721号明細書、同第8,540,728号明細書、及び同第8,597,249号明細書に開示され、参照により前もって組み込まれている。一部の例では、不注意による針刺しを防止するための他のニードル安全装置又はガードを、1つ以上のセンサを備えたカテーテルアセンブリと共に使用することができる。例えば、ばね付勢のニードルアセンブリを作動させて、使用後に保護された位置でニードルを覆うようにシールドを押すか、又は使用済みのニードルの先端を覆うために使用する固定の外側保護バレルにニードルを押し込むことができる。
【0069】
カテーテルチューブは、遠位開口部を備えた本体と、近位部分をカテーテルハブの内部に固定するための金属ブッシングを受け入れるための近位開口部を有する拡大された近位部分とを有する。一例では、チューブ本体の内部は、部分的又は完全に、ポリピロール感知材料で裏打ちすることができる。例えば、カテーテルチューブ本体の環状空間は、温度、血流、血圧、血中酸素レベル、pH値、カテーテルの閉塞などのうちの1つ以上を検出するために使用するためのポリピロール感知材料で裏打ちすることができる。一例では、感知材料の内層は、外側のカテーテル本体材料の内部に完全な円周を形成することができ、カテーテルチューブの長さ又はカテーテルチューブの長さの一部を延ばすことができる。
【0070】
カテーテルチューブ又はカテーテルハブの本体は、その壁層に含浸又は埋め込まれた1つ以上のセンサを有することができる。カテーテルチューブの近位部分は、感知材料から信号を取得し、熱を利用して電力に変換する電源及び無線信号送信機などの他の電子モジュールに接続するための導電性金属材料から作ることができる。一部の例では、近位部分は、本質的に導電性のポリマー(ICP)としても知られている導電性ポリマー材料から作ることができる。ICPは、電気を通すことが知られている有機ポリマーである。
【0071】
一例では、本発明の態様によるカテーテルシステムは、感知モジュール、データ処理モジュール、及び通信モジュールを含み、これらは、カテーテルアセンブリ上に、又はカテーテルアセンブリ及び近くの周辺機器などのいくつかのプラットフォームにわたって配置することができる。熱から電気への変換を使用する電源モジュールを組み込んで、さまざまなセンサにエネルギーを供給することができる。
【0072】
感知モジュールは、本明細書の他の場所に記載されているさまざまなパラメータ及び状態のいずれかを検出するための1つ以上の個別のセンサを備えることができる。個別のセンサは、カテーテル本体の内部、カテーテルチューブの管腔、及び/又はニードルハブの内部に配置することができる。個別のセンサは、カテーテルハブの翼、ハブ本体、及び/又は医療用包帯など、カテーテルハブ本体の外部に取り付けることもできる。例えば、加速度計をカテーテルハブの翼に取り付けて動きを検出し、温度センサを使用して患者の表面皮膚温度又は局所温度を検出することができる。
【0073】
本明細書で提供される感知モジュールは、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログ-デジタルコンバータ(A/Dコンバータ)を含むことができる。任意選択で、アナログ信号は、そのまま通信モジュールを介してスマートデバイス又はクラウドサーバに通信され、カテーテルアセンブリから離れた場所又は遠隔で処理、変換、操作などされる。例えば、アナログからデジタルへの変換は、クラウドサーバで実行できる。これにより、本開示のシステムが低電力要件で動作することが可能になり、アナログ-デジタルコンバータを他の場所で処理できる場合、低コストで実装できる可能性がある。
【0074】
本システムは、プリント回路基板(PCB)に具現化された、マイクロコントローラ及び/又はマイクロプロセッサを含むことができるコントローラを有するデータ処理モジュールを含むことができる。データ処理モジュールには、A/Dコンバータからのデジタル信号を処理して、スマートデバイスへの信号の送信、ゲートウェイを介したクラウドサーバへの信号の送信など、処理された信号に関連する1つ以上の機能を実行するファームウェアとソフトウェアを設けることができる。
【0075】
任意選択で、データ処理は、スマートデバイスによって、又はクラウドサーバ上のデータ分析によって処理できる。好ましい実施形態では、データ処理モジュールは、センサデータを送信機、好ましくは無線通信などの無線送信機に送信するデータキューとして単に機能する。データ処理モジュールは、好ましくは、1つ以上のセンサから受信したデータを保存し、それらをクラウドサーバ又はローカルスマートデバイスなどのデータを処理できるリモートコンピュータシステムに送信する一時的又は非一時的メモリを有する。好ましい実施形態では、データ処理モジュールは、カテーテルチューブ内の温度センサ及びカテーテルハブ内の温度センサなどのセンサを一意に識別する一意のラベルを各データセグメントに追加し、受信コンピュータシステムがそれに応じてセンサデータを分類できるようにする。このようなラベルは、XML(拡張メタ言語)形式などの適切な手段を使用して追加できる。例えば、トランシーバから送信される各パケットは、タイムスタンプ、一連のセンサメトリック、各センサのタイプ、及び各センサの一意の識別子を含むことができる。一意の識別子は、データプロセッサシステムが少なくとも2つのセンサ間の距離を計算できるようにするカテーテル内の場所又は位置である可能性がある。
【0076】
リモートコンピュータシステムは、センサデータを処理し、データレポートをコンパイルすることができ、又は、閾値を超えたもしくは閾値を下回った血液温度、あるいは閾値を超えたもしくは閾値を下回った血流などのデータ閾値メトリックが超えたときにアラートをトリガするなど、データに対して適切な分析を実行することができる。一部の実施形態では、データ処理モジュールは、所定の閾値に達したときにカテーテル上のLEDライトをトリガするなど、そのような分析を実行するように構成することができる。好ましい実施形態では、複数のセンサからのデータを分析してメトリックを作成することができ、例えば、第1の場所の第1の温度センサ及び第2の場所の第2の温度センサからのデータメトリックを利用して、第1の温度から第2の場所までで測定された血液間の温度差を計算することができる。
【0077】
本システムは、感知された信号を、BLE接続デバイス及びWi-Fiなどの任意の適切な無線トランシーバを使用してスマートデバイス又はクラウドサーバに通信するためのデータ通信モジュールを備えることができる。データ分析を使用して、PC、ラップトップ、モバイルデバイスで信号をチャート、表、及び/又はレポート形式を介して表示できる。
【0078】
本明細書の他の場所で説明されているセンサは、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)を含むことができる材料から作ることができる。本実施形態のカテーテルアセンブリと共に、又はその部品に組み込まれた1つ以上のセンサは、物理的に又は無線で、BLEモジュールなどの無線データ送信部品に接続することができ、検出されたさまざまな状態の傾向、パターン、因果関係を見当付けるなど、使用可能な情報に関してアップロードされたデータを分析するために、収集されたデータは、データ分析、アプリ、又はウェブブラウザダッシュボードによる使用に関するスマートデバイス又はクラウドサーバへ転送される。
【0079】
一部の例では、光ファイバセンサは、内在センサとしても知られる感知要素として、又は外在センサとしても知られる、遠隔センサから信号を処理する電子機器に信号を中継するための手段として、使用することができる。光ファイバセンサは、ひずみ、温度、圧力、その他の量を測定するために使用することができる。したがって、本開示の態様は、両方の内在センサの目的、外在センサの目的、又は両方の目的のための光ファイバセンサの使用を含むと理解される。
【0080】
本明細書に開示されるセンサ及びアセンブリ部品を備えたカテーテルアセンブリについて、特徴が示されているが明示的に説明されておらず、そうでなければ、他の場所で説明されている1つ以上の特徴と同じ又は類似している場合、すべての図面に示されているが、冗長性のため又は知識が以前の開示によって築かれた基礎の上に構築されているために明示的に説明されていない開示された部分は、それでもなお、その1つ以上の特徴が説明されている実施形態の本文に明示的に記載されているのと同じ又は類似の特徴によって説明又は教示されていると理解できるものと理解される。言い換えると、本出願のこの後の開示は、文脈が別段の指示をしない限り、以前の開示の基礎に基づいて構築されている。
【0081】
したがって、本開示は、すべての実施形態において同様の部品及び特徴を繰り返す必要なしに、開示された実施形態及び開示された実施形態の特徴を当業者に教示すると理解されるが、それは、熟練した当業者が、先行するいくつかの段落でそれらについて読んだばかりの同様の構造的特徴を軽視したり、同じ明細書に記載された以前の説明から得られた知識を無視したりしないからである。したがって、以下のカテーテルアセンブリに示される同じ又は同様の特徴は、文脈が別段の指示をしない限り、以前の実施形態の教示を組み込む。したがって、文脈が別段の指示をしない限り、後で開示される実施形態は、先に説明した実施形態の特徴及び構造など、先に明示的に説明した実施形態の利点を享受することが企図されている。
【0082】
一例では、カテーテルチューブ内で使用するためのニードルは、代わりにスタイレット、又は中実のニードルシャフトであり得る。一部の例では、カテーテルチューブの配置をガイドするのを助けるために、ガイドワイヤがカテーテルアセンブリと共に使用される。カテーテルハブは、カテーテルハブ本体と、金属ブッシングなどでハブ本体に取り付けられたチューブ本体を備えたカテーテルチューブとを有する。一例では、チューブ本体の内部は、部分的又は完全に、ポリピロール感知材料などの感知材料で裏打ちすることができる。例えば、カテーテルチューブ本体の環状空間は、温度、血流、血圧、血中酸素レベル、pH値、カテーテルの閉塞などのうちの1つ以上を検出するために使用するためのポリピロール感知材料で裏打ちすることができる。一部の例では、センサは、カテーテルチューブの厚さの内側に埋め込むことができる。
【0083】
カテーテルチューブは、導電性材料から作られた遠位開口部及び近位部分を備えた本体を有する。一部の実施形態では、本体は、導電性近位部分がA/Dコンバータ又はデータ処理モジュールへの入力などの電子デバイスの入力ポートに当接できるように、絶縁経路を介して導電性近位部分に電子的に結合された絶縁材料内に埋め込まれた1つ以上のセンサを含むことができる。あるいは、近位部分は、ポリマー材料から作ることができ、以下でさらに議論されるように、感知又は導電性の材料で裏打ちされる。遠位開口部は、ニードルシャフト又はスタイレットの周りにシールを形成するために、カテーテルチューブの他の部分と比較して縮小した開口部を有することができる。カテーテルチューブの近位部分は、チューブ本体の内部を裏打ちする感知材料から信号を取得し、熱を利用して電力に変換する電源及び無線信号送信機などの他の電子モジュールに接続するための導電性材料から作ることができる。あるいは、感知材料は、近位部分196を越えて延びることができ、電気コネクタは、センサを他のデバイスに結合するために使用される。
【0084】
一部の例では、近位部分は、本質的に導電性のポリマー(ICP)としても知られている導電性ポリマー材料から作ることができる。ICPは、電気を通すことが知られている有機ポリマーである。センサ材料は、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)を含むことができる材料から作ることができる。一部の例では、チューブ本体の感知材料、及びカテーテルチューブの近位部分の感知材料は、一体的に形成され得るか、又は単一に形成され得る。
【0085】
一例では、カテーテルチューブに配置されたセンサとカテーテルハブに配置された導体との間の電気通信は、電気コネクタを介して、又は電気コネクタを使用することによって提供することができる。一例では、電気コネクタは、ICP、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)などの導電性ポリマー材料から作られている。他の例では、電気コネクタは、銅、真ちゅう、又はそれらの合金などの導電性金属材料から作られている。あるいは、1つ以上の光ファイバを、前述のように、センサ及び/又は導体に使用することができる。
【0086】
コネクタは、本体部分とフランジ部分とを有することができ、その間に隙間がある。本体部分は、カテーテルハブと共にセンサと接触又はくさび留めされ得る。カテーテルチューブを備えたセンサの一部を隙間に配置できる。金属ブッシングがカテーテルハブに押し込まれ、カテーテルハブと金属ブッシングとの間にカテーテルチューブをくさび留めすると、フランジは、カテーテルハブのカテーテルチューブセンサの近位端及び電気コネクタの本体部分に対してクランプすることができる。
【0087】
一例では、カテーテルチューブセンサは、カテーテルチューブ本体の近位端よりも長い近位端を有し、その結果、カテーテルチューブセンサの折り畳まれた部分は、カテーテルチューブ本体の外側の周りに折り畳まれて、コネクタの本体部分に直接接触する。この折り畳まれた部分により、カテーテルチューブセンサは、フランジとの接触によってだけでなく、コネクタの本体部分に直接接触することができる。
【0088】
電子コネクタアセンブリは、カテーテルハブ本体の近位端に取り付けることができる。電子コネクタアセンブリは、コネクタハウジング及び電気モジュールを含むことができる。前記コネクタハウジングは、センサ及び導体と共に使用するための電子モジュールを取り付けるために、カテーテルハブの近位端に取り付けることができる。
【0089】
一部の例では、光ファイバセンサをカテーテルチューブに取り付けて、コネクタアセンブリに結合することができる。コネクタハウジングは、熱可塑性材料で作ることができ、カテーテルハブの近位開口部に挿入するためのオス型の先端と、カテーテルハブにおける雄ねじとねじ込み係合するためのねじ付きカラーと、を有することができる。他の例では、コネクタハウジングは、接着剤、戻り止め、結合、溶着、又はそれらの組み合わせなどのさまざまな固定手段を使用して、カテーテル110に固定することができる。コネクタハウジングは細長くすることができ、オス型ルアー先端を受け入れるためのルアーテーパを有することができ、ねじ込みルアー接続用の雄ねじを含むことができる。
【0090】
導体はまた、コネクタの本体の外部に延びて、カテーテルハブに取り付けられた導体に接触するための表面を提示することができる。コネクタのオス型の先端は、2つの導体をくさびでしっかりと接触させ、流体の流れからそれらの界面をシールするようなサイズ及び形状にすることができる。カテーテルハブと電子コネクタアセンブリとの界面での導体間の接触により、電気モジュールとカテーテルチューブのセンサとの電気的通信が可能になる。
【0091】
一例では、本明細書の他の場所で説明されているように、電子モジュールは、感知インターフェース、通信インターフェース、及び電源を含むことができる。電気モジュールの周囲にカバーを設けて、モジュールを損傷又は不要な露出から密閉することができる。一例では、カバーは、シリコーン材料又はスリーブのコート(被覆)又は層であり得る。
【0092】
一例では、導体は、カテーテルチューブ内で、直接又は間接的にセンサに接触する。導体は、カテーテルチューブ内のセンサを、コネクタ又はコネクタハウジング、電気モジュール、及びカバーを含む電気コネクタアセンブリに結合するための延長部又は結合部として使用することができる。例示的な実施形態では、導体は、レセプタクル又はプラグのうちの1つであり得る受容端を備えている。コネクタの先端には、もう一方のレセプタクル又はプラグを取り付けることができる。レセプタクルはプラグに接続して、導体と電気モジュールとの間に電気経路を提供する。あるいは、光ファイバセンサをカテーテルチューブに組み込むことができ、光伝送ファイバを使用してセンサを電気コネクタアセンブリに接続する。一例では、電気アセンブリは、レセプタクル及びプラグを切り離すために、カテーテルハブから取り外し可能である。取り外し可能な構成により、電気コネクタアセンブリをカテーテルハブから取り外して、別のカテーテルアセンブリなどで再利用又は別の用途で使用することができる。
【0093】
一例では、電気アセンブリのコネクタハウジングは、カテーテルハブの近位端から取り外し可能である。取り外しは、カテーテルチューブのセンサと電気アセンブリの導体との間にカテーテルハブの導体で接続を提供することによって可能である。圧入又は接触嵌合を使用して、カテーテルハブのねじ山に係合するコネクタのねじ付きカラーを介してねじ込むことにより、コネクタをカテーテルハブに取り外し可能に固定することができる。
【0094】
例示的な実施形態では、ハブ本体は、カテーテルハブの内部空洞と流体連通するチャネル(溝)又は流路を有するサイドポートを含む。図示されていないが、スリーブ形態のバルブをカテーテルハブの内部に配置して、チャネルと内部空洞との交差点で流体経路を遮断することができる。スリーブは、内部空洞からの流体がサイドポートを通って漏れるのを防ぐ。しかしながら、注射器又はドリップラインなどからサイドポートを通って流れる流体圧力は、スリーブの少なくとも一部を折り畳む可能性があり、その結果、流体はチャネルに流れ込み、内部空洞に流れ込み、カテーテルチューブを通って流出する。バルブ及びバルブオープナは、他のカテーテルの実施形態で以前に議論されたように、内部空洞の近位部分に配置され得る。一部の例では、スリーブ及びバルブは、単一に又は単独で形成された構造であり得る。バルブは折り畳み式スリーブの近位に配置できる。
【0095】
カテーテルハブ本体及びサイドポートに配置された導体を介して電気コネクタアセンブリに接続するために、センサをカテーテルチューブ内に配置することができる。一例では、センサは、カテーテルチューブ内に別個に形成され、次に、導電体を使用して電気コネクタアセンブリに接続され得る。一部の例では、外在センサとしての光ファイバを使用して信号を中継することができる。あるいは、コネクタは、導電性ポリマー材料、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)を使用して連続的に形成することができる。
【0096】
電気コネクタアセンブリは、コネクタハウジング、電気モジュール、及びサイドポートに取り付けられたカバーを含むことができる。一例では、電気コネクタアセンブリは、サイドポートから取り外し可能であり、取り外された場合、再生するか、又は別のカテーテルハブで再利用することができる。取り外しは、センサと電気アセンブリの導体との間に接続を提供することによって可能になり、この接続は、圧入又は接触嵌合であり、カテーテルハブのねじ山を備えたコネクタのねじ付きカラーをねじ込むなどにより、カテーテルハブのサイドポートに係合するコネクタによって、取り外し可能に固定される。
【0097】
電気コネクタアセンブリの電子機器は、前述のように、カテーテルハブ及び/又はカテーテルチューブに取り付けられた1つ以上のセンサからの信号を変換するためのA/Dコンバータを含むことができる。A/Dコンバータは、体温を使用して電力を供給できる電源から電力供給可能である。例えば、熱から電気へのコンバータを使用して、キャパシタを充電し、さまざまな部品に電力を供給することができる。熱充電可能な固体スーパーキャパシタは、体温などの熱源から大きな熱誘導電圧を生成して電子部品に電力を供給することができる固体ポリマー電解質から作ることができる。一部の例では、熱から電気へのコンバータは、最初に電池を充電することができ、電池は電子部品に電力を供給する。
【0098】
電気コネクタアセンブリは、ファームウェア及びソフトウェアを格納及び処理するためのプロセッサ又はCPU、及びメモリをさらに含むことができる。信号の振幅を送信用の別の信号のパルス幅又は持続時間にエンコードするためのパルス幅変調器(PWM)と、通信モジュール及び他のシリアルデバイスとデータを交換するためインターフェースとして機能するユニバーサル非同期受信機-送信機とが、データを送受信するために組み込まれている。他の例では、Bluetooth低エネルギー(BLE)モジュールを組み込んで、BLE信号を使用して、スマートフォン、ラップトップ、又はタブレットなどの他のBLE対応デバイスと通信することができる。一部の例では、集積チップが電気コネクタアセンブリに組み込まれ、前記集積チップは、通信モジュールなどの1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0099】
一例では、電気コネクタアセンブリによって送信されたデータは、電気コネクタアセンブリからBluetooth通信を介してデータを受信するためのBLEモジュールと、収集されたデータをクラウドに通信するためのWi-Fiモジュールとの両方を有する専用ゲートウェイに通信することができ、これは、ユーザがどこからでもインターネット経由でアクセスできるクラウドコンピューティングを意味すると理解できる。クラウドに保存されると、ユーザは、コンピューティングデバイス、又はタブレットあるいはスマートフォンなどのハンドヘルドデバイスを使用して、格納された情報にアクセスし、収集されたデータを閲覧及び分析することができる。
【0100】
電気コネクタアセンブリから収集されたデータを閲覧、読み取り、及び/又は分析するために、ローカルディスプレイユニットを提供することができる。一例では、移動式ローラ付きデスクステーションなどの機動性のあるプラットフォームを含む移動式閲覧ステーションは、モニタ、及び電気コネクタアセンブリから受信したデータを閲覧及び処理するようにプログラムされたコンピュータ又はラップトップなどのコンピューティングデバイスを備えている。他の例では、電気コネクタアセンブリから受信したデータを閲覧及び処理するために、タブレットが医師によって使用され得る。コンピューティングデバイスは、無線送受信モジュール、CPU、メモリ、ディスプレイ画面あるいは領域、並びに、CPU及びディスプレイ画面に電力を供給するための電源、を含むことができる。一部の例では、メモリを備えた専用ハブを電気コネクタアセンブリと共に配置して、データを収集することができる。専用ハブは、有線又は無線の接続を備えており、そこに含まれる情報のアップロードを可能にして、医師、看護師、介護者などのユーザがアクセスできるようにする。CPUとモニタを備えた移動式閲覧ステーションを使用して、ある病室から別の病室に移動し、専用ハブからのデータにアクセスして、患者の状態及び機器の状況を確認及び分析することができる。
【0101】
さらなる例では、IVカテーテルシステムは、患者の状態及び/又は本発明の末梢静脈カテーテルの状況を監視するためのカテーテルアセンブリ及び電子機器を含む。電子コネクタアセンブリは、統合された電源を有さない、とすることができる。代わりに、電気コネクタアセンブリに電力を供給するための取り外し可能な電源又はモジュールを設けることができる。取り外し可能な電源モジュールは、電力レベルを示すための光インジケータ及び電力充電機能を制御するためのファームウェアを有する充電式電池を含むことができる。電池の電源出力を電気コネクタアセンブリに接続するために、ピンコネクタを設けることができる。
【0102】
カテーテルチューブの別の代替実施形態は、遠位開口部と、本明細書の他の場所で説明されるカテーテルハブのうちの1つなどのカテーテルハブの内部に近位部分を固定するための金属ブッシングを受け入れるための近位開口部とを有する本体を有することができる。一例では、チューブ本体の内部は、ポリウレタン(PU)材料から作られたものなど、従来のカテーテルチューブの内側のポリピロール感知材料で、部分的又は完全に、裏打ちすることができる。例えば、カテーテルチューブ本体の環状空間は、温度、血流、血圧、血中酸素レベル、pH値、カテーテルの閉塞などのうちの1つ以上を検出するために使用するためのポリピロール感知材料で裏打ちすることができる。本実施形態では、感知材料は、カテーテルチューブの長さに沿って分散された、好ましくはカテーテルチューブの壁内に埋め込まれた、間隔を置いて配置された又は個別の複数のセンサを含む。例えば、個別のセンサは、それぞれ、リング形状、円形、楕円形、又は多角形のポリピロール感知材料を具体化して、カテーテルチューブに沿った離散点での感知を可能にすることができる。複数の個別のセンサはまた、カテーテルチューブに沿った個別の点で感知するためのポリピロール感知材料のウェブを具体化することができる。個別のセンサは、個別の導電性トレース又は導体を結合することも、他の感知材料を介して相互接続することもできる。
【0103】
本明細書で使用される場合、互いに離散しているセンサは、あるセンサからのデータが別のセンサからのデータを破壊しないように、データ処理モジュールに並列に結合する別個の電子出力経路を有する。これにより、個々のセンサが他のもので代替可能な場合でも、各センサが他のセンサから個別にデータを収集できるため、データ処理モジュール又はコンピュータシステムは、同じカテーテルシステム内の複数のセンサ間でデータを比較することができる。一部の実施形態では、カテーテルチューブは、異なるタイプの複数の個別のセンサ並びに異なる出力を含み得る。例えば、個別のセンサは、温度センサとpHセンサの両方、及び/又は圧力センサさえも含むことができる。一部の実施形態では、異なるタイプのセンサをグループ化することができ、例えば、カテーテルチューブの最初の3分の1でセンサは、温度センサであり得、次の3分の1でセンサは、pHセンサであり得、最後の3分の1でセンサは、圧力センサであり得る。単一のカテーテルチューブ内のすべてのセンサの出力は、A/Dコンバータバス又はプロセッサバスなどの共通バスにつながることが好ましく、プロセッサがトランシーバを介して転送するためにデータをキューに編成できるようにする。
【0104】
別の例では、カテーテルチューブは、その壁層に含浸又は埋め込まれた1つ以上の個別のセンサを有することができる。カテーテルチューブの近位部分は、個別のセンサから信号を取得し、熱を利用して電力に変換する電源及び無線信号送信機などの他の電子モジュールに接続するための導電性金属材料から作ることができる。一部の例では、近位部分は、本質的に導電性のポリマー(ICP)としても知られている導電性ポリマー材料から作ることができる。ICPは、電気を通すことが知られている有機ポリマーである。さらに他の例では、本明細書の他の場所で説明するように、光ファイバセンサを使用して、個別のセンサから電気コネクタアセンブリに情報を送信することができる。
【0105】
個別のセンサは、カテーテルチューブの長さに沿って配置できる。一部の例では、個別のセンサは、カテーテルチューブの長さの10%から100%の間で延在することができ、20%から90%がより好ましい。個別のセンサは、カテーテルチューブの長さに沿って等間隔に配置することも、カテーテルチューブの長さに沿ってランダムに間隔を空けることもできる。ここで、各センサには2つの個別のセンサ入力があり、1つはカテーテルチューブの上面に、もう1つはカテーテルチューブの下面にあり、どちらも出力バスにつながっている。ワイヤは、各センサ出力を個別に送信するバスとすることができる。一部の実施形態では、上/下センサの各セットを共通のバス端子に結合することができ、他の実施形態では、上/下センサの各セットを個別のバス端子に結合して、データプロセッサがカテーテルチューブの上面とカテーテルチューブの下面のセンサ間でセンサデータを比較できるようにする。
【0106】
データセンサをバスに結合することにより、データプロセッサは、カテーテルチューブのあるポイントの温度とカテーテルチューブの別のポイントの温度など、センサデータを相互に比較することができる。これは、1フィートのカテーテルチューブ又は2フィートのカテーテルチューブなど、数インチより長いカテーテルチューブを有する実施形態において特に有用である。センサデータを受信するデータ処理モジュールは、受信したセンサデータ間の比較分析を介して、カテーテルチューブの長さに沿った異なるポイント間のpHあるいは温度差などの追加のデータメトリックを収集できる。
【0107】
別の代替カテーテルアセンブリは、カテーテルチューブ内で直接又は間接的にセンサに接触する導体を含む。導体は、カテーテルチューブ内のセンサを、コネクタ、電気モジュール、及びカバーを含む電気コネクタアセンブリに結合するための延長部又は結合部として使用することができる。一実施形態では、導体は、レセプタクル又はプラグのうちの1つであり得、かつカテーテルチューブ内に延びてカテーテルチューブ内のある場所でセンサに結合する遠位端であり得る受容端を備えている。コネクタの先端には、もう一方のレセプタクル又はプラグを取り付けることができる。レセプタクルはプラグに接続して、導体と電気モジュールとの間に電気経路を提供する。一例では、導体は、代わりに、センサから電気コネクタアセンブリに信号を送信するための光ファイバセンサであり得る。
【0108】
センサを備えたカテーテルアセンブリは、一対の翼を有するハブ本体と、ハブ本体の遠位端に取り付けられ、遠位方向に延び、先細の遠位開口部で終わるカテーテルチューブとを含むカテーテルハブを含むことができる。ハブ本体は、第1のハブ部分及び第2のハブ部分を有し、これらは、それぞれ、遠位ハブ部分及び近位ハブ部分と呼ばれ得る。
【0109】
電気コネクタアセンブリは、カテーテルハブの近位ハブ部分つまり第2のハブ部分にねじで接続されている。電気コネクタアセンブリは、遠位端及び近位端を有するコネクタハウジングを備える。一例では、遠位端は、センサモジュールを受け入れるためのカラーを含み、これは、近位ハブ部分の雄ねじにねじ込むためのカラーを有する。コネクタハウジングは、IVコネクタ又は注射器先端などのオス型ルアー先端を受け入れるための細長い開放端を近位端に備える。一例では、細長い開放端は、ねじ付きのメス型ルアーであり得る。電気コネクタアセンブリは、カテーテルハブの第2のハブ部分からカラーのねじ込みを外すことにより、カテーテルハブから分離することができる。
【0110】
電気コネクタアセンブリのコネクタハウジングは、入口、該入口にねじ付きメス型ルアー、及び反対側の端にカラーを有することができる。一例では、カラーは、ねじ込みなしでセンサモジュールを受け入れるためのスリップオンカラーである。コネクタハウジングは、熱可塑性材料で作られる本体で、弾性ピストンを受け入れるようなサイズ及び形状である内部ボア(穴部)を形成する壁構造を有する本体、及び入口と本体との間に配置された肩部(ショルダー部)を有する。
【0111】
ハウジングのボア(穴部)内に嵌合可能なピストンは、シリコーン材料で作られており、ヘッド部分、ネック部分、肩部、本体部分、及びフランジに似ている可能性がある拡大ベースを備えていてもよい。本体部分及び任意に肩部は、中空にすることができるため、ピストンがハウジングの内側に配置され、ハウジングの開いた近位端に挿入されたオス型の先端によって押されると、ピストンはセンサモジュールの拘束に逆らってつぶれる。オス型の先端が開いた近位端から取り外されると、ピストンは拡張するか、押し込まれていない状況に戻るため、ピストンのヘッドが入口部分の内側ボア(穴部)に拡張して、入口開口部は、流体の流れからブロックされる。
【0112】
一例では、センサモジュールのハウジング、ピストン、及びエンドフィッティングの組み合わせは、メス型の無針コネクタに似ている。特定の例では、センサモジュールのハウジング、ピストン、及びエンドフィッティングの組み合わせは、ハウジング内に配置され、かつ他の実施形態の中でもYスリットを含むピストンを開示する米国特許第7,591,449号明細書に開示されているメス型の無針コネクタに類似している。センサモジュールのハウジング、ピストン、及びエンドフィッティングの組み合わせは又はウジング内に配置され、かつ他の実施形態の中でもスパイラルカットを含むピストンを開示する米国特許第9,695,953号明細書に開示されているメス型の無針コネクタに類似している。米国特許第7,591,449号明細書及び第9,695,953号明細書は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0113】
センサモジュールは、流体の流れのためのボアを有する中央導管と、本明細書の他の場所で説明されている他のセンサと同じであり得る複数のセンサとを含むことができる。中央導管は、オス型のルアーから延びることができ、カテーテルハブの近位ハブ部分の入口とのルアーフィットを形成することができる。ねじ付きカラーは、オス型のルアーを囲み、カテーテルハブの近位ハブ部分の雄ねじにねじ込み式に係合するサイズ及び形状になっている。
【0114】
ベースドラムは、カラーに接続されており、ハウジングのカラーに挿入するために、カラーの外径よりも小さい外径を有している。ベースドラムとセンサモジュールのカラーとの間の肩部は、ハウジングのカラーの終端を押すか、又は当接するように構成されている。複数の電気リード線は、共成形(co-molding)又はインサート成形などによって複数のセンサに電気的に結合され、それぞれが径方向部分及び軸方向部分を備えている。各リード線の径方向部分により、リード線はハウジングの長さ方向に沿って径方向に、次に軸方向に延びて、計算コア上の対応するリード線に接触することができる。
【0115】
ヘッドドラムは、ベースドラムから延びており、ランディング(landing)及び突起を有する。突起は、ベースでピストンの開放端に突出するサイズ及び形状であり、ベースのフランジは、ランディングを押すように構成されている。複数の流路がヘッドドラムを通って提供され、中央導管のボア及びオス型ルアーと流体連通している。したがって、ピストンが作動すると、ヘッドの入口と、ピストンの外面とハウジングの内面との間の環状空間と、の間に流路が提供される。流路は、ヘッドドラムの複数の流路、並びに中央導管のボア及びオス型のルアーと流体連通している。ハウジングとセンサモジュールは、接着、溶着、又はその両方によって、互いにより恒久的に固定することができる。
【0116】
計算コアを、本体部分のハウジングの外側の周りに取り付けることができる。一例では、計算コアは、ハウジングの上方又は周囲に配置するための中空の中心を有する本体を含む。計算コアの本体は、誘電体材料から作ることができ、センサモジュールにおけるリード線、本体に取り付けられた回路及び電源に接続するためのトレース又はリード線を備えている。電源は、充電式電池を含むことができる。一例では、回路は、センサモジュールに配置されたセンサからリモートサーバ又はプロセッサに、感知されたデータを中継又は処理するために使用するために、本明細書の他の場所で説明される部品を含むことができる。一例では、計算コアは、センサモジュールのリード線及びハウジングから分離可能である。例えば、計算コアは、カテーテルハブの廃棄後に再利用するために分離することができる。
【0117】
計算コア、さまざまなリード線、及びさまざまな回路を潜在的な損傷及び/又は短絡からカバーするために、保護カバーを設けることができる。保護カバーは、非導電性又は誘電性の材料で作ることができ、計算コア及びハウジングの両方に配置できる。一例では、保護カバーは、シリコーン材料又はシリコーンゴムから作ることができ、計算コア及びハウジングに配置するために、拡大されたポケット及び起伏のある表面を設けることができ、電気信号及び接続を妨害しない。そのような拡大されたポケット及び起伏のある表面は、本体が自己配向する方法で保護カバー内に配置されることを可能にし得る。保護カバーは、計算コア及びハウジングをスライドするための開放端を備えており、取り付けを容易にするために十分に柔軟に作製することができる。
【0118】
使用中、米国特許第7,591,449号明細書及び第9,695,953号明細書に開示されている無針コネクタと同様に、シリンジ先端又はIVコネクタなどのオス型医療器具がハウジングの入口に接続されると、ピストンが押し込まれ、ピストンの外面とハウジングの内面との間に流路が開かれる。流体経路はまた、ヘッドドラムの流路及びセンサモジュールの中央導管のボアと流体連通している。説明されているようにピストンが押し込まれると、流体は、静脈内輸液投与中など、ハウジングの近位端からカテーテルハブ及びカテーテルチューブに流れ込むことができ、又は流体は、例えば注射器のバレルへ、近位端から吸引され得る。
【0119】
オス型医療器具がハウジングの入口から取り外されると、ピストンが拡張され、ヘッドがハウジングの入口の内側領域に戻されて、それ以上流体が流れ込まないように入口が閉じられる。治療後、又はカテーテルハブを新しいカテーテルに交換するときはいつでも、電気コネクタアセンブリを取り外して再利用できる。
【0120】
計算コアがねじ込み接続を介して中央導管内のセンサからの1つ以上の導電性出力と電子的に係合することを可能にするそのような計算アセンブリを使用して、複数のセンサを有するカテーテルに計算装置を効率的に接続することができる。一部の実施形態では、計算コアは、単一のカテーテルハブ、例えば、静脈内カテーテルハブ、正中カテーテルハブ、又は米国特許第6,544,251号明細書に開示されているものなどの一部の末梢挿入中心カテーテルに結合することができる。複数のハブを有するカテーテル、例えば、米国特許第9,504,806号明細書又は米国特許第6,723,084号明細書に開示されているような中心静脈カテーテルでは、各カテーテルハブは、センサデータを共通のコンピュータシステムに無線で送信するように構成された個別の計算コアを含むことができる。共通の主カテーテル枝につながる副枝を有する複数のハブを有するカテーテルは、好ましくは、カテーテルの主枝及び副枝の両方に埋め込まれたセンサに結合する導電性バスを有する1つのカテーテルハブを有するが、他のすべてのカテーテルハブは、カテーテルハブの関連する副枝のセンサにのみ結合された導電性バスを有する。
【0121】
本明細書に記載のセンサを備えたカテーテルアセンブリ及びそれらの部品を作製及び使用する方法は、本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
本装置、システム、及び方法における、これら及び他の特徴及び利点は、明細書、特許請求の範囲、及び添付の図面を参照してよりよく理解されるようになると理解されるであろう。
【
図1】監視機能を備えた治療的注入療法を実施するための静脈内カテーテルアセンブリを示す概略のシステム図である。
【
図2】ニードル及びニードルハブがない、1つ以上のセンサを備えたカテーテルアセンブリの底面平面図である。
【
図3】末梢静脈へのアクセスを得るために手の穿刺部位を貫通するカテーテルチューブを有するカテーテルハブを示す。
【
図4】ニードル及びニードルハブがない、マルチパートハブ本体を備えたカテーテルアセンブリの斜視図である。
【
図5】ニードルの先端を覆うためのニードルガードと相互作用する、外形の変化部を有する例示的なニードルハブ及びニードルの断面側面図である。
【
図6A】センサ材料が適用されたカテーテルチューブの図を示す。
【
図6B】センサ材料が適用されたカテーテルチューブの図を示す。
【
図6C】その壁層内に埋め込まれた1つ以上のセンサを有するカテーテルチューブ又はカテーテルハブのいずれかの断面端面図である。
【
図7】本システムの感知及び送信アーキテクチャを示す図である。
【
図8A】1つ以上のセンサを備えたカテーテルアセンブリを使用する注入治療療法に関する情報を得るために、本開示のシステムを使用して生成することができる例示的なレポートを示す。
【
図8B】1つ以上のセンサを備えたカテーテルアセンブリを使用する注入治療療法に関する情報を得るために、本開示のシステムを使用して生成することができる例示的なレポートを示す。
【
図8C】1つ以上のセンサを備えたカテーテルアセンブリを使用する注入治療療法に関する情報を得るために、本開示のシステムを使用して生成することができる例示的なレポートを示す。
【
図9A】データを収集及び送信するためのセンサ及び電気コネクタアセンブリを含むカテーテルアセンブリの概略図である。
【
図10】データを収集及び送信するためのセンサ及び電気コネクタアセンブリを含むカテーテルアセンブリの概略図である。
【
図11】データを収集及び送信するためのセンサ及び電気コネクタアセンブリを含むカテーテルアセンブリの概略図である。
【
図12】データを収集及び送信するためのセンサ及び電気コネクタアセンブリを含み、カテーテルハブがサイドポートを含むカテーテルアセンブリの概略図である。
【
図13】状態を監視するためのカテーテルアセンブリ及び電子機器を含むIVカテーテルシステムを示す概略フロー図である。
【
図14】状態を監視するためのカテーテルアセンブリ及び電子機器を含むIVカテーテルシステムを示す概略フロー図である。
【
図15A】カテーテルチューブの長さに沿って分散された個別のセンサを有するカテーテルチューブの図を示す。
【
図15B】カテーテルチューブの長さに沿って分散された個別のセンサを有するカテーテルチューブの図を示す。
【
図15C】カテーテルチューブの長さに沿って分散された個別のセンサを有するカテーテルチューブの図を示す。
【
図15D】カテーテルチューブの長さに沿って分散された個別のセンサを有するカテーテルチューブの図を示す。
【
図16】データを収集及び送信するためのセンサ及び電気コネクタアセンブリを含むカテーテルアセンブリの概略図である。
【
図17】本発明のさらなる態様によって提供される静脈内カテーテルアセンブリの実施形態を示す。
【
図18】本発明のさらなる態様によって提供される静脈内カテーテルアセンブリの実施形態を示す。
【
図19】本発明のさらなる態様によって提供される静脈内カテーテルアセンブリの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0123】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本デバイス、システム、及び方法の態様による監視機能が提供されるカテーテル装置又はアセンブリ(例えば、中心静脈カテーテル、静脈内カテーテル、末梢挿入中心カテーテル、及び正中カテーテル)の現在の好ましい実施形態の説明として意図されており、本デバイス、システム、及び方法が構築又は利用され得る唯一の形態を表すことを意図するものではない。これらのカテーテル装置は、オーバーザニードルカテーテル装置としても知られているか、又は呼ばれている。文脈が別段の指示をしない限り、異なるタイプのオーバーザニードルカテーテル装置は、一般に、カテーテル装置又はアセンブリと呼ばれ得る。説明は、例示された実施形態に関連して、本デバイス、システム、及び方法の実施形態を構築及び使用するための特徴及びステップを説明する。しかしながら、同じ又は同等の機能及び構造は、同じく本開示の精神及び範囲内に包含されることが意図される異なる実施形態によって達成され得ることが理解されるべきである。本明細書の他の場所で示されるように、同様の要素番号は、同様又は類似の要素又は特徴を示すことを意図している。
【0124】
図1は、本開示の態様による監視機能を備えた治療的注入療法を行うためのシステム100を示している。一例では、システム100は、治療的注入療法を受けるときの患者の状態、及び/又は治療を行うために使用されている末梢静脈カテーテルの状況を監視及び記録することができる。患者及び/又はカテーテルのさまざまな状態及び状況を記録及び監視することにより、重要な臨床情報を臨床医に提供して、最適な患者ケアのために治療過程を変更又は継続することができる。一部の例では、患者の治療の進行状況の最新のフィードバックを可能にするために、さまざまな状態をリアルタイムで追跡及び記録することができる。例示的な実施形態では、カテーテル装置は、中心静脈カテーテル、静脈内カテーテル、末梢挿入中心カテーテル(「PICC」)、又は正中カテーテルなどの末梢静脈カテーテル以外のものであり得る。本システム100の態様によれば、センサを備えたカテーテルアセンブリ104は、患者の状態及び/又は末梢静脈カテーテルの状況を監視するための1つ以上のセンサを備えている。本明細書で使用される場合、「センサ」は、感知されたデータを測定可能な電子信号に変換するデバイス、例えば、感知された圧力データを、圧力を測定するためのメトリックに変換するピエゾメータ、又は測定された電流を、温度を測定するためのメトリックに変換する温度計プローブを含む。カテーテルハブ又はニードルハブの内部(内側)あるいは外部(外側)などの要素に「取り付けられた」センサは、環境と素子とを共有する露出した入力面を有する。ニードル又はカテーテルチューブの壁内などの要素内に「埋め込まれている」センサには、露出されない可能性のある入力面(例えば、壁面を通して周囲温度を感知する温度センサ)又は露出される可能性のある入力面(例えば、カテーテルチューブの内面又は外面と流体連通している入力面を有するpHセンサ)がある。
【0125】
一例では、カテーテルアセンブリ104は、体温などの患者の状態を感知及び/もしくは監視するため、又は流れもしくは圧力などのカテーテルハブの内部もしくは外部環境の状況を感知及び/もしくは監視するための少なくとも1つのセンサを有することができる。以下でさらに説明するように、1つ以上のセンサは、いくつかの非限定的な例を挙げると、動きを検出するための加速度計、圧力センサ、温度センサ、位置及び湿度センサを含むことができ、血流、脈拍、血圧、血液酸素レベル、体温、局所的な皮膚温度、pH値、カテーテルの閉塞、流量などを測定及び監視するために使用することができる。典型的なカテーテルアセンブリのサイズにより、センサは、それに応じて適切なサイズ及び形状になり、体温を使用して電力を供給され得る。例えば、熱から電気へのコンバータを使用してキャパシタを充電し、次に本開示のデバイスで使用するためのセンサに電力を供給することができる。代替的又は追加的に、可撓性スーパーキャパシタを使用してセンサに電力を供給することができる。周囲からの熱を使用して電荷を蓄積することができる可撓性スーパーキャパシタが発見され、米国特許出願公開第2014/0338715号明細書及び米国特許出願公開第2010/0051079号明細書に記載されている。可撓性スーパーキャパシタから放出される電力は、検出された信号をサーバ、コントローラ、又は他のモジュールに転送してさらに処理するための通信モジュールなど、1つ以上のセンサ及び関連するモジュールに電力を供給するように構成できる。一部の実施形態では、可撓性スーパーキャパシタを使用して、電池又はキャパシタを充電することができ、これは、次に、センサ又はプロセッサなどの1つ以上の電子デバイスに電力を供給するために使用される。
【0126】
可撓性スーパーキャパシタは、研究者及び科学者に知られており、ウェアラブル電子機器に関連して実験されている。これらの熱充電可能な固体スーパーキャパシタは、体から発する温度などの熱源から大きな熱誘導電圧を生成する固体ポリマー電解質から作ることができる。そしてその電圧は、充電のために電解質中で電気化学反応を開始することができる。そのキャパシタは、キャパシタの従来の充電方法を使用することもできる。センサを無線データ送信システムに統合して、アプリで使用するローカル電子デバイスに、又はWi-Fiゲートウェイを介してクラウドサーバにデータを送信し、ウェブブラウザダッシュボードを使用して閲覧、記録、傾向分析、分析などを行うことができる。好ましい実施形態では、可撓性スーパーキャパシタは、カテーテルハブ110の翼150a又は150bなどの患者に直接結合されているカテーテルの要素、又はカテーテルチューブ152の一部に結合されている。
【0127】
再び
図1のシステム100を参照すると、センサを備えたカテーテルアセンブリ104は、米国特許第8,382,721号明細書、同第8,540,728号明細書、及び同第8,597,249号明細書に示されているようなカテーテル装置を具体化することができ、これらの内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。カテーテルアセンブリ104は、カテーテルハブ110、ニードルハブ112、又はその両方と共に配置された1つ以上のセンサ106を含むことができる。センサは、感知される状態及び取得されるデータのタイプに応じて、カテーテルハブ及びニードルハブの内部(内側)、並びに/又は、カテーテルハブ及びニードルハブの外部(外側)に配置することができる。一部の例では、ニードルガードをカテーテルアセンブリ104と共に設けることができ、カテーテルハブとニードルハブとの間に位置する第3のハウジング内など、カテーテルハブの外側に配置することができる。他の例では、ニードルハブとニードルを保護バレル又はシースに押し込む押し下げ可能なタブを備えたばね付勢ニードルハブを使用して、静脈穿刺が成功した後にニードルを覆うことができる。
【0128】
1つ以上のセンサ106をBluetooth低エネルギー(BLE)モジュール114と統合して、Bluetooth接続を備えたローカルスマートデバイス120と通信し、1つ以上のセンサ106によって感知又は取得したデータをローカルスマートデバイスに通信できる。ローカルスマートデバイス120は、サーバ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォンもしくはタブレットなどのハンドヘルドデバイス、又はそれらの組み合わせを含むことができる。カスタムプログラムソフトウェアをローカルスマートデバイス120に提供して、感知したデータを処理及び表示し、傾向の特定、高設定値又は低設定値の追跡などのために、任意の回数の閲覧及びレポート用にデータを操作することを可能にすることができる。Bluetooth通信の範囲は限られているため、カテーテルアセンブリ104とスマートデバイス120との間の強力な無線接続を確保するために、ローカルスマートデバイスは通常、カテーテルアセンブリから15~20メートル以内に配置される。
【0129】
代替的又は追加的に、カテーテルアセンブリ104は、カテーテルシステム専用とすることができるゲートウェイ140を介してクラウドサーバ130と通信することができる。一例では、ゲートウェイ140は、BLEモジュール142及びWi-Fiモジュール144の両方を組み込むことができる。カテーテルアセンブリ104とゲートウェイ140との間の通信は、BLE接続を介して、及びゲートウェイ140とクラウドサーバ130との間の通信は、Wi-Fiを使用してルータと通信し、次にクラウドと通信するなど、Wi-Fiを介して行うことができる。したがって、カテーテルアセンブリ104における1つ以上のセンサによって感知、収集、又は取得されたデータは、ゲートウェイ140を介してクラウドサーバ130に送信でき、記録、監視、分析、及び/又は閲覧される。一部の例では、カテーテルアセンブリ104とゲートウェイ140との間の範囲を拡張するために、BLEメッシュネットワークを提供することができる。一例では、クラウドサーバにデータ分析及びウェブブラウザダッシュボードを設け、使用可能な情報のためにアップロードされたデータを分析して、検出されたさまざまな状態の傾向、パターン、因果関係が見当付けられる。レポートは、
図8Aに示す棒グラフ形式、
図8Bに示す折れ線グラフ形式、又は
図8Cに示すテキストもしくは書面によるレポート形式、あるいはそれらの組み合わせで提供されるような、アップロード及び収集された情報から生成することができる。
【0130】
臨床医又は患者によって承認された個人は、健康及び病院のポリシーで規定されるところにおいて、インターネット接続が利用可能な場所であればどこからでも、ウェブブラウザダッシュボード及びスマートデバイス120を使用して、クラウドサーバ130に保存されたデータを閲覧できる。臨床医及び承認されたユーザが保存されたデータを閲覧する前に、適切なセキュリティと認証が必要になる場合がある。
【0131】
ここで
図2を参照すると、ニードル及びニードルハブがそこから取り外された状態の、一対の翼150a、150bの底部から見たカテーテルハブ110が示されている。カテーテルハブ110は、ハブ本体156の遠位端に取り付けられたカテーテルチューブ152を有し、反対側の端部に、オス型注入ライン、注射器、又はオス型ルアーアダプタなどのオス型ルアー先端を受け入れるためのルアーテーパを有する近位入口又は開口部154を有する。以下でさらに論じるように、1つ以上のセンサ106は、カテーテルチューブ152、カテーテルハブ110のハブ本体156、翼150a、150b、又はそれらの組み合わせなどに、本実施形態のカテーテルアセンブリ104と共に組み込むことができる。1つ以上のセンサ106は、ハブ本体の内部、カテーテルチューブの内部、ハブ本体の外部、翼の外部に配置される、ハブ本体の壁に埋め込まれる、又はそれらの組み合わせとすることができる。
【0132】
図3は、カテーテルハブに接続された流体ラインなしで示されている、穿刺部位162で患者の手160における末梢静脈と流体連通して配置されたカテーテルハブ110を示す概略図である。一部の例では、穿刺部位は、手の末梢静脈に接続するのではなく、前腕又は他の場所、例えば中心静脈カテーテルの場合は胸部近く、PICCもしくは正中カテーテルの場合は上腕領域とすることができる。カテーテルハブ110は、接着剤で手に固定される、破線で示されている医療用包帯164を使用して手160に固定できる。代替的又は追加的に、医療用包帯164は、カテーテルハブを手に固定するために接着剤、テープ、又は包帯を別々に使用することなく、翼150a、150bに組み込むことができる。本開示の1つ以上のセンサは、カテーテルハブ又は手の動きを検出するために加速度計を翼に取り付けるときなど、カテーテルハブの外部に取り付けることができる。他の例では、センサをカテーテルハブの内部、カテーテルハブの壁、又はカテーテルチューブの管腔に取り付けて、pH値、酸素値、又は局所温度などの患者の状態を検出することができる。
【0133】
一部の例では、本システムの電子部品は、カテーテルハブ及びカテーテルチューブの内部及び外部の両方に配置することができる。例えば、無線モジュール及び電源モジュールの両方をカテーテルハブの外側に配置して、さまざまなセンサ及びモジュールに電力を供給したり、収集した信号をローカルスマートデバイス又はクラウドサーバに送信したりできる。したがって、ハブ本体の内部に取り付けられたセンサは、静脈内輸液及び血液を含む、カテーテルハブを通過する流体と流体連通しているが、他のモジュール、例えば非センサモジュールは、外部に配置することができ、いかなる湿潤又は液体環境にもさらされない。
【0134】
以下でさらに説明するように、1つ以上のセンサ106をカテーテルハブと結合して、体温又は局所温度、血液温度、血液pHレベルなどの患者に関するさまざまな状態、及び/又はカテーテルハブ104の状況、例えばハブ本体156が動いたかどうか(例えば、加速度計が方向の動きを検出したときにアラートをトリガすることによって)、カテーテルハブを介して流量が検出されたかどうか(例えば、流量又は圧力を測定することによって)などを感知、検出、及び/又は監視することができる。したがって、本カテーテルアセンブリのカテーテルハブ110などの本カテーテルアセンブリ104は、流体注入療法のための媒体として機能するように構成されるだけでなく、臨床医が注入療法の有効性及びその他のさまざまな側面を評価するために使用できる、いくつかの異なる状態に関するデータを提供するための1つ以上のセンサを含むことができる。
【0135】
ここで
図4を参照すると、カテーテルハブ110の斜視図が、さらに異なる形状の翼で示されている。カテーテルハブ110は、第2のハブ部分166bに取り付けられた第1のハブ部分166aを有するハブ本体156と共に示されている。本実施形態では、2つのハブ本体部分は、ハブ本体156の内部への便利なアクセスを提供して、1つ以上のセンサ106、及び任意選択で、バルブ及びバルブオープナなどの他の部品をハブ本体内に取り付けることを容易にする。1つ以上のセンサ、及び該当する場合はバルブ、バルブオープナ、ニードルガードを取り付けた後、2つのハブ本体部分を接着、結合、溶着、又はそれらの組み合わせによって互いに接合及び固定できる。
【0136】
金属ブッシングなどの従来の手段を使用して、第1のハブ部分166aの遠位端に取り付けられたカテーテルチューブ152が示されている。一部の例では、カテーテルハブ110は、ハブ本体から延びる側面流体ポートを有し、かつ流体ポートに取り付けられたチューブと、チューブの反対側の端に取り付けられた無針コネクタなどの流体アダプタとを有する統合注入カテーテルであり得る。統合注入カテーテルのハブ本体の内側、流体ポートの近位、及び近位カテーテルハブ開口部の遠位に隔壁を配置することができる。代替の実施形態では、カテーテルハブは、可撓性チューブなしでオス型ルアー先端を直接受け入れるための、ポート付きカテーテルとも呼ばれる、単一に形成されたポートを含むことができる。
【0137】
図5は、ニードル先端176と、クリンプ、バルジ、スリーブ、又は材料強化部であることができる外形変化部178とを有するニードル174を備え、静脈穿刺が成功した後などに、
図4のカテーテルハブ110から取り外されるニードルハブ112の概略断面図である。ニードルハブ112は、血液フラッシュバックが近位開口部から漏れるのを防ぐために、通常、ベントプラグ(図示せず)が取り付けられた近位開口部182を備えた内部フラッシュバックチャンバ180を形成するニードルハブ本体179を有する。酸素又はpHレベルなどの血液の状態を感知するために、ニードルハブ本体179の内部などに、ニードルハブ112と共に1つ以上のセンサを配置することができる。
【0138】
ニードルガード又は先端プロテクタ190は、ニードル174の遠位端に示され、ニードルの先端176を囲んでいるか、又はブロックしている。ニードルガードの態様は、米国特許第8,382,721号明細書、同第8,540,728号明細書、及び同第8,597,249号明細書に開示され、参照により前もって組み込まれている。一部の例では、不注意による針刺しを防止するための他のニードル安全装置又はガードを、1つ以上のセンサを備えたカテーテルアセンブリと共に使用することができる。例えば、ばね付勢のニードルアセンブリを作動させて、使用後に、保護された位置でニードルを覆うようにシールドを押すか、又は使用済みのニードルの先端を覆うために使用する、固定の外側保護バレルにニードルを押し込むことができる。
【0139】
ここで
図6A及び
図6Bを参照すると、カテーテルチューブ152が異なる視点から示されている。カテーテルチューブ152は、遠位開口部194を備えた本体192と、近位部分をカテーテルハブの内部に固定するための金属ブッシングを受け入れるための近位開口部198を有する拡大近位部分196とを有し、これは従来どおりである。一例では、チューブ本体192の内部は、部分的又は完全に、ポリピロール感知材料で裏打ちすることができる。例えば、カテーテルチューブ本体192の環状空間は、温度、血流、血圧、血中酸素レベル、pH値、カテーテルの閉塞などのうちの1つ以上を検出するために使用するためのポリピロール感知材料で裏打ちすることができる。一例では、感知材料の内層は、外側のカテーテル本体材料の内部に完全な円周を形成することができ、カテーテルチューブの長さ又はカテーテルチューブの長さの一部を延ばすことができる。
【0140】
図6Cは、概略的に示される、カテーテルチューブ152又はカテーテルハブ156であり得る構造の断面端面図である。示されるように、カテーテルチューブ152又はカテーテルハブ156の本体は、その壁層に含浸又は埋め込まれた1つ以上のセンサ106を有することができる。カテーテルチューブの近位部分196は、感知材料から信号を取得し、熱を利用して電力に変換する電源及び無線信号送信機などの他の電子モジュールに接続するための導電性金属材料から作ることができる。一部の例では、近位部分196は、本質的に導電性のポリマー(ICP)としても知られている導電性ポリマー材料から作ることができる。ICPは、電気を通すことが知られている有機ポリマーである。
【0141】
ここで
図7を参照すると、本システムの感知及び送信アーキテクチャを示す図が示されている。一例では、システム200は、感知モジュール212、データ処理モジュール214、及び通信モジュール216を含み、これらは、カテーテルアセンブリ104上に、又はカテーテルアセンブリ及び近くの周辺機器などのいくつかのプラットフォームにわたって配置することができる。図示されていないが、熱から電気への変換を使用する電源モジュールが組み込まれて、さまざまなセンサにエネルギーを供給する。
【0142】
感知モジュール212は、本明細書の他の場所に記載されているさまざまなパラメータ及び状態のいずれかを検出するための1つ以上の個別のセンサ106を備えることができる。個別のセンサは、カテーテル本体の内部、カテーテルチューブの管腔、及び/又はニードルハブの内部に配置することができる。個別のセンサは、カテーテルハブの翼、ハブ本体、及び/又は医療用包帯など、カテーテルハブ本体の外部に取り付けることもできる。例えば、加速度計をカテーテルハブの翼に取り付けて動きを検出し、温度センサを使用して患者の表面皮膚温度又は局所温度を検出することができる。
【0143】
感知モジュール212は、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのアナログ-デジタルコンバータ220(A/Dコンバータ)を含むことができる。任意選択で、アナログ信号は、そのまま通信モジュールを介してスマートデバイス又はクラウドサーバに通信され、カテーテルアセンブリから離れた場所又は遠隔で処理、変換、操作などされる。例えば、アナログからデジタルへの変換は、クラウドサーバで実行できる。これにより、本開示のシステムが低電力要件で動作することが可能になり、アナログ-デジタルコンバータを他の場所で処理できる場合、低コストで実装できる可能性がある。
【0144】
本システム200は、プリント回路基板(PCB)に具現化された、マイクロコントローラ及び/又はマイクロプロセッサを含むことができるコントローラ222を有するデータ処理モジュール214を含むことができる。データ処理モジュール214には、A/Dコンバータからのデジタル信号を処理して、スマートデバイスへの信号の送信、ゲートウェイを介したクラウドサーバへの信号の送信など、処理された信号に関連する1つ以上の機能を実行するファームウェア及びソフトウェアを設けることができる。任意選択で、データ処理は、スマートデバイスによって、又はクラウドサーバ上のデータ分析によって処理できる。好ましい実施形態では、データ処理モジュールは、センサデータを送信機、好ましくは無線通信216などの無線送信機に送信するデータキューとして単に機能する。データ処理モジュール214は、好ましくは、1つ以上のセンサから受信したデータを保存し、それらをクラウドサーバ130又はローカルスマートデバイス120(
図1)などのデータを処理できるリモートコンピュータシステムに送信する一時的又は非一時的メモリを有する。好ましい実施形態では、データ処理モジュール214は、カテーテルチューブ内の温度センサ及びカテーテルハブ内の温度センサなどのセンサを一意に識別する一意のラベルを各データセグメントに追加し、受信コンピュータシステムがそれに応じてセンサデータを分類できるようにする。このようなラベルは、XML(拡張メタ言語)形式などの適切な手段を使用して追加できる。例えば、トランシーバから送信される各パケットは、タイムスタンプ、一連のセンサメトリック、各センサのタイプ、及び各センサの一意の識別子を含むことができる。一意の識別子は、データプロセッサシステムが少なくとも2つのセンサ間の距離を計算できるようにするカテーテル内の場所又は位置である可能性がある。
【0145】
次に、リモートコンピュータシステムは、センサデータを処理し、データレポートのコンパイル又は、閾値を超えたもしくは閾値を下回った血液温度、あるいは閾値を超えたもしくは閾値を下回った血流などのデータ閾値メトリックを超えたときにアラートをトリガするなど、データに対して適切な分析を実行できる。一部の実施形態では、データ処理モジュール214は、所定の閾値に達したときにカテーテル上のLEDライトをトリガするなど、そのような分析を実行するように構成することができる。好ましい実施形態では、複数のセンサからのデータを分析してメトリックを作成することができ、例えば、第1の場所の第1の温度センサ及び第2の場所の第2の温度センサからのデータメトリックを利用して、第1の温度から第2の場所までで測定された血液間の温度差を計算することができる。
【0146】
本システム200は、感知された信号を、BLE接続デバイス及びWi-Fiなどの任意の適切な無線トランシーバを使用してスマートデバイス又はクラウドサーバに通信するためのデータ通信モジュール216を備えることができる。データ分析を使用して、PC、ラップトップ、モバイルデバイスで信号をチャート、表、及び/又はレポート形式を介して表示できる。
【0147】
本明細書の他の場所で説明されているセンサは、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)を含むことができる材料から作ることができる。本実施形態のカテーテルアセンブリ又はその部品に組み込まれた1つ以上のセンサは、物理的に又は無線で、BLEモジュールなどの無線データ送信部品に接続されることができ、検出されたさまざまな状態の傾向、パターン、因果関係を見当付けるなど、使用可能な情報に関してアップロードされたデータを分析するために、収集されたデータを、データ分析、アプリ、又はウェブブラウザダッシュボードにより使用するスマートデバイス又はクラウドサーバに転送する。一部の例では、光ファイバセンサは、内在センサとしても知られる感知要素として、又は外在センサとしても知られる、遠隔センサから信号を処理する電子機器に信号を中継するための手段として使用することができる。光ファイバセンサは、ひずみ、温度、圧力、その他の量を測定するために使用することができる。したがって、本開示の態様は、両方の内在センサの目的、外在センサの目的、又は両方の目的のための光ファイバセンサの使用を含むと理解される。
【0148】
本明細書に開示されるセンサ及びアセンブリ部品を備えたカテーテルアセンブリについて、特徴が示されているが明示的に説明されておらず、そうでなければ、特徴が
図1~
図7を参照する上の説明のように、他の場所で説明されている1つ以上の特徴と同じ又は類似している場合、すべての図面に示されているが、冗長性のため又は知識が以前の開示によって築かれた基礎の上に構築されているために明示的に説明されていない開示された部分は、それでもなお、その1つ以上の特徴が説明されている実施形態の本文に明示的に記載されているのと同じ又は類似の特徴によって説明又は教示されていると理解できるものと理解される。言い換えると、本出願のこの後の開示は、文脈が別段の指示をしない限り、以前の開示の基礎に基づいて構築されている。
【0149】
したがって、本開示は、すべての実施形態において同様の部品及び特徴を繰り返す必要なしに、開示された実施形態及び開示された実施形態の特徴を当業者に教示すると理解されるが、それは、熟練した当業者が、先行するいくつかの段落でそれらについて読んだばかりの同様の構造的特徴を軽視したり、同じ明細書に記載された以前の説明から得られた知識を無視したりしないからである。したがって、以下のカテーテルアセンブリに示される同じ又は同様の特徴は、文脈が別段の指示をしない限り、以前の実施形態の教示を組み込む。したがって、文脈が別段の指示をしない限り、後で開示される実施形態は、先に説明した実施形態の特徴及び構造など、先に明示的に説明した実施形態の利点を享受することが企図されている。
【0150】
ここで
図9Aを参照すると、代替のカテーテルアセンブリ104の概略断面側面図が、カテーテルハブ110と共に示されている。カテーテルアセンブリ104は、明確にするためにニードルハブ及びニードルなしで示されているが、静脈内アクセスを得るために使用するためのカテーテルアセンブリの一部であると理解される。ニードルは、代わりにスタイレット又は中実のニードルシャフトにすることができる。一部の例では、カテーテルチューブの配置をガイドするのを助けるために、ガイドワイヤがカテーテルアセンブリと共に使用される。示されるように、カテーテルハブ110は、カテーテルハブ本体156と、金属ブッシング250などでハブ本体に取り付けられたチューブ本体192を備えたカテーテルチューブ152とを有する。一例では、チューブ本体192の内部は、部分的又は完全に、ポリピロール感知材料などの感知材料106で裏打ちすることができる。例えば、カテーテルチューブ本体192の環状空間は、温度、血流、血圧、血中酸素レベル、pH値、カテーテルの閉塞などのうちの1つ以上を検出するために使用するためのポリピロール感知材料106で裏打ちすることができる。一部の例では、センサ106は、
図6Cに示されるように、カテーテルチューブの厚さの内側に埋め込むことができる。
【0151】
図6A及び
図6Bを参照して説明したカテーテルチューブ152と同様に、本カテーテルチューブは、遠位開口部194及び導電性材料から作られた近位部分196を備えた本体192を有する。一部の実施形態では、本体92は、導電性近位部分がA/Dコンバータ又はデータ処理モジュールへの入力などの電子デバイスの入力ポートに当接できるように、絶縁経路を介して導電性近位部分196に電子的に結合された絶縁材料内に埋め込まれた1つ以上のセンサを含むことができる。あるいは、近位部分は、ポリマー材料から作ることができ、以下でさらに議論されるように、感知又は導電性材料で裏打ちされる。遠位開口部194は、ニードルシャフト又はスタイレットの周りにシールを形成するために、カテーテルチューブの他の部分と比較して縮小した開口部を有することができる。カテーテルチューブ152の近位部分196は、チューブ本体192の内部を裏打ちする感知材料106から信号を取得し、熱を利用して電力に変換する電源及び無線信号送信機などの他の電子モジュールに接続するための導電性材料から作ることができる。あるいは、感知材料は、近位部分196を越えて延びることができ、電気コネクタは、センサ106を他のデバイスに結合するために使用される。
【0152】
一部の例では、近位部分196は、本質的に導電性のポリマー(ICP)としても知られている導電性ポリマー材料から作ることができる。ICPは、電気を通すことが知られている有機ポリマーである。センサ材料は、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)を含むことができる材料から作ることができる。一部の例では、チューブ本体の感知材料106及びカテーテルチューブ152の近位部分196の感知材料は、一体的に形成され得るか、又は単一に形成され得る。
【0153】
図9Aに加えて
図9Bをさらに参照すると、センサ106とカテーテルチューブ152との間の接続、及び導体290とカテーテルハブ本体156との間の接続の拡大図が示されている。一例では、カテーテルチューブ192に配置されたセンサ106とカテーテルハブ110に配置された導体290との間の電気通信は、電気コネクタ260を介して、又は電気コネクタ260を使用することによって提供することができる。一例では、電気コネクタ260は、ICP、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)などの導電性ポリマー材料から作られている。他の例では、電気コネクタ260は、銅、真ちゅう、又はそれらの合金などの導電性金属材料から作られている。あるいは、1つ以上の光ファイバを、前述のように、センサ106及び/又は導体290に使用することができる。
【0154】
コネクタ260は、本体部分262とフランジ部分264とを有することができ、その間に隙間266がある。本体部分262は、カテーテルハブ110と共にセンサ106と接触又はくさび留めされ得る。カテーテルチューブ152を備えたセンサ106の一部を隙間266に配置できる。金属ブッシング250(
図9A)がカテーテルハブ110に押し込まれ、カテーテルハブと金属ブッシングとの間にカテーテルチューブ152をくさび留めすると、フランジ264は、カテーテルハブのカテーテルチューブセンサ106の近位端及び電気コネクタ260の本体部分262に対してクランプする。
【0155】
一例では、カテーテルチューブセンサ106は、カテーテルチューブ本体192の近位端よりも長い近位端270を有し、その結果、カテーテルチューブセンサ106の折り畳まれた部分272は、カテーテルチューブ本体の外側の周りに折り畳まれて、コネクタ260の本体部分262に直接接触する。この折り畳まれた部分272により、カテーテルチューブセンサ106は、フランジ264との接触によってだけでなく、コネクタの本体部分262に直接接触することができる。
【0156】
再び
図9Aを参照すると、カテーテルハブ本体156の近位端に取り付けられた電子コネクタアセンブリ280が示されている。電子コネクタアセンブリ280は、コネクタハウジング282及び電気モジュール284を含むことができる。前記コネクタハウジング282は、センサ106及び導体290と共に使用するための電子モジュール284を取り付けるために、カテーテルハブ110の近位端に取り付けることができる。一部の例では、光ファイバセンサをカテーテルチューブに取り付けて、コネクタアセンブリ280に結合することができる。コネクタハウジング282は、熱可塑性材料から作ることができ、カテーテルハブ110の近位開口部に挿入するためのオス型の先端292と、カテーテルハブ110における雄ねじとねじ込み係合するためのねじ付きカラーとを有することができる。他の例では、コネクタハウジング282は、接着剤、戻り止め、結合、溶着、又はそれらの組み合わせなどのさまざまな固定手段を使用して、カテーテルハブ110に固定することができる。コネクタハウジング282は細長くすることができ、オス型ルアー先端286を受け入れるためのルアーテーパを有することができ、ねじ込みルアー接続用の雄ねじ288を含むことができる。
【0157】
導体290はまた、コネクタ282の本体の外部に延びて、カテーテルハブ110に取り付けられた導体290に接触するための表面を提示することができる。コネクタ282のオス型の先端292は、2つの導体290、290をくさびでしっかりと接触させ、流体の流れからそれらの界面をシールするようなサイズ及び形状にすることができる。カテーテルハブと電子コネクタアセンブリ280の界面での導体290間の接触により、電気モジュール284とカテーテルチューブのセンサ106との電気的通信が可能になる。一例では、本明細書の他の場所で説明されているように、電子モジュール284は、感知インターフェース、通信インターフェース、及び電源を含むことができる。電気モジュール284の周囲にカバー296を設けて、モジュールを損傷又は不要な露出から密閉することができる。一例では、カバー296は、シリコーン材料又はスリーブのコート又は層であり得る。
【0158】
ここで
図10を参照すると、
図9Aのカテーテルアセンブリと同様であり、ニードル及びニードルハブなしで示されている、別の代替のカテーテルアセンブリ104が示されている。本実施形態では、導体300は、カテーテルチューブ152内で、直接又は間接的にセンサ106に接触する。導体300は、カテーテルチューブ内のセンサ106を、
図9Aの電気コネクタアセンブリ280と同様に、コネクタ又はコネクタハウジング282、電気モジュール284、及びカバー296を含む電気コネクタアセンブリ280に結合するための延長部又は結合部として使用することができる。本実施形態では、導体300は、レセプタクル306又はプラグ308の一方であり得る受容端304を備えている。コネクタ282の先端292には、レセプタクル306又はプラグ308の他方を取り付けることができる。レセプタクル306は、プラグ308に接続して、導体300と電気モジュール284との間に電気経路を提供する。あるいは、光ファイバセンサをカテーテルチューブに組み込むことができ、光伝送ファイバを使用して、センサを電気コネクタアセンブリ280に接続する。一例では、電気アセンブリ280は、レセプタクル306及びプラグ308を切り離すために、カテーテルハブ104から取り外し可能である。取り外し可能な構成により、電気コネクタアセンブリ280をカテーテルハブから取り外して、別のカテーテルアセンブリなどで再利用又は別の用途で使用することができる。
【0159】
図11は、
図9Aのカテーテルアセンブリと同様であり、ニードル及びニードルハブなしで示されている別の代替のカテーテルアセンブリ104を示している。しかしながら、
図10の電気コネクタアセンブリ280のように、電気アセンブリにおける、本コネクタハウジング282は、カテーテルハブの近位端から取り外し可能である。取り外しは、カテーテルチューブでのセンサ106と、カテーテルハブ110の導体290を有する電気アセンブリ280の導体290との間に接続を設けることによって可能である。圧入又は接触嵌合を使用して、カテーテルハブのねじ山に係合するコネクタのねじ付きカラーを介してねじ込むことにより、コネクタ282をカテーテルハブに取り外し可能に固定することができる。
【0160】
図12は、いくつかの例外を除いて、
図9Aのカテーテルアセンブリと同様であり、ニードル及びニードルハブなしで示されている、別の代替のカテーテルアセンブリ104を示している。本実施形態では、ハブ本体156は、カテーテルハブ110の内部空洞314と流体連通するチャネル又は流路312を有するサイドポート310を含む。図示されていないが、スリーブの形態のバルブをカテーテルハブの内部に配置して、チャネル312と内部空洞314との交差点で流体経路を遮断することができる。スリーブは、内部空洞からの液体がサイドポート310を通って漏れるのを防ぐ。しかしながら、注射器又はドリップラインなどからサイドポート310を通って流れる流体圧力は、スリーブの少なくとも一部を押し潰す(折り畳む)ことができ、その結果、流体は、チャネル312に流れ込み、内部空洞314に流れ込み、カテーテルチューブを通って流出する。バルブ及びバルブオープナは、他のカテーテルの実施形態で以前に議論されたように、内部空洞の近位部分に配置され得る。一部の例では、スリーブ及びバルブは、単一に又は単独で形成された構造であり得る。バルブは、折り畳み式(押し潰せる)スリーブの近位に配置できる。
【0161】
図12に示されるように、カテーテルハブ本体156及びサイドポート310に配置された導体を介して電気コネクタアセンブリ280に接続するために、センサ106をカテーテルチューブ152内に配置することができる。一例では、センサ106は、カテーテルチューブ内に別個に形成され、次に、導電体を使用して電気コネクタアセンブリ280に接続され得る。一部の例では、外在センサとしての光ファイバを使用して信号を中継することができる。あるいは、コネクタは、導電性ポリマー材料、ポリピロール、カーボンナノチューブ、ガラス状炭素、及びポリアクリロノイチル(PAN)を使用して連続的に形成することができる。
【0162】
示されるように、
図9Aの電気アセンブリ280と同様に、コネクタハウジング282、電気モジュール284、及びカバー296を備える電気コネクタアセンブリ280が、サイドポート310に取り付けられて示されている。
図10の電気アセンブリ280のように、電気アセンブリ280における本コネクタ282は、サイドポート310から取り外し可能であり、再生するか、又は別のカテーテルハブで再利用することができる。取り外しは、センサ106と電気アセンブリ280の導体290との間に接続を設けることによって可能であり、この接続は、圧入又は接触嵌合であり、カテーテルハブのねじ山にねじ付きカラーをねじ込むなどにより、カテーテルハブのサイドポート310に係合するコネクタ282によって、取り外し可能に固定される。
【0163】
ここで
図13を参照すると、概略フロー図は、患者の状態及び/又は本発明のカテーテル装置の状況を監視するための、カテーテルアセンブリ及び電子機器を備えたカテーテルシステム320を示している。システムは、ブロック324のカテーテルハブ本体に接続されたブロック322の、1つ以上のセンサを有するキャピラリー(毛細管)又はカテーテルチューブを含み、
図9A~
図12の電気コネクタアセンブリ280などのコネクタがそれに接続されている。
【0164】
ブロック326は、末梢静脈カテーテル及び/又は患者のさまざまな状態及び状況を感知及び監視するために、電気コネクタアセンブリ280に組み込まれ得る電子機器及び部品を示す。示されるように、電子機器は、前述のように、カテーテルハブ及び/又はカテーテルチューブに取り付けられた1つ以上のセンサからの信号を変換するためのA/Dコンバータを含むことができる。A/Dコンバータは、体温を使用して電力を供給できる電源から電力が供給可能である。例えば、熱から電気へのコンバータを使用してキャパシタを充電し、さまざまな部品に電力を供給することができる。熱充電可能な固体スーパーキャパシタは、体温などの熱源から大きな熱誘導電圧を生成して電子部品に電力を供給することができる固体ポリマー電解質から作ることができる。一部の例では、熱から電気へのコンバータは、最初に電池を充電することができ、電池は、電子部品に電力を供給する。
【0165】
電気コネクタアセンブリは、ファームウェア及びソフトウェアを格納及び処理するためのプロセッサ、又はCPU及びメモリをさらに含むことができる。信号の振幅を送信用の別の信号のパルス幅又は持続時間にエンコードするためのパルス幅変調器(PWM)と、通信モジュール及び他のシリアルデバイスとデータ交換するためにインターフェースとして機能するユニバーサル非同期受信機-送信機とは、データを送受信するために組み込まれている。他の例では、Bluetooth低エネルギー(BLE)モジュールを組み込んで、BLE信号を使用して、スマートフォン、ラップトップ、又はタブレットなどの他のBLE対応デバイスと通信してもよい。一部の例では、集積チップが電気コネクタアセンブリに組み込まれ、該集積チップは、通信モジュールなどの1つ以上のモジュールを含むことができる。
【0166】
一例では、ブロック326での、電気コネクタアセンブリによって送信されたデータは、電気コネクタアセンブリからBluetooth通信を介してデータを受信するためのBLEモジュールと、収集されたデータをクラウドに通信するためのWi-Fiモジュールとの両方を有する専用ゲートウェイに通信することができ、これは、ユーザがどこからでもインターネット経由でアクセスできるクラウドコンピューティングを意味すると理解することができる。クラウドに保存されると、ユーザは、コンピューティングデバイス、又は、タブレットあるいはスマートフォンなどのハンドヘルドデバイスを使用して、格納された情報にアクセスでき、収集されたデータを閲覧及び分析できる。
【0167】
図13に示されるように、電気コネクタアセンブリから収集されたデータを閲覧、読み取り、及び/又は分析するために、ブロック328で、ローカルディスプレイユニットを提供することができる。一例では、移動式ローラ付きデスクステーションなどの機動性のあるプラットフォームを含む移動式閲覧ステーションは、モニタ、並びに、ブロック326での、電気コネクタアセンブリから受信したデータを閲覧及び処理するようにプログラムされたコンピュータ又はラップトップなどのコンピューティングデバイスを備えている。示されるように、コンピューティングデバイスは、無線送受信モジュール、CPU、メモリ、ディスプレイ画面あるいは領域、並びに、CPU及びディスプレイ画面に電力を供給するための電源、を含むことができる。一部の例では、データを収集するために、メモリを有する専用ハブを、ブロック326で電気コネクタアセンブリと共に配置することができる。専用ハブは、有線又は無線の接続を備えており、そこに含まれる情報のアップロードを可能にして、医師、看護師、介護者などのユーザがアクセスできるようにする。CPU及びモニタを有する移動式閲覧ステーションを使用して、ある病室から別の病室に移動し、患者の状態及び/又は機器の状況を確認及び分析するために専用ハブからのデータにアクセス可能である。
【0168】
図14は、患者の状態及び/又は本発明の末梢静脈カテーテルの状況を監視するためのカテーテルアセンブリ及び電子機器を含むIVカテーテルシステム334を示す代替の概略フロー図を示す。
図14のシステムは、ブロック326aにおける電子コネクタアセンブリが、統合された電源を持たないことを除いて、
図13のシステムと同様である。代わりに、電気コネクタアセンブリに電力を供給するための取り外し可能な電源又はモジュールがブロック326bに提供される。取り外し可能な電源モジュールは、電力レベルを示すための光インジケータ及び電力充電機能を制御するためのファームウェアを有する充電式電池を含むことができる。電池の電源出力を電気コネクタアセンブリに接続するために、ピンコネクタを設けることができる。
【0169】
ここで
図15A~
図15Dを参照すると、カテーテルチューブ152の別の代替の実施形態が、それぞれ斜視図、断面図あるいは端面図、側面図、及び上面図で示されている。カテーテルチューブ152は、遠位開口部194と、本明細書の他の場所で説明されるカテーテルハブのうちの1つなどのカテーテルハブの内部に近位部分を固定するための金属ブッシングを受け入れるための近位開口部198とを有する本体192を有する。一例では、チューブ本体192の内部は、部分的又は完全に、ポリウレタン(PU)材料から作られたものなど、従来のカテーテルチューブの内側のポリピロール感知材料106で裏打ちすることができる。例えば、カテーテルチューブ本体192の環状空間は、
図6A~
図6Cの実施形態と同様に、温度、血流、血圧、血中酸素レベル、pH値、カテーテルの閉塞などのうちの1つ以上を検出するために使用するためのポリピロール感知材料で裏打ちすることができる。本実施形態では、感知材料106は、
図6Cに示されるように、カテーテルチューブ152の長さに沿って分散された、好ましくはカテーテルチューブの壁内に埋め込まれた、間隔を置いて配置された又は個別の複数のセンサ106aを含む。例えば、個別のセンサ106aは、それぞれ、リング形状、円形、楕円形、又は多角形のポリピロール感知材料を具体化して、カテーテルチューブに沿った離散点での感知を可能にすることができる。複数の個別のセンサ106aはまた、カテーテルチューブに沿った個別の点で感知するためのポリピロール感知材料のウェブを具体化することができる。個別のセンサは、個別の導電性トレース又は導体を結合することも、他の感知材料を介して相互接続することもできる。
【0170】
本明細書で使用される場合、互いに離散しているセンサは、あるセンサからのデータが別のセンサからのデータを破壊しないように、データ処理モジュールに並列に結合する別個の電子出力経路を有する。これにより、個々のセンサが他のもので代替可能な場合でも、各センサが他のセンサから個別にデータを収集できるため、データ処理モジュール又はコンピュータシステムは、同じカテーテルシステム内の複数のセンサ間でデータを比較できる。一部の実施形態では、カテーテルチューブは、異なるタイプの複数の個別のセンサと、異なる出力とを含み得る。例えば、
図15Cの個別のセンサ106aは、温度センサ及びpHセンサの両方、及び/又は、圧力センサさえも含むことができる。一部の実施形態では、異なるタイプのセンサをグループ化することができ、例えば、カテーテルチューブ152の最初の3分の1でセンサは温度センサであり得、次の3分の1でセンサはpHセンサであり得、最後の3分の1でセンサは圧力センサであり得る。単一のカテーテルチューブ内のすべてのセンサの出力は、A/Dコンバータバス又はプロセッサバスなどの共通バスにつながることが好ましく、プロセッサがトランシーバを介して転送するためにデータをキューに編成できるようにする。
【0171】
図15Bは、
図6Aのカテーテルチューブ152の断面端面図である。示されるように、カテーテルチューブ152の本体は、その壁層に含浸又は埋め込まれた1つ以上の個別のセンサ106aを有することができる。カテーテルチューブの近位部分196は、個別のセンサ106aから信号を取得し、熱を利用して電力に変換する電源及び無線信号送信機などの他の電子モジュールに接続するための導電性金属材料から作ることができる。一部の例では、近位部分196は、本質的に導電性のポリマー(ICP)としても知られている導電性ポリマー材料から作ることができる。ICPは、電気を通すことが知られている有機ポリマーである。さらに他の例では、本明細書の他の場所で説明するように、光ファイバセンサを使用して、個別のセンサから電気コネクタアセンブリ280に情報を送信することができる。
【0172】
図15C~
図15Dは、それぞれ、
図15Aのカテーテルチューブの側面図及び上面図である。個別のセンサ106aは、カテーテルチューブ152の長さに沿って配置されて示されている。一部の例では、個別のセンサは、カテーテルチューブの長さの10%から100%の間で延在することができ、20%から90%がより好ましい。個別のセンサは、カテーテルチューブの長さに沿って等間隔に配置することも、カテーテルチューブの長さに沿ってランダムに間隔を空けることもできる。ここで、各センサには2つの個別のセンサ入力があり、1つはカテーテルチューブ152の上面に、もう1つはカテーテルチューブ152の下面にあり、どちらも出力バスにつながっている。ワイヤ106bは、好ましくは、各センサ出力を個別に送信するバスである。一部の実施形態では、上/下センサ106aの各セットを共通のバス端子に結合することができ、他の実施形態では、上/下センサ106aの各セットを別々のバス端子に結合して、データプロセッサがカテーテルチューブ152の上面とカテーテルチューブ152の下面のセンサ間でセンサデータを比較できるようにする。データセンサをバスに結合することにより、データプロセッサは、カテーテルチューブのあるポイントの温度と、カテーテルチューブの別のポイントの温度と等、センサデータを相互に比較することができる。これは、1フィートのカテーテルチューブ又は2フィートのカテーテルチューブなど、数インチより長いカテーテルチューブを有する実施形態において特に有用である。センサデータを受信するデータ処理モジュールは、受信したセンサデータ間の比較分析を介して、カテーテルチューブの長さに沿った異なるポイント間のpH又は温度差などの、追加のデータメトリックを収集できる。
【0173】
ここで
図16を参照すると、
図10のカテーテルアセンブリと同様であり、ニードル及びニードルハブなしで示されている別の代替のカテーテルアセンブリ104が示されている。本実施形態では、導体300は、カテーテルチューブ152内で、直接又は間接的にセンサ106に接触する。導体300は、カテーテルチューブ内のセンサ106を、
図10の電気コネクタアセンブリ280と同様に、コネクタ282、電気モジュール284、及びカバー296を含む電気コネクタアセンブリ280に結合するための延長部又は結合部として使用することができる。本実施形態では、導体300は、レセプタクル306又はプラグ308のうちの一方であり得、かつカテーテルチューブ152内に延びてカテーテルチューブ内のある場所でセンサ106に結合する遠位端388であり得る受容端304を備えている。コネクタ282の先端292には、レセプタクル306又はプラグ308のうちの他方を取り付けることができる。レセプタクル306は、プラグ308に接続して、導体300と電気モジュール284との間に電気経路を提供する。一例では、導体300は、代わりに、センサ106から電気コネクタアセンブリ280に信号を送信するための光ファイバセンサであり得る。
【0174】
ここで
図17を参照すると、いくつかの例外を除いて本明細書の他の場所で説明され、ニードル及びニードルハブなしで示される他のカテーテルアセンブリと同様に、センサを備えたカテーテルアセンブリ104の斜視図が示されている。本実施形態では、カテーテルハブ110は、一対の翼150a、150bを有するハブ本体156と、ハブ本体156の遠位端に取り付けられ、遠位方向に延び、先細の遠位開口部104で終端するカテーテルチューブ152とを含む。ハブ本体156は、第1のハブ部分166a及び第2のハブ部分166bを有し、これらは、それぞれ、遠位ハブ部分及び近位ハブ部分と呼ばれ得る。
【0175】
電気コネクタアセンブリ280は、カテーテルハブ110の近位ハブ部分つまり第2のハブ部分166bにねじで接続されている。電気コネクタアセンブリ280は、遠位端350及び近位端352を有するコネクタハウジング282を備える。一例では、遠位端350は、センサモジュール390を受け入れるためのカラー358を含み、これは、近位ハブ部分166bの雄ねじにねじ込むためのカラー398を有する。コネクタハウジング282は、IVコネクタ又は注射器先端などのオス型ルアー先端を受け入れるための細長い開放端360を近位端352に備える。一例では、細長い開放端360は、ねじ付きのメス型ルアーであり得る。電気コネクタアセンブリ280は、カテーテルハブ110の第2のハブ部分166bからカラー398のねじ込みを外すことにより、カテーテルハブ110から分離することができる。
【0176】
図18は、
図17のカテーテルアセンブリ104の部分的な断面図を示し、
図19は、
図17の電気コネクタアセンブリ280の分解された部品の図を示している。ここで
図18及び
図19を参照し、さらに
図17を参照すると、電気コネクタアセンブリ280のコネクタハウジング282がより明確に示されており、該コネクタハウジングは、入口364、入口でのねじ付きメス型ルアー360、及び、反対側にカラー358を有する。一例では、カラー358は、ねじ込みなしでセンサモジュール390を受け入れるためのスリップオンカラーである。コネクタハウジング282は、熱可塑性材料で作製された本体370で、弾性のピストン374を受け入れるようなサイズ及び形状である内部ボアを形成する壁構造を有する本体370、及び入口364と本体370との間に配置される肩部366を有する。
【0177】
ハウジング282のボア内に嵌合可能なピストン374は、シリコーン材料で作られており、ヘッド部分376、ネック部分378、肩部380、本体部分382、及びフランジ386に似ている可能性がある拡大ベース384を備えていてもよい。本体部分382及び任意選択で肩部380は、中空にすることができるため、ピストンがハウジングの内側に配置され、ハウジングの開いた近位端360に挿入されたオス型の先端によって押されると、ピストン374は、センサモジュール390の拘束に逆らってつぶれる。オス型の先端が、開いた近位端360から取り外されると、ピストン374は、拡張するか、押し込まれていない状況に戻るため、ピストン374のヘッド376が入口部分364の内側ボアに拡張し、入口開口部360は、流体の流れからブロックされる。
【0178】
一例では、センサモジュール390のハウジング282、ピストン374、及びエンドフィッティングの組み合わせは、メス型の無針コネクタに似ている。特定の例では、センサモジュール390のハウジング282、ピストン374、及びエンドフィッティングの組み合わせは、ハウジング内に配置され、かつ他の実施形態の中でも、Yスリットを含むピストンを開示する米国特許第7,591,449号明細書に開示されているメス型の無針コネクタに類似している。センサモジュール390のハウジング282、ピストン374、及びエンドフィッティングの組み合わせは、ハウジング内に配置され、かつ他の実施形態の中でもスパイラルカットを含むピストンを開示する米国特許第9,695,953号明細書に開示されているメス型の無針コネクタに類似している。米国特許第7,591,449号明細書及び第9,695,953号明細書は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0179】
示されるセンサモジュール390は、流体の流れのためのボア(穴)を有する中央導管394と、本明細書の他の場所で説明されている他のセンサと同じであり得る複数のセンサ106とを含む。中央導管394は、オス型のルアー396から延びることができ、カテーテルハブ110の近位ハブ部分166bの入口とのルアーフィットを形成することができる。ねじ付きカラー398は、オス型のルアー396を囲み、カテーテルハブ110の近位ハブ部分166bの雄ねじにねじ込み式に係合するサイズ及び形状になっている。
【0180】
ベースドラム404は、カラー398に接続され、ハウジング282のカラー358に挿入するために、カラー398の外径よりも小さい外径を有している。ベースドラム404とセンサモジュール390のカラー398との間の肩部408は、ハウジング282のカラー358の終端408を押す、あるいは当接するように構成されている。複数の電気リード線412は、共成形又はインサート成形などによって複数のセンサ106に電気的に結合され、それぞれが径方向部分及び軸方向部分を備えている。各リード線412の径方向部分により、以下でさらに議論されるように、リード線は、ハウジング282(
図18)の長さ方向に沿って径方向に、次に軸方向に延びて、計算コア420における対応するリード線418に接触することができる。
【0181】
ヘッドドラム414は、ランディング416及び突起417を有し、ベースドラム404から延びている。突起417は、ベース384で、ピストン374の開放端へ突出するサイズ及び形状であり、ベース384のフランジ422は、ランディング416を押すように構成されている。複数の流路426がヘッドドラム414を通って提供され、中央導管394のボア(穴)428及びオス型ルアー396と流体連通している。したがって、ピストン374が作動すると、ヘッド376での入口と、ピストン374の外面とハウジング282の内面との間の環状空間と、の間に流路が設けられる。この流路は、ヘッドドラム414での複数の流路426、並びに中央導管394のボア(穴)428及びオス型のルアー396と流体連通している。ハウジング282及びセンサモジュール390は、接着、溶着、又はその両方によって、互いにより恒久的に固定することができる。
【0182】
計算コア420は、本体部分370で、ハウジング282の外側の周りに取り付けることができる。一例では、計算コア420は、ハウジング282の上方又は周囲への配置のため中空の中心を有する本体430を備える。計算コア420の本体430は、誘電体材料から作ることができ、センサモジュール390におけるリード線412と、本体430に装着された回路438及び電源440とに接続するためのトレース又はリード線を設けている。電源440は、充電式電池を含むことができる。一例では、回路438は、センサモジュール390に配置されたセンサ106からリモートサーバ又はプロセッサに、感知されたデータを中継又は処理するために使用する、
図13のブロック326など、本明細書の他の場所で説明される部品を含むことができる。一例では、計算コアは、センサモジュール390のリード線412及びハウジング282から分離可能である。例えば、計算コア420は、カテーテルハブ110の廃棄後に再利用するために分離することができる。
【0183】
計算コア420、さまざまなリード線、及びさまざまな回路を潜在的な損傷及び/又は短絡からカバーするために、保護カバー444を設けることができる。保護カバー444は、非導電性又は誘電性の材料で作ることができ、計算コア444及びハウジング282の両方に配置することができる。一例では、保護カバー444は、シリコーン材料又はシリコーンゴムから作ることができ、計算コア444及びハウジング282の上方に配置するために拡大されたポケット446及び起伏のある表面448を設けることができ、電気的な信号及び接続を妨害しない。そのような拡大されたポケット446及び起伏のある表面448は、本体420が自己配向する方法で保護カバー444内に配置されることを可能にし得る。保護カバー444は、計算コア444及びハウジング282をスライドするための開放端を備えており、取り付けを容易にするために十分に柔軟に作製することができる。
【0184】
使用中、米国特許第7,591,449号明細書及び第9,695,953号明細書に開示されている無針コネクタと同様に、シリンジ先端又はIVコネクタなどのオス型医療器具がハウジング282の入口364に接続されると、ピストン374が押し込まれ、ピストン374の外面とハウジング282の内面との間に流路が開かれる。流体経路はまた、ヘッドドラム414の流路426及びセンサモジュール390の中央導管394のボア(穴)428と流体連通している。説明されているようにピストン374が押し込まれると、流体は、静脈内輸液投与中など、ハウジング282の近位端352からカテーテルハブ110及びカテーテルチューブ152に流れ込むことができ、又は流体は、例えば注射器のバレルへ、近位端352から吸引され得る。
【0185】
オス型医療器具がハウジングの入口364から取り外されると、ピストンが拡張され、ヘッド376がハウジングの入口364の内側領域に戻されて、それ以上流体が流れ込まないように入口が閉じられる。治療後、又はカテーテルハブを新しいカテーテルに交換するときはいつでも、電気コネクタアセンブリ280を取り外して再利用することができる。
【0186】
計算コア444がねじ込み接続を介して中央導管394内のセンサ106からの1つ以上の導電性出力と電子的に係合することを可能にするような計算アセンブリは、複数のセンサを有するカテーテルに計算装置を効率的に接続するように使用できるだろう。一部の実施形態では、計算コアは、単一のカテーテルハブ、例えば、静脈内カテーテルハブ、正中カテーテルハブ、又は米国特許第6,544,251号明細書に開示されているものなどの一部の末梢挿入中心カテーテルに結合することができる。複数のハブを有するカテーテル、例えば、米国特許第9,504,806号明細書又は米国特許第6,723,084号明細書に開示されているような中心静脈カテーテルでは、各カテーテルハブは、センサデータを共通のコンピュータシステムに無線で送信するように構成された個別の計算コアを含むことができる。共通の主カテーテル枝につながる副枝を有する複数のハブを有するカテーテルは、好ましくは、カテーテルの主枝及び副枝の両方に埋め込まれたセンサに結合する導電性バスを有する1つのカテーテルハブを有するが、一方、他のすべてのカテーテルハブは、カテーテルハブの関連する副枝のセンサにのみ結合された導電性バスを有する。
【0187】
本明細書に記載のセンサを備えたカテーテルアセンブリ及びそれらの部品を作製及び使用する方法は、本発明の範囲内である。
【0188】
監視機能及びそれらの部品を備えたカテーテルの限定された実施形態が本明細書で具体的に説明及び図示されているが、多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。さらに、機能又は構造が矛盾しない限り、ある実施形態について明示的に論じられているが別の実施形態については論じられていない要素及び特徴は、等しく適用され得る。したがって、文脈が別段の指示をしない限り、ある実施形態における同様の特徴は、別の実施形態に適用可能である。したがって、開示されたデバイス、システム、及び方法の原理に従って構築された安全ニードルアセンブリ及びそれらの部品は、本明細書に具体的に記載されたもの以外でも具体化され得ることが理解されるべきである。開示は、以下の特許請求の範囲でも定義されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステム(100)であって、
外部及び内部を有するハブ本体(156)を含むカテーテルハブ(110)と、
カテーテルハブ(110)に取り付けられた管腔を有するカテーテルチューブ(152)と、
カテーテルハブ(110)の状況を感知するためにハブ本体(156)及びカテーテルチューブ(152)の少なくとも1つに装着されたセンサ(106)と、
センサ(106)を、カテーテルハブ(110)に取り外し可能に接続された電子コネクタアセンブリ(280)に接続し、信号を中継するための手段である、光ファイバと、
を備えており、
周囲熱を使用して1つ以上のセンサ(106)に電力を供給するための熱から電気へのコンバータをさらに含む、
カテーテルシステム。
【請求項2】
センサは、第1のセンサであり、ハブ本体の内部に取り付けられている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
第2のセンサ(106)をさらに備え、第2のセンサ(106)は、ハブ本体(156)の外部に取り付けられている、請求項1又は2に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
第2のセンサ(106)は、ハブ本体(156)から延びる翼(150a、150b)に取り付けられている、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
第2のセンサ(106)をさらに備え、第2のセンサ(106)は、カテーテルチューブ(152)に取り付けられている、請求項2に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
センサ(106)に電気的に結合され、感知したデータを、BLE接続を使用してスマートデバイス(120)に中継するBLEモジュール(114)をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
センサ(106)に電気的に結合されたBLEモジュール(114)と、BLEモジュール(142)及びWi-Fiモジュール(144)を含むゲートウェイ(140)とをさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
感知されたデータは、ゲートウェイ(140)のWi-Fiモジュール(144)を介してクラウドサーバ(130)によって収集される、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
ハブ本体(156)は、第2のハブ本体部分(166b)に取り付けられた第1のハブ本体部分(166a)を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の静脈内カテーテルシステム。
【請求項10】
ひずみ、温度、又は圧力を測定するための感知要素として使用される光ファイバセンサをさらに備えた、請求項1から9のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
センサは、動きを検出するための加速度計、圧力センサ、温度センサ、位置センサ、及び湿度センサの1つである、請求項1から10のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
センサは、カテーテルの閉塞を測定及び監視するように配置されている、請求項1から11のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項13】
カテーテルの状況は、ハブ本体が動いたかどうか、又はカテーテルハブを介する流量が検出されたかどうか、を示すことができる、請求項1から12のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
カテーテルの状況は、加速度計がある方向の動きを検出したときにアラートをトリガすることによってハブ本体が動いたかどうか、を示すことができる、請求項13に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
カテーテルの状況は、流量又は圧力を測定することによってカテーテルハブを介する流量が検出されたかどうか、を示すことができる、請求項13に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
熱から電気へのコンバータは、患者からの熱を使用する、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
熱を電気に変換して1つ以上のセンサに電力を供給するための可撓性スーパーキャパシタをさらに含む、請求項1から16のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
感知モジュール、データ処理モジュール、及び通信モジュールをさらに備える、請求項1から17のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
センサによって感知されたデータを収集するためのスマートデバイス及びクラウドサーバの少なくとも1つをさらに備える、請求項1から18のいずれか一項に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
カテーテルアセンブリ(104)に収集された信号を監視する方法であって、
外部及び内部を有するハブ本体(156)を有するカテーテルハブ(110)にセンサ(106)を設けること、
センサ(106)を、カテーテルハブ(110)に取り外し可能に接続された電子コネクタアセンブリ(280)に接続し、信号を中継するための手段である、光ファイバを設けること、
センサでカテーテルハブの状況を感知すること、
周囲熱を使用して1つ以上のセンサ(106)に電力を供給するための熱から電気へのコンバータを設けること、
センサ(106)によって収集されたデータを、スマートデバイス(120)及びクラウドサーバ(130)の少なくとも1つに無線で中継すること、
レポートに収集されたデータに関連する情報を表示すること、
を備えた方法。
【請求項21】
センサ(106)は、ハウジングの外部に配置された計算コア(420)におけるリード線(412)と電気的に通信する、請求項20に記載の方法。