IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 共和機械株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社ティー・エム・ピーの特許一覧

特開2024-102265卵容器移送装置及び卵容器移送システム
<>
  • 特開-卵容器移送装置及び卵容器移送システム 図1
  • 特開-卵容器移送装置及び卵容器移送システム 図2
  • 特開-卵容器移送装置及び卵容器移送システム 図3
  • 特開-卵容器移送装置及び卵容器移送システム 図4
  • 特開-卵容器移送装置及び卵容器移送システム 図5
  • 特開-卵容器移送装置及び卵容器移送システム 図6
  • 特開-卵容器移送装置及び卵容器移送システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102265
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】卵容器移送装置及び卵容器移送システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/08 20060101AFI20240723BHJP
   B65G 47/30 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B65B5/08
B65G47/30 L
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024076218
(22)【出願日】2024-05-09
(62)【分割の表示】P 2019210262の分割
【原出願日】2019-11-21
(71)【出願人】
【識別番号】000162238
【氏名又は名称】共和機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】392017048
【氏名又は名称】株式会社ティー・エム・ピー
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立原 明文
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高さ方向に制約がある収容体にも卵容器を運ぶことができる卵容器移送装置及び卵容器移送システムを提供する
【解決手段】卵容器移送装置4は、卵容器2を整列する整列コンベヤ9と、卵容器2を載せる下板部を有するハンド部10と、整列コンベヤ9上の卵容器2を押してハンド部10に載せる整列プッシュ部11と、ハンド部10が取り付けられ、ハンド部10を所定の位置(卵容器積載位置X11及び補充位置X2)に移送するハンド移送部12と、を備え、ハンド部10は、下板部の上側に卵容器2を載せるスペースを設けて配置された上板部と、下板部と上板部とが平行にかつ相対的に卵容器2の一方方向に離れるように移動させる板駆動部と、板駆動部による下板部と上板部との相対移動の際に、下板部に載置されている卵容器2が下板部から離れるように卵容器2の少なくとも側方と接触する押出部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に制約がある多段の収容体に、卵容器を運ぶ卵容器移送装置であって、
1つまたは1段で1列に整列した複数の卵容器を前記収容体の各段へ移送するための移送手段を有し、
前記移送手段は、
卵容器の長手方向、短手方向、ヒンジ蓋を開ける方向と平行又は直交する方向のいずれかの方向に沿って卵容器を保持するハンド部と、前記ハンド部を先端に取り付けたハンド移送部とを有して構成される、
卵容器移送装置。
【請求項2】
前記収容体に卵容器を移送する際に、前記ハンド部よりも前記ハンド移送部が前記収容体から遠い位置にあることを特徴とする、
請求項1に記載の卵容器移送装置。
【請求項3】
前記ハンド部の一方部分と前記ハンド移送部の一方部分とが連結されており、
前記ハンド部に保持された前記卵容器を前記収容体の高さ方向に制約がある段へ移送する際に、前記ハンド移送部よりも先に前記ハンド部が送られ、前記ハンド部から前記卵容器の保持を解除し載置するように構成される、
請求項1または2に記載の卵容器移送装置。
【請求項4】
前記卵容器の長手方向に平行の方向に沿って、前記収容体へ前記ハンド部を前記ハンド移送部によって移送する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の卵容器移送装置。
【請求項5】
前記移送手段が、前記高さ方向に制約がある収容体の各段に対し、前後方向と上下方向で位置を変えながら前記卵容器を前記収容体に移送する構成であって、上部分が凹凸形状の前記卵容器の場合に、前記収容体に先に移送されている卵容器の上部分の凹凸形状の凹部に、次の卵容器の下部分の凹凸形状の凸部を嵌めて積載し、上部分が平らな前記卵容器の場合に、先に積載した前記卵容器の真上に後の前記卵容器を積載する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の卵容器移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、卵容器移送装置及び卵容器移送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、卵容器移送装置として、卵容器を吸着する吸着パッドを有する吸着部と、吸着部
に接続される吸引手段と、吸着部が取り付けられる移送機構と、を備える卵容器移送装置
が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、斯かる卵容器移送装置は、ラックなど
の高さ方向に制約がある収容体には卵容器を運ぶことができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-177325公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、高さ方向に制約がある収容体にも卵容器を運ぶことができる卵容器移
送装置及び卵容器移送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
卵容器移送装置は、卵容器を整列する整列コンベヤと、前記卵容器を載せる下板部を有
するハンド部と、前記整列コンベヤ上の前記卵容器を押して前記ハンド部に載せる整列プ
ッシュ部と、前記ハンド部が取り付けられ、前記ハンド部を所定の位置に移送するハンド
移送部と、を備え、前記ハンド部は、前記下板部の上側に前記卵容器を載せるスペースを
設けて配置された上板部と、前記下板部と前記上板部とが平行にかつ相対的に前記卵容器
の一方方向に離れるように移動させる板駆動部と、前記板駆動部による前記下板部と前記
上板部との相対移動の際に、前記下板部に載置されている前記卵容器が前記下板部から離
れるように前記卵容器の少なくとも側方と接触する押出部と、を備える。
【0006】
また、卵容器移送装置においては、前記整列コンベヤは、前記整列コンベヤの搬送方向
に直交する方向に沿って設けられる複数の第1凸部を備え、前記下板部は、隣り合う前記
第1凸部の間隔と同じ間隔で、第1凸部の長手方向に平行に設けられる複数の第2凸部を
備える、という構成であってもよい。
【0007】
卵容器移送システムは、前記卵容器を供給搬送する卵容器搬送コンベヤと、前記卵容器
移送装置と、前記卵容器搬送コンベヤ上の前記卵容器を前記整列コンベヤに押して載せる
搬送プッシュ部と、を備える。
【0008】
また、卵容器移送システムにおいては、前記卵容器を積載する積載位置まで前記卵容器
を収容する収容体を搬送する収容体搬送部と、前記卵容器が積載された前記収容体を前記
積載位置から移動する収容体排出部と、を備える、という構成であってもよい。
【0009】
また、卵容器移送システムにおいては、前記整列コンベヤは、前記卵容器搬送コンベヤ
よりも低い位置に配置されている、という構成であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態に係る卵容器移送システムの概要図である。
図2図2は、同実施形態に係る卵容器搬送コンベヤ及び整列コンベヤを説明する正面図である。
図3図3は、同実施形態に係るハンド部を説明する左側面図である。
図4図4は、同実施形態に係るハンド部を説明する背面図である。
図5図5は、同実施形態に係る収容体への卵容器の積載例を説明する収容体の右側面図である。
図6図6は、同実施形態に係る収容体への卵容器の積載例を説明する収容体の正面図である。
図7図7は、他の実施形態に係る整列コンベヤを説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、卵容器移送システムにおける一実施形態について、図1図6を参照しながら説
明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておら
ず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る卵容器移送システム1は、卵容器2を供給搬送す
る卵容器搬送コンベヤ3、と卵容器2を所定の位置に移動する卵容器移送装置4と、卵容
器搬送コンベヤ3上の卵容器2を卵容器移送装置4に押して載せる搬送プッシュ部5と、
卵容器2を収容する収容体6に卵容器2を積載する積載位置X1まで搬送する収容体搬送
部7と、卵容器2が積載された収容体6を積載位置X1から移動する収容体排出部8と、
卵容器2を退避させる退避部13と、卵容器2の積載パターンを入力する入力部(図示し
ない)と、を備える。
【0013】
卵容器2は、卵容器2を開かないようにヒンジ蓋を閉じる耳部2a(図2参照)を備え
る。本出願における卵容器2とは、卵(図示しない)が詰まった一般的な容器のことをい
う。卵容器2は、下部分が卵の形に合わせた凹凸形状であり、上部分が平らな形状と卵の
形に合わせた凹凸形状とがある。また、卵容器2に詰められる卵の個数(4、6、10、
12個)によって、卵容器2のサイズは異なる。さらに、卵のサイズ(SSサイズ~LL
サイズ)によって、卵容器2のサイズは異なる。本実施形態に係る卵容器移送システム1
は、卵(SSサイズ~LLサイズ)が10個入りの卵容器2で使用可能である。しかし、
これに限定されず、卵容器2は、卵が4、6、12個入りであってもよい。
【0014】
本実施形態において、収容体6は、四段の一般的なラック(図5、6参照)であり、積
載幅が580mmで、一段の高さが270mmであるが、これに限定するものではない。
収容体6であるラックに卵容器2を積載し、各納入店舗に輸送することにより、卵容器2
の商品棚への陳列が不要(ラックに積載した状態で販売可能)となる。これにより、例え
ば、卵容器2の陳列が不要となるので、労働コストを下げることができる。
【0015】
卵容器搬送コンベヤ3は、ベルトコンベヤであり、上流で卵サイズが分別された卵容器
2(例えばLサイズ)を下流に卵容器2の短手側を先頭とし前後方向D2に搬送するが、
これに限定するものではない。例えば、卵容器搬送コンベヤ3に異なる卵サイズ(例えば
、LサイズとMサイズ)の卵容器2が搬送されていてもよい。
【0016】
卵容器移送装置4は、卵容器2を整列する整列コンベヤ9と、卵容器2を載せるハンド
部10と、整列コンベヤ9上の卵容器2をハンド部10に押して載せる整列プッシュ部1
1と、先端にハンド部10が取り付けられ、ハンド部10を所定の位置に移送するハンド
移送部12と、を備える。
【0017】
図2に示すように、整列コンベヤ9は、卵容器2を整列させて載せるコンベヤベルト9
aと、コンベアベルトを駆動するベルト駆動部9bと、ベルト駆動部9bを制御するベル
ト制御部(図示しない)と、を備える。本実施形態において、整列コンベヤ9は、6個の
卵容器2を短手方向に並べることができるベルトコンベヤであるが、これに限定するもの
ではない。
【0018】
整列コンベヤ9は、卵容器搬送コンベヤ3よりも低い位置に配置されている。本実施形
態において、整列コンベヤ9と卵容器搬送コンベヤ3との段差であるコンベヤ段差H1は
、5mmであるが、これに限定するものではない。斯かる構成により、卵サイズがLサイ
ズ以上の場合、先に整列コンベヤ9に載せた卵容器2の耳部2aに、後で整列コンベヤ9
に載せた卵容器2の耳部2aを重ならすことができる。これにより、例えば、卵容器2を
コンパクトに収容体6に積載することができ、より多くの卵容器2を収容体6に積載する
ことができる。
【0019】
コンベヤベルト9aは、コンベヤベルト9aの搬送方向(左右方向D1)に直交する方
向(前後方向D2)に沿って設けられる複数の第1凸部90aを備える。本実施形態にお
いて、第1凸部90aは、上記の直交する方向に沿って一直線で、且つ、コンベヤベルト
9aの外周の全周に設けられるが、これに限定するものではない。例えば、第1凸部90
aは、上記の直交する方向に沿って複数の凸部で形成され、且つ、コンベヤベルト9aの
外周の全周に設けられていてもよい。
【0020】
また、隣り合う第1凸部90aの間隔は、一定の間隔である第1凸部ピッチP1である
。本実施形態において、第1凸部ピッチP1は、48mmであるが、これに限定するもの
ではない。これにより、卵容器2の下部分の凹凸形状の凹部が第1凸部90aに嵌り、コ
ンベヤベルト9a上での卵容器2のずれ防止ができる。
【0021】
コンベヤベルト9aの搬送方向(左右方向D1)への回転は、1ピッチ(第1凸部ピッ
チP1)単位でベルト制御部によって制御される。卵容器2同士を詰めて整列する場合は
、例えば、コンベヤベルト9aに卵容器2を載せた後、次の卵容器2が載せられる前に、
コンベヤベルト9aは、2ピッチ分回転される。そして、卵容器2同士に間隔を空けて整
列する場合は、例えば、コンベヤベルト9aに卵容器2を載せた後、次の卵容器2が載せ
られる前に、コンベヤベルト9aは、3ピッチ分回転される。
【0022】
図3に示すように、ハンド部10は、卵容器2を載せる下板部10aと、下板部10a
の上側に卵容器2を載せるスペースを設けて配置された上板部10bと、下板部10aと
上板部10bとが平行にかつ相対的に卵容器2の一方方向に離れるように移動させる板駆
動部10cと、を備える。本実施形態では、上板部10bと板駆動部10cとは、ハンド
移送部12に取り付けられ、下板部10aは、板駆動部10cに取り付けられるが、これ
に限定するものではない。ここで、卵容器2の一方方向は、卵容器2の長手方向又は短手
方向、ヒンジ蓋を開ける方向と平行又は直交する方向のことをいう。
【0023】
図4に示すように、下板部10aは、隣り合う第1凸部90aの間隔と同じ間隔で、第
1凸部90aの長手方向に平行に設けられる複数の第2凸部100aと、板駆動部10c
に取り付けられる下板取付部101a(図3参照)と、を備える。
【0024】
隣り合う第2凸部100aの間隔は、一定の間隔である第2凸部ピッチP2である。本
実施形態において、第1凸部ピッチP1と第2凸部ピッチP2は、同じ間隔であるが、こ
れに限定するものではない。同じ間隔とは、実質的に同じ間隔であり最大5mmずれてい
るものも含む。斯かる構成により、卵容器2の下部分の凹凸形状の凹部が第2凸部100
aに嵌り、下板部10a上の卵容器2のずれ防止ができる。これにより、例えば、卵容器
移送装置4は、卵容器2を収容体6に整列した状態を維持して積載することができる。な
お、図4の(a)は、卵容器2を6つ積んだ状態であり、図4の(b)は、卵容器2を5
つ積んだ状態の例示である。
【0025】
図3に示すように、上板部10bは、下板部10aに載せた卵容器2の上側に位置する
上板本体部100bと、板駆動部10cによる下板部10aと上板部10bとの相対移動
の際に、下板部10aに載置されている卵容器2が下板部10aから離れるように卵容器
2の少なくとも側方(前後方向D2反対側)と接触する押出部101bと、ハンド移送部
12に取り付けるための上板取付部102bと、を備える。
【0026】
本実施形態において、板駆動部10cが駆動して、下板部10aを前後方向D2反対側
へ移動させる。この際に、押出部101bと上板本体部100bは、下板部10aの動作
に連動せず、卵容器2の側方(前後方向D2反対側)と上方(上下方向D3)の動きを制
限する。
【0027】
本実施形態において、押出部101bと上板本体部100bは、平板であるが、これに
限定するものではない。例えば、上板本体部100bは、長手方向を左右方向D1として
配置された複数の棒状の部材から成っていてもよい。
【0028】
本実施形態において、押出部101bは、上板本体部100bに連接されているが、こ
れに限定するものではない。例えば、上板取付部102bに連接されていてもよく、ハン
ド移送部12に設けられていてもよい。また、押出部101bの前後方向D2の位置を調
整することにより、卵が4、6、12個入りの卵容器2も卵容器移送装置4で移動するこ
とができる。
【0029】
板駆動部10cは、ハンド移送部12に取り付ける板駆動本体部100cと、下板取付
部101aを取り付け、板駆動本体部100cにより移動される板移動部101cと、を
備える。本実施形態において、板駆動部10cは、エアシリンダであるが、これに限定す
るものではない。
【0030】
図3(a)に示すように、板駆動部10cの駆動により、下板部10aをハンド移送部
12側に移動すると、下板部10aに載せた卵容器2も下板部10aと共に移動する。そ
して、図3(b)に示すように、卵容器2が押出部101bに当たると、卵容器2は、下
板部10aと共にそれ以上移動できず、下板部10aの上を滑る。これにより、卵容器2
が下板部10aに載る部分が減少していき、卵容器角度αで収容体6に卵容器2を降ろす
ことができる。これにより、例えば、高さ方向に制約がある収容体6でも卵容器2を下板
部10aから降ろすことができる。
【0031】
ここで、卵容器2を降ろす際、上板本体部100bが卵容器2の上側端部と接触するこ
とにより、卵容器角度αを小さくすることができる。これにより、例えば、卵容器2を目
標位置で降ろす精度を上げることができる。
【0032】
上部分が凹凸形状の卵容器2の場合、卵容器2は、収容体6に先に積載した卵容器2上
部分の凹凸形状の凹部に、次の卵容器2下部分の凹凸形状の凸部を嵌めて積載する。卵容
器角度αを設定することにより、卵容器2の先端の凸部を凹部に嵌めることが容易となる
。なお、凹部と凸部とは、それぞれ傾斜しているので、それぞれの中心から±15mm以
内のずれであれば、凸部と凹部とは、それぞれの傾斜に沿って嵌めることができる。
【0033】
図1に示すように、ハンド移送部12は、床に取り付けられ左右方向D1で移動可能な
第1スライド部12aと、第1スライド部12aの可動部(図示しない)に取り付けられ
上下方向D3で移動可能な第2スライド部12bと、第2スライド部12bの可動部(図
示しない)に取り付けられ前後方向D2に移動可能な第3スライド部12cと、スライド
部12a~12cの動きを制御するスライド制御部(図示しない)を備える。本実施形態
において、スライド部12a~12cは、アルミ製の電動スライダーであるが、これに限
定するものではない。
【0034】
第3スライド部12cは、上板取付部102bを取り付ける第1取付部(図示しない)
と、板駆動本体部100cを取り付ける第2取付部(図示しない)と、を備える。これに
より、ハンド移送部12は、ハンド部10を3次元で所定の位置に移動することができる
。所定の位置とは、整列コンベヤ9上の卵容器2をハンド部10に載せる補充位置X2と
、積載位置X1の収容体6上に卵容器2を積載する複数の卵容器積載位置X11と、であ
る。
【0035】
補充位置X2は、整列コンベヤ9と下板部10a(図3参照)との卵容器2を載せる高
さ(上下方向D3)が一致し、且つ、第1凸部90aと第2凸部100aとが上面視(上
下方向D3視)において一致した位置である。しかし、これに限定するものではなく、例
えば、下板部10aの高さは、整列コンベヤ9の高さより10mm程度低くてもよく、下
板部10aの面は、平行ではなく、整列プッシュ部11によって押される方向に向かって
下方に、10度程度傾斜していてもよい。なお、整列コンベヤ9と下板部10aとの隙間
は、最大20mmである。
【0036】
卵容器積載位置X11は、入力部に入力した卵容器2の積載パターンにより、ハンド移
送部12の位置が定まる。例えば、図5に示すように、最初の卵容器積載位置X11は、
収容体6の一段目の奥側(前後方向D2)である。そして、卵容器積載位置X11は、積
載パターンの卵容器2の段数に達するまで、収容体6の一段目の奥側の上側に変化してい
く。積載パターンの卵容器2の段数に達すると、卵容器積載位置X11は、収容体6の一
段目の手前側(前後方向D2の反対側)に変化し、再び上側に変化していく。
【0037】
このように、収容体6の最上段まで積載パターン通りに卵容器2を積載するまで、卵容
器積載位置X11は、前後方向D2と上下方向D3で位置が変化していく。斯かる構成に
より、卵容器移送システム1は、卵容器2を収容体6に自動で積載することができる。こ
れにより、各納入店舗によって異なる収容体6への卵容器2の積載方法で正確に積載する
ことができる。
【0038】
卵容器2の上部が凹凸の場合の積載パターンは、例えば、図6に示すように収容体6の
各段は、卵容器2を下(上下方向D3の反対側)から6つ、5つ、6つ、5つ、6つ、4
つの順に積載していく。卵容器2が5つの段では、卵容器2同士の間に1ピッチ(第1凸
部ピッチP1)分の隙間を空けている。これにより、例えば、卵容器2への積載による圧
力を逃がすことができ、卵容器2の中の卵が割れることを防止できる。また、これにより
、例えば、積載した卵容器2の荷崩れを防止することができる。なお、積載パターンは、
これに限定するものではない。卵容器2の上部が平らな場合の積載は、先に積載した卵容
器2の真上に後の卵容器2を積載する。
【0039】
図1に示すように、補充位置X2において、第1凸部90a(図2参照)の延長上に第
2凸部100a(図4参照)が配置される場合に、整列プッシュ部11が卵容器2をハン
ド部10側へ押すことで、整列コンベヤ9から下板部10aへ移送することができる。
【0040】
搬送プッシュ部5は、卵容器2を整列コンベヤ9に押して載せた後に、卵容器搬送コン
ベヤ3により搬送される次の卵容器2と搬送プッシュ部5の卵容器2を押す部分との搬送
方向(前後方向D2)での接触を避ける退避手段(図示しない)を備える。本実施形態に
おいて、退避手段は、搬送プッシュ部5の卵容器2を押す部分を上下方向D3に逃がして
いるが、これに限定するものではない。
【0041】
収容体搬送部7は、収容体6を爪挿入位置X3まで搬送する複数の収容体搬送コンベヤ
7aと、収容体搬送コンベヤ7aから搬送された収容体6を爪挿入位置X3から積載位置
X1まで移送する第1収容体移送部7bと、を備える。本実施形態において、複数の収容
体搬送コンベヤ7aは、上下方向D3を回転軸とし、左右方向D1で収容体6を挟むよう
に2台配置し、前後方向D2にさらに2台配置しているが、これに限定するものではない
。なお、収容体6のサイズを変更する場合、収容体搬送コンベヤ7aの左右方向D1の設
置位置を変更すれば、対応可能である。
【0042】
第1収容体移送部7bは、収容体6を引っ掛ける爪を有する第1爪部70bと、第1爪
部70bを左右方向D1に移動する第1爪移動部71bと、第1爪部70bと第1爪移動
部71bとを前後方向D2に移動する第1爪スライド部72bと、を備える。
【0043】
爪挿入位置X3で第1爪部70bの爪を収容体6に挿入することにより、第1爪部70
bの爪が収容体6の一部に引っ掛かり、第1爪スライド部72bの移動により、収容体6
を積載位置X1まで移送することができる。収容体6を積載位置X1まで移送した後、第
1爪スライド部72bは、第1爪部70bを収容体6から抜いた状態で、爪挿入位置X3
まで移動する。
【0044】
収容体排出部8は、卵容器2が積載された収容体6を積載位置X1から排出位置X4ま
で移送する第2収容体移送部8aと、排出位置X4で収容体6を押し出す収容体プッシュ
部8bと、収容体プッシュ部8bに押し出された収容体6を前後方向D2に排出する複数
の収容体排出コンベヤ8cと、を備える。本実施形態において、複数の収容体排出コンベ
ヤ8cは、上下方向D3を回転軸とし、左右方向D1に収容体6を挟むように2台配置し
ているが、これに限定するものではない。なお、収容体6のサイズを変更する場合、収容
体排出コンベヤ8cの左右方向D1の設置位置を変更すれば、対応可能である。
【0045】
第2収容体移送部8aは、収容体6を引っ掛ける爪を有する第2爪部80aと、第2爪
部80aを前後方向D2に移動する第2爪移動部81aと、第2爪部80aと第2爪移動
部81aとを左右方向D1に移動する第2爪スライド部82aと、を備える。
【0046】
積載位置X1で第2爪部80aの爪を収容体6に挿入することにより、第2爪部80a
の爪が収容体6の一部に引っ掛かり、第2爪スライド部82aの移動により、収容体6を
排出位置X4まで移送することができる。収容体6を排出位置X4まで移送した後、第2
爪スライド部82aは、第2爪部80aを収容体6から抜いた状態で、積載位置X1まで
移動する。斯かる構成により、卵容器移送システム1は、収容体6の入れ替えを自動で行
うことができる。これにより、例えば、卵容器移送システム1は、卵容器2を複数の収容
体6に自動で積載することができる。
【0047】
本実施形態において、卵容器移送システム1は、1秒に1つの卵容器2を整列コンベヤ
9まで搬送する。そして、積載位置X1の卵容器2を積み終えた収容体6は、5秒で空の
収容体6に交換することができるが、これに限定するものではない。
【0048】
以上より、卵容器移送装置4は、卵容器2を整列する整列コンベヤ9と、卵容器2を載
せる下板部10aを有するハンド部10と、整列コンベヤ9上の卵容器2を押してハンド
部10に載せる整列プッシュ部11と、ハンド部10が取り付けられ、ハンド部10を所
定の位置(卵容器積載位置X11及び補充位置X2)に移送するハンド移送部12と、を
備え、ハンド部10は、下板部10aの上側に卵容器2を載せるスペースを設けて配置さ
れた上板部10bと、下板部10aと上板部10bとが平行にかつ相対的に卵容器2の一
方方向に離れるように移動させる板駆動部10cと、板駆動部10cによる下板部10a
と上板部10bとの相対移動の際に、下板部10aに載置されている卵容器2が下板部1
0aから離れるように卵容器2の少なくとも側方と接触する押出部101bと、を備える
【0049】
斯かる構成によれば、卵容器2を載せた下板部10aを押出部101bで卵容器2の長
手方向に押し出すことができる。これにより、卵容器2を積載するハンド部10の高さを
低くすることができ、高さ方向に制約がある収容体6にも卵容器2を運ぶことができる。
【0050】
また、卵容器移送装置4においては、整列コンベヤ9は、整列コンベヤ9の搬送方向に
直交する方向に沿って設けられる複数の第1凸部90aを備え、下板部10aは、隣り合
う第1凸部90aの間隔と同じ間隔で、第1凸部90aの長手方向に平行に設けられる複
数の第2凸部100aを備える、という構成である。
【0051】
斯かる構成によれば、卵容器2の下側部分の凹部に第1凸部90aと第2凸部100a
とを嵌めることができる。これにより、整列コンベヤ9及びハンド部10での卵容器2の
ずれを防止することができる。
【0052】
卵容器移送システム1は、卵容器2を供給搬送する卵容器搬送コンベヤ3と、卵容器移
送装置4と、卵容器搬送コンベヤ3上の卵容器2を整列コンベヤ9に押して載せる搬送プ
ッシュ部5と、を備える。
【0053】
斯かる構成によれば、上流から卵容器搬送コンベヤ3により搬送される卵容器2を卵容
器移送装置4で所定の位置(卵容器積載位置X11及び補充位置X2)に移動することが
できる。
【0054】
また、卵容器移送システム1においては、卵容器2を積載する積載位置X1まで卵容器
2を収容する収容体6を搬送する収容体搬送部7と、卵容器2が積載された収容体6を積
載位置X1から移動する収容体排出部8と、を備える、という構成である。
【0055】
斯かる構成によれば、収容体搬送部7により、収容体6を積載位置X1まで搬送し、収
容体排出部8により、卵容器2が積載された収容体6を積載位置X1から移動することが
できる。これにより、自動で収容体6の入れ替えを行うことができる。
【0056】
また、卵容器移送システム1においては、整列コンベヤ9は、卵容器搬送コンベヤ3よ
りも低い位置に配置されている、という構成である。
【0057】
斯かる構成によれば、整列コンベヤ9は、卵容器搬送コンベヤ3よりも低い位置にある
ので、先に整列コンベヤ9に載せた卵容器2の耳部2aに、後で整列コンベヤ9に載せた
卵容器2の耳部2aを重ならすことができる。
【0058】
なお、卵容器移送装置4及び卵容器移送システム1は、上記した実施形態の構成に限定
されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、卵容器
移送装置4及び卵容器移送システム1は、本出願の要旨を逸脱しない範囲内において種々
変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を
任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいこ
とは勿論である。
【0059】
本実施形態において、ハンド部10は、板駆動部10cに取り付けられた下板部10a
を移動することにより卵容器2を降ろしていたが、上板部10bを板駆動部10cに取り
付け、上板部10bの移動により卵容器2を降ろしてもよい。また、ハンド部10は、下
板部10a又は上板部10bの移動に合わせて第3スライド部12cを移動させて、卵容
器2を降ろしてもよい。
【0060】
図7に示すように、整列コンベヤ9は、コンベヤベルト9aの上側(上下方向D3)に
配置されたアクリル製板の押え部9cを備え、整列コンベヤ9と卵容器搬送コンベヤ3が
同じ高さ(コンベヤ段差H1が0mm)であってもよい。比較的大きな卵容器2の場合、
第1凸部ピッチP1内に収まらず上側に浮き上がってくるが、これにより、例えば、卵容
器2の整列コンベヤ9での浮き上がりを防止することができる。なお、押え部9cの取り
付けは、ヒンジを介することにより、押え部9cの取り外しが容易となる。また、押え部
9cは、長手方向を左右方向D1として配置された複数の棒状の部材から成っていてもよ
い。
【符号の説明】
【0061】
1…卵容器移送システム、2…卵容器、2a…耳部、3…卵容器搬送コンベヤ、4…卵
容器移送装置、5…搬送プッシュ部、6…収容体、7…収容体搬送部、7a…収容体搬送
コンベヤ、7b…第1収容体移送部、70b…第1爪部、71b…第1爪移動部、72b
…第1爪スライド部、8…収容体排出部、8a…第2収容体移送部、80a…第2爪部、
81a…第2爪移動部、82a…第2爪スライド部、8b…収容体プッシュ部、8c…収
容体排出コンベヤ、9…整列コンベヤ、9a…コンベヤベルト、90a…第1凸部、9b
…ベルト駆動部、9c…押え部、10…ハンド部、10a…下板部、100a…第2凸部
101a…下板取付部、10b…上板部、100b…上板本体部、101b…押出部、1
02b…上板取付部、10c…板駆動部、100c…板駆動本体部、101c…板移動部
、11…整列プッシュ部、12…ハンド移送部、12a…第1スライド部、12b…第2
スライド部、12c…第3スライド部、13…退避部、P1…第1凸部ピッチ、P2…第
2凸部ピッチ、H1…コンベヤ段差、α…卵容器角度、X1…積載位置、X11…卵容器
積載位置、X2…補充位置、X3…爪挿入位置、X4…排出位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7