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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102271
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】尿道カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
A61M25/00 534
A61M25/00 530
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024076428
(22)【出願日】2024-05-09
(62)【分割の表示】P 2021545916の分割
【原出願日】2020-02-07
(31)【優先権主張番号】PA201970088
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201970089
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201970090
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201970091
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(31)【優先権主張番号】PA201970092
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】500085884
【氏名又は名称】コロプラスト アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】キム ベーヤ
(72)【発明者】
【氏名】フレズレク セイアー ベアムト ティンバク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】間欠的親水性尿道カテーテルを提供する。
【解決手段】間欠的親水性尿道カテーテル1であって、管状部分を備え、前記管状部分が、基材材料から作製されるとともに、前記排液導管の方に向いた内面と前記排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを画定する管状壁を有し、前記外面の少なくとも挿入可能部は、膨潤媒体と接触することにより非膨潤状態から膨潤状態に変化するように構成された親水性材料の層によって覆われており、前記親水性材料は、前記外面におけるコーティング厚さで親水性表面を画定し、前記カテーテルが、前記内面における出口開口部と前記外面における入口開口部との間に延在する複数の排液開口部5を備え、前記外面は、前記外面における前記開口部を取り囲むとともに、前記親水性材料が前記非膨潤状態にあるときに前記親水性材料よりも上方に延在する、突起410を形成している、間欠的親水性尿道カテーテル。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿道内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで長手方向に延在する排液導管を画定する、間欠的親水性尿道カテーテルであって、管状部分を備え、前記管状部分が、基材材料から作製されるとともに、前記排液導管の方に向いた内面と前記排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを画定する管状壁を有し、前記外面の少なくとも挿入可能部は、膨潤媒体と接触することにより非膨潤状態から膨潤状態に変化するように構成された親水性材料の層によって覆われており、前記親水性材料は、前記外面におけるコーティング厚さで親水性表面を画定し、前記カテーテルが、前記内面における出口開口部と前記外面における入口開口部との間に延在する複数の排液開口部を備え、前記外面は、前記外面における前記開口部を取り囲むとともに、前記親水性材料が前記非膨潤状態にあるときに前記親水性材料よりも上方に延在する、突起を形成している、間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項2】
前記親水性材料が、前記膨潤状態にあるとき、前記突起よりも上方に延在する、請求項1に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項3】
前記コーティング厚さが、各排液開口部に向かって低減している、請求項1又は2に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項4】
前記排液開口部が0.4mm未満の断面積を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項5】
前記近位挿入端部が閉鎖チップを形成している、請求項1~4のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項6】
前記チップの遠位側の非排液部分と前記非排液部分の遠位側の排液部分とを画定し、前記排液部分に前記複数の排液開口部が設けられている、請求項5に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項7】
前記排液部分が、長手方向におよそ4cmである、請求項6に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項8】
前記排液部分が、長手方向におよそ10cmである、請求項6に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項9】
前記排液部分が、長手方向におよそ15cmである、請求項6に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項10】
前記排液部分が、長手方向におよそ2cmである、請求項6に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項11】
前記排液開口部の断面積の和が、前記排液導管の断面積よりも大きい、請求項1~10のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項12】
排液開口部の数が20よりも多い、請求項1~11のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項13】
前記カテーテルがCH10であり、各排液開口部が、前記管状部分の凸状外面においておよそ0.4mmの最大寸法を有し、排液開口部の数が32よりも多い、請求項1~12のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項14】
前記カテーテルがCH12であり、各排液開口部が、前記管状部分の凸状外面においておよそ0.7mmの最大寸法を有し、排液開口部の数が15よりも多い、請求項1~11のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項15】
前記排液開口部の各々が前記カテーテルの長手方向に対して横切って延在している、請求項1~14のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項16】
各排液開口部が、前記内面における前記出口開口部と前記外面における前記入口開口部との間に延在する排液開口部壁を備え、前記排液開口部壁が前記親水性材料で覆われていない、請求項1~15のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項17】
少なくとも2つの排液開口部が、前記排液導管の外部の交差点において交差する中心線を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項18】
前記排液開口部が、対で形成され、排液開口部の1つの対がともに同じ中心線を有する第1排液開口部と第2排液開口部とを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項19】
前記排液開口部の前記対が、長手方向軸に対して斜角で位置している、請求項18に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項20】
前記排液開口部の前記対が、長手方向軸に対して85~87度の角度等、80~87度の角度で位置している、請求項18又は19に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【請求項21】
各排液開口部が、前記排液導管の方に向いた内面における内部開口部から前記排液導管から離れる方向に面する外面における外部開口部まで延在する壁によって画定され、前記排液開口部が、前記第1排液開口部の壁が、前記外部開口部から前記内部開口部への方向において先細りになり、前記第2排液開口部の壁が、前記外部開口部から前記内部開口部への方向において末広がりになるような形状である、請求項18~20のいずれか一項に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、間欠的親水性尿道カテーテルと、こうしたカテーテルを使用する方法とともにこうしたカテーテルを製造する方法とに関する。
【0002】
添付図面は、実施形態がさらに理解されるために含まれており、本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部である。図面は、実施形態を示し、説明とともに実施形態の原理を説明する役割を果たす。他の実施形態及び実施形態の意図される利点の多くは、以下の詳細な説明を参照することにより、よりよく理解されるに従い容易に認識されるであろう。図面の要素は、必ずしも互いに対して一定の縮尺で描かれているわけではない。同様の参照符号は、対応する同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】従来技術の間欠的尿道カテーテルで発生する可能性がある問題を示す。
図2】従来技術の間欠的尿道カテーテルで発生する可能性がある問題を示す。
図3】従来技術の間欠的尿道カテーテルで発生する可能性がある問題を示す。
図4】従来技術の間欠的尿道カテーテルで発生する可能性がある問題を示す。
図5】複数の小さい排液開口部を有する間欠的尿道カテーテルの1つの実施形態を示し、カテーテルは投影図で示されている。
図6】間欠的尿道カテーテルの実施形態の機能を示す。
図7】間欠的尿道カテーテルの実施形態の機能を示す。
図8】間欠的尿道カテーテルの実施形態の機能を示す。
図9A】間欠的尿道カテーテルの実施形態の機能を示す。
図9B】間欠的尿道カテーテルの実施形態の機能を示す。
図10】中心線CAによって示す長手方向に沿ったカテーテルの一部の断面の拡大図を示す。
図11】排液開口部5におけるさらなる拡大図を示す。
図12】排液開口部5におけるさらなる拡大図を示す。
図13】外面における開口部を取り囲む突起を示す。
図14】外面における開口部を取り囲む突起を示す。
図15】間欠的尿道カテーテルの実施形態を示す。
図16A】間欠的尿道カテーテルの実施形態を示す。
図16B】間欠的尿道カテーテルの実施形態を示す。
図17】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図18】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図19】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図20】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図21】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図22】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図23】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図24】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図25】カテーテルを製造する方法の一実施形態によるレーザ発光体の位置決めを示す。
図26】間欠的尿道カテーテルにおける圧力パルスの大きさを示す。
図27】間欠的尿道カテーテルにおける圧力パルスの大きさを示す。
図28】間欠的尿道カテーテルにおける圧力パルスの大きさを示す。
図29A】排液開口部のサイズの関数としての圧力パルスを示す。
図29B】排液開口部のサイズの関数としての圧力パルスを示す。
図30】排液開口部のサイズの関数としての圧力パルスを示す。
図31】排液開口部のサイズの関数としての圧力パルスを示す。
図32】間欠的尿道カテーテルにおける圧力パルスを求めるために使用される試験構成を示す。
図33】間欠的尿道カテーテルにおける圧力パルスを求めるために使用される試験構成を示す。
図34】間欠的尿道カテーテルにおける圧力パルスを求めるために使用される試験構成を示す。
図35】総流入面積の関数としての流量の曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示の実施形態は、体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から、排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで長手方向に延在する排液導管を画定する間欠的親水性尿道カテーテルを提供し、本カテーテルは管状部分を備え、管状部分は、基材材料から作製されるとともに、排液導管の方に向いた内面と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを画定する、管状壁を有し、外面の少なくとも挿入可能部分は、膨潤媒体と接触することにより膨潤するように構成された親水性材料の層によって覆われており、親水性材料は、外面上にあるコーティング厚さでカテーテルの親水性表面を画定し、カテーテルは、複数の排液開口部を備え、各排液開口部は、内面における内部開口部と外面における外部開口部との間に延在する排液開口部壁によって画定され、排液開口部は、親水性材料及び基材材料のレーザアブレーションにより、排液開口部壁が親水性材料によって覆われないように作製される。
【0005】
実施形態の排液開口部は、親水性材料で覆われている基材材料においてレーザアブレーションによって作製されるため、排液開口部では基材材料は親水性材料とともに除去される。したがって、排液開口部壁に親水性材料の残存物は残らない。言い換えれば、排液開口部壁には親水性材料がない。これには、排液開口部が、非常に小さい寸法を有することができるが、膨潤したときの親水性材料によって閉塞され得ないという効果がある。
【0006】
本開示の実施形態は、体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで中心軸に沿って延在する排液導管を画定する間欠的尿道カテーテルを提供し、本カテーテルは、複数の排液開口部を備え、各排液開口部は、排液導管内への内部開口部から外面における外部開口部まで中心線に沿って延在し、少なくとも2つの排液開口部は、排液導管の外部の交差点において交差する中心線を有する。
【0007】
これらの実施形態には、膀胱内の1つの単一点からの流体流が、2つ以上の排液開口部を通って排液導管内に直線状に流れることができるという効果がある。これにより、改善された流れ特性を提供することができる可能性があり、閉塞のリスクも低減させることができる。
【0008】
本開示の実施形態は、体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで中心軸に沿って延在する排液導管を画定する間欠的尿道カテーテルを提供し、本カテーテルは、複数の排液開口部を備え、各排液開口部は、排液導管の方に向いた内面から排液導管から離れる方向に面する外面まで対応する中心線に沿って延在し、排液開口部は対で形成され、排液開口部の1つの対が、ともに同じ中心線を有する第1排液開口部と第2排液開口部とを含むようになっている。
【0009】
排液開口部は、中心軸の両側に配置される。これには、排液開口部の対の第1排液開口部が尿管の壁に対して付勢された場合に、第2排液開口部が尿管の反対側と接触せず、したがって、排液導管内への尿のより自由な流れを提供する可能性が増大するという効果がある。
【0010】
本開示の実施形態は、体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで長手方向に延在する排液導管を画定する間欠的親水性尿道カテーテルを提供し、本カテーテルは管状部分を備え、管状部分は、基材材料から作製されるとともに、排液導管の方に向いた内面と排液導管から離れる方向に面する外面とを画定する、管状壁を有し、外面の少なくとも挿入可能部は、膨潤媒体と接触することにより膨潤するように構成された親水性材料の層によって覆われており、親水性材料は、外面におけるコーティング厚さでカテーテルの親水性表面を画定し、カテーテルは、内面における内部開口部と外面における外部開口部との間に延在する複数の排液開口部を備え、外面は、外面における外部開口部を取り囲むとともに、親水性材料が非膨潤状態にあるときに親水性材料よりも上方に延在する、突起を形成している。
【0011】
突起は、典型的には、半径方向に延在する。
【0012】
これらの実施形態には、親水性材料が突起を通過しなければならないため、親水性材料が排液開口部を覆う位置まで変位するリスクがさらに制限されるという効果がある。
【0013】
尿道カテーテルの挿入中、尿道の組織は、つぶれて排液開口部内に入り込む可能性がある。排液開口部の周囲に突起を設けることには、尿道内におけるカテーテルの移動中に、組織が持ち上げられて排液開口部を通過するという効果があり得る。したがって、カテーテルが挿入及び除去中に組織に沿って摺動するときにすりむけのリスクを低減させることができる。
【0014】
突起の寸法と親水性材料の層の厚さとは、親水性材料が、膨潤すると突起よりも上方に延在するように、選択することができる。親水性材料が、膨潤すると突起よりも上方に延在するため、組織は、カテーテルの挿入及び除去中に親水性材料によって保護され、突起によるすりむけのリスクは低減する。
【0015】
本開示の実施形態は、間欠的カテーテル導尿中に膀胱壁及び尿道組織に影響を及ぼすリスクを著しく低下させる間欠的尿道カテーテルを提供するという効果を有する。さらに、カテーテルの再配置が不要であって、膀胱を空にするカテーテル導尿処置がより容易になり、したがって、カテーテル導尿ごとに膀胱を十分なレベルまで空にする可能性がより高くなる。
【0016】
間欠的カテーテル導尿及び膀胱の排尿中、膀胱は収縮し、最終的に、膀胱壁がカテーテルに近接する。膀胱と外部環境との圧力差により、膀胱からカテーテルを通る尿の流出がもたらされる。間欠的尿道カテーテルにおけるすべての排液開口部が、膀胱壁組織によって急に閉塞されると、カテーテル内の尿の流動する水柱が急に停止することにより、カテーテル内に負圧パルスが発生する。この負圧パルスにより、排液開口部に向かって組織が急に吸引され、負圧が維持される場合、カテーテルの内側内腔内にさえも吸引される可能性がある。この現象は、本開示の文脈では、詰まり(clogging)と称する。この吸引は膀胱壁組織に影響を及ぼす可能性がある。負圧の大きさは、とりわけ、排液開口部の閉塞の急峻性と流量とによって決まる。カテーテルが、一般に2つの排液開口部が設けられているもの等、従来技術による間欠的カテーテルである場合、排液開口部のうちの一方が膀胱壁組織によって詰まる可能性があり、それにより、限られた負圧パルスのみがもたらされる可能性があるが、第2の且つ最後の排液開口部もまた膀胱壁組織によって詰まる場合/とき、カテーテルを通る尿の流れは急に停止し、カテーテル内に著しい負圧パルスがもたらされる。これにより、排液開口部に近接する組織が、排液開口部を通ってカテーテルの内腔内に吸引される。膀胱組織を排液開口部内に吸引するこの負圧パルスの発生は、カテーテル使用者によっては、膀胱における挟み付けとして検知するものである可能性がある。
【0017】
一般に入手可能なカテーテルのこれらの欠点とは対照的に、本開示は、複数の排液開口部を使用し、それら複数の排液開口部が、すべての排液開口部の急な閉鎖の可能性を略同時に妨げ、それにより、膀胱壁組織を排液開口部に向かって且つ排液開口部内に吸引する負圧パルスの発生をなくす、間欠的尿道カテーテルを提供する。本明細書に記載する複数の排液開口部は、排尿中、膀胱壁とカテーテルとの接触が発生すると、排液開口部のあり得る閉塞が徐々にのみ発生することを確実にする。さらに、本開示は、排液開口部が小さいサイズである場合に、すべての排液開口部のうちの最後の排液開口部が、完全な排液(膀胱内に残尿がない)に達したときに膀胱壁組織によって閉塞される場合、その最後に閉塞される排液開口部を通るぎりぎりの尿の流れが、その最後の開口部の急な閉鎖によりごくわずかな負圧パルスのみが発生するレベルまで低減する、というさらなる利点を有する。
【0018】
従来技術の間欠的カテーテルの使用中、恐らくは、上述したように、流入により膀胱壁組織が排液開口部に向かって吸引されるため、膀胱壁組織による排液開口部の閉塞が発生する可能性がある。従来技術によるカテーテルに関して以下に記載し且つ図に示す試験において実証するように、著しい量の膀胱壁組織が、カテーテルの内側内腔内に入り、膀胱組織の吸引により排液開口部に捕捉される可能性がある。これは、負圧パルスにより、上述したように排液開口部が詰まることになり、排液開口部が詰まると、膀胱壁と内側内腔内の圧力との圧力差により、膀胱壁が徐々に変形して、排液開口部内に入るためであると考えられる。排液開口部の詰まりにより尿の流れが著しく又は完全に低減した場合、使用者は、流れを回復するように排液開口部を再配置するために、カテーテルを上下に移動させるか又はカテーテルを回転させようとする可能性がある。使用者は、尿の流れが停止したために膀胱が空であると信じて、カテーテルを引き抜く可能性もある。カテーテルの移動により膀胱壁組織に影響を及ぼすリスクは、排液開口部における膀胱壁組織の捕捉を防止することによって低下させることができる。
【0019】
上述したように、膀胱壁と従来技術のカテーテルの排液開口部との接触により、膀胱壁組織が排液開口部を閉塞し、それにより、尿の流れが低減するか又は完全に停止する可能性がある。間欠的カテーテルの排液開口部の過度の閉塞により、使用者が、流れが停止したか又は著しく減少したために膀胱が空であると信じて、カテーテルを引き抜くことになる可能性がある。カテーテル使用者が、この理由で、排尿処置を早期に打ち切る場合、膀胱内に残尿が残る可能性がある。本開示による複数の小さい排液開口部を備えた間欠的カテーテルにより、排液開口部の早期の閉塞が防止され、それにより、膀胱が空になるまで尿の流れが確実になる。したがって、複数の排液開口部を備える本明細書に開示する間欠的カテーテルにより、カテーテル使用者が、誤って膀胱が空であると信じ、それにより排尿処置を早期に終了し、その結果、膀胱内に残尿を残すことになることがないことが確実になる。
【0020】
以下、本開示の要素の近位端と言及するときはいつでも、その言及は、挿入するように適合された端部に対する。要素の遠位端と言及するときはいつでも、その言及は挿入端部とは反対側の端部に対する。言い換えれば、近位端は、カテーテルが挿入されるとき、使用者に最も近い端部であり、遠位端は、反対側の端部、すなわち、カテーテルが挿入されるとき、使用者から最も遠い端部である。
【0021】
長手方向は、遠位端から近位端までの方向である。横方向は、カテーテルを横切る方向に対応する、長手方向に対して垂直な方向である。
【0022】
本開示による間欠的尿道カテーテルは、近位挿入端部における先端部分からその近位端に対する遠位出口端部まで延在する主管状部分を備える。管状部分は、円筒状又は円錐形であり得る。実施形態では、管状部分は楕円形断面を有する。管状部分は、排液部分から遠位端まで間欠的カテーテルを通して尿の流れを提供するように構成されている。閉鎖チップを含む閉鎖端部分が、カテーテルの近位端に位置決めされ、カテーテルの主管状部分を構成するチューブの丸い閉鎖端部として設けられている。管状部分の排液部分は、典型的には、管状部分の近位部分にあることになる。実施形態では、排液部分は、カテーテルの外側と管状部分の内側内腔との間の尿の流れを可能にする複数の排液開口部を含む。実施形態では、排液部分は、従来技術によるカテーテルにおける典型的な流れゾーンよりも長く、流れゾーンは、遠位アイレットの遠位縁部から近位アイレットの近位縁部までの長さとして画定される。実施形態では、間欠的カテーテルは、遠位端にコネクタを備える。一実施形態では、コネクタは、コネクタの直径が管状部分に対して増大するように、カテーテルのフレア状端部を構成する。実施形態では、間欠的カテーテルは、遠位端にハンドルを備え、ハンドルは、使用者がカテーテルを操作することができるようにする長さを有する。
【0023】
通常、間欠的尿道カテーテルは、8FRのサイズから18FRサイズである。FR(若しくはフレンチサイズ又はシャリエール(Ch))は、mmでおよそ外周に対応するカテーテルの標準ゲージである。より正確には、mmでのカテーテルの外径は、FRを3で割った値に対応する。したがって、8FRは、2.7mmの外径を有するカテーテルに対応し、18FRは、6mmの外径を有するカテーテルに対応する。
【0024】
親水性コーティングは、カテーテルの挿入可能部分にのみ設けることができる。親水性表面コーティングは、水和するか又は膨張媒体を使用して膨張すると、カテーテルの挿入可能部分に対応して使用者の尿路下部内に挿入されるように意図されているカテーテルの表面領域における摩擦を低減させる種類のものである。
【0025】
間欠的親水性カテーテルは、留置カテーテルとは異なり、それは、5~20分間を超える期間、体内に残された場合、表面コーティングが尿道の粘膜の内側に貼り付く傾向があるためかかるカテーテルの親水性表面コーティングが留置用途に適していないからであり、これは、親水性コーティングが、完全に湿潤したとき(95重量%の水分量)の非常に滑らかである状態から、コーティングの水和レベルが低減したとき(75重量%未満の水分量)の粘着性の状態に変化することによる。
【0026】
カテーテルは、近位挿入端部に閉鎖チップを有することができ、カテーテルは、特に、閉鎖チップの近くに位置するカテーテルの部分、たとえば、近位端から遠位端まで測定されたカテーテルの全長の半分又は1/3を構成する部分にわたって分散された、複数の排液開口部を有することができる。
【0027】
本明細書に記載する排液開口部は、本技術分野において、アイレット又はアイと称される場合がある。排液開口部は、閉ループの周囲を有し、円形、楕円形、正方形、三角形及び他の任意の閉ループ形状であり得る。この閉ループ形状は、排液開口部の外部開口部を画定する。排液開口部の内部開口部もまた閉ループの周囲を有し、典型的には、ただし必須ではなく、排液開口部の外部開口部と同じ形状を有する。
【0028】
カテーテルは、少なくとも12個の排液開口部を有することができ、排液開口部は、1つ又は複数の群で、たとえば、長手方向に延在する一直線の列で配置することができる。排液開口部はまた、群で、群の間の排液開口部の密度が異なるように配置することができる。
【0029】
各排液開口部は、排液導管の方に向いた内面における内部開口部から排液導管から離れる方向に面する外面における外部開口部まで延在している壁によって画定することができる。したがって、排液開口部壁は、カテーテルの管状部分の内面と外面との間の距離に対応する高さを有することができる。排液開口部壁は、特に、内面と外面との間で連続的に延在することができる。内部開口部は、出口開口部としても理解することができ、外部開口部は、入口開口部としても理解することができる。
【0030】
チューブの管状壁は、均一な壁厚さを有し、それにより、排液開口部の均一な長さを提供することができる。
【0031】
管状部分は、均一な外面を有し、それにより、親水性材料との均一な接着を可能にする。さらに、親水性材料の変位、及びそれにより排液開口部の閉塞の可能性のリスクが、最小限になる。
【0032】
実施形態は、近位挿入端部に閉鎖チップが設けられたカテーテルに関する。閉鎖チップは、ネラトンチップ、フレックスチップとして、又は概して、尿道カテーテルに対して既知である種類のチップとして形成することができる。
【0033】
本開示の文脈では、体腔は尿道を指す。
【0034】
カテーテルは、チップの遠位側の非排液部と非排液部の遠位側の排液部とを画定することができ、排液部には、複数の排液開口部が設けられている。非排液部は、たとえば、3cm未満、又は2cm、又は1cm未満を構成することができ、排液部は、20cm未満、又は15cm未満、又は10cm未満を構成することができる。
【0035】
複数の排液開口部を通る尿の流入は、上で説明したように、排液開口部のすべての断面積の総和(総流入面積)と、排液開口部と遠位端におけるカテーテルからの出口との間の圧力勾配とによって決まる。複数の排液開口部の断面積の総和(総流入面積)は、尿の適切な流入を可能にするように十分大きくなければならず、そうでなければ、膀胱を空にすることが非常に長くかかり、したがって、間欠的カテーテルの使用者に不都合である。各排液開口部は、尿の流入に対して一定の抵抗を提供し、この抵抗は、とりわけ、排液開口部の断面積及び排液開口部におけるカテーテル材料の厚さ、すなわち、内部開口部から外部開口部までの排液開口部壁の広がりによって決まる。
【0036】
実施形態は、複数の排液開口部の断面積の総和が、排液開口部のすぐ遠位側におけるカテーテルの排液導管の断面積よりも大きいことに関する。排液開口部のすぐ遠位側とは、最遠位排液開口部から長手方向遠位方向における5mm以内を意味する。
【0037】
実施形態は、管状部分が凸状外面を画定することに関し、そこでは、管状部分の凸状外面における排液開口部の総流入面積が、排液開口部の遠位側の位置において管状部分の長手方向に対して垂直な断面におけるカテーテルの排液導管の断面積よりも大きい。
【0038】
一実施形態では、複数の排液開口部の断面積の総和(総流入面積)は、排液開口部のすぐ遠位側におけるカテーテルの内側内腔の断面積の2倍よりも大きい。排液開口部の総流入面積は、管状部分の凸状外面に提供される。こうした大きい総流入面積を提供することにより、排液開口部における流れの抵抗が、カテーテルの排液導管の充填を妨げないことが確実になる。したがって、排液開口部を通る排液導管への流入は、間欠的カテーテルを通る流れを制限しない。
【0039】
さらなる実施形態は、複数の排液開口部の断面積の総和(総流入面積)が、カテーテルの排液導管の断面積よりも少なくとも3倍大きいことに関する。
【0040】
管状部分の凸状外面における総流入面積が、管状部分の排液導管の断面積に少なくとも等しいか又はそれよりも大きいことに関する実施形態は、円筒状の管状部分を有するカテーテルに関連することができる。この場合、排液導管の断面積は、カテーテルの長さ全体を通して一定である。しかしながら、これらの実施形態は、円錐形の管状部分を有するカテーテルにも関連することができる。この場合、断面積は、長さに沿って増大する。この場合、総流入面積は、最遠位排液開口部のすぐ遠位側、すなわち、最遠位排液開口部の遠位方向の5mm以内における排液導管の断面積と比較するべきである。
【0041】
実施形態は、排液開口部の数が、排液開口部のすぐ遠位側で排液導管を充填するために必要な数よりも多いことに関する。これは、個々の排液開口部のサイズに応じて、排液開口部の遠位側の排液導管の断面積に対応する総流入面積を提供するように一定数の排液開口部が必要であるように理解されるべきである。この排液開口部の数は、本開示では、排液開口部の第1所定数と称する。したがって、実施形態は、排液開口部の数が排液開口部の第1所定数よりも多いことに関する。
【0042】
実施形態は、上述した、排液開口部のうちの最遠位排液開口部のすぐ遠位側におけるカテーテルの排液導管の断面積を超える総流入面積を提供するように構成された複数の排液開口部が設けられた、間欠的尿道カテーテルに関する。
【0043】
総流入面積がカテーテルの排液導管の断面積を超えるか、又は、排液開口部の数が排液導管を充填するために必要な数より多い場合、少なくとも1つの排液開口部が流入を提供するように常に利用可能であることが確実になる。これは、流入が、排液開口部が排液することができるものよりも少なく、したがって、少なくとも1つの排液開口部が、排液開口部のうちの別の排液開口部が膀胱組織によって同時に閉塞されているとすれば、さらなる流入を提供することができるためである。これは、カテーテルを通る流れが、膀胱が空になるまで連続的であることを意味する。それにより、膀胱内に残尿を残すリスクが実質的に緩和される。
【0044】
本開示の文脈では、圧力は分圧を意味し、絶対圧を意味するものではない。これは、圧力が、測定点と周囲圧力との圧力差として常に示されることを意味する。
【0045】
一実施形態では、管状部分の凸状外面における個々の排液開口部の最大寸法は、1mm未満である。最大寸法とは、円形排液開口部の場合は直径、楕円形の場合は長軸、三角形又は四角形開口部の場合は対角線等を意味する。言い換えれば、最大寸法は、管状部分の凸状外面における開口部の外周部における2つの対向して位置する点の間で開口部を横切る寸法の最大を意味する。関連する実施形態では、排液開口部の各々は、0.8mm未満の断面積を有する。
【0046】
それにより、10cm HO下で測定したときに発生する負圧を50mBar以下とすることができ、したがって、膀胱壁組織に対する影響は、少数の(2個等)大きい排液開口部を有する従来技術によるカテーテルと比較して著しく低減することが確実になる。
【0047】
一実施形態では、管状部分の凸状外面におけるいかなる1つの個々の排液開口部の最大寸法も、0.7mm未満である。関連する実施形態では、個々の排液開口部の各々は、0.4mm未満の断面積を有する。それにより、負圧は、10cm HO下で測定したときに40mBar以下であり得ることが確実になる。
【0048】
一実施形態では、管状部分の凸状外面におけるいかなる1つの個々の排液開口部の最大寸法も、0.5mm未満である。関連する実施形態では、個々の排液開口部の各々は、0.2mm未満の断面積を有する。
【0049】
一実施形態では、排液開口部の数は20個を超える。
【0050】
それにより、すべての排液開口部が一度に閉塞される確率が著しく低下する。
【0051】
実施形態では、排液開口部の数は、著しく多くすることができ、たとえば、200個を超えるか又はさらには約260個の排液開口部とすることができる。この数は、約100、120若しくは150、又は180等、200に近いものでもあり得る。
【0052】
実施形態は、間欠的尿道カテーテルであって、カテーテルがCH10であり、各排液開口部が、管状部分の凸状外面においておよそ0.4mmの最大寸法を有し、排液開口部の数が32よりも多い、間欠的尿道カテーテルに関する。こうしたカテーテルは、各排液開口部が排液に寄与するように、カテーテルの内腔への適切な流入を提供するが、少なくとも1つの排液開口部は常に開放したままである。およそ0.4mmとは、0.35~0.45mmを意味する。
【0053】
他の実施形態は、間欠的尿道カテーテルであって、カテーテルがCH12であり、各排液開口部が、管状部分の凸状外面においておよそ0.7mmの最大寸法を有し、排液開口部の数が15よりも多い、間欠的尿道カテーテルに関する。およそ0.7mmとは、0.65~0.75mmを意味する。
【0054】
実施形態は、先行する請求項のいずれかに記載の間欠的尿道カテーテルに関し、そこでは、排液開口部の各排液開口部が、カテーテルの長手方向に対して横切って延在する。横切って延在するとは、排液開口部の中心軸が、カテーテルの長手方向軸に対して実質的に垂直であり、いずれの方向においても20度以内であることを意味する。
【0055】
一実施形態では、排液部分は、間欠的カテーテルの長手方向において4cmの長さを有する。これにより、膀胱を適切に排液することができる。排液部分は、閉鎖先端部分の遠位側に位置決めされ、したがって、閉鎖先端部分が長手方向において2cm未満である場合、排液部分はカテーテルの最近位6cm以内にある。これは、間欠的カテーテルの膀胱内への共通の挿入長さであり、したがって、排液領域を膀胱内部に位置決めすることにより、複数の排液開口部の大きい断面積が膀胱内部にあり、したがって、膀胱の良好且つ高速の排液が可能になる。およそ4cmの排液部分は、男性用及び女性用両方のカテーテルに対して有用であり得る。およそ4cmとは、40mm、37mm又は42mm等、35mm~45mmを意味する。
【0056】
一実施形態では、排液部分は、間欠的カテーテルの長手方向において10cmの長さを有する。これにより、膀胱頸部に、膀胱の下方部分に位置決めされた排液開口部があるため、膀胱を空にするための安全性が向上する。典型的には、間欠的カテーテルは、膀胱の5~6cmに挿入され、したがって、これらの実施形態では、排液部分は、尿道の一部内に延在するとともに膀胱内にあることになる。10cm以上の排液部分を有するカテーテルは、男性用カテーテルに特に有用である。他の実施形態は、排液部分が、77mm、80mm又は82mm等、75mm~85mmを意味するおよそ8cmの長さを有することに関する。
【0057】
一実施形態では、排液部分は、間欠的カテーテルの長手方向において15cmの長さを有する。これにより、膀胱を空にするための安全性が向上する。これは、自身の間欠的カテーテルを膀胱内に過度に挿入する傾向がある使用者に対して、恐らくはそうした使用者はカテーテルの挿入中に感覚がないため、特に有益である。
【0058】
実施形態は、排液部分が、15~25mmを意味する、およそ2cmの長さを有することに関する。こうした短い排液部分は、尿道が極めて短い場合である、女性用カテーテルに対して特に有用である。短い排液部分により、排液開口部のうちのいくつかが尿道の外側に位置する場合に、尿が排液開口部から流出するリスクが低下する。
【0059】
一実施形態では、排液開口部は、カテーテルの長手方向に且つその円周にわたって散在するように位置決めされている。
【0060】
一実施形態では、排液開口部は、円周にわたって間が90度である4つの長手方向列に位置決めされている。
【0061】
一実施形態では、排液開口部は、円周にわたって間が60度である6つの長手方向列に位置決めされている。
【0062】
一実施形態では、排液開口部は、円周にわたって間が45度である8つの長手方向列に位置決めされている。
【0063】
一実施形態では、排液開口部は、円周にわたって間が180度である2つの長手方向列に位置決めされている。
【0064】
一実施形態では、排液開口部は、円周にわたって間が180度である、平行な列の2つの対に位置決めされている。
【0065】
一実施形態では、排液開口部は、円周にわたってらせん状に散在されている。
【0066】
方向の数が増加することにより、より適切な流入と、膀胱組織がすべての排液開口部と接触して閉塞するリスクの低下とが可能になる。
【0067】
一実施形態では、カテーテルの先端部分はネラトンチップであり、近位端は単純に閉鎖されており、半球形閉鎖端部を提供する。
【0068】
先端部分は、1部品成形として又は2部品成形としてのいずれかで、主管状部分と一体的に成形することができ、又は、先端部分は、別個の要素として準備し、その後、たとえば溶接又は接着により、主管状部分に取り付けることができる。
【0069】
一実施形態では、先端部分は、フレックスチップである。この種の実施形態では、尿道カテーテルのチップは、先端部分の遠位端から、尿をカテーテルの内部内腔内に入れる排液開口部を備えた排液部と、カテーテル外径がカテーテルの残りの部分の直径に対して低減する中間部と、カテーテルの管状部の直径に近いか又はそれを超える直径を有する球状部を有する近位部とを備える。球状部はまた、カテーテルの管状部の直径よりもわずかに小さい直径を有することができる。球状部は、形状が球形に近いものであり得るか、又は、わずかに細長く、オリーブ又は液滴のような形状であり得る。この種の先端部分は、男性使用者が、前立腺における尿道の曲がりの周囲でカテーテルを誘導するのに有用であり得る。
【0070】
基材材料は、ポリウレタン材料(PU)又はポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエチレン(PE)等のポリオレフィンであり得る。他の材料は、シリコーン材料、ラテックス材料、スチレンブロックコポリマー、TPS(TPE-s)(熱可塑性エラストマー材料)、熱可塑性加硫物、TPV、熱可塑性コポリマー、TPC(TPE-E)、熱可塑性ポリアミド、TPA(TPE-A)であり得る。基材材料はまた、基礎材料として理解することができる。親水性材料は、ポリビニルピロリドン(PVP)及びコポリマーであり得る。
【0071】
排液開口部を対で形成し、排液開口部の1つの対が、ともに同じ中心線を有する第1排液開口部と第2排液開口部とを含むようにすることができる。
【0072】
実施形態は、排液開口部の対が、長手方向軸に対して斜角で位置していることに関する。実施形態は、排液開口部の対が、長手方向軸に対して85度~87度の角度等、80度~87度の角度で位置していることに関する。
【0073】
排液開口部は、第1排液開口部の壁が外部開口部から内部開口部の方向に先細りになり(converge)、第2排液開口部壁が、外部開口部から内部開口部の方向に末広がりになる(diverge)ような形状とすることができる。
【0074】
本明細書において、先細りになるとは、中心線の両側の壁部分の間の距離が、外面から内面の方向に低減することを意味する。言い換えれば、外部開口部は、内部開口部よりも大きい面積を有する。末広がりになるとは、中心線の両側の壁部分の間の距離が、外面から内面の方向に増大することを意味する。言い換えれば、外部開口部は、内部開口部よりも小さい面積を有する。
【0075】
排液開口部が円形である場合、排液開口部壁は、円錐台の形状を有することができる。本明細書では、排液開口部の断面が円形であることが必須ではないことを示すために、形状が円錐台様であると述べる。
【0076】
排液開口部の先細り及び末広がりの壁は、第1排液開口部及び第2排液開口部を通して異なる流れ特性を提供し、2つの排液開口部のうちの一方が、他方が閉塞した場合に開放している可能性を増大させる。末広がり及び先細りの壁の所定の特徴的な形状により、排液開口部の対の排液開口部のうちの一方では、外面における外部開口部が内面における内部開口部よりも大きくなり、その対の排液開口部のうちの他方では、その反対になる。したがって、相対的に大きい開口部と接触する組織の閉塞が、相対的に小さい開口部を通る流れを妨げる可能性がなく、その逆も同様である。
【0077】
第1排液開口部及び第2排液開口部は、異なる寸法を有することができる。すなわち、中心線に対して横切る断面における第1排液開口部の寸法は、特に、内面及び外面まで同じ距離を有する断面での寸法を比較した場合、第2排液開口部の寸法とは異なり得る。
【0078】
コーティング厚さは、外面において各入口開口部に向かって低減し、それにより、親水性材料が膨潤したときに入口開口部を通る流れを閉塞するリスクを低減させることができる。これは、コーティングが、排液開口部に近い領域よりも排液開口部の間の領域の方が厚いことを意味する。排液開口部に近いとは、排液開口部の縁部から0.5mmの距離の範囲内を意味する。
【0079】
管状部分は、均一な外面を有し、それにより、親水性材料との均一な接着を可能にし、親水性材料の変位、それにより排液開口部の閉塞の可能性をさらに回避する。
【0080】
本開示は、製造方法を提供する。一例として、COレーザを使用することにより、レーザアブレーションをもたらすことができる。
【0081】
本開示は、親水性尿道カテーテルを製造する方法を提供し、本方法は、たとえば、排液導管の方に向いた内面と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを有する管状形状を画定するダイを通して基材材料を押し出すことにより、チューブを提供するステップと、親水性表面を画定するように親水性材料で外面をコーティングするステップと、親水性材料及び基材材料のレーザアブレーションにより、外面から内面まで複数の排液開口部を設け、内面と外面との間に延在する排液開口部壁はコーティングされない、ステップとを含む。それにより、レーザアブレーションは、排液開口部を確立するためだけでなく、親水性材料を除去し、それにより、親水性材料により排液開口部を閉塞するリスクを低減させるためにも使用される。
【0082】
本開示は、親水性尿道カテーテルを製造する方法をさらに提供する。本方法によれば、排液導管の方に向いた内面と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを有する管状形状を画定するダイを通して基材材料を押し出すことにより、チューブが提供される。外面は、親水性表面を画定するように親水性材料でコーティングされ、その後、すなわち、外面のコーティングの後、親水性材料及び基材材料のレーザアブレーションにより、外面から内面まで複数の排液開口部が設けられ、内面と外面との間に延在する排液開口部壁はコーティングされない。
【0083】
このプロセスにより、排液開口部における親水性材料は、製造の複雑性を増大させることなく回避され、したがって、本方法は、品質が向上するとともに製造コストが増大しない可能性があるカテーテルを製造する容易な方法を提供する。
【0084】
実施形態は、間欠的尿道カテーテルを製造する方法に関し、本方法は、基材材料から作製されるとともに、内部排液導管の方に向いた内面と内部排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを有する管状形状を画定するチューブを提供するステップと、基材材料のレーザアブレーションにより、内面における内部開口部と外面における外部開口部との間に延在する複数の排液開口部を設けるステップとを含み、レーザアブレーションは、排液開口部の第1群に第1放射角が提供され、排液開口部の第2群に第2放射角が提供されるような放射角で、排液導管の外部の発光体点から放射されるレーザ光で実施される。
【0085】
本方法は、複数の排液開口部が、同一の原点から、たとえば単一放射点からのレーザアブレーションにより、作製されるようにする、効率的な製造を可能にすることができる。
【0086】
排液開口部は、排液開口部の第1群からの1つの排液開口部と排液開口部の第2群からの1つの排液開口部との対で設けることができ、発光体点は、排液開口部の各対の間で管状部分に対して移動する。
【0087】
排液開口部を設けるとき、発光体点から外面までの距離を一定に維持することができる。
【0088】
排液開口部は、排液導管内の圧力が排液導管の外部の圧力に対して変化する間に、アブレーションによって設けることができる。
【0089】
実施形態は、親水性尿道カテーテルを製造する方法に関し、本方法は、基材材料から作製されるとともに、体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで中心軸に沿って延在する排液導管を画定する、チューブを提供するステップと、排液導管の方に向いた内面における内部開口部と排液導管から離れる方向に面する外面における外部開口部との間に延在する複数の排液開口部を設けるステップとを含み、排液開口部は、基材材料のレーザアブレーションによって作製され、レーザアブレーションは、中心軸の両側における共通の中心線に沿った基材材料の同時アブレーションによって設けられる、第1排液開口部と第2排液開口部とを含む排液開口部の対を形成するように実施される。
【0090】
レーザ光は、特に、内部排液導管を通して排液導管の外部の発光体点から放射することができる。発光体点は、外面から中心軸までの距離の少なくとも10倍に対応するか、又は外面から中心軸までの距離の少なくとも15又は20倍に対応する、外面からの距離にあり得る。
【0091】
排液開口部は、排液導管内の圧力が排液導管の外部の圧力に対して変化する間、アブレーションによって設けることができる。
【0092】
レーザ光は、少なくとも2つの後続パルスで、たとえば、3、4、5、6又はそれより多くの後続パルスで放射することができる。パルスは、特に、1Hzを超える、たとえば、2、3、4、5、6を超えるか又はさらにはより高い数のHzの周波数で放射することができる。
【0093】
本方法は、第1排液開口部及び第2排液開口部のうちの少なくとも一方に対して、孔径を決定するステップを含むことができる。このように、レーザアブレーションは、孔径によって決まるショットの数で実施することができる。1つの実施形態では、限界径が規定され、第1排液開口部及び第2排液開口部のうちの少なくとも一方の限界径に達するまで、ショットの数が増加する。1つの実施形態では、限界径は、第1排液開口部及び第2排液開口部の両方に対して規定され、両排液開口部が必要なサイズを有するまで、ショットの数が増加する。
【0094】
本明細書において、「連続的な」という用語は、当該表面が、3ミリメートル未満である曲率半径を画定する鋭利な尖った角部若しくは縁部又は同様の明確な幾何学的変化もなしに、連続的に延在していることと定義する。
【0095】
本明細書において、「均一な外面」という用語は、表面が連続的であることに加えて、外面が、同じ表面凹凸、色及び/又は粗さ若しくは滑り性を有することと定義する。
【0096】
本明細書において、「間欠的な」という用語は、カテーテルが留置使用のためのものではないこと、及び、膀胱内に固定するためのバルーン又は他の手段を備えていないことと定義する。
【0097】
本明細書において、「親水性」という用語は、材料がある程度まで膨潤し、その程度が、結果としてのヒドロゲルが、表面摩擦を低減させるとともに、使用者の体腔内への近位端のより容易な挿入を促進する程度であることと定義する。
【実施例0098】
第1試験は、従来技術によるカテーテルと、最大寸法が1.2mm未満である小さい排液開口部を有するカテーテルとの間で、圧力パルスのレベルを比較するように実施した。これらの第1試験の目的は、1つの排液開口部が膀胱組織によって閉塞され、第2(最後の)排液開口部が急に閉塞される状況をシミュレートすることである。1つの小さい排液開口部(1.2mm未満の最大寸法)を有するカテーテルを使用し、2つの標準的なサイズの排液開口部が設けられた標準的な従来技術によるカテーテルと比較した。後者の場合、試験の前に、一方の排液開口部を一片のテープで閉塞した。すべての試験において、カテーテルを水タンクに沈降させ、排液を開始した。試験構成を図32図34に示し、以下に述べる。カテーテルの内側内腔内の圧力パルスは、第2排液開口部を閉塞する瞬間に求めた。これは、従来技術によるカテーテルにおける2つの排液開口部のうちの第1排液開口部が、膀胱組織により又は尿道組織により閉塞され、(流動する液体によってもたらされる)カテーテルを通る吸引により、急に、2つの排液開口部のうちの第2排液開口部の組織による閉塞もまたもたらされる、カテーテル導尿中の状況に対応する。
【0099】
試験に使用した機器を以下に列挙する。
・孔及びOリングを備えた水タンク
・25Lの水
・1つの開放した排液開口部を備えたカテーテル。カテーテルに2つの排液開口部が設けられている場合、一方の排液開口部を試験中閉塞した。
・針に取り付けられた防水圧力センサ
・5×5cmのブタ膀胱片
・ラテックス手袋。
【0100】
以下の試験プロトコルに従って試験を行った。
・カテーテルの円周に液密シーリングを提供するように適合されたシーリングを含む水タンクを準備する
・1つの開放した排液開口部が十分に水タンク内部に入るまで、液密シーリングを通してタンク内にカテーテルチップを挿入する
・水がカテーテルを通して流出し始めるようにする
・軽くたたくことによりカテーテル内に気泡がないことを確実にする
・1つの開放した排液開口部からおよそ1cmでカテーテル内腔内にセンサ針を挿入する
・カテーテル又は針内に気泡がないことを確実にする。これは、小さい水泡でさえも圧力読取値を不明瞭にする可能性があるため重要である。
・カテーテル内又は針内に気泡がなくなると、水中のカテーテルの位置を10cmの浸漬深さに調整し、これは、1つの開放した排液開口部が水の表面からおよそ10cm下にあることを意味する
・カテーテルの水タンクの外側の部分を、1つの開放した排液開口部とカテーテルコネクタとの間の高さの差が約15~20cmになるように位置決めする。
・ラテックス手袋を装着し、ブタ膀胱組織を取り出す
・水中に組織を沈降させる
・圧力読取を開始し、確実にセンサの風袋を差し引く、すなわちセンサをゼロに設定する
・ブタ膀胱組織を1つの開放した排液開口部に向かってゆっくりと誘導する
・ブタ膀胱組織が1つの開放した排液開口部に達すると、カテーテルの内側内腔内で大きい(負の)圧力変動が発生する
・この圧力変動の大きさを記録する。
【0101】
記録した圧力変動は、カテーテルの内腔内の圧力パルスに対応する。これは、圧力曲線における(負の)ピークとして留意される(図26図28の実施例を参照)。
【0102】
いくつかの試験結果を以下の表1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
上記表から見ることができるように、排液開口部の最大寸法が1mm未満である(ID 1.1~1.5)場合、吸引圧は、3.9mmの最大寸法(ID 1.6)を有する排液開口部を備えた従来技術によるカテーテルと比較して著しく低下する。表1のID 1.1~1.5としての本開示によるカテーテルの実施形態は、すべて、50mBar未満(44mBar未満)の吸引圧を有し、一方で、3.9mmの最大寸法を有する排液開口部を備えるID 1.6の従来技術によるカテーテルは、200mBarの吸引圧を有する。したがって、本開示による間欠的カテーテルの内腔内の吸引圧の閾値は、実施例1において上述したように10cm HO下で試験した場合、50mBarに設定することができる。
【0105】
試験結果を、図26図29A図29Bにも示す。
【0106】
正常に機能する膀胱の内部の圧力は、空にする前は約400~500mBar(40~50cm HO)に達する可能性がある。
【0107】
第2試験及び第3試験を同様に行い、唯一の相違は、カテーテルを、10cm HOとは対照的に50cm HO下に沈降させたということである。さらに、男性用カテーテル及び女性用カテーテルの両方を試験した。男性用カテーテルは、排液開口部と出口(コネクタ)との間の高さの差が25cmで試験し、女性用カテーテルは、排液開口部と出口(コネクタ)との高さの差が6cmで試験した。
【0108】
結果を以下の表2及び表3に示す。
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
【0111】
結果を図27図28図30及び図31にも示す。男性用カテーテルに対してID 1.7~1.14を試験し、女性用カテーテルに対して1.15~1.22を試験した。
【0112】
ID 1.7~1.13及び1.15~1.21として試験したカテーテルは、商標名「SpeediCath(登録商標)」カテーテルでColoplast A/Sによって販売されているタイプのポリウレタンカテーテルであり、試験した従来技術によるカテーテル(ID 1.14及びID 1.22)は、「VaPro(登録商標)」カテーテルという商標名でHollister Incによって販売されているPVCグレードカテーテルであった。すべてのタイプのカテーテルが、CH12のサイズであった。SpeediCath(登録商標)カテーテル(ID 1.7~1.13及びID 1.15~1.22)において、1つの排液開口部のみをレーザ切断によって作製し、ID 1.14及びID 1.22のカテーテルにおいて、上述したように、試験の前に、2つの既存の排液開口部のうちの一方を閉塞した。
【0113】
すべての時点での吸引圧が、正常に機能している膀胱の内部で達する圧力未満である場合、好ましい。また特に、従来技術によるカテーテルのレベルのおよそ半分の吸引圧が、改善である。したがって、実施形態は、排液開口部を有するとともに、浸漬深さが50cmであり、排液開口部と出口との高さの差が25cmであるように変更して、実施例1に記載したように試験した場合に350mBarの閾値未満の圧力パルスを提供するように構成されている、間欠的尿道カテーテルに関する。さらなる実施形態は、排液開口部を有するとともに、浸漬深さが50cmであり、排液開口部と出口との高さの差が6cmであるように変更して、実施例1に記載したように試験した場合に300mBarの閾値未満の圧力パルスを提供するように構成されている、間欠的尿道カテーテルに関する。関連する実施形態は、排液開口部を有するとともに、200mBarの閾値未満の圧力パルスを提供するように構成されている間欠的尿道カテーテルに関する。関連する実施形態は、排液開口部を有するとともに、100mBarの閾値未満の圧力パルスを提供するように構成されている間欠的尿道カテーテルに関する。
【0114】
別の試験は、本開示による間欠的カテーテルを通して最適な流量を提供するために必要な排液開口部の数を評価するために実施した。この試験では、108個のプロトタイプカテーテルを作製し、各カテーテルを通る流量を求めた。108個のカテーテルは、3つのCHサイズ、すなわち、CH10、CH12及びCH16であった。カテーテルに、3つのサイズ、すなわち、0.4mmの直径、0.6mmの直径及び0.8mmの直径の排液開口部を設けた。3~6列で変更した列での排液開口部の位置決めと同様に、排液開口部の数を15~240で変更した。
【0115】
結果を、以下の表4とともに図35に示す。
【0116】
【表4】
【0117】
この結果は、排液開口部の断面積の総和(総流入面積)がカテーテルの内側内腔の断面積のレベルに達すると、カテーテルを通る流量がそれ以上増大しないことを示す。言い換えれば、総流入面積が内側内腔の断面積のレベルに達すると、流れは収束する。
【0118】
図面の詳細な説明
本出願に記載する実施形態及びさまざまな例示的な実施形態の特徴は、特に別段の断りのない限り、互いに組み合わせる(「うまく組み合わせる(mix and match)」)ことができる。
【0119】
図1図4は、従来技術によるカテーテルのさまざまな問題を示す。図1は、膀胱10に挿入された、2つの排液開口部101、102を有する従来技術によるカテーテル100の一部を示す。カテーテル導尿中、一方の排液開口部101は、図示するように膀胱壁組織によって閉塞される可能性があり、その後、膀胱からの尿のすべての排液は、第2排液開口部102を通して発生する。この状況により、第2排液開口部102を通る高い吸引効果が引き起こされ、それにより、上述したように、膀胱壁組織がこの第2排液開口部102と接触することになる可能性がある。図2は、膀胱10内に位置する従来技術によるカテーテル100の一部を示す。この図は、従来技術によるカテーテルが、膀胱10内で過度に高く、すなわち膀胱頸部11よりも上方に位置し、したがって、カテーテル導尿中に膀胱10が完全に空にならない状況を示す。膀胱内の残尿により、尿路感染症が引き起こされる可能性がある。図3は、そのため、残尿の貯留を軽減しようとして従来技術によるカテーテル100をいかに上下に移動させなければならないかを示す。しかしながら、カテーテルのこの上下の移動により、図4に示す状況、すなわち、膀胱10又は尿道上部20からの尿道組織21が排液開口部内に入り、カテーテルの上下の移動中、すりむけるという状況に至る可能性がある。
【0120】
図5は、本明細書に記載する間欠的尿道カテーテル1を示す。尿道カテーテルは、近位挿入端部から遠位出口端部まで長手方向に延在する排液導管を形成している。カテーテルには、近位端にチップ2が設けられている。図5において、チップはネラトンチップとして示されているが、他のチップを適用することができる。チップ2は、膀胱内への挿入を容易にする。
【0121】
尿道カテーテルには、遠位端にコネクタ3がさらに設けられている。コネクタは、排液導管から尿を、たとえば拡張チューブ内に、収集バッグ内に、又は便器内に排出するように構成されている。
【0122】
排液部分4に排液開口部5が位置決めされている。この実施形態では、排液開口部5は、間が180度である対で位置決めされた、4つの列に位置決めされている。この図では、間欠的尿道カテーテルの一方の側の2つの列のみが可視である。
【0123】
カテーテルは、間欠的カテーテル導尿用であり、膀胱内に長時間固定するための膨張可能なバルーン又は同様の手段を含まない。
【0124】
図6及び図7は、排液部分が膀胱10内に延在している状態で位置決めされている、本明細書に記載する間欠的尿道カテーテル1を示す。この実施形態では、チップ2はフレックスチップである。図6では、排液開口部5は、カテーテルの表面にわたって散在して位置決めされている。図6は、複数の排液開口部により、複数の位置での尿の流入がいかに可能であるかを示す。さらに、この多くの排液開口部を有することにより、上述したようなカテーテル導尿中に膀胱組織が単一の排液開口部内に吸い込まれる可能性が低減する。図7は、この多くの排液開口部5を有することにより膀胱10をいかに完全に空にすることができるかを示す。これは、排液開口部のすべてが閉塞される可能性が非常に低く、したがって、膀胱10が完全に空になるまで、尿が流出し続けるためである。さらに、排液部分4は長く、したがって、膀胱頸部11における排液開口部5の存在が可能になり、それにより、膀胱10が確実に空になるようになる。
【0125】
図8は、尿道20の上方部分に位置決めされた、本明細書に記載する間欠的尿道カテーテル1の一実施形態の一部分を示す。この図は、いかに、尿道の組織21が排液開口部5を通って入ることなく、それにより尿道組織20に影響を及ぼすリスクを低下させるかを示す。
【0126】
図9A及び図9Bは、チップ2が膀胱の最上部にあるようになるまでカテーテルが挿入される場合(図9B)であっても、排液開口部5のうちの最遠位の排液開口部5が依然として膀胱頸部よりも下方に、すなわち尿道内に位置決めされるほど、本明細書に記載する尿道カテーテルの排液部分4を長くすることができることを示す。
【0127】
図10は、中心軸CAによって示す長手方向軸に沿ったカテーテルの一部の断面の拡大図を示す。この図では、カテーテル1が管状部分1aを備え、管状部分1aが、基材材料から作製され、且つ、排液導管7の方に向いた内面6と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面8とを画定し、外面が、近位挿入端部から遠位出口まで連続的に延在していることが概略的に示されている。
【0128】
体内に挿入されるように考慮されている外面の部分は、カテーテルの親水性表面9を形成する親水性材料の層1bによって覆われている。コーティング厚さYは、外面8におけるコーティングの半径方向広がりを画定する。
【0129】
図11は、排液開口部5におけるさらなる拡大図を示す。各排液開口部5は、内面における内部開口部5bと外面における外部開口部5cとの間に延在する排液開口部壁5aによって画定されている。図示する実施形態では、排液開口部壁が外面から内面まで先細りになるように、外部開口部5cは内部開口部よりも大きい。
【0130】
排液開口部は、親水性材料が外面に堆積した後にレーザアブレーションによって作製されるため、親水性材料と基材材料との両方が融除され、したがって、排液開口部の壁は親水性材料によって覆われない。
【0131】
図12は、図11のさらなる拡大図を示し、親水性材料の層9の厚さが、外面8における各入口開口部5cに向かって低減し、それによりコーティング層のベベル9aを形成することを示す。
【0132】
図13は、突起410を備えるカテーテルの一実施形態を示し、突起410は、外面において入口開口部5cを取り囲むとともに、層9を構成する親水性材料が膨潤していないときは層9の親水性表面411を越えて延在する。
【0133】
図14は、親水性材料が膨潤しているときの図13の実施形態を示す。この状態では、親水性材料は突起410を越えて延在する。
【0134】
図15は、上から見たカテーテルの排液部を示す。この図では、排液開口部5が群R1、R2、R3で配置されていることが示されている。第1群R1は、第1列に沿って配置されるとともに非円形である外部開口部8aを有する、複数の排液開口部を含む。群3もまた非円形開口部を有する。群R2は、円形である外部開口部8aを有する複数の排液開口部を含む。
【0135】
図16Aは、3つの群4a、4b及び4cで位置決めされた排液開口部を有する間欠的尿道カテーテル1の一実施形態の側面図を示す。第1群4aでは、排液開口部は高密度構成で位置決めされており、第2群4bでは、排液開口部は低密度構成で位置決めされており、第3群4cでは、排液開口部はさらに離れて位置決めされている。
【0136】
図16Bは、排液部分4を有する間欠的尿道カテーテルの側面図一実施形態を示し、排液開口部5は3つの列に位置決めされている。この図では2つの列が可視であるが、第3列は、カテーテルの後側に位置決めされており、したがって、仮想線で示されている。
【0137】
図17は、中心軸CAに沿ったカテーテルの一部の断面の拡大概略図を示す。この図では、カテーテル1が、排液導管7の方に向いた内面6と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面8とを画定する管状壁1bを形成し、外面が、近位挿入端部から遠位出口まで連続的に延在していることが示されている。近位挿入端部及び遠位出口はともに、図17の境界の外側にある。
【0138】
カテーテルは、体内に挿入されるように考慮されている排液部を備える。排液部は、複数の排液開口部5を備える。各排液開口部は、排液導管7内への内部開口部6aから外面8における外部開口部8aまで、対応する中心線CLに沿って延在している。排液開口部の中心線は、排液導管7の外部の交差点Pで交差する。
【0139】
図18は、図15に示す排液部の一部の斜視図を示す。この図では、すべての排液開口部の中心線CLが交差点Pにおいて交差することが示されている。
【0140】
図19は、図15における断面AAに沿った中心軸を横切る断面図を示す。
【0141】
排液開口部は、図15に関して言及し且つ示した第1群R1、第2群R2及び第3群R3を形成する。排液開口部の第1群の各中心線は、排液導管7の外部の且つ外面8よりも十分上方の交差点Pにおいて排液開口部の第2群の少なくとも1つの中心線と交差する。
【0142】
代替実施形態では、図19に示す種類の断面図が、群R1、R2又はR3のうちの1つにおける各排液開口部に対して考慮される。この代替実施形態では、1つの群に対する中視線、すなわち、R1に対する、R2に対する、又はR3に対する中心線は、他の断面図における排液開口部の同じ群の中心線に対して平行であり、一方で、排液開口部の1つの群の中心線は、排液導管7の外部の交差点Pにおいて、排液開口部の他の群の少なくとも1つの中心線と依然として交差する。
【0143】
図20は、中心軸CAに沿ったカテーテルの一部の断面の拡大概略図を示す。この図では、カテーテル1が、排液導管7の方に向いた内面6と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面8とを画定する管状壁1bを形成することが示されている。外面は、近位挿入端部から遠位出口まで延在している。近位挿入端部及び遠位出口はともに、図20の境界の外側にある。
【0144】
カテーテルは、体内に挿入されるように考慮されている排液部を備える。排液部は、複数の排液開口部5を備える。各排液開口部は、排液導管7内への内部開口部6aから外面8における外部開口部8aまで、対応する中心線CLに沿って延在している。
【0145】
各排液開口部は、排液導管の方に向いた内面から排液導管から離れる方向に面している外面まで、対応する中心線に沿って延在しており、排液開口部は対で形成され、排液開口部の1つの対が、ともに同じ中心線を有する第1排液開口部5’と第2排液開口部5’’とを含むようになっている。排液開口部の各対は、中心軸の一方の側の1つの排液開口部5’と、中心軸の反対側の別の排液開口部5’’とを含む。
【0146】
図20に示す実施形態では、排液開口部の中心線CLは、排液導管7の外部の交差点Pにおいて交差する。
【0147】
図20に示す実施形態では、排液開口部は、上半分では先細りになるように示されており、それは、入口開口部8aが出口開口部6aよりも大きいことを意味し、一方、図の下半分における排液開口部は末広がりになるように示されており、それは、出口開口部6aが入口開口部8aよりも大きいことを意味する。
【0148】
図21は、中心線が平行である代替実施形態を示す。図示する実施形態では、排液開口部は垂直な排液開口部壁を有するが、図20に示すように、排液開口部壁がそれぞれ先細り及び末広がりであり得ることも企図される。
【0149】
図22は、図15における断面AAに沿った中心軸に対して横切る断面図を示す。各中心線は、2つの排液開口部5’及び5’’を通って延在している。排液開口部の少なくとも中央の対は、中心軸CAの両側にある。
【0150】
排液開口部の第1群は、排液導管7の外部の且つ外面8よりも十分に上方の交差点Pにおいて、排液開口部の第2群の少なくとも1つの中心線と交差する。代替実施形態では、中心線は、図21に示すように、平行である。
【0151】
図23は、中心軸CAに沿ったカテーテルの一部の断面の拡大概略図を示す。この図では、カテーテル1が、排液導管7の方に向いた内面6と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面8とを画定する管状壁1bを形成することが示されている。外面は、近位挿入端部から遠位出口まで延在している。近位挿入端部及び遠位出口はともに、図23の境界の外側にある。
【0152】
カテーテルは、体内に挿入されるように考慮されている第1排液ゾーンを備える。第1排液ゾーンは、複数の排液開口部5を備える。各排液開口部は、排液導管7内への内部開口部6aから外面8における外部開口部8aまで、対応する中心線CLに沿って延在している。
【0153】
各排液開口部は、排液導管の方に向いた内面から排液導管から離れる方向に面している外面まで、対応する中心線に沿って延在しており、排液開口部は、すべての排液開口部が互いに対して変位しており、それによりいずれの排液開口部も別の排液開口部の中心線に沿って位置しないように、形成されている。
【0154】
図23の図では、カテーテルは、排液開口部5’の第1群と排液開口部5’’の第2群とを備える。2つの群は、中心軸CAの両側にあるが、いずれの排液開口部も別の排液開口部の中心線にないように、中心軸CAの方向にオフセットしている。
【0155】
図23に示す実施形態では、排液開口部の中心線は、排液導管7の外部の交差点Pにおいて交差する。
【0156】
図24は、中心線が平行である代替実施形態を示す。
【0157】
図25は、図22の図と同様であるが、図24に示すようなカテーテル部分に基づく断面図を示す。各中心線は、1つの排液開口部5’又は5’’のみを通って延在し、決して2つの排液開口部を通って延在しない。
【0158】
排液開口部5’は、排液導管7の外部の交差点Pにおいて交差する。
【0159】
図5図25に示す上記実施形態のすべてに共通するのは、排液開口部が、レーザアブレーションにより、たとえば、点Pに配置されたレーザにより、有効に作製することができる、ということである。
【0160】
図26は、膀胱を空にする間に間欠的カテーテルにおいて発生する圧力パルスを概略的に示す。この図は、カテーテルにおける排液開口部の一連の詰まりの間の時間の関数としての圧力差を示す。圧力パルスは、非常に短い期間にわたり(100ミリ秒以下程度において)圧力の急な低下として発生する。それは、図において曲線上のピークとして示されている。上で説明したように、圧力パルスは、組織が排液開口部を閉塞することに起因して、カテーテルを通る尿の移動が急に停止するために発生する。
【0161】
図26図31は、図32図34における試験構成を使用してさまざまなカテーテルを試験することによって得られた結果を示す。図26は、15~20cmの排液高さで且つ10cm HOの水位での男性用カテーテルの試験からの結果を示す。図26の左から開始して、このグラフは、最大寸法が5.6mmである2つの標準的な排液開口部を有するサイズCH16の従来技術によるカテーテルの内部で得られた圧力パルスを示す。試験の前に、排液開口部のうちの一方を閉鎖した。図26から、圧力パルスが200mBarを超えることを見ることができる。図の右に進むと、次のグラフは、最大寸法が3.9mmである2つの排液開口部を有するサイズCH12の従来技術によるカテーテルの内部で得られた圧力パルスを示す。こうしたカテーテルは、約200mBarの圧力パルスを提供する。左から3番目のグラフは、3.4mmの最大寸法の排液開口部を有する、CH10の従来技術によるカテーテルで得られた圧力パルスを示す。ここでは、圧力パルスは100mBarを超える。左から4番目のグラフは、本明細書に記載する、最大寸法が1mmである1つの開放した排液開口部を有する、間欠的尿道カテーテルで得られた圧力パルスを示す。このグラフは、圧力パルスが約40mBarまでしか達していないことを示す。一番右に向かうグラフは、本明細書に示す、最大寸法が約0.4mmである1つの開放した排液開口部を有する、間欠的尿道カテーテルに対する圧力パルスを示す。ここでは、圧力パルスは実質的に存在せず、すなわち、ほとんど曲線にピークがない。
【0162】
図27は、25cmの排液高さで且つ50cm H2Oの水位での男性用カテーテルの試験からの結果を示す。図27の左から開始して、グラフは、1つの単一の開放した排液開口部を有するカテーテルで得られる圧力パルスを示し、単一の排液開口部は、図において左から右に向かって増大している。この結果は、下記表2においても報告されている。最大寸法が4mmの排液開口部の場合、(これらの試験条件下での)圧力パルスは652mBarに達し、一方で、左に向かって、(これらの試験条件下での)圧力パルスは、排液開口部が0.19mmであるとき、15mBar程度に低いことを見ることができる。およそ0.4mmよりも小さい排液開口部で、100mBar未満のレベルが得られ、およそ0.6mmよりも小さい排液開口部で、200mBar未満のレベルが得られ、およそ1.00mmよりも小さい排液開口部で、350mBar未満のレベルが得られる。
【0163】
図28は、6cmの排液高さで且つ50cm H2Oの水位での女性用カテーテルの試験からの結果を示す。図28の左から開始して、グラフは、1つの単一の開放した排液開口部を有するカテーテルにおいて得られた圧力パルスを示し、単一の排液開口部は、図において左から右に向かって増大している。この結果は、上記表3においても報告されている。最大寸法が4mmの排液開口部の場合、(これらの試験条件下での)圧力パルスは639mBarに達し、一方、左から、(これらの試験条件下での)圧力パルスは、排液開口部が0.19mmであるとき、12mBar程度に低いことを見ることができる。およそ0.5mmよりも小さい排液開口部により、100mBar未満のレベルが得られ、およそ0.7mmよりも小さい排液開口部により、200mBar未満のレベルが出られ、およそ1.00mmよりも小さい排液開口部により、350mBar未満のレベルが得られる。
【0164】
図29A及び図29Bは、図32における試験構成に従って実施された試験に対する試験結果を示す。図29Bは、膀胱壁又は尿道組織が排液開口部を通して内側内腔内にどれくらい入るかと、排液開口部のサイズと、測定された圧力パルスとの相関をより大きい尺度で示す。試験の結果から、40mBar未満の圧力レベルにより、膀胱壁又は尿道組織が、間欠的カテーテルの小さい排液開口部を通して内側内腔内に入るリスクが低下し、組織に対する影響のリスクが低下することが理解される。本開示の実施形態では、圧力パルスが40mBar未満であるときに、小さい排液開口部を通して内側内腔内に入る組織がないか又は非常にわずかである、間欠的尿道カテーテルが達成される。排液開口部が0.7mm未満の最大寸法を有する場合、40mBar未満の圧力パルスが得られる。したがって、実施形態は、40mBar未満の圧力パルスを提供するように構成された間欠的尿道カテーテルに関する。関連する実施形態は、最大寸法が0.7mm未満である排液開口部を有する間欠的尿道カテーテルである。
【0165】
図30及び図31は、図33及び図34における試験構成に従って実施された試験に対する試験結果を示す。図30の結果は、図33に示すように男性用カテーテルを試験した場合であり、図31の結果は、図34に示すように女性用カテーテルを試験した結果である。その差は、男性用カテーテルの場合、排液開口部のレベルとカテーテルの出口との高さの差が25cmであり、一方、女性用カテーテルの場合、高さの差が6cmである、ということである。
【0166】
図30及び図31では、最大寸法が1mm以下である排液開口部を試験した結果を示す。曲線は、男性用カテーテルの場合、1mm未満の排液開口部が使用される場合に、350mBar未満となることを示す。女性用カテーテルの場合、圧力パルスは300mBar未満となる。0.8mmの排液開口部が使用される場合、男性用の場合の圧力パルスは約260mbarとなり、女性用の場合は約210mBarとなる。0.4mmの排液開口部が使用される場合、男性用カテーテルの圧力パルスは約90mBarとなり、女性用カテーテルの圧力パルスは約75mBarとなる。
【0167】
実施形態
以下、間欠的親水性尿道カテーテル、こうしたカテーテルの使用方法及び製造方法の実施形態の非限定的な例を述べる。
【0168】
1.体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで長手方向に延在する排液導管を画定する、間欠的親水性尿道カテーテルであって、チューブを備え、チューブが、基材材料から作製されるとともに、排液導管の方に向いた内面と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを画定する、管状壁を有し、外面の少なくとも挿入可能部が、膨潤媒体と接触することにより非膨潤状態から膨潤状態に変化するように構成された親水性材料の層によって覆われており、親水性材料が、外面上にあるコーティング厚さでカテーテルの親水性表面を画定し、カテーテルが複数の排液開口部を備え、各排液開口部が、内面における出口開口部と外面における入口開口部との間に延在する排液開口部壁によって画定され、排液開口部壁が、親水性材料によって覆われていない、カテーテル。
【0169】
2.排液開口部が、親水性材料及び基材材料のレーザアブレーションによって作製され、それにより、排液開口部壁が親水性材料によって覆われないことが確実になる、実施形態1に記載のカテーテル。
【0170】
3.排液開口部壁が、内面と外面との間の距離に対応する高さを有する、実施形態1又は2に記載のカテーテル。
【0171】
4.外面が、近位挿入端部から遠位出口端部まで連続的に延在している、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0172】
5.コーティング厚さが、外面における各入口開口部に向かって低減している、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0173】
6.チューブの管状壁が均一な壁厚さを有する、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0174】
7.チューブが均一な外面を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0175】
8.外面における入口開口部を取り囲むとともに、親水性材料が非膨潤状態にあるときに親水性表面よりも上方に延在する、突起を備える、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0176】
9.親水性材料が、膨潤状態にあるとき突起よりも上方に延在する、実施形態8に記載のカテーテル。
【0177】
10.排液開口部が、0.4mm未満の断面積を有する、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0178】
11.近位挿入端部が閉鎖チップを形成している、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0179】
12.チップの遠位側の非排液部と非排液部の遠位側の排液部とを画定し、排液部に複数の排液開口部が設けられている、実施形態11に記載のカテーテル。
【0180】
13.排液開口部の断面積の和が、排液導管の断面積よりも大きい、先行する実施形態のいずれかに記載のカテーテル。
【0181】
14.親水性尿道カテーテルを製造する方法であって、排液導管の方に向いた内面と排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを有する管状形状を画定する、基材材料から作製されたチューブを提供するステップと、親水性表面を画定するように外面を親水性材料でコーティングするステップと、親水性材料及び基材材料のレーザアブレーションにより外面から内面まで複数の排液開口部を設け、内面と外面との間に延在する排液開口部壁がコーティングされない、ステップとを含む、方法。
【0182】
15.チューブが、ダイを通して基材材料を押し出すことによって準備される、実施形態13に記載の方法。
【0183】
16.実施形態1~12のいずれかに記載の間欠的尿道カテーテルを使用することにより、排液開口部の閉塞の結果としての膀胱内の排液開口部における局所吸引ピーク圧を低下させる方法。
【0184】
17.体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで中心軸に沿って延在する排液導管を画定する、間欠的尿道カテーテルであって、複数の排液開口部を備え、各排液開口部が、排液導管への内部開口部から外面における外部開口部まで対応する中心線に沿って延在し、少なくとも2つの排液開口部が、排液導管の外部の交差点において交差する中心線を有する、カテーテル。
【0185】
18.排液開口部の中心線が、交差点において交差する、実施形態17に記載のカテーテル。
【0186】
19.排液開口部の第1群と排液開口部の第2群とを備え、排液開口部の第1群の中心線が平行であり、第2群開口部の中心線が平行であり、排液開口部の第1群の各中心線が、交差点において排液開口部の第2群の少なくとも1つの中心線と交差する、実施形態17に記載のカテーテル。
【0187】
20.交差する中心線が、交差点から1~4度の角度で延在する、実施形態17~19のいずれかに記載のカテーテル。
【0188】
21.交差点が、外面から中心軸までの距離の少なくとも10倍に対応する、外面からの距離にある、実施形態17~20のいずれかに記載のカテーテル。
【0189】
22.外部開口部の第1群が非円形であり、外部開口部の第2群が円形である、実施形態17~21のいずれかに記載のカテーテル。
【0190】
23.外部開口部の第1群の開口部が、中心軸に対して平行である直線状の第1外部線に沿って延在している、実施形態22に記載のカテーテル。
【0191】
24.外部開口部の第2群の開口部が、中心軸に対して平行である直線状の第2外部線に沿って延在している、実施形態22又は23に記載のカテーテル。
【0192】
25.排液開口部が、0.4mm未満の断面積を有する、実施形態17~24のいずれかに記載のカテーテル。
【0193】
26.近位挿入端部が閉鎖チップを形成している、実施形態17~25のいずれかに記載のカテーテル。
【0194】
27.チップの遠位側の非排液部と非排液部の遠位側の排液部とを画定し、排液部に複数の排液開口部が設けられている、実施形態26に記載のカテーテル。
【0195】
28.排液開口部の断面積の和が、排液導管の断面積よりも大きい、実施形態17~27のいずれかに記載のカテーテル。
【0196】
29.間欠的尿道カテーテルを製造する方法であって、基材材料から作製されるとともに、内部排液導管の方に向いた内面と内部排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを有する管状形状を画定する、チューブを提供するステップと、基材材料のレーザアブレーションにより、内面における内部開口部と外面における外部開口部との間に延在する複数の排液開口部を設けるステップとを含み、レーザアブレーションが、排液開口部の第1群に第1放射角が提供され、排液開口部の第2群に第2放射角が提供されるような放射角で、排液導管の外部の発光体点から放射されるレーザ光で実施される、方法。
【0197】
30.排液開口部が、排液開口部の第1群からの1つの排液開口部と排液開口部の第2群からの1つの排液開口部との対で設けられ、発光体点が、排液開口部の各対の間でチューブに対して移動する、実施形態29に記載の方法。
【0198】
31.排液開口部を設けるとき、発光体点から外面までの距離が一定に維持される、形態29又は30に記載の方法。
【0199】
32.排液開口部が、排液導管内の圧力が排液導管の外部の圧力に対して変化する間に、アブレーションによって設けられる、実施形態29~31のいずれかに記載の方法。
【0200】
33.外面が、排液開口部を設ける前に親水性材料によってコーティングされる、実施形態29~32のいずれかに記載の方法。
【0201】
34.実施形態17~28のいずれかに記載の間欠的尿道カテーテルを使用することにより、排液開口部の閉塞の結果としての膀胱内の排液開口部における局所吸引ピーク圧を低下させる方法。
【0202】
35.体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで中心軸に沿って延在する排液導管を画定する、間欠的尿道カテーテルであって、複数の排液導管を備え、各排液導管が、排液導管の方に向いた内面から排液導管から離れる方向に面する外面まで対応する中心線に沿って延在し、排液開口部が、対で形成され、排液開口部の1つの対がともに同じ中心線を有する第1排液開口部と第2排液開口部とを含む、カテーテル。
【0203】
36.第1排液開口部及び第2排液開口部が、中心軸の両側にある、実施形態35に記載のカテーテル。
【0204】
37.各排液開口部が、排液導管の方に向いた内面から排液導管から離れる方向に面する外面まで延在する壁によって画定され、第1排液開口部の壁が、外面から内面への方向において先細りになり、第2排液開口部の壁が、外面から内面への方向において末広がりになっている、実施形態35又は36に記載のカテーテル。
【0205】
38.第1排液開口部及び第2排液開口部が異なる寸法を有する、実施形態35~37のいずれかに記載のカテーテル。
【0206】
39.排液開口部が、0.4mm未満の断面積を有する、実施形態35~38のいずれかに記載のカテーテル。
【0207】
40.近位挿入端部が閉鎖チップを形成している、実施形態35~39のいずれかに記載のカテーテル。
【0208】
41.チップの遠位側の非排液部と非排液部の遠位側の排液部とを画定し、排液部に複数の排液開口部が設けられている、実施形態40に記載のカテーテル。
【0209】
42.排液開口部の断面積の和が、排液導管の断面積よりも大きい、実施形態35~41のいずれかに記載のカテーテル。
【0210】
43.間欠的尿道カテーテルを製造する方法であって、基材材料から作製されるとともに、体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで中心軸に沿って延在する排液導管を画定する、チューブを提供するステップと、排液導管の方に向いた内面における内部開口部と排液導管から離れる方向に面する外面における外部開口部との間に延在する複数の排液開口部を設けるステップとを含み、排液開口部が、基材材料のレーザアブレーションによって作製され、レーザアブレーションが、中心軸の両側における共通の中心線に沿った基材材料の同時アブレーションによって設けられる、第1排液開口部と第2排液開口部とを含む排液開口部の対を形成するように実施される、方法。
【0211】
44.レーザ光が、排液導管の外部の発光体点から内部排液導管を通して放射される、実施形態43に記載の方法。
【0212】
45.レーザ光が、少なくとも2つの後続パルスで放射される、実施形態43又は44に記載の方法。
【0213】
46.孔径が、第1排液開口部及び第2排液開口部のうちの少なくとも一方に対して決定され、レーザアブレーションが、孔径によって決まるショット数で実施される、実施形態43~45のいずれかに記載の方法。
【0214】
47.実施形態35~42のいずれかに記載の間欠的尿道カテーテルを使用することにより、排液開口部の閉塞の結果としての膀胱内の排液開口部における局所吸引ピーク圧を低下させる方法。
本開示は更に以下の態様を含んでいる:
《態様1》
尿道内に挿入されるように構成された近位挿入端部から排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで長手方向に延在する排液導管を画定する、間欠的親水性尿道カテーテルであって、管状部分を備え、前記管状部分が、基材材料から作製されるとともに、前記排液導管の方に向いた内面と前記排液導管から離れる方向に面する反対側の外面とを画定する管状壁を有し、前記外面の少なくとも挿入可能部は、膨潤媒体と接触することにより非膨潤状態から膨潤状態に変化するように構成された親水性材料の層によって覆われており、前記親水性材料は、前記外面におけるコーティング厚さで親水性表面を画定し、前記カテーテルが、前記内面における出口開口部と前記外面における入口開口部との間に延在する複数の排液開口部を備え、前記外面は、前記外面における前記開口部を取り囲むとともに、前記親水性材料が前記非膨潤状態にあるときに前記親水性材料よりも上方に延在する、突起を形成している、間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様2》
前記親水性材料が、前記膨潤状態にあるとき、前記突起よりも上方に延在する、態様1に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様3》
前記コーティング厚さが、前記非膨潤状態で15~20μmの範囲にある、態様1又は2に記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様4》
前記コーティング厚さが、前記膨潤状態で25~30μmの範囲にある、態様1~3のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様5》
前記コーティング厚さが、各排液開口部に向かって低減している、態様1~4のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様6》
前記排液開口部が0.4mm未満の断面積を有する、態様1~5のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様7》
前記近位挿入端部が閉鎖チップを形成している、態様1~6のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様8》
前記チップの遠位側の非排液部分と前記非排液部分の遠位側の排液部分とを画定し、前記排液部分に前記複数の排液開口部が設けられている、態様1~7のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様9》
前記排液開口部の断面積の和が、前記排液導管の断面積よりも大きい、態様1~8のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様10》
排液開口部の数が20よりも多い、態様1~9のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様11》
前記カテーテルがCH10であり、各排液開口部が、前記管状部分の凸状外面においておよそ0.4mmの最大寸法を有し、排液開口部の数が32よりも多い、態様1~10のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様12》
前記カテーテルがCH12であり、各排液開口部が、前記管状部分の凸状外面においておよそ0.7mmの最大寸法を有し、排液開口部の数が15よりも多い、態様1~11のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様13》
前記排液開口部の各々が前記カテーテルの長手方向に対して横切って延在している、態様1~12のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様14》
前記排液部分が、長手方向におよそ4cmである、態様1~13のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様15》
前記排液部分が、長手方向におよそ10cmである、態様1~14のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様16》
前記排液部分が、長手方向におよそ15cmである、態様1~15のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様17》
前記排液部分が、長手方向におよそ2cmである、態様1~16のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様18》
各排液開口部が、前記内面における前記出口開口部と前記外面における前記入口開口部との間に延在する排液開口部壁を備え、前記排液開口部壁が前記親水性材料で覆われていない、態様1~17のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様19》
少なくとも2つの排液開口部が、前記排液導管の外部の交差点において交差する中心線を有する、態様1~18のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様20》
前記排液開口部が、対で形成され、排液開口部の1つの対がともに同じ中心線を有する第1排液開口部と第2排液開口部とを含む、態様1~19のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様21》
前記排液開口部の前記対が、前記長手方向軸に対して斜角で位置している、態様1~20のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様22》
前記排液開口部の前記対が、長手方向軸に対して85~87度の角度等、80~87度の角度で位置している、態様1~21のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
《態様23》
各排液開口部が、前記排液導管の方に向いた内面における内部開口部から前記排液導管から離れる方向に面する外面における外部開口部まで延在する壁によって画定され、前記排液開口部が、前記第1排液開口部の壁が、前記外部開口部から前記内部開口部への方向において先細りになり、前記第2排液開口部の壁が、前記外部開口部から前記内部開口部への方向において末広がりになるような形状である、態様1~22のいずれか一つに記載の間欠的親水性尿道カテーテル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29A
図29B
図30
図31
図32
図33
図34
図35
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から、排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで、中心軸に沿って延在する排液導管を画定する、間欠的尿道カテーテルであって、
複数の排液開口部を備え、前記排液開口部それぞれが、排液導管の方に向いた内面から排液導管から離れる方向に面する外面まで対応する中心線に沿って延在し、
前記排液開口部が、対で形成され、前記排液開口部の1つの前記対がともに同じ中心線を有する第1排液開口部と第2排液開口部とを含む、カテーテル。
【請求項2】
前記第1排液開口部が、前記中心軸の一方にあり、前記第2の排液開口部が前記中心軸の反対側にある、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記排液開口部の前記対が、長手方向軸に対して80度~87度の角度、例えば85度~87度の角度で位置している、請求項1又は2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記排液開口部それぞれが、前記排液導管の方に向いた内面から前記排液導管から離れる方向に面する外面まで延在する壁によって画定され、前記第1排液開口部の前記壁が、外面から内面への方向において先細りになり、前記第2排液開口部の前記壁が、外面から内面への方向において末広がりになっている、請求項1又は2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第1排液開口部及び前記第2排液開口部が異なる寸法を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記排液開口部が、0.4mm 未満の断面積を有する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記近位挿入端部が閉鎖チップを形成している、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記閉鎖チップがネラトンチップである、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記閉鎖チップがフレックスチップである、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記閉鎖チップの遠位側の非排液部と、前記非排液部の遠位側の排液部とを画定し、前記排液部に複数の前記排液開口部が設けられている、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記排液開口部の断面積の和が、前記排液導管の断面積よりも大きい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記排液開口部は、円周にわたって間が90度である4つの長手方向列に位置決めされている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
間欠的親水性尿道カテーテルを製造する方法であって、
基材材料から作製されるとともに、体腔内に挿入されるように構成された近位挿入端部から、排液導管から尿を排出するように構成された遠位出口端部まで、中心軸に沿って延在する排液導管を画定する、チューブを提供すること、及び
前記排液導管の方に向いた内面における内部開口部と前記排液導管から離れる方向に面する外面における外部開口部との間に延在する複数の排液開口部を設けること、
を含み、
前記排液開口部が、前記基材材料のレーザアブレーションによって作製され、前記レーザアブレーションが、前記中心軸の両側における共通の中心線に沿った前記基材材料の同時アブレーションによって設けられる、第1排液開口部と第2排液開口部とを含む前記排液開口部の対を形成するように実施される、
方法。
【請求項14】
前記チューブが、ダイを通して前記基材材料を押し出すことによって提供される、請求項13に記載の方法。