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特開2024-102288ビデオ画像処理方法、装置、および記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102288
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ビデオ画像処理方法、装置、および記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/13 20140101AFI20240723BHJP
   H04N 19/159 20140101ALI20240723BHJP
   H04N 19/91 20140101ALI20240723BHJP
【FI】
H04N19/13
H04N19/159
H04N19/91
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024076754
(22)【出願日】2024-05-09
(62)【分割の表示】P 2021576141の分割
【原出願日】2019-07-09
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/092869
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】6F,HKUST SZ IER Bldg.NO.9 Yuexing 1st Rd.Hi-Tech Park(South),Nanshan District Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】マ スウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジャチ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン シャオジェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シャンシェ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】符号化/復号化の効率を高めるビデオ画像処理方法、装置および記憶媒体を提供する。
【解決手段】ビデオ画像処理方法は、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、符号化/復号化すべき画像について、第1のモード、第2のモードおよび第3のモードを少なくとも含むクロスコンポーネント線形モデルCCLMを使用する。第1のビットは、第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、第2のビットは、第1のビットが第1のモードを採用しないことを指示しているときに、第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、第3のビットは、第2のビットが第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときに、第2のモードまたは第3のモードであると指示するために用いられる。方法はまた、互いに独立した確率モデルを採用して第2のビットと第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであり、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第2のビットは、前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときには、第3のビットは、前記画像ブロックが採用するのは前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードであると指示するために用いられるか、
または、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することを含むビデオ画像処理方法。
【請求項2】
前記第3のビットは、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用しないことを指示しているときには、前記通常イントラ彩度予測モードのうち1種を採用することを指示するためにさらに用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、
前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第2のビットと前記第3のビットとについては、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のビットの値が第1の値を満たしている場合には、前記第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用することを指示するために用いられる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のビットが前記CCLMの第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第1の値を満たしている場合には、前記第2のビットは、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の値が0である請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のビットが、前記第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第2のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第1の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第2のモードを採用することを指示するために用いられる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第3のモードを採用することを指示するために用いられる請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の値が1である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2のビットが、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられるときには、前記第2のビットに隣接する後2つのビットは、前記通常イントラ彩度予測モードのナンバリングを指示するために用いられる請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、
前記画像ブロックの前記第3のビットについてはbypassモードを採用して符号化/復号化を行うことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、
前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットについてはbypassモードを採用して符号化/復号化を行うことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、
前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、
前記画像ブロックの前記第3のビットにbypassモードを採用し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、
前記第3のビットについて、第2のビットと同じコンテキストを採用して符号化/復号化を行うか、または、
前記第2のビットと前記第3のビットとについて、異なるコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化を行うか、または、
前記第2のビットと前記第3のビットとについて、bypass確率モデルをいずれも採用して符号化/復号化を行ってもよいか、または、
前記第2のビットと前記第3のビットとのうち一方についてbypass確率モデルを採用して符号化/復号化し、他方についてはコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化するか、
または、互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のモードはLT_CCLMモードを含み、
前記第2のモードはL_CCLMモードを含み、
前記第3のモードはT_CCLMモードを含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記符号化/復号化すべき画像中の画像ブロックが、方形と矩形との少なくとも1つを呈する請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、
前記第2のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットであり、
前記第3のビットは前記ビット列のうち4番目の位置のビットである請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記通常イントラ彩度予測モードが、Planarモード、DCモード、65の角度モードのうちいずれか1種または複数種を含む請求項1に記載の方法。
【請求項24】
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであり、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化することを含むビデオ画像処理方法。
【請求項25】
前記第1のビットが、前記CCLMを採用しないことを指示しているときには、前記第2のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の1つのモードを採用するか否か指示するために用いられる請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のビットが、前記CCLMを採用しないことを指示しているときには、前記第2のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用するか否か指示するために用いられる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ビット列は第4のビットをさらに含み、
第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用することを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードか第3のモードを具体的に採用することを指示するために用いられ、第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モードの第2のモードあるいは第3のモードを採用しないことを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モードの第4のモードか第5のモードを採用することを指示するために用いられる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、
前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第1のビットと前記第2のビットとについて、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、
同じコンテキスト確率モデルを採用して前記第1のビットと前記第2のビットとを符号化/復号化するか、または、
異なるコンテキスト確率モデルをそれぞれ採用して前記第1のビットと前記第2のビットとを符号化/復号化するか、または、
bypass確率モデルをいずれも採用して前記第1のビットと前記第2のビットとを符号化/復号化するか、または、
前記第1のビットと前記第2のビットとのうち一方に対してbypass確率モデルを採用して符号化/復号化し、他方についてはコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化することを含む請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記方法が、
前記画像ブロックの前記第3のビットに対してbypassモードを採用して符号化/復号化を行うことをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記方法が、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するか、または、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化することをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のモードはLT_CCLMモードを含み、
前記第2のモードはL_CCLMモードを含み、
前記第3のモードはT_CCLMモードを含む請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである請求項24に記載の方法。
【請求項35】
前記符号化/復号化すべき画像中の画像ブロックが、方形と矩形との少なくとも1つを呈する請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のビットは前記ビット列のうち1番目の位置のビットであり、
前記第2のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、
前記第3のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットである請求項24に記載の方法。
【請求項37】
前記通常イントラ彩度予測モードが、Planarモード、DCモード、65の角度モードのうちいずれか1種または複数種を含む請求項24に記載の方法。
【請求項38】
メモリとプロセッサとを備え、
前記メモリは、プログラム指令を記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記プログラム指令を呼び出すために用いられ、前記プログラム指令が実行されるときには、
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードである操作を実行するために用いられ、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第2のビットは、前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときには、第3のビットは、前記画像ブロックが採用するのは前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードであると指示するために用いられるか、
または、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するビデオ画像処理装置。
【請求項39】
前記第3のビットは、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用しないことを指示しているときには、前記通常イントラ彩度予測モードのうち1種を採用することを指示するためにさらに用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、
前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第2のビットと前記第3のビットとについては、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う請求項38に記載の装置。
【請求項42】
前記第1のビットの値が第1の値を満たしている場合には、前記第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用することを指示するために用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項43】
前記第1のビットが前記CCLMの第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第1の値を満たしている場合には、前記第2のビットは、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられる請求項42に記載の装置。
【請求項44】
前記第1の値が0である請求項43に記載の装置。
【請求項45】
前記第1のビットが、前記第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第2のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる請求項42に記載の装置。
【請求項46】
前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第1の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第2のモードを採用することを指示するために用いられる請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第3のモードを採用することを指示するために用いられる請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記第2の値が1である請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記第2のビットが、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられるときには、前記第2のビットに隣接する後2つのビットは、前記通常イントラ彩度予測モードのナンバリングを指示するために用いられる請求項43に記載の装置。
【請求項50】
前記プロセッサが、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットについて、bypassモードを採用して符号化/復号化を行うために用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項51】
前記プロセッサが、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットについて、bypassモードを採用して符号化/復号化を行うために用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項52】
前記プロセッサが、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うために用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項53】
前記プロセッサが、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットにbypassモードを採用し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うために用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項54】
前記プロセッサが、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記第3のビットについて、第2のビットと同じコンテキストを採用して符号化/復号化を行うか、または、
前記第2のビットと前記第3のビットとについて、異なるコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化を行うか、または、
前記第2のビットと前記第3のビットとについて、bypass確率モデルをいずれも採用して符号化/復号化を行ってもよいか、または、
前記第2のビットと前記第3のビットとのうち一方についてbypass確率モデルを採用して符号化/復号化し、他方についてはコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化するために用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項55】
前記プロセッサは、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化するか、または、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化するためにさらに用いられる請求項38に記載の装置。
【請求項56】
前記第1のモードはLT_CCLMモードを含み、
前記第2のモードはL_CCLMモードを含み、
前記第3のモードはT_CCLMモードを含む請求項38に記載の装置。
【請求項57】
前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである請求項38に記載の装置。
【請求項58】
前記符号化/復号化すべき画像中の画像ブロックが、方形と矩形との少なくとも1つを呈する請求項38に記載の装置。
【請求項59】
前記第1のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、
前記第2のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットであり、
前記第3のビットは前記ビット列のうち4番目の位置のビットである請求項38に記載の装置。
【請求項60】
前記通常イントラ彩度予測モードが、Planarモード、DCモード、65の角度モードのうちいずれか1種または複数種を含む請求項38に記載の装置。
【請求項61】
メモリとプロセッサとを備え、
前記メモリは、プログラム指令を記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記プログラム指令を呼び出すために用いられ、前記プログラム指令が実行されるときには、
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードである操作を実行するために用いられ、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化するビデオ画像処理装置。
【請求項62】
前記第1のビットが、前記CCLMを採用しないことを指示しているときには、前記第2のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の1つのモードを採用するか否か指示するために用いられる請求項61に記載の装置。
【請求項63】
前記第1のビットが、前記CCLMを採用しないことを指示しているときには、前記第2のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用するか否か指示するために用いられる請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記ビット列は第4のビットをさらに含み、
第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用することを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードか第3のモードを具体的に採用することを指示するために用いられ、第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モードの第2のモードあるいは第3のモードを採用しないことを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モードの第4のモードか第5のモードを採用することを指示するために用いられる請求項63に記載の装置。
【請求項65】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる請求項61に記載の装置。
【請求項66】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、
前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第1のビットと前記第2のビットとについて、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う請求項61に記載の装置。
【請求項67】
前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、
同じコンテキスト確率モデルを採用して前記第1のビットと前記第2のビットとを符号化/復号化するか、または、
異なるコンテキスト確率モデルをそれぞれ採用して前記第1のビットと前記第2のビットとを符号化/復号化するか、または、
bypass確率モデルをいずれも採用して前記第1のビットと前記第2のビットとを符号化/復号化するか、または、
前記第1のビットと前記第2のビットとのうち一方に対してbypass確率モデルを採用して符号化/復号化し、他方についてはコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化することを含む請求項61に記載の装置。
【請求項68】
前記プロセッサは、
前記画像ブロックの前記第3のビットに対してbypassモードを採用して符号化/復号化を行うためにさらに用いられる請求項61に記載の装置。
【請求項69】
前記プロセッサは、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化する、
または、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化するためにさらに用いられる請求項61に記載の装置。
【請求項70】
前記第1のモードはLT_CCLMモードを含み、
前記第2のモードはL_CCLMモードを含み、
前記第3のモードはT_CCLMモードを含む請求項61に記載の装置。
【請求項71】
前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである請求項61に記載の装置。
【請求項72】
前記符号化/復号化すべき画像中の画像ブロックが、方形と矩形との少なくとも1つを呈する請求項61に記載の装置。
【請求項73】
前記第1のビットは前記ビット列のうち1番目の位置のビットであり、
前記第2のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、
前記第3のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットである請求項61に記載の装置。
【請求項74】
前記通常イントラ彩度予測モードが、Planarモード、DCモード、65の角度モードのうちいずれか1種または複数種を含む請求項61に記載の装置。
【請求項75】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されるときに、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビデオ符号化/復号化の分野に関し、特に、ビデオ画像処理方法、装置、および記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、多用途ビデオ符号化(Versatile Video Coding)において、クロスコンポーネント線形モデル(Cross Component Linear Mode,CCLM)を含む複数種の予測モードが彩度予測に使用されていることで、彩度成分予測の精度を高めている。CCLM予測モードを使用して画像ブロックの彩度予測モードの番号を解析する際には、異なる位置のビット解析時に依存関係が存在している。例えば、画像ブロックの4番目の位置のビットの符号化/復号化方式は、3番目の位置のビットの値を参照しなければならない。このような方式を採用すれば、符号化/復号化の複雑さが高まり、符号化/復号化の効率が低下する。従って、どのようにして符号化/復号化の効率をより良く向上させるかが研究の重点となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の実施例は、ビデオ画像処理方法、装置、および記憶媒体を提供し、並列符号化/復号化を実現し、符号化/復号化過程の複雑さを低減し、符号化/復号化時間を節約し、符号化/復号化の効率を高めている。
【0004】
第1の態様において、本発明の実施例は、
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであり、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第2のビットは、前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときには、第3のビットは、前記画像ブロックが採用するのは前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードであると指示するために用いられるか、
または、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することを含むビデオ画像処理方法を提供している。
【0005】
第2の態様において、本発明の実施例は、
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであり、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化することを含むビデオ画像処理方法を提供している。
【0006】
第3の態様において、本発明の実施例は、
メモリとプロセッサとを備え、
前記メモリは、プログラム指令を記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記プログラム指令を呼び出すために用いられ、前記プログラム指令が実行されるときには、
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードである操作を実行するために用いられ、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第2のビットは、前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときには、第3のビットは、前記画像ブロックが採用するのは前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードであると指示するために用いられるか、
または、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化する、ビデオ画像処理装置を提供している。
【0007】
第4の態様において、本発明の実施例は、
メモリとプロセッサとを備え、
前記メモリは、プログラム指令を記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記プログラム指令を呼び出すために用いられ、前記プログラム指令が実行されるときには、
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードである操作を実行するために用いられ、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化する、ビデオ画像処理装置を提供している。
【0008】
第5の態様において、本発明の実施例は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、このコンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されるときに、上記第1の態様または上記第2の態様に記載のビデオ画像処理方法を実現するコンピュータ可読記憶媒体を提供している。
【0009】
本発明の実施例は、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化することによって、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、互いに独立した確率モデルを採用してそれぞれ前記3つの隣接するビットのうち少なくとも2つの隣接するビット(例えば、第2のビットと第3のビット、また例えば、第1のビットと第2のビット)を符号化/復号化することで、並列符号化/復号化を実現し、符号化/復号化の複雑さを低減し、符号化/復号化の効率を高める。
【0010】
本発明の実施例または従来技術における技術的解決策をより明確に説明するため、以下、実施例において使用する必要のある図面について簡単に説明する。当然ながら、以下の記述中の図面は本発明のいくつかの実施例であるに過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働を行わない前提の下で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1a】本発明の実施例が提供するCCLMの概略図である。
図1b】本発明の実施例が提供する別のCCLMの概略図である。
図2】本発明の実施例が提供するビデオ画像処理方法のフローチャートである。
図3】本発明の実施例が提供するビデオ画像処理装置の構造概略図である。
図4】本発明の実施例が提供する算術符号化プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施例中の図面を参照しながら、本発明の実施例中の技術的解決策について明確かつ十分に記述する。当然ながら、記述される実施例は本発明の一部の実施例であるに過ぎず、すべての実施例ではない。本発明中の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行っていない前提の下で得た他のすべての実施例は、いずれも本発明が保護する範囲に属する。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明のいくつかの実施形態について詳しく説明する。矛盾しない場合には、下記の実施例および実施例中の特徴は互いに組み合わせることができる。
【0014】
本発明の実施例が提供するビデオ画像処理方法はビデオ画像処理装置に応用することができ、前記ビデオ処理装置はスマート端末(携帯電話、タブレットコンピュータ等)に設置することができる。あるいくつかの実施例では、本発明の実施例は航空機(無人機など)に応用することができ、他の実施例では、本発明の実施例は他のモバイルプラットフォーム(無人船、無人自動車、ロボット等)にも応用することができるが、本発明の実施例は具体的な限定は行わない。
【0015】
本発明の実施例が提供するビデオ画像処理方法は、国際ビデオ符号化規格H.264、ビデオ圧縮規格(High Efficiency Video Coding、HEVC)、VVC、および中国ビデオ符号化/復号化標準(Audio Video coding Standard、AVS)、AVS+、AVS2およびAVS3等に適合する符号化/復号化器に主に応用される。本発明の実施例を説明する前に、まず、ビデオ符号化規格中の彩度予測技術について説明する。
【0016】
ビデオ符号化の入力はYUVフォーマットのビデオシーケンスであり、ここで、Yは輝度成分であり、U、Vは彩度成分である。次世代のビデオ符号化規格であるVVCではCCLMモードを導入しており、これにより彩度成分予測の精度を高めている。
【0017】
図1aおよび図1bを参照しながら、CCLMについて例を挙げて説明する。図1aは、本発明の実施例が提供するCCLMの概略図であり、図1bは、本発明の実施例が提供する別のCCLMの概略図である。図1aに示すのは現在彩度ブロックであり、図1bは、図1aの現在彩度ブロックに基づいて得られる彩度予測ブロックである。ビデオシーケンスの異なる成分の間に比較的強い相関性が存在しているため、ビデオシーケンスの異なる成分間の相関性を利用することによって符号化性能を高めることができる。従って、成分間の冗長情報を削減するため、CCLM予測モードにおいては、彩度成分は、同じブロックにおける再構成輝度成分に基づいて予測を行い、下記のような線形モデルを使用する:
【0018】
【数1】
【0019】
式中、preadcは彩度予測ブロックを指し、rec'Lは、同じ位置の輝度符号化ブロックのダウンサンプリング後の輝度成分を指し、パラメータαとβは、下記の式(1)および式(2)に示すように、隣接する再構成輝度と彩度サンプルの間の回帰誤差を最小化することによって導出する:
【0020】
【数2】
【0021】
式中、L(n)は、左方の隣接する一列と上方の隣接する一行がダウンサンプリングされた後の再構成輝度サンプルを表し、C(n)は、現在彩度ブロックの左方および上方の隣接する再構成彩度サンプルを表す。αとβは伝送する必要がなく、復号化器においても同様の方式によって算出される。
【0022】
説明を要するのは、予測は主流のビデオ符号化フレームワークの重要なモジュールであり、イントラ予測は再構成済みの周辺隣接画素を使用し、異なる予測モードによって予測ブロックを得る、という点である。輝度成分と彩度成分に使用される予測モードについては、従来のPlanarモード、DCモード、65の角度モード以外に、彩度予測モードには、新たなCCLMモードも導入している。1フレームの画像に対し、まず、例えば64×64、128×128サイズなど、同じサイズの符号化領域(Coding Tree Unit,CTU)に分ける。個々のCTUはさらに、方形または矩形の符号化ユニット(Coding Unit,CU)に区分することができる。イントラ符号化フレーム・IフレームのCTUにおいて、輝度成分と彩度成分は、異なる区分方式を有することができ、両方向予測内挿符号化フレーム・Bフレームと前方向予測符号化フレーム・Pフレームにおいては、輝度成分と彩度成分は同じ区分方式を有する。画像ブロックの彩度予測モード番号はビットストリーム中に伝送される。
【0023】
現在、主流のビデオ符号化規格におけるイントラ予測技術は主にPlanarモード、DCモードと65の角度モードを含んでいるほか、彩度予測モードは付加的にCCLMモードもさらに含んでいる。CCLMモードは複数種含むことができ、例えば、LT_CCLM、T_CCLM、L_CCLMという3種の予測モードのうち少なくとも1種を含む。彩度予測モードの番号はコードストリーム中に伝送される。符号化の複雑さを低減するため、一例では、CCLMモードがオンであるか否かに応じて、彩度予測モードはそれぞれ5種または8種ある。
【0024】
CCLMモードがオフのときには5種の彩度予測モードがあり、この5種の彩度予測モードの対応関係はそれぞれ下記表1に示す通りである。表1に示すのはCCLMがオフのときの彩度予測モードである。ここで、輝度モードについては、0番はPlanarモードであり、1番はDCモードであり、50番は角度Verticalモードであり、18番は角度Horizonモードである。
【0025】
あるいくつかの実施例では、彩度予測モードの番号については、輝度モードに基づいて、表1を通じて、輝度モードに対応する彩度予測モードの番号を検索することができる。
【0026】
表1を例にして、どのようにして表1を用いて輝度モードを検索するかについて例を挙げて説明する。CCLMモードがオフのときには、輝度モードが0番のPlanarモードであれば、彩度予測モード番号は1番であり、表1により、輝度モード0番が彩度予測モード番号1番に対応する輝度モードは、第3の行、第2の列における50番の角度Verticalモードであると確定することができる。また例えば、CCLMモードがオフのときには、輝度モードが18番の角度Horizonモードであれば、彩度予測モード番号は3番であり、表1により、輝度モード18番が彩度予測モード番号3番に対応する輝度モードは、第5の行、第3の列における1番のDCモードであると確定することができる。
【0027】
【表1】
【0028】
前記ビット列中のビットを符号化/復号化しやすいように、画像ブロックの彩度予測モードを二値化することによってビット列を得る。ここで、ビットは、符号化/復号化ビット(bit)または符号化/復号化二元符号(bin)を表すことができる。
【0029】
CCLMがオフのときに、表1に示す彩度予測モードを二値化する方式は、下記表2に示す通りであり、ここで、4番のモードは彩度DMモードである。
【0030】
【表2】
【0031】
CCLMモードがオフのときには、彩度予測モードが二値化された後、ビット列の1番目の位置のビットを、0番のコンテキストを用いて符号化し、ビット列の2番目の位置および3番目の位置のビットについては、いずれも等確率bypassモードを使用する。このとき、彩度予測モード番号の、異なる位置のビットを符号化することに、依存が存在しない。
【0032】
ここで、コンテキスト(または、コンテキストモデルと称するか、または、コンテキスト確率モデルと称する)とは、コンテキストに基づくアダプティブバイナリ算術符号化/復号化の過程において、最近符号化/復号化されたbinに基づいて、異なるbinの出現確率の状況を更新するモデルを指す。
【0033】
CCLMモードがオンのときには8種の彩度予測モードがある。一例では、この8種の彩度予測モードは、下記表3にそれぞれ対応する。ここで、4、5、6番の彩度予測モードはLT_CCLM、L_CCLM、T_CCLMモードにそれぞれ対応し、7番はDMモードであり、0、1、2、3番は他のモードまたは通常イントラ彩度予測モードである。
【0034】
【表3】
【0035】
表3を例にして、どのようにして表3を用いて輝度モードを検索するかについて例を挙げて説明する。CCLMモードがオンのときには、輝度モードが0番のPlanarモードであれば、彩度予測モード番号は5番のL_CCLMモードであり、表3により、輝度モード0番が彩度予測モード番号の5番に対応する輝度モードは、第7の行、第2の列における82番のモードであると確定することができる。また例えば、CCLMモードがオンのときには、輝度モードが18番の角度Horizonモードであれば、彩度予測モード番号は7番のDMモードであり、すると、表3により、輝度モード18番が彩度予測モード番号の8番に対応する輝度モードは、第9の行、第4の列における18番の角度Horizonモードであると確定することができる。
【0036】
CCLMがオンのときに、表3に示す彩度予測モードを二値化する方式は、下記表4に示す通りである。
【0037】
【表4】
【0038】
コードストリームの中で伝送するときには、CCLMモードがオンであるか否かに応じて、彩度予測モードの番号は、異なる値域を有し、二値化されたビット列は符号化を経た後、コードストリームの中で伝送される。
【0039】
表4に示す通り、前記ビット列中の1番目の位置のビットは、DMモードまたは他のモードを使用するか否かを表すために用いられ、前記DMモード以外の他のモードは、CCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードを含むが、これらのみに限定されない。例えば、彩度予測モード番号7の二値化されたビット列が0であり、1番目の位置のビットが0であれば、DMモードを採用すると確定し、また例えば、彩度予測モード番号4の二値化されたビット列が10であり、1番目の位置のビットが1であれば、DMモード以外の他のモードを採用すると確定する。
【0040】
2番目の位置のビットは、LT_CCLMモードを使用するか否かを表すために用いられ、例えば、彩度予測モード番号4の二値化されたビット列が10であり、2番目の位置のビットが0であれば、LT_CCLMモードを採用すると確定する。
【0041】
3番目の位置のビットは、2番目の位置のビットがLT_CCLMモードを採用しないと指示しているときに、LT_CCLMモード以外の他のモードを採用すると指示するために用いられ、例えば、彩度予測モード番号5、6、0、1、2、3の二値化されたビット列の3番目の位置のビットは、LT_CCLMモード以外の他のモードを採用すると指示するために用いられる。4番目の位置のビットは、3番目の位置のビットが1である場合にL_CCLMモードまたはT_CCLMモードを採用すると指示するために用いられ、彩度予測モード番号5の二値化されたビット列が1110であり、4番目の位置のビットが0であれば、L_CCLMモードを採用すると確定することができ、彩度予測モード番号6の二値化されたビット列が1111であり、4番目の位置のビットが1であれば、T_CCLMモードを採用すると確定することができる。
【0042】
3番目の位置のビットが0である場合には、4番目の位置のビットおよび5番目の位置のビットが、採用する彩度予測モードの番号を指示するために用いられる。例えば、彩度予測モード番号0の二値化されたビット列は11000であり、彩度予測モード番号1の二値化されたビット列は11001であり、彩度予測モード番号2の二値化されたビット列は11010であり、彩度予測モード番号3の二値化されたビット列は11011である。
【0043】
あるいくつかの実施例では、前記ビット列は1つのビットのビット列であってよい。表4を例にすると、彩度予測モード番号7の二値化された対応するビット列が0であれば、彩度予測モード番号7がDMモードを採用すると確定することができる。
【0044】
いくつかの実施例では、前記ビット列は2つの隣接するビットを含んでいてよい。表4を例にすると、ビデオ画像処理装置が、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モード番号4を二値化して得られるビット列が10であるとすれば、1番目の位置のビットが1であれば、画像ブロックの彩度予測モードでDMモードを使用しておらず、すなわち、DMモード以外の他のモードを使用していると確定することができ、CCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードを使用している可能性がある。2番目の位置のビットが0であれば、画像ブロックの彩度予測モードでCCLMモード中のLT_CCLMモードを使用していると確定することができる。
【0045】
CCLMモードがオンのときには、彩度予測モードは5種から8種まで増加する。このとき、ビット列の1番目の位置のビット、2番目の位置のビット、および3番目の位置のビットについてはそれぞれ0番、1番、2番のコンテキストを使用して符号化を行う。4番目の位置のビットを符号化するときには、3番目の位置のビットの取る値に基づいて符号化の方式を確定しなければならない。3番目の位置のビットの値が0に等しいとき、4番目の位置のビット、bypassを用いて5番目の位置のビットを符号化し、3番目の位置のビットの値が1に等しいとき、2番のコンテキストを用いて4番目の位置のビットを符号化する。このとき、復号化過程で3番目の位置のビットの値を判断しなければ、4番目の位置のビットをさらに復号化することはできない。
【0046】
あるいくつかの実施例では、彩度予測モード番号の符号化過程は下記表5に示す通りである:
【0047】
【表5】
【0048】
ここで、naは、空の符号化モデルを指示するために用いられ、bypassは、対応する後文中のバイパス符号化モードを指示するために用いられる。
【0049】
上記表5に示すように、前記ビットIdxは0、1、2、3、4を含む。ここで、0は1番目の位置のビットを指示するために用いられ、2は2番目の位置のビット、すなわち第1のビットを指示するために用いられ、2は3番目の位置のビット、すなわち第2のビットを指示するために用いられ、3は4番目の位置のビット、すなわち第3のビットを指示するために用いられ、4は4番目の位置のビット、すなわち第3のビットを指示するために用いられる。
【0050】
上記表5に示す、符号化彩度予測モード番号の実現技術の細部によって、CCLMモードがオンのときには、4番目の位置のビットの解析過程は3番目の位置のビットの値に依存しなければならないことが分かる。3番目の位置のビットの値が0に等しければ、4番目の位置のビットの符号化についてはbypassを用いて符号化し、3番目の位置のビットの値が1に等しければ、4番目の位置のビットの符号化方式は、コンテキストに基づくバイナリ算術符号化を用いる。従って、4番目の位置のビットの取る値が3番目の位置のビットの取る値に依存することにより、4番目の位置のビットと3番目の位置のビットとの間に結合が存在するに至ると確定することができる。このような実施形態は比較的煩雑であり、符号化/復号化の効率が比較的低い。
【0051】
従って、本発明の実施例は、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであることを提案する。
【0052】
いくつかの実施例では、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、第2のビットは、前記第1のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときに、前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、第3のビットは、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときに、前記画像ブロックが前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用するか否か指示するために用いられる。互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化する。さらには、互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化する。
【0053】
1つの実施例では、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる。互いに独立した確率モデルを採用して、第1のビットと第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化する。さらには、互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化する。
【0054】
ここで、互いに独立した確率モデルを採用して符号化および復号化を行うことは、1つのビットを符号化および復号化する際に採用する確率モデルを指すことが可能であり、他のビット(例えば隣接するビット)の取る値の影響を受けることはなく、つまり、他のビットの取る値が変化するにつれて変わることはない。
【0055】
ここで、前記3つの隣接するビットは、同一の構文要素に位置していてよい(例えば、いずれもイントラ彩度予測モードに位置する)。
【0056】
本発明の実施例は、このような実施形態によって、複数種の彩度予測モードを保持して性能の向上をもたらすと同時に、ハードウェア解析時の複雑さを効果的に低減することができる。本発明内で提供した、彩度モード符号化/復号化方式に対する改良方法については、符号化性能の顕著な損失なくハードウェア解析の並列度を高めることができ、異なる位置のビットの符号化/復号化依存を除去しており、個々のビットの符号化/復号化時の複雑さを簡略化しており、符号化/復号化の効率を高めている。
【0057】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例が提供するビデオ画像処理方法について概略的な説明を行う。
【0058】
具体的に図2を参照すると、図2は、本発明の実施例が提供するビデオ画像処理方法のフローチャートである。前記方法はビデオ画像処理装置に応用することができる。ここで、前記ビデオ画像処理装置の説明については前述の通りであり、無用な記述はここで繰り返さない。具体的には、本発明の実施例の前記方法は以下のようなステップを含む。
【0059】
S201:符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードである。
【0060】
本発明の実施例では、ビデオ画像処理装置は、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得ることができ、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードである。
【0061】
いくつかの実施例では、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第2のビットは、前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときには、第3のビットは、前記画像ブロックが採用するのは前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードであると指示するために用いられる。
【0062】
いくつかの実施例では、前記第1のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、前記第2のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットであり、前記第3のビットは前記ビット列のうち4番目の位置のビットである。表4中の彩度予測モード番号5の二値化されたビット列1110を例にして、3つの隣接するビットについて例を挙げて説明する。ビット列1110における第1のビットは2番目の位置の1であり、第2のビットは3番目の位置の1であり、第3のビットは4番目の位置の0である。
【0063】
1つの実施例では、前記第3のビットは、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用しないことを指示しているときには、前記通常イントラ彩度予測モードのうち1種を採用することを指示するためにさらに用いられる。あるいくつかの実施例では、前記通常イントラ彩度予測モードが、Planarモード、DCモード、65の角度モードのうちいずれか1種または複数種を含む。
【0064】
いくつかの実施例では、前記第1のモードはLT_CCLMモードを含み、前記第2のモードはL_CCLMモードを含み、前記第3のモードはT_CCLMモードを含む。あるいくつかの実施例では、前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである。表4を例にして、例を挙げて説明する。彩度予測モード番号4の二値化されたビット列10は第1のモード、すなわちLT_CCLMモードに対応し、彩度予測モード番号5の二値化されたビット列1110は第2のモード、すなわちL_CCLMモードに対応し、彩度予測モード番号6の二値化されたビット列1111は第3のモード、すなわちT_CCLMモードに対応する。
【0065】
あるいくつかの実施例では、前記第1のモード、第2のモード、第3のモードは、LT_CCLMモード、L_CCLMモード、T_CCLMモード以外の他のモードであってよい。
【0066】
あるいくつかの実施例では、前記符号化/復号化すべき画像中の画像ブロックが、方形と矩形との少なくとも1つを呈する。
【0067】
あるいくつかの実施例では、前記ビット列中のビットは算術符号化/復号化において「bin」の形式によって表すことができ、当然ながら、他の実施例では、前記ビットは他の形式によって表すこともでき、ここでは具体的に限定しない。
【0068】
いくつかの実施例では、前記符号化/復号化すべき画像は、CCLMをオンにした、符号化/復号化すべき画像である。あるいくつかの実施例では、前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる。
【0069】
あるいくつかの実施例では、前記CCLMがオン状態にあるか否かは、符号化する際に付加するマーカによって確定することができる。あるいくつかの実施例では、前記符号化すべき画像を符号化する際に、ビデオパラメータセット(Video Parameter Set,VPS)、シーケンスパラメータセット(Sequence Parameter Set,SPS)、画像パラメータセット(Picture Parameter Set,PPS)、シーケンスヘッダ、スライスヘッダまたは画像ヘッダにマーカを付加することができ、前記マーカは、符号化すべき画像または画像ブロックがCCLMを使用することが許容されるか否か指示するために用いられる。前記マーカの異なる値は異なる状況を表す。例えば、マーカが第2の値(例えば1)であれば、CCLMを使用することが許容されることを表し、マーカが第1の値(例えば0)であれば、CCLMを許容しないことを表す。あるいくつかの実施例では、復号化すべき画像を復号化する際に、復号化されたマーカに基づいて、復号化すべき画像または画像ブロックがCCLMを使用することが許容されるか否か確定することができ、ここで、復号化されたマーカは、VPS、SPS、PPS、シーケンスヘッダ、スライスヘッダまたは画像ヘッダに存在してよい。例えば、復号化されたマーカがVPSに存在しており、かつ、マーカが第2の値(例えば1)であれば、CCLMを使用することが許容されることを表し、マーカが第1の値(例えば0)であれば、CCLMを許容しないことを表す。
【0070】
あるいくつかの実施例では、前記「CCLMを使用することが許容される」と「CCLMがオン状態にある」が同じ意味を有している。つまり、前記CCLMがオン状態にあると確定されれば、前記符号化/復号化すべき画像については前記CCLMを使用することが許容されると確定することができる。
【0071】
いくつかの実施例では、前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第2のビットと前記第3のビットとについては、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う。
【0072】
いくつかの実施例では、前記第1のビットが前記CCLMの第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第1の値である場合には、前記第2のビットは、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられる。あるいくつかの実施例では、前記第1の値が0である。
【0073】
1つの実施例では、前記第1のビットが、前記第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第2のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0074】
1つの実施例では、前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第1の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第2のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0075】
1つの実施例では、前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第3のモードを採用することを指示するために用いられる。あるいくつかの実施例では、前記第2の値が1である。
【0076】
表4を例にすると、第1の値が0であるとすれば、前記第2の値は1であり、ビデオ画像処理装置が、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して得たビット列が1110であり、前記1番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードはCCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記2番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードではCCLMモード中のLT_CCLMモードが使用されていないと確定することができ、前記3番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのはL_CCLMモードまたはT_CCLMモードであると確定することができる。前記4番目の位置のビットが0であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのはL_CCLMモードであると確定することができる。
【0077】
例えば、ビデオ画像処理装置が、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して得たビット列が1111であり、前記1番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードはCCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記2番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードではCCLMモード中のLT_CCLMモードが使用されていないと確定することができ、前記3番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのはL_CCLMモードまたはT_CCLMモードであると確定することができる。前記4番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのはT_CCLMモードであると確定することができる。
【0078】
1つの実施例では、前記第2のビットが、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられるときには、前記第2のビットに隣接する後2つのビットは、前記通常イントラ彩度予測モードのナンバリングを指示するために用いられる。あるいくつかの実施例では、前記ビット列が4つの隣接するビットを含んでいれば、前記画像ブロックは通常イントラ彩度予測モードを使用していると確定することができる。
【0079】
例えば、ビデオ画像処理装置が、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して得たビット列が11000であり、前記1番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードはCCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記2番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードではCCLMモード中のLT_CCLMモードが使用されていないと確定することができ、前記3番目の位置のビットが0であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記4番目の位置のビットと5番目の位置のビットとが00であれば、前記通常イントラ彩度予測モードの番号0を確定することができる。
【0080】
また例えば、ビデオ画像処理装置が、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して得たビット列が11001であり、前記1番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードはCCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記2番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードではCCLMモード中のLT_CCLMモードが使用されていないと確定することができ、前記3番目の位置のビットが0であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記4番目の位置のビットと5番目の位置のビットとが01であれば、前記通常イントラ彩度予測モードの番号1を確定することができる。
【0081】
同様に、ビデオ画像処理装置が、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して得たビット列が11010であり、前記1番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードはCCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記2番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードではCCLMモード中のLT_CCLMモードが使用されていないと確定することができ、前記3番目の位置のビットが0であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、4番目の位置のビットと5番目の位置のビットとが10であれば、前記通常イントラ彩度予測モードの番号2を確定することができる。
【0082】
同様に、ビデオ画像処理装置が、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して得たビット列が11011であり、前記1番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードはCCLMモードまたは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、前記2番目の位置のビットが1であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードではCCLMモード中のLT_CCLMモードが使用されていないと確定することができ、前記3番目の位置のビットが0であれば、前記画像ブロックの彩度予測モードで使用されているのは通常イントラ彩度予測モードであると確定することができ、4番目の位置のビットと5番目の位置のビットとが11であれば、前記通常イントラ彩度予測モードの番号3を確定することができる。
【0083】
S202:互いに独立した確率モデルを採用して第2のビットと第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化する。
【0084】
本発明の実施例では、ビデオ画像処理装置は、互いに独立した確率モデルを採用して第2のビットと第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化することができる。例えば、第2のビットの取る値がいかなる値であってもよい場合には、第3のビットについてはいずれも同一の確率モデルを採用して符号化を行い、第2のビットの取る値に影響されることはない。
【0085】
任意には、第2のビットと第3のビットについては、同じコンテキスト確率モデル(コンテキストと称してもよい)を採用して符号化/復号化を行う。
【0086】
または、任意には、第2のビットと第3のビットについて、異なるコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化を行う。このようにすれば、第2のビットと第3のビット符号化/復号化の並列度を高めることができる。または、第2のビットと第3のビットについて、bypass確率モデルをいずれも採用して符号化/復号化を行ってもよく、または、第2のビットと第3のビットについて、そのうち一方についてbypass確率モデルを採用して符号化/復号化を行い、他方についてはコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化を行ってもよい。このようにすれば、第2のビットと第3のビット符号化/復号化の並列度を高めることもできる。
【0087】
あるいくつかの実施例では、前記互いに独立した確率モデルが指すのは、独立したコンテキストを用いて符号化を行うモード、すなわち通常符号化モードである。具体的には、図4を例にして、バイパス符号化モードおよび通常符号化モードについて例を挙げて説明する。図4は、本発明の実施例が提供する算術符号化プロセスの概略図である。図4に示すように、まず、入力された非バイナリ値の構文要素に対して二値化処理を行い、二値化処理を経て生成されたバイナリビット列が、続いて符号化段階に入る。このとき、通常符号化モードを選択した場合には、ビット列はコンテキストモデリングに入り、コンテキストモデルが確定した後、ビット列を、それが対応するコンテキストモデルと共に通常符号化モジュールに送って符号化を行い、その後、符号化結果を出力するとともに、符号化結果に基づいてコンテキストモデルを更新する。
【0088】
1つの実施例では、前記ビデオ画像処理装置は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットについてはbypassモードを採用して符号化/復号化を行うことができる。
【0089】
あるいくつかの実施例では、前記bypassモードは、対応する後文中のバイパス符号化モードである。具体的には、図4を例にして、バイパス符号化モードについて例を挙げて説明する。図4に示すように、まず、入力された非バイナリ値の構文要素に対して二値化処理を行い、二値化処理を経て生成されたバイナリビット列が、続いて符号化段階に入る。このとき、バイパス符号化モードを選択した場合には、二値化して生成されたビット列中の0および1を等確率分布であると見なし、バイパス符号化モジュールに送って符号化を行い、その後、符号化結果を出力する。このようなモードは実現の複雑さを低減し、符号化、復号化処理過程を加速させることができる。
【0090】
例えば、前記ビデオ画像処理装置は、前記画像ブロックの第3のビットに1番のコンテキストを付加して符号化/復号化することができ、任意には、bypassモードを採用して前記第3のビットに隣接する1つ後のビットを符号化/復号化することもできる。
【0091】
このことから、このような実施形態によって、第3のビットと、隣接する1つ後のビットとの符号化/復号化方式が互いに独立していることを確定し、異なる位置のビットの間の符号化/復号化依存性を除去し、個々のビットの符号化/復号化の複雑さを簡略化することができ、符号化/復号化の効率を高めていることが分かる。
【0092】
1つの実施例では、前記ビデオ画像処理装置は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うことができる。
【0093】
例えば、前記ビデオ画像処理装置は、前記画像ブロックの第3のビットに2番のコンテキストを付加して符号化/復号化し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに0番のコンテキストを付加して符号化/復号化することができる。
【0094】
このことから、このような実施形態によって、第3のビットと、隣接する1つ後のビットとの符号化/復号化方式が互いに独立していることを確定し、異なる位置のビットの間の符号化/復号化依存性を除去し、個々のビットの符号化/復号化の複雑さを簡略化することができ、符号化/復号化の効率を高めていることが分かる。
【0095】
1つの実施例では、前記ビデオ画像処理装置は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、前記画像ブロックの前記第3のビットにbypassモードを採用し、任意には、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うこともできる。
【0096】
例えば、前記ビデオ画像処理装置は、bypassモードを採用して前記画像ブロックの第3のビットを符号化/復号化し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに0番のコンテキストを付加して符号化/復号化することができる。
【0097】
このことから、このような実施形態によって、第3のビットと、隣接する1つ後のビットとの符号化/復号化方式が互いに独立していることを確定し、異なる位置のビットの間の符号化/復号化依存性を除去し、個々のビットの符号化/復号化の複雑さを簡略化することができ、符号化/復号化の効率を高めていることが分かる。
【0098】
1つの実施例では、前記ビデオ画像処理装置は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、前記画像ブロックの前記第3のビットについて、第2のビットと同じコンテキストを採用して符号化/復号化を行う。
【0099】
このことから、このような実施形態によって、第3のビットと第2のビットとの符号化/復号化方式が互いに独立していることを確定し、第3のビットと第2のビットとの間の符号化/復号化依存性を除去することができ、個々のビット符号化/復号化の複雑さを簡略化しており、符号化/復号化の効率を高めていることが分かる。
【0100】
例えば、前記ビデオ画像処理装置が1番のコンテキストを採用して第2のビットを符号化/復号化する場合には、第2のビットと同じ1番のコンテキストを採用して前記画像ブロックの第3のビットを符号化/復号化することができる。
【0101】
このことから、このような実施形態によって、第3のビットと第2のビットとの符号化/復号化方式が互いに独立していることを確定し、第3のビットと第2のビットとの間の符号化/復号化依存性を除去することができ、個々のビット符号化/復号化の複雑さを簡略化しており、符号化/復号化の効率を高めていることが分かる。
【0102】
本発明の実施例では、ビデオ画像処理装置は、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得ることができ、互いに独立した確率モデルを採用してそれぞれ前記ビット列中の第2のビットと第3のビットとを符号化/復号化し、このような実施形態によって、並列符号化/復号化を実現し、符号化/復号化の複雑さを低減し、符号化/復号化の効率を高めることができる。
【0103】
CCLMモードがオンのときには、8種の彩度予測モードがある。一例では、この8種の彩度予測モードは、下記表6にそれぞれ対応する。ここで、任意には、4、5、6番の彩度予測モードはLT_CCLM、L_CCLM、T_CCLMモードにそれぞれ対応可能であり、7番はDMモードであってよく、0、1、2、3番は他のモードまたは通常イントラ彩度予測モードであってよい。
【0104】
【表6】
【0105】
表6を例にして、どのようにして表6を用いて輝度モードを検索するかについて例を挙げて説明する。CCLMモードがオンのときには、輝度モード番号が0番であり、彩度予測モード番号が5番であれば、表6に基づいて、彩度予測モードに予測モード中の82番のモードを採用するべきであると確定することができる。理解可能なのは、予測モード番号は、上記表3または表6に示す例に限定されないという点である。
【0106】
いくつかの実施例では、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる。下記表7を具体例とすると、CCLMがオンのときに、彩度予測モード番号(例えば表6に示す彩度予測モード番号)を二値化する方式は、下記表7に示す通りである。
【0107】
【表7】
【0108】
表7に示すように、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0109】
前記第1のビットが、前記CCLMを採用しないことを指示しているときには、第2のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用するか否か指示するために用いられ、第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用することを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードか第3のモードを具体的に採用することを指示するために用いられ、第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モードの第2のモードあるいは第3のモードを採用しないことを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モードの第4のモードか第5のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0110】
いくつかの実施例では、表7中の彩度予測モード番号に対する符号化/復号化において採用される確率モデルは、下記表8に示す通りであってよい:
【0111】
【表8】
【0112】
ここで、naは空の符号化モデルを指示するために用いられ、bypassはバイパス符号化モードを指示するために用いられる。
【0113】
上記表8に示すように、前記ビットIdxは0~3を含み、4つのビットを指示するためにそれぞれ用いられる。ここで、上記で言及した第1のビットはビット列中の1番目の位置のビット(つまり番号が0のビット)であってよく、第2のビットはビット列中の2番目の位置のビット(つまり番号が1のビット)であってよく、第3のビットはビット列中の3番目の位置のビット(つまり番号が2のビット)であってよい。上記表8に示す、符号化彩度予測モード番号の実現技術の細部によって、CCLMモードがオンのときには、第1のビットと第2のビットの解析過程は互いに独立しており、例えば、第2のビットで採用される確率モデルが、第1のビットの取る値の相違に伴って異なることはないことが分かる。さらには、第2のビットと第3のビットの解析過程は互いに独立しており、例えば、第3のビットで採用される確率モデルが、第2のビットの取る値の相違に伴って異なることはない。
【0114】
任意には、第1のビットと第2のビットについては、同じコンテキスト確率モデル(コンテキストと称してもよい)を採用して符号化/復号化を行う。
【0115】
または、任意には、第1のビットと第2のビットについて、異なるコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化を行う。このようにすれば、第1のビットと第2のビット符号化/復号化の並列度を高めることができる。または、第1のビットと第2のビットについては、bypass確率モデルをいずれも採用して符号化/復号化を行ってもよく、または、第1のビットと第2のビットについて、そのうち一方についてbypass確率モデルを採用して符号化/復号化を行い、他方についてはコンテキスト確率モデルを採用して符号化/復号化を行ってもよい。このようにすれば、第1のビットと第2のビット符号化/復号化の並列度を高めることもできる。
【0116】
いくつかの例では、CCLMモードがオンおよびオフのとき、異なるフォームをそれぞれ採用して、彩度予測モード番号が対応する具体的な予測モードを検索する。例えば、CCLMがオフのときに表1を採用して、彩度予測モードの番号が対応する予測モードを検索し、CCLMがオンのときに表3を採用して、彩度予測モードの番号が対応する予測モードを検索する。
【0117】
いくつかの例では、CCLMモードがオンおよびオフのときに、同一のフォームを採用して、彩度予測モード番号が対応する具体的な予測モードを検索してもよい。例えば、CCLMがオフのときとオンのときに、表6をいずれも採用して、彩度予測モードの番号が対応する予測モードを検索する。そうすれば、彩度予測モードの番号を二値化してビット列を得る際に、CCLMモードがオンおよびオフのときに、彩度予測モードの番号を二値化して得たビット列は、いずれも表7に示す通りであってよい。CCLMモードがオフのときには、二値化結果に対してエントロピー符号化を行う前に、二値化結果のうち1番目のビット(表7中の番号0~4が対応するビット列の1番目のビット、つまり「0」)を削除してからエントロピー符号化を行う。つまり、CCLMモードがオフのときには、彩度予測モード番号が対応する二値化結果は依然として、表2に示す通りである。
【0118】
図3を参照すると、図3は、本発明の実施例が提供するビデオ画像処理装置の構造概略図であり、具体的には、前記ビデオ画像処理装置は、メモリ301、プロセッサ302、およびデータポート303を備える。
【0119】
前記メモリ301は揮発性メモリ(volatile memory)を備えていてよく、メモリ301は不揮発性メモリ(non-volatile memory)を備えていてもよく、メモリ301はさらに、上記種類のメモリの組み合わせを備えていてもよい。前記プロセッサ302は中央プロセッサ(central processing unit,CPU)であってよい。前記プロセッサ302はハードウェアビデオ画像処理装置をさらに備えていてもよい。上記ハードウェアビデオ画像処理装置は、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit,ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device,PLD)またはそれらの組み合わせであってよい。具体的には例えば、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(complex programmable logic device,CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field-programmable gate array,FPGA)またはそれらの任意の組み合わせであってよい。
【0120】
さらには、前記メモリ301はプログラム指令を記憶するために用いられ、プログラム指令が実行される際に、前記プロセッサ302はメモリ301に記憶されたプログラム指令を呼び出し、以下のステップを実行するために用いることができる:
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであり、
前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第2のビットは、前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用することを指示しているときには、第3のビットは、前記画像ブロックが採用するのは前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードであると指示するために用いられるか、
または、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化する。
【0121】
さらには、互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化する。
【0122】
さらには、前記第3のビットは、前記第2のビットが前記CCLMの前記第1のモード以外の残りのモードを採用しないことを指示しているときには、前記通常イントラ彩度予測モードのうち1種を採用することを指示するためにさらに用いられる。
【0123】
さらには、前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる。
【0124】
さらには、前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、
前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第2のビットと前記第3のビットとについては、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う。
【0125】
さらには、前記第1のビットの値が第1の値を満たしている場合には、前記第1のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0126】
さらには、前記第1のビットが前記CCLMの第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第1の値を満たしている場合には、前記第2のビットは、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられる。
【0127】
さらには、前記第1の値が0である。
【0128】
さらには、前記第1のビットが、前記第1のモードを指示するために用いられ、かつ、前記第2のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第2のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0129】
さらには、前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第1の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第2のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0130】
さらには、前記第2のビットが、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第2の値を満たしている場合には、前記第3のビットは、前記CCLMの第3のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0131】
さらには、前記第2の値が1であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【0132】
さらには、前記第2のビットが、通常イントラ彩度予測モードを採用することを指示するために用いられるときには、前記第2のビットに隣接する後2つのビットは、前記通常イントラ彩度予測モードのナンバリングを指示するために用いられる。
【0133】
さらには、前記プロセッサ302は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットについて、bypassモードを採用して符号化/復号化を行うために用いられる。
【0134】
さらには、前記プロセッサ302は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットについて、bypassモードを採用して符号化/復号化を行うために用いられる。
【0135】
さらには、前記プロセッサ302は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットに1つの新たなコンテキストを付加し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うために用いられる。
【0136】
さらには、前記プロセッサ302は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットにbypassモードを採用し、そして、前記第3のビットに隣接する1つ後のビットに1つの新たなコンテキストを付加して符号化/復号化を行うために用いられる。
【0137】
さらには、前記プロセッサ302は、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化するとき、具体的には、
前記画像ブロックの前記第3のビットについて、第2のビットと同じコンテキストを採用して符号化/復号化を行うために用いられる。
【0138】
さらには、前記第1のモードはLT_CCLMモードを含み、
前記第2のモードはL_CCLMモードを含み、
前記第3のモードはT_CCLMモードを含む。
【0139】
さらには、前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである。
【0140】
さらには、前記符号化/復号化すべき画像中の画像ブロックが、方形と矩形との少なくとも1つを呈する。
【0141】
さらには、前記第1のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、
前記第2のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットであり、
前記第3のビットは前記ビット列のうち4番目の位置のビットである。
【0142】
さらには、前記通常イントラ彩度予測モードが、Planarモード、DCモード、65の角度モードのうちいずれか1種または複数種を含む。
【0143】
いくつかの例では、前記3つの隣接するビットのうち第1のビットは、前記CCLMを採用するか否か指示するために用いられ、前記第1のビットが、前記CCLMを採用することを指示しているときには、前記第2のビットは、前記CCLMの第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記CCLMの第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記CCLMの第2のモードまたは第3のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0144】
任意には、互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化する。
【0145】
任意には、前記第1のビットが、前記CCLMを採用しないことを指示しているときには、前記第2のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の1つのモードを採用するか否か指示するために用いられる。
【0146】
任意には、前記第1のビットが、前記CCLMを採用しないことを指示しているときには、前記第2のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用するか否か指示するために用いられ、前記第2のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第1のモードを採用しないことを指示しているときには、第3のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用するか否か指示するために用いられる。
【0147】
任意には、前記ビット列は第4のビットをさらに含み、第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードあるいは第3のモードを採用することを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モード中の第2のモードか第3のモードを具体的に採用することを指示するために用いられ、第3のビットが、前記通常イントラ彩度予測モードの第2のモードあるいは第3のモードを採用しないことを指示するために用いられるときには、第4のビットは、前記通常イントラ彩度予測モードの第4のモードか第5のモードを採用することを指示するために用いられる。
【0148】
任意には、前記互いに独立した確率モデルを採用して、前記第1のビットと前記第2のビットとをそれぞれ符号化/復号化することは、異なるコンテキスト確率モデルをそれぞれ採用して前記第1のビットと前記第2のビットとを符号化/復号化することを含む。
【0149】
任意には、前記方法が、前記画像ブロックの前記第3のビットに対してbypassモードを採用して符号化/復号化を行うことをさらに含む。
【0150】
任意には、互いに独立した確率モデルを採用して、前記3つの隣接するビットをそれぞれ符号化/復号化する。
【0151】
本発明の実施例では、ビデオ画像処理装置は、符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも3つの隣接するビットを含むビット列を得ることができ、互いに独立した確率モデルを採用してそれぞれ前記ビット列中の第2のビットと第3のビットとを符号化/復号化し、このような実施形態によって、並列符号化/復号化を実現し、符号化/復号化の複雑さを低減し、符号化/復号化の効率を高めることができる。
【0152】
本発明の実施例において、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供しており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されるときに、本発明の実施例の図2に記述するビデオ画像処理方法の方式を実現し、本発明が対応する図3に記載の実施例のビデオ画像処理装置も実現することができるが、無用な記述はここで繰り返さない。
【0153】
前記コンピュータ可読記憶媒体は、前述のいずれか一項の実施例に記載の装置の内部記憶ユニット、例えば装置のハードディスクまたは内部メモリであってよい。前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記装置の外部記憶装置、例えば前記装置に装備される差し込み式ハードディスク、スマートメディアカード(Smart Media Card,SMC)、セキュアデジタル(Secure Digital,SD)カード、フラッシュメモリカード(Flash Card)等であってよい。さらには、前記コンピュータ可読記憶媒体はさらに、前記装置の内部記憶ユニットを備えるとともに外部記憶装置も備えていてもよい。前記コンピュータ可読記憶媒体は、前記コンピュータプログラムと、前記装置が必要とする他のプログラムおよびデータとを記憶するために用いられる。前記コンピュータ可読記憶媒体はさらに、すでに出力されているかまたは出力されるべきデータを一時的に記憶するために用いることもできる。
【0154】
当業者は、上記実施例の方法における全部または一部のプロセスを実現することは、関連するハードウェアをコンピュータプログラムによって指令することにより遂行することができ、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶可能であり、このプログラムは実行する際に、上記各方法の実施例のようなプロセスを含んでいてよいことを理解することができる。ここで、前記記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)等であってよい。
【0155】
以上で開示したのは本発明の一部の実施例であるに過ぎず、当然ながら、これにより本発明の権利範囲を限定することはできず、従って、本発明の特許請求の範囲に基づいて行われた均等な変更は、依然として、本発明が包含する範囲に属する。
図1a
図1b
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも2つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであり、
前記少なくとも2つの隣接するビットは、第2のビットと第3のビットを含み、
前記第2のビットが前記CCLMの前記第2のモードまたは前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第1の値を満たしている場合、前記第3のビットは、前記CCLMの前記第2のモードを採用することを指示するために用いられ、
前記第2のビットが前記CCLMの前記第2のモードまたは前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第2の値を満たす場合、前記第3のビットは、前記CCLMの前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化し、
前記CCLMは、少なくともLT_CCLMモードを含む、画像処理方法
【請求項2】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、
前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第2のビットと前記第3のビットとについて、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法が、
前記画像ブロックの前記第3のビットに対してbypassモードを採用して符号化/復号化を行うことをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記CCLMは更に、L_CCLMモード、および、T_CCLMモードを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ビット列は第1のビットを含み、
前記第1のビットは前記ビット列のうち1番目の位置のビットであり、
前記第2のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、
前記第3のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
メモリとプロセッサとを備え、
前記メモリは、プログラム指令を記憶するために用いられ、
前記プロセッサは、前記プログラム指令を呼び出すために用いられ、前記プログラム指令が実行されるときには、
符号化/復号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも2つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化/復号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードである操作を実行するために用いられ、
前記少なくとも2つの隣接するビットは、第2のビットと第3のビットを含み、
前記第2のビットが前記CCLMの前記第2のモードまたは前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第1の値を満たしている場合、前記第3のビットは、前記CCLMの前記第2のモードを採用することを指示するために用いられ、
前記第2のビットが前記CCLMの前記第2のモードまたは前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第2の値を満たす場合、前記第3のビットは、前記CCLMの前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化/復号化し、
前記CCLMは、少なくともLT_CCLMモードを含む、画像処理装置。
【請求項9】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックが含まれる請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記符号化/復号化すべき画像に、CCLMがオン状態にある少なくとも1つの画像ブロックと、CCLMがオフ状態にある少なくとも1つの画像ブロックとが含まれ、
前記符号化/復号化すべき画像中のすべての画像ブロックに対し、前記画像ブロックの前記第2のビットと前記第3のビットとについて、互いに独立した確率モデルを採用して符号化/復号化を行う請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記画像ブロックの前記第3のビットに対してbypassモードを採用して符号化/復号化を行うためにさらに用いられる請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記CCLMは更に、L_CCLMモード、および、T_CCLMモードを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記CCLMモードはイントラ予測の彩度予測モードである請求項8に記載の装置。
【請求項14】
前記ビット列は第1のビットを含み、
前記第1のビットは前記ビット列のうち1番目の位置のビットであり、
前記第2のビットは前記ビット列のうち2番目の位置のビットであり、
前記第3のビットは前記ビット列のうち3番目の位置のビットである請求項8に記載の装置。
【請求項15】
前記通常イントラ彩度予測モードが、Planarモード、DCモード、65の角度モードのうちいずれか1種または複数種を含む請求項8に記載の装置。
【請求項16】
符号化すべき画像の画像ブロックの彩度予測モードを二値化して、少なくとも2つの隣接するビットを含むビット列を得、前記符号化すべき画像については、クロスコンポーネント線形モデルCCLMと通常イントラ彩度予測モードとの少なくとも1つを使用することが許容され、前記CCLMは第1のモード、第2のモード、および第3のモードを少なくとも含み、前記通常イントラ彩度予測モードは前記CCLM以外の他のイントラ彩度予測モードであり、
前記少なくとも2つの隣接するビットは、第2のビットと第3のビットを含み、
前記第2のビットが前記CCLMの前記第2のモードまたは前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第1の値を満たしている場合、前記第3のビットは、前記CCLMの前記第2のモードを採用することを指示するために用いられ、
前記第2のビットが前記CCLMの前記第2のモードまたは前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、かつ、前記第3のビットが第2の値を満たす場合、前記第3のビットは、前記CCLMの前記第3のモードを採用することを指示するために用いられ、
互いに独立した確率モデルを採用して、前記第2のビットと前記第3のビットとをそれぞれ符号化してビットストリームを生成し、
前記CCLMは、少なくともLT_CCLMモードを含む、ビットストリーム生成方法。