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特開2024-102303医用情報管理装置、プログラム、医用情報管理方法及び医用情報管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102303
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】医用情報管理装置、プログラム、医用情報管理方法及び医用情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 30/00 20180101AFI20240723BHJP
【FI】
G16H30/00
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077108
(22)【出願日】2024-05-10
(62)【分割の表示】P 2020045908の分割
【原出願日】2020-03-17
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野村 誠志
(57)【要約】      (修正有)
【課題】読影レポートを確認すべき医師以外の医師が当該読影レポートを確認済みの状態にしてしまうことを防ぎ、読影レポートに対する安全な管理を確保する。
【解決手段】医用情報管理装置において、記憶部は、依頼医師の識別情報と、読影レポートと読影レポートを確認したか否かの確認状態とを対応付けて記憶する。制御部は、表示装置を操作する医師の識別情報を取得し、処理対象の読影レポートと取得した医師の識別情報とが対応付けられている場合に、処理対象の読影レポートと処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段を表示装置に提供する。医用情報管理装置は、読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に読影レポートに関する通知をする。医用情報管理装置は、処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、クライアント端末に、処理対象の読影レポートに関する情報を出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報と、前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御手段と、
前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知手段と、
前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力手段と、
を備える医用情報管理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記取得手段により取得された医師の識別情報が示す医師が、前記記憶手段において、前記処理対象の読影レポートと対応付けられている依頼医師の識別情報が示す医師が所属する部門の責任者である場合にも、前記処理対象の読影レポートと、前記確認指示手段とを前記表示装置に提供する請求項1に記載の医用情報管理装置。
【請求項3】
前記クライアント端末は、前記責任者が利用するクライアント端末である請求項2に記載の医用情報管理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記記憶手段において、前記処理対象の読影レポートと前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられていなくても、前記処理対象の読影レポートと、前記確認指示手段とを前記表示装置に提供する請求項1に記載の医用情報管理装置。
【請求項5】
コンピューターを、
オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報と、前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御手段と、
前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知手段と、
前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報と、前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段を備える医用情報管理装置における医用情報管理方法であって、
表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得工程と、
前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得工程において取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御工程と、
前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知工程と、
前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力工程と、
を含む医用情報管理方法。
【請求項7】
オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報を取得する依頼医師情報取得手段と、
前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートを取得するレポート取得手段と、
前記依頼医師の識別情報と、前記読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御手段と、
前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知手段と、
前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力手段と、
を備える医用情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用情報管理装置、プログラム、医用情報管理方法及び医用情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野においても情報の電子化が進み、医用画像や医用レポート等の医用情報が電子データとして管理されている。或る医師が医用画像に対する読影を読影医に依頼し、読影医が読影レポートを作成した場合、読影を依頼した医師は、この読影レポートを確認して診断に利用する。このように、医用情報には、確認すべき医師が想定されている場合がある。
【0003】
また、従来、電子データに対する本人確認や改竄防止のための電子署名の技術が知られている。例えば、特許文献1には、秘密鍵の所有者に対する権限を考慮して電子署名を付与するか否かを判断する技術が記載されている。特許文献1に記載の技術では、秘密鍵の所有者を特定する識別情報から、資格の有無及び資格の程度等を含む権限情報を取得し、取得された権限情報に基づいて、秘密鍵の所有者が電子署名をする権限を有しているか否かを判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-094703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、資格に関する権限情報から電子署名をする権限の有無を判断しているため、この技術を医用情報の確認に適用した場合、医用情報を確認すべき医師として想定されていない別の医師が、当該医用情報を確認済みとしてしまうおそれがあった。このように、従来の方法では、医用情報に対する管理において問題があった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、読影レポートを確認すべき医師以外の医師が当該読影レポートを確認済みの状態にしてしまうことを防ぎ、読影レポートに対する安全な管理を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報と、前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段と、表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得手段と、前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御手段と、前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知手段と、前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力手段と、を備える医用情報管理装置である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用情報管理装置において、前記制御手段は、前記取得手段により取得された医師の識別情報が示す医師が、前記記憶手段において、前記処理対象の読影レポートと対応付けられている依頼医師の識別情報が示す医師が所属する部門の責任者である場合にも、前記処理対象の読影レポートと、前記確認指示手段とを前記表示装置に提供する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の医用情報管理装置において、前記クライアント端末は、前記責任者が利用するクライアント端末である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の医用情報管理装置において、前記制御手段は、前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記記憶手段において、前記処理対象の読影レポートと前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられていなくても、前記処理対象の読影レポートと、前記確認指示手段とを前記表示装置に提供する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、コンピューターを、オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報と、前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段と、表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得手段と、前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御手段と、前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知手段と、前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力手段と、として機能させるためのプログラムである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報と、前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段を備える医用情報管理装置における医用情報管理方法であって、表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得工程と、前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得工程において取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御工程と、前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知工程と、前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力工程と、を含む。
【0013】
請求項7に記載の発明は、オーダー情報を発行した依頼医師の識別情報を取得する依頼医師情報取得手段と、前記オーダー情報に対応しかつ読影医師が作成した読影レポートを取得するレポート取得手段と、前記依頼医師の識別情報と、前記読影レポートと、前記読影レポートを確認したか否かの確認状態と、を対応付けて記憶する記憶手段と、表示装置を操作する医師の識別情報を取得する取得手段と、前記記憶手段において、処理対象の読影レポートと、前記取得手段により取得された医師の識別情報とが対応付けられている場合に、前記処理対象の読影レポートと、前記処理対象の読影レポートの確認状態を確認済みとするための確認指示手段とを前記表示装置に提供する制御手段と、前記読影レポートを取得した場合に、電子カルテ装置に前記読影レポートに関する通知をする通知手段と、前記処理対象の読影レポートが救急管理されるものである場合に、前記電子カルテ装置と異なるクライアント端末に、前記処理対象の読影レポートに関する情報を出力する出力手段と、を備える医用情報管理システムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、読影レポートを確認すべき医師以外の医師が当該読影レポートを確認済みの状態にしてしまうことを防ぎ、読影レポートに対する安全な管理を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る実施の形態における医用情報管理システムのシステム構成図である。
図2】医用情報管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
図3】施設情報テーブル、部門情報テーブル、ユーザー情報テーブル、ユーザー属性テーブルのデータ構成を示す図である。
図4】患者情報テーブル、レポート情報テーブル、レポート確認履歴テーブル、レポート参照履歴テーブル、医用画像管理テーブルのデータ構成を示す図である。
図5】クライアント端末の機能的構成を示すブロック図である。
図6】医用情報管理装置において実行されるレポート確認状態管理処理を示すフローチャートである。
図7】検索画面の例である。
図8】ログインユーザーの未確認レポートリスト画面の例である。
図9】検査・レポート一覧画面の例である。
図10】選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートリスト画面の例である。
図11】レポート画面表示処理を示すフローチャートである。
図12】権限判定処理を示すフローチャートである。
図13】レポート画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る医用情報管理システムの実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施の形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施の形態及び図示例に限定するものではない。
【0017】
図1に、医用情報管理システム100のシステム構成例を示す。
図1に示すように、医用情報管理システム100は、電子カルテシステム10、医用情報管理装置20、クライアント端末30等から構成され、各装置は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ送受信可能に接続されている。医用情報管理システム100を構成する各装置は、HL7(Health Level Seven)やDICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格に準じており、各装置間の通信は、HL7やDICOMに則って行われる。なお、医用情報管理システム100は、クライアント端末30を複数備えている。
【0018】
電子カルテシステム10は、患者に対する診療行為や診断結果を記録した電子カルテ情報、患者に対する検査や医用画像に対するレポート作成を依頼するためのオーダー情報を生成する。
【0019】
医用情報管理装置20は、医用情報を管理するコンピューター装置である。医用情報管理装置20として、例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)が用いられる。
医用情報とは、医療に関する情報のことであり、好ましくは、患者の所見、診断内容、経過及び/又は検査結果を示す情報である。医用情報として、例えば、医用レポートの他、医用レポートを構成する各種情報(患者情報、検査情報、医用画像(検査画像、計測結果画像)、計測結果、診察所見等)が含まれ得る。
【0020】
医用レポートは、患者の所見、診断内容、経過及び/又は検査結果を示す情報が記載された報告書のことである。医用レポートは、例えば、患者情報、検査情報、医用画像(検査画像、計測結果画像)、医用画像の拡大縮小画像、計測結果、診察所見、ヘッダー又はフッターを含んでいてもよい。医用レポートの各項目は、記入・貼付領域やその配置がフォーマットとして指定され得る。
医用レポートとしては、医用画像データの読影レポート、検査レポート等が挙げられる。
【0021】
読影レポートとは、診療医からの検査依頼に対して、放射線科等の読影医が、撮像装置(CTやMRI等の各種モダリティー)により撮影された医用画像に対する所見(異常の有無や、患者の状態や疾患の指摘)をまとめた報告書のことである。読影レポートには、例えば、病変の種類、解剖学的区分、程度、状況、結論等の内容が含まれる。
検査レポートとは、患者の検査に関する報告書のことであり、例えば、患者から収集した検体(血液等)に関する検体レポート、患者における細菌に関する細菌レポート、患者の生理的情報に関する生理レポート等が挙げられる。
【0022】
患者情報としては、患者に関する情報が広く含まれ、例えば、患者名、患者ID、生年月日、性別等が含まれる。
検査情報としては、検査に関する情報が含まれ、例えば、検査項目、検査結果(数値)、それらの組み合わせ、検査ID、検査日時、検査記述、検査インスタンスUID等が含まれる。
医用画像は、医療又は医学のために人体を撮影又は計測した結果を画像化したものであり、診断に用いられる画像である。医用画像としては、X線画像、MRI画像、CT画像、病理画像等が挙げられ、それらと同等の情報を持つシェーマ(手書き画像)であってもよい。
計測結果は、検査情報や医用画像等から各種の医学的計測を行った結果のことである。計測結果には、例えば、心胸比計測の結果や内臓脂肪面積の計測結果等が含まれる。
診察所見には、医師が患者の病状を判断するために、患者に質問をした結果や、身体や医用画像を調べた結果に関する判断や意見が広く含まれ、例えば、身体所見が含まれる。医用レポートの診察所見には、医用画像を調べた結果に関する判断や意見が含まれる。
ヘッダーやフッターとしては、例えば、病院のロゴ、名称、所在地、電話番号、メールアドレス等が含まれ得る。
【0023】
図2に、医用情報管理装置20の機能的構成を示す。
図2に示すように、医用情報管理装置20は、制御部21、通信部22、計時部23、記憶部24等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0024】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、医用情報管理装置20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0025】
通信部22は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
【0026】
計時部23は、計時回路(RTC:Real Time Clock)を有し、この計時回路により現在日時を計時して制御部21に出力する。
【0027】
記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種データを記憶している。例えば、記憶部24には、医用レポートや、患者に対する検査により生成された医用画像等の医用情報が記憶される。
【0028】
また、記憶部24には、施設情報テーブルT1、部門情報テーブルT2、ユーザー情報テーブルT3、ユーザー属性テーブルT4、患者情報テーブルT5、レポート情報テーブルT6、レポート確認履歴テーブルT7、レポート参照履歴テーブルT8、医用画像管理テーブルT9が記憶されている。
【0029】
図3に、施設情報テーブルT1、部門情報テーブルT2、ユーザー情報テーブルT3、ユーザー属性テーブルT4のデータ構成を示す。
【0030】
施設情報テーブルT1には、医療施設に関する情報が格納される。施設情報テーブルT1には、医療施設ごとに、施設ID、施設名称等が対応付けられている。施設IDは、医療施設に付与された識別情報である。施設名称は、医療施設の名称である。
【0031】
部門情報テーブルT2には、医療施設において分類された部門(診療科)に関する情報が格納される。部門情報テーブルT2には、各医療施設の部門ごとに、施設ID(部門が属する医療施設の施設ID)、部門コード、部門名称等が対応付けられている。部門コードは、部門に付与された識別情報である。部門名称は、部門の名称である。
【0032】
ユーザー情報テーブルT3には、医用情報管理装置20を利用するユーザー(医師)に関する情報が格納される。ユーザー情報テーブルT3には、ユーザーごとに、ユーザーID、ユーザー名等が対応付けられている。ユーザーIDは、ユーザーに付与された識別情報である。ユーザー名は、ユーザーが医用情報管理装置20を利用する際の表示名である。
【0033】
ユーザー属性テーブルT4には、ユーザーの属性情報(所属、役職等)が格納される。ユーザー属性テーブルT4には、ユーザーごとに、ユーザーID(対象ユーザーのユーザーID)、施設ID(ユーザーが所属する医療施設の施設ID)、部門コード(ユーザーが所属する部門の部門コード)、権限種別等が対応付けられている。権限種別は、ユーザーに対して設定された権限に対応する区分である。ここでは、権限種別として、0:なし、1:研修医、2:医師、3:部門長、4:管理者が用いられる。研修医は、臨床研修期間中の医師である。部門長は、所属している部門における責任者の医師である。管理者は、医用情報管理装置20における管理者である。
一人の医師が複数の部門に所属している場合や、部門ごとに権限種別が異なる場合もあるため、ユーザー属性テーブルT4において、一人のユーザーに対して、複数の属性情報を登録可能となっている。
【0034】
図4に、患者情報テーブルT5、レポート情報テーブルT6、レポート確認履歴テーブルT7、レポート参照履歴テーブルT8、医用画像管理テーブルT9のデータ構成を示す。
【0035】
患者情報テーブルT5には、患者に関する情報が格納される。患者情報テーブルT5には、患者ごとに、患者ID、患者名、生年月日、性別、身長、体重等が対応付けられている。患者IDは、患者に付与された識別情報である。患者名、生年月日、性別、身長、体重は、それぞれ、患者の氏名、生年月日、性別、身長、体重である。
【0036】
レポート情報テーブルT6には、医用レポートに関する情報が格納される。レポート情報テーブルT6には、医用レポートごとに、レポートID、患者ID、依頼医名、依頼医ユーザーID、依頼部門、受付番号、モダリティー、データ格納フォルダー、作成日時、更新日時、レポート確認状態フラグ、レポート確認後更新フラグ等が対応付けられている。
レポートIDは、医用レポートに付与された識別情報である。
患者IDは、医用レポートに関する患者の患者IDである。
依頼医名は、医用レポートの作成を依頼した医師(依頼医)の氏名である。
依頼医ユーザーIDは、医用レポートの作成を依頼した医師のユーザーIDである。
依頼部門は、医用レポートの作成を依頼した部門(診療科)である。通常、依頼部門は、依頼医が所属する部門である。
受付番号は、医用レポートの作成に対して付与された受付番号である。
モダリティーは、医用レポートの対象検査に対応する撮像装置である。
データ格納フォルダーは、医用レポートのデータ(PDFファイル等)が格納されたフォルダーを示す情報(格納場所)である。
作成日時は、医用レポートが作成された日時である。
更新日時は、医用レポートが更新された日時である。
レポート確認状態フラグは、医用レポートの確認状態を示すフラグである。レポート確認状態フラグとして、0:未確認(未読)、1:確認済み(既読)、2:確認中が用いられる。レポート確認状態フラグのデフォルト値は「0」である。医用レポートが確認された後に医用レポートが更新された場合、レポート確認状態フラグは「0:未確認」に戻る。
レポート確認後更新フラグは、医用レポートが確認された後に医用レポートが更新されたか否かを示すフラグである。レポート確認後更新フラグは、デフォルト値が「0」、医用レポートが確認された後に医用レポートが更新された場合に「1」とする。
【0037】
レポート情報テーブルT6には、医用情報(レポートID)と、医師の識別情報(依頼医ユーザーID)と、当該医用情報の確認状態(レポート確認状態フラグ)と、が対応付けられている。
【0038】
レポート確認履歴テーブルT7は、レポート情報テーブルT6に登録された医用レポートが確認されたか否かを管理するためのテーブルである。レポート確認履歴テーブルT7には、対象レポートID、確認ユーザーID、レポート確認日時、確認時の権限種別が対応付けられている。
対象レポートIDは、対象とする医用レポートのレポートIDである。
確認ユーザーIDは、医用レポートを確認した(確認ボタンを押下した)ユーザーのユーザーIDである。
レポート確認日時は、医用レポートが確認済みとされた日時である。
確認時の権限種別は、医用レポートが確認された時の確認ユーザーに対応する権限種別である。
【0039】
レポート参照履歴テーブルT8は、レポート情報テーブルT6に登録された医用レポートが参照された履歴を管理するためのテーブルである。レポート参照履歴テーブルT8には、対象レポートID、参照ユーザーID、レポート参照日時、参照時の権限種別、参照/参照取り消しフラグ、確認状態変更フラグが対応付けられている。
対象レポートIDは、対象とする医用レポートのレポートIDである。
参照ユーザーIDは、医用レポートを参照した(表示させた)ユーザーのユーザーIDである。
レポート参照日時は、医用レポートが参照された日時である。
参照時の権限種別は、医用レポートが参照された時の参照ユーザーに対応する権限種別である。
参照/参照取り消しフラグは、ユーザーによる操作を示すフラグである。参照/参照取り消しフラグとして、0:操作なし、1:参照、-1:参照取り消し、の値を取り得る。
確認状態変更フラグは、レポート情報テーブルT6の「レポート確認状態フラグ」の変更を示すフラグである。確認状態変更フラグとして、0:変更なし、1:確認済みに変更、-1:確認取り消し、の値を取り得る。
【0040】
医用画像管理テーブルT9は、記憶部24に記憶された医用画像を管理するためのテーブルである。医用画像管理テーブルT9は、検査ごとに、検査ID、患者ID、依頼医名、依頼医ユーザーID、依頼部門、受付番号、モダリティー、データ格納フォルダー、検査日時、画像確認状態フラグ等が対応付けられている。
検査IDは、対象検査に対応する検査IDである。
患者IDは、検査対象患者の患者IDである。
依頼医名、依頼医ユーザーIDは、それぞれ、検査(撮影)を依頼した医師の氏名、ユーザーIDである。
依頼部門は、検査を依頼した部門(診療科)である。
受付番号は、検査に対して付与された受付番号である。
モダリティーは、対象検査に対応する撮像装置である。
データ格納フォルダーは、検査に係る医用画像のデータが格納されたフォルダーを示す情報(格納場所)である。
検査日時は、検査(撮影)が行われた日時である。
画像確認状態フラグは、検査に係る医用画像の確認状態を示すフラグである。画像確認状態フラグとして、0:未確認、1:確認済み、2:確認中が用いられる。画像確認状態フラグのデフォルト値は「0」である。
【0041】
制御部21は、通信部22を介して、電子カルテシステム10から各医療施設の職員情報(ユーザー情報・ユーザー属性)を取得し、取得した職員情報をユーザー情報テーブルT3及びユーザー属性テーブルT4に登録する。
【0042】
電子カルテシステム10において、医用レポートのオーダー情報が発行されると、制御部21は、通信部22を介して、電子カルテシステム10から医用レポートのオーダー情報(患者ID、依頼医名、依頼医ユーザーID、依頼部門、受付番号、モダリティー)を取得し、取得したオーダー情報をレポート情報テーブルT6に登録する。具体的には、制御部21は、レポート情報テーブルT6に新たなレコードを追加し、新たに生成したレポートIDと対応付けて、患者ID、依頼医名、依頼医ユーザーID、依頼部門、受付番号、モダリティーを登録する。
【0043】
読影医が使用する端末装置等において、医用レポートが作成されると、制御部21は、通信部22を介して、医用レポート(レポートID、受付番号等を含む。)を取得し、取得した医用レポートを記憶部24に記憶させるとともに、当該医用レポートに関する情報をレポート情報テーブルT6に登録する。具体的には、制御部21は、医用レポートのレポートID、受付番号等に基づいて、レポート情報テーブルT6から該当するレコードを特定し、特定したレコードに対して、データ格納フォルダー、作成日時を登録する。ここで、レポート確認状態フラグは「0:未確認」、レポート確認後更新フラグは「0:デフォルト値」とする。制御部21は、医用レポートを取得した場合に、医用レポートが作成されたことを電子カルテシステム10に通知する。
【0044】
制御部21は、クライアント端末30(表示装置)を操作する医師の識別情報(ユーザーID)を取得する。すなわち、制御部21は、取得手段として機能する。
【0045】
制御部21は、処理対象の医用情報をクライアント端末30の表示部32(図5参照)に表示させる際に、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、処理対象の医用情報とクライアント端末30を操作中の医師の識別情報とが対応付けられている場合に、記憶部24のレポート情報テーブルT6の処理対象の医用情報の確認状態(レポート確認状態フラグ)を確認済みとする確認権限を、当該医師に付与する。具体的には、制御部21は、レポート情報テーブルT6の処理対象の医用情報の確認状態を確認済みとするための確認指示手段をクライアント端末30に提供する。
【0046】
確認指示手段は、医用情報を確認したことを記録するための手段である。確認指示手段としては、例えば、ボタン、チェックボックス、電子署名及び/又は入力欄等が挙げられる。ボタンは、例えば、表示手段(図5に示すクライアント端末30の表示部32等)の表示画面上にクリック可能なボタンとして表示される。チェックボックスは、表示手段の表示画面上に、オン・オフ等、二つの状態を切り替えて選択するために表示される小さなボックスである。電子署名は、表示手段の表示画面上に、電子署名に対する実行指示が操作可能な態様で表示されるものである。入力欄は、表示手段の表示画面上に、所定の文字を入力することで確認するものであり、例えば、個人識別IDを入力する欄が挙げられる。
本発明において、確認指示手段が「医用情報の確認状態を確認済みとする」ことには、医用情報の確認状態を確認済みにするよう指示することの他、医用情報の確認状態を確認済みとして記録することも含まれる。
【0047】
制御部21は、確認指示手段として、処理対象の医用情報の確認状態を確認済みとするための確認ボタンを、操作部33(図5参照)からの操作により押下可能にクライアント端末30に表示させる。
確認ボタンとは、医師が医用情報を確認したら押下するボタンである。確認ボタンを押下したら、医用情報が確認されたことが記録される。確認ボタンは、例えば、表示手段の表示画面上にクリック可能なボタンとして表示される。
【0048】
制御部21は、クライアント端末30に表示された確認ボタンが操作部33からの操作により押下された場合に、記憶部24のレポート情報テーブルT6の処理対象の医用情報の確認状態(レポート確認状態フラグ)を確認済みに変更し、当該確認ボタンの再押下を禁止する。
制御部21は、医用情報が確認済みとなった場合に、当該医用情報が確認されたことを電子カルテシステム10に通知する。
【0049】
制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、処理対象の医用情報とクライアント端末30を操作中の医師の識別情報とが対応付けられていない場合に、確認ボタンを、操作部33からの操作により押下不可能にクライアント端末30に表示させる。
【0050】
制御部21は、処理対象の医用情報が救急管理されるものである場合に、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、処理対象の医用情報とクライアント端末30を操作中の医師の識別情報とが対応付けられていなくても、確認権限を付与する。医用情報が救急管理されるものであるか否かの判断は、例えば、医用情報の作成を依頼した部門が予め定められた部門(総合診療救急科等)であるか否かにより行う。ここで、確認権限を付与する対象から、研修医を除く等の制限を加えることとしてもよい。
【0051】
制御部21は、処理対象の医用情報が救急管理されるものであることで、確認権限を付与する際に、クライアント端末30の表示部32に警告を表示させる。
【0052】
制御部21は、クライアント端末30を操作中の医師の識別情報が示す医師に対して確認権限が付与され、かつ、確認状態が未確認である医用情報のリストをクライアント端末30の表示部32に表示させる際に、処理対象の医用情報が救急管理されるものであることで、確認権限が付与される医用情報については、リストから除外する。
【0053】
制御部21は、クライアント端末30を操作中の医師の識別情報が示す医師が、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、処理対象の医用情報と対応付けられている医師の識別情報が示す医師が所属する部門の責任者である場合にも、確認権限を付与する。
【0054】
制御部21は、確認指示手段により、処理対象の医用情報の確認状態が確認済みとされた履歴を記録する。具体的には、制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、レポート確認状態フラグが「1:確認済み」に変更された医用レポートについて、記憶部24のレポート確認履歴テーブルT7に、対象レポートID、確認ユーザーID、レポート確認日時、確認時の権限種別を記録する。
【0055】
制御部21は、記憶部24に記憶されている医用情報について確認権限が付与される医師に対して、当該医用情報についての確認の取り消しを許可する。
【0056】
クライアント端末30は、医師により使用されるPC(Personal Computer)等のコンピューター装置である。医師は、クライアント端末30において、医用レポート等の医用情報の閲覧を行う。
図5に、クライアント端末30の機能的構成を示す。
図5に示すように、クライアント端末30は、制御部31、表示部32、操作部33、通信部34、記憶部35等を備えて構成されており、各部はバスにより接続されている。
【0057】
制御部31は、CPU、ROM、RAM等から構成され、クライアント端末30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0058】
表示部32は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
操作部33は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。
【0059】
通信部34は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークNを介して接続された外部装置との間でデータの送受信を行う。
記憶部35は、HDDや不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種データを記憶している。
【0060】
次に、医用情報管理システム100における動作について説明する。
図6は、医用情報管理装置20において実行されるレポート確認状態管理処理を示すフローチャートである。この処理は、制御部21のCPUとROMに記憶されている制御プログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0061】
クライアント端末30の操作部33から医用情報管理装置20に対するアクセス操作が行われると、医用情報管理装置20の制御部21は、クライアント端末30に対し、通信部22を介してログイン画面を表示するための表示用データを送信する(ステップS1)。
クライアント端末30では、表示部32にログイン画面が表示される。ログイン画面には、ユーザーID入力欄が設けられている。
【0062】
クライアント端末30において、操作者が操作部33から操作者自身(ログインユーザー)のユーザーIDを入力すると、医用情報管理装置20の制御部21は、入力されたユーザーIDを、通信部22を介して取得する(ステップS2)。
【0063】
次に、医用情報管理装置20の制御部21は、ログインユーザー(クライアント端末30の操作者)が確認すべき未確認レポートの件数をクライアント端末30の表示部32に表示させる(ステップS3)。具体的には、制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6から、「依頼医ユーザーID」フィールドがログインユーザーの「ユーザーID」であって、「レポート確認状態フラグ」が「0:未確認」であるレコードを抽出する。ここで、抽出されたレコードに対応する医用レポートが「ログインユーザーの未確認レポート」であり、抽出されたレコードの数が「ログインユーザーの未確認レポートの件数」である。
【0064】
なお、ログインユーザーが部門長の場合には、その部門(診療科)が依頼した未確認レポートの件数がクライアント端末30の表示部32に表示される。具体的には、医用情報管理装置20の制御部21は、記憶部24のユーザー属性テーブルT4を参照し、ログインユーザーの「ユーザーID」に対応付けられた「権限種別」が「3:部門長」である場合に、ログインユーザーの「ユーザーID」に対応付けられた「部門コード」を取得する。次に、制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6から、「依頼部門」フィールドがログインユーザーの所属部門(ユーザー属性テーブルT4から取得した「部門コード」に対応する部門)、「レポート確認状態フラグ」が「0:未確認」であるレコードを抽出する。
【0065】
図7に、クライアント端末30の表示部32に表示される検索画面321の例を示す。検索画面321には、ユーザー未確認レポート件数アイコン41、検索条件指定領域42、検索ボタン43、患者リストボタン44等が含まれる。
ユーザー未確認レポート件数アイコン41は、ログインユーザーの未確認レポートの件数が記されたアイコンである。ユーザー未確認レポート件数アイコン41を押下すると、ログインユーザーの未確認レポートのリストが表示される。
検索条件指定領域42には、患者ID指定欄45、検査日指定欄46,47、検査種指定欄48、確認状態指定欄49が含まれる。患者ID指定欄45には、検索条件として患者IDが入力される。検査日指定欄46,47には、検索条件として検査日の範囲(いつからいつまで)が指定される。検査種指定欄48には、検索条件としてレポートの対象となる検査種(モダリティー等)が指定される。確認状態指定欄49には、検索条件として医用レポートの確認状態(未確認・確認済み・全て)が指定される。
検索ボタン43は、検索条件指定領域42において指定された検索条件での検索を指示するためのボタンである。
患者リストボタン44は、患者のリストの表示を指示するためのボタンである。
【0066】
次に、医用情報管理装置20の制御部21は、クライアント端末30の操作部33から、表示部32に表示されているログインユーザーの未確認レポートの件数(ユーザー未確認レポート件数アイコン41)がクリックされたか否かを判断する(ステップS4)。
【0067】
ログインユーザーの未確認レポートの件数がクリックされた場合には(ステップS4;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、ログインユーザーの未確認レポートリストをクライアント端末30の表示部32に表示させる(ステップS5)。
【0068】
図8に、クライアント端末30の表示部32に表示されるログインユーザーの未確認レポートリスト画面322の例を示す。ログインユーザーの未確認レポートリスト画面322には、依頼医がログインユーザーである未確認レポートのリスト322Aが表示される。
【0069】
クライアント端末30において、操作者が操作部33からの操作により、ログインユーザーの未確認レポートリスト上でいずれかのレポートを選択すると(ステップS6)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポートIDを、通信部22を介して取得する。
【0070】
ステップS4において、ログインユーザーの未確認レポートの件数がクリックされない場合には(ステップS4;NO)、医用情報管理装置20の制御部21は、クライアント端末30の操作部33から、患者リスト上でいずれかの患者が選択されたか否かを判断する(ステップS7)。例えば、図7に示す検索画面321において、患者リストボタン44が押下されることで、クライアント端末30の表示部32に患者リストが表示され、患者リスト上から患者が選択される。
【0071】
クライアント端末30の操作部33からの操作により、患者が選択された場合には(ステップS7;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択された患者の患者IDを、通信部22を介して取得する。
【0072】
次に、医用情報管理装置20の制御部21は、選択された患者(選択患者)の検査・レポート一覧をクライアント端末30の表示部32に表示させる(ステップS8)。
【0073】
図9に、クライアント端末30の表示部32に表示される検査・レポート一覧画面323の例を示す。
検査・レポート一覧画面323には、選択患者未確認レポート件数アイコン51、マトリクス領域52、ユーザー未確認レポート件数アイコン41等が含まれる。
選択患者未確認レポート件数アイコン51は、選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートの件数が記されたアイコンである。選択患者未確認レポート件数アイコン51を押下すると、選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートのリストが表示される。
【0074】
具体的には、制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6から、「患者ID」フィールドが選択患者の「患者ID」、「依頼医ユーザーID」フィールドがログインユーザーの「ユーザーID」、「レポート確認状態フラグ」が「0:未確認」であるレコードを抽出する。ここで、抽出されたレコードに対応する医用レポートが「選択患者に関するログインユーザーの未確認レポート」であり、抽出されたレコードの数が「選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートの件数」である。
【0075】
なお、ログインユーザーが部門長の場合には、選択患者に関してその部門が依頼した未確認レポートの件数がクライアント端末30の表示部32に表示される。具体的には、制御部21は、記憶部24のユーザー属性テーブルT4を参照し、ログインユーザーの「ユーザーID」に対応付けられた「権限種別」が「3:部門長」である場合に、ログインユーザーの「ユーザーID」に対応付けられた「部門コード」を取得する。次に、制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6から、「患者ID」フィールドが選択患者の「患者ID」、「依頼部門」フィールドがログインユーザーの所属部門(ユーザー属性テーブルT4から取得した「部門コード」に対応する部門)、「レポート確認状態フラグ」が「0:未確認」であるレコードを抽出する。
【0076】
マトリクス領域52は、選択患者を対象とした医用レポートや医用画像がマトリクス形式で表示される画面である。ここでは、縦軸に日付、横軸にモダリティー種・レポート種が取られている。選択患者の医用レポートや医用画像が存在する場合には、該当する領域に、医用レポートや医用画像を示すマーク・画像が表示される。
【0077】
制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6から、「患者ID」フィールドが選択患者の「患者ID」であるレコードを抽出し、各レコードに含まれる「作成日時」、「モダリティー」、「レポート確認状態フラグ」を取得する。制御部21は、マトリクス領域52の「作成日時」に対応する日付、「モダリティー」に対応するレポート種に該当する領域に、レポートマークR1~R3を配置する。また、制御部21は、「レポート確認状態フラグ」に応じて、マトリクス領域52上のレポートマークR1~R3に、確認済みマークM1又は未確認マークM2を付加する。
【0078】
なお、マトリクス領域52に表示される医用レポートに対し、依頼医がログインユーザーである医用レポートと、依頼医がログインユーザーでない医用レポートと、で未確認マークM2を異なる態様(色や形を変える等)とすることとしてもよい。
【0079】
制御部21は、記憶部24に記憶されている医用画像管理テーブルT9から、「患者ID」フィールドが選択患者の「患者ID」であるレコードを抽出し、各レコードに含まれる「検査日時」、「モダリティー」、「画像確認状態フラグ」を取得する。制御部21は、マトリクス領域52の「検査日時」に対応する日付、「モダリティー」に対応するモダリティー種に該当する領域に、医用画像のサムネイル画像TH1~TH6を配置する。また、制御部21は、「画像確認状態フラグ」に応じて、マトリクス領域52上の医用画像のサムネイル画像TH1~TH6に、確認済みマークM1又は未確認マークM2を付加する。
【0080】
図9に示す検査・レポート一覧画面323におけるユーザー未確認レポート件数アイコン41は、図7と同様、ログインユーザーの未確認レポートの件数が記されたアイコンである。ユーザー未確認レポート件数アイコン41を押下すると、ログインユーザーの未確認レポートのリストが表示される。
【0081】
ステップS8の後、医用情報管理装置20の制御部21は、クライアント端末30の操作部33から、表示部32に表示されている選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートの件数(選択患者未確認レポート件数アイコン51)がクリックされたか否かを判断する(ステップS9)。
【0082】
選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートの件数がクリックされた場合には(ステップS9;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートリストをクライアント端末30の表示部32に表示させる(ステップS10)。
【0083】
図10に、クライアント端末30の表示部32に表示される選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートリスト画面324の例を示す。選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートリスト画面324には、選択患者に係る医用レポートのうち、依頼医がログインユーザーである未確認レポートのリスト324Aが表示される。
【0084】
クライアント端末30において、操作者が操作部33からの操作により、選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートリスト上でいずれかのレポートを選択すると(ステップS11)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポートIDを、通信部22を介して取得する。
【0085】
ステップS9において、選択患者に関するログインユーザーの未確認レポートの件数がクリックされない場合には(ステップS9;NO)、医用情報管理装置20の制御部21は、クライアント端末30の操作部33において、選択患者の検査・レポート一覧からいずれかのレポートが選択されたか否かを判断する(ステップS12)。
【0086】
クライアント端末30の操作部33からの操作により、選択患者の検査・レポート一覧からいずれかのレポートが選択された場合には(ステップS12;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポートIDを、通信部22を介して取得する。
【0087】
ステップS7において、患者が選択されない場合には(ステップS7;NO)、医用情報管理装置20の制御部21は、クライアント端末30の操作部33から、レポート検索が指示されたか否かを判断する(ステップS13)。例えば、図7に示す検索画面321において、検索条件指定領域42で検索条件が指定され、検索ボタン43が押下されることで、レポート検索が指示される。
【0088】
レポート検索が指示された場合には(ステップS13;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、検索条件に合致するレポートのリストをクライアント端末30の表示部32に表示させる(ステップS14)。
【0089】
クライアント端末30において、操作者が操作部33からの操作により、レポートリスト上でいずれかのレポートを選択すると(ステップS15)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポートIDを、通信部22を介して取得する。
【0090】
ステップS12において、選択患者の検査・レポート一覧からレポートが選択されない場合(ステップS12;NO)、又は、ステップS13において、レポート検索が指示されない場合には(ステップS13;NO)、ステップS4に戻り、処理が繰り返される。
【0091】
ステップS6の後、ステップS11の後、ステップS12において、選択患者の検査・レポート一覧からいずれかのレポートが選択された場合(ステップS12;YES)、又は、ステップS15の後、制御部21は、選択されたレポートについて、レポート画面表示処理を行う(ステップS16)。
以上で、レポート確認状態管理処理が終了する。
【0092】
次に、図11を参照して、レポート画面表示処理(ステップS16)について説明する。
医用情報管理装置20の制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6から、選択されたレポートの「レポートID」に対応付けられたレコードを特定し、特定されたレコードから「依頼医ユーザーID」及び「依頼部門」を取得する(ステップS21)。
【0093】
次に、制御部21は、レポート情報テーブルT6において、選択されたレポートの「レポートID」に対応付けられた「レポート確認状態フラグ」が「1:確認済み」であるか否かを判断する(ステップS22)。
選択されたレポートの「レポート確認状態フラグ」が「1:確認済み」でない場合(ステップS22;NO)、すなわち、「0:未確認」又は「2:確認中」である場合には、制御部21は、権限判定処理を行う(ステップS23)。ステップS23の権限判定処理は、ログインユーザーに確認権限があるか否かを判定する処理である。
【0094】
ここで、図12を参照して、権限判定処理について説明する。
医用情報管理装置20の制御部21は、ログインユーザーが「管理者」であるか否かを判断する(ステップS41)。具体的には、制御部21は、記憶部24のユーザー属性テーブルT4から、ログインユーザーの「ユーザーID」と対応付けられた「権限種別」を取得し、この「権限種別」が「4:管理者」であるか否かを判断する。
【0095】
ログインユーザーが「管理者」である場合には(ステップS41;YES)、制御部21は、ログインユーザーに操作権限があると判定する(ステップS42)。権限判定処理の対象が「確認権限」である場合には、「操作権限」は「確認権限」であり、権限判定処理の対象が「確認取り消し権限」である場合には、「操作権限」は「確認取り消し権限」である。
【0096】
ステップS41において、ログインユーザーが「管理者」でない場合には(ステップS41;NO)、制御部21は、選択されたレポートが一般レポートであるか否かを判断する(ステップS43)。具体的には、制御部21は、選択されたレポートの「依頼部門」(ステップS21で取得)が救急部門である場合に、救急レポートである(一般レポートでない)と判断し、「依頼部門」が救急部門でない場合に、一般レポートであると判断する。救急部門は、予め定められている部門(診療科)であり、任意に変更可能である。救急部門として、複数の部門を設定することも可能である。本実施の形態では、救急部門として「救急科」が設定されている。
【0097】
選択されたレポートが一般レポートである場合には(ステップS43;YES)、制御部21は、ログインユーザーが「依頼医」であるか否かを判断する(ステップS44)。具体的には、制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、選択されたレポートの「レポートID」に対応付けられた「依頼医ユーザーID」が、ログインユーザーの「ユーザーID」である場合に、ログインユーザーが「依頼医」であると判断する。
【0098】
ログインユーザーが「依頼医」である場合には(ステップS44;YES)、制御部21は、ログインユーザーに操作権限があると判定する(ステップS42)。
【0099】
ステップS44において、ログインユーザーが「依頼医」でない場合には(ステップS44;NO)、制御部21は、ログインユーザーが依頼部門の「部門長」であるか否かを判断する(ステップS45)。具体的には、制御部21は、記憶部24のユーザー属性テーブルT4を参照して、「ユーザーID」フィールドがログインユーザーの「ユーザーID」、「部門コード」フィールドが、選択されたレポートの「依頼部門」(ステップS21で取得)の「部門コード」、「権限種別」フィールドが「3:部門長」であるレコードがある場合には、ログインユーザーが依頼部門の「部門長」であると判断する。
【0100】
ログインユーザーが依頼部門の「部門長」である場合には(ステップS45;YES)、制御部21は、ログインユーザーに操作権限があると判定する(ステップS42)。
【0101】
ステップS45において、ログインユーザーが依頼部門の「部門長」でない場合には(ステップS45;NO)、制御部21は、ログインユーザーに操作権限がないと判定する(ステップS46)。
【0102】
ステップS43において、選択されたレポートが一般レポートでない場合(ステップS43;NO)、すなわち、選択されたレポートが救急レポートである場合には、制御部21は、ログインユーザーが「部門長」又は「医師」であるか否かを判断する(ステップS47)。具体的には、制御部21は、記憶部24のユーザー属性テーブルT4から、ログインユーザーの「ユーザーID」と対応付けられた「権限種別」を取得し、取得した「権限種別」が「3:部門長」又は「2:医師」であるか否かを判断する。
【0103】
ログインユーザーが「部門長」又は「医師」である場合には(ステップS47;YES)、制御部21は、レポート表示時に警告を付加することとし(ステップS48)、ログインユーザーに操作権限があると判定する(ステップS42)。
【0104】
ステップS47において、ログインユーザーが「部門長」でも「医師」でもない場合には(ステップS47;NO)、制御部21は、ログインユーザーに操作権限がないと判定する(ステップS46)。
ステップS42又はステップS46の後、権限判定処理が終了する。
【0105】
図11に戻り、ステップS23の後、ログインユーザーに確認権限がある場合には(ステップS24;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポート画面をクライアント端末30の表示部32に表示させ、確認ボタンを押下可能に表示させる(ステップS25)。「押下可能」とは、操作部33からの操作により、押下された状態に変更可能であることをいう。
ここで、表示対象のレポートが救急レポートであるために確認権限が付与されたものである場合(ステップS48で、レポート表示時に警告を付加すると判断された場合)には、制御部21は、警告メッセージをクライアント端末30の表示部32に表示させる。警告メッセージとして、例えば、「このレポートは救急管理されているため、確認権限が付与されています。」、「全ての医師(研修医を除く)に確認権限があるレポートです。」等の警告が通知される。
なお、確認取り消しボタンについては、非表示としてもよいし、押下不可能に表示させてもよい。「押下不可能」とは、操作部33からの操作により、押下された状態に変更不可能であることをいう。例えば、ボタンをグレーアウトさせることで、操作対象外であることを示すことができる。
【0106】
図13に、クライアント端末30の表示部32に表示されるレポート画面325の例を示す。レポート画面325には、レポート表示領域61、確認ボタン62、確認取り消しボタン63、参照履歴ボタン64、確認履歴ボタン65が含まれる。
レポート表示領域61には、選択されたレポートが表示される。
確認ボタン62は、レポート表示領域61に表示されている医用レポートの確認状態が「未確認」であって、操作者に確認権限がある場合に、押下可能に表示される。確認ボタン62は、医用レポートの確認状態を確認済みとする際に押下(クリック)される。
確認取り消しボタン63は、レポート表示領域61に表示されている医用レポートの確認状態が「確認済み」であって、操作者に確認取り消し権限がある場合に、押下可能に表示される。確認取り消しボタン63は、医用レポートの確認を取り消す(確認状態を未確認に戻す)際に押下(クリック)される。
図13では、確認ボタン62は押下可能となっており、確認取り消しボタン63は押下不可能となっている。
【0107】
参照履歴ボタン64が押下されると、レポート表示領域61に表示されている医用レポートを参照した(表示させた)ユーザーの一覧が表示される。具体的には、制御部21は、記憶部24のレポート参照履歴テーブルT8から、「対象レポートID」フィールドが表示中の医用レポートの「レポートID」、「参照/参照取り消しフラグ」フィールドが「1:参照」であるレコードを抽出し、抽出したレコードに含まれる「参照ユーザーID」、「レポート参照日時」等を表示させる。
【0108】
確認履歴ボタン65が押下されると、レポート表示領域61に表示されている医用レポートに対して確認処理/確認取り消し処理を行ったユーザーの一覧が表示される。具体的には、制御部21は、記憶部24のレポート参照履歴テーブルT8から、「対象レポートID」フィールドが表示中の医用レポートの「レポートID」、「確認状態変更フラグ」が「1:確認済みに変更」又は「-1:確認取り消し」であるレコードを抽出する。そして、制御部21は、抽出したレコードのうち、「確認状態変更フラグ」が「1:確認済みに変更」であるレコードについては、制御部21は、当該レコードに含まれる「参照ユーザーID」、「レポート参照日時」をそれぞれ、医用レポートを確認済みにしたユーザー、確認日時として表示させる。一方、抽出したレコードのうち、「確認状態変更フラグ」が「-1:確認取り消し」であるレコードについては、制御部21は、当該レコードに含まれる「参照ユーザーID」、「レポート参照日時」をそれぞれ、医用レポートの確認を取り消したユーザー、確認取り消し日時として表示させる。
【0109】
クライアント端末30において、操作者が操作部33からの操作により、確認ボタンを押下すると(ステップS26;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、選択されたレポートの「レポートID」に対応付けられた「レポート確認状態フラグ」を「1:確認済み」に変更する(ステップS27)。
また、制御部21は、クライアント端末30の表示部32に表示させるレポート画面上で、確認ボタンを押下不可能に変更し、確認ボタンの再押下を禁止する(ステップS28)。
【0110】
また、制御部21は、記憶部24のレポート確認履歴テーブルT7及びレポート参照履歴テーブルT8を更新する(ステップS29)。
具体的には、制御部21は、レポート確認履歴テーブルT7に対して、「対象レポートID」、「確認ユーザーID」、「レポート確認日時」、「確認時の権限種別」を対応付けて格納する。制御部21は、「対象レポートID」フィールドに、選択されたレポートの「レポートID」を格納し、「確認ユーザーID」フィールドに、ログインユーザーの「ユーザーID」を格納し、「レポート確認日時」フィールドに、計時部23から取得した現在日時を格納し、「確認時の権限種別」フィールドに、記憶部24のユーザー属性テーブルT4において、ログインユーザーの「ユーザーID」と対応付けられた「権限種別」を格納する。
また、制御部21は、レポート参照履歴テーブルT8に対して、新たなレコードを追加し、「対象レポートID」フィールドに、選択されたレポートの「レポートID」を格納し、「参照ユーザーID」フィールドに、ログインユーザーの「ユーザーID」を格納し、「レポート参照日時」フィールドに、計時部23から取得した現在日時を格納し、「参照時の権限種別」フィールドに、記憶部24のユーザー属性テーブルT4において、ログインユーザーの「ユーザーID」と対応付けられた「権限種別」を格納し、「参照/参照取り消しフラグ」を「1:参照」とし、「確認状態変更フラグ」を「1:確認済みに変更」とする。
【0111】
ステップS24において、ログインユーザーに確認権限がない場合には(ステップS24;NO)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポート画面をクライアント端末30の表示部32に表示させ、確認ボタンを押下不可能に表示させる(ステップS30)。
なお、確認取り消しボタンについては、非表示としてもよいし、押下不可能に表示させてもよい。
【0112】
ステップS30の後、又は、ステップS26において、確認ボタンが押下されない場合には(ステップS26;NO)、制御部21は、記憶部24のレポート参照履歴テーブルT8を更新する(ステップS29)。
具体的には、制御部21は、レポート参照履歴テーブルT8に対して、新たなレコードを追加し、「対象レポートID」フィールドに、選択されたレポートの「レポートID」を格納し、「参照ユーザーID」フィールドに、ログインユーザーの「ユーザーID」を格納し、「レポート参照日時」フィールドに、計時部23から取得した現在日時を格納し、「参照時の権限種別」フィールドに、記憶部24のユーザー属性テーブルT4において、ログインユーザーの「ユーザーID」と対応付けられた「権限種別」を格納し、「参照/参照取り消しフラグ」を「1:参照」とし、「確認状態変更フラグ」を「0:変更なし」とする。
【0113】
ステップS22において、選択されたレポートの「レポート確認状態フラグ」が「1:確認済み」である場合には(ステップS22;YES)、制御部21は、権限判定処理(図12参照)を行う(ステップS31)。ステップS31の権限判定処理は、処理対象が「確認取り消し権限」であること以外は、処理対象が「確認権限」である場合(ステップS23)と同様である。すなわち、制御部21は、記憶部24に記憶されている医用情報について確認権限が付与される医師に対して、当該医用情報についての確認の取り消しを許可することになる。
【0114】
ステップS31の後、ログインユーザーに確認取り消し権限がある場合には(ステップS32;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポート画面をクライアント端末30の表示部32に表示させ、確認取り消しボタンを押下可能に表示させる(ステップS33)。
ここで、表示対象のレポートが救急レポートであるために確認取り消し権限が付与されたものである場合(ステップS48で、レポート表示時に警告を付加すると判断された場合)には、制御部21は、警告メッセージをクライアント端末30の表示部32に表示させる。警告メッセージとして、例えば、「このレポートは救急管理されているため、確認取り消し権限が付与されています。」、「全ての医師(研修医を除く)に確認取り消し権限があるレポートです。」等の警告が通知される。
なお、確認ボタンについては、非表示としてもよいし、押下不可能に表示させてもよい。
【0115】
クライアント端末30において、操作者が操作部33からの操作により、確認取り消しボタンを押下すると(ステップS34;YES)、医用情報管理装置20の制御部21は、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、選択されたレポートの「レポートID」に対応付けられた「レポート確認状態フラグ」を「0:未確認」に変更する(ステップS35)。
また、制御部21は、クライアント端末30の表示部32に表示させるレポート画面上で、確認取り消しボタンを押下不可能に変更し、確認取り消しボタンの再押下を禁止する(ステップS36)。
【0116】
また、制御部21は、記憶部24のレポート参照履歴テーブルT8を更新する(ステップS29)。
具体的には、制御部21は、レポート参照履歴テーブルT8に対して、新たなレコードを追加し、「対象レポートID」フィールドに、選択されたレポートの「レポートID」を格納し、「参照ユーザーID」フィールドに、ログインユーザーの「ユーザーID」を格納し、「レポート参照日時」フィールドに、計時部23から取得した現在日時を格納し、「参照時の権限種別」フィールドに、記憶部24のユーザー属性テーブルT4において、ログインユーザーの「ユーザーID」と対応付けられた「権限種別」を格納し、「参照/参照取り消しフラグ」を「1:参照」とし、「確認状態変更フラグ」を「-1:確認取り消し」とする。
【0117】
ステップS32において、ログインユーザーに確認取り消し権限がない場合には(ステップS32;NO)、医用情報管理装置20の制御部21は、選択されたレポートのレポート画面をクライアント端末30の表示部32に表示させ、確認取り消しボタンを押下不可能に表示させる(ステップS37)。
なお、確認ボタンについては、非表示としてもよいし、押下不可能に表示させてもよい。
【0118】
ステップS37の後、又は、ステップS34において、確認取り消しボタンが押下されない場合には(ステップS34;NO)、制御部21は、記憶部24のレポート参照履歴テーブルT8を更新する(ステップS29)。
具体的には、制御部21は、レポート参照履歴テーブルT8に対して、新たなレコードを追加し、「対象レポートID」フィールドに、選択されたレポートの「レポートID」を格納し、「参照ユーザーID」フィールドに、ログインユーザーの「ユーザーID」を格納し、「レポート参照日時」フィールドに、計時部23から取得した現在日時を格納し、「参照時の権限種別」フィールドに、記憶部24のユーザー属性テーブルT4において、ログインユーザーの「ユーザーID」と対応付けられた「権限種別」を格納し、「参照/参照取り消しフラグ」を「1:参照」とし、「確認状態変更フラグ」を「0:変更なし」とする。
ステップS29の後、レポート画面表示処理が終了する。
【0119】
以上説明したように、本実施の形態によれば、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、処理対象の医用情報とクライアント端末30を操作中の医師の識別情報とが対応付けられている場合に、レポート情報テーブルT6の処理対象の医用情報の確認状態を確認済みとする確認権限を付与するので、医用情報を確認すべき医師以外の医師が当該医用情報を確認済みの状態にしてしまうことを防ぎ、医用情報に対する安全な管理を確保することができる。
【0120】
例えば、処理対象の医用情報の確認状態を確認済みとするための確認ボタンを、クライアント端末30の操作部33からの操作により押下可能にクライアント端末30の表示部32に表示させることで、クライアント端末30の操作者に、医用情報の確認状態を確認済みとする権限があることを認識可能に提示することができる。
【0121】
また、クライアント端末30の表示部32に表示された確認ボタンが、操作部33からの操作により押下された場合に、記憶部24のレポート情報テーブルT6の処理対象の医用情報の確認状態を確認済みに変更し、当該確認ボタンの再押下を禁止することで、この医用情報が確認済みであることを示すことができる。
【0122】
また、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、処理対象の医用情報とクライアント端末30を操作中の医師の識別情報とが対応付けられていない場合に、確認ボタンを、クライアント端末30の操作部33からの操作により押下不可能にクライアント端末30の表示部32に表示させるので、操作者に確認権限がないことを簡単に示すことができる。
【0123】
また、処理対象の医用情報が救急管理されるものである場合に、記憶部24のレポート情報テーブルT6において、処理対象の医用情報とクライアント端末30を操作中の医師の識別情報とが対応付けられていなくても、処理対象の医用情報に対する確認権限を付与することができる。例えば、救急科等では、医用レポートのオーダー発行時に医用レポートを確認すべき医師が定まらない場合があるが、医用レポートに対する確認権限を全ての医師に付与することで、その後の処理を滞りなく進めることができる。
【0124】
また、処理対象の医用情報が救急管理されるものであることで、確認権限を付与する際に、クライアント端末30の表示部32に警告を表示させるので、操作者に注意を喚起することができる。具体的には、自分だけに確認権限が付与されている医用情報と区別できるようにし、全ての医師に確認権限が付与されているものであることを意識させることができる。
【0125】
また、図8に示すログインユーザーの未確認レポートリスト画面322のように、クライアント端末30を操作中の医師に対して確認権限が付与され、かつ、確認状態が未確認である医用情報のリストをクライアント端末30の表示部32に表示させる際に、処理対象の医用情報が救急レポートであることで、確認権限が付与される医用情報については、リストから除外されている。このため、自分だけに確認権限が付与されている医用情報(依頼医がログインユーザーである医用情報)を認識しやすくなる。
【0126】
また、処理対象の医用情報と対応付けられている医師の識別情報が示す医師が所属する部門の責任者に対しても、確認権限を付与するので、処理対象の医用情報を確認すべき医師が退職や休職でいない場合等にも、医用情報の確認状態を確認済みにすることができる。
【0127】
また、処理対象の医用情報の確認状態が確認済みとされた履歴を記録することで、各医用情報の確認状態を管理することができる。
【0128】
また、医用情報の確認の取り消しを、確認権限が付与される医師に対してのみ許可するので、確認権限がない者が確認を取り消してしまうことを防止することができる。
【0129】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る医用情報管理システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0130】
例えば、上記実施の形態では、医用レポートの確認を中心に説明したが、医用レポート以外の医用情報を確認対象としてもよい。
上記実施の形態では、本発明の制御プログラムが、医用情報管理システム100中の医用情報管理装置20の制御プログラムである場合について説明したが、この制御プログラムは、他の装置において実行されることとしてもよい。
【0131】
また、上記実施の形態では、権限判定処理(図12参照)を、確認権限と確認取り消し権限とで共通としたが、ユーザーの権限種別に応じて設定される操作権限が、確認権限と確認取り消し権限とで異なることとしてもよい。
【0132】
また、上記実施の形態では、ユーザーが意識的に操作することによって、医用情報(医用レポート)を確認済みの状態とすることとしたが、自動的に確認済みの状態に移行させることとしてもよい。例えば、医用レポートの閲覧表示(参照)がなされたことを検出して、自動で確認済みにすることとしてもよい。あるいは、医用レポートの閲覧時間が所定時間以上になった場合に、自動で確認済みにすることとしてもよい。
【0133】
以上の説明では、各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピューター読み取り可能な媒体としてROMを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0134】
10 電子カルテシステム
20 医用情報管理装置
21 制御部
22 通信部
24 記憶部
30 クライアント端末
32 表示部
33 操作部
61 レポート表示領域
62 確認ボタン
63 確認取り消しボタン
100 医用情報管理システム
N 通信ネットワーク
T1 施設情報テーブル
T2 部門情報テーブル
T3 ユーザー情報テーブル
T4 ユーザー属性テーブル
T5 患者情報テーブル
T6 レポート情報テーブル
T7 レポート確認履歴テーブル
T8 レポート参照履歴テーブル
T9 医用画像管理テーブル
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13