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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102314
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/497 20060101AFI20240723BHJP
   G02B 26/10 20060101ALI20240723BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
G01S7/497
G02B26/10 C
G01S7/481 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077811
(22)【出願日】2024-05-13
(62)【分割の表示】P 2022511586の分割
【原出願日】2021-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2020062799
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】加園 修
(72)【発明者】
【氏名】出田 亮
(57)【要約】
【課題】可動反射部の振れ角についての検出部による検出結果の設計状態の検出結果からのずれを補正することが一例として挙げられる。
【解決手段】出射部(110)から出射されて可動反射部(120)によって反射された一部の電磁波は、センサ装置(10)の外部に存在する物体等の対象物によって反射又は散乱される。出射部(110)から出射された可動反射部(120)によって反射された他の一部の電磁波は、上記対象物よりも可動反射部(120)の近くに位置する構造体(200)によって反射又は散乱される。検出部(122)は、可動反射部(120)の第1方向(X)及び第2方向(Y)の振れ角を検出する。補正部(150)は、構造体(200)によって反射又は散乱された電磁波の受信部(130)による受信結果に基づいて、検出部(122)の検出結果を補正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を出射する出射部と、
所定の走査範囲内に向けて電磁波を反射する可動反射部と、
前記可動反射部の振れ角を検出する検出部と、
前記走査範囲内に少なくとも一部が位置する構造体によって反射又は散乱された前記電磁波を受信する受信部と、
前記構造体の第1部分によって反射または散乱された前記電磁波の前記受信部による第1受信値と、前記構造体の第2部分によって反射又は散乱された前記電磁波の前記受信部による第2受信値との、差及び比の少なくとも一方の値を算出して得た補正値に基づき、前記検出部の検出結果を補正する補正部と、
を備えるセンサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ装置において、
前記補正部は、前記第1受信値と、前記第2受信値と、の関係と、前記検出部が基準状態で動作した場合における前記構造体の前記第1部分によって反射又は散乱された前記電磁波の前記受信部による第1基準受信値と、前記検出部が前記基準状態で動作した場合における前記構造体の前記第2部分によって反射又は散乱された前記電磁波の前記受信部による第2基準受信値と、の関係と、の比較結果に基づいて、前記検出部の前記検出結果を補正する、センサ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサ装置において、
前記第1基準受信値と、前記第2基準受信値と、の前記関係が所定の基準関係となるように、前記構造体の位置を調整する、第1調整部をさらに備えるセンサ装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のセンサ装置において、
前記可動反射部は、出射部から出射された前記電磁波を前記走査範囲内に向けて反射しており、
前記第1基準受信値と、前記第2基準受信値と、の前記関係が所定の基準関係となるように、前記出射部からの前記電磁波の出射タイミングを調整する、第2調整部をさらに備えるセンサ装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記構造体は、前記第1部分及び前記第2部分を有する一つの連続した構造体であり、
前記構造体の前記第1部分及び前記第2部分は、前記可動反射部の線型駆動の方向にずれている、センサ装置。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記構造体は、前記第1部分及び前記第2部分を有する一つの連続した構造体であり、
前記構造体の前記第1部分及び前記第2部分は、前記可動反射部の共振駆動の方向にずれている、センサ装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記構造体は、前記可動反射部の走査線と交差している、センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LiDAR(Light Detection And Ranging)等、様々なセンサ装置が開発されている。センサ装置は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等の可動反射部を備えている。センサ装置は、赤外線等の電磁波を所定の走査範囲に向けて可動反射部によって反射することで、センサ装置の外部に存在する物体等の対象物を走査する。
【0003】
特許文献1には、可動反射部によって反射されたレーザ光が出力された方向を求めるため、可動反射部の走査範囲の一端側に反射部材を配置することが記載されている。反射部材によって反射されたレーザ光は、受光部によって受光される。受光部の受光結果に基づいて、可動反射部から反射部材までの距離が算出される。可動反射部から反射部材までの距離に基づいて、可動反射部によって反射されたレーザ光が出力された方向が算出される。
【0004】
特許文献2には、可動反射部等、センサ装置を構成する部材を収容する筐体に反射部材を設けて、反射部材によって反射されたレーザ光によって可動反射部の走査位置のずれを検知することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-6403号公報
【特許文献2】特開2020-16481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
センサ装置には、可動反射部の振れ角を検出するための検出部が設けられることがある。しかしながら、検出部の感度は、温度依存性を有する場合がある。この場合、検出部の検出結果が設計状態の検出結果からずれることがある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題としては、可動反射部の振れ角についての検出部による検出結果の設計状態の検出結果からのずれを補正することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、
所定の走査範囲内に向けて電磁波を反射する可動反射部と、
前記可動反射部の振れ角を検出する検出部と、
前記走査範囲内に位置する構造体によって反射又は散乱された前記電磁波を受信する受信部と、
前記構造体によって反射された前記電磁波の前記受信部による受信結果に基づいて、前記検出部の検出結果を補正する補正部と、
を備えるセンサ装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るセンサ装置を示す図である。
図2】構造体と、可動反射部の走査線と、走査線上に照射されたスポットと、の関係の一例を示す図である。
図3図2に示した第1スポット及び第2スポットによって受信部に発生する信号の一例を示すグラフである。
図4】可動反射部の第2方向における振れ角が変動した場合における、第1スポットによって受信部に発生する信号の受信値と、第2スポットによって受信部に発生する信号の受信値と、の変化の一例を示すグラフである。
図5図4に示した2つの受信値の差を示すグラフである。
図6】可動反射部の第1方向における振れ角が変動した場合における、第3スポットによって受信部に発生する信号の受信値と、第4スポットによって受信部に発生する信号の受信値と、の変化の一例を示すグラフである。
図7図6に示した2つの受信値の差を示すグラフである。
図8】変形例に係るセンサ装置における、構造体と、可動反射部の走査線と、走査線上に照射されたスポットと、の関係の一例を示す図である。
図9】可動反射部の第1方向における振れ角が変動した場合における、第9スポットによって受信部に発生する信号の受信値と、第10スポットによって受信部に発生する信号の受信値と、の変化の一例を示すグラフである。
図10図9に示した2つの受信値の差を示すグラフである。
図11】基準状態における、構造体と、第9スポットと、第10スポットと、の関係の一例を示す図である。
図12】可動反射部の第1方向における振れ角が基準状態における振れ角よりも小さくなった場合における、構造体と、第9スポットと、第10スポットと、の関係の一例を示す図である。
図13】可動反射部の第1方向における振れ角が基準状態における振れ角よりも大きくなった場合における、構造体と、第9スポットと、第10スポットと、の関係の一例を示す図である。
図14】可動反射部の第2方向における振れ角と、第11スポットによって受信部に発生する信号の受信値と第12スポットによって受信部に発生する信号の受信値との差と、の関係の一例を示すグラフである。
図15】基準状態における、構造体と、第9スポットと、第10スポットと、第11スポットと、第12スポットと、の関係の一例を示す図である。
図16】可動反射部の第2方向における振れ角が基準状態における振れ角よりも小さくなった場合における、構造体と、第9スポットと、第10スポットと、第11スポットと、第12スポットと、の関係の一例を示す図である。
図17】可動反射部の第1方向における振れ角が基準状態における振れ角よりも大きくなった場合における、構造体と、第9スポットと、第10スポットと、第11スポットと、第12スポットと、の関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係るセンサ装置10を示す図である。
【0012】
図1において、第1方向X及び第2方向Yは、互いに交差しており、具体的には直交している。図1において、第1方向Xは水平方向である。第1方向Xを示す矢印の方向である第1方向Xの正方向は、後述する可動反射部120から可動反射部120の後述する走査範囲に向けて見て左方向である。第1方向Xを示す矢印の方向の反対方向である第1方向Xの負方向は、可動反射部120が位置する側から可動反射部120の走査範囲に向けて見て右方向である。第2方向Yは垂直方向である。第2方向Yを示す矢印の方向である第2方向Yの正方向は、上方向である。第2方向Yを示す矢印の方向の反対方向である第2方向Yの負方向は、下方向である。
【0013】
本明細書の説明から明らかなように、第1方向Xは水平方向と異なる方向であってもよく、第2方向Yは垂直方向と異なる方向であってもよい。
【0014】
センサ装置10は、出射部110、可動反射部120、検出部122、受信部130、ビームスプリッタ140、補正部150、第1調整部162及び第2調整部164を備えている。図1において、出射部110、可動反射部120、受信部130、ビームスプリッタ140及び走査線Lにかけて延びる点線は、出射部110、可動反射部120、受信部130、ビームスプリッタ140及び走査線Lに亘って伝搬する電磁波を示している。図1では、可動反射部120から走査線Lに向けて反射された電磁波は、走査線Lが形成される領域のおおよそ中央部に向けて照射されている。
【0015】
出射部110は、一定のタイミングの間隔でパルス状の赤外線等の電磁波を出射する。出射部110は、例えばレーザダイオード(LD)等、電流等の電気を光等の電磁波に変換可能な素子である。出射部110から出射された電磁波は、ビームスプリッタ140によって反射されて可動反射部120に入射する。
【0016】
可動反射部120は、出射部110から出射された電磁波を所定の走査範囲内に向けて反射する。可動反射部120の走査範囲は、可動反射部120によって反射された電磁波によって照射可能な範囲である。可動反射部120は、例えば、2軸MEMSミラーである。可動反射部120は、第1方向Xに沿って例えば正弦波状に駆動されており、第2方向Yに沿って例えば鋸歯状波状に第1方向Xに沿った正弦波より低い周波数で駆動されている。すなわち、第1方向Xは、可動反射部120の共振駆動の方向であり、第2方向Yは、可動反射部120の線型駆動の方向となっている。
【0017】
検出部122は、可動反射部120の第1方向X及び第2方向Yの振れ角を検出する。検出部122は、例えば、可動反射部120に設けられたピエゾ抵抗素子である。可動反射部120の第1方向X及び第2方向Yの振れ角は、検出部122の検出結果に基づいて制御されている。したがって、検出部122の感度が温度依存性を有する場合、検出部122による可動反射部120の振れ角の検出結果が温度に応じて変動し、その結果、可動反射部120の振れ角が温度に応じて変動することがある。後述するように、本実施形態では、検出部122による可動反射部120の振れ角の検出結果を補正部150によって補正することができる。
【0018】
出射部110から出射されて可動反射部120によって反射された一部の電磁波は、センサ装置10の外部に存在する物体等の対象物によって反射又は散乱される。この電磁波は、可動反射部120に戻り、可動反射部120による反射と、ビームスプリッタ140の透過と、を順に経て、受信部130に入射して受信部130によって受信される。受信部130は、例えばアバランシェフォトダイオード(APD)等、光等の電磁波を電流等の電気信号に変換可能な素子である。
【0019】
出射部110から出射された可動反射部120によって反射された他の一部の電磁波は、上記対象物よりも可動反射部120の近くに位置する構造体200によって反射又は散乱される。この電磁波は、可動反射部120に向けて戻り、可動反射部120による反射と、ビームスプリッタ140の透過と、を順に経て、受信部130に入射して受信部130によって受信される。構造体200としては、例えば、メッキ等経時安定性の高い表面処理を施した金属等が用いられる。
【0020】
可動反射部120から構造体200までの距離は、可動反射部120から上記対象物までの距離より短くなっている。したがって、出射部110からの電磁波の出射から、構造体200による電磁波の反射を経て、受信部130による電磁波の受信までの時間は、出射部110からの電磁波の出射から、上記対象物による電磁波の反射を経て、受信部130による電磁波の受信までの時間より短くなる。このため、受信部130において発生する信号の時間差に基づいて、センサ装置10は、受信部130において発生した信号が、構造体200に起因する信号であるか、又は上記対象物に起因する信号であるかを区別することができる。
【0021】
センサ装置10は、構造体200を備えていてもよい。或いは、構造体200は、センサ装置10の外部に設けられていてもよい。センサ装置10が構造体200を備えている場合、構造体200は、例えば、出射部110、可動反射部120、受信部130、ビームスプリッタ140等センサ装置10を構成する部材を収容する筐体の窓部、すなわち、筐体の内部と外部との間で電磁波が透過する部分に設けることができる。しかしながら、構造体200が設けられる場所は、窓部に限定されない。
【0022】
本実施形態において、補正部150、第1調整部162及び第2調整部164は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。補正部150、第1調整部162及び第2調整部164は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
【0023】
補正部150は、構造体200によって反射又は散乱された電磁波の受信部130による受信結果に基づいて、検出部122の検出結果を補正する。補正部150の補正によって、可動反射部120の振れ角についての検出部122による検出結果の設計状態の検出結果からのずれを補正することができる。
【0024】
図2は、構造体200と、可動反射部120の走査線Lと、走査線L上に照射されたスポットと、の関係の一例を示す図である。
【0025】
図2において、走査線Lは、第1方向X、すなわち可動反射部120の共振駆動の方向に折り返しながら第2方向Y、すなわち可動反射部120の線型駆動の方向の正方向から負方向に向けて伸びている。
【0026】
図2では、走査線L上に位置する8つのスポット、すなわち、第1スポットS1、第2スポットS2、第3スポットS3、第4スポットS4、第5スポットS5、第6スポットS6、第7スポットS7及び第8スポットS8が示されている。各スポットは、出射部110から出射されて可動反射部120によって構造体200に向けて反射された電磁波によって生成されている。
【0027】
第1スポットS1、第2スポットS2、第3スポットS3及び第4スポットS4の各々は、補正部150の補正に用いられるスポットである。第1スポットS1、第2スポットS2、第3スポットS3及び第4スポットS4の各々の少なくとも一部分は、構造体200に照射されている。なお、第1スポットS1、第2スポットS2、第3スポットS3及び第4スポットS4は、センサ装置10のセンシングに用いられてもよい。第1スポットS1及び第2スポットS2は、可動反射部120の線型駆動の方向、すなわち第2方向Yにずれている。また、第2スポットS2は、第1スポットS1よりも、走査線Lが形成される領域において第2方向Yの外側に位置している。第3スポットS3及び第4スポットS4は、可動反射部120の共振駆動の方向、すなわち第1方向Xにずれている。また、第4スポットS4は、第3スポットS3よりも、走査線Lが形成される領域において第1方向Xの外側に位置している。
【0028】
第5スポットS5、第6スポットS6、第7スポットS7及び第8スポットS8の各々は、センサ装置10のセンシングに用いられるスポットの一部である。第5スポットS5、第6スポットS6、第7スポットS7及び第8スポットS8の各々のいずれの部分も、構造体200に照射されない。したがって、第5スポットS5、第6スポットS6、第7スポットS7及び第8スポットS8については、上記対象物へ照射される電磁波のエネルギーが構造体200によって低減されることがなく、上記対象物を効率よくセンシングすることができる。第5スポットS5及び第6スポットS6は、それぞれ、第1スポットS1及び第2スポットS2に対して、左側にずれている。第7スポットS7及び第8スポットS8は、それぞれ、第3スポットS3及び第4スポットS4に対して上側にずれている。
【0029】
構造体200は、可動反射部120の走査線Lが形成される領域の外側に位置している。仮に、走査線Lが形成される領域の内側に可動反射部120が位置している場合、センサ装置10は、構造体200が配置されている領域における対象物を検出することができなくなる、又は検出性能が劣化する可能性がある。これに対して図2に示す例では、センサ装置10が対象物を検出することができなくなる、又は検出性能が劣化する領域を、可動反射部120の走査線Lが形成される領域の外側に限定することができる。
【0030】
補正部150は、構造体200の所定の第1部分によって反射又は散乱された電磁波の受信部130による第1受信値と、構造体200の所定の第2部分によって反射又は散乱された電磁波の受信部130による第2受信値と、の関係に基づいて、検出部122の検出結果を補正することができる。この場合において、補正部150は、第1受信値と第2受信値との関係、例えば第1受信値と第2受信値との差及び比の少なくとも一方と、検出部122の検出結果の、設計状態、初期状態等の基準状態の検出結果からのずれと、の関係に応じて、検出部122の検出結果を補正することができる。
【0031】
補正部150は、第1受信値と、第2受信値と、の関係と、検出部122が基準状態で動作した場合における構造体200の第1部分によって反射又は散乱された電磁波の受信部130による第1基準受信値と、検出部122が基準状態で動作した場合における構造体200の第2部分によって反射又は散乱された電磁波の受信部130による第2基準受信値と、の関係と、の比較結果に基づいて、検出部122の検出結果を補正することができる。第1基準受信値と第2基準受信値との関係は、既知の所定の基準関係にすることができる。例えば、第1基準受信値と第2基準受信値との差及び比の少なくとも一方は、既知の所定の基準値にしてもよい。この場合において、温度等の一定の要因によって、検出部122の感度が、検出部122が基準状態にある場合の感度から変動して、可動反射部120の振れ角が、検出部122が基準状態にある場合の振れ角から変動すると、第1受信値と第2受信値との関係が当該所定の基準関係から変動する。補正部150は、第1受信値と第2受信値との関係が上記所定の基準関係に戻るように、検出部122の検出結果を補正することができる。第1基準受信値と第2基準受信値とは例えば互いに実質的に等しくすることができる。
【0032】
一例において、構造体200の第1部分は、構造体200のうち第1スポットS1が照射される領域及びその周辺にし、構造体200の第2部分は、構造体200のうち第2スポットS2が照射される領域及びその周辺にしてもよい。すなわち、構造体200の第1部分及び第2部分は、可動反射部120の線型駆動の方向、すなわち第2方向Yにずれているようにしてもよい。
【0033】
第1調整部162は、第1基準受信値と、第2基準受信値と、の関係が所定の基準関係となるように、構造体200の位置を調整することができる。例えば、第1調整部162は、構造体200を第2方向Yに沿って移動させることができる。これによって、第1スポットS1についての第1基準受信値と第2スポットS2についての第2基準受信値との関係が所定の基準関係となるようにすることができる。
【0034】
他の例において、構造体200の第1部分は、構造体200のうち第3スポットS3が照射される領域及びその周辺にし、構造体200の第2部分は、構造体200のうち第4スポットS4が照射される領域及びその周辺にしてもよい。すなわち、構造体200の第1部分及び第2部分は、可動反射部120の共振駆動の方向、すなわち第1方向Xにずれているようにしてもよい。
【0035】
第2調整部164は、第1基準受信値と、第2基準受信値と、の関係が所定の基準関係となるように、出射部110からの電磁波の出射タイミングを調整することができる。これによって、第3スポットS3についての第1基準受信値と第4スポットS4についての第2基準受信値との関係が所定の基準関係となるようにすることができる。
【0036】
第1調整部162による構造体200の位置の調整と、第2調整部164による出射部110からの電磁波の出射タイミングの調整と、は適宜組み合わせることができる。例えば、第1調整部162が構造体200を第2方向Yに移動させることで、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角の検出部122による検出結果を補正して、第2調整部164が出射部110を調整することで、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角の検出部122による検出結果を補正してもよい。この場合、構造体200は、第1方向Xに沿って移動不可能に固定されていてもよい。或いは、第1調整部162が構造体200を第1方向X及び第2方向Yの双方に移動させることで、可動反射部120の第1方向X及び第2方向Yにおける振れ角の検出部122による検出結果を補正してもよい。この場合、第2調整部164は出射部110を調整しなくてもよい。
【0037】
図3は、図2に示した第1スポットS1及び第2スポットS2によって受信部130に発生する信号の一例を示すグラフである。図4は、可動反射部120の第2方向Yの振れ角が変動した場合における、第1スポットS1によって受信部130に発生する信号の受信値S(S1)と、第2スポットS2によって受信部130に発生する信号の受信値S(S2)との、変化の一例を示すグラフである。図5は、図4に示した2つの受信値S(S1)及びS(S2)の差S(S1)-S(S2)を示すグラフである。図6は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が変動した場合における、第3スポットS3によって受信部130に発生する信号の受信値S(S3)と、第4スポットS4によって受信部130に発生する信号の受信値S(S4)との、変化の一例を示すグラフである。図7は、図6に示した2つの受信値S(S3)及びS(S4)の差S(S3)-S(S4)を示すグラフである。
【0038】
図3において、ピーク値aをとる信号は、第1スポットS1によって発生した信号を示している。また、ピーク値bをとる信号は、第2スポットS2によって発生した信号を示している。図4図6の受信値S(S1)、S(S2)、S(S3)、S(S4)等、各スポットによって受信部130に発生する信号の受信値とは、図3のピーク値a、b等、各スポットによって受信部130に発生する信号のピーク値である。
【0039】
図4のグラフの横軸は、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角を示している。また、図4のグラフの縦軸は、2つの受信値S(S1)及びS(S2)の各々の強度を示している。「PY」が付された実線は、基準状態における可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角を示している。例えば、図2に示す例において、可動反射部120が第2方向Yにおいて大きく振れていると、第1スポットS1及び第2スポットS2は外側へ移動し、第1スポットS1のうち構造体200に照射される面積が減少して受信値S(S1)は小さくなり、第2スポットS2のうち構造体200に照射される面積が増加して受信値S(S2)は大きくなる。したがって、可動反射部120の第2方向Yの振れ角変化に応じて、図4のグラフに示すように受信値S(S1)及びS(S2)が変化する。
【0040】
図5のグラフの横軸は、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角を示している。また、図5のグラフの縦軸は、2つの受信値S(S1)及びS(S2)の差を示している。「PY」が付された実線は、基準状態における可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角を示している。
【0041】
図6のグラフの横軸は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角を示している。また、図6のグラフの縦軸は、2つの受信値S(S3)及びS(S4)の各々の強度を示している。「PX」が付された実線は、基準状態における可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角を示している。横軸の値が大きいほど、可動反射部120は第1方向Xにおいて大きく振れる。例えば、図2に示す例において、可動反射部120が第1方向Xにおいて大きく振れていると、第3スポットS3及び第4スポットS4は外側へ移動し、第3スポットS3のうち構造体200に照射される面積が減少して受信値S(S3)は小さくなり、第4スポットS4のうち構造体200に照射される面積が増加して受信値S(S4)は大きくなる。したがって、可動反射部120の第1方向Xの振れ角変化に応じて、図6のグラフに示すように受信値S(S3)及びS(S4)が変化する。
【0042】
図7のグラフの横軸は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角を示している。また、図7のグラフの縦軸は、2つの受信値S(S3)及びS(S4)の差を示している。「PX」が付された実線は、基準状態における可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角を示している。
【0043】
例えば、第1スポットS1についての第1基準受信値と第2スポットS2についての第2基準受信値との差はゼロにすることができる。例えば、図4及び図5において、第1基準受信値とは、基準状態における受信値S(S1)であり、第2基準受信値とは、基準状態における受信値S(S2)である。また、図5において、基準状態では、S(S1)-S(S2)がゼロとなるように設定することができる。可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角より小さくなったとき、S(S1)-S(S2)は正の値をとる。この場合、補正部150は、S(S1)-S(S2)がゼロに戻るように、すなわち、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が大きくなるように、検出部122の検出結果を補正することができる。また、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角より大きくなったとき、S(S1)-S(S2)は負の値をとる。この場合、補正部150は、S(S1)-S(S2)がゼロに戻るように、すなわち、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が小さくなるように、検出部122の検出結果を補正することができる。したがって、補正部150により検出結果が補正されることで、可動反射部120の駆動信号が補正され、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における振れ角に保たれる。
【0044】
例えば、第3スポットS3についての第1基準受信値と第4スポットS4についての第2基準受信値との差はゼロにすることができる。例えば、図6及び図7において、第1基準受信値とは、基準状態における受信値S(S3)であり、第2基準受信値とは、基準状態における受信値S(S4)である。また、図7において、基準状態では、S(S3)-S(S4)がゼロとなるように設定することができる。可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が基準状態における可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角より小さくなったとき、S(S3)-S(S4)は正の値をとる。この場合、補正部150は、S(S3)-S(S4)がゼロに戻るように、すなわち、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が大きくなるように、検出部122の検出結果を補正することができる。また、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が基準状態における可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角より大きくなったとき、S(S3)-S(S4)は負の値をとる。この場合、補正部150は、S(S3)-S(S4)がゼロに戻るように、すなわち、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が小さくなるように、検出部122の検出結果を補正することができる。したがって、補正部150により検出結果が補正されることで、可動反射部120の駆動信号が補正され、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における振れ角に保たれる。
【0045】
図8は、変形例に係るセンサ装置10における、構造体200と、可動反射部120の走査線Lと、走査線L上に照射されたスポットと、の関係の一例を示す図である。図8は、可動反射部120側から、走査線Lが形成される領域を見た図である。
【0046】
図8では、走査線Lが形成される領域のうちの第2方向Yにおけるおおよそ中央で可動反射部120の共振駆動の方向、すなわち第1方向Xに沿って並ぶ第9スポットS9及び第10スポットS10が白丸で示されている。また、走査線Lが形成される領域のうちの第2方向Yにおける上部で可動反射部120の共振駆動の方向、すなわち第1方向Xに沿って並ぶ第11スポットS11及び第12スポットS12が白丸で示されている。
【0047】
構造体200は、可動反射部120の走査線Lと交差している。具体的には、構造体200は、第2方向Yに沿って線状に延伸するワイヤ等の部材となっている。構造体200の第1方向Xにおける幅は、可動反射部120によって生成されるスポットの第1方向Xの幅より狭くなっている。したがって、構造体200によって減衰される電磁波を抑制することができる。
【0048】
図8に示す例において、構造体200の第1部分は、例えば、構造体200のうち、第9スポットS9によって照射される部分にすることができる。また、構造体200の第2部分は、構造体200のうち、第10スポットS10によって照射される部分にすることができる。第1基準受信値、第2基準受信値等、構造体200によって反射された電磁波によって受信部130に発生する信号の強度は、スポットのうちの構造体200への照射面積とスポットの強度分布とに応じて変動する。
【0049】
図9は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が変動した場合における、第9スポットS9によって受信部130に発生する受信値S(S9)と、第10スポットS10によって受信部130に発生する受信値S(S10)との、変化の一例を示すグラフである。図10は、図9に示した2つの受信値S(S9)及びS(S10)の差を示すグラフである。
【0050】
図9のグラフの横軸は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角を示している。また、図9のグラフの縦軸は、2つの受信値S(S9)及びS(S10)の各々の強度を示している。「PX」が付された実線は、基準状態における可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角を示している。横軸の値が大きいほど、可動反射部120は第1方向Xにおいて大きく振れる。
【0051】
図10のグラフの横軸は、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角を示している。また、図10のグラフの縦軸は、2つの受信値S(S9)及びS(S10)の差S(S10)-S(S9)を示している。「PY」が付された実線は、基準状態における可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角を示している。
【0052】
図11は、基準状態における、構造体200と、第9スポットS9と、第10スポットS10と、の関係の一例を示す図である。図12は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも小さくなった場合における、構造体200と、第9スポットS9と、第10スポットS10と、の関係の一例を示す図である。図13は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも大きくなった場合における、構造体200と、第9スポットS9と、第10スポットS10と、の関係の一例を示す図である。図11図13において、第9スポットS9と第10スポットS10とを通過する両矢印は、可動反射部120の第1方向Xにおける振動の方向を示している。
【0053】
図11において、第9スポットS9のうち構造体200に照射される面積と、第10スポットS10のうち構造体200に照射される面積と、が実質的に等しくなっている。したがって、図10に示したように、基準状態におけるS(S10)-S(S9)はゼロとなる。
【0054】
図12において、第10スポットS10のうち構造体200に照射される面積は、第9スポットS9のうち構造体200に照射される面積より大きくなる。したがって、図10に示したS(S10)-S(S9)は正の値となり、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも小さくなったことが検出できる。
【0055】
図13において、第10スポットS10のうち構造体200に照射される面積は、第9スポットS9のうち構造体200に照射される面積より小さくなる。したがって、図10に示したS(S10)-S(S9)は負の値となり、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも大きくなったことが検出できる。
【0056】
例えば、第9スポットS9についての第1基準受信値と第10スポットS10についての第2基準受信値との差はゼロにすることができる。例えば、図9及び図10において、第1基準受信値とは、基準状態における受信値S(S9)であり、第2基準受信値とは、基準状態における受信値S(S10)である。また、図10において、基準状態では、S(S10)-S(S9)がゼロをとるように設定することができる。可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角から変動して、S(S10)-S(S9)が正又は負の値をとる場合、補正部150は、S(S10)-S(S9)がゼロに戻るように、検出部122の検出結果を補正することができる。
【0057】
図9図13では第9スポットS9及び第10スポットS10を用いる例を説明した。しかしながら、第11スポットS11及び第12スポットS12を用いた場合であっても、図9図13を用いて説明した例と同様にすることができる。
【0058】
図14は、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角と、第11スポットS11によって受信部130に発生する信号の受信値S(S11)と第12スポットS12によって受信部130に発生する信号の受信値S(S12)との差S(S11)-S(S12)と、の関係の一例を示すグラフである。
【0059】
図14において、グラフの横軸は、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角を示している。グラフの縦軸は、第11スポットS11によって受信部130に発生する信号の受信値S(S11)と、第12スポットS12によって受信部130に発生する信号の受信値S(S12)と、の差S(S11)-S(S12)を示している。
【0060】
図15は、基準状態における、構造体200と、第9スポットS9と、第10スポットS10と、第11スポットS11と、第12スポットS12と、の関係の一例を示す図である。図16は、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも小さくなった場合における、構造体200と、第9スポットS9と、第10スポットS10と、第11スポットS11と、第12スポットS12と、の関係の一例を示す図である。図17は、可動反射部120の第1方向Xにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも大きくなった場合における、構造体200と、第9スポットS9と、第10スポットS10と、第11スポットS11と、第12スポットS12と、の関係の一例を示す図である。図15図17において、第9スポットS9と第10スポットS10とを通過する両矢印と、第11スポットS11と第12スポットS12とを通過する両矢印と、は、可動反射部120の第1方向Xにおける振動の方向を示している。
【0061】
図15図17において、第9スポットS9のうち構造体200に照射される面積と、第10スポットS10のうち構造体200に照射される面積と、は実質的に等しくなっている。
【0062】
図16における第11スポットS11のうち構造体200に照射される面積と第12スポットS12のうち構造体200に照射される面積との差は、図15における第11スポットS11のうち構造体200に照射される面積と第12スポットS12のうち構造体200に照射される面積との差より小さくなっている。したがって、図14に示すように、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも小さくなった場合における差S(S11)-S(S12)は、基準状態における差S(S11)-S(S12)より小さくなっている。この場合、補正部150は、差S(S11)-S(S12)が基準状態における差S(S11)-S(S12)に戻るように、検出部122の検出結果を補正することができる。
【0063】
図17における第11スポットS11のうち構造体200に照射される面積と第12スポットS12のうち構造体200に照射される面積との差は、図15における第11スポットS11のうち構造体200に照射される面積と第12スポットS12のうち構造体200に照射される面積との差より大きくなっている。したがって、図14に示すように、可動反射部120の第2方向Yにおける振れ角が基準状態における振れ角よりも大きくなった場合における差S(S11)-S(S12)は、基準状態における差S(S11)-S(S12)より大きくなっている。この場合、補正部150は、差S(S11)-S(S12)が基準状態における差S(S11)-S(S12)に戻るように、検出部122の検出結果を補正することができる。
【0064】
以上、図面を参照して実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0065】
例えば、実施形態では、センサ装置10は、コアキシャル型LiDARとなっている。しかしながら、センサ装置10は、バイアキシャル型LiDARであってもよい。
【0066】
この出願は、2020年3月31日に出願された日本出願特願2020-062799号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 所定の走査範囲内に向けて電磁波を反射する可動反射部と、
前記可動反射部の振れ角を検出する検出部と、
前記走査範囲内に位置する構造体によって反射又は散乱された前記電磁波を受信する受信部と、
前記構造体によって反射された前記電磁波の前記受信部による受信結果に基づいて、前記検出部の検出結果を補正する補正部と、
を備えるセンサ装置。
2. 1.に記載のセンサ装置において、
前記補正部は、前記構造体の第1部分によって反射又は散乱された前記電磁波の前記受信部による第1受信値と、前記構造体の第2部分によって反射又は散乱された前記電磁波の前記受信部による第2受信値と、の関係に基づいて、前記検出部の前記検出結果を補正する、センサ装置。
3. 2.に記載のセンサ装置において、
前記補正部は、前記第1受信値と、前記第2受信値と、の前記関係と、前記検出部が基準状態で動作した場合における前記構造体の前記第1部分によって反射又は散乱された前記電磁波の前記受信部による第1基準受信値と、前記検出部が前記基準状態で動作した場合における前記構造体の前記第2部分によって反射又は散乱された前記電磁波の前記受信部による第2基準受信値と、の関係と、の比較結果に基づいて、前記検出部の前記検出結果を補正する、センサ装置。
4. 3.に記載のセンサ装置において、
前記第1基準受信値と、前記第2基準受信値と、の前記関係が所定の基準関係となるように、前記構造体の位置を調整する、第1調整部をさらに備えるセンサ装置。
5. 3.又は4.に記載のセンサ装置において、
前記可動反射部は、出射部から出射された前記電磁波を前記走査範囲内に向けて反射しており、
前記第1基準受信値と、前記第2基準受信値と、の前記関係が所定の基準関係となるように、前記出射部からの前記電磁波の出射タイミングを調整する、第2調整部をさらに備えるセンサ装置。
6. 2.~5.のいずれか一つに記載のセンサ装置において、
前記構造体の前記第1部分及び前記第2部分は、前記可動反射部の線型駆動の方向にずれている、センサ装置。
7. 2.~5.のいずれか一つに記載のセンサ装置において、
前記構造体の前記第1部分及び前記第2部分は、前記可動反射部の共振駆動の方向にずれている、センサ装置。
8. 1.~7.のいずれか一つに記載のセンサ装置において、
前記構造体は、前記可動反射部の走査線が形成される領域の外側に位置している、センサ装置。
9. 1.~7.のいずれか一つに記載のセンサ装置において、
前記構造体は、前記可動反射部の走査線と交差している、センサ装置。
【符号の説明】
【0067】
10 センサ装置
110 出射部
120 可動反射部
122 検出部
130 受信部
140 ビームスプリッタ
150 補正部
162 第1調整部
164 第2調整部
200 構造体
L 走査線
S1 第1スポット
S2 第2スポット
S3 第3スポット
S4 第4スポット
S5 第5スポット
S6 第6スポット
S7 第7スポット
S8 第8スポット
S9 第9スポット
S10 第10スポット
S11 第11スポット
S12 第12スポット
X 第1方向
Y 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17