(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102315
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】スクリュー圧縮機及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
F04C 18/16 20060101AFI20240723BHJP
F04C 29/12 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F04C18/16 L
F04C29/12 F
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077820
(22)【出願日】2024-05-13
(62)【分割の表示】P 2021540142の分割
【原出願日】2019-08-20
(31)【優先権主張番号】201910018609.4
(32)【優先日】2019-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516389499
【氏名又は名称】ヨーク (ウーシー) エアー・コンディショニング・アンド・リフリジェレーション・カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】521301840
【氏名又は名称】ジョンソン・コントロールズ・タイコ・アイピー・ホールディングス・エルエルピー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119426
【弁理士】
【氏名又は名称】小見山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】ジュウ,ユ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジョンシアーン
(72)【発明者】
【氏名】ヅァン,ファンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャーン,フェンジー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】異なる負荷下でのIPLVを改善したスクリュー圧縮機を提供する
【解決手段】スクリュー圧縮機(100)の、スプール弁ヘッドエンド(121)はスクリューローター(110)の吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、スプール弁ヘッドエンド(121)と吸引ヘッドエンド(111)との間に吸引能力調節距離が形成され、その結果、スクリュー圧縮機の吸引能力が調節される。スクリュー圧縮機(100)の吸引能力は、スプール弁(120)によって調節することができ、その結果、従来の可変周波数スクリューセットのモーター温度及び排気ガス温度制限の問題が効果的に解決され、スクリュー圧縮機の動作範囲及び負荷調節能力が拡大される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリュー圧縮機(100)において、前記スクリュー圧縮機(100)は、
スクリューローター(110)であって、吸引ヘッドエンド(111)及び排気テールエンド(112)を含み、前記スクリューローター(110)は、前記吸引ヘッドエンド(111)からガスを吸い込み、圧縮されたガスを前記排気テールエンド(112)から排出することができるように構成される、スクリューローター(110)と、
スプール弁(120)であって、前記スクリューローター(110)の圧縮チャンバ(103)を封止するための作用側面(125)を含み、前記作用側面(125)は、スプール弁ヘッドエンド(121)及びスプール弁テールエンド(122)を含み、前記スプール弁ヘッドエンド(121)及び前記スプール弁テールエンド(122)は、前記スクリューローター(110)の軸方向に沿って前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)及び前記排気テールエンド(112)と同じ方向に配置され、前記スプール弁(120)は、前記スクリューローター(110)の前記軸方向に沿って、往復運動することができるように構成される、スプール弁(120)と、を含み、
特に、前記スプール弁(120)は、吸引能力調節位置(240)に移動することができるように構成され、前記スプール弁(120)が前記吸引能力調節位置(240)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、前記スプール弁ヘッドエンド(121)と前記吸引ヘッドエンド(111)との間には吸引能力調節距離(D2)が形成され、前記吸引能力調節距離(D2)は、前記スクリューローター(110)の速度を変更することなく、前記スクリュー圧縮機(100)の吸引能力を調節することができるようなものである、ことを特徴とする、スクリュー圧縮機(100)。
【請求項2】
前記スプール弁(120)は、内部体積比率調節位置(220)に移動することができるように構成されており、前記スプール弁(120)が前記内部体積比率調節位置(220)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は、前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置されるか、又は前記吸引ヘッドエンド(111)と整列されており、それにより、前記スプール弁(120)は、前記スクリュー圧縮機(100)の内部体積比率を調節することができる、ことを特徴とする、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項3】
前記スクリュー圧縮機(100)は、更に、
位置センサ(130)を含み、前記位置センサ(130)は、前記軸方向に前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)と前記排気テールエンド(112)との間に配置され、且つ前記スプール弁(120)と接触しており、また前記位置センサ(130)は、前記スプール弁(120)の位置を示すことができるように構成されている、ことを特徴とする、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項4】
前記スプール弁(120)の非作用側面は、前記軸方向に前記スクリューローター(110)に対して傾いている傾斜表面を有し、
前記位置センサ(130)は、前記軸方向における位置が固定されているプローブを含み、前記プローブの一方の端部は、前記傾斜表面と接触しており、前記スプール弁(120)が移動するにつれて前記傾斜表面に対してスライドすることができ、それにより、前記スプール弁(120)が移動するにつれて、前記プローブは前記軸に垂直な方向に移動することができるようになり、
特に、前記位置センサ(130)は、前記プローブが前記軸に垂直な方向に移動する距離に基づいて、前記スプール弁(120)の位置を決定することができる、ことを特徴とする、請求項3に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項5】
前記スプール弁(120)の前記非作用側面は、前記軸方向に沿って延びる溝を有し、前記溝の底面は前記スクリューローター(110)に対して前記軸方向に傾いており、
前記プローブは、接触端及び測定端を有し、前記接触端は前記溝の中に延び、前記溝の前記底面と接触し、前記スプール弁(120)が移動するにつれて、前記底面に対してスライドすることができ、前記測定端は前記溝から突き出ており、
特に、前記位置センサ(130)は、前記溝から突き出ている前記プローブの部分の長さに基づいて、前記スプール弁(120)の位置を決定することができる、ことを特徴とする、請求項4に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項6】
前記スプール弁(120)が第1の位置(210)にある場合、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置され、前記スプール弁(120)の一部は、前記吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる前記スクリューローター(110)の部分をシールドするために使用され、前記スクリュー圧縮機(100)は、実際の最小内部体積比率Viminを有し、前記第1の位置(210)は、前記スプール弁(120)が前記吸引ヘッドエンド(111)に向かって移動する最大ストロークの位置であり、前記スプール弁(120)が第2の位置(230)にある場合、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引ヘッドエンド(111)に整列されており、前記スプール弁(120)の全体が、前記吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる前記スクリューローター(110)の部分をシールドするために使用され、前記スクリュー圧縮機(100)は、実際の最大内部体積比率Vimax1を有し、
前記スプール弁(120)が第3の位置(250)にある場合、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、前記スプール弁(120)の全体が、前記吸引ヘッドエンド(111)と前記排気テールエンド(112)との間の前記スクリューローター(110)の前記部分をシールドするために使用され、前記スクリュー圧縮機(100)は、仮想的な最大内部体積比率Vimax2を有し、前記第3の位置(250)は、前記スプール弁(120)が前記排気テールエンド(112)に向かって移動する最大ストロークの位置である、ことを特徴とする、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項7】
前記スクリュー圧縮機(100)は、前記第1の位置(210)と前記第2の位置(230)との間で前記スプール弁(120)の位置を調節して、前記スクリュー圧縮機(100)の前記内部体積比率Viを調節することができるように構成され、
前記スクリュー圧縮機(100)は、前記第2の位置(230)と前記第3の位置(250)との間で前記スプール弁(120)の位置を調節して、前記スクリュー圧縮機(100)の吸引チャンバ体積を調節し、それによって、前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引能力を調節することができるように構成される、ことを特徴とする、請求項6に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項8】
前記スクリュー圧縮機(100)は、更に、
ピストンロッド(140)を含み、前記ピストンロッド(140)は、前記スプール弁テールエンド(122)に接続されており、前記スプール弁(120)を駆動して前記軸方向に沿って往復して移動するように液圧式に駆動され得るように構成される、ことを特徴とする、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項9】
前記スクリュー圧縮機(100)は、更に、
コントローラ(510)を含み、前記コントローラ(510)は、前記スクリューローター(110)の速度を調節することできるように、且つ、ピストンロッドアクチュエータ(530)を介して、前記ピストンロッド(140)を駆動して前記スプール弁(120
)の位置を調節することができるように、構成される、ことを特徴とする、請求項8に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項10】
前記スクリュー圧縮機(100)の制御方法において、前記制御方法は、
a)前記目標負荷に基づいて、前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数パラメータF及び前記動作内部体積比率パラメータViを設定することであって、前記動作周波数パラメータFは、所定の動作吸引能力Rに対応することと、
b)前記動作周波数パラメータFが、前記動作周波数閾値Ftよりも低いかどうかを決定することであって、前記動作周波数閾値Ftは、閾値吸引能力Rtに対応することと、
c)前記設定された動作周波数パラメータF及び前記動作内部体積比率パラメータViに基づいて、前記スプール弁(120)の位置を調節することであって、
c1)前記動作周波数パラメータFが前記動作周波数閾値Ft以上である場合、
(i)前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数を前記動作周波数パラメータFとして、前記スクリュー圧縮機(100)の前記スクリューローター(110)の速度を調節し、それにより、前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引能力は前記所定の動作吸引能力Rに調節され、前記スプール弁(120)が前記動作内部体積比率パラメータViに対応する前記内部体積比率調節位置(220)まで移動する変位量L1は、前記設定された動作内部体積比率パラメータViに基づいて決定され、
(ii)前記スプール弁(120)は前記変位量L1に基づいて、前記内部体積比率調節位置(220)まで移動され、前記内部体積比率調節位置(220)になったときに、前記スプール弁(120)の前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置されるか、又は前記吸引ヘッドエンド(111)と整列され、それにより、前記スプール弁(120)は、前記吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる前記スクリューローター(110)の部分をシールドすることができ、
c2)前記動作周波数パラメータFが前記動作周波数閾値Ftよりも低い場合、
(i)前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数を前記動作周波数閾値Ftとして、前記スクリューローター(110)の速度を調節し、前記スプール弁(120)が前記所定の動作吸引能力Rに対応する前記吸引能力調節位置(240)まで移動する変位量L2は、前記設定された動作内部体積比率パラメータViに基づいて決定され、
(ii)前記スプール弁(120)は、前記変位量L2に基づいて前記吸引能力調節位置(240)まで移動され、前記吸引能力調節位置(240)になったときに、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、吸引能力調節距離(D2)が、前記スプール弁ヘッドエンド(121)と前記吸引ヘッドエンド(111)との間に形成され、それにより、前記動作周波数閾値Ftに対応する前記閾値吸引能力Rtを、前記所定の動作吸引能力Rに調節することができる、ことと、を含むことを特徴とする、前記スクリュー圧縮機(100)の制御方法。
【請求項11】
ステップc1で到達した実際の内部体積比率は、前記設定された動作内部体積比率パラメータViに等しく、前記圧縮機の前記動作内部体積比率パラメータViは、実際の最小内部体積比率Viminと実際の最大内部体積比率Vimax1との間になり、
ステップc2で到達した前記実際の内部体積比率は、前記所定の動作吸引能力Rによって決定され、前記圧縮機の前記動作内部体積比率パラメータViは、前記実際の最大内部体積比率Vimax1と仮想的な最大内部体積比率Vimax2との間になる、ことを特徴とする、請求項10に記載の前記スクリュー圧縮機(100)の制御方法。
【請求項12】
前記動作周波数閾値Ftは、前記スクリュー圧縮機(100)の正常動作の最低速度に対応することを特徴とする、請求項10に記載の前記スクリュー圧縮機(100)の制御
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、スクリュー圧縮機に関し、特にスプール弁によってスクリュー圧縮機を調節又は制御するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリュー圧縮機は、冷却ユニットでは一般的な構成要素である。スクリュー圧縮機では、一対のスクリューローターが、歯溝によって互いに係合し、その結果、歯溝から構成される要素の体積が変化して、ガスの吸引、圧縮、及び排出が成し遂げられる。一対の係合したスクリューローターは、スクリュー圧縮機の本体内に平行に配置される。スクリューローターの一方の端部は吸引端であり、これは機械本体の吸引ポートに接続されており、他方の端部は排気端であり、これは機械本体の排気ポートに接続されている。スクリューローターが回転すると、ガスが吸引端から吸引され、圧縮され、排気端から排出される。
【0003】
動作周波数F及び内部体積比率Viは、スクリュー圧縮機の2つの重要な動作パラメータである。スクリュー圧縮機の動作周波数Fを変化させることにより、吸引能力を調節することができる。動作周波数Fが高くなるほど、スクリューローターがより速く回転し、吸引能力がより高くなる。吸引端及び排気端の実効チャンバ体積が妥当に設定された場合、スクリュー圧縮機の内部体積比率Vi(Vi=Vs/Vd)を調節することができ、ここで、Vsは吸引チャンバ体積であり、Vdは排出チャンバ体積である。
【0004】
スクリュー圧縮機の内部体積比率Viは、スプール弁を調節することにより、調節することができる。具体的には、スプール弁はスクリューローターの軸に沿って配置されており、軸方向に沿ってスクリューローターの一部をくるんだり又は覆ったりすることができる。軸方向に沿ってスプール弁を移動させることにより、吸引チャンバの体積及び/又は排出チャンバの体積を変化させることができ、それによって、内部体積比率Viを調節することができる。
【0005】
IPLV(integrated part load value)は、ユニットのリアルタイム動作効率を評価するために使用される指標である。動作周波数パラメータF及び内部体積比率パラメータViが、異なる負荷に応じて調節された場合、スクリュー圧縮機は効率が最も高い点で動作できるようになり、それによって、ユニット全体の動作性能が向上する。例えば、建物の冷却システムで使用されるユニットの場合、屋内及び屋外の温度差の季節変化に起因して、又は、異なる階における異なる冷却要件を満足するために、負荷は広範に変動するので、呼応してスクリュー圧縮機をより広範に調節することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、スクリュー圧縮機のスプール弁を調節することにより、異なる負荷下でのスクリュー圧縮機のIPLVを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本出願はスクリュー圧縮機を提供し、このスクリュー圧縮機は、吸引能力を調節するために周波数変動とスプール弁とを組み合わせ、その結果、スクリュー圧縮機の動作範囲が制限されているために、周波数を下げることによりこれ以上吸引能力を調節することができなくなった場合に、スプール弁を使用して吸引能力を調節すること
ができるようになり、従って、従来の可変周波数セットのモーター温度及び排気温度の制限の問題が効果的に解決され、スクリュー圧縮機の動作範囲及び負荷調節能力が拡大される。
【0008】
本出願は、スクリュー圧縮機を提供し、該スクリュー圧縮機は、スクリューローターであって、吸引ヘッドエンド及び排気テールエンドを含み、スクリューローターは、吸引ヘッドエンドからガスを吸い込み、圧縮されたガスを排気テールエンドから排出するように構成されるスクリューローターと、スプール弁であって、スクリューローターの圧縮チャンバを封止するための作用側面を含み、作用側面はスプール弁ヘッドエンド及びスプール弁テールエンドを含み、スプール弁ヘッドエンド及びスプール弁テールエンドは、スクリューローターの軸方向に沿ってスクリューローターの吸引ヘッドエンド及び排気テールエンドと同じ方向に配置されており、スプール弁は、スクリューローターの軸方向に沿って往復運動をすることができるように構成されているスプール弁と、を含み、特に、スプール弁は、吸引能力調節位置に移動することができるように構成されており、スプール弁が吸引能力調節位置にある場合、スプール弁ヘッドエンドはスクリューローターの吸引ヘッドエンドの内側に配置され、吸引能力調節距離が、スプール弁ヘッドエンドと吸引ヘッドエンドとの間に形成され、吸引能力調節距離は、スプール弁が、スクリューローターの速度を変更することなくスクリュー圧縮機の吸引能力を調節することができるような距離である。
【0009】
上記のスクリュー圧縮機では、スプール弁は、内部体積比率調節位置に移動することができるように構成されており、スプール弁が内部体積比率調節位置にある場合、スプール弁ヘッドエンドは、スクリューローターの吸引ヘッドエンドの外側に配置されるか、又は吸引ヘッドエンドと整列しており、その結果、スプール弁は、スクリュー圧縮機の内部体積比率を調節することができる。
【0010】
上記によるスクリュー圧縮機は、更に、位置センサを含み、位置センサは、軸方向にスクリューローターの吸引ヘッドエンドと排気テールエンドとの間に配置され、且つスプール弁と接触しており、位置センサは、スプール弁の位置を示すことができるように構成されている。
【0011】
上記によるスクリュー圧縮機では、スプール弁の非作用側面は、軸方向にスクリューローターに対して傾いている傾斜表面を有しており、位置センサは、軸方向における位置が固定されているプローブを含み、プローブの一方の端部は傾斜表面と接触しており、スプール弁が移動するにつれて傾斜表面に対してスライドすることができ、その結果、プローブは、スプール弁が移動するにつれて軸に垂直な方向に移動することができ、特に、位置センサは、プローブが軸に垂直な方向に移動した距離に基づいて、スプール弁の位置を決定することができる。
【0012】
上記によるスクリュー圧縮機では、スプール弁の非作用側面は、軸方向に沿って延びる溝を有しており、この溝の底面は、軸方向にスクリューローターに対して傾いており、プローブは、接触端及び測定端を有しており、接触端は溝の中に延び、溝の底面と接触しており、スプール弁が移動するにつれて底面に対してスライドすることができ、測定端は溝から突き出ており、特に、位置センサは、溝から突き出たプローブの部分の長さに基づいて、スプール弁の位置を決定することができる。
【0013】
上記によるスクリュー圧縮機では、スプール弁が第1の位置にあるとき、スプール弁ヘッドエンドはスクリューローターの吸引ヘッドエンドの外側に配置され、スプール弁の一部が、吸引ヘッドエンドから排気テールエンドまで延びるスクリューローターの部分をシールドするために使用される。スクリュー圧縮機は、実際の最小内部体積比率Vimin
を有し、第1の位置は、スプール弁が吸引ヘッドエンドに向けて移動する最大ストロークの位置である。スプール弁が第2の位置にあるとき、スプール弁ヘッドエンドはスクリュー圧縮機の吸引ヘッドエンドと整列しており、スプール弁の全体が、吸引ヘッドエンドから排気テールエンドまで延びるスクリューローターの部分をシールドするために使用される。スクリュー圧縮機は、実際の最大内部体積比率Vimax1を有する。スプール弁が第3の位置にあるとき、スプール弁ヘッドエンドはスクリュー圧縮機の吸引ヘッドエンドの内側に配置され、スプール弁の全体が、吸引ヘッドエンドと排気テールエンドとの間のスクリューローターの部分をシールドするために使用され、スクリュー圧縮機は、仮想的な最大内部体積比率Vimax2を有する。第3の位置は、スプール弁が排気テールエンドに向けて移動する最大ストロークの位置である。
【0014】
上記によるスクリュー圧縮機では、スクリュー圧縮機は、第1の位置と第2の位置との間でスプール弁の位置を調節して、スクリュー圧縮機の内部体積比率Viを調節することができるように、構成される。また、このスクリュー圧縮機は、第2の位置と第3の位置との間でスプール弁の位置を調節して、スクリュー圧縮機の吸引チャンバ体積を調節し、それによって、スクリュー圧縮機の吸引能力を調節することができるように、構成される。
【0015】
上記によるスクリュー圧縮機は、更に、ピストンロッドを含み、このピストンロッドは、スプール弁テールエンドに接続されており、スプール弁を駆動して軸方向に沿って往復して移動するように液圧式に駆動され得るように構成される。
【0016】
上記によるスクリュー圧縮機は、更に、コントローラを含み、このコントローラは、スクリューローターの速度を調節することできるように、且つ、ピストンロッドアクチュエータを介して、ピストンロッドを駆動してスプール弁の位置を調節することができるように、構成される。
【0017】
別の態様では、本出願はスクリュー圧縮機の制御方法も提供し、この方法は、以下を含む。a)目標負荷に基づいて、スクリュー圧縮機の動作周波数パラメータF及び動作内部体積比率パラメータViを設定すること。ここで、動作周波数パラメータFは、所定の動作吸引能力Rに対応する。b)動作周波数パラメータFが、動作周波数閾値Ftよりも低いかどうかを決定すること。ここで、動作周波数閾値Ftは、閾値吸引能力Rtに対応する。c)設定された動作周波数パラメータF及び動作内部体積比率パラメータViに基づいて、スプール弁の位置を調節すること。ここで、c1)動作周波数パラメータFが動作周波数閾値Ft以上である場合、スクリュー圧縮機の動作周波数を、動作周波数パラメータFとして、スクリュー圧縮機のスクリューローターの速度を調節し、その結果、スクリュー圧縮機の吸引能力は所定の動作吸引能力Rに調節され、スプール弁が動作内部体積比率パラメータViに対応する内部体積比率調節位置まで移動する変位量L1は、設定された動作内部体積比率パラメータViに基づいて決定され、スプール弁は変位量L1に基づいて、内部体積比率調節位置まで移動され、内部体積比率調節位置になったときに、スプール弁のスプール弁ヘッドエンドはスクリュー圧縮機のスクリューローターの吸引ヘッドエンドの外側に配置されるか、又は吸引ヘッドエンドと整列され、その結果、スプール弁は、吸引ヘッドエンドから排気テールエンドまで延びるスクリューローターの部分をシールドすることができる。c2)動作周波数パラメータFが動作周波数閾値Ftよりも低い場合、スクリュー圧縮機の動作周波数を動作周波数閾値Ftとして、スクリューローターの速度を調節し、スプール弁が所定の動作吸引能力Rに対応する吸引能力調節位置まで移動する変位量L2は、設定された動作内部体積比率パラメータVi(仮想Vi領域)に基づいて決定され、スプール弁は、変位量L2に基づいて吸引能力調節位置まで移動され、吸引能力調節位置になったときに、スプール弁ヘッドエンドはスクリューローターの吸引ヘッドエンドの内側に配置され、吸引能力調節距離が、スプール弁ヘッドエンドと吸引ヘ
ッドエンドとの間に形成され、その結果、動作周波数閾値Ftに対応する閾値吸引能力Rtを、所定の動作吸引能力Rに調節することができる。
【0018】
上記によるスクリュー圧縮機の制御方法では、ステップc1で到達した実際の内部体積比率は、設定された動作内部体積比率パラメータViに等しく、圧縮機の動作内部体積比率パラメータViは、実際の最小内部体積比率Viminと実際の最大内部体積比率Vimax1との間になり、ステップc2で到達した実際の内部体積比率は、所定の動作吸引能力Rによって決定され、圧縮機の動作内部体積比率パラメータViは、実際の最大内部体積比率Vimax1と仮想的な最大内部体積比率Vimax2との間になる。
【0019】
上記によるスクリュー圧縮機の制御方法では、動作周波数閾値Ftは、スクリュー圧縮機の正常動作の最低速度に対応する。
【0020】
本出願の目的、特徴、及び効果を完全に理解するために、本出願の概念、特定の構造、及び技術的効果について、図面を参照しながら、以下で更に説明する。
【0021】
本出願は、以下の詳細な説明を図面と併せて読むと、更に理解が容易になる。全ての図面において、同一の参照符号は同一の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1A】本出願による一実施形態における、スクリューローターの軸方向に沿った、スクリュー圧縮機の断面図である。
【
図1B】スクリューローターの半径方向に沿った、
図1Aに示すスクリュー圧縮機の断面図である。
【
図2A】
図1Aに示すスクリュー圧縮機のスプール弁及びスクリューローターの相対的位置の単純化した一連の概略図である。
【
図2B】
図1Aに示すスクリュー圧縮機のスプール弁及びスクリューローターの相対的位置の単純化した一連の概略図である。
【
図2C】
図1Aに示すスクリュー圧縮機のスプール弁及びスクリューローターの相対的位置の単純化した一連の概略図である。
【
図2D】
図1Aに示すスクリュー圧縮機のスプール弁及びスクリューローターの相対的位置の単純化した一連の概略図である。
【
図2E】
図1Aに示すスクリュー圧縮機のスプール弁及びスクリューローターの相対的位置の単純化した一連の概略図である。
【
図3】
図1Bに示すスプール弁及びプローブの単純化した概略図である。
【
図4】本出願のスクリュー圧縮機の制御方法の一実施形態の流れ図である。
【
図5A】本出願のスクリュー圧縮機の制御システムの一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本出願は、2014年9月23日に出願された、「Screw Compressor
with Adjustable Volume Ratio」と題された出願番号201420548889.2の中国特許出願、及び2017年8月1日に出願された、「A Screw Compressor with Male and Female Rotors」と題された出願番号PCT/CN2017/095491のPCT特許出願と関係している。上記の特許出願の全文が、引用により本出願に組み込まれる。
【0024】
本出願の様々な具体的な実施形態について、本明細書の一部を形成する図面を参照しながら、以下で説明する。「前」、「後」、「上側」、「下側」、「左」、「右」、「内側
」、「外側」、「上部」、「底部」、「順方向」、「逆方向」、「近端」、「遠端」、「横方向」及び「縦方向」などの方向を示す用語が、本出願の様々な例の構造部分及び構成要素を説明するために本出願で使用されているが、これらの用語はここでは、説明を簡単にするためにのみ使用されており、図に示した例示的な向きに基づいて決定されていることを、理解されたい。本出願で開示される実施形態は、様々な方向で実現することができるので、方向を示すこれら用語は、例示目的のみのためのものであり、限定するものとしてみなされるべきではない。
【0025】
本出願で参照される「第1」及び「第2」などの連続した数字は、区別及び識別するためのものに過ぎず、いかなる他の意味も持たない。特定の順序又は特定の対応関係が指定されていない場合、それらの語はそのような意味を持たない。例えば、「第1の構成要素」という用語自体は、「第2の構成要素」の存在を示唆するものではなく、「第2の構成要素」という用語自体は、「第1の構成要素」の存在を示唆するものではない。
【0026】
図1Aは、本出願による一実施形態におけるスクリューローター110の軸方向に沿ったスクリュー圧縮機100の断面図であり、
図1Bは、スクリューローター110の半径方向に沿った
図1Aに示すスクリュー圧縮機100の断面図である。
図1A及び
図1Bに示すように、スクリュー圧縮機100は、ローターハウジング150、並びにローターハウジング150内に設けられたスクリューローター110及びスプール弁120を含む。スクリューローター110は、互いに係合する一対の雄ローター101と雌ローター102を含み、この雄ローター101及び雌ローター102は、ローターアクチュエータ(図示せず)の駆動の下で回転する。雄ローター101は5つのらせん状で凸状の歯を有し、雌ローター102は6つのらせん状の溝を有する。雄ローター101及び雌ローター102は、凸状の歯及び溝を介して係合した構造を形成し、ローターハウジング150及びスプール弁120と共に圧縮チャンバ103を形成する。
【0027】
スクリューローター110は、スクリューローター110の軸方向に沿って吸引ヘッドエンド111及び排気テールエンド112を有する。ガスは、吸引ヘッドエンド111から圧縮チャンバ103に吸い込まれ、スクリューローター110が回転するにつれて、排気テールエンド112に向かって徐々に移動する。同時に、スクリューローター110が回転するにつれて、圧縮チャンバ103の体積は徐々に減少し、圧縮チャンバ103内のガスが徐々に圧縮される。圧縮されたガスは、排気テールエンド112から放出される。
【0028】
スプール弁120はスクリューローター110の下に配置され、スクリューローター110の軸方向に沿って往復運動することができる。スクリューローター110の軸方向にスプール弁120の長さに沿って、スプール弁120は、ローターハウジング150と共に圧縮チャンバ103を封止するための作用側面125と、圧縮チャンバ103を封止するためには使用されない非作用側面と、を含む。スプール弁120の作用側面125は、スプール弁ヘッドエンド121及びスプール弁テールエンド122を有する。スクリューローター110の軸方向において、スプール弁ヘッドエンド121及びスプール弁テールエンド122は、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111及び排気テールエンド112と同じ方向に配置される、即ち、スプール弁ヘッドエンド121は、吸引ヘッドエンド111の近くに配置され、スプール弁テールエンド122は排気テールエンド112の近くに配置される。スプール弁テールエンド122上のスプール弁120の側面は、接続端123から外向きにも延びる。
【0029】
作用側面125を介して、スプール弁120は、スクリューローター110によって形成される圧縮チャンバ103の部分を封止又は包むことができる。スクリューローター110の軸方向に沿って異なる位置にスプール弁120を移動させることにより(
図2A~
図2Eを参照)、作用側面125は、スクリューローター110の異なる部分をシールド
又は封止することができ、それによって、呼応して吸引チャンバ体積Vs及び/又は排出チャンバ体積Vdを変化させて、スクリュー圧縮機100の内部体積比率Viを調節することができる。
【0030】
スクリュー圧縮機100は更に、スプール弁120を駆動して動かすための駆動装置を備える。本出願の一実施形態によれば、駆動装置は、ピストンロッド140及び液圧チャンバ141を備える液圧式駆動装置であり得る。ピストンロッド140の一方の端部は、液圧チャンバ141内に配置され、ピストンロッド140の他方の端部は、スプール弁120の接続端123に接続され、その結果、ピストンロッド140は、液圧チャンバ141内の液体圧力が変化するにつれて軸方向に往復運動することができ、スプール弁120を駆動して往復して動かすことができる。
【0031】
スクリュー圧縮機100は更に、スプール弁120の軸方向の最大ストロークを制限するための制限構造を備える。
図1Aに示されるように、スプール弁ヘッドエンド121の左側への最大ストロークを制限するために、ストップブロック142が、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111の片側に設けられている。液圧チャンバ141の側壁143は、ピストンロッド140の右側への最大ストロークを制限することができ、それによって、スプール弁120の右側への最大ストロークを制限する。ピストンロッド140によって駆動されると、スプール弁120は、左右の最大ストローク位置の間を往復運動することができる。
【0032】
図1Bに示すように、スクリュー圧縮機100は、スプール弁120の位置を示すための位置センサ130を更に備える。スクリューローター110の軸方向において、位置センサ130は、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111と排気テールエンド112との間に配置される。位置センサ130は、スプール弁120と接触しており、スプール弁120が異なる位置に移動するにつれて変化することができ、それによって、スプール弁120の位置を示すことができる。
【0033】
図1A及び
図1Bに示す実施形態では、スプール弁120は、非作用側面上に軸方向に延びる溝126を有しており、この溝126の底面301は、軸方向にスクリューローター110に対して傾いている傾斜表面である(
図3を参照)。位置センサ130はプローブ131を備え、このプローブ131は、スクリュー圧縮機の軸方向に対して所定の位置に固定されており、軸方向に垂直な方向に(例えば、半径方向に)往復運動することができる。例えば、プローブ131は、ローターハウジング150に取り付けられ、それらの間にはバイアスばねが設けられている。プローブ131は、接触端132及び測定端133を有する。接触端132は、溝126の中に延び、スプール弁が軸方向に移動する間、溝126の底面301との接触を維持することができる。測定端133は、溝126から突き出ている。スプール弁120が軸方向に移動すると、プローブ131の接触端132は、スプール弁120の移動とあわせて溝126の底面301に対してスライドすることができ、その結果、プローブ131は半径方向に移動する。このようにして、スプール弁120の位置は、溝126から突き出ているプローブ131の部分の長さの変化に基づいて、決定することができる。
【0034】
実施形態によっては、プローブ131の測定端133には磁気コアが設けられ、磁気コアの周りには、回路に接続されたコイルが設けられる。プローブ131が移動するにつれて、コイルの中に延びる磁気コアの長さ又は位置が変化し、その結果、コイルのインダクタンスが呼応して変化し、対応する電圧又は電流信号が回路内で生成される。このようにして、これらの電気信号を使用して、スプール弁120の位置を示すか又は決定することができる。
【0035】
図2A~
図2Eは、
図1Aに示したスクリュー圧縮機100のスプール弁120及びスクリューローター110の相対的な位置の、単純化された一連の概略図であり、これらの図を使用して、移動過程中のスプール弁120及びスクリューローター110の相対的位置の変化を示す。
【0036】
図2Aに示すように、スプール弁120は、吸引ヘッドエンド111に向かって(左側に)移動する最大ストロークの位置に配置され、この位置は、スプール弁120の第1の位置210である。第1の位置210では、スプール弁ヘッドエンド121は、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111の外側に配置される。スプール弁120の作用側面125の一部は、吸引ヘッドエンド111から排気テールエンド112まで延びるスクリューローター110の部分をシールド又は封止するように、スクリューローター110の下に配置され、スプール弁120の作用側面125の残りの部分は、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111の外側に配置される。ストローク中にスプール弁120が移動するとき、スプール弁テールエンド122は常に、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111と排気テールエンド112との間に配置され、スプール弁テールエンド122と排気テールエンド112との間には、排気能力調節距離D1が形成される。スプール弁120が
図2Aに示す第1の位置210にあるとき、排気能力調節距離D1は最大になり、その結果、スクリュー圧縮機100は、最大排出チャンバ体積Vdを有し、従って、実際の最小内部体積比率Vi
minを生成する。
【0037】
図2Cに示すように、スプール弁ヘッドエンド121はスクリュー圧縮機100の吸引ヘッドエンド111と整列され、この位置はスプール弁120の第2の位置230である。第2の位置230では、スプール弁120の作用側面125の全体が、スクリューローター110の下に配置され、その結果、作用側面125全体が、吸引ヘッドエンド111から排気テールエンド112まで延びるスクリューローター110の部分をシールドすることができる。スプール弁120が、
図2Cに示す第2の位置230にあるとき、吸引チャンバ体積Vsを変更することなく、排気能力調節距離D1は最小値に達し、従って、実際の最大内部体積比率Vi
max1を生成する。
【0038】
図2Bに示すように、スプール弁120は第1の位置210と第2の位置230との間の地点に移動し、これは、スプール弁120の内部体積比率調節位置220である。内部体積比率調節位置220では、スプール弁ヘッドエンド121はスクリューローター110の吸引ヘッドエンド111の外側に配置され、スプール弁120の作用側面125の一部は、スクリューローター110の下に配置され、吸引ヘッドエンド111から排気テールエンド112まで延びるスクリューローター110の部分をシールドし、スプール弁120の作用側面125の残りの部分は、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111の外側に配置される。
図2Aに示す第1の位置210と比べると、
図2Bに示す内部体積比率調節位置220では、スプール弁テールエンド122と排気テールエンド112との間に形成される排気能力調節距離D1がより小さくなり、その結果、排出チャンバ体積Vdがより小さくなるが、吸引チャンバ体積Vsが変化しないままであるので、内部体積比率Viはより高くなる。
【0039】
図2Eに示すように、スプール弁120は、排気テールエンド112に向かって(右側に)移動する最大ストロークの位置に配置され、この位置は、スプール弁120の第3の位置250である。第3の位置250では、スプール弁ヘッドエンド121は、スクリュー圧縮機100の吸引ヘッドエンド111の内側に配置され、スプール弁120の作用側面125全体がスクリューローター110の下になり、その結果、スプール弁120の作用側面125の全体が、吸引ヘッドエンド111と排気テールエンド112との間のスクリューローター110の部分をシールドすることができる。この地点では、スプール弁テールエンド122と排気テールエンド112との間に形成される排気能力調節距離D1に
加えて、吸引能力調節距離D2も、スプール弁ヘッドエンド121と吸引ヘッドエンド111との間に形成される。この地点では、吸引能力調節距離D2は最大になり、スクリュー圧縮機100は、最小の吸引チャンバ体積Vsを有する。
【0040】
図2Dに示すように、スプール弁120は第2の位置230と第3の位置250との間の地点に配置され、これは、スプール弁120の吸引能力調節位置240である。吸引能力調節位置240では、スプール弁ヘッドエンド121は、スクリュー圧縮機100の吸引ヘッドエンド111の内側に配置され、スプール弁120の作用側面125全体がスクリューローター110の下になり、その結果、スプール弁120の作用側面125の全体が、吸引ヘッドエンド111と排気テールエンド112との間のスクリューローター110の部分をシールドすることができる。この地点では、スプール弁テールエンド122と排気テールエンド112との間に形成される排気能力調節距離D1に加えて、吸引能力調節距離D2も、スプール弁ヘッドエンド121と吸引ヘッドエンド111との間に形成される。
図2Cに示す第2の位置230と比べると、スプール弁120が
図2Dに示す吸引能力調節位置240にある場合、吸引チャンバ体積Vsは、吸引能力調節距離D2の存在に起因してより小さくなり、それによって、スクリュー圧縮機100の吸引能力が低下する。更に、吸引チャンバ体積Vsはより小さくなるが、排気能力調節距離D1がより小さくなり、且つ排出チャンバ体積Vdもより小さくなるので、実際の内部体積比率Viはわずかに減少するだけであり、実際の内部体積比率Viは変わらないままであると近似してみなすことができる。
図2Eに示す第3の位置250と比べると、スプール弁120が
図2Dに示す吸引能力調節位置240に配置される場合、吸引能力調節距離D2はより小さくなる。
【0041】
第1の位置210と第2の位置230との間の領域(即ち、内部体積比率調節位置220)でスプール弁120の位置を調節することにより、スクリュー圧縮機100の実際の内部体積比率Viを調節することができる。実際の内部体積比率Viの調節範囲は、Vimin(第1の位置210で)以上であり、Vimax1(第2の位置230で)以下である。スプール弁120が第1の位置210と第2の位置230との間の領域で移動するとき、吸引チャンバ体積Vsは変わらないままであるので、実際の内部体積比率Viとスプール弁120の位置とは、1対1の線形相関関係になる。
【0042】
第2の位置230と第3の位置250との間の領域(即ち、吸引能力調節位置240)でスプール弁120の位置を調節することにより、スクリュー圧縮機100の吸引チャンバ体積Vsを調節することができ、それによって、スクリュー圧縮機100の吸引能力を調節することができる。上述のように、スプール弁120が第2の位置230と第3の位置250との間の領域で移動する場合、実際の内部体積比率Viは変わらないままであると近似的にみなすことができる。
【0043】
異なる負荷に対応して、スクリュー圧縮機100は、異なる動作周波数及び内部体積比率Viで動作する場合、異なるIPLVを有する。性能及び効率を改善するために、スクリュー圧縮機100ができる限り最良の効率点で動作するように、異なる負荷条件に応じて、スクリュー圧縮機100の動作周波数及び内部体積比率Viを調節することが必要である。一般的に、負荷がより小さくなると、必要とされる吸引能力がより小さくなり、対応する動作周波数もより低くなる。例えば、以下の異なる負荷の下で、異なる内部体積比率Vi及び動作周波数Fに対応して、スクリュー圧縮機100のIPLVは最大値に達することができる、即ち、100%の負荷の下で、Vi=2.3、F=50Hz;75%負荷の下で、Vi=1.8、F=35Hz;50%の負荷の下で、Vi=1.65、F=22.5Hz;25%の負荷の下で、Vi=1.65、F=12.5Hz。
【0044】
スクリュー圧縮機100の冷却効率は、動作周波数及び吸引能力が下がるにつれて減少
し、排気温度及びユニット温度がより高くなるので、動作周波数を調節することにより吸引能力を調節することができるものの、過度に高い温度によって調節範囲が制限される。また、動作周波数を下げることのユニット温度に対する影響を考慮すると、動作周波数を一定の範囲で下げたときのより低い負荷に対する要件を満足するために、動作周波数を下げることによる吸引能力の低減は賢明ではない。
【0045】
本出願では、スクリュー圧縮機100が最小の動作周波数(即ち、動作周波数閾値Ft)で動作する場合、負荷が低下し続けた場合、動作周波数は、最早低減されないが、動作周波数閾値Ftで維持され、スプール弁120が適切な吸引能力調節位置240に移動される。このようにして、負荷の変化に適応するために、動作周波数を下げることなく、吸引能力を低減し続けることが可能であり、それによって、動作周波数調節の制限が解消され、スクリュー圧縮機100の応用範囲が広がる。
【0046】
図3は、
図1Bに示すスプール弁120及びプローブ131の単純化された概略図であり、この図は、プローブ131とプローブ131を収容するためのスプール弁120上の溝126との相対位置を示すために使用される。
図3に示すように、スプール弁120の溝126の底面301は、スクリュー軸方向に沿って次第に内側に傾く傾斜表面であり、その結果、溝126の深さは、スプール弁ヘッドエンド121からスプール弁テールエンド122にかけて徐々に増加する。プローブ131の接触端132は溝126の中に延び、溝126の底面301に接触し、プローブ131の測定端133は溝126から突き出ている。上述のように、スプール弁120がスクリュー軸の方向に移動するとき、プローブ131はスクリュー軸の方向には移動することができないが、スクリュー軸に垂直な方向に移動することになる。スプール弁120が軸方向に移動するにつれて、溝126から突き出ているプローブ131の部分の長さは呼応して変化し、スプール弁120の位置と線形相関関係を形成する。他の実施形態では、溝126の底面301は反対方向に傾斜していることもある、即ち、溝126の深さは、スプール弁テールエンド122からスプール弁ヘッドエンド121にかけて次第に増加する。
【0047】
図3では、領域Aは、スプール弁120が第1の位置210と第2の位置230との間を移動するときに、プローブ131がスプール弁120に対して移動する領域を表す。スプール弁120が第1の位置210と第2の位置230との間を移動すると、スクリュー圧縮機の内部体積比率Viを調節することができるので、領域Aは、内部体積比率Viを調節するための領域Aとみなすことができる。領域Bは、スプール弁120が第2の位置230と第3の位置250との間を移動するときに、プローブ131がスプール弁120に対して移動する領域を表す。スプール弁120が第2の位置230と第3の位置250との間を移動すると、スクリュー圧縮機の吸引能力を調節することができるので、領域Bは、吸引能力を調節するための領域Bとみなすことができる。本出願におけるスクリュー圧縮機を制御するための方法について、
図3に示す、内部体積比率Viを調節ための領域A及び吸引能力を調節するための領域Bを参照しながら、以下に説明する。
【0048】
スプール弁120の位置が、スクリュー圧縮機の吸引体積Vs及び排出体積Vdを決定するので、内部体積比率Viとスプール弁120の位置との間には線形の相関関係がある。本出願の制御方法によれば、内部体積比率Viとスプール弁120の位置との間の線形の相関関係に基づいて、スプール弁120が内部体積比率Viを調節するための領域Aの中を移動しようと、或いは吸引能力を調節するための領域Bの中を移動しようと、内部体積比率Viを使用してスプール弁120の位置が決定され、その結果、制御プロセス中に内部体積比率Viの値に基づいて、スプール弁120の位置を調節することができる。しかしながら、スプール弁120が吸引能力を調節するための領域B内を移動する場合、スクリュー圧縮機の実際の内部体積比率Viは殆ど変化しない。従って、本出願は仮想的な内部体積比率Viを使用して、スプール弁が吸引能力を調節するための領域B内を移動す
るときのスプール弁120の位置を決定する。仮想的な内部体積比率Viと実際の内部体積比率Viは両方とも、内部体積比率Viとスプール弁120の位置との間の線形の相関関係に従う。
【0049】
具体的には、内部体積比率Viを調節するための領域Aでは、スプール弁120の位置は、実際の内部体積比率Viと線形の相関関係にある。第1の位置210では、実際の最小内部体積比率Viminに達し、第2の位置230では、実際の最大内部体積比率Vimax1に達する。従って、スプール弁120の位置は、[Vimin、Vimax1]の範囲内で内部体積比率Viの値に基づいて調節することができ、その結果、スクリュー圧縮機100は、対応する実際の内部体積比率Viを有する。
【0050】
吸引能力を調節するための領域Bでは、実際の内部体積比率Viは、変化しないものと近似してみなすことができ、スプール弁120の位置の変化は、吸引能力を調節するために使用される。制御方法の一貫性を維持するために、内部体積比率Viを調節するための領域における同じ線形の相関関係に従って、対応する仮想的な内部体積比率Viをスプール弁120の位置に対して設定することができ、その結果、統一された制御方法及び制御システムを使用して、スプール弁120の位置を調節することができるようになる。スクリューローター110のロータープロファイルを使用して、スプール弁120の異なる位置に対応する吸引能力を計算し、仮想的な内部体積比率Viと吸引能力との相関関係を確立することができる。第3の位置250では、仮想的な最大内部体積比率Vimax2に達する。従って、スプール弁120の位置は、内部体積比率Viの値に基づいて、[Vimax1、Vimax2]の範囲内で調節することができ、その結果、スクリュー圧縮機100は対応する吸引能力を有するようになる。
【0051】
位置センサ130は、スプール弁120の位置を正確に決定することができ、位置センサ130を使用して、リアルタイムに動作状態に適合するように、内部体積比率Viを調節するための領域Aにおいてスクリュー圧縮機100の実際の内部体積比率Viを示すことができ、吸引能力を調節するための領域Bでは、位置センサ130を使用して吸引能力の変化を示すことができる。
【0052】
制限構造142及び143(
図1Aを参照)を介して、スプール弁120は第1の位置210(Vi
min)及び第3の位置250(Vi
max2)まで正確に移動することができ、それによって、位置センサ130の決定及び較正が容易になり、位置センサ130及び溝126の構造的な設計が容易になる。
【0053】
図4は、スクリュー圧縮機の制御方法の一実施形態の流れ図である。
図4に示すように、ステップ401では、負荷が変化した場合、内部体積比率Vi及び動作周波数Fを、負荷の変化に適応するように調節する必要がある。
【0054】
ステップ402では、目標負荷に基づいて、対応する動作周波数パラメータF及び動作内部体積比率Viが設定されるか又は決定され、次いで、プロセスはステップ403に進む。それらの中で、動作周波数パラメータFは、所定の動作吸引能力Rに対応する。これらのパラメータの値は、予め設定された式、アルゴリズム、又はスケールによって決定することができる。
【0055】
ステップ403では、ステップ402で設定された動作周波数パラメータFが、動作周波数閾値Ftと比較される。動作周波数パラメータFが動作周波数閾値Ft以上である場合、プロセスはステップ404に進む。動作周波数パラメータFが動作周波数閾値Ftより低い場合、プロセスはステップ406に進む。動作周波数閾値Ftは、スクリュー圧縮機100が正常に動作することができる最小速度に対応し、スクリュー圧縮機100の固
有の性能に関係しており、製造メーカーが事前に設定することができる。動作周波数閾値Ftは、閾値吸引能力Rtに対応する。
【0056】
ステップ404では、実際の動作周波数を動作周波数パラメータFとし、スプール弁120の対応する内部体積比率調節位置220を、内部体積比率パラメータViに基づいて決定し、プロセスはステップ405に進む。実際の動作周波数を動作周波数パラメータFに変更することにより、スクリュー圧縮機100のスクリューローター110の速度を調節することができ、それによって、スクリュー圧縮機100の吸引能力を所定の動作吸引能力Rに調節することができる。更に、内部体積比率パラメータViに基づいて、スプール弁120の対応する内部体積比率調節位置220が決定された後、スプール弁120がこの対応する内部体積比率調節位置220に移動する変位量L1を、スプール弁120の現在の位置に基づいて決定することができる。スプール弁120の現在の位置は、位置センサ130によって決定することができる。
【0057】
ステップ405では、スプール弁120は、対応する内部体積比率調節位置220に移動される。この地点では、スプール弁ヘッドエンド121は、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111の外側に配置されるか、又は吸引ヘッドエンド111と整列され、その結果、スプール弁120は、吸引ヘッドエンド111から排気テールエンド112まで延びるスクリューローター110の部分をシールドすることができ、その結果、実際の内部体積比率が、設定された内部体積比率パラメータViと等しくなる。
【0058】
ステップ406では、実際の動作周波数を動作周波数閾値Ftとし、所定の動作吸引能力Rに対応するスプール弁120の吸引能力調節位置240を、内部体積比率パラメータViに基づいて決定し、その後、プロセスはステップ407に進む。スクリューローター110の速度は、動作周波数を変えることによって調節することができる。更に、所定の動作吸引能力Rに対応するスプール弁120の吸引能力調節位置240が、内部体積比率パラメータViに基づいて決定された後、スプール弁120が対応する吸引能力調節位置240に移動する変位量L2を、スプール弁120の現在の位置に基づいて決定することができる。スプール弁120の現在の位置は、位置センサ130によって決定することができる。
【0059】
ステップ407では、スプール弁120は、対応する吸引能力調節位置240に移動される。この地点では、スプール弁ヘッドエンド121は、スクリューローター110の吸引ヘッドエンド111の内側に配置され、スプール弁ヘッドエンド121と吸引ヘッドエンド111との間には吸引能力調節距離D2が形成され、それによって、動作周波数閾値Ftに対応する閾値吸引能力Rtが、動作周波数パラメータFに対応する動作吸引能力Rに調節される。
【0060】
ステップ408では、この調節が終了し、負荷が再び変化したときに、スクリュー圧縮機100を呼応して調節するために、上記のステップが繰り返される。
【0061】
図5Aは、本出願のスクリュー圧縮機の制御システムの一実施形態のブロック図を示す。
図5Aに示すように、スクリュー圧縮機100は、コントローラ510、スクリューローター110用のローターアクチュエータ520、及びピストンロッド用のピストンロッドアクチュエータ530を更に含む。コントローラ510は、スクリューローター110のローターアクチュエータ520と通信接続しており、動作周波数を調節することによりスクリューローター110の速度を調節し、それによって、スクリュー圧縮機100の吸引能力を調節する。コントローラ510は、位置センサ130とも通信接続しており、位置センサ130によって生成された信号に基づいて、スプール弁120の位置を決定する。コントローラ510は、ピストンロッドアクチュエータ530とも通信接続しており、
ピストンロッドアクチュエータ530を介してピストンロッド140を駆動してスプール弁120を駆動して移動させ、それによって、スプール弁120の位置を調節する。実施形態によっては、ピストンロッドアクチュエータ530は、液圧のトランスミッション装置である。
図5Bは、
図5Aに示すコントローラ510のブロック図である。
図5Bに示すように、コントローラ510は、プロセッサ501、入力インターフェース502、出力インターフェース503、プログラム505を備えたメモリ504、及びバス506を含む。プロセッサ501、入力インターフェース502、出力インターフェース503、及びメモリ504は、バス506を介して通信可能に接続されており、その結果、プロセッサ501は、入力インターフェース502、出力インターフェース503、及びメモリ504の動作を制御することができる。メモリ504は、プログラム、命令、及びデータを保存するために使用される。プロセッサ501は、メモリ504からプログラム、命令、及びデータを読み出し、メモリ504にデータを書き込むことができる。
【0062】
入力インターフェース502は、位置センサ130からのスプール弁120の位置を示す信号、様々な手動で入力されるパラメータなどの、信号及びデータを接続507を介して受け取る。出力インターフェース503は、対応する制御信号などの信号及びデータを、接続508を介して、ローターアクチュエータ520及びピストンロッドアクチュエータ530に送る。メモリ504は、制御プログラム及びデータを保存し、これには、スクリュー圧縮機100の制御プログラム、動作周波数閾値Ft、閾値に達したとき又は特定の条件が満たされたときなどにアクションをおこすための命令、などの、様々な事前に設定された値、パラメータなどが含まれる。様々なパラメータを、製造工学において予め設定することができ、また様々なパラメータを、使用中に手動で入力するか又はデータインポートすることにより、設定することができる。プロセッサ501は、入力インターフェース502及びメモリ504から様々な信号、データ、プログラム、及び命令を取得し、対応する処理を行い、出力インターフェース503を介して出力する。
【0063】
長期的な観察及び実験を通じて、本出願の発明者らは、固定した内圧比率を有するスクリュー圧縮機の動作特性の限界に起因して、既存の可変周波数スクリューセットのIPLV偏差は、可変周波数遠心機セットのIPLV偏差よりも大幅に低くなること、既存の可変周波数スクリューセットは、低周波数では圧縮機モーターの加熱及び高い排気温度に対する保護制限を受け、動作周波数を過度に低くすることはできず、動作範囲は一定の範囲に制限されること、並びに、既存のスクリュー圧縮機セットの内部体積比率Vi及び吸引能力を調節するために、2つの独立した機構が使用され、それらは構造が複雑でコストが高くつくこと、を発見した。
【0064】
スプール弁120の構造設計及び制御を通じて、本出願のスクリュー圧縮機100は、内部体積比率Viの連続的な調節を実現することができ、更に、吸引能力を調節する機能と、内部体積比率Vi及び吸引能力を示す機能と、を同時に有し、従って、動作効率を向上させ、適用可能な内部体積比率Viの調節範囲を広げ、構造を単純化し、標準化を容易にする。同時に、スクリュー圧縮機100の動作範囲及び負荷調節能力が拡大される。スプール弁120及びスクリューローター110を介して吸引能力を調節する連携制御により、過度に高い動作温度の問題が効果的に解決される。本出願のスクリュー圧縮機100は、可変周波数駆動装置、熱交換器、及び絞り装置と共に、空調システムにおいて使用することができる。速度及び吸引能力の可変周波数調節と、内部体積比率Viの調節との効果的な組み合わせを通して、リアルタイム動作効率を最大化することができる。
【0065】
本出願を開示するために説明中では例が使用され、そのうちの1つ又は複数が図面に示されている。各例は、本出願を説明するために提供されるものであり、本出願を限定するものではない。実際、本出願の範囲又は趣旨から逸脱することなしに、本出願に様々な修正及び変更を加えることができることが、当業者には明らかである。例えば、一実施形態
の一部として例示又は説明された特徴を、別の実施形態と組み合わせ使用して、更なる実施形態を得ることができる。従って、本出願は、請求項及びその均等物の範囲内で生成された修正形態及び変形形態をカバーすることが意図されている。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリュー圧縮機(100)であって、
吸引ヘッドエンド(111)及び排気テールエンド(112)を含むスクリューローター(110)であって、当該吸引ヘッドエンド(111)からガスを吸い込み、圧縮されたガスを当該排気テールエンド(112)から排出するように構成された、スクリューローター(110)と、
前記スクリューローター(110)の圧縮チャンバ(103)を封止するための作用側面(125)を含むスプール弁(120)であって、当該作用側面(125)がスプール弁ヘッドエンド(121)及びスプール弁テールエンド(122)を含み、当該スプール弁ヘッドエンド(121)及び当該スプール弁テールエンド(122)が当該スクリューローター(110)の軸方向に沿って当該スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)及び前記排気テールエンド(112)と共通の方向に整列され、当該スプール弁(120)が当該スクリューローター(110)の当該軸方向に沿った往復運動のために構成された、スプール弁(120)と、
前記スプール弁(120)が吸引能力調節位置(240)に移動するように構成され、当該スプール弁(120)が当該吸引能力調節位置(240)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)が前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、当該スプール弁ヘッドエンド(121)と当該吸引ヘッドエンド(111)との間には吸引能力調節距離(D2)が形成され、当該吸引能力調節距離(D2)が、当該スクリューローター(110)の速度を変更することなく、前記スクリュー圧縮機(100)の吸引能力を調節するように調節可能であり、
前記スプール弁テールエンド(122)に接続されたピストンロッド(140)であって、前記スプール弁(120)を駆動して前記軸方向に沿って往復して移動するように液圧式に駆動されるように構成された、ピストンロッド(140)と、
コントローラ(510)であって、
目標負荷に基いて前記スクリュー圧縮機(100)の動作周波数パラメータ(F)及び動作内部体積比率パラメータ(Vi)を設定するステップであって、当該動作周波数パラメータ(F)が所定の動作吸引能力(R)に対応する、設定するステップと、
前記動作周波数パラメータ(F)が動作周波数閾値(Ft)よりも低いかどうかを決定するステップであって、当該動作周波数閾値(Ft)が閾値吸引能力(Rt)に対応する、決定するステップと、
前記動作周波数パラメータ(F)が前記動作周波数閾値(Ft)より低い場合に当該動作周波数閾値(Ft)を前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数として設定するステップと、
前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)に基づいて前記吸引能力調節位置(240)を決定するステップと、
前記スプール弁(120)を前記吸引能力調節位置(240)まで移動するステップと、
を実行するように構成された、コントローラ(510)と、
を備える、スクリュー圧縮機(100)。
【請求項2】
前記スプール弁(120)は、内部体積比率調節位置(220)に移動するように構成されており、当該スプール弁(120)が当該内部体積比率調節位置(220)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)が前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置されるか、又は当該吸引ヘッドエンド(111)と整列され、それにより、当該スプール弁(120)が前記スクリュー圧縮機(100)の内部体積比率を調節するように構成され、
前記コントローラ(510)は、
前記動作周波数パラメータ(F)が前記動作周波数閾値(Ft)より低くないとき、当該動作周波数パラメータ(F)を前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数として設定するステップと、
前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)に基づいて前記内部体積比率調節位置(220)を決定するステップと、
前記スプール弁(120)を前記内部体積比率調節位置(220)まで移動するステップと、
を実行するように構成されている、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項3】
前記スクリュー圧縮機(100)は、
前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)と前記排気テールエンド(112)との間に前記軸方向に配置された位置センサ(130)を備え、前記位置センサ(130)は、前記スプール弁(120)と接触しており、前記位置センサ(130)は、前記スプール弁(120)の位置を示すように構成されている、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項4】
前記スプール弁(120)の非作用側面は、前記スクリューローター(110)に対して前記軸方向に傾いている傾斜表面を有し、
前記位置センサ(130)は、前記軸方向に沿って固定された位置を有するプローブを含み、前記スプール弁(120)が移動するにつれて当該プローブの一方の端部が前記傾斜表面と接触し、当該傾斜表面に対してスライドするように構成され、当該スプール弁(120)が移動するにつれて当該プローブが当該軸方向に垂直な方向に移動するように構成され、
前記位置センサ(130)は、前記プローブが前記軸方向に垂直な前記方向に移動する距離に基づいて、前記スプール弁(120)の前記位置を決定するように構成されている、請求項3に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項5】
前記スプール弁(120)の前記非作用側面は、前記軸方向に沿って延びる溝を有し、当該溝の底面が前記スクリューローター(110)に対して当該軸方向に傾いており、
前記プローブは、接触端及び測定端を有し、当該接触端は前記溝の中に延びて当該溝の前記底面と接触し、前記スプール弁(120)が移動するにつれて当該接触端が前記底面に対してスライドするように構成され、当該測定端は当該溝から突き出ており、
前記位置センサ(130)は、前記溝から突き出ている前記プローブの部分の長さに基づいて前記スプール弁(120)の前記位置を決定するように構成されている、請求項4に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項6】
前記スプール弁(120)が第1の位置(210)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置され、当該スプール弁(120)の作用側面の一部は当該吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる当該スクリューローター(110)の部分をシールドするように構成され、前記スクリュー圧縮機(100)は実際の最小内部体積比率Viminを有し、当該第1の位置(210)は当該吸引ヘッドエンド(111)に向かう当該スプール弁(120)の第1の最大ストローク位置であり、
前記スプール弁(120)が第2の位置(230)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引ヘッドエンド(111)に整列され、当該スプール弁(120)の前記作用側面の全体が当該吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる前記スクリューローター(110)の前記部分をシールドするように構成され、当該スクリュー圧縮機(100)は実際の最大内部体積比率Vimax1を有し、
前記スプール弁(120)が第3の位置(250)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、当該スプール弁(120)の前記作用側面の前記全体が当該吸引ヘッドエンド(111)と前記排気テールエンド(112)との間の前記スクリューローター(110)の前記部分をシールドするように構成され、当該スクリュー圧縮機(100)は仮想的な最大内部体積比率Vimax2を有し、当該第3の位置(250)は当該排気テールエンド(112)に向かう当該スプール弁(120)の第2の最大ストローク位置である、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項7】
前記スクリュー圧縮機(100)は、前記第1の位置(210)と前記第2の位置(230)との間で前記スプール弁(120)の位置を調節して、当該スクリュー圧縮機(100)の内部体積比率パラメータ(Vi)を調節するように構成され、
前記スクリュー圧縮機(100)は、前記第2の位置(230)と前記第3の位置(250)との間で前記スプール弁(120)の位置を調節して、当該スクリュー圧縮機(100)の吸引チャンバ体積を調節し、それにより、当該スクリュー圧縮機(100)の前記吸引能力を調節するように構成されている、請求項6に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項8】
前記コントローラ(510)は、前記スクリューローター(110)の前記速度を調節するように構成され、ピストンロッドアクチュエータ(530)を制御するように構成され、前記ピストンロッド(140)を駆動して前記スプール弁(120)の位置を調節するように構成されている、請求項1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
【請求項9】
請求項2に記載のスクリュー圧縮機(100)を動作させる制御方法であって、
a)前記目標負荷に基づいて前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数パラメータ(F)及び前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)を設定するステップであって、当該動作周波数パラメータ(F)が前記所定の動作吸引能力(R)に対応する、設定するステップと、
b)前記動作周波数パラメータ(F)が動作周波数閾値(Ft)よりも低いかどうかを決定するステップであって、前記動作周波数閾値(Ft)が閾値吸引能力(Rt)に対応する、決定するステップと、
c)前記動作周波数パラメータ(F)及び前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)に基づいて前記スプール弁(120)の位置を調節するステップであって、
c1)前記動作周波数パラメータ(F)が前記動作周波数閾値(Ft)以上であるとき、
(i)前記動作周波数パラメータ(F)は、前記スクリュー圧縮機(100)の動作周波数として設定され、当該スクリュー圧縮機(100)の前記スクリューローター(110)の速度を調節し、当該スクリュー圧縮機(100)の前記吸引能力を前記所定の動作吸引能力(R)に向けて調整し、前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)に対応する前記内部体積比率調節位置(220)まで移動する前記スプール弁(120)の変位量(L1)が当該動作内部体積比率パラメータ(Vi)に基づいて決定され、
(ii)前記スプール弁(120)は、前記変位量(L1)に基づいて前記内部体積比率調節位置(220)まで移動され、当該スプール弁(120)が当該内部体積比率調節位置(220)にあるとき、当該スプール弁(120)の前記スプール弁ヘッドエンド(121)が前記スクリュー圧縮機(100)の前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置されるか、又は当該吸引ヘッドエンド(111)と整列され、それにより、当該スプール弁(120)が当該スクリューローター(110)の当該吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる当該スクリューローター(110)の部分をシールドし、
c2)前記動作周波数パラメータ(F)が前記動作周波数閾値(Ft)よりも低いとき、
(i)前記動作周波数閾値(Ft)は、前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数として設定され、前記スクリューローター(110)の前記速度を調節し、前記所定の動作吸引能力(R)に対応する前記吸引能力調節位置(240)まで移動する前記スプール弁(120)の変位量(L2)が前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)に基づいて決定され、
(ii)前記スプール弁(120)は、前記変位量(L2)に基づいて前記吸引能力調節位置(240)まで移動され、当該スプール弁(120)が当該吸引能力調節位置(240)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)が前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、前記吸引能力調節距離(D2)が前記スプール弁ヘッドエンド(121)と前記吸引ヘッドエンド(111)との間に形成され、それにより、前記動作周波数閾値(Ft)に対応する前記閾値吸引能力(Rt)が前記所定の動作吸引能力(R)に調節される、調節するステップと、
を備える、スクリュー圧縮機(100)を動作させる制御方法。
【請求項10】
ステップc1で到達した実際の内部体積比率は、前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)に等しく、前記スクリュー圧縮機(100)の当該動作内部体積比率パラメータ(Vi)は、実際の最小内部体積比率(Vimin
)と実際の最大内部体積比率(Vimax1
)との間にあり、
ステップc2で到達した前記実際の内部体積比率は、前記所定の動作吸引能力(R)に基づいて決定され、前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作内部体積比率パラメータ(Vi)は、前記実際の最大内部体積比率(Vimax1
)と仮想的な最大内部体積比率(Vimax2
)との間にある、請求項9に記載のスクリュー圧縮機(100)を動作させる制御方法。
【請求項11】
前記動作周波数閾値(Ft)は、前記スクリュー圧縮機(100)の正常動作の最低速度に対応する、請求項9に記載のスクリュー圧縮機(100)を動作させる制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
本出願を開示するために説明中では例が使用され、そのうちの1つ又は複数が図面に示されている。各例は、本出願を説明するために提供されるものであり、本出願を限定するものではない。実際、本出願の範囲又は趣旨から逸脱することなしに、本出願に様々な修正及び変更を加えることができることが、当業者には明らかである。例えば、一実施形態の一部として例示又は説明された特徴を、別の実施形態と組み合わせ使用して、更なる実施形態を得ることができる。従って、本出願は、請求項及びその均等物の範囲内で生成された修正形態及び変形形態をカバーすることが意図されている。
〔態様1〕
スクリュー圧縮機(100)において、前記スクリュー圧縮機(100)は、
スクリューローター(110)であって、吸引ヘッドエンド(111)及び排気テールエンド(112)を含み、前記スクリューローター(110)は、前記吸引ヘッドエンド(111)からガスを吸い込み、圧縮されたガスを前記排気テールエンド(112)から排出することができるように構成される、スクリューローター(110)と、
スプール弁(120)であって、前記スクリューローター(110)の圧縮チャンバ(103)を封止するための作用側面(125)を含み、前記作用側面(125)は、スプール弁ヘッドエンド(121)及びスプール弁テールエンド(122)を含み、前記スプール弁ヘッドエンド(121)及び前記スプール弁テールエンド(122)は、前記スクリューローター(110)の軸方向に沿って前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)及び前記排気テールエンド(112)と同じ方向に配置され、前記スプール弁(120)は、前記スクリューローター(110)の前記軸方向に沿って、往復運動することができるように構成される、スプール弁(120)と、を含み、
特に、前記スプール弁(120)は、吸引能力調節位置(240)に移動することができるように構成され、前記スプール弁(120)が前記吸引能力調節位置(240)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、前記スプール弁ヘッドエンド(121)と前記吸引ヘッドエンド(111)との間には吸引能力調節距離(D2)が形成され、前記吸引能力調節距離(D2)は、前記スクリューローター(110)の速度を変更することなく、前記スクリュー圧縮機(100)の吸引能力を調節することができるようなものである、ことを特徴とする、スクリュー圧縮機(100)。
〔態様2〕
前記スプール弁(120)は、内部体積比率調節位置(220)に移動することができるように構成されており、前記スプール弁(120)が前記内部体積比率調節位置(220)にあるとき、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は、前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置されるか、又は前記吸引ヘッドエンド(111)と整列されており、それにより、前記スプール弁(120)は、前記スクリュー圧縮機(100)の内部体積比率を調節することができる、ことを特徴とする、態様1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様3〕
前記スクリュー圧縮機(100)は、更に、
位置センサ(130)を含み、前記位置センサ(130)は、前記軸方向に前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)と前記排気テールエンド(112)との間に配置され、且つ前記スプール弁(120)と接触しており、また前記位置センサ(130)は、前記スプール弁(120)の位置を示すことができるように構成されている、ことを特徴とする、態様1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様4〕
前記スプール弁(120)の非作用側面は、前記軸方向に前記スクリューローター(110)に対して傾いている傾斜表面を有し、
前記位置センサ(130)は、前記軸方向における位置が固定されているプローブを含み、前記プローブの一方の端部は、前記傾斜表面と接触しており、前記スプール弁(120)が移動するにつれて前記傾斜表面に対してスライドすることができ、それにより、前記スプール弁(120)が移動するにつれて、前記プローブは前記軸に垂直な方向に移動することができるようになり、
特に、前記位置センサ(130)は、前記プローブが前記軸に垂直な方向に移動する距離に基づいて、前記スプール弁(120)の位置を決定することができる、ことを特徴とする、態様3に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様5〕
前記スプール弁(120)の前記非作用側面は、前記軸方向に沿って延びる溝を有し、前記溝の底面は前記スクリューローター(110)に対して前記軸方向に傾いており、
前記プローブは、接触端及び測定端を有し、前記接触端は前記溝の中に延び、前記溝の前記底面と接触し、前記スプール弁(120)が移動するにつれて、前記底面に対してスライドすることができ、前記測定端は前記溝から突き出ており、
特に、前記位置センサ(130)は、前記溝から突き出ている前記プローブの部分の長さに基づいて、前記スプール弁(120)の位置を決定することができる、ことを特徴とする、態様4に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様6〕
前記スプール弁(120)が第1の位置(210)にある場合、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置され、前記スプール弁(120)の一部は、前記吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる前記スクリューローター(110)の部分をシールドするために使用され、前記スクリュー圧縮機(100)は、実際の最小内部体積比率Vi
min
を有し、前記第1の位置(210)は、前記スプール弁(120)が前記吸引ヘッドエンド(111)に向かって移動する最大ストロークの位置であり、
前記スプール弁(120)が第2の位置(230)にある場合、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引ヘッドエンド(111)に整列されており、前記スプール弁(120)の全体が、前記吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる前記スクリューローター(110)の部分をシールドするために使用され、前記スクリュー圧縮機(100)は、実際の最大内部体積比率Vi
max1
を有し、
前記スプール弁(120)が第3の位置(250)にある場合、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、前記スプール弁(120)の全体が、前記吸引ヘッドエンド(111)と前記排気テールエンド(112)との間の前記スクリューローター(110)の前記部分をシールドするために使用され、前記スクリュー圧縮機(100)は、仮想的な最大内部体積比率Vi
max2
を有し、前記第3の位置(250)は、前記スプール弁(120)が前記排気テールエンド(112)に向かって移動する最大ストロークの位置である、ことを特徴とする、態様1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様7〕
前記スクリュー圧縮機(100)は、前記第1の位置(210)と前記第2の位置(230)との間で前記スプール弁(120)の位置を調節して、前記スクリュー圧縮機(100)の前記内部体積比率Viを調節することができるように構成され、
前記スクリュー圧縮機(100)は、前記第2の位置(230)と前記第3の位置(250)との間で前記スプール弁(120)の位置を調節して、前記スクリュー圧縮機(100)の吸引チャンバ体積を調節し、それによって、前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引能力を調節することができるように構成される、ことを特徴とする、態様6に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様8〕
前記スクリュー圧縮機(100)は、更に、
ピストンロッド(140)を含み、前記ピストンロッド(140)は、前記スプール弁テールエンド(122)に接続されており、前記スプール弁(120)を駆動して前記軸方向に沿って往復して移動するように液圧式に駆動され得るように構成される、ことを特徴とする、態様1に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様9〕
前記スクリュー圧縮機(100)は、更に、
コントローラ(510)を含み、前記コントローラ(510)は、前記スクリューローター(110)の速度を調節することできるように、且つ、ピストンロッドアクチュエータ(530)を介して、前記ピストンロッド(140)を駆動して前記スプール弁(120)の位置を調節することができるように、構成される、ことを特徴とする、態様8に記載のスクリュー圧縮機(100)。
〔態様10〕
前記スクリュー圧縮機(100)の制御方法において、前記制御方法は、
a)前記目標負荷に基づいて、前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数パラメータF及び前記動作内部体積比率パラメータViを設定することであって、前記動作周波数パラメータFは、所定の動作吸引能力Rに対応することと、
b)前記動作周波数パラメータFが、前記動作周波数閾値Ftよりも低いかどうかを決定することであって、前記動作周波数閾値Ftは、閾値吸引能力Rtに対応することと、
c)前記設定された動作周波数パラメータF及び前記動作内部体積比率パラメータViに基づいて、前記スプール弁(120)の位置を調節することであって、
c1)前記動作周波数パラメータFが前記動作周波数閾値Ft以上である場合、
(i)前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数を前記動作周波数パラメータFとして、前記スクリュー圧縮機(100)の前記スクリューローター(110)の速度を調節し、それにより、前記スクリュー圧縮機(100)の前記吸引能力は前記所定の動作吸引能力Rに調節され、前記スプール弁(120)が前記動作内部体積比率パラメータViに対応する前記内部体積比率調節位置(220)まで移動する変位量L1は、前記設定された動作内部体積比率パラメータViに基づいて決定され、
(ii)前記スプール弁(120)は前記変位量L1に基づいて、前記内部体積比率調節位置(220)まで移動され、前記内部体積比率調節位置(220)になったときに、前記スプール弁(120)の前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリュー圧縮機(100)の前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の外側に配置されるか、又は前記吸引ヘッドエンド(111)と整列され、それにより、前記スプール弁(120)は、前記吸引ヘッドエンド(111)から前記排気テールエンド(112)まで延びる前記スクリューローター(110)の部分をシールドすることができ、
c2)前記動作周波数パラメータFが前記動作周波数閾値Ftよりも低い場合、
(i)前記スクリュー圧縮機(100)の前記動作周波数を前記動作周波数閾値Ftとして、前記スクリューローター(110)の速度を調節し、前記スプール弁(120)が前記所定の動作吸引能力Rに対応する前記吸引能力調節位置(240)まで移動する変位量L2は、前記設定された動作内部体積比率パラメータViに基づいて決定され、
(ii)前記スプール弁(120)は、前記変位量L2に基づいて前記吸引能力調節位置(240)まで移動され、前記吸引能力調節位置(240)になったときに、前記スプール弁ヘッドエンド(121)は前記スクリューローター(110)の前記吸引ヘッドエンド(111)の内側に配置され、吸引能力調節距離(D2)が、前記スプール弁ヘッドエンド(121)と前記吸引ヘッドエンド(111)との間に形成され、それにより、前記動作周波数閾値Ftに対応する前記閾値吸引能力Rtを、前記所定の動作吸引能力Rに調節することができる、ことと、を含むことを特徴とする、前記スクリュー圧縮機(100)の制御方法。
〔態様11〕
ステップc1で到達した実際の内部体積比率は、前記設定された動作内部体積比率パラメータViに等しく、前記圧縮機の前記動作内部体積比率パラメータViは、実際の最小内部体積比率Vi
min
と実際の最大内部体積比率Vi
max1
との間になり、
ステップc2で到達した前記実際の内部体積比率は、前記所定の動作吸引能力Rによって決定され、前記圧縮機の前記動作内部体積比率パラメータViは、前記実際の最大内部体積比率Vi
max1
と仮想的な最大内部体積比率Vi
max2
との間になる、ことを特徴とする、態様10に記載の前記スクリュー圧縮機(100)の制御方法。
〔態様12〕
前記動作周波数閾値Ftは、前記スクリュー圧縮機(100)の正常動作の最低速度に対応することを特徴とする、態様10に記載の前記スクリュー圧縮機(100)の制御方法。