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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102319
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】加工食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/00 20160101AFI20240723BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240723BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240723BHJP
   A23L 2/54 20060101ALI20240723BHJP
   C12C 7/04 20060101ALI20240723BHJP
   C12C 7/26 20060101ALI20240723BHJP
   C12C 11/00 20060101ALI20240723BHJP
   C12C 12/00 20060101ALI20240723BHJP
   C12C 5/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A23L5/00 K
A23L2/00 A
A23L2/00 F
A23L2/00 T
A23L2/54
A23L2/52
C12C7/04
C12C7/26
C12C11/00 A
C12C12/00
C12C5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077963
(22)【出願日】2024-05-13
(62)【分割の表示】P 2023547422の分割
【原出願日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2022105574
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100114409
【弁理士】
【氏名又は名称】古橋 伸茂
(74)【代理人】
【識別番号】100158481
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】谷川 翼
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠一
(72)【発明者】
【氏名】水口 伊玖磨
(72)【発明者】
【氏名】滝井 陽子
(72)【発明者】
【氏名】竹雅 亮
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プリン体を低減させた加工食品、加工食品の製造方法、及び加工食品のプリン体低減方法を提供する。
【解決手段】キサンチンの含有量(単位:μg/g)とピログルタミン酸の含有量(単位:μg/g)との比〔キサンチン/ピログルタミン酸〕が0.0200以下であり、ピログルタミン酸の含有量が40μg/g以上である、加工食品とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キサンチンの含有量(単位:μg/g)とピログルタミン酸の含有量(単位:μg/g)との比〔キサンチン/ピログルタミン酸〕が0.0200以下であり、
ピログルタミン酸の含有量が40μg/g以上である、加工食品。
【請求項2】
キサンチンの含有量が、2.2μg/g以下である、請求項1に記載の加工食品。
【請求項3】
尿酸の含有量が、2.0μg/g以上である、請求項1又は2に記載の加工食品。
【請求項4】
尿酸の含有量が、2.0μg/g未満である、請求項1又は2に記載の加工食品。
【請求項5】
アラントインの含有量が、0.10μg/g以上50.0μg/g以下である、請求項4に記載の加工食品。
【請求項6】
キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)を含有する、加工食品。
【請求項7】
キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)、並びに、ウリカーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(U)を含有する、加工食品。
【請求項8】
ピログルタミン酸の含有量が、10μg/g以上である、請求項6又は7に記載の加工食品。
【請求項9】
前記加工食品が、ビールテイスト飲料である、請求項1、6又は7に記載の加工食品。
【請求項10】
前記ビールテイスト飲料が、スピリッツを含まない、請求項9に記載の加工食品。
【請求項11】
前記ビールテイスト飲料において、原麦汁エキス濃度14.5質量%換算での、酪酸エチル、カプロン酸エチル、オクタン酸エチル、及びデカン酸エチルからなるエステル成分の合計含有量が、前記ビールテイスト飲料の全量基準で、500質量ppb以上である、請求項9に記載の加工食品。
【請求項12】
前記ビールテイスト飲料の麦芽比率が、10質量%以上である、請求項9に記載の加工食品。
【請求項13】
前記ビールテイスト飲料のアルコール度数が、1.0(v/v)%以上である、請求項9に記載の加工食品。
【請求項14】
前記ビールテイスト飲料のアルコール度数が、1.0(v/v)%未満である、請求項9に記載の加工食品。
【請求項15】
前記ビールテイスト飲料が、発酵飲料である、請求項9に記載の加工食品。
【請求項16】
前記ビールテイスト飲料が、麦芽発酵飲料である、請求項9に記載の加工食品。
【請求項17】
前記ビールテイスト飲料の原麦汁エキス濃度が、7.5質量%以上である、請求項9に記載の加工食品。
【請求項18】
キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する、加工食品用添加剤。
【請求項19】
ビールテイスト飲料の製造の工程で添加される、請求項18に記載の加工食品用添加剤。
【請求項20】
前記ビールテイスト飲料が、麦芽発酵飲料である、請求項19に記載の加工食品用添加剤。
【請求項21】
前記加工食品用添加剤が有するキサンチンオキシダーゼ活性値が、0.01U以上である、請求項18又は19に記載の加工食品用添加剤。
【請求項22】
前記加工食品用添加剤が有するウリカーゼ活性値が、0.01U以上である、請求項18又は19に記載の加工食品用添加剤。
【請求項23】
キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する加工食品用添加剤を添加する工程(a)を有する、加工食品の製造方法。
【請求項24】
キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する加工食品用添加剤を添加する工程(a)を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
【請求項25】
下記工程(1)~(3)を有し、工程(a)を、工程(1)の前、工程(1)~(3)のいずれか1つ以上の工程と同時に、工程(1)~(3)から選ばれる2つの工程の間に、もしくは、工程(3)の後に少なくとも行う、請求項24に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
・工程(1):原材料に対して、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理の少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程。
・工程(2):工程(1)で得た発酵前液を冷却し、冷却発酵前液を得る工程。
・工程(3):工程(2)で得た冷却発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
【請求項26】
前記ビールテイスト飲料の麦芽比率が10質量%以上である、請求項24又は25に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
【請求項27】
加工食品の製造過程において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加して、キサンチンを尿酸に変化させることでプリン体の含有量を低減させる、加工食品のプリン体低減方法。
【請求項28】
加工食品の製造過程において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤及びウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加して、キサンチンを尿酸とし、さらに尿酸をアラントインに変化させることでプリン体の含有量を低減させる、加工食品のプリン体低減方法。
【請求項29】
前記加工食品が、ビールテイスト飲料である、請求項27又は28に記載の加工食品のプリン体低減方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工食品、加工食品用添加剤、加工食品の製造方法、及び加工食品のプリン体低減方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の健康志向の観点から、痛風の原因ともなるプリン体を低減させた加工食品が求められる傾向にある。例えば、プリン体を多く含む加工食品としては、ビールテイスト飲料が知られており、特許文献1に記載されたように、プリン体含有量を低減させたビールテイスト飲料の開発が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-64503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況において、プリン体を低減させた加工食品が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、所定量の尿酸を含有する加工食品を提供する。具体的には、本発明は下記態様[1]~[29]を提供する。
[1]
キサンチンの含有量(単位:μg/g)とピログルタミン酸の含有量(単位:μg/g)との比〔キサンチン/ピログルタミン酸〕が0.0200以下であり、
ピログルタミン酸の含有量が40μg/g以上である、加工食品。
[2]
キサンチンの含有量が、2.2μg/g以下である、上記[1]に記載の加工食品。
[3]
尿酸の含有量が、2.0μg/g以上である、上記[1]又は[2]に記載の加工食品。
[4]
尿酸の含有量が、2.0μg/g未満である、上記[1]又は[2]に記載の加工食品。
[5]
アラントインの含有量が、0.10μg/g以上50.0μg/g以下である、上記[4]に記載の加工食品。
[6]
キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)を含有する、加工食品。
[7]
キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)、並びに、ウリカーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(U)を含有する、加工食品。
[8]
ピログルタミン酸の含有量が、10μg/g以上である、上記[6]又は[7]に記載の加工食品。
[9]
前記加工食品が、ビールテイスト飲料である、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載の加工食品。
[10]
前記ビールテイスト飲料が、スピリッツを含まない、上記[9]に記載の加工食品。
[11]
前記ビールテイスト飲料において、原麦汁エキス濃度14.5質量%換算での、酪酸エチル、カプロン酸エチル、オクタン酸エチル、及びデカン酸エチルからなるエステル成分の合計含有量が、前記ビールテイスト飲料の全量基準で、500質量ppb以上である、上記[9]又は[10]に記載の加工食品。
[12]
前記ビールテイスト飲料の麦芽比率が、10質量%以上である、上記[9]~[11]のいずれか一項に記載の加工食品。
[13]
前記ビールテイスト飲料のアルコール度数が、1.0(v/v)%以上である、上記[9]~[12]のいずれか一項に記載の加工食品。
[14]
前記ビールテイスト飲料のアルコール度数が、1.0(v/v)%未満である、上記[9]~[12]のいずれか一項に記載の加工食品。
[15]
前記ビールテイスト飲料が、発酵飲料である、上記[9]~[14]のいずれか一項に記載の加工食品。
[16]
前記ビールテイスト飲料が、麦芽発酵飲料である、上記[9]~[15]のいずれか一項に記載の加工食品。
[17]
前記ビールテイスト飲料の原麦汁エキス濃度が、7.5質量%以上である、上記[9]~[16]のいずれか一項に記載の加工食品。
[18]
キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する、加工食品用添加剤。
[19]
ビールテイスト飲料の製造の工程で添加される、上記[18]に記載の加工食品用添加剤。
[20]
前記ビールテイスト飲料が、麦芽発酵飲料である、上記[19]に記載の加工食品用添加剤。
[21]
前記加工食品用添加剤が有するキサンチンオキシダーゼ活性値が、0.01U以上である、上記[18]~[20]のいずれか一項に記載の加工食品用添加剤。
[22]
前記加工食品用添加剤が有するウリカーゼ活性値が、0.01U以上である、上記[18]~[21]のいずれか一項に記載の加工食品用添加剤。
[23]
キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する加工食品用添加剤を添加する工程(a)を有する、加工食品の製造方法。
[24]
キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する加工食品用添加剤を添加する工程(a)を有する、ビールテイスト飲料の製造方法。
[25]
下記工程(1)~(3)を有し、工程(a)を、工程(1)の前、工程(1)~(3)のいずれか1つ以上の工程と同時に、工程(1)~(3)から選ばれる2つの工程の間に、もしくは、工程(3)の後に少なくとも行う、上記[24]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
・工程(1):原材料に対して、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理の少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程。
・工程(2):工程(1)で得た発酵前液を冷却し、冷却発酵前液を得る工程。
・工程(3):工程(2)で得た冷却発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
[26]
前記ビールテイスト飲料の麦芽比率が10質量%以上である、上記[24]又は[25]に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
[27]
加工食品の製造過程において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加して、キサンチンを尿酸に変化させることでプリン体の含有量を低減させる、加工食品のプリン体低減方法。
[28]
加工食品の製造過程において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤及びウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加して、キサンチンを尿酸とし、さらに尿酸をアラントインに変化させることでプリン体の含有量を低減させる、加工食品のプリン体低減方法。
[29]
前記加工食品が、ビールテイスト飲料である、上記[27]又は[28]に記載の加工食品のプリン体低減方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の好適な一態様の加工食品は、プリン体を低減させた加工食品となり得る。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載された数値範囲については、上限値及び下限値を任意に組み合わせることができる。例えば、数値範囲として「好ましくは30~100、より好ましくは40~80」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。また、例えば、数値範囲として「好ましくは30以上、より好ましくは40以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下である」と記載されている場合、「30~80」との範囲や「40~100」との範囲も、本明細書に記載された数値範囲に含まれる。
加えて、本明細書に記載された数値範囲として、例えば「60~100」との記載は、「60以上(60又は60超)、100以下(100又は100未満)」という範囲であることを意味する。
【0008】
1. 加工食品
本発明の一態様の加工食品としては、食材に対して何かしらの加工を施した食品であればよく、例えば、平成2年6月改定の日本標準商品分類にて、中分類72~76に属する加工食品(ただし、中分類76に属する氷及び製造たばこを除く)が挙げられる。
【0009】
本発明の一態様の具体的な加工食品としては、例えば、野菜加工品(野菜缶詰、野菜瓶詰、トマト加工品、キノコ類加工品、塩蔵野菜、野菜漬物、野菜冷凍食品、乾燥野菜、野菜佃煮など)、果実加工品(果実缶詰、果実瓶詰、果実飲料原料、ジャム、マーマレード、果実バター、果実漬物、乾燥果実、果実冷凍食品など)、茶製品、コーヒー製品、ココア製品、香辛料、麺類、パン類、菓子類、豆類調製品(あん製品、煮豆製品、豆腐、油揚げ類、湯葉、凍豆腐、納豆、きな粉、豆乳類、ピーナッツ製品、いり豆類など)、こんにゃく、肉製品(加工肉製品、鳥獣肉の缶詰、鳥獣肉の瓶詰、鳥獣肉冷凍食品など)、酪農製品(液状ミルク、クリーム、練乳、濃縮乳、粉乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、発酵乳、乳酸菌飲料、バター、チーズ、カード、ホエイ、アイスクリーム類、乳糖、カゼイン調製品、乳等を主要原料とする食品など)、加工卵製品(液鶏卵、粉末鶏卵、鶏卵加工冷凍製品、アヒルの卵の加工製品、ウズラの卵の加工製品など)、加工魚介類(素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類、塩蔵魚介類、缶詰魚介類、冷凍魚介類、水産物冷凍食品、ねり製品、燻製魚介類、節類、削節類、塩辛製品、水産物佃煮、水産物漬物、調味加工品など)、加工海藻類(こんぶ加工品、のり加工品、わかめ加工品、ひじき加工品、寒天、塩蔵海藻、海藻類冷凍食品、寒天干原草など)、調味料(食塩、みそ、しょうゆ、ソース、食酢、和風だしの素、固形コンソメ、旨味調味料、風味調味料、カレールウ、麺類等つゆ、焼肉当のたれなど)、スープ、乾燥スープ、食用油脂(食用植物油脂、食用動物油脂、マーガリン、ショートニング、油脂加工食品など)、調理食品(調理冷凍食品、チルド食品、レトルトパウチ食品、煮物類、焼物類、揚げ物類、蒸し物類、和え物類、米飯類など)、イースト、ふくらし粉、動物性タンパク、調味植物性タンパク、麦芽類(麦芽、麦芽抽出物、麦芽シロップなど)、芳香シロップ抽出物、芳香シロップ濃縮物、芳香シロップペースト、芳香シロップ粉末、粉末ジュース、飲料水、発泡性清涼飲料(炭酸水、コーラ炭酸飲料、果汁や野菜汁等の汁入り炭酸飲料、汁風味炭酸飲料(果汁風味炭酸飲料、野菜汁風味炭酸飲料など)、果実着色炭酸飲料、乳類入り炭酸飲料、ノンアルコールビールテイスト飲料等)、非発泡性清涼飲料(果実飲料、野菜飲料、果汁や野菜汁等の汁飲料、果汁風味飲料や野菜汁風味飲料等の汁風味飲料、果肉飲料、着香飲料、着香シロップ、牛乳又は乳製品から造られた酸性飲料、コーヒー飲料、カフェイン飲料、茶系飲料、豆乳類飲料)、アルコール飲料(ビールテイスト飲料、リキュール類、ワイン(葡萄酒)、果実酒、清酒、発泡酒、濁酒、蒸留酒、実酒、焼酎、日本酒、紹興酒、ウイスキー、ブランデー、ラム、ジン、ウォッカ、テキーラ、マッコリ、チューハイ等)が挙げられる。
【0010】
本発明の一態様の加工食品は、発酵工程を経て製造される発酵食品であってもよく、発酵工程を経ないで製造される非発酵食品であってもよい。
本発明の一態様の加工食品は、機能性成分を含む加工食品であってもよく、機能性成分の含有量を制限した加工食品であってもよい。
なお、本明細書において、機能性成分とは、一般に生命活動に必須の栄養素では無いものの、健康維持効果、抗酸化性効果、発がん性物質等の有害物質の作用緩和効果等の様々な機能的効果が期待される有機物成分又は無機物成分を指す。これらの成分は加工食品に取り込まれ、生体の調節機能を果たす栄養成分として補給し得る。
機能性成分の含有量を制限した加工食品に含まれる、機能性成分の含有量は、加工食品の全量(100質量%)基準で、1質量%未満、7500質量ppm未満、5000質量ppm未満、2500質量ppm未満、1000質量ppm未満、750質量ppm未満、500質量ppm未満、250質量ppm未満、100質量ppm未満、75質量ppm未満、50質量ppm未満、25質量ppm未満、10質量ppm未満、1.0質量ppm未満、100質量ppb未満、10質量ppb未満、1質量ppb未満、又は0.1質量ppb未満としてもよい。
【0011】
本発明の一態様の加工食品は、飲料である態様が挙げられる。
本発明の一態様の飲料は、酵母を用いた発酵工程を経て製造された発酵飲料であってもよく、非発酵飲料であってもよい。
本発明の一態様の飲料は、甘味性飲料であってもよく、非甘味性飲料であってもよい。
本発明の一態様の飲料は、茶やコーヒー等の抽出飲料であってもよく、非抽出飲料であってもよい。
本発明の一態様の飲料は、生乳や粉乳等を含む乳飲料であってもよく、非乳飲料であってもよい。
【0012】
本発明の一態様の飲料は、アルコール度数が1.0(v/v)%以上のアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1.0(v/v)%未満のノンアルコール飲料であってもよい。
【0013】
本発明の一態様のアルコール飲料のアルコール度数は、1.0(v/v)%以上、1.2(v/v)%以上、1.4(v/v)%以上、1.6(v/v)%以上、1.8(v/v)%以上、2.0(v/v)%以上、2.2(v/v)%以上、2.4(v/v)%以上、2.6(v/v)%以上、2.8(v/v)%以上、3.0(v/v)%以上、3.2(v/v)%以上、3.4(v/v)%以上、3.6(v/v)%以上、3.8(v/v)%以上、4.0(v/v)%以上、4.2(v/v)%以上、4.4(v/v)%以上、4.6(v/v)%以上、4.8(v/v)%以上、5.0(v/v)%以上、5.2(v/v)%以上、5.4(v/v)%以上、5.6(v/v)%以上、5.8(v/v)%以上、6.0(v/v)%以上、6.2(v/v)%以上、6.4(v/v)%以上、6.6(v/v)%以上、6.8(v/v)%以上、7.0(v/v)%以上、7.2(v/v)%以上、7.4(v/v)%以上、7.6(v/v)%以上、7.8(v/v)%以上、8.0(v/v)%以上、8.2(v/v)%以上、8.4(v/v)%以上、8.6(v/v)%以上、8.8(v/v)%以上、9.0(v/v)%以上、9.2(v/v)%以上、9.4(v/v)%以上、9.6(v/v)%以上、9.8(v/v)%以上、10.0(v/v)%以上、11.0(v/v)%以上、12.0(v/v)%以上、13.0(v/v)%以上、14.0(v/v)%以上、15.0(v/v)%以上、16.0(v/v)%以上、17.0(v/v)%以上、18.0(v/v)%以上、19.0(v/v)%以上、又は20.0(v/v)%以上としてもよい。
また、本発明の一態様のアルコール飲料のアルコール度数は、99.0(v/v)%以下、90.0(v/v)%以下、80.0(v/v)%以下、70.0(v/v)%以下、60.0(v/v)%以下、50.0(v/v)%以下、40.0(v/v)%以下、30.0(v/v)%以下、29.0(v/v)%以下、28.0(v/v)%以下、27.0(v/v)%以下、26.0(v/v)%以下、25.0(v/v)%以下、24.0(v/v)%以下、23.0(v/v)%以下、22.0(v/v)%以下、21.0(v/v)%以下、20.0(v/v)%以下、19.8(v/v)%以下、19.6(v/v)%以下、19.4(v/v)%以下、19.2(v/v)%以下、19.0(v/v)%以下、18.8(v/v)%以下、18.6(v/v)%以下、18.4(v/v)%以下、18.2(v/v)%以下、18.0(v/v)%以下、17.8(v/v)%以下、17.6(v/v)%以下、17.4(v/v)%以下、17.2(v/v)%以下、17.0(v/v)%以下、16.8(v/v)%以下、16.6(v/v)%以下、16.4(v/v)%以下、16.2(v/v)%以下、16.0(v/v)%以下、15.8(v/v)%以下、15.6(v/v)%以下、15.4(v/v)%以下、15.2(v/v)%以下、15.0(v/v)%以下、14.8(v/v)%以下、14.6(v/v)%以下、14.4(v/v)%以下、14.2(v/v)%以下、14.0(v/v)%以下、13.8(v/v)%以下、13.6(v/v)%以下、13.4(v/v)%以下、13.2(v/v)%以下、13.0(v/v)%以下、12.8(v/v)%以下、12.6(v/v)%以下、12.4(v/v)%以下、12.2(v/v)%以下、12.0(v/v)%以下、11.8(v/v)%以下、11.6(v/v)%以下、11.4(v/v)%以下、11.2(v/v)%以下、11.0(v/v)%以下、10.8(v/v)%以下、10.6(v/v)%以下、10.4(v/v)%以下、10.2(v/v)%以下、10.0(v/v)%以下、9.8(v/v)%以下、9.6(v/v)%以下、9.4(v/v)%以下、9.2(v/v)%以下、9.0(v/v)%以下、8.8(v/v)%以下、8.6(v/v)%以下、8.4(v/v)%以下、8.2(v/v)%以下、8.0(v/v)%以下、7.8(v/v)%以下、7.6(v/v)%以下、7.4(v/v)%以下、7.2(v/v)%以下、7.0(v/v)%以下、6.8(v/v)%以下、6.6(v/v)%以下、6.4(v/v)%以下、6.2(v/v)%以下、6.0(v/v)%以下、5.8(v/v)%以下、5.6(v/v)%以下、5.4(v/v)%以下、5.2(v/v)%以下、5.0(v/v)%以下、4.8(v/v)%以下、4.6(v/v)%以下、4.4(v/v)%以下、4.2(v/v)%以下、4.0(v/v)%以下、3.8(v/v)%以下、3.6(v/v)%以下、3.4(v/v)%以下、3.2(v/v)%以下、3.0(v/v)%以下、2.8(v/v)%以下、2.6(v/v)%以下、2.4(v/v)%以下、2.2(v/v)%以下、2.0(v/v)%以下、1.8(v/v)%以下、1.6(v/v)%以下、1.4(v/v)%以下、又は1.2(v/v)%以下としてもよい。
【0014】
本発明の一態様のノンアルコール飲料のアルコール度数は、1.0(v/v)%未満、0.9(v/v)%以下、0.8(v/v)%以下、0.7(v/v)%以下、0.6(v/v)%以下、0.5(v/v)%以下、0.4(v/v)%以下、0.3(v/v)%以下、0.2(v/v)%以下、0.1(v/v)%以下、0.05(v/v)%以下、0.01(v/v)%以下、0.0050(v/v)%以下、又は0.0025(v/v)%以下であってもよく、アルコールを実質的に含まないノンアルコール飲料であってもよい。
なお、「アルコールを実質的に含まないノンアルコール飲料」とは、検出できない程度の極微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。小数第一位を四捨五入することでアルコール度数が0(v/v)%となる飲料、小数第二位を四捨五入することでアルコール度数が0.0(v/v)%となる飲料、及び小数第三位を四捨五入することでアルコール度数が0.00(v/v)%となる飲料もノンアルコール飲料に包含される。
【0015】
また、本発明の一態様のノンアルコール飲料は、アルコール度数が0.1(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.2(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.4(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.5(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.6(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.7(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.8(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、又は0.9(v/v)%以上1.0(v/v)%未満である飲料であってもよい。
なお、ノンアルコール飲料としては、ノンアルコールビールテイスト飲料等の非甘味性飲料であってもよく、ソフトドリンク等の甘味性飲料であってもよい。
【0016】
本明細書において、「アルコール度数」又は「アルコール含有量」とは、エタノールの含有量を意味し、脂肪族アルコールは含まれない。
また、本明細書において、「アルコール度数」又は「アルコール含有量」は、体積/体積基準の百分率((v/v)%)で示されるものとし、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。具体的には、飲料から濾過又は超音波によって炭酸ガスを抜いた試料を調製し、そして、その試料を直火蒸留し、得られた留液の15℃における密度を測定し、国税庁所定分析法(平19国税庁訓令第6号、平成19年6月22日改訂)の付表である「第2表 アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」を用いて換算して求めることができる。また、アルコール度が1.0(v/v)%未満のノンアルコール飲料については、市販のアルコール測定装置や、ガスクロマトグラフィーを用いて測定することもできる。
【0017】
本発明の一態様の加工食品は、高甘味度甘味料を含む加工食品であってもよく、高甘味度甘味料の含有量を制限した加工食品であってもよい。
高甘味度甘味料の含有量を制限した加工食品に含まれる、高甘味度甘味料の含有量は、当該加工食品に含まれる尿酸の全量100質量部に対して、10.0質量部未満、5.0質量部未満、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.1質量部未満、0.05質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、又は0.0001質量部未満としてもよい。
また、高甘味度甘味料の含有量を制限した加工食品に含まれる、高甘味度甘味料の含有量は、当該加工食品の全量(100質量%)基準で、1000質量ppm未満、100質量ppm未満、75質量ppm未満、50質量ppm未満、40質量ppm未満、30質量ppm未満、25質量ppm未満、20質量ppm未満、15質量ppm未満、10質量ppm未満、1質量ppm未満、100質量ppb未満、10質量ppb未満、1質量ppb未満、100質量ppt未満、10質量ppt未満、又は1質量ppt未満としてもよい。
なお、高甘味度甘味料としては、天然高甘味度甘味料及び人工高甘味度甘味料の双方が含まれ、例えば、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、ズルコシドA、ズルコシドB、ルブソサイド、ステビア、ステビオサイド、モグロサイドIV、モグロサイドV、羅漢果甘味料、シアメノサイド、モナチン及びその塩(モナチンSS、モナチンRR、モナチンRS、モナチンSR)、クルクリン、グリシルリジン酸及びその塩、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノサイド、オスラジン、エリスリトール、ポリポドサイドA、プテロカリオサイドA、プテロカリオサイドB、ムクロジオサイド、フロミソサイドI、ペリアンドリンI、アブルソサイドA及びシクロカリオサイドI等が挙げられる。
【0018】
本発明の一態様の加工食品は、レバウジオシドAを含む加工食品であってもよく、レバウジオシドAの含有量を制限した加工食品であってもよい。
レバウジオシドAの含有量を制限した加工食品に含まれる、レバウジオシドAの含有量は、当該加工食品に含まれる尿酸の全量100質量部に対して、10.0質量部未満、5.0質量部未満、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.1質量部未満、0.05質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、又は0.0001質量部未満としてもよい。
また、レバウジオシドAの含有量を制限した加工食品に含まれる、レバウジオシドAの含有量は、当該加工食品の全量(100質量%)基準で、1000質量ppm未満、100質量ppm未満、10質量ppm未満、1質量ppm未満、100質量ppb未満、10質量ppb未満、1質量ppb未満、100質量ppt未満、10質量ppt未満、又は1質量ppt未満としてもよい。
【0019】
本発明の一態様の加工食品は、エリスリトールを含む加工食品であってもよく、エリスリトールの含有量を制限した加工食品であってもよい。
エリスリトールの含有量を制限した加工食品に含まれる、エリスリトールの含有量は、当該加工食品に含まれる尿酸の全量100質量部に対して、10.0質量部未満、5.0質量部未満、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.1質量部未満、0.05質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、又は0.0001質量部未満としてもよい。
また、エリスリトールの含有量を制限した加工食品に含まれる、エリスリトールの含有量は、当該加工食品の全量(100質量%)基準で、1000質量ppm未満、100質量ppm未満、10質量ppm未満、1質量ppm未満、100質量ppb未満、10質量ppb未満、1質量ppb未満、100質量ppt未満、10質量ppt未満、又は1質量ppt未満としてもよい。
【0020】
本発明の一態様の加工食品の原材料は、特に限定されず、プリン体を多く含む原材料であっても用いることができる。
本発明の一態様で用いるプリン体を含む原材料としては、特に限定されないが、例えば、麦(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)、米(白米、玄米等)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ等の穀物、野菜(ほうれん草、カリフラワー、ブロッコリー、もやし、カイワレ大根、オクラ、そら豆、グリンピース等)、キノコ類(舞茸、椎茸、なめこ、えのきだけ、つくりたけ、ひらたけ等)、豆類(大豆、小豆、ピーナッツ、そら豆、枝豆)、豆製品(豆腐、豆乳、みそ、しょう油、おから、納豆等)、豚肉、鶏肉、牛肉、羊肉、鯨肉、肉製品(ハム、ソーセージ、ベーコン、サラミ、コンビーフ、レバーペースト)、魚肉(カツオ、マグロ、イサキ、サワラ、キス、トビウオ、ニジマス、赤カマス、真鯛、ヒラメ、ニシン、アジ、アイナメ、サバ、アマダイ、ブリ、サケ、アユ、スズキ、メバル、イワシ、サンマ、鯉、カレイ、ドジョウ、ワカサギ、ウナギ、ハタハタ、アンコウ等)、魚卵又は魚卵製品(たらこ、明太子、筋子、カズノコ、いくら)、イカ、タコ、エビ、オキアミ、カニ、貝類(アサリ、カキ、ハマグリ、ホタテ等)、魚の干物、魚肉加工品(つみれ、ちくわ、かまぼこ、なると、魚肉ソーセージ、さつま揚げ等)、アーモンド、青汁粉末、酵母、クロレラ、ユーグレナ(ミドリムシ)、ロイヤルゼリー等が挙げられる。
加工食品の製造において、これらのプリン体を含む原材料を用いると、香味を向上させた加工食品となるが、同時にプリン体を含む加工食品ともなる。
【0021】
本明細書において、「プリン体」とは、プリン核構造を有する化合物を意味し、具体的には、プリン塩基(アデニン、グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン)、プリンヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、イノシン)、プリンヌクレオチド(アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸)、及び、低分子又は高分子の核酸(オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド)等が挙げられる。
【0022】
本発明の一態様の加工食品は、プリン体のうち、非資化性のキサンチンに着目し、キサンチンの含有量を低減させたものである。
例えば、加工食品の製造過程で発酵工程を伴う場合には、酵母資化性のプリン体であれば、酵母を用いた発酵工程を経ることで、当該プリン体を減少させることができる。酵母非資化性のプリン体であるアデノシン及びグアノシンは、プリンヌクレオシダーゼを用いた酵素処理を行うことで、酵母資化性のプリン体に変換することができるが、同時に、非資化性であるキサンチンも生じ得る。そのため、本発明の一態様の加工食品は、非資化性のキサンチンの含有量を低減させることで、プリン体の低減させた加工食品としている。
【0023】
本発明の一態様の加工食品のキサンチンの含有量は、2.2μg/g以下、2.00μg/g以下、1.90μg/g以下、1.80μg/g以下、1.70μg/g以下、1.60μg/g以下、1.50μg/g以下、1.40μg/g以下、1.30μg/g以下、1.20μg/g以下、1.10μg/g以下、1.00μg/g以下、0.90μg/g以下、0.80μg/g以下、0.70μg/g以下、0.60μg/g以下、0.50μg/g以下、0.40μg/g以下、0.30μg/g以下、0.20μg/g以下、又は0.10μg/g以下とすることが好ましく、また、0.00μg/g以上、0.00μg/g超、0.10μg/g以上、0.20μg/g以上、0.30μg/g以上、0.40μg/g以上、0.50μg/g以上、0.60μg/g以上、0.70μg/g以上、0.80μg/g以上、0.90μg/g以上、1.00μg/g以上、1.10μg/g以上、1.20μg/g以上、1.30μg/g以上、1.40μg/g以上、1.50μg/g以上、1.60μg/g以上、1.70μg/g以上、1.80μg/g以上、又は1.90μg/g以上としてもよい。
【0024】
本発明の一態様の加工食品のアデニン及びグアニンの合計含有量は、好ましくは22.0μg/g以下、より好ましくは20.0μg/g以下、更に好ましくは20.0μg/g未満、より更に好ましくは19.0μg/g以下、特に好ましくは18.0μg/g以下であり、さらに、17.0μg/g以下、16.5μg/g以下、16.0μg/g以下、15.5μg/g以下、15.0μg/g以下、14.5μg/g以下、14.0μg/g以下、13.5μg/g以下、13.0μg/g以下、12.5μg/g以下、12.0μg/g以下、11.5μg/g以下、11.0μg/g以下、10.5μg/g以下、10.0μg/g以下、10.0μg/g未満、9.5μg/g以下、9.0μg/g以下、8.5μg/g以下、8.0μg/g以下、7.5μg/g以下、7.0μg/g以下、6.5μg/g以下、6.0μg/g以下、5.5μg/g以下、5.0μg/g以下、5.0μg/g未満、4.5μg/g以下、4.0μg/g以下、3.5μg/g以下、3.0μg/g以下、2.5μg/g以下、2.2μg/g以下、2.0μg/g以下、1.7μg/g以下、1.5μg/g以下、1.2μg/g以下、又は1.0μg/g以下としてもよく、また、0.00μg/g超、0.01μg/g以上、0.05μg/g以上、0.10μg/g以上、0.20μg/g以上、0.30μg/g以上、0.40μg/g以上、0.50μg/g以上、0.60μg/g以上、0.70μg/g以上、0.80μg/g以上、0.90μg/g以上、1.00μg/g以上、1.10μg/g以上、1.20μg/g以上、1.30μg/g以上、1.40μg/g以上、1.50μg/g以上、1.60μg/g以上、1.70μg/g以上、1.80μg/g以上、又は1.90μg/g以上としてもよい。
【0025】
本発明の一態様の加工食品の総プリン体の含有量は、25.0μg/g未満、22.0μg/g以下、21.9μg/g以下、21.8μg/g以下、21.7μg/g以下、21.6μg/g以下、21.5μg/g以下、21.4μg/g以下、21.3μg/g以下、21.2μg/g以下、21.1μg/g以下、21.0μg/g以下、20.9μg/g以下、20.8μg/g以下、20.7μg/g以下、20.6μg/g以下、20.5μg/g以下、20.4μg/g以下、20.3μg/g以下、20.2μg/g以下、20.1μg/g以下、20.0μg/g以下、19.9μg/g以下、19.8μg/g以下、19.7μg/g以下、19.6μg/g以下、19.5μg/g以下、19.4μg/g以下、19.3μg/g以下、19.2μg/g以下、19.1μg/g以下、19.0μg/g以下、18.9μg/g以下、18.8μg/g以下、18.7μg/g以下、18.6μg/g以下、18.5μg/g以下、18.4μg/g以下、18.3μg/g以下、18.2μg/g以下、18.1μg/g以下、18.0μg/g以下、17.9μg/g以下、17.8μg/g以下、17.7μg/g以下、17.6μg/g以下、17.5μg/g以下、17.4μg/g以下、17.3μg/g以下、17.2μg/g以下、17.1μg/g以下、17.0μg/g以下、16.9μg/g以下、16.8μg/g以下、16.7μg/g以下、16.6μg/g以下、16.5μg/g以下、16.4μg/g以下、16.3μg/g以下、16.2μg/g以下、16.1μg/g以下、16.0μg/g以下、15.9μg/g以下、15.8μg/g以下、15.7μg/g以下、15.6μg/g以下、15.5μg/g以下、15.4μg/g以下、15.3μg/g以下、15.2μg/g以下、15.1μg/g以下、15.0μg/g以下、14.9μg/g以下、14.8μg/g以下、14.7μg/g以下、14.6μg/g以下、14.5μg/g以下、14.4μg/g以下、14.3μg/g以下、14.2μg/g以下、14.1μg/g以下、14.0μg/g以下、13.9μg/g以下、13.8μg/g以下、13.7μg/g以下、13.6μg/g以下、13.5μg/g以下、13.4μg/g以下、13.3μg/g以下、13.2μg/g以下、13.1μg/g以下、13.0μg/g以下、12.9μg/g以下、12.8μg/g以下、12.7μg/g以下、12.6μg/g以下、12.5μg/g以下、12.4μg/g以下、12.3μg/g以下、12.2μg/g以下、12.1μg/g以下、12.0μg/g以下、11.9μg/g以下、11.8μg/g以下、11.7μg/g以下、11.6μg/g以下、11.5μg/g以下、11.4μg/g以下、11.3μg/g以下、11.2μg/g以下、11.1μg/g以下、11.0μg/g以下、10.9μg/g以下、10.8μg/g以下、10.7μg/g以下、10.6μg/g以下、10.5μg/g以下、10.4μg/g以下、10.3μg/g以下、10.2μg/g以下、10.1μg/g以下、10.0μg/g以下、9.9μg/g以下、9.8μg/g以下、9.7μg/g以下、9.6μg/g以下、9.5μg/g以下、9.4μg/g以下、9.3μg/g以下、9.2μg/g以下、9.1μg/g以下、9.0μg/g以下、8.9μg/g以下、8.8μg/g以下、8.7μg/g以下、8.6μg/g以下、8.5μg/g以下、8.4μg/g以下、8.3μg/g以下、8.2μg/g以下、8.1μg/g以下、8.0μg/g以下、7.9μg/g以下、7.8μg/g以下、7.7μg/g以下、7.6μg/g以下、7.5μg/g以下、7.4μg/g以下、7.3μg/g以下、7.2μg/g以下、7.1μg/g以下、7.0μg/g以下、6.9μg/g以下、6.8μg/g以下、6.7μg/g以下、6.6μg/g以下、6.5μg/g以下、6.4μg/g以下、6.3μg/g以下、6.2μg/g以下、6.1μg/g以下、6.0μg/g以下、5.9μg/g以下、5.8μg/g以下、5.7μg/g以下、5.6μg/g以下、5.5μg/g以下、5.4μg/g以下、5.3μg/g以下、5.2μg/g以下、5.1μg/g以下、5.0μg/g以下、4.9μg/g以下、4.8μg/g以下、4.7μg/g以下、4.6μg/g以下、4.5μg/g以下、4.4μg/g以下、4.3μg/g以下、4.2μg/g以下、4.1μg/g以下、4.0μg/g以下、3.9μg/g以下、3.8μg/g以下、3.7μg/g以下、3.6μg/g以下、3.5μg/g以下、3.4μg/g以下、3.3μg/g以下、3.2μg/g以下、3.1μg/g以下、3.0μg/g以下、2.9μg/g以下、2.8μg/g以下、2.7μg/g以下、2.6μg/g以下、2.5μg/g以下、2.4μg/g以下、2.3μg/g以下、2.2μg/g以下、2.1μg/g以下、2.0μg/g以下、1.9μg/g以下、1.8μg/g以下、1.7μg/g以下、1.6μg/g以下、1.5μg/g以下、1.4μg/g以下、1.3μg/g以下、1.2μg/g以下、1.1μg/g以下、1.0μg/g以下、0.9μg/g以下、0.8μg/g以下、0.7μg/g以下、0.6μg/g以下、0.5μg/g以下、0.4μg/g以下、0.3μg/g以下、又は0.2μg/g以下とすることが好ましい。
また、本発明の一態様の加工食品の総プリン体の含有量は、0.00μg/g超、0.01μg/g以上、0.05μg/g以上、0.1μg/g以上、0.2μg/g以上、0.3μg/g以上、0.4μg/g以上、0.5μg/g以上、0.6μg/g以上、0.7μg/g以上、0.8μg/g以上、0.9μg/g以上、1.0μg/g以上、1.1μg/g以上、1.2μg/g以上、1.3μg/g以上、1.4μg/g以上、1.5μg/g以上、1.6μg/g以上、1.7μg/g以上、1.8μg/g以上、1.9μg/g以上、2.0μg/g以上、2.1μg/g以上、2.2μg/g以上、2.3μg/g以上、2.4μg/g以上、2.5μg/g以上、2.6μg/g以上、2.7μg/g以上、2.8μg/g以上、2.9μg/g以上、3.0μg/g以上、3.1μg/g以上、3.2μg/g以上、3.3μg/g以上、3.4μg/g以上、3.5μg/g以上、3.6μg/g以上、3.7μg/g以上、3.8μg/g以上、3.9μg/g以上、4.0μg/g以上、4.1μg/g以上、4.2μg/g以上、4.3μg/g以上、4.4μg/g以上、4.5μg/g以上、4.6μg/g以上、4.7μg/g以上、4.8μg/g以上、4.9μg/g以上、5.0μg/g以上、5.1μg/g以上、5.2μg/g以上、5.3μg/g以上、5.4μg/g以上、5.5μg/g以上、5.6μg/g以上、5.7μg/g以上、5.8μg/g以上、5.9μg/g以上、6.0μg/g以上、6.1μg/g以上、6.2μg/g以上、6.3μg/g以上、6.4μg/g以上、6.5μg/g以上、6.6μg/g以上、6.7μg/g以上、6.8μg/g以上、6.9μg/g以上、7.0μg/g以上、7.1μg/g以上、7.2μg/g以上、7.3μg/g以上、7.4μg/g以上、7.5μg/g以上、7.6μg/g以上、7.7μg/g以上、7.8μg/g以上、7.9μg/g以上、8.0μg/g以上、8.1μg/g以上、8.2μg/g以上、8.3μg/g以上、8.4μg/g以上、8.5μg/g以上、8.6μg/g以上、8.7μg/g以上、8.8μg/g以上、8.9μg/g以上、9.0μg/g以上、9.1μg/g以上、9.2μg/g以上、9.3μg/g以上、9.4μg/g以上、9.5μg/g以上、9.6μg/g以上、9.7μg/g以上、9.8μg/g以上、9.9μg/g以上、10.0μg/g以上、10.1μg/g以上、10.2μg/g以上、10.3μg/g以上、10.4μg/g以上、10.5μg/g以上、10.6μg/g以上、10.7μg/g以上、10.8μg/g以上、10.9μg/g以上、11.0μg/g以上、11.1μg/g以上、11.2μg/g以上、11.3μg/g以上、11.4μg/g以上、11.5μg/g以上、11.6μg/g以上、11.7μg/g以上、11.8μg/g以上、11.9μg/g以上、12.0μg/g以上、12.1μg/g以上、12.2μg/g以上、12.3μg/g以上、12.4μg/g以上、12.5μg/g以上、12.6μg/g以上、12.7μg/g以上、12.8μg/g以上、12.9μg/g以上、13.0μg/g以上、13.1μg/g以上、13.2μg/g以上、13.3μg/g以上、13.4μg/g以上、13.5μg/g以上、13.6μg/g以上、13.7μg/g以上、13.8μg/g以上、13.9μg/g以上、14.0μg/g以上、14.1μg/g以上、14.2μg/g以上、14.3μg/g以上、14.4μg/g以上、14.5μg/g以上、14.6μg/g以上、14.7μg/g以上、14.8μg/g以上、14.9μg/g以上、15.0μg/g以上、15.1μg/g以上、15.2μg/g以上、15.3μg/g以上、15.4μg/g以上、15.5μg/g以上、15.6μg/g以上、15.7μg/g以上、15.8μg/g以上、15.9μg/g以上、16.0μg/g以上、16.1μg/g以上、16.2μg/g以上、16.3μg/g以上、16.4μg/g以上、16.5μg/g以上、16.6μg/g以上、16.7μg/g以上、16.8μg/g以上、16.9μg/g以上、17.0μg/g以上、17.1μg/g以上、17.2μg/g以上、17.3μg/g以上、17.4μg/g以上、17.5μg/g以上、17.6μg/g以上、17.7μg/g以上、17.8μg/g以上、17.9μg/g以上、18.0μg/g以上、18.1μg/g以上、18.2μg/g以上、18.3μg/g以上、18.4μg/g以上、18.5μg/g以上、18.6μg/g以上、18.7μg/g以上、18.8μg/g以上、18.9μg/g以上、19.0μg/g以上、19.1μg/g以上、19.2μg/g以上、19.3μg/g以上、19.4μg/g以上、19.5μg/g以上、19.6μg/g以上、19.7μg/g以上、19.8μg/g以上、19.9μg/g以上、20.0μg/g以上、20.1μg/g以上、20.2μg/g以上、20.3μg/g以上、20.4μg/g以上、20.5μg/g以上、20.6μg/g以上、20.7μg/g以上、20.8μg/g以上、20.9μg/g以上、21.0μg/g以上、21.1μg/g以上、21.2μg/g以上、21.3μg/g以上、21.4μg/g以上、21.5μg/g以上、21.6μg/g以上、21.7μg/g以上、21.8μg/g以上、又は21.9μg/g以上としてもよい。
なお、本明細書において、「総プリン体の含有量」とは、アデニン、グアニン、キサンチン、及びヒポキサンチンの群からなるプリン塩基の合計含有量を意味する。
【0026】
本明細書において、キサンチン、アデニン、及びグアニン等の各プリン体の含有量、並びに、総プリン体の含有量は、LC-MS/MSを用いて検出する方法(「酒類のプリン体の微量分析のご案内」、財団法人日本食品分析センター、インターネット(https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol4_no23.pdf、平成27年8月検索))により測定することができる。
【0027】
本発明の一態様の加工食品において、プリン体の含有量を低減させる手段としては、例えば、下記(i)~(iii)の手段が挙げられる。
・(i):プリン体を多く含む原材料に代えて、プリン体を含まない原材料やプリン体の含有量が少ない原材料等の代替原材料を用いて、加工食品を製造する手段。
・(ii):加工食品の製造過程で、プリン体吸着剤の添加や、膜ろ過等の処理を行うことで、物理的にプリン体を除去する手段。
・(iii):加工食品が発酵加工食品である場合、プリンヌクレオシダーゼ等の酵素を用いて、アデノシンやグアノシン等の酵母非資化性のプリン体を資化性のプリン体に分解し、発酵工程によって資化性プリン体を低減させる手段。
【0028】
ただし、上記(i)の手段については、プリン体を多く含む原材料に比べて、代替原材料の香味は劣るため、製造される加工食品の香味の低下が問題となる場合がある。
また、上記(ii)のような物理的にプリン体を除去する手段では、加工食品の香味の低下も引き起り易い。例えば、ビールテイスト飲料のプリン体を除去するために上記(ii)の手段を採用した場合、ビール特有の香気成分(エステルやアルコール)の含有量や苦味成分(イソα酸、α酸等)の含有量が減少してしまうことがある。また、上記(ii)の手段で除去されるプリン体の量は少なく、プリン体を多く含む原材料の割合が多い場合には、多くのプリン体が残存した加工食品となってしまう。
一方で、上記(iii)の手段は、上記(i)及び(ii)の手段で考え得る加工食品の香味の低下という問題を抑えることができる。しかしながら、上述のとおり、アデノシンやグアノシン等の酵母非資化性のプリン体に有効な酵素であるプリンヌクレオシダーゼを用いた場合、アデニン及びグアニンを資化性のプリン体に変換することはできるが、同時に、非資化性であるキサンチンも生じ得る。
そのため、本発明の一態様において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いたキサンチンオキシダーゼ処理によって、キサンチンの含有量を低減することが好ましく、プリンヌクレオシダーゼ処理を行った後に、キサンチンオキシダーゼ処理を行って、キサンチンの含有量を低減することがより好ましい。
【0029】
キサンチンオキシダーゼは、活性酸素種を発生させるキサンチンオキシドレダクターゼの型の酵素の一つである。キサンチンオキシダーゼによって、キサンチンは酸化して尿酸とすることができ、ヒポキサンチンは酸化して、キサンチンを経て尿酸とすることができる。つまり、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いたキサンチンオキシダーゼ処理を行うことで、キサンチン及びヒポキサンチンが尿酸に変化するため、キサンチンの含有量を低減させることができる。
【0030】
尿酸を含有する加工食品とすることで、各加工食品に特有の特性(例えば、香味や外観等)の劣化を抑制し、各種特性の安定性を向上させた加工食品となり得る。
そのため、本発明の一態様の加工食品は、一定量以上の尿酸を含有してもよい。
本発明の一態様の加工食品において、各加工食品に特有の特性安定性をより向上させた加工食品とする観点から、尿酸の含有量は、2.0μg/g以上、2.5μg/g以上、3.0μg/g以上、3.5μg/g以上、4.0μg/g以上、4.5μg/g以上、5.0μg/g以上、5.5μg/g以上、6.0μg/g以上、6.5μg/g以上、7.0μg/g以上、7.5μg/g以上、8.0μg/g以上、8.5μg/g以上、9.0μg/g以上、9.5μg/g以上、10.0μg/g以上、11.0μg/g以上、12.0μg/g以上、13.0μg/g以上、14.0μg/g以上、15.0μg/g以上、16.0μg/g以上、17.0μg/g以上、18.0μg/g以上、19.0μg/g以上、又は20.0μg/g以上としてもよく、また、10000μg/g以下、9000μg/g以下、8000μg/g以下、7000μg/g以下、6000μg/g以下、5000μg/g以下、4500μg/g以下、4000μg/g以下、4500μg/g以下、3000μg/g以下、2500μg/g以下、2200μg/g以下、2000μg/g以下、1800μg/g以下、1600μg/g以下、1500μg/g以下、1300μg/g以下、1200μg/g以下、1100μg/g以下、1000μg/g以下、900μg/g以下、800μg/g以下、700μg/g以下、600μg/g以下、500μg/g以下、450μg/g以下、400μg/g以下、350μg/g以下、300μg/g以下、280μg/g以下、250μg/g以下、220μg/g以下、200μg/g以下、180μg/g以下、160μg/g以下、150μg/g以下、140μg/g以下、130μg/g以下、120μg/g以下、110μg/g以下、100μg/g以下、95μg/g以下、90μg/g以下、85μg/g以下、80μg/g以下、75μg/g以下、70μg/g以下、65μg/g以下、60μg/g以下、55μg/g以下、50μg/g以下、45μg/g以下、40μg/g以下、35μg/g以下、30μg/g以下、27μg/g以下、25μg/g以下、又は22μg/g以下としてもよい。
【0031】
なお、本明細書において、尿酸は、下記式で表される化合物を意味し、例えば、キサンチンやヒポキサンチン等のオキシプリンから、キサンチンオキシダーゼによって合成することができる。また、ヒトの生体内において核酸(DNA及びRNA)及びATPの構成成分の一つであるプリン体から最終代謝産物として生じる尿酸とは区別されるものである。
【化1】
【0032】
尿酸の含有量は、加工食品1g当たりに含まれる尿酸の質量を意味し、加工食品が液体である場合には、当該液体の密度を1.0g/cmに換算した液体である加工食品1mL当たりに含まれる尿酸の質量とみなすこともできる。
なお、本明細書において、尿酸の含有量は、HPLC(高速液体クロマトグラフ法)により測定することができる。具体的な測定条件としては、例えば、以下の条件で測定することができる。
【0033】
・測定試料:測定対象となる加工食品を蒸留水で10倍に希釈し、孔径0.2μmメンブランフィルターでろ過して調製した液体。なお、加工食品に固形分が含まれている場合、蒸留水に希釈され易くするために、必要に応じて、当該加工食品を細かく擦り潰してもよい。
・測定装置:高速液体クロマトグラフChromaster(日立ハイテクノロジーズ社製)
・検出器:5420UV-VIS検出器(日立ハイテクノロジーズ社製)
・カラム:Inertsil ODS-4(4.6mm×250mm、5μm)
・カラム温度:40℃
・移動相:A=74mMリン酸緩衝液(pH=2.2)、B=メタノール、A/B=98/2(体積比)
・流量:1.0mL/分
・注入量:50μL
・測定波長:284nm
【0034】
一方で、本発明の一態様の加工食品は、尿酸の含有量を一定量以下に調整してもよい。
このような態様の加工食品における尿酸の含有量は、2.0μg/g未満、1.9μg/g以下、1.8μg/g以下、1.7μg/g以下、1.6μg/g以下、1.5μg/g以下、1.4μg/g以下、1.3μg/g以下、1.2μg/g以下、1.1μg/g以下、1.0μg/g以下、又は1.0μg/g未満としてもよく、また、0.000μg/g以上、0.000μg/g超、0.001μg/g以上、0.003μg/g以上、0.005μg/g以上、0.007μg/g以上、0.01μg/g以上、0.03μg/g以上、0.05μg/g以上、0.07μg/g以上、0.10μg/g以上、0.15μg/g以上、0.20μg/g以上、0.25μg/g以上、0.30μg/g以上、0.35μg/g以上、0.40μg/g以上、0.45μg/g以上、又は0.50μg/g以上としてもよい。
【0035】
本発明の一態様の加工食品における尿酸の含有量を一定量以下に調整する方法としては、ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いたウリカーゼ処理を行うことで、尿酸を酸化してアラントインに分解し、尿酸の含有量を低下させることができる。
そのため、本発明の一態様の加工食品は、アラントインを含む加工食品としてもよい。
【0036】
本発明の一態様の加工食品において、アラントインの含有量は、0.10μg/g以上、0.30μg/g以上、0.50μg/g以上、0.70μg/g以上、1.0μg/g以上、1.2μg/g以上、1.5μg/g以上、1.7μg/g以上、2.0μg/g以上、2.5μg/g以上、3.0μg/g以上、3.5μg/g以上、4.0μg/g以上、4.5μg/g以上、5.0μg/g以上、10.0μg/g以上、15.0μg/g以上、20.0μg/g以上、25.0μg/g以上、30.0μg/g以上、35.0μg/g以上、40.0μg/g以上、45.0μg/g以上、50.0μg/g以上、55.0μg/g以上、60.0μg/g以上、65.0μg/g以上、70.0μg/g以上、75.0μg/g以上、80.0μg/g以上、85.0μg/g以上、90.0μg/g以上、95.0μg/g以上、100.0μg/g以上、105.0μg/g以上、110.0μg/g以上、115.0μg/g以上、120.0μg/g以上、125.0μg/g以上、130.0μg/g以上、135.0μg/g以上、140.0μg/g以上、145.0μg/g以上、150.0μg/g以上、155.0μg/g以上、160.0μg/g以上、165.0μg/g以上、170.0μg/g以上、175.0μg/g以上、180.0μg/g以上、185.0μg/g以上、190.0μg/g以上、又は195.0μg/g以上としてもよく、また、200.0μg/g以下、195.0μg/g以下、190.0μg/g以下、185.0μg/g以下、180.0μg/g以下、175.0μg/g以下、170.0μg/g以下、165.0μg/g以下、160.0μg/g以下、155.0μg/g以下、150.0μg/g以下、145.0μg/g以下、140.0μg/g以下、135.0μg/g以下、130.0μg/g以下、125.0μg/g以下、120.0μg/g以下、115.0μg/g以下、110.0μg/g以下、105.0μg/g以下、100.0μg/g以下、95.0μg/g以下、90.0μg/g以下、85.0μg/g以下、80.0μg/g以下、75.0μg/g以下、70.0μg/g以下、65.0μg/g以下、60.0μg/g以下、55.0μg/g以下、50.0μg/g以下、45.0μg/g以下、40.0μg/g以下、35.0μg/g以下、30.0μg/g以下、25.0μg/g以下、20.0μg/g以下、15.0μg/g以下、又は10.0μg/g以下としてもよい。
【0037】
なお、アラントインはアンモニウムイオンに変化する。
そのため、本発明の一態様の加工食品において、アラントインの含有量は、9.0μg/g以下、8.0μg/g以下、7.0μg/g以下、6.0μg/g以下、5.0μg/g以下、4.0μg/g以下、3.0μg/g以下、2.0μg/g以下、1.0μg/g以下、又は1.0μg/g未満としてもよい。
【0038】
なお、本明細書において、アラントインは、下記式で表される化合物を意味し、例えば、尿酸を酸化することで合成することができる。また、ヒトの生体内において核酸(DNA及びRNA)及びATPの構成成分の一つであるプリン体から最終代謝産物として生じる尿酸が酸化されて生じるアラントインとは区別されるものである。
【化2】
【0039】
アラントインの含有量は、加工食品1g当たりに含まれるアラントインの質量を意味し、加工食品が液体である場合には、当該液体の密度を1.0g/cmに換算した液体である加工食品1mL当たりに含まれるアラントインの質量とみなすこともできる。
なお、本明細書において、アラントインの含有量は、LC-MS/MSを用いて測定することができる。具体的には、以下の条件で測定することができる。
・測定試料:測定対象となる加工食品を蒸留水で10倍に希釈し、孔径0.2μmメンブランフィルターでろ過して調製した液体。なお、加工食品に固形分が含まれている場合、蒸留水に希釈され易くするために、必要に応じて、当該加工食品を細かく擦り潰してもよい。
・測定装置:LCMS-8040(株式会社島津製作所社製)
・カラム:Discovery HS F5-3(15cm×2.1mm、3μm)
・カラム温度:40℃
・移動相:A=0.03(v/v)%ギ酸水溶液、B=100%アセトニトリル、A/B=90/10(体積比)
・流量:0.3mL/分
・注入量:10μL
【0040】
より具体的な本発明の一態様の加工食品としては、下記要件(I)、要件(II)及び要件(III)のいずれか1つ以上を満たす加工食品が挙げられる。
・要件(I):キサンチンの含有量(単位:μg/g)とピログルタミン酸の含有量(単位:μg/g)との比〔キサンチン/ピログルタミン酸〕が0.0200以下であり、ピログルタミン酸の含有量が40μg/g以上である。
・要件(II):キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)を含有する。
・要件(III):キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)、並びに、ウリカーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(U)を含有する。
以下、上記要件(I)を満たす本発明の第1の態様の加工食品を「加工食品(I)」ともいい、上記要件(II)を満たす本発明の第2の態様の加工食品を「加工食品(II)」ともいい、上記要件(III)を満たす本発明の第3の態様の加工食品を「加工食品(III)」ともいう。
なお、本明細書において、「本発明の一態様の加工食品」は、加工食品(I)~(III)の態様が全て含まれる。そのため、上述又は後述の「本発明の一態様の加工食品」として規定の要件は、加工食品(I)~(III)にも適用される。
また、本発明の一態様の加工食品は、上記要件(I)及び(II)の双方を満たし加工食品(I)及び(II)の双方に該当する加工食品、もしくは、上記要件(I)及び(III)の双方を満たし加工食品(I)及び(III)の双方に該当する加工食品、であることが好ましい。
【0041】
1.1 加工食品(I)
本発明の一態様である加工食品(I)は、キサンチンの含有量(単位:μg/g)とピログルタミン酸の含有量(単位:μg/g)との比〔キサンチン/ピログルタミン酸〕が0.0200以下である。ピログルタミン酸は、加工食品の味わいを向上させ得る成分であり、ピログルタミン酸の含有量が多いほど、味わいに優れた加工食品となる。
一般的に、ピログルタミン酸を多く含む加工食品(例えば、麦芽発酵飲料等の麦芽加工製品)は、プリン体の含有量が多い原材料が使用されている場合が多い。低プリン体の加工食品とするためには、麦芽等のプリン体を多く含む原材料の使用量を抑制して製造されるが、このような原材料の使用量を抑制することでピログルタミン酸の含有量も低減されてしまい、味わいが不十分な食品となり易い。
これに対して、本発明の一態様である加工食品(I)は、前記比〔キサンチン/ピログルタミン酸〕を0.0200以下とし、かつ、ピログルタミン酸の含有量を40μg/g以上となるように調整しているため、プリン体を低減しつつも、味わいに優れた加工食品となり得る。
【0042】
本発明の一態様の加工食品(I)において、前記比〔キサンチン/ピログルタミン酸〕は、プリン体を低減しつつも、味わいをより向上させた加工食品とする観点から、0.0190以下、0.0180以下、0.0170以下、0.0160以下、0.0150以下、0.0140以下、0.0130以下、0.0120以下、0.0110以下、0.0100以下、0.0090以下、0.0085以下、0.0080以下、0.0075以下、0.0070以下、0.0065以下、0.0060以下、0.0055以下、0.0050以下、0.0045以下、0.0040以下、0.0035以下、0.0030以下、0.0025以下、0.0020以下、0.0015以下、又は0.0010以下であることが好ましく、また、0.0000超、0.0001以上、0.0003以上、0.0005以上、0.0007以上、又は0.0010以上としてもよい。
【0043】
本発明の一態様の加工食品(I)において、ピログルタミン酸の含有量は、味わいをより向上させた加工食品とする観点から、40μg/g以上、50μg/g以上、60μg/g以上、70μg/g以上、80μg/g以上、90μg/g以上、100μg/g以上、110μg/g以上、120μg/g以上、130μg/g以上、140μg/g以上、150μg/g以上、160μg/g以上、170μg/g以上、180μg/g以上、190μg/g以上、200μg/g以上、210μg/g以上、220μg/g以上、230μg/g以上、240μg/g以上、250μg/g以上、260μg/g以上、270μg/g以上、280μg/g以上、290μg/g以上、300μg/g以上、310μg/g以上、320μg/g以上、330μg/g以上、340μg/g以上、350μg/g以上、360μg/g以上、370μg/g以上、380μg/g以上、390μg/g以上、400μg/g以上、410μg/g以上、420μg/g以上、430μg/g以上、440μg/g以上、450μg/g以上、460μg/g以上、470μg/g以上、480μg/g以上、490μg/g以上、500μg/g以上、510μg/g以上、520μg/g以上、530μg/g以上、540μg/g以上、550μg/g以上、560μg/g以上、570μg/g以上、580μg/g以上、590μg/g以上、600μg/g以上、610μg/g以上、620μg/g以上、630μg/g以上、640μg/g以上、650μg/g以上、660μg/g以上、670μg/g以上、680μg/g以上、690μg/g以上、700μg/g以上、710μg/g以上、720μg/g以上、730μg/g以上、740μg/g以上、750μg/g以上、760μg/g以上、770μg/g以上、780μg/g以上、790μg/g以上、800μg/g以上、810μg/g以上、820μg/g以上、830μg/g以上、840μg/g以上、850μg/g以上、860μg/g以上、870μg/g以上、880μg/g以上、890μg/g以上、900μg/g以上、910μg/g以上、920μg/g以上、930μg/g以上、940μg/g以上、950μg/g以上、960μg/g以上、970μg/g以上、980μg/g以上、又は990μg/g以上とすることが好ましく、また、1000μg/g以下、990μg/g以下、980μg/g以下、970μg/g以下、960μg/g以下、950μg/g以下、940μg/g以下、930μg/g以下、920μg/g以下、910μg/g以下、900μg/g以下、890μg/g以下、880μg/g以下、870μg/g以下、860μg/g以下、850μg/g以下、840μg/g以下、830μg/g以下、820μg/g以下、810μg/g以下、800μg/g以下、790μg/g以下、780μg/g以下、770μg/g以下、760μg/g以下、750μg/g以下、740μg/g以下、730μg/g以下、720μg/g以下、710μg/g以下、700μg/g以下、690μg/g以下、680μg/g以下、670μg/g以下、660μg/g以下、650μg/g以下、640μg/g以下、630μg/g以下、620μg/g以下、610μg/g以下、600μg/g以下、590μg/g以下、580μg/g以下、570μg/g以下、560μg/g以下、550μg/g以下、540μg/g以下、530μg/g以下、520μg/g以下、510μg/g以下、500μg/g以下、490μg/g以下、480μg/g以下、470μg/g以下、460μg/g以下、450μg/g以下、440μg/g以下、430μg/g以下、420μg/g以下、410μg/g以下、400μg/g以下、390μg/g以下、380μg/g以下、370μg/g以下、360μg/g以下、350μg/g以下、340μg/g以下、330μg/g以下、320μg/g以下、310μg/g以下、300μg/g以下、290μg/g以下、280μg/g以下、270μg/g以下、260μg/g以下、250μg/g以下、240μg/g以下、230μg/g以下、220μg/g以下、210μg/g以下、200μg/g以下、190μg/g以下、180μg/g以下、170μg/g以下、160μg/g以下、150μg/g以下、140μg/g以下、130μg/g以下、120μg/g以下、110μg/g以下、100μg/g以下、90μg/g以下、80μg/g以下、70μg/g以下、60μg/g以下、50μg/g以下、40μg/g以下、30μg/g以下、又は20μg/g以下としてもよい。
本明細書において、ピログルタミン酸の含有量は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)有機酸分析システム(装置名:Prominence、株式会社島津製作所社製)等の分析装置を用いて測定することができる。
【0044】
本発明の一態様の加工食品(I)において、キサンチンの含有量、アデニン及びグアニンの合計含有量、総プリン体の含有量、尿酸の含有量、及びアラントインの含有量は、上述のとおりである。
【0045】
1.2 加工食品(II)
本発明の一態様である加工食品(II)は、キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)を含有する。
加工食品(II)は、成分(X)を含有しているため、キサンチンオキシダーゼ処理を施された加工食品であるといえる。
さらに、加工食品(II)は、キサンチンオキシダーゼ処理を施され、キサンチンから尿酸に変化されたため、キサンチンの含有量が低減され、尿酸を含む加工食品であるといえる。
【0046】
本発明の一態様の加工食品(II)において、キサンチンの含有量、アデニン及びグアニンの合計含有量、及び総プリン体の含有量は、上述のとおりである。
本発明の一態様の加工食品(II)において、尿酸の含有量は、2.0μg/g以上、2.5μg/g以上、3.0μg/g以上、3.5μg/g以上、4.0μg/g以上、4.5μg/g以上、5.0μg/g以上、5.5μg/g以上、6.0μg/g以上、6.5μg/g以上、7.0μg/g以上、7.5μg/g以上、8.0μg/g以上、8.5μg/g以上、9.0μg/g以上、9.5μg/g以上、10.0μg/g以上、11.0μg/g以上、12.0μg/g以上、13.0μg/g以上、14.0μg/g以上、15.0μg/g以上、16.0μg/g以上、17.0μg/g以上、18.0μg/g以上、19.0μg/g以上、又は20.0μg/g以上としてもよく、また、10000μg/g以下、9000μg/g以下、8000μg/g以下、7000μg/g以下、6000μg/g以下、5000μg/g以下、4500μg/g以下、4000μg/g以下、4500μg/g以下、3000μg/g以下、2500μg/g以下、2200μg/g以下、2000μg/g以下、1800μg/g以下、1600μg/g以下、1500μg/g以下、1300μg/g以下、1200μg/g以下、1100μg/g以下、1000μg/g以下、900μg/g以下、800μg/g以下、700μg/g以下、600μg/g以下、500μg/g以下、450μg/g以下、400μg/g以下、350μg/g以下、300μg/g以下、280μg/g以下、250μg/g以下、220μg/g以下、200μg/g以下、180μg/g以下、160μg/g以下、150μg/g以下、140μg/g以下、130μg/g以下、120μg/g以下、110μg/g以下、100μg/g以下、95μg/g以下、90μg/g以下、85μg/g以下、80μg/g以下、75μg/g以下、70μg/g以下、65μg/g以下、60μg/g以下、55μg/g以下、50μg/g以下、45μg/g以下、40μg/g以下、35μg/g以下、30μg/g以下、27μg/g以下、25μg/g以下、又は22μg/g以下としてもよい。
【0047】
本発明の一態様である加工食品(II)において、キサンチンの含有量(単位:μg/g)と尿酸の含有量(単位:μg/g)との比〔キサンチン/尿酸〕は、好ましくは0.300以下、より好ましくは0.200以下、より好ましくは0.150以下、より好ましくは0.100以下、更に好ましくは0.090以下、更に好ましくは0.080以下、更に好ましくは0.070以下、より更に好ましくは0.060以下、特に好ましくは0.050以下である。
【0048】
本発明の一態様の加工食品(II)において、アラントインの含有量は、9.0μg/g以下、8.0μg/g以下、7.0μg/g以下、6.0μg/g以下、5.0μg/g以下、4.0μg/g以下、3.0μg/g以下、2.0μg/g以下、1.0μg/g以下、又は1.0μg/g未満としてもよい。
【0049】
加工食品(II)に、成分(X)として含まれる「キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質」とは、原材料に含まれるキサンチンオキシダーゼ活性を有するタンパク質に由来し、加工食品の製造過程での加熱やpH調整等によって、キサンチンオキシダーゼ活性が失活したタンパク質を指す。
また、成分(X)として含まれる「当該タンパク質に由来する成分」とは、キサンチンオキシダーゼ活性が失活したタンパク質の構造が一部切断された成分、もしくは、当該タンパク質が変質して別の構造となった変質物等が含まれる。つまり、成分(X)は、完全なタンパク質としての構造を有している必要は無い。
【0050】
また、原材料として、キサンチンオキシダーゼ活性を有するタンパク質を含む原材料を用いた場合、製造される加工食品には、成分(X)が含まれることになる。そのため、本発明の一態様の加工食品(II)には、キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料を用いている加工食品も包含される。
キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料としては、特に限定されないが、例えば、バクテリアから哺乳類、高等植物にわたる広範囲の生物種由来の原料が挙げられ、具体的には、牛等の哺乳類の生乳(未殺菌の生乳)、シュードモナス属、エシエリキア属、アースロバクター属、ノカルデイア属等に属する微生物、エンテロバクター・クロアカエ等が挙げられ、また、市販されているキサンチンオキシダーゼの製剤も含まれる。
【0051】
なお、本発明の一態様である加工食品(II)は、キサンチンオキシダーゼ活性を有していたが、既にキサンチンオキシダーゼ活性が失活しているタンパク質又は当該タンパク質に由来する成分(X)を含有していればよく、キサンチンオキシダーゼ活性を有しているか否かは制限されない。つまり、加工食品(II)は、キサンチンオキシダーゼ活性を有していてもよく、キサンチンオキシダーゼ活性を有していなくてもよい。
【0052】
本発明の一態様である加工食品(II)がキサンチンオキシダーゼ活性を有する場合、キサンチンオキシダーゼ活性値は、0.01U以上、0.05U以上、0.1U以上、0.3U以上、0.5U以上、0.7U以上、1.0U以上、1.5U以上、2.0U以上、2.5U以上、3.0U以上、3.5U以上、4.0U以上、5.0U以上、5.5U以上、6.0U以上、7.0U以上、8.0U以上、9.0U以上、又は10.0U以上としてもよく、また、10,000U以下、9,000U以下、8,000U以下、7,000U以下、又は6,000U以下としてもよい。
【0053】
本明細書において、キサンチンオキシダーゼ活性値とは、下記の条件下で1分間あたり1μmolの尿酸を生成する酵素量を1単位(U)とした際の相対酵素量を意味する。
50mMトリス塩酸緩衝液2.9ml、10mMキサンチン水溶液0.1mlを混合し、37℃で予備加温した後、測定対象物の溶液0.01mlを添加し、ゆるやかに混和後、水を対照に37℃で制御された分光光度計で1分間あたりの293nmの吸光度変化を求めて、当該値から1分間あたり1μmolの尿酸を生成する酵素量を1単位(U)とした際の酵素量をキサンチンオキシダーゼ活性値とする。
【0054】
本発明の一態様の加工食品(II)において、ピログルタミン酸の含有量は、味わいをより向上させた加工食品とする観点から、10μg/g以上、20μg/g以上、30μg/g以上、40μg/g以上、50μg/g以上、60μg/g以上、70μg/g以上、80μg/g以上、90μg/g以上、100μg/g以上、110μg/g以上、120μg/g以上、130μg/g以上、140μg/g以上、150μg/g以上、160μg/g以上、170μg/g以上、180μg/g以上、190μg/g以上、200μg/g以上、210μg/g以上、220μg/g以上、230μg/g以上、240μg/g以上、250μg/g以上、260μg/g以上、270μg/g以上、280μg/g以上、290μg/g以上、300μg/g以上、310μg/g以上、320μg/g以上、330μg/g以上、340μg/g以上、350μg/g以上、360μg/g以上、370μg/g以上、380μg/g以上、390μg/g以上、400μg/g以上、410μg/g以上、420μg/g以上、430μg/g以上、440μg/g以上、450μg/g以上、460μg/g以上、470μg/g以上、480μg/g以上、490μg/g以上、500μg/g以上、510μg/g以上、520μg/g以上、530μg/g以上、540μg/g以上、550μg/g以上、560μg/g以上、570μg/g以上、580μg/g以上、590μg/g以上、600μg/g以上、610μg/g以上、620μg/g以上、630μg/g以上、640μg/g以上、650μg/g以上、660μg/g以上、670μg/g以上、680μg/g以上、690μg/g以上、700μg/g以上、710μg/g以上、720μg/g以上、730μg/g以上、740μg/g以上、750μg/g以上、760μg/g以上、770μg/g以上、780μg/g以上、790μg/g以上、800μg/g以上、810μg/g以上、820μg/g以上、830μg/g以上、840μg/g以上、850μg/g以上、860μg/g以上、870μg/g以上、880μg/g以上、890μg/g以上、900μg/g以上、910μg/g以上、920μg/g以上、930μg/g以上、940μg/g以上、950μg/g以上、960μg/g以上、970μg/g以上、980μg/g以上、又は990μg/g以上とすることが好ましく、また、1000μg/g以下、990μg/g以下、980μg/g以下、970μg/g以下、960μg/g以下、950μg/g以下、940μg/g以下、930μg/g以下、920μg/g以下、910μg/g以下、900μg/g以下、890μg/g以下、880μg/g以下、870μg/g以下、860μg/g以下、850μg/g以下、840μg/g以下、830μg/g以下、820μg/g以下、810μg/g以下、800μg/g以下、790μg/g以下、780μg/g以下、770μg/g以下、760μg/g以下、750μg/g以下、740μg/g以下、730μg/g以下、720μg/g以下、710μg/g以下、700μg/g以下、690μg/g以下、680μg/g以下、670μg/g以下、660μg/g以下、650μg/g以下、640μg/g以下、630μg/g以下、620μg/g以下、610μg/g以下、600μg/g以下、590μg/g以下、580μg/g以下、570μg/g以下、560μg/g以下、550μg/g以下、540μg/g以下、530μg/g以下、520μg/g以下、510μg/g以下、500μg/g以下、490μg/g以下、480μg/g以下、470μg/g以下、460μg/g以下、450μg/g以下、440μg/g以下、430μg/g以下、420μg/g以下、410μg/g以下、400μg/g以下、390μg/g以下、380μg/g以下、370μg/g以下、360μg/g以下、350μg/g以下、340μg/g以下、330μg/g以下、320μg/g以下、310μg/g以下、300μg/g以下、290μg/g以下、280μg/g以下、270μg/g以下、260μg/g以下、250μg/g以下、240μg/g以下、230μg/g以下、220μg/g以下、210μg/g以下、200μg/g以下、190μg/g以下、180μg/g以下、170μg/g以下、160μg/g以下、150μg/g以下、140μg/g以下、130μg/g以下、120μg/g以下、110μg/g以下、100μg/g以下、90μg/g以下、80μg/g以下、70μg/g以下、60μg/g以下、50μg/g以下、40μg/g以下、30μg/g以下、又は20μg/g以下としてもよい。
【0055】
1.3 加工食品(III)
本発明の一態様である加工食品(III)は、キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(X)、並びに、ウリカーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群の少なくとも1種の成分(U)を含有する。
加工食品(III)は、成分(X)を含有しているため、キサンチンオキシダーゼ処理を施された加工食品であるといえ、また、成分(U)を含有しているため、ウリカーゼ処理が施された加工食品であるといえる。
つまり、加工食品(III)は、キサンチンオキシダーゼ処理によりキサンチンが尿酸に変化した後、ウリカーゼ処理により尿酸がアラントインに変化した加工食品であって、キサンチの含有量及び尿酸の含有量は低減され、アラントインを含む加工食品であるといえる。
【0056】
本発明の一態様の加工食品(III)において、キサンチンの含有量、アデニン及びグアニンの合計含有量、及び総プリン体の含有量は、上述のとおりである。
本発明の一態様である加工食品(III)において、尿酸の含有量は、2.0μg/g以上、2.5μg/g以上、3.0μg/g以上、3.5μg/g以上、4.0μg/g以上、4.5μg/g以上、5.0μg/g以上、5.5μg/g以上、6.0μg/g以上、6.5μg/g以上、7.0μg/g以上、7.5μg/g以上、8.0μg/g以上、8.5μg/g以上、9.0μg/g以上、9.5μg/g以上、10.0μg/g以上、11.0μg/g以上、12.0μg/g以上、13.0μg/g以上、14.0μg/g以上、15.0μg/g以上、16.0μg/g以上、17.0μg/g以上、18.0μg/g以上、19.0μg/g以上、又は20.0μg/g以上としてもよく、また、10000μg/g以下、9000μg/g以下、8000μg/g以下、7000μg/g以下、6000μg/g以下、5000μg/g以下、4500μg/g以下、4000μg/g以下、4500μg/g以下、3000μg/g以下、2500μg/g以下、2200μg/g以下、2000μg/g以下、1800μg/g以下、1600μg/g以下、1500μg/g以下、1300μg/g以下、1200μg/g以下、1100μg/g以下、1000μg/g以下、900μg/g以下、800μg/g以下、700μg/g以下、600μg/g以下、500μg/g以下、450μg/g以下、400μg/g以下、350μg/g以下、300μg/g以下、280μg/g以下、250μg/g以下、220μg/g以下、200μg/g以下、180μg/g以下、160μg/g以下、150μg/g以下、140μg/g以下、130μg/g以下、120μg/g以下、110μg/g以下、100μg/g以下、95μg/g以下、90μg/g以下、85μg/g以下、80μg/g以下、75μg/g以下、70μg/g以下、65μg/g以下、60μg/g以下、55μg/g以下、50μg/g以下、45μg/g以下、40μg/g以下、35μg/g以下、30μg/g以下、27μg/g以下、25μg/g以下、又は22μg/g以下としてもよい。
【0057】
本発明の一態様である加工食品(III)において、アラントインの含有量は、0.10μg/g以上、0.30μg/g以上、0.50μg/g以上、0.70μg/g以上、1.0μg/g以上、1.2μg/g以上、1.5μg/g以上、1.7μg/g以上、2.0μg/g以上、2.5μg/g以上、3.0μg/g以上、3.5μg/g以上、4.0μg/g以上、4.5μg/g以上、5.0μg/g以上、10.0μg/g以上、15.0μg/g以上、20.0μg/g以上、25.0μg/g以上、30.0μg/g以上、35.0μg/g以上、40.0μg/g以上、45.0μg/g以上、50.0μg/g以上、55.0μg/g以上、60.0μg/g以上、65.0μg/g以上、70.0μg/g以上、75.0μg/g以上、80.0μg/g以上、85.0μg/g以上、90.0μg/g以上、95.0μg/g以上、100.0μg/g以上、105.0μg/g以上、110.0μg/g以上、115.0μg/g以上、120.0μg/g以上、125.0μg/g以上、130.0μg/g以上、135.0μg/g以上、140.0μg/g以上、145.0μg/g以上、150.0μg/g以上、155.0μg/g以上、160.0μg/g以上、165.0μg/g以上、170.0μg/g以上、175.0μg/g以上、180.0μg/g以上、185.0μg/g以上、190.0μg/g以上、195.0μg/g以上としてもよく、また、200.0μg/g以下、195.0μg/g以下、190.0μg/g以下、185.0μg/g以下、180.0μg/g以下、175.0μg/g以下、170.0μg/g以下、165.0μg/g以下、160.0μg/g以下、155.0μg/g以下、150.0μg/g以下、145.0μg/g以下、140.0μg/g以下、135.0μg/g以下、130.0μg/g以下、125.0μg/g以下、120.0μg/g以下、115.0μg/g以下、110.0μg/g以下、105.0μg/g以下、100.0μg/g以下、95.0μg/g以下、90.0μg/g以下、85.0μg/g以下、80.0μg/g以下、75.0μg/g以下、70.0μg/g以下、65.0μg/g以下、60.0μg/g以下、55.0μg/g以下、50.0μg/g以下、45.0μg/g以下、40.0μg/g以下、35.0μg/g以下、30.0μg/g以下、25.0μg/g以下、20.0μg/g以下、15.0μg/g以下、10.0μg/g以下、9.0μg/g以下、8.0μg/g以下、7.0μg/g以下、6.0μg/g以下、5.0μg/g以下、4.0μg/g以下、3.0μg/g以下、2.0μg/g以下、1.0μg/g以下、又は1.0μg/g未満としてもよい。
【0058】
本発明の一態様である加工食品(III)において、尿酸の含有量(単位:μg/g)とアラントインの含有量(単位:μg/g)との比〔尿酸/アラントイン〕は、好ましくは1.00未満、より好ましくは0.950以下、より好ましくは0.910以下、更に好ましくは0.800以下、更に好ましくは0.700以下、より更に好ましくは0.600以下、特に好ましくは0.500以下であり、さらに、0.450以下、0.400以下、0.350以下、0.300以下、0.250以下、0.200以下、0.150以下、又は0.100以下としてもよい。
【0059】
加工食品(III)に、成分(X)として含まれる「キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質」は、加工食品(II)に含まれる成分(X)と同様である。
また、加工食品(III)に、成分(U)として含まれる「ウリカーゼ活性を有していたタンパク質」とは、原材料に含まれるウリカーゼ活性を有するタンパク質に由来し、加工食品の製造過程での加熱やpH調整等によって、ウリカーゼ活性が失活したタンパク質を指す。
また、成分(U)として含まれる「当該タンパク質に由来する成分」とは、ウリカーゼ活性が失活したタンパク質の構造が一部切断された成分、もしくは、当該タンパク質が変質して別の構造となった変質物等が含まれる。つまり、成分(U)は、完全なタンパク質としての構造を有している必要は無い。
【0060】
また、原材料として、キサンチンオキシダーゼ活性を有するタンパク質を含む原材料、及び、ウリカーゼ活性を有するタンパク質を含む原材料を用いた場合、製造される加工食品には、成分(X)及び成分(U)が含まれることになる。そのため、本発明の一態様の加工食品(III)には、キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料、及び、ウリカーゼ活性を有する原材料を用いている加工食品も包含される。
キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料としては、上述のとおりである。
ウリカーゼ活性を有する原材料としては、特に限定されないが、例えば、バクテリアから哺乳類、高等植物にわたる広範囲の生物種由来の原料が挙げられ、具体的には、牛等の哺乳類の生乳(未殺菌の生乳)、シュードモナス属、エシエリキア属、アースロバクター属、ノカルデイア属等に属する微生物、エンテロバクター・クロアカエ等が挙げられ、また、市販されているウリカーゼの製剤も含まれる。
【0061】
本発明の一態様である加工食品(III)は、キサンチンオキシダーゼ活性を有していたが、既にキサンチンオキシダーゼ活性が失活しているタンパク質又は当該タンパク質に由来する成分(X)を含有していればよく、キサンチンオキシダーゼ活性を有しているか否かは制限されない。つまり、加工食品(III)は、キサンチンオキシダーゼ活性を有していてもよく、キサンチンオキシダーゼ活性を有していなくてもよい。
本発明の一態様である加工食品(III)がキサンチンオキシダーゼ活性を有する場合、キサンチンオキシダーゼ活性値は、加工食品(II)と同様である。
【0062】
また、本発明の一態様である加工食品(III)は、ウリカーゼ活性を有していたが、既にウリカーゼ活性が失活しているタンパク質又は当該タンパク質に由来する成分(U)を含有していればよく、ウリカーゼ活性を有しているか否かは制限されない。つまり、加工食品(III)は、ウリカーゼ活性を有していてもよく、ウリカーゼ活性を有していなくてもよい。
本発明の一態様である加工食品(III)がウリカーゼ活性を有する場合、ウリカーゼ活性値は、0.01U以上、0.05U以上、0.1U以上、0.3U以上、0.5U以上、0.7U以上、1.0U以上、1.5U以上、2.0U以上、2.5U以上、3.0U以上、3.5U以上、4.0U以上、5.0U以上、5.5U以上、6.0U以上、7.0U以上、8.0U以上、9.0U以上、又は10.0U以上としてもよく、また、10,000U以下、9,000U以下、8,000U以下、7,000U以下、又は6,000U以下としてもよい。
【0063】
本明細書において、ウリカーゼ活性値とは、下記の条件下で1分間あたり1μmolのアラントインを生成する酵素量を1単位(U)とした際の相対酵素量を意味する。
50mMトリス塩酸緩衝液2.9ml、10mM尿酸水溶液0.1mlを混合し、37℃で予備加温した後、測定対象物の溶液0.01mlを添加し、ゆるやかに混和後、水を対照に37℃で制御された分光光度計で1分間あたりの293nmの吸光度変化を求めて、当該値から1分間あたり1μmolのアラントインを生成する酵素量を1単位(U)とした際の酵素量をウリカーゼ活性値とする。
【0064】
本発明の一態様の加工食品(III)において、ピログルタミン酸の含有量は、味わいをより向上させた加工食品とする観点から、10μg/g以上、20μg/g以上、30μg/g以上、40μg/g以上、50μg/g以上、60μg/g以上、70μg/g以上、80μg/g以上、90μg/g以上、100μg/g以上、110μg/g以上、120μg/g以上、130μg/g以上、140μg/g以上、150μg/g以上、160μg/g以上、170μg/g以上、180μg/g以上、190μg/g以上、200μg/g以上、210μg/g以上、220μg/g以上、230μg/g以上、240μg/g以上、250μg/g以上、260μg/g以上、270μg/g以上、280μg/g以上、290μg/g以上、300μg/g以上、310μg/g以上、320μg/g以上、330μg/g以上、340μg/g以上、350μg/g以上、360μg/g以上、370μg/g以上、380μg/g以上、390μg/g以上、400μg/g以上、410μg/g以上、420μg/g以上、430μg/g以上、440μg/g以上、450μg/g以上、460μg/g以上、470μg/g以上、480μg/g以上、490μg/g以上、500μg/g以上、510μg/g以上、520μg/g以上、530μg/g以上、540μg/g以上、550μg/g以上、560μg/g以上、570μg/g以上、580μg/g以上、590μg/g以上、600μg/g以上、610μg/g以上、620μg/g以上、630μg/g以上、640μg/g以上、650μg/g以上、660μg/g以上、670μg/g以上、680μg/g以上、690μg/g以上、700μg/g以上、710μg/g以上、720μg/g以上、730μg/g以上、740μg/g以上、750μg/g以上、760μg/g以上、770μg/g以上、780μg/g以上、790μg/g以上、800μg/g以上、810μg/g以上、820μg/g以上、830μg/g以上、840μg/g以上、850μg/g以上、860μg/g以上、870μg/g以上、880μg/g以上、890μg/g以上、900μg/g以上、910μg/g以上、920μg/g以上、930μg/g以上、940μg/g以上、950μg/g以上、960μg/g以上、970μg/g以上、980μg/g以上、又は990μg/g以上とすることが好ましく、また、1000μg/g以下、990μg/g以下、980μg/g以下、970μg/g以下、960μg/g以下、950μg/g以下、940μg/g以下、930μg/g以下、920μg/g以下、910μg/g以下、900μg/g以下、890μg/g以下、880μg/g以下、870μg/g以下、860μg/g以下、850μg/g以下、840μg/g以下、830μg/g以下、820μg/g以下、810μg/g以下、800μg/g以下、790μg/g以下、780μg/g以下、770μg/g以下、760μg/g以下、750μg/g以下、740μg/g以下、730μg/g以下、720μg/g以下、710μg/g以下、700μg/g以下、690μg/g以下、680μg/g以下、670μg/g以下、660μg/g以下、650μg/g以下、640μg/g以下、630μg/g以下、620μg/g以下、610μg/g以下、600μg/g以下、590μg/g以下、580μg/g以下、570μg/g以下、560μg/g以下、550μg/g以下、540μg/g以下、530μg/g以下、520μg/g以下、510μg/g以下、500μg/g以下、490μg/g以下、480μg/g以下、470μg/g以下、460μg/g以下、450μg/g以下、440μg/g以下、430μg/g以下、420μg/g以下、410μg/g以下、400μg/g以下、390μg/g以下、380μg/g以下、370μg/g以下、360μg/g以下、350μg/g以下、340μg/g以下、330μg/g以下、320μg/g以下、310μg/g以下、300μg/g以下、290μg/g以下、280μg/g以下、270μg/g以下、260μg/g以下、250μg/g以下、240μg/g以下、230μg/g以下、220μg/g以下、210μg/g以下、200μg/g以下、190μg/g以下、180μg/g以下、170μg/g以下、160μg/g以下、150μg/g以下、140μg/g以下、130μg/g以下、120μg/g以下、110μg/g以下、100μg/g以下、90μg/g以下、80μg/g以下、70μg/g以下、60μg/g以下、50μg/g以下、40μg/g以下、30μg/g以下、又は20μg/g以下としてもよい。
【0065】
2 ビールテイスト飲料
本発明の一態様の加工食品としては、ビールテイスト飲料であってもよい。
特に、麦芽ビールテイスト飲料である場合、麦芽はプリン体が含まれる原材料として知られている。ただし、麦芽と共に、キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料を用いて、キサンチンオキシダーゼ活性を有する飲料、もしくは、キサンチンオキシダーゼ活性を有していたタンパク質及び当該タンパク質に由来する成分からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分(X)を含有する飲料とする場合、麦芽から生じるキサンチンを尿酸に変化させ、プリン体の含有量を低減することができる。
【0066】
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の風味をもつアルコール含有又はノンアルコールの炭酸飲料をいう。そのため、本明細書における「ビールテイスト飲料」は、特に断りが無い限り、ビール風味を有する炭酸飲料をも包含する。
したがって、「ビールテイスト飲料」には、例えば、麦芽や非発芽麦類等の麦原料及び水、並びに、必要に応じてホップ等を原料として、これらを、酵母を用いて発酵させて得られる発酵飲料であるビールや発酵ビールテイスト飲料だけでなく、エステルや高級アルコール(例えば、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、リナロール、4-ビニルグアイアコール等)、ラクトン等の香気成分を含むビール香料が添加された、ビール風味を有するいずれの炭酸飲料(非発酵ビールテイスト飲料)をも包含する。
つまり、ビールテイスト飲料は、酵母を用いて発酵工程を経た発酵飲料であってもよく、発酵工程を経ない非発酵飲料であってもよい。なお、本明細書における「発酵」とは、アルコールが生じるアルコール発酵であってもよく、アルコールが生じない非アルコール発酵であってもよい。
【0067】
さらに、ビールテイスト飲料は、アルコール度数が1.0(v/v)%以上のアルコール含有ビールテイスト飲料であってもよく、アルコール度数が1.0(v/v)%未満のノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。
【0068】
本発明の一態様のアルコール含有ビールテイスト飲料におけるアルコール度数としては、爽快な刺激を感じることができる飲料とする観点から、1.0(v/v)%以上、1.5(v/v)%以上、2.0(v/v)%以上、2.1(v/v)%以上、2.2(v/v)%以上、2.3(v/v)%以上、2.4(v/v)%以上、2.5(v/v)%以上、2.6(v/v)%以上、2.7(v/v)%以上、2.8(v/v)%以上、2.9(v/v)%以上、3.0(v/v)%以上、3.1(v/v)%以上、3.2(v/v)%以上、3.3(v/v)%以上、3.4(v/v)%以上、3.5(v/v)%以上、3.6(v/v)%以上、3.7(v/v)%以上、3.8(v/v)%以上、3.9(v/v)%以上、4.0(v/v)%以上、4.1(v/v)%以上、4.2(v/v)%以上、4.3(v/v)%以上、4.4(v/v)%以上、4.5(v/v)%以上、4.6(v/v)%以上、4.7(v/v)%以上、4.8(v/v)%以上、4.9(v/v)%以上、5.0(v/v)%以上、5.1(v/v)%以上、5.2(v/v)%以上、5.3(v/v)%以上、5.4(v/v)%以上、5.5(v/v)%以上、5.6(v/v)%以上、又は5.7(v/v)%以上としてもよく、また、飲みやすいビールテイスト飲料とする観点から、20.0(v/v)%以下、17.0(v/v)%以下、15.0(v/v)%以下、12.0(v/v)%以下、10.0(v/v)%以下、9.0(v/v)%以下、8.0(v/v)%以下、7.0(v/v)%以下、6.0(v/v)%以下、5.8(v/v)%以下、5.6(v/v)%以下、5.5(v/v)%以下、5.4(v/v)%以下、5.2(v/v)%以下、又は5.0(v/v)%以下としてもよい。
【0069】
本発明の一態様のノンアルコールビールテイスト飲料におけるアルコール度数は、1.0(v/v)%未満、0.9(v/v)%以下、0.8(v/v)%以下、0.7(v/v)%以下、0.6(v/v)%以下、0.5(v/v)%以下、0.4(v/v)%以下、0.3(v/v)%以下、0.2(v/v)%以下、0.1(v/v)%以下、0.05(v/v)%以下、0.01(v/v)%以下、0.0050(v/v)%以下、又は0.0025(v/v)%以下であってもよく、アルコールを実質的に含まないノンアルコールビールテイスト飲料にであってもよい。
なお、「アルコールを実質的に含まないノンアルコールビールテイスト飲料」とは、検出できない程度の極微量のアルコールを含有する飲料を除くものではない。小数第一位を四捨五入することでアルコール度数が0(v/v)%となる飲料、小数第二位を四捨五入することでアルコール度数が0.0(v/v)%となる飲料、及び小数第三位を四捨五入することでアルコール度数が0.00(v/v)%となる飲料もノンアルコールビールテイスト飲料に包含される。
【0070】
また、本発明の一態様のノンアルコールビールテイスト飲料は、アルコール度数が0.1(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.2(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.3(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.4(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.5(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.6(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.7(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、0.8(v/v)%以上1.0(v/v)%未満、又は0.9(v/v)%以上1.0(v/v)%未満である飲料であってもよい。
【0071】
なお、ノンアルコールビールテイスト飲料は、発酵工程を経た後、当該発酵工程で生じたアルコールを除去して製造されたノンアルコール発酵ビールテイスト飲料であってもよく、酵母を用いた発酵工程を、アルコール度数が1.0(v/v)%未満の段階で停止して製造された飲料であってもよく、アルコール発酵を経て得た発酵ビールテイスト飲料のアルコール度数を上述の範囲となるように希釈して製造された飲料であってもよく、発酵工程を経ずにビール様の風味をもつように調製したノンアルコール非発酵ビールテイスト飲料であってもよく、ビールテイストの清涼飲料等も含まれる。
加えて、ビールテイスト飲料は、原料として麦芽を用いた麦芽使用ビールテイスト飲料であってもよく、麦芽を用いない麦芽不使用ビールテイスト飲料であってもよいが、麦芽使用ビールテイスト飲料が好ましく、大麦麦芽使用ビールテイスト飲料がより好ましい。
他に、ビールテイスト飲料は、上面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造された上面発酵ビールテイスト飲料(エールビールテイスト飲料)であってもよく、下面発酵酵母(サッカロマイセス等)を用いた発酵工程を経て醸造された下面発酵ビールテイスト飲料(ラガービールテイスト飲料、ピルスナービールテイスト飲料)であってもよく、上面発酵酵母と下面発酵酵母とを、同じ発酵工程でもしくは別々の発酵工程で用いて得られた発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
そして、ビールテイスト飲料は、スピリッツ、ウイスキー、焼酎などの蒸留酒を含有する、蒸留酒含有ビールテイスト飲料であってもよく、その中でも、スピリッツ含有ビールテイスト飲料が好ましい。なお、蒸留酒含有ビールテイスト飲料は、蒸留酒含有発酵ビールテイスト飲料であってもよく、蒸留酒含有非発酵ビールテイスト飲料であってもよい。
また、ビールテイスト飲料は、蒸留酒を含まない、蒸留酒非含有ビールテイスト飲料であってもよく、スピリッツを含まない、スピリッツ非含有ビールテイスト飲料であってもよい。
本発明の具体的な態様のビールテイスト飲料としては、発酵飲料であってもよく、アルコール含有発酵飲料であってもよく、麦芽発酵飲料であってもよい。
【0072】
本発明の一態様のビールテイスト飲料の麦芽比率は、ビールテイスト飲料らしい味わいに優れた飲料とする観点から、5質量%以上、6質量%以上、7質量%以上、8質量%以上、9質量%以上、10質量%以上、11質量%以上、12質量%以上、13質量%以上、14質量%以上、15質量%以上、16質量%以上、17質量%以上、18質量%以上、19質量%以上、20質量%以上、21質量%以上、22質量%以上、23質量%以上、24質量%以上、25質量%以上、26質量%以上、27質量%以上、28質量%以上、29質量%以上、30質量%以上、31質量%以上、32質量%以上、33質量%以上、34質量%以上、35質量%以上、36質量%以上、37質量%以上、38質量%以上、39質量%以上、40質量%以上、41質量%以上、42質量%以上、43質量%以上、44質量%以上、45質量%以上、46質量%以上、47質量%以上、48質量%以上、49質量%以上、50質量%以上、51質量%以上、52質量%以上、53質量%以上、54質量%以上、55質量%以上、56質量%以上、57質量%以上、58質量%以上、59質量%以上、60質量%以上、61質量%以上、62質量%以上、63質量%以上、64質量%以上、65質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、68質量%以上、69質量%以上、70質量%以上、71質量%以上、72質量%以上、73質量%以上、74質量%以上、75質量%以上、76質量%以上、77質量%以上、78質量%以上、79質量%以上、80質量%以上、81質量%以上、82質量%以上、83質量%以上、84質量%以上、85質量%以上、86質量%以上、87質量%以上、88質量%以上、89質量%以上、90質量%以上、91質量%以上、92質量%以上、93質量%以上、94質量%以上、95質量%以上、96質量%以上、97質量%以上、98質量%以上、又は99質量%以上としてもよく、また、100質量%以下であるが、飲みやすいビールテイスト飲料とする観点から、100質量%未満、90質量%以下、89質量%以下、88質量%以下、87質量%以下、86質量%以下、85質量%以下、84質量%以下、83質量%以下、82質量%以下、81質量%以下、80質量%以下、79質量%以下、78質量%以下、77質量%以下、76質量%以下、75質量%以下、74質量%以下、73質量%以下、72質量%以下、71質量%以下、70質量%以下、69質量%以下、68質量%以下、67質量%以下、66質量%以下、65質量%以下、64質量%以下、63質量%以下、62質量%以下、61質量%以下、60質量%以下、59質量%以下、58質量%以下、57質量%以下、56質量%以下、55質量%以下、54質量%以下、53質量%以下、52質量%以下、51質量%以下、50質量%以下、49質量%以下、48質量%以下、47質量%以下、46質量%以下、45質量%以下、44質量%以下、43質量%以下、42質量%以下、41質量%以下、40質量%以下、39質量%以下、38質量%以下、37質量%以下、36質量%以下、35質量%以下、34質量%以下、33質量%以下、32質量%以下、31質量%以下、30質量%以下、29質量%以下、28質量%以下、27質量%以下、26質量%以下、25質量%以下、24質量%以下、23質量%以下、22質量%以下、21質量%以下、20質量%以下、19質量%以下、18質量%以下、17質量%以下、16質量%以下、15質量%以下、14質量%以下、13質量%以下、12質量%以下、又は11質量%以下としてもよい。
本明細書において、「麦芽比率」とは、平成30年4月1日が施行日の酒税法および酒類行政関係法令等解釈通達に従って計算された値を意味する。
【0073】
なお、一般的に、麦芽比率が増えるほど、麦芽に由来するプリン体の量が増大し、プリン体を所定値以下に低減させたビールテイスト飲料とすることが難しくなる。
しかしながら、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いたキサンチンオキシダーゼ処理を行うことで、非資化性であるキサンチンを尿酸に変換させることができ、プリン体を低減させたビールテイスト飲料とすることができる。さらに、プリンヌクレオシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いたプリンヌクレオシダーゼ処理を行った後にキサンチンオキシダーゼ処理を行うことで、酵母非資化性のアデニン及びグアニンを酵母資化性のプリン体に変換し、プリンヌクレオシダーゼ処理により生じたキサンチンも尿酸に変換することができるため、プリン体の含有量をより低減させることができる。また、アデニンデアミナーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いたアデニンデアミナーゼ処理を行った後にキサンチンオキシダーゼ処理を行うことで、アデニンをヒポキサンチンに変換することができ、キサンチンオキシダーゼによる分解を効率的に行うことができる。同様に、グアニンデアミナーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いたグアニンデアミナーゼ処理を行った後にキサンチンオキシダーゼ処理を行うことでも、グアニンをキサンチンに変換することができ、キサンチンオキシダーゼによる分解を効率的に行うことができる。
つまり、高麦芽比率(例えば、20質量%以上)のビールテイスト飲料に対しても、上記のとおりプリン体を低減させることができるため、プリン体の含有量を低減させることができる。
【0074】
また、上記のように、加工食品用添加剤を用いたプリン体の低減方法を採用することで、ビール特有の香気成分(エステルやアルコール)や苦味成分の減少を抑制することができ、香味や苦味に優れたビールテイスト飲料となり得る。
【0075】
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、原麦汁エキス濃度14.5質量%換算での、酪酸エチル、カプロン酸エチル、オクタン酸エチル、及びデカン酸エチルからなるエステル成分の合計含有量は、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、好ましくは500質量ppb以上、より好ましくは520質量ppb以上、より好ましくは550質量ppb以上、更に好ましくは570質量ppb以上、更に好ましくは600質量ppb以上、より更に好ましくは620質量ppb以上、特に好ましくは650質量ppb以上であり、また、10000質量ppb以下、8000質量ppb以下、6000質量ppb以下、5000質量ppb以下、4000質量ppb以下、3000質量ppb以下、2000質量ppb以下、1500質量ppb以下、1200質量ppb以下、1000質量ppb以下、900質量ppb以下、800質量ppb以下、又は750質量ppb以下としてもよい。
【0076】
本発明の一態様のビールテイスト飲料において、原麦汁エキス濃度14.5質量%換算での、フェネチルアルコールの含有量は、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、好ましくは18.0質量ppm以上、より好ましくは20.0質量ppm以上、より好ましくは22.0質量ppm以上、更に好ましくは24.0質量ppm以上、更に好ましくは25.0質量ppm以上、より更に好ましくは26.0質量ppm以上、特に好ましくは27.0質量ppm以上であり、また、300質量ppm以下、200質量ppm以下、150質量ppm以下、100質量ppm以下、90質量ppm以下、80質量ppm以下、70質量ppm以下、60質量ppm以下、又は50質量ppm以下としてもよい。
【0077】
なお、本明細書において、上記のエステル成分の合計含有量、及び、フェネチルアルコールの含有量は、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)法により測定することができる。
【0078】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、ピログルタミン酸の含有量は、味わいをより向上させた加工食品とする観点から、10μg/g以上、20μg/g以上、30μg/g以上、40μg/g以上、50μg/g以上、60μg/g以上、70μg/g以上、80μg/g以上、90μg/g以上、100μg/g以上、110μg/g以上、120μg/g以上、130μg/g以上、140μg/g以上、150μg/g以上、160μg/g以上、170μg/g以上、180μg/g以上、190μg/g以上、200μg/g以上、210μg/g以上、220μg/g以上、230μg/g以上、240μg/g以上、250μg/g以上、260μg/g以上、270μg/g以上、280μg/g以上、290μg/g以上、300μg/g以上、310μg/g以上、320μg/g以上、330μg/g以上、340μg/g以上、350μg/g以上、360μg/g以上、370μg/g以上、380μg/g以上、390μg/g以上、400μg/g以上、410μg/g以上、420μg/g以上、430μg/g以上、440μg/g以上、450μg/g以上、460μg/g以上、470μg/g以上、480μg/g以上、490μg/g以上、500μg/g以上、510μg/g以上、520μg/g以上、530μg/g以上、540μg/g以上、550μg/g以上、560μg/g以上、570μg/g以上、580μg/g以上、590μg/g以上、600μg/g以上、610μg/g以上、620μg/g以上、630μg/g以上、640μg/g以上、650μg/g以上、660μg/g以上、670μg/g以上、680μg/g以上、690μg/g以上、700μg/g以上、710μg/g以上、720μg/g以上、730μg/g以上、740μg/g以上、750μg/g以上、760μg/g以上、770μg/g以上、780μg/g以上、790μg/g以上、800μg/g以上、810μg/g以上、820μg/g以上、830μg/g以上、840μg/g以上、850μg/g以上、860μg/g以上、870μg/g以上、880μg/g以上、890μg/g以上、900μg/g以上、910μg/g以上、920μg/g以上、930μg/g以上、940μg/g以上、950μg/g以上、960μg/g以上、970μg/g以上、980μg/g以上、又は990μg/g以上とすることが好ましく、また、1000μg/g以下、990μg/g以下、980μg/g以下、970μg/g以下、960μg/g以下、950μg/g以下、940μg/g以下、930μg/g以下、920μg/g以下、910μg/g以下、900μg/g以下、890μg/g以下、880μg/g以下、870μg/g以下、860μg/g以下、850μg/g以下、840μg/g以下、830μg/g以下、820μg/g以下、810μg/g以下、800μg/g以下、790μg/g以下、780μg/g以下、770μg/g以下、760μg/g以下、750μg/g以下、740μg/g以下、730μg/g以下、720μg/g以下、710μg/g以下、700μg/g以下、690μg/g以下、680μg/g以下、670μg/g以下、660μg/g以下、650μg/g以下、640μg/g以下、630μg/g以下、620μg/g以下、610μg/g以下、600μg/g以下、590μg/g以下、580μg/g以下、570μg/g以下、560μg/g以下、550μg/g以下、540μg/g以下、530μg/g以下、520μg/g以下、510μg/g以下、500μg/g以下、490μg/g以下、480μg/g以下、470μg/g以下、460μg/g以下、450μg/g以下、440μg/g以下、430μg/g以下、420μg/g以下、410μg/g以下、400μg/g以下、390μg/g以下、380μg/g以下、370μg/g以下、360μg/g以下、350μg/g以下、340μg/g以下、330μg/g以下、320μg/g以下、310μg/g以下、300μg/g以下、290μg/g以下、280μg/g以下、270μg/g以下、260μg/g以下、250μg/g以下、240μg/g以下、230μg/g以下、220μg/g以下、210μg/g以下、200μg/g以下、190μg/g以下、180μg/g以下、170μg/g以下、160μg/g以下、150μg/g以下、140μg/g以下、130μg/g以下、120μg/g以下、110μg/g以下、100μg/g以下、90μg/g以下、80μg/g以下、70μg/g以下、60μg/g以下、50μg/g以下、40μg/g以下、30μg/g以下、又は20μg/g以下としてもよい。
【0079】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、遊離アミノ態窒素(FAN)の含有量は、0.1mg/100mL以上、0.3mg/100mL以上、0.5mg/100mL以上、0.7mg/100mL以上、1.0mg/100mL以上、1.5mg/100mL以上、2.0mg/100mL以上、2.5mg/100mL以上、3.0mg/100mL以上、3.5mg/100mL以上、4.0mg/100mL以上、4.5mg/100mL以上、5.0mg/100mL以上、5.5mg/100mL以上、6.0mg/100mL以上、6.5mg/100mL以上、7.0mg/100mL以上、7.5mg/100mL以上、8.0mg/100mL以上、8.5mg/100mL以上、9.0mg/100mL以上、9.5mg/100mL以上、10.0mg/100mL以上、又は10.5mg/100mL以上としてもよく、また、40.0mg/100mL以下、35.0mg/100mL以下、30.0mg/100mL以下、29.0mg/100mL以下、28.0mg/100mL以下、27.0mg/100mL以下、26.0mg/100mL以下、25.0mg/100mL以下、24.0mg/100mL以下、23.0mg/100mL以下、22.0mg/100mL以下、21.0mg/100mL以下、20.0mg/100mL以下、19.0mg/100mL以下、18.0mg/100mL以下、17.0mg/100mL以下、16.0mg/100mL以下、15.0mg/100mL以下、14.0mg/100mL以下、13.0mg/100mL以下、12.0mg/100mL以下、又は11.0mg/100mL以下としてもよい。
【0080】
なお、FANの含有量は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素(タンパク分解酵素等も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽でのタンパク分解時間、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前までの麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際の各温度領域の設定温度及び保持時間、煮沸工程での煮沸時間及びpH、発酵前液の原麦汁エキス濃度、発酵工程での原麦汁エキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して調整することができる。
また、本明細書において、FANの含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂の8.18遊離アミノ態窒素に記載されている方法によって測定することができる。
【0081】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、外観発酵度は、0%以上、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、82%以上、84%以上、86%以上、88%以上、90%以上、又は92%以上としてもよく、また、120%以下、115%以下、110%以下、105%以下、100%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、又は55%以下としてもよい。
【0082】
なお、外観発酵度は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素(糖質分解酵素、異性化酵素等も含む)の添加量、酵素反応時の温度、酵素の添加のタイミング、糖化時間、糖化時のpH、糖化時の温度、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前までの麦汁製造工程)でのpH、仕込工程での温度、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液の原麦汁エキス濃度、発酵工程での原麦汁エキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して調整することができる。
本明細書において、「外観発酵度」とは、発酵前の液に含まれる全糖濃度のうち、酵母がアルコール発酵の栄養源として消費できる糖濃度の占める割合を意味する。例えば、ビールテイスト飲料の外観発酵度AAは、下記式(1)から算出することができる。
式(1):AA(%)=100×(P-Es)/P
上記式(1)中、「P」は、オリジナルエキス(原麦汁エキス)であり、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発行、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載された方法により、測定することができる。
また、「Es」は、ビールテイスト飲料の外観エキスを示す。外観エキスは、例えば、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発行、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載されるように、下記式(2)から算出することができる。
式(2):Es=-460.234+662.649×D-202.414×D
(式(2)中、Dは、ガス抜きビールテイスト飲料の比重である。)
なお、外観エキス「Es」は、上記式(2)中のDによって負の値になることがあるため、算出される外観発酵度が100%を超える場合がある。
【0083】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、糖質含有量は、0.1g/100mL以上、0.2g/100mL以上、0.3g/100mL以上、0.4g/100mL以上、0.5g/100mL以上、0.6g/100mL以上、0.7g/100mL以上、0.8g/100mL以上、0.9g/100mL以上、1.0g/100mL以上、1.1g/100mL以上、1.2g/100mL以上、1.3g/100mL以上、1.4g/100mL以上、1.5g/100mL以上、1.6g/100mL以上、1.7g/100mL以上、1.8g/100mL以上、1.9g/100mL以上、2.0g/100mL以上、2.1g/100mL以上、2.2g/100mL以上、2.3g/100mL以上、2.4g/100mL以上、2.5g/100mL以上、2.6g/100mL以上、2.7g/100mL以上、2.8g/100mL以上、2.9g/100mL以上、3.0g/100mL以上、3.1g/100mL以上、3.2g/100mL以上、3.3g/100mL以上、3.4g/100mL以上、3.5g/100mL以上、3.6g/100mL以上、3.7g/100mL以上、3.8g/100mL以上、3.9g/100mL以上、4.0g/100mL以上、4.1g/100mL以上、4.2g/100mL以上、4.3g/100mL以上、4.4g/100mL以上、4.5g/100mL以上、4.6g/100mL以上、4.7g/100mL以上、4.8g/100mL以上、4.9g/100mL以上、5.0g/100mL以上、5.1g/100mL以上、5.2g/100mL以上、5.3g/100mL以上、5.4g/100mL以上、5.5g/100mL以上、5.6g/100mL以上、5.7g/100mL以上、5.8g/100mL以上、5.9g/100mL以上、6.0g/100mL以上、6.1g/100mL以上、6.2g/100mL以上、6.3g/100mL以上、6.4g/100mL以上、6.5g/100mL以上、6.6g/100mL以上、6.7g/100mL以上、6.8g/100mL以上、6.9g/100mL以上、7.0g/100mL以上、7.1g/100mL以上、7.2g/100mL以上、7.3g/100mL以上、7.4g/100mL以上、7.5g/100mL以上、7.6g/100mL以上、7.7g/100mL以上、7.8g/100mL以上、7.9g/100mL以上、8.0g/100mL以上、8.1g/100mL以上、8.2g/100mL以上、8.3g/100mL以上、8.4g/100mL以上、8.5g/100mL以上、8.6g/100mL以上、8.7g/100mL以上、8.8g/100mL以上、8.9g/100mL以上、9.0g/100mL以上、9.1g/100mL以上、9.2g/100mL以上、9.3g/100mL以上、9.4g/100mL以上、9.5g/100mL以上、9.6g/100mL以上、9.7g/100mL以上、9.8g/100mL以上、9.9g/100mL以上、10.0g/100mL以上、10.1g/100mL以上、10.2g/100mL以上、10.3g/100mL以上、10.4g/100mL以上、10.5g/100mL以上、10.6g/100mL以上、10.7g/100mL以上、10.8g/100mL以上、10.9g/100mL以上、11.0g/100mL以上、11.1g/100mL以上、11.2g/100mL以上、11.3g/100mL以上、11.4g/100mL以上、11.5g/100mL以上、11.6g/100mL以上、11.7g/100mL以上、11.8g/100mL以上、11.9g/100mL以上、12.0g/100mL以上、12.1g/100mL以上、12.2g/100mL以上、12.3g/100mL以上、12.4g/100mL以上、12.5g/100mL以上、12.6g/100mL以上、12.7g/100mL以上、12.8g/100mL以上、12.9g/100mL以上、13.0g/100mL以上、13.1g/100mL以上、13.2g/100mL以上、13.3g/100mL以上、13.4g/100mL以上、13.5g/100mL以上、13.6g/100mL以上、13.7g/100mL以上、13.8g/100mL以上、13.9g/100mL以上、14.0g/100mL以上、14.1g/100mL以上、14.2g/100mL以上、14.3g/100mL以上、14.4g/100mL以上、14.5g/100mL以上、14.6g/100mL以上、14.7g/100mL以上、14.8g/100mL以上、14.9g/100mL以上、15.0g/100mL以上、15.1g/100mL以上、15.2g/100mL以上、15.3g/100mL以上、15.4g/100mL以上、15.5g/100mL以上、15.6g/100mL以上、15.7g/100mL以上、15.8g/100mL以上、15.9g/100mL以上、16.0g/100mL以上、16.1g/100mL以上、16.2g/100mL以上、16.3g/100mL以上、16.4g/100mL以上、16.5g/100mL以上、16.6g/100mL以上、16.7g/100mL以上、16.8g/100mL以上、16.9g/100mL以上、17.0g/100mL以上、17.1g/100mL以上、17.2g/100mL以上、17.3g/100mL以上、17.4g/100mL以上、17.5g/100mL以上、17.6g/100mL以上、17.7g/100mL以上、17.8g/100mL以上、17.9g/100mL以上、18.0g/100mL以上、18.1g/100mL以上、18.2g/100mL以上、18.3g/100mL以上、18.4g/100mL以上、18.5g/100mL以上、18.6g/100mL以上、18.7g/100mL以上、18.8g/100mL以上、18.9g/100mL以上、19.0g/100mL以上、19.1g/100mL以上、19.2g/100mL以上、19.3g/100mL以上、19.4g/100mL以上、19.5g/100mL以上、19.6g/100mL以上、19.7g/100mL以上、19.8g/100mL以上、又は19.9g/100mL以上としてもよい。
また、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、糖質含有量は、20.0g/100mL以下、19.9g/100mL以下、19.8g/100mL以下、19.7g/100mL以下、19.6g/100mL以下、19.5g/100mL以下、19.4g/100mL以下、19.3g/100mL以下、19.2g/100mL以下、19.1g/100mL以下、19.0g/100mL以下、18.9g/100mL以下、18.8g/100mL以下、18.7g/100mL以下、18.6g/100mL以下、18.5g/100mL以下、18.4g/100mL以下、18.3g/100mL以下、18.2g/100mL以下、18.1g/100mL以下、18.0g/100mL以下、17.9g/100mL以下、17.8g/100mL以下、17.7g/100mL以下、17.6g/100mL以下、17.5g/100mL以下、17.4g/100mL以下、17.3g/100mL以下、17.2g/100mL以下、17.1g/100mL以下、17.0g/100mL以下、16.9g/100mL以下、16.8g/100mL以下、16.7g/100mL以下、16.6g/100mL以下、16.5g/100mL以下、16.4g/100mL以下、16.3g/100mL以下、16.2g/100mL以下、16.1g/100mL以下、16.0g/100mL以下、15.9g/100mL以下、15.8g/100mL以下、15.7g/100mL以下、15.6g/100mL以下、15.5g/100mL以下、15.4g/100mL以下、15.3g/100mL以下、15.2g/100mL以下、15.1g/100mL以下、15.0g/100mL以下、14.9g/100mL以下、14.8g/100mL以下、14.7g/100mL以下、14.6g/100mL以下、14.5g/100mL以下、14.4g/100mL以下、14.3g/100mL以下、14.2g/100mL以下、14.1g/100mL以下、14.0g/100mL以下、13.9g/100mL以下、13.8g/100mL以下、13.7g/100mL以下、13.6g/100mL以下、13.5g/100mL以下、13.4g/100mL以下、13.3g/100mL以下、13.2g/100mL以下、13.1g/100mL以下、13.0g/100mL以下、12.9g/100mL以下、12.8g/100mL以下、12.7g/100mL以下、12.6g/100mL以下、12.5g/100mL以下、12.4g/100mL以下、12.3g/100mL以下、12.2g/100mL以下、12.1g/100mL以下、12.0g/100mL以下、11.9g/100mL以下、11.8g/100mL以下、11.7g/100mL以下、11.6g/100mL以下、11.5g/100mL以下、11.4g/100mL以下、11.3g/100mL以下、11.2g/100mL以下、11.1g/100mL以下、11.0g/100mL以下、10.9g/100mL以下、10.8g/100mL以下、10.7g/100mL以下、10.6g/100mL以下、10.5g/100mL以下、10.4g/100mL以下、10.3g/100mL以下、10.2g/100mL以下、10.1g/100mL以下、10.0g/100mL以下、9.9g/100mL以下、9.8g/100mL以下、9.7g/100mL以下、9.6g/100mL以下、9.5g/100mL以下、9.4g/100mL以下、9.3g/100mL以下、9.2g/100mL以下、9.1g/100mL以下、9.0g/100mL以下、8.9g/100mL以下、8.8g/100mL以下、8.7g/100mL以下、8.6g/100mL以下、8.5g/100mL以下、8.4g/100mL以下、8.3g/100mL以下、8.2g/100mL以下、8.1g/100mL以下、8.0g/100mL以下、7.9g/100mL以下、7.8g/100mL以下、7.7g/100mL以下、7.6g/100mL以下、7.5g/100mL以下、7.4g/100mL以下、7.3g/100mL以下、7.2g/100mL以下、7.1g/100mL以下、7.0g/100mL以下、6.9g/100mL以下、6.8g/100mL以下、6.7g/100mL以下、6.6g/100mL以下、6.5g/100mL以下、6.4g/100mL以下、6.3g/100mL以下、6.2g/100mL以下、6.1g/100mL以下、6.0g/100mL以下、5.9g/100mL以下、5.8g/100mL以下、5.7g/100mL以下、5.6g/100mL以下、5.5g/100mL以下、5.4g/100mL以下、5.3g/100mL以下、5.2g/100mL以下、5.1g/100mL以下、5.0g/100mL以下、4.9g/100mL以下、4.8g/100mL以下、4.7g/100mL以下、4.6g/100mL以下、4.5g/100mL以下、4.4g/100mL以下、4.3g/100mL以下、4.2g/100mL以下、4.1g/100mL以下、4.0g/100mL以下、3.9g/100mL以下、3.8g/100mL以下、3.7g/100mL以下、3.6g/100mL以下、3.5g/100mL以下、3.4g/100mL以下、3.3g/100mL以下、3.2g/100mL以下、3.1g/100mL以下、3.0g/100mL以下、2.9g/100mL以下、2.8g/100mL以下、2.7g/100mL以下、2.6g/100mL以下、2.5g/100mL以下、2.4g/100mL以下、2.3g/100mL以下、2.2g/100mL以下、2.1g/100mL以下、又は2.0g/100mL以下としてもよい。
また、当該ビールテイスト飲料は、糖質低減飲料もしくは糖質ゼロ飲料としてもよく、具体的な糖質含有量としては、2.0g/100mL未満、1.9g/100mL以下、1.8g/100mL以下、1.7g/100mL以下、1.6g/100mL以下、1.5g/100mL以下、1.4g/100mL以下、1.3g/100mL以下、1.2g/100mL以下、1.1g/100mL以下、1.0g/100mL以下、1.0g/100mL未満、0.9g/100mL以下、0.8g/100mL以下、0.7g/100mL以下、0.6g/100mL以下、0.5g/100mL以下、0.5g/100mL未満、0.4g/100mL以下、0.3g/100mL以下、0.2g/100mL以下としてもよい。
【0084】
なお、糖質含有量は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素(糖質分解酵素、異性化酵素等も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、糖化時間、糖化時のpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前までの麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液の原麦汁エキス濃度、発酵工程での原麦汁エキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して調整できる。
また、本明細書において、「糖質」とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号、一部改正平成25年9月27日消費者庁告示第8号)に基づく糖質をいい、具体的には、対象となる食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、アルコール分および水分を除いたものを意味する。そのため、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分および水分の量を控除することにより算定することができる。
ここで、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分および水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定することができる。具体的には、タンパク質の量は窒素定量換算法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法で測定し、食物繊維の量はプロスキー法で測定し、灰分の量は直接灰化法で測定し、水分の量は減圧加熱乾燥法で測定することができる。
【0085】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、食物繊維の含有量は、0g/100mL以上、0.05g/100mL以上、0.1g/100mL以上、0.15g/100mL以上、0.2g/100mL以上、0.25g/100mL以上、0.3g/100mL以上、0.35g/100mL以上、0.4g/100mL以上、0.5g/100mL以上、0.7g/100mL以上、1.0g/100mL以上、1.5g/100mL以上、2.0g/100mL以上、2.5g/100mL以上、又は3.0g/100mL以上としてもよく、また、5.0g/100mL以下、4.5g/100mL以下、4.0g/100mL以下、3.5g/100mL以下、3.0g/100mL以下、2.5g/100mL以下、2.0g/100mL以下、1.5g/100L以下、1.0g/100mL以下、0.75g/100mL以下、0.60g/100mL以下、0.50g/100mL以下、0.40g/100mL以下、0.35g/100mL以下、0.30g/100mL以下、0.25g/100mL以、0.20g/100mL以下、0.15g/100mL以下、又は0.10g/100mL以下としてもよい。
【0086】
なお、「食物繊維」とは、ヒトの胃や腸等で消化酵素によって消化されない又は消化され難い、食物の含まれる難消化性成分の総称であって、水溶性である水溶性食物繊維と、水に不溶な不溶性食物繊維とに大別される。
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられる。また、不溶性食物繊維としては、例えば、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、キチン、キトサン等が挙げられる。
本発明においては、食物繊維は、添加により混合する食物繊維だけでなく、原料由来の食物繊維であってもよく、動植物由来の食物繊維であってもよく、その由来は特に制限されない。

なお、食物繊維の含有量は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素(糖質分解酵素、異性化酵素等も含む)の添加量、酵素の添加のタイミング、糖化時間、糖化時のpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前までの麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液の原麦汁エキス濃度、発酵工程での原麦汁エキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して調整できる。
また、本明細書において、食物繊維の含有量は、プロスキー法で測定することができる。
【0087】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、総ポリフェノール量は、0質量ppm以上、5質量ppm以上、10質量ppm以上、15質量ppm以上、20質量ppm以上、25質量ppm以上、30質量ppm以上、35質量ppm以上、40質量ppm以上、45質量ppm以上、50質量ppm以上、55質量ppm以上、60質量ppm以上、65質量ppm以上、70質量ppm以上、75質量ppm以上、80質量ppm以上、85質量ppm以上、90質量ppm以上、95質量ppm以上、100質量ppm以上、110質量ppm以上、120質量ppm以上、130質量ppm以上、140質量ppm以上、150質量ppm以上、160質量ppm以上、又は170質量ppm以上としてもよく、また、300質量ppm以下、290質量ppm以下、280質量ppm以下、270質量ppm以下、260質量ppm以下、250質量ppm以下、240質量ppm以下、230質量ppm以下、220質量ppm以下、210質量ppm以下、200質量ppm以下、190質量ppm以下、又は180質量ppm以下としてもよい。
【0088】
なお、総ポリフェノール量は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦芽、コーングリッツ、糖液等)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、酵素の添加のタイミング、仕込槽で通気時間(マッシュエアレーションなど)、仕込槽でのpH、仕込工程(麦芽投入から酵母添加前での麦汁製造工程)でのpH、麦汁濾過の時間、麦汁を調製する際(糖化時含む)の各温度領域の設定温度及び保持時間、発酵前液の原麦汁エキス濃度、発酵工程での原麦汁エキス濃度、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)等を適宜設定して行うことができる。
また、総ポリフェノール量は、例えば、大麦麦芽、麦芽のハスク(穀皮)などのポリフェノール含有量の多い原材料の使用量を調整することによって制御できる。具体的には、ポリフェノール含有量の多い麦芽等の原材料の使用量を増やすことにより総ポリフェノール量を増加させることができる。
本明細書において、総ポリフェノール量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載されている方法によって測定することができる。
【0089】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、プロリンの含有量は、0.1mg/100mL以上、0.5mg/100mL以上、1.0mg/100mL以上、2.0mg/100mL以上、3.0mg/100mL以上、5.0mg/100mL以上、7.0mg/100mL以上、10.0mg/100mL以上、12.0mg/100mL以上、15.0mg/100mL以上、17.0mg/100mL以上、20.0mg/100mL以上、25.0mg/100mL以上、30.0mg/100mL以上、35.0mg/100mL以上、40.0mg/100mL以上、45.0mg/100mL以上、50.0mg/100mL以上、55.0mg/100mL以上、60.0mg/100mL以上、65.0mg/100mL以上、70.0mg/100mL以上、75.0mg/100mL以上、80.0mg/100mL以上、85.0mg/100mL以上、90.0mg/100mL以上、95.0mg/100mL以上、100mg/100mL以上、105mg/100mL以上、110mg/100mL以上、115mg/100mL以上、120mg/100mL以上、125mg/100mL以上、130mg/100mL以上、135mg/100mL以上、140mg/100mL以上、145mg/100mL以上、150mg/100mL以上、155mg/100mL以上、160mg/100mL以上、165mg/100mL以上、170mg/100mL以上、175mg/100mL以上、180mg/100mL以上、185mg/100mL以上、190mg/100mL以上、195mg/100mL以上、200mg/100mL以上、205mg/100mL以上、210mg/100mL以上、215mg/100mL以上、220mg/100mL以上、225mg/100mL以上、230mg/100mL以上、235mg/100mL以上、240mg/100mL以上、245mg/100mL以上、250mg/100mL以上、255mg/100mL以上、260mg/100mL以上、265mg/100mL以上、270mg/100mL以上、275mg/100mL以上、280mg/100mL以上、285mg/100mL以上、290mg/100mL以上、又は295mg/100mL以上としてもよく、また、300mg/100mL以下、295mg/100mL以下、290mg/100mL以下、285mg/100mL以下、280mg/100mL以下、275mg/100mL以下、270mg/100mL以下、265mg/100mL以下、260mg/100mL以下、255mg/100mL以下、250mg/100mL以下、245mg/100mL以下、240mg/100mL以下、235mg/100mL以下、230mg/100mL以下、225mg/100mL以下、220mg/100mL以下、215mg/100mL以下、210mg/100mL以下、205mg/100mL以下、200mg/100mL以下、195mg/100mL以下、190mg/100mL以下、185mg/100mL以下、180mg/100mL以下、175mg/100mL以下、170mg/100mL以下、165mg/100mL以下、160mg/100mL以下、155mg/100mL以下、150mg/100mL以下、145mg/100mL以下、140mg/100mL以下、135mg/100mL以下、130mg/100mL以下、125mg/100mL以下、120mg/100mL以下、115mg/100mL以下、110mg/100mL以下、105mg/100mL以下、100mg/100mL以下、95.0mg/100mL以下、90.0mg/100mL以下、85.0mg/100mL以下、80.0mg/100mL以下、75.0mg/100mL以下、70.0mg/100mL以下、65.0mg/100mL以下、60.0mg/100mL以下、55.0mg/100mL以下、50.0mg/100mL以下、45.0mg/100mL以下、40.0mg/100mL以下、35.0mg/100mL以下、32.5mg/100mL以下、30.0mg/100mL以下、27.5mg/100mL以下、25.0mg/100mL以下、22.5mg/100mL以下、20.0mg/100mL以下、19.0mg/100mL以下、18.0mg/100mL以下、17.0mg/100mL以下、16.0mg/100mL以下、又は15.0mg/100mL以下としてもよい。
【0090】
プロリンは、麦芽等の麦に比較的多く含まれており、発酵工程の前後においても含有量があまり変化しないアミノ酸の一種である。そのプロリンの含有量を調整することで、味わいがより良好なビールテイスト飲料とすることができる。
なお、本明細書において、プロリンの含有量は、例えば、株式会社日立製作所製のアミノ酸自動分析装置L-8800A型等を用いて測定することができる。
【0091】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、原麦汁エキス濃度は、ビールテイスト飲料らしい味わいに優れた飲料とする観点から、5.0質量%以上、5.1質量%以上、5.2質量%以上、5.3質量%以上、5.4質量%以上、5.5質量%以上、5.6質量%以上、5.7質量%以上、5.8質量%以上、5.9質量%以上、6.0質量%以上、6.1質量%以上、6.2質量%以上、6.3質量%以上、6.4質量%以上、6.5質量%以上、6.6質量%以上、6.7質量%以上、6.8質量%以上、6.9質量%以上、7.0質量%以上、7.1質量%以上、7.2質量%以上、7.3質量%以上、7.4質量%以上、7.5質量%以上、7.6質量%以上、7.7質量%以上、7.8質量%以上、7.9質量%以上、8.0質量%以上、8.1質量%以上、8.2質量%以上、8.3質量%以上、8.4質量%以上、8.5質量%以上、8.6質量%以上、8.7質量%以上、8.8質量%以上、8.9質量%以上、9.0質量%以上、9.1質量%以上、9.2質量%以上、9.3質量%以上、9.4質量%以上、9.5質量%以上、9.6質量%以上、9.7質量%以上、9.8質量%以上、9.9質量%以上、10.0質量%以上、10.1質量%以上、10.2質量%以上、10.3質量%以上、10.4質量%以上、10.5質量%以上、10.6質量%以上、10.7質量%以上、10.8質量%以上、10.9質量%以上、11.0質量%以上、11.1質量%以上、11.2質量%以上、11.3質量%以上、11.4質量%以上、11.5質量%以上、11.6質量%以上、11.7質量%以上、11.8質量%以上、11.9質量%以上、12.0質量%以上、12.1質量%以上、12.2質量%以上、12.3質量%以上、12.4質量%以上、12.5質量%以上、12.6質量%以上、12.7質量%以上、12.8質量%以上、12.9質量%以上、13.0質量%以上、13.1質量%以上、13.2質量%以上、13.3質量%以上、13.4質量%以上、13.5質量%以上、13.6質量%以上、13.7質量%以上、13.8質量%以上、13.9質量%以上、14.0質量%以上、14.1質量%以上、14.2質量%以上、14.3質量%以上、14.4質量%以上、14.5質量%以上、14.6質量%以上、14.7質量%以上、14.8質量%以上、14.9質量%以上、15.0質量%以上、15.1質量%以上、15.2質量%以上、15.3質量%以上、15.4質量%以上、15.5質量%以上、15.6質量%以上、15.7質量%以上、15.8質量%以上、15.9質量%以上、16.0質量%以上、16.1質量%以上、16.2質量%以上、16.3質量%以上、16.4質量%以上、16.5質量%以上、16.6質量%以上、16.7質量%以上、16.8質量%以上、16.9質量%以上、17.0質量%以上、17.1質量%以上、17.2質量%以上、17.3質量%以上、17.4質量%以上、17.5質量%以上、17.6質量%以上、17.7質量%以上、17.8質量%以上、17.9質量%以上、18.0質量%以上、18.1質量%以上、18.2質量%以上、18.3質量%以上、18.4質量%以上、18.5質量%以上、18.6質量%以上、18.7質量%以上、18.8質量%以上、18.9質量%以上、19.0質量%以上、19.1質量%以上、19.2質量%以上、19.3質量%以上、19.4質量%以上、19.5質量%以上、19.6質量%以上、19.7質量%以上、19.8質量%以上、又は19.9質量%以上としてもよい。
また、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、原麦汁エキス濃度は、ビールテイスト飲料らしい爽やかな香り及び甘い香りが引き立つ飲料とする観点から、20.0質量%以下、19.9質量%以下、19.8質量%以下、19.7質量%以下、19.6質量%以下、19.5質量%以下、19.4質量%以下、19.3質量%以下、19.2質量%以下、19.1質量%以下、19.0質量%以下、18.9質量%以下、18.8質量%以下、18.7質量%以下、18.6質量%以下、18.5質量%以下、18.4質量%以下、18.3質量%以下、18.2質量%以下、18.1質量%以下、18.0質量%以下、17.9質量%以下、17.8質量%以下、17.7質量%以下、17.6質量%以下、17.5質量%以下、17.4質量%以下、17.3質量%以下、17.2質量%以下、17.1質量%以下、17.0質量%以下、16.9質量%以下、16.8質量%以下、16.7質量%以下、16.6質量%以下、16.5質量%以下、16.4質量%以下、16.3質量%以下、16.2質量%以下、16.1質量%以下、16.0質量%以下、15.9質量%以下、15.8質量%以下、15.7質量%以下、15.6質量%以下、15.5質量%以下、15.4質量%以下、15.3質量%以下、15.2質量%以下、15.1質量%以下、15.0質量%以下、14.9質量%以下、14.8質量%以下、14.7質量%以下、14.6質量%以下、14.5質量%以下、14.4質量%以下、14.3質量%以下、14.2質量%以下、14.1質量%以下、14.0質量%以下、13.9質量%以下、13.8質量%以下、13.7質量%以下、13.6質量%以下、13.5質量%以下、13.4質量%以下、13.3質量%以下、13.2質量%以下、13.1質量%以下、13.0質量%以下、12.9質量%以下、12.8質量%以下、12.7質量%以下、12.6質量%以下、12.5質量%以下、12.4質量%以下、12.3質量%以下、12.2質量%以下、12.1質量%以下、12.0質量%以下、11.9質量%以下、11.8質量%以下、11.7質量%以下、11.6質量%以下、11.5質量%以下、11.4質量%以下、11.3質量%以下、11.2質量%以下、11.1質量%以下、11.0質量%以下、10.9質量%以下、10.8質量%以下、10.7質量%以下、10.6質量%以下、10.5質量%以下、10.4質量%以下、10.3質量%以下、10.2質量%以下、10.1質量%以下、10.0質量%以下、9.9質量%以下、9.8質量%以下、9.7質量%以下、9.6質量%以下、9.5質量%以下、9.4質量%以下、9.3質量%以下、9.2質量%以下、9.1質量%以下、9.0質量%以下、8.9質量%以下、8.8質量%以下、8.7質量%以下、8.6質量%以下、8.5質量%以下、8.4質量%以下、8.3質量%以下、8.2質量%以下、8.1質量%以下、8.0質量%以下、7.9質量%以下、7.8質量%以下、7.7質量%以下、7.6質量%以下、7.5質量%以下、7.4質量%以下、7.3質量%以下、7.2質量%以下、7.1質量%以下、7.0質量%以下、6.9質量%以下、6.8質量%以下、6.7質量%以下、6.6質量%以下、6.5質量%以下、6.4質量%以下、6.3質量%以下、6.2質量%以下、6.1質量%以下、6.0質量%以下、5.9質量%以下、5.8質量%以下、5.7質量%以下、5.6質量%以下、5.5質量%以下、5.4質量%以下、5.3質量%以下、5.2質量%以下、又は5.1質量%以下としてもよい。
【0092】
なお、本明細書における「原麦汁エキス濃度」は、「BCOJビール分析法(日本醸造協会発行、ビール酒造組合編集、2004年11月1日改訂版)」に記載された方法により、測定することができる。
【0093】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、当該飲料の麦芽比率(単位:質量%)と原麦汁エキス濃度(単位:質量%)との積〔麦芽比率×原麦汁エキス濃度〕は、100以上、120以上、150以上、170以上、200以上、220以上、250以上、270以上、300以上、350以上、400以上、450以上、500以上、550以上、600以上、650以上、700以上、750以上、800以上、850以上、900以上、950以上、1000以上、1100以上、1200以上、1300以上、1400以上、1500以上、1600以上、又は1700以上としてもよく、また、10000以下、9500以下、9000以下、8500以下、8000以下、7500以下、7000以下、6500以下、6000以下、5500以下、5000以下、4500以下、4000以下、3500以下、3000以下、2500以下、又は2000以下としてもよい。
【0094】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、当該飲料の苦味価は、ビールテイスト飲料らしい飲料とする観点から、好ましくは60BUs未満、より好ましくは55BUs以下、更に好ましくは50BUs以下、より更に好ましくは45BUs以下、特に好ましくは40BUs以下であり、35BUs以下、30BUs以下、又は25BUs以下としてもよい。
なお、本発明の一態様の加工食品が、原材料としてホップを用いたビールテイスト飲料である場合、当該飲料の苦味価は、5BUs以上、6.0BUs以上、7BUs以上、8.0BUs以上、9.0BUs以上、10BUs以上、11BUs以上、12BUs以上、13.0BUs以上、14.0BUs以上、15BUs以上、16.0BUs以上、17BUs以上、18.0BUs以上、19.0BUs以上、20.0BUs以上、21.0BUs以上、22.0BUs以上、23.0BUs以上、24.0BUs以上、25.0BUs以上、26.0BUs以上、27.0BUs以上、28.0BUs以上、29.0BUs以上、30.0BUs以上、40.0BUs以上、50.0BUs以上、60.0BUs以上、70.0BUs以上、80.0BUs以上、90.0BUs以上、又は100BUs以上としてもよく、また、150BUs以下、120BUs以下、100BUs以下、90.0BUs以下、80.0BUs以下、70.0BUs以下、60.0BUs以下、50.0BUs以下、45.0BUs以下、40.0BUs以下、39.0BUs以下、38.0BUs以下、37.0BUs以下、36.0BUs以下、又は35.0BUs以下としてもよい。
また、本発明の一態様の加工食品が、原材料としてホップを用いないビールテイスト飲料である場合、当該飲料の苦味価は、5.0BUs未満、3.0BUs以下、2.0BUs以下、1.0BUs以下、0.5BUs以下、0.3BUs以下、0.1BUs以下、又は0.01BUs以下としてもよい。
なお、飲料の苦味価は、イソフムロンを主成分とするホップ由来成分により与えられる苦味の指標であり、ホップまたはホップエキス等のホップ由来成分の使用量を適宜調整することにより制御できる。また、、ホップの種類、ホップの添加量、及びホップの添加のタイミングを適宜調整することによっても制御できる。
また、本明細書において、飲料の「苦味価」は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載された測定法よって測定することができる。
【0095】
なお、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、当該ビールテイスト飲料は、アルコール度数を調製するために、アルコール成分として、さらに、穀物に由来するスピリッツを含有してもよい。
ここで、スピリッツとは、小麦、大麦、米、そば、とうもろこし等の穀物を原料として、麦芽又は必要により酵素剤を用いて糖化し、酵母を用いて発酵させた後、更に蒸留して得られる酒類を意味する。
これらの中でも、本発明の一態様の加工食品であるビールテイスト飲料は、良質な味わいを有する飲料とする観点から、イネ科に属する植物を原料とするスピリッツを含有することが好ましく、麦スピリッツが好ましく、大麦スピリッツ又は小麦スピリッツを含有することがより好ましい。
【0096】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、当該ビールテイスト飲料の色は、特に限定されないが、通常のビールのような琥珀色や黄金色、黒ビールのような黒色、又は、無色透明であってもよく、あるいは着色料などを添加して、所望の色を付けてもよい。ビールテイスト飲料の色は、肉眼でも判別することができるが、全光線透過率や色度等によって規定してもよい。
【0097】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、当該ビールテイスト飲料の色度は、例えば、0.1EBC以上、1.0EBC超、1.5EBC以上、2.0EBC以上、2.5EBC以上、3.0EBC以上、3.5EBC以上、4.0EBC以上、4.5EBC以上、5.0EBC以上、5.5EBC以上、6.0EBC以上、又は6.5EBC以上としてもよいが、ビールテイスト飲料らしい味わいに優れた飲料とする観点から、好ましくは7.0EBC以上、より好ましくは7.2EBC以上、より好ましくは7.5EBC以上、更に好ましくは8.0EBC以上、より更に好ましくは8.5EBC以上、特に好ましくは9.0EBC以上であり、さらに、9.5EBC以上、10.0EBC以上、10.5EBC以上、11.0EBC以上、11.5EBC以上、12.0EBC以上、12.5EBC以上、又は13.0EBC以上としてもよく、また、250EBC以下、220EBC以下、200EBC以下、180EBC以下、160EBC以下、140EBC以下、120EBC以下、100EBC以下、80EBC以下、70EBC以下、60EBC以下、50EBC以下、40EBC以下、35EBC以下、30EBC以下、27EBC以下、25EBC以下、23EBC以下、20EBC以下、18EBC以下、16EBC以下、又は15EBC以下としてもよい。
本明細書において、ビールテイスト飲料の「色度」は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)の「8.8 色度」に記載された測定法よって測定することができる。なお、ビールテイスト飲料の「色度」は、欧州醸造協会(European Brewery Convention)により定められた色度の単位(EBC単位)により特定される。数値が小さいほど色が薄く明るい飲料であり、逆に、数値が大きいほど色が濃く暗い飲料である。
また、本発明の一態様であるビールテイスト飲料の色度は、例えば、使用する麦芽の種類、2種以上の麦芽を併用する場合にはその配合比率、発酵前液を調製する際の煮沸条件等を適宜調整することにより制御できる。より具体的に、例えば、ビールテイスト飲料の色度を高くするには、麦芽として濃色麦芽の配合比率を高くこと、煮沸処理時の温度を高くすること、煮沸時間を長くすること、及び糖化液の調製の際にデコクションを実施すること等により、調整可能である。また、原麦汁エキス濃度を高めることや、麦芽比率を高めることによっても、色度を高く調整することができる。
【0098】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、当該ビールテイスト飲料のpHは、特に限定されないが、微生物の発生を抑制する観点から、5.0以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、4.55以下、4.5以下、4.4以下、4.3以下、4.2以下、又は4.1以下としてもよく、また、ビールテイスト飲料の香味の向上の観点から、2.0以上、2.1以上、2.2以上、2.3以上、2.4以上、2.5以上、2.6以上、2.7以上、2.8以上、2.9以上、3.0以上、3.1以上、3.2以上、3.3以上、3.4以上、3.5以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上、4.1以上、又は4.2以上としてもよい。
【0099】
3 飲料の原材料
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、各飲料に一般的に用いられている原材料を使用することができる。例えば、ビールテイスト飲料である場合の主な原材料としては、水と共に麦芽を用いてもよく、麦芽を用いずに麦芽以外の穀物や糖類を用いてもよい。さらにビールテイスト飲料は、原材料として、ホップを用いた飲料であってもよく、ホップを用いない飲料であってもよい。
また、本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、各飲料の種類に応じて、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料又は苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等を用いてもよい。
【0100】
なお、飲料の原材料としては、キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料を含むことが好ましい。キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料としては、上述のとおりであり、市販されているキサンチンオキシダーゼの製剤を原材料として用いてもよい。
また、飲料の原材料として、キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料を含む場合には、キサンチンオキシダーゼ活性によってプリン体を尿酸に変換することができるため、プリン体を含有する原材料を含有してもよい。
プリン体を含有する原材料としては、上述のとおりであり、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料の場合、麦芽が好ましい。
【0101】
3.1.1 麦芽、麦芽以外の穀物
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、原材料として用いる麦芽とは、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦などの麦類の種子を発芽させて乾燥させ、除根したものをいい、産地や品種は、いずれのものであってもよい。
本発明の一態様で用いる麦芽としては、大麦麦芽が好ましい。大麦麦芽は、日本のビールテイスト飲料の原料として最も一般的に用いられる麦芽の1つである。大麦には、二条大麦、六条大麦などの種類があるが、いずれを用いてもよい。さらに、通常麦芽のほか、色麦芽なども用いることができる。なお、色麦芽を用いる際には、種類の異なる色麦芽を適宜組み合わせて用いてもよいし、一種類の色麦芽を用いてもよい。
なお、本発明の一態様で用いる麦芽は、所望のビールテイスト飲料の色度に応じて、適宜選択されることが好ましく、選択する麦芽は、単独であってもよく、2種以上を併用してもよい。
【0102】
また、麦芽と共に、もしくは、麦芽に代えて、麦芽以外の穀物を用いてもよい。
そのような穀物としては、例えば、麦芽には該当しない麦(大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等)、米(白米、玄米等)、とうもろこし、こうりゃん、ばれいしょ、豆(大豆、えんどう豆等)、そば、ソルガム、粟、ひえ、及びそれらから得られたデンプン、これらの抽出物(エキス)等が挙げられる。
【0103】
なお、麦芽比率を抑制する場合もしくは麦芽を使用しない場合、炭素源を含有する液糖や、窒素源として、酵母エキス、動植物に由来のタンパク質、麦芽以外の上述の穀物等のアミノ酸含有原料(例えば、大豆たんぱく等)を用いることができる。
また、麦芽比率を抑制する場合もしくは麦芽を使用しない場合のより具体的な態様としては、酵母が資化可能な麦芽以外の原料(炭素源、窒素源)を増量することが好ましい。酵母が資化可能な原料の炭素源としては単糖、二糖、三糖、それらの糖液等が挙げられ、窒素源としては酵母エキス、アミノ酸含有材料(例えば、大豆たんぱく等)、大豆、酵母エキス、エンドウ、小麦麦芽、上述の未発芽の穀物、これらの分解物等が挙げられる。ここで、小麦麦芽を用いてもよいが、アレルゲンの観点から、小麦麦芽を用いないことが好ましい。
なお、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、原材料として、重量平均分子量が10,000未満の大豆ペプチドを実質的に用いないビールテイスト飲料としてもよく、当該大豆ペプチドを用いないビールテイスト飲料としてもよい。
なお、「大豆ペプチドを実質的に用いないビールテイスト飲料」とは、当該ビールテイスト飲料の水を除く原料の総量(100質量%)に対する、前記大豆ペプチドの使用量が、5.0質量%未満、3.0質量%未満、2.0質量%未満、1.0質量%未満、0.10質量%未満、0.01質量%未満、0.001質量%未満、又は0.0001質量%未満である飲料を意味する。
【0104】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、原材料として用いることができる、麦等のイネ科植物以外の植物の実・果皮・樹皮・葉・花・茎・根・種子は、適宜選択することができる。
具体的なイネ科植物以外の植物としては、例えば、柑橘類、ソフトフルーツ類、ハーブ類、スパイス類などが挙げられる。柑橘類としては、オレンジ、ゆず、レモン、ライム、ミカン、グレープフルーツ、伊予柑、キンカン、かぼす、ダイダイ、シークワーサー、すだちなどが挙げられる。
ソフトフルーツ類としては、桃、ブドウ、バナナ、リンゴ、ブドウ、パイナップル、イチゴ、梨、マスカット、カシスなどがあげられる。ハーブ類、スパイス類としては、コリアンダー、ペッパー、フェンネル、花椒、山椒、カルダモン、キャラウェイ、ナツメグ、メース、ジュニパーベリー、オールスパイス、バニラ、エルダーベリー、グレインズ・オブ・パラダイス、アニス、スターアニス等が挙げられる。
これらは、そのまま使用してもよく、粉砕して使用してもよく、水やエタノール等の抽出溶媒で抽出した抽出液の形態として使用してもよく、搾汁したもの(果汁等)を使用してもよい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合において、消費者の嗜好に合わせて上記を適宜使用できるが、ビールらしいスッキリした爽快な味わいを楽しむには、原材料に上記の柑橘類、ソフトフルーツ類、ハーブ類、およびスパイス類を全く使用しない、あるいは使用量を最小限にすることが好ましい。特にカシスはビール中に不適な乳様の香りがつくことから、原材料にカシスやカシス果汁は全く使用しない、あるいは使用量を最小限にすることが好ましい。
【0105】
3.1.2 ホップ
本発明の一態様の加工食品が、ホップを用いたビールテイスト飲料である場合、当該ホップの形態としては、例えば、ペレットホップ、粉末ホップ、ホップエキス等が挙げられる。また、用いるホップは、イソ化ホップ、還元ホップ等のホップ加工品を用いてもよい。
本発明の一態様の加工食品が、ホップを用いたビールテイスト飲料である場合、ホップの添加量としては、適宜調製されるが、飲料の原材料の全量(100質量%)基準で、好ましくは0.0001~1質量%である。
【0106】
また、原材料としてホップを用いたビールテイスト飲料は、ホップに由来する成分であるイソα酸を含有した飲料となる。ホップを用いたビールテイスト飲料のイソα酸の含有量としては、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、0.1質量ppm超であってもよく、1.0質量ppm超であってもよい。
一方で、ホップを用いないビールテイスト飲料におけるイソα酸の含有量は、当該ビールテイスト飲料の全量(100質量%)基準で、0.1質量ppm以下であってもよい。
なお、本明細書において、イソα酸の含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集2013年増補改訂)に記載の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析法により測定された値を意味する。
【0107】
3.1.3 保存料
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに保存料を配合してなる飲料であってもよい。
本発明の一態様で用いる保存料としては、例えば、安息香酸;安息香酸ナトリウム等の安息香酸塩;パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等の安息香酸エステル;二炭酸ジメチル等が挙げられる。また、保存料としては、強力サンプレザー(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、安息香酸ナトリウムと安息香酸ブチルの混合物)等の市販の製剤を用いてもよい。
これらの保存料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0108】
本発明の一態様の加工食品が、保存料を配合してなる飲料である場合、当該保存料の配合量は、当該飲料の全量(100質量%)基準で、好ましくは5~1200質量ppm、より好ましくは10~1100質量ppm、更に好ましくは15~1000質量ppm、より更に好ましくは20~900質量ppmである。
【0109】
3.1.4 甘味料
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに甘味料を配合してなる飲料としてもよい。
本発明の一態様で用いる甘味料としては、穀物由来のデンプンを酸又は酵素等で分解した市販の糖化液、市販の水飴等の糖類、三糖類以上の糖、糖アルコール、ステビア等の天然甘味料、人工甘味料等が挙げられる。
これらの甘味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの糖類の形態は、溶液等の液体であってもよく、粉末等の固体であってもよい。
また、デンプンの原料穀物の種類、デンプンの精製方法、及び酵素や酸による加水分解等の処理条件についても特に制限はない。例えば、酵素や酸による加水分解の条件を適宜設定することにより、マルトースの比率を高めた糖類を用いてもよい。その他、スクロース、フルクトース、グルコース、マルトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオース、イソマルトース、イソマルトトリオース、イソマルトテトラオース、パノース及びこれらの溶液(糖液)等を用いることもできる。
また、人工甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、スクラロース、ネオテーム等が挙げられる。
【0110】
なお、本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、高甘味度甘味料の含有量を制限した飲料であってもよい。
高甘味度甘味料の含有量を制限した飲料に含まれる、高甘味度甘味料の含有量は、当該飲料に含まれる尿酸の全量100質量部に対して、10.0質量部未満、5.0質量部未満、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.1質量部未満、0.05質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、又は0.0001質量部未満としてもよい。
また、高甘味度甘味料の含有量を制限した飲料に含まれる、高甘味度甘味料の含有量は、当該飲料の全量(100質量%)基準で、1000質量ppm未満、100質量ppm未満、10質量ppm未満、1質量ppm未満、100質量ppb未満、10質量ppb未満、1質量ppb未満、100質量ppt未満、10質量ppt未満、又は1質量ppt未満としてもよい。
なお、具体的な高甘味度甘味料としては、上述の通りである。
【0111】
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、レバウジオシドAの含有量を制限した飲料であってもよい。
レバウジオシドAの含有量を制限した飲料に含まれる、レバウジオシドAの飲料は、当該飲料に含まれる尿酸の全量100質量部に対して、10.0質量部未満、5.0質量部未満、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.1質量部未満、0.05質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、又は0.0001質量部未満としてもよい。
また、レバウジオシドAの含有量を制限した飲料に含まれる、レバウジオシドAの含有量は、当該飲料の全量(100質量%)基準で、1000質量ppm未満、100質量ppm未満、10質量ppm未満、1質量ppm未満、100質量ppb未満、10質量ppb未満、1質量ppb未満、100質量ppt未満、10質量ppt未満、又は1質量ppt未満としてもよい。
【0112】
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、エリスリトールの含有量を制限した飲料であってもよい。
エリスリトールの含有量を制限した飲料に含まれる、エリスリトールの含有量は、当該飲料に含まれる尿酸の全量100質量部に対して、10.0質量部未満、5.0質量部未満、2.0質量部未満、1.0質量部未満、0.1質量部未満、0.05質量部未満、0.01質量部未満、0.001質量部未満、又は0.0001質量部未満としてもよい。
また、エリスリトールの含有量を制限した飲料に含まれる、エリスリトールの含有量は、当該飲料の全量(100質量%)基準で、1000質量ppm未満、100質量ppm未満、10質量ppm未満、1質量ppm未満、100質量ppb未満、10質量ppb未満、1質量ppb未満、100質量ppt未満、10質量ppt未満、又は1質量ppt未満としてもよい。
【0113】
3.1.5 水溶性食物繊維
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに水溶性食物繊維を配合してなる飲料としてもよく、また、水溶性食物繊維を配合(添加)しない飲料としてもよい。
水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸、ラミナリン、フコイジン、カラギーナン等が挙げられ、安定性や安全性等の汎用性の観点から、難消化性デキストリン又はポリデキストロースが好ましい。
なお、本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、原料として、難消化性デキストリンを配合(添加)しない飲料としてもよい。当該態様の飲料は、難消化性デキストリンを配合(添加)しなくても、原材料(例えば、麦芽等)に由来する水溶性食物繊維が含まれる。原材料に由来する水溶性食物繊維の含有量は、例えば、日本食品標準成分表2020年版(八訂)に記載されている。
【0114】
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、水溶性食物繊維の含有量は、当該飲料の全量(100質量%)基準で、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.15質量%以上、0.2質量%以上、0.25質量%以上、0.3質量%以上、0.35質量%以上、0.4質量%以上、0.5質量%以上、0.7質量%以上、1.0質量%以上、1.5質量%以上、2.0質量%以上、2.5質量%以上、又は3.0質量%以上としてもよく、また、5.0質量%以下、4.5質量%以下、4.0質量%以下、3.5質量%以下、3.0質量%以下、2.5質量%以下、2.0質量%以下、1.5質量%未満、1.0質量%未満、0.75質量%未満、0.60質量%未満、0.50質量%未満、0.40質量%以下、0.35質量%以下、0.30質量%以下、0.25質量%以下、0.20質量%以下、0.15質量%以下、0.10質量%以下、又は0.10質量%未満としてもよい。
【0115】
なお、水溶性食物繊維は、市販品を添加して上記範囲となるように含有量を調整してもよいし、麦芽等の原料由来の食物繊維が上記範囲となるように製造工程において調整してもよい。市販品を添加する場合、水溶性食物繊維の含有量を上記範囲とすることで、例えば、ビールテイスト飲料であれば、不適な粉っぽさを抑制することができ、また、製造工程において食物繊維の含有量を調整する場合、水溶性食物繊維の含有量を上記範囲とすることで、例えば、麦汁濾過、ビール濾過における濾過性を向上し、生産効率を上げることができる。
例えば、ビールテイスト飲料の製造工程において、ビールテイスト飲料における水溶性食物繊維の含有量を調整する場合、水溶性食物繊維の含有量は、希釈水または炭酸水の添加、原材料(麦、麦芽、コーン、糖液など)の種類、原材料の量、酵素の種類、酵素の添加量、および酵素の添加のタイミング(糖化工程中、酵母添加前、酵母添加後、熟成中など)、糖化液を調製する際の各温度領域の設定温度、pHおよび保持時間を調整すること等により、調整することができる。
【0116】
3.1.6 苦味料、苦味付与剤
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに苦味料及び苦味付与剤から選ばれる1種以上を配合してなる飲料としてもよい。
特に、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、苦味をホップによって付与してもよく、ホップと共に下記に示す苦味料又は苦味付与剤を用いてもよい。また、ホップを用いずに、ホップに代えて下記に示す苦味料又は苦味付与剤を用いてもよい。
苦味料又は苦味付与剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に苦味付与剤として用いられるものが使用でき、例えば、マンネンロウ、レイシ、姫茴香、杜松実、セージ、マンネンタケ、月桂樹、クワシン、カフェイン、アブシンチン、ナリンジン、キハダ、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物、ニガヨモギ抽出物、アルギン酸等が挙げられる。
これらの苦味料及び苦味付与剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0117】
3.1.7 酸化防止剤
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに酸化防止剤を配合してなる飲料としてもよい。
酸化防止剤としては、特に限定されず、通常のビールや発泡酒に酸化防止剤として用いられるものが使用でき、例えば、アスコルビン酸、エリソルビン酸、及びカテキン等が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0118】
3.1.8 香料
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに香料を配合してなる飲料としてもよい。
香料としては、特に限定されず、各飲料に応じて適宜選択することができる。
例えば、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、ビール香料としては、エステルや高級アルコール等の香気成分が挙げられる。
具体的な香気成分としては、酢酸イソアミル、酢酸エチル、n-プロパノール、イソブタノール、アセトアルデヒド、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、イソアミルプロピオネート、リナロール、ゲラニオール、シトラール、4-ビニルグアイアコール(4-VG)、4-メチル-3-ペンテン酸、2-メチル-2-ペンテン酸、1,4-シネオール、1,8-シネオール、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、γ-デカノラクトン、γ-ウンデカラクトン、ヘキサン酸エチル、2-メチル酪酸エチル、n-酪酸エチル、ミルセン、シトラール、リモネン、マルトール、エチルマルトール、フェニル酢酸、フラネオール、フルフラール、メチオナール、3-メチル-2-ブテン-1-チオール、3-メチル-2-ブタンチオール、ダイアセチル、フェルラ酸、ゲラン酸、ゲラニルアセテート、酪酸エチル、オクタン酸、デカン酸、9-デセン酸、ノナン酸、テトラデカン酸、プロパン酸、2-メチルプロパン酸、γ-ブチロラクトン、2-アミノアセトフェノン、3-フェニルプロピオン酸エチル、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン、ジメチルスルホン、3-メチルシクロペンタン-1,2-ジオン、2-メチルブタナール、3-メチルブタナール、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、2-アセチルフラン、2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン、ヘキサナール、ヘキサノール、シス-3-ヘキセナール、1-オクテン-3-オール、β-ユーデスモール、4-メルカプト-4-メチルペンタン-2-オン、β-カリオフィレン、β-ミルセン、フルフリルアルコール、2-エチルピラジン、2,3-ジメチルピラジン、酢酸2-メチルブチル、イソアミルアルコール、5-ヒドロキシメチルフルフラール、フェニルアセトアルデヒド、1-フェニル-3-ブテン-1-オン、トランス-2-ヘキセナール、ノナナール、フェネチルアルコール等が挙げられる。これらの香料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0119】
本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、エステルや高級アルコールの香気成分の含有量は、これらの香気成分を含む香料を別途添加して調整することができるが、製造過程でアルコール発酵を伴う場合には、香料を添加せず、もしくは、香料の添加と共に、アルコール発酵により調整してもよい。
アルコール発酵を伴う場合におけるエステルや高級アルコールの香気成分の含有量は、希釈水または炭酸水の添加、酵母を添加する前の発酵前液の糖組成やアミノ酸組成、糖の濃度やアミノ酸の濃度、発酵前液のオリジナルエキス濃度、酵母品種、発酵条件(酸素濃度、通気条件、酵母品種、酵母の添加量、酵母増殖数、酵母の除去タイミング、発酵温度、発酵時間、圧力設定、二酸化炭素濃度等)、冷却タイミング等を適宜設定して調整してもよい。
【0120】
3.1.9 酸味料
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに酸味料を配合してなる飲料としてもよい。
酸味料としては、酸味を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸、グルコノデルタラクトン又はそれらの塩が挙げられる。
これらの中でも、酒石酸、リン酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、フィチン酸、酢酸、コハク酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、酒石酸、リン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、酢酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましく、酒石酸、リン酸、及び乳酸から選ばれる少なくとも1種が更に好ましい。
これらの酸味料は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0121】
3.1.10 塩類
本発明の一態様の加工食品が飲料である場合、さらに塩類を配合してなる飲料としてもよい。
塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、酸性リン酸カリウム、酸性リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。
これらの塩類は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0122】
3.2 炭酸ガス
本発明の一態様の加工食品が炭酸飲料である場合、炭酸ガスを含有する。
炭酸飲料の炭酸ガスの量は、カーボネーション設備を用いて調整してもよく、炭酸水を加えて調整してもよい。なお、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合、当該ビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、ビールテイスト飲料の発酵工程にて生じた炭酸ガスをそのまま用いることもできる。
【0123】
本発明の一態様の加工食品が炭酸飲料である場合の炭酸ガス濃度は、好ましくは0.30(w/w)%以上、より好ましくは0.35(w/w)%以上、更に好ましくは0.40(w/w)%以上で、より更に好ましくは0.42(w/w)%以上、特に好ましくは0.45(w/w)%以上であり、また、好ましくは0.80(w/w)%以下、より好ましくは0.70(w/w)%以下、更に好ましくは0.60(w/w)%以下、より更に好ましくは0.57(w/w)以下、特に好ましくは0.55(w/w)%以下である。
なお、本明細書において、炭酸ガス濃度は、対象となる炭酸飲料が入った容器を時々振りながら20℃の水槽に30分間以上浸して、当該飲料が20℃になるよう調整した後に、ガスボリューム測定装置(例えば、GVA-500(京都電子工業株式会社製)等)を用いて測定することができる。
【0124】
本発明の一態様の加工食品が容器詰め飲料である場合、容器詰め飲料の炭酸ガス圧は、上記の炭酸ガス濃度となる範囲で適宜調整すればよいが、5.0kg/cm以下、4.5kg/cm以下、又は4.0kg/cm以下としてもよく、また、0.20kg/cm以上、0.50kg/cm以上、又は1.0kg/cm以上としてもよい。なお、これらの上限及び下限のいずれを組み合わせてもよく、例えば、飲料の炭酸ガス圧は、0.20kg/cm以上5.0kg/cm以下、0.50kg/cm以上4.5kg/cm以下、または、1.0kg/cm以上4.0kg/cm以下であってよい。
本明細書において、ガス圧とは、特別な場合を除き、容器内におけるガス圧をいう。
圧力の測定は、当業者によく知られた方法、例えば20℃にした試料をガス内圧計に固定した後、一度ガス内圧計の活栓を開いてガスを抜き、再び活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達したときの値を読み取る方法を用いて、または市販のガス圧測定装置を用いて測定することができる。
【0125】
3.3 その他の添加物
本発明の一態様の加工食品は、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。
そのような添加物としては、例えば、着色料、泡形成剤、発酵促進剤、酵母エキス、ペプチド含有物等のタンパク質系物質、アミノ酸等の調味料が挙げられる。
着色料は、加工食品に所望の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素、カカオ色素、ベニバナ色素や着色のある糖液等を用いることができる。
泡形成剤は、本発明の一態様の加工食品がビールテイスト飲料である場合に、ビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、及び、コラーゲンペプチド等のペプチド含有物、酵母エキス、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン)等を適宜使用することができる。
発酵促進剤は、本発明の一態様の加工食品が発酵ビールテイスト飲料である場合に、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。
【0126】
3.4 容器詰加工食品
本発明の一態様の加工食品は、容器に詰められた容器詰加工食品であってもよい。容器加工食品はいずれの形態及び材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、例えば、ビン、缶、ボトル缶、樽、ペットボトル、紙パック、パウチ、バックインボックス、紙袋、樹脂袋、ポーションパック、チルドカップが挙げられ、加工食品の種類に応じて適宜選択される。
【0127】
4. 加工食品用添加剤
本発明の一態様の加工食品用添加剤は、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する。
なお、本発明の一態様の加工食品用添加剤は、キサンチンオキシダーゼ活性を有する添加剤と、ウリカーゼ活性を有する添加剤との混合物であってもよい。
また、本発明の一態様の加工食品用添加剤は、食品衛生法第2条第2項で規定する「添加物とは食品の製造過程において、または食品の加工もしくは保存の目的で食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するもの」に該当する添加剤であればよい。
【0128】
本発明の一態様の加工食品用添加剤は、キサンチンオキシダーゼ活性のみを有する添加剤、ウリカーゼ活性のみを有する添加剤、もしくは、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の双方を有する添加剤のいずれであってもよい。
【0129】
キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤は、加工食品の製造過程で添加してキサンチンオキシダーゼ処理を行うことで、キサンチンを尿酸に変化させ、加工食品中のプリン体を効果的に低減させることができる。
キサンチンから変化した尿酸は、加工食品に特有の特性(例えば、香味や外観等)の劣化を抑制し、各種特性の安定性を向上させる作用を有する。尿酸の含有量は、尿酸もしくは尿酸ナトリウム等の尿酸塩を添加することにより調整することもできるが、尿酸は水に対する溶解性が低いため、このような方法では、高濃度の尿酸を含む加工食品の調整が難しい。また、加工食品を製造する際に、尿酸を含む原材料を用いるという方法もあるが、尿酸を含む原材料は限られており、加工食品の種類によっては、その原材料との相性が悪い場合もある。また、水に代えて尿酸の溶解度が高い液体を用いるという方法もあるが、こちらも、加工食品と当該液体との相性を考慮しなければならない。
このような点を考慮すると、加工食品に対して、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いることで、高濃度の尿酸を含有し、かつ、プリン体の含有量を低減させた加工食品を効率的に製造することができるという利点がある。
【0130】
キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤は、キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料又は当該原材料に由来の成分が少なくとも含まれる。
キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料としては、バクテリアから哺乳類、高等植物にわたる広範囲の生物種由来の原材料が挙げられ、具体的には、牛等の哺乳類の生乳(未殺菌の生乳)、シュードモナス属、エシエリキア属、アースロバクター属、ノカルデイア属等に属する微生物、エンテロバクター・クロアカエ等が挙げられる。
【0131】
本発明の一態様の加工食品用添加剤が有するキサンチンオキシダーゼ活性値は、0.01U以上、0.05U以上、0.1U以上、0.3U以上、0.5U以上、0.7U以上、1.0U以上、1.5U以上、2.0U以上、2.5U以上、3.0U以上、3.5U以上、4.0U以上、5.0U以上、5.5U以上、6.0U以上、7.0U以上、8.0U以上、9.0U以上、又は10.0U以上としてもよく、また、10,000U以下、9,000U以下、8,000U以下、7,000U以下、又は6,000U以下としてもよい。
【0132】
ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤は、キサンチンオキシダーゼ処理によってキサンチンから生じた尿酸を、さらにアラントインに変化させることができる。
【0133】
ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤は、ウリカーゼ活性を有する原材料又は当該原材料に由来の成分が少なくとも含まれる。
ウリカーゼ活性を有する原材料としては、例えば、バクテリアから哺乳類、高等植物にわたる広範囲の生物種由来の原材料が挙げられ、具体的には、牛等の哺乳類の生乳(未殺菌の生乳)、シュードモナス属、エシエリキア属、アースロバクター属、ノカルデイア属等に属する微生物、エンテロバクター・クロアカエ等が挙げられる。
【0134】
本発明の一態様の加工食品用添加剤が有するウリカーゼ活性値は、0.01U以上、0.05U以上、0.1U以上、0.3U以上、0.5U以上、0.7U以上、1.0U以上、1.5U以上、2.0U以上、2.5U以上、3.0U以上、3.5U以上、4.0U以上、5.0U以上、5.5U以上、6.0U以上、7.0U以上、8.0U以上、9.0U以上、又は10.0U以上としてもよく、また、10,000U以下、9,000U以下、8,000U以下、7,000U以下、又は6,000U以下としてもよい。
【0135】
本発明の一態様の加工食品用添加剤は、固体であってもよく、液体であってもよい。
また、本発明の一態様の加工食品用添加剤は、加熱やpH調整等の過程によってキサンチンオキシダーゼ活性及び/又はウリカーゼ活性が失活した、キサンチンオキシダーゼ活性及び/又はウリカーゼ活性を有していたタンパク質を含有していてもよい。
【0136】
本発明の一態様の加工食品用添加剤は、キサンチンオキシダーゼ活性及び/又はウリカーゼ活性を有する有効成分(すなわち、本酵素)の他に、賦形剤、緩衝剤、懸濁剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水等を含有してもよい。
なお、有効成分である本酵素の精製度は特に問わない。即ち、粗酵素であっても精製酵素であってもよい。
賦形剤としては、例えば、乳糖、ソルビトール、D-マンニトール、マルトデキストリン、白糖等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、プロピレングリコール、アスコルビン酸等を用いることができる。保存剤としてはフェノール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルパラベン等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸、クロロブタノール等が挙げられる。
【0137】
本発明の一態様の食品用プリン体低減酵素剤は、例えば、下記工程(I)及び(II)を経ることで製造することができる。
・工程(I):本酵素を産生する微生物を培養する工程。
・工程(II):培養後に菌体を除去する工程。
工程(I)において、培養条件や培養法は、本酵素が生産されるものである限り特に限定されない。即ち、本酵素が生産されることを条件として、使用する微生物の培養に適合した方法や培養条件を適宜設定できる。培養法としては液体培養、固体培養のいずれでもよい。
工程(II)における菌体の除去方法としては、例えば、遠心分離、ろ過、フィルター処理等が挙げられる。
工程(I)及び(II)を経て得られた、菌体を含まない培養液は、必要に応じて任意に、工程(III)として、培養液を精製する工程を経た後に、酵素剤として用いられる。
【0138】
本発明の一態様の加工食品用添加剤が有する酵素活性が発現されるpHは、2.0以上、2.2以上、2.4以上、2.6以上、2.8以上、3.0以上、3.1以上、3.2以上、3.3以上、3.4以上、3.5以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上、4.1以上、4.2以上、4.3以上、4.4以上、4.5以上、4.6以上、4.7以上、4.8以上、4.9以上、又は5.0以上であってもよく、また、7.0以下、6.9以下、6.8以下、6.7以下、6.6以下、6.5以下、6.4以下、6.3以下、6.2以下、6.1以下、6.0以下、5.9以下、5.8以下、5.7以下、5.6以下、5.5以下、5.4以下、5.3以下、5.2以下、5.1以下、5.0以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、4.5以下、4.4以下、4.3以下、4.2以下、4.1以下、又は4.0以下であってもよい。
【0139】
本発明の一態様の加工食品用添加剤が有する酵素活性が発現される温度は、0℃以上、5℃以上、15℃以上、20℃以上、25℃以上、30℃以上、35℃以上、40℃以上、又は45℃以上であってもよく、また、140℃以下、135℃以下、130℃以下、125℃以下、120℃以下、115℃以下、110℃以下、105℃以下、100℃以下、95℃以下、90℃以下、85℃以下、80℃以下、75℃以下、又は70℃以下であってもよい。
【0140】
本発明の一態様の加工食品用添加剤は、様々な加工食品の製造の工程で添加することができるが、特に、ビールテイスト飲料の製造の工程で添加されることが好ましく、麦芽発酵飲料の製造の工程で添加されることがより好ましい。
ビールテイスト飲料(特に、麦芽発酵飲料)は、麦芽を使用しているため、プリン体の含有量が多い飲料である。しかしながら、ビールテイスト飲料の製造の工程で、本発明の一態様の加工食品用添加剤を添加することで、高麦芽比率であっても、効果的にプリン体を低減させることができる。
【0141】
5. 加工食品の製造方法
本発明の一態様の加工食品の製造方法は、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する加工食品用添加剤を添加する工程(a)を有する。
工程(a)を行うタイミングは、加工食品の製造過程のいずれかであればよく、一度に添加してもよく、複数回に分けて添加してもよい。
【0142】
また、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加した後に、ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加してもよく、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤とウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤との混合物を同時に添加してもよい。また、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の双方を有する加工食品用添加剤を添加してもよい。
このように添加することで、加工食品の原材料として、プリン体を多く含む原材料を用いる場合、キサンチンオキシダーゼ処理により、当該原材料に含まれるキサンチンを尿酸に変化させた上で、ウリカーゼ処理により、尿酸をアラントインに変化させて、プリン体を低減させることができる。
【0143】
工程(a)において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する原材料は、上述のとおりであるが、市販されているキサンチンオキシダーゼの製剤を原材料として用いてもよい。
また、ウリカーゼ活性を有する原材料は、上述のとおりであるが、市販されているウリカーゼの製剤を原材料として用いてもよい。
【0144】
工程(a)において、加工食品用添加剤の配合量は、適宜調整することができるが、キサンチンオキシダーゼ活性値又はウリカーゼ活性値が所定値となる配合量が好ましい。
具体的なキサンチンオキシダーゼ活性値又はウリカーゼ活性値としては、0.01U以上、0.05U以上、0.1U以上、0.3U以上、0.5U以上、0.7U以上、1.0U以上、1.5U以上、2.0U以上、2.5U以上、3.0U以上、3.5U以上、4.0U以上、5.0U以上、5.5U以上、6.0U以上、7.0U以上、8.0U以上、9.0U以上、又は10.0U以上としてもよく、また、10,000U以下、9,000U以下、8,000U以下、7,000U以下、又は6,000U以下としてもよい。
【0145】
工程(a)では、前記加工食品用添加剤を添加した後、加熱処理を行ってもよい。
当該加熱処理において、加熱温度は、20℃以上、25℃以上、30℃以上、35℃以上、40℃以上、又は45℃以上であってもよく、また、140℃以下、135℃以下、130℃以下、125℃以下、120℃以下、115℃以下、110℃以下、105℃以下、100℃以下、95℃以下、90℃以下、85℃以下、80℃以下、75℃以下、又は70℃以下であってもよい。
また、加熱時間は、1分以上、10分以上、20分以上、30分以上、40分以上、50分以上、又は60分以上としてもよく、また、10時間以下、9時間以下、8時間以下、7時間以下、又は6時間以下としてもよい。
【0146】
また、工程(a)において、前記加工食品用添加剤を添加した後の原材料のpHは、2.0以上、2.2以上、2.4以上、2.6以上、2.8以上、3.0以上、3.1以上、3.2以上、3.3以上、3.4以上、3.5以上、3.6以上、3.7以上、3.8以上、3.9以上、4.0以上、4.1以上、4.2以上、4.3以上、4.4以上、4.5以上、4.6以上、4.7以上、4.8以上、4.9以上、又は5.0以上であってもよく、また、7.0以下、6.9以下、6.8以下、6.7以下、6.6以下、6.5以下、6.4以下、6.3以下、6.2以下、6.1以下、6.0以下、5.9以下、5.8以下、5.7以下、5.6以下、5.5以下、5.4以下、5.3以下、5.2以下、5.1以下、5.0以下、4.9以下、4.8以下、4.7以下、4.6以下、4.5以下、4.4以下、4.3以下、4.2以下、4.1以下、又は4.0以下であってもよい。
【0147】
本発明の一態様の製造方法で製造された加工食品は、キサンチンオキシダーゼ活性及び/又はウリカーゼ活性が残存していてもよい。
製造された加工食品が有するキサンチンオキシダーゼ活性値及びウリカーゼ活性としては、0.01U以上、0.05U以上、0.1U以上、0.3U以上、0.5U以上、0.7U以上、1.0U以上、1.5U以上、2.0U以上、2.5U以上、3.0U以上、3.5U以上、4.0U以上、5.0U以上、5.5U以上、6.0U以上、7.0U以上、8.0U以上、9.0U以上、又は10.0U以上としてもよく、また、10,000U以下、9,000U以下、8,000U以下、7,000U以下、又は6,000U以下としてもよい。
【0148】
なお、本発明の一態様の加工食品の製造方法は、さらに、プリンヌクレオシダーゼ活性、アデニンデアミナーゼ活性、及びグアニンデアミナーゼから選ばれる酵素活性を1種以上有する加工食品用添加剤を添加する工程(b)を有することが好ましい。
なお、工程(b)において、上記の酵素活性を2種又は3種有する加工食品用添加剤を添加してもよく、それぞれ1種のみの酵素活性を有する加工食品用添加剤を、2種以上添加してもよい。
工程(b)を行うタイミングは、工程(a)の前、工程(a)と同様に、及び、工程(a)の後に行うことができるが、効果的にプリン体を低減する観点から、工程(a)の前、及び/又は、工程(a)と同様に行うことが好ましく、少なくとも工程(a)の前に行うことがより好ましい。
工程(b)として、原材料に対して、プリンヌクレオシダーゼ処理を行うことで、溶液中のアデノシン及びグアノシンを酵母資化性の遊離プリン基に変換することができる。また、プリンヌクレオシダーゼ処理によってキサンチンが生じたとしても、工程(b)後の工程(a)でキサンチンオキシダーゼ処理を行うことでキサンチンを低減させることができる。
また、工程(b)として、原材料に対して、アデニンデアミナーゼ処理を行うことで、、溶液中のアデニンをヒポキサンチンに変換することができ、キサンチンオキシダーゼによる分解を効率的に行うことができる。同様に、グアニンデアミナーゼ処理を行うことで、溶液中のグアニンをキサンチンに変換することができ、キサンチンオキシダーゼによる分解を効率的に行うことができる。
【0149】
このようにして得られた本発明の一態様の加工食品は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
加工食品の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、本発明の一態様の加工食品は容器に充填及び密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態及び材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、「3.4 容器詰加工食品」に記載の容器が挙げられる。
【0150】
本発明の一態様の加工食品の製造方法について、ビールテイスト飲料の製造方法を例に説明する。
本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法では、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の少なくとも一方を有する添加剤を添加する工程(a)を有することが好ましく、さらに、プリンヌクレオシダーゼ活性、アデニンデアミナーゼ活性、及びグアニンデアミナーゼから選ばれる酵素活性を1種以上有する加工食品用添加剤を添加する工程(b)を有することがより好ましい。
工程(b)を行うタイミングは、工程(a)の前、工程(a)と同様に、及び、工程(a)の後に行うことができるが、効果的にプリン体を低減する観点から、工程(a)の前、及び/又は、工程(a)と同様に行うことが好ましく、少なくとも工程(a)の前に行うことがより好ましい。
以下、本発明の一態様のビールテイスト飲料の製造方法について、発酵ビールテイスト飲料の製造方法及び非発酵ビールテイスト飲料の製造方法に分けて詳述する。
【0151】
5.1 発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様の加工食品である発酵ビールテイスト飲料の製造方法としては、下記工程(1)~(3)を有する方法が挙げられる。
・工程(1):原材料に対して、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理の少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程。
・工程(2):工程(1)で得た発酵前液を冷却し、冷却発酵前液を得る工程。
・工程(3):工程(2)で得た冷却発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程。
【0152】
当該発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、前記工程(a)は、下記の(i)~(v)のいずれか1つ以上のタイミングで行うことができる。
・(i):工程(1)の前
・(ii):工程(1)、工程(2)、及び工程(3)の少なくとも1つの工程と同時
・(iii):工程(1)と工程(2)の間
・(iv):工程(2)と工程(3)の間
・(v):工程(3)の後
【0153】
また、前記工程(a)において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加した後に、ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加してもよく、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤とウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤との混合物を同時に添加してもよい。また、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の双方を有する加工食品用添加剤を添加してもよい。
【0154】
また、発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、さらにプリン体の含有量を低減させた飲料とする観点から、さらに、プリンヌクレオシダーゼ活性、アデニンデアミナーゼ活性、及びグアニンデアミナーゼから選ばれる酵素活性を1種以上有する加工食品用添加剤を添加する工程(b)を有してもよい。
なお、工程(b)において、上記の酵素活性を2種又は3種有する加工食品用添加剤を添加してもよく、それぞれ1種のみの酵素活性を有する加工食品用添加剤を、2種以上添加してもよい。
工程(b)は、工程(a)の前、工程(a)と同様に、及び、工程(a)の後に行うことができるが、効果的にプリン体を低減する観点から、工程(a)の前、及び/又は、工程(a)と同様に行うことが好ましく、少なくとも工程(a)の前に行うことがより好ましい。
また、工程(b)は、工程(1)と同時に又は工程(1)の終了後、もしくは、工程(3)と同時に又は工程(3)の終了後に行ってもよい。
【0155】
なお、発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、原材料として苦味価が5BUs以上の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有することが好ましい。また、原材料として苦味価が5BUs未満の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有しないことが好ましい。
【0156】
<工程(1)>
工程(1)は、各種原材料を用いて、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理のうち少なくとも1つの処理を行い、発酵前液を得る工程である。
例えば、各種原材料として、麦芽を用いる場合には、水及び麦芽を含む各種原材料を仕込釜又は仕込槽に投入し、必要に応じて、発酵前に、原材料に由来する成分の変化を促進する酵素剤を添加してもよい。
当該酵素剤としては、例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、プリンヌクレオシダーゼ、デアミナーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、グルカナーゼ、キシラーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、グルコシダーゼ等が挙げられる。また、酒税法及び酒類行政関係法令通達(平成30年6月27日改正)の第3条「7酒類の原料として取り扱わない物品」の「(3)酒造の合理化等の目的で醸造工程中に加える次の酵素剤」に該当する酵素剤を挙げられる。
これらの酵素剤を添加することで、得られる発酵ビールテイスト飲料の成分組成を効率よく調整させることができる。麦芽以外の各種原材料としては、ホップ、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料又は苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等を加えてもよい。これらは、糖化処理を行う前に加えてもよく、糖化処理の途中で加えてもよく、糖化処理の終了後に加えてもよい。また、これらは、次工程のアルコール発酵後に加えてもよい。
【0157】
各種原材料の混合物は、加温し、原材料の澱粉質を糖化させて糖化処理を行う。
糖化処理の温度及び時間は、使用する麦芽の種類や、麦芽比率、水及び麦芽以外の原材料、使用する酵素の種類や量、最終的に得られる飲料の原麦汁エキス濃度等を考慮して適宜調整することが好ましい。例えば、本発明の一態様において、糖化処理の温度は35~80℃であり、糖化処理の時間は10~360分であることが好ましい。糖化処理後に、濾過を行い、糖化液が得られる。
【0158】
なお、この糖化液は煮沸処理を行うことが好ましい。
この煮沸処理を行う際に、原材料としてホップや苦味料等を用いる場合には、これらを加えることが好ましい。ホップや苦味料等は、糖化液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。
なお、上記の糖化液の代わりに、麦芽エキスに温水を加えたものに、ホップや苦味料等を加えて煮沸処理を行い、発酵前液を調製してもよい。
【0159】
また、各種原材料として、麦芽を使用しない場合には、炭素源を含有する液糖、麦又は麦芽以外のアミノ酸含有原料としての窒素源、ホップ、保存料、甘味料、水溶性食物繊維、苦味料又は苦味付与剤、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類等を、温水と共に混合し、液糖溶液を調製し、その液糖溶液に対して煮沸処理を行い、発酵前液を調製してもよい。
ホップを用いる場合には、煮沸処理前に加えてもよく、液糖溶液の煮沸開始から煮沸終了前の間で加えてもよい。
【0160】
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得た発酵前液を冷却し、冷却発酵前液を得る工程である。
煮沸処理終了後には、ワールプールに移送し、0~20℃に冷却する。そして、冷却後に、凝固タンパク等の固形分の除去処理を行い、原麦汁エキス濃度を調整してもよい。
このような処理を経て、冷却発酵前液が得られる。
【0161】
<工程(3)>
工程(3)は、工程(2)で得た冷却発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程である。
本工程で用いる酵母は、製造すべき発酵飲料の種類、目的とする香味や発酵条件等を考慮して適宜選択することができ、上面発酵酵母を用いてもよく、下面発酵酵母を用いてもよい。また、ワイン酵母、清酒酵母、アルコールを生成可能な野生酵母等を用いてもよい。
【0162】
酵母は、酵母懸濁液のまま原材料に添加してもよいし、遠心分離あるいは沈降により酵母を濃縮したスラリーを発酵前液に添加してもよい。また、遠心分離の後、完全に上澄みを取り除いたものを添加してもよい。酵母の原液への添加量は適宜設定できるが、例えば、5×10cells/mL~1×10cells/mL程度である。
【0163】
アルコール発酵を行う際の発酵温度および発酵期間等の諸条件は、適宜設定することができ、例えば、8~25℃、5~10日間の条件で発酵させてもよい。発酵工程の途中で発酵液の温度(昇温または降温)もしくは圧力を変化させてもよい。
また、本工程の終了後に、ろ過機等で酵母を取り除き、必要に応じて水や香料、酸味料、色素等の添加剤を加えてもよい。
【0164】
これらの工程後、貯酒工程及びろ過工程等の当業者に周知のビールテイスト飲料の製造で行われる工程を行ってもよい。
このようにして得られた発酵ビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
発酵ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、発酵ビールテイスト飲料は容器に充填及び密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態及び材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、上述のとおりである。
【0165】
5.2 非発酵ビールテイスト飲料の製造方法
本発明の一態様の加工食品である非発酵ビールテイスト飲料の製造方法としては、下記工程(1)、工程(2)及び工程(4)を有する方法が挙げられる。
・工程(1):原材料に対して、糖化処理、煮沸処理、及び固形分除去処理の少なくとも1つの処理を行い、飲料前液を得る工程。
・工程(2):工程(1)で得た飲料前液を冷却し、冷却発酵前液を得る工程。
・工程(4):工程(2)で得た冷却飲料前液に、炭酸ガスを加える工程。
【0166】
工程(1)及び(2)については、上述の「発酵ビールテイスト飲料の製造方法」における「発酵前液」及び「冷却発酵前液」の調整法と同じである。
なお、非発酵ノンアルコールビールテイスト飲料とする場合は、このまま工程(4)を行ってもよい。
非発酵アルコール含有ビールテイスト飲料とする場合には、工程(1)で得た飲料前液、及び/又は、工程(2)で得た冷却飲料前液に、さらにスピリッツ、ウイスキー、焼酎等の蒸留酒を配合して、アルコール含有飲料に調整してもよい。
【0167】
また、工程(4)において炭酸ガスを加える方法としては、工程(2)で得た冷却飲料前液と炭酸水との混和によって加えてもよく、または冷却飲料原液に炭酸ガスを直接添加してもよい。
なお、炭酸ガスを加える際に、必要に応じて、保存料、甘味料、香料、酸味料、色素等の添加剤を加えてもよい。
【0168】
当該非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、前記工程(a)は、下記の(i)~(v)のいずれか1つ以上のタイミングで行うことができる。
・(i):工程(1)の前
・(ii):工程(1)、工程(2)、及び工程(4)の少なくとも1つの工程と同時
・(iii):工程(1)と工程(2)の間
・(iv):工程(2)と工程(4)の間
・(v):工程(4)の後
なお、非発酵アルコール含有ビールテイスト飲料とする場合には、スピリッツ、ウイスキー、焼酎等の蒸留酒を配合する際に同時に、工程(a)を行ってもよい。
【0169】
また、前記工程(a)において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加した後に、ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加してもよく、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤とウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤との混合物を同時に添加してもよい。また、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性の双方を有する加工食品用添加剤を添加してもよい。
【0170】
また、非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、さらにプリン体の含有量を低減させた飲料とする観点から、さらに、プリンヌクレオシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加する工程(b)を有してもよい。
工程(b)は、工程(a)の前、工程(a)と同様に、及び、工程(a)の後に行うことができるが、効果的にプリン体を低減する観点から、工程(a)の前、及び/又は、工程(a)と同様に行うことが好ましく、少なくとも工程(a)の前に行うことがより好ましい。
また、工程(b)は、工程(1)と同時に又は工程(1)の終了後、もしくは、工程(4)と同時に又は工程(4)の終了後に行ってもよい。
【0171】
非発酵ビールテイスト飲料の製造方法において、原材料として苦味価が5BUs以上の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有することが好ましい。また、原材料として苦味価が5BUs未満の飲料を製造する場合には、ホップを添加する工程を有しないことが好ましい。ホップを添加する工程は、工程(1)と同時に行うことが好ましい。
【0172】
このようにして得られた非発酵ビールテイスト飲料は、所定の容器に充填され、製品として市場に流通する。
非発酵ビールテイスト飲料の容器詰め方法としては、特に限定されず、当業者に周知の容器詰め方法を用いることができる。容器詰め工程によって、非発酵ビールテイスト飲料は容器に充填及び密閉される。容器詰め工程には、いずれの形態及び材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、上述のとおりである。
【0173】
6.加工食品のプリン体低減方法
本発明の一態様のプリン体低減方法は、加工食品の製造過程において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加して、キサンチンを尿酸に変化させることでプリン体の含有量を低減させる方法である。
キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤については、上述のとおりである。キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加後の加熱温度、加熱時間、及びpHは、上述のとおりである。
【0174】
また、本発明の一態様のプリン体低減方法は、加工食品の製造過程において、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤及びウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加して、キサンチンを尿酸とし、さらに尿酸をアラントインに変化させることでプリン体の含有量を低減させる方法であってもよい。
ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤については、上述のとおりである。ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加後の加熱温度、加熱時間、及びpHは、上述のとおりである。
【0175】
本発明の一態様のプリン体低減方法において、プリン体の低減の対象となる加工食品は、特に制限はなく上述のとおりであるが、プリン体を多く含む原材料(特に麦芽)を用いているため、ビールテイスト飲料が好ましい。
本発明の一態様のプリン体低減方法によれば、ビールテイスト飲料のようにプリン体を多く含む加工食品に対しても、効果的にプリン体を低減させることができる。
【実施例0176】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。なお、アデニン、グアニン、キサンチン、尿酸、アラントイン、総プリン体、ピログルタミン酸、及びプロリンの含有量、並びに、加工食品用添加剤のキサンチンオキシダーゼ活性値及びウリカーゼ活性値は、上述の方法に準拠して測定した値である。
【0177】
[キサンチンオキシダーゼ処理及びウリカーゼ処理を施した飲料]
比較例A-1
粉砕した大麦麦芽を40~55℃で保持された温水40Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に昇温及び保持を繰り返しながら78℃まで昇温した後、濾過して麦芽粕を除去して、糖化液を得た。次いで、糖化液にさらにホップを添加して煮沸を行い、固液分離処理して、清澄な麦汁を得た。そして、当該麦汁を冷却した発酵前液に、ビール酵母(下面発酵酵母)を添加して、アルコール度数が5v/v%となるようにアルコール発酵を行った後、酵母を濾過して除去し、麦芽比率100質量%、原麦汁エキス濃度12.5質量%のビールテイスト飲料(a-0)を製造した。
【0178】
実施例A-1
比較例A-1と同様に製造したビールテイスト飲料(a-0)1mLに対して、100U/mLのキサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を10μL添加して十分に攪拌し、40℃で120分間静置して、キサンチンオキシダーゼ処理を施し、ビールテイスト飲料(a-1)を製造した。なお、ビールテイスト飲料(a-1)は、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いていることから、上述の成分(X)を含有している。
【0179】
実施例A-2
実施例A-1と同様に製造したビールテイスト飲料(a-1)1mLに対して、100U/mLのウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を10μL添加して十分に攪拌し、40℃で120分間静置して、ウリカーゼ処理を施し、ビールテイスト飲料(a-2)を製造した。なお、ビールテイスト飲料(a-2)は、上述の成分(X)と共に、ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を用いていることから、上述の成分(U)を含有している。
【0180】
製造したビールテイスト飲料(a-0)~(a-2)について、キサンチン、尿酸、及びアラントインの含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0181】
【表1】
【0182】
表1中の実施例A-1と比較例A-1とを比べると、キサンチンオキシダーゼ処理によって、キサンチンが減少し、尿酸が生成されたことが分かる。また、実施例A-1と実施例A-2とを比べると、ウリカーゼ処理によって、尿酸が減少し、アラントインが生成されたことが分かる。
このことから、キサンチンの含有量を減少させるためには、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤の添加が有効であることが確認された。また、尿酸を減少させるには、ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤の添加が有効であることが確認された。
【0183】
[キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性のpH及び温度による影響]
実施例B-1~B-18
表2に示す種類の試験液1mLに、100U/mLのキサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤10μLと、100U/mLのウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤10μLとを同時に添加して、表2に示す温度で16時間静置した。16時間静置後の試験液のキサンチン濃度及び尿酸濃度を測定し、下記式からそれぞれの低減率を算出した。
・[低減率(%)]=100-[16時間静置後の試験液のキサンチン濃度又は尿酸濃度(mg/100mL)]/[添加剤添加前の試験液のキサンチン濃度又は尿酸濃度]×100
【0184】
実施例で使用した表2に示す試験液A~Hは、以下のとおりである。
・試験液A:ベース液である0.1M酢酸緩衝液に、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=2.05mg/100mL、尿酸濃度=1.86mg/100mL、pH=3.5に調製した溶液。
・試験液B:ベース液である0.1M酢酸緩衝液に、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=1.79mg/100mL、尿酸濃度=1.73mg/100mL、pH=4.0に調製した溶液。
・試験液C:ベース液である0.1M酢酸緩衝液に、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=1.68mg/100mL、尿酸濃度=1.77mg/100mL、pH=4.5に調製した溶液。
・試験液D:ベース液である0.1M酢酸緩衝液に、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=1.89mg/100mL、尿酸濃度=1.74mg/100mL、pH=5.5に調製した溶液。
・試験液E:ベース液である0.1Mリン酸緩衝液に、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=1.87mg/100mL、尿酸濃度=1.73mg/100mL、pH=6.0に調製した溶液。
・試験液F:原材料として麦芽、ショ糖、及びホップを用いて、常法に基づいて製造した、麦芽比率51質量%の麦芽発酵飲料(19℃)をベース液とし、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=0.72mg/100mL、尿酸濃度=1.02mg/100mL、pH=4.0に調製した溶液。
・試験液G:原材料として麦芽、ショ糖、及びホップを用いて、常法に基づいて製造した、麦芽比率51質量%の麦芽発酵飲料(19℃)をベース液とし、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=0.82mg/100mL、尿酸濃度=1.18mg/100mL、pH=4.5に調製した溶液。
・試験液H:原材料として麦芽及びショ糖を用いて、常法に基づいて製造した、麦芽比率51質量%の発酵前麦汁(19℃)をベース液とし、キサンチン及び尿酸を添加して、キサンチン濃度=0.17mg/100mL、尿酸濃度=0.60mg/100mL、pH=5.5に調製した溶液。
【0185】
【表2】
【0186】
表2によれば、試験液A~HのpH及び温度のいずれにおいても、キサンチンオキシダーゼ活性及びウリカーゼ活性が発現され、キサンチン及び尿酸が分解されることが確認された。
【0187】
[プリン体の低減したビールテイスト飲料]
実施例C-1-1~C-4-2、比較例C-1-1~C-1-1
粉砕した大麦麦芽、及び、表3に示す麦芽比率となるように必要に応じてショ糖を原材料として40~55℃で保持された温水40Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に昇温及び保持を繰り返しながら78℃まで昇温した後、濾過して麦芽粕を除去して、糖化液を得た。次いで、糖化液にさらにホップを添加して煮沸を行い、固液分離処理して、清澄な麦汁を得た。そして、比較例C-1-1以外の実施例及び比較例では、冷却した当該麦汁に、下記に示す(1)プリンヌクレオシダーゼ処理を行ったものを発酵前液とした。比較例C-1-1では、前記麦汁を冷却したものを発酵前液とした。次に、当該発酵前液にビール酵母(下面発酵酵母)を添加してアルコール発酵を行い、酵母を濾過して除去し、発酵溶液を得た。
そして、キサンチンオキシダーゼ処理及びウリカーゼ処理を行う場合には、得られた発酵溶液に対して、下記に示す(2)キサンチンオキシダーゼ処理、及び、下記に示す(3)ウリカーゼ処理をこの順で行った。
(1)プリンヌクレオシダーゼ処理
発酵前液100mLに対して、160U/mLのプリンヌクレオシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を130μL添加して、50℃で2時間静置した。
(2)キサンチンオキシダーゼ処理
発酵溶液100mLに対して、100U/mLのキサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を1000μL添加して、40℃で16時間静置した。
なお、(2)キサンチンオキシダーゼ処理は、キサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加する工程を経て行ったため、当該処理を行い製造されたビールテイスト飲料には、上述の成分(X)を含有していると判断される。
(3)ウリカーゼ処理
発酵溶液100mLに対して、100U/mLのウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を1000μL添加して、40℃で16時間静置した。
なお、(3)ウリカーゼ処理は、ウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を添加する工程を経て行ったため、当該処理を行い製造されたビールテイスト飲料には、上述の成分(U)を含有していると判断される。
【0188】
得られたビールテイスト飲料について、各種含有量、麦芽比率、原麦汁エキス濃度、アルコール度数、及びプロリンの含有量を表3に示す。また、ビールテイスト飲料らしい味わいの有無についての官能評価を以下のとおり行った。
<官能評価>
4℃程度まで冷却した実施例及び比較例で得た飲料について、日頃から訓練を受けた5人のパネラーが、各試験用飲料の「ビールテイスト飲料らしい味わいの有無」について、下記のスコア基準に基づき、5.0(最大値)~1.0(最小値)の範囲で、0.1刻みのスコアにて評価し、5人のパネラーのスコアの平均値を算出した。結果を表3に示す。
なお、評価に際しては、下記基準「5.0」、「4.0」、「3.0」、「2.0」及び「1.0」に適合するサンプルを予め用意し、各パネラー間での基準の統一を図った。また、同じ飲料に対して、各パネラー間での2.0以上のスコアの値の差異は確認されなかった。
【0189】
[ビールテイスト飲料らしい味わいの有無のスコア基準]
・「5.0」:ビールテイスト飲料らしい味わいが非常に強く感じられる。
・「4.0」:ビールテイスト飲料らしい味わいが十分に感じられる。
・「3.0」:ビールテイスト飲料らしい味わいが感じられる。
・「2.0」:ビールテイスト飲料らしい味わいがほとんど感じられない。
・「1.0」:ビールテイスト飲料らしい味わいが全く感じられない。
【0190】
【表3】
【0191】
表3より、実施例で調製したビールテイスト飲料は、キサンチンが分解され、プリン体の含有量が低減されており、ビールテイスト飲料らしい味わいも感じられる結果となった。
【0192】
[プリン体の低減方法の違いによる香気成分の含有量]
調製例D-0
粉砕した大麦麦芽、及び、表4に示す麦芽比率となるように必要に応じてショ糖を原材料として40~55℃で保持された温水40Lが入った仕込槽に投入した後、段階的に昇温及び保持を繰り返しながら78℃まで昇温した後、濾過して麦芽粕を除去して、糖化液を得た。次いで、糖化液にさらにホップを添加して煮沸を行い、固液分離処理して、清澄な麦汁を得た。そして、冷却した当該麦汁100mLに対して、160U/mLのプリンヌクレオシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を130μL添加して、50℃で2時間静置してプリンヌクレオシダーゼ処理を施し、発酵前液を得た。次に、当該発酵前液に、ビール酵母(下面発酵酵母)を添加してアルコール発酵を行った後、酵母を濾過して除去し、発酵溶液(d-0)を得た。
【0193】
実施例D-1
調製例D-0で得た発酵溶液(d-0)100mLに対して、100U/mLのキサンチンオキシダーゼ活性を有する加工食品用添加剤を1000μL添加して、40℃で16時間静置してキサンチンオキシダーゼ処理を施した。そして、キサンチンオキシダーゼ処理後の発酵溶液100mLに対して、100U/mLのウリカーゼ活性を有する加工食品用添加剤を1000μL添加して、40℃で16時間静置してウリカーゼ処理を施して、ビールテイスト飲料(d-1)を得た。
【0194】
比較例D-1
調製例D-0で得た発酵溶液(d-0)100mLに対して、活性白土を3000質量ppmとなるように加え、溶液中で活性白土が均一となるように軽く撹拌を行った。その後、1時間静置して溶液と活性白土とを接触させた。1時間の接触後、活性白土を濾過して除去し、ビールテイスト飲料(d-i)を得た。
【0195】
比較例D-2
調製例D-0で得た発酵溶液(d-0)100mLに対して、活性炭を3000質量ppmとなるように加え、溶液中で活性炭が均一となるように軽く撹拌を行った。その後、1時間静置して溶液と活性炭とを接触させた。1時間の接触後、活性炭を濾過して除去し、ビールテイスト飲料(d-ii)を得た。
【0196】
このように調製した発酵溶液(d-0)、並びに、ビールテイスト飲料(d-1)、(d-i)及び(d-ii)について、表4に記載の各種性状を測定したところ、表4のとおりとなった。
【0197】
【表4】
【0198】
表4より、実施例D-1で調製したビールテイスト飲料(d-1)は、プリン体の含有量が低減されつつも、ビール特有の香気成分(エステル成分やアルコール成分等)が保持されていることが確認された。一方で、比較例D―1及びD―2で調製したビールテイスト飲料(d-i)及び(d―ii)は、プリン体の含有量は低減されているが、調製例D-0で調製した発酵溶液(d-0)に比べて、エステル成分やアルコール成分等の香気成分の低下が見られた。