(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102350
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】標的部分を拡張するための医療装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/844 20130101AFI20240723BHJP
A61F 2/07 20130101ALI20240723BHJP
【FI】
A61F2/844
A61F2/07
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024079872
(22)【出願日】2024-05-16
(62)【分割の表示】P 2022554241の分割
【原出願日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】62/986,811
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517012545
【氏名又は名称】チェン シェシャオ
【氏名又は名称原語表記】Chen,Chieh Hsiao
【住所又は居所原語表記】No. 500-5, Sec. 2, Xiangshun Rd., Beitun Dist., Taichung City 406, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100125450
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 広明
(72)【発明者】
【氏名】チェン シェシャオ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】標的組織を拡張するように適合され、拡張プロセスの開始時に拡張される側部を有する医療装置を提供する。
【解決手段】医療装置100は、第1の側部112と、第2の側部116と、第1の側部と第2の側部とを接続し、第1の側部と第2の側部との間に配置された中間部114とを含む。医療装置は拡張機構を有する。拡張機構は、第1の基準が満たされているときに第1の側部および第2の側部が第1の拡張状態にあることを可能にし、第2の基準が満たされているときに中間部が第2の拡張状態にあることを可能にするが、第1の基準が満たされているときに中間部が第2の拡張状態にあることを可能にしない。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側部と、
第2の側部と、
前記第1の側部と前記第2の側部とを接続し、該第1の側部と該第2の側部との間に配置された中間部と
を備える、標的組織を拡張するための医療装置であって、
前記医療装置が、第1の基準が満たされているときに前記第1の側部および前記第2の側部が第1の拡張状態にあることを可能にし、第2の基準が満たされているときに前記中間部が第2の拡張状態にあることを可能にする拡張機構を有し、
前記中間部が、前記第1の基準が満たされているときに前記第2の拡張状態になく、
前記第1の側部と、前記第2の側部と、前記中間部とを備えるステント本体を有し、
前記第1の基準は、前記ステント本体が第1の温度に達したことについて規定され、前記第2の基準は、前記ステント本体が第2の温度に達したことについて規定され、前記第1の温度が前記第2の温度よりも低い、
医療装置。
【請求項2】
拡張プロセス中に、前記医療装置が前記第1の基準を満たし、次に前記第2の基準を満たす、
請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記標的組織が血管であり、前記医療装置が血管拡張装置である、
請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記拡張機構は、前記第1の側部が第1の形状記憶金属で作られ、前記第2の側部が第2の形状記憶金属で作られ、前記中間部が第3の形状記憶金属で作られることを可能にし、前記第1の側部および前記第2の側部は、前記第1の基準が満たされているときに前記第1の拡張状態にあり、前記中間部は、前記第2の基準が満たされているときに前記第2の拡張状態にあり、前記中間部は、前記第1の基準が満たされているときに前記第2の拡張状態にない、
請求項1に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、標的組織を拡張するための医療装置に関し、より詳細には、標的組織を拡張するように適合され、拡張プロセスの開始時に拡張される側部を有する医療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
標的組織を拡張するための既存の従来の医療装置、例えば血管を拡張するための医療用ステントは、ほとんどが紡錘状の形状である。その結果、既存の従来の医療装置はしっかりと固定することができない。その結果、現存する従来の医療装置は、定位置に取り付けられている間または拡張されている間に摺動する可能性があり、それにより、医療装置を標的位置に固定することが困難になる。したがって、標的組織を拡張するための医療装置を提供する必要があり、医療装置は所定の位置にしっかりと固定されて、医療装置が所定の位置に取り付けられている間に摺動することを防止する。
【発明の概要】
【0003】
従来技術の前述の欠点を考慮して、本開示の目的は、標的組織を拡張するための医療装置を提供することであり、医療装置は所定の位置にしっかりと固定されて、医療装置が所定の位置に取り付けられている間に摺動することを防止する。
【0004】
上記および他の目的を達成するために、本開示は、第1の側部と、第2の側部と、第1の側部と第2の側部とを接続し、第1の側部と第2の側部との間に配置された中間部とを備える、標的組織を拡張するための医療装置を提供する。医療装置は、第1の基準が満たされているときに第1の側部および第2の側部を第1の拡張状態にし、第2の基準が満たされているときに中間部を第2の拡張状態にするための拡張機構を有する。第1の基準が満たされているとき、中間部は第2の拡張状態にない。
【0005】
本開示の好ましい実施形態では、拡張プロセス中に、医療装置は第1の基準を満たし、次に第2の基準を満たす。
【0006】
本開示の好ましい実施形態では、標的組織は血管であり、医療装置は血管拡張装置である。
【0007】
本開示の好ましい実施形態において、医療装置は、第1の側部と、第2の側部と、中間部とを備えるステント本体を有する。
【0008】
本開示の好ましい実施形態では、拡張機構は、第1の側部が第1の形状記憶金属で作られ、第2の側部が第2の形状記憶金属で作られ、中間部が第3の形状記憶金属で作られることを可能にし、第1の側部および第2の側部は、第1の基準が満たされているときに第1の拡張状態にあり、中間部は、第2の基準が満たされているときに第2の拡張状態にあり、中間部は、第1の基準が満たされているときに第2の拡張状態にない。
【0009】
本開示の好ましい実施形態において、第1の基準は、ステント本体が第1の温度に達したことについて規定され、第2の基準は、ステント本体が第2の温度に達したことについて規定され、第1の温度は第2の温度よりも低い。
【0010】
本開示の好ましい実施形態では、医療装置はバルーン本体を有し、バルーン本体は、第1の側部と、第2の側部と、中間部とを含む。
【0011】
本開示の好ましい実施形態では、拡張機構は、第1の側部が第1の密度であり、第2の側部が第2の密度であり、中間部が第3の密度であり、第3の密度が第1の密度および第2の密度とは異なることを可能にする。
【0012】
本開示の好ましい実施形態では、拡張機構は、第1の側部が第1の厚さであり、第2の側部が第2の厚さであり、中間部が第3の厚さであり、第3の厚さが第1の厚さおよび第2の厚さとは異なることを可能にする。
【0013】
本開示の好ましい実施形態では、第1の基準は、バルーン本体が内部的に第1の灌流圧力下にあることについて規定され、第2の基準は、バルーン本体が内部的に第2の灌流圧力下にあることについて規定され、第1の灌流圧力は第2の灌流圧力よりも低い。
【0014】
本開示の好ましい実施形態では、第1の側部は第1の補助部材を有し、第2の側部は第2の補助部材を有し、中間部は第3の補助部材を有し、拡張機構は、第3の補助部材が第1の補助部材よりも大きな弾性係数を有することを可能にし、第3の補助部材が第2の補助部材よりも大きな弾性係数を有することを可能にする。
【0015】
本開示の好ましい実施形態では、第1の側部は第1の補助部材を有し、第2の側部は第2の補助部材を有し、中間部は第3の補助部材を有し、拡張機構は、第3の補助部材の第3の配置密度を第1の補助部材の第1の配置密度よりも大きくすることを可能にし、第3の補助部材の第3の配置密度を第2の補助部材の第2の配置密度よりも大きくすることを可能にする。
【0016】
本開示の好ましい実施形態では、第1の側部は第1の補助部材を有し、第2の側部は第2の補助部材を有し、中間部は第3の補助部材を有し、拡張機構は、第3の補助部材の第3の延伸方向がバルーン本体の表面延伸方向に対して垂直であることを可能にし、第1の補助部材の第1の延伸方向および/または第2の補助部材の第2の延伸方向が、表面延伸方向に対して平行であることを可能にする。
【0017】
本開示の前述の態様および他の態様は、非限定的な特定の実施形態によって示され、添付の図面によって示され、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0019】
【
図1B】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0020】
【
図1C】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0021】
【
図2A】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0022】
【
図2B】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0023】
【
図2C】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0024】
【
図3】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0025】
【
図4】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【0026】
【
図5】本開示の特定の実施形態による、標的組織を拡張するための医療装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1Aから
図1Cを参照すると、本開示の特定の実施形態による標的組織を拡張するための医療装置の概略図が示されている。
図1Aから
図1Cによって示される実施形態において、標的組織を拡張するための医療装置100は、ステント本体110を備える。(特定の実施形態において、医療装置100は、ステント本体110によって形成される。)ステント本体110は、第1の側部112と、中間部114と、第2の側部116とを備える。中間部114は、第1の側部112と第2の側部116とを接続する。中間部114は、第1の側部112と第2の側部116との間に配置されている。医療装置100は拡張機構を有する。拡張機構は、第1の基準が満たされているときに第1の側部112および第2の側部116が第1の拡張状態にあることを可能にする。(
図1Bを参照すると、第1の基準が満たされているときの拡張状態の医療装置100の概略図が示されている。)拡張機構はさらに、第2の基準が満たされているときに中間部114が第2の拡張状態にあることを可能にする。(
図1Cを参照すると、第2の基準が満たされているときの拡張状態の医療装置100の概略図が示されている。)
図1Bに示す実施形態では、第1の基準が満たされているとき、中間部114は第2の拡張状態にない。
【0028】
特定の実施形態では、医療装置100のステント本体110が収縮状態にあるとき(すなわち、医療装置100は
図1Aに示すように収縮状態にある)、外科医は、医療装置100を移動させて、それを標的組織内の標的位置に配置する。次に、外科医は、ステント本体110が第1の基準を満たすことを可能にし、それによって、第1の側部112および第2の側部116が第1の拡張状態にあり、中間部114が収縮状態にあることを確実にする。このとき、ステント本体110がダンベル形状であることにより、第1の拡張状態の第1および第2の側部112,116によってステント本体110を標的組織内の標的位置にしっかりと固定することができ、標的組織におけるステント本体110の摺動を防止することができる。次に、外科医は、ステント本体110が第2の基準を満たすことを可能にし、それにより、中間部114が第2の拡張状態にあることを確実にし、したがって拡張処置を終了する。ステント本体110が第2の基準を満たしているとき、第1の側部112、中間部114および第2の側部116は拡張状態にある。本開示によれば、標的組織を拡張するための医療装置は、拡張プロセス中に2段階拡張モード(第1の基準に関連するダンベル形状の拡張状態を特徴とする第1の段階と、第2の基準に関連する完全拡張状態を特徴とする第2の段階とを含む)で動作して、標的組織内の医療装置が標的組織内で摺動した結果誤って配置されるのを防ぐ。
【0029】
特定の実施形態では、医療装置100の拡張機構は、第1の側部112が第1の形状記憶金属で作られ、第2の側部116が第2の形状記憶金属で作られ、中間部114が第3の形状記憶金属で作られることを可能にする。第1の基準が満たされると、第1の側部112および第2の側部116は、第1の側部112および第2の側部116が第1の拡張状態にあるように元の形状(すなわち、拡張状態)に戻る。第2の基準が満たされると、中間部114は、中間部114が第2の拡張状態にあるように元の形状(すなわち、拡張状態)に戻る。中間部114は、第1の基準が満たされているときに元の形状に戻ることができないため、第1の基準が満たされているときに中間部114は第2の拡張状態ではない。
【0030】
特定の実施形態では、拡張プロセス中に、医療装置100は第1の基準を満たし、次に第2の基準を満たす。測定の実施形態では、第1の基準は、ステント本体110が第1の温度に達したことについて規定され、第2の基準は、ステント本体110が第2の温度に達したことについて規定される。第1の温度は、第2の温度よりも低い。特定の実施形態では、灌流液が与えられると、ステント本体110は第1の温度に達し、次に第2の温度に達する。本開示による標的組織を拡張するための医療装置の動作は、灌流液を用いてステント本体を第1の温度または第2の温度に到達させることに限定されず、必要に応じて、電流を流したり、任意の他の手段を用いてステント本体を第1の温度または第2の温度に到達させることも含み得る。
【0031】
図2Aから
図2Cを参照すると、本開示の特定の実施形態による標的組織を拡張するための医療装置の概略図が示されている。
図2Aから
図2Cに示す実施形態では、標的組織を拡張するための医療装置200は、バルーン本体210と膨らませる部分220とを含む。バルーン本体210は、第1の側部212と、中間部214と、第2の側部216とを備える。中間部214は、第1の側部212と第2の側部216とを接続する。中間部214は、第1の側部212と第2の側部216との間に配置されている。膨らませる部分220は、バルーン本体210の第1の側部212に接続されており、したがって、流体(例えば、気体または液体)が膨らませる部分220を通ってバルーン本体210内に導入される。
図2Aから
図2Cに示す実施形態では、医療装置200は拡張機構を有する。拡張機構は、第1の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Bに示すように第1の基準に関連する拡張状態にある)、第1の側部212および第2の側部216が第1の拡張状態にあることを可能にする。拡張機構はさらに、第2の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Cに示すように第2の基準に関連する拡張状態にある)、中間部214が第2の拡張状態にあることを可能にする。
図2Bに示す実施形態では、第1の基準が満たされているとき、中間部214は第2の拡張状態にない。
【0032】
特定の実施形態では、医療装置200のバルーン本体210が収縮状態にあるとき(すなわち、医療装置200は
図2Aに示すように収縮状態にある)、外科医は、医療装置200を移動させて、それを標的組織内の標的位置に配置する。次に、外科医は、バルーン本体210が第1の基準を満たすことを可能にし、それによって、第1の側部212および第2の側部216が第1の拡張状態にあり、中間部214が収縮状態にあることを確実にする。このとき、バルーン本体210がダンベル形状であることにより、第1の拡張状態の第1および第2の側部212,216によってバルーン本体210を標的組織内の標的位置にしっかりと固定することができ、標的組織におけるバルーン本体210の摺動を防止することができる。次に、外科医は、バルーン本体210が第2の基準を満たすことを可能にし、それにより、中間部214が第2の拡張状態にあることを確実にし、したがって拡張処置を終了する。バルーン本体210が第2の基準を満たしているとき、第1の側部212、中間部214および第2の側部216は拡張状態にある。本開示によれば、標的組織を拡張するための医療装置は、拡張プロセス中に2段階拡張モード(第1の基準に関連するダンベル形状の拡張状態を特徴とする第1の段階と、第2の基準に関連する完全拡張状態を特徴とする第2の段階とを含む)で動作して、標的組織内の医療装置が標的組織内で摺動した結果誤って配置されるのを防ぐ。
【0033】
特定の実施形態では、医療装置200の拡張機構は、第1の側部212が第1の密度であり、第2の側部216が第2の密度であり、中間部214が第3の密度であることを可能にする。第3の密度は、第1の密度および第2の密度とは異なる。特定の実施形態では、第3の密度は、第1の密度および第2の密度よりも高い。第1の基準は、バルーン本体が内部的に第1の灌流圧力下にあることについて規定され、第2の基準は、バルーン本体が内部的に第2の灌流圧力下にあることについて規定される。第1の灌流圧力は、第2の灌流圧力よりも低い。したがって、バルーン本体210が第1の基準を満たしているとき、第1の側部212および第2の側部216は第1の拡張状態にあり、中間部214は収縮状態にある。バルーン本体210が第2の基準にあるとき、第1の側部212、中間部214および第2の側部216は拡張状態にある。特定の実施形態では、第1の密度は第2の密度に等しい。特定の実施形態では、拡張プロセス中に、医療装置200は第1の基準を満たし、次に第2の基準を満たす。
【0034】
特定の実施形態では、医療装置200の拡張機構は、第1の側部212が第1の厚さであり、第2の側部216が第2の厚さであり、中間部214が第3の厚さであることを可能にする。第3の厚さは、第1の厚さおよび第2の厚さとは異なる。特定の実施形態では、第3の厚さは、第1の厚さおよび第2の厚さよりも厚い。第1の基準は、バルーン本体が内部的に第1の灌流圧力下にあることについて規定され、第2の基準は、バルーン本体が内部的に第2の灌流圧力下にあることについて規定される。第1の灌流圧力は、第2の灌流圧力よりも低い。したがって、バルーン本体210が第1の基準を満たしているとき、第1の側部212および第2の側部216は第1の拡張状態にあり、中間部214は収縮状態にある。バルーン本体210が第2の基準を満たしているとき、第1の側部212、中間部214および第2の側部216は拡張状態にある。特定の実施形態では、第1の厚さは第2の厚さに等しい。特定の実施形態では、拡張プロセス中に、医療装置200は第1の基準を満たし、次に第2の基準を満たす。
【0035】
特定の実施形態では、本開示によれば、標的組織を拡張するための医療装置は、標的組織内の血管(すなわち、動脈および静脈)を拡張する際に使用するための血管拡張装置である。本開示によれば、標的組織を拡張するための医療装置は、血管拡張装置に限定されない。本開示の医療装置の用途は、血管に限定されない。代わりに、本開示の医療装置を使用して、必要に応じて人体の任意の組織を拡張することもできる。本開示によれば、標的組織を拡張するための医療装置は、標的組織のサイズに応じて様々なサイズである。
【0036】
図3は、本開示の特定の実施形態による標的組織を拡張するための医療装置の概略図を示す。
図3に示す実施形態では、標的組織を拡張するための医療装置300は、バルーン本体310と膨らませる部分320とを含む。バルーン本体310は、第1の側部312と、中間部314と、第2の側部316とを備える。中間部314は、第1の側部312と第2の側部316とを接続する。中間部314は、第1の側部312と第2の側部316との間に配置されている。膨らませる部分320は、バルーン本体310の第1の側部312に接続されており、したがって、流体(例えば、気体または液体)が膨らませる部分320を通ってバルーン本体310内に導入される。医療装置300は拡張機構を有する。拡張機構は、第1の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Bに示すように第1の基準に関連する拡張状態にある)、第1の側部312および第2の側部316が第1の拡張状態にあることを可能にする。拡張機構はさらに、第2の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Cに示すように第2の基準に関連する拡張状態にある)、中間部314が第2の拡張状態にあることを可能にする。第1の基準が満たされているとき、中間部314は第2の拡張状態にない。
【0037】
図3に示す実施形態では、第1の側部312は第1の補助部材312A,312Bを有し、第2の側部316は第2の補助部材316A,316Bを有し、中間部314は第3の補助部材314A,314Bを有する。第1の補助部材312A、312Bは第1の弾性係数を有し、第2の補助部材316A、316Bは第2の弾性係数を有し、第3の補助部材314A、314Bは第3の弾性係数を有する。医療装置300の拡張機構は、第3の補助部材314A、314Bの第3の弾性係数を第1の補助部材312A、312Bの第1の弾性係数よりも大きくすることを可能にし、第3の補助部材314A、314Bの第3の弾性係数を第2の補助部材316A、316Bの第2の弾性係数よりも大きくすることを可能にする。したがって、拡張プロセス中に、医療装置300は第1の基準を満たし、次に第2の基準を満たす。特定の実施形態では、第1の補助部材312A、312B、第2の補助部材316A、316B、および第3の補助部材314A、314Bは布地である。特定の実施形態では、第1の補助部材312A、312Bは、それぞれ第3の補助部材314A、314Bに接続され、第2の補助部材316A、316Bは、それぞれ第3の補助部材314A、314Bに接続される。別の実施形態では、第1の補助部材312A、312Bは第3の補助部材314A、314Bに接続されず、第2の補助部材316A、316Bは第3の補助部材314A、314Bに接続されない。第1の補助部材312A,312Bの延伸方向は、必要に応じてバルーン本体310の表面延伸方向318と平行であるか、必要に応じてバルーン本体310の表面延伸方向318と垂直であるが、本開示はこれに限定されない。第2の補助部材316A,316Bの延伸方向は、必要に応じてバルーン本体310の表面延伸方向318と平行であるか、必要に応じてバルーン本体310の表面延伸方向318と垂直であるが、本開示はこれに限定されない。第3の補助部材314A,314Bの延伸方向は、必要に応じてバルーン本体310の表面延伸方向318と平行であるか、必要に応じてバルーン本体310の表面延伸方向318と垂直であるが、本開示はこれに限定されない。
【0038】
図4は、本開示の特定の実施形態による標的組織を拡張するための医療装置の概略図を示す。
図4に示す実施形態では、標的組織を拡張するための医療装置400は、バルーン本体410と膨らませる部分420とを含む。バルーン本体410は、第1の側部412と、中間部414と、第2の側部416とを備える。中間部414は、第1の側部412と第2の側部416とを接続する。中間部414は、第1の側部412と第2の側部416との間に配置されている。膨らませる部分420は、バルーン本体410の第1の側部412に接続されており、したがって、流体(例えば、気体または液体)が膨らませる部分420を通ってバルーン本体410内に導入される。医療装置400は拡張機構を有する。拡張機構は、第1の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Bに示すように第1の基準に関連する拡張状態にある)、第1の側部412および第2の側部416が第1の拡張状態にあることを可能にする。拡張機構はさらに、第2の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Cに示すように第2の基準に関連する拡張状態にある)、中間部414が第2の拡張状態にあることを可能にする。第1の基準が満たされているとき、中間部414は第2の拡張状態にない。
【0039】
図4に示す実施形態では、第1の側部412は第1の補助部材412A,412B,412Cを有し、第2の側部416は第2の補助部材416A,416B,416Cを有し、中間部414は第3の補助部材414A,414B,414Cを有する。第1の補助部材412A,412B,412Cは、それらの間に第1の配置密度を有する。第2の補助部材416A、416B、416Cは、それらの間に第2の配置密度を有する。第3の補助部材414A,414B,414Cは、それらの間に第3の配置密度を有する。医療装置400の拡張機構は、第3の補助部材414A、414B、414Cの第3の配置密度を第1の補助部材412A、412B、412Cの第1の配置密度よりも大きくすることを可能にし、第3の補助部材414A、414B、414Cの第3の配置密度を第2の補助部材416A、416B、416Cの第2の配置密度よりも大きくすることを可能にする。特定の実施形態では、第1の補助部材412A、412B、412C、第2の補助部材416A、416B、416Cおよび第3の補助部材414A、414B,414Cは布地である。特定の実施形態では、第1の補助部材は、第3の補助部材の少なくとも一部に接続され、第2の補助部材は、第3の補助部材の少なくとも一部に接続される。別の実施形態では、第1の補助部材は第3の補助部材に接続されず、第2の補助部材は第3の補助部材に接続されない。第1の補助部材412A,412B,412Cの延伸方向は、必要に応じてバルーン本体410の表面延伸方向418と平行であるか、必要に応じてバルーン本体410の表面延伸方向418と垂直であるが、本開示はこれに限定されない。第2の補助部材416A,416B,416Cの延伸方向は、必要に応じてバルーン本体410の表面延伸方向418と平行であるか、必要に応じてバルーン本体410の表面延伸方向418と垂直であるが、本開示はこれに限定されない。第3の補助部材414A,414B,414Cの延伸方向は、必要に応じてバルーン本体410の表面延伸方向418と平行であるか、必要に応じてバルーン本体410の表面延伸方向418と垂直であるが、本開示はこれに限定されない。
【0040】
図5は、本開示の特定の実施形態による標的組織を拡張するための医療装置の概略図を示す。
図5に示す実施形態では、標的組織を拡張するための医療装置500は、バルーン本体510と膨らませる部分520とを含む。バルーン本体510は、第1の側部512と、中間部514と、第2の側部516とを備える。中間部514は、第1の側部512と第2の側部516とを接続する。中間部514は、第1の側部512と第2の側部516との間に配置されている。膨らませる部分520は、バルーン本体510の第1の側部512に接続されており、したがって、流体(例えば、気体または液体)が膨らませる部分520を通ってバルーン本体510内に導入される。医療装置500は拡張機構を有する。拡張機構は、第1の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Bに示すように第1の基準に関連する拡張状態にある)、第1の側部512および第2の側部516が第1の拡張状態にあることを可能にする。拡張機構はさらに、第2の基準が満たされているとき(すなわち、医療装置200は
図2Cに示すように第2の基準に関連する拡張状態にある)、中間部514が第2の拡張状態にあることを可能にする。第1の基準が満たされているとき、中間部514は第2の拡張状態にない。
【0041】
図5に示す実施形態では、第1の側部512は第1の補助部材512A,512Bを有し、第2の側部516は第2の補助部材516A,516Bを有し、中間部514は第3の補助部材514A,514Bを有する。第1の補助部材512A,512Bは、第1の延伸方向を有する。第2の補助部材516A,516Bは、第2の延伸方向を有する。第3の補助部材514A,514Bは、第3の延伸方向を有する。医療装置500の拡張機構は、第3の補助部材514A、514Bの第3の延伸方向がバルーン本体510の表面延伸方向518に対して垂直であることを可能にし、第1の補助部材512A、512Bの第1の延伸方向および/または第2の補助部材516A、516Bの第2の延伸方向が、バルーン本体510の表面延伸方向518に対して平行であることを可能にする。特定の実施形態では、第1の補助部材512A、512B、第2の補助部材516A、516B、および第3の補助部材514A、514Bは布地である。特定の実施形態では、第1の補助部材は第3の補助部材に接続され、第2の補助部材は第3の補助部材に接続される。別の特定の実施形態では、第1の補助部材は第3の補助部材に接続されず、第2の補助部材は第3の補助部材に接続されない。
【0042】
本開示の標的組織を拡張するための医療装置は、図面によって示され、上述されている。本開示の特定の実施形態は、単に例示を目的とするものである。本開示の趣旨および特許請求の範囲から逸脱することなく特定の実施形態に加えられた様々な変更は、本開示の特許請求の範囲内にあるとみなされなければならない。したがって、本開示の趣旨および範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであり、本明細書に記載の特定の実施形態は、本開示を限定するものではない。