(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102357
(43)【公開日】2024-07-30
(54)【発明の名称】包装装置および包装物の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 49/08 20060101AFI20240723BHJP
【FI】
B65B49/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024080823
(22)【出願日】2024-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】506311068
【氏名又は名称】株式会社アビリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸
(74)【代理人】
【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】星 悠大
(72)【発明者】
【氏名】山下 剛
(72)【発明者】
【氏名】中野 大人
(72)【発明者】
【氏名】田村 斗唯
(72)【発明者】
【氏名】天野 裕介
(72)【発明者】
【氏名】西 百合恵
【テーマコード(参考)】
3E051
【Fターム(参考)】
3E051AA01
3E051AB02
3E051BA01
3E051CA10
3E051DA10
3E051EA01
3E051FC02
3E051HB02
3E051HC03
3E051HE05
(57)【要約】
【課題】実用レベルにおいてスクエア包みによりワークを自動で包装することができる包装装置および包装物の製造方法を提供する。
【解決手段】包装紙Pでスクエア包みによりワークを包装する包装装置であって、包装紙Pと当接する第1当接部511を有し、包装紙Pの上にワークWが置かれた状態で、第1当接部511を包装紙Pの下側から上方に向かいワークWの側面に沿って移動させることで、包装紙Pの四隅のうち1つの隅を含む隅部PCがワークWの側面に沿うように、包装紙Pを折り曲げる第1折り曲げ部51と、包装紙Pと当接する第2当接部521を有し、第1折り曲げ部51により包装紙Pを折り曲げた状態で、第2当接部521を包装紙Pの手前側からワークWがある奥側に向かいワークWの上面に沿って移動させることで、隅部PCがワークWの上面に沿うように、包装紙Pを折り曲げる第2折り曲げ部52と、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装紙でスクエア包みによりワークを包装する包装装置であって、
前記包装紙と当接する第1当接部を有し、包装紙の上にワークが置かれた状態で、前記第1当接部を前記包装紙の下側から上方に向かい前記ワークの側面に沿って移動させることで、前記包装紙の四隅のうち1つの隅を含む隅部が前記ワークの側面に沿うように、前記包装紙を折り曲げる第1折り曲げ部と、
前記包装紙と当接する第2当接部を有し、前記第1折り曲げ部により前記包装紙を折り曲げた状態で、前記第2当接部を前記包装紙の手前側から前記ワークがある奥側に向かい前記ワークの上面に沿って移動させることで、前記隅部が前記ワークの上面に沿うように、前記包装紙を折り曲げる第2折り曲げ部と、を有する包装装置。
【請求項2】
前記第1当接部は、開口部を有しており、
前記第2当接部は、前記開口部を通過して前記ワーク側に移動することで、前記包装紙を前記ワークの上面に沿って折り曲げることができる、請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記第1折り曲げ部は前記第1当接部を前記包装紙側に付勢するバネを有する、または、
前記第2折り曲げ部は前記第2当接部を前記包装紙側に付勢するバネを有する、請求項1に記載の包装装置。
【請求項4】
前記第1折り曲げ部および前記第2折り曲げ部により前記包装紙を前記ワークの側面および上面に沿うように折り曲げた後に、前記ワークの側面からはみ出た包装紙のはみ出し部を、上から折り込む上折り込み部と、当該上折り込み部で前記はみ出し部を折り込んだ後に、横から前記はみ出し部を折り込む横折り込み部と、を有する折り込み部を有する、請求項1に記載の包装装置。
【請求項5】
前記包装紙で前記ワークを包装する際に前記包装紙および前記ワークが配置される台座と、
前記台座を移動させる台座駆動部と、を有する台座ユニットをさらに有しており、
前記台座駆動部は、前記横折り込み部により前記はみ出し部を折り込んだ後に、前記ワークの位置を前記横折り部に向かって移動させる、請求項4に記載の包装装置。
【請求項6】
前記包装紙で前記ワークを包装する際に前記包装紙および前記ワークが配置される台座と、前記台座を回転させる台座回転部と、を有する台座ユニットと、
前記第1折り曲げ部、前記第2折り曲げ部および前記台座回転部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、第1折り曲げ部および前記第2折り曲げ部により前記包装紙を折り曲げた後に、前記台座回転部に前記台座を回転させ、その後、再度、前記第1折り曲げ部および前記第2折り曲げ部に包装紙を折り曲げさせる動作を繰り返す、請求項1に記載の包装装置。
【請求項7】
中板部と、
前記中板部と協働して前記包装紙の隅部を化粧折りする化粧折り部と、
前記中板部を移動させる中板駆動部と、
前記化粧折り部を移動させる化粧折り駆動部と、
前記中板駆動部および前記化粧折り駆動部の動作を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記中板駆動部に、前記中板部を、前記隅部の化粧折りを行う位置まで移動させた後に、前記化粧折り駆動部に、前記化粧折り部を、前記中板部と近接させたまま前記中板部に沿って移動させることで、前記隅部を前記化粧折り部と前記中板部とで挟み込み、前記隅部を前記中板部で折り曲げて化粧折りする、請求項1に記載の包装装置。
【請求項8】
請求項1に記載の包装装置を用いて、包装紙でスクエア包みによりワークを包装することで包装物を製造する、包装物の製造方法であって、
包装紙の上にワークが置かれた状態で、前記第1当接部を前記包装紙の下側から上方に向かい前記ワークの側面に沿って移動させることで、前記包装紙の四隅のうち1つの隅を含む隅部が前記ワークの側面に沿うように、前記包装紙を折り曲げ、
前記第1折り曲げ部により前記包装紙を折り曲げた状態で、前記第2当接部を前記包装紙の手前側から前記ワークがある奥側に向かい前記ワークの上面に沿って移動させることで、前記隅部が前記ワークの上面に沿うように、前記包装紙を折り曲げる、包装物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をスクエア包みにより自動で包装する包装装置および包装物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を包装紙で自動に包装する包装装置が知られている。たとえば、特許文献1では、包装紙の上に、箱状の物品を包装紙と平行に置き、物品の左右方向(あるいは前後方向)から包装紙を上面まで持ってきて、物品の上面において包装紙を重ね合わせてテープで止めた後に、包装紙の側面においても包装紙を重ね合わせてテープで止めることで、物品を包む、いわゆる、キャラメル包み(合わせ包み)という包み方で包装する包装装置が開示されている。また、非特許文献1では、包装紙の中央から外れた位置に、物品を包装紙に対して斜めに置き、包装紙の四隅のうち隣り合う2つの隅を物品の上面に持ってきた後に、物品を包装紙ごとひっくり返し、残りの2つの隅を上面に持ってきて包む、いわゆる、斜め包み(デパート包み、回転包みとも言われる)を行う装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】玉田貴寛著、「マニピュレータによる斜め包みに関する研究」、電気通信大学 大学院情報システム学研究科 情報メディアシステム学専攻 修士論文
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
贈答品などの包装においては、キャラメル包みや斜め包みの他に、いわゆる、スクエア包み(風呂敷包みとも言われる)と呼ばれる包み方が行われる場合がある。スクエア包みは、物品を、包装紙の中央に、包装紙に対して斜めとなるように置き、包装紙の四隅を1つずつ物品の上面に持ってきて包む方法である。
従来では、特許文献1のようにキャラメル包みを行う装置や、特許文献2のように斜め包みを行う装置が開示されているが、贈答用の物品などでは、スクエア包みが好まれる場合も多く、スクエア包みを自動で行うことができる装置が希求されていたが、スクエア包みにより包装を自動で行う装置は提供されていなかった。
また、特許文献2の斜め包みを行う装置は、研究段階のものであり、包装紙と物品との間に隙間ができてしまい包装紙で物品を綺麗に包装することができず、また、1つの物品を包装するのに30分もかかり、実用レベルで包装を行うことはできなかった。
【0006】
本発明は、実用レベルにおいて、スクエア包みにより物品を自動で包装することができる包装装置および包装物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る包装装置は、包装紙でスクエア包みによりワークを包装する包装装置であって、前記包装紙と当接する第1当接部を有し、包装紙の上にワークが置かれた状態で、前記第1当接部を前記包装紙の下側から上方に向かい前記ワークの側面に沿って移動させることで、前記包装紙の四隅のうち1つの隅を含む隅部が前記ワークの側面に沿うように、前記包装紙を折り曲げる第1折り曲げ部と、前記包装紙と当接する第2当接部を有し、前記第1折り曲げ部により前記包装紙を折り曲げた状態で、前記第2当接部を前記包装紙の手前側から前記ワークがある奥側に向かい前記ワークの上面に沿って移動させることで、前記隅部を前記ワークの上面に沿うように、前記包装紙を折り曲げる第2折り曲げ部と、を有する包装装置。
上記包装装置において、前記第1当接部は、開口部を有しており、前記第2当接部は、前記開口部を通過して前記ワーク側に移動することで、前記包装紙を前記ワークの上面に沿って折り曲げることができる構成とすることができる。
上記包装装置において、前記第1折り曲げ部は前記第1当接部を前記包装紙側に付勢するバネを有する、または、前記第2折り曲げ部は前記第2当接部を前記包装紙側に付勢するバネを有する構成とすることができる。
上記包装装置において、前記第1折り曲げ部および前記第2折り曲げ部により前記包装紙を前記ワークの側面および上面に沿うように折り曲げた後に、前記ワークの側面からはみ出た包装紙のはみ出し部を、上から折り込む上折り込み部と、当該上折り込み部で前記はみ出し部を折り込んだ後に、横から前記はみ出し部を折り込む横折り込み部と、を有する折り込み部を有する構成とすることができる。
上記包装装置において、前記包装紙で前記ワークを包装する際に前記包装紙および前記ワークが配置される台座と、前記台座を移動させる台座駆動部と、を有する台座ユニットをさらに有しており、前記台座駆動部は、前記横折り込み部により前記はみ出し部を折り込んだ後に、前記ワークの位置を前記横折り部に向かって移動させることができる。
上記包装装置において、前記包装紙で前記ワークを包装する際に前記包装紙および前記ワークが配置される台座と、前記台座を回転させる台座回転部と、を有する台座ユニットをさらに有しており、前記第1折り曲げ部、前記第2折り曲げ部および前記台座回転部の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、第1折り曲げ部および前記第2折り曲げ部により前記包装紙を折り曲げた後に、前記台座回転部に前記台座を回転させ、その後、再度、前記第1折り曲げ部および前記第2折り曲げ部に包装紙を折り曲げさせる動作を繰り返す構成とすることができる。
上記包装装置において、中板部と、前記中板部と協働して前記包装紙の隅部を化粧折りする化粧折り部と、前記中板部を移動させる中板駆動部と、前記化粧折り部を移動させる化粧折り駆動部と、前記中板駆動部および前記化粧折り駆動部の動作を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記中板駆動部に、前記中板部を、前記隅部の化粧折りを行う位置まで移動させた後に、前記化粧折り駆動部に、前記化粧折り部を、前記中板部と近接させたまま前記中板部に沿って移動させることで、前記隅部を前記化粧折り部と前記中板部とで挟み込み、前記隅部を前記中板部で折り曲げて化粧折りする構成とすることができる。
本発明に係る包装物の製造方法は、上記包装装置を用いて、包装紙でスクエア包みによりワークを包装することで包装物を製造する、包装物の製造方法であって、包装紙の上にワークが置かれた状態で、前記第1当接部を前記包装紙の下側から上方に向かい前記ワークの側面に沿って移動させることで、前記包装紙の四隅のうち1つの隅を含む隅部が前記ワークの側面に沿うように、前記包装紙を折り曲げ、前記第1折り曲げ部により前記包装紙を折り曲げた状態で、前記第2当接部を前記包装紙の手前側から前記ワークがある奥側に向かい前記ワークの上面に沿って移動させることで、前記隅部が前記ワークの上面に沿うように、前記包装紙を折り曲げる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実用レベルにおいて、スクエア包みによりワークを自動で包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】キャラメル包み、斜め包み、および、スクエア包みを説明するための図である。
【
図3】上部ケースを取り外した状態の包装装置の斜視図である。
【
図4】上部ケースを取り外した状態の包装装置の平面図である。
【
図5】本実施形態に係る台座ユニット、糊付けユニットおよびワーク固定ユニットを示す斜視図である。
【
図6】本実施形態に係るワーク固定ユニットを示す斜視図である。
【
図7】本実施形態に係る折り曲げユニットを示す斜視図である。
【
図8】第1折り曲げ部および第2折り曲げ部の動作を説明するための図である。
【
図9】第1折り曲げ部とワークとの接触動作を説明するための図である。
【
図10】第2折り曲げ部とワークとの接触動作を説明するための図である。
【
図11】本実施形態に係る折り込みユニットを示す斜視図である。
【
図12】第1折り込み部および第2折り込み部の動作を説明するための図である。
【
図13】第1紙押さえ部による折り目付け動作を説明するための図である。
【
図14】第1紙押さえ部および第2紙押さえ部の紙押さえ動作を説明するための図である。
【
図16】本実施形態に係る化粧折りユニットを示す斜視図である。
【
図17】(A)は第1化粧折り部を示す斜視図、(B)は第2化粧折り部を示す斜視図、(C)は第1化粧折り部の部分拡大図である。
【
図18】第1化粧折り部の動作を説明するための図である。
【
図19】第1化粧折り部の動作を模式的に示す図である。
【
図20】本実施形態に係る包装処理を示すフローチャート(その1)である。
【
図21】本実施形態に係る包装処理を示すフローチャート(その2)である。
【
図22】本実施形態に係る包装処理を示すフローチャート(その3)である。
【
図23】本実施形態に係る包装処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る包装装置の実施形態を、図を参照して説明する。本発明に係る包装装置は、商品や箱などの立方体、直方体、あるいはピロー型(枕型)などの物体(以下、ワークという。)を、自動(全自動または一部自動)で、スクエア包みにより包装する装置である。ここで、スクエア包みとは、風呂敷包みとも称され、キャラメル包みおよび斜め包みとともに、包装方法の1つとして知られている。具体的に、スクエア包みは、
図1に示すように、包装紙の上部中央にワークWを包装紙Pに対して斜めに置き、ワークWを上下反転させることなく、包装紙Pの四隅を含む隅部PCそれぞれをワークの側面に沿って持ち上げ、ワークの上面中央部において四隅の隅部を合わせるように折り曲げることで、ワークを包装する包装方法である。なお、
図1は、キャラメル包み、斜め包み、および、スクエア包みを説明するための図である。キャラメル包みは、
図1のように、包装紙の上部中央に、ワークWを包装紙Pに対して平行に置き、ワークWの左右方向(あるいは前後方向)から包装紙Pを上面まで持ってきて、ワークWの上面において包装紙Pを重ね合わせてテープで止めた後に、ワークWの側面においても包装紙Pを重ね合わせてテープで止めることで、包装紙PでワークWを包む方法であり、斜め包みは、包装紙Pの中央から外れた位置に、ワークWを包装紙Pに対して斜めに置き、包装紙Pの四隅のうち隣り合う2つの隅をワークWの上面に持ってきた後に、ワークWを包装紙Pごとひっくり返し、残りの2つの隅をワークWの上面に持ってきて包む方法である。以下に、本実施形態に係る包装装置について説明する。
【0011】
図2は、本実施形態に係る包装装置1の斜視図である。また、
図3は、上部ケース12を取り外した状態の包装装置1の斜視図であり、
図4は、上部ケース12を取り外した状態の包装装置1の平面図である。本実施形態に係る包装装置1は、
図2ないし
図4に示すように、筐体10、台座ユニット20、糊付けユニット30、ワーク固定ユニット40、折り曲げユニット50、折り込みユニット60、化粧折りユニット70、制御ユニット80および操作ユニット90を有する。なお、本実施形態に係る包装装置1では、作業者が手動で包装紙PおよびワークWを供給する構成を例示するが、包装紙PおよびワークWを自動で供給する包装紙供給ユニットやワーク供給ユニットを備える構成とすることができる。
【0012】
図2に示すように、筐体10は、台座ユニット20、糊付けユニット30、ワーク固定ユニット40、折り曲げユニット50、折り込みユニット60、化粧折りユニット70、制御ユニット80、および操作ユニット90を固定するための架台となる枠体11と、枠体11の内側に載置される、台座ユニット20、糊付けユニット30、ワーク固定ユニット40、折り曲げユニット50、折り込みユニット60、化粧折りユニット70を囲う上部ケース12と、を有する。また、
図2に示すように、上部ケース12の外側には、作業者が操作するための操作ユニット90が設けられている。操作ユニット90は、モニターを有し、作業者は、モニターの表示を見ながら、操作ユニット90を操作することで、作業者の指示を、制御ユニット80に入力することができる。
【0013】
図5は、台座ユニット20、糊付けユニット30およびワーク固定ユニット40を示す斜視拡大図である。
図5に示すように、台座ユニット20は、包装紙PおよびワークWを置くための台座21を有している。台座21の中央には、台座21に置かれた包装紙Pを吸着するための吸着部22を有している。また、
図5に示すように、台座ユニット20は、台座21を水平方向(X軸方向およびY軸方向)に移動させるためのX軸駆動部23およびY軸駆動部24を有している。これにより、台座21は、
図4に示すように、包装紙PおよびワークWが供給される供給位置L1、包装紙Pに対して糊付けが行われる糊付け位置L2、ワークWの包装が行われる包装位置L3に、台座21を駆動させることが可能となっている。なお、台座ユニット20は、
図3および
図4に示すように、固定された不動部25,26を有し、不動部25,26はそれぞれ供給位置L1において包装紙Pを所定の向きで配置するための治具251,261を有するとともに、不動部25はワークWを、包装紙Pに対して斜め45度の向きで配置するための可動式のワーク用治具252を有している。さらに、台座ユニット20は、
図5に示すように、台座21を水平面(XY平面)上で回転させるための回転駆動部27も有している。なお、本実施形態では、回転駆動部27は、制御ユニット80の制御により、台座21を、自在に(たとえば、45度または90度ずつ、あるいは任意の角度で)回転させることができる。
【0014】
糊付けユニット30は、台座ユニット20に置かれた包装紙Pに対して糊付けを行う。
図5に示すように、糊付けユニット30は、糊を包装紙Pに塗布する塗布部31と、塗布部31をZ軸方向に移動させる駆動部32と、を有しており、制御ユニット80の制御に基づいて、駆動部32により、塗布部31をZ軸逆方向(下方向)に移動させることで、塗布部31を包装紙に接触させて、包装紙Pに糊を塗布する構成となっている。なお、本実施形態では、後述する化粧折りを行った際に、化粧折りにより折り曲げられた紙同士が接する位置が、包装紙Pに糊を塗布する位置(塗布位置)として予め決められている。制御ユニット80は、塗布部31の下に各塗布位置が来るように、台座21をX軸方向またはY軸方向に移動、あるいは回転させることで、所定の塗布位置に糊を塗布することができる。また、塗布部31は、糊を包装紙Pに対して吹き付けることで、非接触により糊を塗布する構成とすることもできる。
【0015】
ワーク固定ユニット40は、ワークWを包装紙Pで包装する際にワークWおよび/または包装紙Pを台座21に固定するためのものであり、
図5および
図6に示すように、第1固定部41および当該第1固定部41をZ軸方向に移動させる第1駆動部42と、第2固定部43および当該第2固定部43をZ軸方向に移動させる第2駆動部44とを有する。なお、
図6は、本実施形態に係るワーク固定ユニット40を示す斜視図である。第1固定部41は、平板状の形状であり、第1駆動部42が、制御ユニット80の制御により、第1固定部41を上側から下方向(Z軸逆方向)に移動させることで、ワークWの上面に第1固定部41を接面させ、ワークWを固定することができる。
【0016】
また、ワーク固定ユニット40は、第2固定部43を有し、第2駆動部44により第2固定部43を上側から下方向(Z軸逆方向)に移動させることで、第2固定部43によりワークWを上から押さえて固定することが可能となっている。さらに、第2固定部43は、ワークWや包装紙Pを吸着することも可能となっている。また、本実施形態において、第1固定部41は、切り欠き411を有しており、第2固定部43は、この切り欠き411に対応する位置に配置される。これにより、第1固定部41および第2固定部43の両方でワークWや包装紙Pを押さえることも、第2固定部43を上に上げたまま第1固定部41だけでワークWや包装紙Pを押さえることも、あるいは、第1固定部41を上に上げたまま第2固定部43だけでワークWや包装紙Pを押さえることもできる。さらに、第2固定部43は、水平面上(XY平面上)を回転可能となっており、たとえば、回転駆動部27により台座21を回転させて、ワークWや包装紙Pの向きを変える場合でも、ワークWや包装紙Pの回転に合わせて第2固定部43も回転することで、第2固定部43でワークWや包装紙Pを押さえながら、ワークWや包装紙Pを回転させることができる。
【0017】
折り曲げユニット50は、包装紙Pを折り曲げるためのユニットであり、
図7に示すように、第1折り曲げ部51および第2折り曲げ部52を有する。なお、
図7は、本実施形態に係る折り曲げユニット50を示す斜視図であり、(A),(B)はそれぞれ別のアングルから見た図となっている。また、
図8は、折り曲げユニット50の動作を説明するための図であり、(A)は第1折り曲げ部51で包装紙Pを折り曲げる前の状態を示す図、(B)は第1折り曲げ部51で包装紙Pを折り曲げた状態を示す図、(C)は第2折り曲げ部52で包装紙Pを折り曲げ始めた状態を示す図、(D)は第2折り曲げ部52で包装紙Pを折り曲げた状態を示す図、(E)は(D)を側面から見た図である。
【0018】
第1折り曲げ部51は、
図7(A),(B)に示すように、包装紙Pに当接し包装紙Pを折り曲げる第1当接部511と、第1当接部511をZ軸方向に移動させる駆動部512と、を有している。第1折り曲げ部51の第1当接部511は、
図8(A)に示すように、包装紙Pを折り曲げる前においては、包装紙Pよりも下側(Z軸逆方向側)に位置し、包装紙Pを折り曲げる場合には、
図8(B)に示すように、駆動部512により、第1当接部511を上方向(Z軸順方向)に移動することで、包装紙Pを、ワークWの側面に沿わせながら折り曲げることができる。
【0019】
また、
図7(A),(B)に示すように、第1当接部511は、上面部513、側面部514および開口部515を有している。側面部514はZ軸方向に延在する平坦な部材であり、同じく平坦な上面部513の端部と、側面部514の上端で接続している。なお、本実施形態において、上面部513は、
図8(E)に示すように、側面部514と上面部513とのなす角度θが90°よりも大きい鈍角となるように傾斜した構成としているが、これに限定されず、側面部514と上面部513とのなす角度θが90°の直角、または、鋭角となるように傾斜した構成とすることもできる。
【0020】
さらに、本実施形態において、第1当接部511は、
図7(A)に示すように、側面部514の中央に開口部515を有している。開口部515は、第2折り曲げ部52の第2当接部521が通過できる形状および大きさで開口しており、後述するように、第2当接部521が開口部515を通過可能となっている。
【0021】
本実施形態では、制御ユニット80により、折り曲げユニット50でワークWに包装紙Pを包装する際の、台座21の位置(ワークWの位置)である包装位置L3が、以下のように制御される。すなわち、制御ユニット80は、第1当接部511がZ軸方向に移動する際に、第1当接部511とワークWの側面とが近接するように、台座21の包装位置L3を制御する。より具体的には、
図9(A)に示すように、X軸方向において、ワークWの一部と第1当接部511の上面部513の一部とが重なる位置まで、台座21を移動させる。そして、駆動部512により第1当接部511を、包装紙Pの下側から上方向(Z軸順方向)に向かって移動させることで、
図9(B)に示すように、第1当接部511の側面部514が包装紙Pと当接した状態で、包装紙Pの隅部PCを上方(Z軸順方向)に持ち上げ、ワークWの底部と側面との角で、包装紙Pを折り曲げることができる。特に、本実施形態において、第1折り曲げ部51は、
図7(B)および
図9(A)に示すように、第1当接部511と接続し、X軸方向に伸縮するバネ516を有している。そのため、包装紙Pの下側から上方向(Z軸順方向)に向かって移動させることで、
図9(B)に示すように、第1当接部511の側面部514がワークWによりX軸逆方向に押されて、バネ516は収縮するとともに、バネ516の付勢力により、側面部514が包装紙Pの隅部PCをワークWにぴったりと押し付けた状態で、包装紙Pを折り曲げることができる。なお、
図9は、第1折り曲げ部51とワークWとの接触動作を説明するための図である。
【0022】
第2折り曲げ部52は、
図7(A),(B)に示すように、第2当接部521と、Z軸駆動部522と、X軸駆動部523とを有している。第2当接部521は、Z軸駆動部522により、第2当接部521の下面がワークWの上面と近接する高さ位置までZ軸方向に移動する。より具体的には、第2当接部521は、
図10(A)に示すように、Z軸方向において、ワークWの一部と、第2当接部521の一部とが重なる位置まで第2当接部521をZ軸方向に移動する。なお、ワークWの高さの情報は、操作ユニット90や外部装置により予め入力され、制御ユニット80により取得されることで、Z軸駆動部522は、制御ユニット80の制御に基づいて、第2当接部521をワークWの上面に近接する高さ位置まで移動させることができる。
【0023】
また、第2当接部521は、X軸駆動部523により、X軸順方向(包装紙Pに向かう方向)に移動可能となっている。特に、本実施形態では、第1当接部511の中央に開口部515が形成されており、第2当接部521は、
図8(C)に示すように、開口部515を通過して、包装紙Pと当接する。そして、第2当接部521が、ワークWの中央側(X軸順方向)に向かって移動することで、
図8(D),(E)に示すように、包装紙Pが、ワークWの上面に沿った状態で、ワークWの側面と上面との角において折り曲げられることとなる。特に、本実施形態において、第2折り曲げ部52は、
図7(B)および
図10(A)に示すように、第2当接部521と接続し、Z軸方向に伸縮するバネ524を有している。そのため、第2当接部521をワークWに向かって移動させることで、
図10(B)に示すように、第2当接部521の下面がワークWによりZ軸順方向に押されて、バネ524は収縮するとともに、バネ524の付勢力により、第2当接部521が包装紙Pの隅部PCをワークWの上面にぴったりと押し付けた状態で、包装紙Pを折り曲げることができる。なお、
図10は、第2折り曲げ部52とワークWとの接触動作を説明するための図である。なお、制御ユニット80は、第2当接部521が、開口部515を通過できるように、ワークWの高さに基づいて、第1当接部511の高さ位置も調整する。
【0024】
次に、折り込みユニット60について説明する。
図11は、折り込みユニット60を示す斜視図である。折り込みユニット60は、
図11に示すように、第1折り込み部61、第2折り込み部62、第1折り込み駆動部63、第2折り込み駆動部64、第1紙押さえ部65、第2紙押さえ部66、第1紙押さえ駆動部67、第2紙押さえ駆動部68、および架台69を有しており、架台69に、第1折り込み駆動部63、第2折り込み駆動部64、第1紙押さえ駆動部67および第2紙押さえ駆動部68が固定されている。また、第1折り込み駆動部63は、第1折り込み部61と接続しており、第1折り込み部61をY軸方向に移動させることができる。同様に、第2折り込み駆動部64は、第2折り込み部62と接続しており、第2折り込み部62をY軸方向に移動させることができる。
【0025】
また、
図11に示すように、第1折り込み部61は、上折り込み部611と、Z軸駆動部612と、横折り込み部613と、Y軸駆動部614と、傾斜部615とを有する。同様に、第2折り込み部62は、上折り込み部621と、Z軸駆動部622と、横折り込み部623と、Y軸駆動部624と、傾斜部625とを有する。Z軸駆動部612,622は、上折り込み部611,621をそれぞれZ軸方向に移動させることができ、Y軸駆動部614,624は、横折り込み部613,623をそれぞれY軸方向に移動させることができる。
【0026】
ここで、
図12は、折り込みユニット60の動作を説明するための図である。本実施形態では、
図12に示すように、折り曲げユニット50により折り曲げた包装紙Pのうち、ワークWの側面から横にはみ出した部分をはみ出し部POとして説明する。具体的には、
図12(A)は、包装紙Pのはみ出し部POを折り込む前の状態を示す図であり、
図12(B)は、包装紙Pのはみ出し部POを上折り込み部611で上から折り込んでいる途中の状態を示す図であり、
図12(C)は、包装紙Pのはみ出し部POを横折り込み部613で横から折り込んでいる途中の状態を示す図であり、
図12(D)は、包装紙Pのはみ出し部POを横折り込み部613で横から折り込んだ直後の状態を示す図である。さらに、
図12(E)は、包装紙Pのはみ出し部POを横折り込み部613で横から折り込んだ後に、台座21を横折り込み部613に向けて移動させた状態を示す図である。なお、本実施形態では、折り込みユニット60により包装紙Pのはみ出し部POを折り込む場合、
図8(E)に示すように包装紙Pを折り曲げた状態から、台座21を反時計回りに90度回転させた状態としている。
【0027】
まず、第1折り込み駆動部63により、第1折り込み部61がY軸方向に移動し、
図12(A)に示すように、包装紙Pのはみ出し部POの位置まで移動する。次に、
図12(B)に示すように、Z軸駆動部612により、上折り込み部611が下方向(Z軸逆方向)に移動し、はみ出し部POを上から折り込む。さらに、
図12(C)に示すように、Y軸駆動部614により、横折り込み部613がY軸順方向に移動し、はみ出し部POを横から折り込む。これにより、
図12(D)に示すように、はみ出し部POがワークWの角部において綺麗に折り込まれることとなる。
【0028】
なお、
図12(D)に示すように、横折り込み部613にはみ出し部POを横から折り込んだ状態では、横折り込み部613とワークWとの間に上折り込み部611が存在するため、上折り込み部611をワークWよりも上に移動させた場合に、横折り込み部613で折り込んだはみ出し部POとワークWとの間に隙間Sが形成されてしまう。そこで、本実施形態では、
図12(D)に示すように、横折り込み部613により、はみ出し部POを横から折り込んだ後に、制御ユニット80により、台座21を横折り込み部613に向けて隙間Sの分だけ移動させる。これにより、
図12(E)に示すように、横折り込み部613とワークWとで折り込んだ包装紙Pのはみ出し部POを押さえることができ、はみ出し部POをワークWと隙間Sがない状態で折り込むことができる。
【0029】
次に、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66について説明する。第1紙押さえ部65は、第1紙押さえ駆動部67により、Y軸方向に駆動可能となっており、また、第2紙押さえ部66は、第2紙押さえ駆動部68により、Y軸方向に駆動可能となっている。また、第1紙押さえ部65は、紙押さえ部材651および駆動部652を有し、駆動部652により紙押さえ部材651をZ軸方向に移動させることができる。同様に、第2紙押さえ部66は、紙押さえ部材661および駆動部662を有し、駆動部662により紙押さえ部材661をZ軸方向に移動させることができる。
【0030】
ここで、
図13は、第1紙押さえ部65の折り目付け動作を説明するための図である。第1折り込み部61が、
図12(E)に示すように、はみ出し部POを押さえた状態となった後に、第1紙押さえ部65は、
図13(A)に示すように、駆動部652により、紙押さえ部材651を下方向(Z軸逆方向)に移動させる。さらに、第1紙押さえ部65は、
図13(B)に示すように、第1紙押さえ駆動部67により、紙押さえ部材651を第1折り込み駆動部63側(Y軸順方向、
図13(B)に示す矢印方向)に移動させる。ここで、
図13(B)に示すように、第1紙押さえ部65には、紙押さえ部材651と連接する折り目付け部653を有している。折り目付け部653は、横折り込み部613の傾斜部615に対応する傾斜部654を有している。紙押さえ部材651が第1折り込み駆動部63側(Y軸順方向)に移動すると、折り目付け部653の傾斜部654と横折り込み部613の傾斜部615とではみ出し部POを挟み込み、横折り込み部613の傾斜部615を起点として、横折り込み部613の傾斜部615に沿った折り目をはみ出し部POに付けることができる。特に、本実施形態では、
図13(C)に示すように、折り目付け部653と横折り込み部613とではみ出し部POを挟み込んだ後に、折り目付け部653を少し上方向(Z軸順方向)に移動させることで、折り目をしっかりと付けることができる。このように、横折り込み部613の傾斜部615に沿った折り目をはみ出し部POに付けることで、第1折り曲げ部51により、隅部PCを当該折り目において綺麗に折り曲げることができる。
【0031】
また、
図14は、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66の紙押さえ動作を説明するための図である。具体的には、
図14(A)は、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66により包装紙Pを押さえる前の状態を示す図であり、
図14(B)は、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66により包装紙Pを押さえている状態を示す図である。
【0032】
第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66は、化粧折りユニット70により化粧折りを行うために、第1折り曲げ部51により折り曲げられた包装紙Pの隅部PCを上から押さえる。特に、本実施形態において、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66の下面は、第1折り曲げ部51の上面部513と同程度の傾斜で形成されており、これにより、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66が包装紙Pに当接すると、包装紙Pが包装紙Pの隅部PCがワークWの外側に向かって広がるように、包装紙Pを押さえることができる。このように、包装紙Pの隅部PCをワークWの外側に向けて広げることで、包装紙Pの隅部PCを化粧折りすることが可能となる。
【0033】
化粧折りユニット70は、第1折り曲げ部51により折り曲げた包装紙Pの隅部PCに対して化粧折りを行う。ここで、
図15は、化粧折りを説明するための図であり、
図15(A)は化粧折りを行わない場合の包装紙Pの状態を示す図、
図15(B)は化粧折りを行った場合の包装紙Pの状態を示す図である。化粧折りを行わない場合、第2折り曲げ部52により折り曲げられた包装紙Pの隅部PCの辺PLは、
図15(A)に示すように、ワークWの角より少し外れた位置Aから始まり、隅部PCがワークWの上面において三角形とはならないが、
図15(B)に示すように、化粧折りを行うことで、隅部PCの辺PLはワークWの角となる位置Bから始まり、折り曲げられた隅部PCがワークWの上面において三角形となり、見た目にも綺麗な包装とすることができる。
【0034】
このような化粧折りを行うため、化粧折りユニット70は、
図16および
図17に示すように、第1化粧折り部71および第2化粧折り部72を有している。なお、
図16は、本実施形態に係る化粧折りユニット70を示す斜視図であり、
図17(A)は、第1化粧折り部71を示す斜視図であり、
図17(B)は第2化粧折り部72を示す斜視図である。また、
図17(C)は、第1化粧折り部71の部分拡大図である。さらに、
図18は、中板部711および化粧折り部714の動作を説明するための図であり、
図19は、化粧折り部714の動作を模式的に示す図である。
【0035】
図17(A)に示すように、第1化粧折り部71は、中板部711、中板Z軸駆動部712,中板Y軸駆動部713、化粧折り部714および化粧折り駆動部715を有している。また、
図17(C)に示すように、化粧折り部714は、立ち上げ部719および溝716を有している。第1化粧折り部71は、中板部711および化粧折り部714により包装紙Pの隅部PCを挟み込むようにして折り曲げることで、隅部PCの化粧折りを行う。具体的には、
図18(A)および
図19(A)に示すように、中板Z軸駆動部712および中板Y軸駆動部713により、中板部711が、隅部PCの化粧折りを行う位置までZ軸方向およびX軸方向に移動する。その後、
図18(B),(C)および
図19(B)に示すように、化粧折り駆動部715により、化粧折り部714が、化粧折り位置に移動した中板部711に沿って移動する。これにより、隅部PCの縁部が立ち上げ部719により立ち上げられ、次いで、中板部711が溝716の中を通ることで、隅部PCが中板部711と溝716とで挟み込まれ、中板部711を起点として折り曲げられる。なお、
図18(A)および
図19(A)は化粧折り前の状態を示す図であり、
図18(B)および
図19(B)は化粧折り時の状態を示す図であり、
図18(C)は、化粧折り後の状態を示す図である。以下に、
図19を参照して、第1化粧折り部71による化粧折りの動作をより詳細に説明する。
【0036】
図19(A)~(C)に示すように、化粧折り部714は、立ち上げ部719および溝716を有している。ここで、
図19(A)は化粧折り前の状態を示す図であり、
図19(B)は化粧折り時の状態を示す図であり、
図19(C)は、
図19(B)のSD方向から見た化粧折り部714の構成図である。立ち上げ部719は、
図19(A),(B)に示すように、化粧折り部714のスライド方向SDにおいて斜めに形成された壁部を有しており、化粧折り部714を、
図19(A)に示す状態から
図19(B)に示す状態となるようにスライド方向SDに移動させた場合に、立ち上げ部719の外側(
図19における右側)が内側(
図19における左側)よりも先に隅部PCと接触することで、隅部PCが中板部711の右辺717を支点として内側に折り曲げられる。
【0037】
また、本実施形態において、第1化粧折り部71の溝716は、
図19(C)に示すように、内面718を有している。立ち上げ部719で折り曲げられた隅部PCは、溝716に入り込み、中板部711と溝716の内面718との間に挟まれることで、中板部711の右辺717において折り返されることとなる。これにより、
図18(B),(C)および
図19(B)に示すように、包装紙Pにおいて、隅部PCを折り返す化粧折りが行われることとなる。
【0038】
さらに、本実施形態では、中板Z軸駆動部712および中板Y軸駆動部713により、中板部711をY軸方向(第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66側)に移動した後に上方向(Z軸順方向)に移動させることで、隅部PCを化粧折りした状態のまま、中板部711を化粧折りした隅部の上まで移動させる。さらに、中板Z軸駆動部712および中板Y軸駆動部713により、中板部711をY軸方向(第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66側と反対側)に移動した後に下方向(Z軸逆方向)に移動させることで、化粧折りした隅部PCを中板部711の下面と第1折り曲げ部51の上面部513とで挟み込み、化粧折りの折り目をしっかりと付けるとともに、化粧折り部分に塗布した糊で化粧折り部をしっかりと接着させることができる。
【0039】
同様に、第2化粧折り部72は、中板部721、中板Z軸駆動部722,中板Y軸駆動部723、化粧折り部724および化粧折り駆動部725を有しており、化粧折り部724も、化粧折り部714と同様に、溝を有している。そして、第2化粧折り部72は、第1化粧折り部71と同様に動作することで、隅部PCの化粧折りを行うことができる。
【0040】
制御ユニット80は、記憶部および演算部を有し、記憶部に記憶したプログラムを演算部で実行することで、台座ユニット20、糊付けユニット30、ワーク固定ユニット40、折り曲げユニット50、折り込みユニット60および化粧折りユニット70の動作を制御する。なお、制御ユニット80によるこれらユニットの動作制御の詳細は後述するフローチャートで説明するが、たとえば、制御ユニット80は、操作ユニット90や外部装置から、包装紙Pに糊を塗布する塗布位置の情報を取得し、記憶部に記憶しておくことで、包装紙Pの糊付けを所定の塗布位置において行うことができる。なお、糊の塗布位置は、包装紙PでワークWを包装する際の、折り曲げられた包装紙P同士が接する位置を予め計算しておくことで決められる。また、制御ユニット80は、ワークWの大きさ(幅、奥行き、高さ)の情報を取得し、ワークWの大きさに応じて、第1当接部511とワークWが近接するようにワークWの位置(台座21の位置)を制御し、また、第2当接部521とワークWが近接するように第2当接部521の高さ位置を制御することができる。
【0041】
次に、
図20~
図23を参照して、本実施形態に係る包装装置1の包装処理について説明する。なお、
図20~
図22は、本実施形態に係る包装処理を示すフローチャートである。また、
図23は、本実施形態に係る包装処理を説明するための図である。本実施形態に係る包装装置1では、包装処理を開始する際に、台座ユニット20の台座21が供給位置L1まで移動しており、作業者が、台座21に包装紙PとワークWとを載置した後に、操作ユニット90の包装処理開始ボタンを押すことで、制御ユニット80により、
図20~
図23に示す包装処理が開始される。
【0042】
図20に示すように、ステップS101~S103では、包装紙Pの4つの隅部PCのうち1つ目の隅部PCの折り曲げが行われる。具体的には、ステップS101では、包装紙Pに対する糊付けが行われる。具体的には、制御ユニット80は、吸着部22により包装紙Pを台座21に吸着させるとともに、ワーク固定ユニット40にワークWを上から押さえさせて、ワークWおよび包装紙Pを固定する。そして、制御ユニット80は、台座ユニット20のY軸駆動部24を制御し、台座21を供給位置L1から糊付け位置L2まで移動させる。さらに、制御ユニット80は、X軸駆動部23およびY軸駆動部24により台座21をX軸方向およびY軸方向に移動させるとともに、回転駆動部27により台座21を回転させることで、糊付けユニット30の塗布部31に、包装紙Pの所定の塗布位置において糊付けを行わせる。
【0043】
ステップS102では、第1折り曲げ部51により、1つ目の隅部PCの折り曲げが行われる。具体的には、まず、制御ユニット80は、X軸駆動部23およびY軸駆動部24の駆動を制御し、ワークWおよび包装紙Pを配置した台座21を、糊付け位置L2から包装位置L3まで、X軸方向およびY軸方向に移動させる。そして、制御ユニット80は、台座21が包装位置L3まで移動すると、折り曲げユニット50の第1折り曲げ部51を、
図8(A)に示すように、台座21の下側にある状態から、上方向(Z軸順方向)へと移動させる。これにより、
図8(B)に示すように、第1折り曲げ部51の第1当接部511が包装紙Pの隅部PCと当接し、隅部PCを上方向に持ち上げることで、包装紙PをワークWの底面と側面との角で折り曲げることができる。特に、本実施形態では、ワークWと第1当接部511とが近接するように、制御ユニット80により、包装位置L3(台座21の位置)が制御されるため、第1折り曲げ部51により包装紙Pが折り曲げられた場合に、包装紙PがワークWの側面に沿って折り曲げられることとなる。
【0044】
ステップS103では、第2折り曲げ部52により、1つ目の隅部PCの折り曲げが行われる。具体的には、まず、制御ユニット80は、第2折り曲げ部52のZ軸駆動部522を制御し、
図8(C)に示すように、第2当接部521を、第2当接部521の下面とワークWの上面とが近接する所定の高さ位置まで上方向(Z軸順方向)に移動させる。さらに、制御ユニット80は、第2折り曲げ部52のX軸駆動部523を制御し、
図8(D),(E)に示すように、第2当接部521をX軸方向に駆動し、第1折り曲げ部51で折り曲げた包装紙Pの隅部PCを、ワークWの上面に沿って折り曲げる。これにより、包装紙Pを、
図23(B)に示すように1つ目の隅部PCを折り曲げた状態とすることができる。
【0045】
次いで、ステップS104~S110では、2つ目の隅部PCの折り曲げが行われる。具体的には、ステップS104では、台座21を反時計回りに90度回転させる動作が行われる。具体的には、制御ユニット80は、まず、第2駆動部44により、第2固定部43を下方向(Z軸逆方向)に駆動させ、第2固定部43に、ワークWを上から押さえ固定させる。次いで、制御ユニット80は、第1駆動部42に、ワークWを固定している第1固定部41を上方向(Z軸順方向)に移動させ、第1固定部41によるワークWの固定を解除する。これにより、ワークWおよび包装紙Pは回転可能な第2固定部43のみで固定されることとなる。そして、制御ユニット80は、台座ユニット20の回転駆動部27に、台座21を反時計回りに90度回転させる。なお、
図23(C)は、ステップS104で、ワークWおよび包装紙Pを反時計回りに90度回転させた状態を示している。
【0046】
ステップS105では、第1折り込み部61により、包装紙Pのはみ出し部POの折り込みが行われる。具体的には、制御ユニット80は、第1折り込み駆動部64を制御して、第1折り込み部61をX軸方向に移動させて、
図12(A)に示すように、第1折り込み部61をはみ出し部の位置まで移動させた後、
図12(B)に示すように、上折り込み部611を下方向(Z軸逆方向)に移動させ、はみ出し部POを上から折り込む。さらに、制御ユニット80は、
図12(C)に示すように、横折り込み部613をY軸逆方向に移動させ、はみ出し部POを横から折り込む。さらに、制御ユニット80は、
図12(D)に示すように、上折り込み部611を上方向(Z軸順方向)に移動させた後に、台座21を横折り込み部613に向かって移動させることで、折り込んだはみ出し部POをワークWと横折り込み部613とで挟み、はみ出し部POとワークWとの間の隙間をなくす。これにより、1つ目の隅部PCの折り曲げにより生じたはみ出し部POは、2つ目の隅部PCの内側に折り込まれた状態となる。
【0047】
ステップS106では、第1紙押さえ部65により、2つ目の隅部PCに折り目を付ける動作が行われる。具体的には、第1紙押さえ部65は、
図13(A)に示すように、紙押さえ部材651を下方向(Z軸逆方向)に移動させた後、
図13(B)に示すように、紙押さえ部材651を第1折り込み駆動部63側(Y軸順方向)に移動させる。これにより、折り目付け部653の傾斜部654が、横折り込み部613の傾斜部615と、はみ出し部POを挟み込み、横折り込み部613の傾斜部615を起点として、横折り込み部613の傾斜部615に沿った折り目をはみ出し部POに付けることができる。さらに、第1紙押さえ部65は、
図13(C)に示すように、折り目付け部653を少し上方向(Z軸順方向)に移動させることで、折り目をしっかりと付けることができ、ステップS106において、第1折り曲げ部51による折り曲げを綺麗に行うことが可能となる。
【0048】
ステップS107では、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66により、2つ目の隅部PCが押さえられる。具体的に、制御ユニット80は、ステップS108において第1折り曲げ部51により折り曲げられた包装紙Pを化粧折りするために、駆動部652,662により紙押さえ部材651,661を下方向に移動させることで、隅部PCを上から押さえる。特に、本実施形態では、
図14(B)に示すように、包装紙Pが外側に広げられるように押さえられる。
【0049】
ステップS108では、第1化粧折り部71により、2つ目の隅部PCの化粧折りが行われる。 具体的には、制御ユニット80は、
図18(A)および
図19(A)に示すように、中板Z軸駆動部712および中板Y軸駆動部713を制御し、中板部711を隅部PCの折り返し位置まで移動させる。次いで、制御ユニット80は、
図18(B)および
図19(B)に示すように、化粧折り駆動部715により、化粧折り部714を中板部711に沿って移動させることで、包装紙Pの化粧折りを行う。なお、化粧折り部714は、
図19(A)に示すように、中板部711と平行かつ近接するように構成されており、
図19(B)に示すように、化粧折り部714を中板部711の外辺に沿って移動させることで、化粧折り部714と中板部711とが協働して隅部PCを化粧折りすることが可能となる。
【0050】
ステップS109では、第1折り曲げ部51により、ステップS102と同様の動作で、2つ目の隅部PCの折り曲げが行われる。また、ステップS110では、第2折り曲げ部52により、ステップS103と同様の動作で、ステップS108で化粧折りされた2つ目の隅部PCが、
図8(D),(E)に示すように折り曲げられる。これにより、包装紙Pを、
図23(D)に示すように2つ目の隅部PCも折り曲げた状態とすることができる。
【0051】
そして、
図21に進み、ステップS111~S117では、3つ目の隅部PCの折り曲げが行われる。具体的に、ステップS111では、制御ユニット80により、ステップS104と同様の動作で、台座21を反時計回りに180度回転させる動作が行われる。なお、
図23(E)は、ステップS111で、ワークWおよび包装紙Pを反時計回りに180度回転させた状態を示している。
【0052】
ステップS112では、ステップS105と同様の動作で、第2折り込み部62により、包装紙Pのはみ出し部POの折り込みが行われる。また、ステップS113では、ステップS106と同様の動作で、第2紙押さえ部66により、3つ目の隅部PCに折り目を付ける動作が行われる。そして、ステップS114では、ステップS107と同様に、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66により、3つ目の隅部PCが押さえられ、続くステップS115では、ステップS108と同様の動作で、第2化粧折り部72により、3つ目の隅部PCの化粧折りが行われる。そして、ステップS116では、ステップS109と同様に、第1折り曲げ部51により、3つ目の隅部PCの折り曲げが行われ、ステップS117では、ステップS110と同様に、第2折り曲げ部52により、3つ目の隅部PCが折り曲げられる。これにより、包装紙Pは、
図23(F)のように、3つ目の隅部PCまで折り曲げられた状態となる。
【0053】
図22に進み、ステップS118~S124では、4つ目の隅部PCの折り曲げが行われる。具体的に、ステップS118では、制御ユニット80により、台座21を時計回りに90度回転させる動作が行われる。なお、
図23(G)は、ステップS118で、ワー クWおよび包装紙Pを時計回りに90度回転させた状態を示している。
【0054】
ステップS119では、ステップS105,S112と同様の動作で、第1折り込み部61および第2折り込み部62により、包装紙Pの隅部PCの折り込みが同時に行われる。なお、ステップS119が開始される前(4つ目の隅部PCを折り曲げる場合には)、1つ目の隅部PCを折り曲げた際にできたはみ出し部POと、3つ目の隅部PCを折り曲げた際にできたはみ出しPOがあるため、ステップS119では、包装時間を短縮するために、1つ目の隅部PCのはみ出し部POと3つ目の隅部PCのはみ出し部POとを、第1折り込み部61および第2折り込み部62で同時に折り込む動作を行うことができる。なお、第1折り込み部61で折り込み動作を行った後に、第2折り込み部62で折り込み動作を行う構成とすることもでき、反対に、第2折り込み部62で折り込み動作を行った後に、第1折り込み部61で折り込み動作を行う構成とすることもできる。
【0055】
また、ステップS120では、ステップS106,S113と同様の動作で、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66により、4つ目の隅部PCに折り目を付ける動作が行われる。なお、ステップS120でも、1つ目の隅部PCを折り曲げた際にできたはみ出し部POと、3つ目の隅部PCを折り曲げた際にできたはみ出しPOがあるため、包装時間を短縮するために、1つ目の隅部PCのはみ出し部POと3つ目の隅部PCのはみ出し部POとを、第1折り込み部61および第2折り込み部62で同時に折り目を付けることができる。
【0056】
ステップS121では、ステップS107,S114と同様に、第1紙押さえ部65および第2紙押さえ部66により、4つ目の隅部PCが押さえられ、続くステップS122では、ステップS108,S115と同様の動作で、第1化粧折り部71および第2化粧折り部72により、4つ目の隅部PCの化粧折りが行われる。そして、ステップS123では、ステップS109,S116と同様に、第1折り曲げ部51により、4つ目の隅部PCの折り曲げが行われ、ステップS124では、ステップS110,と同様に、第2折り曲げ部52により、3つ目の隅部PCが折り曲げられる。これにより、包装紙Pは、
図23(H)のように折り曲げられることとなる。これにより、
図23(H)に示すように、4つ全ての隅部PCが、ワークWの上面に沿うように折り曲げられた状態となる。
【0057】
このように、本実施形態に係る包装装置1は、包装紙Pでスクエア包みによりワークWを自動で包装する包装装置1であって、包装紙Pと当接する第1当接部511を有し、包装紙Pの上にワークWが置かれた状態で、第1当接部511をワークWの側面に沿って移動させることで、包装紙Pの四隅のうち1つの隅を含む隅部PCをワークWの側面に沿うように折り曲げる第1折り曲げ部51と、包装紙Pと当接する第2当接部521を有し、第1折り曲げ部51により包装紙Pを折り曲げた状態で、第2当接部521をワークWの上面に沿って移動させることで、包装紙PをワークWの上面に沿うように折り曲げる第2折り曲げ部52と、を有する。これにより、本実施形態に係る包装装置1では、包装紙PをワークWの側面および上面に沿うように綺麗に包装することができる。また、本実施形態において、第1当接部511は、開口部515を有しており、第2当接部521は、開口部515を通過してワーク側に移動する。これにより、本実施形態に係る包装装置1では、第1折り曲げ部51で包装紙PをワークWの側面に沿って折り曲げ、折り曲げた包装紙PをワークWの側面に押し付けたままの状態で、第2当接部521で包装紙PをワークWの上面に沿って折り曲げることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る包装装置1は、第1折り曲げ部51および第2折り曲げ部52により包装紙PをワークWの側面および上面に沿うように折り曲げた後に、ワークWの側面からはみ出た包装紙Pのはみ出し部POを上から折り込む上折り込み部611,621と、当該上折り込み部611,621ではみ出し部POを折り込んだ後に、はみ出し部POを横から折り込む横折り込み部613,623と、を有する第1折り込み部61および第2折り込み部62を有する。これにより、本実施形態では、第2折り曲げ部52で包装紙Pを折り曲げた後に生じる包装紙Pのはみ出し部POを包装紙Pの形状に合わせて綺麗に折り込むことができる。また、本実施形態では、横折り込み部613,623により、はみ出し部POを折り込んだ後に、
図12(E)に示すように、台座21を、ワークWの位置を横折り込み部613,623に向かって移動させる。これにより、本実施形態では、上折り込み部611,621で折り込んだはみ出し部POと、横折り込み部613,623で折り込んだはみ出し部POとをワークWに向けて押し付けることができ、上折り込み部611,621で折り込んだはみ出し部POと横折り込み部613,623で折り込んだはみ出し部POとの隙間を無くすように折り込むことができる。
【0059】
さらに、本実施形態に係る包装装置1では、包装紙PでワークWを包装する際に包装紙PおよびワークWが配置される台座21と、台座21を回転させる回転駆動部27と、を有する台座ユニット20、並びに、第1折り曲げ部51、第2折り曲げ部52および回転駆動部27の動作を制御する制御ユニット80を有し、制御ユニット80は、第1折り曲げ部51および第2折り曲げ部52により包装紙Pを折り曲げた後に、回転駆動部27に台座21を回転させ、その後、再度、第1折り曲げ部51および第2折り曲げ部52に包装紙Pを折り曲げさせる動作を繰り返す。これにより、本実施形態に係る包装装置1では、包装紙PおよびワークWを包装位置L3に位置したまま、包装紙Pの四隅ごとに、包装紙Pを折り曲げることができ、省スペース化を図ることができるとともに、四隅全ての隅部PCを適切に折り曲げることができる。
【0060】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0061】
たとえば、上述した実施形態では、糊付けユニット30は固定されており、台座21がX軸方向およびY軸方向に移動、あるいは回転することで、所定の塗布位置に糊付けを行う構成を例示したが、この構成に限定されず、糊付けユニット30が移動することで包装紙Pの所定の塗布位置に糊付けを行う構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0062】
1…包装装置
10…筐体
11…枠体
12…上部ケース
20…台座ユニット
21…台座
22…吸着部
23…X軸駆動部
24…Y軸駆動部
25,26…不動部
251,261…治具
252…ワーク用治具
27…回転駆動部
30…糊付けユニット
31…塗布部
32…駆動部
40…ワーク固定ユニット
41…第1固定部
411…切り欠き
42…第1駆動部
43…第2固定部
44…第2駆動部
50…折り曲げユニット
51…第1折り曲げ部
511…第1当接部
513…上面部
514…側面部
515…開口部
512…駆動部
516…バネ
52…第2折り曲げ部
521…第2当接部
522…Z軸駆動部
523…X軸駆動部
524…バネ
60…折り込みユニット
61…第1折り込み部
611…上折り込み部
612…Z軸駆動部
613…横折り込み部
614…Y軸駆動部
615…傾斜部
62…第2折り込み部
621…上折り込み部
622…Z軸駆動部
623…横折り込み部
624…Y軸駆動部
625…傾斜部
63,64…駆動部
65…第1紙押さえ部
651…紙押さえ部材
652…駆動部
653…折り目付け部
654…傾斜部
66…第2紙押さえ部
661…紙押さえ部材
662…駆動部
663…折り目付け部
664…傾斜部
67,68…駆動部
69…架台
70…化粧折りユニット
71…第1化粧折り部
711…中板部
717…右辺
712…中板Z軸駆動部
713…中板Y軸駆動部
714…化粧折り部
715…化粧折り駆動部
716…溝
718…内面
719…立ち上げ部
72…第2化粧折り部
721…中板部
722…中板Z軸駆動部
723…中板Y軸駆動部
724…化粧折り部
725…化粧折り駆動部
80…制御ユニット
90…操作ユニット
【手続補正書】
【提出日】2024-05-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
贈答品などの包装においては、キャラメル包みや斜め包みの他に、いわゆる、スクエア包み(風呂敷包みとも言われる)と呼ばれる包み方が行われる場合がある。スクエア包みは、物品を、包装紙の中央に、包装紙に対して斜めとなるように置き、包装紙の四隅を1つずつ物品の上面に持ってきて包む方法である。
従来では、特許文献1のようにキャラメル包みを行う装置や、特許文献2のように斜め包みを行う装置が開示されているが、贈答用の物品などでは、スクエア包みが好まれる場合も多く、スクエア包みを自動で行うことができる装置が希求されていたが、スクエア包みにより包装を自動で行う装置は提供されていなかった。
また、非特許文献1の斜め包みを行う装置は、研究段階のものであり、包装紙と物品との間に隙間ができてしまい包装紙で物品を綺麗に包装することができず、また、1つの物品を包装するのに30分もかかり、実用レベルで包装を行うことはできなかった。