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特開2024-10239保険相談システム、保険相談端末、録画方法、および録画プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010239
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】保険相談システム、保険相談端末、録画方法、および録画プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240116BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192825
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2021095026の分割
【原出願日】2020-11-13
(71)【出願人】
【識別番号】500578261
【氏名又は名称】株式会社アドバンスクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 佳治
(57)【要約】
【課題】オンラインで保険相談を行う際のコンプライアンスチェックを効率的に行う。
【解決手段】保険相談システム1は、顧客端末3と、ネットワーク6を介して顧客端末3との間でテレビ電話を行うことが可能な募集人端末2と、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データ532として記録するサーバ装置5と、サーバ装置5によって記録された録画データ532(432)を再生するチェック用端末4とを備え、チェック用端末4は、相談内容をチェックするために予め決められたチェックタイミングで録画データ432を再生する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンラインで保険に関する相談を行う保険相談システムであって、
第1端末と、
ネットワークを介して前記第1端末との間でテレビ電話を行うことが可能な第2端末と、
前記テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録する記録部と、
前記記録部によって記録された前記録画データを再生する再生部とを備え、
前記再生部は、前記相談内容をチェックするために予め決められたチェックタイミングで前記録画データを再生し、
前記テレビ電話中の画面において、前記テレビ電話を行っている保険契約者の顔と、前記テレビ電話中に前記保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される、保険相談システム。
【請求項2】
前記第2端末は、前記テレビ電話中にユーザが前記チェックタイミングを決めるためのユーザ操作を受け付けるユーザインターフェイスを提供する、請求項1に記載の保険相談システム。
【請求項3】
前記チェックタイミングは、前記テレビ電話中に行われる前記相談内容のうち、前記保険契約者の本人確認、前記保険契約者の保険商品に対する意向確認、前記保険商品に関する重要事項説明、および前記保険契約者の家族の同意のうちのいずれか1つが行われるタイミングを含む、請求項1または請求項2に記載の保険相談システム。
【請求項4】
前記記録部は、前記チェックタイミングを特定可能なフラグデータを前記録画データに紐付けて記録する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の保険相談システム。
【請求項5】
前記再生部は、前記録画データに基づく前記相談内容をスクリプト化した字幕を再生する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の保険相談システム。
【請求項6】
前記再生部は、前記録画データの再生画面において、前記字幕に基づき特定された所定ワードが再生されるタイミングを示す、請求項5に記載の保険相談システム。
【請求項7】
前記再生部は、前記録画データの再生画面において、ユーザ操作に基づく目印を表示する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の保険相談システム。
【請求項8】
前記再生部は、ユーザ操作に基づき調整された再生速度で前記録画データを再生する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の保険相談システム。
【請求項9】
前記再生部は、前記録画データの再生画面において、前記テレビ電話を行っている前記保険契約者の顔と、前記テレビ電話中に前記保険契約者が提示する前記本人確認証の前記顔写真とが一致するか否かの前記判定結果を表示する、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の保険相談システム。
【請求項10】
前記再生部は、前記録画データの再生画面において、前記テレビ電話中に前記保険契約者が提示する前記本人確認証に基づき特定される前記保険契約者の情報を表示する、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の保険相談システム。
【請求項11】
オンラインで保険に関する相談を行う保険相談端末であって、
ネットワークを介して保険契約者の端末との間でテレビ電話を行うための通信装置と、
前記テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録するメモリと、
前記テレビ電話中にユーザ操作を受け付ける入力インターフェースとを備え、
前記メモリは、前記ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に前記録画データを記録し、
前記テレビ電話中の画面において、前記テレビ電話を行っている前記保険契約者の顔と、前記テレビ電話中に前記保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される、保険相談端末。
【請求項12】
オンラインで保険に関する相談を行うための録画方法であって、
ネットワークを介して保険契約者の端末との間でテレビ電話を行うステップと、
前記テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録するステップと、
前記テレビ電話中にユーザ操作を受け付けるステップとを含み、
前記記録するステップは、前記ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に前記録画データを記録し、
前記テレビ電話中の画面において、前記テレビ電話を行っている前記保険契約者の顔と、前記テレビ電話中に前記保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される、録画方法。
【請求項13】
オンラインで保険に関する相談を行うための録画プログラムであって、
前記録画プログラムは、コンピュータに、
ネットワークを介して保険契約者の端末との間でテレビ電話を行うステップと、
前記テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録するステップと、
前記テレビ電話中にユーザ操作を受け付けるステップとを実行させ、
前記記録するステップは、前記ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に前記録画データを記録し、
前記テレビ電話中の画面において、前記テレビ電話を行っている前記保険契約者の顔と、前記テレビ電話中に前記保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される、録画プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、オンラインで保険に関する相談を行うための保険相談システム、保険相談端末、録画方法、および録画プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保険加入希望者と保険会社との間の保険契約の媒介を行う保険代理店が知られている。保険代理店としては、たとえば、保険加入希望者が住んでいる地域に相談員が訪問する訪問型の代理店と、ショッピングセンターや商業ビルなどに設置された窓口店舗において相談員が常駐する来店型の代理店とがある。いずれにしても、このような保険代理店では、相談員(以下、募集人とも称する。)が、保険加入を希望する顧客と直接会って、保険に関する相談(以下、「保険相談」とも称する。)を行うようになっている。
【0003】
近年、IT(Information Technology)技術の発展およびウィルスの蔓延を危惧した感染症予防の観点から、人と人とが会うことなくPC(Personal Computer)などの通信端末を用いてオンラインで会話を行うことが推進されている。保険相談においても同様に、募集人が実面談を行うことなくオンラインによる保険相談(以下、「オンライン保険相談」とも称する。)を行うことが望まれている。
【0004】
たとえば、特許文献1(特開2008-131412号公報)および特許文献2(特開2019-153099号公報)には、携帯端末やPCなどの複数の端末がネットワークを介して通信することで、音声データと画像データとを両者間で送受信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-131412号公報
【特許文献2】特開2019-153099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
保険会社および保険代理店は、保険の信頼性、事業の適切性および公共性などを確保するために、保険募集に関する基本的なルールを定めた保険業法などの各種法令を遵守する必要がある。たとえば、保険代理店は、保険業法によって、「顧客に対する情報提供義務」および「顧客の意向把握・確認義務」などを満たすことを求められている。
【0007】
特許文献1および特許文献2に開示されたシステムを保険相談に用いれば、募集人は、実面談を行うことなく保険相談を行うことができるが、オンライン保険相談においては、上述した「顧客に対する情報提供義務」および「顧客の意向把握・確認義務」などを募集人が遵守していることをチェック担当者がチェックする必要がある。しかしながら、オンライン保険相談において、このようなコンプライアンスチェックを効率的に行うような仕組みは未だ存在していない。
【0008】
本開示は、上記の課題を解決するためになされたものであり、オンラインで保険相談を行う際のコンプライアンスチェックを効率的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る保険相談システムは、第1端末と、ネットワークを介して第1端末との間でテレビ電話を行うことが可能な第2端末と、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録する記録部と、記録部によって記録された録画データを再生する再生部とを備える。再生部は、相談内容をチェックするために予め決められたチェックタイミングで録画データを再生し、テレビ電話中の画面において、テレビ電話を行っている保険契約者の顔と、テレビ電話中に保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される。
【0010】
本開示に係る保険相談端末は、ネットワークを介して保険契約者の端末との間でテレビ電話を行うための通信装置と、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録するメモリと、テレビ電話中にユーザ操作を受け付ける入力インターフェースとを備える。メモリは、ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に録画データを記録し、テレビ電話中の画面において、テレビ電話を行ってい保険契約者の顔と、テレビ電話中に保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される。
【0011】
本開示に係る録画方法は、ネットワークを介して保険契約者の端末との間でテレビ電話を行うステップと、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録するステップと、テレビ電話中にユーザ操作を受け付けるステップとを含む。記録するステップは、ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に録画データを記録し、テレビ電話中の画面において、テレビ電話を行っている保険契約者の顔と、テレビ電話中に保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される。
【0012】
本開示に係る録画プログラムは、コンピュータに、ネットワークを介して保険契約者の端末との間でテレビ電話を行うステップと、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データとして記録するステップと、テレビ電話中にユーザ操作を受け付けるステップとを実行させる。記録するステップは、ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に録画データを記録し、テレビ電話中の画面において、テレビ電話を行っている保険契約者の顔と、テレビ電話中に保険契約者が提示する本人確認証の顔写真とが一致するか否かの判定結果が表示される。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、オンラインで保険相談を行う際のコンプライアンスチェックを効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態に係る保険相談システムの構成を示す模式図である。
図2】本実施の形態に係る保険相談システムのハードウェア構成を示す模式図である。
図3】サーバ装置のメモリに格納された顧客管理テーブルを示す模式図である。
図4】サーバ装置のメモリに格納された募集人管理テーブルを示す模式図である。
図5】サーバ装置のメモリに格納された録画管理テーブルを示す模式図である。
図6】サーバ装置のメモリに格納されたフラグ管理テーブルを示す模式図である。
図7】サーバ装置のメモリに格納されたスクリプト管理テーブルを示す模式図である。
図8】オンライン保険相談中における募集人端末の表示態様を示す模式図である。
図9】オンライン保険相談中における募集人端末の表示態様を示す模式図である。
図10】コンプライアンスチェック中におけるチェック用端末の表示態様を示す模式図である。
図11】募集人端末が実行する録画処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0016】
[保険相談システムの構成]
図1は、本実施の形態に係る保険相談システム1の構成を示す模式図である。図1に示されるように、保険相談システム1は、顧客によって用いられる顧客端末3と、募集人によって用いられる募集人端末2と、サーバ装置5と、コンプライアンスチェックの担当者(以下、「チェック担当者」とも称する。)によって用いられるチェック用端末4とを備える。
【0017】
保険相談システム1においては、顧客端末3と募集人端末2とがネットワーク6を介して相互に通信することで、顧客端末3と募集人端末2との間でテレビ電話が行われる。「テレビ電話」という用語は、顧客端末3と募集人端末2とがオンラインで音声データおよび画像データを送受信することを含み、このような音声データおよび画像データの送受信によって、顧客と募集人とがテレビ電話を介して保険相談を行うことができる。オンライン保険相談は、このようなテレビ電話を介した保険相談を含む。
【0018】
顧客端末3は、「第1端末」の一例としてのコンピュータである。顧客端末3は、ネットワーク6を介して、募集人端末2およびサーバ装置5の各々と通信可能な情報端末である。本実施の形態において、顧客端末3は、ネットワーク6を介して、募集人端末2との間で音声データおよび画像データを送受信することで、募集人端末2との間でテレビ電話を行うことができる。顧客端末3には、デスクトップ型のPC、ラップトップ型のPC、およびスマートフォンといった携帯端末など、募集人端末2との間で音声データおよび画像データを送受信することができるいずれかの情報端末が適用される。
【0019】
募集人端末2は、「第2端末」および「保険相談端末」の一例としてのコンピュータである。募集人端末2は、ネットワーク6を介して、顧客端末3およびサーバ装置5の各々と通信可能な情報端末である。本実施の形態において、募集人端末2は、ネットワーク6を介して、募集人が担当する複数の顧客の各々が使用する各顧客端末3との間で音声データおよび画像データを送受信する。募集人端末2には、デスクトップ型のPC、ラップトップ型のPC、およびスマートフォンといった携帯端末など、顧客端末3との間で音声データおよび画像データを送受信することができるいずれかの情報端末が適用される。
【0020】
サーバ装置5は、「記録部」の一例としてのコンピュータである。サーバ装置5は、ネットワーク6を介して、顧客端末3、募集人端末2、およびチェック用端末4の各々と通信可能である。サーバ装置5は、顧客端末3と募集人端末2との間で音声データおよび画像データが送受信されることで行われるオンライン保険相談の録画データを記録することができる。サーバ装置5は、チェック用端末4と同じ場所に設置されてもよいし、チェック用端末4と異なる場所に設置されてもよく、さらにクラウドコンピューティングの態様でクラウド上に存在してもよい。
【0021】
チェック用端末4は、「再生部」の一例である。チェック用端末4は、ネットワーク6を介して、サーバ装置5と通信可能であり、サーバ装置5に格納された録画データ(図2の録画データ532)を取得し、取得した録画データ(図2の録画データ432)を再生することができる。
【0022】
図2は、本実施の形態に係る保険相談システム1のハードウェア構成を示す模式図である。図2に示されるように、顧客端末3、募集人端末2、サーバ装置5、およびチェック用端末4の各々は、各機能を発揮するためのハードウェア構成を備える。
【0023】
顧客端末3は、プロセッサ31と、通信装置32と、メモリ33と、ディスプレイ34と、入力インターフェース35と、カメラ36と、マイク37と、スピーカ38とを備える。
【0024】
プロセッサ31は、各種のプログラム(たとえば、後述する制御プログラム331)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ31は、たとえば、CPU(central processing unit)、FPGA(field programmable gate array)、およびGPU(graphics processing unit)のうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ31は、演算回路(processing circuitry)で構成されてもよい。
【0025】
通信装置32は、ネットワーク6を介して、募集人端末2およびサーバ装置5の各々との間で通信を確立し、募集人端末2およびサーバ装置5の各々との間でデータの送受信を行う。
【0026】
メモリ33は、DRAM(dynamic random access memory)およびSRAM(static random access memory)などの揮発性メモリ、または、ROM(read only memory)、SSD(solid state drive)、およびHDD(hard disk drive)などの不揮発性メモリで構成される。メモリ33は、制御プログラム331を記録する。制御プログラム331は、顧客端末3が備える各構成を制御するためのプログラムである。
【0027】
ディスプレイ34は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中の画像を表示する。
【0028】
入力インターフェース35は、マウスやキーボードなど、顧客端末3のユーザである顧客による入力を受け付ける。本実施の形態において、顧客は、入力インターフェース35を用いて、氏名、住所、電話番号、ID(identification)、およびパスワードなどを入力することができる。
【0029】
カメラ36は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中に、顧客端末3のユーザである顧客を撮影する。カメラ36の撮影によって得られた画像データは、一時的にメモリ33に記録され、通信装置32によって募集人端末2に送信される。
【0030】
マイク37は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中に、顧客端末3のユーザである顧客の音声を取得する。マイク37によって得られた音声は、音声データとして一時的にメモリ33に記録され、通信装置32によって募集人端末2に送信される。
【0031】
スピーカ38は、募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中に、募集人端末2から取得した募集人の音声を出力する。
【0032】
募集人端末2は、プロセッサ21と、通信装置22と、メモリ23と、ディスプレイ24と、入力インターフェース25と、カメラ26と、マイク27と、スピーカ28とを備える。
【0033】
プロセッサ21は、各種のプログラム(たとえば、制御プログラム231や録画プログラム235)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ21は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ21は、演算回路で構成されてもよい。
【0034】
通信装置22は、ネットワーク6を介して、募集人端末2およびサーバ装置5の各々との間で通信を確立し、募集人端末2およびサーバ装置5の各々との間でデータの送受信を行う。
【0035】
メモリ23は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ23は、制御プログラム231と、録画データ232と、フラグデータ233と、スクリプトデータ234と、録画プログラム235とを記録する。
【0036】
制御プログラム231は、募集人端末2が備える各構成を制御するためのプログラムである。録画データ232は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を記録したデータであり、オンライン保険相談中に顧客端末3と募集人端末2との間で送受信される音声データおよび画像データを含む。録画データ232は、通信装置22によってサーバ装置5に送信され、後述する録画データ532としてメモリ53に格納される。
【0037】
フラグデータ233は、録画データの再生時間のうちの予め決められたチェックタイミングを特定するためのデータである。フラグデータ233は、通信装置22によってサーバ装置5に送信され、後述するフラグデータ533としてメモリ53に格納される。スクリプトデータ234は、録画データに基づき再生されるオンライン保険相談の内容をスクリプト化した字幕の内容を特定するためのデータであり、プロセッサ21によって生成される。スクリプトデータ234は、通信装置22によってサーバ装置5に送信され、後述するスクリプトデータ534としてメモリ53に格納される。
【0038】
録画プログラム235は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を録画データとして記録するためのプログラムである。プロセッサ21は、録画プログラム235を実行することで、後述する図11の録画処理を実行することができる。
【0039】
ディスプレイ24は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中の画像を表示する。
【0040】
入力インターフェース25は、マウスやキーボードなど、募集人端末2のユーザである募集人による入力を受け付ける。本実施の形態において、募集人は、入力インターフェース25を用いて、氏名、住所、電話番号、ID、およびパスワードなどを入力することができる。さらに、募集人は、入力インターフェース25を用いて、録画データの再生時間のうち、所望のチェックタイミングを入力することができる。
【0041】
カメラ26は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中に、募集人端末2のユーザである募集人を撮影する。カメラ26の撮影によって得られた画像データは、一時的にメモリ23に記録され、通信装置22によって顧客端末3に送信される。
【0042】
マイク27は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中に、募集人端末2のユーザである募集人の音声を取得する。マイク27によって得られた音声は、音声データとして一時的にメモリ23に記録され、通信装置22によって顧客端末3に送信される。
【0043】
スピーカ28は、顧客端末3との間で行われるオンライン保険相談中に、顧客端末3から取得した顧客の音声を出力する。
【0044】
サーバ装置5は、プロセッサ51と、通信装置52と、メモリ53とを備える。プロセッサ51は、各種のプログラム(たとえば、制御プログラム531)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ51は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ51は、演算回路で構成されてもよい。
【0045】
通信装置52は、ネットワーク6を介して、顧客端末3、募集人端末2、およびチェック用端末4の各々との間で通信を確立し、顧客端末3および募集人端末2の各々との間でデータの送受信を行う。
【0046】
メモリ53は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ53は、制御プログラム531と、録画データ532と、フラグデータ533と、スクリプトデータ534と、顧客データ535と、募集人データ536とを記録する。
【0047】
制御プログラム531は、サーバ装置5が備える各構成を制御するためのプログラムである。録画データ532は、後述する図5の録画管理テーブルによって管理され、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を記録したデータである。録画データ532は、オンライン保険相談中に顧客端末3と募集人端末2との間で送受信される音声データおよび画像データを含む。録画データ532は、通信装置52を介して募集人端末2から取得される。録画データ532は、通信装置52によってチェック用端末4に送信され、後述する録画データ432としてメモリ43に格納される。
【0048】
フラグデータ533は、後述する図6のフラグ管理テーブルによって管理され、録画データの再生時間のうちの予め決められたチェックタイミングを特定するためのデータである。フラグデータ533は、通信装置52を介して募集人端末2から取得される。フラグデータ533は、通信装置52によってチェック用端末4に送信され、後述するフラグデータ433としてメモリ43に格納される。スクリプトデータ534は、後述する図7のスクリプト管理テーブルによって管理され、録画データに基づき再生されるオンライン保険相談の内容をスクリプト化した字幕の内容を特定するためのデータである。スクリプトデータ534は、通信装置52を介して募集人端末2から取得される。スクリプトデータ534は、通信装置52によってチェック用端末4に送信され、後述するスクリプトデータ434としてメモリ43に格納される。なお、募集人端末2がスクリプトデータ234を生成することなく、サーバ装置5のプロセッサ51がスクリプトデータ534を生成してもよい。
【0049】
顧客データ535は、後述する図3の顧客管理テーブルによって管理され、顧客端末3の入力インターフェース35を介して顧客によって入力された氏名および住所などのデータを含む。募集人データ536は、後述する図4の募集人管理テーブルによって管理され、募集人端末2の入力インターフェース25を介して募集人によって入力された氏名および住所などのデータを含む。
【0050】
チェック用端末4は、プロセッサ41と、通信装置42と、メモリ43と、ディスプレイ44と、入力インターフェース45とを備える。
【0051】
プロセッサ41は、各種のプログラム(たとえば、制御プログラム431)を実行することで、各種の処理を実行する演算主体である。プロセッサ41は、たとえば、CPU、FPGA、およびGPUのうちの少なくともいずれか1つで構成されている。プロセッサ41は、演算回路で構成されてもよい。
【0052】
通信装置42は、ネットワーク6を介して、サーバ装置5との間で通信を確立し、サーバ装置5との間でデータの送受信を行う。
【0053】
メモリ43は、DRAMおよびSRAMなどの揮発性メモリ、または、ROM、SSD、およびHDDなどの不揮発性メモリで構成される。メモリ43は、制御プログラム431と、録画データ432と、フラグデータ433と、スクリプトデータ434とを記録する。
【0054】
制御プログラム431は、チェック用端末4が備える各構成を制御するためのプログラムである。録画データ432は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談の内容を記録したデータであり、オンライン保険相談中に顧客端末3と募集人端末2との間で送受信される音声データおよび画像データを含む。録画データ432は、通信装置42を介してサーバ装置5から取得される。
【0055】
フラグデータ433は、録画データの再生時間のうちの予め決められたチェックタイミングを特定するためのデータである。フラグデータ433は、通信装置42を介してサーバ装置5から取得される。スクリプトデータ434は、録画データに基づき再生されるオンライン保険相談の内容をスクリプト化した字幕の内容を特定するためのデータである。スクリプトデータ434は、通信装置42を介してサーバ装置5から取得される。
【0056】
ディスプレイ44は、顧客端末3と募集人端末2との間で行われるオンライン保険相談中の画像を表示する。
【0057】
入力インターフェース45は、マウスやキーボードなど、チェック用端末4のユーザであるチェック担当者による入力を受け付ける。
【0058】
図1および図2に示す保険相談システム1は、サーバ装置5とチェック用端末4とが別体で構成されていたが、保険相談システム1は、サーバ装置5とチェック用端末4とが一体で構成されてもよい。すなわち、チェック用端末4は、募集人端末2から録画データ432、フラグデータ433、およびスクリプトデータ434を直接的に取得してもよい。
【0059】
[各種テーブル]
図3は、サーバ装置5のメモリ53に格納された顧客管理テーブルを示す模式図である。図3に示されるように、顧客管理テーブルは、予め顧客によってサーバ装置5に登録された顧客ID、パスワード、氏名、生年月日、住所、電話番号、現在の保険の契約状況、家族情報、および顔写真データなど、顧客に関する情報を含む顧客データ(図2の顧客データ535)を格納する。
【0060】
さらに、各顧客IDには、顧客が過去に行ったオンライン保険相談の内容を記録した録画データ(図5の録画データ532)が紐づけられている。たとえば、顧客ID「AAA」に対応する顧客に対しては、録画データAが紐づけられている。
【0061】
図4は、サーバ装置5のメモリ53に格納された募集人管理テーブルを示す模式図である。図4に示されるように、募集人管理テーブルは、予め募集人によってサーバ装置5に登録された募集人ID、パスワード、氏名、生年月日、住所、電話番号、および担当する顧客の情報など、募集人に関する情報を含む募集人データ(図2の募集人データ536)を格納する。
【0062】
さらに、各募集人IDには、募集人が過去に行ったオンライン保険相談の内容を記録した録画データ(図2の録画データ532)が紐づけられている。たとえば、募集人ID「aaa」に対応する募集人に対しては、録画データAが紐づけられている。すなわち、募集人ID「aaa」に対応する募集人は、顧客ID「AAA」に対応する顧客との間で過去にオンライン保険相談を行っており、そのときの相談内容を記録した録画データAが、募集人ID「aaa」および顧客ID「AAA」の各々に紐づけられている。
【0063】
図5は、サーバ装置5のメモリ53に格納された録画管理テーブルを示す模式図である。図5に示されるように、録画管理テーブルは、各録画データについて、録画された日付、図6のフラグデータ、図7のスクリプトデータ、およびデータ容量を格納する。たとえば、録画データAに対しては、フラグデータAおよびスクリプトデータAが紐づけられている。
【0064】
図6は、サーバ装置5のメモリ53に格納されたフラグ管理テーブルを示す模式図である。図6に示されるように、フラグ管理テーブルは、各フラグデータについて、録画データの再生時間のうちの予め決められたチェックタイミングを格納する。
【0065】
チェックタイミングは、保険契約者である顧客と募集人との間で行われるオンライン保険相談において、募集人によって保険相談中に決められる。たとえば、チェックタイミングは、オンライン保険相談の内容のうち、保険契約者の「本人確認」、保険契約者の保険商品に対する「意向確認」、保険商品に関する「重要事項説明」、および保険契約者の「家族の同意」のうちのいずれか1つが行われるタイミングを含む。これらの情報は、オンライン保険相談において、「顧客に対する情報提供義務」および「顧客の意向把握・確認義務」などを募集人が遵守していることをチェック担当者がチェックするために必要となるチェック項目である。
【0066】
なお、チェックタイミングは、上述したタイミングに限らず、コンプライアンスチェック時にチェック担当者がチェックするために募集人端末2のユーザである募集人が入力インターフェース25を用いて入力するタイミングであれば、いずれのタイミングであってもよい。たとえば、「本人確認」、「意向確認」、「重要事項説明」、および「家族の同意」は、チェック項目の一例であり、コンプライアンスチェックの内容に応じてチェック担当者や募集人が募集人端末2においてチェック項目を設定(変更)できるものであってもよい。
【0067】
図6のフラグ管理テーブルにおいては、再生時間のうち、「本人確認」の開始タイミングとして5分15秒を特定するための情報「05:15」が格納され、「本人確認」の終了タイミングとして10分30秒を特定するための情報「10:30」が格納され、「意向確認」の開始タイミングとして25分00秒を特定するための情報「25:00」が格納され、「意向確認」の終了タイミングとして32分20秒を特定するための情報「32:20」が格納され、「重要事項説明」の開始タイミングとして38分05秒を特定するための情報「38:05」が格納され、「重要事項説明」の終了タイミングとして53分30秒を特定するための情報「53:30」が格納されている。
【0068】
なお、図6のフラグ管理テーブルにおいては、「本人確認」などのチェック対象となる各項目の開始タイミングおよび終了タイミングとして、時間情報が格納されているが、フラグ管理テーブルに格納される情報は時間に限らない。フラグ管理テーブルは、録画データを再生するチェックタイミングが特定できる情報であればいずれの情報を格納してもよい。たとえば、録画データに基づく再生動画を構成する複数の画像の各々を、フレーム番号として特定できるように録画データが構成されている場合、フラグ管理テーブルは、チェック対象となる各項目の開始タイミングおよび終了タイミングに対応するフレーム番号を格納してもよい。
【0069】
図7は、サーバ装置5のメモリ53に格納されたスクリプト管理テーブルを示す模式図である。図7に示されるように、スクリプト管理テーブルは、オンライン保険相談の内容がスクリプト化された字幕の内容を特定するためのスクリプトデータを格納するとともに、各スクリプトデータについて、抽出されたNGワードの登場タイミングを格納する。NGワードは、「所定ワード」の一例である。「所定ワード」は、NGワードに限らず、コンプライアンスチェックにおいてチェック担当者がチェックすべきワードであればいずれのものも含まれる。
【0070】
本実施の形態において、スクリプトデータは、募集人端末2によって生成され、さらに、生成されたスクリプトデータに基づき予め募集人によって登録されたNGワードが募集人端末2によって抽出される。すなわち、募集人端末2のプロセッサ21が、スクリプトデータ234によって特定される字幕の中から、予め登録されたNGワードを探し出し、検出したNGワードをスクリプトデータ234に紐付けてメモリ23に記録する。なお、募集人端末2は、予めNGワードを登録することなく、スクリプトデータ234によって特定される字幕の中から、AI(Artificial Intelligence)を用いて想定されたNGワードを抽出してもよい。
【0071】
なお、スクリプトデータは、サーバ装置5によって生成され、さらに、生成されたスクリプトデータに基づき予め募集人によって登録されたNGワードがサーバ装置5によって抽出されてもよい。すなわち、サーバ装置5のプロセッサ51が、スクリプトデータ534によって特定される字幕の中から、予め登録されたNGワードを探し出し、検出したNGワードをスクリプトデータ534に紐付けてメモリ53に記録してもよい。なお、サーバ装置5は、予めNGワードを登録することなく、スクリプトデータ534によって特定される字幕の中から、AIを用いて想定されたNGワードを抽出してもよい。
【0072】
図7のスクリプト管理テーブルにおいて、スクリプトデータAについては、再生時間のうち、NGワードaの登場タイミングとして48分25秒を特定するための情報「48:25」が格納されている。スクリプトデータBについては、NGワードが抽出されていない。スクリプトデータCについては、再生時間のうち、NGワードbの登場タイミングとして15分10秒を特定するための情報「15:10」が格納され、NGワードcの登場タイミングとして16分05秒を特定するための情報「16:05」が格納されている。これら格納されたNGワードは、特定権限を有する管理者によって削除することもできる。
【0073】
[オンライン保険相談中の表示態様]
図8および図9は、オンライン保険相談中における募集人端末2の表示態様を示す模式図である。図8および図9に示されるオンライン保険相談は、図5の録画データAに対応する録画データ232としてメモリ23に記録されるものとする。
【0074】
図8に示されるように、募集人端末2のディスプレイ24は、オンライン保険相談の相手側である顧客を表示する表示領域241と、募集人を表示する表示領域242とを含む。さらに、ディスプレイ24の表示領域の下方には、「本人確認」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するためのアイコン251と、「意向確認」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するためのアイコン252と、「重要事項説明」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するためのアイコン253と、「家族の同意」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するためのアイコン254と、顧客に関する情報を取得するアイコン255とが表示されている。
【0075】
募集人は、募集人端末2を用いて顧客端末3との間でオンライン保険相談を行い、「顧客に対する情報提供義務」および「顧客の意向把握・確認義務」などを遵守しながら、顧客に対して保険相談を行う。保険相談中、募集人は、「本人確認」、「意向確認」、および「重要事項説明」を行い、さらに顧客が高齢者または未成年の場合は「家族の同意」を行う。募集人は、オンライン保険相談において、上述した各チェック項目について顧客との間で話すとき、話し始めと話し終わりとの各々のタイミングで対応する各々に対応するアイコンを操作する。これにより、フラグデータ233としてメモリ23に格納される。メモリ23に格納されたフラグデータ233は、サーバ装置5に送信され、フラグデータ533(図6のフラグデータ)としてメモリ53に格納される。
【0076】
たとえば、図8に示される例では、募集人が顧客に対して「本人確認」を開始したタイミング(録画開始から5分15秒経過したタイミング)でアイコン251を操作し、「本人確認」を終了したタイミング(録画開始から10分30秒経過したタイミング)でアイコン251を操作している。募集人が顧客に対して「意向確認」を開始したタイミング(録画開始から25分経過したタイミング)でアイコン252を操作し、「意向確認」を終了したタイミング(録画開始から32分20秒経過したタイミング)でアイコン252を操作している。募集人が顧客に対して「重要事項説明」を開始したタイミング(録画開始から38分5秒経過したタイミング)でアイコン253を操作し、「重要事項説明」を終了したタイミング(録画開始から50分30秒経過したタイミング)でアイコン253を操作している。この例に対応するフラグデータは、図6のフラグデータAとして図5の録画データAに紐づけられる。
【0077】
なお、募集人が「本人確認」、「意向確認」、「重要事項説明」、および「家族の同意」などの各チェック項目の開始タイミングや終了タイミングにおいてアイコン251~254を操作するものに限らない。たとえば、募集人端末2のプロセッサ21、サーバ装置5のプロセッサ51、またはチェック用端末4のプロセッサ41が、各メモリに格納している録画データに基づきオンライン保険相談の内容をスクリプト化し、スクリプト化によって得られた文書から各チェック項目のキーワードを検出することで、各チェック項目の開始タイミングや終了タイミングを特定してもよい。そして、このようにして特定された各チェック項目の開始タイミングや終了タイミングについてフラグデータが作成され、作成されたフラグデータが録画データに紐付けられてもよい。
【0078】
なお、顧客が高齢者または未成年でない場合、ディスプレイ24は、「家族の同意」の開始タイミングおよび終了タイミングを記録するためのアイコン254を表示しなくてもよい。たとえば、募集人端末2は、オンライン保険相談を行うにあたって、事前に顧客の年齢が入力される場合、顧客の年齢に基づき顧客が高齢者または未成年でないと判断すると、アイコン254をディスプレイ24に表示しないようにしてもよい。たとえば、募集人端末2は、オンライン保険相談の開始時においてはアイコン254をディスプレイ24に表示するが、オンライン保険相談中の「本人確認」において顧客が高齢者または未成年でないと判断すると、アイコン254をディスプレイ24の表示から削除してもよい。この場合において、募集人端末2は、オンライン保険相談中の「本人確認」後に募集人によって入力された顧客の年齢に基づき、顧客が高齢者または未成年であるか否かを判断してもよいし、音声認識によって得られた情報(たとえば、スクリプトデータ)から顧客が高齢者または未成年であるか否かを判断してもよい。
【0079】
本人確認においては、顧客に対して免許証などの本人確認証244の提示が求められる。図9に示されるように、顧客が本人確認証244を提示すると、募集人端末2のプロセッサ21は、本人確認証244に示された顧客の顔写真と、保険契約者である顧客の顔243とが一致するか否かを判定し、その結果をディスプレイ24の表示領域245に表示する。この例では、表示領域245に本人確認ができた旨を示す「OK」が表示される。プロセッサ21は、顧客の顔写真と顧客の顔243とが一致するか否かの判定において、たとえば、AIによる公知の顔認証技術を用いる。
【0080】
顧客が本人確認証244を提示しているときに募集人がアイコン255を操作すると、プロセッサ21は、本人確認証244に示された顧客の氏名、生年月日、および住所など、顧客に関する情報を読み取って、これらの顧客情報を取得する。募集人端末2によって取得された顧客情報は、ディスプレイ24の表示領域246に表示される。さらに、プロセッサ21は、取得した顧客情報に基づき、サーバ装置5のメモリ53に格納された顧客データ535から、顧客の契約状況や家族情報をさらに取得し、取得したこれらの顧客情報をディスプレイ24の表示領域247に表示する。
【0081】
なお、募集人端末2は、オンライン保険相談を行う前に、予めサーバ装置5から顧客データ535を取得して、メモリ23に格納しておいてもよい。そして、募集人がアイコン255を操作したときに、メモリ23に格納された顧客データ535に含まれる顧客の契約状況や家族情報を取得し、取得したこれらの顧客情報をディスプレイ24の表示領域247に表示してもよい。
【0082】
募集人端末2によって取得された顧客情報は、サーバ装置5に送信されて、顧客データ535としてメモリ53に格納されてもよい。
【0083】
オンライン保険相談においては、募集人が各チェック項目を1つ1つ確認しながら顧客と相談を行い、チェック項目に対応する話を行う際に対応するアイコンを操作するが、仮に、チェック項目のいずれかが抜けていた場合、募集人端末2は、オンライン保険相談中に警告画面をディスプレイ24に表示してもよい。たとえば、募集人端末2は、「本人確認」に対応するアイコン251が操作される前に「意向確認」に対応するアイコン252や「重要事項説明」に対応するアイコン253が操作された場合や、「意向確認」に対応するアイコン252が操作される前に「重要事項説明」に対応するアイコン253が操作された場合、警告画面をディスプレイ24に表示してもよい。
【0084】
[コンプライアンスチェック中の表示態様]
図10は、コンプライアンスチェック中におけるチェック用端末4の表示態様を示す模式図である。図10に示されるオンライン保険相談は、図5の録画データAに対応する録画データ432が再生されたものとする。
【0085】
図10に示されるように、チェック用端末4のディスプレイ44は、録画データ432を再生することで、募集人端末2によって記録されたオンライン保険相談の内容を表示する。チェック用端末4のディスプレイ44は、顧客を表示する表示領域441と、募集人を表示する表示領域442とを含む。
【0086】
ディスプレイ44の表示領域の下方には、録画データ432の再生箇所を示すシークバー450と、録画データ432の再生または停止を行うためのアイコン451と、再生画面を早戻しするためのアイコン452と、再生画面を早送りするためのアイコン453と、再生速度を調整するためのアイコン454と、全体の再生時間に対する現在の再生時間を示すアイコン455と、音量を調整するためのアイコン456とが表示されている。
【0087】
チェック担当者は、数多くのオンライン保険相談についてコンプライアンスチェックを行わなければならないが、アイコン454を操作することで、2倍、4倍、または1/2倍、1/4倍など、所望の再生速度で録画データ432を再生することができる。
【0088】
ディスプレイ44の表示領域の下方には、再生画面において目印(メモ、しおり)464を表示するためのアイコン465と、オンライン保険相談の内容がスクリプト化された字幕を表示するためのアイコン457とが表示されている。
【0089】
チェック担当者は、録画データ432の再生中にアイコン465を操作することで、アイコン465を操作したタイミングに対応するシークバー450の箇所に目印464を表示させることができる。また、チェック担当者は、目印464を操作することで、一度表示した目印464を削除することができる。
【0090】
これにより、チェック担当者は、オンライン保険相談において気になる箇所または後から見直す箇所を、シークバー450に紐付けて示すことができる。
【0091】
さらに、チェック担当者は、アイコン457を操作することで、オンライン保険相談の内容がスクリプト化された字幕をディスプレイ44に表示させることができる。
【0092】
これにより、チェック担当者は、音声では聞き取り難い再生箇所について、相談内容を字幕で確認することができる。
【0093】
ディスプレイ44の表示領域の下方には、「本人確認」の開始タイミングを示すアイコン461と、「意向確認」の開始タイミングを示すアイコン462と、「重要事項説明」の開始タイミングを示す463とが、シークバー450に紐付けられて表示されている。これらのアイコン461~463は、図6のフラグデータAに対応するフラグデータ433に基づいて表示される。
【0094】
チェック担当者は、録画データ432の再生中にアイコン461を操作することで、「本人確認」が行われる箇所から録画データ432を再生することができ、「本人確認」からコンプライアンスチェックを行うことができる。チェック担当者は、録画データ432の再生中にアイコン462を操作することで、「意向確認」が行われる箇所から録画データ432を再生することができ、「意向確認」からコンプライアンスチェックを行うことができる。チェック担当者は、録画データ432の再生中にアイコン463を操作することで、「重要事項説明」が行われる箇所から録画データ432を再生することができ、「重要事項説明」からコンプライアンスチェックを行うことができる。
【0095】
これにより、チェック担当者は、録画データ432を最初から再生して「本人確認」などコンプライアンスチェックに必要となる内容を一律に探す必要がなく、自身が確認したい箇所から即座に録画データ432を再生することができる。
【0096】
ディスプレイ44の表示領域の下方には、「NGワード」の開始タイミングを示すアイコン466が、シークバー450に紐付けられて表示されている。アイコン466は、図7のスクリプトデータAに対応するスクリプトデータ434に基づいて表示される。
【0097】
チェック担当者は、録画データ432の再生中にアイコン466を操作することで、スクリプト化された字幕から抽出されたNGワードが登場する箇所から録画データ432を再生することができる。
【0098】
これにより、チェック担当者は、録画データ432を最初から再生してNGワードがあるか否かを一律に探す必要がなく、NGワードが登場する箇所から即座に録画データ432を再生することができる。
【0099】
さらに、図示は省略するが、チェック用端末4のディスプレイ44には、図9に示したように、顧客による本人確認証244の提示場面が表示される。そして、ディスプレイ44には、本人確認証244に示された顧客の顔写真と、保険契約者である顧客の顔243とが一致するか否かの判定結果が表示される。
【0100】
これにより、チェック担当者は、本人確認証244に示された顧客の顔写真と、保険契約者である顧客の顔243とが一致するか否かを確認することができる。
【0101】
さらに、ディスプレイ44には、図9に示したように、本人確認証244に示された顧客の氏名、生年月日、および住所などの顧客に関する情報と、顧客の契約状況および家族情報とが表示される。
【0102】
これにより、チェック担当者は、本人確認証244が見え難い場合であっても、本人確認証244に示された顧客の氏名、生年月日、および住所などの顧客に関する情報を確認することができる。さらに、チェック担当者は、予めサーバ装置5に登録されていた顧客の契約状況および家族情報を確認することができる。
【0103】
オンライン保険相談においては、募集人が各チェック項目を1つ1つ確認しながら顧客と相談を行い、チェック項目に対応する話を行う際に対応するアイコンを操作するが、仮に、チェック項目のいずれかが抜けていた場合、チェック用端末4は、録画データ432の再生画面において、警告画面をディスプレイ44に表示してもよい。
【0104】
[録画処理]
図11は、募集人端末2が実行する録画処理を説明するためのフローチャートである。図11に示す各ステップ(以下、「S」で示す。)は、募集人端末2のプロセッサ21が録画プログラム235を実行することで実現される。
【0105】
図11に示されるように、募集人端末2は、ネットワーク6を介して顧客端末3との間でテレビ電話を行う(S1)。募集人端末2は、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データ232として記録する(S2)。
【0106】
募集人端末2は、テレビ電話中にアイコン251~254のいずれかに対するユーザ操作を受け付けたか否かを判定する(S3)。募集人端末2は、アイコン251~254のいずれかに対するユーザ操作を受け付けていない場合(S3でNO)、S1に処理を戻す。
【0107】
一方、募集人端末2は、アイコン251~254のいずれかに対するユーザ操作を受け付けた場合(S3でYES)、ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に録画データ232に紐付けてフラグデータ233を記録する(S4)。その後、募集人端末2は、S1に処理を戻す。
【0108】
このように、募集人端末2は、録画プログラム235に基づき録画処理を実行することで、「本人確認」などコンプライアンスチェックに必要となる箇所で募集人が行ったユーザ操作を受け付け、ユーザ操作を受け付たチェックタイミングでチェック担当者が録画データ432を再生できるように録画データ232を記録することができる。これにより、チェック担当者は、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。
【0109】
[主な構成]
(構成1)
本実施の形態に係る保険相談システム1は、顧客端末3と、ネットワーク6を介して顧客端末3との間でテレビ電話を行うことが可能な募集人端末2と、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データ532として記録するサーバ装置5と、サーバ装置5によって記録された録画データ532(432)を再生するチェック用端末4とを備える。チェック用端末4は、相談内容をチェックするために予め決められたチェックタイミングで録画データ432を再生する。
【0110】
これにより、チェック担当者は、録画データ432を最初から再生してコンプライアンスチェックに必要となる内容を一律に探す必要がなく、予め決められたチェックタイミングで録画データ432を再生することができるため、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。しかも、録画データ432の再生時間のうち、コンプライアンスチェック時のチェック項目の再生タイミングは、オンライン保険相談中に募集人によって予め決められ、録画データ232(432)に紐付けられるため、チェック担当者の負担を軽減することができる。
【0111】
(構成2)
募集人端末2は、テレビ電話中に募集人がチェックタイミングを決めるためのユーザ操作を受け付けるユーザインターフェイスとしてアイコン251~254の表示を提供する。
【0112】
これにより、募集人は、チェック担当者によるコンプライアンスチェックの対象となるチェック項目を顧客との間で行っていることを自身で確認しながらオンライン保険相談を進めることができ、さらに、コンプライアンスチェックの対象となる内容を顧客との間で行うときに、アイコン251~254を操作することで、フラグデータ233を紐付けて録画データ232を記録させることができる。
【0113】
(構成3)
チェックタイミングは、テレビ電話中に行われる相談内容のうち、保険契約者の本人確認、保険契約者の保険商品に対する意向確認、保険商品に関する重要事項説明、および保険契約者の家族の同意のうちのいずれか1つが行われるタイミングを含む。
【0114】
これにより、募集人は、「本人確認」、「意向確認」、「重要事項説明」、および「家族の同意」など、コンプライアンスチェックの対象となる各チェック項目について、フラグデータ233を録画データ232に紐付けることができる。さらに、チェック担当者は、「本人確認」、「意向確認」、「重要事項説明」、および「家族の同意」など、コンプライアンスチェックの対象となる各チェック項目について、保険相談において話されるチェックタイミングで録画データ432を再生することができるため、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。
【0115】
(構成4)
サーバ装置5は、チェックタイミングを特定可能なフラグデータ533を録画データ532に紐付けて記録する。
【0116】
これにより、チェック担当者は、録画データ532(432)に紐付けられたフラグデータ533(433)に基づき、予め決められたチェックタイミングで録画データ432を再生することができるため、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。
【0117】
(構成5)
チェック用端末4は、録画データ432に基づく相談内容をスクリプト化した字幕を再生する。
【0118】
これにより、チェック担当者は、音声では聞き取り難い再生箇所について、相談内容を字幕で確認することができるため、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。
【0119】
(構成6)
チェック用端末4は、録画データ432の再生画面において、字幕に基づき特定されたNGワードが再生されるタイミングを示す。
【0120】
これにより、チェック担当者は、録画データ432を最初から再生してNGワードがあるか否かを一律に探す必要がなく、NGワードが登場する箇所から即座に録画データ432を再生することができるため、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。
【0121】
(構成7)
チェック用端末4は、録画データ432の再生画面において、ユーザ操作に基づく目印を表示する。
【0122】
これにより、チェック担当者は、オンライン保険相談において気になる箇所や後から見直す箇所を再生画面に示すことができるため、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。
【0123】
(構成8)
チェック用端末4は、ユーザ操作に基づき調整された再生速度で録画データ432を再生する。
【0124】
これにより、チェック担当者は、所望の再生速度で録画データ432を再生することができるため、コンプライアンスチェックを効率よく行うことができる。
【0125】
(構成9)
チェック用端末は、録画データ432の再生画面において、テレビ電話を行っている保険契約者の顔243と、テレビ電話中に保険契約者が提示する本人確認証244の顔写真とが一致するか否かの判定結果を表示する。
【0126】
これにより、チェック担当者は、本人確認証244に示された顧客の顔写真と、保険契約者である顧客の顔243とが一致するか否かを確認することができる。
【0127】
(構成10)
チェック用端末4は、録画データ432の再生画面において、テレビ電話中に保険契約者が提示する本人確認証244に基づき特定される保険契約者の情報を表示する。
【0128】
これにより、チェック担当者は、本人確認証244に示された顧客の氏名、生年月日、および住所などの顧客に関する情報を確認することができる。
【0129】
(構成11)
本実施の形態に係る募集人端末2は、ネットワーク6を介して顧客端末3との間でテレビ電話を行うための通信装置22と、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データ232として記録するメモリ23と、テレビ電話中にユーザ操作を受け付ける入力インターフェース25とを備える。メモリ23は、ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に録画データ232を記録する。
【0130】
これにより、募集人は、チェック担当者によるコンプライアンスチェックが必要となるタイミングで再生可能に録画データ232をメモリ23に記録させることができるため、チェック担当者にコンプライアンスチェックを効率よく行わせることができる。
【0131】
(構成12)
本実施の形態に係る録画方法は、ネットワーク6を介して顧客端末3との間でテレビ電話を行うステップ(S1)と、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データ232として記録するステップ(S2)と、テレビ電話中にユーザ操作を受け付けるステップ(S3)とを含む。記録するステップは、ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に録画データを記録する。
【0132】
これにより、募集人は、チェック担当者によるコンプライアンスチェックが必要となるタイミングで再生可能に録画データ232をメモリ23に記録させることができるため、チェック担当者にコンプライアンスチェックを効率よく行わせることができる。
【0133】
(構成13)
本実施の形態に係る録画プログラムは、コンピュータ(募集人端末2)に、ネットワーク6を介して保険契約者の端末との間でテレビ電話を行うステップ(S1)と、テレビ電話中に行われる保険の相談内容を録画データ232として記録するステップ(S2)と、テレビ電話中にユーザ操作を受け付けるステップ(S3)とを実行させる。記録するステップは、ユーザ操作が受け付けられたチェックタイミングで再生可能に録画データを記録する。
【0134】
これにより、募集人は、チェック担当者によるコンプライアンスチェックが必要となるタイミングで再生可能に録画データ232をメモリ23に記録させることができるため、チェック担当者にコンプライアンスチェックを効率よく行わせることができる。
【0135】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。なお、本実施の形態で例示された構成および変形例で例示された構成は、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0136】
1 保険相談システム、2 募集人端末、3 顧客端末、4 チェック用端末、5 サーバ装置、6 ネットワーク、21,31,41,51 プロセッサ、22,32,42,52 通信装置、23,33,43,53 メモリ、24,34,44 ディスプレイ、25,35,45 入力インターフェース、26,36 カメラ、27,37 マイク、28,38 スピーカ、231,331,431,531 制御プログラム、232,432,532 録画データ、233,433,533 フラグデータ、234,434,534 スクリプトデータ、235 録画プログラム、241,242,245,246,247,441,442 表示領域、243 顔、244 本人確認証、251,252,253,254,255,451,452,453,454,455,456,457,461,462,463,465,466 アイコン、450 シークバー、464 目印、535 顧客データ、536 募集人データ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11