(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102414
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】組立式フィルタシステム
(51)【国際特許分類】
B01D 29/01 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
B01D29/04 510A
B01D29/04 530A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006263
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000232885
【氏名又は名称】株式会社ロキテクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】金城 隆司
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA05
4D116BB10
4D116BC06
4D116BC77
4D116DD01
4D116EE03
4D116EE10
4D116EE12
4D116KK01
4D116KK06
4D116QB03
4D116QB23
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で、濾過が実現できる組立式のフィルタ装置が求められる。
【解決手段】第1開口を形成する第1円周縁と、前記第1円周縁と前記第1開口に対向する第1底面とを連結する筒状の第1壁部と、を有し内部に前記濾過液を受容可能な第1容器と、前記第1円周縁に支持されることが可能な支持縁を備える支持蓋と、第2開口を形成する第2円周縁を有する一端と、前記第2開口に対向し少なくとも一部が穴である他端と、前記第2円周縁と前記他端とを連結する筒状の第2壁部と、を有する第2容器と、を備えるフィルタシステムにより解決する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過前の液体を受容する液入容器と前記液体の濾過の後の濾過液を受容する液出容器とを備える組立式フィルタシステムであって、
前記液出容器は、
第1開口を形成する第1円周縁と、前記第1円周縁と前記第1開口に対向する第1底面とを連結する筒状の第1壁部と、を有し内部に前記濾過液を受容可能な第1容器と、
前記第1円周縁に支持されることが可能な支持縁を備える支持蓋と、を備え、
前記液入容器は、
第2開口を形成する第2円周縁を有する一端と、前記第2開口に対向し少なくとも一部に穴を有する他端と、前記第2円周縁と前記他端とを連結する筒状の第2壁部と、を有する第2容器を備え、
前記支持蓋は、前記第2壁部を支持可能に嵌合可能な保持穴を備え、前記保持穴の周縁と前記支持縁とを連結する支持面を備え、
前記第2容器の前記他端と前記支持蓋の前記保持穴とのいずれかには前記液体を濾過するフィルタエレメントが取り付けられ、
前記支持蓋が前記第1円周縁に支持され、前記第2容器が前記支持蓋に支持されることにより前記液入容器と前記液出容器とが組み合った際に、前記濾過は前記フィルタエレメントを通過することで実行される組立式フィルタシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記支持蓋の前記支持面は、前記第1開口の面に対して角度を有する斜面または曲面である組立式フィルタシステム。
【請求項3】
請求項1に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記フィルタエレメントは嵌合管を有するフィルタカートリッジに収められ、
前記第2容器の前記他端と前記支持蓋の前記保持穴とのいずれかには前記嵌合管を受容する受容孔を備え、前記フィルタカートリッジは前記嵌合管が前記受容孔に嵌入されることにより固定されている組立式フィルタシステム。
【請求項4】
請求項1に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記液出容器は、
排気孔と、
内部管路を内部に有し一端が前記排気孔の径以下の外径を備えて前記排気孔に脱着可能に挿管可能であって他端から前記内部管路を通して前記液出容器の脱気が可能な弾性チューブと、
前記弾性チューブの前記内部管路の径よりも大きい外径を有し内部脱気路を有して脱着可能に前記弾性チューブの前記内部管路に挿嵌可能な押込管具と、を備え、
前記弾性チューブの前記一端が前記排気孔に挿嵌された状態で、前記弾性チューブは前記排気孔と前記押込管具とに密閉挟持され、前記押込管具の前記内部脱気路と前記弾性チューブの前記内部管路とが連通する組立式フィルタシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記排気孔は前記支持蓋の前記支持面または前記第1容器の前記第1壁部に配置され、
前記脱気により、前記液入容器の前記濾過前の前記液体が前記フィルタエレメントを通過して前記液出容器へ流れる組立式フィルタシステム。
【請求項6】
請求項5に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記押込管具は、前記支持蓋の前記支持面の内側または前記第1容器の前記第1壁部の内側に当接するフランジを備える組立式フィルタシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の組立式フィルタシステムであって、
さらに、前記液入容器の前記液体が予濾過の後の濾過液となるように前記液入容器の前記液体の予濾過前の予液体を受容する予液入容器を備え、
前記予液入容器は、
第3開口を形成する第3円周縁を有する一端と、前記第3開口に対向し少なくとも一部に穴を有する他端と、前記第3円周縁と前記他端とを連結する筒状の第3壁部と、を有する第3容器を備え、
前記液入容器は、
前記第3壁部を支持可能に嵌合可能な第2保持穴を備え、前記第2容器の前記第2円周縁に支持されることが可能な第2支持縁と、前記第2保持穴の周縁と前記第2支持縁とを連結する第2支持面と、を有する第2支持蓋を備え、
前記第3容器の前記他端と前記第2支持蓋の前記第2保持穴とのいずれかには前記液体を濾過する第2フィルタエレメントが取り付けられ、
前記第2支持蓋が前記第2円周縁に支持され、前記第3容器が前記第2支持蓋に支持されることにより前記予液入容器と前記液入容器とが組み合った際に、前記予濾過は前記第2フィルタエレメントを通過することで実行される組立式フィルタシステム。
【請求項8】
請求項7に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記第2支持蓋の前記第2支持面は、前記第2開口の面に対して角度を有する斜面または曲面である組立式フィルタシステム。
【請求項9】
請求項7に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記液入容器は、
第2排気孔と、
第2内部管路を内部に有して一端が前記第2排気孔の径以下の外径を備えて前記第2排気孔に脱着可能に挿管可能であって他端から前記第2内部管路を通して前記液入容器の脱気が可能な第2弾性チューブと、
前記第2弾性チューブの前記第2内部管路の径よりも大きい外径を有し第2内部脱気路を有して脱着可能に前記第2弾性チューブの前記第2内部管路の前記一端に挿嵌可能な第2押込管具と、を備え、
前記第2弾性チューブの前記一端が前記第2排気孔に挿嵌された状態で、前記第2弾性チューブは前記第2排気孔と前記第2押込管具とに密閉挟持され、前記第2押込管具の前記第2内部脱気路と前記第2弾性チューブの前記第2内部管路とが連通する組立式フィルタシステム。
【請求項10】
請求項9に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記第2排気孔は前記第2支持蓋の前記第2支持面または前記第2容器の前記第2壁部に配置され、
前記第2内部管路を通しての前記脱気により、前記予液入容器の前記予濾過前の前記予液体が前記第2フィルタエレメントを通過して前記液入容器へ流れる組立式フィルタシステム。
【請求項11】
請求項10に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記第2押込管具は、前記第2支持蓋の前記第2支持面の内側または前記第2容器の前記第2壁部の内側に当接する第2フランジを備える組立式フィルタシステム。
【請求項12】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の組立式フィルタシステムであって、
前記液入容器および前記液出容器との組み合せを任意の自然数の個数備えている組立式フィルタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立式フィルタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1に開示されるように複数の容器を重ねて組み合わせて液体を上側から下側に流すことでフィルタエレメントを通過させて濾過するフィルタシステムが知られている。このようなフィルタシステムでは、濾過すべき液体が入っている上流側の容器内部を加圧することなく、濾過すべき液体が濾過された後に受容される下流側の液体容器の内部を減圧することで濾過すべき液体の流れを形成する脱気吸引の態様が使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2008/52642号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般に、脱気吸引の態様のフィルタシステムは、密閉構造を作るために構造が複雑になる傾向がある。簡易な構造で、濾過が実現できる組立式のフィルタ装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
濾過前の液体を受容する液入容器と前記液体の濾過の後の濾過液を受容する液出容器とを備える組立式フィルタシステムであって、前記液出容器は、第1開口を形成する第1円周縁と、前記第1円周縁と前記第1開口に対向する第1底面とを連結する筒状の第1壁部と、を有し内部に前記濾過液を受容可能な第1容器と、前記第1円周縁に支持されることが可能な支持縁を備える支持蓋と、を備え、前記液入容器は、第2開口を形成する第2円周縁を有する一端と、前記第2開口に対向し少なくとも一部に穴をする他端と、前記第2円周縁と前記他端とを連結する筒状の第2壁部と、を有する第2容器を備え、前記支持蓋は、前記第2壁部を支持可能に嵌合可能な保持穴を備え、前記保持穴の周縁と前記支持縁とを連結する支持面を備え、前記第2容器の前記他端と前記支持蓋の前記保持穴とのいずれかには前記液体を濾過するフィルタエレメントが取り付けられ、前記支持蓋が前記第1円周縁に支持され、前記第2容器が前記支持蓋に支持されることにより前記液入容器と前記液出容器とが組み合った際に、前記濾過は前記フィルタエレメントを通過することで実行される組立式フィルタシステムにより解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、フィルタユニットとは別に、配管内にバルブを配置せずに、液溜り、発塵、漏れ、異物流出などの問題を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本願発明の第1の実施の形態の組立式フィルタシステムの組立て状態の図である。
【
図1B】本願発明の第1の実施の形態の組立式フィルタシステムの分解状態の図である。
【
図2A】本願発明の第1の実施の形態の組立式フィルタシステムの支持蓋の一の態様の拡大図である。
【
図2B】本願発明の第1の実施の形態の組立式フィルタシステムの支持蓋の他の態様の拡大図である。
【
図2C】本願発明の第1の実施の形態の組立式フィルタシステムの支持蓋のさらなる他の態様の拡大図である。
【
図2D】本願発明の第1の実施の形態の組立式フィルタシステムの支持蓋のさらなる他の態様の拡大図である。
【
図3A】本願発明の第1の実施の形態の一例のチューブジョイントの接合状態の図である。
【
図3B】本願発明の第1の実施の形態の一例のチューブジョイントの分離状態の図である。
【
図4A】本願発明の第1の実施の形態の他の一例のチューブジョイントの接合状態の図である。
【
図4B】本願発明の第1の実施の形態の他の一例のチューブジョイントの分離状態の図である。
【
図5】本願発明の第2の実施の形態の組立式フィルタシステムの分解状態の図である。
【
図6A】本願発明の第3の実施の形態の一例の組立式フィルタシステムの分解状態の図である。
【
図6B】本願発明の第3の実施の形態の他の一例の組立式フィルタシステムの分解状態の図である。
【
図7】本願発明の実施の形態の組立式フィルタシステムの拡張状態の組立状態の図である。
【
図8】本願発明の実施の形態の組立式フィルタシステムの拡張状態であって多段の組立の概念を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1Aから
図1Cを参照して、組立式フィルタシステム1の第1の実施の形態について、説明する。
図1Aは、組立式フィルタシステム1の組み立て状態を示している。
図1Bは、組立式フィルタシステム1の分解状態を示している。
図1Cは、組立式フィルタシステム1の
図1Bとは異なる他の実施の形態の分解状態を示している。
図1Dは、組立式フィルタシステム1の拡張状態を示している。
【0009】
組立式フィルタシステム1は、濾過前の液体を受容する液入容器1bとその液体の濾過の後の濾過液を受容する液出容器1aとを備える分離可能であって組み立てて使用する組立式フィルタシステムである。組立式フィルタシステム1は、組み立て状態で、液入容器1bは液出容器1aの上側に配置される。
【0010】
液出容器1aは、中空の第1容器31と、第1容器31の蓋として機能する支持蓋2と、を備える。第1容器31は、一端に第1開口31dを有し、他端に第1開口31dと対向する第1底面31bを備えている。第1底面31bと第1開口31dとは筒状の第1壁部31aで連結されている。第1壁部31aの第1開口31d側の端部は、第1開口31dを画定する第1円周縁31cを形成する。代表的には、第1底面31bは円形であって、第1底面31bの中心を通って第1底面31bに垂直な垂直軸が画定でき、第1底面31bと第1開口31dとは平行で第1壁部31aはその垂直軸まわりに軸対称の形状とすることができる。さらに、第1開口31dの大きさが第1底面31bの大きさより大きく、第1壁部31aは、第1開口31dから第1底面31bに至る方向に狭まるような斜面を有するコップ状の逆円錐台形状とすることができる。
【0011】
支持蓋2は、支持縁2dを備えて、第1開口31dを覆う形状の蓋である。支持縁2dは、第1容器31の第1開口31dを形成する第1円周縁31cに対応する形状を有している。支持縁2dは、第1円周縁31c上に載置、係合または嵌合される等の様々な態様により取り付け取り外し可能に第1円周縁31cに固定支持される。
【0012】
支持蓋2は、支持縁2dから第1容器31の第1開口31dを覆うように支持縁2dから延在する支持面2aを有している。支持面2aは支持縁2dから水平方向に延在とする面とすることもできる。代表的には、支持面2aは支持縁2dから第1開口31dの中心に向けて第1開口31dから離れるように立ち上がる斜面または曲面とすることができる。たとえば、
図1Bに示すように、支持面2aは、支持縁2dから凸上に第1開口31dを覆うドーム状の曲面形状とすることができる。逆に、支持面2aは支持縁2dから第1開口31dの中心に向けて第1開口31dから第1底面31bの方向に斜面または曲面とすることができる。支持蓋2が第1容器31の第1開口31dの第1円周縁31c上に支持されている状態において、支持縁2dの周面と第1円周縁31cとは支持縁2dと第1円周縁31cとの全周において密着する。この密着は、構造または素材により、支持蓋2と第1容器31とで画定される支持蓋2と第1容器31との内部空間を外部環境と流体的に遮断する。
【0013】
液入容器1bは、一端に第2開口32dを有し、他端に第2開口32dと対向する第2底面32bを備えている。第2底面32bと第2開口32dとは筒状の第2壁部32aで連結されている。第2壁部32aの第2開口32d側の端部は、第2開口32dを画定する第2円周縁32cを形成する。代表的には、第2底面32bは円形であって、第2底面32bの中心を通って第2底面32bに垂直な垂直軸が画定でき、第2底面32bと第2開口32dとは平行で第2壁部32aはその垂直軸まわりに軸対称の形状とすることができる。さらに、第2開口32dの大きさが第2底面32bの大きさより大きく、第2壁部32aは、第2開口32dから第2底面32bに至る方向に狭まるような斜面を有するコップ状の逆円錐台形状とすることができる。さらに、特に、第1容器31の第1壁部31aと第2容器32の第2壁部32aとを同じ形状にすることができる。第2底面32bには、第2底面32bの少なくとも一部に開口を備えている。
【0014】
支持蓋2は、第2壁部32aを支持可能に嵌合可能な保持穴2cを備えている。支持面2aは保持穴2cの周縁と支持縁2dとを連結する。支持蓋2の保持穴2cに第2容器32が支持される状態において、第2壁部32aの周面と保持穴2cとは保持穴2cの全周において保持穴2cは第2壁部32aに密着する。これにより、支持蓋2の保持穴2cに第2容器32が支持される状態において、保持穴2c内に挿嵌されている第2容器32の外部と支持蓋2および第1容器31の内部とにより画定される空間が密閉状態とすることができる。
【0015】
保持穴2cは単純には支持面2aに穿設される穴とすることができるが、保持穴2cに保持壁2bを配置してもよい。保持壁2bは、たとえば、保持壁2bから、第1底面の方向に向かって、または第1底面の方向から離れる方向に、さらにはその両方向に、所定の幅を有するように保持穴2cの少なくとも一部または全周に亘って延在する支持壁である。保持壁2bは、支持蓋2が第1容器31に取り付けられている状態において、第1容器31の垂直軸に対して角度を有する斜面とすることができる。支持蓋2が第1容器31に取り付けられている状態において、第1容器31の第1底面31bの側の支持蓋2の保持壁2bの端部は、少なくとも一部において開口を有している。この開口は、支持蓋2が第1容器31に取り付けられている状態で支持蓋2に第2容器32が取り付けられているときに、第2容器32の第2底面32bの開口と対応し、第2容器32の内部と第1容器の内部とを連通する開口として機能する。
【0016】
支持蓋2の保持穴2cでの第2容器32の支持は、さまざまな態様を取ることができる。
図2Aから
図2Dを参照して、支持蓋2の保持穴2cでの第2容器32の支持について説明する。
図2から
図2Dは、支持蓋2の保持穴2cに第2容器32が支持されている状態において支持蓋2の保持穴2c付近の第2容器32と支持蓋2との断面を示した図である。
図2Aから
図2Cに示すように、支持蓋2の保持壁2bと、第2容器32の第2壁部32aとが接触して密着することにより、支持蓋2の保持穴2cが第2容器32を保持する形態をとることができる。たとえば、
図2Aに示す態様では、第2底面32bの縁部が支持蓋2の保持壁2bと接触して、第2底面32bの縁部に沿っての線接触により支持蓋2の保持穴2cが第2容器32を保持することができる。
【0017】
たとえば、
図2Aに示すように、第2底面32bの縁部が支持蓋2の保持壁2bと接触して、第2底面32bの縁部の全周に沿っての線接触により支持蓋2の保持穴2cが第2容器32を保持することができる。また、
図2Bに示すように、逆に支持蓋2の保持壁2bの縁部が第2底面32bと接触して、支持蓋2の保持壁2bの縁部の全周に沿っての線接触により支持蓋2の保持穴2cが第2容器32を保持することもできる。また、さらに、
図2Cに示すように、支持蓋2の保持壁2bの傾斜角度と第2容器32の第2壁部32aの傾斜角度を同じにしておいて、支持蓋2の保持壁2bと第2容器32の第2壁部32aとが面により接触して、支持蓋2の保持壁2bと第2容器32の第2壁部32aとの面線接触により支持蓋2の保持穴2cが第2容器32を保持する形態をとることもできる。これらの態様ように、支持蓋2の保持壁2bと第2底面32bとのいずれかの箇所における線接触または面接触によって支持蓋2の保持穴2cが第2容器32を保持することができる。
【0018】
その他、支持蓋2が第1容器31に取り付けられている状態において、支持蓋2の保持壁2bに、第1容器31の第1底面31bに平行に支持蓋2の保持壁2bから延出する支持底面2eを配置してもよい。この場合、前述の第1容器31の第1底面31bの側に配置される支持蓋2の保持壁2bの開口は、支持底面2eの一部に配置する。そして、開口となっていない支持底面2eの部分に第2容器32の第2底面32bが載置されて支持底面2eと第2容器32の第2底面32bとが接触することで支持蓋2が第2容器32を保持する態様とすることができる。
【0019】
支持蓋2が第2容器32を保持する場合に、支持蓋2と第2容器32とが接触する接触箇所では密着かつ密閉して、支持蓋2と第2容器32とで画定される内部空間がこの接触箇所から外部と流体的に連通しない構造となっている。これは、たとえば、支持蓋2と第2容器32とが互いに押圧することで支持蓋2と第2容器32の材質によって、ミクロな表面変形によるシール効果を奏することにより実現できる。
【0020】
前述の第1容器31の第1底面31bの側に配置される支持蓋2の保持壁2bの開口には、フィルタエレメント4が配置される。フィルタエレメント4は、不織布などの網目構造の部材であって、液入容器1bに貯蔵された液体を濾過して液出容器1aに濾過後の液体として流す機能を果たす素材からなる部材である。
【0021】
支持蓋2が第1容器31の第1開口31dを画定する第1円周縁31cに支持されて取り付けられ、第2容器32が支持蓋2の保持穴2cに挿入されて第2容器32が支持蓋2に取り付けられて、液入容器1bと液出容器1aとが組み合った状態で、液出容器1aの内部を減圧すると、液入容器1bに対して液出容器1aの圧力が低くなり、液入容器1b内の液体がフィルタエレメント4を通過して液出容器1aの内部に流出する。これにより、フィルタエレメント4により液入容器1bの内部の液体の濾過が実行される。
【0022】
組立式フィルタシステム1において液出容器1aの内部の減圧を実現する減圧構造および方法として、様々な方法をとることができる。特に、組立式フィルタシステム1は減圧構造および方法としては、排気システム5を備えることができる。以下、
図3Aから4Bを参照して、液出容器1aの内部の減圧を実現する排気システム5について説明する。
図3Aおよび
図3Bは排気システム5として液出容器1aの断面を示した図である。
図3Aは排気システム5が組み合っている状態であり、
図3Bは排気システム5の分解状態を示している。また、
図4Aおよび
図4Bは排気システム5の他の実施の形態の例であり、
図3Aと
図3Bと同様に、液出容器1aの断面を示した図である。
図4Aは排気システム5が組み合っている状態であり、
図4Bは排気システム5の分解状態を示している。
【0023】
排気システム5は、排気孔51と、弾性チューブ52と、押込管具53と、を備える。排気孔51は支持蓋2の支持面2aまたは第1容器31の第1壁部31aに配置される。排気孔51は、支持蓋2の内外または第1容器31の内外を貫通するように穿設される所定の径を有する貫通孔である。
図3Aおよび
図3Bでは、排気孔51は支持蓋2の支持面2aに配置されている例を示しているが、支持蓋2の支持面2aに配置する場合と第1容器31の第1壁部31aに配置する場合とで、排気孔51に構造上に違いはない。
【0024】
弾性チューブ52は、弾性を有する材質でできていて、排気孔51の径以下の外径を備え、内部に内部管路を有するチューブである。弾性チューブ52は、一端が排気ポンプ(不図示)に接続され、他端が排気孔51に脱着可能に挿入可能なチューブである。
【0025】
押込管具53は、弾性チューブ52の内部管路の内径よりも大きい外径を有する棒状部材53aを備える。押込管具53は、棒状部材53aの中心軸に沿って、両端が貫通する内部管路53bを有する。押込管具53は脱着可能に弾性チューブ52の内部管路に挿入可能である。押込管具53は弾性チューブ52の内部管路の内径以上の径の部分を有し、押込管具53が弾性チューブ52の内部管路に挿入されると、押込管具53の外面からの押圧を受けて弾性チューブ52の内部管路が膨らんで、押込管具53が挿入される前の弾性チューブ52の外径よりも、押込管具53が挿入された状態の弾性チューブ52の外径が大きくなる。押込管具53の棒状部材53aの外面には、挿入しやすくする一方で抜けを防止するため、弾性チューブ52の内部管路に挿入する側から径が増加するような円錐台形状の段差を設けることができる。段差の円錐形状は最も細い部分が弾性チューブ52の内部管路の内径よりも小さく、押込管具53の円錐台形状の段差は最も太い部分で弾性チューブ52の内部管路の内径よりも大きい。棒状部材53aのうち、弾性チューブ52の内部管路の内径よりも大きい外径を有する部分は段差の円錐台形部分に配置できる。押込管具53が弾性チューブ52の内部管路に挿入された際に、内部管路53bは弾性チューブ52の内部管路と第1容器31の内側の空間とを流体的に連通するように機能する。
【0026】
排気システム5は、弾性チューブ52の他端が排気孔51に挿嵌された状態で、排気孔51の反対側から弾性チューブ52の内部管路に押込管具53を挿入する。排気孔51に挿入されている弾性チューブ52の外径は弾性チューブ52の内部管路に押込管具53が挿入されたことにより大きくなって、弾性チューブ52は、排気孔51における第1容器31の第1壁部31aの縁部と押込管具53の外面とにより挟持されて、第1壁部31aに保持される。その状態において、弾性チューブ52の弾性により膨らんだ外面が第1壁部31aの縁部の形状に適合し、弾性チューブ52の弾性による盛り上がりで排気孔51と弾性チューブとの隙間を埋めて排気孔51を密閉する。第1容器31の第1壁部31aの肉厚が大きい場合も、または第1容器31の第1壁部31aの肉厚が薄い場合であっても、その厚さにかかわらず、弾性チューブ52の内部管路内に挿入されている押込管具53からの押圧力により、弾性チューブ52の弾性で弾性チューブ52の外面が第1壁部31aの縁部の形状に適合し、弾性チューブ52は、排気孔51における第1容器31の第1壁部31aの縁部と押込管具53の外面とにより挟持されるとともに、排気孔51を密閉する。
それにより、押込管具53の内部管路と弾性チューブ52の内部管路とが連通し、排気孔51が配置される液出容器1aの内部の内部空間が押込管具53の内部管路と弾性チューブ52の内部管路とを介して排気ポンプと連通する。排気ポンプを動作させると、押込管具53の内部管路と弾性チューブ52の内部管路とを通って、液出容器1aの内部の内部空間が排気される。
【0027】
また、
図4Aおよび
図4Bに示すように、押込管具53には、弾性チューブ52の内部管路に挿入する側と反対側の棒状部材53aの端部にフランジ53cを配置することもできる。フランジ53cの大きさは、弾性チューブ52の内部管路に押込管具53が挿入された際に、排気孔51が支持蓋2に配置される場合には支持蓋2の支持面2aの内側に、または排気孔51が第1容器31の第1壁部31aに配置される場合には第1容器31の第1壁部31aの内側に、当接するようにできる。これにより、弾性チューブ52が排気孔51から抜けることを防止することができる。この態様でも、押込管具53の内部管路と弾性チューブ52の内部管路とが連通する。排気孔51が配置される液出容器1aの内部の内部空間が押込管具53の内部管路と弾性チューブ52の内部管路とを介して排気ポンプと連通し、排気ポンプを動作させることで、押込管具53の内部管路と弾性チューブ52の内部管路とを通って、液出容器1aの内部の内部空間が排気される点は同様である。
【0028】
第1容器31および支持蓋2からなる液出容器1aと、第2容器32からなる液入容器1bと、が組み合った際に、排気ポンプ(不図示)を動作させることにより、第1容器31および支持蓋2からなる液出容器1aの内部空間の排気がなされ、第2容器32からなる液入容器1bの内部空間との圧力差により、液入容器1bの濾過前の液体がフィルタエレメント4を通過して液出容器1aへ流れ込み、その際に液体はフィルタエレメント4を通過して濾過されて、第1容器31内の濾過の後の濾過液として貯まることで濾過が実行される。
【0029】
(第2の実施の形態)
続いて、
図5を参照して、組立式フィルタシステム1の第2の実施の形態について、説明する。
図5は、組立式フィルタシステム1の分解状態を示している。第1の実施の形態では、フィルタエレメント4は支持蓋2に取り付けられているが、ここで説明する第1の実施の形態では、フィルタエレメント4は第2容器32に取り付けられている。この点のみが第1の実施の形態と異なる点である。それ以外の点では、組立式フィルタシステム1の第2の実施の形態は第1の実施の形態と同じである。ここでは、第1の実施の形態と異なる部分のみ説明し、第1の実施の形態と同じ点についての説明は割愛する。
【0030】
第2容器32の第2底面32bの開口には、フィルタエレメント4が配置される。支持蓋2の保持穴2cには開口を備えており、第2容器32の第2底面32bの開口と支持蓋2の保持穴2cの開口とがフィルタエレメント4を介して流体的に連通する。これにより、液入容器1bと液出容器1aとが組み合った状態で、液出容器1aの内部を減圧すると、液入容器1bに対して液出容器1aの圧力が低くなり、液入容器1b内の液体がフィルタエレメント4を通過して液出容器1aの内部に流出する。これにより、フィルタエレメント4により液入容器1bの内部の液体の濾過が実行される。
【0031】
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、それぞれ、フィルタエレメント4が素材のままで支持蓋2の保持穴2cの開口または第2容器32の第2底面32bの開口に取り付けられていた。これに対し、第3の実施の形態では、フィルタエレメント4はフィルタカートリッジ6に収められ、フィルタカートリッジ6として、支持蓋2または第2容器32と分離可能で取り付け取り外し可能な部材として構成される点が異なる。
図6Aおよび
図6Bを参照して、第3の実施の形態について説明する。
図6Aは第3の実施の形態の一の代表例を示し、
図6Bは第3の実施の形態の他の代表例を示している。フィルタカートリッジ6は、内部にフィルタエレメント4が封入され、フィルタカートリッジ6の少なくとも一の面はフィルタエレメント4の対応する一の面と流体的に連通する。その反対側のフィルタカートリッジ6の面には、フィルタエレメント4の反対側の面と連通する。代表的には、フィルタカートリッジ6は中空の円板形状であって、その中空部にフィルタエレメント4が取り付けられる。少なくともフィルタカートリッジ6の一の円板形状と反対側の円板形状とはフィルタエレメント4を介して内部で流体的に連通する。そして、一方の円板形状の面には、嵌合管6aを配置する。嵌合管6aの径はフィルタカートリッジ6の円板形状の円の径よりも細くする。
【0032】
たとえば、
図6Aに示す一の代表例では、支持蓋2の保持壁2bに、第1容器31の第1底面31bに平行に支持蓋2の保持壁2bから延出する支持底面2eを配置し、その支持底面2eに受容孔2fを配置する。受容孔2fは支持蓋2が第1容器31に取り付けられている状態において第1容器31の内部空間と第1容器31の外部空間とを貫通するように支持底面2eに穿設される貫通孔である。受容孔2fの径は嵌合管6aの径以上の径であって、嵌合管6aは受容孔2fに挿入される。フィルタカートリッジ6の嵌合管6aは受容孔2fに挿入された状態では、フィルタカートリッジ6の嵌合管6aの周りの面が支持蓋2の支持底面2eに接して固定される。第2容器32の第2底面32bの開口はフィルタカートリッジ6と流体的に連通するように構成される。この例は、第1の実施の形態のフィルタエレメント4をフィルタカートリッジ6としてユニット構成した態様であって、これによりフィルタの交換を容易にすることができる。
【0033】
また、
図6Bに示す他の代表例では、第2容器32の第2底面32bに受容孔32eを配置する。受容孔32eは第2容器32の内部空間と外部空間とを貫通するように穿設される貫通孔である。受容孔32eの径は嵌合管6aの径以上の径であって、嵌合管6aは受容孔32eに挿入される。フィルタカートリッジ6の嵌合管6aは受容孔32eに挿入された状態では、フィルタカートリッジ6の嵌合管6aの周りの面が第2容器32の第2底面32bに接して固定される。支持蓋2の保持壁2bの開口は、第2容器32の第2底面32bに受容孔32eと連通することでフィルタカートリッジ6を介して第2容器32の内部空間と第2容器32の内部空間とが流体的に連通する。この例は、第2の実施の形態のフィルタエレメント4をフィルタカートリッジ6としてユニット構成した態様であって、これによりフィルタの交換を容易にすることができる。
【0034】
(拡張された組立式フィルタシステムの構成)
ここまで説明してきた第1の実施の形態から第3の実施の形態は、以下に示すようにフィルタシステムの拡張をすることができる。以下、
図7を参照し、第1の実施の形態を例として、拡張された組立式フィルタシステム1について説明する。
【0035】
拡張された組立式フィルタシステム1は、液入容器1bの液体が予濾過の後の濾過液となるように液入容器1bの液体の濾過(以下、「予濾過」)前の液体(以下、「予液体」)を受容する予液入容器1cを拡張的に備えるように構成できる。予液入容器1cは第3容器33であって、第1の実施の形態から第3の実施の形態に対し、液入容器1bは、第2容器32に加えて、支持蓋2たる第2支持蓋22を備える構成となる。液入容器1bと予液入容器1cとは、第1の実施の形態から第3の実施の形態における液出容器1aと液入容器1bとにそれぞれ対応する。すなわち、ここでは、第2容器32は第1容器に、第3容器33は第2容器に、第2支持蓋22は第1支持蓋21に読み替えて、第1の実施の形態から第3の実施の形態が適用される。このように、拡張された組立式フィルタシステム1では、対応する部材を読み替えて第1の実施の形態から第3の実施の形態が適用される。
【0036】
すなわち、液入容器1bは、第2容器32への取外しと取付けが可能であって、第2容器32への取付けにより第2容器32の開口を覆うことが可能な第2支持蓋22をさらに備える。予液入容器1cは第3容器33を備える。第3容器33は第3開口33dを形成する第3円周縁33cと、第3開口33dに対向し第3開口33dから第3開口33dよりも小さい第3底面33bを連結するように形成される第3壁部33aと、第3底面33bに貫通流路口を有する。
【0037】
第2支持蓋22は、第3壁部33aを支持可能に嵌合可能な第2保持穴22cを備え、第2容器32の第2円周縁32cに支持されることが可能な第2支持縁22dと、第2保持穴22cの周縁と第2支持縁22dとを連結する第2支持面22aと、を有する。
【0038】
第3容器33の第3底面33bの貫通流路口と、第2支持蓋22の第2保持穴22cとのいずれかには予液体を濾過する第2フィルタエレメント42が取り付けられる。そして、第2支持蓋22が第2円周縁32cに支持され、第3容器33が第2支持蓋22に支持されることにより予液入容器1cと液入容器1bとが組み合った際に、予濾過は第2フィルタエレメント42を通過することで実行される。
【0039】
拡張された組立式フィルタシステム1の構成でも、排気システム5を備える。排気システム5は、さらに液入容器1bに取り付けられる排気孔51bと、弾性チューブ52bと、押込管具(不図示)とを備える。排気孔51bは、第2支持蓋22または第2容器32のいずれかに穿設される。これらは、前記の基本的な組立式フィルタシステム1の排気システム5の液入容器1bに取り付けられる排気孔51(51a)と、弾性チューブ52(52a)と、押込管具53と構成と同じであるので説明は割愛する。
【0040】
(拡張された組立式フィルタシステムの発展形態)
図1で代表的に示した前記の第1の実施の形態は、2個の容器3の間に支持蓋2を配置して容器3を2段に重ねた「液入容器1bと液出容器1aとの組み合せ」を一つの単位とした2段重ね状態Aの形態である。すなわち、第1の実施の形態は、「液入容器1bと液出容器1aとの組み合せ」を1個有している。
【0041】
そして、
図7で代表的に示した前記の拡張された組立式フィルタシステム1は、3個の容器3のそれぞれの間に2つの支持蓋2を介して2つの2段重ね状態A1とA2を形成したものであって、「液入容器1bと液出容器1aとの組み合せ」を2個有するものと理解される。すなわち、まず上側の2段重ね状態A2において、第3容器33を予液入容器1cとし、これに対する第2容器32を予液入容器1cの液出容器として機能させるように、第2容器32の内部を排気システム5(排気口51bに結合された弾性チューブ52b)により減圧し、第3容器33と第2容器32との間の圧力差により予液入容器1cの中の予液体を濾過して液入容器1b内に導入する。これに続いて、下側の2段重ね状態A1において、第2容器32を液入容器1bとし、これに対する第1容器31を液出容器1aとして機能させるように、第1容器31の内部を排気システム5(排気口51aに結合された弾性チューブ51a)により減圧し、液入容器1bの中の液体を濾過して液出容器1a内に導入するものである。すなわち、拡張された組立式フィルタシステム1は、第1の実施の形態の2段重ね状態Aを2つ重ねた、すなわち容器3を3段重ねた3段重ね形態B(=A1とA2の組み合わせ)であるといえる。
【0042】
そして、拡張された組立式フィルタシステム1の発展形態としては、容器3を3段重ねた3段重ね形態B)にとどまらず、必要に応じてn個(nは2以上の自然数,以下同じ)の容器3を用意して、それぞれの間に支持蓋2を配置することで(n-1)個の2段重ね状態Aをとして適用することができる。すなわち、拡張された組立式フィルタシステムの発展形態としては、「液入容器1bと液出容器1aとの組み合せ」を(n-1)個、すなわち3個以上の任意の数だけ有している。換言すれば、本願発明では、第1の実施の形態から拡張された組立式フィルタシステム1の発展形態まで、「液入容器1bと液出容器1aとの組み合せ」を1個以上の任意の数(任意の自然数)の個数有しているものとして理解される。
【0043】
これについて、
図8を参照して、拡張された組立式フィルタシステムの発展形態として説明する。拡張された組立式フィルタシステム1は、容器3、支持蓋2,フィルタエレメント4,排気システム5、を備える。容器3、支持蓋2,フィルタエレメント4および排気システム5の組み立ては、第1の実施の形態から第3の実施の形態で説明した通りである。すなわち、たとえば、
図8に示すように、容器3は、第1容器31,第2容器32,第3容器33,第4容器34,第5容器35,第6容器35を少なくとも含むようにn番目の第n容器までを備える。容器3のそれぞれの間、すなわち第1容器31と第2容器32との間に、第2容器32と第3容器33との間に、第3容器33と第4容器34との間に、第4容器34と第5容器35との間に、第5容器35と第6容器36との間に、第6容器36以降第n容器まで同様に、支持蓋2たる第1支持蓋21、第2支持蓋22、第3支持蓋23、第4支持蓋24、第5支持蓋25から少なくとも第(n-1)支持蓋までが配置される。容器3は支持蓋2の上にそれぞれ重ねるように配置される。
図8は、「液入容器1bと液出容器1aとの組み合せ」を任意の自然数の個数有している態様の一例として、便宜的に、6個の容器3と、5個の支持蓋2と、5個のフィルタエレメント4と、5個の排気システム5とが組み合わされた状態を示している。
【0044】
それぞれの容器3または支持蓋2には、第1の実施の形態から第3の実施の形態のそれぞれの形態で、フィルタエレメント4たる第1フィルタエレメント41、第2フィルタエレメント42、第3フィルタエレメント43、第4フィルタエレメント44、第5フィルタエレメント45から少なくとも第(n-1)フィルタエレメントまでが配置される。同様に、それぞれの容器3または支持蓋2には、第1の実施の形態から第3の実施の形態のそれぞれの形態で、排気システム5たる排気孔51a,51b,51c,51d,51eおよび弾性チューブ52a,52b,52c,52d,52eと、それぞれに取り付けられる押込管具(不図示)とを備える。
【0045】
隣接する2個の容器3について「液入容器1bと液出容器1aとの組み合せ」たる2段重ね状態Aを5個(A1からA5まで)以上含んでいる例となる。それぞれの2段重ね状態A(A1からA5)には、第1の実施の形態から第3の実施の形態が適用される。隣接する2つの2段重ね状態Aは3段重ね形態Bを構成し、拡張された組立式フィルタシステム1が適用される。たとえば、
図8では2つの2段重ね状態A1およびA2は3段重ね形態Bを構成する。3段重ね形態Bは、2段重ね状態A1およびA2のみならず、隣接するすべての2段重ね状態Aに適用可能される。
【符号の説明】
【0046】
1 組立式フィルタシステム
2 支持蓋
3 容器
31 第1容器
32 第2容器
33 第3容器
4 フィルタエレメント
5 排気システム
51 排気孔
52 弾性チューブ
53 押込管具