(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102417
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】粘着テープ切断装置
(51)【国際特許分類】
B65H 35/07 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
B65H35/07 N
B65H35/07 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006271
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】722015432
【氏名又は名称】名和 隆一
(72)【発明者】
【氏名】名和 隆一
(72)【発明者】
【氏名】甘利 正治
【テーマコード(参考)】
3F062
【Fターム(参考)】
3F062AB01
3F062BA06
3F062BB08
3F062BD05
3F062BF01
3F062BG02
3F062CA02
3F062FA12
(57)【要約】
【課題】従来の粘着テープ切断装置は、貼り付けた後に簡易に粘着テープを剥がす事が出来る小片を装着させる事を主な目的としており、粘着テープの先端部分が小片に張り付く位置を容易に変える事が出来ない。
【解決手段】粘着テープの先端部と小片とのY方向の位置関係を確認できる印と、その小片収納部自身のX方向の位置を動かす事で容易に小片張り付け位置を調整できる様にする事で、貼る小片の形状に合わせてテープの貼り付け位置を修正する事が出来る。また、その小片に図柄や文章などの情報が描かれた場合、小片と粘着テープの位置関係を保持できる事でその情報遮る事無く確実に伝える様に出来る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着テープを保持或いは収納するテープ提供手段と、テープ保持部から供給された粘着テープの先端の粘着面が張り付く粘着テープ貼り付け手段と、粘着テープを切断するテープ切断手段と、切断したテープの先端部を紙面に押し付けるテープ押し付け手段と小片を収納し、その収納部自身の位置を動かす事が出来る小片収納手段とテープ提供手段の内部或いはテープ切断手段の近傍或いは小片収納手段のいずれかの面、或いはその3つの任意の組み合わせで粘着テープの先端部と小片との位置関係を設定できる印を持つ、粘着テープ位置確認手段とを備える粘着テープ切断装置。
【請求項2】
前記粘着テープ貼り付け手段は、そのスライドするガイドのいずれかの面にその位置を表す印を持ち、そのガイドをスライドする事で粘着テープの切り取り長さを設定する事が出来る事を特徴とする 請求項1記載の粘着テープ切断装置。
【請求項3】
前記小片収納手段は、その内部にその小片の配置を決める仕切りを配置する事が出来る事を特徴とする請求項1記載の粘着テープ切断装置。
【請求項4】
前記テープ切断手段は、その刃の部分に傾斜を持たせ、切断の成功率を高める事が出来る事を特徴とする 請求項1記載の粘着テープ切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープの先端部分に図柄や文章などの情報を記述した小片を貼り付ける事ができる粘着テープ切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
粘着テープ切断装置として、小片をケースに収納して、切断部近辺に配置する物が公知となっている(特許文献1、2、3、4、5参照)。
【0003】
また、一部の粘着テープ切断装置は、テープ状の紙片を切断して供給している物が公知となっている(特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-219213号公報
【特許文献2】特開2000-159427号公報
【特許文献3】特開2000-335814号公報
【特許文献4】特開平10-29758号公報
【特許文献5】特開平9-227017号公報
【特許文献6】実開平6-61860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の粘着テープ切断装置は、貼り付けた後に簡易に粘着テープを剥がす事が出来る小片を装着させる事を主な目的としており、粘着テープの先端部分が小片に張り付く位置を容易に変える事が出来ない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る粘着テープ切断装置は、粘着テープを保持或いは収納して提供する部分と、供給された粘着テープの先端の粘着面が張り付く部分と、粘着テープを切断する部分と、切断した粘着テープ先端部を小片に押し付ける部分と、小片を収納しその収納部自身の位置を動かす事が出来る収納部分と、テープを提供する部分或いはテープ切断部の近く或いは小片収納手段のいずれかの面、或いはその3つの任意の組み合わせで粘着テープの先端部と小片との位置関係を設定できる印を持つ、粘着テープ位置確認部分とを備える。
【0007】
なお本明細書において、説明の便宜上、
図1の左端面に各方向を表す軸として、それぞれX、Y、Zと定義する。
【0008】
上記粘着テープ切断装置では、粘着テープの先端部と小片とのX方向、Y方向の位置関係を調整出来る為、貼る小片の形状に合わせてテープの貼り付け位置を設定する事が出来る。また、その小片に図柄や文章などの情報が描かれた場合、粘着テープの先端部と小片とのX方向或いはY方向或いはその両方の位置関係が調整出来る事でその情報を遮る事無く確実に伝える様に出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、粘着テープの先端部と小片とのY方向の位置関係を確認できる印と、その小片収納部自身のX方向の位置を動かす事で容易に小片張り付け位置を調整できる様にする事で、貼る小片の形状に合わせてテープの貼り付け位置を修正する事が出来ると言う効果を奏する。また、その小片に図柄や文章などの情報が描かれた場合、小片と粘着テープの位置関係を保持できる事でその情報遮る事無く確実に伝える様に出来ると言う効果も持つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態に係る粘着テープ切断装置を説明する斜視図で、また説明の便宜上利用する3次元空間の各方向の定義も合わせて表示する。
【
図2】粘着テープ提供部の構造を説明する斜視図である。
【
図3】粘着テープ切断、貼り付け部の構造を説明する図である。
【
図4】小片を収納する部分の構造を説明する斜視図である。
【
図5】最初に粘着テープを貼り付け、切断後に粘着テープ保持する部分の構造を説明する斜視図である。
【
図6】位置合わせマークAを指定の位置にセットした時の状態を説明する斜視図である。
【
図7】位置合わせマークCを指定の位置にセットした時の状態を説明する斜視図である。
【
図8】粘着テープの最初の引き出し状態を説明する斜視図である。
【
図9】位置合わせマークBを指定の位置にセットした時の状態を説明する斜視図である。
【
図10】ガイドレールの初期状態を説明する斜視図である。
【
図11】ガイドレールキャップを押した時のガイドレール移動状態を説明する斜視図である。
【
図12】ガイドレールが元の位置から90度回転した時のガイドレールの状態を説明する斜視図である。
【
図13】ガイドレールが元の位置から90度回転した時の粘着テープとの位置関係を説明する斜視図である。
【
図14】ガイドレールが下降し粘着テープを切断した時の状態を説明する斜視図である。
【
図15】粘着テープが切断された時の状態を説明する斜視図である。
【
図16】粘着テープを引っ張って小片を引き出した時の状態を説明する斜視図である。
【
図17】最終的に小片に粘着テープが張り付いた状態を説明する斜視図である。
【
図18】粘着テープガイドを配置した時の状態を説明する斜視図である。
【
図19】小片収納部にY方向の位置を調整する仕切り板配置した時の状態を説明する斜視図である。
【
図20】小片収納部にY方向の位置を調整する仕切り板配置して小片をセットした時の状態を説明する斜視図である。
【
図21】小片収納部にX方向の位置を調整する仕切り板配置した時の状態を説明する斜視図である。
【
図22】小片収納部にX方向の位置を調整する仕切り板配置して小片をセットした時の状態を説明する斜視図である。
【
図23】小片収納部にX,Y方向の位置を調整する仕切り板配置した時の状態を説明する斜視図である。
【
図24】小片収納部にX,Y方向の位置を調整する仕切り板配置して小片をセットした時の状態を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態では粘着テープの切断と貼り付けの駆動部分にメカ的なカムを利用している。
【実施例0012】
図1は、第1実施形態を説明する図である。
図1に示すように、この粘着テープ切断装置は、基台1と、粘着テープ提供部と、粘着テープ切断、貼り付け部と、小片を収納する部分と、最初に粘着テープを貼り付ける部分とを備える。
【0013】
図2に示すように、粘着テープ提供部には粘着テープ2と粘着テープ保持部3と位置合わせマークA13とを備える。
【0014】
図3に示す様に、粘着テープ切断、貼り付け部にはテープ切断部11とテープ切断部押さえ4とガイドレールキャップ5とガイドレール回転部6とガイドレール固定部7とテープ押し付け部8と位置合わせマークB14とを備える。
【0015】
図4に示す様に、小片を収納する部分には小片収納部9と小片10と位置合わせマークC15とを備える。
【0016】
図5に示す様に、最初に粘着テープを貼り付ける部分には粘着テープ貼り付け部17と位置合わせマークD16とを備える。
【0017】
次に、実施例の粘着テープ切断装置の作用について記載する。まず、小片10のどの部分に粘着テープ2の先端部を貼り付けるかを考え、その条件に合う様に位置合わせマークA13を
図6の様に、位置合わせマークC15を
図7の様に調整する。
【0018】
次に、粘着テープ2は人の指で、
図8の様に粘着テープ切断、貼り付け部の上空を通り、最初に粘着テープを貼り付ける部分まで引き出され、貼り付けられる。この時、粘着テープ2の通る経路は小片10のどの部分に粘着テープ2の先端部を貼り付けるかを考え、
図9の様に位置合わせマークA13を考慮した位置合わせマークB14の位置を通過させる。
【0019】
なお、
図8では説明の便宜上、ガイドレールの一部の表示を消している。また同様に以降の説明で使用する
図15、
図16、
図17でも一部の部品の表示を消している。
【0020】
次にガイドレールは、人の手でガイドレールキャップ5の部分を上から下に力が加えられる。
図10、
図11、
図12で示す様にカムの作用でテープ押し付け部8がテープ切断部11の上空まで移動する。
【0021】
その後、粘着テープ2は
図13、
図14に示す様にガイドレールが降下し、切断される。
【0022】
図15の様に切断された粘着テープ12の切断部分に近い先端部は小片収納部9の一番上にある小片10に押しつけられ、貼り付けられる。
【0023】
手を離すと内部のスプリングの反力でガイドレールは元の位置に戻る。
【0024】
最後に、切断された粘着テープ12は
図16の様に人の指で引き出されると、切断された粘着テープ12に小片10が張り付いている為、
図17の様に小片10は小片収納部9から離脱する。
【0025】
次に、本実施例の効果を説明する。本実施例の粘着テープ切断装置は、小片10に貼り付ける粘着テープ12の位置関係を調整する事ができる。それは位置合わせマークとそのマークに合わせて調整できるメカ構造を備えている為で、容易にX方向、Y方向の位置合わせする事が出来る。