(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102421
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】上型ホルダ及びプレス機械
(51)【国際特許分類】
B21D 37/14 20060101AFI20240724BHJP
B21D 5/02 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B21D37/14 H
B21D5/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006278
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】平野 俊之
【テーマコード(参考)】
4E050
4E063
【Fターム(参考)】
4E050FA02
4E050FB02
4E050FB04
4E063BA07
4E063DA18
(57)【要約】
【課題】上型を、前側クランプ部材とホルダ本体との間、及び後側クランプ部材とホルダ本体との間のいずれであっても容易に挟み込むことを可能とする。
【解決手段】第1軸AX1まわりに回転した操作レバー24に押されてレバー部材25が回転することでホルダ本体21の前方に一方の端部25aが移動して前側クランプ部材22の前側揺動軸AXFより上方部分22aを押し、かつホルダ本体21の後方に他方の端部25bが移動して後側クランプ部材23の後側揺動軸AXRより上方部分23aを押し、一方の端部25aが前方に移動することで前側クランプ部材22の前側揺動軸AXFより下方部分22aとホルダ本体21との間で上型13を挟み込み、又は他方の端部25bが後方に移動することで後側クランプ部材23の後側揺動軸AXRより下方部分23bとホルダ本体21との間で上型を挟み込む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上型と下型とでワークを挟むことによりワークを加工するプレス機械に設けられ、前記上型を保持する上型ホルダであって、
ホルダ本体と、
前記ホルダ本体の前側に設けられ、水平方向の前側揺動軸まわりに揺動可能な前側クランプ部材と、
前記ホルダ本体の後側に設けられ、水平方向の後側揺動軸まわりに揺動可能な後側クランプ部材と、
前記ホルダ本体に設けられ、鉛直方向の第1軸まわりに回転可能な操作レバーと、
前記ホルダ本体に設けられ、鉛直方向の第2軸まわりに回転可能であり、前記第1軸まわりに回転した前記操作レバーに押されて回転することで前記ホルダ本体の前方に一方の端部が移動して前記前側クランプ部材の前記前側揺動軸より上方部分を押し、かつ前記ホルダ本体の後方に他方の端部が移動して前記後側クランプ部材の前記後側揺動軸より上方部分を押すレバー部材と、を備え、
前記一方の端部が前方に移動することで前記前側クランプ部材の前記前側揺動軸より下方部分と前記ホルダ本体との間で前記上型を挟み込み、又は前記他方の端部が後方に移動することで前記後側クランプ部材の前記後側揺動軸より下方部分と前記ホルダ本体との間で前記上型を挟み込む、上型ホルダ。
【請求項2】
前記レバー部材の前記第2軸は、平面視において前記ホルダ本体の長手方向における中央部に配置される、請求項1に記載の上型ホルダ。
【請求項3】
前記操作レバーは、前記第1軸からの距離が変化する偏心カム部を備え、
前記レバー部材は、前記偏心カム部により押されるカムフォロア部を備える、請求項1に記載の上型ホルダ。
【請求項4】
前記レバー部材は、前記一方の端部及び前記他方の端部のそれぞれに、鉛直方向の第3軸まわりに回転可能な回転部材を備え、
前記カムフォロア部は、前記一方の端部及び前記他方の端部のうちいずれか一方の前記回転部材が用いられる、請求項3に記載の上型ホルダ。
【請求項5】
前記一方の端部における前記第3軸から前記第2軸までの距離と、前記他方の端部における前記第3軸から前記第2軸までの距離とが同一又はほぼ同一である、請求項4に記載の上型ホルダ。
【請求項6】
前記操作レバーは、前記ホルダ本体から前記ホルダ本体の前側に延びるように設けられる、請求項1に記載の上型ホルダ。
【請求項7】
上型と下型とでワークを挟むことによりワークを加工するプレス機械であって、前記上型を保持する上型ホルダとして、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の上型ホルダが用いられる、プレス機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上型ホルダ及びプレス機械に関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械の一つとして、板状のワークに曲げ加工を施すプレスブレーキ(曲げ加工機)が知られている。プレスブレーキでは、上型と下型とでワークを挟むことによりワークを加工する。上型は、上型ホルダに保持され、下型は下型ホルダに保持される。上型ホルダとしては、ホルダ本体と、ホルダ本体の前側に設けられて開閉する前側クランプ部材と、ホルダ本体の後側に固定される後側クランプ部材とを有し、上型を、前側クランプ部材とホルダ本体との間、又は後側クランプ部材とホルダ本体との間で挟み込む構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の上型ホルダは、前側クランプ部材とホルダ本体との間で上型を挟み込む場合は、操作レバーによる操作で行うことができるが、後側クランプ部材とホルダ本体との間に上型を挟み込む場合はボルトを締め付ける必要がある。このため、作業者は、ボルトによる後側クランプ部材の締め付けに手間がかかり、上型の設定において時間がかかるといった問題がある。
【0005】
本発明は、上型を、前側クランプ部材とホルダ本体との間、及び後側クランプ部材とホルダ本体との間のいずれであっても容易に挟み込むことが可能な上型ホルダ及びプレス機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る上型ホルダは、上型と下型とでワークを挟むことによりワークを加工するプレス機械に設けられ、上型を保持する上型ホルダであって、ホルダ本体と、ホルダ本体の前側に設けられ、水平方向の前側揺動軸まわりに揺動可能な前側クランプ部材と、ホルダ本体の後側に設けられ、水平方向の後側揺動軸まわりに揺動可能な後側クランプ部材と、ホルダ本体に設けられ、鉛直方向の第1軸まわりに回転可能な操作レバーと、ホルダ本体に設けられ、鉛直方向の第2軸まわりに回転可能であり、第1軸まわりに回転した操作レバーに押されて回転することでホルダ本体の前方に一方の端部が移動して前側クランプ部材の前側揺動軸より上方部分を押し、かつホルダ本体の後方に他方の端部が移動して後側クランプ部材の後側揺動軸より上方部分を押すレバー部材と、を備え、一方の端部が前方に移動することで前側クランプ部材の前側揺動軸より下方部分とホルダ本体との間で上型を挟み込み、又は他方の端部が後方に移動することで後側クランプ部材の後側揺動軸より下方部分とホルダ本体との間で上型を挟み込む。
【0007】
本発明の態様に係るプレス機械は、上型と下型とでワークを挟むことによりワークを加工するプレス機械であって、上型を保持する上型ホルダとして、上記の上型ホルダが用いられる。
【発明の効果】
【0008】
上記態様に係る上型ホルダ及びプレス機械によれば、操作レバーの回転によりレバー部材の一方の端部を前方に移動させる又はレバー部材の他方の端部を後方に移動させることで、前側クランプ部材又は後側クランプ部材を揺動させて、前側クランプ部材とホルダ本体との間、又は後側クランプ部材とホルダ本体との間で上型を挟み込むことができる。その結果、上型を挟み込むためにボルトの締め付け等の操作が不要であり、上型を容易に挟み込んで保持することができる。
【0009】
また、上記態様に係る上型ホルダにおいて、レバー部材の第2軸は、平面視においてホルダ本体の長手方向における中央部に配置されてもよい。この構成によれば、レバー部材がホルダ本体の長手方向における中央部から前側クランプ部材及び後側クランプ部材を押すため、前側クランプ部材及び後側クランプ部材に対して長手方向にバランスよく力を加えることができる。また、上記態様に係る上型ホルダにおいて、操作レバーは、第1軸からの距離が変化する偏心カム部を備え、レバー部材は、偏心カム部により押されるカムフォロア部を備えてもよい。この構成によれば、操作レバーを回転させることでレバー部材をスムーズに回転させることができる。
【0010】
また、上記態様に係る上型ホルダにおいて、レバー部材は、一方の端部及び他方の端部のそれぞれに、鉛直方向の第3軸まわりに回転可能な回転部材を備え、カムフォロア部は、一方の端部及び他方の端部のうちいずれか一方の回転部材が用いられてもよい。この構成によれば、操作レバーの回転方向に沿ってカムフォロア部が回転するため、操作レバーとカムフォロア部との間の回転方向の摩擦を低減することができる。また、上記態様に係る上型ホルダにおいて、一方の端部における第3軸から第2軸までの距離と、他方の端部における第3軸から第2軸までの距離とが同一又はほぼ同一であってもよい。この構成によれば、前側クランプ部材と後側クランプ部材とに同一又はほぼ同一の力を加えることができる。
【0011】
また、上記態様に係る上型ホルダにおいて、操作レバーは、ホルダ本体からホルダ本体の前側に延びるように設けられてもよい。この構成によれば、作業者がホルダ本体の後側に回り込むことなく、前側から操作レバーを容易に操作することができる。
【0012】
上記態様に係るプレス機械によれば、上記した上型ホルダを備えるので、作業者は上型の設定を容易かつ短時間で行うことででき、上型の設定(加工前の準備)を短時間で行うことができる。そのため、ワークの加工効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係るプレス機械の一例を示す正面図である。
【
図2】実施形態に係る上型ホルダの一例を示す斜視図である。
【
図3】操作レバーとレバー部材との動作を説明する図であり、操作レバーがクランプ位置に配置された状態を示す図である。
【
図5】前側クランプ部材とホルダ本体との間で上型を挟み込んだ状態を示す図である。
【
図6】操作レバーとレバー部材との動作を説明する図であり、操作レバーが第1解放位置に配置された状態を示す図である。
【
図7】上型の挟み込みを解放した状態を示す図である。
【
図8】操作レバーとレバー部材との動作を説明する図であり、操作レバーが第2解放位置に配置された状態を示す図である。
【
図9】上型を下方に取り外した状態を示す図である。
【
図10】後側クランプ部材とホルダ本体との間で上型を挟み込んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は以下に説明する内容に限定されない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは形状、寸法等が異なっている場合がある。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において一方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向をY方向と表記する。また、XY平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が-方向であるとして説明する。
【0015】
図1は、実施形態に係るプレス機械100の一例を示す正面図である。プレス機械100は、ワークWに曲げ加工(成形加工)を施すことが可能なプレスブレーキ(曲げ加工機)である。以下、本実施形態では、プレス機械100としてプレスブレーキを例として説明しているが、プレスブレーキに限定されず、打ち抜き加工(パンチ加工)あるいは成形加工が可能なプレス機械であってもよい。
【0016】
プレス機械100は、正面側(-Y側)に作業者の作業スペースを有している。作業者は、プレス機械100の正面側からワークWを所定位置に配置し、後述する金型10としての上型13と下型6とでワークWを挟み込むことにより、ワークWに対して曲げ加工を施すことが可能である。プレス機械100は、
図1に示すように、本体フレーム5と、下型6を支持するテーブル7と、側部フレーム8、9と、ラム11とを備える。
【0017】
本体フレーム5は、プレス機械100の外郭を形成する。下型6は、テーブル7の上面に支持される固定側(下側)の金型であり、左右方向(X方向)に沿って長く形成されている。下型6は、下型ホルダ6bを介してテーブル7に支持される。下型6は、上面6aに、ワークWを曲げ加工するためのV字状の凹部を有する。この凹部は、左右方向に沿って長く形成されている。テーブル7は、本体フレーム5の正面側(前面側)に取り付けられており、下型6を固定している。また、テーブル7は、ワークWを+Y方向に突き当てて位置決めするための位置決め部7aが設けられる。なお、位置決め部7aは、本体フレーム5とは独立して設けられてもよい。
【0018】
側部フレーム8、9は、本体フレーム5の左右方向の側部上方にそれぞれ取り付けられている。側部フレーム8、9は、それぞれラム11の左右方向の側部上方を覆うように設けられる。側部フレーム8、9は、それぞれ駆動装置14を収容する。駆動装置14は、図示しない支持フレーム等によってプレス機械100に支持されている。駆動装置14は、ラム11をZ方向に移動(昇降)させる。駆動装置14は、例えば、電動モータ等を用いたボールねじ機構、あるいは油圧シリンダ装置又は空圧シリンダ装置を用いてラム11を昇降させるラム11を昇降させる。
【0019】
ラム11は、本体フレーム5に設けられた図示しないガイド部により、プレス機械100に昇降可能に支持されている。例えば、ラム11の左右両端に一対のローラが設けられ、この一対のローラは、本体フレーム5に設けられたブラケット(ガイド部)を挟んで配置される。ラム11は、一対のローラがブラケットに沿って転動することにより、上下方向(Z方向)にガイドされる。ラム11は、例えば金属等により形成された板状の部材であり、例えば、数十kg~数百kgの重量を有する。ラム11は、駆動装置14の一部に連結されており、駆動装置14によって吊り下げられた状態で配置されている。ラム11は、駆動装置14を駆動することにより昇降し、テーブル7上の下型6に対して近接又は離間する。
【0020】
ラム11の下方には、複数の上型ホルダ12が取り付けられる。複数の上型ホルダ12は、左右方向(X方向)に沿って配列されている。複数の上型ホルダ12は、隣同士の間隔を任意に設定可能である。また、上型ホルダ12は、例えば、ラム11に対して左右方向に移動可能に設けられて、上型ホルダ12同士の間隔を変更できる構成であってもよい。上型ホルダ12は、ラム11に対して着脱可能に設けられる。複数の上型ホルダ12は、それぞれ、上型13を保持可能である。例えば、ワークWの曲げ加工を行う際に、複数の上型ホルダ12には、曲げ加工の各工程に応じた上型13が保持される。
【0021】
上型13は、上型ホルダ12で保持された際、下型6の上面6aの凹部の上方に対向して、下端が左右方向に沿って配置される。また、上型13の下端には、下型6の凹部に進入する先端部を有する。上型13は、ラム11及び上型ホルダ12と一体となって昇降する。また、上型13には、後述する上型ホルダ12に係止させるための溝状の凹部13aが設けられる。プレス機械100は、ラム11の移動に伴って上型13が下型6に向かって移動し、上型13と下型6とでワークWを挟み込み、上型13が最下点に達するまでの間にワークWに対して曲げ加工を施す。
【0022】
図2は、実施形態に係る上型ホルダ12の一例を示す斜視図である。
図2に示すように、上型ホルダ12は、ホルダ本体21と、前側クランプ部材22と、後側クランプ部材23と、操作レバー24とを備える。ホルダ本体21は、接続部21aを介してラム11の下端に固定される。ホルダ本体21の上面は、ラム11の下面と接触している。ホルダ本体21は、前側クランプ部材22、後側クランプ部材23、操作レバー24及びレバー部材25を支持する。ホルダ本体21は、下部中央から下方に垂下する板状部21bを備える。板状部21bの前面側(-Y側面)が前面21b1であり、板状部21bの後面側(+Y側面)が後面21b2である。板状部21bの前面21b1又は後面21b2のいずれかには、上型13が配置される。
【0023】
前側クランプ部材22は、ホルダ本体21の前側(-Y側)に設けられる。前側クランプ部材22は、水平方向の前側揺動軸AXFまわりに揺動可能である。前側クランプ部材22は、前側揺動軸AXFまわりに揺動することで、ホルダ本体21の板状部21bの前側において、ホルダ本体21との間で上型13を保持した状態と、上型13の保持を解放した状態とに切り替え可能である。なお、前側クランプ部材22による上型13の保持又は解放の詳細については後述する。
【0024】
後側クランプ部材23は、ホルダ本体21の後側(+Y側)に設けられる。後側クランプ部材23は、上記した前側クランプ部材22と同様の構成を有する。後側クランプ部材23は、水平方向の後側揺動軸AXRまわりに揺動可能である。後側クランプ部材23は、後側揺動軸AXRまわりに揺動することで、ホルダ本体21の板状部21bの後側において、ホルダ本体21との間で上型13を保持した状態と、上型13の保持を解放した状態とに切り替え可能である。
【0025】
操作レバー24は、ホルダ本体21に設けられる。操作レバー24は、ホルダ本体21からホルダ本体21の前側に延びるように設けられ、上型ホルダ12の前側において露出する把持部24aを有している。この把持部24aは、作業者が把持して操作レバー24を操作する部分として用いられる。操作レバー24は、鉛直方向の第1軸AX1まわりに回転可能である。操作レバー24は、第1軸AX1まわりに回転することにより、クランプ位置P1(
図3参照)と第1解放位置P2(
図6参照)との間で回転可能である。クランプ位置P1は、上型ホルダ12により上型13を保持する位置である。第1解放位置P2は、上型13の保持を解放する位置である。なお、
図2では、操作レバー24がクランプ位置P1に配置された状態を示している。
【0026】
図3は、操作レバー24がクランプ位置P1に配置された状態を示す図である。
図3に示すように、操作レバー24は、上面側に係止片24bを備える。係止片24bは、図示しない弾性部材により端部24b1が上方に突出した状態で設けられている。作業者等が係止片24bの上面を押し下げることで、端部24b1が操作レバー24の上面から没入可能となっている。また、
図3に示すように、上型ホルダ12は、レバー部材25を備える。レバー部材25は、ホルダ本体21に設けられている。レバー部材25は、鉛直方向の第2軸AX2まわりに回転可能である。レバー部材25は、第1軸AX1まわりに回転した操作レバー24に押されて回転する。レバー部材25の第2軸AX2は、平面視においてホルダ本体21の長手方向における中央部に配置される。
【0027】
レバー部材25は、操作レバー24に押されて回転することで、一方の端部である第1端部25aがホルダ本体21の前方に移動し、他方の端部である第2端部25bがホルダ本体21の後方に移動する。レバー部材25は、第1端部25aが前方に移動することで、前側クランプ部材22の前側揺動軸AXFより上方部分22aを押し、かつ第2端部25bが後方に移動することで、後側クランプ部材23の後側揺動軸AXRより上方部分23aを押すように形成されている。
【0028】
また、
図3に示すように、操作レバー24は、偏心カム部26を備える。偏心カム部26は、操作レバー24がクランプ位置P1に配置される状態と第1解放位置P2に配置される状態とで、第1軸AX1から外縁までの距離が徐々に(滑らかに)変化する。操作レバー24がクランプ位置P1に配置される場合には、
図3に示すように、偏心カム部26と第1軸AX1との距離がL1となる。距離L1は、レバー部材25の第1端部25a及び第2端部25bがそれぞれホルダ本体21の前方及び後方に移動する距離に設定される。第1端部25aは、ホルダ本体21の前方に移動することにより、前側クランプ部材22の上方部分22aを前方に押すことができる。また、第2端部25bは、ホルダ本体21の後方に移動することにより、後側クランプ部材23の上方部分23aを後方に押すことができる。
【0029】
レバー部材25は、カムフォロア部27を備える。カムフォロア部27は、操作レバー24の偏心カム部26により押される部分である。本実施形態では、カムフォロア部27として、回転部材27a、27bが用いられる。レバー部材25は、第1端部25aに回転部材27aを有し、第2端部25bに回転部材27bを有する。なお、第1端部25a及び第2端部25bの双方に回転部材27a、27bが設けられる構成に限定されず、回転部材27a、27bの一方又は双方が設けられない構成であってもよい。
【0030】
回転部材27a、27bは、それぞれ鉛直方向の第3軸AX3まわりに回転可能である。回転部材27a、27bは、レバー部材25が回転する際、前側クランプ部材22及び後側クランプ部材23に接触した状態で回転する。このため、レバー部材25と前側クランプ部材22との間、レバー部材25と後側クランプ部材23との間に生じる摩擦を低減することができる。
【0031】
本実施形態において、レバー部材25の第2軸AX2は、平面視においてホルダ本体21の長手方向における中央部に配置されており、第1端部25aにおける第3軸AX3から第2軸AX2までの距離M1と、第2端部25bにおける第3軸AX3から第2軸AX2までの距離M2とが同一又はほぼ同一である。このため、操作レバー24をクランプ位置P1に回転させた際、レバー部材25の第1端部25a及び第2端部25bの移動量がほぼ等しくなり、回転部材27a、27bの移動量が同一又はほぼ同一となる。その結果、レバー部材25によって、前側クランプ部材22及び後側クランプ部材23に同一又はほぼ同一の力を加えることができ、前側クランプ部材22及び後側クランプ部材23に対して長手方向にバランスよく力が加えることができる。なお、距離M1と距離M2とが同一である構成に限定されず、距離M1と距離M2とが異なってもよい。
【0032】
図4は、
図3のA-A線に沿った断面図である。
図4に示すように、前側クランプ部材22は、2つの第1支持部材31と、2つの第2支持部材32とを用いてホルダ本体21に支持される。2つの第1支持部材31のそれぞれは、ヘッド31a及び軸部31bを有する。各第1支持部材31は、前側クランプ部材22の貫通孔22cを貫通してホルダ本体21に固定される。貫通孔22cは、前側クランプ部材22の上方部分22aにおいてY方向に沿って設けられている。
【0033】
第1支持部材31のヘッド31aと、貫通孔22cに形成された座部22dとの間には、バネ部材33が配置される。バネ部材33は、例えば、コイルスプリングが用いられ、ヘッド31aと座部22dとの間に圧縮した状態で配置される。バネ部材33は、-Y側がヘッド31aに押さえられており、座部22dをホルダ本体21側に押す方向に弾性力を付与する。前側クランプ部材22は、バネ部材33によって上方部分22aがホルダ本体21に近づく方向に弾性力が付与され、その結果、前側クランプ部材22の下方部分22bがホルダ本体21から離れる方向、すなわち下方部分22bが開く方向に弾性力が付与される。
【0034】
2つの第2支持部材32のそれぞれは、ヘッド32a及び軸部32bを有する。各第2支持部材32は、前側クランプ部材22の貫通孔22eを貫通してホルダ本体21に固定される。貫通孔22eは、Z方向について前側クランプ部材22の中央部に設けられる。貫通孔22eは、前側クランプ部材22の中央部においてY方向に沿って設けられている。また、ヘッド32aの+Y側には傾斜面32a1が設けられ、この傾斜面32a1が貫通孔22eの座部22fに当接している。この構成により、前側クランプ部材22は、ヘッド32aの傾斜面32a1に対応する部分を前側揺動軸AXFとして、揺動可能となっている。
【0035】
前側クランプ部材22の中央部の後面と、ホルダ本体21の板状部21bの前面21b1との間には、バネ部材34が配置される。バネ部材34は、例えば、コイルスプリングが用いられ、前側クランプ部材22の中央部の後面と、板状部21bの前面21b1との間に圧縮した状態で配置される。バネ部材34は、ホルダ本体21の中央部を板状部21bから離れる方向に弾性力を付与する。つまり、バネ部材34は、貫通孔22eの座部22fをヘッド32aの傾斜面32a1に押し付けるように弾性力を付与する。その結果、ヘッド32aと座部22fとが離れることを防止し、前側揺動軸AXFが変動することを防止している。
【0036】
前側クランプ部材22の下方部分22bの後面側(板状部21bに対抗する面側)には、爪部35が設けられる。爪部35は、バネ部材36に支持された状態で前側クランプ部材22の凹部22gから突出して設けられる。爪部35には、バネ部材36により凹部22gから突出する方向に弾性力が付与される。爪部35は、バネ部材36の弾性力に抗して凹部22gに没入可能である。爪部35は、上型13に設けられている凹部13aに入り込んで、前側クランプ部材22を開いた際に上型13が上型ホルダ12から落下するのを防止する(
図7参照)。
【0037】
上記では前側クランプ部材22について説明したが、後側クランプ部材23についてもホルダ本体21の後側(+Y側)において同様な構成を有しているため、後側クランプ部材23の説明については省略する。
【0038】
図3に示すように、操作レバー24をクランプ位置P1に配置することにより、偏心カム部26の周面と第1軸AX1との間が距離L1となり、レバー部材25のカムフォロア部27が押された状態となる。その結果、レバー部材25は、
図3紙面において時計回りに回転し、第1端部25a(回転部材27a)を前方に移動させ、かつ、第2端部25b(回転部材27b)を後方に移動させる。このとき、前側クランプ部材22は、上方部分22aが回転部材27aにより前方に押されることで前側揺動軸AXFの軸まわりに揺動し、下方部分22bを後方に移動させる。つまり、前側クランプ部材22を閉じた状態にすることができる。前側クランプ部材22を閉じた状態では、前側クランプ部材22の下方部分22bと、ホルダ本体21の板状部21bとの間に上型13を挟み込むことが可能である。
【0039】
前側クランプ部材22が閉じるのと同時に、後側クランプ部材23は、上方部分23aが回転部材27bにより後方に押されることで後側揺動軸AXRの軸まわりに揺動し、下方部分23bを前方に移動させる。つまり、後側クランプ部材23を閉じた状態にすることができる。後側クランプ部材23を閉じた状態では、後側クランプ部材23の下方部分23bと、ホルダ本体21の板状部21bとの間に上型13を挟み込むことが可能である。なお、本実施形態の回転部材27bは、レバー部材25のカムフォロア部27と、後側クランプ部材23の上方部分23aを押す部材とを兼用している。
【0040】
図5は、前側クランプ部材22とホルダ本体21との間で上型13を挟み込んだ状態を示す図である。なお、
図5では、バネ部材34の記載を省略している。操作レバー24をクランプ位置P1に配置した際、
図5に示すように、レバー部材25の回転部材27a(第1端部25a)が前方に移動することで、前側クランプ部材22の上方部分22aが前側に押される。
【0041】
前側クランプ部材22は、前側揺動軸AXFを中心として揺動し、下方部分22bがホルダ本体21の板状部21bに近づくように移動する。従って、予め前側クランプ部材22の下方部分22bとホルダ本体21の板状部21bとの間に上型13を配置しておき、上記のように、操作レバー24をクランプ位置P1とすることで、下方部分22bと板状部21bとの間で上型13を挟み込むことができる。その結果、上型13は、上型ホルダ12に固定され、この上型13と下型6とでワークWを挟み込むことによりワークWを加工することが可能となる。
【0042】
このとき、後側クランプ部材23の下方部分23bについても閉じた状態となっている。ただし、下方部分23bと板状部21bとの間に上型13は配置されていない。すなわち、後側クランプ部材23は、操作レバー24をクランプ位置P1に配置することで前側クランプ部材22と同様に下方部分23bを閉じるように動作するが、上型13がないので単に移動するだけである。
【0043】
図6は、操作レバー24が第1解放位置P2に配置された状態を示す図である。
図6に示すように、操作レバー24を第1解放位置P2に配置することにより、偏心カム部26と第1軸AX1との間が距離L2となる。第1解放位置P2は、係止片24bの端部24b1がホルダ本体21の接続部21aに当たって操作レバー24の回転が係止される位置である。距離L2は、レバー部材25の回転部材27aが後方に移動し、かつ、回転部材27bが前方に移動する距離に設定される。距離L2は、上記した距離L1より小さく設定される。
【0044】
従って、操作レバー24を第1解放位置P2に配置することで、レバー部材25は、
図6紙面において反時計回りに回転可能となり、第1端部25a(回転部材27a)を後方に移動可能な状態させ、かつ、第2端部25b(回転部材27b)を後方に移動可能な状態にさせる。この場合、上記したように、前側クランプ部材22には、バネ部材33により下方部分22bがホルダ本体21から離れる方向、すなわち下方部分22bが開く方向に弾性力が付与されている(
図4参照)。このため、バネ部材33の弾性力により、前側クランプ部材22の下方部分22bが開き、上型13の挟み込みが解放される。同様に、後側クランプ部材23には、バネ部材33により下方部分23bがホルダ本体21から離れる方向、すなわち下方部分23bが開く方向に弾性力が付与されている。このため、バネ部材33の弾性力により、後側クランプ部材23の下方部分23bが開いた状態となる。
【0045】
操作レバー24をクランプ位置P1から第1解放位置P2に回転した場合、上記したように、前側クランプ部材22の上方部分22aが後方に移動することでレバー部材25の回転部材27aを後方に押し、かつ、後側クランプ部材23の上方部分23aが前方に移動することでレバー部材25の回転部材27bを前方に押すことで、レバー部材25は、
図6紙面において反時計回りに回転する。
【0046】
図7は、上型13の挟み込みを解放した状態を示す図である。なお、
図7では、バネ部材34の記載を省略している。
図7に示すように、操作レバー24は、係止片24bの端部24b1が接続部21aに当たることで第1解放位置P2に配置される。その結果、前側クランプ部材22の下方部分22bがホルダ本体21から離れ、上型13の保持が解放される。なお、上型13は、凹部13aが爪部35に係止されることで、上型ホルダ12から落下するのが防止される。上型13は、凹部13aが爪部35に係止された状態で、X方向にスライドさせることで上型ホルダ12から取り外すことができる。
【0047】
図8は、操作レバー24が第2解放位置P3に配置された状態を示す図である。
図8に示すように、操作レバー24を第2解放位置P3に配置することにより、偏心カム部26と第1軸AX1との間が距離L3となる。操作レバー24を第2解放位置P3にするには、先ず、
図6に示すように操作レバー24が第1解放位置P2に配置された状態で作業者等により係止片24bを押し下げて端部24b1を操作レバー24の上面から没入させる。この状態で操作レバー24を反時計回りに回転させることで、操作レバー24を第2解放位置P3に配置することができる。距離L3は、レバー部材25の回転部材27aが前側クランプ部材22の上方部分22aから離れ、かつ、回転部材27bが後側クランプ部材23の上方部分23aから離れる距離に設定される。距離L3は、上記した距離L2より小さく設定される。
【0048】
従って、操作レバー24を第2解放位置P3に配置することで、レバー部材25は、
図6紙面においてさらに反時計回りに回転可能となり、第1端部25a(回転部材27a)を後方に移動可能な状態させ、かつ、第2端部25b(回転部材27b)を後方に移動可能な状態にさせる。この場合、上記したように、前側クランプ部材22には、バネ部材33により下方部分22bがホルダ本体21から離れる方向、すなわち下方部分22bが開く方向に弾性力が付与されている(
図4参照)。このため、バネ部材33の弾性力により、前側クランプ部材22の下方部分22bが
図7に示す状態からさらに開いた状態となる。同様に、後側クランプ部材23には、バネ部材33により下方部分23bがホルダ本体21から離れる方向、すなわち下方部分23bが開く方向に弾性力が付与されている。このため、バネ部材33の弾性力により、後側クランプ部材23の下方部分23bが
図7に示す状態からさらに開いた状態となる。
【0049】
操作レバー24を第2解放位置P3まで回転させた場合、上記したように、前側クランプ部材22の上方部分22aが後方に移動することでレバー部材25の回転部材27aを後方に押し、かつ、後側クランプ部材23の上方部分23aが前方に移動することでレバー部材25の回転部材27bを前方に押すことで、レバー部材25は、
図8紙面において反時計回りに回転する。
【0050】
図9は、上型13を下方に取り外した状態を示す図である。なお、
図9では、バネ部材34の記載を省略している。
図9に示すように、操作レバー24を第2解放位置P3に配置することにより、前側クランプ部材22の下方部分22bがホルダ本体21からさらに離れ、爪部35が凹部13aから外れた状態となる。その結果、上型13は、作業者等が手に持って下方に取り外すことが可能となる。
【0051】
続いて、上型ホルダ12に上型13を固定する手順について説明する。先ず、作業者は、上型ホルダ12の操作レバー24を第1解放位置P2に配置しておく。この状態で、作業者は、前側クランプ部材22とホルダ本体21の板状部21bとの間に上型13を配置する。上型13の配置は、例えば、前側クランプ部材22と板状部21bとの間に上型13を下方から差し込むことにより行う。このとき、爪部35は、上型13に押されて凹部22gに没入し、凹部13aに達した段階で突出して凹部13aに入り込む。その結果、上型13は、爪部35に係止された状態で、板状部21bの前面21b1側に配置され、上型ホルダ12から落下するのを防止される。
【0052】
なお、上型13を下方から差し込むことに代えて、爪部35が凹部13aに入り込むように上型ホルダ12の+X側又は-X側からX方向にスライドさせて上型13を配置してもよい。
【0053】
上型13を配置した後、作業者は、操作レバー24を把持し、第1解放位置P2からクランプ位置P1に回転させる。操作レバー24は、第1解放位置P2において、ホルダ本体21からホルダ本体21の前側に延びるように設けられているため(
図6参照)、作業者は、ホルダ本体21の後側を手で探る必要がなく、前側から操作レバー24を容易に操作することができる。また、操作レバー24は、クランプ位置P1において、先端部分がX方向に延びるように(前側クランプ部材22に沿うように)設けられている。そのため、上型13を上型ホルダ12に固定した状態において、操作レバー24が上型ホルダ12より前方に突出する部分を小さくできる。
【0054】
操作レバー24がクランプ位置P1に配置されることにより、レバー部材25が第2軸AX2まわりに回転する。レバー部材25の回転により、回転部材27a(第1端部25a)がホルダ本体21の前方に移動し、前側クランプ部材22の上方部分22aを押す。前側クランプ部材22は、上方部分22aが押されることで、下方部分22bが閉じる方向に揺動する。前側クランプ部材22の揺動により、前側クランプ部材22とホルダ本体21との間で上型13を挟み込んで固定する。
【0055】
また、上型13が固定された上型ホルダ12から上型13を取り外す場合、作業者は、前側から上型ホルダ12の操作レバー24を把持し、クランプ位置P1から第1解放位置P2に移動させる。
【0056】
操作レバー24が第1解放位置P2に配置されることにより、レバー部材25が第2軸AX2まわりに回転可能となる。前側クランプ部材22は、バネ部材33の弾性力により下方部分22bが開く方向に揺動する。回転部材27a(第1端部25a)は、上方部分22aに押されて後方に移動することでレバー部材25を回転させる。前側クランプ部材22の下方部分22bが開くことで、上型13を解放する。作業者は、上型13をX方向にスライドさせることにより、上型13を取り出すことができる。
【0057】
また、操作レバー24が第1解放位置P2に配置された状態で、作業者が係止片24bを押し下げてさらに操作レバー24を回転させ、操作レバー24を第2解放位置P3に配置させることにより、爪部35が凹部13aから外れた状態となる。すなわち、操作レバー24が第2解放位置P3に配置されることにより、爪部35が凹部13aから外れた状態となるまで前側クランプ部材22の下方部分22bが開くことになる。この状態で、作業者は、上型13を下方に引き抜くことができる。つまり、上型13を取り外す際に、X方向に移動させる必要がなく、上型13を上型ホルダ12から容易に下方に取り出すことができる。
【0058】
上記した実施形態では、上型13をホルダ本体21の板状部21bの前面21b1に配置する場合について説明しているが、上型13をホルダ本体21の板状部21bの後面21b2に配置し、後側クランプ部材23と板状部21bとの間で上型13を保持させることも可能である。先ず、上型ホルダ12の操作レバー24を第1解放位置P2に配置した状態で、作業者は、後側クランプ部材23と板状部21bとの間に上型13を配置する。なお、上型13は、溝状の凹部13aが後方に向いた状態で配置される。続いて、操作レバー24を第1解放位置P2からクランプ位置P1に回転させる。
【0059】
図10は、後側クランプ部材23とホルダ本体21との間で上型13を挟み込んだ状態を示す図である。なお、
図10では、バネ部材34の記載を省略している。操作レバー24をクランプ位置P1に回転させることで、
図8に示すように、レバー部材25の回転部材27b(第2端部25b)が後方に移動することで、後側クランプ部材23の上方部分23aが後方に押される。後側クランプ部材23は、後側揺動軸AXRを中心として揺動し、下方部分23bをホルダ本体21の板状部21bに近づけるように移動する。その結果、下方部分23bと板状部21bとの間で上型13を挟み込み、上型13が上型ホルダ12に固定される。なお、操作レバー24を第1解放位置P2又は第2解放位置P3に回転させることで、上型13を取り外し可能となる点は、上記した説明と同様である。
【0060】
このように、実施形態に係る上型ホルダ12及びプレス機械100によれば、操作レバー24の回転によりレバー部材25の回転部材27a(第1端部25a)を前方に移動させる、又はレバー部材25の回転部材27b(第2端部25b)を後方に移動させることで、前側クランプ部材22及び後側クランプ部材23を揺動させて、前側クランプ部材22とホルダ本体21との間、又は後側クランプ部材23とホルダ本体21との間で上型13を挟み込むことができる。その結果、上型13を挟み込むためにボルトの締め付け等の操作が不要であり、上型13を容易に挟み込んで保持することができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態に限定されない。上記した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることは当業者において明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。上記した実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態で説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、実施形態において示した各動作の実行順序は、前の動作の結果を後の動作で用いない限り、任意の順序で実現可能である。また、上記した実施形態における動作に関して、便宜上「先ず」、「次に」、「続いて」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須ではない。
【符号の説明】
【0062】
AX1・・・第1軸
AX2・・・第2軸
AX3・・・第3軸
AXF・・・前側揺動軸
AXR・・・後側揺動軸
P1・・・クランプ位置
P2・・・第1解放位置
P3・・・第2解放位置
W・・・ワーク
6・・・下型
12・・・上型ホルダ
13・・・上型
21・・・ホルダ本体
22・・・前側クランプ部材
22a、23a・・・上方部分
22b、23b・・・下方部分
23・・・後側クランプ部材
24・・・操作レバー
25・・・レバー部材
25a・・・第1端部
25b・・・第2端部
26・・・偏心カム部
27・・・カムフォロア部
27a、27b・・・回転部材
31・・・第1支持部材
31a、32a・・・ヘッド
32・・・第2支持部材
33、34、36・・・バネ部材
100・・・プレス機械