(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102432
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】木質材料からなる壁部材の設置構造
(51)【国際特許分類】
E04B 2/56 20060101AFI20240724BHJP
E04B 1/61 20060101ALI20240724BHJP
E04B 1/10 20060101ALI20240724BHJP
E02D 27/00 20060101ALI20240724BHJP
E04C 2/12 20060101ALN20240724BHJP
【FI】
E04B2/56 632D
E04B1/61 506A
E04B1/10 B
E02D27/00 E
E04C2/12 E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006306
(22)【出願日】2023-01-19
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】513127456
【氏名又は名称】有限会社ライン工業
(71)【出願人】
【識別番号】501261584
【氏名又は名称】学校法人 日本福祉大学
(71)【出願人】
【識別番号】523021933
【氏名又は名称】清水 秀丸
(71)【出願人】
【識別番号】390036515
【氏名又は名称】株式会社鴻池組
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 実
(72)【発明者】
【氏名】坂口 大史
(72)【発明者】
【氏名】清水 秀丸
(72)【発明者】
【氏名】安野 郷
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 航一
(72)【発明者】
【氏名】久保 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】中村 貴司
(72)【発明者】
【氏名】車田 慎介
(72)【発明者】
【氏名】西本 将晴
【テーマコード(参考)】
2D046
2E002
2E125
2E162
【Fターム(参考)】
2D046AA19
2E002FB07
2E002JA03
2E125AA53
2E125AE16
2E125AG09
2E125BB12
2E125BD01
2E125BE07
2E125CA05
2E125CA16
2E162CC03
(57)【要約】
【課題】基礎に埋設するアンカーボルト等の施工誤差を吸収することを可能にすることで、CLT耐力壁等の木質材料からなる壁部材を基礎上の設計設置位置に正確に設置するための調整を容易に行うことができるようにした木質材料からなる壁部材の設置構造を提供すること。
【解決手段】接合部材2は、アンカーボルトBを介して基礎Fに固定される固定部21と、差し込みプレート22とを備え、CLT耐力壁1は、接合部材2の差し込みプレート22が挿入されるスリット11を備え、基礎Fに設置した接合部材2の差し込みプレート22が、CLT耐力壁1のスリット11に挿入された状態で、CLT耐力壁1と差し込みプレート22とが、CLT耐力壁1の表面から打設された釘3によって固定されることにより、CLT耐力壁1を基礎Fに設置した接合部材2を介して基礎F上に設置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質材料からなる壁部材を基礎に設置する接合部材を介して基礎上に設置するようにした木質材料からなる壁部材の設置構造であって、
前記接合部材は、アンカーボルトを介して基礎に固定される固定部と、固定具のための下穴を有しない差し込みプレートとを備え、
前記木質材料からなる壁部材は、接合部材の差し込みプレートが挿入されるスリットを備え、
基礎に設置した接合部材の差し込みプレートが、木質材料からなる壁部材のスリットに挿入された状態で、木質材料からなる壁部材と差し込みプレートとが、木質材料からなる壁部材の表面から打設及び/又はねじ込まれた固定具によって固定されることにより、木質材料からなる壁部材を基礎に設置した接合部材を介して基礎上に設置するようにした
ことを特徴とする木質材料からなる壁部材の設置構造。
【請求項2】
前記接合部材は、固定部を、差し込みプレートを含む面が、設計設置位置の木質材料からなる壁部材のスリットを含む面と一致するように、アンカーボルトを介して基礎に固定されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の木質材料からなる壁部材の設置構造。
【請求項3】
前記木質材料からなる壁部材は、設計設置位置に仮固定した状態で、木質材料からなる壁部材と差し込みプレートとが、木質材料からなる壁部材の表面から打設及び/又はねじ込まれた固定具によって固定されるようにした
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の木質材料からなる壁部材の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CLT耐力壁等の木質材料からなる壁部材を基礎に設置する接合部材を介して基礎上に設置するようにした木質材料からなる壁部材の設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「CLT耐力壁」は、CLT壁ともいい、CLTを用いて構築される。CLTは、直交集成板の英語表記(Cross Laminated Timber)の略称で、ひき板等を並べて、木質材料の繊維方向が直交するように積層接着した木質材料を指す。CLTを壁部材や床部材に使用して壁式構造とする工法をCLT工法といい、木材特有の断熱性と壁式構造の特性を活かして戸建て住宅のほか、中層建築物の共同住宅等に用いられる等、近年、その需要が拡大している工法である(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
ところで、CLT耐力壁を基礎上に設置するために、CLT耐力壁を基礎に設置する接合部材を介して基礎上に設置するようにしたCLT耐力壁の設置構造が提案されている(例えば、特許文献2~3参照。)。
このうち、特許文献2に開示されたCLT耐力壁の設置構造は、予めドリフトピンを用いて接合部材を装着して一体化したCLT耐力壁を、接合部材を介して基礎上に設置するようにするものである。
また、特許文献3に開示されたCLT耐力壁の設置構造は、予めピン孔を形成したCLT耐力壁と基礎に埋設固定した予めピン孔を形成した接合部材とをドリフトピンを用いて一体化することで、CLT耐力壁を、接合部材を介して基礎上に設置するようにするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-119436号公報
【特許文献2】特開2019-167763号公報
【特許文献3】特開2018-197474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2~3に開示されたCLT耐力壁の設置構造は、使用部品の個数や種類を減らすことができる利点を有するものであった。
その反面、このCLT耐力壁の設置構造は、予めドリフトピンを用いて接合部材を装着して一体化したCLT耐力壁を、接合部材を介して基礎上に設置するようにしたり、予めピン孔を形成したCLT耐力壁と基礎に埋設固定した予めピン孔を形成した接合部材とをドリフトピンを用いて一体化することで、CLT耐力壁を、接合部材を介して基礎上に設置するようにしているため、基礎に埋設するアンカーボルトや接合部材等の施工誤差を吸収することができず、CLT耐力壁を基礎上の設計設置位置に正確に設置するための調整に手数を要するという問題があった。
【0006】
本発明は、特許文献2~3に開示されたCLT耐力壁の設置構造のCLT耐力壁を基礎に設置する接合部材を介して基礎上に設置するようにすることで使用部品の個数や種類を減らすことができる利点を享有しながら、基礎に埋設するアンカーボルト等の施工誤差を吸収することを可能にすることで、CLT耐力壁等の木質材料からなる壁部材を基礎上の設計設置位置に正確に設置するための調整を容易に行うことができるようにした木質材料からなる壁部材の設置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造は、木質材料からなる壁部材を基礎に設置する接合部材を介して基礎上に設置するようにした木質材料からなる壁部材の設置構造であって、
前記接合部材は、アンカーボルトを介して基礎に固定される固定部と、固定具のための下穴を有しない差し込みプレートとを備え、
前記木質材料からなる壁部材は、接合部材の差し込みプレートが挿入されるスリットを備え、
基礎に設置した接合部材の差し込みプレートが、木質材料からなる壁部材のスリットに挿入された状態で、木質材料からなる壁部材と差し込みプレートとが、木質材料からなる壁部材の表面から打設及び/又はねじ込まれた固定具によって固定されることにより、木質材料からなる壁部材を基礎に設置した接合部材を介して基礎上に設置するようにした
ことを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記接合部材は、固定部を、差し込みプレートを含む面が、設計設置位置の木質材料からなる壁部材のスリットを含む面と一致するように、アンカーボルトを介して基礎に固定されるようにすることができる。
【0009】
また、前記木質材料からなる壁部材は、設計設置位置に仮固定した状態で、木質材料からなる壁部材と差し込みプレートとが、木質材料からなる壁部材の表面から打設及び/又はねじ込まれた固定具によって固定されるようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造によれば、木質材料からなる壁部材を基礎に設置する接合部材を介して基礎上に設置するようにすることで使用部品の個数や種類を減らすことができる利点を享有しながら、基礎に接合部材を設置し、その後、基礎に設置した接合部材の固定具のための下穴を有しない差し込みプレートが、木質材料からなる壁部材のスリットに挿入された状態で、木質材料からなる壁部材と差し込みプレートとを、木質材料からなる壁部材の表面から打設及び/又はねじ込まれた固定具によって固定することで、木質材料からなる壁部材を基礎に設置した接合部材を介して基礎上に設置するようにすることにより、基礎に埋設するアンカーボルト等の施工誤差を吸収することが可能となり、木質材料からなる壁部材を基礎上の設計設置位置に正確に設置するための調整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造の一実施例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【
図2】本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造に用いる接合部材の一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【
図3】本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造に用いる接合部材の変形例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【
図4】本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造を適用したCLT耐力壁の建て込み方法の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0013】
図1~
図4に、本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造の一実施例を示す。
この木質材料からなる壁部材の設置構造は、木質材料からなる壁部材としてのCLT耐力壁1を基礎Fに設置する接合部材2を介して基礎F上に設置するもので、接合部材2は、アンカーボルトBを介して基礎Fに固定される固定部21と、固定具のための下穴を有しない差し込みプレート22とを備え、CLT耐力壁1は、接合部材2の差し込みプレート22が挿入されるスリット11を備え、基礎Fに設置した接合部材2の差し込みプレート22が、CLT耐力壁1のスリット11に挿入された状態で、CLT耐力壁1と差し込みプレート22とが、CLT耐力壁1の表面から打設された釘(固定具)3によって固定されることにより、CLT耐力壁1を基礎Fに設置した接合部材2を介して基礎F上に設置するようにしている。
【0014】
本実施例において、木質材料からなる壁部材として使用するCLT耐力壁1は、従来使用されている汎用のCLT耐力壁を用いるようにしているが、木質材料からなる壁部材には、CLTのほか、NLT(Nail Laminated Timber)等の壁部材として使用可能な木質材料を広く使用することができる。
CLT耐力壁1は、CLT耐力壁1の幅方向の両端部に、幅方向と平行な方向に、接合部材2の差し込みプレート22が挿入されるスリット11を備えるようにしている。
このスリット11は、CLT耐力壁1の吸湿による膨張等の影響を受けることなく、
図2に示す、接合部材2の差し込みプレート22を円滑に挿入できるように、スリット幅を、差し込みプレート22の厚みtよりも若干大きい、通常、t+1.0~10.0mm、好ましくは、t+2.0~8.0mm、より好ましくは、t+3.0~6.0mm(本実施例においては、t+4.5mm)に形成するようにする。
また、スリット11の幅方向の寸法w1及び高さ方向の寸法h1は、基礎Fに埋設するアンカーボルトB等の施工誤差を吸収することができるように、
図2に示す、接合部材2の差し込みプレート22の幅方向の寸法w2及び高さ方向の寸法h2より、それぞれ、10~200mm、好ましくは、20~150mm大きく、より好ましくは、30~100mm大きく(本実施例においては、w1=w2+40mm、h1=h2+40mm)に形成するようにする。
ここで、スリット11を設ける箇所は、通常は、本実施例に示すように、CLT耐力壁1の幅方向の両端部に設けるようにするが、CLT耐力壁1の大きさによって、CLT耐力壁1の幅方向の任意の位置、例えば、CLT耐力壁1の幅方向の中間部の1箇所に設けるようにしたり、CLT耐力壁1の幅方向の中間部を含む3箇所(以上)に設けるようにしたりすることができる。
また、厚みのあるCLT耐力壁1の場合には、スリット11をCLT耐力壁1の厚さ方向の位置を変えて複数層(2層又は3層以上)形成し、これに対応して、複数個(2個又は3個以上)の接合部材2を用いたり、差し込みプレート22を複数枚(2枚又は3枚以上)備えた接合部材2を用いることができる。
また、CLT耐力壁1のスリット11の下方部分12は、接合部材2と干渉しないように、切り欠くようにしている。
【0015】
接合部材2は、鉄等の金属製の部材からなり、
図2に示すように、アンカーボルトBを介して基礎Fに固定される固定部21と、差し込みプレート22とを備えるようにしている。
固定部21は、底板部21a、立ち上がり部21b及び補強部21cからなり、必要とされる強度に応じて、所定の肉厚の金属製の板材(本実施例においては、底板部21aには、16×100mm、立ち上がり部21bには、12×100mm、補強部21cには、6×65mmの平鋼(SS400))を溶接して形成するようにする。
固定部21の底板部21aには、アンカーボルトBを挿通する透孔21dを備えるようにしている。この透孔21dは、アンカーボルトBの施工誤差を吸収することができるように、長孔に形成するようにする。
固定部21の立ち上がり部21bには、アンカーボルトBに螺合するナットNを操作で
きるようにするための透孔21eを備えるようにしている。
差し込みプレート22は、必要とされる強度に応じて、所定の肉厚の金属製の矩形形状の板材(本実施例においては、4.5×100×400mmの平鋼(SS400))からなり、固定部21の立ち上がり部21bに溶接するようにする。
ここで、差し込みプレート22には、釘(固定具)3によって、CLT耐力壁1と差し込みプレート22とを不特定の位置(CLT耐力壁1の設計設置位置(X方向、Y方向、Z方向))で固定するため、固定具のための下穴を有しない(下穴を形成しない)板材を用いるようにする。なお、CLT耐力壁1の表面には、釘3を打設する際の目安となる目印を施してもよい。
また、接合部材2は、
図3に示すように、差し込みプレート22を固定部21の底板部21aにまで延設し、差し込みプレート22の両面に配設した固定部21の立ち上がり部21bによって補強する構造としてもよい。
【0016】
CLT耐力壁1と接合部材2の差し込みプレート22とを固定するために用いる釘3は、釘打機を使用することで金属製の差し込みプレート22を貫通できる鋼板用焼入釘を好適に用いることができる(本実施例においては、釘打機には、マックス社製高圧コイルネイラHN-90N5を、釘3には、マックス社製MAXプラシート連結釘スクリュ(鋼板用焼入釘)CAP65W4-H、FAP50V9を用いた。)。
使用する釘3の本数は、必要とされる強度に応じて、10~100本程度の釘3を使用するようにする(本実施例においては、CLT耐力壁1の表面の両側から2×10×2=40本の釘3を打設するようにしているが、必要とされる強度が得られる場合は、CLT耐力壁1のいずれか一方側の表面のみから釘3を打設するようにしてもよい。)。
ここで、CLT耐力壁1と接合部材2の差し込みプレート22とを固定するために用いる固定具には、上記釘3のほか、固定具のための下穴を有しない金属製の差し込みプレート22を貫通できる任意の固定具、例えば、コンクリート釘(段付きコンクリート釘を含む。)、ドリルねじ(例えば、シネジック社製鉄板貫通ビス「パネリード穿」(商品名))等を用いることができる。そして、当該固定具を打設及び/又はねじ込むために、固定具に対応した任意の動力工具や手工具を用いることができる。
【0017】
次に、このCLT耐力壁の設置構造を適用したCLT耐力壁の建て込み方法について、
図1及び
図4を用いて説明する。
(1)所定位置にアンカーボルトBを埋設した基礎Fを構築する。
(2)基礎Fの上面を水平面に仕上げ、接合部材2の固定部21を、差し込みプレート22を含む面が、CLT耐力壁1の設計設置位置のCLT耐力壁1のスリット11を含む面と一致するように、アンカーボルトB(及びナットN)を介して基礎Fに固定する。これにより、Y方向の位置合わせができる(基礎Fに埋設したアンカーボルトBのY方向の施工誤差を吸収することができる。)。
(3)基礎Fの所定位置に(CLT耐力壁1の設計設置位置(X方向、Y方向、Z方向)に合わせて)、柱4を建て込む(
図4(a))。柱4の高さは、CLT耐力壁1の設計設置位置に合わせるようにする(本実施例においては、柱4の上端と、CLT耐力壁1の上端とが一致するようにする。)。この場合、基礎Fの上面とCLT耐力壁1の下端面とは、必ずしも接するようにする必要はなく、若干の隙間が形成されるようにCLT耐力壁1の設計設置位置を設定することにより、基礎Fの上面の不陸等の施工誤差を吸収することができる。
(4)建て込んだ柱4間に、梁5に固定したCLT耐力壁1を吊り下ろし(
図4(b))、梁5を柱4の上端に架け渡すことで、CLT耐力壁1を仮固定する(
図4(c))。このとき、接合部材2の差し込みプレート22がCLT耐力壁1のスリット11に挿入される(このとき、CLT耐力壁1は、接合部材2の差し込みプレート22に対して、Y方向が拘束され、X方向及びZ方向は拘束されない。)ことで、CLT耐力壁1の設計設置位置(X方向、Y方向、Z方向)に合わせて、CLT耐力壁1を仮固定することができる。
(5)CLT耐力壁1を、設計設置位置に仮固定した状態で、CLT耐力壁1の表面の両側から釘3を打設することで、CLT耐力壁1と接合部材2の差し込みプレート22とを固定することにより、CLT耐力壁1を基礎に設置した接合部材2を介して基礎F上に設置する。
【0018】
以上、本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造について、その実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の木質材料からなる壁部材の設置構造は、使用部品の個数や種類を減らすことができる利点を有するとともに、基礎に埋設するアンカーボルト等の施工誤差を吸収することを可能にすることで、CLT耐力壁等の木質材料からなる壁部材を基礎上の設計設置位置に正確に設置するための調整を容易に行うことができることから、CLT耐力壁等の木質材料からなる壁部材を設置する用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0020】
1 CLT耐力壁(木質材料からなる壁部材)
11 スリット
12 下方部分(切り欠き)
2 接合部材
21 固定部
21a 底板部
21b 立ち上がり部
21c 補強部
21d 透孔
21e 透孔
22 差し込みプレート
3 釘(固定具)
4 柱
5 梁
F 基礎
B アンカーボルト
N ナット