(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102515
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 17/30 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
F16K17/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006448
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000227803
【氏名又は名称】NACOL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉村 健
(72)【発明者】
【氏名】下山 弘高
【テーマコード(参考)】
3H060
【Fターム(参考)】
3H060AA02
3H060BB06
3H060CC29
3H060CC40
3H060DD04
3H060DD05
3H060DD13
3H060EE05
3H060HH03
(57)【要約】
【課題】制御弁の作動流体が水又は水に性質が近い液体(水様液)であったとしても、より粗雑な加工でも圧力室内の作動流体が漏出することを防止可能な制御弁を提供する。
【解決手段】第1のポート3と、第2のポート4と、ピストン部6と、圧力室2と、を備える制御弁1において、第1のポート3と第2のポート4とを、弁部11が設けられた流路7を介して連通させ、ピストン部6を、受圧部17と、弁部11を構成する弁体18と、受圧部17を押圧可能に設けられた付勢手段19と、を有するものとし、圧力室2に、圧力室2の内圧をピストン部6に伝達する圧力伝達手段20を設け、圧力伝達手段20を、付勢手段19とは、逆方向に、圧力室2内の作動流体の流体圧に応じて、受圧部17を直接的又は間接的に押圧可能に設けられると共に圧力室2のピストン部6側を封止する様に設ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポートと、第2のポートと、ピストン部と、圧力室と、を備える制御弁であって、
該第1のポートと該第2のポートとは、弁部が設けられた流路を介して連通し、
該ピストン部は、受圧部と、該弁部を構成する弁体と、該受圧部を押圧可能に設けられた付勢手段と、を有しており、
該圧力室には、該圧力室の内圧を該ピストン部に伝達する圧力伝達手段が設けられ、
該圧力伝達手段は、該付勢手段とは、逆方向に、該圧力室内の作動流体の流体圧に応じて、該受圧部を直接的又は間接的に押圧可能に設けられると共に該圧力室の該ピストン部側を封止する様に設けられていることを特徴とする制御弁。
【請求項2】
前記ピストン部は、第2のピストン部として設けられ、
前記弁部は、第2の絞りとして設けられており、
第1のピストン部を、更に備え、
前記第1のポートは、側路を介して、前記圧力室と連通し、
前記流路には、前記第1のポート側に設けられた第1の絞りと、前記第2のポート側に設けられた該第2の絞りと、が設けられ、
該第1のピストン部は、該第1の絞りの大きさを調整可能に設けられ、
該第2のピストン部が摺動することで、前記作動流体の流体圧に応じて、該第2の絞りの大きさを調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】
前記圧力室は、第3のポートと接続され、
該第3のポートを介して、前記作動流体を前記圧力室に供給することで、前記弁部を開弁可能に設けられ、それにより、該作動流体を、前記流路内を逆流可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項4】
前記圧力伝達手段は、ダイアフラムであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の制御弁。
【請求項5】
前記作動流体は、水又は水様液であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御弁に関し、より詳細には、圧力伝達手段を備えた制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、制御弁の一種として、例えば、水を作動流体とする圧力補償型流量制御弁がある(例えば、非特許文献1を参照)。圧力補償型流量制御弁は、供給ポートから排出ポートまでの流路の絞りを調整可能に設けられた可変絞り弁と、発条により押圧された圧力補償弁と、を有しており、可変絞り弁と、圧力補償弁によって、流路に流れる作動流体の流量が、既定の流量に保持可能となっている。
【0003】
具体的に述べると、圧力補償型流量制御弁は、流路の供給ポート側と、排出ポート側に2箇所の絞りが設けられており、可変絞り弁の開閉度合によって、供給ポート側の絞りを調整することにより流路に流れる作動流体に流量が規定される。
【0004】
そして、圧力補償弁は、発条による付勢力と、供給用ポートから分岐された圧力補償用管路を介して供給される圧力室内の作動流体の流体圧とが釣り合う位置に位置する様に設けられており、それによって、圧力補償弁が、作動流体の流体圧の変化に応じて摺動することで、供給ポート側の絞りが調整され、作動流体の流体圧の変動によって生じる流量変動が吸収されるため、流路に流れる作動流体の流量が、既定の流量に保持される様になっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】白井 敦,外3名,“水圧用圧力補償型流量制御弁の流動特性解析”,計測自動制御学会東北支部 第185回研究集会 講演資料,社団法人計測自動制御学会 東北支部,1999年,資料番号185-11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧力補償型流量制御弁は、圧力補償弁が作動流体の流体圧に応じて摺動する様になっている以上、圧力補償弁と内壁との間には、どうしても僅かな隙間が生まれることになる。一方、圧力補償型流量制御弁は、圧力室内の作動流体が、該隙間から漏出しないことが要求されるため、そのため、該隙間は、作動流体が漏出しない程度の隙間とする必要がある。作動流体が水である場合、隙間寸法の許容範囲が狭く、従来の圧力補償型流量制御弁においては、精密な加工が求められ、それ故に、コスト高となるという問題があった。
【0007】
又、この問題は、常時は、逆流を防止し、一次的に流路を逆流可能とするために、圧力室に作動流体を供給することで、弁体を押し上げて開弁可能に設けられているパイロットチェック弁等の、同種の構造を有する他の制御弁でも起こり得ることである。
【0008】
そこで、本発明は、制御弁の作動流体が水又は水に性質が近い液体(水様液)であったとしても、より粗雑な加工でも圧力室内の作動流体が漏出することを防止可能な制御弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1のポートと、第2のポートと、ピストン部と、圧力室と、を備える制御弁であって、該第1のポートと該第2のポートとは、弁部が設けられた流路を介して連通し、該ピストン部は、受圧部と、該弁部を構成する弁体と、該受圧部を押圧可能に設けられた付勢手段と、を有しており、該圧力室には、該圧力室の内圧を該ピストン部に伝達する圧力伝達手段が設けられ、該圧力伝達手段は、該付勢手段とは、逆方向に、該圧力室内の作動流体の流体圧に応じて、該受圧部を直接的又は間接的に押圧可能に設けられると共に該圧力室の該ピストン部側を封止する様に設けられていることを特徴とする制御弁である。
【0010】
そして、本発明は、前記ピストン部を、第2のピストン部として設け、前記弁部を、第2の絞りとして設け、第1のピストン部を、更に備えるものとし、前記第1のポートを、側路を介して、前記圧力室と連通させ、前記流路に、前記第1のポート側に設けられた第1の絞りと、前記第2のポート側に設けられた該第2の絞りと、を設け、該第1のピストン部を、該第1の絞りの大きさを調整可能に設け、該第2のピストン部を摺動することで、前記作動流体の流体圧に応じて、該第2の絞りの大きさを調整可能に設けることが可能である。
【0011】
更に、本発明は、前記圧力室を、第3のポートと接続し、該第3のポートを介して、前記作動流体を前記圧力室に供給することで、前記弁部を開弁可能に設け、それにより、該作動流体を、前記流路内を逆流可能に設けることが可能である。又、本発明は、前記圧力伝達手段を、ダイアフラムとすることが可能である。又、本発明は、前記第1のポートを、供給ポートと、前記第2のポートを、排出ポートとすることが可能である。又、本発明は、前記作動流体を、水又は水様液とすることが可能である。
【0012】
尚、本発明において、「第1の」、「第2の」、「第3の」という表現を用いているが、該表現は、各構成を区別するために使用しているに過ぎず、その数字や順番には特に意味はないものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、圧力室に、該圧力室の内圧をピストン部に伝達する圧力伝達手段を設け、該圧力伝達手段を、該圧力室の該ピストン部側を封止する様に設けたことによって、制御弁の作動流体が水又は水に性質が近い液体(水様液)であったとしても、より粗雑な加工でも圧力室内の作動流体が漏出することを防止可能な制御弁を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1実施形態を、
図1に基づき説明する。本実施形態は、本発明を、水又は水様液を作動流体とする圧力補償型流量制御弁に適用した一例である。制御弁1は、少なくとも2つのポートと、少なくとも2つのピストン部と、圧力室2と、を備えている。
【0016】
本実施形態において、前記2つのポートの内、第1のポートは、供給ポート3として、第2のポートは、排出ポート4として、設けられており、該2つのピストン部の内、第1のピストン部は、オリフィスピストン5として、第2のピストン部は、圧力補償ピストン6として設けられている。
【0017】
供給ポート3は、制御弁1に作動流体を供給するために設けられ、弁部が設けられた流路7を介して排出ポート4と連通されていると共に側路8が分岐して設けられており、側路8を介して、圧力室2と連通している。排出ポート4は、前記作動流体を、制御弁1外に排出するために設けられており、流路7を介して供給ポート3と連通している。又、排出ポート4は、排出ポート4側に規定以上の流体圧が加わった際に、前記作動流体を供給ポート3側への逆流させるためのチャック弁9と接続されている。
【0018】
本実施形態において、流路7は、少なくとも2箇所に絞りが設けられており、その内、第1の絞りは、供給ポート3側に設けられ、第2の絞りは、排出ポート4側に設けられる(以下、第1の絞りを供給側絞り10と、第2の絞りを排出側絞り11と表記する)。本実施形態においては、排出側絞り11が、前記弁部として設けられている。
【0019】
又、流路7は、供給ポート3と接続された導入路部12と、導入路部12の2次側が接続される共に排出ポート4が接続された摺動管部13と、からなっており、導入路部12と摺動管部13との間に、供給側絞り10が、摺動管部13と排出ポート4との間に、排出側絞り11が設けられている。摺動管部13は、オリフィスピストン5及び圧力補償ピストン6が摺動可能に保持されている。そのため、摺動管部13の内壁1とオリフィスピストン5及び圧力補償ピストン6との間には、僅かな隙間が設けられている。
【0020】
オリフィスピストン5は、供給側絞り10の大きさを調整可能に設けられている。本実施形態において、オリフィスピストン5は、摺動管部13を摺動可能に設けられ、供給側絞り10を構成する弁体14(以下、弁体18との区別を明確にするために、供給側弁体14と表記する)と、供給側弁体14が立設された基部15と、基部15と結合され、供給側弁体14を移動させ、供給側絞り10の大きさを調整し、流量を設定するための調整つまみ16と、を有している。又、基部15は、後述する圧力補償ピストン6の受圧部17と共に後述する付勢手段19を保持可能に設けられている。
【0021】
圧力補償ピストン6は、摺動管部13内を摺動可能に設けられ、供給ポート3より供給される前記作動流体の流体圧に応じて、排出側絞り11の大きさを調整可能に設けられている。圧力補償ピストン6は、受圧部17と、弁体18(以下、弁体14との区別を明確とするために排出側弁体18と表記する)と、付勢手段19と、を有している。弁体18は、前記弁部である排出側絞り11を構成しており、付勢手段19は、受圧部17を押圧可能に設けられている。
【0022】
本実施形態において、圧力補償ピストン6は、摺動管部13内を摺動することで、前記作動流体の流体圧に応じて、排出側絞り11の大きさを調整可能に設けられており、略筒状の弁体18が受圧部17に立設されている。又、付勢手段19は、発条、例えば、コイルバネ、として設けられており、オリフィスピストン5の基部15と圧力補償ピストン6の受圧部17とで挟持される形で、摺動管部13内に設けられている。
【0023】
圧力室2は、ピストン部(本実施形態においては、圧力補償ピストン6)を前記作動流体の流体圧に応じて、摺動させるために設けられており、側路8を介して供給ポート3と接続され、圧力伝達手段20が設けられている。又、圧力室2は、側路8によって、減衰はするものの、その内圧は、供給ポート3内の前記作動流体の流体圧に対応するものとなっている。
【0024】
本実施形態において、圧力室2には、圧力伝達手段20が圧力室2内に必要以上押し込まれることを防止するためにパイロットピストン21が設けられている。尚、パイロットピストン21と圧力室2の内壁との間には、前記作動流体が流入可能な隙間(図示せず)が設けられている。
【0025】
圧力伝達手段20は、圧力室2内の内圧を、ピストン部(本実施形態においては、圧力補償ピストン6)に伝達するために設けられており、付勢手段19とは、逆方向に、圧力室2内の前記作動流体の流体圧に応じて、受圧部17を、直接的又は間接的に押圧可能に設けられている。又、圧力伝達手段20は、封止手段を兼ねており、圧力室2より前記作動流体が漏出しない様に圧力室2の圧力補償ピストン6側を封止している。
【0026】
本実施形態において、圧力伝達手段20は、ダイアフラムとして設けられており、圧力伝達手段20は、受圧部17を直接的に押圧可能に設けられている。又、圧力伝達手段20は、パイロットピストン21が、前記作動流体に流体圧で押し上げられることによって、圧力補償ピストン6に圧力室2の内圧を伝達可能となっている。
【0027】
制御弁1は、供給ポート3に、前記作動流体が供給されると、該作動流体が流路7へと流れると共に側路8を介して圧力室2にも供給される。そうすると、該作動流体の流体圧に応じて、圧力伝達手段20によって、圧力補償ピストン6の受圧部17が押圧され、付勢手段19の付勢力と釣り合う形で、圧力補償ピストン6が保持される。
【0028】
供給ポート3に供給される前記作動流体の流体圧が高くなった場合、それに応じて、圧力室2の内圧も高まり、圧力補償ピストン6が、圧力伝達手段20より、更に押し上げられるため、排出側絞り11の大きさ(断面積)がより小さくなる。それにより、排出ポート4より排出される該作動流体の流量は、供給ポート3側の流体圧が高くなった分、流路7の断面積が小さくなることになるため、設定した流量に保持される。
【0029】
逆に、供給ポート3に供給される前記作動流体の流体圧が低くなった場合、それに応じて、圧力室2の内圧も小さくなり、圧力補償ピストン6が、付勢手段19により、押し下げられるため、排出側絞り11の大きさ(断面積)がより大きくなる。それにより、排出ポート4より排出される該作動流体の流量は、供給ポート3側の流体圧が小さくなった分、流路7の断面積が大きくなることになるため、同様に、設定した流量に保持される。
【0030】
従って、本実施形態の制御弁1においては、圧力伝達手段20によって、圧力室2から圧力補償ピストン6側への前記作動流体の漏出が防止されると共に圧力伝達手段20によって、圧力室2内の該作動流体の流体圧は、圧力補償ピストン6と伝達されるため、より粗雑な加工でも圧力室2内の作動流体が漏出することを防止可能となっている。
【0031】
本発明の第2実施形態を
図2に基づき説明する。本実施形態は、本発明を、水又は水様液を作動流体とするパイロットチェック弁に適用した例である。
【0032】
制御弁22は、少なくとも3つのポートと、ピストン部23と、圧力室24と、を備えている。本実施形態において、前記3つのポートの内、第1のポートは、供給ポート25として、第2のポートは、排出ポート26として、第3のポートは、パイロットポート27として、設けられており、供給ポート25と排出ポート26とは、弁部28が設けられた流路29を介して連通している。流路29には、摺動管部30が設けられている。
【0033】
供給ポート25は、常時において、制御弁22に作動流体を供給するために設けられ、排出ポート26は、常時において、前記作動流体を、制御弁22外に排出するために設けられている。詳細については後述するが、制御弁22は、常時において、作動流体は供給ポート22から排出ポート26に向けて流れる様になっており、弁部28によって、逆流が防止されているが、パイロットポート27に作動流体を供給することにより、逆流させることが可能となっている。
【0034】
ピストン部23は、受圧部31と、弁体32と、付勢手段33と、を有しており、本実施形態においては、受圧部31に連結されたピストンロッド34を更に有し、摺動管部30を摺動可能に設けられている。弁体32は、弁部28を構成しており、常時は、供給ポート25から供給された前記作動流体の流体圧によって、ピストン部23が、付勢手段33の付勢力に抗して、持ち上げられることによって、流路29を開閉可能となっている。又、付勢手段33は、受圧部31を押圧可能に設けられている。
【0035】
本実施形態において、ピストン部23は、弁体32が、受圧部31に立設されている。又、付勢手段33は、発条、例えば、コイルバネとして設けられており、受圧部31の周囲を囲う様に設けられ、受圧部31には、その外周縁部に、付勢手段33が嵌入可能に設けられた溝部35が設けられ、付勢手段33によって溝部35の底部が押圧される様になっている。
【0036】
圧力室24は、パイロットポート27と接続されており、圧力伝達手段36が設けられている。圧力室24は、排出ポート26から供給ポート25へと、前記作動流体を逆流させる際に、パイロットポート27から、該作動流体を供給することで、弁部28を開弁するために設けられている。
【0037】
本実施形態において、圧力室24には、圧力伝達手段36が圧力室24内及び摺動管部30内に必要以上押し込まれることを防止するために、圧力伝達手段36を挟持する形で2つのパイロットピストン37が設けられている。尚、パイロットピストン37と圧力室24の内壁との間には、前記作動流体が流入可能な隙間(図示せず)が設けられている。
【0038】
圧力伝達手段36は、パイロットピストン37より前記作動流体が圧力室24に供給された際に、その流体圧をピストン部23に伝達するために設けられており、付勢手段33とは、逆方向に、受圧部31を直接的又は間接的に押圧可能に設けられている。又、圧力伝達手段36は、封止手段を兼ねており、圧力室24よりピストン部23側に該作動流体が漏出しない様に圧力室2のピストン部23側を封止している。
【0039】
本実施形態において、圧力伝達手段36は、ダイアフラムとして設けられており、圧力伝達手段36は、パイロットピストン37に挟持されている関係上、受圧部31を間接的に押圧可能に設けられている。又、圧力伝達手段36は、圧力室24内のパイロットピストン37が、前記作動流体に流体圧で押し上げられると共に圧力伝達手段36によって、摺動管部1内のパイロットピストン37が押し上げられることによって、ピストン部23に圧力室24の内圧を伝達可能となっている。
【0040】
制御弁22は、常時は、供給ポート25より排出ポート26に前記作動流体が流れる様になっているが、パイロットポート27に該作動液体を供給することにより、ピストン部23を、圧力伝達手段36を介して、持ち上げることで、前記弁部を開弁することが可能となっている。排出ポート26より供給ポート25へと該作動流体を逆流させることが可能となっている。
【0041】
一方、圧力室24のピストン部23側は、圧力伝達手段36によって封止されているため、前記作動流体が漏出することが防止されている。従って、本実施形態の制御弁22においても、第1実施形態と同様の効果を奏することが可能となっている。
【0042】
本発明を、上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0043】
(1)上記実施形態において、作動流体を、水又は水様液としたが、本発明は、油や空気等を作動流体とする制御弁にも適用可能である。
【0044】
(2)上記実施形態は、本願発明が適用可能な制御弁の一例であり、圧力補償型流量制御弁やパイロットチェック弁以外の同種の構造を備える種々の制御弁にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 制御弁 2 圧力室 3 供給ポート
4 排出ポート 5 オリフィスピストン 6 圧力補償ピストン
7 流路 8 側路 9 チャック弁
10 供給側絞り 11 排出側絞り 12 導入路部
13 摺動管部 14 供給側弁体 15 基部
16 調整つまみ 17 受圧部 18 排出側弁体
19 付勢手段 20 圧力伝達手段 21 パイロットピストン
22 制御弁 23 ピストン部 24 圧力室
25 供給ポート 26 排出ポート 27 パイロットポート
28 弁部 29 流路 30 摺動管部
31 受圧部 32 弁体 33 付勢手段
34 ピストンロッド 35 溝部 36 圧力伝達手段
37 パイロットピストン