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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102520
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】重量選別機
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/04 20060101AFI20240724BHJP
   G01G 11/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B65G43/04
G01G11/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006457
(22)【出願日】2023-01-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
(71)【出願人】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】稲田 和明
(72)【発明者】
【氏名】酒井 佳央
【テーマコード(参考)】
3F027
【Fターム(参考)】
3F027AA02
3F027CA01
3F027DA23
3F027DA36
3F027EA09
3F027FA04
3F027FA13
3F027FA15
(57)【要約】
【課題】計量コンベヤのコンベヤベルト交換時期を容易に把握できる重量選別機を提供する。
【解決手段】コンベヤベルトによって物品を搬送しながら、物品の重量を計測する計量コンベヤを備える重量選別機であって、コンベヤベルトによる物品の搬送経路における所定区間を通過する物品の通過時間を計測し、計測した通過時間に基づいて、コンベヤベルトの交換時期が到来したか否かを判定する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベヤベルトによって物品を搬送しながら、前記物品の重量を計測する計量コンベヤを備える重量選別機であって、
前記コンベヤベルトによる物品の搬送経路における所定区間を通過する物品の通過時間を計測する計測部と、該計測部で計測した通過時間に基づいて、前記コンベヤベルトの交換時期が到来したか否かを判定する判定部とを備える、
ことを特徴とする重量選別機。
【請求項2】
前記判定部で前記交換時期が到来したと判定されたときに、前記コンベヤベルトの交換時期であることを報知する報知部を備える、
請求項1に記載の重量選別機。
【請求項3】
前記計量コンベヤは、前記コンベヤベルトによる物品の前記搬送経路を、搬送方向に向けて先上がりに傾斜させることが可能である、
請求項1または2に記載の重量選別機。
【請求項4】
前記所定区間が、前記計量コンベヤにおける前記物品の搬送方向の始端部と、前記物品の搬送方向の終端部との間の区間である、
請求項3に記載の重量選別機。
【請求項5】
前記計測部は、前記始端部及び前記終端部を通過する前記物品を検知するセンサを備える、
請求項4に記載の重量選別機。
【請求項6】
前記判定部は、前記計測部で計測した通過時間と設定時間とを比較し、前記通過時間が前記設定時間を越えると、前記コンベヤベルトの交換時期が到来したと判定する、
請求項5に記載の重量選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量コンベヤで物品を搬送しながらその重量を計測する重量選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる重量選別機の計量コンベヤでは、運転の経過に伴ってコンベヤベルトの搬送面が摩耗することは避けられず、摩耗が進むと計量コンベヤ上で物品の滑りが生じる。物品の滑りが生じると、重量計測に悪影響を及ぼす虞がある。また、滑りが発生して計量コンベヤからの物品の搬出のタイミングが遅れると、物品が計量コンベヤから搬出される前に、後続の物品が計量コンベヤに搬入されてしまい、物品毎の正常な計量ができなくなる。
【0003】
このため、運転の経過に伴ってコンベヤベルトの搬送面の摩耗が進んだときには、コンベヤベルトを交換する必要がある。
【0004】
しかし、搬送面の摩耗具合を目視等によって判別することは難しく、コンベヤベルトの交換時期を容易に把握できるようにすることが望まれる。
【0005】
因みに、ベルト伝動を行う一般的な産業機械でも、効率的なベルト伝動を行うために、伝動ベルトの交換時期を知ることが望まれている。例えば、産業機械の一例であるコンバインにおいては、特許文献1に示されているように、エンジン回転数と、これによってベルト駆動される装置部位(扱胴)の回転数とを測定し、これらの情報に基づいて伝動ベルトの交換時期を予測して報知するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-173144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記システムは、ベルト伝動による伝動効率が大きく低下する前にベルト交換を促すために開発されたものである。このため、ベルト搬送において、ベルト搬送面の摩耗に起因して劣化したベルトの交換の要否の判別に適用するのは困難である。
【0008】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、ベルト搬送面の摩耗により劣化したコンベヤベルトの交換時期を容易に把握できる重量選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
【0010】
(1)本発明に係る重量選別機は、コンベヤベルトによって物品を搬送しながら、前記物品の重量を計測する計量コンベヤを備える重量選別機であって、
前記コンベヤベルトによる物品の搬送経路における所定区間を通過する物品の通過時間を計測する計測部と、該計測部で計測した通過時間に基づいて、前記コンベヤベルトの交換時期が到来したか否かを判定する判定部とを備える。
【0011】
ベルト搬送面の摩耗によりコンベヤベルトが劣化すると、コンベヤベルト上で物品の滑りが生じる。このコンベヤベルト上で物品の滑りの程度に応じて、コンベヤベルトによって搬送される物品が所定区間を通過する通過時間が変化する。本発明によると、物品が所定区間を通過する通過時間を計測することによって、計測した通過時間に基づいて、ベルト搬送面の摩耗により劣化したコンベヤベルトの交換時期を把握することができる。
【0012】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記判定部で前記交換時期が到来したと判定されたときに、前記コンベヤベルトの交換時期であることを報知する報知部を備える。
【0013】
この実施態様によると、コンベヤベルトの交換時期が到来すると、報知部によって、その旨が報知されるので、作業者は、直ちにコンベヤベルトを交換することができる。
【0014】
(3)本発明の一実施形態では、前記計量コンベヤは、前記コンベヤベルトによる物品の前記搬送経路を、搬送方向に向けて先上がりに傾斜させることが可能である。
【0015】
この実施態様によると、計量後の物品の搬出高さを、次段装置に対応して高くしたい場合に、コンベヤベルトによる搬送経路を、先上がりに傾斜させることができる。
【0016】
この場合、コンベヤベルトの搬送経路の傾斜角度が大きくなるほど物品とコンベヤベルトとの摩擦が大きくなって、ベルト搬送面の摩耗も進行しやすくなるので、コンベヤベルトの交換時期を把握できる本実施形態は、一層有効となる。
【0017】
(4)本発明の他の実施態様では、前記所定区間が、前記計量コンベヤにおける前記物品の搬送方向の始端部と、前記物品の搬送方向の終端部との間の区間である。
【0018】
この実施態様によると、計量コンベヤに物品が搬入される始端部から物品が搬出される終端部までの区間を所定区間とし、この所定区間を通過する物品の通過時間を計測して、コンベヤベルトの交換時期が到来したか否かを判定することができる。
【0019】
(5)本発明の更に他の実施態様では、前記計測部は、前記始端部及び前記終端部を通過する前記物品を検知するセンサを備える。
【0020】
この実施態様によると、計量コンベヤの始端部及び終端部を通過する物品をセンサで検知することによって所定区間を通過する物品の通過時間を計測できる一方、計量コンベヤの始端部を通過する物品の検知タイミング、すなわち、物品が計量コンベヤに搬入されたタイミングで物品の重量の計測を開始し、前記タイミングを基準として物品の重量値を取得することができる。
【0021】
(6)本発明の一実施態様では、前記判定部は、前記計測部で計測した通過時間と設定時間とを比較し、前記通過時間が前記設定時間を越えると、前記コンベヤベルトの交換時期が到来したと判定する。
【0022】
この実施態様によると、計測した所定区間を通過する物品の通過時間が、予め設定した設定時間を越えると、コンベヤベルト上で物品の滑りが大きく、ベルト搬送面の摩耗が進んでコンベヤベルトが劣化したとして、交換時期が到来したと判定する。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明の重量選別機によれば、物品が搬送経路の所定区間を通過する通過時間を計測することによって、計測した通過時間に基づいて、ベルト搬送面の摩耗によって劣化したコンベヤベルトの交換時期を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は本発明の一実施形態に係る重量選別機の斜視図である。
図2図2図1の重量選別機の正面図である。
図3図3図1の重量選別機の平面図である。
図4図4図1の重量選別機の傾斜仕様の斜視図である。
図5図5図1の重量選別機の傾斜仕様の正面図である。
図6図6図1の重量選別機の制御構成を示す要部のブロック図である。
図7図7図1の重量選別機の動作説明に供するフローチャートである。
図8図8はコンベヤベルトの交換時期が到来したことを報知するポップアップ画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る重量選別機の斜視図であり、図2は、その正面図であり、図3は、その平面図である。
【0027】
この重量選別機は、図示しない包装機から搬出された包装品などの物品を最終的に重量チェックして箱詰めする搬送ラインなどに好適に使用される。この重量選別機は、台枠1に、送込みコンベヤ2と計量コンベヤ3とを、矢符Fで示される物品の搬送方向に沿って縦列状に装備している。送込みコンベヤ2及び計量コンベヤ3による物品の搬送経路の側方には、制御ボックス4が立設されている。この制御ボックス4上には、各種パラメータの設定や計測結果、等を液晶表示すると共に、後述の報知部としての機能を有するタッチパネル型の操作設定表示装置5が搭載されている。
【0028】
なお、以降の説明において、コンベヤ搬送経路の矢符Fで示される物品の搬送方向の上手側を前方、搬送方向の下手側を後方、コンベヤ搬送経路の幅方向を左右(横)方向と呼称する場合がある。
【0029】
台枠1は、丸パイプ材を組み上げて、高さ調節可能な四脚型に構成されている。この台枠1には、角パイプ材を用いた前後に長い支持枠6が装備され、この支持枠6に、送込みコンベヤ2と計量コンベヤ3とがそれぞれ連結支持されている。
【0030】
計量コンベヤ3は、送込みコンベヤ2によって搬入された物品を搬送しながら、その重量を、ロードセルを利用した重量センサで計測する。
【0031】
計量コンベヤ3の入口部である物品の搬送方向の始端部には、幅方向の両側に、投光器11aと受光器11bとがそれぞれ対向配備された光センサからなる入口側物品検知センサ11が設けられている。また、計量コンベヤ3の出口部である物品の搬送方向の終端部には、幅方向の両側に、投光器12aと受光器12bとがそれぞれ対向配備された光センサからなる出口側物品検知センサ12が設けられている。各物品検知センサ11,12は、コンベヤ搬送経路を横断する光路が遮断されることによって、物品をそれぞれ検知する。
【0032】
入口側物品検知センサ11からの検知出力は、計量を開始するタイミング及び重量値を取得するタイミングに利用される。
【0033】
支持枠6の前端部には、左右一対の連結ブラケット6aが備えられている。この連結ブラケット6aが、台枠1における前方上部に配備された水平丸パイプ部1aに、横向きの水平支点pを中心として上下回動可能に支持されている。
【0034】
また、支持枠6の後部下面には、断面形状がコの字形の連結枠6bが横向きに連結されている。この連結枠6bの左右両端部が、台枠1の後部に縦壁状に固設した左右の連結板7にそれぞれボルト締め連結されている。
【0035】
連結板7には、前記水平支点pを中心とする円弧状の長孔8が形成されている。この長孔8に外側から挿通したボルト9を連結枠6bの横端面に締め込むことで、支持枠6を長孔8の形成範囲において上下移動させて、任意の高さで固定することができるようになっている。
【0036】
従って、ボルト9を弛めた状態で、支持枠6を搬送上手側の水平支点pを中心にして上下に回動させ、支持枠6の前後水平線に対する傾斜角度を変更することができる。また、ボルト9を締め込むことで任意の傾斜角度において支持枠6を固定することができるようになっている。
【0037】
つまり、支持枠6の傾斜角度変更によって、支持枠6に連結支持された送込みコンベヤ2と計量コンベヤ3とを一体にその傾斜角度を変更することができる。これによって、コンベヤ搬送経路の終端位置を、次段の装置高さに好適な高さに任意に変更することができる。
【0038】
図4は、傾斜角度を変更した重量選別機の傾斜仕様の斜視図であり、図5は、その正面図である。
【0039】
この図4図5に示すように、次段の装置高さに対応して、コンベヤ搬送経路を、物品の搬送方向に向けて先上がり(後上がり)に傾斜させることができる。
【0040】
この実施形態の重量選別機は、上記のように図示しない包装機から搬出された包装品などの物品を最終的に重量チェックして箱詰めする搬送ラインに好適に使用される。
【0041】
具体的には、例えば、組合せ秤で組合せ計量された所定重量範囲の物品を、組合せ秤の下方に配備された包装機で包装し、包装機から搬出される包装された物品を箱詰め梱包するような場合に、箱詰め梱包処理に先立って、この重量選別機によって、包装された物品の重量を最終的にチェックするものである。
【0042】
このような場合、包装された物品は組合せ秤の下方に設置された包装機から搬出されるので、その搬出位置が低い位置にある。これに対して、箱詰め梱包装置は、深さのある箱に包装品を供給する関係で、その投入高さが比較的高い位置となる。
【0043】
そこで、包装機によって包装されて低位置で搬出される包装された物品を、傾斜仕様にした本実施形態の重量選別機によって、箱詰め梱包装置の投入高さにまで送り込むものである。
【0044】
このように本実施形態の重量選別機では、低位置で搬出される包装された物品を、比較的高位置の次段装置である箱詰め梱包装置へ送り込むことができるので、例えば、傾斜コンベヤを設ける必要がない。したがって、傾斜コンベヤを導入するためのコストがかかることもなく、傾斜コンベヤの設置スペースを確保する必要もない。
【0045】
なお、コンベヤ搬送経路の傾斜角度が変更されると、計量コンベヤ3における重量センサに作用する荷重方向が変化するので、従来と同様にスパン調整が行われる。
【0046】
図6は、この実施形態の重量選別機の制御構成を示す要部のブロック図である。
【0047】
この実施形態の重量選別機は、マイクロコンピュータ等によって構成された制御装置15を備えており、メモリ15aに記憶されたプログラムを実行することにより、各部の動作を制御する。この制御装置15は、入口側物品検知センサ11及び出口側物品検知センサ12と共に、後述の計測部としての機能を有する。また、制御装置15は、後述の判定部としての機能を有する。
【0048】
この制御装置15に対する設定操作は、操作設定表示装置5によって行われる一方、制御装置15によって、操作設定表示装置5の表示が制御される。
【0049】
この制御装置15は、モータ駆動回路16,17を介して計量コンベヤ3及び送込みコンベヤ2をそれぞれ駆動するモータ18,19の駆動を制御する。また、制御装置15には、計量コンベヤ3の重量センサ20からのアナログ荷重信号がA/D変換器21によってデジタル荷重信号に変換されて入力される。
【0050】
更に、制御装置15には、計量コンベヤ3の入口側物品検知センサ11及び出口側物品検知センサ12の検知出力が、インターフェース22,23を介してそれぞれ入力される。
【0051】
制御装置15は、インターフェース22を介して入力される入口側物品検知センサ11の検知出力に基づくタイミングを利用して、A/D変換器21からのデジタル荷重信号に基づく重量値を取得する。
【0052】
上記図4図5に示すように、コンベヤ搬送経路を、物品の搬送方向に向けて先上がり傾斜させた場合、長時間の運転に伴って、物品との摩擦が原因でベルト搬送面に摩耗が生じやすく、物品が滑りやすくなる。
【0053】
特に、物品の滑りを防止するために、計量コンベヤ3のコンベヤベルト3aとして高摩擦ベルトを使用した場合には、物品とコンベヤベルトとの摩擦が大きくなる。このため、ベルト搬送面での摩耗が一層進み、グリップ力(滑らない力)が低下する。
【0054】
このようなグリップ力の低下によって、物品が適切に搬送されず、計量等に悪影響が及ぶのを避けるために、ベルト搬送面での摩耗が進んだコンベヤベルトを交換する必要がある。
【0055】
このため、本実施形態においては、以下のようにして、搬送面が摩耗によって劣化したコンベヤベルトの交換時期を判定して報知するようにしている。
【0056】
すなわち、この実施形態では、制御装置15は、入口側物品検知センサ11及び出口側物品検知センサ12の検知出力に基づいて、計量コンベヤ3における物品の搬送方向の始端部から終端部に亘る所定区間を通過する物品の通過時間を計測する。
【0057】
制御装置15は、この計測した通過時間と予め設定されている設定時間とを比較して、計量コンベヤ3のコンベヤベルト3aの交換時期が到来したか否かを判定する。
【0058】
ベルト搬送面の摩耗によりコンベヤベルト3aが劣化すると、コンベヤベルト3a上で物品の滑りが大きくなり、所定区間を移動する物品の移動時間が長くなる。
【0059】
制御装置15は、ベルト搬送面の摩耗が進行して物品の滑りが大きくなって、計測した通過時間が、設定時間を越えたときには、コンベヤベルト3aが劣化して、計量コンベヤ3のコンベヤベルト3aの交換時期が到来したと判定し、操作設定表示装置5にその旨を表示して報知する。
【0060】
図7は、このベルト交換時期の判定処理のフローチャートである。
【0061】
重量選別機の運転が開始されると同時に、ベルト交換時期の判定処理が開始され、10ms毎にプログラムが起動される。
【0062】
先ず、物品が検知されたことを示す物品検知フラグがONしているか否かを判断する(ステップS1)。
【0063】
物品が未だ検知されていないときには、入口側物品検知センサ11で物品を検知したか否かを判断する(ステップS2)。入口側物品検知センサ11で物品を検知しないときには戻る。
【0064】
入口側物品検知センサ11で物品を検知したときには、物品検知フラグをONし(ステップS3)、物品の通過時間を計測するためのタイマーカウンタを初期化して戻る(ステップS4)。
【0065】
ステップS1で、物品検知フラグがONしているときには、出口側物品検知センサ12で物品を検知したか否かを判断し(ステップS5)、出口側物品検知センサ12で物品を検知しないときには、タイマーカウンタの計数値を増加して戻る(ステップS6)。
【0066】
上記ステップS5において、出口側物品検知センサ12で物品を検知したときには、物品検知フラグをOFFし(ステップS7)、物品が計量コンベヤ3の始端部(入口)から終端部(出口)までの所定区間を通過する通過時間を、10msとタイマーカウンタの計数値とを乗算することによって算出し(ステップS8)、ステップS9に移る。
【0067】
ステップS9では、算出した通過時間が、予め設定されている設定時間を越えるか否かを判断し、超えるときには、操作設定表示装置5に、例えば、図8に示されるポップアップ画面で、「コンベヤベルトの交換時期になりました、コンベヤベルトを交換してください」といったコンベヤベルトの交換時期が到来した旨の表示を行って作業者に報知する(ステップS10)。
【0068】
この設定時間は、コンベヤベルトの対摩耗特性等に応じて適宜設定される。
【0069】
上記ステップS9において、算出された通過時間が設定時間を越えないときには、交換時期が未だ到来していないとして戻る。
【0070】
ベルト搬送面の摩耗によりコンベヤベルト3aが劣化すると、コンベヤベルト3a上で物品の滑りが生じ、この滑りの程度に応じて、コンベヤベルト3aによって搬送される物品が所定区間を通過する通過時間が変化する。
【0071】
上記のように本実施形態によれば、計量コンベヤ3の始端部から終端部まで物品が搬送される通過時間を、所定区間を通過する物品の通過時間として計測することによって、計測した通過時間が、予め設定した設定時間を越えるときには、ベルト搬送面の摩耗により劣化したコンベヤベルト3aの交換時期が到来したとして報知することができる。
【0072】
特に、計量コンベヤ3のコンベヤベルト3aによる物品の搬送経路を、搬送方向に向けて先上がりに傾斜させる傾斜仕様において、グリップ力を高めるために高摩擦ベルトを使用した場合には、物品とコンベヤベルトとの摩擦が大きくなって、ベルト搬送面での摩耗が一層進むので、コンベヤベルト3aの交換時期を報知できる本実施形態は有効である。
【0073】
また、計量コンベヤ3の物品の搬送経路を先上がりに傾斜させない水平仕様においても、物品の搬送間隔を調整するために、送込みコンベヤ2と計量コンベヤ3との間に、搬送速度の差を設けるような場合には、物品とコンベヤベルトとの摩擦が大きくなって、ベルト搬送面での摩耗が進むので、コンベヤベルトの交換時期を報知できる本実施形態は有効である。
【0074】
[他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
【0075】
(1)上記実施形態では、計量コンベヤ3においてのみ物品の通過時間を計測しているが、送込みコンベヤ2における所定区間での物品の通過時間を計測し、送込みコンベヤ2でのベルト交換時期を報知するようにしてもよい。
【0076】
(2)上記実施形態では、物品の通過を検知する物品検知センサとして、物品の搬送経路を挟んで投光器と受光器とを対向配置した透過型の光センサを利用しているが、回帰反射型の光センサを利用することもできる。また、光センサに限らず、超音波センサ等の他のセンサを利用してもよい。
【0077】
(3)ベルト交換の時期に至ったことを報知する際、操作設定表示装置5等でメッセージを表示するのみならず、音声や報知音で報知してもよく、表示と音声等を併用してもよい。また、パトライト等で報知してもよい。
【0078】
なお、コンベヤベルトの交換時期を報知することなく、例えば、作業者が、操作設定表示装置5を操作して、コンベヤベルトの交換時期が到来したか否かを確認できるようにしてもよい。
【0079】
(4)コンベヤ搬送経路の傾斜がきつくなるほど、物品の滑りに起因するベルト摩耗が発生しやすくなるので、ベルト交換時期の判断に用いる設定時間を、コンベヤ搬送経路の傾斜角度に応じて変更してもよい。
【0080】
(5)物品の通過時間を計測する所定区間は、必ずしも計量コンベヤ3の始端部と終端部でなくてもよく、計量コンベヤ3における搬送経路の中間部位の適宜長さ範囲に設定してもよい。
【符号の説明】
【0081】
2 送込みコンベヤ
3 計量コンベヤ
3a コンベヤベルト
5 操作設定表示装置
11 入口側物品検知センサ
12 出口側物品検知センサ
15 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8