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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102561
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】マットレス
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/00 20060101AFI20240724BHJP
   A47C 27/15 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
A47C27/00 D
A47C27/15 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006541
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】507358642
【氏名又は名称】株式会社ルービックJP
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】日野 淳一
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AB02
3B096AD01
(57)【要約】
【課題】マットレスの寝心地を向上させるとともに、リクライニング可能なベッドで使用してもリクライニング時にマットレスを柔軟に屈曲させることができてマットレスの使い勝手を向上させること。
【解決手段】本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体(3)を有するマットレス(1)において、マットレス本体(3)に、横臥する人を下方から支持し、かつ、上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の支持領域(9~13)を形成するとともに、隣り合う支持領域(9~13)の間に支持領域(9~13)よりも高さが低く、かつ、支持領域(9~13)よりも上下方向のフィラメントの平均密度が低い屈曲領域(14)を形成して、マットレス本体(3)を屈曲領域(14)で屈曲可能とすることにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、
マットレス本体に、横臥する人を下方から支持し、かつ、上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の支持領域を形成するとともに、隣り合う支持領域の間に支持領域よりも高さが低く、かつ、支持領域よりも上下方向のフィラメントの平均密度が低い屈曲領域を形成して、マットレス本体を屈曲領域で屈曲可能としたことを特徴とするマットレス。
【請求項2】
前記支持領域は、フィラメントの密度が異なる複数の層を上下に一体的に積層して形成したことを特徴とする請求項1に記載のマットレス。
【請求項3】
前記支持領域は、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設け、上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のマットレス。
【請求項4】
前記複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のマットレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、マットレスの内部のクッション材として、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体が用いられている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
この従来のマットレスでは、溶融状態にある複数の熱可塑性樹脂繊維からなるフィラメントを上方から降下させてフィラメント同士を立体的なネット状に融着させた後に冷却することでマットレス本体を形成して、上下方向のフィラメントの密度が前後方向及び左右方向で一定となるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-120743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来のマットレスでは、マットレス本体の上下方向のフィラメントの密度が前後方向及び左右方向で一定となっているために、横臥時における上下方向の伸縮が単調なものであり、寝心地が良好なものではなかった。
【0006】
また、病院や介護施設などで使用されているリクライニング可能なベッドで上記従来のマットレスを使用すると、リクライニング時にマットレス本体が柔軟に屈曲せず、使い勝手が良好なものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1に係る本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、マットレス本体に、横臥する人を下方から支持し、かつ、上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の支持領域を形成するとともに、隣り合う支持領域の間に支持領域よりも高さが低く、かつ、支持領域よりも上下方向のフィラメントの平均密度が低い屈曲領域を形成して、マットレス本体を屈曲領域で屈曲可能とすることにした。
【0008】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記支持領域は、フィラメントの密度が異なる複数の層を上下に一体的に積層して形成することにした。
【0009】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記支持領域は、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設け、上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにした。
【0010】
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項3に係る本発明において、前記複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにした。
【発明の効果】
【0011】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0012】
すなわち、本発明では、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体を有するマットレスにおいて、マットレス本体に、横臥する人を下方から支持し、かつ、上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の支持領域を形成するとともに、隣り合う支持領域の間に支持領域よりも高さが低く、かつ、支持領域よりも上下方向のフィラメントの平均密度が低い屈曲領域を形成して、マットレス本体を屈曲領域で屈曲可能とすることにしているために、横臥時における上下方向のクッション性が部分的に変化したものとなり、寝心地を向上させることができ、また、リクライニング可能なベッドで使用してもリクライニング時にマットレス(マットレス本体)を柔軟に屈曲させることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0013】
特に、前記支持領域をフィラメントの密度が異なる複数の層を上下に一体的に積層して形成した場合や、また、マットレス本体に、1層又は複数層からなる上部層と、1層又は複数層からなる下部層とを設けるとともに、上部層と下部層との間に中間層を設け、上部層及び下部層よりも中間層のフィラメントの密度を高くなるようにした場合や、さらに、複数層からなる上部層又は複数層からなる下部層を形成する各層のフィラメントの密度を中間層へ向けて漸次高くなるようにした場合には、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、より一層寝心地を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るマットレスを示す斜視説明図。
図2】マットレス本体の平面説明図。
図3】マットレス本体の断面説明図((a)A-A断面図、(b)B-B断面図)。
図4】マットレス本体の断面説明図((a)C-C断面図、(b)D-D断面図、(c)E-E断面図、(d)F-F断面図)。
図5】マットレス本体の断面説明図((a)C-C断面拡大図、(b)D-D断面拡大図、(c)E-E断面拡大図)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係るマットレスの具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1図5に示すように、マットレス1は、矩形箱型袋状の外装材2の内部にマットレス本体3を収容している。
【0017】
マットレス本体3は、フィラメント三次元結合体によって全体が一体的に形成されており、横臥する人の身長方向となる前後方向(図1では左右方向)とそれに直交する左右方向及び上下方向に伸延する矩形板形状に形成されている。ここで、フィラメント三次元結合体は、溶融状態にある複数の熱可塑性樹脂繊維からなるフィラメント同士を立体的なネット状に融着させた後に冷却することで形成される。フィラメントとしては、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂材料が用いられる。
【0018】
このマットレス本体3は、平面視で、左右端部分に複数の端部領域4~8を前後に間隔をあけて形成するとともに、中央部分(横臥者が横臥する部分)に横臥者の身体を下方から支持する複数の支持領域9~13を前後に間隔をあけて形成し、さらに、前後に隣り合う端部領域4~8及び支持領域9~13の間にマットレス本体3の屈曲性を向上させる複数の屈曲領域14を前後に間隔をあけて形成している。屈曲領域14は、他の端部領域4~8及び支持領域9~13よりも上下方向の厚みを薄くして高さが低くなっており、マットレス本体3の上下両面に凹部が形成されるようにしている。ここでは、端部領域4~8をフィラメントの密度が均一な単層(一層)に形成するとともに、支持領域9~13及び屈曲領域14をフィラメントの密度が異なる複数の層(多層)を上下に一体的に積層して形成している。なお、マットレス本体3の全体(端部領域4~8、支持領域9~13、屈曲領域14)を多層に形成してもよく、屈曲領域14を単層に形成してもよい。
【0019】
上記マットレス本体3では、端部領域4~8を設けずに支持領域9~13及び屈曲領域14を設けてもよい。また、マットレス本体3は、マットレス本体3の中央部分(主に横臥者の腰部を支持する部分)に3個の支持領域11を前後に間隔をあけて形成し、前側部分(主に横臥者の上半身を支持する部分)に2個の支持領域10を前後に間隔をあけて形成し、後側部分(主に横臥者の下半身を支持する部分)に2個の支持領域12を前後に間隔をあけて形成し、前端部分に3個の支持領域9を前後に間隔をあけて形成し、後端部分に3個の支持領域13を前後に間隔をあけて形成している。なお、各支持領域9~13の個数は1個でもよく複数個でもよい。また、支持領域9,13、支持領域11、支持領域10,12の順で前後の幅を長くしているが、これに限られない。
【0020】
そして、マットレス本体3の多層に形成した部分(支持領域9~13及び屈曲領域14)では、上部側に形成される上部層15と下部側に形成される下部層16とを形成するとともに、上部層15と下部層16との間に中間層17を一体的に密着させて形成している。なお、上部層15と下部層16は、1層で形成してもよく、複数層で形成してもよい。ここでは、2層からなる上部層15と、2層からなる下部層16との間に、1層からなる中間層17を設けている。
【0021】
支持領域9~13の上部層15は、上から順に第1・第2上部層18,19構成されており、最上層の第1上部層18のフィラメントの密度が上部層15の中で最も低く、最下層の第2上部層19のフィラメントの密度が上部層15の中で最も高く、第1・第2上部層18,19の順に中間層17に近くなるほどフィラメントの密度が漸次(段階的に順に)高くなるようにしている。
【0022】
また、支持領域9~13の上部層15は、最上層の第1上部層18の上下方向の厚みが上部層15の中で最も厚く、最下層の第2上部層19の上下方向の厚みが上部層15の中で最も薄く、第1・第2上部層18,19の順に中間層17に近くなるほど上下方向の厚みが同一又は順に漸次(段階的に順に)厚くなるようにしている。なお、第1・第2上部層18,19の順に中間層17に近くなるほど上下方向の厚みが漸次(段階的に順に)薄くなるようにしてもよい。
【0023】
このように、マットレス本体3では、支持領域9~13の上部層15を複数層(第1・第2上部層18,19)で形成し、上部層15を形成する各層(第1・第2上部層18,19)のフィラメントの密度を中間層17側へ向けて漸次高くなるようにし、また、上部層15を形成する各層(第1・第2上部層18,19)の上下方向の厚み(高さ)を中間層17側へ向けて同一又は漸次厚くなるようにしている。
【0024】
支持領域9~13の下部層16は、下から順に第1・第2下部層20,21で構成されており、最下層の第1下部層20のフィラメントの密度が下部層16の中で最も低く、最上層の第2下部層21のフィラメントの密度が下部層16の中で最も高く、第1・第2下部層20,21の順に中間層17に近くなるほどフィラメントの密度が漸次(段階的に順に)高くなるようにしている。
【0025】
また、支持領域9~13の下部層16は、最下層の第1下部層20の上下方向の厚みが下部層16の中で最も厚く、最上層の第2下部層21の上下方向の厚みが下部層16の中で最も薄く、第1・第2下部層20,21の順に中間層17に近くなるほど上下方向の厚みが同一又は順に漸次(段階的に順に)薄くなるようにしている。なお、第1・第2下部層20,21の順に中間層17に近くなるほど上下方向の厚みが同一又は漸次(段階的に順に)厚くなるようにしてもよい。
【0026】
このように、マットレス本体3では、支持領域9~13の下部層16を複数層(第1・第2下部層20,21)で形成し、下部層16を形成する各層(第1・第2下部層20,21)のフィラメントの密度を中間層17側へ向けて漸次高くなるようにし、また、下部層16を形成する各層(第1・第2下部層20,21)の上下方向の厚み(高さ)を中間層17側へ向けて同一又は漸次薄くなるようにしている。
【0027】
支持領域9~13の中間層17は、支持領域9~13の上部層15を形成する第1・第2上部層18,19や支持領域9~13の下部層16を形成する第1・第2下部層20,21よりも、フィラメントの密度を高くするとともに、上下方向の厚みを同一又は薄くしている。なお、支持領域9~13の中間層17は、支持領域9~13の上部層15を形成する第1・第2上部層18,19や支持領域9~13の下部層16を形成する第1・第2下部層20,21よりも、上下方向の厚みを厚くしてもよい。また、支持領域9~13の中間層17は、複数層で形成してもよい。
【0028】
上記マットレス本体3では、中央部分(主に横臥者の腰部を支持する部分)に形成した支持領域11は、第1・第2上部層18a,19aと、中間層17aと、第1・第2下部層20a,21aとで上下一体的に密着させて形成されている。また、上記マットレス本体3では、前側部分(主に横臥者の上半身を支持する部分)に形成した支持領域10と後側部分(主に横臥者の下半身を支持する部分)に形成した支持領域12は、第1・第2上部層18b,19bと、中間層17bと、第1・第2下部層20b,21bとで上下一体的に密着させて形成されている。さらに、上記マットレス本体3では、前端部分に形成した支持領域9と後端部分に形成した支持領域13は、第1・第2上部層18c,19cと、中間層17cと、第1・第2下部層20c,21cとで上下一体的に密着させて形成されている。
【0029】
ここで、マットレス本体3は、第1・第2上部層18a,19aと中間層17aと第1・第2下部層20a,21aとで形成される支持領域11の上下方向の平均密度と、第1・第2上部層18b,19bと中間層17bと第1・第2下部層20b,21bとで形成される支持領域10,12の上下方向の平均密度と、第1・第2上部層18c,19cと中間層17cと第1・第2下部層20c,21cとで形成される支持領域9,13の上下方向の平均密度を異ならせている。たとえば、支持領域11の平均密度が最も高く、領域9,13の平均密度が最も低くなるようにしている。なお、多層に形成した全ての支持領域9~13のうちの一部が他と比べて上下方向のフィラメントの密度が異なっていればよく、全ての領域9~13がそれぞれ上下方向のフィラメントの密度が異なっていてもよい。
【0030】
これにより、マットレス本体3は、横臥時における上下方向のクッション性が支持領域9~13(特に、横臥者が横臥する領域10~12)ごとに部分的に変化したものとなり、寝心地を向上させることができる。なお、支持領域10~12ごとのクッション性は、横臥者の身体や好みなどに応じて適宜設定することができる。たとえば、支持領域11の上下方向の平均密度を最も高くして最も硬くした場合には、横臥者の腰部を支持して容易に寝返りが打てるようになる。
【0031】
マットレス本体3の屈曲領域14の上部層15と下部層16と中間層17は、それぞれ1層(第1上部層18d、第1下部層20d、中間層17d)で形成しており、中間層17を上部層15や下部層16よりも、フィラメントの密度を高くするとともに、上下方向の厚みを同一又は薄くしている。なお、屈曲領域14の中間層17は、上部層15や下部層16よりも、上下方向の厚みを厚くしてもよい。また、屈曲領域14の上部層15と下部層16と中間層17を複数層で形成してもよい。さらに、各屈曲領域14ごとに上下方向のフィラメントの平均密度を異ならせてもよい。
【0032】
マットレス本体3の端部領域4~8は、1層で形成しており、他の支持領域9~13及び屈曲領域14の上部層15や下部層16よりも上下方向のフィラメントの平均密度よりも高くして、マットレス本体3での左右端部での沈み込みを防止している。
【0033】
また、マットレス本体3の端部領域4~8は、他の支持領域9~13及び屈曲領域14の中間層16と上下方向のフィラメントの平均密度と同じになるようにしている。なお、端部領域4~8の上部層15と下部層16と中間層17を複数層で形成してもよい。また、各端部領域4~8ごとに上下方向のフィラメントの平均密度を異ならせてもよい。
【0034】
上記マットレス本体3では、支持領域9~13と屈曲領域14の上部層15と端部領域4~8の上側部分22、及び、支持領域9~13と屈曲領域14の下部層16と端部領域4~8の下側部分23、並びに、支持領域9~13と屈曲領域14の中間層16と端部領域4~8の中間部分24を一体的に密着させて形成している。
【0035】
なお、上記マットレス本体3では、各支持領域9~13の上部層15と下部層16の層数や厚みや上下方向のフィラメントの平均密度を同一にして、上下反転させて使用できるようにしているが、これに限られず、各支持領域9~13の上部層15と下部層16とで層数や厚みや上下方向のフィラメントの平均密度を異ならせてもよい。
【0036】
マットレス本体3は、以上に説明したように構成しており、マットレス1として使用される際には、横臥者からの荷重(体重)を支持領域9~13の上部層15で受けて上部層15が伸縮する一方、ベッド台からの荷重(反力)を下部層16で受けて下部層16が伸縮することになる。
【0037】
そのため、マットレス1では、横臥者からの荷重に応じて中間層17を挟んで上部層15と下部層16とが伸縮し、ポケットコイルと同様の荷重に応じて滑らかに変化するN値を示すクッション性を有することになり、横臥者の寝心地を向上させることができる。
【0038】
なお、上記マットレス本体3において、フィラメントの平均密度は、単位体積当たりのフィラメント(樹脂)の重量で求められ、フィラメントの径や素材を変えることで変化させてもよい。フィラメント三次元結合体では、フィラメントの上下方向の平均密度が高いほど上下方向の伸縮性が硬くなる。
【0039】
以上に説明したように、上記マットレス1は、横臥する人の身長方向となる前後方向、及び左右方向並びに上下方向に伸延するフィラメント三次元結合体からなるマットレス本体3を有し、マットレス本体3に、横臥する人を下方から支持し、かつ、上下方向のフィラメントの平均密度が異なる複数の支持領域9~13を形成するとともに、隣り合う支持領域9~13の間に支持領域9~13よりも高さが低く、かつ、支持領域9~13よりも上下方向のフィラメントの平均密度が低い屈曲領域14を形成して、マットレス本体3を屈曲領域14で屈曲可能とした構成となっている。
【0040】
そのため、上記構成のマットレス1では、横臥時における上下方向のクッション性が部分的に変化したものとなり、寝心地を向上させることができ、また、リクライニング可能なベッドで使用してもリクライニング時にマットレス1(マットレス本体3)を柔軟に屈曲させることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0041】
また、上記マットレス1は、支持領域9~13をフィラメントの密度が異なる複数の層(上部層15、中間層17、下部層16)を上下に一体的に積層して形成した構成となっている。
【0042】
そのため、上記構成のマットレス1では、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、より一層寝心地を向上させることができる。
【0043】
また、上記マットレス1は、マットレス本体3に、1層又は複数層からなる上部層15と、1層又は複数層からなる下部層16とを設けるとともに、上部層15と下部層16との間に中間層17を設け、上部層15及び下部層16よりも中間層17のフィラメントの密度を高くなるように構成している。
【0044】
そのため、上記構成のマットレス1では、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、より一層寝心地を向上させることができる。
【0045】
また、上記マットレス1は、複数層からなる上部層15(第1・第2上部層18,19)又は複数層からなる下部層16(第1・第2下部層20,21)を形成する各層のフィラメントの密度を中間層17へ向けて漸次高くなるように構成している。
【0046】
そのため、上記構成のマットレス1では、横臥時における上下方向のクッション性が荷重に応じて滑らかなものとなり、より一層寝心地を向上させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 マットレス 2 外装材
3 マットレス本体 4~8 端部領域
9~13 支持領域 14 屈曲領域
15 上部層 16 下部層
17,17a~17d 中間層 18,18a~18d 第1上部層
19,19a~19c 第2上部層 20,20a~20d 第1下部層
21,21a~21c 第2下部層 22 上側部分
23 下側部分 24 中間部分
図1
図2
図3
図4
図5