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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102564
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20240724BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
A61G12/00 E
H04M9/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006545
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】591253593
【氏名又は名称】株式会社ケアコム
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】坂詰 康孝
【テーマコード(参考)】
4C341
5K038
【Fターム(参考)】
4C341LL10
5K038AA05
5K038BB01
5K038CC03
5K038DD12
5K038DD18
(57)【要約】
【課題】ナースコールの呼び出しに応じて病室を訪れた医療従事者が、人感センサによる人の検出に応じて表示される個別情報廊下灯の患者情報を見るまでの時間を短縮できるようにする。
【解決手段】病院内の病室ごとに設置された個別情報廊下灯3および人感センサ3aと、個別情報廊下灯3の表示を制御する制御装置(ナースコール親機1)とを備え、ナースコールの呼び出しが行われていない病室に設置されている個別情報廊下灯3については患者情報を非表示とし、ナースコールの呼び出しが行われた病室に設置されている個別情報廊下灯3については、当該呼び出しが行われた病室とは異なる部屋に設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示することにより、呼び出しが行われた病室に医療従事者が到着したときにはその病室の個別情報廊下灯3に患者情報が表示された状態となっているようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病院内の病室ごとにその出入口付近外部に設置され、入室患者の患者情報を表示する個別情報廊下灯と、
上記病院内の所定の部屋ごとに設置され、上記部屋の前の廊下にいる人を検出する人感センサと、
上記個別情報廊下灯の表示を制御する制御装置とを備え、
上記制御装置は、ナースコールの呼び出しが行われていない病室に設置されている上記個別情報廊下灯については上記患者情報を非表示とし、上記ナースコールの呼び出しが行われた病室に設置されている上記個別情報廊下灯については、当該呼び出しが行われた病室とは異なる部屋に設置されている上記人感センサにより人が検出されたときに上記患者情報を表示するように制御する
ことを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
上記人感センサは、上記個別情報廊下灯が設置されている病室の各々に設置されており、
上記制御装置は、
上記ナースコールの呼び出しが行われた病室の隣にある部屋が病室のみである場合は、当該隣の病室に設置されている上記人感センサにより人が検出されたときに上記患者情報を表示し、
上記ナースコールの呼び出しが行われた病室の少なくとも一方の隣が病室以外である場合は、上記人感センサにより人が検出されたときに代えて、上記ナースコールの呼び出しを受けたときに、上記患者情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム。
【請求項3】
上記人感センサは、上記個別情報廊下灯が設置されている病室の各々に設置されており、
上記制御装置は、
上記ナースコールの呼び出しが行われた病室の隣にある部屋が病室のみである場合は、当該隣の病室に設置されている上記人感センサにより人が検出されたときに上記患者情報を表示し、
上記ナースコールの呼び出しが行われた病室の少なくとも一方の隣が病室以外である場合は、上記呼び出しが行われた病室とは異なる部屋に設置されている上記人感センサにより人が検出されたときに代えて、上記ナースコールの呼び出しが行われた病室に設置されている上記人感センサにより人が検出されたときに、上記患者情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム。
【請求項4】
上記人感センサは、上記個別情報廊下灯が設置されている病室の各々に設置されており、
上記制御装置は、
上記ナースコールの呼び出しが行われた病室から各方向の病室でそれぞれ上記呼び出しが行われた病室から最も近い病室に設置されている上記人感センサにより人が検出されたときに上記患者情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム。
【請求項5】
上記人感センサは、上記個別情報廊下灯が設置されている病室か否かによらず上記病院内の部屋の各々に設置されており、
上記制御装置は、上記ナースコールの呼び出しが行われた病室の隣の部屋に設置されている上記人感センサにより人が検出されたときに上記患者情報を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナースコールシステムに関し、特に、個別情報廊下灯を備えたナースコールシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
ナースコールシステムにおいて、病室内の患者の情報を表示する個別情報廊下灯が知られている。個別情報廊下灯に患者情報を常時表示すると、患者のプライバシーを侵害してしまったり、個別情報廊下灯に使用される液晶等の寿命が短くなったりする。そこで、常態では患者情報を非表示とし、人感センサにて人を検出したときに患者情報を表示したり、個別情報廊下灯のタッチパネルの操作により患者情報を表示したりする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-104691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、人感センサにて人を検出してから患者情報を表示したり、タッチパネルを操作してから患者情報を表示したりすると、ナースコールの呼び出しを受けた医療従事者が病室を訪れてから個別情報廊下灯の患者情報を見るまでに多少の時間が必要となる。そのため、緊急時に病室を訪れた際に患者のもとに辿り着くまでに時間がかかってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、ナースコールの呼び出しに応じて病室を訪れた医療従事者が、人感センサによる人の検出に応じて表示される個別情報廊下灯の患者情報を見るまでの時間を短縮できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、本発明では、ナースコールの呼び出しが行われていない病室に設置されている個別情報廊下灯については患者情報を非表示とし、ナースコールの呼び出しが行われた病室に設置されている個別情報廊下灯については、当該呼び出しが行われた病室とは異なる部屋に設置されている人感センサにより人が検出されたときに患者情報を表示するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明によれば、ある病室でナースコールの呼び出しが行われると、医療従事者がその病室に到着する前に、その病室とは異なる部屋に設置されている人感センサにより医療従事者が検出されることにより、呼び出しが行われた病室の個別情報廊下灯に患者情報が表示される。このため、呼び出しが行われた病室に医療従事者が到着したときにはその病室の個別情報廊下灯に患者情報が表示された状態となっている。これにより、本発明によれば、従来技術に比べていち早く患者情報を個別情報廊下灯に表示することができ、人感センサによる人の検出に応じて表示される個別情報廊下灯の患者情報を病室に訪れた医療従事者が見るまでの時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態によるナースコールシステムの全体構成例を示す図である。
図2】ナースコール親機が備える本実施形態による制御装置の機能構成例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による制御装置の動作を説明するための図であり、病院内のレイアウトの一例を示す図である。
図4】本実施形態による制御装置の動作を説明するための図であり、病院内のレイアウトの一例を示す図である。
図5】本実施形態による制御装置の動作例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態による制御装置の動作を説明するための図であり、病院内のレイアウトの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるナースコールシステムの全体構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態のナースコールシステムは、ナースコール親機1、制御機2、個別情報廊下灯3、壁埋込形子機4およびハンド形子機5を備えて構成されている。なお、以下の説明において、壁埋込形子機4およびハンド形子機5をまとめてナースコール子機4,5ということがある。
【0010】
ナースコール親機1は、例えばナースセンタに設置され、患者からナースコールの呼び出しを受けたときに所定の報知処理を行う。この報知処理は、呼び出しを行った患者の患者情報を表示画面に表示するとともに、所定の呼出音をスピーカから出力する処理を含む。また、本実施形態のナースコール親機1は、特許請求の範囲の制御装置を備え、個別情報廊下灯3の表示を制御する(詳細は後述する)。
【0011】
制御機2は、ナースコール親機1と個別情報廊下灯3との間に接続され、通話やデータの送受信に関する制御を行う。個別情報廊下灯3は、制御機2と壁埋込形子機4との間に接続され、病院内の病室ごとにその出入口付近外部に設置される。
【0012】
個別情報廊下灯3は、病室内の患者がナースコール子機4,5を用いてナースコールの呼び出しを行うと、ナースコール子機4,5から送信された呼出信号を、制御機2を介してナースコール親機1に転送する。また、個別情報廊下灯3は、液晶表示装置を備えており、ナースコール子機4,5においてナースコールの呼び出しが行われると、呼出信号を受信したナースコール親機1の制御によって入室患者の患者情報(例えば、呼び出しを行った患者の氏名)が表示されるようになっている。
【0013】
また、個別情報廊下灯3は、病室の前の廊下にいる人を検出する人感センサ3aを備えている。すなわち、人感センサ3aは、個別情報廊下灯3が設置されている病室の各々に設置されている。人感センサ3aは、例えば赤外線センサである。個別情報廊下灯3は、病室の前の廊下にいる人を人感センサ3aにより検出すると、制御機2を介してナースコール親機1に人検出信号を送信する。詳細を後述するように、ナースコール親機1による個別情報廊下灯3の表示制御は、この人検出信号および上述の呼出信号に基づいて行われる。
【0014】
壁埋込形子機4は、病室の各ベッドサイドの壁に埋め込み設置される。壁埋込形子機4は、患者がナースコールの呼び出しを行うための呼出ボタン、患者が医療従事者と会話を行う際に使用するマイクおよびスピーカ、ハンド形子機5を接続するための接続端子を備えている。なお、壁埋込形子機4は、呼出ボタンを備えないものであってもよい。
【0015】
ハンド形子機5は、壁埋込形子機4に接続される。ハンド形子機5は、患者がナースコールの呼び出しを行うための呼出ボタン、患者が医療従事者と会話を行う際に使用するマイクおよびスピーカを備えている。なお、ハンド形子機5の構成はこれに限定されない。例えば、マイクおよびスピーカを備えないもの(握り押しボタン)であってもよい。
【0016】
図2は、ナースコール親機1が備える本実施形態による制御装置10の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態の制御装置10は、機能構成として、呼出受付部11、報知処理部12、人検出受付部13および廊下灯制御部14を備えている。
【0017】
これらの機能ブロック11~14は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック11~14は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたプログラムが動作することによって実現される。なお、当該プログラムは、ハードディスクや半導体メモリ等の他の記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0018】
呼出受付部11は、ナースコール子機4,5からの呼び出しを受け付ける。すなわち、呼出受付部11は、ナースコール子機4,5から個別情報廊下灯3および制御機2を介して送られてくる呼出信号を受信する。そして、受信した呼出信号によって伝えられる子機情報(呼び出しを行った壁埋込形子機4またはハンド形子機5を特定するための子機IDなど)を報知処理部12に通知する。
【0019】
報知処理部12は、呼出受付部11がナースコール子機4,5からの呼び出しを受け付けたときに、所定の報知処理を実行する。すなわち、報知処理部12は、呼出受付部11から通知される子機情報に基づいて、図示しない患者情報記憶部を参照することにより、呼び出しが行われたナースコール子機4,5に対応する患者を特定する。そして、特定した患者の患者情報(例えば、氏名、部屋番号、ベッド番号など)をナースコール親機1の表示画面に表示させるとともに、呼出音をスピーカから出力する。また、報知処理部12は、特定した患者の部屋番号を廊下灯制御部14に通知する。
【0020】
医療従事者は、以上のような報知処理に応答するための操作を行う。例えば、医療従事者はナースコール親機1のハンドセットをオフフックすることにより、報知処理部12による報知処理を停止させる。その後、医療従事者は、ナースコール親機1とナースコール子機4,5との間に確立される通話路を通じて患者と会話を行うことが可能である。また、医療従事者は、必要と認めるときは、画面表示された患者情報により確認した患者の病室に訪問して必要な処理を行う。
【0021】
人検出受付部13は、個別情報廊下灯3の人感センサ3aにより人が検出されたときに個別情報廊下灯3から制御機2を介して送られてくる人検出信号を受信する。そして、受信した人検出信号によって伝えられる廊下灯情報(個別情報廊下灯3が設置されている病室を特定するための部屋番号など)を廊下灯制御部14に通知する。
【0022】
廊下灯制御部14は、個別情報廊下灯3の表示を制御する。ここで、廊下灯制御部14は、ナースコールの呼び出しが行われていない病室に設置されている個別情報廊下灯3については、常態として患者情報を非表示とする。一方、ナースコールの呼び出しが行われた病室に設置されている個別情報廊下灯3については、当該呼び出しが行われた病室とは異なる病室に設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示するように制御する。
【0023】
廊下灯制御部14は、報知処理部12から通知される患者の部屋番号により、どの病室でナースコールの呼び出しが行われているかを把握する。その後、廊下灯制御部14は、人検出受付部13から通知される個別情報廊下灯3の部屋番号により、どの病室の人感センサ3aにより人が検出されたかを把握する。これにより、廊下灯制御部14は、ナースコールの呼び出しが行われた病室とは異なる病室に設置されている人感センサ3aにより人が検出されたことを把握することが可能である。
【0024】
本実施形態において、廊下灯制御部14は、ナースコールの呼び出しが行われた病室の病院内でのロケーションに応じて、個別情報廊下灯3に対する患者情報の表示の仕方を変える。廊下灯制御部14は、ナースコールの呼び出しが行われた病室の隣にある部屋が病室(すなわち、人感センサ3aが設置されている部屋)のみである場合は、当該隣の病室に設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに、ナースコールの呼び出しが行われた病室の個別情報廊下灯3に患者情報を表示するよう制御する。
【0025】
図3は、ナースコールの呼び出しが行われた病室(以下、NC発生病室という)の隣にある部屋が病室(以下、隣接病室という)のみである場合のレイアウト例を示す図である。図3において、斜線を付した部屋がNC発生病室RMNCである。図3(a)のようにNC発生病室RMNCの両隣が病室RMNDである場合、または、図3(b)のように廊下の突き当りの部屋がNC発生病室RMNCで、その隣の部屋が病室RMNDである場合は、NC発生病室RMNCの隣にある部屋が病室のみである場合に相当する。
【0026】
図3のようなロケーションにおいて、隣接病室RMNDで人感センサ3aにより人が検出されたときにNC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示させるようにすれば、NC発生病室RMNCに医療従事者が到着したときにはその病室の個別情報廊下灯3に患者情報が表示された状態となっているようにすることができる。また、隣接病室RMNDに医療従事者が到着するまでの間は患者情報を非表示のままとしておくことができる。
【0027】
一方、廊下灯制御部14は、NC発生病室RMNCの少なくとも一方の隣が病室以外である場合は、人感センサ3aにより人が検出されたときではなく、呼出受付部11がナースコールの呼び出しを受けたときに、NC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示するよう制御する。
【0028】
図4は、NC発生病室RMNCの少なくとも一方の隣が病室以外である場合のレイアウト例を示す図である。図4(a)の例は、NC発生病室RMNCの一方の隣は病室RMNDであるものの、他方の隣が処置室などである場合を示している。処置室には人感センサ3aが設置されておらず、その前の廊下を医療従事者が通っても人の検出が行われない。図4(a)のようなロケーションにあるNC発生病室RMNCにおいて、人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示させるようにすると、医療従事者が処置室の方向からNC発生病室RMNCに向かってきた場合には患者情報が表示されなくなってしまう。そこで、このようなロケーションの場合は、呼出受付部11がナースコールの呼び出しを受けたときにNC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示させる。
【0029】
図4(b)の例は、NC発生病室RMNCの一方の隣が階段で、他方の隣が処置室などである場合を示している。このようにNC発生病室RMNCの両隣が病室ではないロケーションの場合も、廊下灯制御部14は、呼出受付部11がナースコールの呼び出しを受けたときにNC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示させる。
【0030】
図4のようなロケーションにおいて、呼出受付部11がナースコールの呼び出しを受けたときにNC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示させるようにすれば、NC発生病室RMNCに医療従事者が到着したときにはその病室の個別情報廊下灯3に患者情報が表示された状態となっているようにすることができる。この場合、医療従事者がNC発生病室RMNCの隣の場所に到着するまでの間も患者情報が表示された状態となるが、数分程度のことである。また、そのような状態となる病室の数は限られている。
【0031】
廊下灯制御部14は、例えば、病院内の個々の病室の部屋番号ごとに、隣の病室に設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示させるか、呼出受付部11がナースコールの呼び出しを受けたときに患者情報を表示させるかを定義した情報をあらかじめ記憶している。そして、報知処理部12から通知されるNC発生病室RMNCの部屋番号をもとに定義情報を参照し、何れのタイミングで患者情報を表示させるかを決定する。
【0032】
あるいは、廊下灯制御部14は、病院内における各病室のレイアウトを示すロケーション情報(少なくとも、隣り合っている病室が分かる情報)を記憶するようにしてもよい。この場合、廊下灯制御部14は、報知処理部12から通知されるNC発生病室RMNCの部屋番号をもとにこのロケーション情報を参照することにより、ナースコールの呼び出しが行われた病室の隣にある部屋が病室のみか否かを判定し、何れのタイミングで患者情報を表示させるかを決定する。
【0033】
図5は、以上のように構成した本実施形態による制御装置10の動作例を示すフローチャートである。まず、呼出受付部11は、ナースコール子機4,5からの呼出信号を受信したか否かを判定する(ステップS1)。呼出信号を受信していない場合は、ステップS1の判定を継続する。呼出受付部11が呼出信号を受信した場合、報知処理部12は所定の報知処理を実行し(ステップS2)、呼び出しが行われたNC発生病室RMNCの部屋番号を廊下灯制御部14に通知する(ステップS3)。
【0034】
廊下灯制御部14は、報知処理部12から通知された部屋番号をもとに上述の定義情報またはロケーション情報を参照し、隣接病室RMNDに設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示させるケースに該当するか否か、つまり、NC発生病室RMNCの隣にある部屋が病室のみか否かを判定する(ステップS4)。NC発生病室RMNCの隣にある部屋が病室のみの場合は、人検出受付部13が隣接病室RMNDから人検出信号を受信するのを待機する(ステップS5)。
【0035】
そして、人検出受付部13が隣接病室RMNDから人検出信号を受信すると、廊下灯制御部14は、NC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示するよう制御する(ステップS6)。これにより、図5に示すフローチャートの処理が終了する。
【0036】
上記ステップS4において、NC発生病室RMNCの隣にある部屋が病室のみではない、つまり、呼出受付部11がナースコールの呼び出しを受けたときに患者情報を表示させるケースに該当すると判定された場合、廊下灯制御部14は、ステップS5で人検出受付部13が隣接病室RMNDから人検出信号を受信するのを待機することなく、NC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を直ちに表示するよう制御する(ステップS6)。これにより、図5に示すフローチャートの処理が終了する。
【0037】
以上詳しく説明したように、本実施形態では、ナースコールの呼び出しが行われていない病室に設置されている個別情報廊下灯3については患者情報を非表示とし、ナースコールの呼び出しが行われた病室に設置されている個別情報廊下灯3については、当該NC発生病室RMNCの隣が病室のみである場合にはその隣接病室RMNDに設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示するようにしている。
【0038】
このように構成した本実施形態によれば、ある病室でナースコールの呼び出しが行われると、医療従事者がそのNC発生病室RMNCに到着する前に、隣接病室RMNDに設置されている人感センサ3aにより医療従事者が検出されることにより、NC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報が表示される。このため、NC発生病室RMNCに医療従事者が到着したときにはその個別情報廊下灯3に患者情報が表示された状態となっている。これにより、本実施形態によれば、従来技術に比べていち早く患者情報を個別情報廊下灯3に表示することができ、人感センサ3aによる人の検出に応じて表示される個別情報廊下灯3の患者情報をNC発生病室RMNCに訪れた医療従事者が見るまでの時間を短くすることができる。
【0039】
なお、廊下灯制御部14は、図4のようにNC発生病室RMNCの少なくとも一方の隣が病室以外である場合において、NC発生病室RMNCに設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに、NC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示させるようにしてもよい。この場合は、NC発生病室RMNCに医療従事者が到着するまではその病室の個別情報廊下灯3は患者情報が非表示のままであるが、患者のプライバシー保護や液晶の長寿命化を優先する場合はこのようにしてもよい。
【0040】
患者情報の表示を早くすることを優先する場合はナースコールの呼び出しを受けたときに患者情報を表示させ、患者のプライバシー保護や液晶の長寿命化を優先する場合はNC発生病室RMNCの人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示させるように、モード選択により表示タイミングを切り替えられるようにしてもよい。
【0041】
別の例として、廊下灯制御部14は、ナースコールの呼び出しが行われた病室から各方向病室でそれぞれ呼び出しが行われた病室から最も近い病室に設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示するようにしてもよい。
【0042】
図6は、この場合の制御例を説明するための図である。廊下灯制御部14は、NC発生病室RMNCの隣にある部屋が病室RMNDである場合は、当該隣の病室RMNDに設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示するよう制御する。また、NC発生病室RMNCの隣が病室以外である場合は、廊下灯制御部14は、その病室以外の方向でNC発生病室RMNCから最も近い病室RMPBに設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに患者情報を表示するよう制御する。
【0043】
このように制御した場合、ナースコールの呼び出しが行われてからNC発生病室RMNCに医療従事者が到着するまでの間、個別情報廊下灯3に患者情報が非表示とされている状態をできるだけ長く維持しつつ、NC発生病室RMNCに医療従事者が到着したときには個別情報廊下灯3に患者情報が表示された状態となっているようにすることができる。
【0044】
なお、上記実施形態では、個別情報廊下灯3が設置されている病室の各々に人感センサ3aが設置されており、病室以外の部屋には人感センサ3aが設置されていない例について説明したが、個別情報廊下灯3が設置されている病室か否かによらず、病院内の部屋の各々に人感センサ3aを設置するようにしてもよい。この場合、廊下灯制御部14は、NC発生病室RMNCの隣の部屋に設置されている人感センサ3aにより人が検出されたときに、NC発生病室RMNCの個別情報廊下灯3に患者情報を表示するよう制御する。
【0045】
また、上記実施形態では、個別情報廊下灯3が人感センサ3aを備える例について説明したが、個別情報廊下灯3とは別の場所に人感センサ3aを設置するようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、ナースコール親機1が制御装置10を備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御機2が制御装置10を備えるようにしてもよい。また、個別情報廊下灯3が制御装置10を備えるようにしてもよい。後者の場合、人感センサ3aを備える各病室の個別情報廊下灯3は、人検出信号をナースコール親機1に送信するのではなく、隣の病室の個別情報廊下灯3に送信する。また、人感センサ3aを備える各病室の個別情報廊下灯3ごとに、隣の病室から人検出信号を受信したときに患者情報を表示するか、ナースコール子機4,5から呼出信号を受信したときに患者情報を表示するかをあらかじめ決めておく。
【0047】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 ナースコール親機
2 制御機
3 個別情報廊下灯
3a 人感センサ
4 壁埋込形子機
5 ハンド形子機
10 制御装置
11 呼出受付部
12 報知処理部
13 人検出受付部
14 廊下灯制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6