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特開2024-102570操作制御装置及びコンピュータープログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102570
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】操作制御装置及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240724BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04Q9/00 311G
H04L12/28 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006552
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 智史
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048BA07
5K048BA08
5K048BA34
5K048CA05
5K048DA03
5K048EB01
5K048EB02
5K048EB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】複数の人によって使用される対象装置をより適切に制御すること。
【解決手段】実施形態の操作制御装置は、制御部を有する。制御部は、複数のユーザー端末から、対象装置に対する操作の内容を示す操作情報を受信する。制御部は、受信された複数の操作情報に基づいて前記対象装置の制御内容を決定する。制御部は、決定された制御内容で前記対象装置を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザー端末から、対象装置に対する操作の内容を示す操作情報を受信し、受信された複数の操作情報に基づいて前記対象装置の制御内容を決定し、決定された制御内容で前記対象装置を制御する制御部、を備える操作制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の操作情報それぞれの送信元のユーザーに関する情報に基づいて各操作情報の優先順位を判定し、前記優先順位に基づいて制御内容を決定する、請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、複数の操作情報それぞれの送信元のユーザーの位置に関する情報と、複数の操作情報と、に基づいて制御内容を決定する、請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記対象装置が設置されている位置に関する情報にさらに基づいて前記制御内容を決定する、請求項3に記載の操作制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、新たな操作情報が受信された場合、前記新たな操作情報が受信された時点から過去に向かって所定の期間において受信された操作情報と前記新たな操作情報と、に基づいて前記制御内容を決定する、請求項1に記載の操作制御装置。
【請求項6】
複数のユーザー端末から、対象装置に対する操作の内容を示す操作情報を受信し、受信された複数の操作情報に基づいて前記対象装置の制御内容を決定し、決定された制御内容で前記対象装置を制御する制御部、を備える操作制御装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザーによって共通の機器を操作するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家電などの対象装置をスマートフォンやタブレットなどのユーザー端末から遠隔で操作することを可能とする技術がある。これらの技術は、例えばユーザー端末に対して行われた操作に基づいてサーバーに情報を送信し、サーバーが対象装置の動作を制御することによって実現されている。
【0003】
対象装置が複数の人によって使用される場合、一つの対象装置に対して複数のユーザー端末から異なる制御が指示されるおそれがある。このような場合、対象装置を適切に制御できない可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-289587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の人によって使用される対象装置をより適切に制御することが可能となる操作制御装置及びコンピュータープログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の操作制御装置は、制御部を有する。制御部は、複数のユーザー端末から、対象装置に対する操作の内容を示す操作情報を受信する。制御部は、受信された複数の操作情報に基づいて前記対象装置の制御内容を決定する。制御部は、決定された制御内容で前記対象装置を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】制御システム100の構成例を示す図である。
図2】ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す図である。
図3】操作制御部151によって提供されるユーザーインターフェースとなる画面の具体例を示す図である。
図4】操作制御装置40の機能構成例を示す概略ブロック図である。
図5】制御システム100の動作の具体例の一つを示すシーケンスチャートである。
図6】制御システム100の動作の具体例の一つを示すシーケンスチャートである。
図7】制御システム100の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の操作制御装置及びコンピュータープログラムを、図面を参照して説明する。図1は、制御システム100の構成例を示す図である。制御システム100は、複数台のユーザー端末10、対象装置20、センサ30及び操作制御装置40を備える。ユーザー端末10、対象装置20及びセンサ30は、ネットワーク90を介して操作制御装置40と通信可能に接続される。一つの制御システム100において、対象装置20及びセンサ30が複数台用いられてもよい。一つの制御システム100において、操作制御装置40が複数台用いられてもよい。
【0009】
ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、例えばLAN(Local Area Network)であってもよいし、複数のLANを用いた構内ネットワークとして構成されてもよいし、WAN(Wide Area Network)を用いて構成されてもよいし、インターネットを用いて構成されてもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0010】
図2は、ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す図である。ユーザー端末10は、通信可能な情報機器を用いて構成される。ユーザー端末10は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、テレビ受像器、画像形成装置(MFP:Multifunction Peripheral)、ゲーム機器、ウェアラブル機器(例えばスマートウォッチ)等の装置を用いて構成されてもよい。ユーザー端末10は、通信部11、入力部12、出力部13、記憶部14及び制御部15を備える。
【0011】
通信部11は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部11は、無線通信又は有線通信でネットワーク90に接続し、他の装置(例えば操作制御装置40)との間でデータ通信する。
【0012】
入力部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部12は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力する際にユーザーによって操作される。入力部12は、入力装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末10に入力する。入力部12は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、制御部15はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を取得する。入力部12は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0013】
出力部13は、ユーザーに対して情報を出力する装置である。液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置を用いて構成されてもよい。出力部13は、画像表示装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであってもよい。この場合、出力部13は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部13は、スピーカー等の音響出力装置を用いて構成されてもよい。出力部13は、スピーカーやイヤホンやヘッドホン等の音響出力装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであってもよい。
【0014】
記憶部14は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部14は、制御部15によって使用されるデータを記憶する。記憶部14に記憶されているデータは、制御部15によって読み出される。記憶部14は、例えばユーザー情報記憶部141として機能する。ユーザー情報記憶部141は、ユーザー端末10を操作するユーザーに関する情報(以下「ユーザー情報」という。)を記憶する。ユーザー情報は、ユーザーに関連する情報であればどのような情報を含んでもよい。例えば、ユーザー情報は、ユーザーの属性情報を含んでもよい。属性情報は、例えばユーザーの身体に関する情報(例えば性別、年齢、身長、体重、既往歴)を含んでもよいし、ユーザーの経歴に関する情報(例えば出身地)を含んでもよいし、ユーザーの現在の所属に関する情報(勤務先の企業、部署、役職、勤務地、執務フロア、執務室)を含んでもよいし、ユーザーの居住場所に関する情報を含んでもよいし、他の情報を含んでもよい。ユーザー情報は、ユーザーに割り当てられた識別情報(以下「ユーザー識別情報」という。)を含んでもよいし、ユーザーが所有するユーザー端末10(自装置)に割り当てられた識別情報(以下「端末識別情報」という。)を含んでもよい。
【0015】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部15は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、操作制御部151として機能する。なお、制御部15の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0016】
制御部15は、例えば予め自装(ユーザー端末10)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。このようなアプリケーションの具体例として、制御システム100の専用アプリケーションとしてユーザー端末10に提供されるアプリケーションがある。このようなアプリケーションの他の具体例として、WEBブラウザーのアプリケーションや、WEBブラウザー上で実行されるアプリケーションがある。制御部15は、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作してもよい。
【0017】
操作制御部151は、入力部12に対して行われたユーザーの指示に基づいて、対象装置20に対する操作内容を示す情報を操作制御装置40に送信する。その際に、操作制御部151は、ユーザー情報に含まれる情報の一部又は全部を操作制御装置40に送信してもよい。例えば、ユーザー識別情報や端末識別情報等の情報が送信されてもよいし、属性情報の一部又は全部が送信されてもよいし、他の情報が送信されてもよい。
【0018】
操作制御部151は、例えば、出力部13において対象装置20を操作するためのユーザーインターフェースとなる画面を表示してもよい。操作制御部151は、例えば、出力部13において対象装置20の操作を受け付けるための音声を出力してもよい。図3は、操作制御部151によって提供されるユーザーインターフェースとなる画面の具体例を示す図である。例えば、対象装置20に関連する情報(以下「制御関連情報」という。)が表示されてもよい。図3の例では、第1制御関連情報131及び第2制御関連情報132が表示されている。
【0019】
第1制御関連情報131は、文字列で表された制御関連情報である。第2制御関連情報132は、画像(例えばグラフやピクトグラム)で表された制御関連情報である。図3の例では、第1制御関連情報131として、センサAの測定結果(気温25度)、センサBの測定結果(消費電力300kW)、センサCの測定結果(在席者の人数が10人)が示されている。第2制御関連情報132として、例えば気温の時系列の変化を示すグラフや、消費電力の時系列の変化を示すグラフが示されてもよい。
【0020】
ユーザーインターフェースとなる画面には操作ボタン133が表示されてもよい。図3では、操作ボタン133の具体例として、対象装置20の具体例として照明と空調それぞれについて、電源をオン(ON)するボタンと、電源をオフ(OFF)するボタンと、が表示されている。この他にも、対象装置20それぞれの特性に応じた操作ボタン133が表示されてもよい。例えば、照明の色味を変更するための操作ボタン133が表示されてもよいし、照明の光の強さを変更するための操作ボタン133が表示されてもよい。例えば、空調の動作(自動、冷房、ドライ、暖房など)を変更するための操作ボタン133が表示されてもよいし、空調の設定温度や動作の強さを変更するための操作ボタン133が表示されてもよい。
【0021】
対象装置20は、制御システム100において制御の対象となる装置である。対象装置20は、例えば家庭やオフィスやワークプレイス等の施設に設けられた設備であってもよい。このような設備の具体例として、空調機器、冷房機器、暖房機器、加湿器、除湿器、照明機器、遮光設備(カーテン、ブラインド等)、給湯器、音響機器(スピーカー等)等がある。
【0022】
対象装置20は、通信装置を備える。対象装置20は、通信装置によりネットワーク90を介して操作制御装置40と通信する。対象装置20は、自装置の状態を示す情報(以下「状態情報」という。)を操作制御装置40に所定のタイミング(例えば1秒ごと、10秒ごと、1分毎、状態が変化したタイミングなど)に送信する。状態情報は、例えば自装置の制御状態を示す情報を自装置のメモリー等から取得して送信されてもよいし、自装置に設けられているセンサから取得して送信されてもよい。状態情報は、対象装置20を示す識別情報(以下「対象識別情報」という。)を含んでもよい。
【0023】
対象装置20は、操作制御装置40から制御を示す情報(以下「制御情報」という。)を受信すると、受信した制御情報に応じて自装置を制御する。例えば、制御情報が電源のオン又はオフを示す情報である場合には、対象装置20は、制御情報に応じて電源をオン又はオフする。例えば、制御情報が設定情報を変更することを示す情報である場合には、対象装置20は、制御情報に応じて自装置の設定情報を変更する。
【0024】
センサ30は、所定の領域における情報を取得する。以下の説明では、センサ30が取得する情報を「取得情報」という。取得情報には、その情報を取得したセンサ30を示す識別情報(以下「センサ識別情報」という。)を含んでもよい。センサ30は、例えば温度を測定するセンサであってもよいし、湿度を測定するセンサであってもよい。センサ30は、所定の領域(例えば所定のワークプレイス等)に存在している人の数を取得するセンサであってもよい。このようなセンサ30は、例えば所定の領域への入り口付近に設けられた人感センサを用いて構成されてもよい。複数の人感センサが設けられることによって人の進行方向を検出し、所定の領域へ侵入する方向へ移動した人の数と、退去する方向へ移動した人の数との差分を算出することによって、所定の領域内に位置する人の数が推定されてもよい。センサ30は、所定の領域(例えば所定のワークプレイス等)に存在しているユーザーを示す情報(例えばユーザー識別情報)を取得するセンサであってもよい。例えば、センサ30は、所定の領域内に位置しているユーザーが所持している機器(例えば無線タグ)やユーザー端末10に備えられた機器(例えば無線タグ)と通信することによって、所定の領域内に位置しているユーザーを示す情報を取得してもよい。センサ30は、取得情報を操作制御装置40に送信する。
【0025】
操作制御装置40は、パーソナルコンピューターやサーバー等の情報処理装置を用いて構成される。図4は、操作制御装置40の機能構成例を示す概略ブロック図である。操作制御装置40は、通信部41、記憶部42及び制御部43を備える。
【0026】
通信部41は、通信インターフェースを用いて構成される。通信部41は、ネットワーク90を介して他の機器(例えばユーザー端末10、対象装置20、センサ30等)とデータ通信する。
【0027】
記憶部42は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部42は、ユーザー情報記憶部421、センサ情報記憶部422、対象情報記憶部423及び履歴情報記憶部424として機能する。
【0028】
ユーザー情報記憶部421は、ユーザー端末10のユーザー情報を記憶する。センサ情報記憶部422は、センサ30から受信された情報を記憶する。センサ情報記憶部422は、例えばセンサ30から受信された情報と、受信された日時や情報が取得された日時などの日時情報とを対応づけて記憶してもよい。
【0029】
対象情報記憶部423は、対象装置20に関する情報(以下「対象情報」という。)を記憶する。対象情報は、対象装置20に関連する情報であればどのような情報を含んでもよい。対象情報は、例えば対象装置20毎に、対象装置20を示す識別情報(対象識別情報)と、ユーザーからの対象装置20に対する操作を受け付けるか否かの判定に用いられる条件(以下「受付条件」という。)と、対象装置20の制御内容の決定に用いられる条件(以下「決定条件」という。)と、を有してもよい。
【0030】
受付条件の具体例には、例えば対象装置20の設置位置、対象装置20を操作可能なユーザーの条件(例えばユーザーの位置、ユーザーの所属、ユーザーの役職、ユーザーの管理者権限の有無など)がある。受付条件は、例えばユーザーの所属や役職に関する優先順位を示す条件であってもよい。受付条件は、ユーザーの管理者権限があることであってもよい。受付条件は、例えばユーザーの位置を示す条件であってもよい。より具体的には、操作対象となっている対象装置20が設置されている施設(例えばフロア、執務室など)の中(領域内)に位置しているユーザーが操作可能であるということを示す条件であってもよい。受付条件は、操作対象となっている対象装置20の位置とユーザーの位置とが所定の範囲内であるということを示す条件であってもよい。受付条件は、現在管理者権限を有するユーザーが操作をしている場合(例えば操作画面を送信してから所定時間以内である場合など)には、他のユーザーからの操作を受け付けないことを示してもよい。
【0031】
受付条件は、指示内容の値が閾値を超えていることや、閾値を超えていないこと等の値に関する条件であってもよい。受付条件に用いられる閾値は、例えば予め定められた値であってもよいし、過去から現在までの所定の期間において用いられた制御内容や指示内容が示す値に基づいて得られる値(例えば傾向分析の結果)であってもよい。受付条件は、操作対象の対象装置20の状態が、異常を示す所定の条件を満たしていない場合には管理者権限を有するユーザーのみ受け付け、異常を示す所定の条件を満たしている場合には管理者権限を有しないユーザーについても操作を受け付けることを示す条件であってもよい。
【0032】
決定条件の具体例には、例えば所定時間内に受け付けられた操作における設定値の統計値(例えば平均値、最頻値、最大値、最小値など)で決定すること、異なる制御内容を受けた場合(例えばオンとオフとが所定時間内に指示された場合)の決定条件などがある。例えば、所定時間内に受け付けられた操作における設定値の加重平均を用いて決定値としてもよい。加重平均は、例えば古ければ古いほど小さい重みづけがなされ、新しければ新しいほど大きい重みづけがなされて加重平均がとられてもよい。異なる制御内容を受けた場合には、ユーザーに関して予め定められた優先順位(例えばユーザーの位置に応じた優先順位、ユーザーの所属に応じた優先順位、ユーザーの役職に応じた優先順位、ユーザー自身の優先順位など)に応じて優先順位の高いユーザーの操作に応じて制御内容を決定することが条件として定められてもよい。
【0033】
決定条件は、例えば過去から現在までの所定の期間において用いられた制御内容や指示内容が示す値に基づいて得ること(例えば傾向分析)を示す情報であってもよい。決定条件は、例えば過去から現在までの所定の期間において用いられた特定のユーザー(例えば操作情報の送信元のユーザーや、制御対象となっている対象装置20に関連付けられた複数のユーザーや、制御対象となっている対象装置20が設置されている領域に関連付けられた複数のユーザー等)の指示内容が示す値に基づいて得ること(例えば傾向分析)を示す情報であってもよい。決定条件は、例えば同一の対象装置20に対しては、一度制御情報が送信されてから所定の時間が経過してからでなければ新たな制御情報を送信しないことを示してもよい。
【0034】
履歴情報記憶部424は、対象装置20に対して過去に行われた操作の内容を示す情報(以下「操作履歴情報」という。)や、対象装置20に対して過去に決定された制御の内容を示す情報(以下「決定履歴情報」という。)を記憶する。
【0035】
制御部43は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部43は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、情報取得部431、受付判定部432及び装置制御部433として機能する。なお、制御部43の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。プログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0036】
情報取得部431は、各センサ30から情報を受信すると、受信された情報をセンサ情報記憶部422に記録する。情報取得部431は、各対象装置20から状態情報を受信すると、受信された状態情報を対象情報記憶部423に記録する。
【0037】
受付判定部432は、ユーザー端末10から操作情報を受信すると、受信された操作情報が示す操作の内容を受け付けるか否か判定する。このとき、受付判定部432は、例えば操作対象となっている対象装置20の受付条件に基づいて判定する。
【0038】
装置制御部433は、ユーザー端末10から操作情報を受信すると、受信された操作情報に基づいて、操作対象となっている対象装置20に対する制御内容を決定する。このとき、装置制御部433は、例えば操作対象となっている対象装置20の決定条件に基づいて制御内容を決定する。
【0039】
図5は、制御システム100の動作の具体例の一つを示すシーケンスチャートである。センサ30は、所定のタイミングで、センシングの結果を示す情報を取得する。センサ30は、取得された情報(取得情報)を操作制御装置40に送信する(ステップS101)。操作制御装置40の情報取得部431は、取得情報を受信すると、受信された取得情報をセンサ情報記憶部422に記録する。対象装置20は、所定のタイミングで、自装置の状態を示す状態情報を取得する。対象装置20は、取得された状態情報を操作制御装置40に送信する(ステップS103)。操作制御装置40の情報取得部431は、状態情報を受信すると、受信された状態情報を対象情報記憶部423に記録する。図5に示されるS101~S102の処理と、S103~S104の処理とは、順番が前後してもよいし、頻度が1対1でなくてもよい。例えば、S101~S102の処理が複数回実行される間にS103~S104の処理が1回実行されてもよい。例えば、S101~S102の処理が定期的に実行されるのに対して、S103~S104の処理は不定期(例えば状態が変更されたタイミグのみ)で実行されてもよい。
【0040】
図6は、制御システム100の動作の具体例の一つを示すシーケンスチャートである。ユーザー端末10の制御部15は、ユーザーによって対象装置20の操作を開始することを示す指示(開始指示)を受け付けると(ステップS201)、開始要求を操作制御装置40に送信する(ステップS202)。開始指示は、例えば対象装置20を操作するためのアプリケーションを起動する指示であってもよいし、ブラウザーを用いて対象装置20を操作するためのウェブサイトにアクセスする指示であってもよいし、他の態様で行われてもよい。
【0041】
操作制御装置40の受付判定部432は、ユーザー端末10から開始要求を受信すると、操作画面情報をユーザー端末10に送信する(ステップS203)。受付判定部432は、操作画面情報において、操作できない対象装置20や操作できないボタン(例えばそのユーザーが受付条件を満たしていない対象装置20や操作内容を示すボタン)については、他の画像やボタンと異なる表示態様(例えばグレーアウト)で表示されるように操作画面情報を生成してもよい。受付判定部432は、そのユーザーが受付条件を満たしている対象装置20や操作内容を示すボタンのみを有する操作画面情報を生成してもよい。ユーザー端末10の操作制御部151は、操作画面情報を受信すると、受信された操作画面情報に基づいて操作画面を表示する(ステップS204)。
【0042】
ユーザーが操作画面を操作して対象装置20に対する指示を入力すると、ユーザー端末10は入力された指示を受け付ける(ステップS205)。ユーザー端末10の操作制御部151は、入力された指示に基づいて操作情報を生成する。操作情報は、例えば操作対象となっている対象装置20を示す対象識別情報、操作内容を示す情報、操作元のユーザーを示す情報(ユーザー識別情報又は端末識別情報)、を含む。ユーザー端末10の操作制御部151は、生成された操作情報を操作制御装置40に送信する(ステップS206)。
【0043】
操作制御装置40の受付判定部432は、操作情報を受信すると、受信された操作情報に基づいてその操作情報が示す操作を受け付けるか否か判定する(ステップS207)。例えば受付判定部432は、受付条件が満たされないと判定した場合には(ステップS207-NO)、操作情報の送信元であるユーザー端末10に対してエラーを送信する(ステップS208)。
【0044】
受付判定部432は、受付条件が満たされると判定した場合には(ステップS207-YES)、装置制御部433に対して判定結果を通知する。装置制御部433は、受信された操作情報に基づいて、対象装置20に対する制御内容を決定する(ステップS209)。例えば、装置制御部433は、受信された操作情報と、操作対象となっている対象装置20の決定条件と、に基づいて制御内容を決定する。装置制御部433は、決定された制御内容で対象装置20を制御するための情報である制御情報を生成する。そして、装置制御部433は、操作対象となっている対象装置20に対して制御情報を送信する(ステップS210)。対象装置20は、制御情報を受信すると、受信された制御情報が示す制御内容を自装置の状態や設定に反映させる(ステップS211)。
【0045】
図7は、制御システム100の具体例を示す図である。図7の例では、制御システム100は施設Aに適用されている。施設Aには、対象装置Aが設置され、センサAa及びセンサAbが設置されている。施設Aには、ユーザー端末Aを有するユーザーAが位置している。施設Aの外部にユーザー端末Bを有するユーザーBが位置している。
【0046】
ユーザーA及びユーザーBが近いタイミング(所定の時間内)に対象装置Aについて操作情報を送信した場合、操作制御装置40の受付判定部432は、ユーザー端末Aから送信された操作情報を受け付け、ユーザー端末Bから送信された操作情報を受け付けないと判定してもよい。例えば、ユーザー端末B(ユーザーB)の位置が、施設A内ではないことに基づいてこのような判定がなされてもよい。一方で、ユーザー端末A(ユーザーA)の位置が、施設A内であることに基づいてこのような判定がなされてもよい。
【0047】
ユーザーA及びユーザーBが近いタイミング(所定の時間内)に対象装置Aについて操作情報を送信した場合、操作制御装置40の装置制御部433は、ユーザー端末Aから送信された操作情報とユーザー端末Bから送信された操作情報とに基づいて制御内容を決定してもよい。例えば、ユーザーA及びユーザーBの制御内容を同等に扱って制御内容が決定されてもよいし、ユーザーAが施設A内に位置しユーザーBが施設A内に位置していないことに基づいて、ユーザーAの制御内容をより優先的に扱って制御内容が決定されてもよい。
【0048】
このように構成された制御システム100では、複数のユーザーによって使用される対象装置20をより適切に制御することが可能となる。具体的には以下の通りである。制御システム100では、複数のユーザーから操作情報が受信された場合、受付条件を満たすユーザーの操作情報のみが受け付けられる。そのため、たとえ複数のユーザーによって使用される対象装置20であったとしても、受付条件を満たさないユーザー(例えば権限を有していないユーザー)の操作情報は適用されない。そのため、不特定多数のユーザーによる制御が行われてしまうなどの状況を避け、より適切な制御を実現することが可能となる。
【0049】
制御システム100では、複数のユーザーから操作情報が時間的に近いタイミングで(所定時間内に)受信された場合、複数の操作情報に基づいて決定条件にしたがって制御内容が決定される。より具体的には、例えば加重平均等の統計値を用いて決定される。そのため、たとえ複数のユーザーによってそれぞれ異なる操作情報が送信されたとしても、その都度大幅に設定が変更されることを防止し、より適切な制御を実現することが可能となる。
【0050】
(変形例)
図6のシーケンスチャートにおいて、ステップS202及びS203の処理は実行されなくてもよい。この場合、例えばステップS201の開始指示に応じて予めユーザー端末10の記憶装置に記録されている操作画面に関する情報に基づいて、ステップS204において操作画面が表示されてもよい。
【0051】
操作制御装置40は必ずしも1台の装置として構成される必要は無い。例えば、操作制御装置40が複数台の情報処理装置を用いて構成されてもよい。操作制御装置40を構成する複数台の情報処理装置は、ネットワーク90等の通信路を介して通信可能に接続され、クラスタマシンやクラウドなどのシステムとして構成されてもよい。
【0052】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0053】
100…制御システム, 10…ユーザー端末, 11…通信部, 12…入力部, 13…出力部, 14…記憶部, 141…ユーザー情報記憶部, 15…制御部, 151…操作制御部, 20…対象装置, 30…センサ, 40…操作制御装置, 41…通信部, 42…記憶部, 421…ユーザー情報記憶部, 422…センサ情報記憶部, 423…対象情報記憶部, 424…履歴情報記憶部, 43…制御部, 431…情報取得部, 432…受付判定部, 433…装置制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7