特開 2024-102572 キャップ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024102572

(43)【公開日】2024-07-31

(54)【発明の名称】キャップ

(51)【国際特許分類】

   B65D 41/62 20060101AFI20240724BHJP

   B65D 41/04 20060101ALI20240724BHJP

【ＦＩ】

B65D41/62

B65D41/04 500

【審査請求】未請求

【請求項の数】2

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023006556

(22)【出願日】2023-01-19

(71)【出願人】

【識別番号】000006909

【氏名又は名称】株式会社吉野工業所

(74)【代理人】

【識別番号】100141139

【弁理士】

【氏名又は名称】及川 周

(74)【代理人】

【識別番号】100140718

【弁理士】

【氏名又は名称】仁内 宏紀

(74)【代理人】

【識別番号】100140774

【弁理士】

【氏名又は名称】大浪 一徳

(74)【代理人】

【識別番号】100188592

【弁理士】

【氏名又は名称】山口 洋

(72)【発明者】

【氏名】高橋 哲男

(72)【発明者】

【氏名】篠崎 裕

【テーマコード（参考）】

3E084

【Ｆターム（参考）】

3E084AA04

3E084AA12

3E084BA03

3E084CA01

3E084DA01

3E084DB12

3E084DB13

3E084DB17

3E084DB18

3E084EA03

3E084EB02

3E084FA09

3E084FB01

3E084FC09

3E084GA01

3E084GA08

3E084GB01

3E084LA17

(57)【要約】

【課題】キャップに新たな機能を容易に具備させる。
【解決手段】内容物が収容される容器本体１００の口部１０１に装着される内キャップ１１と、内キャップに相対移動が規制された状態で装着される外キャップ１２と、を備え、内キャップは、内周壁部２１および内頂壁部２２を有する有頂筒状に形成され、外キャップは、外周壁部２３および外頂壁部２４を有する有頂筒状に形成され、外周壁部は、内周壁部に外嵌された内筒２５と、内筒を径方向の外側から囲う外筒２６と、を備え、内筒の下端開口縁２５ｂには、下方に向けて突出し、かつ径方向に弾性変形可能に形成された複数の弾性突片２７が周方向に間隔をあけて設けられ、弾性突片の下端部は、外筒の下端開口縁より上方に位置し、かつ内周壁部の下端開口縁２１ａより下方に位置し、弾性突片の下端部には、径方向の内側に向けて突出し、内周壁部の下端開口縁を支持する支持突起２８が形成されている。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

内容物が収容される容器本体の口部に装着される内キャップと、
前記内キャップに相対移動が規制された状態で装着される外キャップと、を備え、
前記内キャップは、内周壁部および内頂壁部を有する有頂筒状に形成され、
前記外キャップは、外周壁部および外頂壁部を有する有頂筒状に形成され、
前記外周壁部は、前記内周壁部に外嵌された内筒と、前記内筒を径方向の外側から囲う外筒と、を備え、
前記内筒の下端開口縁には、下方に向けて突出し、かつ径方向に弾性変形可能に形成された複数の弾性突片が周方向に間隔をあけて設けられ、
前記弾性突片の下端部は、前記外筒の下端開口縁より上方に位置し、かつ前記内周壁部の下端開口縁より下方に位置し、
前記弾性突片の下端部には、径方向の内側に向けて突出し、前記内周壁部の下端開口縁を支持する支持突起が形成されている、キャップ。

【請求項2】

前記内筒の内周面、および前記内周壁部の外周面には、互いに係合することで、前記外キャップおよび前記内キャップの相対回転を規制する第１規制部、および第２規制部が各別に形成され、
前記弾性突片は、他の前記弾性突片と径方向で対向する位置に、４つ以上の偶数個設けられ、
前記支持突起は、径方向で互いに対向する前記弾性突片に各別に形成され、
前記第１規制部は、前記内筒の内周面のうち、前記支持突起が形成された前記弾性突片から周方向に離れた位置に設けられている、請求項１に記載のキャップ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、キャップに関する。

【背景技術】

【0002】

従来から、例えば下記特許文献１に示されるようなキャップが知られている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】実開昭６３－４２５３８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

キャップに例えば装飾性やグリップ性等の新たな機能を容易に具備させることに改善の余地があった。

【0005】

本発明は、キャップに新たな機能を容易に具備させることができるキャップを提供する。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本発明の一態様に係るキャップは、内容物が収容される容器本体の口部に装着される内キャップと、前記内キャップに相対移動が規制された状態で装着される外キャップと、を備え、前記内キャップは、内周壁部および内頂壁部を有する有頂筒状に形成され、前記外キャップは、外周壁部および外頂壁部を有する有頂筒状に形成され、前記外周壁部は、前記内周壁部に外嵌された内筒と、前記内筒を径方向の外側から囲う外筒と、を備え、前記内筒の下端開口縁には、下方に向けて突出し、かつ径方向に弾性変形可能に形成された複数の弾性突片が周方向に間隔をあけて設けられ、前記弾性突片の下端部は、前記外筒の下端開口縁より上方に位置し、かつ前記内周壁部の下端開口縁より下方に位置し、前記弾性突片の下端部には、径方向の内側に向けて突出し、前記内周壁部の下端開口縁を支持する支持突起が形成されている。

【0007】

外キャップの外周壁部の内筒に弾性突片が設けられ、弾性突片に、内キャップの内周壁部の下端開口縁を支持する支持突起が形成されているので、外キャップを内キャップに装着する際、外キャップを内キャップに被せて押下すると、弾性突片が径方向の外側に向けて弾性変形した状態で、支持突起が内周壁部の外周面を摺動し、支持突起が内周壁部の下端開口縁に到達したときに、弾性突片が径方向の内側に向けて復元変形し、支持突起が内周壁部の下端開口縁を支持することとなる。
したがって、例えば装飾性やグリップ性等の機能を備えた外キャップを、内キャップに容易に装着することが可能になり、キャップに新たな機能を容易に具備させることができる。
弾性突片の下端部が、外筒の下端開口縁より上方に位置しているので、弾性突片が全域にわたって、外筒により径方向の外側から覆われることとなり、キャップの見栄えの悪化を防ぐことができる。

【0008】

前記内筒の内周面、および前記内周壁部の外周面には、互いに係合することで、前記外キャップおよび前記内キャップの相対回転を規制する第１規制部、および第２規制部が各別に形成され、前記弾性突片は、他の前記弾性突片と径方向で対向する位置に、４つ以上の偶数個設けられ、前記支持突起は、径方向で互いに対向する前記弾性突片に各別に形成され、前記第１規制部は、前記内筒の内周面のうち、前記支持突起が形成された前記弾性突片から周方向に離れた位置に設けられてもよい。

【0009】

第１規制部が、内筒の内周面のうち、支持突起が形成された弾性突片から周方向に離れた位置に設けられているので、外キャップを内キャップに装着する際に、支持突起が内周壁部の外周面を摺動するのに伴う、弾性突片の弾性変形に起因して、第１規制部が変形するのを防ぐことが可能になり、第１規制部および第２規制部を確実に係合させることができる。
支持突起が、径方向で互いに対向する弾性突片に各別に形成されているので、外キャップを内キャップに安定して装着することができる。

【発明の効果】

【0010】

本発明の上記態様によれば、キャップに新たな機能を容易に具備させることができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】本発明の一実施形態に係るキャップの縦断面図である。

【図2】図１の外キャップの、第１規制部を正面から見た縦断面図である。

【図3】図１の外キャップの、支持突起を正面から見た縦断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態のキャップ１は、図１に示されるように、内容物が収容される容器本体１００の口部１０１に装着される内キャップ１１と、内キャップ１１に相対移動が規制された状態で装着される外キャップ１２と、を備えている。
内キャップ１１は、内周壁部２１および内頂壁部２２を有する有頂筒状に形成され、外キャップ１２は、外周壁部２３および外頂壁部２４を有する有頂筒状に形成されている。内キャップ１１および外キャップ１２は、共通軸と同軸に配設されている。

【0013】

以下、前記共通軸をキャップ軸Ｏといい、キャップ軸Ｏ方向に沿って外頂壁部２４側を上側といい、これとは逆側を下側といい、キャップ軸Ｏに沿う方向を上下方向といい、また、上下方向から見てキャップ軸Ｏに交差する方向を径方向といい、上下方向から見てキャプ軸Ｏ回りに周回する方向を周方向という。

【0014】

容器本体１００は、内容器１０２、外容器１０３、および肩カバー１０４を備えている。
内容器１０２に内容物が収容される。内容器１０２は、有底筒状に形成され、上方から下方に向けて口部１０１、肩部１０５、および胴部１０６がこの順に連設されて構成されている。口部１０１内に、環状の頂壁を有する有頂筒状の中栓１０１ａが嵌合されている。
外容器１０３は、有底筒状に形成され、内容器１０２の胴部１０６を径方向の外側から囲っている。外容器１０３の上端開口から内容器１０２のうちの口部１０１および肩部１０５が上方に突出している。
肩カバー１０４は、環状の頂壁を有する有頂筒状に形成され、外容器１０３の上端部に螺着され、内容器１０２の肩部１０５を肩部１０５の上方から覆っている。肩カバー１０４の頂壁内から口部１０１が上方に突出している。
なお、容器本体１００は、中栓１０１ａ、外容器１０３、および肩カバー１０４を有しなくてもよい。

【0015】

内キャップ１１の内周壁部２１の内周面に、口部１０１の外周面に形成された雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されている。内キャップ１１の内周壁部２１の下端部に、径方向の外側に向けて突出し、周方向の全長にわたって連続して延びる突条部２１ｂが形成されている。

【0016】

外キャップ１２の外周壁部２３は、内キャップ１１の内周壁部２１に外嵌された内筒２５と、内筒２５を径方向の外側から囲う外筒２６と、を備えている。

【0017】

外筒２６の外径は、外容器１０３および肩カバー１０４の外径と同等になっている。外筒２６の下端開口縁は、肩カバー１０４の頂壁の上面に当接、若しくは近接している。
内筒２５の上端部の内周面には、下方を向き、内キャップ１１の内頂壁部２２の上面における外周縁部が当接、若しくは近接する段部２５ａが形成されている。内頂壁部２２の上面は、外キャップ１２の外頂壁部２４の下面から下方に離れている。

【0018】

内筒２５の下端開口縁２５ｂには、下方に向けて突出し、かつ径方向に弾性変形可能に形成された複数の弾性突片２７が周方向に間隔をあけて設けられている。弾性突片２７は、表裏面が径方向を向く板状に形成されている。弾性突片２７は、湾曲して周方向に沿って延びている。弾性突片２７は、他の弾性突片２７と径方向で対向する位置に、４つ以上の偶数個設けられている。弾性突片２７の下端部は、外筒２６の下端開口縁より上方に位置し、かつ内周壁部２１の下端開口縁２１ａより下方に位置している。

【0019】

弾性突片２７の下端部には、径方向の内側に向けて突出し、内周壁部２１の下端開口縁２１ａを支持する支持突起２８が形成されている。支持突起２８は、径方向で互いに対向する弾性突片２７に各別に形成されている。支持突起２８は、周方向に延びる条状に形成されている。支持突起２８は、弾性突片２７における周方向の全長にわたって連続して延びている。支持突起２８の下部は、下方から上方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている。支持突起２８は、弾性突片２７のうちの径方向の内側を向く内周面から径方向の内側に向けて突出して上方を向く上端面を有している。支持突起２８の上端面は、内周壁部２１の下端開口縁２１ａに当接、若しくは近接している。支持突起２８の上端面と、内筒２５の内周面の段部２５ａと、が、内キャップ１１を上下方向に挟むことにより、内キャップ１１および外キャップ１２の上下方向の相対移動が規制されている。このため、外キャップ１２から内キャップ１１が取り外されることが抑制され、内キャップ１１および外キャップ１２が組み合わされたキャップ１を繰り返し使用することができる。なお、内キャップ１１を外キャップ１２から取り外して、外キャップ１２内に新たな内キャップを嵌合するようにしてもよい。

【0020】

内筒２５の内周面、および内周壁部２１の外周面には、互いに係合することで、外キャップ１２および内キャップ１１の相対回転を規制する第１規制部３１、および第２規制部３２が各別に形成されている。

【0021】

第１規制部３１および第２規制部３２はそれぞれ、周方向に沿って複数設けられている。第１規制部３１および第２規制部３２は、径方向に突出して上下方向に延びる突条状に形成されている。第１規制部３１および第２規制部３２のうちのいずれか一方が、周方向で隣り合ういずれか他方同士の間に差し込まれている。第１規制部３１は、内筒２５の内周面のうち、段部２５ａより下方に位置する部分に設けられている。第１規制部３１は、弾性突片２７より上方に位置している。

【0022】

第１規制部３１、および支持突起２８は、周方向に離れた位置に設けられている。第１規制部３１は、内筒２５の内周面のうち、支持突起２８が形成された弾性突片２７から周方向に離れた位置に設けられている。第１規制部３１は、内筒２５の内周面において、径方向で互いに対向する部分に、周方向に沿って複数ずつ設けられている。複数の弾性突片２７のうち、支持突起２８が形成された弾性突片２７の周方向の大きさは、第１規制部３１の直下に位置する弾性突片２７の周方向の大きさより小さくなっている。

【0023】

以上説明したように、本実施形態によるキャップ１によれば、外キャップ１２の外周壁部２３に弾性突片２７が設けられ、弾性突片２７に、内キャップ１１の内周壁部２１の下端開口縁２１ａを支持する支持突起２８が形成されているので、外キャップ１２を内キャップ１１に装着する際、外キャップ１２を内キャップ１１に被せて押下すると、弾性突片２７が径方向の外側に向けて弾性変形した状態で、支持突起２８が内周壁部２１の外周面を摺動し、支持突起２８が内周壁部２１の下端開口縁２１ａに到達したときに、弾性突片２７が径方向の内側に向けて復元変形し、支持突起２８が内周壁部２１の下端開口縁２１ａを支持することとなる。
したがって、例えば装飾性やグリップ性等の機能を備えた外キャップ１２を、内キャップ１１に容易に装着することが可能になり、キャップ１に新たな機能を容易に具備させることができる。

【0024】

弾性突片２７の下端部が、外筒２６の下端開口縁より上方に位置しているので、弾性突片２７が全域にわたって、外筒２６により径方向の外側から覆われることとなり、キャップ１の見栄えの悪化を防ぐことができる。

【0025】

第１規制部３１が、内筒２５の内周面のうち、支持突起２８が形成された弾性突片２７から周方向に離れた位置に設けられているので、外キャップ１２を内キャップ１１に装着する際に、支持突起２８が内周壁部２１の外周面を摺動するのに伴う、弾性突片２７の弾性変形に起因して、第１規制部３１が変形するのを防ぐことが可能になり、第１規制部３１および第２規制部３２を確実に係合させることができる。
支持突起２８が、径方向で互いに対向する弾性突片２７に各別に形成されているので、外キャップ１２を内キャップ１１に安定して装着することができる。

【0026】

なお、本発明の技術範囲は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

【0027】

例えば、内キャップ１１および外キャップ１２が組み合わされたキャップ１を容器本体１００の口部１０１に装着してもよいし、容器本体１００の口部１０１に装着された内キャップ１１に、外キャップ１２を装着してもよい。

【0028】

その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記実施形態および変形例を適宜組み合わせてもよい。

【符号の説明】

【0029】

１ キャップ
１１ 内キャップ
１２ 外キャップ
２１ 内周壁部
２１ａ 内周壁部の下端開口縁
２２ 内頂壁部
２３ 外周壁部
２４ 外頂壁部
２５ 内筒
２５ｂ 内筒の下端開口縁
２６ 外筒
２７ 弾性突片
２８ 支持突起
３１ 第１規制部
３２ 第２規制部
１００ 容器本体
１０１ 口部

【図1】

【図2】

【図3】