(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102586
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】燃料電池システム、作業車両、および制御方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04 20160101AFI20240724BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20240724BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006582
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 悠生
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127AC02
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA59
5H127BB02
5H127EE02
5H127EE04
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】水素供給器を保護しながら、速やかに水素を充填する。
【解決手段】第一水素貯留ユニットは、水素を格納し、水素の充填口である第一充填口を有する。第二水素貯留ユニットは、水素を格納し、水素の充填口である第二充填口を有する。燃料電池は、水素を用いて発電する。配管は、第一水素貯留ユニット、第二水素貯留ユニットおよび燃料電池を互いに接続し、水素を流通する。配管のうち、第一水素貯留ユニットと前記第二水素貯留ユニットとの間に弁が設けられる。弁は、第一水素貯留ユニットと第二水素貯留ユニットとの間での水素の流通を防止可能に構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素を格納し、水素の充填口である第一充填口を有する第一水素貯留ユニットと、
水素を格納し、水素の充填口である第二充填口を有する第二水素貯留ユニットと、
水素を用いて発電する燃料電池と、
前記第一水素貯留ユニット、前記第二水素貯留ユニットおよび前記燃料電池を互いに接続し、水素を流通する配管と、
前記配管のうち、前記第一水素貯留ユニットと前記第二水素貯留ユニットとの間に設けられ、前記第一水素貯留ユニットと前記第二水素貯留ユニットとの間での水素の流通を防止可能な弁と
を備える燃料電池システム。
【請求項2】
前記弁は、前記第一充填口および前記第二充填口の両方に水素の供給装置が接続されているときに閉じる開閉弁である
請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記第一水素貯留ユニットと前記燃料電池との間に設けられる前記弁である第一開閉弁と、
前記第二水素貯留ユニットと前記燃料電池との間に設けられる前記弁である第二開閉弁と
を備え、
前記第一開閉弁は、
前記第一充填口および前記第二充填口の両方に水素の供給装置が接続されているとき、および前記第一充填口に水素の供給装置が接続されかつ前記第二水素貯留ユニットから前記燃料電池へ水素が供給されているときに閉じ、
前記第二開閉弁は、
前記第一充填口および前記第二充填口の両方に水素の供給装置が接続されているとき、および前記第二充填口に水素の供給装置が接続されかつ前記第一水素貯留ユニットから前記燃料電池へ水素が供給されているときに閉じる
請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1に記載の燃料電池システムを備える作業車両。
【請求項5】
水素を格納し、水素の充填口である第一充填口を有する第一水素貯留ユニットと、
水素を格納し、水素の充填口である第二充填口を有する第二水素貯留ユニットと、
水素を用いて発電する燃料電池と、
前記第一水素貯留ユニット、前記第二水素貯留ユニットおよび前記燃料電池を互いに接続し、水素を流通する配管と、
前記配管のうち、前記第一水素貯留ユニットと前記第二水素貯留ユニットとの間に設けられた開閉弁と
を備える燃料電池システムを制御する制御方法であって、
前記第一充填口および前記第二充填口の両方に水素の供給装置が接続されているときに前記開閉弁を閉じるステップ
を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池システム、作業車両、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水素ガスを燃料として用いる燃料電池を搭載する作業車両が検討されている。特許文献1には、充填時間を短縮するために、複数の水素供給器を用いてタンクへ水素を充填する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の水素供給器を用いて水素を充填する場合、水素供給器どうしの圧力が異なると、一方の水素供給器から供給された水素が他方の水素供給器へ逆流し、水素供給器に負荷がかかる可能性がある。
本開示の目的は、水素供給器を保護しながら、速やかに水素を充填可能な燃料電池システム、作業車両、および制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、燃料電池システムは、水素を格納し、水素の充填口である第一充填口を有する第一水素貯留ユニットと、水素を格納し、水素の充填口である第二充填口を有する第二水素貯留ユニットと、水素を用いて発電する燃料電池と、前記第一水素貯留ユニット、前記第二水素貯留ユニットおよび前記燃料電池を互いに接続し、水素を流通する配管と、前記配管のうち、前記第一水素貯留ユニットと前記第二水素貯留ユニットとの間に設けられ、前記第一水素貯留ユニットと前記第二水素貯留ユニットとの間での水素の流通を防止可能な弁とを備える。
【発明の効果】
【0006】
上記態様によれば、燃料電池システムは、水素供給器を保護しながら、速やかに水素を充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第一実施形態に係る運搬車両を模式的に示す斜視図である。
【
図2】第一実施形態に係る運搬車両が備える動力系および駆動系の構成を示す概略ブロック図である。
【
図3】第一実施形態に係る水素貯留ユニットの構成を示す図である。
【
図4】第一実施形態に係る運搬車両が備える制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】第一実施形態に係る運搬車両の水素の充填処理を示すフローチャートである。
【
図6】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈第一実施形態〉
【0009】
《運搬車両10の構成》
図1は、第一実施形態に係る運搬車両10を模式的に示す斜視図である。運搬車両10は、ダンプボディ11と、車体12と、走行装置13とを備える。
【0010】
ダンプボディ11は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ11の少なくとも一部は、車体12よりも上方に配置される。ダンプボディ11は、ダンプ動作及び下げ動作をする。ダンプ動作及び下げ動作により、ダンプボディ11は、ダンプ姿勢及び積載姿勢に調整される。ダンプ姿勢とは、ダンプボディ11が上昇している姿勢をいう。積載姿勢とは、ダンプボディ11が下降している姿勢をいう。
【0011】
車体12は、車体フレームを含む。車体12は、ダンプボディ11を支持する。車体12は、走行装置13に支持される。
【0012】
走行装置13は、車体12を支持する。走行装置13は、運搬車両10を走行させる。走行装置13は、運搬車両10を前進又は後進させる。走行装置13の少なくとも一部は、車体12よりも下方に配置される。走行装置13は、一対の前輪と一対の後輪とを備える。前輪は操舵輪であり、後輪は駆動輪である。なお、操舵輪と駆動輪の組み合わせはこれに限られず、走行装置13は、四輪駆動、四輪操舵であってもよい。
【0013】
図2は、第一実施形態に係る運搬車両10が備える動力系14および駆動系15の構成を示す概略ブロック図である。動力系14は、2つの水素貯留ユニット141、燃料電池142、バッテリ143、DCDCコンバータ144を備える。
水素貯留ユニット141は、水素を蓄え、蓄えた水素を燃料電池に供給する。燃料電池142は、水素貯留ユニット141から供給される水素と外気に含まれる酸素とを電気化学反応させて電力を発生する。運搬車両10は、2つの水素貯留ユニット141(第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141B)を備える。第一水素貯留ユニット141Aは、車体12の左側に設けられ、第二水素貯留ユニット141Bは、車体12の右側に設けられる。
【0014】
バッテリ143は、燃料電池142において発生した電力を蓄える。DCDCコンバータ144は、制御装置16(
図4参照)からの指示に従って接続される燃料電池142またはバッテリ143から電力を出力させる。バッテリ143には、監視装置1431が設けられ、バッテリ143の充電率を監視する。
【0015】
動力系14が出力した電力は、母線Bを介して駆動系15へ出力される。駆動系15は、インバータ151と、ポンプモータ152と、油圧ポンプ153と、ホイストシリンダ154と、インバータ155と、走行モータ156とを有する。インバータ151は、母線Bからの直流電流を三相交流電流に変換してポンプモータ152に供給する。ポンプモータ152は、油圧ポンプ153を駆動する。油圧ポンプ153から吐出された作動油は、図示しない制御弁を介してホイストシリンダ154に供給される。作動油がホイストシリンダ154に供給されることにより、ホイストシリンダ154が作動する。ホイストシリンダ154は、ダンプボディ11をダンプ動作又は下げ動作させる。インバータ155は、母線Bからの直流電流を三相交流電流に変換して走行モータ156に供給する。走行モータ156が発生した回転力は、走行装置13の駆動輪に伝達される。
【0016】
図3は、第一実施形態に係る水素貯留ユニット141の構成を示す図である。
第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bは、それぞれ筐体21、複数の水素タンク22、第一配管23、第二配管24を備える。筐体21は、複数の水素タンク22、第一配管23および第二配管24を収容する。筐体21には、水素の供給装置(図示せず)からの水素の入力を受ける充填口211が設けられる。充填口211には、供給装置との接続を検出する接続センサ212が設けられる。複数の水素タンク22は、それぞれ水素貯留器の一例である。
【0017】
第一配管23は、充填口211と各水素タンク22とを接続する。第一配管23の上流側に充填口211が接続され、下流側に複数の水素タンク22が接続される。第一配管23と各水素タンク22とは、それぞれ第一分岐管231を介して接続される。各第一分岐管231には、第一コントロールバルブ232が設けられる。
【0018】
第二配管24は、各水素タンク22と燃料電池142とを接続する。なお、第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bは、第二配管24を介して互いに接続される。第二配管24の上流側に複数の水素タンク22が接続され、下流側に燃料電池142が接続される。第二配管24と各水素タンク22とは、それぞれ第二分岐管241を介して接続される。第二配管24の上流側には、コントロールバルブ(開閉弁)であるヘッダバルブ242が設けられる。各第二分岐管241には、第二コントロールバルブ243とタンクセンサ244が設けられる。タンクセンサ244は、水素タンク22の圧力および温度を計測する。
【0019】
運搬車両10は、動力系14を制御する制御装置16を備える。
図4は、第一実施形態に係る運搬車両10が備える制御装置16の構成を示す概略ブロック図である。
【0020】
制御装置16は、取得部161、決定部172、制御部173を備える。
取得部161は、監視装置1431、接続センサ212およびタンクセンサ244から計測データを取得する。
決定部172は、取得部161が取得した計測データに基づいて、水素の充填対象となる水素貯留ユニット141および水素の放出対象となる水素貯留ユニット141を決定する。
制御部173は、第一コントロールバルブ232、第二コントロールバルブ243およびヘッダバルブ242の開閉を制御する。制御部173は、充填対象の水素貯留ユニット141の第二コントロールバルブ243を閉じ、第一コントロールバルブ232を開く。制御部173は、第一水素貯留ユニット141Aと第二水素貯留ユニット141Bの両方に供給装置が接続されている場合、供給装置への水素の逆流が生じないように、第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bのヘッダバルブ242を閉じる。また制御部173は、放出対象の水素貯留ユニット141の第一コントロールバルブ232を閉じ、第二コントロールバルブ243およびヘッダバルブ242を開く。
また、制御部173は、取得部161が取得したタンクセンサ244の計測データに基づいて、温度または圧力が閾値より高い水素タンク22の第一コントロールバルブ232を閉じる。
【0021】
《充填処理》
図5は、第一実施形態に係る運搬車両10の水素の充填処理を示すフローチャートである。
まず、制御装置16の取得部161は、監視装置1431、接続センサ212およびタンクセンサ244から計測データを取得する(ステップS1)。つまり、取得部161は、バッテリ143の充電率、供給装置の接続の有無、および各水素タンク22の圧力および温度の計測データを取得する。決定部172は、接続センサ212の計測データに基づいて少なくとも1つの充填口211に供給装置が接続されているか否かを判定する(ステップS2)。いずれの充填口211にも供給装置が接続されていない場合(ステップS2:NO)、決定部172は水素の充填を行わないことを決定し、処理を終了する。
【0022】
他方、少なくとも1つの充填口211に供給装置が接続されている場合(ステップS2:YES)、決定部172は、第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bの両方の充填口211に供給装置が接続されているか否かを判定する(ステップS3)。
【0023】
第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bの両方の充填口211に供給装置が接続されている場合(ステップS3:YES)、決定部172は、第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bの両方を充填対象に決定する(ステップS4)。
【0024】
他方、第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bのうち一方の充填口211にのみ供給装置が接続されている場合(ステップS3:NO)、決定部172は、監視装置1431の計測データに基づいて、バッテリ143の充電率が所定の目標充電率未満であるか否かを判定する(ステップS5)。バッテリ143の充電率が所定の目標充電率未満である場合(ステップS5:YES)、決定部172は、供給装置が接続された水素貯留ユニット141を充填対象に決定し、供給装置が接続されていない水素貯留ユニット141を放出対象に決定する(ステップS6)。
【0025】
ステップS7においてバッテリ143の充電率が所定の目標充電率以上である場合(ステップS5:NO)、決定部172は、供給装置が接続された水素貯留ユニット141を充填対象に決定する(ステップS7)。このとき、供給装置が接続されていない水素貯留ユニット141は、充填対象および放出対象の何れでもない。
【0026】
制御部173は、充填対象の水素貯留ユニット141のヘッダバルブ242を閉じる(ステップS8)。そして、制御部173は、充填対象の水素貯留ユニット141の第二コントロールバルブ243を閉じ、第一コントロールバルブ232を開く(ステップS9)。これにより、充填対象の水素貯留ユニット141に水素が供給される。また、供給装置から供給される水素が他の水素貯留ユニット141へ流入することを防ぐことができる。また、制御部173は、放出対象の水素貯留ユニット141のヘッダバルブ242を開く(ステップS10)。そして、制御部173は、放出対象の水素貯留ユニット141の第一コントロールバルブ232を閉じ、第二コントロールバルブ243を開く(ステップS11)。なお、放出対象の水素貯留ユニット141がない場合、ステップS10およびステップS11の処理が行われなくてよい。制御部173は、燃料電池142の稼働によって発生した電気をバッテリ143に充電するようにDCDCコンバータ144を制御する。
【0027】
《作用・効果》
このように、第一実施形態に係る運搬車両10は、第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bと備え、ヘッダバルブ242が閉じることで、第一水素貯留ユニット141Aと第二水素貯留ユニット141Bとの間での水素の流通が防止される。これにより、運搬車両10は、第一水素貯留ユニット141Aおよび第二水素貯留ユニット141Bの両方の充填口211に供給装置が接続されても、一方の供給装置から他方の供給装置へ水素が流通しない。したがって、第一実施形態に係る運搬車両10によれば、水素供給器を保護しながら、速やかに水素を充填することができる。
【0028】
また、第一実施形態に係る運搬車両10は、一方の水素貯留ユニット141にのみ供給装置が接続されている場合に、当該一方の水素貯留ユニット141へ水素を充填している間、他方の水素貯留ユニット141の水素を用いて燃料電池142を稼働させ、バッテリ143を充電することができる。これにより、運搬車両10は水素を充填している間に燃料電池142を稼働させることで、効率を上げることができる。
【0029】
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
【0030】
上述した実施形態では、供給装置から水素を充填するための第一配管23と水素を燃料電池142へ放出するための第二配管24とが分けて設けられるが、これに限られない。例えば、他の実施形態においては、共通の配管を用いて供給装置からの水素を充填と燃料電池142への水素の放出を行ってもよい。この場合、制御装置16は、一方の水素貯留ユニット141にのみ供給装置が接続されている場合に、両方の水素貯留ユニット141のヘッダバルブ242を開き、両方の水素貯留ユニット141へ水素を供給してもよい。つまり、ヘッダバルブ242は、両方の水素貯留ユニット141の充填口に供給装置が接続されているときに閉じるものであればよい。
【0031】
上述した実施形態に係るヘッダバルブ242は開閉可能なコントロールバルブであるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係るヘッダバルブ242は、燃料電池142側からの水素の流入を防止する逆止弁であってもよい。
【0032】
上述した実施形態においては、運搬車両10は2つの水素貯留ユニット141を備えるが、これに限られない。例えば他の実施形態においては、運搬車両10は3つ以上の水素貯留ユニット141を備えてもよい。
【0033】
〈コンピュータ構成〉
図6は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、インタフェース94を備える。
上述の制御装置16は、コンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。プロセッサ91の例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが挙げられる。
【0034】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータ90は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ91によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。このような集積回路も、プロセッサの一例に含まれる。
【0035】
ストレージ93の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0036】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
10…運搬車両 11…ダンプボディ 12…車体 13…走行装置 14…動力系 141…水素貯留ユニット 141A…第一水素貯留ユニット 141B…第二水素貯留ユニット 142…燃料電池 143…バッテリ 1431…監視装置 144…DCDCコンバータ 15…駆動系 151…インバータ 152…ポンプモータ 153…油圧ポンプ 154…ホイストシリンダ 155…インバータ 156…走行モータ 16…制御装置 161…取得部 172…決定部 173…制御部 21…筐体 211…充填口 212…接続センサ 22…水素タンク 23…第一配管 231…第一分岐管 232…第一コントロールバルブ 24…第二配管 241…第二分岐管 242…ヘッダバルブ 243…第二コントロールバルブ 244…タンクセンサ 90…コンピュータ 91…プロセッサ 92…メインメモリ 93…ストレージ 94…インタフェース B…母線