(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102601
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】ハニカムフィルタ
(51)【国際特許分類】
B01J 35/57 20240101AFI20240724BHJP
B01D 39/20 20060101ALI20240724BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20240724BHJP
B01D 53/94 20060101ALI20240724BHJP
C04B 38/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B01J35/04 301K
B01J35/04 301E
B01D39/20 D ZAB
B01D39/20 A
B01D46/00 302
B01D53/94 222
B01D53/94 245
B01D53/94 280
C04B38/00 303Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006603
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】加藤 優太
(72)【発明者】
【氏名】加藤 慎二
(72)【発明者】
【氏名】篠田 成正
【テーマコード(参考)】
4D019
4D058
4D148
4G019
4G169
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA05
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4G169EB12X
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4G169EC18X
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4G169ED03
4G169FA06
4G169FB23
4G169FB30
4G169FB57
4G169FB67
(57)【要約】
【課題】圧力損失の上昇を抑えつつ、排ガス浄化性能を向上させることが可能なハニカムフィルタを提供する。
【解決手段】第一端面11から第二端面12まで延びる流体の流路となる複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1を有する柱状のハニカム構造体4と、それぞれのセル2の第一端面11側又は第二端面12側の開口部に配設された目封止部5と、ハニカム構造体4の隔壁1に担持された排ガス浄化用の触媒14と、を備え、隔壁1は、触媒14が担持されていない状態において、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07~0.30cc/gであり、平均細孔径が11~23μmであり、且つ、気孔率が56~65%である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、
前記セルの前記第一端面側の端部又は前記第二端面側の端部のいずれか一方に配設された目封止部と、
前記隔壁に担持された排ガス浄化用の触媒と、を備え、
前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07~0.30cc/gであり、平均細孔径が11~23μmであり、且つ、気孔率が56~65%である、ハニカムフィルタ。
【請求項2】
前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07~0.20cc/gである、請求項1に記載のハニカムフィルタ。
【請求項3】
前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、平均細孔径が14~23μmである、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項4】
前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、気孔率が56~63%である、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項5】
前記隔壁が、コージェライト、炭化珪素、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種を含む材料から構成される、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【請求項6】
前記触媒が、三元触媒、酸化触媒、又は選択的還元触媒である、請求項1又は2に記載のハニカムフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカムフィルタに関する。更に詳しくは、圧力損失の上昇を抑えつつ、排ガス浄化性能を向上させることが可能なハニカムフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のエンジン等の内燃機関より排出される排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタとして、ハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが知られている。ハニカム構造体は、コージェライトなどの多孔質セラミックスによって構成された隔壁を有し、この隔壁によって複数のセルが区画形成されたものである。ハニカムフィルタは、上述したハニカム構造体に対して、複数のセルの流入端面側の開口部と流出端面側の開口部とを交互に目封止するように目封止部を配設したものである。即ち、ハニカムフィルタは、流入端面側が開口し且つ流出端面側が目封止された流入セルと、流入端面側が目封止され且つ流出端面側が開口した流出セルとが、隔壁を挟んで交互に配置された構造となっている。そして、ハニカムフィルタにおいては、多孔質の隔壁が、排ガス中の粒子状物質(例えば、スス)を捕集するフィルタの役目を果たしている。以下、排ガスに含まれる粒子状物質を、「PM」ということがある。「PM」は、「particulate matter」の略である。また、上述したハニカムフィルタについては、排ガス中のPM以外の有毒なガス成分を浄化するために、ハニカムフィルタを構成する多孔質の隔壁に排ガス浄化用の触媒を担持して使用することがある。以下、上述したような、多孔質の隔壁に排ガス浄化用の触媒を担持したハニカムフィルタを、「触媒担持ハニカムフィルタ」ということがある。
【0003】
近年の排ガス規制の強化により、触媒担持ハニカムフィルタの排ガス浄化性能の向上が必要となっている。ここで、ハニカムフィルタの隔壁に触媒を担持して使用する技術においては、多孔質の隔壁の細孔径分布をシャープにすることで、隔壁を通過する排ガスなどの気体の流れを均一化して、圧力損失や捕集効率を向上させる試みが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような隔壁の細孔径分布をシャープにする技術は、気体の流れを均一化することで圧力損失や捕集効率の向上を図るものであるが、隔壁の細孔径分布をよりシャープなものとすると、排ガス浄化効率が減退することがあるという問題があった。例えば、隔壁の細孔径分布をよりシャープなものとすると、多孔質の隔壁にて相対的に細孔径が小さい小細孔が減少する。このように小細孔が減少すると、多孔質の隔壁において、触媒が担持される細孔の表面積が小さくなり、隔壁の触媒担持容量が減少してしまう。この結果、隔壁の細孔径分布をシャープにし過ぎると、排ガス浄化効率が悪くなってしまうことがある。
【0006】
また、隔壁の細孔径分布がシャープな状態を保ちつつ小細孔を増大しようとすると、隔壁の細孔径分布を小細孔側にシフトさせる必要があり、隔壁の細孔径分布が小細孔側にシフトすると、ハニカムフィルタの圧力損失が上昇してしまう。
【0007】
ここで、ハニカムフィルタの圧力損失の上昇を抑制するためには、相対的に細孔径が大きい大細孔を増加させる対策が考えられるが、大細孔を増加させるとPMを捕集するPM捕集性能が低下してしまう。また、これまでに説明したような隔壁の細孔径分布を小細孔側にシフトさせたり、大細孔を増加させたりした場合、隔壁の気孔率が変動することがある。隔壁の気孔率は、隔壁の触媒担持容量やハニカムフィルタの機械的強度に影響を及ぼすため、隔壁の気孔率を大きく変動させず、排ガス浄化性能を向上させることができる技術の開発が望まれていた。
【0008】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明によれば、圧力損失の上昇を抑えつつ、排ガス浄化性能を向上させることが可能なハニカムフィルタが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以下に示す、ハニカムフィルタが提供される。
【0010】
[1] 第一端面から第二端面まで延びる流体の流路となる複数のセルを取り囲むように配置された多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、
前記セルの前記第一端面側の端部又は前記第二端面側の端部のいずれか一方に配設された目封止部と、
前記隔壁に担持された排ガス浄化用の触媒と、を備え、
前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07~0.30cc/gであり、平均細孔径が11~23μmであり、且つ、気孔率が56~65%である、ハニカムフィルタ。
【0011】
[2] 前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07~0.20cc/gである、前記[1]に記載のハニカムフィルタ。
【0012】
[3] 前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、平均細孔径が14~23μmである、前記[1]又は[2]に記載のハニカムフィルタ。
【0013】
[4] 前記隔壁は、前記触媒が担持されていない状態において、気孔率が56~63%である、前記[1]~[3]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0014】
[5] 前記隔壁が、コージェライト、炭化珪素、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種を含む材料から構成される、前記[1]~[4]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【0015】
[6] 前記触媒が、三元触媒、酸化触媒、又は選択的還元触媒である、前記[1]~[5]のいずれかに記載のハニカムフィルタ。
【発明の効果】
【0016】
本発明のハニカムフィルタは、圧力損失の上昇を抑えつつ、排ガス浄化性能を向上させることができるという効果を奏するものである。特に、本発明のハニカムフィルタは、従来のハニカムフィルタに対して、隔壁の気孔率を変動させずに(別言すれば、従来と同程度の気孔率を維持したまま)、圧力損失の上昇を抑えつつ、排ガス浄化性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のハニカムフィルタの一の実施形態を模式的に示す、第一端面側からみた斜視図である。
【
図2】
図1に示すハニカムフィルタの第一端面側からみた平面図である。
【
図3】
図2のA-A’断面を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0019】
(1)ハニカムフィルタ:
図1~
図3に示すように、本発明のハニカムフィルタの一の実施形態は、ハニカム構造体4と、目封止部5と、ハニカム構造体4の隔壁1に担持された排ガス浄化用の触媒14と、を備えたハニカムフィルタ100である。ハニカム構造体4は、第一端面11から第二端面12まで延びる流体の流路となる複数のセル2を取り囲むように配置された多孔質の隔壁1を有する柱状のものである。ハニカムフィルタ100において、ハニカム構造体4は、柱状を呈し、その外周側面に、外周壁3を更に有している。即ち、外周壁3は、格子状に配設された隔壁1を囲繞するように配設されている。
【0020】
図1は、本発明のハニカムフィルタの一の実施形態を模式的に示す、第一端面側(例えば、流入端面側)からみた斜視図である。
図2は、
図1に示すハニカムフィルタの第一端面側(例えば、流入端面側)からみた平面図である。
図3は、
図2のA-A’断面を模式的に示す断面図である。
【0021】
ハニカムフィルタ100は、ハニカム構造体4を構成する隔壁1の構成において、特に主要な特性を有している。即ち、ハニカム構造体4を構成する隔壁1は、触媒14が担持されていない状態において、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07~0.30cc/gである。また、この隔壁1は、平均細孔径が11~23μmである。更に、この隔壁1は、気孔率が56~65%である。このように構成されたハニカムフィルタ100は、圧力損失の上昇を抑えつつ、排ガス浄化性能を向上させることができる。具体的には、隔壁1の細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積を0.07~0.30cc/gとすることで、当該隔壁1において触媒14が担持される細孔の表面積が増大する。これにより、優れた排ガス浄化性能を達成し得る触媒担持容量を確保しつつ、触媒14と排ガスとの接触面積を増大させることができ、ハニカムフィルタ100の排ガス浄化性能を向上させることができる。また、隔壁1の平均細孔径を11~23μmとし、気孔率を56~65%とすることで、上述したように排ガス浄化性能を向上させつつ、圧力損失の上昇を有効に抑制することができる。以下、上述した隔壁1の各特性について更に詳細に説明する。
【0022】
隔壁1は、隔壁1の細孔容積において、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07~0.30cc/gである。隔壁1の細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.07cc/g未満であると、触媒14が担持される細孔の表面積が減少し、十分な排ガス浄化性能の向上が困難となる。一方で、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積が0.30cc/gを超えると、隔壁1の平均細孔径及び気孔率を上述した数値範囲とした場合、圧力損失が増大してしまう。細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積は0.07~0.30cc/gであればよいが、例えば、0.07~0.20cc/gであることが好ましく、0.07~0.15cc/gであることが更に好ましい。
【0023】
また、隔壁1は、平均細孔径が11~23μmである。隔壁1の平均細孔径は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の平均細孔径の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。隔壁1の平均細孔径が11μm未満であると、隔壁1の平均細孔径及び気孔率を上述した数値範囲とした場合、圧力損失が増大してしまう。一方で、隔壁1の平均細孔径が23μmを超えると、ハニカムフィルタ100の捕集性能が低下してしまう。隔壁1の平均細孔径は11~23μmであればよいが、例えば、14~23μmであることが好ましく、15~23μmであることが更に好ましい。
【0024】
更に、隔壁1は、気孔率が56~65%である。隔壁1の気孔率は、水銀圧入法によって測定された値である。隔壁1の気孔率の測定は、例えば、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて行うことができる。隔壁1の気孔率が56%未満であると、隔壁1の平均細孔径及び気孔率を上述した数値範囲とした場合、圧力損失が増大してしまう。一方で、隔壁1の気孔率が65%を超えると、ハニカムフィルタ100の機械的強度(例えば、アイソスタティック強度)が低下してしまう。隔壁1の気孔率は56~65%であればよいが、例えば、56~63%であることが好ましく、56~62%であることが更に好ましい。
【0025】
これまでに説明した隔壁1の細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)、平均細孔径(μm)及び気孔率(%)の測定は、ハニカムフィルタ100から隔壁1の一部を切り出して試験片とし、このようにして得られた試験片を用いて行うことができる。
【0026】
隔壁1の厚さについては特に制限はないが、例えば、0.203~0.406mmであることが好ましく、0.229~0.356mmであることが更に好ましく、0.254~0.330mmであることが特に好ましい。例えば、隔壁1の厚さが0.203mm未満であると、隔壁1の機械的強度が低下してしまうことがある。一方で、隔壁1の厚さが0.406mmを超えると、隔壁1に排ガス浄化用の触媒を担持した際に、ハニカムフィルタ100の圧力損失が高くなることがある。隔壁1の厚さは、例えば、走査型電子顕微鏡又はマイクロスコープ(microscope)を用いて測定することができる。
【0027】
ハニカム構造体4に形成されているセル2の形状については特に制限はない。例えば、セル2の延びる方向に直交する断面における、セル2の形状としては、多角形、円形、楕円形等を挙げることができる。多角形としては、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等を挙げることができる。なお、セル2の形状は、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形であることが好ましい。また、セル2の形状については、全てのセル2の形状が同一形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。例えば、図示は省略するが、四角形のセルと、八角形のセルと混在したものであってもよい。また、セル2の大きさについては、全てのセル2の大きさが同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図示は省略するが、複数のセルのうち、一部のセルの大きさを大きくし、他のセルの大きさを相対的に小さくしてもよい。なお、本発明において、セル2とは、隔壁1によって取り囲まれた空間のことを意味する。
【0028】
隔壁1によって区画形成されるセル2のセル密度が、31~70個/cm2であることが好ましく、39~54個/cm2であることが更に好ましい。このように構成することによって、ハニカムフィルタ100を、自動車のエンジンから排出される排ガスを浄化するためのフィルタとして好適に利用することができる。
【0029】
隔壁1は、セラミックスの多孔質材料から構成されることが好ましく、特に、コージェライト、炭化珪素、及びアルミニウムチタネートからなる群より選択される少なくとも1種を含む材料から構成されるより好ましい。隔壁1を構成する材料は、上述した群に含まれる成分(即ち、コージェライト、炭化珪素、及びアルミニウムチタネート)を30質量%以上含むことが好ましく、40質量%以上含むことが更に好ましい。
【0030】
ハニカム構造体4の外周壁3は、隔壁1と一体的に構成されたものであってもよいし、隔壁1の外周側に外周コート材を塗工することによって形成した外周コート層であってもよい。例えば、図示は省略するが、外周コート層は、製造時において、隔壁と外周壁とを一体的に形成した後、形成された外周壁を、研削加工等の公知の方法によって除去した後、隔壁の外周側に設けることができる。
【0031】
ハニカム構造体4の形状については特に制限はない。ハニカム構造体4の形状としては、第一端面11(例えば、流入端面)及び第二端面12(例えば、流出端面)の形状が、円形、楕円形、多角形等の柱状を挙げることができる。
【0032】
ハニカム構造体4の大きさ、例えば、第一端面11から第二端面12までの長さや、ハニカム構造体4のセル2の延びる方向に直交する断面の大きさについては、特に制限はない。ハニカムフィルタ100を、排ガス浄化用のフィルタとして用いた際に、最適な浄化性能を得るように、各大きさを適宜選択すればよい。
【0033】
ハニカムフィルタ100においては、所定のセル2の第一端面11側の開口部、及び残余のセル2の第二端面12側の開口部に、目封止部5が配設されている。ここで、第一端面11を流入端面とし、第二端面12を流出端面とした場合に、流出端面側の開口部に目封止部5が配設され、流入端面側が開口したセル2を、流入セル2aとする。また、流入端面側の開口部に目封止部5が配設され、流出端面側が開口したセル2を、流出セル2bとする。流入セル2aと流出セル2bとは、隔壁1を隔てて交互に配設されていることが好ましい。そして、それによって、ハニカムフィルタ100の両端面に、目封止部5と「セル2の開口部」とにより、市松模様が形成されていることが好ましい。
【0034】
目封止部5の材料については特に制限はない。例えば、上述した隔壁1の材料と同様の材料であってもよいし、隔壁1の材料とは異なる材料であってもよい。
【0035】
ハニカムフィルタ100は、複数のセル2を区画形成する隔壁1に排ガス浄化用の触媒14が担持されている。隔壁1に触媒14を担持するとは、隔壁1の表面及び隔壁1に形成された細孔の内壁に、触媒14がコーティングされることをいう。このように構成することによって、排ガス中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)などを触媒反応によって無害な物質にすることができる。また、隔壁1によって捕集した煤等のPMの酸化を促進させることができる。
【0036】
隔壁1に担持する触媒14については特に制限はない。例えば、このような触媒14として、三元触媒、酸化触媒、及び選択的還元触媒を挙げることができる。
【0037】
三元触媒とは、主に炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)を浄化する触媒のことをいう。三元触媒としては、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)を含む触媒を挙げることができる。
【0038】
酸化触媒としては、貴金属を含有するものを挙げることができる。酸化触媒として、具体的には、白金、パラジウム及びロジウムからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものが好ましい。
【0039】
選択的還元触媒は、被浄化成分を選択還元する触媒である。選択的還元触媒は、「SCR触媒」とも称される。「SCR」とは、「Selective Catalytic Reduction」の略である。SCR触媒としては、排ガス中のNOxを選択還元するNOx選択還元用SCR触媒を挙げることができる。例えば、SCR触媒としては、金属置換されたゼオライトを挙げることができる。ゼオライトを金属置換する金属としては、鉄(Fe)、銅(Cu)を挙げることができる。ゼオライトとしては、ベータゼオライトを好適例として挙げることができる。
【0040】
隔壁1に担持される触媒14の量(以下、触媒14の「担持量」)については特に制限はない。例えば、触媒14の担持量は、50~150g/Lであることが好ましく、70~140g/Lであることが更に好ましい。なお、本明細書における、触媒14の担持量(g/L)は、ハニカムフィルタ100の単位容積(L)当たりに担持される触媒の量(g)を示す。
【0041】
(2)ハニカムフィルタの製造方法:
図1~
図3に示す本実施形態のハニカムフィルタの製造方法については、特に制限はなく、例えば、以下のような方法により製造することができる。まず、ハニカム構造体を作製するための可塑性の坏土を調製する。ハニカム構造体を作製するための坏土は、例えば、以下のように調製することができる。原料粉末として、炭化珪素、珪素結合炭化珪素、結合材焼結型セラミックス材料、ムライト、コージェライト、コージェライト化原料、及びアルミニウムチタネート等を用いることができる。なお、「珪素結合炭化珪素」とは、例えば、骨材としての炭化珪素粒子が、金属珪素により結合されたもののことを意味する。また、「結合材焼結型セラミックス材料」とは、例えば、炭化珪素やムライト等の骨材が、コージェライト等の結合材により結合されたものであり、焼結により作製されたセラミックス材料のことを意味する。コージェライト化原料は、その化学組成が、SiO
2が42~56質量%、Al
2O
3が30~45質量%、及びMgOが12~16質量%となるように、タルク、カオリン、アルミナ、シリカ、及び水酸化アルミニウム等の原料を、所定の割合で調合したものである。
【0042】
本実施形態のハニカムフィルタは、多孔質の隔壁の構成(特に、多孔質の気孔及び細孔の構成)に主要な特性を有している。このようなハニカムフィルタを製造する方法としては、例えば、坏土の調製において、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)を、80:20の質量割合で混合した混合原料を準備する。そして、その混合原料に加えるための造孔材として、平均粒子径が25~45μmの数種の造孔材から、平均粒子径の異なる造孔材を数種類選択する。選択した造孔材のうち、より平均粒子径の小さい造孔材の配合割合が多くなるように、先に準備した混合原料に数種類の造孔材を添加して坏土を調製する。このように、坏土の調製において混合原料に添加する造孔材は、造孔材全体として見た場合に、小径側に分布が偏るような単峰性又は多峰性の粒度分布を示すものであることが好ましい。
【0043】
次に、このようにして得られた坏土を押出成形することにより、複数のセルを区画形成する隔壁、及びこの隔壁を囲繞するように配設された外周壁を有する、ハニカム成形体を作製する。
【0044】
得られたハニカム成形体を、例えば、マイクロ波及び熱風で乾燥し、ハニカム成形体の作製に用いた材料と同様の材料で、セルの開口部を目封止することで目封止部を作製する。目封止部を作製した後に、ハニカム成形体を更に乾燥してもよい。
【0045】
次に、目封止部を作製したハニカム成形体を焼成することにより、触媒が担持される前のハニカムフィルタ(以下、「触媒担持前のハニカムフィルタ」ともいう)を製造する。焼成温度及び焼成雰囲気は原料により異なり、当業者であれば、選択された材料に最適な焼成温度及び焼成雰囲気を選択することができる。
【0046】
次に、作成した触媒担持前のハニカムフィルタに対して、排ガス浄化用の触媒を担持する。触媒を担持する方法については特に制限はないが、例えば、触媒成分を含む触媒スラリーをウォッシュコート(wash coat)した後、高温で熱処理して焼き付ける方法等を挙げることができる。以上のようにして、本実施形態のハニカムフィルタを製造することができる。
【実施例0047】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0048】
(実施例1)
坏土を調整するための原料粉末として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)とを、80:20の質量割合で混合した混合原料を準備した。この混合原料100質量部に、造孔材を25質量部、分散材を微量、有機バインダを7質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。有機バインダとしては、メチルセルロース(Methylcellulose)を使用した。分散剤としては、モノオレイン酸ポリエチレングリコールを使用した。造孔材としては、平均粒子径が25~45μmの数種の造孔材から、平均粒子径の異なる造孔材を数種類選択し、より平均粒子径の小さい造孔材の配合割合が多くなるよう調製した造孔材を用いた。
【0049】
次に、得られた坏土を、押出成形機を用いて成形し、ハニカム成形体を作製した。次に、得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて更に乾燥した。ハニカム成形体におけるセルの形状は、四角形とした。
【0050】
次に、乾燥後のハニカム成形体に、目封止部を形成した。まず、ハニカム成形体の流入端面にマスクを施した。次に、マスクの施された端部(流入端面側の端部)を目封止スラリーに浸漬し、マスクが施されていないセル(流出セル)の開口部に目封止スラリーを充填した。このようにして、ハニカム成形体の流入端面側に、目封止部を形成した。そして、乾燥後のハニカム成形体の流出端面についても同様にして、流入セルにも目封止部を形成した。
【0051】
次に、目封止部を形成したハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。次に、乾燥したハニカム成形体を、脱脂し、焼成して、触媒担持前のハニカムフィルタを製造した。
【0052】
触媒担持前のハニカムフィルタは、端面の直径が165mmであり、セルの延びる方向の長さが140mmであった。また、隔壁の厚さが0.318mmであり、セル密度が46.5個/cm2であった。
【0053】
また、触媒担持前のハニカムフィルタについて、以下の方法で、隔壁の気孔率(%)及び平均細孔径(μm)の測定を行った。また、以下に示す気孔率及び平均細孔径の測定に用いた装置を用いて、隔壁の細孔径分布を求め、求めた細孔径分布から、細孔径が10μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)を求めた。各結果を表1に示す。
【0054】
【0055】
【0056】
[気孔率(%)及び平均細孔径(μm)]
隔壁の気孔率及び平均細孔径は、Micromeritics社製のオートポア9500(商品名)を用いて測定した。気孔率及び平均細孔径の測定においては、ハニカムフィルタから隔壁の一部を切り出して試験片とし、得られた試験片を用いて気孔率の測定を行った。試験片は、縦、横、高さのそれぞれの長さが、約10mm、約10mm、約20mmの直方体のものとした。試験片の採取箇所については、ハニカム構造体の軸方向の中心付近とした。
【0057】
次に、触媒担持前のハニカムフィルタに対して、以下の方法で、排ガス浄化用の触媒を担持した。まず、材料を混合して、ゼオライトを含む触媒スラリーを調製した。次に、触媒担持前のハニカムフィルタに対して、調製した触媒スラリーをウォッシュコート(wash coat)した。次に、120℃での乾燥、その後500℃・3時間の条件で熱処理して、ハニカムフィルタの隔壁に触媒を焼き付けて担持させた。以上のようにして、実施例1のハニカムフィルタを作製した。実施例1のハニカムフィルタは、触媒の担持量が、120g/Lであった。表1に、触媒の担持量(g/L)を示す。
【0058】
実施例1のハニカムフィルタについて、以下の方法で、排ガス浄化性能、アイソスタティック強度、圧力損失、及び捕集性能の評価を行った。また、以上の各評価結果に基づき、下記方法にて総合判定を行った。各結果を、表1に示す。
【0059】
(排ガス浄化性能)
触媒反応評価装置を使ったモデルガスでの測定により、ハニカムフィルタの排ガス浄化性能の値(%)を求めた。排ガス浄化性能の値の測定は、FTIRガス分析計を用いて行うことができ、FTIRガス分析計として、例えば、堀場製作所製のFTIRガス分析計(型番:MEXA-6000FT)を挙げることができる。排ガス性能の値(%)は、ハニカムフィルタの流入端面側と流出端面側との2箇所にて一酸化窒素及び二酸化窒素のガス濃度を測定することで算出した。モデルガスは窒素・酸素・二酸化炭素・一酸化炭素・一酸化窒素、アンモニア・水の混合気体を用い、温度約200℃、ガス流量SV=40000(1/h)、で評価を行った。排ガス浄化性能の評価においては、下記評価基準に基づき、各実施例のハニカムフィルタの評価を行った。
評価「A」:比較例1のハニカムフィルタの排ガス浄化性能の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタの排ガス浄化性能の値が130%以上である。
評価「B」:比較例1のハニカムフィルタの排ガス浄化性能の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタの排ガス浄化性能の値が100%以上、130%未満である。
評価「C」:比較例1のハニカムフィルタの排ガス浄化性能の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタの排ガス浄化性能の値が100%未満である。
【0060】
(アイソスタティック強度)
水圧式アイソスタティック強度試験装置により、ハニカムフィルタのアイソスタティック強度(MPa)を求めた。アイソスタティック強度の評価においては、下記評価基準に基づき、各実施例のハニカムフィルタの評価を行った。
評価「A」:比較例1のハニカムフィルタのアイソスタティック強度の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタのアイソスタティック強度の値が90%以上である。
評価「B」:比較例1のハニカムフィルタのアイソスタティック強度の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタのアイソスタティック強度の値が80%以上、90%未満である。
評価「C」:比較例1のハニカムフィルタのアイソスタティック強度の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタのアイソスタティック強度の値が80%未満である。
【0061】
(捕集性能)
車両での評価試験により、ハニカムフィルタを用いた排ガス浄化装置の捕集性能(個/km)を求めた。具体的には、3.0Lディーゼルエンジン車両のエンジン排気マニホルドの出口側に上記排ガス浄化装置を接続して、その排ガス浄化装置の流出口から排出されるガスに含まれる煤の個数を、PN測定方法によって測定した。「PN測定方法」とは、国際連合(略称UN)の欧州経済委員会(略称ECE)における自動車基準調和世界フォーラム(略称WP29)の排出ガスエネルギー専門家会議(略称GRPE)による、粒子測定プログラム(略称PMP)によって提案された測定方法のことである。なお、具体的には、煤の個数判定においては、WLTC(Worldwide harmonized Light duty Test Cycle)モード走行後に排出された煤の個数累計を、判定対象となる排ガス浄化装置(即ち、排ガス浄化装置に用いられたハニカムフィルタ)の煤の個数とした。捕集性能の評価においては、下記評価基準に基づき、各実施例のハニカムフィルタの評価を行った。
評価「A」:比較例1のハニカムフィルタの捕集性能の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタの捕集性能の値が120%以上である。
評価「B」:比較例1のハニカムフィルタの捕集性能の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタの捕集性能の値が80%以上、120%未満である。
評価「C」:比較例1のハニカムフィルタの捕集性能の値を100%とした場合に、評価対象のハニカムフィルタの捕集性能の値が80%未満である。
【0062】
(総合判定)
評価「優」:排ガス浄化性能、アイソスタティック強度、及び圧力損失の評価が全て「A」で、捕集性能の評価が「A」又は「B」である。
評価「良」:排ガス浄化性能の評価が「A」で、その他の評価が「A」又は「B」である(但し、評価「優」に該当するものを除く)。
評価「可」:排ガス浄化性能の評価が「B」又は「C」である、又は、排ガス浄化性能以外の評価において「C」の結果を含む。
【0063】
(実施例2~16)
実施例2~16においては、ハニカム成形体を作製するための坏土の調製において、以下に示すような原料を用いてハニカムフィルタを製造した。得られたハニカムフィルタについて、実施例1と同様の方法で、隔壁の気孔率及び平均細孔径の測定を行った。また、上述した方法にて、10μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)を求めた。各結果を表1及び表2に示す。なお、実施例2、実施例10及び実施例15は、同じ原料から製造された実質的に同じ特性を有するハニカムフィルタであるが、他の実施例との比較の便宜の為、表1においてそれぞれ別の例として記載している。
【0064】
実施例2~16においては、平均粒子径が25~45μmの数種の造孔材から平均粒子径の異なる造孔材を数種類選択する際に、選択する造孔材の種類(即ち、選択する造孔材の平均粒子径)やそれらの配合比率を変更したこと以外は、実施例1と同様の方法でハニカムフィルタを製造した。但し、実施例2~16においても、より平均粒子径の小さい造孔材の配合割合が多くなるよう造孔材を選択している。
【0065】
(比較例1~7)
比較例1~7においては、ハニカム成形体を作製するための坏土の調製において、以下に示すような原料を用いてハニカムフィルタを製造した。得られたハニカムフィルタについて、実施例1と同様の方法で、隔壁の気孔率及び平均細孔径の測定を行った。また、上述した方法にて、10μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)を求めた。各結果を表1及び表2に示す。比較例1においては、坏土を調製するための原料粉末において、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)とを、80:20の質量割合で混合した混合原料を準備した。比較例2~7においては、上述した実施例2~4,5~8,9~12,13~16の原料粉末の調製方法に準じて、原料粉末の調製を行った。
【0066】
実施例2~16及び比較例1~7のハニカムフィルタについて、実施例1と同様の方法で、排ガス浄化性能、アイソスタティック強度、圧力損失、及び捕集性能の評価を行った。また、以上の各評価結果に基づき、下記方法にて総合判定を行った。各結果を、表1及び表2に示す。
【0067】
(結果)
実施例1~6のハニカムフィルタのように、10μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)を増加させることで、比較例1のハニカムフィルタに対して排ガス浄化性能が向上することが確認された。但し、比較例3のハニカムフィルタのように、10μm以下の細孔の細孔容積(cc/g)を増加させすぎると、ハニカムフィルタの圧力損失が著しく上昇してしまうことが分かった。
【0068】
実施例7~11のハニカムフィルタのように、隔壁の気孔率を所定の数値範囲とすることで、ハニカムフィルタのアイソスタティック強度を保ちつつ、圧力損失の上昇を抑制できることが分かった。一方で、隔壁の気孔率を高くし過ぎると、圧力損失の評価結果が良好となるものの、ハニカムフィルタの機械的強度が低下する傾向が確認された。例えば、比較例5のハニカムフィルタのように、隔壁の気孔率が66%であると、アイソスタティック強度が大きく低下してしまい、ハニカムフィルタを金属ケース等の缶体内に収納するキャニング(canning)時に問題が発生する懸念がある。一方で、比較例4のハニカムフィルタのように、隔壁の気孔率が53%であると、アイソスタティック強度には優れるものの、ハニカムフィルタの圧力損失が著しく上昇してしまうことが分かった。
【0069】
実施例12~16のハニカムフィルタのように、隔壁の平均細孔径を所定の数値範囲とすることで、高い捕集性能を実現し、且つ圧力損失の上昇を抑えつつ、排ガス浄化性能を向上させることができた。なお、隔壁の平均細孔径を大きくしすぎると、捕集性能が低下する傾向が確認された。一方で、隔壁の平均細孔径を小さくしすぎると、圧力損失が上昇する傾向が確認された。
1:隔壁、2:セル、2a:流入セル、2b:流出セル、3:外周壁、4:ハニカム構造体、5:目封止部、11:第一端面、12:第二端面、14:触媒、100:ハニカムフィルタ。