IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社LIXILグループの特許一覧

<>
  • 特開-雨戸 図1
  • 特開-雨戸 図2
  • 特開-雨戸 図3
  • 特開-雨戸 図4
  • 特開-雨戸 図5
  • 特開-雨戸 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102602
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】雨戸
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
E06B3/70 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006605
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】八田 知樹
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016JA02
2E016KA05
2E016LA01
2E016LB03
2E016LB05
2E016LC01
2E016MA06
2E016MA11
(57)【要約】
【課題】屋外の光を屋内へ取り入れることができる雨戸を提供する。
【解決手段】屋内と屋外とを仕切る壁部に設けられた引き違い窓の開口部を覆うパネル4を有し、パネル4は、少なくとも一部が透光性を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内と屋外とを仕切る壁部に設けられた窓の開口部を覆うパネルを有し、
前記パネルは、少なくとも一部が透光性を有する雨戸。
【請求項2】
前記パネルは、樹脂製である請求項1に記載の雨戸。
【請求項3】
前記パネルは、ポリカーボネート製である請求項2に記載の雨戸。
【請求項4】
前記パネルは、光を通す加工がなされている請求項1に記載の雨戸。
【請求項5】
前記パネルの周縁部を支持する枠部を有し、
前記パネルの周縁部には、グレージングチャンネルが取り付けられている請求項1から4のいずれか一項に記載の雨戸。
【請求項6】
前記パネルの周端面と前記枠部との間には、隙間が形成されている請求項5に記載の雨戸。
【請求項7】
前記グレージングチャンネルは、前記パネルを前記屋外側に寄せる寄せ部を有する請求項5に記載の雨戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、雨戸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の窓には、障子を雨風や飛来物から保護するために雨戸が設置されることがある(例えば、特許文献1参照)。雨戸は、例えば、アルミニウムなどの金属製の四方枠の内側に波板状に加工された鋼板などのパネルが嵌め込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-160614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
雨戸は、窓の開口部を閉め切って覆うことによって、屋外から屋内へ射し込む光を遮蔽できる。しかしながら、屋外の光を屋内へ取り入れることできる雨戸も望まれている。
【0005】
本開示は、屋外の光を屋内へ取り入れることができる雨戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る雨戸は、屋内と屋外とを仕切る壁部に設けられた窓の開口部を覆うパネルを有し、前記パネルは、少なくとも一部が透光性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の雨戸が設けられた引き違い窓の縦断面図である。
図2】雨戸の斜視図である。
図3図1のA-A線断面図である。
図4図1のB-B線断面図である。
図5】第2実施形態の雨戸の斜視図である。
図6】第3実施形態の雨戸の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
図1に示すように、雨戸1は、屋内と屋外とを仕切る壁部に設けられた引き違い窓2の屋外側に設けられている。引き違い窓2は、特許請求の範囲の「窓」に相当する。雨戸1は、使用時には、引き違い窓2の開口部23を閉め切って覆い、不使用時には、例えば、戸袋に収納される。図面では、屋外を符号11で示し、屋内を符号12で示す。以下では、引き違い窓2が設けられている外壁に沿った水平方向を左右方向と表記する。図面では、左右方向を矢印Xで示す。引き違い窓2が設けられている外壁に直交する方向であり、左右方向に直交する方向を屋内外方向と表記する。図面では、屋内外方向を矢印Yで示す。図面では、上下方向を矢印Zで示す。雨戸1を構成する各部材の説明においては、それぞれの部材が引き違い窓2の定位置に設置されている姿勢である。
【0009】
雨戸1は、パネル状である。雨戸1は、引き違い窓2の上枠21および下枠22に設けられたガイド溝211,221に沿って左右方向にスライドする。引き違い窓2には、複数の雨戸1が設けられている。図2から図4に示すように、雨戸1は、枠部3と、パネル4と、グレージングチャンネル5と、を有する。枠部3は、四方枠である。パネル4は、矩形の平板状である。枠部3は、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の周縁部41を支持する。パネル4は、ポリカーボネート製などの樹脂製である。パネル4は、透明、半透明など、屋外の光を屋内へ通す透光性を有している。パネル4は、屋内の人が屋外の光を感じられる程度以上の透光性を有していればよい。パネル4は、屋内から屋外、屋外から屋内を見通せなくてもよい。パネル4は、雨風や飛来物の衝撃によって変形や破損しない所定の厚さで形成されている。
【0010】
枠部3は、例えば、アルミニウム合金などで製作された金属製である。枠部3は、上枠材31と、下枠材32と、第1縦枠材33と、第2縦枠材34と、を有する。上枠材31は、パネル4の上縁部42に取り付けられている。下枠材32は、パネル4の下縁部43に取り付けられている。第1縦枠材33は、パネル4左右方向の一方側の第1側縁部44に取り付けられている。第2縦枠材34は、パネル4の左右方向の他方側の第2側縁部45に取り付けられている。上枠材31および下枠材32は、左右方向に延びる形材である。上枠材31および下枠材32それぞれの左右方向に直交する断面形状は、左右方向全体にわたって略同じ形状である。第1縦枠材33および第2縦枠材34は、上下方向に延びる形材である。第2縦枠材34は、パネル4の左右方向の他方側に配置されている。第1縦枠材33および第2縦枠材34それぞれの水平断面形状は、上下方向全体にわたって略同じ形状である。
【0011】
図3に示すように、上枠材31には、下方に開口する溝部31aが形成されている。溝部31aには、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の上縁部42が挿入されている。上枠材31は、屋外板部311と、屋内板部312と、中板部313と、パネル固定部314と、を有する。屋外板部311および屋内板部312は、平板状に形成されている。屋外板部311および屋内板部312は、屋内外方向に間隔をあけて対向して配置されている。屋外板部311が屋内板部312の屋外側に配置されている。屋外板部311の上端部は、屋内板部312の上端部と同じ高さに配置されている。屋外板部311の下端部は、屋内板部312の下端部よりもやや下側に配置されている。屋外板部311の下端部には、屋内側に突出する凸部311aが形成されている。
【0012】
中板部313は、平板状に形成されている。中板部313は、板面が水平面となる姿勢に配置されている。中板部313は、屋外板部311と屋内板部312との間に配置されている。中板部313の屋外側の端部313aは、屋外板部311の上下方向の中間部に接続されている。中板部313の屋内側の端部313bは、屋内板部312の上下方向の中間部に接続されている。
【0013】
パネル固定部314は、中板部313の屋内外方向の中間部から下方に突出している。パネル固定部314は、見付け部315と、傾斜部316と、見込み部317と、を有する。見付け部315は、中板部313の屋外方向の中間部から鉛直方向の下側に延びている。見付け部315は、平板状である。見付け部315は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。傾斜部316は、見付け部315の下端部315aから下側に向かって漸次屋内側に傾斜する方向に延びている。傾斜部316は、平板状である。見込み部317は、傾斜部316の下端部316aから屋外側に突出している。見込み部317は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。パネル固定部314の下端部、すなわち見込み部317の下面317aは、屋外板部311の下端部311bよりもやや上側に配置されている。
【0014】
中板部313における屋外板部311とパネル固定部314との間の部分313cは、溝部31aの底部を形成している。屋外板部311における中板部313よりも下側の部分311cは、溝部31aの屋外側の側部を形成している。パネル固定部314は、溝部31aの屋内側の側部を形成している。溝部31aは、上枠材31における屋外側の部分に形成されている。
【0015】
グレージングチャンネル5は、パネル4の上縁部42、下縁部43、左右方向の一方側の第1側縁部44および左右方向の他方側の第2側縁部45それぞれに沿って取り付けられている。パネル4のいずれの縁部にもグレージングチャンネル5が同様に取り付けられている。上枠材31および下枠材32には、雨戸1を上枠21および下枠22に固定するためのロック部材319,329が設けられている。ロック部材319,329は、図1および図2を参照する。パネル4の上縁部42および下縁部43に取り付けられるグレージングチャンネル5は、ロック部材319,329と干渉する部分には、取り付けられていなくてもよい。
【0016】
グレージングチャンネル5は、ゴムなどで形成されている。グレージングチャンネル5は、長尺に形成されている。グレージングチャンネル5の長さ方向に直交する断面形状は、長さ方向全体にわたって同じ形状である。グレージングチャンネル5には、長さ方向全体にわたって溝部51が形成されている。グレージングチャンネル5は、溝部51がパネル4側に開口する姿勢に配置される。溝部51には、パネル4の周縁部41が挿入されている。
【0017】
パネル4の上縁部42に取り付けられるグレージングチャンネル5について説明する。パネル4の下縁部43、第1側縁部44および第2側縁部45に取り付けられるグレージングチャンネル5の説明は省略する。パネル4の上縁部42に取り付けられるグレージングチャンネル5は、左右方向に延びる姿勢に配置されている。溝部51は、下方に開口している。グレージングチャンネル5は、底部52と、屋外側部53と、屋内側部54と、を有する。底部52は、溝部51の底面を形成している。屋外側部53は、溝部51の屋外側の側面を形成している。屋外側部53は、底部52の屋外側の端部52aから下方に延びている。屋内側部54は、溝部51の屋内側の側面を形成している。屋内側部54は、底部52の屋内側の端部52bから下方に延びている。屋内側部54の下端部54aは、屋外側部53の下端部53aよりもやや上側に配置されている。
【0018】
底部52は、平板状に形成されている。底部52は、板面が水平面となる姿勢に配置されている。屋外側部53は、平板状に形成されている。屋外側部53は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋外側部53の下端部53aには、屋外側に突出する第1突出部531が形成されている。屋外側部53における第1突出部531が形成されている部分よりもやや上側には、屋外側に突出する第2突出部532が形成されている。屋外側部53には、第1突出部531と第2突出部532との間に屋外側に開口する第1凹部533が形成されている。第1突出部531は、第2突出部532よりも屋外側に長く突出している。
【0019】
屋内側部54は、板状に形成されている。屋内側部54は、板面が略屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋内側部54の板厚は、上側から下側に向かって漸次厚くなっている。すなわち、屋内側部54の板厚は、グレージングチャンネル5の溝部51の底面から開口側に向かって漸次厚くなっている。屋内側部54は、上側から下側に向かって漸次屋内側に向かう方向に延びている。屋内側部54の屋外側の面、すなわち溝部51の屋内側の面、および屋内側部54の屋内側の面は、上側から下側に向かって漸次屋内側に向かう方向に延びている。
【0020】
屋内側部54の下端部54aには、屋外側に突出する第3突出部541が形成されている。屋内側部54における第3突出部541が形成されている部分よりもやや上側には、屋外側に向かって漸次上側に向かう方向に突出する第4突出部542が形成されている。第4突出部542の屋内外方向の長さは、第4突出部542の屋内外方向の長さよりも長く形成されている。屋内側部54には、第3突出部541と第4突出部542との間に屋外側に開口する第2凹部543が形成されている。屋内側部54の下端部近傍には、屋内側に開口する第3凹部544が形成されている。第2凹部543と第3凹部544とは、屋内外方向に重なる位置に配置されている。第3凹部544は、第3突出部541と第4突出部542の間の高さに配置されている。屋内側部54は、屋外側部53よりも屋内外方向に厚く形成されている。
【0021】
上述しているように、グレージングチャンネル5の溝部51には、パネル4の上縁部42が挿入されている。底部52は、パネル4の上端面421の上に配置されている。底部52の下面52c、すなわち溝部51の底面は、パネル4の上端面421と接触している。屋外側部53は、パネル4の上縁部42の屋外側に配置されている。屋外側部53とパネル4の上縁部42と接触している。屋内側部54は、パネル4の上縁部42の屋内側に配置されている。屋内側部54の第3突出部541の先端部および第4突出部542の先端部は、パネル4の屋内側の面と接触している。屋内側部54の屋外側の面は、パネル4の屋内側の面と接触していない。屋内側部54の屋内側の面と、パネル4の屋外側の面との間には、隙間が形成されている。
【0022】
パネル4の上縁部が挿入されていないグレージングチャンネル5における屋外側部53の屋内側の面と、第3突出部541および第4突出部542の先端部との間隔は、パネル4の厚さ寸法よりも小さく形成されている。グレージングチャンネル5の溝部51にパネル4の上縁部が挿入されると、第3突出部541および第4突出部542が弾性変形して屋外側部53の屋内側の面との間隔が広がる。グレージングチャンネル5は、第3突出部541および第4突出部542の弾性変形の復元力によって、パネル4の上縁部42に固定されている。
【0023】
上述しているように、上枠材31の溝部31aには、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の上縁部42が挿入されている。グレージングチャンネル5の屋外側部53は、上枠材31の屋外板部311の屋内側に配置されている。グレージングチャンネル5の屋内側部54は、上枠材31のパネル固定部314の屋外側に配置されている。グレージングチャンネル5の底部52は、上枠材31の中板部313の下側に配置されている。
【0024】
グレージングチャンネル5の屋外側部53の第1突出部531の上面531a、すなわち第1凹部533側の面は、上枠材31の屋外板部311の下端面と接触している。屋外板部311の凸部311aは、グレージングチャンネル5の屋外側部53の第1凹部533に挿入されている。グレージングチャンネル5の第2突出部532の先端部、すなわち屋外側の端部は、上枠材31の屋外板部311の屋内側の面と接触している。グレージングチャンネル5の屋外側部53の屋外側の面と、上枠材31の屋外板部311の屋内側の面と、の間には、隙間56が形成されている。
【0025】
上枠材31の見込み部317の屋外側の端部317bは、グレージングチャンネル5の屋内側部54の第3凹部544に挿入されている。上枠材31の屋外板部311と、見込み部317の屋外側の端部317bとの間隔は、パネル4に取り付けられたグレージングチャンネル5の第1突出部531の屋外側の端部から屋内側部54の第3凹部544の底面までの長さ寸法よりも小さく設定されている。グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4が上枠材31の溝部31aに挿入されていると、グレージングチャンネル5の屋内側部54が上枠材31の見込み部317に屋外側に押されて弾性変形する。グレージングチャンネル5の屋内側部54の復元力によって、見込み部317の屋外側の端部がグレージングチャンネル5の第3凹部544に嵌った状態となる。グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4が上枠材31の溝部31aから外れることが防止される。
【0026】
グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の上縁部42は、第3突出部541および第4突出部542の弾性変形の復元力によってグレージングチャンネル5の溝部51の内部において屋外側、すなわち屋外側部53側に押し付けられている。上述しているように、屋内側部54は、屋外側部53よりも屋内外方向に厚く形成されている。上枠材31の溝部31aは、上枠材31の屋外側の部分に形成されている。これらのことによって、パネル4は、屋外側に寄せられた状態で上枠材31に取り付けられている。グレージングチャンネル5の、第3突出部541および第4突出部542は、特許請求の範囲の「寄せ部」に相当する。
【0027】
グレージングチャンネル5の底部52の上面52dと、上枠材31の中板部313の下面313d、すなわち溝部31aの底面と、の間には、隙間55が形成されている。隙間55は、パネル4が外気によって膨張した際に、パネル4の上端面421およびグレージングチャンネル5の底部52が上枠材31の中板部313と接触しない寸法に設定されている。
【0028】
下枠材32には、上方に開口する溝部32aが形成されている。下枠材32の溝部32aは、上枠材31の溝部31aを上下反転させた形状である。下枠材32は、上枠材31の屋外板部311、屋内板部312、中板部313およびパネル固定部314を上下反転させた形状と略同様の屋外板部321、屋内板部322、中板部323およびパネル固定部324を有する。
【0029】
溝部32aには、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の下縁部43が、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の上縁部42が上枠材31の溝部31aへの挿入されている形態と同様の形態に挿入されている。
【0030】
図4に示すように、第1縦枠材33には、左右方向の他方側に開口する溝部33aが形成されている。第1縦枠材33の溝部33aは、上枠材31の溝部31aを左右方向の一方側に開口する姿勢に回転させた形状である。第1縦枠材33は、屋外板部331と、屋内板部332と、中板部333と、パネル固定部334と、第1連結部35と、芯材36と、を有する。屋外板部331、中板部333およびパネル固定部334が溝部33aを形成している。屋外板部331、屋内板部332、中板部333、パネル固定部334、第1連結部35は、一体に形成されている。
【0031】
屋外板部331および屋内板部332は、平板状に形成されている。屋外板部331および屋内板部332は、屋内外方向に間隔をあけて対向して配置されている。屋外板部331が屋内板部332の屋外側に配置されている。屋外板部331は、屋内板部332よりも左右方向の長さ寸法が長い。屋外板部331の左右方向の他方側の端部331b、すなわちパネル4側の端部は、屋内板部332の左右方向の他方側の端部332aよりも左右方向の他方側に突出している。屋外板部331の左右方向の他方側の端部には、屋内側に突出する凸部331aが形成されている。
【0032】
中板部333は、平板状に形成されている。中板部333は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。中板部333は、屋外板部331と屋内板部332との間に配置されている。中板部333の屋外側の端部333aは、屋外板部331の左右方向の中間部に接続されている。中板部333の屋内側の端部333bは、屋内板部332の左右方向の他方側の端部332aに接続されている。
【0033】
パネル固定部334は、第1見付け部335と、傾斜部336と、第1見込み部337と、第2見付け部338と、第2見込み部339と、を有する。第1見付け部335、傾斜部336、第1見込み部337は、上枠材31のパネル固定部314の見付け部315、傾斜部316および見込み部317を、見付け部315が左右方向の一方側で見込み部317が左右方向の他方側になる姿勢にした形状である。第2見付け部338は、中板部333の屋内側の端部333b近傍から左右方向の他方側に延びている。第2見付け部338は、平板状に形成されている。第2見付け部338は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。第2見込み部339は、第2見付け部338の左右方向の他方側の端部338aから屋外側に延びて第1見込み部337の屋内側の端部337cと接続されている。第2見込み部339は、平板状に形成されている。第2見込み部339は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。第2見込み部339の幅方向の他方側の面339aは、第1見込み部337の幅方向の他方側の面337aと面一である。
【0034】
第1連結部35は、屋外板部331および屋内板部332の幅方向の一方側に接続されている。第1連結部35には、幅方向の一方側に開口する凹部351が形成されている。第1縦枠材33には、屋外板部331における中板部333よりも幅方向の一方側の部分、屋内板部332、中板部333および第1連結部35に囲まれた中空部33bが形成されている。芯材36は、中空部33bに挿入されている。
【0035】
溝部33aには、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の第1側縁部44が、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の上縁部42が上枠材31の溝部31aへの挿入されている形態と同様の形態に挿入されている。
【0036】
第2縦枠材34には、左右方向の一方側に開口する溝部34aが形成されている。第2縦枠材34の34aは、第1縦枠材33の溝部33aを左右方向に反転させた形状である。第2縦枠材34は、屋外板部341と、屋内板部342と、中板部343と、パネル固定部344と、第2連結部37と、芯材36と、を有する。第2縦枠材34の屋外板部341、屋内板部342、中板部343、パネル固定部344および芯材36は、第1縦枠材33の屋外板部331、屋内板部332、中板部333、パネル固定部334および芯材36を左右方向に反転させた形状である。
【0037】
第2連結部37は、屋外板部341および屋内板部342の幅方向の他方側に接続されている。第2連結部37には、幅方向の他方側に突出する凸部371が形成されている。複数の雨戸1が開口部23を閉め切って覆うために左右方向に配列された際に、左右方向に隣り合う雨戸1のうちの左右方向の一方側の雨戸1の第1縦枠材33の凹部351に、左右方向の他方側の複数の雨戸1の第2縦枠材34の凸部371が嵌め込まれる。第2縦枠材34には、屋外板部341における中板部343よりも幅方向の他方側の部分、屋内板部342、中板部343および第2連結部37に囲まれた中空部34bが形成されている。芯材36は、中空部34bに挿入されている。
【0038】
溝部34aには、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の第2側縁部45が、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の上縁部42が上枠材31の溝部31aへの挿入されている形態と同様の形態に挿入されている。
【0039】
雨戸1の製作方法を説明する。パネル4の周縁部41にグレージングチャンネル5を取り付ける。パネル4の上縁部42を上枠材31の溝部31aに嵌め込む。パネル4の下縁部43を下枠材32の溝部32aに嵌め込む。パネル4の第1側縁部44を第1縦枠材33の溝部33aに嵌め込む。パネル4の第2側縁部45を第2縦枠材34の溝部34aに嵌め込む。第1縦枠材33と第2縦枠材34によって、パネル4、上枠材31および下枠材32を左右方向から挟み込む。第1縦枠材33および第2縦枠材34を上枠材31および下枠材32にネジなどで固定する。
【0040】
引き違い窓2の開口部23を覆う雨戸1のパネル4は、透光性を有している。雨戸1は、屋外の光を屋内へ取り入れることができる。パネル4は、ポリカーボネート製である。このため、パネル4が雨風や飛来物の衝撃によって変形や破損することを防止できる。雨戸1は、引き違い窓2の障子を雨風や飛来物から保護できる。雨戸1は、鋼板のパネルを用いた雨戸と比べて、軽量化を図ることができる。
【0041】
枠部3は、グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の周縁部41に取り付けられている。このため、パネル4の周縁部41に枠部3を容易に取り付けることができる。
【0042】
グレージングチャンネル5の底部52の上面と、上枠材31の中板部313の下面、すなわち溝部31aの底面と、の間には、隙間55が形成されている。このため、パネル4が外気によって膨張した場合に、パネル4の上端面421およびグレージングチャンネル5の底部52が上枠材31の中板部313と接触して負荷がかかりパネル4や上枠材31が変形したり損傷したりすることを防止できる。ポリカーボネート製のパネル4は、撓みにくいため、外気によって膨張した際に上枠材31と接触して負荷がかかると損傷する虞がある。このため、隙間55を設けることによって、パネル4の損傷を防止できる。
【0043】
グレージングチャンネル5の底部52の上面と、上枠材31の中板部313の下面と、の隙間55は、特許請求の範囲の「パネルの周端面と枠部との間の隙間」相当する。パネル4の上端面421は、特許請求の範囲の「パネルの周端面」に相当する。下枠材32の中板部323と、パネル4の下縁部43に取り付けられたグレージングチャンネル5の底部52との間には、隙間55が形成されている。第1縦枠材33の中板部333と、パネル4の第1側縁部44に取り付けられたグレージングチャンネル5の底部52と、の間には、隙間55が形成されている。第2縦枠材34の中板部343と、パネル4の第2側縁部45に取り付けられたグレージングチャンネル5の底部52と、の間は、隙間55が形成されている。
【0044】
グレージングチャンネル5が取り付けられたパネル4の上縁部42は、第3突出部541および第4突出部542の弾性変形の復元力によってグレージングチャンネル5の溝部51の内部において屋外側、すなわち屋外側部53側に押し付けられている。パネル4は、屋外側に寄せられた状態で上枠材31に取り付けられている。パネル4は、屋外側に寄せられた状態で下枠材32、第1縦枠材33および第2縦枠材34に取り付けられている。このため、パネル4の屋外側の面と、枠部3の屋外側の面、すなわち屋外板部311,321,331,341の屋外側の面との段差が少なくなり、屋外からの意匠性を向上できる。
【0045】
(第2実施形態)
図5に示すように、第2実施形態の雨戸1Bのパネル4Bは、鋼製である。パネル4Bの周縁部41には、グレージングチャンネル5が取り付けられている。パネル4Bの周縁部41は、枠部3に支持されている。パネル4Bには、板面を貫通する複数の孔部46が形成されている。複数の孔部46は、丸孔である。複数の孔部46は、左右方向および上下方向に間隔をあけて配列されている。複数の孔部46は、屋外の光を屋内へ通すことができる。複数の孔部46は、特許請求の範囲の「光を通す加工」に相当する。パネル4Bは、透光性を有している。雨戸1Bは、引き違い窓2の障子を雨風や飛来物から保護しつつ、屋外の光を屋内へ取り入れることができる。孔部46の形状や数は、適宜設定されてよい。孔部46には、透光性を有する部材が嵌め込まれていてもよい。
【0046】
(第3実施形態)
図6に示すように、第3実施形態による雨戸1Cの枠部3Cには、横材38が設けられている。横材38は、左右方向に延びる部材である。横材38の左右方向の一方側の端部は、第1縦枠材33の上下方向の中間部と接続されている。横材38の左右方向の他方側の端部は、第2縦枠材34の上下方向の中間部と接続されている。横材38には、上方に開口する溝部38aと、下方に開口する溝部38bと、が形成されている。横材38の溝部38a,38bは、上枠材31の溝部31aと同様の形態である。上枠材31と横材38との間には、第1パネル47が設けられている。下枠材32と横材38との間には、第2パネル48が設けられている。第1パネル47および第2パネル48は、特許請求の範囲の「パネル」に相当する。第1パネル47および第2パネル48の周縁部471,481には、グレージングチャンネル5が取り付けられている。第1パネル47および第2パネル48の周縁部471,481は、枠部3および横材38に支持されている。
【0047】
第1パネル47は、透光性を有している。第2パネル48は、屋外の光を屋内へ透過させない材質で形成されている。第2パネル48は、透光性を有していない。第1パネル47および第2パネル48は、それぞれ樹脂製であってもよいし、鋼製であってもよいし、他の材料で製作されていてもよい。雨戸1Cは、引き違い窓2の障子を雨風や飛来物から保護しつつ、屋外の光を屋内へ取り入れることができる。透光性を有する第1パネル47および透光性を有していない第2パネル48の配置や数は、適宜設定されてよい。第1パネル47と第2パネル48とは、上下方向に代わって左右方向に配列されていてもよい。透光性を有する第1パネル47は、全体が透明や半透明の板状であってもよい。第1パネル47は、第2実施形態のパネル4Bのように、複数の孔部46などの光を通す加工がされていてもよい。パネルは、少なくとも一部が透光性を有していればよい。
【0048】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、第1実施形態のパネル4は、ポリカーボネート以外の樹脂製や鋼製あってもよいし、樹脂および鋼材以外の材料で製作されていてもよい。第2実施形態のパネル4Bは、樹脂製であってもよいし、樹脂および鋼材以外の材料で製作されていてもよい。
【0049】
パネル4の周縁部41には、グレージングチャンネルが取り付けられていなくてもよい。パネル4の周縁部41が枠部3に直接取り付けられていてもよい。雨戸に枠部が設けられていなくてもよい。雨戸のパネルが引き違い窓2の上枠21および下枠22に設けられたガイド溝211,221に沿って左右方向にスライドしてもよい。
【0050】
パネル4の周端面と枠部3との間には、隙間が形成されていなくてもよい。グレージングチャンネル5には、パネル4を屋外側に寄せる寄せ部が設けられていなくてもよい。パネル4は、屋外側に寄せられた状態で枠部3に取り付けられていなくてもよい。
【0051】
雨戸1,1B,1Cは、引き違い窓2以外の窓に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1,1B,1C 雨戸、2 引き違い窓、3,3C 枠部、4,4B パネル、5 グレージングチャンネル、23 開口部、38 横材、46 孔部、47 第1パネル、48 第2パネル、55 隙間、541 第3突出部、542 第4突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6