(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102606
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】RFIDラベル連続体、RFIDラベル、RFIDラベル発行方法及びRFIDラベルの使用方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20240724BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
G06K19/077 224
G06K19/077 280
G06K19/077 144
G09F3/00 M
G09F3/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006612
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 雅規
(57)【要約】
【課題】RFIDラベルの二次使用を容易にすること。
【解決手段】RFIDラベルは、インレイ基材、インレイ基材に形成されたアンテナ及びICチップを有するインレイと、インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、被着体用粘着剤層の一部に仮着されたセパレータと、を備え、アンテナ及びICチップを含む第一部分と、残余の第二部分とを分離するようにラベルミシン目が形成されており、少なくとも第一部分に対応する被着体用粘着剤層がセパレータにより覆われ、第二部分に対応する被着体用粘着剤層は、露出している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、
前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、
前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、を備える複数のRFIDラベルが長尺帯状のセパレータに仮着されたRFIDラベル連続体であって、
前記セパレータには前記RFIDラベル連続体の長手方向に延びるスリットが形成され、前記スリットは前記インレイ基材と重複し、且つ前記アンテナと重複しない領域を通過している、
RFIDラベル連続体。
【請求項2】
請求項1に記載のRFIDラベル連続体であって、
前記RFIDラベルには、前記表面基材及び前記インレイ基材を貫通するカット部を有するラベルミシン目が、前記スリットと前記アンテナとの間に、前記スリットに沿う方向に設けられた、
RFIDラベル連続体。
【請求項3】
請求項1に記載のRFIDラベル連続体であって、
前記セパレータには、前記RFIDラベルの各々の間に、前記セパレータを貫通するカット部を有するセパレータミシン目が、前記スリットを起点として前記アンテナが形成された側の端部に亘って形成された、
RFIDラベル連続体。
【請求項4】
インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、
前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、
前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、
前記被着体用粘着剤層の一部に仮着されたセパレータと、
を備え、
前記表面基材及び前記インレイ基材を貫通するカット部を有するラベルミシン目は、前記アンテナ及び前記ICチップを含む第一部分と、残余の第二部分とを分離するように形成されており、
前記セパレータは、前記被着体用粘着剤層において、少なくとも前記第一部分を覆い、少なくとも前記第二部分の一部は、前記被着体用粘着剤層が露出しているとともに、
前記表面基材及び前記インレイ基材は、弾性によってラベルミシン目に沿って谷折りになるような歪みを有している、
RFIDラベル。
【請求項5】
インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、
前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、
前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、を備える複数のRFIDラベルが長尺帯状のセパレータに仮着され、
前記セパレータには長手方向に延びて前記セパレータを二分割するスリットが形成され、前記スリットは前記インレイ基材と重複し、且つ前記アンテナと重複しない領域を通過しているRFIDラベル連続体から、
前記スリットによって分割された前記セパレータのうち前記インレイの前記アンテナ及び前記ICチップを含まない部分に対応するセパレータを剥離して、前記被着体用粘着剤層の一部が露出したセパレータ付きのRFIDラベルを発行する、
RFIDラベル発行方法。
【請求項6】
インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、
前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、
前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、
前記被着体用粘着剤層の一部を覆うセパレータと、
を備え、
前記表面基材及び前記インレイ基材を貫通するカット部を有するラベルミシン目が、前記アンテナと重複しない且つ前記インレイ基材と重複する領域に形成されており、
前記セパレータは、前記被着体用粘着剤層において、前記アンテナ及び前記ICチップを含む仮着領域を覆っており、前記仮着領域以外の被着体用粘着剤層が露出したセパレータ付きのRFIDラベルにおいて、
前記露出した前記被着体用粘着剤層を被着体に貼り付ける、
RFIDラベルの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDラベル連続体、RFIDラベル、RFIDラベル発行方法及びRFIDラベルの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被着体に貼り付けられるRFIDラベルであって、ラベル基材が被着体に貼り付けられた状態において、RFIDラベルからRFIDインレイを引き剥がすことのできるラベルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したラベルは、RFIDラベルからRFIDインレイを引き剥がすことができるため、被着体が段ボール等の紙製の場合には、リサイクル性の観点から有用である。
【0005】
RFIDラベルのICチップには、ラベル表面に印字される情報よりも多くの情報を記憶させることができるため、RFIDラベルが貼り付けられていた被着体或いはその内容物の固有情報などを記憶することができる。
【0006】
そこで、例えば、物流などの分野においては、RFIDラベルが貼り付けられていた被着体或いはその内容物を管理するために、引き剥がしたRFIDインレイに記憶された情報を使用したい場合がある。
【0007】
しかしながら、特開2009-069936号公報に記載されたRFIDラベルは、RFIDインレイの分別廃棄が目的であり、RFIDラベルから剥がし取られた後のRFIDインレイの再利用を考慮したものではないため、剥がし取られた後のRFIDインレイが二次使用に耐えない場合があった。
【0008】
そこで、本発明は、RFIDラベルの二次使用を容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある態様によれば、インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、を備える複数のRFIDラベルが長尺帯状のセパレータに仮着されたRFIDラベル連続体であって、前記セパレータには前記RFIDラベル連続体の長手方向に延びるスリットが形成され、前記スリットは前記インレイ基材と重複し、且つ前記アンテナと重複しない領域を通過している、RFIDラベル連続体が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のある態様によれば、RFIDラベルの二次使用を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係るRFIDラベル連続体の表面を説明する平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係るRFIDラベル連続体の裏面を説明する平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係るRFIDラベルを説明する平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係るRFIDラベル連続体においてRFIDラベルに印字を行うプリンタの要部を説明する側面概略図である。
【
図6】
図6は、プリンタによってRFIDラベル連続体からセパレータの一部を剥離した状態で発行されるRFIDラベルを説明する模式図である。
【
図7】
図7は、本実施形態に係るRFIDラベルを適用したSPDプロセスにおいて、供給者フェーズを説明する模式図である。
【
図8】
図8は、本実施形態に係るRFIDラベルを適用したSPDプロセスにおいて、利用者フェーズを説明する模式図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係るRFIDラベルのSPDプロセスにおいて、RFIDラベルに基づいて作成される管理テーブルの一例を説明する説明図である。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベルを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に記載する形態は、図面の簡単な説明により説明される図面に限定されるものではない。
【0013】
本発明のある態様の第1の態様は、インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、を備える複数のRFIDラベルが長尺帯状のセパレータに仮着されたRFIDラベル連続体であって、前記セパレータには前記RFIDラベル連続体の長手方向に延びるスリットが形成され、前記スリットは前記インレイ基材と重複し、且つ前記アンテナと重複しない領域を通過している、RFIDラベル連続体である。
【0014】
本発明のある態様の第1の態様によれば、セパレータの長手方向に延びるスリットによって、セパレータが分割されている。このため、分割されたセパレータの一方を剥離して、被着体用粘着剤層の一部が露出したRFIDラベル連続体を形成することができる。
【0015】
これにより、このようなRFIDラベル連続体からは、露出した被着体用粘着剤層によって被着体に貼り付けられ、セパレータに覆われた領域は被着体に貼り付くことがなく、被着体の表面から離れることが可能なRFIDラベルが得られる。
【0016】
したがって、本発明のある態様の第1の態様によれば、RFIDラベルの二次使用を容易にすることができる。
【0017】
本発明のある態様の第2の態様は、前記RFIDラベルには、前記表面基材及び前記インレイ基材を貫通するカット部を有するラベルミシン目が、前記スリットと前記アンテナとの間に、前記スリットに沿う方向に設けられた、第1の態様に記載のRFIDラベル連続体である。
【0018】
本発明のある態様の第2の態様によれば、RFIDラベル連続体において、RFIDラベルには、ラベルミシン目が形成されている。このため、RFIDラベル連続体から得られるRFIDラベルは、被着体用粘着剤層が露出した部分において被着体に貼り付けられても、セパレータに覆われて被着体に貼り付いていない部分を摘まんで、千切り取ることができる。セパレータに覆われた千切り取られる部分には、アンテナ及びICチップが含まれるため、千切り取られた後も、RFIDによる読取装置によって読み取りが可能である。
【0019】
したがって、本発明のある態様の第2の態様によれば、RFIDラベルの二次利用を容易とし、RFIDラベルの利用態様を広げることができる。
【0020】
本発明のある態様の第3の態様は、前記セパレータには、前記RFIDラベルの各々の間に、前記セパレータを貫通するカット部を有するセパレータミシン目が、前記スリットを起点として前記アンテナが形成された側の端部に亘って形成された、第1の態様又は第2の態様に記載のRFIDラベル連続体である。
【0021】
本発明のある態様の第3の態様によれば、セパレータミシン目がスリットを起点としてアンテナが形成された側の端部に亘って形成されているため、RFIDラベル連続体において、セパレータミシン目によって、RFIDラベル連続体からRFIDラベルを単離しやすくなる。
【0022】
本発明のある態様の第4の態様は、インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、前記被着体用粘着剤層の一部に仮着されたセパレータと、を備え、前記表面基材及び前記インレイ基材を貫通するカット部を有するラベルミシン目は、前記アンテナ及び前記ICチップを含む第一部分と、残余の第二部分とを分離するように形成されており、前記セパレータは、前記被着体用粘着剤層において、少なくとも前記第一部分を覆い、少なくとも前記第二部分の一部は、前記被着体用粘着剤層が露出しているとともに、前記表面基材及び前記インレイ基材は、弾性によってラベルミシン目に沿って谷折りになるような歪みを有している、RFIDラベルである。
【0023】
本発明のある態様の第4の態様によれば、RFIDラベルには、ラベルミシン目によって、アンテナ及びICチップが含まれる第一部分と、残余の第二部分とに分離される。また、RFIDラベルにおいて、セパレータは、被着体用粘着剤層において、第一部分及びラベルミシン目よりも第二部分側に及んだ領域を含む仮着領域を覆っており、当該仮着領域以外の領域においては被着体用粘着剤層が露出している。
【0024】
これにより、RFIDラベルは、第二部分によって被着体に貼り付けられても、第一部分は、被着体に貼り付くことがない。このため、RFIDラベルの使用者は、被着体の表面から浮き上がっている第一部分を摘まんで第二部分から千切り取ることができる。
【0025】
また、セパレータに覆われた第一部分には、アンテナ及びICチップが含まれるため、千切り取られた後も読み取りが可能である。
【0026】
したがって、本発明のある態様の第4の態様によれば、RFIDラベルの二次利用を容易にすることができる。
【0027】
本発明のある態様の第5の態様は、インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、を備える複数のRFIDラベルが長尺帯状のセパレータに仮着され、前記セパレータには長手方向に延びて前記セパレータを二分割するスリットが形成され、前記スリットは前記インレイ基材と重複し、且つ前記アンテナと重複しない領域を通過しているRFIDラベル連続体から、前記スリットによって分割された前記セパレータのうち前記インレイの前記アンテナ及び前記ICチップを含まない部分に対応するセパレータを剥離して、前記被着体用粘着剤層の一部が露出したセパレータ付きのRFIDラベルを発行する、RFIDラベル発行方法である。
【0028】
本発明のある態様の第5の態様によれば、RFIDラベル連続体において、スリットによって分割されたセパレータにおけるアンテナ及びICチップが含まれない部分が連続的に剥離されて、被着体用粘着剤層の一部が露出したセパレータ付きのRFIDラベルが発行される。
【0029】
また、セパレータは、スリットにおいて二分割されるため、アンテナ及びICチップが含まれない部分に対応するセパレータが剥離されて、被着体用粘着剤層が露出したRFIDラベルを発行することができる。
【0030】
したがって、本発明のある態様の第5の態様によれば、RFIDラベルの二次使用を容易にすることができる。また、RFIDラベル連続体から分離された個々のRFIDラベルの貼り付け作業時において、セパレータの一部をRFIDラベルから剥がす作業が不要となる。
【0031】
本発明のある態様の第6の態様は、インレイ基材、前記インレイ基材に形成されたアンテナ及び前記アンテナに接続されたICチップを有するインレイと、前記インレイの一面にラミネート用粘着剤層を介して積層された表面基材と、前記インレイの他面に形成された被着体用粘着剤層と、前記被着体用粘着剤層の一部を覆うセパレータと、を備え、前記表面基材及び前記インレイ基材を貫通するカット部を有するラベルミシン目が、前記アンテナと重複しない且つ前記インレイ基材と重複する領域に形成されており、前記セパレータは、前記被着体用粘着剤層において、前記アンテナ及び前記ICチップを含む仮着領域を覆っており、前記仮着領域以外の被着体用粘着剤層が露出したセパレータ付きのRFIDラベルにおいて、前記露出した前記被着体用粘着剤層を被着体に貼り付ける、RFIDラベルの使用方法である。
【0032】
本発明のある態様の第6の態様によれば、仮着領域としての被着体用粘着剤層の一部がセパレータにより覆われたRFIDラベルにおける、露出した被着体用粘着剤層を被着体に貼り付ける。
【0033】
したがって、本発明のある態様の第6の態様によれば、RFIDラベルの二次使用を容易にすることができる。また、RFIDラベル連続体から分離された個々のRFIDラベルの貼り付け作業時において、セパレータの一部をRFIDラベルから剥がす作業が不要となる。したがって、使用者によるRFIDラベルの貼り付け作業の作業効率を向上させることができる。
【0034】
[RFIDラベル連続体]
本実施形態に係るRFIDラベル連続体100について説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施形態に係るRFIDラベル連続体100の表面を説明する平面図であり、
図2は、RFIDラベル連続体100の裏面を説明する平面図である。
【0036】
図1及び
図2に示されたX方向を「ラベル幅方向」と記す。また、X方向に交差するY方向を「ラベルピッチ方向」と記す。RFIDラベル連続体100の幅方向は、RFIDラベル1の幅方向(X方向)に対応し、RFIDラベル連続体100の長手方向は、ラベルピッチ方向(Y方向)に対応する。
【0037】
本実施形態において、RFIDラベル連続体100とは、複数のRFIDラベル本体16(
図3及び
図4参照)が長尺帯状のセパレータ200に貼り付けられた連続体である。
【0038】
セパレータ200には、セパレータ200に配置されたRFIDラベル本体16に形成されたラベルミシン目20よりも幅方向外側に、セパレータ200を貫通(切断)し、セパレータ200の長手方向(Y方向)に延びるスリット201が形成されている。
【0039】
本実施形態においては、スリット201は、セパレータ200を完全に切断する切断線のほか、RFIDラベル連続体100の長手方向において所定の間隔毎に連続部分を残して、RFIDラベル連続体100の長手方向に延びる切断線であってもよい。
【0040】
また、セパレータ200には、セパレータ200に仮着された隣接する2つのRFIDラベル本体16の間に、スリット201を起点として、セパレータ200の幅方向(X方向)に亘ってセパレータ200の側縁部212まで延びるセパレータミシン目202が形成されている。
【0041】
図2に示すように、RFIDラベル連続体100には、セパレータ200の側縁部211,212に複数のタイミングマーク19が印刷されている。複数のタイミングマーク19の各々は、Y方向におけるRFIDラベル1の長さに対応する間隔で形成されている。
【0042】
タイミングマーク19は、プリンタがRFIDラベル連続体100に印字を行う際に、プリンタに備えられた光学センサ等によって、RFIDラベル本体16のそれぞれを検出するために使用される。本実施形態においては、タイミングマーク19は、セパレータミシン目202に隣接する位置に予め印刷されている。
【0043】
セパレータ200は、スリット201によって、RFIDラベル1の第一部分1A及びラベルミシン目20よりも第二部分1B側に及んだ領域23を含む仮着領域24を覆うセパレータ主部200Aと、上述した仮着領域以外の非仮着領域25を覆うセパレータ副部200Bとに分けられる(
図3及び
図4参照)。
【0044】
<RFIDラベル連続体の作用効果>
本実施形態に係るRFIDラベル連続体100によれば、セパレータ200の長手方向に連続して形成されたスリット201によって、セパレータ200が分割されている。このため、分割されたセパレータ200の一方(セパレータ副部200B)を剥離して、被着体用粘着剤層17(
図4参照)の一部が露出したRFIDラベル連続体100を形成することができる。
【0045】
セパレータ200の長手方向(Y方向)に連続して形成されたスリット201によって分けられたセパレータ副部200Bは、後述するプリンタ50において剥離することができる。
【0046】
これにより、RFIDラベル本体16の第一部分1A(
図3及び
図4)がセパレータ主部200Aに覆われ、RFIDラベル本体16の第二部分1B(
図3及び
図4)における被着体用粘着剤層17が露出した状態のRFIDラベル連続体100を形成することができる。
【0047】
RFIDラベル連続体100において、セパレータ200には、セパレータミシン目202が形成されているため、RFIDラベル連続体100からRFIDラベル1を単離しやすくなる。また、セパレータミシン目202は、セパレータ200の幅方向において、スリット201からアンテナ12が位置する側の端部に亘って形成されている。
【0048】
このため、アンテナ12と重複しない領域且つインレイ基材11と重複する領域に対応する領域を覆うセパレータ副部200Bをセパレータ200の長手方向において分断することなく連続して剥離することができる。
【0049】
また、RFIDラベル連続体100において、セパレータミシン目202によって、RFIDラベル連続体100からRFIDラベル1を単離することができる。
【0050】
RFIDラベル本体16の第二部分1Bにおける被着体用粘着剤層17が露出した状態のRFIDラベル連続体100からセパレータミシン目202によって切り取られた単体が
図3及び
図4に示すRFIDラベル1である。
【0051】
このように切り取られて得られたRFIDラベル1は、アンテナ12及びICチップ13が含まれる第一部分1Aがセパレータ主部200Aによって覆われ、アンテナ12及びICチップ13を含まず表面基材15及びインレイ基材11だけを含む第二部分1Bは、露出している。
【0052】
本実施形態に係るRFIDラベル連続体100によれば、第二部分1Bによって被着体に貼り付けられても、第一部分1Aが被着体に貼り付くことがなく、被着体の表面から浮き上がるように貼り付けることが可能なRFIDラベル1を容易に提供することができる。
【0053】
したがって、RFIDラベル連続体100によれば、RFIDラベル1の二次使用を容易にすることができる。また、RFIDラベル1の利用態様を広げることができる。
【0054】
[RFIDラベル]
続いて、本発明の実施形態に係るRFIDラベル1を説明する。
【0055】
図3は、本発明の実施形態に係るRFIDラベル1を表面側からみた平面図である。
図4は、
図3のIV-IV線断面図である。
【0056】
RFIDラベル1は、インレイ10を有する。インレイ10は、インレイ基材11と、インレイ基材11の一方の面に所定のパターンとして形成されたアンテナ12と、アンテナ12に接続されたICチップ13からなる。一例として、アンテナ12とICチップ13は、加熱又は紫外線照射により硬化する異方導電性接着剤により接続されている。
【0057】
また、RFIDラベル1は、インレイ基材11に表面基材15が積層された面とは反対面側に形成された被着体用粘着剤層17を有する。RFIDラベル1は、被着体用粘着剤層17の一部を露出して被着体用粘着剤層17を覆うセパレータ18を備える。
【0058】
セパレータ18は、RFIDラベル連続体100におけるセパレータ200の一部分に相当する。
【0059】
RFIDラベル1は、ラミネート用粘着剤層14を介してインレイ基材11のアンテナ12が形成された面を覆う表面基材15を有する。本実施形態においては、
図4に示すように、表面基材15とラミネート用粘着剤層14とが粘着紙Rを構成しており、RFIDラベル1は、粘着紙R、インレイ10、被着体用粘着剤層17、セパレータ18を、この順に積層したものである。
【0060】
インレイ10は、インレイ10と同形状且つ同面積に形成された被着体用粘着剤層17を介して、セパレータ18に仮着されている。表面基材15は、インレイ10よりも面積が広く形成されている。このため、インレイ10の周囲から、はみ出た表面基材15の一部は、ラミネート用粘着剤層14によってセパレータ18に仮着している。
【0061】
本実施形態において、インレイ10と、ラミネート用粘着剤層14を介してインレイ10に貼り付けられた表面基材15とを含む構成をRFIDラベル本体16と定義し、RFIDラベル本体16と、RFIDラベル本体16の被着体用粘着剤層17の一部を露出してRFIDラベル本体16を覆うセパレータ18とを含む構成をRFIDラベル1と定義する。
【0062】
図3に示されるように、セパレータ18の縁部の近傍には、タイミングマーク19が印刷されている。タイミングマーク19は、プリンタがRFIDラベル1に印字する際に、プリンタに備えられた光学センサ等によって、RFIDラベル1を検出するために使用される。
【0063】
本実施形態においては、RFIDラベル1において、表面基材15の表面をRFIDラベル1の表面側と称し、セパレータ18の表面(露出面)をRFIDラベル1の裏面側と称する。
【0064】
表面基材15は、例えば、表面に、熱により発色する感熱発色層が形成された感熱紙であり、いわゆる、ダイレクトサーマル方式のプリンタにより印字可能である。
【0065】
RFIDラベル1には、表面基材15及びインレイ基材11の一部を表面基材15及びインレイ基材11の他の部分から分離するラベルミシン目20が形成されている。
【0066】
図3及び
図4に示すように、ラベルミシン目20は、アンテナ12と重複しない領域且つインレイ基材11と重複する領域に形成されている。ラベルミシン目20は、表面基材15及びインレイ基材11を貫通するカット部21と、カットしないアンカット部22とで構成される。
図4には、カット部21が示されている。
【0067】
RFIDラベル1は、ラベルミシン目20によって、アンテナ12及びICチップ13が含まれる第一部分1Aと、表面基材15及びインレイ基材11を含む第二部分1Bとに分離される。
【0068】
RFIDラベル1において、セパレータ18は、被着体用粘着剤層17において、第一部分1A及びラベルミシン目20よりも第二部分1B側に及んだ領域を含む仮着領域24を覆っている。
【0069】
RFIDラベル1は、上述した仮着領域以外の領域(非仮着領域)25では、被着体用粘着剤層17が露出している。
【0070】
これにより、RFIDラベル1は、第二部分1Bにおいて被着体に貼り付けられるものの、ラベルミシン目20によって、第一部分1Aは、分離可能とされている。すなわち、RFIDラベル1において被着体に残される第二部分1Bは、被着体に残留するが、ラベルミシン目20によって分離された第一部分1Aは、セパレータ18によって覆われているため、「タグや表示札」として機能する。
【0071】
続いて、RFIDラベル1を構成する各部について説明する。
【0072】
インレイ基材11として適用可能な材料としては、厚紙、上質紙、中質紙、又はこれらに塗工層を形成したコート紙等の紙基材を用いることができる。
【0073】
インレイ基材11の厚さは、RFIDラベル1に適用する場合には、10μm以上300μm以下とすることができる。
【0074】
インレイ基材11が紙基材である場合には、上記範囲のなかでも、50μm以上260μm以下の厚さの紙基材を使用することができ、とりわけ、厚さ80μmの紙基材を使用することができる。
【0075】
また、本実施形態においては、上記紙基材のほか、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート等の樹脂単体からなる単層の樹脂シート、又はこれら単層シートを複数積層してなる多層の樹脂シートを使用することができる。
【0076】
インレイ基材11が樹脂シートである場合には、上記範囲のなかでも、25μm以上200μm以下、なかでも、厚さ10μm以上200μm以下の樹脂シートを使用することができる。
【0077】
上記インレイ基材11の材料及び厚さは、用途に応じて、上記範囲において適宜選択可能である。
【0078】
アンテナ12は、RFIDラベル1において、
図3及び
図4に示されたX方向に亘って形成されている。アンテナ12は、導電性材料が含まれた導電性シートによって形成することができる。導電性シートとしては、金属箔を用いることができ、特に、アルミニウム又は銅のシートを用いることができる。
【0079】
本実施形態においては、アンテナ12は、
図3に示されるように、ループ部31と、ICチップ13がマウントされるICチップ接続部32と、ループ部31からラベル幅方向(X方向)に左右対称に延びるメアンダ33,34と、メアンダ33,34の端部に接続されるキャパシタハット35,36とを備える。
【0080】
本実施形態では、アンテナ12は、一例として、UHF帯(300MHz~3GHz、特に860MHz~960MHz)に対応したアンテナ長さ及びアンテナ線幅になるように設計されたUHF帯RFIDアンテナである。
【0081】
アンテナ12は、このほか、RFIDの仕様に応じて、マイクロ波(1~30GHz、特に2.4GHz近傍)、及びHF帯(3MHz~30MHz、特に13.56MHz近傍)等の特定の周波数帯に対応したパターンに設計されてもよい。
【0082】
アンテナ12を形成することのできる金属箔の厚さは、RFIDラベル1の厚さ、及び製造コスト等を考慮して設定することができ、3μm以上50μm以下であることが好ましい。本実施形態においては、製造コストを抑える観点から、一例として、厚さ7μmのアルミニウム箔を用いることが好ましい。
【0083】
また、図面には示されていないが、アンテナ12は、例えば、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、ゴム系等の粘着剤や接着剤からなるラミネート用粘着剤層によりインレイ基材11に接着されている。
【0084】
ICチップ13は、読取装置(一例として、
図8に例示される読取装置310)又は読取部を備えたプリンタとの間で通信可能に設計された半導体パッケージである。
【0085】
<RFIDラベルの作用効果>
RFIDラベル1には、アンテナ12と重複しない領域且つインレイ基材11と重複する領域に形成されたラベルミシン目20によって、アンテナ12及びICチップ13が含まれる第一部分1Aと、アンテナ12及びICチップ13を含まず表面基材15及びインレイ基材11だけを含む第二部分1Bとに分離される。
【0086】
RFIDラベル1において、セパレータ18は、被着体用粘着剤層17において、第一部分1A及びラベルミシン目20よりも第二部分1B側に及んだ領域23を含む仮着領域24を覆い、当該仮着領域24以外の非仮着領域25では、被着体用粘着剤層17が露出している。
【0087】
換言すれば、RFIDラベル1は、被着体へ貼り付けるための被着体用粘着剤層17の一部が露出するようにセパレータ18が貼り付けられたセパレータ付きのRFIDラベルである。
【0088】
また、第一部分1Aは、ラベルミシン目20によって、第二部分1Bと分離可能とされている。
【0089】
これにより、RFIDラベル1は、第二部分1Bによって被着体に貼り付けられても、第一部分1Aは、被着体に貼り付くことがない。このため、RFIDラベル1の使用者は、被着体の表面から浮き上がっている第一部分1Aを摘まんで第二部分1Bから千切り取ることができる。
【0090】
また、セパレータ18に覆われた第一部分1Aには、アンテナ12及びICチップ13が含まれるため、千切り取られた後も、RFIDによる読取装置310(
図8に例示される)によって読み取りが可能である。
【0091】
すなわち、RFIDラベル1において被着体に残される第二部分1Bは、「ラベル」として機能し、ラベルミシン目20によって分離された第一部分1Aは、セパレータ18によって覆われているため、「タグ」として機能することができる。したがって、本実施形態に係るRFIDラベル1によれば、RFIDラベルの利用態様を広げることができる。
【0092】
[プリンタ]
以下、本発明の実施形態に係るRFIDラベル1に印字可能なプリンタ50について、図面を参照して詳細に説明する。
【0093】
図5は、本発明の実施形態に係るRFIDラベル連続体100において、RFIDラベル本体16に印字可能なプリンタ50の要部を説明する側面概略図である。
図6は、プリンタ50によってRFIDラベル連続体100からセパレータ200の一部を剥離した状態で発行されるRFIDラベル1を説明する模式図である。
【0094】
プリンタ50は、サーマルヘッド51と、プラテンローラ52とを備える。
【0095】
図5は、ダイレクトサーマルプリンタの例であり、RFIDラベル連続体100のRFIDラベル1の所定位置に印字を行う。
【0096】
プラテンローラ52は、サーマルヘッド51とRFIDラベル連続体100を挟持し、回転駆動によって、RFIDラベル連続体100を搬送方向Fに搬送する。
【0097】
また、プリンタ50は、RFIDラベル本体16に搭載されたRFIDに準拠したICチップ13にデータを書き込むためのRFIDアンテナ53を備える。
【0098】
プリンタ50は、上述した印字及び書き込みのための構成のほか、RFIDラベル連続体100の搬送時に、セパレータ200の一部(セパレータ副部200B)を剥離するための剥離機構60を備える。
【0099】
剥離機構60は、RFIDラベル連続体100からセパレータ副部200Bを剥離するための転向板61と、剥離されたセパレータ副部200Bを巻き取るための一対の搬送ローラ62,63とを備える。
【0100】
一対の搬送ローラ62,63は、セパレータ副部200Bを挟持するとともに、セパレータ副部200Bに適正張力を与えながら搬送することができる。搬送ローラ62は、駆動ローラであり、もう一方の搬送ローラ63は、従動ローラである。駆動ローラには、図示しない駆動源からギアを介して動力が伝達される。
【0101】
これにより、セパレータ副部200Bは、一対の搬送ローラ62,63に挟持されて引っ張られながら、RFIDラベル連続体100から連続的に剥離されて、図示しない巻取リールに巻き取られる。
【0102】
転向板61は、転向板61における搬送方向Fの下流側の端部61aを基点として、セパレータの一部(セパレータ副部200B)を搬送方向Fの反対方向に転向する。
【0103】
以上の構成を備えたプリンタ50によれば、RFIDラベル連続体100は、図示しない供給リールから供給されて、サーマルヘッド51及びプラテンローラ52に挟持されて搬送される。RFIDラベル連続体100は、RFIDラベル1の所定位置に印字が行われた後、剥離機構60に移送される。
【0104】
図5及び
図6に示すように、剥離機構60では、セパレータ200におけるセパレータ副部200Bが転向板61の搬送方向Fの下流側の端部61aによって鋭角に方向転換されて、一対の搬送ローラ62,63に挟持されて引っ張られながら、図示しない巻取リールに巻き取られる。
【0105】
これにより、RFIDラベル連続体100に配置されたRFIDラベル1の所定領域に印字を行った後、RFIDラベル1における被着体用粘着剤層17の一部を露出した状態のRFIDラベル連続体100が得られる。
【0106】
図6に示すように、得られたRFIDラベル連続体100から、セパレータミシン目202において、単体のセパレータ18を備えたRFIDラベル1を千切り取ることができる。
【0107】
<プリンタの作用効果>
剥離機構60を備えたプリンタ50によれば、RFIDラベル1の表面基材15に情報が印字されるとともにICチップ13にデータを記憶することができ、セパレータ副部200Bが転向板61により、RFIDラベル連続体100からRFIDラベル連続体100の搬送方向Fとは反対方向に転向されることにより、RFIDラベル連続体100からセパレータ副部200Bを連続的に剥離することができる。
【0108】
また、RFIDラベル連続体100をセパレータミシン目202において分断すれば、第一部分1A及びラベルミシン目20よりも第二部分1B側に及んだ領域23を含む仮着領域24がセパレータ18によって覆われ、仮着領域24以外の非仮着領域25において被着体用粘着剤層17が露出したRFIDラベル1を発行することができる。したがって、RFIDラベル1の二次使用を容易にすることができる。
【0109】
また、RFIDラベル1の貼り付け作業時において、使用者は、セパレータ18の一部(セパレータ副部200B)をRFIDラベル1から剥がす作業が不要となる。したがって、使用者によるRFIDラベル1の貼り付け作業の作業効率を向上させることができる。
【0110】
[RFIDラベルの使用方法]
本実施形態に係るRFIDラベル1の使用方法について説明する。
【0111】
近年、医療分野では、医療材料を滞りなく流通させるために、SPD(Supply(供給)/Processing(加工)/Distribution(分配))プロセスが運用されている。現在のSPDプロセスでは、医療材料の供給者は、利用者(病院等)から医療材料が発注されると、発注書を出力し、医療材料が梱包された箱へテープ等を用いて貼り付けて、利用者(病院等)へ発送することが行われている。
【0112】
利用者は、箱からカードを外し、カードに記載された発注品(医療材料)の情報を、例えば、台帳に記録したり、PC(パーソナルコンピュータ)等に入力したりすることによって、医療材料の検品や在庫管理を行っている。
【0113】
本実施形態に係るRFIDラベル1は、このSPDプロセスに適用可能である。
【0114】
図7は、本実施形態に係るRFIDラベル1を適用したSPDプロセスにおいて、供給者フェーズを説明する模式図である。
図8は、本実施形態に係るRFIDラベル1を適用したSPDプロセスにおいて、利用者フェーズを説明する模式図である。
【0115】
本実施形態に係るRFIDラベル1には、
図5及び
図6を用いて説明したプリンタ50によって、利用者からの発注情報が印字されるとともに、RFIDラベル1に搭載されたICチップ13に発注情報等を記憶することができる。
【0116】
RFIDラベル1は、ラベルミシン目20によって、アンテナ12及びICチップ13が含まれる第一部分1Aと、アンテナ12及びICチップ13が含まれない第二部分1Bとに分離可能である。
【0117】
また、RFIDラベル1において、セパレータ18は、被着体用粘着剤層17において、第一部分1A及びラベルミシン目20よりも第二部分1B側に及んだ領域23を含む仮着領域24を覆っており、当該仮着領域24以外の非仮着領域25では、被着体用粘着剤層17が露出している。
【0118】
このため、供給者は、
図7に示すように、利用者から発注された医療材料を箱300に梱包し、発注情報等が印字されるとともにICチップ13に記憶されたRFIDラベル1を箱300に貼り付けて出荷する。
【0119】
一方、箱300を受け取った利用者は、
図8に示すように、箱300に貼り付けられたRFIDラベル1から第一部分1Aを切り離すことができる。
【0120】
図5に示したプリンタによれば、RFIDラベル1における仮着領域24がセパレータ18に覆われて、当該仮着領域24以外の非仮着領域25では被着体用粘着剤層17が露出した状態のRFIDラベル1が発行される。
【0121】
このため、RFIDラベル1の貼り付け作業時において、セパレータ18の一部をRFIDラベル1から剥がす作業が不要となる。したがって、使用者によるRFIDラベル1の貼り付け作業の作業効率を向上させることができる。
【0122】
RFIDラベル1では、仮着領域24がセパレータ18により覆われているため、ラベルミシン目20において、RFIDラベル1から第一部分1Aが切り取られても、第一部分1Aが他の物品等に貼り付いてしまうことがなく、いわゆる「タグ」のように扱うことができる。
【0123】
RFIDラベル1は、表面基材15及びインレイ基材11を含むため、表面基材15及びインレイ基材11として適用可能な材料に基づく強度を付与することができる。
【0124】
したがって、箱300に貼り付けられた際に、RFIDラベル1が貼り付けられた箱300が他の箱と重ねられたり、接触したりしても、ラベルミシン目20から第一部分1Aが千切れて脱落することを防止できる。
【0125】
また、図面には示されていないが、RFIDラベル1にラベルミシン目20を形成する加工工程では、ミシン目加工の際に、表面基材15とインレイ基材11とが加工機のミシン目刃型によって、セパレータ18側に押圧され、アンカット部22に、谷折りになるような歪みが生じる。
【0126】
これにより、RFIDラベル本体16には、ラベルミシン目20に少し凹ませた筋状の谷折り線が形成され、第一部分1Aと第二部分1Bとが緩やかなV字形状になる折り曲がり癖がつく。
【0127】
このため、RFIDラベル本体16を、第二部分1Bに対応する被着体用粘着剤層17において被着体の表面に貼り付けた場合であっても、第一部分1Aは、被着体の表面に密着することがない。したがって、使用者が第一部分1Aを摘まんで切り取りやすい。
【0128】
また、一般に、RFIDによる通信では、被着体の内容物として金属や液体が含まれると、通信性能が低下することが知られている。これに対して、本実施形態に係るRFIDラベル1では、RFIDラベル本体16を被着体に貼り付けた際に、アンテナ12及びICチップ13が含まれる第一部分1Aが被着体の表面から浮き上がるため、アンテナ12を内容物から遠ざけることができる。
【0129】
なお、ラベルミシン目20の周辺には、歪みが生じることはない。本実施形態においては、表面基材15、ラミネート用粘着剤層14、インレイ基材11がカットされることにより、歪みが残留する。
【0130】
これにより、RFIDラベル1によれば、被着体の内容物として金属や液体が含まれていた場合であっても、ICチップ13の読み取り不良が発生しにくい。
【0131】
本実施形態に係るRFIDラベル1を用いたSPDプロセスの運用によれば、利用者は、例えば、複数のRFIDラベル1を一括して読み取り可能な読取装置310を用いて、第一部分1Aを読み取ることができる。
【0132】
読取装置310により、RFIDラベル本体16から切り離された第一部分1Aを読み取ることによって、供給者から届けられた医療材料の種類や数を直ちに検出することができる。これにより、検品作業や医療材料の管理が容易となる。
【0133】
図9は、本実施形態に係るRFIDラベル1を用いて作成される管理テーブルの一例を説明する模式図である。
【0134】
医療材料の種類や数を、読み取り結果に基づいて、
図9に示すような管理テーブルに展開することができる。利用者は、作成された管理テーブルに基づいて、所望とする医療材料を選択して、再度、発注するなどの作業が容易に行えるようになる。
【0135】
これにより、発注にかかる作業を簡便にすることができ、医療材料の在庫管理のための作業効率が向上する。
【0136】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0137】
本実施形態において、インレイ10に形成されるアンテナ12の形状は、図示された形状に限定されない。例えば、メアンダ33,34は、
図1に示すように左右対称形状でも、左右非対称であってもよい。
【0138】
RFIDラベル1の積層構造は、
図1及び
図2に示した構造に限定されない。
図10は、本発明の別の実施形態に係るRFIDラベル2の断面図である。
図10において、RFIDラベル1と同一の構造については、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0139】
RFIDラベル2は、インレイ基材11のアンテナ12が形成された面の反対面にラミネート用粘着剤層41を介して裏面基材40を備える。また、RFIDラベル2は、裏面基材40に形成された被着体用粘着剤層17と、被着体用粘着剤層17の一部が露出した状態で被着体用粘着剤層17を覆うセパレータ18とを備える。
【0140】
RFIDラベル2は、裏面基材40を備えることにより、ラベルミシン目20により分離された後、タグとして機能する第一部分1Aの強度が高められる。
【0141】
本実施形態においては、剥離機構60によって、セパレータ200からセパレータ副部200Bが長手方向に連続的に剥離できればよい。このため、スリット201は、セパレータ200を厚み方向に完全に切断するもののほか、セパレータ200の厚み方向において、セパレータ200が分断されない程度の厚みを残す、いわゆる、ハーフカットされたスリットであってもよい。
【符号の説明】
【0142】
1,2 RFIDラベル
1A 第一部分
1B 第二部分
10 インレイ
11 インレイ基材
12 アンテナ
13 ICチップ
14 ラミネート用粘着剤層
15 表面基材
16 RFIDラベル本体
17 被着体用粘着剤層
18 セパレータ
19 タイミングマーク
20 ラベルミシン目
21 カット部
22 アンカット部
23 領域
24 仮着領域
25 非仮着領域
31 ループ部
32 ICチップ接続部
33,34 メアンダ
35,36 キャパシタハット
40 裏面基材
41 被着体用粘着剤層
50 プリンタ
51 サーマルヘッド
52 プラテンローラ
53 RFIDアンテナ
60 剥離機構
61 転向板
61a 端部
62,63 搬送ローラ
100 RFIDラベル連続体
200 セパレータ
200A セパレータ主部
200B セパレータ副部
201 スリット
202 セパレータミシン目
211,212 側縁部
300 箱
310 読取装置
R 粘着紙
X ラベル幅方向
Y ラベルピッチ方向