(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102607
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240724BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006614
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003609
【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】長屋 隆之
(72)【発明者】
【氏名】池内 暁紀
(72)【発明者】
【氏名】片平 悟史
(72)【発明者】
【氏名】豊田 章倫
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザーの通信装置の情報に基づきユーザー間のコミュニケーションを解析しようとした場合等に、複数の通信装置をグループ分けする情報処理方法、情報処理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理方法は、通信装置間の受信信号強度に基づいて通信装置同士にリンクを張り、グループ内のリンク密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティを最大化する処理を行うことで複数の通信装置をグループ分けする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムが実行する情報処理方法であって、
通信装置間の受信信号強度に基づいて通信装置同士にリンクを張り、
グループ内のリンク密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティを最大化する処理を行うことで複数の通信装置をグループ分けする、
情報処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記モジュラリティは、以下の式で示され、
モジュラリティ=Σi{eii - (Σj eij)2} = Σi (eii - ai
2)
eiiは、総リンク数に対するグループi内部における通信装置毎のリンク総本数の比率であり、
eijは、総リンク数に対するグループiからグループjへのリンク数比率であり、
aiは、総リンク数に対するグループiから他のグループへのリンク数比率である、
情報処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報処理方法において、
通信装置間の受信信号強度が閾値以上の場合、通信装置同士にリンクを張る、
情報処理方法。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理方法において、
複数の通信装置のグループ分けした結果を出力する、
情報処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理方法において、
グループ分けした結果をそれぞれ異なるグループごとに色分けして出力する、
情報処理方法。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理方法において、
前記通信装置は、ウェアラブルデバイスである、
情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法において、
複数のウェアラブルデバイスそれぞれから音圧の情報を受け取り、
前記音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、ウェアラブルデバイスを装着しているユーザーのうち会話をしている話者を推定する、
情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法において、
前記話者の会話に関する情報を出力する、
情報処理方法。
【請求項9】
請求項7に記載の情報処理方法において、
前記音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、前記話者の会話人数及び発話時間を求める、
情報処理方法。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理方法において、
前記話者の会話人数及び発話時間に基づいて前記話者のコミュニケーションスタイルを解析する、
情報処理方法。
【請求項11】
請求項7に記載の情報処理方法において、
ウェアラブルデバイスを装着しているユーザーを示すオブジェクトを含む画面を表示するよう制御する、
情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理方法において、
前記画面において前記リンクはウェアラブルデバイスを装着しているユーザーを示すオブジェクト間の線で示される、
情報処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理方法において、
ユーザー間の会話時間に応じてオブジェクト間の線の太さを変更する、
情報処理方法。
【請求項14】
請求項11に記載の情報処理方法において、
ユーザーの発話時間に応じて前記オブジェクトの大きさを変更する、
情報処理方法。
【請求項15】
情報処理システムであって、
通信装置間の受信信号強度に基づいて通信装置同士にリンクを張り、
グループ内のリンク密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティを最大化する処理を行うことで複数の通信装置をグループ分けする、
情報処理システム。
【請求項16】
プログラムであって、
コンピュータに、
請求項1から請求項14までの何れか1項に記載の情報処理方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には複数の会話グループが存在する場合でも、会話グループ毎の発話区間を推定する技術が開示されている。特許文献1に開示されている技術では音圧情報に基づき発話区間が算出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザーの通信装置の情報に基づきユーザー間のコミュニケーションを解析しようとした場合等、誰が発話しているかを推定する前にユーザーが参加しているグループを絞り込む必要がある。なぜならユーザーの音圧情報とユーザーの近傍にいる他のユーザーの音圧情報とを比較して初めて誰が発話しているかを特定することができるからである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが実行する情報処理方法が提供される。この情報処理方法は、通信装置間の受信信号強度に基づいて通信装置同士にリンクを張り、グループ内のリンク密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティを最大化する処理を行うことで複数の通信装置をグループ分けする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、ウェアラブル端末110のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、サーバー装置100における情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、近傍のバッジを探索し、リンクを張る一例を示す図である。
【
図6】
図6は、クラスタリング処理を適用することでグルーピングを行う一例を示す図である。
【
図7】
図7は、グルーピングの結果の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、グループ分けした結果をそれぞれ異なるグループごとに色分けして出力した一例を示す図である。
【
図9】
図9は、指定されたユーザーの日ごとの発話時間(分)及び会話人数(人)の変換を示す図である。
【
図10】
図10は、指定されたユーザーの会話人数の時系列の変換の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、指定されたユーザーの発話時間の時系列の変化の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、オブジェクトサイズ及びリングサイズの変更の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0008】
本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、実施形態1においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0009】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0010】
<実施形態1>
1.情報処理システム
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム1000は、システム構成として、サーバー装置100と、複数のウェアラブル端末110と、データ集約用PC(Personal Computer)120と、を含む。ウェアラブル端末110は、ユーザーが装着、又は着用するウェアラブル端末である。ウェアラブル端末110は、他のウェアラブル端末110及びビーコンと短距離無線通信を行い、会話相手及び場所を検知する。ビーコンは執務室や会議室等、ユーザーが利用する空間に設置される。また、ウェアラブル端末110は、ユーザーの音圧に基づき会話を検知する。データ集約用PC120は、ウェアラブル端末110からのデータを収集し、サーバー装置100に送信する。ウェアラブル端末110の一例として、以下に示す実施形態等ではバッジ型のウェアラブルデバイスを例に説明を行う。ただし、ウェアラブル端末110はバッジ型のウェアラブルデバイスに限定されるものではない。以下に示すようにウェアラブル端末110は他のウェアラブル端末110と無線通信を行い、受信信号強度を取得することができ、かつ、マイクによってユーザーの音圧を取得できる、ユーザーが装着、又は着用できるデバイスであればどのようなデバイスであってもよい。ウェアラブル端末110は、通信装置の一例である。データ集約用PC120は、ユーザー数及び/又は執務室、会議室等の空間の大きさ等に応じて複数台設置される。サーバー装置100は、データ集約用PC120を介して受信したウェアラブル端末110からのデータに基づき以下に示す変形例も含む実施形態に関する処理を実行する。
【0011】
なお、特許請求の範囲に記載の情報処理システムは、1つの装置で構成されてもよいし、複数の装置で構成されてもよい。1つの装置で構成される場合、特許請求の範囲に記載の情報処理システムの一例は、サーバー装置100である。複数の装置で構成される場合、特許請求の範囲に記載の情報処理システムの一例は、サーバー装置100の機能を提供するクラウドシステムである。
【0012】
2.ハードウェア構成
(1)サーバー装置100のハードウェア構成
図2は、サーバー装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、サーバー装置100は、ハードウェア構成として、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、を含む。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバー装置100の全体を制御する。記憶部220は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)等の何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム、制御部210がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶させる。制御部210が、記憶部220に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバー装置100の機能及び後述する
図4に示されるフローチャートの処理等が実現される。通信部230は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバー装置100をネットワークに接続し、他の装置との通信を司る。
【0013】
(2)ウェアラブル端末110のハードウェア構成
図3は、ウェアラブル端末110のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、ウェアラブル端末110は、ハードウェア構成として、制御部310と、記憶部320と、集音部330と、通信部340と、を含む。制御部310は、CPU等であって、ウェアラブル端末110の全体を制御する。記憶部320は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)等の何れか、又はこれらの任意の組み合わせであって、プログラム、制御部310がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶させる。制御部310が、記憶部320に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、ウェアラブル端末110の機能などが実現される。集音部330は、マイク等であって、ウェアラブル端末110を使用する使用者の音圧を制御部310に入力する。通信部340は、制御部310の制御に基づき、他のウェアラブル端末110やビーコン等と無線通信を介して接続したり、データ集約用PC120と無線通信を介して接続したりする。
なお、以下ではウェアラブル端末110のことをバッジともいう。
【0014】
3.情報処理
以下、実施形態1の情報処理を説明する。
(処理の概要)
制御部210は、ウェアラブル端末110間の受信信号強度に基づいてウェアラブル端末110同士にリンク(エッジ)を張る。そして、制御部210は、グループ(クラスタ)内のリンク密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティを最大化する処理を行うことで複数のウェアラブル端末110をグループ分けする。このようにすることによって、ウェアラブル端末110をグループ分け、すなわちウェアラブル端末110を使用しているユーザーをグループ分けすることができる。
【0015】
(処理の詳細)
図4は、サーバー装置100における情報処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS410において、制御部210は、各バッジ(ウェアラブル端末110)の受信信号強度(RSSI)に基づき、各バッジ近傍のバッジを探索し、バッジ同士にリンク(エッジ)を張る。より具体的に説明すると、制御部210は、バッジ間の受信信号強度が閾値以上の場合、バッジ同士にリンクを張る。
図5は、近傍のバッジを探索し、リンクを張る一例を示す図である。
図5に示される例では、バッジとしてA~Jの10つのバッジが存在する例において近傍のバッジにリンクを張る例を示す図である。なお、
図5では、バッジの位置関係が予め分かっているように図示されているが、実際は各バッジから他のバッジへのRSSIが測定できるだけである。
図5の例では、バッジAの近くのバッジとしてはバッジB、バッジCが存在し、バッジAとバッジBとの間、バッジAとバッジCとの間にリンクが張られる。バッジBの近くのバッジとしてはバッジA、バッジC、バッジE、バッジFが存在し、バッジBとバッジAとの間、バッジBとバッジCとの間、バッジBとバッジEとの間、バッジBとバッジFとの間にリンクが張られる。バッジCの近くのバッジとしてはバッジA、バッジB、バッジFが存在し、バッジCとバッジAとの間、バッジCとバッジBとの間、バッジCとバッジFとの間にリンクが張られる。同様の処理が行われ、
図5に示されるようなエッジリスト(ネットワーク)が形成される。
【0016】
ステップS420において、制御部210は、クラスタリング処理を適用することでグルーピングを行う。より具体的に説明すると、制御部210は、グループ(クラスタ)内のリンク(エッジ)密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティQを最大化する処理を行うことで複数のウェアラブル端末110をグループ分けする。ここで、モジュラリティQは、以下の式で示される。
モジュラリティQ=Σi{eii - (Σj eij)2} = Σi (eii - ai
2)
eiiは、総リンク数に対するグループi内部におけるバッジ毎のリンク総本数の比率である。
eijは、総リンク数に対するグループiからグループjへのリンク数比率である。
aiは、総リンク数に対するグループiから他のグループへのリンク数比率である。
【0017】
図6は、クラスタリング処理を適用することでグルーピングを行う一例を示す図である。
図6に示される例では、3つのグループに分けるより、2つのグループに分けた方がグループ内のリンク密度が高く、グループ間のリンク密度が低いため、2つのグループに分けられることになる。
【0018】
図7は、グルーピングの結果の一例を示す図である。
図7では、ID:181~ID:219の39個のウェアラブル端末110のRSSIマトリックスが示されている。各2者間のRSSIはN行M列とM行N列とで平均化されている。また、RSSIの近接判定の閾値を-62.5としている。
図7の例では、グループA、グループB、グループC、グループD、グループEの5つのグループに分けられている。
【0019】
ステップS430において、制御部210は、複数のウェアラブル端末110のグループ分けした結果を出力する。例えば、制御部210は、グループ分けした結果をそれぞれ異なるグループごとに色分けして出力する。
図8は、グループ分けした結果をそれぞれ異なるグループごとに色分けして出力した一例を示す図である。
図8の例では、バッジA、バッジB、バッジCが同じグループであり、バッジF、バッジG、バッジJが同じグループであり、バッジD、バッジE、バッジH、バッジIが同じグループである。例えば、制御部210は、
図8に示される画面の表示要求を送信してきたPC、スマートフォン等の情報処理装置の表示部に表示するよう制御する。なお、結果を画面に表示することは出力の一例であり、これに限定されるものではない。例えば、
図8に示されるような図をファイルに記載し、所定の記憶領域に記憶することも出力の他の例である。画面においてリンクはバッジを装着しているユーザーを示す丸と丸との間の線で示される。ここで、丸はオブジェクトの一例であり、丸に限定されずに任意の形であればよい。すなわち、制御部210は、バッジを装着しているユーザーを示すオブジェクトを含む画面を表示するよう制御する。
【0020】
実施形態1によれば、ウェアラブル端末110を使用しているユーザーに関して速やかに適切なグループ分けを行うことができる。また、実施形態1によれば、ユーザー間の関係性を速やかに発見することができる。また、実施形態1によれば、簡便な処理によりグルーピングを行うことができるため、サーバー装置100の制御部210等のハードウェア資源の使用を効率化することができる。また、実施形態1によれば、簡便な処理によりグルーピングを行うことができるため、情報処理システム1000及び/又はサーバー装置100を安価に提供することができる。
【0021】
(変形例1)
実施形態1の変形例1を説明する。
変形例1の制御部210は、複数のバッジそれぞれから音圧の情報を受け取り、音圧の情報と、上述したグループ分けした結果(グルーピングの結果)と、に基づいて、バッジを装着しているユーザーのうち会話をしている話者を推定する。同じグループに所属するユーザーの音圧の情報を比較することによって、精度よく話者を推定することができる。
【0022】
変形例1によれば、精度よく話者を推定することができる。
【0023】
(変形例2)
実施形態1の変形例2を説明する。
変形例2の制御部210は、複数のバッジそれぞれから音圧の情報を受け取り、音圧の情報と、上述したグループ分けした結果(グルーピングの結果)と、に基づいて、バッジを装着しているユーザーのうち会話をしている話者を推定し、推定した話者の会話に関する情報を出力する。例えば、制御部210は、音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、話者の会話人数及び発話時間を求める。そして、制御部210は、求めた話者の会話人数及び発話時間の情報を含む画面を表示するよう制御する。話者の会話人数及び/又は発話時間の情報は、話者の会話に関する情報の一例である。
【0024】
また、制御部210は、音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、指定されたユーザーの日ごとの発話時間(分)及び/又は会話人数(人)の変換の情報を含む画面を表示するよう制御してもよい。指定されたユーザーの日ごとの発話時間(分)及び会話人数(人)の変換の情報は、話者の会話に関する情報の例である。なお、ユーザーの指定は、サーバー装置100と通信可能な情報処理装置の表示部に表示されている画面等を介して行われる。以下においても同様である。
【0025】
図9は、指定されたユーザーの日ごとの発話時間(分)及び会話人数(人)の変換を示す図である。x軸は会話人数(人)を示している。y軸は発話時間(分)を表している。図中の丸は丸の近傍に示されている日の発話時間及び会話人数を示している。また、
図9の例では12月16日から3月12日までの日ごとの変換を示しており、12月16日の青から3月12日の赤までのグラデーションで、丸で示されるオブジェクトの中の色が変化するように表示されている。なお、赤や青は一例であり、他の色であってもよい。その際、変化の最初の色と変化の最後の色とは補色、又は反対色になるようにするとよい。
【0026】
また、制御部210は、音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、指定されたユーザーの会話人数の時系列の変換の情報を含む画面を表示するよう制御してもよい。指定されたユーザーの会話人数の変換の情報は、話者の会話に関する情報の例である。
図10は、指定されたユーザーの会話人数の時系列の変換の一例を示す図である。
【0027】
また、制御部210は、音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、指定されたユーザーの発話時間の時系列の変換の情報を含む画面を表示するよう制御してもよい。指定されたユーザーの発話時間の時系列の変換の情報は、話者の会話に関する情報の例である。
図11は、指定されたユーザーの発話時間の時系列の変化の一例を示す図である。
なお、
図9~
図11のそれぞれの図は別々の画面に表示されてもよいし、同一の画面に一度に表示されてもよい。
【0028】
変形例2によれば、要求に応じて、話者の会話に関する様々な情報を出力することができる。
【0029】
(変形例3)
実施形態1の変形例3を説明する。
変形例3の制御部210は、音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、話者の会話人数及び発話時間を求める。そして、制御部210は、ユーザー間の会話時間に応じて該当するオブジェクト間の線の太さを変更する。また、制御部210は、ユーザーの発話時間に応じてオブジェクトの大きさを変更する。
図12は、オブジェクトサイズ及びリンクサイズの変更の一例を示す図である。制御部210は、発話時間に比例させて丸の直径(オブジェクトサイズ)を大きくしている。また、制御部210は、会話時間に比例させて線の太さ(リンクサイズ)を太くしている。また、制御部210は、クラスタリングの結果に基づきオブジェクトの色を付し、グループに応じて色分けしている。例えば、制御部210は、
図12に示されるような画面を時系列に沿って変化させて表示する。
【0030】
変形例3によれば、組織内外のコミュニケーションの活性度を視覚的に示すことができる。
【0031】
<付記>
発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0032】
(1)情報処理システムが実行する情報処理方法であって、通信装置間の受信信号強度に基づいて通信装置同士にリンクを張り、グループ内のリンク密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティを最大化する処理を行うことで複数の通信装置をグループ分けする、情報処理方法。
【0033】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法において、前記モジュラリティは、以下の式で示され、モジュラリティ=Σi{eii - (Σj eij)2} = Σi (eii - ai
2)eiiは、総リンク数に対するグループi内部における通信装置毎のリンク総本数の比率であり、eijは、総リンク数に対するグループiからグループjへのリンク数比率であり、aiは、総リンク数に対するグループiから他のグループへのリンク数比率である、情報処理方法。
【0034】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理方法において、通信装置間の受信信号強度が閾値以上の場合、通信装置同士にリンクを張る、情報処理方法。
【0035】
(4)上記(1)から(3)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、複数の通信装置のグループ分けした結果を出力する、情報処理方法。
【0036】
(5)上記(4)に記載の情報処理方法において、グループ分けした結果をそれぞれ異なるグループごとに色分けして出力する、情報処理方法。
【0037】
(6)上記(1)から(5)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、前記通信装置は、ウェアラブルデバイスである、情報処理方法。
【0038】
(7)上記(6)に記載の情報処理方法において、複数のウェアラブルデバイスそれぞれから音圧の情報を受け取り、前記音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、ウェアラブルデバイスを装着しているユーザーのうち会話をしている話者を推定する、情報処理方法。
【0039】
(8)上記(7)に記載の情報処理方法において、前記話者の会話に関する情報を出力する、情報処理方法。
【0040】
(9)上記(7)に記載の情報処理方法において、前記音圧の情報と、グループ分けした結果と、に基づいて、前記話者の会話人数及び発話時間を求める、情報処理方法。
【0041】
(10)上記(9)に記載の情報処理方法において、前記話者の会話人数及び発話時間に基づいて前記話者のコミュニケーションスタイルを解析する、情報処理方法。
【0042】
(11)上記(7)から(10)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、ウェアラブルデバイスを装着しているユーザーを示すオブジェクトを含む画面を表示するよう制御する、情報処理方法。
【0043】
(12)上記(11)に記載の情報処理方法において、前記画面において前記リンクはウェアラブルデバイスを装着しているユーザーを示すオブジェクト間の線で示される、情報処理方法。
【0044】
(13)上記(12)に記載の情報処理方法において、ユーザー間の会話時間に応じてオブジェクト間の線の太さを変更する、情報処理方法。
【0045】
(14)上記(11)から(13)までの何れか1つに記載の情報処理方法において、ユーザーの発話時間に応じて前記オブジェクトの大きさを変更する、情報処理方法。
【0046】
(15)情報処理システムであって、通信装置間の受信信号強度に基づいて通信装置同士にリンクを張り、グループ内のリンク密度は高くなるよう、かつ、グループ間のリンク密度は低くなるようにモジュラリティを最大化する処理を行うことで複数の通信装置をグループ分けする、情報処理システム。
【0047】
(16)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)から(14)までの何れか1つに記載の情報処理方法を実行させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
【0048】
例えば、上述のプログラムを記憶させる、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
上述した実施形態及び変形例の全部又は一部は任意に組み合わせて実施されてもよい。
【0049】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0050】
100 :サーバー装置
110 :ウェアラブル端末
120 :データ集約用PC
210 :制御部
220 :記憶部
230 :通信部
310 :制御部
320 :記憶部
330 :集音部
340 :通信部
1000 :情報処理システム