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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102608
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 17/04 20060101AFI20240724BHJP
   B62J 45/40 20200101ALI20240724BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20240724BHJP
   B62J 17/10 20200101ALI20240724BHJP
【FI】
B62J17/04
B62J45/40
B62J23/00 A
B62J23/00 F
B62J17/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006615
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】芝田 隼斗
(72)【発明者】
【氏名】寺田 裕久
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】中上 正行
(57)【要約】
【課題】検知装置を保護する透明カバーを備える鞍乗型車両において、透明カバーのメンテナンス性を向上させると共に、透明カバーの盗難、或いは、悪戯を抑止する。
【解決手段】鞍乗型車両は、車体と、ウィンドスクリーンと、検知装置と、透明カバーとを備える。車体は、フロントカバーを含む。ウィンドスクリーンは、フロントカバーの上方に配置される。検知装置は、フロントカバーの後方に配置される。検知装置は、車体の前方の状況を検知する。透明カバーは、検知装置の前方に配置される。透明カバーは、フロントカバーに着脱可能に取り付けられる第1取付部を含む。ウィンドスクリーンは、第1取付部の上方、及び、/又は、前方から第1取付部と重なる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントカバーを含む車体と、
前記フロントカバーの上方に配置されるウィンドスクリーンと、
前記フロントカバーの後方に配置され、前記車体の前方の状況を検知する検知装置と、
前記検知装置の前方に配置される透明カバーと、
を備え、
前記透明カバーは、前記フロントカバーに着脱可能に取り付けられる第1取付部を含み、
前記ウィンドスクリーンは、前記第1取付部の上方、及び、/又は、前方から前記第1取付部と重なる、
鞍乗型車両。
【請求項2】
前記ウィンドスクリーンは、第1位置と、前記第1位置の上方に位置する第2位置とに移動可能に前記車体に取り付けられ、
前記ウィンドスクリーンが前記第1位置に位置している場合に、前記ウィンドスクリーンは、前記第1取付部の上方から前記第1取付部と重なり、
前記第1取付部は、前記ウィンドスクリーンが前記第2位置に位置している場合に、前記ウィンドスクリーンは、前記第1取付部の上方から前記第1取付部と重ならない、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記ウィンドスクリーンは、第1位置と、前記第1位置の上方に位置する第2位置とに移動可能に前記車体に取り付けられ、
前記ウィンドスクリーンが前記第1位置に位置している場合に、前記ウィンドスクリーンは、前記第1取付部の前方から前記第1取付部と重なり、
前記ウィンドスクリーンが前記第2位置に位置している場合に、前記ウィンドスクリーンは、前記第1取付部の前方から前記第1取付部と重ならない、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記第1取付部は、前記透明カバーの上面に配置される、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記透明カバーは、前記透明カバーの底部に設けられた第2取付部を含み、
前記第2取付部は、前記フロントカバーに、嵌め込みによって着脱可能に取り付けられる、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記フロントカバーは、前記第2取付部が取り付けられる係止部を含み。
前記係止部は、前記透明カバーが前記第2取付部回りに回動可能なように、前記第2取付部を支持する、
請求項5に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記フロントカバーは、
アウターカバーと、
少なくとも一部が前記アウターカバーの後方に配置されるインナーカバーと、
を含み、
前記係止部は、前記インナーカバーに設けられており、前記アウターカバーの後方に配置される、
請求項6に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記透明カバーの側縁と前記フロントカバーとの間には、第1の隙間が設けられる、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
前記フロントカバーは、前記透明カバーと前記検知装置との間に配置されるガイド部を含み、
前記ガイド部は、前記透明カバーと前記検知装置との間の第1の空間の周囲を覆う、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
前記ガイド部と前記検知装置との間には、第2の隙間が設けられており、
前記第1の空間は、前記第2の隙間を介して、前記フロントカバー内の第2の空間と連通している、
請求項9に記載の鞍乗型車両。
【請求項11】
前記ガイド部と前記透明カバーとの間には、第3の隙間が設けられており、
前記透明カバーの側縁は、前記第3の隙間を覆うように屈曲した形状を有する、
請求項9に記載の鞍乗型車両。
【請求項12】
前記ウィンドスクリーンの下端と前記透明カバーとの間には、導風口が設けられている、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項13】
前記透明カバーの上面は、下方へ向かって凹んだ形状を有する、
請求項12に記載の鞍乗型車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗型車両には、車両の前方の状況を検知するための検知装置を備えるものがある。例えば、特許文献1の鞍乗型車両では、フロントカウルに設けられた開口の後方に、撮像装置が配置されている。また、開口は、保護ガラスで覆われてもよいことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2019/180941号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の鞍乗型車両のように、保護ガラスのような透明カバーによって検知装置を覆うことで、飛び石、虫、粉塵などから検知装置が保護される。しかし、飛び石によって透明カバーが傷ついた場合、或いは虫、粉塵などによって透明カバーに汚れが付着した場合には、検知装置による検知能力が低下してしまう可能性がある。また、透明カバーが曇ることによっても、検知装置による検知能力が低下してしまう可能性がある。
【0005】
上記のような場合、透明カバーを着脱可能とすることで、汚れ、或いは曇りを容易に除去することができる。或いは、透明カバーを容易に交換することができる。しかし、その場合、透明カバーの盗難、或いは悪戯が懸念される。本発明の目的は、検知装置を保護する透明カバーを備える鞍乗型車両において、透明カバーのメンテナンス性を向上させると共に、透明カバーの盗難、或いは、悪戯を抑止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両は、車体と、ウィンドスクリーンと、検知装置と、透明カバーとを備える。車体は、フロントカバーを含む。ウィンドスクリーンは、フロントカバーの上方に配置される。検知装置は、フロントカバーの後方に配置される。検知装置は、車体の前方の状況を検知する。透明カバーは、検知装置の前方に配置される。透明カバーは、フロントカバーに着脱可能に取り付けられる第1取付部を含む。ウィンドスクリーンは、第1取付部の上方、及び、/又は、前方から第1取付部と重なる。
【0007】
本態様に係る鞍乗型車両では、透明カバーは、第1取付部によって、フロントカバーに着脱可能に取り付けられる。そのため、透明カバーのメンテナンス性が向上する。また、ウィンドスクリーンは、第1取付部の上方、及び、/又は、前方から第1取付部と重なる。そのため、第1取付部へのアクセスが、ウィンドスクリーンによって制限される。それにより、透明カバーの盗難、或いは、悪戯が抑止される。
【0008】
ウィンドスクリーンは、第1位置と第2位置とに移動可能に車体に取り付けられてもよい。第2位置は、第1位置の上方に位置してもよい。ウィンドスクリーンが第1位置に位置している場合に、ウィンドスクリーンは、第1取付部の上方から第1取付部と重なってもよい。第1取付部は、ウィンドスクリーンが第2位置に位置している場合に、ウィンドスクリーンは、第1取付部の上方から第1取付部と重なっていなくてもよい。この場合、ウィンドスクリーンが第1位置に位置する場合には、第1取付部へのアクセスがウィンドスクリーンによって阻害される。それにより、透明カバーへの盗難、或いは、悪戯が抑止される。ウィンドスクリーンが第2位置に位置する場合には、第1取付部へのアクセスが可能になる。
【0009】
ウィンドスクリーンが第1位置に位置している場合に、ウィンドスクリーンは、第1取付部の前方から第1取付部と重なってもよい。ウィンドスクリーンが第2位置に位置している場合に、ウィンドスクリーンは、第1取付部の前方から第1取付部と重なっていなくてもよい。この場合、ウィンドスクリーンが第1位置に位置する場合には、第1取付部へのアクセスがウィンドスクリーンによって阻害される。それにより、透明カバーへの盗難、或いは、悪戯が抑止される。ウィンドスクリーンが第2位置に位置する場合には、第1取付部へのアクセスが可能になる。
【0010】
第1取付部は、透明カバーの上面に配置されてもよい。この場合、第1取付部へのアクセスが容易であることで、メンテナンス性が向上する。
【0011】
透明カバーは、透明カバーの底部に設けられた第2取付部を含んでもよい。第2取付部は、フロントカバーに、嵌め込みによって着脱可能に取り付けられてもよい。この場合、透明カバーの着脱がさらに容易になる。
【0012】
フロントカバーは、第2取付部が取り付けられる係止部を含んでもよい。係止部は、透明カバーが第2取付部回りに回動可能なように、第2取付部を支持してもよい。この場合、透明カバーを回動させることで、透明カバーを容易にフロントカバーから取り外すことができる。
【0013】
フロントカバーは、アウターカバーとインナーカバーとを含んでもよい。インナーカバーは、少なくとも一部がアウターカバーの後方に配置されてもよい。係止部は、インナーカバーに設けられており、アウターカバーの後方に配置されてもよい。この場合、係止部がアウターカバーによって保護される。
【0014】
透明カバーの側縁とフロントカバーとの間には、第1の隙間が設けられてもよい。この場合、第1隙間から空気が入ることで、透明カバーの曇りが抑えられる。
【0015】
フロントカバーは、透明カバーと検知装置との間に配置されるガイド部を含んでもよい。ガイド部は、透明カバーと検知装置との間の第1の空間の周囲を覆ってもよい。この場合、第1の隙間から水が侵入しても、ガイド部によって水が検知装置、或いは透明カバーの裏面に付着することが抑えられる。
【0016】
ガイド部と検知装置との間には、第2の隙間が設けられてもよい。第1の空間は、第2の隙間を介して、フロントカバー内の第2の空間と連通していてもよい。この場合、第2の隙間からガイド部内の第1の空間に空気が入ることで、透明カバーの曇りが抑えられる。
【0017】
ガイド部と透明カバーとの間には、第3の隙間が設けられていてもよい。透明カバーの側縁は、第3の隙間を覆うように屈曲した形状を有してもよい。この場合、第3の隙間からの水の侵入が、透明カバーの側縁の屈曲した形状によって、抑えられる。
【0018】
ウィンドスクリーンの下端と透明カバーとの間には、導風口が設けられていてもよい。この場合、導風口から走行風の一部がウィンドスクリーンの裏側に流れることで、ライダーの頭上の空間の乱流が整流される。
【0019】
透明カバーの上面は、下方へ向かって凹んだ形状を有してもよい。この場合、透明カバーの凹んだ形状によって、ウィンドスクリーンの下端と透明カバーとの間に導風口が設けられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、検知装置を保護する透明カバーを備える鞍乗型車両において、透明カバーのメンテナンス性が向上すると共に、透明カバーの盗難、或いは、悪戯が抑止される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係る鞍乗型車両の側面図である。
図2】フロントカバーの正面図である。
図3】ウィンドスクリーンと透明カバーとが省略されたフロントカバーの正面図である。
図4】ウィンドスクリーンが第1位置に位置する場合のフロントカバーの正面図である。
図5】ウィンドスクリーンが第1位置に位置する場合のフロントカバーの側面断面図である。
図6】ウィンドスクリーンが第2位置に位置する場合のフロントカバーの正面図である。
図7】ウィンドスクリーンが第2位置に位置する場合のフロントカバーの側面断面図である。
図8】透明カバーの斜視図である。
図9】フロントカバーの拡大側面断面図である。
図10】フロントカバーの拡大側面断面図である。
図11】フロントカバーの拡大側面断面図である。
図12図4におけるXII-XII断面図である。
図13】フロントカバーと透明カバーとの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して実施形態にかかる鞍乗型車両について説明する。図1は、実施形態に係る鞍乗型車両1の側面図である。実施形態に係る鞍乗型車両1は、モーターサイクルである。図1に示すように、鞍乗型車両1は、車体2と、ステアリング装置3と、前輪4と、後輪5とを含む。
【0023】
車体2は、車体フレーム6と、パワーユニット7と、シート8とを含む。車体フレーム6は、ヘッドパイプ11を含む。パワーユニット7は、例えば内燃エンジンを含む。或いは、パワーユニット7は、電動モータを含んでもよい。なお、以下の説明では、前後左右の方向は、シート8に座ったライダーから見た前後左右の方向を意味するものとする。
【0024】
ステアリング装置3は、ヘッドパイプ11によって左右に回動可能に支持されている。ステアリング装置3は、フロントフォーク12とハンドル部材13とを含む。フロントフォーク12は、前輪4を回転可能に支持する。ハンドル部材13は、フロントフォーク12に接続されている。後輪5は、スイングアーム14を介して車体フレーム6に回転可能に支持されている。
【0025】
車体2は、フロントカバー15を含む。フロントカバー15は、ヘッドパイプ11の前方に配置されている。フロントカバー15は、ヘッドパイプ11を前方から覆う。車体2は、ウィンドスクリーン16を含む。ウィンドスクリーン16は、フロントカバー15の上方に配置される。ウィンドスクリーン16は、フロントカバー15に取り付けられている。
【0026】
図2は、フロントカバー15の正面図である。図2に示すように、鞍乗型車両1は、左ライト21と右ライト22とを含む。左ライト21と右ライト22とは、例えばポジションライトである。或いは、左ライト21と右ライト22とは、ヘッドライトであってもよい。フロントカバー15は、開口23を含む。開口23は、ウィンドスクリーン16の下方に配置されている。
【0027】
鞍乗型車両1は、検知装置24を含む。検知装置24は、車体2の前方の状況を検知する。検知装置24は、例えばカメラであり、車体2の前方を撮影して、車体2の前方を示す画像データを生成する。検知装置24は、フロントカバー15の後方に配置される。検知装置24は、開口23の後方に配置されている。車両正面視で、検知装置24は、開口23と重なる。開口23には、検知装置24を保護するための透明カバー25が配置される。透明カバー25は、例えば透明な樹脂製である。或いは、透明カバー25は、透明なガラス製であってもよい。透明カバー25は、検知装置24の前方に配置される。開口23は、透明カバー25によって閉じられる。
【0028】
フロントカバー15は、アウターカバー17とインナーカバー18とを含む。アウターカバー17には、左ライト21と右ライト22とが配置される。開口23は、アウターカバー17に設けられる。図3は、ウィンドスクリーン16と透明カバー25とが省略されたフロントカバー15の正面図である。図3に示すように、インナーカバー18の上部は、アウターカバー17から上方に突出している。インナーカバー18は、スクリーン支持部26を含む。スクリーン支持部26は、アウターカバー17から上方に延びている。
【0029】
インナーカバー18は、ガイド部27を含む。ガイド部27は、スクリーン支持部26の下方に配置される。ガイド部27は、開口23の後方に配置される。ガイド部27は、透明カバー25と検知装置24との間に配置される。ガイド部27については、後に詳細に説明する。
【0030】
図2に示すように、ウィンドスクリーン16は、可動部材19を介して、スクリーン支持部26に支持されている。詳細には、ウィンドスクリーン16は、可動部材19に取り付けられている。可動部材19は、スライダー28,29を介して、スクリーン支持部26に支持されている。可動部材19は、スクリーン支持部26に対して上下方向に可動的に支持されている。それにより、ウィンドスクリーン16は、第1位置と第2位置とに移動に車体に取り付けられている。第2位置は、第1位置の上方に位置する。
【0031】
図4は、ウィンドスクリーン16が第1位置に位置する場合のフロントカバー15の正面図である。図5は、ウィンドスクリーン16が第1位置に位置する場合のフロントカバー15の側面断面図である。図6は、ウィンドスクリーン16が第2位置に位置する場合のフロントカバー15の正面図である。図7は、ウィンドスクリーン16が第2位置に位置する場合のフロントカバー15の側面断面図である。
【0032】
図4及び図6に示すように、透明カバー25は、フロントカバー15に着脱可能に取り付けられる第1取付部31,32を含む。図8は、透明カバー25の斜視図である。図8に示すように、透明カバー25は、上面33と前面34とを含む。透明カバー25は、上面33と前面34との間で屈曲した形状を有する。上面33は、左右方向における中央が下方に向かって凹んだ形状をゆする。
【0033】
第1取付部31,32は、透明カバー25の上面33に配置される。第1取付部31,32は、孔35,36を含む。孔35,36は、上方に向かって開口している。図3に示すように、インナーカバー18は、孔37,38を含む。第1取付部31,32の孔35,36とインナーカバー18の孔37,38とには、透明カバー25をインナーカバー18に固定するためのネジ39,40がそれぞれ通される。ネジ39,40は、第1取付部31,32の上方から、孔35,36に挿入される。
【0034】
図4及び図5に示すように、ウィンドスクリーン16が第1位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32よりも前方に位置する。また、ウィンドスクリーン16が第1位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32よりも下方に位置する。従って、ウィンドスクリーン16が第1位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32の上方から第1取付部31,32と重なる。ウィンドスクリーン16が第1位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32の前方から第1取付部31,32と重なる。ウィンドスクリーン16が第1位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、検知装置24よりも上方に位置する。
【0035】
図6及び図7に示すように、ウィンドスクリーン16が第2位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32よりも後方に位置する。また、ウィンドスクリーン16が第2位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32よりも上方に位置する。従って、ウィンドスクリーン16が第2位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32の上方から第1取付部31,32と重ならない。ウィンドスクリーン16が第2位置に位置している場合に、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32の前方から第1取付部31,32と重ならない。
【0036】
図9は、フロントカバー15の拡大側面断面図である。図8及び図9に示すように、透明カバー25は、第2取付部41を含む。第2取付部41は、透明カバー25の底部に設けられている。第2取付部41は、前面34の下縁から下方に突出している。第2取付部41は、フロントカバー15に、嵌め込みによって着脱可能に取り付けられる。
【0037】
詳細には、第2取付部41は、インナーカバー18に、嵌め込みによって着脱可能に取り付けられる。インナーカバー18は、係止部53を含む。係止部53は、アウターカバー17の後方に配置される。アウターカバー17は、係止部53を前方から覆う。第2取付部41は、係止部53に着脱可能に取り付けられる。係止部53は、溝54を含む。第2取付部41は、係止部53の溝54に差し込まれることで、係止部53に係止する。図10に示すように、ウィンドスクリーン16が第2位置に位置する場合に、第2取付部41は、係止部53に対して上下方向に着脱可能である。
【0038】
図9に示すように、アウターカバー17の開口23の下縁と透明カバー25との間には隙間G4が設けられている。また、係止部53は、透明カバー25が第2取付部41の回りに回動可能なように、第2取付部41を支持する。そのため、図11に示すように、ウィンドスクリーン16が第2位置に位置する場合に、透明カバー25は、アウターカバー17によって干渉されずに、第2取付部41回りに回動可能である。それにより、透明カバー25の着脱時における作業の自由度が向上する。
【0039】
図12は、図4におけるXII-XII断面図である。図12に示すように、透明カバー25は、ガイド部27の前方に配置される。図3及び図12に示すように、ガイド部27は、背面42と、上面43と、底面44と、左側面45と、右側面46とを含む。背面42は、検知装置24と向かい合って配置される。背面42は、開口47を含む。検知装置24は、レンズ30を含む。開口47は、レンズ30と向かい合って配置される。
【0040】
上面43と、底面44と、左側面45と、右側面46とは、背面42から前方に延びている。図5に示すように、上面43と底面44とは、前方に向かって互いの間隔が上下方向に広がるように傾斜している。上面43は、前方且つ下方に向かって傾斜している。底面44は、前方且つ下方に向かって傾斜している。図12に示すように、左側面45と右側面46とは、前方に向かって互いの間隔が左右方向に広がるように傾斜している。左側面45は、前方且つ左方に向かって傾斜している。右側面46は、前方且つ右方に向かって傾斜している。
【0041】
図12に示すように、フロントカバー15内には、第1の空間S1と第2の空間S2とが設けられている。第1の空間S1は、透明カバー25と検知装置24との間に設けられている。ガイド部27は、第1の空間S1の周囲を覆う。第1の空間S1は、ガイド部27によって第2の空間S2から区画されている。第2の空間S2には、検知装置24が配置されている。
【0042】
透明カバー25の側縁とフロントカバー15との間には、第1の隙間G1a,G1bが設けられる。詳細には、透明カバー25の左側縁61と開口23の左側縁62との間には、第1の隙間G1aが設けられる。透明カバー25の右側縁63と開口23の右側縁64との間には、第1の隙間G1bが設けられる。第1の隙間G1a,G1bから第2の空間S2に空気が入ることで、透明カバー25の曇りが抑えられる。また、第1の隙間G1a,G1bから水が侵入しても、ガイド部27によって水が検知装置24、或いは透明カバー25の裏面に付着することが抑えられる。
【0043】
ガイド部27と検知装置24との間には、第2の隙間G2が設けられる。詳細には、ガイド部27の背面42は、検知装置24のレンズ30から第2の隙間G2を置いて配置される。第1の空間S1は、第2の隙間G2を介して、第2の空間S2と連通している。第2の隙間G2から第1の空間S1に空気が入ることで、透明カバー25の曇りが抑えられる。
【0044】
図13は、フロントカバー15と透明カバー25との拡大断面図である。図13に示すように、ガイド部27と透明カバー25との間には、第3の隙間G3a,G3bが設けられる。詳細には、図12及び図13に示すように、ガイド部27は、第1縁部48と第2縁部49とを含む。第1縁部48は、左側面45に接続されている。第1縁部48は、左側面45から左方に延びている。第1縁部48は、透明カバー25の後方から、透明カバー25の内面に面して配置されている。第2縁部49は、右側面46に接続されている。第2縁部49は、右側面46から右方に延びている。第2縁部49は、透明カバー25の後方から、透明カバー25の内面に面して配置されている。
【0045】
図13に示すように、第3の隙間G3aは、第1縁部48と透明カバー25の内面との間に設けられる。第3の隙間G3aは、第1の隙間G1aよりも狭い。透明カバー25の左側縁61は、第3の隙間G3aを覆うように屈曲した形状を有する。詳細には、透明カバー25は、第1屈曲部51を含む。第1屈曲部51は、透明カバー25の左側縁61から後方に向かって屈曲している。第1屈曲部51は、第3の隙間G3aを左方から覆う。
【0046】
第3の隙間G3bは、第2縁部49と透明カバー25の内面との間に設けられる。第3の隙間G3bは、第1の隙間G1bよりも狭い。透明カバー25の右側縁63は、第3の隙間G3bを覆うように屈曲した形状を有する。詳細には、透明カバー25は、第2屈曲部52を含む。第2屈曲部52は、透明カバー25の右側縁63から後方に向かって屈曲している。第2屈曲部52は、第3の隙間G3bを右方から覆う。第3の隙間G3a,G3bからの水の侵入が、透明カバー25の左右の側縁の屈曲した形状によって、抑えられる。
【0047】
図5に示すように、ウィンドスクリーン16の下端65は、透明カバー25との間に間隔をおいて配置される。それにより、ウィンドスクリーン16の下端65と透明カバー25との間には、導風口66が設けられている。また、上述したように、透明カバー25の上面33は下方に向かって凹んだ形状を有している。それにより、ウィンドスクリーン16の裏側の空間が広げられている。鞍乗型車両1の走行時には、導風口66から走行風の一部がウィンドスクリーン16の裏側に流れることで、ライダーの頭上の空間の乱流が整流される。
【0048】
以上説明した本実施形態に係る鞍乗型車両1では、透明カバー25は、第1取付部31,32によって、フロントカバー15に着脱可能に取り付けられる。そのため、透明カバー25のメンテナンス性が向上する。また、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32の上方、及び、前方から第1取付部31,32と重なる。そのため、第1取付部31,32へのアクセスが、ウィンドスクリーン16によって制限される。それにより、透明カバー25の盗難、或いは、悪戯が抑止される。
【0049】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0050】
ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32の上方のみから、第1取付部31,32と重なってもよい。或いは、ウィンドスクリーン16は、第1取付部31,32の前方のみから第1取付部31,32と重なってもよい。第1取付部31,32の構造は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第1取付部31,32は、透明カバー25の上面33以外の位置に配置されてもよい。第2取付部41の構造は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、第2取付部41は、ネジ等の固定手段によって取り付けられてもよい。
【0051】
透明カバー25の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、透明カバー25の上面33は平坦であってもよい。ガイド部27の構造は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、ガイド部27は、インナーカバー18と別体であってもよい。或いは、ガイド部27は省略されてもよい。第1の隙間G1a,G1bの位置は変更されてもよい。第2の隙間G2の位置は変更されてもよい。第3の隙間G3a,G3bの位置は変更されてもよい。或いは、第1~第3の隙間G1a,G1b,G2,G3a,G3bのいずれかが省略されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、検知装置を保護する透明カバーを備える鞍乗型車両において、透明カバーのメンテナンス性が向上すると共に、透明カバーの盗難、或いは、悪戯が抑止される。
【符号の説明】
【0053】
2:車体、 15:フロントカバー、 16:ウィンドスクリーン、 17:アウターカバー、 18:インナーカバー、 24:検知装置、 25:透明カバー、 27:ガイド部、 31,32:第1取付部、 41:第2取付部、 53:係止部、 66:導風口、 G1a,G1b:第1の隙間、 G2:第2の隙間、 G3a,G3b:第3の隙間、 S1:第1の空間、 S2:第2の空間
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