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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102609
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】鞍乗型車両
(51)【国際特許分類】
   B62J 45/42 20200101AFI20240724BHJP
   B62J 6/026 20200101ALI20240724BHJP
【FI】
B62J45/42
B62J6/026
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006616
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐介
(72)【発明者】
【氏名】中上 正行
(72)【発明者】
【氏名】山田 卓央
(57)【要約】
【課題】鞍乗型車両において、左右のライトと検知装置とをコンパクトに配置すると共に、検知装置の支持剛性を向上させる。
【解決手段】鞍乗型車両は、車体と、左ライトと、右ライトと、検知装置と、左取付部と、右取付部とを備える。左ライトは、左ライトレンズを含む。右ライトは、右ライトレンズを含む。検知装置は、車両正面視で少なくとも一部が、左ライトレンズと右ライトレンズとの間に配置される。左取付部は、検知装置よりも左方、且つ、上方に配置され、検知装置を車体に取り付けるための部分である。右取付部は、検知装置よりも右方、且つ、上方に配置され、検知装置を車体に取り付けるための部分である。左取付部の少なくとも一部は、検知装置から左ライトレンズの上方まで延びている。右取付部の少なくとも一部は、検知装置から右ライトレンズの上方まで延びている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
左ライトレンズを含む左ライトと、
右ライトレンズを含む右ライトと、
車両正面視において少なくとも一部が前記左ライトレンズと前記右ライトレンズとの間に配置され、前記車体の前方の状況を検知する検知装置と、
前記検知装置よりも左方、且つ、上方に配置され、前記検知装置を前記車体に取り付けるための左取付部と、
前記検知装置よりも右方、且つ、上方に配置され、前記検知装置を前記車体に取り付けるための右取付部と、
を備え、
前記左取付部の少なくとも一部は、前記検知装置から前記左ライトレンズの上方まで延びており、
前記右取付部の少なくとも一部は、前記検知装置から前記右ライトレンズの上方まで延びている、
鞍乗型車両。
【請求項2】
前記左取付部は、前記検知装置から前記左ライトレンズの上方まで直線状に延びている、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項3】
前記右取付部は、前記検知装置から前記右ライトレンズの上方まで直線状に延びている、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項4】
前記左ライトレンズと前記右ライトレンズとの間隔は、下方に向かって狭くなり、
前記検知装置から下方に延び、前記検知装置を前記車体に取り付けるための下取付部をさらに備える、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項5】
前記車体は、フロントカバーを含み、
前記左ライトレンズは、
前記フロントカバーから外部に露出するように配置され、光を透過させる左透光部と、
車両正面視で前記フロントカバーと重なり、遮光加工が施された左遮光部と、
を含み、
前記右ライトレンズは、
前記フロントカバーから外部に露出するように配置され、光を透過させる右透光部と、
車両正面視で前記フロントカバーと重なり、遮光加工が施された右遮光部と、
を含む、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項6】
前記検知装置の少なくとも一部は、前記左透光部及び前記右透光部と同じ高さに位置する、
請求項5に記載の鞍乗型車両。
【請求項7】
前記検知装置と前記左ライトレンズとの間に配置される左リブをさらに備える、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項8】
前記検知装置と前記右ライトレンズとの間に配置される右リブをさらに備える、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項9】
前記左ライトレンズの内側縁は、
第1左縁部と、
前記第1左縁部よりも下方に配置される第2左縁部と、
を含み、
前記右ライトレンズの内側縁は、
第1右縁部と、
前記第1右縁部よりも下方に配置される第2右縁部と、
を含み、
前記第1左縁部と前記第1右縁部との間隔は、前記第2左縁部と前記第2右縁部との間隔よりも大きく、
前記検知装置は、前記第1左縁部と前記第1右縁部との間に配置される、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項10】
前記左ライトレンズの内側縁は、第1左縁部を含み、
前記右ライトレンズの内側縁は、第1右縁部を含み、
前記左取付部の少なくとも一部は、前記第1左縁部よりも左方に配置され、
前記右取付部の少なくとも一部は、前記第1右縁部よりも右方に配置される、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項11】
前記第2左縁部と前記第2右縁部との間隔は、前記検知装置の左右方向の幅よりも小さい、
請求項9に記載の鞍乗型車両。
【請求項12】
前記左ライトレンズと前記右ライトレンズとが取り付けられるハウジングをさらに備え、
前記左取付部と前記右取付部とは、前記ハウジングに取り付けられる、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項13】
前記検知装置は、防水構造を有する、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項14】
前記検知装置は、左角部と右角部とを含み、
前記左取付部は、前記左角部から前記左ライトレンズの上方まで延びており、
前記右取付部は、前記右角部から前記右ライトレンズの上方まで延びている、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項15】
前記左ライトレンズと前記右ライトレンズとの最も近接する部分の間の距離は、前記検知装置の左右方向の幅よりも小さい、
請求項1に記載の鞍乗型車両。
【請求項16】
車体と、
左ライトレンズを含む左ライトと、
右ライトレンズを含む右ライトと、
車両正面視において少なくとも一部が、前記左ライトレンズと前記右ライトレンズとの間に配置され、前記車体の前方の状況を検知する検知装置と
前記検知装置よりも左方、且つ、下方に配置され、前記検知装置を前記車体に取り付けるための左取付部と、
前記検知装置よりも右方、且つ、下方に配置され、前記検知装置を前記車体に取り付けるための右取付部と、
を備え、
前記左取付部の少なくとも一部は、前記検知装置から前記左ライトレンズの下方まで延びており、
前記右取付部の少なくとも一部は、前記検知装置から前記右ライトレンズの下方まで延びている、
鞍乗型車両。
【請求項17】
前記左ライトレンズと前記右ライトレンズとの間隔は、上方に向かって狭くなり、
前記検知装置から上方に延び、前記検知装置を前記車体に取り付けるための上取付部をさらに備える、
請求項16に記載の鞍乗型車両。
【請求項18】
前記左ライトレンズの内側縁は、
第1左縁部と、
前記第1左縁部よりも下方に配置される第2左縁部と、
を含み、
前記右ライトレンズの内側縁は、
第1右縁部と、
前記第1右縁部よりも下方に配置される第2右縁部と、
を含み、
前記第2左縁部と前記第2右縁部との間隔は、前記第1左縁部と前記第1右縁部との間隔よりも大きく、
前記検知装置は、前記第2左縁部と前記第2右縁部との間に配置される、
請求項16に記載の鞍乗型車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗型車両には、車両の前方の状況を検知するための検知装置を備えるものがある。例えば、特許文献1の鞍乗型車両では、フロントカバーに左右のヘッドライトが設けられており、検知ユニットが左右のヘッドライトの間に配置されている。検知ユニットは、本体部と複数の取付部とを含んでいる。検知ユニットは、複数の取付部において車両に固定される。複数の取付部は、3つの取付部(以下、第1~第3取付部と呼ぶ)を有している。第1取付部と第2取付部とは、本体部から真下に延びている。第3取付部は、本体部から真上に延びている。第1~第3取付部の全体が、左右のヘッドライトの間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2019/224961号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した鞍乗型車両では、第1取付部と第2取付部との間隔が小さい。そのため、検知ユニットの支持剛性が低い。しかし、第1取付部と第2取付部との間隔を広げるために、左右のヘッドライトの間隔を拡大すると、ヘッドライトが大型化してしまう。本発明の目的は、鞍乗型車両において、左右のライトと検知装置とをコンパクトに配置すると共に、検知装置の支持剛性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る鞍乗型車両は、車体と、左ライトと、右ライトと、検知装置と、左取付部と、右取付部とを備える。左ライトは、左ライトレンズを含む。右ライトは、右ライトレンズを含む。検知装置は、車両正面視において少なくとも一部が、左ライトレンズと右ライトレンズとの間に配置される。検知装置は、車体の前方の状況を検知する。左取付部は、検知装置よりも左方、且つ、上方に配置され、検知装置を車体に取り付けるための部分である。右取付部は、検知装置よりも右方、且つ、上方に配置され、検知装置を車体に取り付けるための部分である。左取付部少なくとも一部は、検知装置から左ライトレンズの上方まで延びている。右取付部少なくとも一部は、検知装置から右ライトレンズの上方まで延びている。
【0006】
本態様に係る鞍乗型車両では、左取付部は、検知装置から左ライトレンズの上方まで延びており、右取付部は、検知装置から右ライトレンズの上方まで延びている。そのため、左右のライトレンズの間隔が拡大することを抑えながら、左右の取付部の間隔を拡大することができる。それにより、左右のライトと検知装置とをコンパクトに配置すると共に、検知装置の支持剛性を向上させることができる。
【0007】
左取付部は、検知装置から左ライトレンズの上方まで直線状に延びていてもよい。この場合、左取付部による支持剛性が向上する。
【0008】
右取付部は、検知装置から右ライトレンズの上方まで直線状に延びていてもよい。この場合、右取付部による支持剛性が向上する。
【0009】
左ライトレンズと右ライトレンズとの間隔は、下方に向かって狭くなっていてもよい。鞍乗型車両は、下取付部をさらに備えてもよい。下取付部は、検知装置を車体に取り付けるための部分であり、検知装置から下方に延びていてもよい。この場合、左ライトレンズと右ライトレンズとの間隔のうち広い方の上部には、左右の取付部が配置されることで、支持剛性が向上する。左ライトレンズと右ライトレンズとの間隔のうち狭い方の下部には、下取付部が配置されることで、下取付部と左右のライトレンズとがコンパクトに配置される。
【0010】
車体はフロントカバーを含んでもよい。左ライトレンズは、左透光部と左遮光部とを含んでもよい。左透光部は、光を透過させ、フロントカバーから外部に露出するように配置されてもよい。左遮光部は、車両正面視でフロントカバーと重なり、遮光加工が施されていてもよい。右ライトレンズは、右透光部と右遮光部とを含んでもよい。右透光部は、光を透過させ、フロントカバーから外部に露出するように配置されてもよい。右遮光部は、車両正面視でフロントカバーと重なり、遮光加工が施されていてもよい。この場合、左右の遮光部によって、光が検知装置側に漏れることが抑えられる。
【0011】
検知装置の少なくとも一部は、左透光部及び右透光部と同じ高さに位置してもよい。この場合、左右のライトと検知装置とを上下方向にコンパクトに配置することができる。
【0012】
鞍乗型車両は、検知装置と左ライトレンズとの間に配置される左リブをさらに備えてもよい。この場合、左リブによって、光が検知装置側に漏れることが抑えられる。
【0013】
鞍乗型車両は、検知装置と右ライトレンズとの間に配置される右リブをさらに備えてもよい。この場合、右リブによって、光が検知装置側に漏れることが抑えられる。
【0014】
左ライトレンズの内側縁は、第1左縁部と第2左縁部とを含んでもよい。第2左縁部は、第1左縁部よりも下方に配置されてもよい。右ライトレンズの内側縁は、第1右縁部と第2右縁部とを含んでもよい。第2右縁部は、第1右縁部よりも下方に配置されてもよい。第1左縁部と第1右縁部との間隔は、第2左縁部と第2右縁部との間隔よりも大きくてもよい。検知装置は、第1左縁部と第1右縁部との間に配置されてもよい。この場合、左右のライトレンズの内縁部が検知装置を避けた形状であることで、左右のライトレンズと検知装置とがコンパクトに配置される。
【0015】
左取付部の少なくとも一部は、第1左縁部よりも左方に配置されてもよい。右取付部の少なくとも一部は、第1右縁部よりも右方に配置されてもよい。この場合、左右の取付部の間隔が大きいことで、支持剛性が向上する。
【0016】
第2左縁部と第2右縁部との間隔は、検知装置の左右方向の幅よりも小さくてもよい。この場合、左右のライトレンズがコンパクトに配置される。
【0017】
鞍乗型車両は、ハウジングをさらに備えてもよい。ハウジングには、左ライトレンズと右ライトレンズとが取り付けられてもよい。左取付部と右取付部とは、ハウジングに取り付けられてもよい。この場合、検知装置の車体への組付が容易になる。
【0018】
検知装置は、防水構造を有してもよい。この場合、防水構造によって検知装置が大型化するが、本発明の特徴により、左右のライトレンズと検知装置との間にコンパクトに配置できる。検知装置は、左角部と右角部とを含んでもよい。左取付部は、左角部から左ライトレンズの上方まで延びていてもよい。右取付部は、右角部から右ライトレンズの上方まで延びていてもよい。この場合、左右の取付部の間隔が拡大される。それにより、支持剛性が向上する。左ライトレンズと右ライトレンズとの最も近接する部分の間の距離は、検知装置の左右方向の幅よりも小さくてもよい。この場合、左ライトレンズと右ライトレンズとがコンパクトに配置される。
【0019】
本発明の他の態様に係る鞍乗型車両は、車体と、左ライトと、右ライトと、検知装置と、左取付部と、右取付部とを備える。左ライトは、左ライトレンズを含む。右ライトは、右ライトレンズを含む。検知装置は、車両正面視において少なくとも一部が、左ライトレンズと右ライトレンズとの間に配置される。検知装置は、車体の前方の状況を検知する。左取付部は、検知装置よりも左方、且つ、下方に配置され、検知装置を車体に取り付けるための部分である。右取付部は、検知装置よりも右方、且つ、下方に配置され、検知装置を車体に取り付けるための部分である。左取付部の少なくとも一部は、検知装置から左ライトレンズの下方まで延びている。右取付部の少なくとも一部は、検知装置から右ライトレンズの下方まで延びている。
【0020】
本態様に係る鞍乗型車両では、左取付部は、検知装置から左ライトレンズの下方まで延びており、右取付部は、検知装置から右ライトレンズの下方まで延びている。そのため、左右のライトレンズの間隔が拡大することを抑えながら、左右の取付部の間隔を拡大することができる。それにより、左右のライトと検知装置とをコンパクトに配置すると共に、検知装置の支持剛性を向上させることができる。
【0021】
左ライトレンズと右ライトレンズとの間隔は、上方に向かって狭くなっていてもよい。鞍乗型車両は、上取付部をさらに備えてもよい。上取付部は、検知装置を車体に取り付けるための部分であり、検知装置から上方に延びていてもよい。この場合、左ライトレンズと右ライトレンズとの間隔のうち広い方の下部には、左右の取付部が配置されることで、支持剛性が向上する。左ライトレンズと右ライトレンズとの間隔のうち狭い方の上部には、上取付部が配置されることで、上取付部と左右のライトレンズとがコンパクトに配置される。
【0022】
左ライトレンズの内側縁は、第1左縁部と第2左縁部とを含んでもよい。第2左縁部は、第1左縁部よりも下方に配置されてもよい。右ライトレンズの内側縁は、第1右縁部と第2右縁部とを含んでもよい。第2右縁部は、第1右縁部よりも下方に配置されてもよい。第2左縁部と第2右縁部との間隔は、第1左縁部と第1右縁部との間隔よりも大きくてもよい。検知装置は、第2左縁部と第2右縁部との間に配置されてもよい。この場合、左右のライトレンズの内縁部が検知装置を避けた形状であることで、左右のライトレンズと検知装置とがコンパクトに配置される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、鞍乗型車両において、左右のライトと検知装置とがコンパクトに配置されると共に、検知装置の支持剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る鞍乗型車両の側面図である。
図2】フロントカバーの正面図である。
図3】左右のライトと検知装置との正面図である。
図4】左右のライトの正面図である。
図5】左ライトレンズと右ライトレンズとを後方から見た図である。
図6】左ライトレンズおよび右ライトレンズを取り除いたライトの正面図である。
図7】検知装置の斜視図である。
図8】フロントカバーの拡大正面図である。
図9図8におけるVIII-VIII断面図である。
図10】変形例に係る鞍乗型車両のフロントカバーの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して実施形態にかかる鞍乗型車両について説明する。図1は、実施形態に係る鞍乗型車両1の側面図である。実施形態に係る鞍乗型車両1は、モーターサイクルである。図1に示すように、鞍乗型車両1は、車体2と、ステアリング装置3と、前輪4と、後輪5とを含む。
【0026】
車体2は、車体フレーム6と、パワーユニット7と、シート8とを含む。車体フレーム6は、ヘッドパイプ11を含む。パワーユニット7は、例えば内燃エンジンを含む。或いは、パワーユニット7は、電動モータを含んでもよい。なお、以下の説明では、前後左右の方向は、シート8に座ったライダーから見た前後左右の方向を意味するものとする。
【0027】
ステアリング装置3は、ヘッドパイプ11によって左右に回動可能に支持されている。ステアリング装置3は、フロントフォーク12とハンドル部材13とを含む。フロントフォーク12は、前輪4を回転可能に支持する。ハンドル部材13は、フロントフォーク12に接続されている。後輪5は、スイングアーム14を介して車体フレーム6に回転可能に支持されている。
【0028】
車体2は、フロントカバー15を含む。フロントカバー15は、ヘッドパイプ11の前方に配置されている。フロントカバー15は、ヘッドパイプ11を前方から覆う。車体2は、ウィンドスクリーン16を含む。ウィンドスクリーン16は、フロントカバー15の上方に配置される。ウィンドスクリーン16は、フロントカバー15に取り付けられている。
【0029】
図2は、フロントカバー15の正面図である。図2に示すように、鞍乗型車両1は、左ライト21と右ライト22とを含む。左ライト21と右ライト22とは、例えばポジションライトである。或いは、左ライト21と右ライト22とは、ヘッドライトであってもよい。
【0030】
左ライト21は、左ライトレンズ23を含む。左ライトレンズ23は、透光性を有する材料で形成されている。右ライト22は、右ライトレンズ24を含む。右ライトレンズ24は、透光性を有する材料で形成されている。例えば、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、透明な樹脂製である。左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、フロントカバー15に配置されている。
【0031】
フロントカバー15は、左開口25と、右開口26と、中央開口27とを含む。左開口25と右開口26とは、左右の互いに離れて配置されている。左ライトレンズ23の一部は、左開口25を介して外部に露出している。右ライトレンズ24の一部は、右開口26を介して外部に露出している。中央開口27は、左開口25と右開口26との間に配置されている。中央開口27は、ウィンドスクリーン16の下方に配置されている。
【0032】
鞍乗型車両1は、検知装置28を含む。検知装置28は、車体2の前方の状況を検知する。検知装置28は、例えばカメラであり、車体2の前方を撮影して、車体2の前方を示すデータを取得する。データは、例えば車体2の前方の光量と色とを含む。検知装置28は、フロントカバー15の後方に配置される。検知装置28は、中央開口27の後方に配置されている。車両正面視で、検知装置28は、中央開口27と重なる。中央開口27には、検知装置28を保護するためのカバーが配置されてもよい。或いは、中央開口27には、カバーが設けられておらず、開放されていてもよい。
【0033】
図3は、左右のライト21,22と検知装置28との正面図である。図4は、左右のライト21,22の正面図である。図5は、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とを後方から見た図である。図3から図5に示すように、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、左右方向に互いに離れて配置されている。左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、互いに別体である。ただし、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、一体的に形成されてもよい。
【0034】
左ライトレンズ23は、左透光部31と左遮光部32とを含む。右ライトレンズ24は、右透光部33と右遮光部34とを含む。左遮光部32と右遮光部34とは、光を透過させない。図5においてハッチングで示されているように、左遮光部32と右遮光部34とには、遮光加工が施されている。遮光加工は、例えば、光を透過させない塗料による塗装である。左遮光部32は、左透光部31の周囲を囲んで配置される。右遮光部34は、右透光部33の周囲を囲んで配置される。
【0035】
左透光部31と右遮光部34とには、遮光加工は施されておらず、光を透過させる。図2に示すように、左透光部31は、左開口25内に配置される。右透光部33は、右開口26内に配置される。それにより、左透光部31と右透光部33とは、フロントカバー15から外部に露出するように配置される。左遮光部32と右遮光部34とは、車両正面視でフロントカバー15と重なる。
【0036】
左ライトレンズ23と右ライトレンズ24との間隔は、下方に向かって狭くなる。詳細には、左ライトレンズ23の内側縁は、第1左縁部35と第2左縁部36とを含む。第2左縁部36は、第1左縁部35よりも下方に配置される。右ライトレンズ24の内側縁は、第1右縁部37と第2右縁部38とを含む。第2右縁部38は、第1右縁部37よりも下方に配置される。第1左縁部35と第1右縁部37とは、左右方向に互いに離れて配置される。第2左縁部36と第2右縁部38とは、左右方向に互いに離れて配置される。第1左縁部35と第1右縁部37との間隔は、第2左縁部36と第2右縁部38との間隔よりも大きい。
【0037】
図3及び図4に示すように、左右のライト21,22は、ハウジング41を含む。ハウジング41は、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24との後方に配置される。左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、ハウジング41に取り付けられる。本実施形態では、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、共通のハウジング41に取り付けられる。ただし、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24とは、互いに別体のハウジングにそれぞれ取り付けられてもよい。
【0038】
図6は、ハウジング41の正面図である。図6に示すように、左ライト21は、第1基板42と第1導光体43とを含む。第1基板42と第1導光体43とは、ハウジング41に取り付けられている。第1基板42は、第1光源44を含む。第1光源44は、例えばLEDである。第1導光体43は、第1光源44からの光により発光する。第1導光体43は、上述した左透光部31の後方に配置される。左透光部31は、第1導光体43に前方から重なる。
【0039】
右ライト22は、第2基板45と第2導光体46とを含む。第2基板45と第2導光体46とは、ハウジング41に取り付けられている。第2基板45は、第2光源47を含む。第2光源47は、例えばLEDである。第2導光体46は、第2光源47からの光により発光する。第2導光体46は、上述した右透光部33の後方に配置される。右透光部33は、第2導光体46に前方から重なる。
【0040】
ハウジング41は、左収納部51と、右収納部52と、中央部53とを含む。左収納部51には、第1基板42と第1導光体43とが配置される。左ライトレンズ23は、左収納部51を前方から覆う。右収納部52には、第2基板45と第2導光体46とが配置される。右ライトレンズ24は、右収納部52を前方から覆う。中央部53は、左収納部51と右収納部52との間に配置される。中央部53は、左収納部51と右収納部52とに接続されている。
【0041】
ハウジング41は、複数のハウジング固定部54-57を含む。ハウジング41は、複数のハウジング固定部54-57において、例えばネジによりフロントカバー15に固定される。複数のハウジング固定部54-57は、第1ハウジング固定部54と、第2ハウジング固定部55と、第3ハウジング固定部56と、第4ハウジング固定部57とを含む。第1ハウジング固定部54は、左収納部51から上方へ突出している。第2ハウジング固定部55は、右収納部52から上方へ突出している。第3ハウジング固定部56は、左収納部51から左方へ突出している。第4ハウジング固定部57は、右収納部52から右方へ突出している。
【0042】
図7は、検知装置28の斜視図である。図3及び図7に示すように、検知装置28は、本体ケース61を含む。本体ケース61は、図示しない撮像素子及びプロセッサなどの電子部品を収納している。本体ケース61は、防水構造を有する。本体ケース61は、例えば、本体ケース61の隙間を封止するためのシール材を含む。
【0043】
本体ケース61は、ベース部62とケース部63とを含む。ベース部62は、正面視で略長方形の形状を有している。ベース部62の上面には、電気ケーブル70が接続されている。ケース部63は、ベース部62から前方に突出している。ケース部63の前面には、保護カバー64が取り付けられている。保護カバー64は、光を透過させる。
本体ケース61には、左取付部65と、右取付部66と、下取付部67とが接続されている。詳細には、左取付部65と、右取付部66と、下取付部67とは、ベース部62に接続されている。左取付部65と、右取付部66と、下取付部67とは、検知装置28を車体2に取り付けるための部分である。左取付部65と、右取付部66と、下取付部67とは、ハウジング41に取り付けられる。図3に示すように、左取付部65と、右取付部66と、下取付部67とは、それぞれネジ71-73によりハウジング41に固定される。左取付部65は、検知装置28から左斜め上方に延びている。右取付部66は、検知装置28から右斜め上方に延びている。検知装置28は、左角部58と右角部59とを含む。左角部58は、検知装置28の左上の部分である。右角部59は、検知装置28の右上の部分である。左取付部65は、左角部58から延びている。右取付部66は、右角部59から延びている。
【0044】
下取付部67は、検知装置28の底面から下方に延びている。下取付部67は、左右方向において、左取付部65と右取付部66との間に配置される。下取付部67は、検知装置28の左右方向における中心に配置される。
【0045】
図3に示すように、検知装置28は、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24との間に配置される。検知装置28は、ハウジング41の前方に配置される。第1左縁部35と第1右縁部37との間隔は、検知装置28の左右方向の幅よりも大きい。第1左縁部35と第1右縁部37との間隔は、ベース部62の左右方向の幅よりも大きい。第2左縁部36と第2右縁部38との間隔は、検知装置28の左右方向の幅よりも小さい。第2左縁部36と第2右縁部38との間隔は、ベース部62の左右方向の幅よりも小さい。左ライトレンズ23と右ライトレンズ24との最も近接する部分の間の距離は、検知装置28の左右方向の幅よりも小さい。
【0046】
検知装置28は、第1左縁部35と第1右縁部37との間に配置される。検知装置28の少なくとも一部は、左ライトレンズ23の上縁68及び右ライトレンズ24の上縁69よりも下方に位置する。検知装置28の少なくとも一部は、左透光部31及び右透光部33と同じ高さに位置する。詳細には、ケース部63の一部は、左透光部31及び右透光部33と同じ高さに位置する。保護カバー64の一部は、左透光部31及び右透光部33と同じ高さに位置する。検知装置28の全体は、第2左縁部36と第2右縁部38とよりも上方に配置される。
【0047】
左取付部65は、検知装置28よりも左方、且つ、上方に配置される。左取付部65は、検知装置28から左ライトレンズ23の上方まで延びている。すなわち、左取付部65は、検知装置28から左ライトレンズ23の上縁68の上方まで延びている。左取付部65の少なくとも一部は、第1左縁部35よりも左方に配置される。左取付部65は、第1左縁部35よりも左方の位置まで延びている。左取付部65は、検知装置28から直線状に延びている。左取付部65の一部は、左ライトレンズ23の上縁68よりも下方に位置する。
【0048】
右取付部66は、検知装置28よりも右方、且つ、上方に配置される。右取付部66は、検知装置28から右ライトレンズ24の上方まで延びている。すなわち、右取付部66は、検知装置28から右ライトレンズ24の上縁69の上方まで延びている。右取付部66の少なくとも一部は、第1右縁部37よりも右方に配置される。右取付部66は、第1右縁部37よりも右方の位置まで延びている。右取付部66は、検知装置28から直線状に延びている。右取付部66の一部は、右ライトレンズ24の上縁69よりも下方に位置する。下取付部67の全体は、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24との間に位置する。
【0049】
図4に示すように、ハウジング41は、第1固定部74と第2固定部75と第3固定部76とを含む。第1固定部74は、左収納部51から上方に突出している、第2固定部75は、右収納部52から上方に突出している。第3固定部76は、中央部53に設けられている。第1固定部74は、第1孔77を含む、第1孔77には、左取付部65を第1固定部74に固定するためのネジ71が通される。第2固定部75は、第2孔78を含む、第2孔78には、右取付部66を第2固定部75に固定するためのネジ72が通される。第3固定部76は、第3孔79を含む、第3孔79には、下取付部67を第3固定部76に固定するためのネジ73が通される。
【0050】
図8は、フロントカバー15の拡大正面図である。図9は、図8におけるVIII-VIII断面図である。図8及び図9に示すように、フロントカバー15は、左リブ81と、右リブ82と、下リブ83とを含む。左リブ81と、右リブ82と、下リブ83とは、フロントカバー15から後方へ突出している。左リブ81と、右リブ82と、下リブ83とは、中央開口27の縁から、ハウジング41まで延びている。左リブ81は、検知装置28と左ライトレンズ23との間に配置される。左リブ81は、保護カバー64よりも後方まで延びている。右リブ82は、検知装置28と右ライトレンズ24との間に配置される。右リブ82は、保護カバー64よりも後方まで延びている。下リブ83は、検知装置28の下方に配置される。左リブ81と、右リブ82と、下リブ83とは、左右のライト21,22からの光が、検知装置28と中央開口27との間の空間に漏れないように配置されている。
【0051】
以上説明した本実施形態に係る鞍乗型車両1では、左取付部65は、検知装置28から左ライトレンズ23の上方まで延びており、右取付部66は、検知装置28から右ライトレンズ24の上方まで延びている。そのため、左右のライト21,22レンズの間隔が拡大することを抑えながら、左右の取付部65,66の間隔を拡大することができる。それにより、左右のライト21,22と検知装置28とをコンパクトに配置すると共に、検知装置28の支持剛性を向上させることができる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0053】
ハウジング41は、一体に限らず、別体であってもよい。左ライト21と右ライト22との形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。検知装置28と、左取付部65と、右取付部66との形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、図10は、変形例に係る鞍乗型車両1のフロントカバー15の正面図である。図10に示すように、左ライトレンズ23と右ライトレンズ24との間隔は、上方に向かって狭くなっていてもよい。すなわち、第2左縁部36と第2右縁部38との間隔は、第1左縁部35と第1右縁部37との間隔よりも大きくてもよい。
【0054】
変形例に係る鞍乗型車両1では、左取付部65と右取付部66とは、上記の実施形態のものに対して、上下に対称に配置されてもよい。すなわち、左取付部65は、検知装置28よりも左方、且つ、下方に配置されてもよい。例えば、左取付部65は、検知装置28から左ライトレンズ23の下方まで延びていてもよい。右取付部66は、検知装置28よりも右方、且つ、下方に配置されてもよい。右取付部66は、検知装置28から右ライトレンズ24の下方まで延びていてもよい。
【0055】
変形例に係る鞍乗型車両1は、上記の実施形態の下取付部67に代えて、上取付部84を備えてもよい。上取付部84は、上記の実施形態の下取付部67に対して、上下に対称に配置されてもよい。例えば、上取付部84は、検知装置28から上方に延びていてもよい。検知装置28は、カメラに限らず、ミリ波レーダー、或いはLIDAR等の他の装置であってもよい。
【0056】
検知装置28の配置は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、検知装置28の一部は、ハウジング41の後方に配置されてもよい。上記の実施形態では、中央開口27は、一部が開放された切り欠き形状であるが、中央開口27の形状は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、中央開口27は、全周が閉じた形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明によれば、鞍乗型車両において、左右のライトと検知装置とがコンパクトに配置されると共に、検知装置の支持剛性が向上する。
【符号の説明】
【0058】
2:車体、 15:フロントカバー、 21:左ライト、 22:右ライト、 28:検知装置、 31:左透光部、 32:左遮光部、 33:右透光部、 34:右遮光部、 35:第1左縁部、 36:第2左縁部、 37:第1右縁部、 38:第2右縁部、 41:ハウジング、 65:左取付部、 66:右取付部、 67:下取付部、 81:左リブ、 82:右リブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10