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特開2024-10262学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010262
(43)【公開日】2024-01-24
(54)【発明の名称】学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20240117BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111482
(22)【出願日】2022-07-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】522279184
【氏名又は名称】一般社団法人ステップアップ教育支援機構
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】弁理士法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱松 敏廣
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】学習中における集中度を判定し、当該集中度に基づいて学習効果を可視化し、更には学習効果に応じたポイントを付与することで、学習を支援する。
【解決手段】本発明は、端末装置からの画像データを受信する受信部11aと、画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する集中度判定部11bと、集中度をポイントに換算するポイント演算部11cと、集中度の学習中の推移に係る表示データを生成する生成部11eと、表示データを端末装置に送信する送信部11fとを備えたサーバ装置である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置からの画像データを受信する受信部と、
前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する集中度判定部と、
前記集中度をポイントに換算するポイント演算部と、
前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成する生成部と、
前記表示データを前記端末装置に送信する送信部と、を備えた
サーバ装置。
【請求項2】
前記集中度判定部は、前記受信した画像データを解析し、予め定められた所定の対象物が撮影されているか否かを判定し、前記所定の対象物の撮影の有無により異なる得点を付与し、単位時間当たりの前記得点の合計点を算定し、前記合計点が基準点以上である場合には前記単位時間を集中時間とし、基準点未満である場合には前記単位時間を非集中時間とする
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記集中度判定部は、前記受信した画像データを解析し、画素の移動平均の差分を演算し、差分値が閾値以上であるか否かにより異なる得点を付与し、単位時間当たりの前記得点の合計点を算定し、前記合計点が基準点以上である場合には前記単位時間を集中時間とし、基準点未満である場合には前記単位時間を非集中時間とする
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記ポイントに基づいて商品取得に関わる処理を実行する商品取得処理部を更に備え、
前記受信部が、前記端末装置より商品取得に関わるリクエストを受信すると、前記商品取得処理部は、前記リクエストに含まれる商品IDに基づいて商品を特定し、商品の取得を許可すると共に、ユーザのポイントを減算し更新する
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
ヘッドセットと端末装置とサーバ装置とからなる学習支援システムであって、
前記ヘッドセットは、
画像を撮像する撮像部と、
前記端末装置に接続され、画像データを送信するインタフェースと、を備え、
前記端末装置は、
前記ヘッドセットと接続され、画像データを受信するインタフェース部と、
前記サーバ装置に画像データを送信する第1送信部と、
前記サーバ装置からの表示データを受信する第1受信部と、
前記表示データに基づいて表示を行う表示部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置からの画像データを受信する第2受信部と、
前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する集中度判定部と、
前記集中度をポイントに換算するポイント演算部と、
前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成する生成部と、
前記表示データを前記端末装置に送信する第2送信部と、を備えた
学習支援システム。
【請求項6】
受信部が、端末装置からの画像データを受信し、
集中度判定部が、前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定し、
ポイント演算部が、前記集中度をポイントに換算し、
生成部が、前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成し、
送信部が、前記表示データを前記端末装置に送信する
学習支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、
端末装置からの画像データを受信する受信部、
前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する集中度判定部、
前記集中度をポイントに換算するポイント演算部、
前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成する生成部、及び
前記表示データを前記端末装置に送信する送信部、として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザのモチベーションを高め、学習が促進するように支援する学習支援装置、学習支援システム、学習支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの学習の促進を図るべく、様々な技術が提案されている。
【0003】
ここで、例えば、特許文献1では、学習者が行う学習に関連する情報を取得する取得部と、学習に関連する情報に基づいて、学習者に対するポイントの付与および剥奪を行う計算部と、ポイントの情報を学習者に提示する提示部とを有する学習支援システムが開示されている。同システムでは、取得部は、学習者が行った学習行動に関する情報である学習行動情報と、学習者のテスト結果に関する情報であるテスト結果情報とを取得し、計算部は、学習行動情報およびテスト結果情報に基づいて、学習者へのポイントの付与および学習者からのポイントの剥奪を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-189539公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、ユーザの学習中における集中度を判定し、当該集中度に基づいて学習効果を可視化し、学習効果に応じたポイントを付与し、各種商品と交換可能とするインセンティブを与えることで、学習を支援する点は開示されていない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、学習中における集中度を判定し、当該集中度に基づいて学習効果を可視化し、更には学習効果に応じたポイントを付与することで、学習を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係るサーバ装置は、端末装置からの画像データを受信する受信部と、前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する集中度判定部と、前記集中度をポイントに換算するポイント演算部と、前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成する生成部と、前記表示データを前記端末装置に送信する送信部と、を備えた。
【0008】
本発明の第2の態様に係る学習支援システムは、ヘッドセットと端末装置とサーバ装置とからなる学習支援システムであって、前記ヘッドセットは、画像を撮像する撮像部と、前記端末装置に接続され、画像データを送信するインタフェースと、を備え、前記端末装置は、前記ヘッドセットと接続され、画像データを受信するインタフェース部と、前記サーバ装置に画像データを送信する第1送信部と、前記サーバ装置からの表示データを受信する第1受信部と、前記表示データに基づいて表示を行う表示部と、を備え、前記サーバ装置は、前記端末装置からの画像データを受信する第2受信部と、前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する集中度判定部と、前記集中度をポイントに換算するポイント演算部と、前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成する生成部と、前記表示データを前記端末装置に送信する第2送信部と、を備えた。
【0009】
本発明の第3の態様に係る学習支援方法は、受信部が、端末装置からの画像データを受信し、集中度判定部が、前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定し、ポイント演算部が、前記集中度をポイントに換算し、生成部が、前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成し、送信部が、前記表示データを前記端末装置に送信する。
【0010】
本発明の第4の態様に係るプログラムは、コンピュータを、端末装置からの画像データを受信する受信部、前記画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する集中度判定部、前記集中度をポイントに換算するポイント演算部、前記集中度の学習中の推移に係る表示データを生成する生成部、及び前記表示データを前記端末装置に送信する送信部、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、学習中における集中度を判定し、当該集中度に基づいて学習効果を可視化し、更には学習効果に応じたポイントを付与することで、学習を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る学習支援システムの構成図である。
図2】同システムのサーバ装置の構成図である。
図3】同システムの端末装置の構成図である。
図4】同システムのヘッドセットの構成図である。
図5】同システムによる処理の流れを示すフローチャートである。
図6】集中力演算に係る処理の流れを示すフローチャートである。
図7】集中力演算に係る他の処理の流れを示すフローチャートである。
図8】ヘッドセットの詳細な構成図である。
図9】学習中のユーザの様子を示す図である。
図10】画面表示例を示す図である。
図11】画面表示例を示す図である。
図12】画面表示例を示す図である。
図13】ポイント演算用テーブルの一例を示す図である。
図14】コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1には、本発明の実施形態に係る学習支援システムの構成を示し説明する。
【0015】
同図に示されるように、学習支援システムは、サーバ装置1と端末装置2とがインターネット等の通信網4を介して無線又は有線で接続されている。端末装置2には、撮像機能を備えたヘッドセット3が接続される。端末装置2としては、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等、各種のものを採用することができる。
【0016】
このような構成において、ヘッドセット3の撮像機能により学習中の風景等が撮像され画像データが端末装置2を介してサーバ装置1に送信される。サーバ装置1では、この画像データを受信すると、画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する。そして、集中度をポイントに換算する。次いで、集中度の学習中の推移や付与ポイント等に係る表示データを生成し、表示データを端末装置2に送信する。端末装置2では、この表示データに基づく表示が行われ、ユーザは自己の学習中の集中度の推移や、今回付与されたポイント等を確認することが可能となる。
【0017】
集中度判定においては、受信した画像データを解析し、予め定められた所定の対象物(例えば教材等)が撮影されているか否かを判定し、所定の対象物の撮影の有無により異なる得点を付与し、単位時間当たりの前記得点の合計点を算定し、合計点が基準点以上である場合には当該単位時間を集中時間とし、基準点未満である場合には当該単位時間を非集中時間とする。
【0018】
あるいは、集中度判定においては、受信した画像データを解析し、移動平均の差分を演算し、移動力が閾値以上であるか否かにより異なる得点を付与し、単位時間当たりの得点の合計点を算定し、合計点が基準点以上である場合には単位時間を集中時間とし、基準点未満である場合には単位時間を非集中時間とする。
【0019】
そして、ポイント演算においては、サーバ装置1は、学習時間を構成する各単位時間のうち集中時間の合計を求めて、所定のテーブルを参照することで、当該集中時間に対応するポイントを特定し、ポイントを付与する。
【0020】
端末装置2より商品取得に関わるリクエストを受信すると、サーバ装置1は、リクエストに含まれる商品IDに基づいて商品を特定し、商品の取得を許可すると共に、ユーザのポイントを減算し更新する。
【0021】
図2には、学習支援システムにおけるサーバ装置の構成を示し説明する。尚、サーバ装置は、クラウド上に存在するものであってもよい。
【0022】
同図に示されるように、サーバ装置1は、制御部11と、通信部12と、記憶部13とを有する。制御部11と、通信部12と、記憶部13とは、バスラインを介して通信可能に接続されている。これら構成のほか、キーボードやマウス等の入力部や、各種表示を行う液晶ディスプレイ等の表示部を有してもよい。
【0023】
通信部12は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、端末装置2等との間で通信を行う通信インタフェースである。記憶部13は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDDまたは光ディスク装置等で実現されるもので、制御部11で実行されるプログラムを記憶する。記憶部13は、ユーザ情報記憶部14、ポイント演算用記憶部15、及び商品情報記憶部16を有する。
【0024】
より詳細には、ユーザ情報記憶部14は、ユーザIDと紐づけて、ユーザの氏名、性別、年齢、メールアドレス等の属性情報と、学習履歴情報と、ポイント情報と、商品交換履歴情報等とを記憶している。ポイント演算用記憶部15は、集中時間とポイントとを対応付けて、例えば図13に示すようなテーブルの形式で記憶している。そして、商品情報記憶部16は、商品IDと紐づけて、商品名、商品詳細情報、及び交換ポイント数等を記憶している。
【0025】
制御部11は、CPUやMPU等で実現される。制御部11は、ASICやFPGA等の集積回路で構成される。制御部11は、記憶部13に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、受信部11a、集中度判定部11b、ポイント演算部11c、商品取得処理部11d、生成部11e、及び送信部11fとして機能する。
【0026】
このような構成において、受信部11aは、端末装置2からの画像データ、商品交換のリクエスト等を受信する。集中度判定部11bは、画像データを解析し、ユーザの集中度を判定する。ポイント演算部11cは、集中度をポイントに換算する。生成部11eは、集中度の学習中の推移や付与ポイントに係る表示データを生成する。送信部11fは、表示データを端末装置2に送信する。
【0027】
より詳細には、集中度判定部11bは、受信した画像データを解析し、予め定められた所定の対象物(例えば、教材)が撮影されているか否かを判定し、所定の対象物の撮影の有無により異なる得点を付与し、単位時間(例えば1分)当たりの得点の合計点を算定し、合計点が基準点以上である場合には単位時間を集中時間とし、基準点未満である場合には単位時間を非集中時間とする。
【0028】
あるいは、集中度判定部11bは、他の処理として、受信した画像データを解析し、画素の移動平均の差分を演算し、移動力(差分値)が閾値以上であるか否かにより異なる得点を付与し、単位時間(例えば1分)当たりの得点の合計点を算定し、合計点が基準点以上である場合には単位時間を集中時間とし、基準点未満である場合には単位時間を非集中時間とする。
【0029】
ポイント演算部11cは、学習時間を構成する各単位時間のうち集中時間の合計を求めて、ポイント演算用記憶部15を参照して、当該集中時間に対応するポイントを特定して当該ポイントを付与する。
【0030】
商品取得処理部11dは、蓄積されたポイントに基づいて商品取得に関わる処理を実行する。より詳細には、受信部11aが、端末装置2より商品取得に関わるリクエストを受信すると、商品取得処理部11dは、リクエストに含まれる商品IDに基づいて商品を特定し、商品の取得を許可すると共に、ユーザのポイントを減算し、ユーザ情報記憶部14の情報を更新する。
【0031】
図3には、学習支援システムにおける端末装置の構成を示し説明する。
【0032】
同図に示されるように、端末装置2は、制御部21と、通信部22と、操作部23と、表示部24と、撮像部25と、記憶部26、及びインタフェース(I/F)27とを有する。各部21~27は、バスラインを介して通信自在に接続されている。
【0033】
通信部22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網4と有線又は無線で接続され、サーバ装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。撮像部25は、学習風景等を撮影する。操作部23は、マウスやキーボード等で実現され、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部24は、液晶ディスプレイ等により実現されるもので、各種表示を行う。尚、操作部23と表示部24とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。記憶部26は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、RAMは制御部21で実行されるプログラムを一時的に記憶する。このプログラムは、例えばJavaScriptを都度、ダウンロードして、RAMに格納するようにしてもよい。インタフェース27には、外部機器であるヘッドセット3等が接続される。
【0034】
制御部21は、CPUやMPU等で実現されるもので、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてよい。制御部21は、記憶部26に記憶されているプログラムを読み出し実行することで、送信部21a、受信部21b、及び表示制御部21cとして機能する。
【0035】
このような構成において、送信部21aは、ヘッドセット3での撮像により得られた画像データや商品取得リクエスト等を、通信部22を介して、サーバ装置1に送信する。受信部21bは、通信部22を介して、表示データ等を取得する。そして、表示制御部21cは、表示データに基づく表示部24での表示を制御する。
【0036】
図4には、学習支援システムにおけるヘッドセットの構成を示し説明する。
【0037】
同図に示されるように、ヘッドセット3の制御系の構成は、カメラ部31と、端末装置2等にケーブルを介して接続するためのインタフェース(I/F)32を備えたものとなっている。
【0038】
以下、図5のフローチャートを参照して、本発明の実施形態に係る学習支援システムによる処理の流れを説明する。
【0039】
図8に示される画面において、「録画開始」ボタンが選択されると、測定が開始され、測定中は図8に示される画面において、その撮影の様子が確認できる。集中度判定部11bはこの学習の過程でユーザの集中度を判定する(S1)。この集中度判定の処理の詳細は、後述するが、概略説明すると、端末装置2からの画像データを所定時間(例えば5秒)ごとに受信部11aが取得し、画像データを解析し、ユーザの集中度の有無により得点を付与し、単位時間(例えば1分)ごとに得点の合計点を演算し、当該合計点が基準点以上である場合には当該単位時間を集中時間とし、基準点未満である場合には当該単位時間を非集中時間とする。例えば、単位時間が1分である場合、5秒ごとの12回の得点付与があるが、その12回分の得点を合計(最大24点)が、最大得点の7割以上である場合を集中時間とし、7割未満である場合を非集中時間としてもよい。
【0040】
このステップS1の処理を学習終了指示があるまで継続し(S2をNoに分岐)、図8に示される画面で「録画停止」ボタンが選択されるなどして、学習終了指示を受信部11aが受信すると(S2をYesに分岐)、ポイント演算部11cが集中度に基づいてポイントを演算する(S3)。具体的には、学習開始から学習終了までの時間を構成する各単位時間の集中時間/非集中時間の判定に基づいて、集中していた時間を演算し、ポイント演算用記憶部15に記憶されているポイント演算用テーブル(図13)を参照して、当該集中時間に対応するポイントを特定して、当該ポイントを今回の学習に対する対価として付与する(S3)。
【0041】
こうして、ユーザ情報記憶部14のポイント情報を更新し(S4)、一連の処理を終了することとなる。この学習中の集中度判定の結果(測定結果)は、生成部11eにより表示データが生成され、送信部11fにより端末装置2に送信される。端末装置2では、受信部21bが表示データを受信すると、表示制御部21cの制御の下、表示部24に図9に示されるような画面が表示される。この画面では、集中度の時系列的な変化が可視化されているので、ユーザは自己の学習中の集中度の推移をレビューし、次回に活かすことが可能となるので、学習効果が高まる。
【0042】
また、ユーザは、蓄積ポイントを使用して、商品を取得することも可能である。その場合、図10に示されるような画面で、所望とする商品を選択すれば、端末装置2から商品取得のリクエストがサーバ装置1へと送信され、サーバ装置1において、商品取得処理部11dが商品の郵送手配等、商品取得に関わる一連の処理を実行する。
【0043】
ここで、図6のフローチャートを参照して、図5のステップS1で実行される集中力演算の処理の流れを詳細に説明する。
【0044】
本処理に入ると、端末装置2からの画像データを所定時間(例えば5秒)ごとに受信部11aが取得し(S11)、集中度判定部11bが、画像データを解析し(S12)、ユーザの集中度の有無により得点を付与する(S13乃至S17)。この例では、教材の画像が画像データに含まれていない場合には得点付与なし(S15)、教材の画像が画像データに含まれている場合であって、スマートフォンの画像が画像データに含まれている場合には1点を付与(S16)、教材の画像が画像データに含まれている場合であって、スマートフォンの画像が画像データに含まれていない場合には2点を付与する(S17)。
【0045】
こうして、単位時間経過までステップS11乃至S17の処理を繰り返し(S18をNOに分岐)、単位時間経過すると(S18をYesに分岐)、単位時間(例えば1分)ごとに得点の合計点を演算し(S19)、当該合計点が基準点以上である場合には(S20をYesに分岐)、当該単位時間を集中時間とし(S21)、基準点未満である場合には(S20をNoに分岐)、当該単位時間を非集中時間とする(S22)。こうして、図5のステップS2の処理にリターンする。
【0046】
次に、図7のフローチャートを参照して、図5のステップS1で実行される集中力演算の他の処理の流れを詳細に説明する。
【0047】
本処理に入ると、端末装置2からの画像データを所定時間(例えば5秒)ごとに受信部11aが取得し(S31)、集中度判定部11bが、画素の移動平均の差分を演算し(S32)、差分の大きさに基づいて得点を付与する(S33乃至S35)。この例では、差分値(移動力)が閾値以上である場合には得点付与なし(S34)、差分値が閾値未満である場合には2点を付与する(S35)。
【0048】
こうして、単位時間経過までステップS31乃至S35の処理を繰り返し(S36をNoに分岐)、単位時間経過すると(S36をYesに分岐)、単位時間(例えば1分)ごとに得点の合計点を演算し(S37)、当該合計点が基準点以上である場合には(S38をYesに分岐)、当該単位時間を集中時間とし(S39)、基準点未満である場合には(S38をNoに分岐)、当該単位時間を非集中時間とする(S40)。こうして、図5のステップS2の処理にリターンする。
【0049】
図8には、ヘッドセットの詳細な構成を示し説明する。
【0050】
同図に示されるように、ヘッドセット3は、前側に配置されたカメラ部120と、後側に配置された後側支持部130と、カメラ部120と後側支持部130とを結合するバンド140,150,160が設けられている。バンド140,150,160はそれぞれ長さ調整が可能であり、使用者の頭部にフィットさせられるよう構成されている。
【0051】
カメラ部120は、前側に取付プレート121を備え、取付プレート121には、スリットが設けられている。スリットには、それぞれバンド140,150の端部が挿入される。取付プレート121には、ブラケット122が設けられている。本実施形態ではブラケット122は用いないが、他の装置(例えば照明等)を取り付け可能である。取付プレート121には表裏面を貫通する貫通孔123が設けられている。
【0052】
貫通孔123には、目玉クリップ(挟持具)170が取り付けられている。目玉クリップ170は、一対の金属片171,172がコイルバネ173で接続され、それぞれの先端側171aが閉じる方向に付勢されている。先端側171aの反対側には持ち手171bが設けられ、先端側171aを開くには、コイルバネ173の弾性力に抗しながら持ち手171bを指でつまむ必要がある。
【0053】
目玉クリップ170の先端側171aには、カメラ180が取り付けられている。カメラ180は、いわゆるWEBカメラであり、ベース部181と、このベース部181に揺動自在に取り付けられた中間プレート182と、この中間プレート182に取り付けられたサポート部183と、このサポート部183に揺動自在に取り付けられたカメラ本体184とを備えている。カメラ本体184には端末装置2に接続するためのリード線85が取り付けられている。
【0054】
図9には、ユーザが学習している様子を示し説明する。
【0055】
同図に示すように、使用者、例えば学生や生徒等の受講者Mが頭部Hにヘッドセット3を装着する。なお、図5中Eは受講者Mの眼Eを示している。カメラ180の各部を調整して、受講者Mの視線Qと、カメラ180の撮像範囲Rとをできるだけ一致させるように調整する。受講者Mは、机Dの上にテキスト類P等を開き、学習を開始する。
【0056】
受講者Mが学習を開始して、テキスト類Pを読んだり、書き込んだりする動作は、カメラ180によって撮像され、リード線185を介して端末装置2を介して、サーバ装置1へと送信される。
【0057】
最後に、図14(a)、図14(b)には、サーバ装置1、端末装置2のコンピュータとしてのハードウェア構成を図示し説明する。
【0058】
図14(a)に示されるように、サーバ装置1は、CPU51、RAM52、ROM53、HDD54、及びネットワーク(NW)IF55を備えている。CPU51は、図2の制御部11に対応する構成であり、RAM52、ROM53、HDD54は、図2の記憶部13に対応する構成であり、NW IF55は、通信部12に対応する構成である。
【0059】
一方、図14(b)に示されるように、端末装置2は、CPU61、RAM62、ROM63、HDD64、ネットワーク(NW)IF65、入力IF66、出力IF67を備えている。入力IF66には、マウス、キーボード等の操作デバイス68が接続され、出力IF67には、ディスプレイ装置69等が接続される。ヘッドセット3も入力IF66に接続される。CPU61は、図3の制御部21に対応する構成であり、RAM62、ROM63、HDD64は、図3の記憶部26に対応する構成であり、NW IF65は、通信部22に対応する構成であり、操作デバイス68は、図3の操作部23に相当する構成であり、ディスプレイ装置69は、図3の表示部24に対応する構成である。ノートパソコンである場合、ディスプレイ装置69に相当する機能が、内部に実装される。
【0060】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、ユーザの学習中における集中度を判定し、当該集中度に基づいてポイントを付与し、当該ポイントを商品と交換可能としているので、ユーザの学習に対するモチベーションを維持、向上させ、学習効果を高めることが可能となる。また、本システムで用いるヘッドセット3は、簡易な構成ながら、ユーザの学習中の様子を好適に撮影することが可能であるので、その効果を向上させる上で、大きく寄与している。
【0061】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0062】
例えば、集中度判定のアルゴリズムは、前述したものには限定されず、他のアルゴリズムを採用することも可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…サーバ装置、2…端末装置、3…ヘッドセット、4…通信網、11…制御部、11a…受信部、11b…集中力演算部、11c…ポイント演算部、11d…商品取得処理部、11e…生成部、11f…送信部、12…通信部、13…記憶部、14…ユーザ情報記憶部、15…ポイント演算用記憶部、16…商品情報記憶部、21…制御部、21a…送信部、21b…受信部、21c…閲覧部、21d…表示制御部、22…通信部、21…操作部、22…表示部、23…記憶部、24…I/F、31…撮像部、32…I/F。
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