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特開2024-102639決済システム、端末装置及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102639
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】決済システム、端末装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/20 20120101AFI20240724BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240724BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240724BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20240724BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20240724BHJP
【FI】
G06Q20/20 370
G07G1/12 301Z
G06Q30/06
G07G1/12 321L
G07G1/06 Z
G06Q20/32 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006660
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 悠紀
【テーマコード(参考)】
3E142
5L020
5L030
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142AA07
3E142CA12
3E142CA13
3E142CA17
3E142CA20
3E142DA07
3E142EA04
3E142FA42
3E142GA16
3E142GA41
3E142JA01
5L020AA42
5L020AA64
5L030BB72
5L049BB72
5L055AA42
5L055AA64
(57)【要約】
【課題】決済に際して行う決済以外の処置を、容易に、決済者のニーズに応じて柔軟に行えるようにする。
【解決手段】実施形態の決済システムは、第1、第2、第3の取得手段、表示手段、要求手段及び処理手段を備える。第1の取得手段は、コード決済用の認証コードを取得する。第2の取得手段は、コード決済に際して行われ得る決済以外の処置に関する決済者による設定を取得する。表示手段は、第1及び第2の取得手段により取得された認証コード及び設定を表したバーコードを端末装置で表示させる。第3の取得手段は、表示手段により表示されたバーコードが表すデータを取得する。要求手段は、第3の取得手段により取得されたデータが表す認証コードの通知を伴って決済サーバに決済を要求する。処理手段は、第3の取得手段により取得されたデータが表す設定に応じた処置のための処理を行う。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード決済用の認証コードを取得する第1の取得手段と、
コード決済に際して行われ得る決済以外の処置に関する決済者による設定を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された認証コードと、前記第2の取得手段により取得された設定と、を表したバーコードを端末装置で表示させる表示手段と、
前記表示手段により前記端末装置で表示されたバーコードが表すデータを取得する第3の取得手段と、
前記第3の取得手段により取得されたデータが表す認証コードの通知を伴って決済サーバに決済を要求する要求手段と、
前記第3の取得手段により取得されたデータが表す設定に応じた処置のための処理を行う処理手段と、
を具備した決済システム。
【請求項2】
前記要求手段は、取引の代金の決済を要求し、
前記第2の取得手段は、前記要求手段が要求した決済に関する取引についてのレシートを発行するか否かの設定を取得し、
前記処理手段は、前記第3の取得手段により取得されたバーコードがレシートを発行する設定を表す場合にレシートを発行するための処理を行い、レシートを発行しない設定を表す場合にレシートを発行するための処理を行わない、
請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記第2の取得手段は、複数種別の取引の種別毎でのレシートを発行するか否かの設定を取得し、
前記処理手段は、前記第3の取得手段により取得されたバーコードが、前記要求手段が要求した決済に関する取引の種別についてレシートを発行する設定を表す場合にレシートを発行するための処理を行い、前記要求手段が要求した決済に関する取引の種別についてレシートを発行しない設定を表す場合にレシートを発行するための処理を行わない、
請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記要求手段は、1つ又は複数の商品を対象とする取引の代金の決済を要求し、
前記第2の取得手段は、基準値の設定を取得し、
前記処理手段は、前記第3の取得手段により取得されたバーコードが表す基準値に基づき、前記要求手段が要求した決済に関する取引を、対象となる商品の数が多い多数取引と、対象となる商品の数が多数取引よりも少ない少数取引と、のいずれであるかを判定し、多数取引と判定できる場合にレシートを発行するための処理を行い、少数取引と判定できる場合にレシートを発行するための処理を行わない、
請求項1に記載の決済システム。
【請求項5】
コード決済用の認証コードを取得する第1の取得手段と、
コード決済に際して行われ得る決済以外の処置に関する決済者による設定を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された認証コードと、前記第2の取得手段により取得された設定と、を表したバーコードを表示させる表示手段と、
を具備する端末装置。
【請求項6】
端末装置に備えられたコンピュータを、
コード決済用の認証コードを取得する第1の取得手段と、
コード決済に際して行われ得る決済以外の処置に関する決済者による設定を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された認証コードと、前記第2の取得手段により取得された設定と、を表したバーコードを表示させる表示手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済システム、端末装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
客が、取引に関するレシートを必要とする場合もあれば、不要とする場合もある。そこで、店員による操作に応じて、レシートを発行するか否かを切り替える機能を備えた取引処理装置は考えられている。
しかしながら、店員が客の要望を聞き取らねばならず、店員及び客の双方にとって手間となっていた。
このような事情から、決済に際して行う決済以外のレシート発行のような処置を、容易に、決済者のニーズに応じて柔軟に行えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-034191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、決済に際して行う決済以外の処置を、容易に、決済者のニーズに応じて柔軟に行えるようにする決済システム、端末装置及び情報処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の決済システムは、第1の取得手段、第2の取得手段、表示手段、第3の取得手段、要求手段及び処理手段を備える。第1の取得手段は、コード決済用の認証コードを取得する。第2の取得手段は、コード決済に際して行われ得る決済以外の処置に関する決済者による設定を取得する。表示手段は、第1の取得手段により取得された認証コードと、第2の取得手段により取得された設定と、を表したバーコードを端末装置で表示させる。第3の取得手段は、表示手段により端末装置で表示されたバーコードが表すデータを取得する。要求手段は、第3の取得手段により取得されたデータが表す認証コードの通知を伴って決済サーバに決済を要求する。処理手段は、第3の取得手段により取得されたデータが表す設定に応じた処置のための処理を行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態に係る取引処理システムの概略構成を表すブロック図。
図2図1中のPOS端末の要部回路構成を表すブロック図。
図3図1中のユーザ端末の要部回路構成を表すブロック図。
図4図3中の設定データのデータ構造を模式的に表す図。
図5】取引処理のフローチャート。
図6】コード決済処理のフローチャート。
図7】コード決済処理のフローチャート。
図8】トップ画面の一例を表す図。
図9】設定画面の一例を表す図。
図10】バーコード画面の一例を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る取引処理システム1の概略構成を表すブロック図である。
取引処理システム1は、客と店舗とでの商品の売買に関する取引を処理するためのシステムである。取引処理システム1は、取引を処理するための処理の一環として、取引に関わる代金を決済するための処理を行う。かくして取引処理システム1は、決済システムとしての機能を併せ持つ。
【0008】
取引処理システム1は、POS端末100、ユーザ端末200、レシートサーバ300及び決済サーバ400を、通信ネットワーク2を介して通信可能として構成されている。
通信ネットワーク2は、インターネット、VPN(virtual private network)、LAN、公衆通信網、移動体通信網などを、単独又は適宜に組み合わせて用いることができる。通信ネットワーク2としては、一例として、インターネット及び移動体通信網が組み合わせて用いられる。なお、POS端末100及びユーザ端末200は、それぞれ任意の数が取引処理システム1に含まれてよいが、図1では1台ずつのみを表している。
【0009】
POS端末100は、店舗にて操作者により行われる操作に従って、取引を処理するための情報処理を行う。POS端末100は、店員が主たる操作者となる対面型、客が主たる操作者となるフルセルフ型、あるいは店員及び客のいずれもが主たる操作者となるセミセルフ型のいずれであってもよい。
ユーザ端末200は、客により所持される情報処理端末である。ユーザ端末200は、典型的には客により所有されていて、客によって店舗へと持ち込まれて使用される。ユーザ端末200は、客に店舗から貸し出される情報通信端末、あるいは店舗に備品として備えられたショッピングカートに取り付けられた情報通信端末などであってもよい。
【0010】
レシートサーバ300は、店舗における取引の結果を電子的に表した電子レシートを客に閲覧させる電子レシートサービスを提供するための情報処理を行う。レシートサーバ300は、決済サーバ400が提供するコード決済サービスを電子レシートサービスの利用者に利用させるための情報処理を行う。
決済サーバ400は、POS端末100で処理された取引の代金をクレジットカード決済、電子マネー決済、あるいはコード決済などにより決済するための情報処理を行う。
レシートサーバ300及び決済サーバ400のいずれか又は双方は、単体のコンピュータ装置を用いて実現されても、複数のコンピュータが協働することにより実現されてもよい。
【0011】
なお、POS端末100、レシートサーバ300及び決済サーバ400は、典型的にはそれぞれ別々の運営者により運営される。例えば、POS端末100は小売業者、レシートサーバ300は電子レシートサービスの提供事業者、決済サーバ400は決済サービスの提供事業者、によりそれぞれ運営される。ただし、POS端末100、レシートサーバ300及び決済サーバ400のうちの任意の2つ、または全てが同一の運営者により運営されても構わない。
【0012】
図2はPOS端末100の要部回路構成を表すブロック図である。
POS端末100は、プロセッサ101、メイン記憶ユニット102、補助記憶ユニット103、タッチパネル104、バーコードスキャナ105、クレジットカードリーダ106、近接通信ユニット107、カードリーダ/ライタ108、釣銭ユニット109、レシートプリンタ110、通信ユニット111及び伝送路112を含む。そしてプロセッサ101、メイン記憶ユニット102、補助記憶ユニット103、タッチパネル104、バーコードスキャナ105、クレジットカードリーダ106、近接通信ユニット107、カードリーダ/ライタ108、釣銭ユニット109、レシートプリンタ110及び通信ユニット111は、伝送路112に接続されている。
【0013】
プロセッサ101、メイン記憶ユニット102及び補助記憶ユニット103が伝送路112で接続されて、POS端末100の制御に関する情報処理を実行するためのコンピュータが構成される。
プロセッサ101、メイン記憶ユニット102及び補助記憶ユニット103を伝送路112で接続することによって、POS端末100を制御するための情報処理を行うコンピュータを構成する。
プロセッサ101は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ101は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなどの情報処理プログラムに従って、POS端末100としての各種の機能を実現するべく各部を制御するための情報処理を実行する。
【0014】
メイン記憶ユニット102は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メイン記憶ユニット102は、読み出し専用のメモリ領域と書き換え可能なメモリ領域とを含む。メイン記憶ユニット102は、読み出し専用のメモリ領域では上記の情報処理プログラムの一部を記憶する。またメイン記憶ユニット102は、プロセッサ101が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを読み出し専用のメモリ領域又は書き換え可能なメモリ領域で記憶する場合もある。メイン記憶ユニット102は、書き換え可能なメモリ領域を、プロセッサ101によるワークエリアとして使用する。
【0015】
補助記憶ユニット103は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶ユニット103は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶ユニット103は、プロセッサ101が各種の処理を行う上で使用するデータと、プロセッサ101での処理によって生成されたデータとを記憶する。補助記憶ユニット103は、上記の情報処理プログラムを記憶する場合もある。補助記憶ユニット103は、本実施形態では、情報処理プログラムの1つである取引処理プログラムPRAを記憶する。取引処理プログラムPRAは、後述する取引処理の手順について記述されたアプリケーションプログラムである。
【0016】
タッチパネル104は、操作者に対する情報提示のための画面を表示する。またタッチパネル104は、操作者による画面へのタッチ操作による指示を入力する。
バーコードスキャナ105は、読み取り口に対向されたバーコードを光学的に読み取る。バーコードスキャナ105は、読み取ったバーコードが表すバーコード情報を出力する。
クレジットカードリーダ106は、クレジットカードからカード情報を読み取る。
【0017】
近接通信ユニット107は、近接された無線タグとの間で近接無線通信を行い、当該無線タグに記憶されたデータを取得する。また近接通信ユニット107は、上記の近接無線通信により、上記の無線タグに任意の情報を書き込む。
カードリーダ/ライタ108は、会員カード及びプリペイドカードなどの予め定められたカードに記録されたカードデータを読み取る。またカードリーダ/ライタ108は、会員カードに対して任意のデータを書き込む。
【0018】
バーコードスキャナ105、クレジットカードリーダ106、近接通信ユニット107及びカードリーダ/ライタ108のうちの少なくとも2つとしては、同じデバイスが用いられてもよい。例えば、クレジットカードリーダ106及びカードリーダ/ライタ108の機能を兼ね備えた1つのカードリーダが用いられてもよい。
バーコードスキャナ105、クレジットカードリーダ106、近接通信ユニット107及びカードリーダ/ライタ108は、POS端末100とは別体とされて、POS端末100に外付けされるのでも構わない。例えば、いわゆる決済端末がPOS端末100に外付けされて、この決済端末がバーコードスキャナ105、クレジットカードリーダ106、近接通信ユニット107及びカードリーダ/ライタ108の少なくとも1つの機能を備えるのでもよい。
【0019】
釣銭ユニット109は、硬貨投入口から投入された硬貨を、その金額を計数しつつ、内部の収納庫に収容する。釣銭ユニット109は、収納庫に収容している硬貨を、硬貨排出口を介して硬貨トレイへと排出する。釣銭ユニット109は、紙幣投入口から投入された紙幣を、その金額を計数しつつ、内部の収納庫に収容する。釣銭ユニット109は、収納庫に収容している紙幣を紙幣排出口から排出する。紙幣排出口は、排出された紙幣を、その一部を外部に露出させた状態で保持する。
レシートプリンタ110は、レシート用紙に対してプロセッサ101の制御の下に任意の画像をプリントする。レシートプリンタ110としては、例えばサーマルプリンタなどの周知のプリントデバイスを用いることができる。
【0020】
通信ユニット111は、プロセッサ101が通信ネットワーク2を介して、例えばレシートサーバ300及び決済サーバ400などの任意の装置と各種データを授受するための通信処理を行う。通信ユニット111としては、通信ネットワーク2の通信方式に準じた周知のデバイスを用いることができる。
伝送路112は、アドレスバス、データバス及び制御信号線等を含む。伝送路112は、接続されている各部の間で授受されるデータ及び信号を伝送する。
【0021】
POS端末100の基本ハードウェアとしては、例えば既存のPOS端末のハードウェアを用いることができる。このときにPOS端末100の譲渡は一般に、取引処理プログラムPRAが補助記憶ユニット103に記憶された状態にて行われる。しかし、取引処理プログラムPRAが補助記憶ユニット103に記憶されない状態のPOS端末100のハードウェアと取引処理プログラムPRAとが個別に譲渡されてもよい。そして、補助記憶ユニット103に、任意の作業者の操作に応じて取引処理プログラムPRAが書き込まれてもよい。あるいは、取引処理プログラムPRAと同種の別バージョンの取引処理プログラムが補助記憶ユニット103に記憶された状態のPOS端末100のハードウェアと取引処理プログラムPRAとが個別に譲渡されてもよい。そして、補助記憶ユニット103に既に記憶されている取引処理プログラムを置き換える形で、取引処理プログラムPRAが書き込まれてもよい。取引処理プログラムPRAの譲渡は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。取引処理プログラムPRAは、メイン記憶ユニット102に記憶されてもよい。
【0022】
図3はユーザ端末200の要部回路構成を表すブロック図である。
ユーザ端末200は、プロセッサ201、メイン記憶ユニット202、補助記憶ユニット203、タッチパネル204、モバイル通信ユニット205及び伝送路206等を備える。
プロセッサ201、メイン記憶ユニット202、補助記憶ユニット203、タッチパネル204及び伝送路206の機能の概略は、プロセッサ101、メイン記憶ユニット102、補助記憶ユニット103、タッチパネル104及び伝送路112と同等であるので、その説明は省略する。ただし補助記憶ユニット203は、取引処理プログラムPRAに代えて、ユーザ端末プログラムPRBを記憶する。ユーザ端末プログラムPRBは、ユーザ端末200を、レシートサーバ300により提供される電子レシートサービスを利用するためのユーザインタフェースとして動作させるためのプロセッサ201の情報処理の手順を記述したアプリケーションプログラムである。また、補助記憶ユニット203は、設定データDAAを記憶する。設定データDAAについては後述する。
【0023】
モバイル通信ユニット205は、通信ネットワーク2を介したデータ通信のインタフェースである。モバイル通信ユニット205としては、例えば移動体通信網を介したデータ通信を行うための周知の通信デバイスを利用できる。
ユーザ端末200の基本ハードウェアとしては、例えばスマートフォン又はタブレットコンピュータのハードウェアを用いることが想定される。
【0024】
設定データDAAは、後述するコード決済を利用した場合におけるレシート発行に関するユーザ設定を管理するためのデータである。
図4は設定データDAAのデータ構造を模式的に表す図である。
設定データDAAは、5つのフィールドFEA,FEB,FEC,FED,FEEを含む。フィールドFEAには、取引が行われた店舗のカテゴリが「飲食店」である場合においてレシートを発行するか否かを表すフラグ(以下、飲食店フラグと称する)がセットされる。フィールドFEBには、取引が行われた店舗のカテゴリが「スーパーマーケット」である場合においてレシートを発行するか否かを表すフラグ(以下、スーパーマーケットフラグと称する)がセットされる。フィールドFECには、取引が行われた店舗のカテゴリが「コンビニエンスストア」である場合においてレシートを発行するか否かを表すフラグ(以下、コンビニエンスストアフラグと称する)がセットされる。フィールドFEDには、取引が行われた店舗のカテゴリが「衣料品店」である場合においてレシートを発行するか否かを表すフラグ(以下、衣料品店フラグと称する)がセットされる。フィールドFEEには、取引の対象となる商品の点数に基づくレシートの発行/不発行を判断するための閾値となる基準点数がセットされる。
【0025】
次に以上のように構成された取引処理システム1の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、一部の処理の順序の変更、一部の処理の省略、あるいは別の処理の追加などは適宜に可能である。例えば、以下の説明では、本実施形態の特徴的な動作を分かり易く説明するために、一部の処理についての説明を省略している。例えば、何らかのエラーが発生した場合に、そのエラーに対処するための処理が行われる場合があるが、そのような処理については記載を省略している。
【0026】
POS端末100が設置されている店舗で商品を購入しようとする客は、購入する商品を売場からピックアップしてチェックアウトコーナーへと持って行き、POS端末100の操作を担当する店員に引き渡す。店員は、客から引き渡された商品を取引対象として登録するための予め定められた操作をPOS端末100において開始する。あるいは、客は、購入しようとする商品を取引対象として登録するための予め定められた操作をPOS端末100において開始する。これに応じてPOS端末100にてプロセッサ101は、取引処理プログラムPRAに基づく取引処理を開始する。
【0027】
図5は取引処理のフローチャートである。
ACT11としてプロセッサ101は、登録処理を実行する。登録処理は、上記の店員又は客による操作に応じて商品を取引対象として登録してゆくための処理である。登録処理は例えば、既存の別のPOS端末装置で行われている処理と同様な処理であってよい。
【0028】
店員又は客は、商品の全てを取引対象として登録し終えたならば、予め定められた操作によって会計の開始を指示する。これに応じてプロセッサ101は、登録処理を終えてACT12へと進む。
ACT12としてプロセッサ101は、指定画面をタッチパネル104に表示させる。指定画面は、処理中の取引に関する代金の決済に用いる決済方法を店員又は客に選択させるための画面である。指定画面は、例えば、利用を許容する決済方法のそれぞれを指定するためのソフトキーを表す。利用を許容する決済方法は例えば、現金決済、クレジットカード決済、プリペイドカード決済、電子マネー決済及びコード決済などである。さらに、同じ決済方法で、複数の決済サービスの選択的な利用を許容してもよい。
ACT13としてプロセッサ101は、決済方法が指定されるのを待ち受ける。
【0029】
店員は客の希望を聞き取った上で、あるいは客は、利用する決済方法が関連付けられたソフトキーをタップするなどの予め定められた操作により決済方法を指定する。これに応じてプロセッサ101はACT13にてYESと判定し、ACT14へと進む。
ACT14としてプロセッサ101は、指定された決済方法がコード決済であるか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、コード決済以外の決済方法が指定されているならば、指定された決済方法を確認し、該当の決済方法で決済を行うための他処理に移行する。他処理は例えば、クレジット決済が指定されたことを確認の上で、クレジットカードリーダ106を利用してクレジット決済を行うための処理である。他処理は例えば、電子マネー決済が指定されたことを確認の上で、近接通信ユニット107を用いて電子マネー決済を行うための処理である。他処理は例えば、プリペイドカード決済が指定されたことを確認の上で、カードリーダ/ライタ108を利用してプリペイドカード決済を行うための処理である。他処理は例えば、現金決済が指定されたことを確認の上で、釣銭ユニット109を利用して現金決済を行うための処理である。これらの他処理は、既存の別のPOS端末装置で行われている処理と同様な処理であってよいので、その図示及び説明は省略する。
【0030】
さて、客は、コード決済を利用して決済しようとする場合には、ユーザ端末200でユーザ端末プログラムPRBによる処理を起動させた上で、予め定められた操作によってコード決済機能の起動を指示する。この指示に応じてユーザ端末200にてプロセッサ201は、ユーザ端末プログラムPRBによる処理の一環としてのコード決済処理を開始する。
【0031】
図6及び図7はコード決済処理のフローチャートである。
図6中のACT31としてプロセッサ201は、レシートの発行に関わる設定(以下、発行設定と称する)を「自動」に初期設定する。
ACT32としてプロセッサ201は、トップ画面をタッチパネル204に表示させる。トップ画面は、コード決済の開始に伴う操作のためのGUI(graphical user interface)画面である。
【0032】
図8はトップ画面SCAの一例を表す図である。
なお、図8及びその他の図に表す画面例は、いずれも一部の表示オブジェクトの図示を省略している場合がある。
トップ画面SCAは、ボタンBUA,BUB及びスイッチSWAをGUIオブジェクトとして表す。
【0033】
ボタンBUAは、コード決済を実行することの指示を受けるためのソフトキーである。ボタンBUBは、コード決済を取り止めることの指示を受けるためのソフトキーである。
スイッチSWAは、スライダSLAをスライドさせるようなスワイプ操作により発行設定の変更に関わる指示を受けるため仮想的なスイッチである。スイッチSWAは、初期的なスライダSLAの位置は実線で表す位置である。これによりスイッチSWAは、発行設定が「自動」となっていることを表すインジケータとしても機能する。
【0034】
図6中のACT33としてプロセッサ201は、コード決済を実行することの指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT34へと進む。
ACT34としてプロセッサ201は、発行設定の変更が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT35へと進む。
ACT35としてプロセッサ201は、レシートを発行するか否かを自動で決定するための条件(以下、発行条件と称する)の設定開始が指示されたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、該当野事象を確認できないならばNOと判定し、ACT33へと戻る。
かくしてプロセッサ201は、ACT33~ACT35としては、実行、変更又は設定開始のいずれかが指示されるのを待ち受ける。
【0035】
客は、発行条件を変更したい場合には、予め定められた操作によって設定開始を指示する。このときの操作は例えば、トップ画面SCAにてスライダSLAを図8中の下方にスライドさせるようなスワイプ操作である。このように設定開始が指示されたならば、プロセッサ201は図6中のACT35にてYESと判定し、ACT36へと進む。
ACT36としてプロセッサ201は、設定画面をタッチパネル204に表示させる。設定画面は、発行条件の変更指示を受けるためのGUI画面である。
【0036】
図9は設定画面SCBの一例を表す図である。
設定画面SCBは、ボタンBUC,BUD,BUE,BUF,BUG,BUH,BUIをGUIオブジェクトとして表す。また設定画面SCBは、表示エリアARAを含む。
ボタンBUC~BUFは、「飲食店」、「スーパーマーケット」、「コンビニエンスストア」及び「衣料品店」の各カテゴリにそれぞれ関連付けられている。ボタンBUC~BUFは、関連付けられたカテゴリに属する店舗での取引に際してレシートを発行するか否かを表すととともに、変更するためのトグルボタンである。図9に表す設定画面SCBは、「飲食店」に属する店舗での取引に際してレシートを発行せず、「スーパーマーケット」、「コンビニエンスストア」及び「衣料品店」の各カテゴリに属する店舗での取引に際してレシートを発行する設定となっている場合の例である。プロセッサ201は、ACT36にて表示させる設定画面SCBに関しては、設定データDAAのフィールドFEA~FEDにセットされているフラグのそれぞれに従ってボタンBUC~BUFの表示状態を決定する。
【0037】
ボタンBUGは、表示エリアARAに表される基準点数の増加指示を受けるためのソフトキーである。ボタンBUHは、表示エリアARAに表される基準点数の減少指示を受けるためのソフトキーである。プロセッサ201は、ACT36にて表示させる設定画面SCBに関しては、設定データDAAのフィールドFEEにセットされている基準点数を表す数字を表示エリアARAに表す。
ボタンBUIは、発行条件の変更を終了することの指示を受けるためのソフトキーである。
【0038】
プロセッサ201は、図6中のACT36として設定画面SCBを表示したのちには、ACT37へと進む。
ACT37としてプロセッサ201は、変更指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT38へと進む。
ACT38としてプロセッサ201は、終了指示がなされたか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、該当の事象を確認できないならばNOと判定し、ACT37へと戻る。
かくしてプロセッサ201は、ACT37及びACT38としては、変更指示又は終了指示を待ち受ける。
【0039】
客は、発行条件を変更したいならば、そのための予め定められた操作を行う。客は例えば、設定画面SCBが図9に表す状態にあるときに、カテゴリが「衣料品店」である店舗での取引に関してはレシートを発行しないようにしたいならば、ボタンBUFをタップする。あるいは客は例えば、設定画面SCBが図9に表す状態にあるときに、基準点数を「12」としたいならば、ボタンBUGを2回タップする。
プロセッサ201は、このような変更指示のための操作が行われたならば、ACT37にてYESと判定し、ACT39へと進む。
【0040】
ACT39としてプロセッサ201は、変更指示に応じて設定データDAAを更新する。プロセッサ201は例えば、ボタンBUFがタップされたならば、設定データDAAのフィールドFEDにセットされているフラグの状態を反転させる。プロセッサ201は例えば、ボタンBUGがタップされる毎に、設定データDAAのフィールドFEEにセットされている値を1つ増加する。
【0041】
ACT40としてプロセッサ201は、更新後の設定データDAAの内容を反映するように設定画面SCBを更新する。プロセッサ201は例えば、設定データDAAのフィールドFEDにセットされているフラグの状態を反転させたならば、ボタンBUFの表示状態を変更する。プロセッサ201は例えば、設定データDAAのフィールドFEEにセットされている値を変更したならば、その変更後の値を表す数字に、表示エリアARAに表されている数字を置き換える。
そしてプロセッサ201はこののち、ACT37及びACT38の待ち受け状態に戻る。かくしてプロセッサ201は、変更指示がなされる毎に,ACT39及びACT40を繰り返し実行する。
【0042】
客は、発行条件を変更し終えたならば、例えばボタンBUIをタップするなどの予め定められた操作により終了を指示する。これに応じてプロセッサ201はACT38にてYESと判定し、ACT32へと戻って、以降を前述と同様に繰り返す。
客は、発行設定を変更したいならば、予め定められた操作によってその変更を指示する。客は例えば、これから行う決済に関しては発行条件に拘わらずにレシートの発行を希望するならば、トップ画面SCAにおいて、スライダSLAを破線で表す位置POAまで移動させるべくスワイプ操作を行う。また客は例えば、これから行う決済に関しては発行条件に拘わらずにレシートを発行しないことを希望するならば、トップ画面SCAにおいて、スライダSLAを破線で表す位置POBまで移動させるべくスワイプ操作を行う。あるいは客は例えば、レシートを発行する設定又は発行しない設定となっている場合に、発行設定を「自動」にしたいならば、スライダSLAを図8で表す表示位置まで移動させるべくスワイプ操作を行う。
【0043】
これらのような発行設定の変更指示がなされたならばプロセッサ201は、図6中のACT34にてYESと判定し、ACT41へと進む。
ACT41としてプロセッサ201は、変更指示に応じて発行設定を変更する。プロセッサ201は例えば、スライダSLAを位置POAまで移動させるべくスワイプ操作が行われたならば、発行設定を「発行」に変更する。プロセッサ201は例えば、スライダSLAを位置POBまで移動させるべくスワイプ操作が行われたならば、発行設定を「不発行」に変更する。プロセッサ201は、スライダSLAを図8で表す表示位置まで移動させるべくスワイプ操作が行われたならば、発行設定を「自動」に変更する。なおプロセッサ201は、発行設定が「自動」「発行」及び「不発行」のいずれであるかを表すデータを、メイン記憶ユニット202又は補助記憶ユニット203に記憶させておく。
【0044】
ACT42としてプロセッサ201は、変更後の発行設定に応じてトップ画面SCAを更新する。プロセッサ201は例えば、発行設定を「発行」に変更したならば、スライダSLAを位置POAに表すようにトップ画面SCAを更新する。プロセッサ201は例えば、発行設定を「不発行」に変更したならば、スライダSLAを位置POBに表すようにトップ画面SCAを更新する。プロセッサ201は例えば、発行設定を「自動」に変更したならば、図8に表すトップ画面SCAに戻す。
そしてプロセッサ201はこののち、ACT33~ACT35の待ち受け状態に戻る。
【0045】
客は、決済へと進むことを決定したならば、例えばトップ画面SCAにてボタンBUAにタップするなどの予め定められた操作によって実行を指示する。これに応じてプロセッサ201は、図6中のACT33にてYESと判定し、図7中のACT51へと進む。
ACT51としてプロセッサ201は、コード決済のための認証に用いる認証コードとしてのワンタイムコードを取得する。プロセッサ201は例えば、レシートサーバ300に対してワンタイムコードを要求する。プロセッサ201は例えば、ワンタイムコードの要求のために予め定められた要求データを、レシートサーバ300に宛ててモバイル通信ユニット205から通信ネットワーク2へと送出する。この要求データが通信ネットワーク2によりレシートサーバ300へと伝送されると、レシートサーバ300は決済サーバ400に対してワンタイムコードを要求する。決済サーバ400は、要求に応じてワンタイムコードを生成する。ワンタイムコードは、例えば既に行われているコード決済において用いられているのと同様なコードであって構わない。決済サーバ400は、生成したワンタイムコードを、要求への応答としてレシートサーバ300に送信する。レシートサーバ300は、決済サーバ400からワンタイムコードを受けると、このワンタイムコードをユーザ端末200からの要求への応答としてユーザ端末200に宛てて通信ネットワーク2へと送出する。このようにレシートサーバ300から送出されたワンタイムコードが通信ネットワーク2によりユーザ端末200へと伝送され、ユーザ端末200にてモバイル通信ユニット205により受信されると、プロセッサ201はメイン記憶ユニット202又は補助記憶ユニット203に保存する。なお、このようなワンタイムコードの取得は、コード決済のために既に行われている処理と同様な処理であって構わない。かくしてユーザ端末プログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ201が実行することによって、プロセッサ201を中枢部分とするコンピュータは認証コードとしてのワンタイムコードを取得する第1の取得手段として機能する。
【0046】
ACT52としてプロセッサ201は、発行設定が「自動」となっているか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、「自動」であるならばYESと判定し、ACT53へと進む。
ACT53としてプロセッサ201は、第1のバーコードを生成する。プロセッサ201は例えば、ACT51で取得したワンタイムコードととともに、設定データDAAを付加データとして含んだバーコードデータを表したバーコードとして第1のバーコードを生成する。このときにプロセッサ201は、補助記憶ユニット203に記憶された設定データDAAを読み出すことによって、決済者による設定を取得していることになる。かくしてユーザ端末プログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ201が実行することによって、プロセッサ201を中枢部分とするコンピュータは第2の取得手段として機能する。
【0047】
プロセッサ201は、発行設定が「自動」ではないならば、ACT52にてNOと判定し、ACT54へと進む。
ACT54としてプロセッサ201は、発行設定が「発行」であるか否かを確認する。そしてプロセッサ201は、「発行」であるならばYESと判定し、ACT55へと進む。
【0048】
ACT55としてプロセッサ201は、第2のバーコードを生成する。プロセッサ201は例えば、ACT51で取得したワンタイムコードとともに、レシート発行を指示するための予め定められた指示データを付加データとして含んだバーコードデータを表したバーコードとして第2のバーコードを生成する。このときにプロセッサ201は、発行設定を「発行」とする指示を受けていることで、決済者による設定を取得していることになる。かくしてユーザ端末プログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ201が実行することによって、プロセッサ201を中枢部分とするコンピュータは第2の取得手段として機能する。
【0049】
プロセッサ201は、発行設定が「不発行」であるならば、ACT54にてNOと判定し、ACT56へと進む。
ACT56としてプロセッサ201は、第3のバーコードを生成する。プロセッサ201は例えば、ACT51で取得したワンタイムコードとともに、レシートを発行しないことを指示するための予め定められた指示データを付加データとして含んだバーコードとして第3のバーコードを生成する。このときにプロセッサ201は、発行設定を「不発行」とする指示を受けていることで、決済者による設定を取得していることになる。かくしてユーザ端末プログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ201が実行することによって、プロセッサ201を中枢部分とするコンピュータは第2の取得手段として機能する。
【0050】
プロセッサ201は、ACT53、ACT55及びACT56のいずれかを終えると、いずれの場合もACT57へと進む。
ACT57としてプロセッサ201は、バーコード画面をタッチパネル204に表示させる。バーコード画面は、ACT53、ACT55及びACT56で生成した第1、第2及び第3のバーコードのいずれかを決済バーコードとして表した画面である。
【0051】
図10はバーコード画面SCCの一例を表す図である。
バーコード画面SCCは、決済バーコードBCA及びボタンBUJを表す。またバーコード画面SCCは、表示エリアARBを含む。
決済バーコードBCAは、ACT53、ACT55及びACT56で生成した第1、第2及び第3のバーコードのいずれかである。ボタンBUJは、バーコード画面を閉じることの指示を受けるためのソフトキーである。プロセッサ201は、ACT51にて取得したワンタイムコードの有効時間を表示エリアARAに表す。なおプロセッサ201はバーコード画面SCCの表示中、表示エリアARAに表す有効時間を逐次減少するように更新する。
決済バーコードBCAは、図10に表すような一次元タイプのバーコードに限らず、二次元タイプなどの別のタイプのバーコード、すなわち二次元コードとしても構わない。
かくしてユーザ端末プログラムPRBに基づく情報処理をプロセッサ201が実行することによって、プロセッサ201を中枢部分とするコンピュータは表示手段として機能する。
【0052】
店員又は客は、POS端末100においては、コード決済が関連付けられたソフトキーをタップするなどの予め定められた操作によりコード決済を指定する。この場合にプロセッサ101は図5中のACT14にてYESと判定し、ACT15へと進む。
ACT15としてプロセッサ101は、ガイド画面をタッチパネル104に表示させる。ガイド画面は、決済バーコードBCAをバーコードスキャナ105に読み取らせるように店員又は客をガイドするための画面である。プロセッサ101は例えば、文字メッセージなどを表すものとして予め定められたガイド画面をタッチパネル104に表示させる。
【0053】
ACT16としてプロセッサ101は、決済バーコードBCAが読み取られるのを待ち受ける。プロセッサ101は例えば、バーコードスキャナ105によりバーコードが読み取られると、当該のバーコードがワンタイムコードを表すか否かを確認し、ワンタイムコードを表さないならばYESとは判定しない。
【0054】
店員又は客は、バーコード画面SCCに表されている決済バーコードBCAを読み取るようにバーコードスキャナ105を操作する。プロセッサ101は、例えばバーコードスキャナ105により読み取られたバーコードがワンタイムコードを表すことなどにより決済バーコードBCAがスキャンされたことを確認できたならば、ACT16にてYESと判定してACT17へと進む。
【0055】
ACT17としてプロセッサ101は、バーコードスキャナ105により決済バーコードBCAを読み取って得られたバーコードデータから、ワンタイムコード及び付加データをそれぞれ抽出する。かくして取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは第3の取得手段として機能する。
【0056】
ACT18としてプロセッサ101は、決済サーバ400に対して決済を要求する。プロセッサ101は例えば、決済要求のための予め定められた要求データを、決済サーバ400に宛てて通信ユニット111から通信ネットワーク2へと送出する。プロセッサ101は、ここで送出する要求データには、ACT11にて登録した取引に関する決済額と、ACT17にて抽出したワンタイムコードとを含める。この要求データが通信ネットワーク2により決済サーバ400へと伝送されると、決済サーバ400は、要求データに含まれるワンタイムコードの正当性を確認し、正当なワンタイムコードであるならば、要求データに含まれた決済額を決済するための処理を行う。この処理による決済の決済者は、ユーザ端末200を利用している客となる。なお、このような決済のための処理は、コード決済のために既に行われている処理と同様な処理であって構わない。そして決済サーバ400は、決済を完了したならば、完了を通知するための通知データをPOS端末100に宛てて通信ネットワーク2へと送出する。かくして、取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは要求手段として機能する。
【0057】
プロセッサ101は、ACT18として決済を要求したのちには、ACT19へと進む。
ACT19としてプロセッサ101は、決済の完了が通知されるのを待ち受ける。そしてプロセッサ101は、上述のように決済サーバ400から送出された通知データが通信ネットワーク2によりPOS端末100へと伝送されて、通信ユニット111により受信されたならば、ACT19にてYESと判定し、ACT20へと進む。
【0058】
ACT20としてプロセッサ101は、ACT17にて抽出した付加データが設定データであるか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、設定データであるならばYESと判定してACT21へと進む。
ACT21としてプロセッサ101は、設定データに基づいて定まるレシート発行の条件が成立するか否かを確認する。プロセッサ101は例えば、POS端末100が利用されている店舗が属するカテゴリが「飲食店」であるならば、ACT17にて抽出された設定データに含まれる飲食店フラグがレシートを発行することを表す状態であり、かつACT11にて取引対象として登録された商品の点数がACT17にて抽出された設定データに含まれる基準点数以上である場合に、条件が成立するとする。そしてプロセッサ101は、このように条件が成立するならばACT21にてYESと判定し、ACT22へと進む。
【0059】
ACT22としてプロセッサ101は、レシートを発行する。プロセッサ101は例えば、今回の処理対象となっている取引の内容を予め定められたフォーマットで表したレシート画像を生成する。そしてプロセッサ101は、当該のレシート画像をレシートプリンタ110によりプリントさせる。そしてプロセッサ101は、レシートをプリントし終えたならば、今回の処理対象となっている取引に関する取引処理を終了する。
なおプロセッサ101は、設定データに基づいて定まるレシート発行の条件が成立しないならば、ACT21にてNOと判定し、ACT22をパスして取引処理を終了する。つまりプロセッサ101は、条件が成立しない場合にはレシートを発行しない。
【0060】
一方でプロセッサ101は、ACT17にて抽出した付加データが設定データではないならば、ACT20にてNOと判定し、ACT23へと進む。
ACT23としてプロセッサ101は、ACT17にて抽出した付加データが発行を指示するための指示データであるか否かを確認する。そしてプロセッサ101は、該当の指示データであるならばYESと判定し、ACT22へと進む。つまりこの場合にプロセッサ101は、無条件にレシートを発行する。
【0061】
プロセッサ101は、ACT17にて抽出した付加データが不発行を指示するための指示データであるならば、ACT23にてNOと判定し、ACT22をパスして取引処理を終了する。つまりプロセッサ101は、無条件にレシートを発行しない。
このようにプロセッサ101は、決済バーコードBCAが表す付加データが表す設定に応じた処理を行っている。つまり取引処理プログラムPRAに基づく情報処理をプロセッサ101が実行することによって、プロセッサ101を中枢部分とするコンピュータは処理手段として機能する。
【0062】
なお、ユーザ端末200にてプロセッサ201は、図7中のACT57としてバーコード画面SCCを表示させたのちには、ACT58へと進む。
ACT58としてプロセッサ201は、終了が指示されるのを待ち受ける。店員又は客は、決済バーコードBCAをバーコードスキャナ105に読み取らせたのちの任意のタイミングで、例えばボタンBUJをタップするなどの予め定められた操作によって終了を指示する。これに応じてプロセッサ201は、ACT58にてYESと判定し、コード決済処理を終了する。
【0063】
以上のように取引処理システム1では、コード決済による決済の実施に当たっては、ユーザ端末200におけるレシート発行の設定がワンタイムコードとともにPOS端末100に取り込まれて、当該設定に従ってPOS端末100でのレシート発行が制御される。かくして、ユーザ端末200に設定されている決済者のニーズに応じたレシートの発行制御をPOS端末100にて行うことができる。
そして、レシートの発行制御に関する決済者の設定は、ワンタイムコードをPOS端末100に取り込ませるための決済バーコードBCAの読み取りによってPOS端末100に取得させるので、該当の設定をPOS端末100に入力するための特別な操作は必要が無い。つまり、例えば客が店員に口頭で希望を伝え、店員がその希望を入力する操作を行う、といったことは必要がなく、容易である。
【0064】
また取引処理システム1では、POS端末100において、ユーザ端末200から取得した設定データに基づいて定まるレシート発行の条件が成立するか否かを確認して、レシートの発行/不発行を決定する。かくして、例えば、「一部のカテゴリの店舗での取引に限ってレシートが必要」、あるいは「取引点数の少ない取引に関するレシートは不要」といった決済者の細かなニーズに対応したレシートの発行制御を柔軟に実行できる。そして、設定データに基づくレシートの発行制御を行う場合には、決済者は決済毎に発行/不発行を指定するための操作を行う必要がない。
【0065】
また取引処理システム1では、ユーザ端末200にて決済毎のレシートの発行/不発行が設定されたならば、その設定に従ったレシートの発行制御がPOS端末100にて行われる。かくして、決済者は、発行/不発行を指定する操作を行う必要はあるものの、決済毎にレシートの発行/不発行を柔軟に決定することができる。
【0066】
また取引処理システム1では、決済に先立って発行/不発行の指定がなされない場合には、設定データに基づくレシートの発行制御が適用される。かくして、決済者は、例えば定常的には設定データに基づくレシートの発行制御を利用しつつ、一部の取引に関して例外的に発行/不発行を決定する、といった柔軟な利用形態とすることができる。
【0067】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
実施形態では、発行設定に関して「自動」をデフォルトとしているが、「発行」又は「不発行」をデフォルトとしてもよい。
【0068】
実施形態では、発行設定として「発行」及び「不発行」を設定可能としているが、これを省略し、常に設定データを決済バーコードに表すのでもよい。あるいは、発行設定として「自動」を設定可能としているが、これを省略し、「発行」を指示する指示データ又は「不発行」を指示する指示データを決済バーコードに表すのでもよい。この場合、「発行」又は「不発行」のいずれかをデフォルトとしてその変更指示を取引毎に受け付けてもよいし、あるいは「発行」又は「不発行」のいずれかの指定を取引毎に受け付けるようにしてもよい。
【0069】
レシートの発行/不発行を決定するための条件は、実施形態における店舗カテゴリに関する条件及び商品点数に関する条件のいずれか一方のみとしてもよい。あるいはこれらの条件の少なくともいずれか一方に変えて、あるいは加えて、別の条件を適用してもよい。別の条件としては、例えば決済金額が既定金額に満たない場合にレシートを不発行とするような条件が想定される。
【0070】
レシートの発行/不発行に関わる設定に限らず、別の様々な決済者の個々の設定を表したデータを決済バーコードに含めても構わない。例えば、レジ袋の要/不要、領収証の発行の要/不要、あるいはイートイン/テイクアウトなどの設定を決済バーコードに表してもよい。その他、決済者の個々の要望として様々な項目に関する設定を決済バーコードに表してもよい。
さらには、複数種の設定を同じ決済バーコードに表してもよい。
【0071】
ワンタイムコードは、ユーザ端末200が決済サーバ400から直接取得するのでもよい。
【0072】
認証コードは、ワンタイムコードには限らず、コード決済に関する認証のために用いるコードであればどのようなコードであってもよい。
【0073】
決済者個々の設定を、レシートサーバ300又は決済サーバ400、あるいは別途のサーバで管理しておき、これらサーバにて決済バーコードを生成するか、決済バーコードに表すべきデータを生成してもよい。
【0074】
条件に基づく発行/不発行の決定をユーザ端末200にてプロセッサ201が行った上で、この決定に応じて決済バーコードに発行/不発行の指示データを含めてもよい。
【0075】
上記の実施形態は、電子レシートサービスを利用するためのアプリケーションプログラムであるユーザ端末プログラムPRBに基づいてプロセッサ201がコード決済処理を実行しており、電子レシートサービスの一環として付帯的に提供されるコード決済サービスを利用するものである。しかしながら、電子レシートサービスとは無関係に提供されるコード決済サービスを利用するのでも構わない。そしてこの場合には、電子レシートサービスを利用するためのアプリケーションプログラムとは異なるアプリケーションプログラムに基づいてコード決済処理をプロセッサ201に実行させる。
【0076】
情報処理によりプロセッサ101,201が実現する各機能は、その一部又は全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1…取引処理システム、2…通信ネットワーク、100…POS端末、101…プロセッサ、102…メイン記憶ユニット、103…補助記憶ユニット、104…タッチパネル、105…バーコードスキャナ、106…クレジットカードリーダ、107…近接通信ユニット、108…カードリーダ/ライタ、109…釣銭ユニット、110…レシートプリンタ、111…通信ユニット、112…伝送路、200…ユーザ端末、201…プロセッサ、202…メイン記憶ユニット、203…補助記憶ユニット、204…タッチパネル、205…モバイル通信ユニット、206…伝送路、300…レシートサーバ、400…決済サーバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10