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特開2024-102650下膳指示装置、下膳指示システム、下膳指示方法、及び下膳指示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102650
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】下膳指示装置、下膳指示システム、下膳指示方法、及び下膳指示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20240724BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006687
(22)【出願日】2023-01-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】浅原 洋
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC24
5L050CC24
(57)【要約】
【課題】店舗におけるロボットを効率的に制御できる下膳指示装置、下膳指示システム、下膳指示方法、及び下膳指示プログラムを提供する。
【解決手段】本開示に係る下膳指示装置10は、取得部11、特定部12、通知部13を備える。取得部11は、下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得する。特定部12は、ロボットが保有する無線受信装置がテーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、テーブルと距離が近いロボットを特定する。通知部13は、特定部12が特定したロボットに対して、テーブルの下膳処理を実行するように通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得する取得部と、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する通知部と、
を備えた、下膳指示装置。
【請求項2】
前記特定部が特定した前記ロボットが前記テーブルに到着した場合、
前記特定部は、前記テーブルの位置と距離が近い従業員を特定し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記従業員に対して、前記テーブルに向かうように通知する、
請求項1に記載の下膳指示装置。
【請求項3】
前記特定部が特定した前記ロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記テーブルと距離が近い順番に別のロボットを特定し、
前記通知部は、前記テーブルと距離が近い順番にある別のロボットから優先的に通知する、
請求項1に記載の下膳指示装置。
【請求項4】
前記特定部が特定した全てのロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記テーブルと距離が近い従業員を特定し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記従業員に対して、下膳処理を実行するように通知する、
請求項3に記載の下膳指示装置。
【請求項5】
前記特定部が特定した従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記テーブルと距離が近い順番に別の従業員を特定し、
前記通知部は、前記テーブルと距離が近い順番にある前記別の従業員から優先的に通知する、
請求項4に記載の下膳指示装置。
【請求項6】
前記特定部が特定した全てのロボット又は従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記ロボットのうち、実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットを特定し、
前記通知部は、前記特定部が特定した実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットに対して、実行中の下膳処理が終わった後に、前記テーブルの当該下膳処理を実行するように通知する
請求項3又は5に記載の下膳指示装置。
【請求項7】
店舗会計装置と下膳指示装置とを備えた下膳指示システムであって、
前記店舗会計装置は、店舗における従業員又は利用客が会計処理を行うことによって下膳するテーブルを特定し、
前記下膳するテーブルを示すテーブル情報を前記下膳指示装置に対して送信し、
前記下膳指示装置は、
前記店舗会計装置から前記テーブル情報を取得し、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、
特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、
下膳指示システム。
【請求項8】
下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得し、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、
特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、
処理をコンピュータが実行する、
下膳指示方法。
【請求項9】
下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得し、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、
特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、
処理をコンピュータに実行させる、
下膳指示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、下膳指示装置、下膳指示システム、下膳指示方法、及び下膳指示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店の人手不足及び人件費高騰を解消するため、利用客にサービスを提供するロボットの開発がされている。
例えば、特許文献1には、店舗内で移動するロボットを制御する情報処理装置が記載されている。特許文献1に開示された情報処理装置では、適切なタイミングで食器、グラス等の物品を回収するために、従業員が映像をもとに配膳された飲食物の飲食状況を判別して、ロボットに対して従業員の入力操作に応じてテーブルに移動する指示を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-063323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示された情報処理装置では、配膳された飲食物の飲食状況を撮像された映像を店舗の従業員が確認し、作業を行っていないロボットを把握して選択する必要があるため、非効率的である。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題に鑑み、店舗におけるロボットを効率的に制御できる下膳指示装置、下膳指示システム、下膳指示方法、及び下膳指示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る下膳指示装置は、下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得する取得部と、ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定する特定部と、前記特定部が特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する通知部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る下膳指示システムは、店舗会計装置と下膳指示装置とを備えた下膳指示システムであって、前記店舗会計装置は、店舗における従業員又は利用客が会計処理を行うことによって下膳するテーブルを特定し、前記下膳するテーブルを示すテーブル情報を前記下膳指示装置に対して送信し、前記下膳指示装置は、前記店舗会計装置から前記テーブル情報を取得し、ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する。
【0008】
本開示の一態様に係る下膳指示方法は、下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得し、ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、処理をコンピュータが実行する。
【0009】
本開示の一態様に係る下膳指示プログラムは、下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得し、ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示により、店舗におけるロボットを効率的に制御できる下膳指示装置、下膳指示システム、下膳指示方法、及び下膳指示プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態1に係る下膳指示装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
図3】店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。
図4】実施形態2に係る下膳指示装置20におけるデータベースの構成の一例を示したブロック図である。
図5】店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。
図6】実施形態2に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
図7】実施形態2に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
図8】実施形態2に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
図9】実施形態3に係る下膳指示システムの構成を示すブロック図である。
図10】店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。
図11】店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。
図12】店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。
図13】実施形態3に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態を通じて本開示を説明するが、請求の範囲に係る開示を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0013】
<実施形態1>
<下膳指示装置>
以下、図面を参照して本開示の実施形態1について説明する。図1は、実施形態1に係る下膳指示装置の構成を示すブロック図である。実施形態1に係る下膳指示装置10は、取得部11、特定部12、通知部13を備える。
【0014】
取得部11は、下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得する。下膳要求は、店舗を利用している利用客が注文品の食事を全て終えた後又は注文品のうちの一部の食事を終えた後にする。例えば、テーブルに押しボタンが設置されており、従業員又は利用客がテーブルの押しボタンを押下することによって、取得部11はテーブル情報を取得する。
【0015】
テーブル情報は、店舗における食器類を設置するテーブル、デシャップ、回収台に付された番号又は記号である。また、テーブル情報は、テーブルの位置情報を含んでもよい。
【0016】
特定部12は、ロボットが保有する無線受信装置がテーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、テーブルと距離が近いロボットを特定する。無線受信装置及び無線送信装置は、例えば、ビーコンである。無線受信装置と無線送信装置との通信は、例えば、BLE(BLUETOOTH(登録商標)LOW Energy)通信を用いる。
【0017】
通知部13は、特定部12が特定したロボットに対して、テーブルの下膳処理を実行するように通知する。より具体的には、通知部13は、特定部12が特定したロボットに対して利用客が下膳要求しているテーブルの下膳処理を実行するようにテーブル情報を含む命令信号を送信する。ロボットは、通知部13から受信した命令信号に基づき、利用客が下膳要求しているテーブルに向かって走行する。
【0018】
ここで、テーブル情報にテーブル位置情報が含まれている場合、ロボットは命令信号に含まれたテーブル位置情報に基づいて、利用客が下膳要求しているテーブルに向かって走行する。
【0019】
一方で、テーブル情報にテーブル位置情報が含まれていない場合、ロボットはテーブル番号とテーブル位置情報とを予め記憶している。店舗におけるテーブル、デシャップ、回収台の位置は、テーブル、デシャップ、回収台に付された番号又は記号によって一意に定まる。ロボットは、命令信号に含まれたテーブル情報からテーブル位置を判定し、利用客が下膳要求しているテーブルに向かって走行する。
<下膳指示方法>
【0020】
次に、実施形態1に係る下膳指示方法について説明する。図2は、実施形態1に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
【0021】
まず、下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得する(ステップST1)。次に、ロボットが保有する無線受信装置がテーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、テーブルと距離が近いロボットを特定する(ステップST2)。特定したロボットに対して、テーブルの下膳処理を実行するように通知する(ステップST3)。
【0022】
このように、実施形態1に係る下膳指示装置は、下膳要求があったテーブルに近い位置のロボットが下膳処理を実行するように制御している。これにより、従業員が下膳処理の都度、作業を行っていないロボットを把握して選択する必要がない。すなわち、店舗におけるロボットを効率的に制御できる。
【0023】
<実施形態2>
<下膳指示装置>
以下、図面を参照して本開示の実施形態2について説明する。実施形態2に係る下膳指示装置は、実施形態1に係る下膳指示装置と同様に、取得部、特定部、通知部を備える。
【0024】
図3は、店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。図3に示した例では、店舗に20個のテーブルT1~T20が並べられている。また、キッチンK1には、デシャップD1と回収スタンドCS1が隣接して配置されている。デシャップD1は、キッチンK1で調理後の料理をテーブルT1~T20の利用客に配膳するために、従業員U1、U2、及びロボットR1、R2、R3が受け取るためのカウンターである。回収スタンドCS1は、利用客が食事を終えた食器類をキッチンK1に戻すために、従業員U1、U2、及びロボットR1、R2、R3が下膳要求のあったテーブルから下膳した食器類を置くカウンターである。従業員U1、U2、及びロボットR1、R2、R3は店舗内を自由に移動する。
【0025】
図3に示した例では、各テーブルT1~T20には、無線送信装置B1~B20が設置されている。また、キッチンK1には、無線送信装置B21が設置されている。回収スタンドCS1には、無線送信装置B22が設置されている。従業員U1、U2、及びロボットR1、R2、R3はそれぞれ無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3を保有している。従業員U1、U2は、それぞれ、無線受信装置BU1、BU2を搭載する従業員端末を所持している。例えば、従業員U1は、無線受信装置BU1を搭載する従業員端末を所持して、下膳等の作業を行う。無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3は、無線送信装置B1~B22からの電波を受信する。図3には、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3が受信できる電波範囲を点線で表示している。
【0026】
<下膳指示装置のデータベース構成>
図3に示した例では、下膳指示装置20は、従業員のみが立ち入ることができる事務所OF1に配置されている。ここで、下膳指示装置20におけるデータベースの構成について説明する。図4は、実施形態2に係る下膳指示装置20におけるデータベースの構成の一例を示したブロック図である。下膳指示装置20におけるデータベース21は、無線送信装置データベース22、位置判断データベース23、無線受信装置データベース24、及びロボット状況データベース25から構成される。
【0027】
ここでは、図3に示した店舗のレイアウトの場合における、無線送信装置データベース22、位置判断データベース23、無線受信装置データベース24、及びロボット状況データベース25について説明する。
【0028】
表1は、無線送信装置データベース22の一例を示した表である。無線送信装置データベース22には、図3に示した無線送信装置B1~B22の設置場所が示されている。例えば、図3に示すように、無線送信装置B1は、テーブルT1に設置されている。そのため、表1に示した無線送信装置データベース22には、無線送信装置B1の設置場所がテーブルT1であることが示されている。
【0029】
無線送信装置データベース22では、無線送信装置B1~B22の設置場所が予め登録されており、店舗のレイアウト変更に伴い、更新される。
【0030】
【表1】
【0031】
表2及び表3は、位置判断データベース23の一例を示した表である。表2に示した位置判断データベース23には、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3が受信した無線送信装置が示されている。例えば、図3に示すように、ロボットR1は、テーブルT11、テーブルT12、テーブルT16、テーブルT17の中心に位置している。そのため、表2に示すように、無線受信装置BR1は、無線送信装置B6、B11、B12、B16、B17からの電波を受信することができる。一方で、図3に示すように、無線受信装置BR1の受信できる電波範囲に無線送信装置B7が含まれない。そのため、無線受信装置BR1は、無線送信装置B7からの電波を受信することができない。以上のことから、表2に示した位置判断データベース23には、無線受信装置BR1が受信可能な無線送信装置は、無線送信装置B6、B11、B12、B16、B17であることが示されている。
【0032】
表2に示した例では、無線受信装置と受信した無線送信装置が示されているが、これに限定されることはなく、受信した無線送信装置の電界強度を示してもよい。例えば、表3に示すように、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3が無線送信装置B1~B22から受信した電界強度を全て表示してもよい。この場合、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3が受信できる電波範囲は、図3の範囲に限定されず、図3に示した店舗全体で受信する。
【0033】
なお、表2及び表3に示した位置判断データベース23は、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3を保有している従業員U1、U2、及びロボットR1、R2、R3が位置を変更する都度、更新される。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
表4は、無線受信装置データベース24の一例を示した表である。無線受信装置データベース24には、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3の保有者が示されている。例えば、図3に示すように、ロボットR1は無線受信装置BR1を保有している。そのため、表4に示した無線受信装置データベース24では、無線受信装置BR1の保有者がロボットR1であることが示されている。
【0037】
無線受信装置データベース24では、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3の保有者が予め登録されており、保有者が変更となる度に更新される。
【0038】
【表4】
【0039】
表5は、ロボット状況データベース25の一例を示した表である。ロボット状況データベース25には、ロボットの棚の空き状況、ロボットの状況、指示可否、待機状態となるまでの予想時間、予約の有無が示されている。しかし、これに限定されることはなく、ロボット状況データベース25には、例えば、下膳処理のためにテーブルT11に移動中など、より詳細なロボットの状況が示されてもよい。
【0040】
ロボット状況データベース25では、テーブルT1~T20の利用客が下膳要求をする都度、又はロボットが下膳処理の実行を終える都度、更新される。
【0041】
【表5】
【0042】
<下膳指示装置によるロボットの制御例>
続いて、図3及び表1、表2、表4、表5を参照して、下膳指示装置20がロボットを制御する一例を説明する。ここでは、図3に示したテーブルT11の利用客が下膳要求をしたとする。
【0043】
まず、下膳指示装置20における取得部は、下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得する。この場合、テーブル情報は、テーブルT11に付された番号又は記号である。
【0044】
次に、下膳指示装置20における特定部は、ロボットが保有する無線受信装置がテーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、テーブルT11と距離が近いロボットを特定する。表1、表2、表4を参照して、より詳細に説明する。
【0045】
まず、特定部は、表1よりテーブルT11に設置されている無線送信装置が、無線送信装置B11であることを特定する。次に、特定部は、表2より無線送信装置B11の近くに位置する無線受信装置が、無線受信装置BR1であることを特定する。次に、特定部は、表4より無線受信装置BR1の保有者が、ロボットR1であることを特定する。
【0046】
次に、下膳指示装置20における通知部は、特定部が特定したロボットに対して、テーブルT11の下膳処理を実行するように通知する。より具体的には、通知部は、表5よりロボットの指示可否に基づいて、ロボットに通知をする。表5より、ロボットR1が指示可能であるため、通知部は、特定部が特定したロボットR1に対して、下膳処理を実行するように通知する。
【0047】
ロボットR1は、下膳指示装置20から通知を受信すると、テーブルT11に向かって走行する。
【0048】
<他の従業員及び他のロボットを特定>
ここで、下膳指示装置20における特定部が特定したロボットR1がテーブルT11に到着した場合、特定部は、テーブルT11の位置と距離が近い従業員を特定し、通知部は、特定部が特定した従業員に対して、テーブルT11に向かうように通知してもよい。
【0049】
図5を参照しながら、より具体的に説明する。図5は、店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。図5は、ロボットR1がテーブルT11に到着した場合における、従業員U1、U2、及びロボットR1、R2、R3の配置を示した図である。図5は、図3に示した従業員U1、U2、及びロボットR1、R2、R3の配置が異なるだけであり、その他の構成は図3と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
図5に示すように、ロボットR1がテーブルT11に到着した場合、特定部はテーブルT11の位置と距離が近い従業員U1を特定する。通知部は、特定部が特定した従業員U1に対して、テーブルT11に向かうように通知する。例えば、通知部は、無線受信装置BU1を搭載する従業員端末に通知を送信する。従業員端末は通知の内容を表示又は音声出力する。
【0051】
通知を受信した従業員U1は、テーブルT11に向かい、下膳するために、ロボットR1の棚にテーブルT11の食器類を載せる。従業員U1がロボットR1の棚に食器類を載せ終えると、従業員はロボットR1に完了指示をする。完了指示は、例えば、ロボットR1に付された完了ボタンを従業員が押下することにより行われる。このような構成にすることにより、従業員が一度に運べる量は限りがあり、ロボットが代行して下膳処理に対応するため、効率が良い。
【0052】
ここで、ロボットR1がテーブルT11に到着した場合、特定部が特定した従業員U1がテーブルT11に向かうことができない場合がある。この場合、特定部はテーブルT11と距離が近い順番に別の従業員を特定して、通知部は別の従業員に通知をしてもよい。
【0053】
例えば、従業員U1は、従業員端末を操作することで、テーブルT11に向かうことができるか否かを入力してもよい。通知部が無線受信装置BU1に通知を送信すると、従業員端末が従業員U1に対してテーブルT11に向かうようにメッセージを表示する。そして、従業員U1が従業員端末を操作して、テーブルT11に向かうことを承諾又は拒否する。そして、従業員端末が従業員U1による入力内容を下膳指示装置20に送信する。下膳指示装置20は、従業員端末からの入力内容を受信して、特定部はその内容に応じて、従業員U1がテーブルT11に向かうことができるか否かを判定する。
より具体的には、従業員U1は、現在の作業状況に応じて、通知された作業を行うことができるか否かを授業員端末に入力する。特定部は、従業員U1が無線受信装置BU1を承諾したか否かに応じて、従業員U1がテーブルT11に向かうことができるか否かを判定する。
【0054】
具体的には、従業員U1がテーブルT11に向かうことを承諾した場合、従業員U1がテーブルT11に向かうことができると判定する。一方、従業員U1がテーブルT11に向かうことを拒否した場合、従業員U1がテーブルT11に向かうことができないと判定する。あるいは、無線受信装置BU1が通知を受信してから一定時間以内に、従業員U1が従業員端末を操作していない場合、従業員U1がテーブルT11に向かうことができないと判定する。つまり、通知部が通知を送信後、一定時間以上、従業員端末からの承諾が得られない場合、従業員U1がテーブルT11に向かうことができないと判定する。
【0055】
また、下膳指示装置20における特定部が特定したロボットR1がテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、特定部は、テーブルT11と距離が近い順番に別のロボットを特定してもよい。この場合、通知部は、テーブルT11と距離が近い順番にある別のロボットから優先的に通知する。以下の説明では、無線受信装置BU1、BU2、BR1、BR2、BR3が受信できる電波範囲は、図3の範囲に限定されず、図3に示した店舗全体で受信できるとする。
【0056】
図3を参照しながら、より具体的に説明する。ロボットR1がテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、まず、特定部はロボットR1の次にテーブルT11と距離が近いロボットR3を特定する。ロボットR3がテーブルT11の下膳処理に対応できる場合、通知部は、ロボットR3に対して、下膳処理を実行するように通知する。
【0057】
一方で、ロボットR3がテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、次に、特定部はロボットR3の次にテーブルT11と距離が近いロボットR2を特定する。ロボットR2がテーブルT11の下膳処理に対応できる場合、通知部は、ロボットR2に対して、下膳処理を実行するように通知する。
【0058】
ここで、ロボットR3もテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、すなわち特定部が特定したロボットR1、R2、R3全てのロボットがテーブルT11の下膳処理に対応できない場合がある。この場合、特定部がテーブルT11と距離が近い従業員を特定し、通知部は、特定した従業員に対して、下膳処理を実行するように通知する。
【0059】
図3を参照しながら、より具体的に説明する。ロボットR1、R2、R3全てのロボットがテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、特定部はテーブルT11と距離が近い従業員U1を特定する。通知部は、特定した従業員U1に対して、下膳処理を実行するように通知する。
【0060】
また、特定部が特定した従業員U1がテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、特定部は、テーブルT11と距離が近い順番に別の従業員を特定し、通知部は、テーブルT11と距離が近い順番にある別の従業員から優先的に通知する。
【0061】
図3を参照しながら、より具体的に説明する。従業員U1がテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、特定部は従業員U1の次にテーブルT11と距離が近い従業員U2を特定する。従業員U2がテーブルT11の下膳処理に対応できる場合、通知部は、従業員U2に対して、下膳処理を実行するように通知する。
【0062】
一方で、従業員U2がテーブルT11の下膳処理に対応できない場合、特定部が特定したロボットR1、R2、R3及び従業員U1、U2がテーブルT11の下膳処理に対応できない。この場合、特定部は、ロボットR1、R2、R3のうち、実行中の下膳処理が最も早く終わるロボットを特定する。通知部は、特定部が特定した実行中の下膳処理が最も早く終わるロボットに対して、実行中の下膳処理が終わった後に、テーブルT11の当該下膳処理を実行するように通知する。
【0063】
より具体的には、特定部は、表5に示した待機状態となるまでの予想時間を参照して、下膳処理が最も早く終わるロボットを特定する。また、特定部は、表5に示した予約の有無を参照してロボットを特定してもよい。すなわち、特定部は、特定したロボットが待機状態となるまでの予想時間は最も短いが次の下膳処理の予約がある場合、待機状態となるまでの予想時間が短く、かつ次の下膳処理の予約がない別のロボットを特定してもよい。
【0064】
<下膳指示方法>
次に、実施形態2に係る下膳指示方法について説明する。図6図8は、実施形態2に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
【0065】
実施形態2に係る下膳指示方法のステップST1~ステップST3は、実施形態1に係る下膳指示方法と同様であるため、説明を省略する。ここでは、ステップST4以降について説明する。
【0066】
図6に示すように、下膳指示装置20は、ステップST3において通知を受信したロボットが下膳処理に対応可能かを判定する(ステップST4)。より具体的には、下膳指示装置20は、ステップST3において下膳指示装置20が通知したロボットから下膳処理の対応可否を示す信号を受信して、ロボットが下膳処理に対応可能か否かを判定する。
【0067】
ここでは、下膳指示装置20が通知したロボットから下膳処理の対応可否を示す信号を受信する構成としている。しかし、これに限定されることはなく、下膳指示装置20が図4及び表5に示したロボット状況データベース25を基に、どのロボットが待機中であり、下膳処理に対応可能か否かを判定する構成でもよい。
【0068】
ステップST3において通知を受信したロボットが、下膳処理に対応可能な場合(ステップST4YES)、ロボットは、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応可能であることを示す信号を送信する。この場合、ロボットは、利用客が下膳要求しているテーブルに向かって走行する。ロボットが下膳要求しているテーブルに到着すると、下膳指示装置20は、テーブルの位置と距離が近い従業員を特定する(ステップST5)。ステップST5において特定した従業員に対して、テーブルに向かうように通知をする(ステップST6)。下膳指示装置20から通知を受信した従業員は、テーブルに向かい、下膳処理を実行する。
【0069】
一方で、ステップST3において通知を受信したロボットが、下膳処理に対応できない場合(ステップST4NO)、ロボットは、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応不可であることを示す信号を送信する。この場合、下膳指示装置20は、利用客が下膳要求しているテーブルと距離が近い別のロボットを特定する(ステップST7)。下膳指示装置20は、ステップST7において特定したロボットに対して、下膳処理を実行するように通知をする(ステップST8)。
【0070】
下膳指示装置20は、ステップST8において通知を受信したロボットが、下膳処理に対応可能かを判定する(ステップST9)。より具体的には、下膳指示装置20は、ステップST8において通知を受信したロボットから下膳処理の対応可否を示す信号を受信して、ロボットが下膳処理に対応か否かを判定する。
【0071】
ステップST8において通知を受信したロボットが、下膳処理に対応可能な場合(ステップST9YES)、ロボットは、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応可能であることを示す信号を送信する。以降の下膳指示方法は、上述したステップST5、ステップST6の処理である。
【0072】
一方で、ステップST8において通知を受信したロボットが、下膳処理に対応できない場合(ステップST9NO)、ロボットは、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応不可であることを示す信号を送信する。この場合、下膳指示装置20は、全てのロボットが下膳処理に対応不可であるか否かを判定する(ステップST10)。より具体的には、下膳指示装置20は、全てのロボットから下膳処理の対応が不可であることを示す信号を受信しているか否かにより判定する。
【0073】
下膳指示装置20は、全てのロボットが下膳処理に対応不可ではないと判定した場合(ステップST10NO)、ステップST7~ステップST9までの処理を繰り返し実行する。
【0074】
一方で、下膳指示装置20は、全てのロボットが下膳処理に対応不可であると判定した場合(ステップST10YES)、図7に示すように、利用客が下膳要求しているテーブルと距離が近い従業員を特定する(ステップST11)。次に、下膳指示装置20は、ステップST11において特定した従業員に対して、下膳処理を実行するように通知をする(ステップST12)。
【0075】
次に、下膳指示装置20は、ステップST12において通知をした従業員が下膳処理に対応可能か否かを判定する(ステップST13)。より具体的には、下膳指示装置20は、ステップST13において通知を受信した従業員から下膳処理の対応可否を示す信号を受信して、従業員が下膳処理に対応か否かを判定する。
【0076】
ステップST12において通知を受信した従業員が、下膳処理に対応可能な場合(ステップST13YES)、従業員は、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応可能であることを示す信号を送信する。この場合、従業員は、テーブルに向かい、下膳処理を実行する。
【0077】
一方で、ステップST12において通知を受信した従業員が、下膳処理に対応できない場合(ステップST13NO)、従業員は、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応不可であることを示す信号を送信する。この場合、下膳指示装置20は、利用客が下膳要求しているテーブルと距離が近い別の従業員を特定する(ステップST14)。下膳指示装置20は、ステップST14において特定した従業員に対して、下膳処理を実行するように通知をする(ステップST15)。
【0078】
ステップST15において通知を受信した従業員が、下膳処理に対応可能な場合(ステップST16YES)、従業員は、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応可能であることを示す信号を送信する。この場合、従業員は、テーブルに向かい、下膳処理を実行する。
【0079】
一方で、ステップST15において通知を受信した従業員が、下膳処理に対応できない場合(ステップST16NO)、従業員は、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応不可であることを示す信号を送信する。この場合、下膳指示装置20は、全ての従業員が下膳処理に対応不可であるか否かを判定する(ステップST17)。より具体的には、下膳指示装置20は、全ての従業員から下膳処理の対応が不可であることを示す信号を受信しているか否かにより判定する。
【0080】
下膳指示装置20は、全ての従業員が下膳処理に対応不可ではないと判定した場合(ステップST17NO)、ステップST14~ステップST16までの処理を繰り返し実行する。
【0081】
一方で、下膳指示装置20は、全てのロボットが下膳処理に対応不可であると判定した場合(ステップST17YES)、図8に示すように、実行中の下膳処理が最も早く終わるロボットを特定する(ステップST18)。次に、下膳指示装置20は、ステップST18において特定したロボットに対して、実行中の下膳処理が終わった後に下膳処理を実行するように通知をする(ステップST19)。
【0082】
このように、実施形態2に係る下膳指示装置は、下膳要求があったテーブルに近い位置のロボットが下膳処理を実行できない場合、他のロボット又は従業員に対して的確に下膳指示をする。これにより、従業員が下膳処理の都度、作業を行っていないロボットを把握して選択する必要がない。すなわち、店舗におけるロボットを効率的に制御できる。
【0083】
<実施形態3>
<下膳指示システム>
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態3について説明する。図9は、実施形態3に係る下膳指示システムの構成を示すブロック図である。実施形態3に係る下膳指示システム30は、店舗会計装置31、下膳指示装置32を備える。
【0084】
店舗会計装置31は、店舗における従業員又は利用客が会計処理を行うことによって下膳するテーブルを特定する。店舗会計装置31は、例えば、オーダーエントリーシステムと連携されたテーブル番号を特定する。その他の例として、店舗会計装置31は、従業員のテーブル番号(配膳先データ)の入力操作に応じて、テーブルを特定してもよい。
【0085】
また、店舗会計装置31は、下膳指示装置32に対して、下膳するテーブルを示すテーブル情報を送信する。店舗会計装置31は、例えば、店舗の入り口又は出口付近に設置された、従業員が会計処理を行うPOS(Point of Sale)会計レジである。しかし、これに限定されることはなく、店舗会計装置31は、テーブルに設置された、利用客が会計処理を行う端末装置に備えられてもよい。
【0086】
下膳指示装置32は、店舗会計装置31からテーブル情報を取得する。下膳指示装置32は、ロボットが保有する無線受信装置がテーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、テーブルと距離が近いロボットを特定する。下膳指示装置32は、特定したロボットに対して、テーブルの下膳処理を実行するように通知する。下膳指示装置32は、店舗の出口に設置された会計装置に備えられる。しかし、これに限定されることはなく、下膳指示装置32は、従業員のみが立ち入ることができる場所に備えられてもよい。
【0087】
続いて、図10図13を参照しながら、実施形態3に係る下膳指示システムについて詳細に説明する。図10図12は、店舗におけるレイアウトの一例を示した図である。図10は、従業員U3が利用客U4の会計処理中の状態を示した図である。図11は、ロボットR1がテーブルT11への移動を完了した状態を示した図である。図12は、ロボットR1が回収スタンドCS1への移動を完了した状態を示した図である。ここでは、時間の経過に伴い、図10図11図12に示した店舗におけるレイアウトになるとする。図13は、実施形態3に係る下膳指示方法を例示したフローチャートである。
【0088】
図10図12に示した例では、店舗会計装置31が店舗における出口付近に設置されている。下膳指示装置32は、事務所OF1に備えられている。その他の構成は、図3及び図5に示した例と同様であるため、説明を省略する。
【0089】
図10図13に示した例では、テーブルT11の利用客U4が食事を終えて、従業員U3が店舗会計装置31によって会計処理を行ったとする。図13では、従業員U3が店舗会計装置31によって会計処理を行う前からのフローチャートを示している。
【0090】
図13に示すように、店舗会計装置31では、従業員U3が利用客U4の会計処理を行う(ステップST301)。次に、店舗会計装置31は、利用客U4の利用したテーブルがテーブルT11であることを特定する(ステップST302)。次に、店舗会計装置31は、下膳指示装置32に対して下膳するテーブルT11を示すテーブル情報を送信する。
【0091】
図13に示すように、下膳指示装置32は、店舗会計装置31から下膳するテーブルT11を示すテーブル情報を取得する(ステップST304)。次に、下膳指示装置32は、ロボットが保有する無線受信装置がテーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、テーブルT11と距離が近いロボットを特定する(ステップST305)。
【0092】
図10に示すように、テーブルT11と距離が近いロボットはロボットR1であるため、下膳指示装置32は、テーブルT11と距離が近いロボットR1を特定する。図13に示すように、下膳指示装置32は、特定したロボットR1に対して、下膳処理を実行するように通知をする(ステップST306)。
【0093】
図13に示すように、ロボットR1は、下膳指示装置32から下膳処理を実行する旨の通知を受信すると、下膳指示装置20に対して下膳処理に対応可能であることを示す信号を送信して、テーブルT11に向かって走行する(ステップST307)。ロボットR1は、テーブルT11に到着すると、下膳指示装置32に対してテーブルT11に到着したことを示す通知を送信する(ステップST308)。
【0094】
図13に示すように、下膳指示装置32は、ロボットR1からテーブルT11に到着したことを示す通知を受信すると、従業員が保有する無線受信装置がテーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、テーブルT11と距離が近い従業員を特定する(ステップST309)。
【0095】
図11に示すように、テーブルT11と距離が近い従業員は従業員U1であるため、下膳指示装置32は、テーブルT11と距離が近い従業員U1を特定する。図13に示すように、下膳指示装置32は、特定した従業員U1に対して、テーブルT11に向かい下膳処理を実行するように通知をする(ステップST310)。
【0096】
図13に示すように、従業員U1は、下膳指示装置32からテーブルT11に向かい下膳処理を実行する旨の通知を受信すると、テーブルT11に向かう(ステップST311)。従業員U1は、テーブルT11に到着すると、下膳するために、ロボットR1の棚にテーブルT11の食器類を載せる。従業員U1は、ロボットR1の棚にテーブルT11の食器類を載せ終えると、ロボットR1の下膳完了ボタンを押下する(ステップST312)。これにより、ロボットR1は、回収スタンドCS1に向かって走行する(ステップST313)。
【0097】
図13に示すように、ロボットR1は、回収スタンドCS1に到着すると、下膳指示装置32に対して回収スタンドCS1に到着したことを示す通知を送信する(ステップST314)。
【0098】
図13に示すように、下膳指示装置32は、ロボットR1から回収スタンドCS1に到着したことを示す通知を受信する。次に、下膳指示装置32は、従業員が保有する無線受信装置が回収スタンドCS1に設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、回収スタンドCS1と距離が近い従業員を特定する(ステップST315)。
【0099】
図12に示すように、回収スタンドCS1と距離が近い従業員は従業員U2であるため、下膳指示装置32は、回収スタンドCS1と距離が近い従業員U2を特定する。図13に示すように、下膳指示装置32は、特定した従業員U2に対して、回収スタンドCS1に向かい下膳処理を実行するように通知をする(ステップST316)。
【0100】
図13に示すように、従業員U2は、下膳指示装置32から回収スタンドCS1に向かい下膳処理を実行する旨の通知を受信すると、回収スタンドCS1に向かう(ステップST317)。従業員U2は、回収スタンドCS1に到着すると、ロボットR1の棚から食器類を回収スタンドCS1に載せる。従業員U2は、ロボットR1の棚から食器類を回収スタンドCS1に載せ終えると、ロボットR1の下膳完了ボタンを押下する(ステップST318)。これにより、ロボットR1は待機中となり、他のテーブルの下膳を行うことができる。
【0101】
このように、実施形態3に係る下膳指示システムは、店舗会計装置によって会計処理が行なわれたテーブルを下膳処理するように、ロボット又は従業員に的確に下膳指示をする。これにより、従業員が下膳処理の都度、作業を行っていないロボットを把握して選択する必要がない。すなわち、店舗におけるロボットを効率的に制御できる。また、店舗の利用客の要望に対するレスポンス向上により、顧客満足度の向上が見込める。
【0102】
また、上述した実施形態1~3に係る下膳指示装置における処理の一部又は全部は、コンピュータプログラムとして実現可能である。このようなプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0103】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得する取得部と、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する通知部と、
を備えた、下膳指示装置。
(付記2)
前記特定部が特定した前記ロボットが前記テーブルに到着した場合、
前記特定部は、前記テーブルの位置と距離が近い従業員を特定し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記従業員に対して、前記テーブルに向かうように通知する、
付記1に記載の下膳指示装置。
(付記3)
前記特定部が特定した前記ロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記テーブルと距離が近い順番に別のロボットを特定し、
前記通知部は、前記テーブルと距離が近い順番にある別のロボットから優先的に通知する、
付記1に記載の下膳指示装置。
(付記4)
前記特定部は、特定した全てのロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記テーブルと距離が近い従業員を特定し、
前記通知部は、前記特定部が特定した前記従業員に対して、下膳処理を実行するように通知する、
付記3に記載の下膳指示装置。
(付記5)
前記特定部が特定した従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記テーブルと距離が近い順番に別の従業員を特定し、
前記通知部は、前記テーブルと距離が近い順番にある前記別の従業員から優先的に通知する、
付記4に記載の下膳指示装置。
(付記6)
前記特定部が特定した全てのロボット又は従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記特定部は、前記ロボットのうち、実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットを特定し、
前記通知部は、前記特定部が特定した実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットに対して、実行中の下膳処理が終わった後に、前記テーブルの当該下膳処理を実行するように通知する
付記3又は5に記載の下膳指示装置。
(付記7)
店舗会計装置と下膳指示装置とを備えた下膳指示システムであって、
前記店舗会計装置は、店舗における従業員又は利用客が会計処理を行うことによって下膳するテーブルを特定し、
前記下膳するテーブルを示すテーブル情報を前記下膳指示装置に対して送信し、
前記下膳指示装置は、
前記店舗会計装置から前記テーブル情報を取得し、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、
特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、
下膳指示システム。
(付記8)
前記下膳指示装置が特定した前記ロボットが前記テーブルに到着した場合、
前記下膳指示装置は、前記テーブルの位置と距離が近い従業員を特定し、特定した前記従業員に対して、前記テーブルに向かうように通知する、
付記7に記載の下膳指示システム。
(付記9)
前記下膳指示装置が特定した前記ロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記下膳指示装置は、前記テーブルと距離が近い順番に別のロボットを特定し、前記テーブルと距離が近い順番にある別のロボットから優先的に通知する、
付記7に記載の下膳指示システム。
(付記10)
前記下膳指示装置が特定した全てのロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記下膳指示装置は、前記テーブルと距離が近い従業員を特定し、特定した前記従業員に対して、下膳処理を実行するように通知する、
付記9に記載の下膳指示システム。
(付記11)
前記下膳指示装置が特定した従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記下膳指示装置は、前記テーブルと距離が近い順番に別の従業員を特定し、前記テーブルと距離が近い順番にある前記別の従業員から優先的に通知する、
付記10に記載の下膳指示システム。
(付記12)
前記下膳指示装置が特定した全てのロボット又は従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記下膳指示装置は、前記ロボットのうち、実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットを特定し、特定した実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットに対して、実行中の下膳処理が終わった後に、前記テーブルの当該下膳処理を実行するように通知する
付記9又は11に記載の下膳指示システム。
(付記13)
下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得し、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、
特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、
処理をコンピュータが実行する、
下膳指示方法。
(付記14)
特定した前記ロボットが前記テーブルに到着した場合、
前記テーブルの位置と距離が近い従業員を特定し、特定した前記従業員に対して、前記テーブルに向かうように通知する、
付記13に記載の下膳指示方法。
(付記15)
特定した前記ロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記テーブルと距離が近い順番に別のロボットを特定し、前記テーブルと距離が近い順番にある別のロボットから優先的に通知する、
付記13に記載の下膳指示方法。
(付記16)
特定した全てのロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記テーブルと距離が近い従業員を特定し、
特定した前記従業員に対して、下膳処理を実行するように通知する、
付記15に記載の下膳指示方法。
(付記17)
特定した従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記テーブルと距離が近い順番に別の従業員を特定し、前記テーブルと距離が近い順番にある前記別の従業員から優先的に通知する、
付記16に記載の下膳指示方法。
(付記18)
前記特定した全てのロボット又は従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記ロボットのうち、実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットを特定し、特定した実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットに対して、実行中の下膳処理が終わった後に、前記テーブルの当該下膳処理を実行するように通知する
付記15又は17に記載の下膳指示方法。
(付記19)
下膳要求があったテーブルを示すテーブル情報を取得し、
ロボットが保有する無線受信装置が前記テーブルに設置された無線送信装置から受信した電波の電界強度に基づいて、前記テーブルと距離が近いロボットを特定し、
特定した前記ロボットに対して、前記テーブルの下膳処理を実行するように通知する、
処理をコンピュータに実行させる、
下膳指示プログラム。
(付記20)
特定した前記ロボットが前記テーブルに到着した場合、
前記テーブルの位置と距離が近い従業員を特定し、特定した前記従業員に対して、前記テーブルに向かうように通知する、
付記19に記載の下膳指示プログラム。
(付記21)
特定した前記ロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記テーブルと距離が近い順番に別のロボットを特定し、前記テーブルと距離が近い順番にある別のロボットから優先的に通知する、
付記19に記載の下膳指示プログラム。
(付記22)
特定した全てのロボットが前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記テーブルと距離が近い従業員を特定し、
特定した前記従業員に対して、下膳処理を実行するように通知する、
付記21に記載の下膳指示プログラム。
(付記23)
特定した従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記テーブルと距離が近い順番に別の従業員を特定し、前記テーブルと距離が近い順番にある前記別の従業員から優先的に通知する、
付記22に記載の下膳指示プログラム。
(付記24)
前記特定した全てのロボット又は従業員が前記テーブルの下膳処理に対応できない場合、
前記ロボットのうち、実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットを特定し、特定した実行中の下膳処理が最も早く終わる前記ロボットに対して、実行中の下膳処理が終わった後に、前記テーブルの当該下膳処理を実行するように通知する
付記21又は23に記載の下膳指示プログラム。
【符号の説明】
【0104】
10、20、32 下膳指示装置
11 取得部
12 特定部
13 通知部
21 データベース
22 無線送信装置データベース
23 位置判断データベース
24 無線受信装置データベース
25 ロボット状況データベース
30 下膳指示システム
31 店舗会計装置
CS1 回収スタンド
D1 デシャップ
K1 キッチン
T1~T20 テーブル
U1、U2、U3 従業員
U4 利用客
R1、R2、R3 ロボット
B1~B22 無線送信装置
BU1、BU2、BU3、BR1、BR2、BR3 無線受信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13