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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102651
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20240724BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
H01L27/04 C
H01L21/306 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006688
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】丸井 俊治
(72)【発明者】
【氏名】沼倉 啓一郎
(72)【発明者】
【氏名】倪 威
(72)【発明者】
【氏名】早見 泰明
(72)【発明者】
【氏名】矢野 新也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 健志
【テーマコード(参考)】
5F038
5F043
【Fターム(参考)】
5F038AC04
5F038AC05
5F038AC10
5F038EZ01
5F038EZ02
5F038EZ14
5F038EZ15
5F038EZ20
5F043AA02
5F043BB02
5F043FF01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】溝の内部に形成された誘電体に起因する半導体基板の反りを抑制できる半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、矩形状の複数の溝10が第1主面から第2主面に向けて形成された半導体基板1と、溝の内部に誘電層と導電層を積層したキャパシタ構造と、を備える。溝は、第1方向D1に延伸する第1側壁と、第1方向と交差する第2方向に第1側壁と異なる長さで延伸する第2側壁を有する。第1溝間隔W1で相互間が離隔されて第1方向に溝が配列された第1溝列10Aと、第2方向に第2溝間隔だけ離隔して第1溝列に隣接して配置され、第1溝間隔で相互間が離隔されて溝が第1方向に配列された第2溝列10Bを構成するように、溝が配置されている。第1溝列の溝の間の第2方向と平行な溝間領域と、第2溝列の溝の間の第2方向と平行な溝間領域は、相互に異なる直線上を延伸する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の複数の溝が第1主面から第2主面に向けて形成された半導体基板と、
前記溝の内部に誘電層と導電層を積層したキャパシタ構造と
を備え、
前記溝が、第1方向に延伸する第1側壁と、前記第1方向と交差する第2方向に前記第1側壁と異なる長さで延伸する第2側壁を有し、
複数の前記溝が、
第1溝間隔で相互間が離隔されて前記第1方向と平行に前記溝が配列された第1溝列と、
前記第2方向に第2溝間隔だけ離隔して前記第1溝列に隣接して配置された第2溝列であって、前記第1溝間隔で相互間が離隔されて前記第1方向と平行に前記溝が配列された前記第2溝列と
を構成するように配置され、
前記第1溝列の前記溝の間の前記第2方向と平行な溝間領域と、前記第2溝列の前記溝の間の前記第2方向と平行な溝間領域が、相互に異なる直線上を延伸する、
半導体装置。
【請求項2】
隣接する前記溝の長手方向の側壁の間隔が、前記溝の短手方向の側壁の長さよりも短い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記溝の長手方向の側壁の長さと前記溝の短手方向の側壁の長さのアスペクト比が5以上である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1主面に電極が配置され、
前記第1主面の法線方向から見て隣接する前記溝の間に、前記電極と前記導電層を電気的に接続するコンタクトホールが配置されている、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記溝が、前記第1主面から前記第2主面まで前記半導体基板を貫通している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1主面と前記第2主面のそれぞれに、前記導電層と電気的に接続する電極が配置されている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体基板がシリコン基板である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体基板の前記第1主面の面方位が(110)面であり、
前記溝の側壁の面方位が(111)面である、
請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体基板が化合物半導体基板である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記半導体基板が導電性基板である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体基板が絶縁性基板である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
第1方向に延伸する第1側壁と、前記第1方向と交差する第2方向に前記第1側壁と異なる長さで延伸する第2側壁を有する矩形状の複数の溝を、半導体基板の第1主面から第2主面に向けて形成する工程と、
前記溝の内部に誘電層と導電層を積層したキャパシタ構造を形成する工程と
を備え、
複数の前記溝を、
第1溝間隔で相互間が離隔されて前記第1方向に前記溝が配列された第1溝列と、
前記第2方向に第2溝間隔だけ離隔して前記第1溝列に隣接して配置された第2溝列であって、前記第1溝間隔で相互間が離隔されて前記第1方向に前記溝が配列された前記第2溝列と
を構成するように配置し、
前記第1溝列の前記溝の間の前記第2方向と平行な溝間領域と、前記第2溝列の前記溝の間の前記第2方向と平行な溝間領域が、相互に異なる直線上を延伸するように、前記溝を形成する、
半導体装置の製造方法。
【請求項13】
ドライエッチングにより前記半導体基板に前記溝を形成する、
請求項12に半導体装置の製造方法。
【請求項14】
ウェットエッチングにより前記半導体基板に前記溝を形成する、
請求項12に半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板の溝の内部にキャパシタ構造を形成した半導体コンデンサが知られている。キャパシタ構造は、半導体基板の表面に形成した溝の内部に誘電層と導電層を積層して形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-543160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体コンデンサでは、溝の内部に半導体基板と異なる材質の誘電層を形成しているために、誘電層から半導体基板に応力が加わる。この応力は、溝と溝の間の領域(以下において「溝間領域」とも称する。)が直交する部分に集中する。応力の集中により、半導体基板が反るなどの問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、溝の内部に形成された誘電体に起因する半導体基板の反りを抑制できる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る半導体装置は、矩形状の複数の溝が第1主面から第2主面に向けて形成された半導体基板と、溝の内部に誘電層と導電層を積層したキャパシタ構造を備える。溝は、第1方向に延伸する第1側壁と、第1方向と交差する第2方向に第1側壁と異なる長さで延伸する第2側壁を有する。第1溝間隔で相互間が離隔されて第1方向に溝が配列された第1溝列と、第2方向に第2溝間隔だけ離隔して第1溝列に隣接して配置され、第1溝間隔で相互間が離隔されて第1方向に溝が配列された第2溝列とを構成するように、溝が配置されている。第1溝列の溝の間の第2方向と平行な溝間領域と、第2溝列の溝の間の第2方向と平行な溝間領域は、相互に異なる直線上を延伸する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、溝の内部に形成された誘電体に起因する半導体基板の反りを抑制できる半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な平面図である。
図2図2は、図1のII-II方向に沿った模式的な断面図である。
図3A図3Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その1)。
図3B図3Bは、図3AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その2)。
図4B図4Bは、図4AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図5A図5Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その3)。
図5B図5Bは、図5AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図6A図6Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その4)。
図6B図6Bは、図6AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図7A図7Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その5)。
図7B図7Bは、図7AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図8A図8Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その6)。
図8B図8Bは、図8AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図9A図9Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その7)。
図9B図9Bは、図9AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図10A図10Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その8)。
図10B図10Bは、図10AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図11A図11Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その9)。
図11B図11Bは、図11AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図12A図12Aは、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明するための模式的な平面図である(その10)。
図12B図12Bは、図12AのB-B方向に沿った模式的な断面図である。
図13図13は、比較例モデルを用いた計算結果を示す圧力分布である。
図14図14は、第1の実施形態のモデルを用いた計算結果を示す圧力分布である。
図15図15は、第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な平面図である。
図16図16は、比較例モデルを用いた計算結果を示す圧力分布である。
図17図17は、第2の実施形態のモデルを用いた計算結果を示す圧力分布である。
図18図18は、第3の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な平面図である。
図19図19は、第4の実施形態に係る半導体装置の構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる部分を含んでいる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0010】
(第1の実施形態)
図1に示す本発明の第1の実施形態に係る半導体装置は、矩形状の複数の溝10が第1主面から第2主面に向けて形成された半導体基板1を備える。そして、第1の実施形態に係る半導体装置は、図2に示すように、溝10の内部に誘電層と導電層を交互に積層したキャパシタ構造を備える。図2に示したキャパシタ構造は、第1誘電層31、第1導電層41、第2誘電層32、第2導電層42、第3誘電層33、第3導電層43をこの順に積層した構造である。以下において、第1誘電層31~第3誘電層33のそれぞれを限定しない場合は、誘電層30と表記する。第1導電層41~第3導電層43のそれぞれを限定しない場合は、導電層40と表記する。
【0011】
溝10は、半導体基板1の第1主面110の法線方向である第3方向D3から見て(以下、「平面視」ともいう。)、第1方向D1に延伸する第1側壁と、第1方向D1と交差する第2方向D2に第1側壁と異なる長さで延伸する第2側壁を有する。図1に示した半導体装置では、平面視で第1方向D1と第2方向D2は直交する。図1に示すように、第1方向D1が溝10の短手方向であり、第2方向D2が溝10の長手方向である。言い換えると、溝10の短手方向に延伸する側壁が第1側壁であり、溝10の長手方向に延伸する側壁が第2側壁である。以下において、溝10の長手方向の側壁の長さを「溝の長さ」、短手方向の側壁の長さを「溝の幅」とも称する。
【0012】
図1に示すように、半導体基板1に形成された複数の溝10は、第1溝列10Aと第2溝列10Bを構成するように配置されている。第1溝列10Aと第2溝列10Bは、隣接して配置されている。
【0013】
第1溝列10Aは、第1溝間隔で相互間が離隔されて第1方向D1に溝10が配列された構成である。図1に示す半導体装置では、第1溝間隔は、隣接する溝10の長手方向に延伸する側壁同士の間隔(以下において、「長手間隔」とも称する。)である。言い換えると、図1に示す半導体装置の第1溝間隔は、長手間隔W1である。
【0014】
第2溝列10Bは、第1溝列10Aと同様に、第1溝間隔で相互間が離隔されて溝10が第1方向D1に配列された構成である。第2溝列10Bは、第1溝列10Aから第2方向D2に第2溝間隔だけ離隔して配置されている。図1に示す半導体装置では、第2溝間隔は、隣接する溝10の短手方向に延伸する側壁同士の間隔(以下において「短手間隔」とも称する。)である。言い換えると、図1に示す半導体装置の第2溝間隔は、短手間隔W2である。
【0015】
以下において、第1溝列10Aと第2溝列10Bのそれぞれを限定しない場合は、単に溝列と表記する。溝列は、長手間隔W1で相互間が離隔されて第1方向D1に溝10が配列された構成である。
【0016】
図1に示すように、第1溝列10Aの第2方向D2と平行な溝間領域101の延伸方向は、第2溝列10Bの第2方向D2と平行な溝間領域101の延伸方向に対して、第1方向D1に沿ってずれている。隣接する溝列において溝間領域101が特定の方向に沿ってずらした溝10の配置を、以下において「オフセット配置」とも称する。例えば、溝列の間隔を1ピッチとして、第1溝列10Aと第2溝列10Bとが第1方向D1について半ピッチずれるように、溝10を配置してもよい。
【0017】
オフセット配置では、第1溝列10Aの第2方向D2と平行な溝間領域101と、第2溝列10Bの第2方向D2と平行な溝間領域101は、相互に異なる直線上を延伸する。言い換えると、第1溝列10Aと第2溝列10Bとでは、第2方向D2と平行な溝間領域101が同一の直線上で連続しない。溝列の溝間領域101は、隣接する溝列の短手方向の側壁であって第1方向D1に延伸する第1側壁に対向する。
【0018】
半導体装置が半導体コンデンサとして機能するために、図2に示すように、第1電極21が、第1コンタクトホール211を介して導電性を有する半導体基板1と電気的に接続する。第1電極21は、第2コンタクトホール212を介して第2導電層42と電気的に接続する。また、第2電極22が、第3コンタクトホール221を介して第1導電層41と電気的に接続する。第2電極22は、第4コンタクトホール222を介して第3導電層43と電気的に接続する。以下において、第1電極21と第2電極22のそれぞれを限定しない場合は、単に電極と表記する。また、第1コンタクトホール211~第4コンタクトホール222を総称して「コンタクトホール」と表記する。半導体基板1の第1主面110の上方に積層された第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52を貫通するコンタクトホールの内部に、電極が埋め込まれている。コンタクトホールの側面は第2層間絶縁膜52により被覆されており、電極はコンタクトホールの底面に露出した半導体基板1又は導電層40とのみ電気的に接続する。以下において、第1層間絶縁膜51と第2層間絶縁膜52を総称して層間絶縁膜50と表記する。
【0019】
第1電極21に負の電圧、第2電極22に正の電圧を印加すると、第1導電層41および第3導電層43に正電荷が充電され、第2導電層42に負電荷が充電される。このとき、導電層40の間に配置された誘電層30の内部で分極が起こり、静電容量が発生する。また、半導体基板1が導電性基板の場合に、半導体基板1をキャパシタ構造の電極として機能させてもよい。すなわち、半導体基板1と第1導電層41の間に配置された第1誘電層31の内部で分極が起こり、半導体基板1に負電荷が充電される。これにより、キャパシタ構造の容量値を増大させることができる。なお、第1電極21と第2電極22に印加する電圧の正負は上記と逆でもよい。
【0020】
図1に示すように、第1主面110の法線方向から見て隣接する溝10の間に、電極と導電層40又は半導体基板1とを電気的に接続するコンタクトホールが配置されている。溝10の間にコンタクトホールを配置することにより、半導体基板1の外縁領域にコンタクトホールを配置する場合に比べて、コンタクトホールの個数を多くすることができる。また、半導体基板1の中心付近に形成した溝10の近傍にコンタクトホールを配置することができるため、電極と導電層40の間の等価直列抵抗(ESR)を低減することができる。
【0021】
図2に示した半導体装置では、半導体基板1に形成した溝10の内部に複数の誘電層30を導電層40と交互に積層し、それぞれの誘電層30で静電容量を発生できる。このため、半導体基板1の面積あたりの容量密度を向上することができる。
【0022】
以下に、図3A図3B図12A図12Bを参照して、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。図3B図12Bは、図3A図12AのB-B方向に沿った断面図である。なお、以下に述べる半導体装置の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能である。
【0023】
まず、図3Aおよび図3Bに示すように、半導体基板1の第1主面110から第2主面120に向けて複数の溝10を形成する。第2方向D2から見て、隣接する溝10の間隔は長手間隔W1である。溝10は、例えば、第1主面110上に堆積させたマスク材をパターニングして形成したエッチングマスクを用いたエッチングにより形成される。半導体基板1は、例えば導電性のシリコン基板である。
【0024】
マスク材としては、例えばシリコン酸化膜を用いることができる。マスク材の堆積方法としては、熱化学気相成長法(熱CVD法)やプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD法)を用いることができる。マスク材のパターニングは、例えばマスク材の上面に形成したフォトレジスト膜をフォトリソグラフィ技術によりパターニングし、フォトレジスト膜をエッチングマスクとしてマスク材をエッチングして行う(以下のマスク材のパターニングにおいて同様。)。フォトレジスト膜は、酸素プラズマや硫酸などにより除去する。
【0025】
溝10を形成するためのエッチング方法としては、水酸化カリウム(KOH)をエッチング液に用いたウェットエッチングや、反応性イオンエッチングなどのドライエッチングを用いることができる。
【0026】
溝10は、第1溝列10Aの第2方向D2と平行な溝間領域101と、第2溝列10Bの第2方向D2と平行な溝間領域101とが相互に異なる直線上を延伸するように、形成される。言い換えると、第1溝列10Aと第2溝列10Bとでは第2方向D2と平行な溝間領域101が同一の直線上で連続しないように、溝10が形成される。図3Bに示した例では、第2方向D2に沿って図面の上から1行目と3行目の溝列である第1溝列10Aの溝10に対し、図面の上から2行目の溝列である第2溝列10Bの溝10が、第1方向D1に沿って半ピッチずれて配置されている。第2方向D2に沿った溝列の間隔は短手間隔W2である。
【0027】
溝10を形成した後、図4Aおよび図4Bに示すように、半導体基板1の表面に沿って第1誘電層31を堆積する。誘電層30として、例えばシリコン酸化膜を用いてもよい。誘電層30の堆積方法として、熱酸化法又は熱CVD法を用いてもよい。熱CVD法を用いる場合は、減圧条件で誘電層30を堆積することによって、溝10が深い場合にもカバレッジ良くシリコン酸化膜を溝10の内部に堆積できる。
【0028】
次に、図5Aおよび図5Bに示すように、第1誘電層31を覆うように第1導電層41を堆積する。導電層40として、例えばポリシリコン膜を用いてもよい。ポリシリコン膜の堆積方法に、減圧CVD法を用いてもよい。なお、ポリシリコン膜を堆積した後に、オキシ塩化リン(POCl3)中で950℃のアニール処理することで、n型のポリシリコン膜を形成し、導電層40に導電性を持たせてもよい。或いは、金属膜およびシリサイド膜を導電層40に用いてもよい。
【0029】
その後、第1誘電層31および第1導電層41の形成と同様にして、第2誘電層32、第2導電層42、第3誘電層33および第3導電層43を順次積層する。溝10は第3導電層43により埋め込まれる。これにより、図6Aおよび図6Bに示すように、溝10の内部に誘電層30と導電層40を3層ずつ堆積した構造が形成される。
【0030】
次いで、図7Aおよび図7Bに示すように、第3導電層43を覆って半導体基板1の第1主面110の上方に第1層間絶縁膜51を堆積する。第1層間絶縁膜51に、例えばシリコン酸化膜を用いてもよい。
【0031】
その後、図8Aおよび図8Bに示すように、第1層間絶縁膜51の上面に形成した第1マスク材71をパターニングしたエッチングマスクを用いて、半導体基板1および導電層40の一部がそれぞれ露出するコンタクトホールを形成する。例えば、第1マスク材71にフォトレジスト膜を用いてもよいし、ドライエッチングによってコンタクトホールを形成してもよい。第1コンタクトホール211は、第1層間絶縁膜51、誘電層30および導電層40のそれぞれ一部をエッチング除去して形成される。第1コンタクトホール211の底部に、半導体基板1の第1主面110の一部が露出する。第2コンタクトホール212は、第1層間絶縁膜51、第3導電層43および第3誘電層33のそれぞれ一部をエッチング除去して形成される。第2コンタクトホール212の底部に、第2導電層42の一部が露出する。第3コンタクトホール221は、第1層間絶縁膜51、第3導電層43、第3誘電層33、第2導電層42および第2誘電層32のそれぞれ一部をエッチング除去して形成される。第3コンタクトホール221の底部に、第1導電層41の一部が露出する。第4コンタクトホール222は、第1層間絶縁膜51の一部をエッチング除去して形成される。第4コンタクトホール222の底部に、第3導電層43の一部が露出する。
【0032】
上記のように、第1コンタクトホール211、第2コンタクトホール212、第3コンタクトホール221および第4コンタクトホール222のそれぞれに応じて、エッチングにより除去する層が異なる。このため、例えば各層を貫通する工程ごとに第1マスク材71のパターンを作り変えてもよい。
【0033】
第1マスク材71を除去した後、図9Aおよび図9Bに示すように、第2層間絶縁膜52を形成する。第2層間絶縁膜52は、第1層間絶縁膜51の上面と、コンタクトホールの側面および底面を覆う。
【0034】
次いで、図10Aおよび図10Bに示すように、第2層間絶縁膜52の上面に形成した第2マスク材72をパターニングしたエッチングマスクを用いて、コンタクトホールの底面の第2層間絶縁膜52を除去する。例えば、第2マスク材72にフォトレジスト膜を用いて、ドライエッチングによってコンタクトホールの底面の第2層間絶縁膜52を除去してもよい。
【0035】
第2マスク材72を除去した後、図11Aおよび図11Bに示すように、第2層間絶縁膜52の上面に電極膜20を形成する。電極膜20により、コンタクトホールは埋め込まれる。これにより、電極膜20は導電層40および半導体基板1と電気的に接続する。電極膜20に、例えばチタン(Ti)/アルミニウム(Al)膜を用いてもよい。電極膜20の形成方法には、スパッタ法、電子ビーム(EB)蒸着法、原子層体積(Atomic Layer Deposition:ALD)法などを使用可能である。
【0036】
その後、図12Aおよび図12Bに示すように、電極膜20の上面に形成した第3マスク材73をパターニングしたエッチングマスクを用いたドライエッチングにより、電極膜20を第1電極21と第2電極22に分離する。第1電極21は、第1コンタクトホール211を介して半導体基板1と電気的に接続し、第2コンタクトホール212を介して第2導電層42と電気的に接続する。第2電極22は、第3コンタクトホール221を介して第1導電層41と電気的に接続し、第4コンタクトホール222を介して第3導電層43と電気的に接続する。
【0037】
以上により、図1および図2に示した半導体装置が完成する。半導体基板1に溝10を形成するエッチングには、ドライエッチングを用いてもよいし、ウェットエッチングを用いてもよい。ドライエッチングを用いることにより、深い溝10を容易に形成することができる。ウェットエッチングを用いることにより、ドライエッチングよりも安いコストで溝10を形成することができる。
【0038】
半導体基板1に形成した溝10の内部に誘電層30と導電層40を交互に積層した半導体コンデンサでは、半導体基板1と異なる材質の誘電層30を溝10の内部に形成しているために、誘電層30から半導体基板1に応力が加わる。誘電層30に起因する応力は、半導体基板1の溝間領域の両端に働く。このため、第1方向D1に延伸する溝間領域と第2方向D2に延伸する溝間領域が一点で交差すると、溝間領域が重なる交差部分に応力が集中し、半導体基板に反りが発生するなどの問題が起こる。これに対し、第1の実施形態に係る半導体装置によれば、誘電層30に起因して半導体基板1に加わる応力を、以下に説明するように低減することができる。
【0039】
図13に、第1方向D1と平行に延伸する溝間領域(以下、「第1溝間領域」と称する。)と、第2方向D2と平行に延伸する溝間領域(以下、「第2溝間領域」と称する。)が直交する比較例モデルを用いた圧力分布の計算結果を示す。比較例モデルの溝10の内部には誘電層と導電層が積層されたキャパシタ構造が形成されている。比較例モデルでは、第1溝間領域と第2溝間領域が直交する交差領域Pに最も応力が集中する。比較例モデルの交差領域Pの応力は、1.72E+8[Pa]である。
【0040】
図14に、第1の実施形態に係る半導体装置と同様の構成の実施形態モデルを用いた圧力分布の計算結果を示す。この実施形態モデルでは、隣接する溝列において、第2方向D2と平行な溝間領域101は、同一の直線上で連続せず、相互に異なる直線上を延伸する。実施形態モデルの溝10の内部には、比較例モデルと同様のキャパシタ構造が形成されている。第1溝間領域と第2溝間領域が重なる領域の応力は、1.54E+8[Pa]である。
【0041】
上記のように、隣接する溝列において第2方向D2と平行な溝間領域101が相互に異なる直線上を延伸する構造では、第1溝間領域と第2溝間領域が直交する構造に対して、半導体基板1の溝間領域が交差する領域に加わる応力が10.4%低減している。この応力の低減は、溝間領域により生じるモーメントの集中が緩和された効果によるものである。
【0042】
以上に説明したように、第1の実施形態に係る半導体装置では、隣接する溝列において、第2方向D2と平行な溝間領域101が同一の直線上で連続せず、相互に異なる直線上を延伸する。このため、半導体基板1は、第1方向D1と平行に延伸する溝間領域と第2方向D2と平行に延伸する溝間領域とが直角をなして交差する領域を有さない。その結果、第1の実施形態に係る半導体装置によれば、溝10の内部に誘電層30を形成することに起因して半導体基板1に加わる応力を低減することができる。
【0043】
なお、図1に示すように、長手間隔W1が溝10の幅よりも短くてもよい。隣接する溝10の長手方向の側壁の間隔を溝10の幅よりも短くすることにより、半導体基板1の第1主面110に溝10を密集させて配置することができる。これにより、半導体基板1に形成したキャパシタ構造の容量密度が上げられる。また、長手間隔W1を溝10の幅よりも短くすることにより、溝10の内部に誘電層30と導電層40を積層した際の溝10の内部の導電層40の面積を大きくすることができる。その結果、キャパシタ構造の容量値を増大させることができる。
【0044】
溝10の長さと溝10の幅のアスペクト比(以下、単に「アスペクト比」という。)は、大きいことが好ましい。溝10の側壁から離れるほど、導電層40の面積が小さくなる。導電層40の面積が小さくなることにより、半導体装置のキャパシタ構造の容量値は減少する。特に、アスペクト比が小さいほど、キャパシタ構造の容量値が減少する割合が大きい。本発明者らの検討によれば、アスペクト比を5以上にすることにより、キャパシタ構造の容量値の低下を10%以下に抑制することができる。したがって、アスペクト比は5以上であることが好ましい。
【0045】
容量値の低下を抑制するためにはアスペクト比が大きいほどよいが、アスペクト比を大きくしすぎると溝間領域101の強度が低下する。溝10の間隔を広げることにより溝間領域101の強度を上げることができるが、溝10の間隔を広げると半導体装置の容量密度が低下する。このため、アスペクト比は、所望の容量値および容量密度などに応じて適宜設定してもよい。
【0046】
上記では、第1主面110から第2主面120に向かって形成された溝10の底部が、半導体基板1の内部に位置する場合を示した。一方、溝10が、第1主面110から第2主面120まで半導体基板1を貫通してもよい。溝10が半導体基板1を貫通することにより、溝10の内部の導電層40の面積が増大し、半導体基板1の単位面積当たりの容量密度を上げることができる。
【0047】
半導体基板1に、シリコン基板を用いてもよい。安価なシリコン基板を半導体基板1に使用することにより、半導体装置の製造コストを低減することができる。
【0048】
半導体基板1にシリコン基板を用いた場合に、半導体基板1の第1主面110の面方位を(110)面とし、溝10の側壁の面方位を(111)面としてもよい。半導体基板1がシリコン基板の場合には、(111)面に沿って半導体基板1が劈開しやすい。このため、溝10の長手方向の側壁を(111)面にすることにより、半導体基板1の(111)面が溝10の長手方向の側壁を横切ることを防止できる。その結果、溝10を分断する劈開の発生を抑制できる。また、第1主面110が(110)面であり溝10の側壁が(111)面である場合に、溝10の側壁が第1主面110と直交する。つまり、第1主面110から垂直に溝10が深さ方向に延伸する。
【0049】
上記では、半導体基板1が導電性基板である場合について説明したが、半導体基板1が絶縁性基板であってもよい。半導体基板1が絶縁性であることにより、半導体基板1に複数の素子を形成した場合に、素子間を絶縁分離する分離領域を形成する必要がない。つまり、素子分離が容易である。なお、半導体基板1が絶縁性基板である場合には、半導体基板1と電極とを電気的に接続するコンタクトホールは不要である。
【0050】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、溝10の短手方向が第1方向D1であり、溝10の長手方向が第2方向D2である場合を例示的に説明した。第2の実施形態に係る半導体装置は、図15に示すように、溝10の長手方向が第1方向D1であり、短手方向が第2方向D2である。言い換えると、溝10の長手方向に延伸する側壁が第1側壁であり、溝10の短手方向に延伸する側壁が第2側壁である。その他の構成については、第2の実施形態に係る半導体装置は、第1の実施形態と同様である。
【0051】
図15に示すように、第2の実施形態に係る半導体装置の溝列は、短手間隔W2を第1溝間隔として相互間が離隔された溝10が、長手方向である第1方向D1に配列された構成である。第2溝列10Bは、溝10の短手方向である第2方向D2に第2溝間隔だけ離隔して第1溝列10Aに隣接して配置されている。図15に示す半導体装置の第2溝間隔は、長手間隔W1である。そして、図15に示すように、第1溝列10Aの第2方向D2と平行な溝間領域101と、第2溝列10Bの第2方向D2と平行な溝間領域101は、同一の直線上で連続せず、相互に異なる直線上を延伸する。言い換えると、第1溝列10Aの第2方向D2と平行な溝間領域101の延伸方向と、第2溝列10Bの第2方向D2と平行な溝間領域101の延伸方向とが第1方向D1に沿ってずれるように、溝10がオフセット配置されている。
【0052】
オフセット配置により、図15に示した半導体装置では、図面の左側から奇数番目の溝列である第1溝列10Aの溝10に対し、図面の左側から偶数番目の溝列である第2溝列10Bの溝10が、図面の上下方向に沿って半ピッチずれて配置されている。
【0053】
図16に、第1溝間領域と第2溝間領域が直交する比較例モデルを用いた圧力分布の計算結果を示す。第1溝間領域と第2溝間領域が直交する交差領域Pの応力は、1.72E+8[Pa]である。
【0054】
図17に、第2の実施形態に係る半導体装置と同様の構成である実施形態モデルを用いた圧力分布の計算結果を示す。この実施形態モデルでは、隣接する溝列において、第2方向D2と平行な溝間領域101が同一の直線上で連続せず、相互に異なる直線上を延伸する。第1溝間領域と第2溝間領域が重なる領域の応力は、1.58E+8[Pa]である。上記のように、実施形態モデルでは、比較例モデルに対して、半導体基板1の溝間領域が交差する領域に加わる応力が8.1%低減している。この応力の低減は、溝10の溝間領域により生じるモーメントの集中が緩和された効果によるものである。
【0055】
以上に説明したように、第2の実施形態に係る半導体装置では、隣接する溝列において溝間領域101が同一の直線上で連続せず、相互に異なる直線上を延伸する。このため、半導体基板1は、第1方向D1と平行に延伸する溝間領域と第2方向D2と平行に延伸する溝間領域とが直交する領域を有さない。その結果、第2の実施形態に係る半導体装置によれば、溝10の内部に誘電層30を形成することに起因して半導体基板1に加わる応力を低減することができる。
【0056】
上記のように、第2の実施形態に係る半導体装置では、第1溝列10Aと第2溝列10Bが、溝10の長手方向についてオフセット配置されている。他は、第2の実施形態に係る半導体装置は第1の実施形態と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
【0057】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る半導体装置は、図18に示すように、第1方向D1と第2方向D2のいずれについても隣接する溝列について溝間領域の延伸方向がずれるように、溝10がオフセット配置されている。例えば、溝間領域の第2方向D2の延伸方向が第1方向D1について半ピッチずれ、且つ、溝間領域の第1方向D1の延伸方向が第2方向D2について半ピッチずれるように、溝10を配置してもよい。
【0058】
図18に示した半導体装置では、半導体基板1は、第1方向D1と平行に延伸する溝間領域と第2方向D2と平行に延伸する溝間領域とが直角をなして交差する領域を有さない。その結果、第3の実施形態に係る半導体装置によれば、溝10の内部に誘電層30を形成することに起因して半導体基板1に加わる応力を低減することができる。
【0059】
第3の実施形態に係る半導体装置は、第1方向D1又は第2方向D2のいずれかについて溝10がオフセット配置された第1、第2の実施形態に係る半導体装置と異なり、第1方向D1と第2方向D2のそれぞれについて溝10がオフセット配置されている。このため、第3の実施形態に係る半導体装置によれば、誘電層30に起因する半導体基板1に加わる応力の集中をより緩和することができる。他は、第3の実施形態に係る半導体装置は第1、第2の実施形態と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
【0060】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る半導体装置は、図19に示すように、溝10が第1主面110から第2主面120まで半導体基板1を貫通する。溝10の内部には、誘電層30と導電層40を交互に積層したキャパシタ構造が形成されている。そして、第1主面110と第2主面120の両面に電極が配置されている。すなわち、第1主面110に第1電極21と第2電極22が配置され、第2主面120に第3電極23と第4電極24が配置されている。
【0061】
第1電極21は、半導体基板1および第2導電層42と電気的に接続する。第2電極22は、第1導電層41および第3導電層43と電気的に接続する。第3電極23は、第1電極21と同様に、半導体基板1および第2導電層42と電気的に接続する。第4電極24は、第2電極22と同様に、第1導電層41および第3導電層43と電気的に接続する。第3電極23と第4電極24は、半導体基板1の第2主面120に配置された層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して、半導体基板1および導電層40と電気的に接続する。
【0062】
第4の実施形態に係る半導体装置における溝10のオフセット配置は、図1図15又は図18に示したいずれのオフセット配置であってもよい。第4の実施形態に係る半導体装置によっても、誘電層30に起因する半導体基板1に加わる応力の集中を緩和することができる。更に、第1主面110と第2主面120のそれぞれに電極が配置された第4の実施形態に係る半導体装置よれば、半導体装置をモジュールなどに実装することが容易である。例えば、下面を実装基板に配置した半導体装置の上面に素子を接続して、設置面積を大きく低減させる実装が可能となる。他は、第4の実施形態に係る半導体装置は第1乃至第3の実施形態と実質的に同様であるので、重複した説明を省略する。
【0063】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0064】
例えば、上記では、半導体基板1がシリコン基板である場合を説明したが、半導体基板1はシリコン基板に限られない。例えば、半導体基板1が化合物半導体基板であってもよい。半導体基板1に化合物半導体基板を使用することにより、化合物半導体の物性値を生かした素子を作成することができる。例えば、化合物半導体を用いたトランジスタとキャパシタ構造を同一の半導体基板1に形成することにより、化合物半導体の特性を生かしたトランジスタを形成することができる。例えば、バンドギャップが広い炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの基板を半導体基板1に使用してもよい。これにより、トランジスタの絶縁破壊電圧を向上させることができる。
【0065】
上記では導電層40がn型のポリシリコン膜である場合を説明したが、導電層40がp型のポリシリコン膜であってもよい。或いは、導電層40が他の半導体材料であってもよいし、金属材などの導電性材料であってもよい。例えば、導電層40の材料が、導電型ポリ炭化珪素、シリコンゲルマニウム(SiGe)、アルミニウム(Al)であってもよい。また、電極の材料は、Ti/Al以外の例えば銀(Ag)、ニッケル(Ni)などの金属材であってもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 半導体基板
10 溝
21 第1電極
22 第2電極
30 誘電層
40 導電層
50 層間絶縁膜
101 溝間領域
10A 第1溝列
10B 第2溝列
211 第1コンタクトホール
212 第2コンタクトホール
221 第3コンタクトホール
222 第4コンタクトホール
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19