(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102652
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】接続装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20240724BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20240724BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
G06F1/16 312K
G06F1/16 312E
G06F1/18 E
H05K5/02 V
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006689
(22)【出願日】2023-01-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内山 武志
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB18
4E360AB23
4E360AB42
4E360BD02
4E360EA24
4E360EA28
4E360EB03
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED23
4E360ED28
4E360GA08
4E360GA46
4E360GB26
4E360GB46
4E360GB91
4E360GC02
4E360GC08
(57)【要約】
【課題】作業性の向上が可能な接続装置を提供する。
【解決手段】接続装置は、第1方向と前記第1方向と交差する第2方向とに開放された溝部が設けられ、前記溝部の内部を向く第1面と、前記第1方向に開口する第1開口部が設けられるとともに前記第2方向に沿って延びる第2面と、前記第2方向に開口する第2開口部が設けられるとともに前記第1面と前記第2面とに接続される第3面と、を有する筐体と、前記第3面に沿って前記筐体に収容されるベース部材と、前記ベース部材から前記第2方向に向かって突出して前記第2開口部を通過する突起と、前記ベース部材に取り付けられて前記第2方向に延びるフレームと、前記フレームに取り付けられるとともに前記第1開口部から露出するガイド部材と、前記フレームを貫通する軸と、前記第1開口部から露出するとともに前記軸を回転中心として回転可能な回転部材と、を有する接続部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向と前記第1方向と交差する第2方向とに開放された溝部が設けられ、前記溝部の内部を向くとともに前記第1方向に沿って延びる第1面と、前記第1方向に開口する第1開口部が設けられるとともに前記第2方向に沿って延びる第2面と、前記第2方向に開口する第2開口部が設けられるとともに前記第1面と前記第2面とに接続される第3面と、を有する筐体と、
前記第3面に沿って前記筐体に収容されるベース部材と、前記ベース部材から前記第2方向に向かって突出して前記第2開口部を通過する突起と、前記ベース部材に取り付けられて前記第2方向に延びるフレームと、前記フレームに取り付けられるとともに前記第1開口部から露出するガイド部材と、前記フレームを貫通する軸と、前記第1開口部から露出するとともに前記軸を回転中心として回転可能な回転部材と、を有する接続部と、
を備える、接続装置。
【請求項2】
前記フレームは、前記軸を回転中心として回転可能である、
請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記接続部は、前記フレームを前記第1方向に付勢する付勢部材を有する、
請求項1又は2に記載の接続装置。
【請求項4】
外部装置と電気的に接続可能なコネクタをさらに備え、
前記コネクタは、前記筐体の外面に設けられる、
請求項1に記載の接続装置。
【請求項5】
設置面上の移動を抑制するゴム足をさらに備え、
前記筐体は、前記設置面と接触する第4面を有し、
前記ゴム足は、前記第4面に取り付けられる、
請求項1に記載の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ラップトップ型のパーソナルコンピューター(PC)のような電子機器と接続可能なコネクタを備える接続装置が知られている。接続装置には、設置面に対して垂直に立てられた状態の電子機器が挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子機器の挿抜時において従来の接続装置では、電子機器は、設置面上を移動して接続装置に接続される。そのため、電子機器が設置面上を移動することで発生する摩擦によって電子機器の挿抜が行いにくく、作業性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、作業性の向上が可能な接続装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る接続装置は、第1方向と前記第1方向と交差する第2方向とに開放された溝部が設けられ、前記溝部の内部を向くとともに前記第1方向に沿って延びる第1面と、前記第1方向に開口する第1開口部が設けられるとともに前記第2方向に沿って延びる第2面と、前記第2方向に開口する第2開口部が設けられるとともに前記第1面と前記第2面とに接続される第3面と、を有する筐体と、前記第3面に沿って前記筐体に収容されるベース部材と、前記ベース部材から前記第2方向に向かって突出して前記第2開口部を通過する突起と、前記ベース部材に取り付けられて前記第2方向に延びるフレームと、前記フレームに取り付けられるとともに前記第1開口部から露出するガイド部材と、前記フレームを貫通する軸と、前記第1開口部から露出するとともに前記軸を回転中心として回転可能な回転部材と、を有する接続部と、を備える。
【0007】
前記接続装置では、前記フレームは、前記軸を回転中心として回転可能である。
【0008】
前記接続装置では、前記接続部は、前記フレームを前記第1方向に付勢する付勢部材を有する。
【0009】
前記接続装置は、外部装置と電気的に接続可能なコネクタをさらに備え、前記コネクタは、前記筐体の外面に設けられる。
【0010】
前記接続装置は、設置面上の移動を抑制するゴム足をさらに備え、前記筐体は、前記設置面と接触する第4面を有し、前記ゴム足は、前記第4面に取り付けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、作業性の向上が可能な接続装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態の電子システムの側面図である。
【
図2】
図2は、本実施形態の接続装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の接続装置の平面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態の
図2とは異なる接続装置の斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の接続装置の断面図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の接続部の斜視図である。
【
図7】
図7は、本実施形態の
図5とは異なる接続装置の断面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の軸固定板金の斜視図である。
【
図9】
図9は、本実施形態の
図5、7とは異なる接続装置の断面図である。
【
図10】
図10は、本実施形態の電子システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
以下、実施形態に係る電子システム1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0014】
<本実施形態>
図1は、本実施形態の電子システム1の側面図である。
図1に示すように、電子システム1は、電子機器2と、接続装置3と、を備える。本実施形態の電子機器2は、ラップトップ型のPCである。しかしながら、電子機器2は、これに限定されず、スマートフォン、又はゲーム機等であっても良い。
【0015】
接続装置3は、例えば、電子機器2への給電機能を有した電源装置である。しかしながら、接続装置3は、これに限定されず、各種の機能拡張装置であっても良い。接続装置3は、設置面4に設置される。ここで、設置面4とは、例えば、机、台および棚等の接続装置3が設置される面である。
【0016】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、接続装置3の長手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、接続装置3の短手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、接続装置3の高さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、接続装置3の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。また、上方向(+Z方向)は第1方向の一例であり、前方向(+X方向)は第2方向の一例である。
【0017】
図2は、本実施形態の接続装置3の斜視図であり、
図3は、本実施形態の接続装置3の平面図である。さらに、
図4は、本実施形態の
図2とは異なる接続装置3の斜視図である。
図2~4に示すように、接続装置3は、筐体30と、接続部31と、保護壁33と、ゴム足34と、第2コネクタ35と、を有する。
【0018】
図2~4に示すように、筐体30は、例えば、合成樹脂製であり、外面として、上面300と、底面301と、側面302と、を有する。なお、底面301は第4面の一例であり、側面302は外面の一例である。
【0019】
底面301は、設置面4と接触する面である。上面300および底面301は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びるとともに、互いに上下方向に間隔を空けて配置されている。
【0020】
側面302は、上面300および底面301の端部から延びて、当該上面300と底面301とを繋いでいる。側面302は、前面302aと、後面302bと、左面302cと、右面302dと、を有する。
【0021】
前面302aおよび後面302bは、前後方向(X方向)と直交する方向(YZ平面)に沿って延びるとともに、互いに前後方向に間隔を空けて配置されている。
【0022】
左面302cおよび右面302dは、左右方向(Y方向)と直交する方向(XZ平面)に沿って延びるとともに、互いに左右方向に間隔を空けて配置されている。
【0023】
図2に示すように、筐体30には、溝部303が設けられる。溝部303は、前面302aから後面302bに向かって凹んでいる。溝部303は、上方向(+Z方向)と、前方向(+X方向)と、に開放されている。
【0024】
溝部303は、二つの内面304と、接続面305と、載置面306と、により形成される。なお、内面304は第1面の一例であり、接続面305は第3面の一例である。さらに、載置面306は第2面の一例である。
【0025】
二つの内面304は、溝部303の内部を向くとともに、上下方向(Z方向)に沿って延びる。各内面304は、互いに左右方向に間隔を空けて配置されている。
【0026】
接続面305は、二つの内面304と、載置面306と、に接続されるとともに、上下方向に沿って延びて前方向(+X方向)に向く面である。接続面305には、前後方向(X方向)に開口する開口部305aが設けられている。なお、開口部305aは第2開口部の一例である。
【0027】
載置面306は、二つの内面304と、接続面305と、に接続されるとともに、前後方向(X方向)に沿って延びて上方向(+Z方向)に向く面である。言い換えると、載置面306は、電子機器2が載置される面である。
【0028】
図5は、本実施形態の接続装置3の断面図である。
図5に示すように、載置面306は、第1載置面306aと、第2載置面306bと、を有する。
【0029】
第1載置面306aは、前後方向(X方向)において第2載置面306bよりも前方に位置する。第1載置面306aは、筐体30の底面301に対して傾斜している。これにより、ユーザーは、接続装置3に電子機器2を挿入し易くなる。
【0030】
第2載置面306bは、第1載置面306aと接続するとともに、前後方向(X方向)において第2載置面306bよりも後方に位置する。第2載置面306bは、筐体30の底面301に対して略平行である。
【0031】
図2に示すように、第2載置面306bには、開口部307が設けられている。開口部307は、第2載置面306bにおいて上下方向(Z方向)に開口している。なお、開口部307は第1開口部の一例である。
【0032】
図5に示すように、接続部31は、前後方向(X方向)において接続面305の後方に位置する。
図6は、本実施形態の接続部31の斜視図である。
図5、6に示すように、接続部31は、ベース部材310と、回路基板311と、カバー312と、二つのガイドピン313と、第1コネクタ314と、フレーム315と、ガイドレール316と、軸317と、ローラー318と、軸固定板金319と、バネ320と、を有する。なお、ガイドピン313は突起の一例であり、ガイドレール316はガイド部材の一例である。さらに、ローラー318は回転部材の一例であり、バネ320は付勢部材の一例である。
【0033】
図5に示すように、筐体30は、ベース部材310と、回路基板311と、フレーム315と、軸317と、ローラー318と、軸固定板金319と、バネ320と、を収容している。
【0034】
ベース部材310は、例えば、金属等の材料で形成された板状の部材である。
図5、6に示すように、ベース部材310は、接続面305に沿って延びるとともに回路基板311と、フレーム315と、を取り付けている。
【0035】
回路基板311は、例えば、プリント回路板(PCB)である。なお、回路基板311は、フレキシブルプリント回路板(FPC)のような他の基板であっても良い。カバー312は、回路基板311の回路部分を覆うとともに接続面305の開口部305aを通過して外部に露出している。
【0036】
開口部305aの内径は、カバー312のサイズよりも若干大きく設定されている。これにより、カバー312は、ベース部材310が軸317を中心に回転することで前後方向(X方向)および上下方向(Z方向)に動くことが可能である。さらに、カバー312には、複数の孔312aが設けられている。
【0037】
二つのガイドピン313は、ベース部材310を貫通するとともに、接続面305の開口部305aおよびカバー312の孔312aを通過して前方向(+X方向)に向かって突出している。各ガイドピン313は、互いに上下方向(Z方向)に離間している。
【0038】
なお、本実施形態では、ガイドピン313とベース部材310との間には、バネが設けられている(不図示)。言い換えると、ガイドピン313は、バネを挿通するとともにベース部材310に取り付いている。これにより、ガイドピン313は、前後方向(X方向)に押し込むことが可能である。
【0039】
さらに、カバー312の孔312aの孔径は、ガイドピン313の直径より大きく設定されている。これにより、ガイドピン313は、孔312aの範囲内において上下方向(Z方向)および左右方向(Y方向)に動くことができる。
【0040】
第1コネクタ314は、回路基板311から前方向(+X方向)に向かって突出して、カバー312の孔312aを通過して外部に露出している。すなわち、第1コネクタ314は、回路基板311と電気的に接続している。第1コネクタ314は、上下方向(Z方向)において、二つのガイドピン313の間に位置する。
【0041】
フレーム315は、例えば、金属等で形成された断面形状がU字の部材である。フレーム315は、ベース部材310から前方向(+X方向)に向かって延びる。フレーム315の一部は、筐体30の開口部307を通して外部に露出している。言い換えると、フレーム315は、筐体30の開口部307に嵌合している。
【0042】
ガイドレール316は、例えば、合成樹脂等で形成され、載置面306に沿って挿入される電子機器2を誘導する部材である。
図7は、本実施形態の
図5とは異なる接続装置3の断面図である。
【0043】
図7に示すように、ガイドレール316は、複数のネジAによってフレーム315の外部に露出している部分に取り付けられる。すなわち、ガイドレール316は、フレーム315に取り付けられるとともに開口部307から外部に露出している。なお、ガイドレール316は、ピンBによってフレーム315に対する取り付け位置を位置決めされる。
【0044】
図5に示すように、前後方向(X方向)におけるフレーム315の一方の端部は、ベース部材310に取り付けられている。そして、前後方向におけるフレーム315の他方の端部には、軸317によってローラー318が取り付けられている。
【0045】
図7に示すように、軸317は、載置面306の裏面から突出したリブ306cに囲まれている。軸317は、フレーム315と、ローラー318を貫通するとともに、リブ306cに設けられた溝306dに嵌まっている。これにより、フレーム315は、軸317を回転中心として回転可能である。
【0046】
図5に示すように、ローラー318は、前後方向(X方向)において第1載置面306aと隣接するとともに軸317を回転中心として回転可能である。
図2に示すように、ローラー318の一部は開口部307から外部に露出している。これにより、ローラー318は、第1載置面306aに沿って挿入される電子機器2をガイドレール316に誘導可能である。
【0047】
図8は、本実施形態の軸固定板金319の斜視図である。
図8に示すように軸固定板金319は、当該軸固定板金319の厚さ方向に突出した突起319aを有する。
【0048】
図9は、本実施形態の
図5、7とは異なる接続装置3の断面図である。言い換えると、
図9は、
図7に軸固定板金319が取り付けられた状態の断面図である。
図9に示すように、軸固定板金319は、複数のネジCによって載置面306のリブ306cに取り付けられる。
【0049】
図5に示すように、リブ306cに取り付けられた軸固定板金319の突起319aは、軸317と接触する。すなわち、突起319aは、接続装置3の上下方向(Z方向)において下方から軸317を押さえる。これにより、軸317は、溝306dから外れにくくなる。
【0050】
バネ320は、フレーム315と軸固定板金319との間に位置する。すなわち、バネ320は、接続装置3の上下方向においてフレーム315を上方向(+Z方向)に付勢する。これにより、ベース部材310と、回路基板311と、カバー312と、二つのガイドピン313と、第1コネクタ314と、フレーム315と、ガイドレール316と、は、第1載置面306aに沿うように筐体30の底面301に対して傾斜する。従って、ユーザーは、接続装置3に電子機器2を挿入し易くなる。
【0051】
図2に示すように、保護壁33は、例えば、ゴム等の合成樹脂で形成されている。保護壁33は、各内面304に互いに向き合うように設けられている。これにより、例えば、溝部303に電子機器2を挿入する際に、当該電子機器2が内面304と接触して傷付くことを防止できる。
【0052】
ゴム足34は、接続装置3の設置面4上の移動を抑制する部材である。
図4に示すように、ゴム足34は、筐体30の底面301に設けられている。なお、本実施形態では、例えば、電子機器2が接続した接続装置3を設置面4に設置した際、ゴム足34の静止摩擦力は、電子機器2の静止摩擦力よりも大きい。これにより、例えば、電子機器2を溝部303から引き抜く際に、接続装置3が設置面4上を移動することを防止できる。
【0053】
第2コネクタ35は、筐体30の後面302bに設けられている。例えば、第2コネクタ35は、回路基板311を介して第1コネクタ314と外部装置とを電気的に接続可能である。これにより、例えば、第2コネクタ35は、接続装置3を介して電子機器2のデータを外部装置に送信すること、外部装置からデータを受信すること等が可能になる。なお、第2コネクタ35はコネクタの一例である。
【0054】
本実施形態では、第2コネクタ35は、筐体30の後面302bに設けられているが、第2コネクタ35の設置位置は、例えば、上面300や側面302等の筐体30の外面であれば適宜変更しても良い。
【0055】
以上の本実施形態の電子システム1では、設置面4に設置された接続装置3に対して電子機器2を接続する際、ユーザーは電子機器2の一方の角部を接続装置3の第1載置面306aに載置させる。そして、ユーザーは電子機器2の他方の角部を設置面4から離した状態で、電子機器2を第1載置面306aに沿って後方(-X方向)に移動させる。
【0056】
第1載置面306aに沿って移動した電子機器2は、ローラー318によって第2載置面306bから露出しているガイドレール316まで移動する。そして、電子機器2は、ガイドレール316によって接続面305まで誘導される。すなわち、電子機器2は、溝部303に挿入される。
【0057】
第2載置面306bから露出しているガイドレール316は、筐体30に収容されているバネ320によって上下方向(Z方向)に移動可能である。そのため、ガイドレール316に電子機器2が載置されると、ガイドレール316は、電子機器2の重量によって押し下げられ、電子機器2の下面2aとガイドレール316の接触面とが平行になる。すなわち、ガイドレール316は、電子機器2の動きに追従して上下方向(Z方向)に移動する。これにより、フレーム315を取り付けているベース部材310から突出しているガイドピン313および第1コネクタ314は、電子機器2の下面2cに対して常に平行になる。なお、下面2cは、接続装置3と接続する電子機器2において設置面4を向く面である。
【0058】
図10は、本実施形態の電子システム1の断面図である。
図10に示すように、接続部31の第1コネクタ314は、電子機器2に設けられた接続端子20と電気的に接続される。さらに、接続部31のガイドピン313は、電子機器2に設けられた穴部21に挿入される。この時、電子機器2は、ガイドピン313によって上下方向に位置決めされる。
【0059】
接続部31と接続した電子機器2は、当該電子機器2の他方の角部を設置面4に置くことで、
図10のように設置面4に対して傾斜する。なお、電子機器2を接続装置3から外す場合は、電子機器2の他方の角部を前方向(+X方向)に移動させる。
【0060】
従来の電子システムでは、電子機器は、設置面上を移動して接続装置に接続される。そのため、電子機器が設置面上を移動する際に摩擦が生じる。この摩擦によって、電子機器を接続装置に挿抜する際の作業性が悪化する。
【0061】
一方、本実施形態の電子システム1では、電子機器2は、設置面4と接触せずに接続装置3と接続することが可能である。これにより、電子システム1では、電子機器2が設置面4上を移動する際に摩擦は発生せず、容易に電子機器2を接続装置3に挿抜可能である。従って、本実施形態の接続装置3は、作業性の向上が可能である。
【0062】
以上のように、本実施形態の接続装置3は、筐体30と、接続部31と、を備える。筐体30には、溝部303が設けられる。さらに、筐体30は、内面304と、接続面305と、載置面306と、を有する。溝部303は、上方向(+Z方向)と前方向(+X方向)とに開放されている。内面304は、溝部303の内部を向くとともに上方向に沿って延びる。接続面305は、前方向に開口する開口部305aが設けられるとともに内面304と載置面306とに接続される。載置面306は、上方向に開口する開口部307が設けられるとともに前方向に沿って延びる。接続部31は、ベース部材310と、ガイドピン313と、フレーム315と、ガイドレール316と、軸317と、ローラー318と、を有する。ベース部材310は、接続面305に沿って筐体30に収容される。ガイドピン313は、ベース部材310から前方向に向かって突出して開口部305aを通過する。フレーム315は、ベース部材310に取り付けられて前方向に延びる。ガイドレール316は、フレーム315に取り付けられるとともに開口部307から露出する。軸317は、フレーム315を貫通する。ローラー318は、開口部307から露出するとともに軸317を回転中心として回転可能である。
【0063】
本実施形態では、接続部31のガイドピン313と電子機器2とが嵌合することで、接続装置3に電子機器2が接続される。すなわち、接続装置3に接続する際、ユーザーは、電子機器2の一方の角部を溝部303に挿入するとともに載置面306上に沿って移動させる。この時、電子機器2の他方の角部は、接続装置3の設置面4から離間している。
【0064】
電子機器2が溝部303に挿入される際、電子機器2は載置面306に沿って後方向(-X方向)に移動する。載置面306に沿って移動する電子機器2は、ローラー318によって溝部303に向かって進められる。そして、ローラー318によって進められた電子機器2は、ガイドレール316によって接続面305まで誘導される。これにより、接続装置3と電子機器2を接続する際、電子機器2が設置面4上を移動することで発生する摩擦が発生せず、容易に電子機器2と接続装置3とを接続することができる。従って、本実施形態の接続装置3は、作業性を向上させることが可能である。
【0065】
また、本実施形態では、電子機器2は設置面4上を移動しないため、設置面4が傷付くことを抑制することができる。さらに、本実施形態の接続装置3では、軸317を中心に回転するローラー318によって電子機器2を溝部303に挿入し易くなる。
【0066】
また、本実施形態では、フレーム315は、軸317を回転中心として回転可能である。本実施形態の接続装置3では、例えば、高低差のある設置面4に設けられた接続装置3に電子機器2を接続する場合、ガイドレール316を取り付けているフレーム315は、軸317を中心に回転して電子機器2の動きに追従する。そのため、接続装置3の設置面4と電子機器2とに高低差がある場合においても、電子機器2はガイドレール316と接触している。これにより、接続装置3の設置面4と電子機器2とに高低差がある場合においても、電子機器2は容易に接続装置3に接続可能である。従って、本実施形態の接続装置3は、さらに作業性が向上させることが可能である。
【0067】
また、本実施形態では、接続部31は、フレーム315を上方向に付勢するバネ320を有する。フレーム315は、バネ320によって上方向に付勢されることで設置面4に対して傾斜する。これにより、本実施形態の接続装置3では、載置面306に沿って電子機器2をさらに挿入し易くなる。
【0068】
また、本実施形態の接続装置3は、外部装置と電気的に接続可能な第2コネクタ35をさらに備える。第2コネクタ35は、筐体30の側面302に設けられる。これにより、本実施形態の接続装置3では、外部装置からデータの受信や外部装置へのデータの出力等が可能になる。
【0069】
また、本実施形態の接続装置3は、設置面4上の移動を抑制するゴム足34をさらに備える。筐体30は、設置面4と接触する底面301を有する。ゴム足34は、底面301に取り付けられる。本実施形態の接続装置3では、例えば、吸着テープが設けられた接続装置と比べて、埃や塵等の付着による固定性の低下を抑制することができる。さらに、本実施形態の接続装置3では、付着した埃や塵等を拭き取る等のメンテンナンスを行う回数が減る。これにより、本実施形態の接続装置3は、さらに作業性が向上させることが可能である。
【0070】
また、本実施形態では、接続装置3の設置場所を複数回変更した場合において、固定性の低下を抑制することができる。さらに、本実施形態では、例えば、吸着テープを貼り付けることができないような表面が粗い設置面4に接続装置3を設置した場合でも、電子機器2を挿抜する際の接続装置3の移動を抑制することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0072】
3 接続装置
30 筐体
301 底面(第4面)
302 側面(外面)
303 溝部
304 内面(第1面)
305 接続面(第3面)
305a 開口部(第2開口部)
306 載置面(第2面)
307 開口部(第1開口部)
31 接続部
310 ベース部材
313 ガイドピン(突起)
315 フレーム
316 ガイドレール(ガイド部材)
317 軸
318 ローラー(回転部材)
320 バネ(付勢部材)
34 ゴム足
35 第2コネクタ(コネクタ)
4 設置面