(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102653
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/18 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
G06F1/18 E
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006690
(22)【出願日】2023-01-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 康史
(72)【発明者】
【氏名】小林 園昌
(57)【要約】
【課題】キーボードを容易に取り付け可能な電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、第1面と、前記第1面と交差する方向に延びた突起と、を有し、前記第1面から開口する開口部と、前記開口部を介して外部と連通する空間と、が設けられるカバーと、前記第1面に沿う方向に延びる第2面と、前記第2面に設けられる複数のキーと、前記第2面に沿う方向における端部から突出する複数の爪部と、を有し、前記空間に挿入可能なキーボードと、前記突起に取り付けられるとともに前記空間に収容される導電部材と、を備え、前記導電部材は、前記空間に前記キーボードが挿入された場合、前記爪部と当接して変形可能であり、前記突起と前記導電部材との取り付け面は、前記空間に対する前記キーボードの挿入方向と交差する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と交差する方向に延びた突起と、を有し、前記第1面から開口する開口部と、前記開口部を介して外部と連通する空間と、が設けられるカバーと、
前記第1面に沿う方向に延びる第2面と、前記第2面に設けられる複数のキーと、前記第2面に沿う方向における端部から突出する複数の爪部と、を有し、前記空間に挿入可能なキーボードと、
前記突起に取り付けられるとともに前記空間に収容される導電部材と、
を備え、
前記導電部材は、前記空間に前記キーボードが挿入された場合、前記爪部と当接して変形可能であり、
前記突起と前記導電部材との取り付け面は、前記空間に対する前記キーボードの挿入方向と交差する、
電子機器。
【請求項2】
前記キーボードは、前記第2面の反対側に位置する第3面と、前記第3面に取り付けられるとともに少なくとも前記爪部の先端を覆う補強部材と、をさらに有する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記キーボードは、前記補強部材を覆うシートをさらに有する、
請求項2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のキーが設けられたキーボードを有するベース部を備えたラップトップ型のパーソナルコンピューター(PC)のような電子機器が知られている。キーボードは、ベース部から着脱可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の電子機器では、キーボードはベース部に嵌合することで取り付けられる。そのため、キーボードをベース部に取り付ける際、ベース部に嵌合せずにキーボードが変形する虞がある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、キーボードを容易に取り付け可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、第1面と、前記第1面と交差する方向に延びた突起と、を有し、前記第1面から開口する開口部と、前記開口部を介して外部と連通する空間と、が設けられるカバーと、前記第1面に沿う方向に延びる第2面と、前記第2面に設けられる複数のキーと、前記第2面に沿う方向における端部から突出する複数の爪部と、を有し、前記空間に挿入可能なキーボードと、前記突起に取り付けられるとともに前記空間に収容される導電部材と、を備え、前記導電部材は、前記空間に前記キーボードが挿入された場合、前記爪部と当接して変形可能であり、前記突起と前記導電部材との取り付け面は、前記空間に対する前記キーボードの挿入方向と交差する。
【0007】
前記電子機器では、前記キーボードは、前記第2面の反対側に位置する第3面と、前記第3面に取り付けられるとともに少なくとも前記爪部の先端を覆う補強部材と、をさらに有する。
【0008】
前記電子機器では、前記キーボードは、前記補強部材を覆うシートをさらに有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の上記態様によれば、キーボードを容易に取り付け可能な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態のノートPCの斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態のベース部の断面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態の
図2とは異なるベース部の断面図である。
【
図4】
図4は、本実施形態のキーボードの斜視図である。
【
図5】
図5は、本実施形態の
図4とは異なるキーボードの斜視図である。
【
図6】
図6は、本実施形態の固定部材の斜視図である。
【
図7】
図7は、比較対象のベース部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
以下、実施形態に係るノートPC1を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0012】
図1は、本実施形態に係るノートPC1の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のノートPC1は、ベース部2と、ヒンジ3と、表示部4と、を備える。なお、ノートPC1は、電子機器の一例である。
【0013】
以下の各図では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、ベース部2の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y方向は、ベース部2の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z方向は、ベース部2の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、ノートPC1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。
【0014】
ベース部2は、例えば、基板、CPU、ROM、RAM、HDD又はSSDのようなストレージ、バッテリ、アンテナ、及び他の種々の部品を収容する。
【0015】
ベース部2は、上面カバー21と、底面カバー22と、板金23と、キーボード24と、固定部材25と、を有する。なお、上面カバー21は、カバーの一例である。
【0016】
図2は、本実施形態のベース部2の断面図である。言い換えると、
図2は、後方向(+X方向)側におけるベース部2の断面図を拡大したものである。
図1、2に示すように、上面カバー21は、上面211と、リブ212と、を有する。なお、上面211は、第1面の一例であり、リブ212は、突起の一例である。
【0017】
図1に示すように、上面211は、上面カバー21の一部であるとともに、略上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面211は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。なお、上面211は、この例に限られず、凹凸を有しても良い。
【0018】
ベース部2には、上面211から僅かに窪んだタッチパッド211aの入力面が設けられる。タッチパッド211aは、表示部4への入力手段である。なお、上方向におけるタッチパッド211aの操作ボタン211bの端面は、上面211より低い位置に設けられる。
【0019】
上面211は、前上面211cと、後上面211dと、を有する。前上面211c及び後上面211dはそれぞれ、上面211の一部である。このため、前上面211cおよび後上面211dは、略上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。
【0020】
前上面211cは、後上面211dから前方向(-X方向)に離間している。後上面211dは、前上面211cから後方向(+X方向)に離間している。上下方向(Z方向)において、前上面211cと後上面211dとは、略同一の高さ(位置)に配置されている。
【0021】
リブ212は、上面211から板金23に向かって突出して当該板金23と接触している。すなわち、リブ212は、上面211からベース部2の厚さ方向に向かって延びている。
【0022】
図1に示すように、底面カバー22は、底面221を有する。底面221は、底面カバー22の一部であるとともに、略下方向(-Z方向)に向く略平坦な面である。底面221は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。
【0023】
底面221は、上面211の反対側に位置する。例えば、ノートPC1が
図1の態様で使用されるとき、底面221、又は底面221から突出するリブ若しくはゴムのような足が、例えばテーブルの上面に支持される。
【0024】
ベース部2は、ベース部2の上面211を含む上面カバー21と、底面221を含む底面カバー22と、に当該ベース部2の厚さ方向に組み合わされ、例えば、分解時において互いに分割可能である。
【0025】
図3は、本実施形態の
図2とは異なるベース部2の断面図である。言い換えると、
図3は、前方向(-X方向)側におけるベース部2の断面図を拡大したものである。
【0026】
図2、3に示すように、ベース部2には、開口部26と、内部空間27と、が設けられている。なお、内部空間27は、空間の一例である。
図1に示すように、開口部26は、前上面211cと後上面211dとの間に設けられるとともに上面211から上下方向(Z方向)に開口している。
【0027】
図2、3に示すように、内部空間27は、ベース部2の内部に設けられ、開口部26を介してベース部2の外部に連通される。また、内部空間27には、第1空間271と、第2空間272と、が設けられる。
【0028】
第1空間271および第2空間272は、内部空間27の一部であるとともに、上面カバー21と板金23との間に形成される空間である。第1空間271はベース部2における後方向(+X方向)に位置し、第2空間272はベース部2における前方向(-X方向)に位置する。すなわち、第1空間271と第2空間272とは、互いに前後方向(X方向)に離間して位置する。
【0029】
板金23は、例えば、金属で形成された板状の部材である。
図2、3に示すように、板金23は、内部空間27に収容されるとともに、前後方向(X方向)に延びている。
【0030】
キーボード24は、前上面211cと後上面211dとの間に位置するとともに内部空間27に挿入可能である。言い換えると、キーボード24は、開口部26を塞ぐようにベース部2に取り付けられる。これにより、ベース部2では内部空間27が形成される。
【0031】
図4は、本実施形態のキーボード24の斜視図であり、
図5は、本実施形態の
図4とは異なるキーボード24の斜視図である。
図4、5に示すように、キーボード24は、上面240と、複数のキー241と、複数の爪部242と、底面243と、補強部材244と、シート245と、を有する。なお、上面240は、第2面の一例であり、底面243は、第3面の一例である。
【0032】
図1に示すように、上面240は、略上方向(+Z方向)に向く略平坦な面である。上面240は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。すなわち、上面240は、上面カバー21の上面211に沿う方向に延びている。
【0033】
複数のキー241は、上面240上に、押下可能に配置されている。上方向(+Z方向)における複数のキー241の端面は、上下方向(Z方向)において、上面カバー21の上面211から下方向(-Z方向)に離間している。言い換えると、上方向における複数のキー241の端面は、上面211より低い位置に設けられる。
【0034】
図5に示すように、複数の爪部242は、第1爪部242aと、第2爪部242bと、に分けられる。第1爪部242aは、後方向(+X方向)におけるキーボード24の端部である後端部24aに設けられるとともに、当該後端部24aから後方向に突出している。一方で、第2爪部242bは、前方向(-X方向)におけるキーボード24の端部である前端部24bに設けられるとともに、当該前端部24bから前方向に突出している。なお、後端部24aおよび前端部24bは、端部の一例である。
【0035】
図2、3に示すように、第1爪部242aは、第1空間271に挿入可能であり、第2爪部242bは、第2空間272に挿入可能である。これにより、キーボード24は、開口部26から着脱可能になる。
【0036】
図2に示すように、底面243は、上面240の反対側に位置するとともに、略下方向(-Z方向)に向く略平坦な面である。底面243は、上下方向(Z方向)と直交する方向(XY平面)に沿って延びている。
【0037】
図5に示すように、補強部材244は、例えば、金属等で形成された板状の部材である。補強部材244は、底面243に取り付けられ、キー241の保持、キーボード24の補強等を担う。
【0038】
図2に示すように、補強部材244は、第1爪部242aを囲むように覆っている。なお、補強部材244は、少なくとも第1爪部242aの先端242a1を覆っていれば良い。さらに、本実施形態では、第2爪部242bは補強部材244に覆われていないが、これに限らず、第2爪部242bは補強部材244に覆われていても良い。
【0039】
図5に示すように、シート245は、例えば、絶縁材料で形成されており、爪部242以外の補強部材244を覆っている。言い換えると、爪部242は、シート245から露出している。なお、シート245は、例えば、両面テープ等で補強部材244に取り付けられる。
【0040】
補強部材244には、キーボード24軽量化のために複数の孔が設けられている(不図示)。シート245は、補強部材244を覆うことで、例えば、補強部材244に開口している孔から水等の液体が侵入することを防ぐ。
【0041】
固定部材25は、例えば、合成樹脂等で形成されており、キーボード24をベース部2に固定する部材である。
図1に示すように、固定部材25は、後上面211dと、キーボード24の後端部24aと、の間に嵌め込まれる。
【0042】
図6は、本実施形態の固定部材25の斜視図である。
図6に示すように、固定部材25は、複数の凹凸251を有する。凹凸251は、固定部材25が後上面211dとキーボード24の後端部24aとの間に嵌め込まれた状態で、左右方向(Y方向)にスライドされることで、上面カバー21に設けられた凹凸(不図示)と嵌合する。これにより、固定部材25は、ベース部2に取り付けられるとともに、キーボード24を当該ベース部2に固定する。
【0043】
図2に示すように、ベース部2は、ガスケット28をさらに有する。なお、ガスケット28は、導電部材の一例である。ガスケット28は、例えば、内部空間27にキーボード24が挿入されて爪部242に押された際、変形可能な金属等で形成されている。
【0044】
ガスケット28は、板金23に覆われるとともにベース部2の第1空間271に収容されている。言い換えると、ガスケット28は、リブ212と、板金23と、に当接して第1空間271に収容されている。
【0045】
ガスケット28は、リブ212に両面テープ等で取り付けられている。ガスケット28におけるリブ212との接着面281は、リブ212が突出する方向に沿う面である。言い換えると、ガスケット28におけるリブ212との接着面281は、第1空間271に対する第1爪部242aの挿入方向と交差する面である。なお、接着面281は、取り付け面の一例である。
【0046】
ヒンジ3は、ベース部2と表示部4が互いに回動可能なように接続するものである。
図1に示すように、ヒンジ3は、前方向(-X方向)におけるベース部2の端部である前端部213に設けられる。なお、本実施形態では、ベース部2の前端部213に二つのヒンジ3が設けられているが、ヒンジ3の数、位置、及び形状は適宜変更されても良い。
【0047】
表示部4は、ヒンジ3を介してベース部2に回転可能に取り付けられる。表示部4は、表示装置41と、筐体42と、を有する。表示部4は、例えば、筐体42に収容される他の部品をさらに有しても良い。
【0048】
表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイのような画像を表示可能な装置である。表示装置41は、表示面411を有する。表示面411は、略平坦に形成され画像を表示可能である。表示面411に、例えば、タッチパネルが設けられても良い。その場合、ユーザーは、表示面411へのタッチ操作によりノートPC1を操作することができる。
【0049】
筐体42は、例えば、金属製であり、略直方体の薄い箱状に形成されている。筐体42の内部の空間には、表示装置41および種々の部品が収容される。筐体42は、端面421と、前面422と、後面423と、開口424と、を有する。さらに、筐体42の内部には、リブ等が設けられても良い。
【0050】
端面421は、例えば、表示部4における前方向(-X方向)、後方向(+X方向)、左方向(-Y方向)、及び右方向(+Y方向)を向く面である。前面422は、表示面411が取り付けられるとともに、筐体42の厚さ方向の一方向に向く。後面423は、前面422の反対側に位置し、筐体42の厚さ方向の他方向に向く。
【0051】
開口424は、筐体42の内部空間であり、前面422に開口している。すなわち、筐体42は、前面422が開放された箱型に形成されている。表示面411は、開口424を塞ぐように筐体42に取り付けられる。これにより、筐体42の内部の空間が形成される。
【0052】
本実施形態では、キーボード24をベース部2に取り付ける場合、ユーザーは、キーボード24の前端部24bを上方向(+Z方向)に持ち上げた状態で、キーボード24を内部空間27に向かって後方向(+X方向)から挿入する。
【0053】
内部空間27に挿入されたキーボード24では、第1爪部242aは、第1空間271に挿入される。そして、シート245は、板金23と当接する。その後、ユーザーは、キーボード24をさらに後方向(+X方向)にスライドさせる。
【0054】
図2に示すように、キーボード24は、ガスケット28の接着面281に対して交差する方向に移動する。言い換えると、キーボード24は、板金23上を当該板金23に対して平行に移動する。
【0055】
キーボード24が板金23上を移動すると、ガスケット28は、第1爪部242aによって圧縮される。この時、ガスケット28は、板金23に覆われているため第1空間271内で変形する。
【0056】
変形したガスケット28は、板金23と、第1爪部242aを囲む金属等で形成された補強部材244と当接する。これにより、ガスケット28は、板金23とキーボード24とを電気的に接続させる。
【0057】
第1爪部242aによってガスケット28を変形させた後、ユーザーは、キーボード24を若干前方向(-X方向)にスライドさせる。前方向(-X方向)にスライドしたキーボード24では、第2爪部242bは、第2空間272に挿入される。
【0058】
第2爪部242bが第2空間272に挿入された後、ユーザーは、固定部材25を後上面211dとキーボード24の後端部24aとの間に嵌め込むとともに、左右方向(Y方向)にスライドさせる。これにより、キーボード24は、ベース部2に取り付けられる。
【0059】
図7は、比較対象のベース部2Aの断面図である。
図7に示すように、比較対象のベース部2Aでは、ガスケット28Aにおけるリブ212Aとの接着面281Aは、第1空間271Aに対する第1爪部242aaの挿入方向と平行な面である。
【0060】
図7に示す形態では、キーボード24Aを内部空間27Aに挿入する場合、ガスケット28Aの接着面281Aは、内部空間27Aにおけるキーボード24Aの移動方向と平行である。さらに、ガスケット28Aは、板金23Aに覆われているため第1空間271Aからの逃げ場がない。そのため、第1爪部242aaには、接着面281Aによる抵抗力と、板金23Aがガスケット28Aを押さえる力と、が加わる。これにより、
図7に示す形態では、第1爪部242aaによってガスケット28Aを変形させることが困難である。
【0061】
一方、本実施形態では、ガスケット28におけるリブ212の接着面281は、内部空間27におけるキーボード24の移動方向と交差する方向である。そのため、本実施形態では、第1爪部242aにかかる接着面281による抵抗力小さい。これにより、本実施形態では、第1爪部242aによってガスケット28を変形させることが容易になる。従って、本実施形態のノートPC1では、キーボード24を容易に取り付け可能である。
【0062】
以上のように、本実施形態のノートPC1は、上面カバー21と、キーボード24と、ガスケット28と、を備える。上面カバー21は、上面211と、上面211と交差する方向に延びたリブ212と、を有する。さらに、上面カバー21には、開口部26と、内部空間27と、が設けられる。開口部26は、上面211から開口している。内部空間27は、開口部26を介して外部と連通している。キーボード24は、上面211に沿う方向に延びる上面240と、上面240に設けられる複数のキー241と、上面240に沿う方向における後端部24aおよび前端部24bから突出する複数の爪部242と、を有し、内部空間27に挿入可能である。ガスケット28は、リブ212に取り付けられるとともに内部空間27に収容されている。さらに、ガスケット28は、内部空間27にキーボード24が挿入された場合、爪部242と当接して変形可能である。ガスケット28の接着面281は、内部空間27に対するキーボード24の挿入方向と交差する。
【0063】
本実施形態に係るキーボード24は、内部空間27に挿入されてベース部2に取り付けられる。内部空間27に挿入されるキーボード24では、爪部242は、後方向(+X方向)に移動してガスケット28と当接する。ガスケット28と当接した爪部242は、ガスケット28を変形させながら、さらに後方向に移動する。ガスケット28の接着面281は、キーボード24の挿入方向と交差している。そのため、ガスケット28の接着面281は、キーボード24の移動を妨げにくい。これにより、キーボード24は、容易にベース部2に取り付けられる。従って、本実施形態のノートPC1は、キーボード24を容易に取り付け可能である。
【0064】
また、本実施形態では、ガスケット28の接着面281の位置を変更するだけでキーボード24を容易に取り付け可能である。すなわち、ノートPC1の構造を大きく変化させる必要がないため、ノートPC1の製造コストを抑制しつつキーボード24を容易に取り付け可能である。
【0065】
また、本実施形態では、キーボード24は、底面243と、補強部材244と、をさらに有する。底面243は、上面240の反対側に位置する。補強部材244は、底面243に取り付けられるとともに少なくとも爪部242の先端242a1を覆う。
【0066】
補強部材244は、底面243に設けられることにより、例えば、キーボード24に力が加えられた際に変形し難くなる。すなわち、補強部材244は、キーボード24全体の剛性を向上させることができる。
【0067】
また、補強部材244は爪部242の先端242a1を覆っているため、内部空間27においてガスケット28と当接する。これにより、補強部材244は、爪部242を介してガスケット28とキーボード24とを電気的に接続させることができる。
【0068】
また、本実施形態では、キーボード24は、補強部材244を覆うシート245をさらに有する。例えば、補強部材244には、軽量化のために複数の孔が設けられている。シート245は、補強部材244に設けられた複数の孔を覆う。これにより、シート245は、例えば、ベース部2の内部空間27に液体等が侵入した際、補強部材244に設けられた孔から液体が侵入することを防ぐことができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 ノートPC(電子機器)
2、2A ベース部
21 上面カバー(カバー)
211 上面(第1面)
212、212A リブ(突起)
24 キーボード
24a 後端部(端部)
24b 前端部(端部)
240 上面(第2面)
241 キー
242 爪部
242a、242aa 第1爪部
242a1 先端
243 底面(第3面)
244 補強部材
245 シート
26 開口部
27、27A 内部空間(空間)
28、28A ガスケット(導電部材)
281、281A 接着面(取り付け面)
【手続補正書】
【提出日】2023-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面と交差する方向に延びた突起と、を有し、前記第1面から開口する開口部と、前記開口部を介して外部と連通する空間と、が設けられるカバーと、
金属で形成された板金と、
前記第1面に沿う方向に延びる第2面と、前記第2面に設けられる複数のキーと、前記第2面に沿う方向における端部から突出する複数の爪部と、前記第2面の反対側に位置する第3面と、前記第3面に取り付けられるとともに少なくとも前記爪部の先端を覆う金属で形成された補強部材と、を有し、前記空間に挿入可能なキーボードと、
前記突起に取り付けられ、前記板金と当接するとともに前記空間に収容される金属で形成された導電部材と、
を備え、
前記導電部材は、前記空間に前記キーボードが挿入された場合、前記補強部材と当接して変形し、前記板金と前記キーボードとを電気的に接続可能であり、
前記突起と前記導電部材との取り付け面は、前記空間に対する前記キーボードの挿入方向と交差する、
電子機器。
【請求項2】
前記キーボードは、前記補強部材を覆うシートをさらに有する、
請求項1に記載の電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の電子機器は、第1面と、前記第1面と交差する方向に延びた突起と、を有し、前記第1面から開口する開口部と、前記開口部を介して外部と連通する空間と、が設けられるカバーと、金属で形成された板金と、前記第1面に沿う方向に延びる第2面と、前記第2面に設けられる複数のキーと、前記第2面に沿う方向における端部から突出する複数の爪部と、前記第2面の反対側に位置する第3面と、前記第3面に取り付けられるとともに少なくとも前記爪部の先端を覆う金属で形成された補強部材と、を有し、前記空間に挿入可能なキーボードと、前記突起に取り付けられ、前記板金と当接するとともに前記空間に収容される金属で形成された導電部材と、を備え、前記導電部材は、前記空間に前記キーボードが挿入された場合、前記爪部と当接して変形し、前記板金と前記キーボードとを電気的に接続可能であり、前記突起と前記導電部材との取り付け面は、前記空間に対する前記キーボードの挿入方向と交差する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】