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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102654
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】電子機器用導光レンズ
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/04 20060101AFI20240724BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240724BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240724BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240724BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240724BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20240724BHJP
【FI】
G09F13/04 D
F21V8/00 320
F21V8/00 310
F21V19/00 450
F21V5/00 550
F21Y115:10
F21Y113:10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006691
(22)【出願日】2023-01-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 園昌
【テーマコード(参考)】
3K013
3K244
5C096
【Fターム(参考)】
3K013BA01
3K013EA03
3K244AA09
3K244BA31
3K244BA35
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244EA01
3K244EA16
3K244KA03
3K244KA06
3K244KA07
3K244KA18
5C096AA24
5C096BA01
5C096CB02
5C096CC06
5C096CD12
5C096CD14
5C096CD22
5C096FA12
5C096FA17
(57)【要約】
【課題】組立時や修理時の作業性が改善可能で、標準化が容易な電子機器用導光レンズを提供する。
【解決手段】電子機器用導光レンズは、第1光源が実装された基板の一方の面である第1基板面に当接可能で第1光源の光を導光可能な第1領域部と、第1基板面の逆側に面である第2基板面に当接可能な第2領域部と、基板を厚み方向に跨ぎ、第1領域部の第1端部と第2領域部の第2端部とに接続されるととともに第1領域部と第2領域部で基板を挟み込み、第1領域部と第2領域部の接続側と逆側の面に光導出部を備える第3領域部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源が実装された基板の一方の面である第1基板面に当接可能で前記第1光源の光を導光可能な第1領域部と、
前記第1基板面の逆側に面である第2基板面に当接可能な第2領域部と、
前記基板を厚み方向に跨ぎ、前記第1領域部の第1端部と前記第2領域部の第2端部とに接続されるととともに前記第1領域部と前記第2領域部で前記基板を挟み込み、前記第1領域部と前記第2領域部の接続側と逆側の面に光導出部を備える第3領域部と、
を備える、電子機器用導光レンズ。
【請求項2】
前記第1領域部の前記第1基板面と当接する第1当接面と前記第2領域部の前記第2基板面と当接する第2当接面とのうち一方に前記基板に形成された固定穴に挿入可能な突起部が形成されている、請求項1に記載の電子機器用導光レンズ。
【請求項3】
前記第3領域部は、前記突起部が前記固定穴に挿入されたときに前記基板の端部に形成された第1係合部と係合する第2係合部を備える、請求項2に記載の電子機器用導光レンズ。
【請求項4】
前記光導出部は、前記第3領域部から突出し、前記基板が収容されるケース本体に設けられたレンズ開口部に挿入される、請求項1に記載の電子機器用導光レンズ。
【請求項5】
前記第2領域部は、前記第2基板面に実装された第2光源の光を前記光導出部に導光し、前記光導出部は、前記第1領域部で導光された前記第1光源の光、または前記第2領域部で導光された前記第2光源の光、または前記第1光源の光と前記第2光源の光の混合光を射出可能である請求項1に記載の電子機器用導光レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器用導光レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を含む電子機器等において、電源の状態や搭載ユニットの動作状態等を利用者に通知するためのインジケータを備えるものがある。インジケータは、情報処理装置や電子機器等を構成する筐体の内部に配置された光源である発光素子等の光を導光レンズで筐体表面まで導き、点灯、点滅、消灯等により、現在の状態を利用者に認識させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-339071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなインジケータを構成する導光レンズは、筐体における設置位置や筐体形状に応じて大きさや形状が様々であるため、筐体や筐体内に設置された板金にテープ等を用いた接着や爪構造等による嵌め合せ等により固定される場合が多い。特に、ノートタイプのパーソナルコンピュータや携帯端末等では、筐体の薄型化、小型化が進められており、導光レンズの組付け(組立)作業性が低下する傾向にあるという問題があった。また、導光レンズを筐体に固定する場合、筐体形状との間で形状調整が必要になる場合があり、導光レンズの設計自由度の低下や標準化(多機種間での共通部品化)が困難になる場合があるという問題があった。
【0005】
従って、本発明が解決する課題の一例は、組立時や修理時の作業性が改善可能で、標準化が容易な電子機器用導光レンズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様に係る電子機器用導光レンズは、第1光源が実装された基板の一方の面である第1基板面に当接可能で前記第1光源の光を導光可能な第1領域部と、前記第1基板面の逆側に面である第2基板面に当接可能な第2領域部と、前記基板を厚み方向に跨ぎ、前記第1領域部の第1端部と前記第2領域部の第2端部とに接続されるととともに前記第1領域部と前記第2領域部で前記基板を挟み込み、前記第1領域部と前記第2領域部の接続側と逆側の面に光導出部を備える第3領域部と、を備える。
【0007】
また、例えば、前記第1領域部の前記第1基板面と当接する第1当接面と前記第2領域部の前記第2基板面と当接する第2当接面とのうち一方に前記基板に形成された固定穴に挿入可能な突起部が形成されていてもよい。
【0008】
また、前記第3領域部は、例えば、前記突起部が前記固定穴に挿入されたときに前記基板の端部に形成された第1係合部と係合する第2係合部を備えてもよい。
【0009】
また、前記光導出部は、例えば、前記第3領域部から突出し、前記基板が収容されるケース本体に設けられたレンズ開口部に挿入されように構成されてもよい。
【0010】
前記第2領域部は、例えば、前記第2基板面に実装された第2光源の光を前記光導出部に導光し、前記光導出部は、前記第1領域部で導光された前記第1光源の光、または前記第2領域部で導光された前記第2光源の光、または前記第1光源の光と前記第2光源の光の混合光を射出可能であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、電子機器用導光レンズは、基板を挟持する姿勢で基板端部に装着されて、基板と一体的に扱うことが可能になる。その結果、組立時や修理時の作業性を改善できる。また、電子機器用導光レンズを基板と一体的に扱うことができるので、電子機器用導光レンズを収容する筐体の形状等に影響されることなく、標準化を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを適用した情報処理装置を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを基板に装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図3図3は、図2に示す電子機器用導光レンズを装着した基板を逆面側から見た場合の例示的かつ模式的な斜視図である。
図4図4は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズの形状を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図5図5は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを基板に装着した状態を示す例示的かつ模式的な断面図である。
図6図6は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを基板に装着する様子示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図7図7は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを基板に装着した状態で、基板面に沿って電子機器用導光レンズの断面をとった場合を示す例示的かつ模式的な図である。
図8図8は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを装着した基板を情報機器装置の筐体(ケース本体)に組付けた状態を筐体の内側から見た場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図9図9は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを装着した基板を情報機器装置の筐体に組付けた状態を筐体の外側から見た場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図10図10は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを2連で基板に装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図11図11は、図10に示す電子機器用導光レンズを装着した基板を逆面側から見た場合の例示的かつ模式的な斜視図である。
図12図12は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズを基板に表裏逆転姿勢で装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
図13図13は、図12に示す電子機器用導光レンズを装着した基板を逆面側から見た場合の例示的かつ模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうち、少なくとも一つを得ることが可能である。
【0014】
図1は、実施形態にかかる電子機器用導光レンズ(以下、導光レンズという)を適用した情報処理装置Mを示す例示的かつ模式的な斜視図である。情報処理装置Mは、例えば、ノートブック型パーソナルコンピュータ)である。情報処理装置Mの側面M1には、メモリーカードのスロットS、イヤホーンマイクの端子H、外部機器の接続端子C1,C2,C3,C4、本実施形態の導光レンズにより導かれた光によって発光するインジケータL等が配置されている。なお、この配置構成は、一例であり、配置される部材(スロットや端子、インジケータ等)の種類や数、配置は、情報処理装置Mの機種やグレードによって適宜変更可能である。
【0015】
図2図9を用いて、実施形態にかかる導光レンズ10の構造や組付け姿勢等を詳細に説明する。図2は、実施形態にかかる導光レンズ10を基板12に装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。また、図3は、図2に示す導光レンズ10を装着した基板12を逆面側から見た場合の例示的かつ模式的な斜視図である。図4は、導光レンズ10の形状を示す例示的かつ模式的な斜視図である。図5は、導光レンズ10を基板に装着した状態を示す例示的かつ模式的な断面図である。図6は、導光レンズ10を基板12に装着する様子示す例示的かつ模式的な斜視図である。図7は、導光レンズ10を基板12に装着した状態で、基板面に沿って導光レンズ10の断面をとった場合を示す例示的かつ模式的な図である。図8は、導光レンズ10を装着した基板12を情報処理装置Mの筐体(ケース本体Ma)に組付けた状態を筐体の内側から見た場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。図9は、導光レンズ10を装着した基板12を情報処理装置Mの筐体に組付けた状態を筐体の外側から見た場合を示す例示的かつ模式的な斜視図である。
【0016】
導光レンズ10は、例えば、情報処理装置Mの筐体内部に配置された基板12に実装された光源(例えば、LED(Light-Emitting Diode)14等)の光を所定の位置(例えば、筐体表面のインジケータL等)に導くための光学部品である。インジケータLは、導光レンズ10によって導かれた光による表示により、情報処理装置Mの例えば電源のON/OFFの状態の表示、電源が内蔵バッテリーの場合、電源のON/OFF状態に加え、充電残量等の表示を行うことができる。また、インジケータLは、導光レンズによって導かれた光による表示により、情報処理装置Mの動作状態を示すこともできる。例えば、情報処理装置Mの動作が正常動作状態、異常状態、異常状態の場合は異常の種類等の表示を行うことができる。
【0017】
図2に示されるように、基板12の一方側の面である第1基板面12aに、例えば第1光源としてLED14aが実装されている。そして、本実施形態の導光レンズ10は、第1基板面12aに当接可能でLED14aの光を導光可能な第1領域部16を備える。
【0018】
また、図3に示されるように、導光レンズ10は、基板12の第1基板面12aの逆側に面である第2基板面12bに当接可能な第2領域部18を備える。なお、図3の場合、第2基板面12bには、例えば第2光源としてLED14bが実装されている。この場合、第2領域部18は、LED14bの光を導光可能である。
【0019】
さらに、図5に示されるように、第1領域部16と第2領域部18とは、厚みtの基板12を厚み方向に基板端部12cを跨ぎ、第1領域部16の第1端部16s(LED14aと対面する側とは逆側)と第2領域部18の第2端部18s(LED14bと対面する側とは逆側)とに接続される第3領域部20を備える。第3領域部20は、第1領域部16と第2領域部18で基板12を挟み込むことが可能なように接続する。そして、第3領域部20は、第1領域部16と第2領域部18の接続側と逆側の面に光導出部20a(インジケータLの発光部)を備える。
【0020】
導光レンズ10は、例えば、ポリカーボネートやABS等の透明または半透明、乳白色等の合成樹脂で構成可能であり、例えば、一体部品として成形可能な成形品である。
【0021】
図5の断面図に示されるように、導光レンズ10は、一例として断面略J字形状とされている。図5に示される例では、基板12に導光レンズ10を装着する際の挿入方向Xに対して、第1基板面12a側における第1領域部16の長さより、第2基板面12b側における第2領域部18の長さが短く設定されている。この形状は一例であり、第1領域部16に光を供給するLED14aの実装位置と第2領域部18に光を供給するLED14bの実装位置に応じた形状である。したがって、LED14aやLED14bの位置によっては、第1領域部16が第2領域部18より短く設定されたり、同じ長さに設定されたりする場合もある。また、第1領域部16は、図2に示されるように、上面視で略J字形状として形成されているが、この形状は、基板12上の他の部品との干渉を避けるためであり、平面視の形状も適宜変更可能である。例えば、第2領域部18と同様に矩形でもよい。いずれの場合も、第1領域部16はLED14aの光を第3領域部20の光導出部20aに導くように光路が構成され、第2領域部18はLED14bの光を同様に第3領域部20の光導出部20aに導くように光路が構成される。したがって、LED14aとLED14bとを異なる発光色とする場合、単色2種類に加え混合色の3種類の発光色を実現できる。また、点消灯パターン(点滅パターンを含む)や発光量のパターンを変えることにより、導光レンズ10を介して出射される光パターンを変化可能であり、情報処理装置Mの様々状態を利用者に通知することができる。
【0022】
また、図5に示されるように、基板12に実装されるLED14aとLED14bは、基板12の表裏面に分けて実装されている。その結果、例えば、LED14aとLED14bとが異なる発光色である場合でも、発光時に導光レンズ10に入射する前で互いに色混合が生じることを防止することができる。なお、LED14aとLED14bのいずれか一方は、省略されてもよい。この場合、省略されたLED14側の導光レンズ10(第1領域部16または第2領域部18)は、光を非導光としてもよい。この場合、第1領域部16と第2領域部18とは、基板12を挟持する機能を備えればよく、例えば、第1領域部16または第2領域部18の非導光側は、非導光性の材料で構成したり、非導光色で構成したりしてもよい。
【0023】
本実施形態の導光レンズ10は、基板12に装着した際に位置決めとともに基板12からの抜け止めを行うための突起部22を有する。すなわち、導光レンズ10には、図5に示されるように、第1領域部16の第1基板面12aと当接する第1当接面16aと第2領域部18の第2基板面12bと当接する第2当接面18aとのうち一方に基板12に形成された固定穴24に挿入可能な突起部22が形成されている。図4に示されるように、突起部22は、例えば断面が略楕円形状で上端部22aが曲面形状の先細りした形状となっている。また、図5に示されるように、基板12に形成された固定穴24は、突起部22の基部断面形状より僅かに大きな対応する楕円形状となっている。なお、固定穴24は、図5に示されるように、基板12を貫通状態で形成されてもよいし、有底の穴形状で形成されてもよい。固定穴24が貫通穴の場合、基板12に装着済みの導光レンズ10を、第2基板面12b側から治具等により突起部22を押し込むことにより容易に取り外すことができる。また、後述するが、固定穴24が貫通穴の場合、第1領域部16の第1当接面16aを第2基板面12bに接触するように、表裏逆転姿勢で装着可能となる。一方、固定穴24が有底穴の場合、第2基板面12bの固定穴24に対応する位置に配線パターン等を形成可能となり、第2基板面12b側の有効面積を広げることができるとともに、配線パターンの設計性を向上させることができる。また、突起部22の上端部22aを曲面先細り形状とすることで、基板12に導光レンズ10を装着する際に、突起部22を容易に固定穴24に滑り込ませることが可能になり、組付け作業性の向上に寄与することができる。同様に、基板12から導光レンズ10を取り外す場合にも、上端部22aが曲面先細り形状の場合、抜き取り易く、作業性の向上に寄与できる。
【0024】
なお、突起部22の突起高hは、基板12の厚みtより低くすることが望ましい。すなわち、第2基板面12bから突出させないようにすることにより、第2基板面12b側で他の部品等との干渉を回避することができる。また、突起部22の突起高hは、基板12の厚みtの例えば、1/2より高くすることにより、基板12に実装後に振動等による抜けを回避し易くすることができる。
【0025】
また、本実施形態の導光レンズ10の第3領域部20は、図5図7に示されるように、突起部22が固定穴24に挿入されたときに、基板12の基板端部12cに形成された第1係合部26と係合する第2係合部20bを備える。図7に示されるように、第2係合部20bは、第3領域部20において、光導出部20aが形成された基部に形成された、第1位置決め部20b1と第2位置決め部20b2を備える。第1位置決め部20b1は、導光レンズ10の挿入方向Xに対して、基板12の面(第1基板面12aまたは第2基板面12b)に沿う直交方向Yに延びる部分である。また、第2位置決め部20b2は、挿入方向Xに沿って延びる部分である。したがって、第2係合部20bは、図7に示されるように、略T字形状で形成された例えば凸形状の部分である。
【0026】
基板12に形成された第1係合部26は、図6に示されるように、基板12の基板端部12cにおいて、導光レンズ10の装着位置に形成された部分である。第1係合部26は、第2係合部20bの形状に対応する形状で、第1位置決め部20b1の形状に対応する第1嵌合部26a、第2嵌合部26bおよび、第2位置決め部20b2の形状に対応する第3勘合部26cを含む。そして、第1係合部26は、第2係合部20bと遊嵌可能な僅かに大きく形成された例えば凹形状を有している。すなわち、第1係合部26と固定穴24とは、導光レンズ10の突起部22と第2係合部20bとの形成位置関係に対応する位置関係で形成されている。
【0027】
図6は、導光レンズ10を基板に装着する様子示す例示的かつ模式的な斜視図である。上述したように、突起部22と第2係合部20bが形成された導光レンズ10を第1係合部26と固定穴24が形成された基板12に装着する場合、例えば、突起部22を固定穴24に滑り込ませるようにスライドさせる。この場合、第3領域部20と接続された第1領域部16と第2領域部18とが、離反方向(基板12の厚み方向)に撓んで広がる。その結果、突起部22が固定穴24に嵌り込むとともに第2係合部20bが第1係合部26と係合して、導光レンズ10を基板12の所定位置に固定(がたつきの抑制)および位置決めを同時に行うことできるとともに、導光レンズ10と基板12との一体化を行うことができる。また、その結果、図5図6に示されるように、例えば、第1基板面12aに実装されたLED14aに対して、導光レンズ10の第1領域部16の入射部16bが対面し、LED14aからの光を光導出部20aに向けて導光することができる。同様に、第2基板面12bに実装されたLED14bに対して、導光レンズ10の第2領域部18の入射部16bが対面し、LED14bからの光を光導出部20aに向けて導光することができる。
【0028】
なお、第1係合部26および第2係合部20bの形状は、基板12に対する導光レンズ10の位置決め、がたつき抑制ができて、相互に一致する形状であればよく、他の形状でもよい。例えば、第1位置決め部20b1と第2位置決め部20b2のうち、いずれか一方を省略してもよい。この場合、第3領域部20の形状のシンプル化に寄与できる。また、第1位置決め部20b1と第2位置決め部20b2の両方を設ける場合は、位置決め精度(位置決め安定性、ガタつき抑制機能)の向上に寄与できる。なお、本実施形態の場合、第1係合部26を凹形状とし、第2係合部20bを凸形状とする例を示したが、第1係合部26を凸形状とし、第2係合部20bを凹形状としてもよく、同様の効果を得ることができる。
【0029】
上述のように、基板12に装着されて一体化された導光レンズ10は、基板12を情報処理装置Mのケース本体Maに組み付ける場合、ケース本体Maに対する位置決め部材として機能させることができる。すなわち、図8図9に示されるように、導光レンズ10の第3領域部20に突出形成された光導出部20aは、基板12が収容されるケース本体Ma(筐体)に設けられたレンズ開口部28に挿入されることにより、ケース本体Maに対する基板12の組付け位置を決定することができる。
【0030】
レンズ開口部28は、図9に示されるように、情報処理装置Mのケース本体Maの側面M1に形成されるインジケータLの出射口であり、ケース本体Maを貫通して形成されることができる。なお、光導出部20aは、ケース本体Maの厚み方向に挿入されるが、ケース本体Ma(側面M1)から突出しないように突出高さが設計されること、または、導光レンズ10が装着された基板12をケース本体Maに固定する際に、光導出部20aがケース本体Ma(側面M1)から突出しないように基板12の固定位置が設計されることが望ましい。このように、導光レンズ10の光導出部20aがケース本体Ma(側面M1)から突出しないように、レンズ開口部28に挿入することで、導光レンズ10と一体化された基板12をケース本体Maに対して、容易に位置決めすることができて、ケース本体Maに導光レンズ10付きの基板12を組み付ける場合の作業性を向上することができる。また、光導出部20aがケース本体Ma(側面M1)から突出しないようにすることで、情報処理装置Mの利用時等に光導出部20aに負荷がかかる(物体と接触する)ことを防止して、導光レンズ10の破損を回避することができる。なお、レンズ開口部28の表面側開放端にカバーを装着してもよい。この場合、光導出部20aの保護およびケース本体Ma内への塵埃の侵入を防止することができる。
【0031】
このように構成される導光レンズ10によれば、情報処理装置Mのケース本体Maを設計する場合に、レンズ開口部28の形成位置のみを指定しておけばよく、情報処理装置Mのケース本体Ma(筐体形状)と導光レンズ10との間で形状調整が不要になり、導光レンズの設計自由度の向上に寄与できる。また、導光レンズ10の形状が情報処理装置Mのケース本体Maの形状に左右されないため、導光レンズ10の標準化(多機種間でも共通部品化)が可能になり、コスト低減や部品管理性の向上に寄与することができる。また、導光レンズ10は、基板12と一体化した上でケース本体Maに組み付けることができるため、導光レンズを単体でケース本体Maに組み付ける場合に比べて、組立時や修理時の作業性を改善することができる。
【0032】
続いて、図10図13を用いて、本実施形態の導光レンズ10の装着バリエーションについて説明する。上述したように、本実施形態の導光レンズ10は標準化が容易であるため、2連実装、3連実装等を容易に行うことができる。図10は、導光レンズ10を2連で基板12に装着(実装)した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。図11は、図10に示す導光レンズ10を装着した基板12を逆面側(第2基板面12b側)から見た場合の例示的かつ模式的な斜視図である。また、図12は、導光レンズ10を基板12に装着する際に図10の場合とは異なり、表裏逆転姿勢で装着した状態を示す例示的かつ模式的な斜視図である。図13は、図12に示す導光レンズ10を装着した基板12を逆面側(第2基板面12b側)から見た場合の例示的かつ模式的な斜視図である。
【0033】
図10に示されるように、第1導光レンズ10Aおよび第2導光レンズ10Bは、図1図9で示した導光レンズ10と同じもので、第1領域部16A,16Bが基板12の第1基板面12aに当接するように、基板端部12cを跨ぐ姿勢で基板12に装着されている。なお、図10の場合、基板12の第1基板面12aには、第1導光レンズ10Aの第1領域部16Aに光を供給するLED14aが配置されて、LED14aの光を第1光導出部20aAに導くが、第2導光レンズ10Bの第1領域部16B用のLEDは実装されていない。その代わりに、図11に示されるように、基板12の第2基板面12bには、第2導光レンズ10Bの第2領域部18Bに光を供給するLED14bが配置されて、LED14bの光を第2光導出部20aBに導くが、第1導光レンズ10Aの第2領域部18A用のLEDは実装されていない。なお、別の実施形態では、第1導光レンズ10A用のLED14aと第2導光レンズ10B用のLED14bを基板12の同一面(第1基板面12aまたは第2基板面12b)のいずれか一方に集約して配置するようにしてもよい。
【0034】
図10図11に示すように、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bの2連実装を行い、単色発光させる場合、LED14aとLED14bの配置を基板12の表裏に分けて行ったり、いずれか一方に集約したりして行うことができるので、LED14aとLED14bの実装自由度を向上することができる。なお、図1図9で説明したように、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bのそれぞれに対してLED14aとLED14bを実装して、多色発光可能としてもよい。また、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bの2連実装の場合、ケース本体Maに組み付ける場合の基板12の位置決めを2点で行うことができるので、位置決め精度が向上する。
【0035】
続いて、図12図13を用いて、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bの2連実装を行う場合に、基板12の表裏逆転姿勢で装着する例を説明する。図10図11の例と同様に、第1導光レンズ10Aおよび第2導光レンズ10Bは、図1図9で示した導光レンズ10と同じものである。図12に示されるように、第1導光レンズ10Aは、第1領域部16Aが基板12の第1基板面12aに当接するように装着される。一方、第2導光レンズ10Bは、第2領域部18Bが第1基板面12aに当接するように装着される。第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bは、基板端部12cを跨ぐ姿勢で基板12に装着されている。したがって、図13に示されるように、第1導光レンズ10Aの第2領域部18Aは、基板12の第2基板面12b当接するように装着される。また、第2導光レンズ10Bの第1領域部16Aが第2基板面12bに当接するように装着される。図12の場合、第1基板面12aには、第1導光レンズ10Aの第1領域部16Aに光を供給するLED14aが配置されて、LED14aの光を第1光導出部20aAに導くが、第2導光レンズ10Bの第2領域部18B用のLEDは実装されていない。その代わりに、図13に示されるように、基板12の第2基板面12bには、第2導光レンズ10Bの第1領域部16Bに光を供給するLED14bが配置されて、LED14bの光を第2光導出部20aBに導くが、第1導光レンズ10Aの第2領域部18A用のLEDは実装されていない。なお、別の実施形態では、第1導光レンズ10A用のLED14aと第2導光レンズ10B用のLED14bを基板12の同一面(第1基板面12aまたは第2基板面12b)のいずれか一方に集約して配置するようにしてもよい。
【0036】
図12図13に示すように、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bの2連実装を行い、単色発光させる場合、LED14aとLED14bの実装配置を基板12の表裏に分けて行ったり、いずれか一方に集約したりして行うことができるので、LED14aとLED14bの実装自由度を向上することができる。なお、図1図9で説明したように、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bのそれぞれに対してLED14aとLED14bを実装して、多色発光可能としてもよい。また、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bの2連実装の場合、ケース本体Maに組み付ける場合の基板12の位置決めを2点で行うことができるので、位置決め精度が向上する。
【0037】
このように、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bを表裏反転姿勢で装着可能な形状(リバース形状)とすることにより、基板12の第1基板面12aおよび第2基板面12bにおける他の実装部品との干渉が回避し易くなり、基板設計の自由度を向上させることができる。なお、図10図13の例では、導光レンズ10を2連実装とする例を示したが、実装数は適宜変更可能であり、3連以上の多連実装としてもよく、同様の効果を得ることができる。また、図10図13の例では、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bを近接配置する例を示したが、第1導光レンズ10Aと第2導光レンズ10Bを離間させ、例えば、基板12の両端部等に配置するようにしてもよい。この場合、ケース本体Maに組み付ける場合に、第1光導出部20aAおよび第2光導出部20aBによる基板12の位置決め作業性がより向上する。
【0038】
なお、上述した実施形態では、情報処理装置Mの側面M1にインジケータL(レンズ開口部28:光導出部20aの挿入位置)を形成する例を示したが、インジケータLの位置は他の位置でもよい。例えば、情報処理装置Mのキーボード配置面と同一面やディスプレイ配置面と同一面等に形成してもよい。この場合、基板12を挟持するように装着される導光レンズ10の光導出部20aは、基板12の第1基板面12a(または第2基板面12b)から例えば、直立する姿勢で形成するようにすることで発光方向を調整することができる。
【0039】
また、上述した実施形態では、導光レンズ10を情報処理装置M(例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ)に適用した例を示した。他の電子機器に適用してもよく同様の効果を得ることができる。特に、筐体の小型化や薄型化が進められて、導光レンズの組付け作業性が低い電子機器には有効である。
【0040】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
10…導光レンズ(電子機器用導光レンズ)、10A…第1導光レンズ、12…基板、12a…第1基板面、12b…第2基板面、12c…基板端部、14,14a,14b…LED、16…第1領域部、16a…第1当接面、18…第2領域部、18a…第2当接面、20…第3領域部、20a…光導出部、20b…第2係合部、22…突起部、24…固定穴、26…第1係合部、28…レンズ開口部、M…情報処理装置、M1…側面、Ma…ケース本体。
図1
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