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特開2024-102675資産管理システム、方法、プログラム、及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102675
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】資産管理システム、方法、プログラム、及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240724BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006731
(22)【出願日】2023-01-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-11-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.2022年1月24日 三井住友ファイナンス&リース株式会社がリリース概要説明資料にて発表 2.2022年1月24日 SMFLみらいパートナーズ株式会社がリリース概要説明資料にて発表 3.2022年1月27日 https://pr.asset-force.com/news/release/20220127_337.htmlにて発表 4.2022年1月28日 三井住友ファイナンス&リース株式会社がassetforceアップデートにて発表 5.2022年1月28日 SMFLみらいパートナーズ株式会社がassetforceアップデートにて発表 6.2022年5月23日 企業グループ向け説明会にて発表
(71)【出願人】
【識別番号】508169856
【氏名又は名称】三井住友ファイナンス&リース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 雄
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA07
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】資産の管理を容易にすることが可能な資産管理システム、方法、プログラムを提供すること。
【解決手段】本実施形態における資産管理システムは、管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、
前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部とを有する資産管理システム。
【請求項2】
前記処理設定部は、前記第1コードと対応づけた処理内容を登録あるいは変更する、請求項1記載の資産管理システム。
【請求項3】
資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定するワークフロー設定部と、
前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理するワークフロー管理部とをさらに有し、
前記資産管理部は、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する請求項1または請求項2記載の資産管理システム。
【請求項4】
前記ワークフロー管理部は、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する業務の実施が完了したものとして実施状況を更新する、請求項3記載の資産管理システム。
【請求項5】
管理対象とする資産に関する資産データを設定する第1処理と、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2処理と、
前記第2処理により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3処理とを有する方法。
【請求項6】
コンピュータに、
管理対象とする資産に関する資産データを管理する第1機能、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2機能、
前記第2機能により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3機能を実現させるためのプログラム。
【請求項7】
管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、
撮像部により撮影された画像に含まれるコードパターンをもとに、コードを読み取るコード読取部と、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、
前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが前記コード読取部により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部とを有する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、資産管理システム、方法、プログラム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を管理するためのシステムとして、在庫管理をする電子装置(サーバ)と、作業者が操作するユーザ端末を含むシステムが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来のシステムにおいて、電子装置は、物品に関する情報をユーザ端末に伝送する。ユーザ端末は、受信した物品に関する情報を出力する。ユーザ端末は、電子装置から受信した物品に対する作業が実施されると、作業結果が作業者の操作によって入力され、作業結果を電子装置に伝送する。電子装置は、作業結果に基づいて在庫に関する情報をアップデートする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-128741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムでは、物品に対する作業を実施した場合に、作業結果をユーザ端末に対する操作によって入力する必要があった。例えば、ユーザ端末に表示されるメニューなどの画面に対する選択操作や各種データの入力操作をする必要があった。
【0006】
作業現場では、周囲が暗い、または作業者が手袋をしているなどして、ユーザ端末に対する操作が容易ではない状況がある。このため、操作に手間がかかったり、操作を誤ったりするおそれがある。さらに、作業現場では様々な作業があり、作業に応じた操作をユーザ端末に対してする必要があり、例えば作業に慣れていない作業者にとっては、さらに入力操作に手間がかかるおそれがある。
【0007】
このように、従来のシステムでは、物品の管理をするために作業者に求められる操作負担が大きく、より簡単に物品の管理ができることが求められていた。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、資産の管理を容易にすることが可能な資産管理システム、方法、プログラム、及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0010】
すなわち、請求項1の発明は、管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部とを有する資産管理システムである。
【0011】
請求項2の発明は、前記処理設定部は、前記第1コードと対応づけた処理内容を登録あるいは変更する、請求項1記載の資産管理システムである。
【0012】
請求項3の発明は、資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定するワークフロー設定部と、前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理するワークフロー管理部とをさらに有し、前記資産管理部は、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する請求項1または請求項2記載の資産管理システムである。
【0013】
請求項4の発明は、前記ワークフロー管理部は、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する業務の実施が完了したものとして実施状況を更新する、請求項3記載の資産管理システムである。
【0014】
請求項5の発明は、管理対象とする資産に関する資産データを設定する第1処理と、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2処理と、前記第2処理により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3処理とを有する方法である。
【0015】
請求項6の発明は、コンピュータに、管理対象とする資産に関する資産データを管理する第1機能、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2機能、前記第2機能により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3機能を実現させるためのプログラムである。
【0016】
請求項7の発明は、管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、撮像部により撮影された画像に含まれるコードパターンをもとに、コードを読み取るコード読取部と、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが前記コード読取部により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部とを有する装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の資産管理システム、方法、プログラム、及び装置によれば、物品の管理を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の実施形態に係る資産管理方法が適用された資産管理システム10の適用例を説明するための概念図である。
図2図2は、本実施形態における資産管理システムの電子回路構成例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態における資産管理システムのメモリに記憶されているプログラムをCPUが実行することにより実現される機能構成を例示する図である。
図4図4は、本実施形態における記憶装置(あるいはメモリ)に記憶される処理設定データを概念的に例示する図である。
図5図5は、本実施形態における資産管理システムの資産管理サービスを利用するために担当者が使用する電子機器の構成の一例を示す図である。
図6図6は、資産管理システムの資産管理サービスを利用して実施されるリース業務のフローチャートの一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における資産管理データ(ワークフロー、処理設定データ、資産データ)の関連づけについて概念的に示す図である。
図8図8は、本実施形態における電子機器において表示される「処理設定」の画面の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における処理設定の設定画面の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における処理設定の設定画面の一例を示す図である。
図11図11は、電子機器32に表示される処理設定の登録完了を示すダイアログボックスの一例と「処理設定」の画面の一例を示す図である。
図12図12は、設定内容(処理設定データ)と対応づけて登録された処理のコードと資産に付されたタグに資産のコードの一例を示す図である。
図13図13は、電子機器の表示例を示す図である。
図14図14は、電子機器の表示例を示す図である。
図15図15は、電子機器の表示例を示す図である。
図16図16は、一括更新処理によって実行されるデータの変更内容を示す図である。
図17図17は、電子機器の表示例を示す図である。
図18図18は、電子機器の表示例を示す図である。
図19図19は、電子機器の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
(構成例)
図1は、本発明の実施形態に係る資産管理方法が適用された資産管理システム10の適用例を説明するための概念図である。図2は、資産管理システム10の電子回路構成例を示すブロック図である。
【0021】
本実施形態に係る資産管理システム10は、各種の物品(以下、資産と称する)を容易に管理することができる資産管理サービスを提供するための機能を有する。図1に示す資産管理システム10は、例えば顧客から受注した資産を顧客に出荷する業務に携わる、営業担当、事務担当、倉庫担当、運送会社(配送担当)のそれぞれが、電子機器30,32,34,36を通じて、資産管理サービスを利用する例を示している。例えば、各種車両や機械、設備、資材などの資産を顧客に対してリースするリース業務を実施する際に、資産管理システム10が提供する資産管理サービスを利用して、顧客からの受注に応じた資産の出荷までのワークフローの管理及びワークフローにおける各業務(タスク)毎の資産管理をすることができる。
【0022】
図1に示すように、資産管理システム10は、電子機器30,32,34,36と、例えばインターネットのような通信ネットワーク24を介して互いに通信可能に接続されている。なお、この種の通信ネットワークは、イーサネット(登録商標)等のLAN(Local Area Network)、あるいは公衆回線や専用回線を介して複数のLANが接続されるWAN(Wide Area Network)等を含む。LANの場合には、必要に応じてルータを介した多数のサブネットから構成される。また、WANの場合には、公衆回線に接続するためのファイアウォール等を適宜備えているが、図1ではその図示及び詳細説明を省略する。
【0023】
図2は、本実施形態における資産管理システム10の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、資産管理システム10は、例えばサーバ装置によって実現され、バス11によって互いに接続されたCPU12、記録媒体読取部14、通信部15、ディスプレイ16、および入力部17、メモリ20、および記憶装置22を備えている。入力部17は、例えばマウスやキーボードを含むことができる。記憶装置22は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等からなる。
【0024】
図3は、本実施形態における資産管理システム10のメモリ20に記憶されているプログラム200をCPU12が実行することにより実現される機能構成を例示する図である。
【0025】
プログラム200は、資産管理部42(ワークフロー管理部42A、一括更新処理部42B)、資産管理データ記憶部44(ワークフロー記憶部44A、処理設定データ記憶部44B、資産データ記憶部44C)、ワークフロー設定部46、処理設定部48、資産データ設定部50を含む複数の機能を実現するためのサブプログラムを有する。
【0026】
これらサブプログラムは、メモリ20に予め記憶されていてもよいし、あるいはメモリカード等の外部記録媒体13から記録媒体読取部14を介してメモリ20に読み込まれて記憶されたものであってもよい。
【0027】
メモリ20には、ユーザ書き換え不可能なエリアの他に、書き換え可能なデータを記憶するエリアとして、書込可能データエリア210が確保されている。
【0028】
CPU12は、コンピュータであって、メモリ20に記憶されている各サブプログラムに従う機能部により回路各部の動作を制御する。本実施形態における資産管理システム10は、プログラム200の実行によって、資産(車両、機械、設備、資材など)に関する資産データを作業者による簡単な操作によって変更できるようにして、資産の管理を容易にすることができる資産管理サービスを提供する。本実施形態における資産管理システム10の資産管理サービスには、資産に対する作業(処理)を実施した場合に、資産についての資産データを一括で更新する一括更新処理機能を有する。
【0029】
例えば、倉庫担当が電子機器34を通じて資産管理システム10の資産管理サービスを利用して、倉庫に収納される資産に対して作業を実施した場合に、作業内容に応じた資産データの更新を倉庫担当による電子機器34に対する簡単な操作をすることで、一括更新処理機能により資産データを更新することができる。
【0030】
本実施形態では、例えば、資産を取り扱う倉庫担当の操作によって、一括更新処理機能が実行させるための処理のコード(第1コード)と、作業対象とする資産(車両、機械、設備、資材など)に付された資産管理用に付された資産固有の資産のコード(例えば、バーコードなどの1次元コード、QRコード(登録商標)などの2次元コード)(第2コード)を、電子機器34のカメラによって撮影(スキャン)させることで実行できる。
【0031】
一括更新処理機能が実行させるための処理のコード(以下、処理のコードあるいは処理のQRコードと称する)には、資産データを一括する処理内容(ルール)を対応づけて設定しておくことで、処理のコードに応じた一括更新処理を実行させることができる。
【0032】
これにより、従来のシステムのように、資産に対する作業を実施した場合に、作業結果をユーザ端末に対する操作、例えばメニューなどの画面に対する選択操作や各種データの入力操作をする必要がなく、電子機器34のカメラを利用したコードの読み取り操作をするだけで、作業対象とする資産についての資産データを更新できるようにする。
【0033】
なお、処理のコードには、例えば、処理のコードが示すデータの先頭に、一括更新処理のための処理のコードを表す識別コードと、処理のコードに対応する一括更新処理別の処理設定ID(Action ID)が設定される。
【0034】
資産を取り扱う倉庫などの作業現場では、周囲が暗い、または作業者が手袋をしているなどして、電子機器に対する操作が容易ではない状況がある。また、作業現場では様々な作業がある。こうした状況においても、本実施形態の資産管理サービスを利用することで、資産に対する何れの作業を実施した場合でも、コードの読み取りだけで資産データを更新することができ、作業者の操作負担を軽くすることができる。
【0035】
資産管理部42は、管理対象とする資産に関する資産データを管理する。資産データには、例えば、資産別に、資産名(メーカー名、商品名、資産コードなどを含む)、識別コード、保管場所、補完日などのデータを含む。資産管理部42は、ワークフロー設定部46により設定されるワークフローに、処理のコードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、処理のコードに対応する処理内容に応じた処理を一括更新処理部42Bにより実行する。
【0036】
ワークフロー管理部42Aは、ワークフロー設定部46によって設定されるワークフローに基づいて、ワークフローに定義された業務の実施状況を管理する。ワークフロー管理部42Aは、ワークフローに定義された業務を実施する担当者や承認者などの操作によって電子機器を通じて受信される通知に応じて業務の実施完了を判別する他、処理のコードの読み取りによって業務の実施完了を判別する。ワークフロー管理部42Aは、処理のコードの読み取りを実施する業務がワークフローに設定された場合に、その業務において処理のコードの読み取りが実施され、処理のコードに対応するデータが電子機器から受信された場合に、処理のコードに対応する業務の実施が完了したものとして実施状況を更新する。
【0037】
一括更新処理部42Bは、処理設定部48により設定された処理内容に対応する処理のコード(第1コード)と資産管理のために資産に付された資産のコード(第2コード)が電子機器により読み取られた場合に、資産のコードが付された資産に関する資産データについて、処理のコードに対応する処理内容に応じた一括更新を実行する。
【0038】
資産管理データ記憶部44は、ワークフロー記憶部44Aにより記憶されるワークフロー、処理設定データ記憶部44Bにより記憶される処理設定データ、及び資産データ記憶部44Cにより記憶される資産データとが関連づけて記憶される。
【0039】
ワークフロー記憶部44Aは、ワークフロー設定部46によって設定されるワークフローが記憶される。
【0040】
処理設定データ記憶部44Bは、処理設定部48によって設定される、処理のコードと対応づけて、処理のコードが読み取られた場合に実行する処理(一括更新処理)の処理内容を示す処理設定データが記憶される。
【0041】
資産データ記憶部44Cは、資産データ設定部50によって設定される、資産管理サービスを利用した資産管理の対象とする資産に関する資産データが記憶される。
【0042】
ワークフロー設定部46は、資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローを設定する。本実施形態におけるワークフロー設定部46は、例えばワークフローにおいて設定される業務(タスク)に、業務の実施に伴って処理のコードの読み取りを設定することができる。処理のコードの読み取りを実施する業務をワークフローに設定することで、作業現場の担当者による処理のコードと資産のコードの読み取りによって、作業対象とした資産に関する資産データに対する一括更新処理の実行、及びワークフローに設定された業務の実施状況の更新をさせることができる。
【0043】
また、ワークフロー設定部46は、ワークフローの対象とする業務を開始する前に予め設定するだけでなく、ワークフローに従う一連の業務の実施途中でワークフローを変更することができる。資産管理部42は、ワークフロー設定部46によりワークフローが変更された場合に、直ちに変更後のワークフローに従う資産管理処理(ワークフロー管理部42A)を実行する。すなわち、資産管理のためのワークフローに変更が必要な場合に、ワークフロー全体の作成をすることなく、変更が必要となった一部の業務(タスク)の追加や削除、業務の流れ、業務の内容の修正のみで対応できる。よって、ワークフローを利用した業務の管理を停止させることなく、容易に要求される変更に対応して資産の管理をすることができる。
【0044】
ワークフロー設定部46は、例えば事務担当の電子機器32に対する操作に応じてワークフローを作成あるいは変更する。例えば、ワークフロー設定部46は、電子機器32においてワークフロー設定機能(設定ツール)を実行させ、ワークフロー設定画面を表示させる。ワークフロー設定部46は、電子機器32に表示されるワークフロー設定画面を通じて入力される、事務担当による入力操作に応じてワークフローを作成/変更する。
【0045】
ワークフロー設定画面では、例えば図形を組合わせてワークフローを定義する設定ツールを実行可能とする。設定ツールでは、例えば、各現場において実施すべき業務(タスク)を表す四角形と、業務を実行すべき順番に四角形を接続する線を任意に配置させることで、簡単にワークフローを定義することができる。
【0046】
業務(タスク)を表す四角形に対しては、業務に関する各種のデータ、例えば処理対象とする資産に関するデータ、資産に対して実行する作業の内容、作業を実施する担当(部門など)を設定できる他、一括更新処理機能を利用するために、処理のコードの読み取りを実施する業務であることを設定することができる。
【0047】
こうして、ワークフローに従う一連の業務の実施途中でワークフローを変更することで、資産管理部42により変更後のワークフローに従う資産管理処理を実行させることができるので、ワークフロー(業務)の変更が発生した場合でも柔軟に対応して資産の管理をすることができる。
【0048】
なお、ワークフローは、前述したように、四角と線によって定義する形式に限るものではなく、流れを構成する各工程の順序や内容、担当者などを流れ図(フローチャート)で表した形式や、表やリストなどの形式で定義したものであっても良い。
【0049】
処理設定部48は、ワークフローにおいて設定された業務(タスク)の実施に伴って、処理のコードの読み取りがされた場合に、資産データに対して実行すべき処理内容を示す処理設定データを設定する。処理設定部48は、資産データに対して実行する処理内容を処理のコードと対応づけて設定する。
【0050】
また、処理設定部48は、処理のコードと対応づけた処理内容を示す処理設定データを、ワークフローに設定された業務の実施前に予め登録することができる他、ワークフローに従う一連の業務の実施途中で変更することができる。資産管理部42は、処理設定部48により処理設定データが変更された場合に、直ちに変更後の処理設定データに従う資産管理処理(一括更新処理部42B)を実行する。
【0051】
こうして、ワークフローに従う一連の業務の実施途中で処理設定データを変更することで、資産管理部42により変更後の処理設定データに従う一括更新処理を実行させることができるので、資産に対する作業(業務)の変更が発生した場合でも、柔軟に対応して一括更新処理を利用した資産の管理をすることができる。
【0052】
資産データ設定部50は、資産管理システム10(資産管理サービス)による管理対象とする資産に関するデータが設定される。
【0053】
図4は、本実施形態における記憶装置22(あるいはメモリ20)に記憶される処理設定データを概念的に例示する図である。
【0054】
図4に示すように、処理設定データ記憶部44Bによって、処理のコード(処理のQRコード)と対応づけて、処理のコードが読み取られた場合に資産データに対して実行する処理(一括更新処理)の処理内容を示す処理設定データが設定される。
【0055】
処理のコードは、例えば、資産に対する作業に伴って資産データの更新が必要な各種作業毎に設けることができる。複数の処理のコードのそれぞれに対応する処理設定データを設定することにより、資産に対する作業の実施に応じて実行が必要な資産データに対する処理を一括更新することができる。
【0056】
また、資産を扱う倉庫などの現場では、例えば現場で実行される複数の作業のそれぞれに対応する複数の処理のコードを、作業者が所持できるシートに貼り付ける、あるいは印刷しておくことで、電子機器34により必要に応じて読み取ることができる。また、シートに貼り付ける、または印刷するだけでなく、タブレット装置などの電子機器において処理のコードを表示させるようにしても良い。
【0057】
また、資産に対する作業が実施される場所近くに貼り付けておくなどしても良い。例えば、倉庫内で資産を棚に収納する作業を実施する場合に、資産を棚に収納した作業に応じて資産コードに対して実行する処理内容が設定された処理のコードを貼り付けておく。これにより、資産を棚に収納する作業時に、容易に電子機器34によって処理のコードを読み取らせることができる。
【0058】
図5は、本実施形態における資産管理システム10の資産管理サービスを利用するために担当者が使用する電子機器の構成の一例を示す図である。電子機器は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどが使用される。図5は、倉庫などの資産を取り扱う現場において使用される、例えばスマートフォンにより実現される電子機器34の例を示している。
【0059】
図5に示すように、電子機器34は、プロセッサ341、メモリ342、記憶デバイス343、無線デバイス344、タッチパネル345、カメラユニット346を備える。
【0060】
プロセッサ341は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、電子機器34としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。アプリケーションプログラムには、資産管理システム10にアクセスして資産管理サービスを利用することができる、例えばブラウザプログラムや資産管理サービス用の専用アプリケーションプログラムなどを含む。
【0061】
メモリ342は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)であり、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラム、各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータなどを記憶する。
【0062】
記憶デバイス343は、EEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等であり、プロセッサ341により実行されるプログラム、プロセッサ341が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ341での処理によって作成されたデータ等を保存する。
【0063】
無線デバイス344は、通信ネットワーク24を介して、資産管理システム10を含む他の機器との間で通信を行うための機器である。
【0064】
タッチパネル345は、電子機器34の入力デバイスと表示デバイスとを兼ね備えた機器である。タッチパネル345は、種々の画像を表示する。そしてタッチパネル345は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ341へと出力する。なお、営業担当と事務担当が使用する電子機器30,32がパーソナルコンピュータにより実現される場合、入力デバイスとしてマウスやキーボードなど設けられ、表示デバイスとしてディスプレイ(例えばLCD(Liquid Crystal Display))などが設けられる。
【0065】
カメラユニット346は、画像を撮影するもので、例えば資産管理サービスを利用する場合に資産管理用の1次元コードや2次元コードを含む画像を撮影する。
【0066】
電子機器34は、カメラユニット346によって撮影された画像に含まれる、1次元コードや2次元コードのコードパターンをもとに、コードを読み取るコード読取部の機能を有する。
【0067】
なお、図3に示す資産管理システム10において実現されるとした機能の一部を、電子機器において資産管理サービス用の専用アプリケーションプログラムによって実現するものとし、資産管理システム10と電子機器とが協働して資産管理サービスを提供する構成(資産管理システム)としても良い。
【0068】
また、図3に示す資産管理システム10において実現されるとした機能を電子機器において実行することも可能である。この場合、電子機器は、例えば、資産管理システム10から資産管理サービス用の専用アプリケーションプログラムをダウンロードして、専用アプリケーションプログラムに基づく動作により各機能を実現することができる。
【0069】
次に、本実施形態における資産管理システム10の動作について説明する。
【0070】
まず、本実施形態におけるワークフローの設定について説明する。
【0071】
図6は、資産管理システム10の資産管理サービスを利用して実施されるリース業務のフローチャートの一例を示す図である。
【0072】
ワークフロー設定部46は、図6に示すワークフローを、例えば事務担当の電子機器32に対する操作によって設定し、ワークフロー記憶部44Aに記憶させる。電子機器32では、例えば、ワークフロー設定機能(設定ツール)が実行され、ワークフロー設定画面を通じて入力されるワークフローの定義に従ってワークフローを作成する。
【0073】
図6に示す、本実施形態におけるリース業務のワークフローの一例について説明する。
【0074】
「1.顧客から受注~メーカーへの発注」の業務では、例えば営業担当が「顧客から受注」F1Aをすると、「在庫確認」F1Bを実施する。顧客から受注した資産の在庫がない場合には「メーカーへの発注」F1Cを実施する。
【0075】
「2.メーカーからの納品」の業務では、営業担当による「メーカーへの発注」F1Cに応じて、メーカーより運送会社による配送作業により資産(車両、機械、設備、資材など)が倉庫などに「納入」F2Aされると、倉庫担当により「納品受け」F2Bの作業が実施される。倉庫担当の業務では、納品された資産に対して、資産管理サービスを利用して資産管理するための新規のコード(例えば、QRコード)を発行し、新規のコードに対応する資産に関するデータを、例えば、会社毎に使用されている既存のコード(例えば、1次元コード、2次元コード)から取得し、新規のコードに対応するデータとして登録することができる。会社毎の既存のコードは、例えば、会社内の担当間でやり取りされる納品書等に印刷されたコードパターンを、電子機器34のカメラによって撮影(スキャン)させることで読み取り、新規のコードに対応するデータとして登録することができる。また、電子機器34に対する操作によって新規のコードに対応するデータを手入力しても良い。
【0076】
「納品受け」F2Bの作業では、例えば資産を指定された棚に収納する作業が実施される。この作業が実施された場合には、作業対象とされた資産の資産データに対して、保管場所のデータなどについて更新が必要となる。本実施形態では、こうした作業に応じて処理のコードを用意しておくことで、この処理のコードと処理(棚に収納)される資産に付された資産のコードの読み取りをすることで、一括更新処理によって資産についての資産データの更新を実行させることができる。
【0077】
倉庫担当により「納品受け」F2Bが実施されることで、事務担当が「納品確認」F2Cをすることができる。
【0078】
「3.受注確認~出荷」の業務では、事務担当により納品確認された資産の「出荷指示」F3Aが倉庫担当に対して実施される。倉庫担当は、「出荷指示」F3Aに応じて、倉庫に納入されている出荷対象とする資産について「ピッキング」F3Bする。倉庫担当による「ピッキング」F3Bでは、資産に付されたコードを電子機器34のカメラに撮影させることで、「ピッキング」F3Bの実施(ワークフローにおけるタスクの完了)が資産管理システム10に通知される。倉庫担当による「ピッキング」F3Bがされた資産は、運送会社による配送作業により顧客に対して「出荷」F3Cされる。
【0079】
図7は、本実施形態における資産管理データ(ワークフロー、処理設定データ、資産データ)の関連づけについて概念的に示す図である。
【0080】
図7は、図6に示すワークフローの「納品受け」F2Bの業務(タスク)の例を示すもので、例えば資産を指定された棚に収納する作業が実施される。「納品受け」F2Bの業務には、「納品受け」F2Bの業務の対象とする資産「資産A」の資産情報(資産データ)と、「納品受け」F2Bの業務の実施に伴って処理のコードが読み取られた場合に実行させる処理内容(処理設定データ)が対応づけられる。
【0081】
図7に示す例では、ワークフローで設定された資産「資産A」を棚に収納する作業が実施されるのに伴って、図7に示す処理設定データに対応する処理のデータと「資産A」に対応する資産のコードが読み取られた場合に、「資産A」の資産データを、「保管場所変更」の処理を「A-1」(倉庫Aの棚1への変更)に対して実行したことを表すように一括更新処理することを示している。
【0082】
次に、本実施形態における処理設定データの設定について説明する。
【0083】
事務担当の操作により電子機器32は、資産管理システム10にアクセスすると、資産管理サービスを利用するための画面が表示される。この画面には、資産管理サービスが提供する各種の機能を選択することができるメニューが設けられている。メニュー中で処理設定データを設定することができる「処理設定」を選択することで、電子機器32の操作により「処理設定」に関する設定をすることができる。
【0084】
図8は、本実施形態における電子機器32において表示される「処理設定」の画面の一例を示す図である。図8に示すように、メニューから「処理設定」71が選択されることで、「処理設定」の設定済みの処理内容の一覧が表示される。
【0085】
「処理設定」の画面では、処理内容の一覧72が表示される他、処理内容データを追加登録するための「新規登録」ボタン74、処理内容データに対応する処理のコード(処理のQRコード)を印刷するための「QRコード印刷」ボタン76が設けられている。
【0086】
処理内容の一覧72では、以下の設定操作によって設定される、例えば「処理設定ID」「QRコード」「処理名称」「処理グループ」「対象資産種類」「作成日」「作成者」「更新日」「更新者」などについての設定内容が表示される。
【0087】
「新規登録」ボタン74が選択されると、電子機器32は、資産管理システム10(処理設定部48)により処理内容データの処理内容を設定するための設定画面が表示される。
【0088】
図9及び図10は、本実施形態における処理設定の設定画面の一例を示す図である。処理設定の設定画面には、例えば、設定内容を入力するための「対象となる資産種類の選択と処理名称の入力」エリア81、「対象となる資産情報の抽出条件」エリア83、「処理完了後のデータ(値)の設定」エリア85、「履歴情報」エリア87の他、「登録」ボタン88、「リセット」ボタン、「キャンセル」ボタンが設けられている。
【0089】
「対象となる資産種類の選択と処理名称の入力」エリア81では、例えば、「対象資産種類」「処理名称」「処理グループ」の項目が設けられ、それぞれについて複数の選択肢から何れかを選択あるいは入力することで設定することができる。図9に示す例では、「対象資産種類」について「固定資産」、「処理名称」については「保管場所変更」、「処理グループ」について「現場作業」が設定されている。また、「処理グループ」について設定するため、「実行可能グループ」及び「実行可能ユーザー」を指定することもできる。
【0090】
「対象となる資産情報の抽出条件」エリア83では、例えば、対象となる資産情報を抽出する条件として、AND条件またはOR条件の選択、資産に関する資産情報のうち抽出条件とする項目、抽出対象とする範囲などを設定することができる。図9に示す例では、資産情報の「入荷日」が選択され、「次の範囲内」とその範囲を示す年月日「2022/10/01」~「2022/10/18」が設定されている。
【0091】
「対象となる資産情報の抽出条件」エリア83では、「条件を追加」ボタンの選択により、別の抽出条件を前述と同様に設定して追加することができる。
【0092】
「処理完了後のデータ(値)の設定」エリア85では、一括更新処理の処理対象とする資産データを示す「項目名」、一括更新処理の「処理後の値」が設定される。図10に示す例では、資産データの「格納先マスター」を変更対象とするため「項目名」に「格納先マスター」が設定され、「対象となる資産種類の選択と処理名称の入力」エリア81において「処理名称」が「保管場所変更」になっており、「保管場所変更」の「処理後の値」として資産の保管場所を示す「場所ID:A-1」が設定されている。
【0093】
「履歴情報」エリア87では、資産データの項目を指定して(図10では「格納先マスター」)、資産に追加したい履歴情報を追加できる。
【0094】
前述のようにして各項目に対して処理設定の内容が入力された後、事務担当の操作によって「登録」ボタン88が選択された場合、電子機器32は、設定内容を示すデータを資産管理システム10に送信する。
【0095】
資産管理システム10の処理設定部48は、電子機器32から設定内容を示すデータを受信すると、新規登録用の処理設定IDを設定し、この処理設定IDと電子機器32から受信したデータが示す設定内容を対応づけて、新規の処理設定データとして処理設定データ記憶部44Bに記憶させる。また、処理設定部48は、新規の処理設定データに対する処理のコードを生成し、新規の処理設定データと対応づけてデータ記憶部44Bに記憶させる。例えば、処理設定部48は、処理のコードと判別できるようにするために、処理のコードが示すデータの先頭に、処理のコードを表す識別コードと新規登録用に設定した処理設定IDを含む、処理のコードを生成する。
【0096】
こうして、処理のコードと処理のコードが読み取られた場合に実行される一括更新処理の処理設定が登録される。
【0097】
電子機器32は、資産管理システム10において処理設定が登録されると、処理設定の登録完了を示す情報が表示される。図11(a)は、電子機器32に表示される処理設定の登録完了を示すダイアログボックスの一例を示している。
【0098】
図11(a)に示すダイアログボックスの「閉じる」ボタンを選択する操作がされると、電子機器32は、処理内容の一覧72に新規登録された処理内容が追加された「処理設定」の画面を表示させる。
【0099】
図11(b)に示す処理内容の一覧72には、前述したように、処理設定の設定画面を通じて入力された設定内容が表示される。例えば、「処理名称」には「保管場所変更(A-1)」、「処理グループ」には「現場作業」、「対象資産種類」には「固定資産」がそれぞれ設定されたことを示している。
【0100】
また、「QRコード」には、コードアイコン75が表示される。電子機器32は、コードアイコン75を選択する操作がされた場合に、設定内容(処理設定データ)と対応づけて、処理設定データ記憶部44Bに登録された処理のコードを表示させる。
【0101】
図12(a)は、設定内容(処理設定データ)と対応づけて登録された処理のコードの一例を示す図である。
【0102】
また、電子機器32は、「QRコード印刷」ボタン76を選択する操作より処理のコードの印刷実行が指示されると、図示しないプリンタ装置によって、例えば作業者が所持できるシート、あるいはシール台紙に対して処理のコードパターンを印刷させる。ここで印刷された処理のコードは、資産に対する作業が実施される場所近くに貼り付けて使用することができる。
【0103】
一方、資産には、図12(b)に示すように、資産に付されたタグに資産のコード(資産のQRコード)が貼り付けられる、あるいは資産に対して、直接、資産のコードが貼り付けられる。
【0104】
なお、前述した「処理設定」についての説明は一例であって、ワークフローにおいて設定される各業務(タスク)に応じて実行して、それぞれに対応する処理のコードを発行して、一括更新処理を実行させることができる。また、ワークフローに設定される業務に対して、1つの処理のコード(処理内容データ)を設定するだけでなく、業務に含まれる複数の異なる作業に対して処理のコード(処理内容データ)を設定することも可能である。
【0105】
次に、本実施形態における一括更新処理を実行するための動作について説明する。
【0106】
ここでは、ワークフローに設定された倉庫担当による「納品受け」F2Bの業務として、資産を指定された棚に収納する作業を実施する例について説明する。資産を棚に収納する作業の実施に伴って一括更新処理により資産データを更新させる場合には、倉庫担当は、実施する作業に対応する処理内容データが設定された処理のコードと、処理対象とする資産に付された資産のコードを電子機器34により読み取らせることで実施させることができる。
【0107】
まず、倉庫担当は、電子機器34において、例えば資産管理サービス用の専用アプリケーションプログラムを起動させる。電子機器34は、資産管理サービス用の専用アプリケーションプログラムが起動されると、資産管理システム10にアクセスして資産管理サービスを利用するための画面を表示させる。
【0108】
図13(a)には、倉庫担当に対する画面の一例を示している。資産管理サービスを利用するための画面の下部には、例えば「ホーム」「資産」「スキャン」「WF」(ワークフロー)「更新処理」などのボタンを含むメニューが表示される。
【0109】
ここで、「スキャン」ボタン101が操作されると、電子機器34は、カメラユニット346を起動して、QRコードを含む画像を撮影可能な状態となる。電子機器34は、カメラユニット346によって撮影される画像をタッチパネル345に表示させる。倉庫担当は、処理のコード(処理のQRコード)がカメラユニット346によって撮影されるように、カメラユニット346の撮影方向を調整する。
【0110】
電子機器34は、カメラユニット346によって撮影された画像から処理のコードが検出されると、処理のコードが表すデータを取得して資産管理システム10に送信する。処理のコードには、処理のコードを表す識別コードと一括更新処理別の処理設定IDが付されている。このため、この処理のコードを表す識別コードと処理設定IDをもとに処理のコードが読み取られたことを判別することができる。
【0111】
資産管理システム10の資産管理部42は、電子機器32から受信したデータが、処理設定データ記憶部44Bにより処理のコードとして登録されているか判別する。資産管理部42は、該当する処理のコードが登録されている場合、この処理のコードに対応づけて登録された処理内容データを電子機器32に送信する。
【0112】
電子機器32は、資産管理システム10から受信された処理内容データ、すなわち処理のコードに対応する処理内容を、カメラユニット346によって表示されたQRコードを撮影した画像に付加して表示させる。
【0113】
図13(b)には、処理のコード103に対応する処理内容105が表示された画面の一例を示している。図13(b)に示す例では、例えば処理内容データに含まれる「処理名称」の「保管場所変更」と「資産種類」の「固定資産」の情報が表示された例を示している。
【0114】
倉庫担当は、電子機器34に表示された処理内容が、これから実行する作業に対応することを確認すると「OK」ボタンを選択する。
【0115】
電子機器34は、「OK」ボタンの選択に応じて、次に資産のコードを読み取るための状態に移行する。倉庫担当は、資産のコード(資産のQRコード)がカメラユニット346によって撮影されるように、カメラユニット346の撮影方向を調整する。
【0116】
電子機器34は、カメラユニット346によって撮影された画像から資産のコードを検出し、資産のコードが表すデータを取得して資産管理システム10に送信する。なお、資産のコードは、処理のコードに付されている一括更新処理別の処理設定IDが含まれていないことにより判別することができる。
【0117】
資産管理システム10の資産管理部42は、電子機器32から受信したデータが、資産データ記憶部44Cにより登録されている資産に対応するか判別する。資産管理部42は、該当するデータに対応する資産が登録されている場合、この資産のデータを電子機器32に送信する。
【0118】
電子機器32は、資産管理システム10から受信された資産のデータ、すなわち資産のコードに対応する資産に関する資産情報を、カメラユニット346によって表示されたQRコードを撮影した画像に付加して表示させる。
【0119】
図13(c)には、資産のコード111に対応する資産情報113が表示された画面の一例を示している。図13(c)に示す例では、例えば資産に関する資産名「資産A」と識別コード「2000001184295」の情報が表示された例を示している。
【0120】
電子機器34は、図13(c)に示す画面において、画面下部に設けられた「スキャンリスト」ボタン107が選択されると、資産のコードに対するデータの読み取り結果を示すスキャンリスト画面を表示させる。
【0121】
図14(a)は、スキャンリスト画面の一例を示す図である。スキャンリストは、資産のコードの読み取りにより取得される、資産種類と件数を表示する資産種類情報エリア115と、資産に関する資産情報を表示する資産情報エリア116が設けられている。図14(a)に示す例では、資産種類情報エリア115には「固定資産:1件」が表示され、資産情報エリア116には「資産名:資産A」「登録日:2022/09/18」が表示された例を示している。
【0122】
なお、前述した説明では、1つの資産のコードを含む画像を撮影した例を示しているが、複数の資産のコードを同時に撮影しても良いし、資産のコードを連続して複数撮影しても良い。すなわち、複数の資産が一括して納入された場合に、それぞれの資産に付された資産のコードの読み取りを一括して実施することができる。これにより、倉庫担当による作業を効率化して、「納品受け」F2Bの作業を容易にすることができる。
【0123】
複数の資産のコードの読み取りが一括して実行されている場合には、それぞれの資産のコードに対応する資産情報を表示する資産情報エリア116が設けられる。
【0124】
なお、前述した説明では、電子機器34のカメラユニット346によって撮影されたQRコードのデータを資産管理システム10に送信して、処理内容データあるいは資産のデータを受信するとしているが、資産管理システム10の処理設定データ記憶部44B及び資産データ記憶部44Cに記憶されたデータを電子機器32が有していれば、資産管理システム10へのデータを不要とすることができる。
【0125】
図14(a)に示すスキャンリスト画面において、画面下部に設けられた「次へ」ボタン117を選択する操作がされると、電子機器34は、処理のコードを先に読み取っているため、一括更新処理の処理内容を表示する画面を表示させる。
【0126】
図14(b)は、一括更新処理の処理内容を表示する画面の一例を示す図ある。図14(b)では、例えば、固定資産情報エリア121、基本情報エリア122、変更項目エリア123が設けられている。電子機器34は、資産管理システム10から受信した処理内容データをもとにそれぞれのエリアに情報を表示させる。
【0127】
図14(b)では、固定資産情報エリア121には、一括更新処理の対象とする固定資産の件数として「固定資産:1件」が表示され、その詳細として「資産数:1件」「資産種類:固定資産」が表示されている。基本情報エリア122には、「処理内容:保管場所変更」が表示されている。変更項目エリア123には、「場所ID:A-1」に対応する「保管場所:倉庫A、棚(1)」「保管日:今日」が表示されている。なお、「さらに表示」ボタンが選択された場合に、変更項目に含まれるその他の情報を表示させることもできる。
【0128】
ここで、「一時保存」ボタン118を選択する操作がされると、電子機器34は、処理のコードと資産のコードを読み取ることで設定された設定内容を保存し、一括更新処理を一時停止させる。また、「次へ」ボタン117を選択する操作がされると、電子機器34は、実行内容の確認画面を表示させる。
【0129】
図15(a)は、実行内容の確認画面の一例を示す図ある。図15(a)では、例えば、実行内容エリア124、対象資産一覧エリア125が設けられている。
【0130】
図15(a)では、実行内容エリア124には、一括更新処理の実行内容とする「処理名」「資産数」「資産種類」「保管場所」「保管日」のそれぞれに対応する情報が表示されている。対象資産一覧エリア125には、一括更新処理の対象とする資産の「資産名」「識別コード」と共に、一括更新処理によって変更されるデータの内容として「保管場所」については「倉庫Z、棚(9)→倉庫A、棚(1)」、「保管日」について「2022/01/01→今日」が表示されている。
【0131】
倉庫担当により表示内容が確認され、「実行」ボタン126が選択されると、電子機器32は、実行確認画面を表示させる。
【0132】
図15(b)は、実行確認画面の一例を示している。実行確認画面には、処理確認のためのダイアログボックス127が表示され、「処理を実行しますか?」のメッセージと共に、「キャンセル」ボタンと「OK」ボタンが表示される。
【0133】
ここで、「OK」ボタンを選択する操作がされると、電子機器32は、資産管理システム10に対して、実行内容が確認された、一括更新処理の実行要求を資産管理システム10に送信する。
【0134】
資産管理部42の一括更新処理部42Bは、処理内容データにおいて設定された処理内容、すなわち対象資産一覧エリア125において確認された資産の資産データに対するデータの変更を実行する。
【0135】
図16は、一括更新処理によって実行されるデータの変更内容を示す図である。
【0136】
図16に示すように、資産名「資産A」、識別コード「2000001184295」に対応するデータに対して、元の「資産A」が保管されていた場所を示す「倉庫Z、棚9」のデータを「倉庫A、棚1」に変更し、また「資産A」が「倉庫Z、棚9」に収納された時の保管日を示す「2022/01/01」のデータを、「倉庫A、棚1」に移動させた保管日を示す「2022/09/18」(今日の日付)に変更する。なお、その他の変更が必要な各データに対して、同様にして一括して変更する。
【0137】
なお、前述した「納品受け」F2Bにおいて実行される一括更新処理は、一例であって、ワークフローにおいて設定される各業務において、業務に応じた処理内容データを設定して処理のコードを生成することで、一括更新処理を実行させることができる。
【0138】
一方、資産管理部42のワークフロー管理部42Aは、電子機器32から一括更新処理の実行要求が受信されると、「納品受け」F2Bの一括更新処理の対象とされた業務の実施が完了したものとしてワークフローの実施状況を更新する。
【0139】
ワークフロー管理部42Aは、ワークフローに定義された業務を実施する担当者や承認者などの操作によって電子機器を通じて受信される通知に応じて業務の実施完了を判別してワークフローの実施状況を更新するが、本実施形態では処理のコードの読み取り(一括更新処理)に応じてワークフローを管理することができる。これにより、ワークフローが定義された一連の業務の実施管理のための操作を簡単にすることができ、ワークフローに基づく資産の管理を容易にすることができる。
【0140】
このようにして、本実施形態における資産管理システム10の資産管理サービスを利用して、資産の管理をする場合に、資産に対する作業を実施した場合に、一括更新処理が登録された処理のコードと作業対象とする資産のコードを読み取ることで、資産のコードに対応する資産についてのデータを一括更新処理することができる。従って、作業現場において、周囲が暗い、または作業者が手袋をしているなどして、現場担当が使用する電子機器に対する操作が容易ではない状況があったとしても、データ入力が不要のためデータ更新を容易に実施することができる。また、複数の異なる作業がある場合であっても、それぞれに対応する処理内容データと処理のコードを作成することで、それぞれの作業に応じた一括更新処理を同様の操作によって実行させることができる。従って、作業に慣れていない作業者であっても、操作負担が軽くて済む。
【0141】
よって、資産管理システム10が提供する資産管理サービスを利用することにより、資産の管理を容易にすることが可能となる。
【0142】
なお、本実施形態における資産管理システム10の資産管理サービスでは、前述した図8図11に示すように、事務担当の操作によって一括更新処理の処理内容を処理内容データとして予め設定するだけでなく、資産を扱う倉庫などの現場において登録することも可能である。
【0143】
倉庫などの現場では、前述したように、現場担当が使用する電子機器に対する操作が容易ではない状況があるため、一括更新処理の処理内容の登録を容易にするため、一括更新処理の処理内容とするデータを既存のコード(1次元コード、2次元コード)から取得できるようにする。
【0144】
まず、前述した図13(a)~(c)を用いて説明したように、処理のコードと資産のコードの読み取りを実行させるものとする。ここで読み取りの対象とする処理のコード(処理設定ID)には、一括更新処理として、既存のコードから必要なデータを取得して、資産のコードに対応する資産の資産データを更新する処理内容が設定されているものとする。
【0145】
以下の例では、既存のコードから資産の保管場所を示すデータを取得して、資産データに保管場所を示すデータを登録する場合について説明する。また、既存のコードとしては、例えば会社の管理ルールに基づいて生成された既存のコードを利用することができる。既存のコードは、例えば会社内の担当間でやり取りされる納品書等に印刷されたり、資産に貼り付けられていたり、あるいは納品書等の電子データ(イメージデータ)に含まれていたりするもの(ディスプレイ画面での表示)を利用することができる。
【0146】
前述したように資産のコードが読み取られると(図13(c)参照)、電子機器34は、資産のコードに対するデータの読み取り結果(例えば、「資産A」)を示すスキャンリスト画面を表示させる(図14(a)参照)。
【0147】
スキャンリスト画面において、画面下部に設けられた「次へ」ボタン117を選択する操作がされると、電子機器34は、先に読み取っている処理のコードに対応する処理内容に応じた、一括更新処理の処理内容を表示する画面を表示させる。
【0148】
図17(a)は、一括更新処理の処理内容を表示する画面の一例を示す図ある。図17(a)では、例えば、資産情報エリア131、基本情報エリア132、変更項目エリア133が設けられている。電子機器34は、資産管理システム10から受信した処理内容データをもとにそれぞれのエリアに情報を表示させる。ここでは、資産データに保管場所を示すデータを登録する処理内容が設定された処理のコードを読み取っているため、基本情報エリア132には「処理内容:保管場所登録」が表示され、変更項目エリア133には、変更対象が資産データの「格納先マスター」であり、保管場所を示す「場所ID」のデータを登録することが表示される。
【0149】
ここで、「次へ」ボタン117を選択する操作がされると、電子機器34は、変更項目の確認画面を表示させる。
【0150】
図17(b)は、変更項目の確認画面の一例を示す図ある。図17(a)では、例えば、変更項目エリア137が設けられている。変更項目エリア137には、図17(a)に示す変更項目エリア135と同様の内容が表示される。
【0151】
また、変更項目の確認画面の右上には、スキャンアイコン139が設けられている。スキャンアイコン139を選択する操作があると、電子機器34は、資産に関するデータを既存のコードを利用して入力するために、カメラユニット346を起動する。電子機器34は、カメラユニット346によって撮影される画像をタッチパネル345に表示させる。
【0152】
図17(c)は、カメラユニット346によって撮影された画像141の表示例を示している。図17(c)に示す例は、例えば納品書に印刷されたQRコード143を用いて資産に関するデータを入力するため、QRコード143を含むように画像141が撮影されている。
【0153】
電子機器34は、カメラユニット346によって撮影されたQRコードパターンを含む画像を資産管理システム10に送信する。資産管理システム10(資産管理部42)は、画像に含まれるQRコードパターンを検出し、QRコードパターンが表すデータを取得する。
【0154】
例えば、資産管理システム10(資産管理部42)には、資産管理サービスを利用する会社のそれぞれに対応する複数の異なる体系(会社)別のコード解析ルールが記憶される。コード解析ルールは、コード(コードパターン)をスキャンすることで読み取られるデータ、例えば、英数字/漢字などを含む文字列から必要な情報を取得して、資産管理システム10に登録することを定義するルールが設定される。例えば、会社毎の管理ルールに基づいて作成されたコードは、コードから読み取られるデータの何れの範囲にどのような情報が設定されているか会社毎に異なる。従って、コード解析ルールでは、例えば、コードから読み取られるデータの何れの範囲が、資産に関する何を示すデータ(例えば、資産名、モデルNo、ロットNoなどの管理データに基づいて設定された各種データ)であるかを解析するためのルールが定義される。従って、例えばA社の資産を取り扱う倉庫などの現場において、A社が使用している既存のコードをA社用のコード解析ルールを用いて読み取ることで、コードが表す資産に関するデータを取得することができる。
【0155】
ここでは、QRコードパターンが表す資産のデータから、資産の保管場所を示すデータをコード解析ルールに基づいて抽出して、変更項目の確認画面に表示させる。
【0156】
図18(a)は、保管場所を示すデータが表示された変更項目の確認画面の一例を示す図ある。図18(a)に示す例では、保管場所の「倉庫A、棚1」を示す「A-1」のデータが既存のコードから読み取られて、保管場所を示す「場所ID」のデータとして登録することが表示される。
【0157】
図18(a)に示す変更項目の確認画面において、「次へ」ボタン117を選択する操作がされると、電子機器34は、既存のコードから取得した、保管場所を示す「場所ID」のデータを含む一括更新処理の処理内容を表示する画面を表示させる。
【0158】
図18(b)は、一括更新処理の処理内容を表示する画面の一例を示す図ある。図18(b)では、図14(b)と同様に、資産情報エリア151、基本情報エリア152、変更項目エリア153が設けられている。電子機器34は、変更項目エリア153の保管場所を示す「場所ID」として、「倉庫A、棚1」を示す「A-1」を表示させる。ここで、「次へ」ボタン117を選択する操作がされると、電子機器34は、実行内容の確認画面を表示させる。
【0159】
図19(a)は、実行内容の確認画面の一例を示す図ある。図19(a)では、例えば、図15(a)と同様にして、実行内容エリア154、対象資産一覧エリア155が設けられている。
【0160】
図19(a)では、実行内容エリア154には、一括更新処理の実行内容とする「処理名」として「保管場所登録」、「格納先マスター」の「場所ID」として「A-1」を登録することが表示されている。また、対象資産一覧エリア155には、一括更新処理の対象とする資産の「資産名」「識別コード」と共に、一括更新処理によって登録されるデータの内容として、「格納先マスター」の「場所ID」について「A-1」が表示されている。
【0161】
倉庫担当により表示内容が確認され、「実行」ボタン126が選択されると、電子機器32は、実行確認画面を表示させる。
【0162】
図19(b)は、実行確認画面の一例を示している。実行確認画面には、処理確認のためのダイアログボックス157が表示され、「処理を実行しますか?」のメッセージと共に、「キャンセル」ボタンと「OK」ボタンが表示される。
【0163】
ここで、「OK」ボタンを選択する操作がされると、電子機器32は、資産管理システム10に対して、実行内容が確認された、一括更新処理の実行要求を資産管理システム10に送信する。
【0164】
資産管理部42の一括更新処理部42Bは、処理内容データにおいて設定された処理内容、すなわち対象資産一覧エリア155において確認された資産の資産データの「格納先マスター」の「場所ID」に対するデータ(「A-1」)の登録を実行する。
【0165】
このようにして、本実施形態における資産管理システム10の資産管理サービスを利用することで、現場担当が使用する電子機器に対する操作が容易ではない状況であっても、一括更新処理が登録された処理のコードと作業対象とする資産のコード、さらに登録対象とするデータを含む既存のコードを読み取ることで、資産のコードに対応する資産についてのデータを一括更新処理することができる。従って、データ入力が不要のためデータ登録を容易に実施することができる。
【0166】
なお、本発明は実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0167】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO、Blu-ray(登録商標)等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0168】
10…資産管理システム、11…バス、12…CPU、13…外部記録媒体、14…記録媒体読取部、15…通信部、16…ディスプレイ、17…入力部、20…メモリ、200…プログラム、210…書込可能データエリア、22…記憶装置、30,32,34,36…電子機器。

図1
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図3
図4
図5
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図15
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図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2023-07-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、
前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部と
前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定するワークフロー設定部と、
前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理するワークフロー管理部とを有し、
前記資産管理部は、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する資産管理システム。
【請求項2】
前記処理設定部は、前記第1コードと対応づけた処理内容を登録あるいは変更する、請求項1記載の資産管理システム。
【請求項3】
前記ワークフロー管理部は、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する業務の実施が完了したものとして実施状況を更新する、請求項記載の資産管理システム。
【請求項4】
管理対象とする資産に関する資産データを設定する第1処理と、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2処理と、
前記第2処理により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3処理と
前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定する第4処理と、
前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理する第5処理と、
前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第6処理とを有する方法。
【請求項5】
コンピュータに、
管理対象とする資産に関する資産データを管理する第1機能、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2機能、
前記第2機能により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3機能
前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定する第4機能、
前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理する第5機能、
前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第6機能を実現させるためのプログラム。
【請求項6】
管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、
撮像部により撮影された画像に含まれるコードパターンをもとに、コードを読み取るコード読取部と、
第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、
前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが前記コード読取部により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部と
前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定するワークフロー設定部と、
前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理するワークフロー管理部とを有し、
前記資産管理部は、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
すなわち、請求項1の発明は、管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部と、前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定するワークフロー設定部と、前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理するワークフロー管理部とを有し、前記資産管理部は、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する資産管理システムである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
請求項の発明は、前記ワークフロー管理部は、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する業務の実施が完了したものとして実施状況を更新する、請求項記載の資産管理システムである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
請求項の発明は、管理対象とする資産に関する資産データを設定する第1処理と、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2処理と、前記第2処理により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3処理と、前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定する第4処理と、前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理する第5処理と、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第6処理とを有する方法である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
請求項の発明は、コンピュータに、管理対象とする資産に関する資産データを管理する第1機能、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する第2機能、前記第2機能により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが電子機器により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第3機能、前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定する第4機能、前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理する第5機能、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する第6機能を実現させるためのプログラムである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
請求項の発明は、管理対象とする資産に関する資産データを管理する資産管理部と、撮像部により撮影された画像に含まれるコードパターンをもとに、コードを読み取るコード読取部と、第1コードの読み取りに応じて、前記資産データに対して実行する処理内容を前記第1コードと対応づけて設定する処理設定部と、前記処理設定部により設定された処理内容に対応する前記第1コードと資産管理のために資産に付された第2コードが前記コード読取部により読み取られた場合に、前記第2コードが付された資産に関する資産データについて、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する一括更新処理部と、前記資産に関する複数の業務の流れを定義するワークフローに、前記第1コードの読み取りを実施する業務を設定するワークフロー設定部と、前記ワークフローに基づいて、前記ワークフローに定義された業務の実施状況を管理するワークフロー管理部とを有し、前記資産管理部は、前記ワークフローに従って、前記第1コードの読み取りを実施する業務が設定された場合に、前記第1コードに対応する処理内容に応じた処理を実行する装置である。