(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102677
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】射出成形機、および射出成形システム
(51)【国際特許分類】
B29C 45/76 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006734
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中野 耕太郎
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM20
4F206AM23
4F206AP20
4F206JA07
4F206JL02
4F206JL09
4F206JP11
4F206JP17
4F206JP23
4F206JP30
(57)【要約】
【課題】射出成形機のデータが外部装置に出力されることに関する出力条件が成立したことをユーザに認識させる。
【解決手段】射出成形機の制御装置140は、データが外部装置300に出力されることに関する出力条件が成立したときに、該出力条件が成立したことを示す第1情報を記憶装置161に記憶する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機であって、
前記射出成形機のデータを記憶する第1メモリと、
前記データが外部装置に出力されることに関する出力条件が成立したときに、該出力条件が成立したことを示す第1情報を第2メモリに記憶させる制御装置とを備える、射出成形機。
【請求項2】
前記データは、前記射出成形機の成形条件を含む、請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記データは、前記射出成形機の成形条件を示す画面データを含む、請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記制御装置は、前記出力条件が成立したときに、ユーザ通知を実行する、請求項2に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記出力条件は、前記データを前記外部装置に出力する出力処理を実行したという条件を含む、請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記第1情報は、前記データの識別情報と、前記出力処理が実行された日と、前記外部装置の識別情報とのうち少なくとも1つを含む、請求項5に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記出力条件は、前記データを前記外部装置に出力させるための出力操作がユーザにより行われたという条件を含む、請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記第1情報は、前記データの識別情報と、前記出力操作が行われた日と、前記ユーザの識別情報と、該ユーザの属性情報とのうち少なくとも1つを含む、請求項7に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記出力条件は、前記射出成形機が前記外部装置と通信可能となるように接続されたという条件を含む、請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記第1情報は、前記外部装置の識別情報と、前記外部装置へのログイン情報と、前記外部装置へのログイン日と、前記外部装置からのログアウト日と、のうち少なくとも1つを含む、請求項9に記載の射出成形機。
【請求項11】
前記制御装置は、前記射出成形機のプログラムが更新されたときに、該プログラムが更新されたことを示す第2情報を前記第2メモリに記憶する、請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
【請求項12】
前記第2情報は、前記プログラムの識別情報と、前記プログラムの更新日と、前記プログラムの更新操作を行ったユーザの識別情報と、該ユーザの属性情報とのうち少なくとも1つを含む、請求項11に記載の射出成形機。
【請求項13】
前記出力条件は、前記画面データを前記外部装置に出力する出力処理を実行したという条件を含み、
前記第1情報は、前記画面データの識別情報と、前記画面データが生成された日と、前記外部装置の識別情報と、前記外部装置に前記画面データを出力するための操作を行ったユーザの識別情報と、該ユーザの属性情報とのうち少なくとも1つを含む、請求項3に記載の射出成形機。
【請求項14】
前記第1メモリは、前記第2メモリである、請求項1または請求項2に記載の射出成形機。
【請求項15】
請求項1または請求項2に記載の射出成形機と、
前記射出成形機を管理する管理サーバとを備え、
前記管理サーバは、前記第2メモリを備える、射出成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、射出成形機、および射出成形システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特開2022-146610号公報(特許文献1)には、ユーザなどにより設定された成形条件に基づいて、成形品を製造する射出成形機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、射出成形機が、該射出成形機に格納されているデータを該射出成形機の外部の外部装置に出力する構成が考えられる。しかしながら、従来の射出成形機においては、データが外部装置に出力された場合の処理については鑑みられていなかった。
【0005】
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、射出成形機のデータが外部装置に出力されることに関する出力条件が成立したことをユーザに認識させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態による射出成形機、および射出成形システムは、データが外部装置に出力されることに関する出力条件が成立したときに、該出力条件が成立したことを示す第1情報を第2メモリに記憶する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、射出成形機のデータが外部装置に出力されることに関する出力条件が成立したことをユーザに認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の射出成形機の構成を説明するための図である。
【
図5】第1実施形態の制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図7】第2実施形態の制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図9】第3実施形態の制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図13】第4実施形態の制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図14】第5実施形態の射出成形システムの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0010】
<第1実施形態>
[射出成形機の構成]
図1は、第1実施形態の射出成形機100の構成を説明するための図である。なお、説明の便宜上、
図1において射出成形機100が配置される床面をXY平面とし、当該床面に垂直な方向をZ軸方向とする。Z軸の正方向を上面側または上方、負方向を下面側または下方と称する場合がある。なお、射出成形機100は、横型の射出成形機として示されているが、横型に限られず、竪型の射出成形機であってもよい。
【0011】
射出成形機100は、金型を型締めするための型締装置110、射出材料を溶融して射出するための射出装置120、操作盤130、および、処理装置140を含んで構成されている。
図1においては、型締装置110は、射出装置120に対してX軸の負方向側に配置されている。
【0012】
型締装置110は、ベッド111と、固定盤112と、型締ハウジング113と、可動盤114と、タイバー115と、型締機構116と、金型117,118と、ボールねじ119とを含む。ベッド111は床面に配置されており、その上面に、固定盤112、型締ハウジング113、可動盤114等の機器が搭載されている。
【0013】
固定盤112は、ベッド111上において、射出装置120に近い側(すなわち、X軸の正方向)の端部に固定されている。型締ハウジング113は、ベッド111上におけるX軸の負方向の端部に配置されている。固定盤112と型締ハウジング113とは、複数のバーを含むタイバー115によって連結されている。型締ハウジング113は、ベッド111上において、X軸方向に移動可能である。
【0014】
可動盤114は、ベッド111上において、固定盤112と型締ハウジング113との間に配置されている。可動盤114は、X軸方向に移動可能に構成されている。型締ハウジング113と可動盤114とは、型締機構116によって連結されている。型締機構116はトグル機構を有している。トグル機構には、ボールねじ119が連結されており、型締ハウジング113に配置されるサーボモータ151を駆動して当該ボールねじ119を回転させることによって、型締ハウジング113に対して可動盤114をX軸方向に相対移動させることができる。なお、型締機構116として、油圧によって駆動される直動式のシリンダを用いてもよい。
【0015】
可動盤114および固定盤112には、金型117,118がそれぞれ配置されている。金型117および金型118は、可動盤114と固定盤112との間において互いに対向して配置されている。型締機構116を用いて金型117をX軸方向に移動させることによって、金型117と、金型118とを密着させたり、金型117を金型118から離間させたりすることができる。以降の説明においては、金型117および金型118が離間した状態から密着する状態へ移行させる工程を「型締」と称する。また、金型117および金型118が密着している状態から離間した状態へ移行させる工程を「型開」と称する。
【0016】
型締工程によって金型117と、金型118とが密着させた状態で、金型内部に溶融材料(樹脂)を充填し、冷却して固化させることによって、所望の形状の製品(成形品)を成形することができる。製品の成形後、型開工程によって金型117を金型118から離間させた状態で、可動盤114に配置された突出機構(図示せず)を動作させることによって、成形された製品を金型117から取り出すことができる。突出機構は、可動盤114に配置されたサーボモータ152によって駆動される。なお、突出機構を用いて製品を取り出す工程を「突出」工程と称する。
【0017】
射出装置120は、基台121と、加熱シリンダ122と、作動装置124と、ホッパ125と、ノズルタッチ装置127と、温度センサ128とを含む。基台121は、ベッド111のX軸の正方向側の床面に配置され、その上面に作動装置124が搭載されている。作動装置124には、サーボモータ153,154が配置されている。
【0018】
作動装置124には、X軸方向に延在する加熱シリンダ122が配置されている。加熱シリンダ122は、内部を加熱するためのヒータ(図示せず)と、スクリュ123と、射出ノズル126とを含む。スクリュ123は、作動装置124内のサーボモータ153によって駆動され、X軸方向を回転軸として回転可能に構成される。また、スクリュ123は、サーボモータ154によって駆動され、X軸方向に移動可能に構成されている。射出ノズル126は、加熱シリンダ122における型締装置110側の端部(すなわち、X軸の負方向の端部)に配置されている。加熱シリンダ122は、ホッパ125から投入されたビーズ状の樹脂材料を加熱溶融し、スクリュ123を用いて混練することによって溶融材料を生成する。このように、樹脂材料を溶融する工程を「可塑化」工程と称する。
【0019】
ノズルタッチ装置127は、たとえば油圧シリンダを用いた機構、あるいは、ボールねじを用いた機構によって構成されており、作動装置124と、型締装置110の固定盤112とを連結している。ノズルタッチ装置127がボールねじを用いた機構によって構成されている場合には、ノズルタッチ装置127は、作動装置124によって駆動され、駆作動装置124および加熱シリンダ122をX軸方向に移動させる。ノズルタッチ装置127によって、射出ノズル126を型締装置110における金型118のスプルーブッシュに接触させ、射出ノズル126から溶融材料を射出することによって、金型117,118のキャビティ内に溶融材料が充填される。サーボモータ154は、加熱シリンダ122内のスクリュ123をX軸の負方向に移動させることによって溶融材料に圧力を付与し、金型117,118内への溶融材料の注入、および、注入後の溶融材料の圧力を一定に保持する。
【0020】
なお、ノズルタッチ機構の構成については、上記のように固定盤112と作動装置124との間に配置されたボールねじによって射出装置全体を移動させる構成には限らず、他の構成であってもよい。たとえば、装置フレームと加熱シリンダ後部の固定部材とをボールねじを用いて連結し、加熱シリンダ自体を金型方向へ移動させる構成であってもよい。あるいは、射出装置が搭載されたスライドベースと装置フレームとをボールねじを用いて連結し、スライドベースとともに射出装置を移動させて射出ノズルを金型へ接触させる構成であってもよい。
【0021】
なお、金型117,118内に溶融材料を注入する工程を「射出」工程と称する。また、射出工程後、金型117,118内に充填された溶融材料を一定圧力に保持して冷却する工程を「保圧」工程と称する。
【0022】
温度センサ128は、加熱シリンダ122における射出ノズル126の近傍に配置されている。温度センサ128は、加熱シリンダ122内部の溶融材料の温度を検出し、処理装置140へ出力する。処理装置140は、温度センサ128の検出値に基づいてヒータを制御して、溶融材料の温度を所望の温度に調整する。
【0023】
保圧工程が完了すると、型開工程および突出工程が実行されて、成形された製品が取り出される。
【0024】
射出成形機100は、型締工程、射出工程、保圧工程、可塑化工程、型開工程および突出工程をサイクリックに繰り返し実行することによって、製品を連続的に形成することができる。本実施形態では、型締工程、射出工程、保圧工程、可塑化工程、型開工程および突出工程は、まとめて、「成形サイクル」とも称される。
【0025】
処理装置140は、基台121の内部に格納されている。処理装置140は、CPU141と、メモリ142と、サーボモータ151~154を駆動するためのサーボアンプ143とを含む。処理装置140は、射出成形機100に配置された各種センサの検出値を取得し、射出成形機100を統括的に制御する。
【0026】
操作盤130は、オペレータが射出成形機100を操作するための機器であり、液晶ディスプレイのような表示装置132、および、キーボードなどの入力装置を含む。操作盤130は処理装置140に接続されており、射出成形機100の状態を取得して表示したり、入力装置からのユーザ操作信号を処理装置140に出力したりすることができる。操作盤130は、表示装置132および入力装置が一体化されたタッチパネルであってもよい。また、操作盤130は、射出成形機100のベッド111あるいは基台121に取り付けられていてもよいし、射出成形機100とは独立した位置に配置されていてもよい。
【0027】
また、射出成形機100のモードは、準備モード、および成形モードを含む。成形モードは、上記の製品を成形するモードである。準備モードは、上記の製品を成形する処理の準備段階のモードであり、樹脂材料が投入されていない状態で、射出成形機100の各構成部を駆動するモードである。
【0028】
[処理装置の構成]
図2は、処理装置140の機能構成例を示す図である。以下の処理装置140の説明では、主に
図2を参照するが、
図1についても適宜参照する。処理装置140は、制御部150と、記憶装置161とを有する。制御部150は、本開示の「制御装置」に対応する。また、記憶装置161は、本開示の「第1メモリ」、および「第2メモリ」に対応する。
【0029】
また、たとえば、メモリ142(
図1参照)の一部が、記憶装置161に割り当てられる。
【0030】
記憶装置161には、少なくとも1つの成形条件データ181が格納されている。また、記憶装置161には、出力DB(Data Base)171が格納されている。なお、
図2で点線で示されている構成部(操作DB172、接続DB173、画面DB174、プログラムDB175、プログラム165)については、第2実施形態以降で説明される。
【0031】
次に、成形条件データ181を説明する。成形条件データ181は、射出成形機100(
図1参照)の成形条件を示すデータである。成形条件は、1以上の設定値により構成される。ここで、設定値は、たとえば、金型117,118(
図1参照)の設定温度、射出ノズル126からの溶融材料の射出速度、成形サイクルの各工程に要する時間などを含む。
【0032】
ユーザは、少なくとも1つの成形条件データ181のうち所望の成形条件データ181を選択することにより、該選択された成形条件データ181により示される成形条件(設定値)を射出成形機100に設定することができる。また、後述の
図3などで説明するように、成形条件データ181の各々には、成形条件データID(identification)が付与されている。成形条件データIDは、成形条件データを識別するための情報である。
【0033】
一般的に、射出成形機100により形成される製品の品質は、成形条件に起因する。したがって、射出成形機100のユーザは、製品の品質が向上するように、AI(Artificial Intelligence)などを用いて、成形条件を最適化する。このように、成形条件は、製品の品質を向上させるために重要な情報であることから、ユーザにとって資産であるといえる。したがって、成形条件データ181は、「資産データ」とも称される。
【0034】
また、射出成形機100は、成形条件データよりもユーザにとって重要度が低いデータも記憶する。このようなデータは、たとえば、上記の準備モードで使用される準備データである。準備データは、たとえば、準備モードでの1以上の設定値を示すデータである。本開示では、「成形条件データ181」は、「第1データ」とも称され、「準備データ」は、「第2データ」とも称される。第2データは、第1データとは異なるデータであって、第1データよりも重要度が低いデータである。
【0035】
また、ユーザは、射出成形機100を使用する場合などに、操作盤130に対してログイン操作を実行する。ログイン操作は、たとえば、ユーザID、およびパスワードなどを入力する操作である。そして、ログインが成功した場合には、該ユーザは、射出成形機100を使用可能となり、操作盤130に出力操作を実行することができる。出力操作とは、成形条件データ181を外部装置300に出力する出力処理を射出成形機100に実行させるための操作である。
【0036】
射出成形機100は、成形条件データ181を外部装置300に出力する出力処理を、該出力操作が実行されたときに実行する。外部装置300は、たとえば、射出成形機100の管理サーバ(たとえば、後述の
図14参照)と、射出成形機100とは別の射出成形機と、情報処理装置と、携帯用の記録媒体とのうちの少なくとも1つを含む。情報処理装置は、たとえば、PC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォンなどである。また、携帯用の記録媒体は、たとえば、USB(Universal Serial Bus)に基づく記録媒体である。
【0037】
射出成形機100が、成形条件データ181を、たとえば他の射出成形機(外部装置300)に送信することにより、他の射出成形機は、この成形条件データ181により示される成形条件に基づいて成形処理を実行できる。また、射出成形機100が、成形条件データ181を、たとえば携帯用の記録媒体(外部装置300)に送信および記憶することにより、ユーザは、成形条件データ181が記憶された記録媒体を携帯できる。このように、成形条件データ181を外部装置300に出力可能とする構成が採用されることにより、射出成形機100のユーザの利便性を向上させることなどができる。
【0038】
しかしながら、成形条件データ181を外部装置300に出力可能とする構成が採用されることにより、資産データである成形条件データ181の悪用などが懸念される。したがって、成形条件データ181が不本意に外部に出力されたことが発覚された場合などには、成形条件データ181の外部装置300への出力履歴を、射出成形機100のユーザが確認できることが好ましい。
【0039】
そこで、本実施形態の射出成形機100の制御部150は、出力条件が成立したときに、出力条件が成立したことを示す情報を出力DB171に記憶する。この情報は、本開示の「第1情報」に対応する。
【0040】
ここで、「出力条件」とは、成形条件データ181が外部装置300に出力されることに関する条件である。本実施形態の出力条件は、射出成形機100が、上記の出力処理(成形条件データ181を外部装置300に出力する処理)を実行したという条件である。射出成形機100は、出力処理が実行されたと判断したとき(出力条件が成立したとき)に、外部装置300に成形条件データ181が出力されたことを示す情報(出力条件が成立したことを示す情報)を出力DB171に記憶する。なお、本実施形態においては、第2データ(重要度が低いデータ)が外部装置300に出力されたとしても、出力条件を満たさない。換言すれば、第2データが外部装置300に出力されたとしても、外部装置300に第2データが出力されたことを示す情報は記憶されない。
【0041】
また、該出力処理が実行された場合には、該出力されたことを示す出力信号(
図2参照)が、制御部150に入力される。制御部150は、該出力信号を受信することにより、成形条件データ181が、外部装置300に出力されたこと(出力条件が成立したこと)を特定する。
【0042】
[出力DB]
図3は、出力DB171(
図2参照)の一例を示す図である。
図3の例においては、成形条件データIDに対応付けて、出力日時、出力元、出力先、ユーザID、およびユーザ属性が規定されている。また、本開示のDBにおいては、各要素の組合せは「組合せ情報」とも称される。本開示のDBにおいては、少なくとも1つの組合せ情報が規定される。たとえば、出力DB171の組合せ情報は、「成形条件データID、出力日時、出力元、出力先、ユーザID、およびユーザ属性」である。
【0043】
成形条件データIDは、上述したように、成形条件データを識別するための情報である。出力日時は、出力処理が実行された日時である。出力元は、出力処理を実行した射出成形機100の識別情報(射出成形機ID)である。この出力元は、たとえば、該射出成形機100のIP(Internet Protocol)アドレスである。
【0044】
出力先は、外部装置300の識別情報(外部装置ID)である。この出力先は、該外部装置300のIPアドレスである。ユーザIDは、射出成形機100に出力処理を実行させた出力操作のためのログイン操作で入力されたユーザIDである。ユーザ属性は、該ユーザの属性を示す情報である。ユーザ属性は、たとえば、射出成形機100の管理者、標準ユーザ、およびゲストユーザなどを示す情報である。
【0045】
図3の例では、成形条件IDとしてのA1に対し、出力日時としてA2、出力元としてA3、出力先としてのA4、ユーザIDとしてのA5、ユーザ属性としてのA6が対応付けられている。このように、
図3の出力DB171においては、成形条件データID、および出力日時などが規定されていることから、出力DB171は、成形条件データの出力履歴を示すDBである。なお、本開示の図面に記載のDBの3点リーダは、他の組合せ情報が規定されていることを示す。
【0046】
[ユーザ通知]
次に、ユーザ通知を説明する。制御部150(
図2参照)は、出力条件が成立したときには、該出力条件が成立したことを通知する。本実施形態においては、制御部150は、通知信号(
図2参照)を表示装置132(
図2参照)に送信する。通知信号は、ユーザ通知画像の画像データを含む。通知信号は、ユーザ通知画像を表示装置132(
図2参照)に表示するための信号である。表示装置132は、該通知信号を受信すると、該通知信号に基づいて、ユーザ通知画像を表示する。
【0047】
図4は、ユーザ通知画像を説明するための図である。
図4に示すユーザ通知画像は、出力条件が成立したことを示す画像である。より具体的には、
図4に示すユーザ通知画像は、成形条件データ181が外部装置300に出力されたことを示す画像である。
図4の例では、「2022年C月D日に成形条件データがユーザE1により外部出力されました」という文言を含む画像である。
【0048】
また、制御部150は、表示装置132のみならず、他の表示装置にユーザ通知画像を表示するようにしてもよい。他の表示装置は、たとえば、射出成形機100の管理者が保有する情報処理装置(PCなど)の表示部である。また、ユーザは、ユーザ通知画像を表示させる表示装置を選択できるようにしてもよい。
【0049】
また、制御部150は、
図3に示す出力DB171により示される出力履歴の画像を表示装置132に表示するようにしてもよい。なお、制御部150は、後述の操作DB172、接続DB173、画面DB174、およびプログラムDB175のうち少なくとも1つの履歴の画像を表示装置132に表示するようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態においては、第2データが外部装置300に出力されたとしても、制御部150は、ユーザ通知を実行しない。
【0051】
[フローチャート]
図5は、本実施形態の射出成形機100の制御部150(
図2参照)の処理を示すフローチャートである。
図5の処理は、たとえば、所定期間(たとえば、1秒)が経過する毎に制御部150により実行される。以下のフローチャートの説明では、主に
図5を参照するが、
図2および
図3についても適宜参照する。
【0052】
まず、ステップS1において、制御部150は、成形条件データが外部装置300に出力されたか否かを、上記の出力信号(
図2参照)に基づいて判断する。制御部150は、出力信号を受信していない場合には、成形条件データが外部装置300に出力されていないと判断し(ステップS1でNO)、
図5の処理は終了する。また、制御部150は、出力信号を受信した場合には、成形条件データが外部装置300に出力されたと判断し(ステップS1でYES)、処理は、ステップS3に進む。
【0053】
ステップS3において、制御部150は、成形条件データ181が外部装置300に出力されたことを示す第1情報を記憶装置161に記憶する。つまり、ステップS3において、制御部150は、出力DB171(
図3参照)を更新する。そして、処理は終了する。
【0054】
[作用・効果]
次に、
図1および
図2を参照して、本実施形態の射出成形機100の作用・効果を説明する。本実施形態の射出成形機100は、出力条件が成立したときに、該出力条件が成立したことを示す第1情報を記憶装置161の出力DB171に記憶する。したがって、射出成形機100のユーザなどは、該出力DB171で規定されている出力履歴を視認することにより、出力条件が成立したことを認識することができる。
【0055】
また、射出成形機100は、重要な成形条件データ181(第1データ)が外部装置300に出力された場合には、該成形条件データ181が外部装置300に出力されたことを示す情報を記憶装置161に記憶する(出力DB171を更新する)。一方、射出成形機100は、準備データ(第2データ)が外部装置300に出力されても、該データが外部装置300に出力されたことを示す情報については記憶しない。したがって、「成形条件データ181が外部装置300に出力されたことを示す情報および準備データが外部装置300に出力されたことを示す情報の双方を記憶する射出成形機」と比較して、使用するメモリの容量を削減できる。
【0056】
また、射出成形機100は、成形条件データ181が外部装置300に出力された場合には、
図4に示すように、成形条件データ181が外部装置300に出力されたことをユーザに通知する。したがって、射出成形機100は、成形条件データ181が外部装置300に出力されたことをユーザに認識させることができる。
【0057】
また、本実施形態の出力条件は、成形条件データ181を外部装置300に出力する出力処理を実行したという条件である。したがって、成形条件データ181を外部装置300に出力する出力処理を実行したことをユーザが認識できる。
【0058】
また、
図3に示すように出力DB171においては、成形条件データIDに対応付けて、出力日時、出力元、出力先、ユーザID、およびユーザ属性が規定されている。表示装置132が、出力DB171を示す画像を表示することにより、射出成形機100のユーザは、出力履歴(成形条件データIDと、成形条件データが出力された日時、出力元、出力先、出力操作を行ったユーザ、および該ユーザの属性)を認識できる。
【0059】
また、射出成形機100は、記憶装置161を備える。したがって、射出成形機100は、他の装置を通信することなく、成形条件データ181が外部装置300に出力された履歴を記憶装置161に記憶できる。
【0060】
<第2実施形態>
第1実施形態においては、出力条件は、上記の出力処理を実行したという条件である構成が説明された。第2実施形態の出力条件は、上記の出力操作(成形条件データ181を外部装置300に出力するための操作)がユーザにより行われたという条件である。つまり、第2実施形態においては、制御部150は、出力操作がユーザにより行われたときに、該出力操作が行われたことを示す第1情報を操作DB172(
図1の破線参照)に記憶する。操作DB172は、記憶装置161に格納されている。
【0061】
[操作DB]
図6は、操作DB172の一例を示す図である。
図6の操作DB172と、
図3の出力DB171とを比較すると、操作DB172は、出力DB171の「出力日時」が「操作日時」に代替されたDBである。操作日時は、上記の出力操作が実行された日時を示す。
【0062】
図6の例では、成形条件IDとしてのB1に対し、操作日時としてB2、出力元としてB3、出力先としてのB4、ユーザIDとしてのB5、ユーザ属性としてのB6が対応付けられている。このように、
図6の操作DB172においては、成形条件データID、および操作日時などが規定されていることから、操作DB172は、成形条件データの出力操作履歴を示すDBである。
【0063】
[フローチャート]
図7は、本実施形態の射出成形機100の制御部150(
図2参照)の処理を示すフローチャートである。
図7の処理は、たとえば、所定期間(たとえば、1秒)が経過する毎に制御部150により実行される。以下のフローチャートの説明では、主に
図7を参照するが、
図2および
図6についても適宜参照する。
【0064】
まず、ステップS1Aにおいて、制御部150は、操作盤130(
図2参照)に対してユーザにより出力操作が行われたか否かを判断する。制御部150は、出力操作が行われていないと判断した場合には(ステップS1AでNO)、
図7の処理は終了する。また、制御部150は、出力操作が行われたと判断した場合には(ステップS1AでYES)、処理は、ステップS2Aに進む。
【0065】
ステップS2Aにおいて、制御部150は、成形条件データ181(
図2参照)を外部装置300に出力する。そして、ステップS3Aにおいて、制御部150は、出力操作が行われたことを示す第1情報を記憶装置161に記憶する。つまり、ステップS3Aにおいて、制御部150は、操作DB172(
図6参照)を更新する。そして、処理は終了する。
【0066】
以上、第2実施形態の射出成形機100は、出力操作が行われたときに(出力条件が成立したときに)、該出力操作が行われたことを示す第1情報を記憶装置161の操作DB172に記憶する。したがって、射出成形機100のユーザなどは、該操作DB172で規定されている出力操作履歴を視認することにより、出力条件が成立したことを認識することができる。
【0067】
また、
図6に示すように操作DB172においては、成形条件データIDに対応付けて、操作日時、出力元、出力先、ユーザID、およびユーザ属性が規定されている。したがって、射出成形機100のユーザは、操作履歴(成形条件データIDと、出力操作が行われた日時、出力元、出力先、出力操作を行ったユーザ、および該ユーザの属性)を認識できる。
【0068】
<第3実施形態>
第1実施形態においては、出力条件は、上記の出力処理を実行したという条件である構成が説明された。第3実施形態の出力条件は、射出成形機100が外部装置300と通信可能となるように接続されたという条件である。本実施形態の外部装置300は、たとえば、射出成形機100とは別の射出成形機、および情報処理装置などである。
【0069】
射出成形機100を外部装置300に接続させる接続処理は、成形条件データ181が該外部装置300に送信されない場合であっても、成形条件データ181が該外部装置300に送信される蓋然性の高い処理である。そこで、第3実施形態においては、制御部150は、接続処理が行われたときに、該接続処理が行われたことを示す第1情報を記憶装置161の接続DB173(
図1の破線参照)に記憶する。
【0070】
たとえば、射出成形機100が外部装置300と通信可能となるように接続するために、この外部装置300へのログイン操作を、操作盤130に対して行う。ログイン操作は、ログインするためにユーザIDを入力する操作を含む。ユーザは、ログインが成功した外部装置300に対して、成形条件データ181などを送信することができる。
【0071】
[接続DB]
図8は、接続DB173の一例を示す図である。
図8の例においては、外部装置IDに対応付けて、ログインユーザID、ログイン日時、およびログアウト日時が規定されている。
【0072】
外部装置IDは、射出成形機100と接続された外部装置300を識別するための情報である。外部装置IDは、たとえば、該外部装置300のIPアドレスである。ログインユーザIDは、ログイン操作で入力されるIDである。ログインユーザIDは、本開示の「外部装置へのログイン情報」に対応する。ログイン日時は、外部装置300に対してログインされた日時を示す。ログアウト日時は、外部装置300からログアウトされた日時を示す。
【0073】
このように、
図8の接続DB173においては、ログイン日時などが規定されていることから、接続DB173は、外部装置300への接続履歴を示すDBである。
【0074】
[フローチャート]
図9は、本実施形態の射出成形機100の制御部150(
図2参照)の処理を示すフローチャートである。
図9の処理は、たとえば、所定期間(たとえば、1秒)が経過する毎に制御部150により実行される。以下のフローチャートの説明では、主に
図9を参照するが、
図8についても適宜参照する。
【0075】
まず、ステップS1Bにおいて、制御部150は、接続処理が行われたか否かを判断する。制御部150は、接続処理が行われていないと判断した場合には(ステップS1BでNO)、
図9の処理は終了する。また、制御部150は、接続処理が行われたと判断した場合には(ステップS1BでYES)、処理は、ステップS3Bに進む。
【0076】
ステップS3Bにおいて、制御部150は、接続処理が行われたことを示す第1情報を記憶装置161に記憶する。つまり、ステップS3Bにおいて、制御部150は、接続DB173(
図8参照)を更新する。そして、処理は終了する。
【0077】
以上、第3実施形態の射出成形機100は、接続処理が行われたときに(出力条件が成立したときに)、該接続処理が行われたことを示す第1情報を記憶装置161の接続DB173に記憶する。したがって、射出成形機100のユーザなどは、該接続DB173で規定されている接続履歴を視認することにより、出力条件が成立したことを認識することができる。
【0078】
また、
図8に示すように接続DB173においては、外部装置IDに対応付けて、ログインユーザID、ログイン時刻、およびログアウト時刻が規定されている。したがって、射出成形機100のユーザは、接続履歴(外部装置ID、ログインユーザID、ログイン時刻、およびログアウト時刻)を認識できる。
【0079】
なお、射出成形機100の電源がONされたときに、自動的に外部装置300に接続され、かつ該接続が射出成形機100の電源がOFFされるまで継続される構成が採用されてもよい。このような構成が採用された場合において、該外部装置300に接続されたことを示すデータは、上記の第2データに相当するようにしてもよい。つまり、該外部装置300に接続されたとしても、該外部装置300に接続されたことを示す第1情報は、記憶されない。
【0080】
<第4実施形態>
第1実施形態においては、出力条件を成立させるデータは、成形条件データ(
図2参照)である構成が説明された。しかしながら、このようなデータは他のデータであってもよい。第4実施形態における該他のデータは、射出成形機100の成形条件画面のデータである。
【0081】
成形条件画面は、たとえば、表示装置132(
図1参照)に表示される。また、射出成形機100は、表示装置132に表示されている画面を示す画面データを生成する機能、いわゆるキャプチャ機能を有する。ユーザが操作盤130に対してキャプチャ操作を行うことにより、射出成形機100は、キャプチャ処理を実行する。
【0082】
図10は、成形条件画面の一例である。
図10の成形条件画面においては、上記の射出速度(
図1の射出ノズル126からの溶融材料の射出速度)が、“A”であることが示されている。また、該成形条件画面においては、金型温度(
図1の金型117,118の設定温度)が、“B”であることが示されている。
【0083】
図10のような成形条件画面を示す画面データも、成形条件データ181と同様、ユーザにとって重要な資産データである。したがって、第4実施形態の出力条件は、画面データが外部装置300に出力されることに関する条件である。たとえば、この出力条件は、画面データが外部装置300に出力されたという条件である。制御部150は、画面データが外部装置300に出力されたときに、該画面データが外部装置300に出力されたことを示す第1情報を記憶装置161の画面DB174(
図1の破線参照)に記憶する。
【0084】
図11は、画面DB174の一例を示す図である。
図11の画面DB174と、
図3の出力DB171とを比較すると、画面DB174は、出力DB171の「成形条件データID」が、「画面データID」に代替されたDBである。画面データIDは、画面データを識別するための情報である。
【0085】
図11の例では、成形条件IDとしてのD1に対し、出力日時としてD2、出力元としてのD3、出力先としてのD4、ユーザIDとしてのD5、ユーザ属性としてのD6が対応付けられている。このように、
図11の画面DB174においては、画面データID、および出力日時などが規定されていることから、画面DB174は、画面データの出力履歴を示すDBである。なお、画面DB174においては、画面データIDに対応付けて、画面データの作成日時が規定されていてもよい。
【0086】
以上、第4実施形態の射出成形機100は、画面データの出力に関する出力条件が成立した場合であっても、第1実施形態~第3実施形態で説明した効果と同様の効果を奏する。
【0087】
<第5実施形態>
射出成形機100は、
図1の破線で示される記憶装置161に記憶されている複数のプログラム165に基づいて、様々な処理(成形処理など)を実行する。ここで、プログラム165は、射出成形機100のアプリケーション、OS(Operating System)、およびファームウェアなどのうち少なくとも1つを含む。
【0088】
また、射出成形機100の管理サーバ(たとえば、後述の
図14の管理サーバ500)などの指示により、プログラム165は、更新(アップデート)される。このようなプログラム165の更新により、射出成形機100の機能は改善され、たとえば、新たな処理などを実行することができる。
【0089】
また、射出成形機100自体は、ユーザにとっての資産であることから、射出成形機100のプログラム165が更新されたという事象もユーザにとっての資産である。たとえば、更新前のプログラム165で動作する射出成形機と、更新後のプログラム165で動作する射出成形機とを比較することにより、射出成形機の機能の改善点を、ユーザは把握できる。また、たとえば、更新後のプログラム165に欠陥(バグなど)が含まれていることから、更新後のプログラム165で動作する射出成形機100の機能が、更新前のプログラム165で動作する射出成形機100の機能よりも劣化している場合がある。この場合には、ユーザは、射出成形機の機能の劣化点を、ユーザは把握できる。
【0090】
また、プログラム165が、機械学習プログラムを含む構成が採用されてもよい。このような構成が採用された場合には、射出成形機100は、教師データにより更新された機械学習モデルを用いて最適な成形条件データを算出できる。教師データは、過去の成形条件データと、射出成形機100の該過去の成形条件データに対応する測定データとである。測定データは、射出速度、射出圧、射出温度などである。このような構成の場合に、プログラム165が更新されたことを示す情報と、プログラム165が更新されたことを示す情報(バージョンアップ情報)と、プログラム165が更新された後の教師データとが対応付けられた情報は、ユーザにとっての資産となる。
【0091】
このように、射出成形機100のプログラム165が更新されたという事象は、ユーザにとっての資産となり得る。そこで、プログラム165の更新が、ユーザにとって資産であるという観点に鑑みて、第5実施形態の射出成形機100の制御部150は、プログラム165が更新されたときに、該プログラムが更新されたことを示す情報(第2情報)を記憶装置161のプログラムDB175(
図1の破線参照)に記憶する。以下では、
図2を用いて第5実施形態の射出成形機100を説明する。
【0092】
プログラム165が更新された場合には、たとえば、該プログラム165から更新信号(
図2参照)が、制御部150に出力される。更新信号は、該プログラム165が更新されたことを示す信号である。更新信号には、たとえば、該プログラム165のプログラムID、更新日時などが含まれている。
【0093】
[プログラムDB]
図12は、プログラムDB175の一例を示す図である。
図12の例においては、プログラムIDに対応付けて、更新日時、ユーザID、およびユーザ属性が規定されている。プログラムIDは、複数のプログラム165の各々を識別するための情報である。更新日時は、プログラムが更新された日時を示す情報である。ユーザIDは、プログラムを更新させるための更新操作を行ったユーザを識別するための情報である。ユーザ属性は、該ユーザの属性を示す情報である。このように、プログラムDB175においては、プログラムID、および更新日時などが規定されていることから、プログラムDB175は、プログラム165の更新履歴を示すDBである。
【0094】
[フローチャート]
図13は、本実施形態の射出成形機100の制御部150(
図2参照)の処理を示すフローチャートである。
図13の処理は、たとえば、所定期間(たとえば、1秒)が経過する毎に制御部150により実行される。以下のフローチャートの説明では、主に
図13を参照するが、
図2および
図12についても適宜参照する。
【0095】
まず、ステップS1Cにおいて、制御部150は、更新信号(
図2参照)を受信したか否かを判断する。制御部150は、更新信号を受信していないと判断した場合には(ステップS1CでNO)、
図13の処理は終了する。また、制御部150は、更新信号を受信したと判断した場合には(ステップS1CでYES)、処理は、ステップS3Cに進む。
【0096】
ステップS3Cにおいて、制御部150は、プログラム165が更新されたことを示す第2情報を記憶装置161に記憶する。つまり、ステップS3Cにおいて、制御部150は、プログラムDB175(
図12参照)を更新する。そして、処理は終了する。
【0097】
以上、第5実施形態の射出成形機100は、プログラム165が更新されたときに、該プログラム165の更新が行われたことを示す第2情報を記憶装置161のプログラムDB175に記憶する。したがって、射出成形機100のユーザなどは、該プログラムDB175で規定されている更新履歴を視認することにより、プログラム165が更新されたことを認識することができる。
【0098】
また、
図12に示すようにプログラムDB175においては、プログラムIDに対応付けて、更新日時、ユーザID、およびユーザ属性が規定されている。したがって、射出成形機100のユーザは、プログラム165の更新履歴(プログラムID、更新日時、ユーザID、およびユーザ属性)を認識できる。
【0099】
<第6実施形態>
上記の第1~第5実施形態においては、
図2で説明したように、出力条件が成立したことを示す第1情報を第2メモリを射出成形機100が備える構成が説明された。しかしながら、この第2メモリは、射出成形機100の管理サーバが備えるようにしてもよい。
【0100】
図14は、本実施形態の射出成形システム600の一例を説明するための図である。
図14の例では、射出成形システム600は、管理サーバ500と、少なくとも1つの射出成形機100とを備える。また、管理サーバ500と、少なくとも1つの射出成形機100とは、ネットワーク350を通じて、互いに通信可能となるように構成されている。
図14の例の射出成形システム600は、少なくとも1つの射出成形機100として、複数の射出成形機100を備える。少なくとも1つの射出成形機100の各々には、射出成形機IDが付与されている。射出成形機IDは、射出成形機100を管理サーバ500が識別するための情報である。
【0101】
管理サーバ500は、第2メモリ162を有する。第2メモリ162には、管理DB176が格納されている。
図15は、管理DB176の一例を説明するための図である。以下の管理DB176の説明では、主に
図15を参照するが、
図3についても適宜参照する。
図15の例では、射出成形機ID毎に、出力DB(
図3参照)の各要素が対応付けられている。つまり、
図15の例では、射出成形機ID毎に、成形条件データID、出力日時、出力元、出力先、ユーザID、ユーザ属性が対応付けられている。
【0102】
図15の例では、射出成形機IDとしてのX1に対し、成形条件IDとしてのA11が対応付けられている。さらに、成形条件IDとしてのA11に対し、出力日時としてA12、出力元としてA13、出力先としてのA14、ユーザIDとしてのA15、ユーザ属性としてのA16が対応付けられている。また、射出成形機IDとしてのX2に対し、成形条件IDとしてのA21が対応付けられている。さらに、成形条件IDとしてのA21に対し、出力日時としてA22、出力元としてA23、出力先としてのA24、ユーザIDとしてのA25、ユーザ属性としてのA26が対応付けられている。なお、
図15においては、射出成形機IDに対して、出力DB171が対応付けられた構成が示されているが、他のDBが対応付けられてもよい。他のDBとは、たとえば、操作DB172(
図6参照)または接続DB173(
図8参照)などである。
【0103】
以上、本実施形態の射出成形システム600によれば、管理サーバ500は、少なくとも1つの射出成形機100の第1情報(出力DB171など)を一括して管理することができる。
【0104】
[変形例]
(1) 上記の第1実施形態~第5実施形態で説明した技術思想は、適宜組み合わされてもよい。たとえば、制御部150は、出力DB171(
図2参照)、操作DB172、接続DB173、画面DB174、およびプログラムDB175のうち少なくとも2つのDBの更新制御を実行するようにしてもよい。また、更新制御が実行されるDBをユーザが選択可能としてもよい。
【0105】
(2) 上記の実施形態においては、第1データ(成形条件データ181など)の出力に関する出力条件が成立した場合には該出力条件が成立したことを示す第1情報を記憶装置161に記憶し、第2データ(準備データなど)の出力に関する出力条件が成立した場合でも該第1情報を記憶しない構成が説明された。しかしながら、第1データおよび第2データに関わらず、射出成形機100の全てのデータの出力に関する出力条件が成立した場合に、該出力条件が成立したことを示す第1情報を記憶装置161に記憶するようにしてもよい。
【0106】
また、上記の実施形態においては、第1データの出力に関する出力条件が成立した場合にはユーザ通知(
図4参照)を実行し第2データの出力に関する出力条件が成立した場合には、ユーザ通知を実行しない構成が説明された。しかしながら、第1データおよび第2データに関わらず、射出成形機100の全てのデータの出力に関する出力条件が成立した場合に、ユーザ通知を実行するようにしてもよい。
【0107】
[付記]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0108】
(第1項) 本開示の射出成形機は、第1メモリと、制御装置とを備える。第1メモリは、射出成形機のデータを記憶する。制御装置は、データが外部装置に出力されることに関する出力条件が成立したときに、該出力条件が成立したことを示す第1情報を第2メモリに記憶させる。
【0109】
(第2項) 第1項に記載の射出成形機であって、データは、射出成形機の成形条件を含む。
【0110】
(第3項) 第1項または第2項に記載の射出成形機であって、データは、射出成形機の成形条件を示す画面データを含む。
【0111】
(第4項) 第2項または第3項に記載の射出成形機であって、制御装置は、出力条件が成立したときに、ユーザ通知を実行する。
【0112】
(第5項) 第1項~第4項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、出力条件は、データを外部装置に出力する出力処理を実行したという条件を含む。
【0113】
(第6項) 第5項に記載の射出成形機であって、第1情報は、データの識別情報と、出力処理が実行された日と、外部装置の識別情報とのうち少なくとも1つを含む。
【0114】
(第7項) 第1項~第6項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、出力条件は、データを外部装置に出力させるための出力操作がユーザにより行われたという条件を含む。
【0115】
(第8項) 第7項に記載の射出成形機であって、第1情報は、データの識別情報と、出力操作が行われた日と、ユーザの識別情報と、該ユーザの属性情報とのうち少なくとも1つを含む。
【0116】
(第9項) 第1項~第8項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、出力条件は、射出成形機が外部装置と通信可能となるように接続されたという条件を含む。
【0117】
(第10項) 第9項に記載の射出成形機であって、第1情報は、外部装置の識別情報と、外部装置へのログイン情報と、外部装置へのログイン日と、外部装置からのログアウト日と、のうち少なくとも1つを含む。
【0118】
(第11項) 第1項~第10項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、制御装置は、射出成形機のプログラムが更新されたときに、該プログラムが更新されたことを示す第2情報を第2メモリに記憶する。
【0119】
(第12項) 第11項に記載の射出成形機であって、第2情報は、プログラムの識別情報と、プログラムの更新日と、プログラムの更新操作を行ったユーザの識別情報と、該ユーザの属性情報とのうち少なくとも1つを含む。
【0120】
(第13項) 第1項~第12項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、出力条件は、画像データを外部装置に出力する出力処理を実行したという条件を含む。第1情報は、画像データの識別情報と、画像データが生成された日と、外部装置の識別情報と、外部装置に画像データを出力するための操作を行ったユーザの識別情報と、該ユーザの属性情報とのうち少なくとも1つを含む。
【0121】
(第14項) 第1項~第13項のいずれか1項に記載の射出成形機であって、第1メモリは、上記の第2メモリを備える。
【0122】
(第15項) 本開示の射出成形システムは、第1項~第13項のいずれか1項に記載の射出成形機と、射出成形機を管理する管理サーバとを備える。管理サーバは、上記の第2メモリを備える。
【0123】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0124】
100 射出成形機、110 型締装置、111 ベッド、112 固定盤、113 型締ハウジング、114 可動盤、115 タイバー、116 型締機構、117,118 金型、119 ボールねじ、120 射出装置、121 基台、122 加熱シリンダ、123 スクリュ、124 作動装置、125 ホッパ、126 射出ノズル、127 ノズルタッチ装置、128 温度センサ、130 操作盤、132 表示装置、140 処理装置、142 メモリ、143 サーボアンプ、150 制御部、161 記憶装置、162 第2メモリ、171 出力DB、172 操作DB、173 接続DB、174 画面DB、175 プログラムDB、181 成形条件データ、300 外部装置、350 ネットワーク、500 管理サーバ、600 射出成形システム。