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特開2024-102688自転車用フレーム構造及び原動機付自転車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024102688
(43)【公開日】2024-07-31
(54)【発明の名称】自転車用フレーム構造及び原動機付自転車
(51)【国際特許分類】
   B62J 25/06 20200101AFI20240724BHJP
   B62J 25/04 20200101ALI20240724BHJP
   B62K 3/02 20060101ALI20240724BHJP
   B62K 11/02 20060101ALI20240724BHJP
   B62K 19/30 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B62J25/06
B62J25/04
B62K3/02
B62K11/02
B62K19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006748
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000175766
【氏名又は名称】三恵技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109243
【弁理士】
【氏名又は名称】元井 成幸
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良明
【テーマコード(参考)】
3D011
3D212
【Fターム(参考)】
3D011AK13
3D011AK17
3D212BH05
(57)【要約】
【課題】運転者が座るシートの前後方向と高さの設定位置の可変性を高めると共に、シートを支持するフレームの耐荷重性を高める。
【解決手段】運転者100の足が配置される付近から後方に向かって斜め上向きに延びるリアチューブ5を有し、左コ字形パイプ材151の一端と右コ字形パイプ材152の一端とが同一高さでリアチューブ5の上端と下端の途中に固定され、左コ字形パイプ材151の他端と右コ字形パイプ材152の他端とが相互に嵌合されて、載置されるシート17を支持する平面視略矩形のシート支持チューブ15を構成し、左支持ステー161の一端と右支持ステー162の一端とが同一高さでリアチューブ5に固定されると共に、左支持ステー161の他端が左コ字形パイプ材151の下側に固定され、右支持ステー162の他端が右コ字形パイプ材152の下側に固定される自転車用フレーム構造。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の足が配置される付近から後方に向かって斜め上向きに延びるシングルチューブを有し、
左コ字形パイプ材の一端と右コ字形パイプ材の一端とが同一高さで前記シングルチューブの上端と下端の途中に固定され、
前記左コ字形パイプ材の他端と前記右コ字形パイプ材の他端とが相互に嵌合されて、載置されるシートを支持する平面視略矩形のシート支持チューブを構成し、
左支持ステーの一端と右支持ステーの一端とが同一高さで前記シングルチューブに固定されると共に、前記左支持ステーの他端が前記左コ字形パイプ材の下側に固定され、前記右支持ステーの他端が前記右コ字形パイプ材の下側に固定されることを特徴とする自転車用フレーム構造。
【請求項2】
前記左コ字形パイプ材の他端と前記右コ字形パイプ材の他端との嵌合代を前記シングルチューブの最大幅以上とすることを特徴とする請求項1記載の自転車用フレーム構造。
【請求項3】
運転者の足が配置される付近から後方に向かって斜め上向きに延びるシングルチューブを有し、
左コ字形パイプ材の一端と右コ字形パイプ材の一端とが同一高さで前記シングルチューブの上端と下端の途中に固定され、
前記左コ字形パイプ材の他端と前記右コ字形パイプ材の他端とが相互に嵌合されて、載置されるシートを支持する平面視略矩形のシート支持チューブを構成し、
左支持ステーの一端と右支持ステーの一端とが同一高さで前記シングルチューブに固定されると共に、前記左支持ステーの他端が前記左コ字形パイプ材の下側に固定され、前記右支持ステーの他端が前記右コ字形パイプ材の下側に固定される自転車用フレーム構造を備えることを特徴とする原動機付自転車。
【請求項4】
時速20km/h以下の低速で走行すると共に、
操作ハンドルが取り付けられるヘッドパイプから斜め下方に延設されるダウンチューブと、前記ダウンチューブの下端に設けられる曲がり部と、前記曲がり部から斜め上方に延設されるリアチューブとが車体フレームを構成するシングルフレームで形成され、
前記シングルチューブが前記リアチューブで構成されることを特徴とする請求項3記載の原動機付自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用フレーム構造及び原動機付自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自転車用フレーム構造として特許文献1のフレーム構造が知られている。特許文献1のフレーム構造は、操作ハンドルが取り付けられるヘッドパイプと、ヘッドパイプから後方斜め下向きに延びる2本のダウンチューブと、ダウンチューブの後端から後方斜め上向きに延びるシートチューブを有し、シートチューブの上端にはシートチューブにシートポストを差し込むようにしてサドルが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-149389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のフレーム構造では、サドルとシートポストとの接合部にかかる負荷を抑制するため、運転者が座るサドルをシートチューブの延長線上に設定する必要がある。そのため、運転者が座るシートの前後方向と高さの位置の調整範囲が非常に限られたものになっており、運転者が座るシートの設定位置の可変性が低い構造になっている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、運転者が座るシートの前後方向と高さの設定位置の可変性を高めることができると共に、シートを支持するフレームの耐荷重性を高めることができる自転車用フレーム構造及びこの自転車用フレーム構造を有する原動機付自転車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自転車用フレーム構造は、運転者の足が配置される付近から後方に向かって斜め上向きに延びるシングルチューブを有し、左コ字形パイプ材の一端と右コ字形パイプ材の一端とが同一高さで前記シングルチューブの上端と下端の途中に固定され、前記左コ字形パイプ材の他端と前記右コ字形パイプ材の他端とが相互に嵌合されて、載置されるシートを支持する平面視略矩形のシート支持チューブを構成し、左支持ステーの一端と右支持ステーの一端とが同一高さで前記シングルチューブに固定されると共に、前記左支持ステーの他端が前記左コ字形パイプ材の下側に固定され、前記右支持ステーの他端が前記右コ字形パイプ材の下側に固定されることを特徴とする。
これによれば、左右のコ字形パイプ材と左右の支持ステーのシングルチューブに対する設置高さを調整して取り付けることにより、運転者が座るシートの前後方向と高さの設定位置を変えることができる。従って、運転者が座るシートの前後方向と高さの設定位置の可変性を高めることができる。また、左右のコ字形パイプ材と左右の支持ステーをシングルチューブに固定し、左右のコ字形パイプ材を相互に嵌合する構成により、シートを支持するフレームであるシート支持チューブ及びこれに載置されるシートの耐荷重性を高めることができる。
【0007】
本発明の自転車用フレーム構造は、前記左コ字形パイプ材の他端と前記右コ字形パイプ材の他端との嵌合代を前記シングルチューブの最大幅以上とすることを特徴とする。
これによれば、シート支持チューブ及びこれに載置されるシートの耐荷重性をより一層高めることができる。
【0008】
本発明の原動機付自転車は、運転者の足が配置される付近から後方に向かって斜め上向きに延びるシングルチューブを有し、左コ字形パイプ材の一端と右コ字形パイプ材の一端とが同一高さで前記シングルチューブの上端と下端の途中に固定され、前記左コ字形パイプ材の他端と前記右コ字形パイプ材の他端とが相互に嵌合されて、載置されるシートを支持する平面視略矩形のシート支持チューブを構成し、左支持ステーの一端と右支持ステーの一端とが同一高さで前記シングルチューブに固定されると共に、前記左支持ステーの他端が前記左コ字形パイプ材の下側に固定され、前記右支持ステーの他端が前記右コ字形パイプ材の下側に固定される自転車用フレーム構造を備えることを特徴とする。
これによれば、左右のコ字形パイプ材と左右の支持ステーのシングルチューブに対する設置高さを調整して取り付けることにより、運転者が座るシートの前後方向と高さの設定位置を変えることができる。従って、原動機付自転車の運転者が座るシートの前後方向と高さの設定位置の可変性を高めることができる。また、左右のコ字形パイプ材と左右の支持ステーをシングルチューブに固定し、左右のコ字形パイプ材を相互に嵌合する構成により、シートを支持するフレームであるシート支持チューブ及びこれに載置されるシートの耐荷重性を高めることができる。
【0009】
本発明の原動機付自転車は、時速20km/h以下の低速で走行すると共に、操作ハンドルが取り付けられるヘッドパイプから斜め下方に延設されるダウンチューブと、前記ダウンチューブの下端に設けられる曲がり部と、前記曲がり部から斜め上方に延設されるリアチューブとが車体フレームを構成するシングルフレームで形成され、前記シングルチューブが前記リアチューブで構成されることを特徴とする。
これによれば、ダウンチューブと、ダウンチューブの下端に設けられる曲がり部と、曲がり部から斜め上方に延設されるリアチューブとを車体フレームを構成するシングルフレームで形成することにより、低身長の人や高齢者のような運転者でも容易にシングルフレームを跨いで低速で走行する原動機付自転車に乗降することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、自転車の運転者が座るシートの前後方向と高さの設定位置の可変性を高めることができると共に、シートを支持するフレームの耐荷重性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による実施形態の自転車用フレーム構造を備える原動機付自転車の側面図。
図2】実施形態の自転車用フレーム構造におけるヘッドパイプ、ダウンチューブ、曲がり部及びリアチューブの側面図。
図3】(a)は実施形態の自転車用フレーム構造におけるヘッドパイプ、ダウンチューブ、曲がり部及びリアチューブの平面図、(b)は同図(a)のA-A拡大端面図。
図4】実施形態の変形例の自転車用フレーム構造におけるシート支持チューブの周辺を示す拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態の自転車用フレーム構造及び原動機付自転車〕
本発明による実施形態の自転車用フレーム構造を備える原動機付自転車1は、好適には時速20km/h以下の低速で走行する原動機付自転車1であり、その自転車用フレーム構造は、図1図3に示すように、ヘッドパイプ2と、ヘッドパイプ2から斜め下方に延設されたダウンチューブ3と、ダウンチューブ3の下端に設けられた曲がり部4と、曲がり部4から斜め上方に延設されたリアチューブ5を備え、車体フレームを構成するダウンチューブ3と曲がり部4とリアチューブ5は、平面視で一直線状に延びる略筒状のシングルフレームで形成されている。リアチューブ5は、運転者100の足が配置される付近から後方に向かって斜め上向きに延びるシングルチューブに相当する。本実施形態におけるダウンチューブ3と曲がり部4とリアチューブ5は、例えばステンレス、アルミニウム合金或いはアルミ・カーボン・スチール等の同一金属材の曲げパイプで形成されている。
【0013】
シングルフレームで構成されるダウンチューブ3と曲がり部4とリアチューブ5は、好適には時速20km/hの低速で走行する原動機付自転車1の自転車用フレーム構造として必要とされる所要強度を有する。また、車体フレームとして所要強度を確保する観点と運転者が停止時に地面に足を着けることをより容易にする観点から、ダウンチューブ3と曲がり部4の左右の横幅は好適には350mm~450mm、より好適には350mm~400mmで形成し、又、リアチューブ5の左右の横幅は好適には600mm~700mm、より好適には600mm~650mmで形成するとよい。
【0014】
ヘッドパイプ2の上側には筒状のハンドルポスト6が設けられ、嵌着或いは溶接等でヘッドパイプ2に固定されており、ハンドルポスト6の上端には平面視略U字形で筒状の操作ハンドル7が設けられている。即ち、ヘッドパイプ2には、ハンドルポスト6を介して操作ハンドル7が取り付けられている。操作ハンドル7の先端の握り部には、運転者100が原動機付自転車1の駆動、停止、減速、加速等を操作する操作部8が設けられている。ヘッドパイプ2の下側にはフロントフォーク9が設けられ、嵌着或いは溶接等でヘッドパイプ2に固定されており、フロントフォーク9の下端部に前車輪10が回転可能に軸支されている。
【0015】
曲がり部4の後側には筒状のリアステー11が設けられており、リアステー11は、溶接等で曲がり部4の後側に固定されていると共に、略水平で後方に延びるように設けられている。リアチューブ5の上寄りの位置には後方に向かって斜め下方に延びるシートステー12の上端が溶接等で固定され、シートステー12とリアステー11は側面視で略V字状に配置されている。シートステー12の後端部とリアステー11の下端部の交点部分には、後車輪13が回転可能に軸支されていると共に、後車輪13の駆動、停止、減速、加速等を制御して動作させるモーター装置14が設けられている。モーター装置14と、操作部8は、操作ハンドル7、ハンドルポスト6、ヘッドパイプ2、ダウンチューブ3、曲がり部4、リアステー11の内部を通して配線される接続線で接続されている(図示省略)。
【0016】
リアチューブ5のシートステー12の固定箇所よりも上寄りの位置には、略水平で後方に向かって僅かに斜め下方に傾斜するようにしてシート支持チューブ15が設けられている。シート支持チューブ15は、平面視で左側に位置する左コ字形パイプ材151と平面視で右側に位置する右コ字形パイプ材152とから構成され、後側に配置されている左コ字形パイプ材151の一端と右コ字形パイプ材152の一端とが同一高さでシングルチューブに相当するリアチューブ5の上端と下端の途中に溶接等で固定されている。そして、前側に配置されている左コ字形パイプ材151の他端と右コ字形パイプ材152の他端とが相互に嵌合されて、載置して固定されるシート17を支持する平面視略矩形のシート支持チューブ15が構成されている。尚、左コ字形パイプ材151の他端と右コ字形パイプ材152の他端のいずれを外嵌合するかは適宜である。
【0017】
左コ字形パイプ材151の他端と右コ字形パイプ材152の他端との嵌合代は、運転者100が原動機付自転車1に乗車した状態でシート支持チューブ15に所要の耐荷重性を確保できる範囲で適宜であるが、シート支持チューブ15の耐荷重性向上の観点からは、例えば図4の変形例のシート支持チューブ15のように、左コ字形パイプ材151の他端と右コ字形パイプ材152の他端との嵌合代Mを、シングルチューブに相当するリアチューブ5の最大幅W以上とすると好適である。例えばリアチューブ5の最大幅Wが90mmの場合、嵌合代Mを最大幅Wに相当する90mm以上とすると好適であり、より好適には嵌合代Mを180mm以上とするとよい。また、左コ字形パイプ材151の他端と右コ字形パイプ材152の他端とを相互に嵌合する構成において、外嵌合する方の他端の周縁を内嵌合される右コ字形パイプ材152又は左コ字形パイプ材151に周状に溶接すると、シート支持チューブ15の耐荷重性と設置の安定性をより高められてより好適である。この溶接する構造では、左コ字形パイプ材151と右コ字形パイプ材152との溶接の確実性向上と、溶接歪みの抑制の観点から、嵌合代Mを7mm以上とすると好適である。
【0018】
シート支持チューブ15の前端下側は側面視略く字状の左支持ステー161と右支持ステー162とで支持されている。下側に配置されている左支持ステー161の一端と右支持ステー162の一端は、シートステー12の固定箇所より下寄りのリアチューブ5の中間位置において、同一高さでリアチューブ5に溶接等で固定されている。上側に配置されている左支持ステー161の他端は左コ字形パイプ材151の下側に溶接等で固定され、上側に配置されている右支持ステー162の他端は右コ字形パイプ材152の下側に溶接等で固定されている。
【0019】
ここで、より確実に耐荷重性を向上する観点からは、左コ字形パイプ材151、右コ字形パイプ材152、筒形状とする場合の左支持ステー161、筒形状とする場合の右支持ステー162の板厚はそれぞれ1.5mm以上とし、左コ字形パイプ材151と右コ字形パイプ材152の嵌合箇所以外の外径をそれぞれ35mm以上とし、左コ字形パイプ材151の嵌合箇所と右コ字形パイプ材152の嵌合箇所の外嵌合する何れか一方の外径を35mm以上、内嵌合する他方の外径を32mm以上とし、左支持ステー161と右支持ステー162の外径をそれぞれ35mm以上とするとより好適である。
【0020】
本実施形形態では、リアチューブ5の水平に対する傾斜角度が好適には40°~50°、より好適には40°~45°となっており、このリアチューブ5の曲がり部4の最下端から好適には300mm~450mm、より好適には400mm~450mmの高さにシート支持チューブ15が設けられ、この高さに設置されたシート支持チューブ15に側面視略L字形のシート17が載置されている。
【0021】
そして、原動機付自転車1の車体フレーム構造における曲がり部4は、前車輪10の前輪軸101と後車輪13の後輪軸131とを結ぶ線分の中点Mを基準にして、中点Mの前側のホイールベースの20%の長さの範囲内から中点Mの後側のホイールベースの20%の長さの範囲内までの範囲に配置され、図2の曲がり部配置設定領域Rの範囲内に配置される。また、シート17の座面後端171から後述する足載せ部18の前後方向の長さの中央点までの距離Lは、好適には400mm~500mm、より好適には425mm~475mmとするとよい。
【0022】
曲がり部4には、局所的に左右に突出する足載せ部18が定置して設けられている。本実施形態では、曲がり部4に係止棒19が左右方向に突出して設けられ、図示例では一連の筒状の係止棒19が曲がり部4の貫通穴に挿通するようにして設けられている。係止棒19は曲がり部4の貫通穴の周縁に溶接等して固定され、曲がり部4からの左右の突出長さが一定となるように固定されており、この係止棒19に足載せ部18が取り付けられている。
【0023】
本実施形態における足載せ部18は、上側足載せ半体181と下側足載せ半体182とで構成されている。上側足載せ半体181には下側に点状に突出する係合突部1811が形成され、下側足載せ半体182には上側に点状に突出する係合突部1821が形成されている。また、係止棒19の上側には係止穴で構成される点状の上側係合部191が形成され、係止棒19の上側係合部191に対応する位置の下側には係止穴で構成される点状の下側係合部192が形成されている。
【0024】
上側足載せ半体181は係合突部1811を係止棒19の上側係合部191に係合して位置決めされ、下側足載せ半体182は係合突部1821を係止棒19の下側係合部192に係合して位置決めされ、上側足載せ半体181と下側足載せ半体182を合わせるようにして配置される。そして、上側足載せ半体181と下側足載せ半体182が着脱自在にボルト20でボルト締結されて足載せ部18が形成される。
【0025】
本実施形態によれば、左右のコ字形パイプ材151、152と左右の支持ステー161、162のシングルチューブに対する設置高さを調整して取り付けることにより、運転者100が座るシートの前後方向と高さの設定位置を変えることができる。従って、原動機付自転車1の運転者100が座るシート17の前後方向と高さの設定位置の可変性を高めることができ、例えば高齢者や身長の低い人など対象となる運転者100に応じてシート17の前後方向と高さの設定位置を容易に調整することができる。また、左右のコ字形パイプ材151、152と左右の支持ステー161、162をシングルチューブに固定し、左右のコ字形パイプ材151、152を相互に嵌合する構成により、シート17を支持するフレームであるシート支持チューブ15及びこれに載置されるシート17の耐荷重性を高めることができる。
【0026】
また、ダウンチューブ3と、ダウンチューブ3の下端に設けられる曲がり部4と、曲がり部4から斜め上方に延設されるリアチューブ5とを車体フレームを構成するシングルフレームで形成することにより、低身長の人や高齢者のような運転者100でも容易にシングルフレームを跨いで低速で走行する原動機付自転車1に乗降することができる。
【0027】
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記変形例や追記した内容も含まれる。
【0028】
例えば本発明の自転車用フレーム構造が適用される自転車は、上記実施形態の低速で走行する原動機付自転車1に限定されず、通常の原動機付自転車や原動機の無い自転車とすることが可能である。また、本発明におけるシート支持チューブ、シートの構成は上記実施形態のシート支持チューブ15、シート17に限定されず、本発明の趣旨の範囲内で適宜である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、例えば低速で走行する原動機付自転車に利用することができる。
【符号の説明】
【0030】
1…原動機付自転車 2…ヘッドパイプ 3…ダウンチューブ 4…曲がり部 5…リアチューブ 6…ハンドルポスト 7…操作ハンドル 8…操作部 9…フロントフォーク 10…前車輪 101…前輪軸 11…リアステー 12…シートステー 13…後車輪 131…後輪軸 14…モーター装置 15…シート支持チューブ 151…左コ字形パイプ材 152…右コ字形パイプ材 161…左支持ステー 162…右支持ステー 17…シート 171…シート座面後端 18…足載せ部 181…上側足載せ半体 1811…係合突部 182…下側足載せ半体 1821…係合突部 19…係止棒 191…上側係合部 192…下側係合部 20…ボルト 100…運転者 M…前輪軸と後輪軸とを結ぶ線分の中点 H…ホイールベース R…曲がり部配置設定領域 L…シートの座面後端から足載せ部の前後方向の長さの中央点までの距離 M…左コ字形パイプ材の他端と右コ字形パイプ材の他端との嵌合代 W…シングルチューブの最大幅
図1
図2
図3
図4